説明

光触媒体分散液

【課題】分散媒中に分散された光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸化タングステン粒子
が容易には凝集せず、固液分離することのない光触媒体分散液を提供する。
【解決手段】本発明の光触媒体分散液は、光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸化タング
ステン粒子が分散媒中に分散されてなり、光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸化タング
ステン粒子は、表面が共にプラスに帯電しているか、または表面が共にマイナスに帯電し
ていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒体分散液に関し、詳しくは光触媒体として光触媒酸化チタン粒子および
光触媒酸化タングステン粒子を含む光触媒体分散液に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体にバンドギャップ以上のエネルギーを持つ光を照射すると、価電子帯の電子が伝導
帯に励起され、価電子帯に正孔が、伝導帯に自由電子が、それぞれ生成する。かかる正孔
よび自由電子は、それぞれ強い酸化力と還元力を有することから、半導体に接触した分子
種に酸化還元作用を及ぼす。この酸化還元作用は光触媒作用と呼ばれており、かかる光触
媒作用を示し得る半導体は、光触媒体と呼ばれている。このような光触媒体として、光触
媒酸化チタン粒子、光触媒酸化タングステン粒子などの粒子状のものが知られている。
【0003】
かかる光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸化タングステン粒子を分散媒中に分散させた
光触媒体分散液も知られている〔特許文献1:特開2005−231935号公報〕。こ
の光触媒体分散液を基材の表面に塗布することにより、基材表面に、光触媒酸化チタン粒
子および光触媒酸化タングステン粒子を含み、光触媒作用を示す光触媒体層を容易に形成
することができる。
【0004】
しかし、光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸化タングステン粒子を分散媒中に分散させ
た従来の光触媒体分散液は、粒子が互いに凝集して固液分離し易いという問題があった。
【0005】
【特許文献1】特開2005−231935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明者らは、分散媒中に分散された光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸化タン
グステン粒子が容易には凝集せず、固液分離することのない光触媒体分散液を開発するべ
く鋭意検討した結果、従来の光触媒酸化チタン粒子は表面がプラスに、光触媒酸化タング
ステン粒子は表面がマイナスにそれぞれ帯電しているために分散媒中で容易に凝集するこ
と、光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸化タングステン粒子の表面を互いに同じ極性、
すなわち共にプラスに帯電させるか、共にマイナスに帯電させることにより、凝集が抑制
されて、固液分離しなくなることを見出し、本発明に至った。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明は、光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸化タングステン粒子が分散媒中
に分散されてなり、光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸化タングステン粒子は、表面が
互いに同じ極性に帯電していることを特徴とする光触媒体分散液提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の光触媒体分散液は、分散媒中に分散された光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸
化タングステン粒子の表面が互いに同じ極性に帯電しているので、互いに凝集することが
なく、このため固液分離することがない。また、光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸化
タングステン粒子を互いに凝集させることなく基材に塗布することができるので、本発明
の光触媒体分散液を塗布することにより形成される光触媒体塗布膜は、高い光触媒活性を
示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
〔光触媒体酸化チタン粒子〕
本発明の光触媒体分散液を構成する光触媒酸化チタン粒子とは、光触媒作用を示し粒子状
の酸化チタンであって、例えばメタチタン酸粒子、結晶型がアナターゼ型、ブルッカイト
型、ルチル型などである二酸化チタン〔TiO2〕粒子などが挙げられる。
【0010】
メタチタン酸粒子は、例えば以下の方法1により得ることができる。
方法1:硫酸チタニルの水溶液を加熱することにより加水分解する方法
【0011】
二酸化チタン粒子は、例えば以下の方法2−1〜方法2−3のいずれかの方法により得る
ことができる。
方法2−1:硫酸チタニルまたは塩化チタンの水溶液を加熱することなく、これに塩基を
加えることにより沈殿物を得、得られた沈殿物を焼成する方法
方法2−2:チタンアルコキシドに水、酸の水溶液または塩基の水溶液を加えて沈殿物を
得、得られた沈殿物を焼成する方法
方法2−3:メタチタン酸を焼成する方法
これらの方法2−1〜方法2−3により得られる二酸化チタン粒子は、焼成する際の焼成
温度、焼成時間により、アナターゼ型、ブルッカイト型またはルチル型のものとして得る
ことができる。
【0012】
光触媒酸化チタン粒子の粒子径は、平均分散粒子径で、光触媒作用の点で、通常20nm
〜150nm、好ましくは40nm〜100nmである。
【0013】
光触媒酸化チタン粒子のBET比表面積は、光触媒作用の点で、通常100m2/g〜5
00m2/g、好ましくは300m2/g〜400m2/gである。
【0014】
〔光触媒体酸化タングステン粒子〕
光触媒酸化タングステン粒子とは、光触媒作用を示し、粒子状の酸化タングステンであっ
て、通常は三酸化タングステン〔WO3〕粒子が挙げられる。三酸化タングステン粒子は
、例えばタングステン酸塩の水溶液に酸を加えることにより、沈殿物としてタングステン
酸を得、得られたタングステン酸を焼成する方法により得ることができる。また、メタタ
ングステン酸アンモニウム、パラタングステン酸アンモニウムを加熱することにより熱分
解する方法により得ることもできる。
【0015】
光触媒酸化タングステン粒子の粒子径は、平均分散粒子径で、光触媒作用の点で、通常5
0nm〜200nm、好ましくは80nm〜130nmである。
【0016】
光触媒酸化タングステン粒子のBET比表面積は、、光触媒作用の点で、通常5m2/g
〜100m2/g、好ましくは20m2/g〜50m2/gである。
【0017】
光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との使用量比は、質量比で通常4:
1〜1:8、好ましくは2:3〜3:2である。
【0018】
〔分散媒〕
分散媒としては通常、水を主成分とする水性媒体、具体的には水の使用量が50質量%以
上で含むものが用いられ、水を単独で用いてもよいし、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒
であってもよい。水溶性有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノールなどの水溶性アルコール溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げ
られる。
【0019】
分散媒の使用量は、光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸化タングステン粒子の合計量に
対して通常5質量倍〜200質量倍、好ましくは10質量倍〜100質量倍である。分散
媒の使用量が5質量倍未満では、光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸化タングステン粒
子が沈降し易くなり、200質量倍を超えると容積効率の点で不利である。
【0020】
〔光触媒体分散液〕
本発明の光触媒体分散液の水素イオン濃度は通常pH0.5〜pH8.0、好ましくはp
H1.0〜pH7.0である。水素イオン濃度がpH0.5未満では酸性が強すぎて取扱
いが面倒であり、pH8.0を越えると光触媒酸化タングステン粒子が溶解するおそれが
ある。光触媒体分散液の水素イオン濃度は通常、酸を加えることにより調整できる。酸と
しては、例えば硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸、蓚酸などが使用できる。
【0021】
〔表面の帯電〕
本発明の光触媒体分散液において、光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸化タングステン
粒子は、表面が互いに同じ極性に帯電しており、具体的には共にプラスに帯電しているか
、または表面が共にマイナスに帯電している。
【0022】
上記の方法1により得たメタチタン酸粒子や、上記の方法2−1〜方法2−3により得た
二酸化チタン粒子は通常、その表面がプラスに帯電している。
【0023】
これに対して、タングステン酸塩の水溶液に酸を加えることにより沈殿物としてタングス
テン酸を得、得られたタングステン酸を焼成する方法により得た酸化タングステン粒子や
、メタタングステン酸アンモニウム、パラタングステン酸アンモニウムなどを加熱するこ
とにより熱分解して得られた酸化タングステン粒子は、その表面がマイナスに帯電してい
る。
【0024】
このため、表面がプラスに帯電している上記の光触媒酸化チタン粒子と、表面がマイナス
に帯電した上記の光触媒酸化タングステン粒子とを用いる場合は、例えば光触媒酸化チタ
ン粒子の表面をマイナスに帯電させて、本発明の光触媒体分散液に用いればよい。
【0025】
表面がプラスに帯電した光触媒酸化チタン粒子の表面をマイナスに帯電させるには、該光
触媒酸化チタン粒子の表面をマイナスに帯電させうる表面処理剤が分散媒に溶解された溶
液中に分散させればよい。かかる表面処理剤としては、例えばジカルボン酸、トリカルボ
ン酸などのような多価カルボン酸、リン酸などが挙げられる。ジカルボン酸としては、例
えば蓚酸などが、トリカルボン酸としては、例えばクエン酸などが挙げられる。多価カル
ボン酸およびリン酸として遊離酸を用いてもよいし塩を用いてもよい。塩としては、例え
ばアンモニウム塩などが挙げられる。かかる表面処理剤として、好ましくは蓚酸、蓚酸ア
ンモニウムなどが挙げられる。
【0026】
上記表面処理剤の使用量は、TiO2換算の光触媒酸化チタン粒子に対して、表面を十分
に帯電させ得る点で、通常0.001モル倍以上、好ましくは0.02モル倍以上であり
、経済性の点で、通常0.5モル倍以下、好ましくは0.3モル倍以下である。
【0027】
上記表面処理剤が分散媒に溶解された溶液中に、表面がプラスに帯電している光触媒酸化
チタン粒子を分散させることにより、表面処理溶液に溶解した表面処理剤が光触媒酸化チ
タン粒子の表面に吸着し、これにより、表面をマイナスに帯電させることができる。
【0028】
光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸化タングステン粒子の表面の帯電は、それぞれを溶
媒中に分散させてたときのゼータ電位により測定することができる。ゼータ電位の測定に
用いられる溶媒としては、塩酸を加えて水素イオン濃度をpH3.0とした塩化ナトリウ
ム水溶液〔塩化ナトリウム濃度0.01モル/L〕が用いられる。溶媒の使用量は、光触
媒酸化チタン粒子または酸化タングステン粒子に対して通常10000質量倍〜1000
000質量倍である。
【0029】
〔光触媒体分散液の製造〕
表面がプラスに帯電している光触媒酸化チタン粒子を、上記表面処理剤が分散媒に溶解さ
れた溶液中に分散させたのち、表面がマイナスに帯電している光触媒酸化タングステン粒
子と混合することにより、本発明の光触媒体分散液を得ることができる。
【0030】
表面がプラスに帯電した光触媒酸化チタン粒子は、上記溶液中に分散させたのち、さらに
分散処理を施してから、表面がマイナスに帯電している光触媒酸化タングステン粒子と混
合してもよい。分散処理は、例えば媒体撹拌式分散機を用いる通常の方法により行うこと
ができる。
【0031】
光触媒酸化タングステン粒子は、そのまま混合されてもよいが、通常は分散媒中に分散さ
せた状態で混合され、好ましくはさらに分散処理を施してから、混合される。分散処理は
、例えば媒体撹拌式分散機を用いる通常の方法により行うことができる。
【0032】
〔電子吸引性物質またはその前駆体〕
本発明の光触媒体分散液は、光触媒体の表面に担持されることにより電子吸引性を発揮し
うる電子吸引性物質またはその前駆体を含んでいてもよい。電子吸引性物質が光触媒体の
表面に担持されることにより、光の照射により伝導帯に励起された電子と価電子帯に生成
した正孔との再結合が抑制され、光触媒作用をより高めることができる。
【0033】
かかる電子吸引性物質としては、例えばCu、Pt、Au、Pd、Ag、Fe、Nb、Ru、Ir、Rh、Coなどの金属、好ましくはCu、Pt、Au、Pdなどが挙げられる。また、これらの金属の酸化物および水酸化物も挙げられる。
【0034】
電子吸引性物質の前駆体とは、光触媒体の表面で電子吸引性物質に遷移しうる化合物であ
る。かかる前駆体としては、例えば上記金属の硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、有機酸塩
、炭酸塩、りん酸塩などが挙げられ、具体的には、例えばCuの前駆体としては、硝酸銅
(Cu(NO3)2)、硫酸銅(Cu(SO4)2)、塩化銅(CuCl2、CuCl)、臭化銅
(CuBr2,CuBr)、沃化銅(CuI)、沃素酸銅(CuI26)、塩化アンモニ
ウム銅(Cu(NH4)2Cl4)、オキシ塩化銅(Cu2Cl(OH)3)、酢酸銅(CH3CO
OCu、(CH3COO)2Cu)、蟻酸銅((HCOO)2Cu)、炭酸銅(CuCO3)、蓚
酸銅(CuC24)、クエン酸銅(Cu2647)、リン酸銅(CuPO4)などが挙
げられる。Ptの前駆体としては、塩化白金(PtCl2、PtCl4)、臭化白金(Pt
Br2、PtBr4)、沃化白金(PtI2、PtI4)、塩化白金カリウム(K2(PtCl
4))、ヘキサクロロ白金酸(H2PtCl6)、亜硫酸白金(H3Pt(SO3)2OH)、酸
化白金(PtO2)、塩化テトラアンミン白金(Pt(NH3)4Cl2)、炭酸水素テトラア
ンミン白金(C21446Pt)、テトラアンミン白金リン酸水素(Pt(NH3)4HP
4)、水酸化テトラアンミン白金(Pt(NH3)4(OH)2)、硝酸テトラアンミン白金(
Pt(NO3)2(NH3)4)、テトラアンミン白金テトラクロロ白金((Pt(NH3)4)(Pt
Cl4))なども挙げられる。Auの前駆体としては、塩化金(AuCl)、臭化金(Au
Br)、沃化金(AuI)、水酸化金(Au(OH)2)、テトラクロロ金酸(HAuCl4
)、テトラクロロ金酸カリウム(KAuCl4)、テトラブロモ金酸カリウム(KAuB
4)、酸化金(Au23)などが挙げられる。また、Pdの前駆体としては、酢酸パラ
ジウム((CH3COO)2Pd)、塩化パラジウム(PdCl2)、臭化パラジウム(Pd
Br2)、沃化パラジウム(PdI2)、水酸化パラジウム(Pd(OH)2)、硝酸パラジ
ウム(Pd(NO3)2)、酸化パラジウム(PdO)、硫酸パラジウム(PdSO4)、テ
トラクロロパラジウム酸カリウム(K2(PdCl4))、テトラブロモパラジウム酸カリウ
ム(K2(PdBr4))などがあげられる。
【0035】
これらの電子吸引性物質やその前駆体はそれぞれ単独で、または2種以上を組合せて用い
られる。
【0036】
かかる電子吸引性物質またはその前駆体を用いる場合、その使用量は、金属原子換算で、
光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸化タングステン粒子の合計量100質量部に対して
通常0.005質量部〜0.6質量部、好ましくは0.01質量部〜0.4質量部である
。使用量が0.005質量部未満では、電子吸引性物質の使用による光触媒活性の向上が
十分ではなく、0.6質量部を越えると、却って光触媒作用が不十分なものとなり易い。
【0037】
かかる電子吸引性物質またはその前駆体を含む光触媒体分散液は、例えば上記と同様にし
て光触媒酸化チタン分散液と光触媒酸化タングステン分散液とを混合したのち、電子吸引
性物質またはその前駆体を加える方法により得ることができる。また前駆体を加えた場合
にはその後、光照射を行おこなってもよい。照射される光としては、可視光線でもよいし
紫外線でもよい。光照射を行うことにより、前駆体を電子吸引性物質に変換することがで
きる。光触媒体の光励起可能な波長の光を照射した場合、光励起によって生成した電子に
よって前駆体が還元され、電子吸引性物質として光触媒体粒子表面に担持される。
【0038】
〔添加剤〕
本発明の光触媒体分散液は、光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸化タングステン粒子の
表面の帯電を変更しない範囲で、添加剤を含んでいてもよい。
【0039】
添加剤としては、例えば光触媒作用を向上させる目的で添加されるものが挙げられ、具体
的には非晶質シリカ、シリカゾル、水ガラス、オルガノポリシロキサンなどの珪素化合物
、非晶質アルミナ、アルミナゾル、水酸化アルミニウムなどのアルミニウム化合物、ゼオ
ライト、カオリナイトのようなアルミノ珪酸塩、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸
化ストロンチウム、酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化スト
ロンチウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属酸化物またはアルカリ度類金属水酸
化物、リン酸カルシウム、モレキュラーシーブ、活性炭、有機ポリシロキサン化合物の重
縮合物、リン酸塩、フッ素系ポリマー、シリコン系ポリマー、アクリル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。これらの添加剤
はそれぞれ単独で、または2種以上を組合せて用いられる。
【0040】
また、光触媒体分散液を基材表面に塗布した場合の光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸
化タングステン粒子を、より強固に基材の表面に保持するためのバインダーなども挙げら
れる〔特許文献2:特開平8−67835号公報、特許文献3:特開平9−25437号
公報、特許文献4:特開平10−183061号公報、特許文献5:特開平10−183
062号公報、特許文献6:特開平10−168349号公報、特許文献7:特開平10
−225658号公報、特許文献8:特開平11−1620号公報、特許文献9:特開平
11−1661号公報、特許文献10:特開2004−059686号公報、特許文献1
1:特開2004−107381号公報、特許文献12:特開2004−256590号
公報、特許文献13:特開2004−359902号公報、特許文献14:特開2005
−113028号公報、特許文献15:特開2005−230661号公報、特許文献1
6:特開2007−161824号公報〕。
【0041】
かかる添加剤を含む光触媒体分散液は、例えば光触媒酸化チタン分散液と光触媒酸化タン
グステン分散液とを混合して得られた光触媒体分散液に、添加剤を加える方法により得る
ことができる。
【0042】
〔光触媒体層の形成〕
本発明の光触媒体分散液を基材の表面に塗布し、分散媒を揮発させることにより、基材表
面に、光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸化タングステン粒子を含み、光触媒作用を示
す光触媒体層が形成された光触媒機能製品を製造することができる。
【0043】
光触媒体分散液が、電子吸引性物質またはその前駆体を含む場合、電子吸引性物質または
その前駆体は、光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸化タングステン粒子の表面に担持さ
れ、前駆体を用いた場合には、担持された前駆体は、担持されたのち、電子吸引性物質に
遷移する。
【0044】
この光触媒機能製品は、通常、その表面に光触媒体を実用に耐えうる強度で保持している
ものである。ここで用いられる光触媒体には、粒子、繊維、薄片など各種形状のものが適
用でき、その大きさは用途、表面性状に応じて適宜選択すればよい。また、光触媒体を、
光触媒機能製品の表面に膜とする場合、その膜厚も数100nm〜数mmまで適宜選択し
て形成すればよい。光触媒体は、プラスチック、金属、セラミックス、木材、コンクリー
ト、紙のような材料からなる光触媒機能製品の内表面および外表面のうち、可視光線が照
射される面であって、かつ悪臭物質が発生する箇所と連続または断続して空間的につなが
る面に保持されていることが好ましい。
【0045】
〔光触媒機能製品〕
光触媒機能製品の例としては、次のようなものを挙げることができる。
【0046】
衣類(下着、寝衣、洋服、和服、エプロン)、服飾品(靴下、帽子、ネクタイ、ハンカチ
、帯)、身の回り品(傘、つえ、扇子、うちわ、装身具、眼鏡、かつら)、かばん、携帯
用袋物、靴、喫煙用具(喫煙用パイプ、喫煙用パイプ立て、喫煙用パイプ掃除具、きせる
、たばこ入れ、灰皿、ライター、卓上ライター、時計付きライター、マッチ箱、ガス点火
器)、化粧・理容用具(コンパクト、香水入れ、香水用スプレー、懐中鏡、手鏡、ひげそ
り用ブラシ、化粧用ブラシ、くし、ヘアーブラシ、つめ切り、ヘアーカーラー、ヘアーア
イロン、ヘアードライヤー、マニキュア用ナイフ、マニキュア用皮押し、マニキュア用や
すり、バリカン、電気バリカン、西洋かみそり、日本かみそり、安全かみそり、安全かみ
そり用替え刃、軽便かみそり、電気かみそり、理容用いす、ボタン、ファスナー)、床敷
物(じゅうたん、畳表、畳べり地、花むしろ、クッション、クッションカバー、座布団、
座布団カバー、バスマット、靴ぬぐいマット、電気カーペット)、寝具(布団、布団カバ
ー、毛布、敷布、まくら、まくらカバー、寝袋、マットレス)、カーテン、ベネチアンブ
ラインド、ベネチアンブラインド用スラット、ベネチアンブラインド用ボトムレール、ベ
ネチアンブラインド用ラダーテープ、すだれ、のれん、玉のれん、テーブル掛け、ネプキ
ン、テーブルセンター、ランチョンマット、室内装飾品(花器、置物、額縁、柱掛け、壁
掛け、額皿、造花)、壁紙、消臭剤、
【0047】
洗濯・清掃用具(たらい、洗濯板、電機洗濯機、衣類乾燥機付き電気洗濯機、電機洗濯機
用排水ホース、物干し竿、物干し竿支持具、物干し竿支柱、物干し器、洗濯ひも、洗濯ば
さみ、衣類乾燥機、布団乾燥機、アイロン、アイロン置台、アイロンかけ用板、スボンプ
レッサー、洗濯物仕上機、ほうき、清掃用ブラシ、服ブラシ、ちり取り、はたき、ぞうき
ん、モップ、手動掃除機、ごみ箱、電気掃除機、電気床磨き機、電気床磨き機用ブラシ、
電気靴磨き機)、家庭用保健衛生用品(歯ブラシ、歯ブラシ入れ、歯ブラシ差し、電機歯
ブラシ、電機歯ブラシ用ブラシ、毛抜き、耳かき、あかすり、入浴用ブラシ、石鹸箱、洗
面器、手ぬぐい、タオル、点眼器、洗眼器、電気蚊取り器、防虫剤用容器、防臭剤用容器
)、調理用・飲食用容器(洗いおけ、水切りかご、米とぎ器、調理用漬物器、かま、炊飯
器、電子ジャー、なべ、卵ゆで器、なべぶた、なべぶた用つまみ、なべ用落しぶた、なべ
用柄、湯沸し、電機ポット、酒かん器、蒸し器、せいろう、フライパン、卵焼き器、コー
ヒー沸し器、焼網、焼板)、調理用器具(こんろ、レンジ、電子レンジ、天火、トースタ
ー、オーブントースター、ロースター、電磁誘導加熱調理器、皮むき器、果物しん抜き器
、おろし器、家庭用肉ひき器、スライサー、氷削り器、削り節器、ジューサーミキサー、
ジューサー、レモン絞り器、フードミキサー、ハンドミキサー、泡立て器、カクテルシェ
ーカー、アイスクリーマー、コーピーミル、薬味粉砕機、ごますり器、アイスピック、く
るみ割り、家庭用製めん器、もちつき器、調理用こし器、茶こし、ドリッパー、調理用押
しつぶし器、缶切、栓抜、すし成形器、菓子用成形器、製氷皿、包丁用柄、調理用はさみ
、チーズ切り、卵切り、食器洗浄器、食器乾燥器、熱蔵庫、冷蔵庫、冷凍庫、製氷機、ウ
ォータークーラー、飲料用ディスペンサー、計量米びつ、家庭用浄水器、コップ掛け、皿
立て、包丁掛け、コップ保持器、徳利用はかま、酒器用受け台、盆、ぜん、茶たく、コッ
プ受け、なべ敷き、皿敷き、コップ保温カバー、トースター用カバー、ナプキン立て、ナ
プキンリング、カスタースタンド、はし箱、はし置き、はし立て、つまようじ立て)、
【0048】
慶弔用品(神棚、さい銭箱、おみくじ用箱、神像、仏壇、天がい用飾り具、仏像、数珠、
経机、仏事用鈴、祭壇、墓石、墓標、棺、葬祭用花瓶、葬祭用香炉、葬祭用照明器具、葬
祭用しょく台、三方、護符、守り袋、みこし、祝儀袋、不祝儀袋、のし、水引、クリスマ
スツリー、クリスマスツリー用つり飾り、クリスマス用モール)、生活用品(裁縫用へら
、ちゃこ、裁縫用糸巻き、縫い針、針刺し、裁縫箱、指抜き、編み棒、宝石箱、指輪ケー
ス、家庭用噴霧器、家庭用噴霧器のノズル)、家具(ベッド、ハンモック、いす、ベンチ
、ソファーベッド、座いす、いすカバー、腰掛け、縁台、いす用脚、幼児用歩行器、机、
いす付き机、書見台、座卓、テーブル、テーブル脚、カウンター、テレビ台、植木鉢台、
サービスワゴン、たんす、飾り棚、隅棚、本棚、サイドボード、食器棚、整理棚、つり戸
棚、げた箱、衣類整理箱、乱れ箱、日用品キャビネット、金庫、手提金庫、金庫用ダイヤ
ル錠、ロッカー、脱衣かご、鏡台、姿見、壁掛け鏡、卓上立て鏡、ついたて、びょうぶ、
帽子掛け台、家具用ちょうつがい、家具用錠、家具用引手、家具用取手、家具用つまみ、
家具用棚受け、家具用棚板、家具用飾り金具、家具用戸当り)、室内小型整理箱(衣類掛
け、衣類用ハンガー、スカートハンガー、ネクタイハンガー、タオル掛け、ふきん掛け、
ハンガーボード用フック、マガジンラック、新聞架、傘立て、スリッパ立て、床下収納庫
)、
【0049】
照明器具(白熱電球、装飾用白熱電球、シールドビーム電球、赤外線電球、ハロゲン電球
、蛍光ランプ、グロースターター、ナトリウムランプ、キセノンランプ、天井灯、天井灯
用笠、シャンデリア、シャンデリヤつり飾り、天井つり下げ灯、天井つり下げ灯用笠、天
井灯用つり具、天井じか付け灯、天井じか付け灯用笠、天井埋込み灯、天井灯用ルーバー
、天井灯用透光性カバー、壁灯、壁灯用笠、壁取付け灯、壁じか付け灯、壁じか付け用笠
、電気スタンド、フロアスタンド、電気スタンド用笠、街路灯、街路灯用ポール、街路灯
用グローブ、庭園灯、門灯、懐中電灯、懐中電灯用ケース、ポケットライト、手提電灯、
オイルランプ、ちょうちん、しょく台、灯ろう、石灯ろう、殺菌灯、投光器、スポットラ
イト)、
【0050】
暖冷房機器(電気ストーブ、石炭ストーブ、ガスストーブ、石油ストーブ、ストーブ用燃
焼筒、ストーブ用ガード、温風暖房機、パネルヒーター、エアーコンディショナー、ルー
ムクーラー、エアーコンディショナー用室外機、太陽熱利用温水器、太陽熱温水器用給水
タンク、火鉢、暖炉、炭かご、電気こたつ、電気コタツ用ヒーター、足温器、湯たんぽ、
懐炉、あんか、扇風機、天井扇風機、換気扇、換気扇用フィルター、換気扇用フード、レ
ンジフード、除湿機、加湿器、エアークリーナー)、
【0051】
厨房・衛生設備用品(調理台、流し台、流し台用流し、流し台用ごみ入れ、流し台用すの
こ、たわし入れ、ディスポーザー、こんろ台、水切り棚、取付け湯沸し器、取付け湯沸し
器用熱交換器、ふろがま、ふろがま用排気筒、ふろがま用熱交換器、浴槽、乳児用浴槽、
洗い場付き浴槽、浴槽用ふた、浴槽用エプロン、シャワーヘッド、浴室用洗い場、浴室用
すのこ、浴室用マット、石けん入れ、取付け用洗面器、取付け用手洗い器、洗面化粧台、
洗面台用排水栓、前流し台、洗濯流し、水飲み台、取付け用便器、便座、便座カバー、取
付け用小便器、ビデ、便槽、浄化槽、水洗便所用水槽)、牛乳受け箱、郵便受け箱、郵便
受け口金具、新聞受け箱、はしご、はしご用踏み桟、踏み台、脚立、おもちゃ(人形、船
おもちゃ、車両おもちゃ、航空機おもちゃ、知育おもちゃ、鳴りものおもちゃ、びっくり
箱、おしゃぶり、おもちゃ花火、風船玉、風車おもちゃ)、遊戯娯楽用品(木馬、ジャン
グルジム、ぶらんこ、シーソー、滑り台、子供用三輪車、子供用自動車、三輪スケート、
なわ跳び具、竹馬、羽子板、追羽板、こま、竹とんぼ、剣玉、たこ、まり、ビーチボール
、遊戯用浮袋、輪投げ、ヨーヨー、パチンコゲーム機、スロットマシンゲーム機、玉突き
台、碁盤、将棋盤、将棋用こま、すごろく、野球ゲーム器、マージャン卓、トランプ、組
木、組立て遊戯具、知恵の輪、積み木、はめ込み遊戯具、切抜き紙、折り紙、塗り紙)、
【0052】
運動競技用品(野球ボール、野球グローブ、野球ミット、野球マスク、野球バット、テニ
スラケット、テニスラケットフレーム、ピンポンラケット、ピンポン台、シャトルコック
、バトミントンラケット、バトミントンラケットフレーム、ゴルフクラブ、ゴルフクラブ
用シャフト、ゴルフクラブ用ヘッド、ゴルフクラブ用ヘッドカバー、ゴルフクラブ用バッ
グ、ゴルフティー、スキー、スキーストック、スキーストック用リング、スキー締め具、
スキーケース、ローラースケート、運動競技用そり、水上スキー、サーフボード、潜水用
レギュレーター、潜水用シュノーケル、潜水用ひれ、洋弓、矢、竹刀、剣道用胴、剣道用
こて、体操用鉄棒、ピッケル、ハーケン、バーベル、エクスパンダー、猟銃、空気銃)、
楽器(けん盤楽器、管楽器、弦楽器、打楽器、ミュージックシンセサイザー、オルゴール
、リズム発生器、メトロノーム、調子笛、譜面台)、趣味娯楽用品(鳥かご、虫かご、犬
小屋、首輪、鑑賞魚用水槽)、書道用具(文鎮、すずり、すずり箱、画板、絵の具箱、彫
刻刃、粘土細工用へら、地図、地球儀、星座図)、
【0053】
文具(万年筆、シャープペンシル、ボールペン、ボールペン付きシャープペンシル、鉛筆
、毛筆、画筆、マーキングペン、筆記具キャップ、筆記具クリップ、白墨ホルダー、イン
クスタンド、電動鉛筆削り器、消しゴム、下敷き、スタンプ、回転印判、スタンプ台、そ
ろばん、製図板、製図台、透写台、製図機、コンパス、デバイダー、分度器、テンプレー
ト、三角定規、雲形定規、郵便用封かん機、郵便開封機、ペーパーシュレッダー、ステー
プラー、電動ステープラー、事務用パンチ、事務用電動パンチ、ペーパーカッター、はと
目打ち、ペーパーナイフ、事務用クリップ、事務用ピン、画びょう、千枚通し、接着テー
プホルダー、ファイリングキャビネット、本立て、ブックエンド、筆入れ、文箱、状差し
、ペン皿、ペン立て、印判入れ、印箱、電話早見表、卓上カレンダー、黒板、黒板ふき)

【0054】
事務用紙製品(伝票、封筒、磁気カード、方眼紙、便せん、アルバム用台紙、スライドフ
ィルム用台紙、荷札、名刺台紙、グリーティングカード、はがき、絵はがき、クリスマス
カード、バースデーカード、カーボン紙、手形、小切手、名刺ホルダー、スクラップブッ
ク、手帳、日記帳、伝票つづり、ファイル、ファイル用金具、バインダー、バインダー用
金具、ハンキングフォルダー、用せんばさみ、ノート、スケッチブック、便せんつづり、
アルバム、ネガカバー、小切手帳、ブックカバー、書籍、パンフレット、カレンダー、カ
タログ、ポスター、ちらし、しおり、クーポン、切符、下足札、表札、ネームプレート、
プライスカード)包装用品(包装用缶、包装用瓶、包装用箱、包装用たる、包装用かご、
包装用押し出しチューブ、包装用皿、包装用アンプル、包装用噴霧器、包装用袋、俵、包
装用容器、包装用容器の替え栓、包装用容器のふた、王冠、包装用枠、包装紙、レッテル
、包装用のしおり、包装用すだれ、掛け紙、包装用台紙)、広告用具(広告器、広告板、
掲示板、広告灯、アドバルーン、道路標識、電光表示盤、スコアボード、旗、三角旗、旗
のぼり、旗ざお、商品陳列ケース、商品陳列棚、商品陳列台、冷蔵庫ショーケース、マネ
キン人形)、運搬機械器具(クレーン、ベルトコンベヤー、スクリューコンベヤー、コン
ベアチェーン、ウィンチ、ホイスト、チェーンブロック、エレベーター、エスカレーター
、ジャッキ、コンテナー、輸送用パレット、輸送用ボンベ、滑車、運搬機械用レール)、
【0055】
車両(機関車、旅客車、トロッコ、鉄道車両用いす、乗用自動車、バス、トラック、ダン
プトラック、トラック用荷台、トラック用あおり板、トラクター、トレーラー、消防自動
車、塵芥車、クレーン車、雪上自動車、フォークリフトトラック、自動車用前照灯、自動
車用尾灯、自動車用ステアリングホイール、自動車用コンソール、自動車用シフトレバー
、自動車用リム、自動車用車輪、自動車用ハブキャップ、自動車用ホイールキャップ、自
動車用マフラー、自動車用バンパー、自動車用インストルメントパネル、自動車用錠、自
動車用ウィンドウワイパー、自動車用警報器、自動車用ヒーター、自動車用クーラー、自
動車用サイドミラー、自動車用バックミラー、自動車用シート、自動車用ラジエーターグ
リル、タイヤチェーン、自動車用泥よけ、自動車用サイドバイザー、自動車用サンバイザ
ー、自動車用ルーフキャリヤー、オートバイ、モータースクーター、三輪自動車、自動二
輪車用前照灯、自動二輪車用尾灯、自動二輪車用ショクアブソーバー、自動二輪車用燃料
タンク、自動二輪車用マフラー、自動二輪車用バックミラー、自動二輪車用サドル、自動
二輪車用風防、自転車、自転車フレーム、自転車用泥よけ、自転車用ハンドル、自転車用
ブレーキレバー、自転車用キャリパーブレーキ、自転車用ペダル、自転車用サドル、自転
車用サドルカバー、自転車用警報器、自転車用前照灯、自転車用尾灯、自転車用キャリヤ
ー、自転車用スタンド、自転車用錠、自転車用前ホーク、自転車用雨よけ具、リヤカー、
荷車、乳母車、リニアモーターカー)、船舶(客船、貨物船、モーターボート、ヨット、
ヨット用マスト、オールボート、カヌー、漁船、船外機、飛行機、飛行船)、
【0056】
電気素子(乾電池、蓄電池、太陽電池、コンセント、テーブルタップ、差し込みプラグ、
パイロットランプ用ソケット、電子管用ソケット、印刷配線用コネクター、高周波用同軸
コネクター、ジャック、プラグ、圧着端子、接触子、接地棒、端子盤、端子板、電気機器
用つまみ)、配電(配電機械器具、制御機械器具、電気ケーブル、電線据付け具、回転電
気機械)、通信機械器具(電話機、公衆電話機、携帯電話機、電話交換機、インターホン
、電信機、テレプリンター、ファクシミリ、写真電送機、通信中継交換機、無線通信機、
アンテナ、パラボラアンテナ、ラジオ受信機、ラジオ用チューナー、テープレコーダー、
グラフィックイコライザー、イヤホン、ヘッドホン、マイクロホン、マイクロホンスタン
ド、スピーカー、スピーカーボックス、テレビ受像機、ビデオテープレコーダー、ビデオ
ディスクプレーヤー、テレビカメラ、ビデオテープレコーダー付きテレビカメラ、テレビ
カメラ用ビューファインダー、カセットテープ、ビデオテープ、レコード、コンパクトデ
ィスク、ビデオディスク、光磁気ディスク、デジタルテープ、デジタルバーサタイルディ
スク)、電子計算機、電子応用機械器具、
【0057】
計量器(巻き尺、ノギス、ハイトゲージ、マイクロメーター、ダイヤルゲージ、ブロック
ゲージ、はかり、ヘルスメーター、温度計、体温計)、時計(腕時計、時計バンド、懐中
時計、ストップウォッチ、置時計、掛け時計)、光学器械器具(望遠鏡、双眼鏡、顕微鏡
、拡大鏡、カメラ、オーバーヘッドプロジェクター)、事務用機械器具(卓上電子計算機
、複写機、マイクロフィルム用リーダー、マイクロフィルム用リーダープリンター)、自
動販売機(飲料自動販売機、冷凍食品自動販売機、たばこ自動販売機、乗車券自動販売機
、切手自動販売機、自動販売機用貨幣計数機、両替機、現金自動支払機、自動改札機)、
保安機械器具(防じんマスク、防護面、ヘルメット、救命浮袋、救命胴衣、消火栓、火災
用感知器、回転警告灯、交通信号機、道路用反射器、道路用反射鏡、発煙筒、オイルフェ
ンス)、医療用機械器具(診療施設用機械器具、理学診療用機械、医療用鋼製器具、診断
用機械器具、手術用機械器具、処置用機械器具、歯科用機械器具、機能回復用器具)、利
器・工具(手持ち刃物、手持ち作業工具、携帯用動力工具、機械工具)、漁業用機械器具
(漁具、釣具)、農業用機械器具(農業用整地機具、栽培管理用機具、収穫調整用機具、
わら打ち機)、畜産用機械器具(飼料粉砕機、畜産用自動給餌機、畜産用自動給水機、搾
乳機)、鉱山機械、建設機械、化工用機械器具(破砕機、摩砕機、選別機)、
【0058】
土木構造物(アスファルト道路、コンクリート道路、木造道路、橋梁、ロックボルト、水
門、水門扉、高架タンク、ガスタンク、鉄塔、電柱、電柱用足場金具、電柱用バンド、ケ
ーソン、ブロック、矢板、矢板継ぎ手、歩車道境界ブロック、歩道用コンクリート平板、
縁石ブロック、覆工板、道路用伸縮継ぎ手、道路用安全さく、ガードレール用板、雪崩予
防さく、防雪さく、護岸用ブロック、根固めブロック、消波用ブロック、けい船岸用防舷
材、浮桟橋、浮防波堤、人工魚礁、人工魚礁用ブロック、マンホールふた、溝ふた、農業
用せき、農業用せき柱)、家屋(テント、温室、ビニールハウス、浴室、サウナ室、窓て
すり、窓用面格子、階段、階段てすり、手すり用笠木、手すり用笠木受け、手すり用支柱
、手すり用立子、バルコニー、ベランダ、ベランダ用さく、ポーチ)、屋外装備品(門、
門柱、門扉、塀、塀用笠木、塀用笠木受け、さく、さく用立子、さく用飾り金具、ガーデ
ンフェンス、高置水槽、高置水槽パネル、鳥居、電話ボックス、郵便ポスト)、建築用構
成部材(柱、梁、壁構成部材、天井構成部材、床構成部材、屋根構成部材、樋)、建具(
ドア、ガラス戸、ふすま、障子、網戸、欄間、建物用間仕切り、アコーディオンドア、ス
ライディングドア、建具用ちょうつがい、建具用クレセント錠、ドアクローザー、ふすま
引手、建具用レバーハンドル、カーテンレール、カーテンライナー、カーテンストッパー
、カーテン用ブランケット、カーテン用フック、カーテンボックス、ドア用枠、ドア用戸
当り、引戸用枠、引違い窓枠、回転窓枠、建物用シャッター中柱、建物用シャッターのガ
イドレール、建物用シャッターのケース)、建築用内外装材(かわら、コンクリートブロ
ック、タイル、モザイクタイル、床板、天井板、壁板、屋根板、ロープ、鎖、ボルト、ナ
ット、木ねじ、割ピン、座金、くぎ、リベット、かすがい、くさび、ちょうつがい、錠、
鍵材、ばね、キャスター、キャスター用車輪、配管用管、ホース、ホース締付け具、管体
保護キャップ、配管用支持金具)等。
【0059】
これらの光触媒機能製品は、蛍光灯、ナトリウムランプのような可視光源からの光照射に
より高い触媒作用を示すものであり、有機物の分解、窒素酸化物の分解に適用することが
できる。例えば、この光触媒機能製品を照明のある屋内住環境に設置すれば、環境中のア
ルデヒド類、メルカプタン類、ケトン類、アンモニアのような悪臭物質を簡易に分解、除去すること
ができる。
【実施例】
【0060】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例によって
限定されるものではない。
【0061】
なお、各実施例における測定法は、以下のとおりである。
【0062】
1.BET比表面積
光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸化タングステン粒子のBET比表面積は、比表面積
測定装置〔湯浅アイオニクス社製「モノソーブ」〕を用い窒素吸着法により測定した。
【0063】
2.平均分散粒子径(nm)
サブミクロン粒度分布測定装置〔コールター社製「N4Plus」〕を用いて試料の粒度
分布を測定し、この装置に付属のソフトで、自動的に単分散モード解析して得られた結果
を平均分散粒子径とした。
【0064】
3.結晶型
X線回折装置〔リガク社製「RINT2000/PC」〕を用いてX線回折スペクトルを
測定し、そのスペクトルから結晶型を決定した。
【0065】
4.光触媒体のゼータ電位
レーザーゼータ電位計〔大塚電子社製「ELS−6000」〕を用い、塩酸を加えて水素
イオン濃度をpH3.0に調整した塩化ナトリウム水溶液〔塩化ナトリウム濃度0.01
モル/L〕中に光触媒酸化チタン粒子または光触媒酸化タングステン粒子を分散させて、
ゼータ電位を測定した。光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸化タングステン粒子のそれ
ぞれの使用量に対する塩化ナトリウム水溶液の使用量は、250000質量倍とした。こ
のゼータ電位がプラスであれば、光触媒体の表面はプラスに帯電しており、マイナスであ
れば表面はマイナスに帯電している。
【0066】
5.光触媒活性1〔アセトアルデヒド分解能〕
各実施例で得た測定サンプルをガスバッグ〔内容積1L〕に入れて密閉し、次いで、このガスバッグ内を真空にし、その後、酸素と窒素との体積比が1:4である混合ガス600mLを封入した。さらに1容量%でアセトアルデヒドを含む窒素ガス3mLを封入し、暗所で室温下、1時間保持した。その後、市販の白色蛍光灯を光源とし、測定サンプル近傍での照度が1000ルクス〔照度計「T−10」(ミノルタ社製)で測定〕になるようにガスバッグを設置し、アセトアルデヒドの分解反応を行った。測定サンプル近傍の紫外光の強度は6.5μW/cm2〔トプコン社製紫外線強度計「UVR−2」に、同社製受光部「UD−36」を取り付けて測定〕であった。蛍光灯照射後よりガスバッグ内のガスを1.5時間毎にサンプリングして、アセトアルデヒドの残存濃度をガスクロマトグラフ(島津製作所社製「GC−14A」)にて測定し、照射時間に対するアセトアルデヒド濃度の減少量から一次反応速度定数を算出し、これをアセトアルデヒド分解能とした。一次反応速度定数が大きいほど、アセトアルデヒドの分解能は大きい。
【0067】
6.光触媒活性2〔アセトン分解能〕
各実施例で得た測定サンプルをガスバッグ〔内容積1L〕に入れて密閉し、次いで、このガスバッグ内を真空にし、その後、酸素と窒素との体積比が1:4である混合ガス600mLを封入した。さらに1容量%でアセトンを含む窒素ガス1.8mLを封入し、暗所で室温下、1時間保持した。その後、市販の白色蛍光灯を光源とし、測定サンプル近傍での照度が1000ルクス〔照度計「T−10」(ミノルタ社製)で測定〕になるようにガスバッグを設置し、アセトンの分解反応を行った。測定サンプル近傍の紫外光の強度は6.5μW/cm2〔トプコン社製紫外線強度計「UVR−2」に、同社製受光部「UD−36」を取り付けて測定〕であった。蛍光灯照射後よりガスバッグ内のガスを1.5時間毎にサンプリングして、アセトンの残存濃度をガスクロマトグラフ(島津製作所社製「GC−14A」)にて測定し、照射時間に対するアセトン濃度の減少量から一次反応速度定数を算出し、これをアセトンの分解能とした。一次反応速度定数が大きいほど、アセトンの分解能は大きい。
【0068】
参考例1〔光触媒酸化チタン粒子とその分散液の調製〕
光触媒酸化チタン粒子として、硫酸チタニルの水溶液を加水分解し、濾取して得られたメ
タチタン酸ケーク〔TiO2換算でチタン成分を42質量%含む〕を用いた。
【0069】
蓚酸(和光純薬工業製)2.70gを水60.2gに溶解させて蓚酸水溶液を得た。この
蓚酸水溶液に、上記のメタチタン酸ケーク57.1gを加え、混合して混合物を得た。こ
の混合物における蓚酸の使用量は、メタチタン酸1モルに対して0.1モルである。
【0070】
媒体攪拌式分散機〔五十嵐機械製作所社製「4TSG−1/8」〕を用い、以下の条件で
、この混合物の分散処理を行って、光触媒酸化チタン分散液を得た。
【0071】
分散媒体:外径0.05mmのジルコニア製ビーズ
処理温度:20℃
処理時間:3時間
回転数 :2000rpm
【0072】
得られた光触媒酸化チタン分散液における光触媒酸化チタン粒子の平均分散粒子径は85
nmであった。水素イオン濃度はpH1.6であった。こ光触媒酸化チタン分散液の一部
を真空乾燥して固形分を得たところ、この固形分のBET比表面積を測定したところ、3
25m2/gであった。得られた光触媒酸化チタン分散液の固形分の結晶型はアナターゼ
型であった。なお、分散処理の前の混合物と、分散処理の後の光触媒酸化チタン分散液の
固形分のX線回折スペクトルをそれぞれ測定し、比較したところ、分散処理による結晶構
造の変化は見られなかった。得られた光触媒酸化チタン分散液中の光触媒酸化チタン粒子
のゼータ電位は−19.9mVであった。
【0073】
参考例2〔光触媒酸化タングステン粒子とその分散液の調製〕
イオン交換水4kgに酸化タングステン粉末〔純度99.99%、高純度化学社製〕1k
gを加えて混合して混合物を得た。媒体攪拌式分散機〔コトブキ技研社製、「ウルトラア
ペックスミル UAM−1 1009」〕を用い、以下の条件で、この混合物の分散処理
を行って、光触媒酸化タングステン分散液を得た。
【0074】
分散媒体:直径0.05mmのジルコニア製ビーズ1.85kg
攪拌速度:周速12.6m/秒
流速 :0.25L/min
処理時間:合計約50分
【0075】
得られた光触媒酸化タングステン分散液における光触媒酸化タングステン粒子の平均分散
粒子径は96nmであった。水素イオン濃度はpH2.2であった。この分散液の一部を
真空乾燥して固形分を得たところ、この固形分のBET比表面積は37m2/gであった
。なお、分散処理の前の混合物と、分散処理の後の光触媒酸化タングステン分散液の固形
分のX線回折装置スペクトルをそれぞれ測定し、比較したところ、どちらも結晶型はWO
3であり、分散処理による結晶型の変化は見られなかった。光触媒酸化タングステン分散
液中の光触媒酸化タングステン粒子のゼータ電位は、−25.5mVであった。
【0076】
実施例1
参考例1で得た光触媒酸化チタン分散液と、参考例2で得た光触媒酸化タングステン分散
液とを、光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との使用量比が1:3(質
量比)となるように混合して、光触媒体分散液を得た。この光触媒体分散液100質量部
中の光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との合計量は5質量部であった
(固形分濃度5質量%)。この光触媒体分散液は保管後も固液分離は見られなかった。
【0077】
ガラス製シャーレ〔外径70mm、内径66mm、高さ14mm、容量約48mL〕に、
上記で得た光触媒体分散液を、底面の単位面積あたりの固形分換算の滴下量が1g/m2
となるように滴下し、シャーレの底面全体に均一となるように展開したのち、110℃の
乾燥機内で大気中1時間保持して乾燥させて、ガラス製シャーレの底面に光触媒体層を形
成した。この光触媒体層に、紫外線強度が2mW/cm2となるようにブラックライトか
らの紫外線を16時間照射して、測定サンプルを得、光触媒活性〔アセトアルデヒド分解能〕を評価したところ、反応速度定数は0.351h-1であった。
【0078】
実施例2
光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との使用量比が1:1(質量比)と
なるように、参考例1で得た光触媒酸化チタン分散液と参考例2で得た光触媒酸化タング
ステン分散液とを混合した以外は実施例1と同様に操作して、光触媒体分散液を得た。こ
の光触媒体分散液100質量部中の光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子
との合計量は5質量部であった。実施例1で得た光触媒体分散液に代えて上記で得た光触
媒体分散液を用いた以外は実施例1と同様に操作して光触媒体層を形成し、光触媒活性〔アセトアルデヒド分解能〕を評価したところ、また反応速度定数は0.372h-1であった。また、この光触媒体分散液は保管後も固液分離は見らなかった。
【0079】
実施例3
光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との使用量比が3:1(質量比)と
なるように、参考例1で得た光触媒酸化チタン分散液と参考例2で得た光触媒酸化タング
ステン分散液とを混合した以外は実施例1と同様に操作して、光触媒体分散液を得た。こ
の光触媒体分散液100質量部中の光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子
との合計量は5質量部であった。実施例1で得た光触媒体分散液に代えて上記で得た光触
媒体分散液を用いた以外は実施例1と同様に操作して光触媒体層を形成し、光触媒活性〔アセトアルデヒド分解能〕を評価したところ、反応速度定数は0.282h-1であった。また、この光触媒体分散液は保管後も固液分離は見らなかった。
【0080】
比較例1
参考例1で得た光触媒酸化チタン分散液に代えて、市販の酸化チタン分散液〔石原産業社
製、「STS−01」、硝酸含有、平均分散粒径50nm〕を用いた以外は、実施例1と
同様に操作して、光触媒体分散液を調製した。この光触媒体分散液100質量部中の光触
媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との合計量は5質量部であった。この光
触媒体分散液は、保管中に凝集粒子が生成し、固液分離が起こった。なお、この酸化チタ
ン分散液〔STS−01〕に含まれる酸化チタン粒子のゼータ電位は+40.1mVであ
った。
【0081】
比較例2
参考例1で得た光触媒酸化チタン分散液に代えて、比較例1で用いたと同じ市販の酸化チ
タン分散液〔STS−01〕を用いた以外は、実施例2と同様に操作して、光触媒体分散
液を調製した。この光触媒体分散液100質量部中の光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化
タングステン粒子との合計量は5質量部であった。この光触媒体分散液は、保管中に凝集
粒子が生成し、固液分離が起こった。
【0082】
比較例3
参考例1で得た光触媒酸化チタン分散液に代えて、比較例1で用いたと同じ市販の酸化チ
タン分散液〔STS−01〕を用いた以外は、実施例3と同様に操作して、光触媒体分散
液を調製した。この光触媒体分散液100質量部中の光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化
タングステン粒子との合計量は5質量部であった。この光触媒体分散液は、保管中に凝集
粒子が生成し、固液分離が起こった。調整したところ、凝集粒子が生成し、固液分離が起
こった。
【0083】
実施例4
光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との使用量比が1:3(質量比)と
なるように、参考例1で得た光触媒酸化チタン分散液と参考例2で得た光触媒酸化タング
ステン分散液とを混合し、さらにヘキサクロロ白金酸(H2PtCl6)の水溶液を加え
て、光触媒体分散液とした。この光触媒体分散液100質量部中の固形分は5質量部であ
った(固形分濃度5質量%)。またヘキサクロロ白金酸の使用量は、白金原子換算で、光
触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との合計使用量100質量部に対して
0.06質量部であった。この光触媒体分散液に固液分離は見られなかった。
【0084】
実施例1で得た光触媒体分散液に代えて上記で得た光触媒体分散液を用いた以外は実施例
1と同様に操作することによりガラス製シャーレの底面に光触媒体層を形成して測定サン
プルを得、光触媒活性〔アセトアルデヒド分解能〕を評価したところ、反応速度定数は0.382h-1であった。
【0085】
実施例5
光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との使用量比が1:1(質量比)と
なるように、参考例1で得た光触媒酸化チタン分散液と参考例2で得た光触媒酸化タング
ステン分散液とを混合した以外は実施例4と同様に操作して、光触媒体分散液を得た。こ
の光触媒体分散液100質量部中の光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子
との合計量は5質量部であった。この光触媒体分散液は保管後も固液分離は見られなかっ
た。
【0086】
実施例1で得た光触媒体分散液に代えて上記で得た光触媒体分散液を用いた以外は実施例
1と同様に操作して光触媒体層を形成して光触媒活性〔アセトアルデヒド分解能〕を評価したところ、また反応速度定数は0.625h-1であった。
【0087】
実施例6
光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との使用量比が3:1(質量比)と
なるように、参考例1で得た光触媒酸化チタン分散液と参考例2で得た光触媒酸化タング
ステン分散液とを混合した以外は実施例4と同様に操作して、光触媒体分散液を得た。こ
の光触媒体分散液100質量部中の光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子
との合計量は5質量部であった。この光触媒体分散液は保管後も固液分離は見られなかっ
た。
【0088】
実施例1で得た光触媒体分散液に代えて上記で得た光触媒体分散液を用いた以外は実施例
1と同様に操作して光触媒体層を形成して光触媒活性〔アセトアルデヒド分解能〕を評価したところ、反応速度定数は0.380h-1であった。
【0089】
実施例7
ヘキサクロロ白金酸(H2PtCl6)水溶液の使用量を白金原子換算で、光触媒酸化チ
タン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との合計使用量100質量部に対して0.03質
量部とした以外は実施例5と同様に操作して光触媒体分散液を得た。この光触媒体分散液
100質量部中の光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との合計量は5質
量部であった。この光触媒体分散液は保管後も固液分離は見られなかった。
【0090】
実施例1で得た光触媒体分散液に代えて上記で得た光触媒体分散液を用いた以外は実施例
1と同様に操作して光触媒体層を形成して光触媒活性〔アセトアルデヒド分解能〕を評価したところ、反応速度定数は0.451h-1であった。
【0091】
実施例8
ヘキサクロロ白金酸(H2PtCl6)水溶液の使用量を白金原子換算で、光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との合計使用量100質量部に対して0.1質量
部とした以外は実施例5と同様に操作して光触媒体分散液を得た。この光触媒体分散液1
00質量部中の光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との合計量は5質量
部であった。この光触媒体分散液は保管後も固液分離は見られなかった。
【0092】
実施例1で得た光触媒体分散液に代えて上記で得た光触媒体分散液を用いた以外は実施例
1と同様に操作して光触媒体層を形成して光触媒活性〔アセトアルデヒド分解能〕を評価したところ、反応速度定数は0.551h-1であった。
【0093】
実施例9
ヘキサクロロ白金酸(H2PtCl6)水溶液の使用量を白金原子換算で、光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との合計使用量100質量部に対して0.3質量
部とした以外は実施例5と同様に操作して光触媒体分散液を得た。この光触媒体分散液1
00質量部中の光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との合計量は5質量
部であった。この光触媒体分散液は保管後も固液分離は見られなかった。
【0094】
実施例1で得た光触媒体分散液に代えて上記で得た光触媒体分散液を用いた以外は実施例
1と同様に操作して光触媒体層を形成して光触媒活性〔アセトアルデヒド分解能〕を評価したところ、反応速度定数は0.451h-1であった。
【0095】
実施例10
光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との使用量比が1:3(質量比)と
なるように、参考例1で得た光触媒酸化チタン分散液と参考例2で得た光触媒酸化タング
ステン分散液とを混合し、さらに硝酸銅(Cu(NO3)2)の水溶液を加えて、光触媒体分
散液とした。この光触媒体分散液100質量部中の光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化チ
タンタングステン粒子の合計量は5質量部であった(固形分濃度5質量%)。また硝酸銅
水溶液の使用量は、銅原子換算で、光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子
との合計使用量100質量部に対して0.03質量部であった。この光触媒体分散液に固
液分離は見られなかった。
【0096】
実施例1で得た光触媒体分散液に代えて上記で得た光触媒体分散液を用いた以外は実施例
1と同様に操作することによりガラス製シャーレの底面に光触媒体層を形成して測定サン
プルを得、光触媒活性〔アセトアルデヒド分解能〕を評価したところ、反応速度定数は0.407h-1であった。
【0097】
実施例11
硝酸銅水溶液の使用量を、銅原子換算で、光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステ
ン粒子との合計使用量100質量部に対して0.06質量部とした以外は実施例10と同
様に操作して光触媒体分散液を得た。この光触媒体分散液100質量部中の光触媒酸化チ
タン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との合計量は5質量部であった。この光触媒体分
散液は保管後も固液分離は見られなかった。
【0098】
実施例1で得た光触媒体分散液に代えて上記で得た光触媒体分散液を用いた以外は実施例
1と同様に操作して光触媒体層を形成して光触媒活性〔アセトアルデヒド分解能〕を評価したところ、反応速度定数は0.408h-1であった。
【0099】
実施例12
光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との使用量比が1:1(質量比)と
なるように、参考例1で得た光触媒酸化チタン分散液と参考例2で得た光触媒酸化タング
ステン分散液とを混合し、硝酸銅水溶液の使用量を、銅原子換算で、光触媒酸化チタン粒
子と光触媒酸化タングステン粒子との合計使用量100質量部に対して0.01質量部と
した以外は実施例10と同様に操作して光触媒体分散液を得た。この光触媒体分散液10
0質量部中の光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との合計量は5質量部
であった。この光触媒体分散液は保管後も固液分離は見られなかった。
【0100】
実施例1で得た光触媒体分散液に代えて上記で得た光触媒体分散液を用いた以外は実施例
1と同様に操作して光触媒体層を形成して光触媒活性〔アセトアルデヒド分解能〕を評価したところ、反応速度定数は0.394h-1であった。
【0101】
実施例13
硝酸銅水溶液の使用量を、銅原子換算で、光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステ
ン粒子との合計使用量100質量部に対して0.03質量部とした以外は実施例12と同
様に操作して光触媒体分散液を得た。この光触媒体分散液100質量部中の光触媒酸化チ
タン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との合計量は5質量部であった。この光触媒体分
散液は保管後も固液分離は見られなかった。
【0102】
実施例1で得た光触媒体分散液に代えて上記で得た光触媒体分散液を用いた以外は実施例
1と同様に操作して光触媒体層を形成して光触媒活性〔アセトアルデヒド分解能〕を評価したところ、反応速度定数は0.396h-1であった。
【0103】
参考例3〔光触媒酸化チタン粒子とその分散液の調製〕
光触媒酸化チタン粒子として、硫酸チタニルの水溶液を加水分解し、濾取して得られたメ
タチタン酸ケーク〔TiO2換算でチタン成分を45質量%含む〕を用いた。
【0104】
蓚酸ニ水和物(和光純薬工業製)158gを水1.88kgに溶解させて蓚酸水溶液を得
た。この蓚酸水溶液に、上記のメタチタン酸ケーク2.2kgを加え、混合して混合物を
得た。この混合物における蓚酸の使用量は、メタチタン酸1モルに対して0.1モルであ
る。
【0105】
媒体攪拌式分散機〔コトブキ技研社製、「ウルトラアペックスミル UAM−1 100
9」〕を用い、以下の条件で、この混合物の分散処理を行って、光触媒酸化タングステン
分散液を得た。
【0106】
分散媒体:直径0.05mmのジルコニア製ビーズ1.85kg
攪拌速度:周速12.6m/秒
流速 :0.25L/min
水の添加: 処理開始17分後、水5kgを追加添加。
処理時間:合計約90分
【0107】
得られた光触媒酸化チタン分散液における光触媒酸化チタン粒子の平均分散粒子径は55
nmであった。水素イオン濃度はpH1.5であった。こ光触媒酸化チタン分散液の一部
を真空乾燥して固形分を得たところ、この固形分のBET比表面積を測定したところ、3
01m2/gであった。得られた光触媒酸化チタン分散液の固形分の結晶型はアナターゼ
型であった。なお、分散処理の前の混合物と、分散処理の後の光触媒酸化チタン分散液の
固形分のX線回折スペクトルをそれぞれ測定し、比較したところ、分散処理による結晶構
造の変化は見られなかった。得られた光触媒酸化チタン分散液中の光触媒酸化チタン粒子
のゼータ電位は−10.5mVであった。
【0108】
参考例4〔光触媒酸化タングステン粒子とその分散液の調製〕
パラタングステン酸アンモニウム〔日本無機化学製〕を空気中700℃で6時間焼成して
、酸化タングステン粉末を得た。イオン交換水4kgにこの酸化タングステン粉末1kg
を加えて混合して混合物を得た。媒体攪拌式分散機〔コトブキ技研社製、「ウルトラアペ
ックスミル UAM−1 1009」〕を用い、以下の条件で、この混合物の分散処理を
行って、光触媒酸化タングステン分散液を得た。
【0109】
分散媒体:直径0.05mmのジルコニア製ビーズ1.85kg
攪拌速度:周速12.6m/秒
流速 :0.25L/min
処理時間:合計約50分
【0110】
得られた光触媒酸化タングステン分散液における光触媒酸化タングステン粒子の平均分散
粒子径は114nmであった。水素イオン濃度はpH2.6であった。この分散液の一部
を真空乾燥して固形分を得たところ、この固形分のBET比表面積は34m2/gであっ
た。なお、分散処理の前の混合物と、分散処理の後の光触媒酸化タングステン分散液の固
形分のX線回折装置スペクトルをそれぞれ測定し、比較したところ、どちらも結晶型はW
O3であり、分散処理による結晶型の変化は見られなかった。光触媒酸化タングステン分
散液中の光触媒酸化タングステン粒子のゼータ電位は、−10.3mVであった。
【0111】
実施例14
光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との使用量比が1:1(質量比)と
なるように、参考例3で得た光触媒酸化チタン分散液と参考例4で得た光触媒酸化タング
ステン分散液とを混合した以外は実施例2と同様に操作して、光触媒体分散液を得た。こ
の光触媒体分散液100質量部中の光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子
との合計量は5質量部であった。実施例1で得た光触媒体分散液に代えて上記で得た光触
媒体分散液を用いた以外は実施例1と同様に操作して光触媒体層を形成し、光触媒活性〔アセトアルデヒド分解能〕を評価したところ、反応速度定数は0.380h-1であった。また、この光触媒体分散液は保管後も固液分離は見らなかった。
【0112】
実施例15
光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との使用量比が1:1(質量比)と
なるように、参考例3で得た光触媒酸化チタン分散液と参考例4で得た光触媒酸化タング
ステン分散液とを混合し、さらにヘキサクロロ白金酸(H2PtCl6)の水溶液を加えて
、光触媒体分散液とした。この光触媒体分散液100質量部中の固形分は5質量部であっ
た(固形分濃度5質量%)。またヘキサクロロ白金酸の使用量は、白金原子換算で、光触
媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との合計使用量100質量部に対して0
.1質量部であった。この光触媒体分散液に固液分離は見られなかった。
【0113】
実施例1で得た光触媒体分散液に代えて上記で得た光触媒体分散液を用いた以外は実施例
1と同様に操作することによりガラス製シャーレの底面に光触媒体層を形成して測定サン
プルを得、光触媒活性〔アセトアルデヒド分解能〕を評価したところ、反応速度定数は0.622h-1であった。
【0114】
実施例16
光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との使用量比が1:1(質量比)と
なるように、参考例3で得た光触媒酸化チタン分散液と参考例4で得た光触媒酸化タング
ステン分散液とを混合し、さらにテトラクロロ金酸(HAuCl4)の水溶液を加えて、
光触媒体分散液とした。この光触媒体分散液100質量部中の固形分は5質量部であった
(固形分濃度5質量%)。またテトラクロロ金酸の使用量は、金原子換算で、光触媒酸化
チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との合計使用量100質量部に対して0.1質
量部であった。この光触媒体分散液に固液分離は見られなかった。
【0115】
実施例1で得た光触媒体分散液に代えて上記で得た光触媒体分散液を用いた以外は実施例
1と同様に操作することによりガラス製シャーレの底面に光触媒体層を形成して測定サン
プルを得、光触媒活性〔アセトアルデヒド分解能〕を評価したところ、反応速度定数は0.587h-1であった。
【0116】
実施例17
光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との使用量比が1:1(質量比)と
なるように、参考例3で得た光触媒酸化チタン分散液と参考例4で得た光触媒酸化タング
ステン分散液とを混合し、さらに塩化パラジウム(PdCl2)の塩酸水溶液(PdCl2
粉末0.252gを、濃度1mol/Lの塩酸水溶液9.41gと水90.43gからな
る水溶液に溶解)を加えて、光触媒体分散液とした。この光触媒体分散液100質量部中
の固形分は5質量部であった(固形分濃度5質量%)。また塩化パラジウムの使用量は、
パラジウム原子換算で、光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との合計使
用量100質量部に対して0.1質量部であった。この光触媒体分散液に固液分離は見ら
れなかった。
【0117】
実施例1で得た光触媒体分散液に代えて上記で得た光触媒体分散液を用いた以外は実施例
1と同様に操作することによりガラス製シャーレの底面に光触媒体層を形成して測定サン
プルを得、光触媒活性〔アセトアルデヒド分解能〕を評価したところ、反応速度定数は0.652h-1であった。
【0118】
実施例18
光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との使用量比が1:1(質量比)と
なるように、参考例3で得た光触媒酸化チタン分散液と参考例4で得た光触媒酸化タング
ステン分散液とを混合し、さらにテトラクロロ金酸(HAuCl4)の水溶液と、実施例
17で用いた塩化パラジウム(PdCl2)の塩酸水溶液を加えて、光触媒体分散液とし
た。この光触媒体分散液100質量部中の固形分は5質量部であった(固形分濃度5質量
%)。またテトラクロロ金酸の使用量は、金原子換算で、光触媒酸化チタン粒子と光触媒
酸化タングステン粒子との合計使用量100質量部に対して0.067質量部で、塩化パ
ラジウムの使用量は、パラジウム原子換算で、光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タング
ステン粒子との合計使用量100質量部に対して0.033質量部であった。この光触媒
体分散液に固液分離は見られなかった。
【0119】
実施例1で得た光触媒体分散液に代えて上記で得た光触媒体分散液を用いた以外は実施例
1と同様に操作することによりガラス製シャーレの底面に光触媒体層を形成して測定サン
プルを得、光触媒活性〔アセトアルデヒド分解能〕を評価したところ、反応速度定数は0.662h-1であった。
【0120】
実施例19
光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との使用量比が1:1(質量比)と
なるように、参考例3で得た光触媒酸化チタン分散液と参考例4で得た光触媒酸化タング
ステン分散液とを混合し、さらにテトラクロロ金酸(HAuCl4)の水溶液を加えて、
光触媒体分散液とした。この光触媒体分散液100質量部中の固形分は5質量部であった
(固形分濃度5質量%)。またテトラクロロ金酸の使用量は、金原子換算で、光触媒酸化
チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との合計使用量100質量部に対して0.1質
量部であった。この光触媒体分散液に固液分離は見られなかった。
【0121】
光触媒分散液30gを100mLビーカーに移し、攪拌しながら超高圧水銀灯(ウシオ電
機製,ランプハウス:MPL−25101,超高圧水銀灯:USH−250BY,ランプ電源:HB
−25103BY)にて紫外線照射を3時間行った。光照射によりテトラクロロ金酸は金に
還元されて、分散液の色はクリーム色から薄紫色に変化した。紫外線照射後も光触媒体分
散液に固液分離は見られなかった。
【0122】
実施例1で得た光触媒体分散液に代えて上記で得た光触媒体分散液を用いた以外は実施例
1と同様に操作することによりガラス製シャーレの底面に光触媒体層を形成して測定サン
プルを得、光触媒活性〔アセトアルデヒド分解能〕を評価したところ、反応速度定数は0.750h-1であった。
【0123】
実施例20
光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との使用量比が1:1(質量比)と
なるように、参考例3で得た光触媒酸化チタン分散液と参考例4で得た光触媒酸化タング
ステン分散液とを混合し、さらにテトラクロロ金酸(HAuCl4)の水溶液と、実施例
17で用いた塩化パラジウム(PdCl2)の塩酸水溶液を加えて、光触媒体分散液とし
た。この光触媒体分散液100質量部中の固形分は5質量部であった(固形分濃度5質量
%)。またテトラクロロ金酸の使用量は、金原子換算で、光触媒酸化チタン粒子と光触媒
酸化タングステン粒子との合計使用量100質量部に対して0.067質量部で、塩化パ
ラジウムの使用量は、パラジウム原子換算で、光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タング
ステン粒子との合計使用量100質量部に対して0.033質量部であった。この光触媒
体分散液に固液分離は見られなかった。
【0124】
この光触媒分散液30gを100mLビーカーに移し、攪拌しながら実施例19と同様に
紫外線照射を3時間行った。光照射によりテトラクロロ金酸および塩化パラジウムはそれ
ぞれ金およびパラジウムに還元されて、分散液の色はクリーム色から灰色に変化した。紫
外線照射後も光触媒体分散液に固液分離は見られなかった。
【0125】
実施例1で得た光触媒体分散液に代えて上記で得た光触媒体分散液を用いた以外は実施例
1と同様に操作することによりガラス製シャーレの底面に光触媒体層を形成して測定サン
プルを得、光触媒活性〔アセトアルデヒド分解能〕を評価したところ、反応速度定数は0.805h-1であった。
【0126】
実施例21
光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タングステン粒子との使用量比が1:1(質量比)と
なるように、参考例3で得た光触媒酸化チタン分散液と参考例4で得た光触媒酸化タング
ステン分散液とを混合し、さらにテトラクロロ金酸(HAuCl4)の水溶液と、実施例
17で用いた塩化パラジウム(PdCl2)の塩酸水溶液を加えて、光触媒体分散液とし
た。この光触媒体分散液100質量部中の固形分は5質量部であった(固形分濃度5質量
%)。またテトラクロロ金酸の使用量は、金原子換算で、光触媒酸化チタン粒子と光触媒
酸化タングステン粒子との合計使用量100質量部に対して0.02質量部であり、塩化
パラジウムの使用量は、パラジウム原子換算で、光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸化タン
グステン粒子との合計使用量100質量部に対して0.01質量部であった。この光触媒
体分散液に固液分離は見られなかった。
【0127】
この光触媒分散液30gを100mLビーカーに移し、攪拌しながら実施例19と同様に
紫外線照射を3時間行った。光照射によりテトラクロロ金酸および塩化パラジウムはそれ
ぞれ金およびパラジウムに還元されて、分散液の色はクリーム色から灰色に変化した。紫
外線照射後も光触媒体分散液に固液分離は見られなかった。
【0128】
実施例1で得た光触媒体分散液に代えて上記で得た光触媒体分散液を用いた以外は実施例
1と同様に操作することによりガラス製シャーレの底面に光触媒体層を形成して測定サン
プルを得、光触媒活性〔アセトアルデヒド分解能〕を評価したところ、反応速度定数は0.719h-1であった。
【0129】
比較例4
参考例3で得た光触媒酸化チタン分散液に代えて、比較例1で用いたと同じ市販の酸化チ
タン分散液〔STS−01〕を用いた以外は、実施例14と同様に操作して、光触媒体分
散液を調製した。この光触媒体分散液100質量部中の光触媒酸化チタン粒子と光触媒酸
化タングステン粒子との合計量は5質量部であった。この光触媒体分散液は、保管中に凝
集粒子が生成し、固液分離が起こった。
【0130】
実施例22
ガラス製シャーレ〔外径70mm、内径66mm、高さ14mm、容量約48mL〕に、実施例14で得た光触媒体分散液を、底面の単位面積あたりの固形分換算の滴下量が1g/m2となるように滴下し、シャーレの底面全体に均一となるように展開したのち、110℃の乾燥機内で大気中1時間保持して乾燥させて、ガラス製シャーレの底面に光触媒体層を形成した。この光触媒体層に、紫外線強度が2mW/cm2となるようにブラックライトからの紫外線を16時間照射して、測定サンプルを得、光触媒活性〔アセトン分解能〕を評価したところ、反応速度定数は0.117h-1であった。
【0131】
実施例23
ガラス製シャーレ〔外径70mm、内径66mm、高さ14mm、容量約48mL〕に、実施例19で得た光触媒体分散液を、底面の単位面積あたりの固形分換算の滴下量が1g/m2となるように滴下し、シャーレの底面全体に均一となるように展開したのち、110℃の乾燥機内で大気中1時間保持して乾燥させて、ガラス製シャーレの底面に光触媒体層を形成した。この光触媒体層に、紫外線強度が2mW/cm2となるようにブラックライトからの紫外線を16時間照射して、測定サンプルを得、光触媒活性〔アセトン分解能〕を評価したところ、反応速度定数は0.127h-1であった。
【0132】
実施例24
ガラス製シャーレ〔外径70mm、内径66mm、高さ14mm、容量約48mL〕に、実施例21で得た光触媒体分散液を、底面の単位面積あたりの固形分換算の滴下量が1g/m2となるように滴下し、シャーレの底面全体に均一となるように展開したのち、110℃の乾燥機内で大気中1時間保持して乾燥させて、ガラス製シャーレの底面に光触媒体層を形成した。この光触媒体層に、紫外線強度が2mW/cm2となるようにブラックライトからの紫外線を16時間照射して、測定サンプルを得、光触媒活性〔アセトン分解能〕を評価したところ、反応速度定数は0.160h-1であった。
【0133】
実施例25
実施例1〜24で得た光触媒体分散液をそれぞれ天井材に塗布・乾燥すると、屋内照明による光照射により、屋内空間におけるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン等の揮発性有機物濃度や悪臭物質の濃度を低減することができ、更に黄色ブドウ球菌や大腸菌等の病原菌を死滅させることができる。
【0134】
実施例26
実施例1〜24で得た光触媒体分散液をそれぞれタイルに塗布・乾燥すると、屋内照明による光照射により、屋内空間におけるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン等の揮発性有機物濃度や悪臭物質の濃度を低減することができ、更に黄色ブドウ球菌や大腸菌等の病原菌を死滅させることができる。
【0135】
実施例27
実施例1〜24で得た光触媒体分散液をそれぞれガラスに塗布・乾燥すると、屋内照明による光照射により、屋内空間におけるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン等の揮発性有機物濃度や悪臭物質の濃度を低減することができ、更に黄色ブドウ球菌や大腸菌等の病原菌を死滅させることができる。
【0136】
実施例28
実施例1〜24で得た光触媒体分散液をそれぞれ壁紙に塗布・乾燥すると、屋内照明による光照射により、屋内空間におけるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン等の揮発性有機物濃度や悪臭物質の濃度を低減することができ、更に黄色ブドウ球菌や大腸菌等の病原菌を死滅させることができる。
【0137】
実施例29
実施例1〜24で得た光触媒体分散液をそれぞれ床に塗布・乾燥すると、屋内照明による光照射により、屋内空間におけるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン等の揮発性有機物濃度や悪臭物質の濃度を低減することができ、更に黄色ブドウ球菌や大腸菌等の病原菌を死滅させることができる。
【0138】
実施例30
実施例1〜24で得た光触媒体分散液を自動車用インストルメントパネル、自動車用シート、自動車天井材などの自動車内装材の表面に塗布し、乾燥させると、車内照明による光照射により、車内空間におけるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン等の揮発性有機物濃度や悪臭物質の濃度を低減することができ、更に黄色ブドウ球菌や大腸菌等の病原菌を死滅させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸化タングステン粒子が分散媒中に分散されてなり、
光触媒酸化チタン粒子および光触媒酸化タングステン粒子は、表面が互いに同じ極性に帯
電していることを特徴とする光触媒体分散液。
【請求項2】
電子吸引性物質またはその前駆体を含有する請求項1に記載の光触媒体分散液。
【請求項3】
電子吸引性物質またはその前駆体が、Cu、Pt、Au、Pd、Ag、Fe、Nb、Ru
、Ir、RhおよびCoから選ばれる少なくとも1種の金属の粒子またはその化合物であ
る請求項1または2に記載の光触媒体分散液。
【請求項4】
表面がプラスに帯電している光触媒酸化チタン粒子を、該光触媒酸化チタン粒子の表面を
マイナスに帯電させうる表面処理剤が分散媒に溶解された溶液中に分散させたのち、表面
がマイナスに帯電している光触媒酸化タングステン粒子と混合することを特徴とする請求
項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光触媒体分散液の製造方法。
【請求項5】
表面がプラスに帯電している光触媒酸化チタン粒子を、該光触媒酸化チタン粒子の表面を
マイナスに帯電させうる表面処理剤が分散媒に溶解された溶液中に分散させたのち、表面
がマイナスに帯電している光触媒酸化タングステン粒子と混合し、電子吸引性物質または
その前駆体を添加することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光触媒体分散液の製造方法。
【請求項6】
電子吸引性物質の前駆体を添加したのち、光照射を行う請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
基材の表面に、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光触媒体分散液を塗布し、分散媒を揮発させることを特徴とする光触媒機能製品の製造方法。

【公開番号】特開2009−233648(P2009−233648A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−161429(P2008−161429)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】