説明

光記録再生方法、光記録媒体

【課題】必要な記録再生層の情報を迅速に入手し、再生時や追記時のシーク時間の短縮を実現する。
【解決手段】複数の記録再生層14とサーボ層18を備える光記録媒体に対する光記録再生方法であって、サーボ層に対してサーボ用ビームを照射してトラッキング制御を行いながら、記録再生層14に記録再生用ビームを照射して情報を記録再生するようにし、記録再生層14に情報を記録した際に、サーボ層18に対して、記録再生層14の次回以降の記録再生に必要な管理情報を記録しておくようにする。次回以降の記録再生時には、サーボ層18の管理情報を参照してから、記録再生層14に対して記録再生を行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の記録再生層を有する光記録媒体に対する光記録再生方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディジタル動画コンテンツの視聴や、ディジタルデータの記録のために、CD−DA、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD+/−RW、DVD−RAM、Blu−ray Disc(BD)などの光記録媒体が広く利用されている。この中でも、次世代型DVD規格の一つとされるBDは、記録再生に用いるレーザー光の波長を405nmと短くし、対物レンズの開口数を0.85に設定される。BD規格に対応した光記録媒体側は、0.32μmのピッチでトラックが形成される。このようにすることで、光記録媒体の1つの記録再生層に対して25GB以上の記録再生を可能にしている。
【0003】
ところで、動画やデータの容量は今後益々増大することが予想される。従って、光記録媒体における記録再生層を多層化することで光記録媒体の容量を増大させる方法が検討されている。BD規格の光記録媒体では、6層〜8層の記録再生層を設けることで、200GBもの超大容量を実現する技術も報告されている(非特許文献1、2参照)。
【0004】
一方、光記録媒体において記録再生層を多層化する場合、各記録再生層に対してグルーブ/ランド等のトラッキング制御用の凹凸を形成しており、各層を設けるごとにこの凸凹を形成するための母型となるスタンパを使用する必要がある。従って、多層化すればするほど、このスタンパを使う回数が増え製造コストが増大することが懸念される。
【0005】
そこで近年、光記録媒体においてサーボ層と記録再生層を別々に設けるようにし、サーボ専用レーザー光を用いてサーボ層からトラッキング信号を得ながら、記録用レーザー光によって記録再生層に情報を記録する技術が提案されている(特許文献1、2、3参照)。この技術によれば、各記録再生層には、トラッキング情報を持たせるため凹凸(溝)が不要となり、製造時にも記録再生層用のスタンパを使用する必要が無くなるので、大幅なコストダウンが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−97693号公報
【特許文献2】特開2008−97694号公報
【特許文献3】特開2009−108383号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】I. Ichimura et. al., Appl. Opt, 45, 1974-1803 (2006)
【非特許文献2】K. Mishima et. al., Proc. of SPIE, 6282, 62820I (2006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1、2、3に記載される光記録媒体では、情報の記録後は、記録再生層に形成される記録マークの情報のみで再生できるように、各データにアドレス情報に加えてコンテンツ情報等が記録されるようになっている。
【0009】
しかし、記録再生層の層数を増大させようとすると、全ての記録再生層を参照して、各記録再生層に何が記録済みであるか否かをチェックしなければならず、再生前のシーク動作に多くの時間を要するという問題があった。
【0010】
更に、記録再生層に記録を行う場合も、全ての記録再生層を参照して、どの記録再生層における、どこのアドレスに追記可能か否かをチェックしなければならず、記録前の準備に多くの時間を要するという問題があった。
【0011】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、サーボ層と記録再生層を有する光記録媒体に対して、必要な記録再生層の情報を迅速に入手し、再生時や追記時のシーク時間の短縮を実現する為の手法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らの鋭意研究によって、上記目的は以下の手段によって達成される。
【0013】
即ち、上記目的を達成する本発明は、トラッキング制御用の凹凸を有しない平面構造の複数の記録再生層と、トラッキング制御用の凹凸が形成されるサーボ層とを備える光記録媒体に対して、前記サーボ層に対してサーボ用ビームを照射してトラッキング制御を行いながら、前記記録再生層に記録再生用ビームを照射して情報を記録再生する光記録再生方法であって、前記記録再生層に情報を記録した際に、前記サーボ層に対して、前記記録再生層の次回の記録再生に必要な管理情報を記録しておき、前記記録再生層における次回以降の記録再生時に、前記サーボ層の前記管理情報を参照することを特徴とする光記録再生方法である。
【0014】
上記発明において、上記目的を達成する光記録再生方法の前記サーボ側管理情報記録領域に記録する前記管理情報は、前記記録再生層のコンテンツ情報、エラー情報、追記情報の少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成する光記録再生方法は、上記発明において、前記サーボ層においてトラッキング制御を行う前記サーボ用ビームを利用して、前記サーボ層に前記管理情報を記録することを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成する光記録再生方法は、上記発明において、前記記録再生層に対して記録再生を行う前記記録再生用ビームを利用して、前記サーボ層に前記管理情報を記録することを特徴とする。
【0017】
上記発明において、上記目的を達成する光記録再生方法の前記記録再生用ビームの波長は、前記サーボ用ビームの波長と略等しく設定されることを特徴とする。
【0018】
上記目的を達成する光記録再生方法は、上記発明において、前記記録再生用ビームの波長は、前記サーボ用ビームの波長と比較して短く設定されることを特徴とする。
【0019】
上記目的を達成する光記録再生方法は、上記発明において、前記サーボ層を、前記記録再生層と比較して光入射面から遠い側に設けると共に、前記記録再生層を、前記サーボ用ビームに対する光透過特性を有するようにし、前記サーボ用ビームを、前記記録再生層を透過して前記サーボ層に照射することでトラッキング制御を行うことを特徴とする。
【0020】
上記目的を達成する光記録再生方法は、上記発明において、前記サーボ層と該サーボ層に隣接する前記記録再生層の層間距離を、複数の前記記録再生層の層間距離のいずれかに等しく設定することを特徴とする。
【0021】
上記目的を達成する光記録再生方法は、上記発明において、前記サーボ層のトラックピッチが、前記記録再生層に記録予定のトラックピッチの2倍に設定されることを特徴とする。
【0022】
上記目的を達成する光記録再生方法は、上記発明において、前記サーボ層を、前記記録再生層と比較して光入射面に近い側に設けると共に、前記サーボ層を、前記記録再生用ビームに対する光透過特性を有するようにし、前記記録再生用ビームを、前記サーボ層を透過して前記記録再生層に照射することで記録又は再生を行うことを特徴とする。
【0023】
上記目的を達成する本発明は、トラッキング制御用の凹凸を有しない平面構造の複数の記録再生層と、トラッキング制御用の凹凸が形成されるサーボ層とを備え、前記サーボ層を利用してトラッキング制御を行いながら前記記録再生層に情報を記録する光記録媒体であって、前記サーボ層は、前記記録再生層に情報を記録した際において次回以降の該記録再生層の記録再生に必要な管理情報を記録するためのサーボ側管理情報記録領域を備えることを特徴とする光記録媒体である。
【0024】
上記発明において、上記目的を達成する光記録媒体の前記サーボ側管理情報記録領域に記録可能な前記管理情報は、前記記録再生層のコンテンツ情報、エラー情報、追記情報の少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、必要な記録再生層の情報を迅速に入手することが可能になるので、再生時や追記時のシーク時間が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態に係る光記録媒体の記録再生を行う光ピックアップの構造を示すブロック図である。
【図2】同光記録媒体の積層構造を示す断面図である。
【図3】同光記録媒体のサーボ層を部分的に拡大して示す斜視図である。
【図4】同光記録媒体の積層構造と記録手順を拡大して示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態の他の例に係る光記録媒体の積層構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0028】
図1には、本発明の実施形態に係る光記録媒体10と、この光記録媒体10の記録再生に用いられる光ピックアップ90の構成が示されている。光ピックアップ90は、第1光学系100と第2光学系200を備える。第1光学系100は、光記録媒体10の記録再生層群14に対して記録・再生を行う光学系となる。第2光学系200は、第1光学系100を利用して記録再生層群14に情報を記録する時に、後述するサーボ層18を利用してトラッキング制御を行う光学系となる。
【0029】
第1光学系100の光源101から出射された比較的短い青色波長380〜450nm(ここでは405nm)の発散性のビーム170は、球面収差補正手段193を備えたコリメートレンズ153を透過し、第2光学系200の波長選択フィルタ260を透過して偏光ビームスプリッタ152に入射する。偏光ビームスプリッタ152に入射したビーム170は、偏光ビームスプリッタ152を透過して、更に4分の1波長板154の透過によって円偏光に変換された後、対物レンズ156で収束ビームに変換される。このビーム170は、光記録媒体10の内部に形成された複数の記録再生層群14のいずれか記録再生層の上に集光される。
【0030】
対物レンズ156の開口はアパーチャ155で制限され、開口数NAを0.70〜0.90(ここでは0.85)としている。例えば記録再生層群14で反射されたビーム170は、対物レンズ156、4分の1波長板154を透過して往路とは90度異なる直線偏光に変換された後、偏光ビームスプリッタ152で反射される。なお、この偏光ビームスプリッタ152は波長選択特性を有しており、第1光学系100の光源101からのビーム170は反射可能であるが、後述する第2光学系200の比較的長い赤色波長のビーム270は常に透過するようになっている。
【0031】
偏光ビームスプリッタ152で反射されたビーム170は、集光レンズ159を透過して収束光に変換され、シリンドリカルレンズ157を経て、光検出器132に入射する。ビーム170には、シリンドリカルレンズ157を透過する際、非点収差が付与される。
【0032】
光検出器132は、図示しない4つの受光部を有し、それぞれ受光した光量に応じた電流信号を出力する。これら電流信号から、非点収差法によるフォーカス誤差(以下FEとする)信号、再生時に限定されるプッシュプル法によるトラッキング誤差(以下TEとする)信号、光記録媒体10に記録された情報の再生信号等が生成される。FE信号およびTE信号は、所望のレベルに増幅および位相補償が行われた後、アクチュエータ191および192にフィードバック供給されて、フォーカス制御およびトラッキング制御がなされる。なお、第1光学系100によるトラッキング制御は再生時のみ利用される。
【0033】
第2光学系200の光源201から出射された赤色波長630〜680nm(ここでは650nm)となる発散性のビーム270は、球面収差補正手段293を備えたコリメートレンズ253を透過し、偏光ビームスプリッタ252に入射する。偏光ビームスプリッタ252に入射したビーム270は、偏光ビームスプリッタ252を透過して、更に第2光学系用の4分の1波長板254を透過して円偏光に変換された後、波長選択フィルタ260で反射されて、第1光学系100と共有される偏光ビームスプリッタ152を透過する。このビーム270は更に対物レンズ156で収束ビームに変換されて、第1光記録媒体10の内部に形成されたサーボ層18に集光される。サーボ層18で反射されたビーム270は、対物レンズ156、及び偏光ビームスプリッタ152を透過して第2光学系200の波長選択フィルタ260で反射し、4分の1波長板254において往路とは90度異なる直線偏光に変換された後、偏光ビームスプリッタ252で反射される。偏光ビームスプリッタ252で反射されたビーム270は、集光レンズ259を透過して収束光に変換され、シリンドリカルレンズ257を経て、光検出器232に入射する。ビーム270には、シリンドリカルレンズ257を透過する際、非点収差が付与される。
【0034】
光検出器232は、図示しない4つの受光部を有し、それぞれ受光した光量に応じた電流信号を出力する。これら電流信号から、非点収差法によるフォーカス誤差(FE)信号、プッシュプル法によるトラッキング誤差(TE)信号が生成される。なお、サーボ層18にも情報が記録されている場合は再生信号も生成される。
【0035】
第1光学系100による記録再生層群14への情報の記録時は、第2光学系200のTE信号について、所望のレベルに増幅および位相補償が行われた後、アクチュエータ191および192にフィードバック供給されてトラッキング制御がなされる。この結果、第2光学系200のトラッキング制御に基づいて、第1光学系100が記録再生層群14に情報を記録するようになっている。なお、本実施形態では、記録再生層群14に記録済みの情報を再生する際は、記録再生層群14上の記録マークを利用して第1光学系100が独自にトラッキング制御するようにしている。一方、この第2光学系200のトラッキング制御を利用しながら再生することも勿論可能である。
【0036】
図2には、本実施形態の光記録媒体10の断面構造が拡大して示されている。
【0037】
光記録媒体10は、外径が約120mm、厚みが約1.2mmの円盤形状となっている。この光記録媒体10は、光入射面10A側から、カバー層11、記録再生層群14及び中間層群16、スペーサ層17、サーボ層18、支持基板12を備えて構成される。
【0038】
記録再生層群14は、ここでは第1〜第6記録再生層14A〜14Fを備えて構成されており、それぞれに情報を記録できる構造となっている。この第1〜第6記録再生層14A〜14Fは、トラッキング制御用の凹凸を有しない平面構造となっており、第1光学系100から高エネルギーとなる記録用のビーム170が照射されると、記録マークが形成される。なお、この記録再生層群14の種類として、情報の追記が出来るが書き換えが出来ない追記型記録再生層と、情報の書換が可能な書換型記録再生層がある。
【0039】
支持基板12は、光記録媒体に求められる厚み(約1.2mm)を確保するための、厚さ1.0mmで直径120mmとなる円盤形状の基板であり、この支持基板12の光入射面10A側の面にサーボ層18が形成される。具体的には、支持基板12における光入射面10A側に、その中心部近傍から外縁部に向けてランド18Aおよびグルーブ18Bが螺旋状に形成される。このランド18Aおよびグルーブ18Bが、トラッキング制御用の凹凸(溝)となり、第2光学系200のビーム270がガイドされるようになっている。
【0040】
なお、支持基板12の材料としては種々の材料を用いることが可能であり、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂を利用できる。これらのうち成型の容易性の観点から樹脂が好ましい。樹脂としてはポリカーボネイト樹脂、オレフィン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、加工性などの点からポリカーボネイト樹脂やオレフィン樹脂が特に好ましい。なお、支持基板12は、ビーム270の光路とならないことから、高い光透過性を有している必要はない。
【0041】
支持基板12の上に形成されるサーボ層18は、支持基板12の表面に記録層を形成することによって構成される。従って、このサーボ層18は、トラッキング制御用の凹凸(ランド18Aおよびグルーブ18B)を備えた記録層となり、第2光学系200によって高エネルギーのビーム270が照射されると、化学的又は物理的特性の変化によって光反射率が変化し情報が記録される。勿論、サーボ層18はトラッキング制御用の光反射膜としても機能させる。なお、記録層の種類は特に限定されず、例えば、無機材料や有機色素材料等を用いた記録層を採用できる。また、記録層における記録手法についても、追記型や書換型などを適宜採用できる。
【0042】
サーボ層18には、記録再生層群14の記録再生に必要な管理情報を記録するためのサーボ側管理情報記録領域が形成される。このサーボ側管理情報記録領域に記録される管理情報には、記録再生層群14に情報を記録した結果、次回の記録再生層群14の記録再生の際に必要となる情報が含まれる。管理情報として、例えば、記録再生層群14に記録したデータのコンテンツ情報、データ記録時のエラー情報等の追記情報が挙げられる。特に、この管理情報に含まれる情報には、記録再生層群14における何処の記録再生層に関する情報であるという事項も付与されるようになっている。この結果、次回の記録再生時において、サーボ層18のサーボ側管理情報記録領域を参照することで、何処の記録再生層がどのような状態になっているのかを素早く検知することが可能となっている。
【0043】
ちなみに、このサーボ層18は、サーボ側管理情報記録領域とは別に、サーボ側データ記録領域を備えても構わない。このサーボ側データ記録領域は、記録再生層群14と同様の一般的なデータを記録する領域として利用できる。
【0044】
なお、サーボ層18に対する管理情報等の記録は、サーボ層18に対して、第2光学系200の赤色波長領域のビーム270を照射してトラッキングを行いながら、サーボ層18におけるランド18A及び/又はグルーブ18Bに対して、この赤色波長領域のビーム270を用いて行う。サーボ層18の記録ピッチと記録再生層群14の記録ピッチを同一にすることも可能になる。勿論、このサーボ層18におけるランド18A・グルーブ18Bに対して、第1光学系100の青色波長領域の記録用ビーム170を照射して記録しても良い。
【0045】
サーボ層18におけるランド18A及びグルーブ18BのトラックピッチP1は、ここでは0.74μm未満に設定される。なお、このトラックピッチP1は、隣接するランド18A同士の距離、又は隣接するグルーブ18B同士の距離のことである。具体的にトラックピッチP1は0.6μm〜0.7μmの範囲内に設定することが望ましく、より好ましくは0.64μm近傍に設定される。
【0046】
一方で、記録再生層14A〜14Fに記録される記録マークのトラックピッチP2は、ランド18A及びグルーブ18BのトラックピッチP1の半分(1/2)に設定される。即ち、記録マーク間のトラックピッチP2は、0.37μm未満に設定され、望ましくは0.30μm〜0.35μmの範囲内に設定され、より好ましくは0.32μm近傍に設定される。
【0047】
この結果、記録再生層14A〜14Fに記録されるトラックピッチP2は、BD規格との互換性のある0.32μm前後となる。一方、サーボ層18のランド18A/グルーブ18BのトラックピッチP1(0.64μm前後)は、比較的長い赤色波長領域のビーム270で十分なトラッキングが可能となっている。詳細は後述するが、本実施形態では、ランド18Aとグルーブ18Bの双方を利用してトラッキングを行うようにしているので、サーボ層18のトラックピッチP1に対して、記録再生層14A〜14Fに記録される記録マークのトラックピッチP2は、自ずとその半分の0.32μm前後となる。サーボ層18のトラックピッチを小さくしなくても、記録再生層群14の記録マークのトラックピッチを2倍にできるので、記録容量を容易に増大させることができる。
【0048】
更に、サーボ層18には、記録再生層群14のアドレス情報、記録再生パワー等を含む記録条件、記録再生層14A〜14Fの位置又は層間距離など、媒体製造時に予め保持させておくべき基本情報がプリフォーマットされている。また、図3に拡大して示されるように、ランド18A又はグルーブ18Bには、一定の周期で半径方向に正弦波状に蛇行するウォブル18Wを備えている。このウォブル18Wの位相変化を利用して、ランド18A又はグルーブ18Bにアドレス情報やタイミングクロックが埋め込まれている。詳細は後述するが、このランド18A、グルーブ18B、ウォブル18Wは、支持基板12を射出成形する際に同時に形成される。なお、ここではウォブル18W等を利用して、サーボ層18に基本情報をプリフォーマットする場合を示したが、本発明はこれに限定されず、他の手法によって製造時に基本情報をサーボ層18に埋め込むことが可能である。また、既に述べたように、サーボ側管理情報記録領域に相当するランド18A及びグルーブ18Bの双方には、管理情報に対応する記録マーク18Fが形成される。
【0049】
スペーサ層17は、光透過性のアクリル系の紫外線硬化型樹脂により構成されており、ここでは90μmの膜厚に設定されている。
【0050】
スペーサ層17の光入射面10A側に積層される第1〜第6記録再生層14A〜14Fは、それぞれ、追記型記録膜の両外側に誘電体膜を積層した3層構造となっている(図示省略)。なお、この第1〜第6記録再生層14A〜14Fは、第1光学系100における青色波長領域(短い波長)のビーム170に対して光反射率・吸収率・透過率等が最適化されており、一方で、第2光学系200の赤色波長領域(長い波長)のビーム270は充分透過するようになっている。
【0051】
各記録再生層の誘電体膜は、追記型記録膜を保護するという基本機能に加えて、記録マークの形成前後における光学特性の差を拡大させる役割も果たす。
【0052】
なお、ビーム170を照射した場合に、誘電体膜に吸収されるエネルギーが大きいと記録感度が低下しやすい。従って、これを防止するためには、これらの誘電体膜の材料として、380nm〜450nm(特に405nm)の波長領域において低い吸収係数(k)を有する材料を選択することが好ましい。なお、本実施の形態においては、誘電体膜の材料としてTiO2を用いている。
【0053】
誘電体膜に挟まれる追記型記録膜は不可逆的な記録マークが形成される膜であり、記録マークが形成された部分とそれ以外の部分(ブランク領域)は、ビーム170に対する反射率が大きく異なる。この結果、データの記録・再生を行うことができる。なお、この追記型記録膜についても、トラッキング用の第2光学系200のビーム270の赤色波長領域おいては高い透過性を有する。
【0054】
追記型記録膜は、Bi及びOを含む材料を主成分として形成される。この追記型記録膜は、無機反応膜として機能し、レーザー光の熱による化学的又は物理的な変化で反射率が大きく異なるようになっている。具体的な材料としては、Bi−Oを主成分とするか、又は、Bi−M−O(ただしMは、Mg、Ca、Y、Dy、Ce、Tb、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Mo、W、Mn、Fe、Zn、Al、In、Si、Ge、Sn、Sb、Li、Na、K、Sr、Ba、Sc、La、Nd、Sm、Gd、Ho、Cr、Co、Ni、Cu、Ga、Pbの中から選択される少なくとも1種の元素)を主成分とすることが好ましい。なお、本実施形態では、追記型記録膜の材料として、Bi−Ge−Oを用いている。
【0055】
なお、ここでは第1〜第6記録再生層14A〜14Fにおいて追記型記録膜を採用する場合を示したが、繰り返し記録が可能な相変化記録膜を採用することも可能である。この場合の相変化記録膜は、SbTeGeを主成分とすることが好ましい。
【0056】
中間層群16は、光入射面10Aから遠い側から順番に第1〜第5中間層16A〜16Eを有しており、第1〜第6記録再生層14A〜14Fの間に積層される。各中間層16A〜16Eは、アクリル系またはエポキシ系の紫外線硬化型樹脂によって構成される。この中間層16A〜16Eの膜厚は、第1中間層16Aが16μm、第2中間層16Bが12μm、第3中間層16Cが16μm、第4中間層16Dが12μm、第5中間層16Eが16μmとなる。つまり、2種類の膜厚(16μm、12μm)の中間層が交互に積層されている。この結果、第1〜第6記録再生層14A〜14Fの層間距離として、光入射面側から順番に第1距離(16μm)と、この第1距離と異なる第2距離(12μm)が交互に設定されることになる。また、第1距離と第2距離の差は4μmに設定される。
【0057】
カバー層11は、中間層群16と同様に光透過性のアクリル系の紫外線硬化型樹脂により構成されており、38μmの膜厚に設定されている。
【0058】
光記録媒体10は、上記のように構成される結果、サーボ層18は、光入射面10Aから0.2mm(200μm)の距離に位置しており、また、記録再生層群14の中で光入射面10Aから最も遠い第1記録再生層14Aは、光入射面10Aから0.11mm(110μm)の距離に位置しており、光入射面10Aに最も近い第6記録再生層14Fは、光入射面10Aから38μmの距離に位置することになる。また、記録再生層群14の全体的な厚み(第1記録再生層14A〜第6記録再生層14F間の距離)は72μmとなる。
【0059】
また、本実施形態の光記録媒体10では、サーボ層18が、記録再生層群14と比較して光入射面10Aから遠い位置に配置されている。このようにすると、トラッキング制御用のランド18A及びグルーブ18Bが、記録再生層群14に照射される記録再生用のビーム170に悪影響を与えることを低減できる。
【0060】
次に、本実施形態の光記録媒体10の製造方法について説明する。
【0061】
まず、金属スタンパを用いることによる、ポリカーボネイト樹脂の射出成型法により、ランド18A又はグルーブ18Bが形成された支持基板12を作製する。射出成形の型を利用して、この支持基板12には、記録再生層群14のアドレス情報、記録再生パワー等を含む記録条件、記録再生層14A〜14Fの位置又は層間距離など、媒体製造時に予め保持させておくべき基本情報がプリフォーマットされる。具体的には、ランド18A又はグルーブ18Bのウォブル18Wを利用して、基本情報がプリフォームされる。なお、支持基板12の作製は射出成型法に限られず、2P法や他の方法によって作製しても構わない。
【0062】
その後、支持基板12におけるグルーブ及びランドが設けられた側の表面にサーボ層18を形成する。このサーボ層18は、例えば無機材料を用いた記録層をスパッタリング法等によって形成することで行う。更に、サーボ層18の上にスペーサ層17を形成する。スペーサ層17は、例えば、粘度調整されたアクリル系またはエポキシ系の紫外線硬化型樹脂をスピンコート法等により皮膜し、これに対して紫外線を照射して硬化することにより形成する。なお、紫外線硬化性樹脂の代わりに、光透過性樹脂からなる光透過性シートを接着剤や粘着剤等を用いてサーボ層18の上に貼り付けることで形成することもできる。この結果、サーボ層18は、記録再生に必要な管理情報を記録するためのサーボ側管理情報記録領域を備えることになる。
【0063】
次に、第1記録再生層14Aを形成する。具体的には、誘電体膜、追記型記録膜、誘電体膜の順に気相成長法を用いて形成する。中でもスパッタリング法を用いることが好ましい。その後、第1記録再生層14Aの上に第1中間層16Aを形成する。第1中間層16Aは、例えば、粘度調整された紫外線硬化型樹脂をスピンコート法等により皮膜し、その後、この紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射して硬化することにより形成する。この手順を繰り返すことで、第2記録再生層14B、第2中間層16B・・・と順番に積層していく。
【0064】
第6記録再生層14Fまで完成したら、その上にカバー層11を形成してこの光記録媒体10が完成する。なおカバー層11は、例えば、粘度調整されたアクリル系またはエポキシ系の紫外線硬化型樹脂をスピンコート法等により皮膜し、これに対して紫外線を照射して硬化することにより形成する。なお、本実施形態では上記製造方法を説明したが、本発明は上記製造方法に特に限定されるものではなく、他の製造技術を採用することもできる。
【0065】
次に、図4を参照して、光ピックアップ90を用いて光記録媒体10に情報を記録再生する光記録再生方法について説明する。
【0066】
この光記録媒体10に情報を記録する場合、まず、第2光学系200の赤色波長領域の記録用ビーム270をサーボ層18に照射して、サーボ側管理情報記録領域に記録されている管理情報を読み出す。この結果、光ピックアップ90側において、記録再生層群14に情報を記録再生するためのビーム170のパワー情報、記録再生層群14の位置情報、層間距離に関するルール、アドレス情報、コンテンツ情報、エラー情報、追記情報等を、各記録再生層14A〜14Fに対応した状態でまとめて取得することができる。従って、情報を追記する場合、どの記録再生層のどの場所から開始すればよいかについても予め認識できる。なお、ここでは第1記録再生層14Aに追記することが可能であると仮定する。
【0067】
次に、第1光学系100の青色波長領域の記録用ビーム170を第1記録再生層14Aに照射する。この際、第2光学系200の赤色波長領域のビーム270をサーボ層18に照射してトラッキングを行う。具体的には、図4(A)に示されるように、サーボ層18におけるランド18A(図4(B)参照)やグルーブ18B(図4(A)参照)にビーム270のスポットを照射してトラッキングを行う。この結果、サーボ層18のランド18Aとグルーブ18Bの双方を利用してトラッキングを行いながら、第1記録再生層14Aに情報を記録していくことができる。この結果、記録再生層14Aに記録させる記録マークのトラックピッチP2は、サーボ層18のトラックピッチP1の1/2となる。
【0068】
次に、必要な情報の記録が完了した後は、今回の追記情報(記録に関するアドレス情報、コンテンツ情報、エラー情報等)を含む記録再生層の管理情報をサーボ層18側のサーボ側管理情報記録領域に記録して完了する。この管理情報は、次回の記録再生時に参照されることになる。なお、サーボ層18に対する記録は、赤色のビーム270を用いてトラッキングを行いながら、同じ赤色のビーム270を用いて記録する。なお、ここでは特に図示しないが、青色のビーム170をサーボ層に照射してトラッキングを行う場合、この青色のビーム170を用いてサーボ層に管理情報を記録しても良い。また、管理情報の記録は、ランド18A又はグルーブ18Bのいずれか一方を用いれば良いが、図3に示されるように、ランド18A・グルーブ18Bの双方を用いても良い。
【0069】
次に、第1記録再生層14Aに記録した情報を再生する際は、先ず、第2光学系200の赤色波長領域の記録用ビーム270をサーボ層18に照射して、先ほど記録した管理情報(例えば第1記録再生層14Aに先に記録したコンテンツ情報等の追記情報)を読み出す。この結果、再生しようとしているコンテンツ情報等をサーボ層18から予め取得できるので、再生しようとするコンテンツが、この第1記録再生層14Aに記録されていることを事前に認識することが出来る。
【0070】
この結果、第1光学系100のビーム170を利用して第1記録再生層14Aの所定アドレスにアクセスして再生を行う。再生時は、第1記録再生層14Aに既に情報が記録されていることが明らかであるので、その記録マークの反射光を利用してトラッキングを行えば良い。従って、コンテンツ再生中は、第2光学系200のビーム270は不要とすることができる。
【0071】
以上、本実施形態における光記録媒体10及び光記録再生方法によれば、記録再生層群14に情報を記録した際に、サーボ層18におけるサーボ側管理情報記録領域に対して、記録再生層群14の次回の記録再生に必要な管理情報を記録できる。従って、次回の記録再生時に、このサーボ層18の管理情報を参照することで、どの記録再生層に何が記録されているか等のコンテンツ情報や、記録再生時のエラー情報等を、各記録再生層14A〜14Fに対応させてまとめて把握することが可能となり、記録再生層を個々にシークする場合と比較して、記録再生効率を高めることが出来る。
【0072】
また、本来、トラッキング制御としての利用を主目的としたサーボ層18を、サーボ側管理情報記録領域として利用できるので、記録再生層群14に対する管理情報の記録が不要となり、記録再生層群14側のデータ領域を有効活用することも可能になる。また、サーボ層18におけるサーボ側管理情報記録領域を除く他の領域は、記録再生層群14と同様なサーボ側データ記録領域として利用することも可能になり、記録容量を増大させることもできる。
【0073】
更にサーボ層18には、ウォブル18Wによって、記録再生層群14のアドレス情報や記録条件等の基本情報がプリフォーマットされている。従って、サーボ層18においては、上記管理情報と同時にこれらの基本情報も取得することが出来るので、より一層、記録再生前のシーク時間を短くすることができる。
【0074】
また本実施形態では、サーボ用の赤色のビーム270を利用して、サーボ層18に管理情報を記録するようにしている。従って、赤色のビーム270を用いたトラッキングによって、記録再生層群14に対する記録作業完了後、この赤色のビーム270をそのまま活用してサーボ層18に管理情報を素早く記録を出来る。
【0075】
更に本実施形態では、長い波長となるサーボ用のビーム270によって、サーボ層18におけるランド18A及びグルーブ18Bの双方を利用してトラッキングを行うようにしている。この結果、記録再生層群14では、サーボ層18のトラックピッチP1の2倍の記録ピッチを実現することが可能となる。
【0076】
例えば、サーボ層18で利用するビーム270を、赤色波長領域となる630nm〜680nmの範囲内に設定し、記録再生用のビーム170を、青色波長領域となる380nm〜450nmの範囲内に設定することで、高密度に記録することが可能となる。
【0077】
また例えば、ランド18A及びグルーブ18BのトラックピッチP1を0.6μm〜0.7μm(具体的には0.64μm近傍)に設定することも好ましい。この結果、記録再生層群14側のトラックピッチP2を、0.30μm〜0.35μm(具体的には0.32μm近傍)にすることができ、BD規格に整合させることも可能となる。
【0078】
なお、サーボ層18側のトラックピッチを0.64μmに設定することも望ましい。このようにすることで、第2光学系200はDVD規格の既存製品をほとんどそのまま用いることが出来る。また、記録再生層群14は0.32μmのトラックピッチとなるので、第1光学系100は、BD規格の既存製品をほとんどそのまま用いることが出来る。即ち、光ピックアップ90側は新たな開発負担が無く、既存の部品を有効活用しながら、本記録媒体シリーズに対応することが可能となる。
【0079】
また、本実施形態では、サーボ層18を、記録再生層群14と比較して光入射面から遠い側に設けるようにし、赤色のビーム270を、記録再生層群14を透過させてサーボ層18に照射してトラッキングを行っている。このようにすると、光記録媒体10を製造する際に、支持基板12側にランド18A及びグルーブ18Bを予め形成するだけで済むので、製造コストを大幅に低減することができる。
【0080】
また、本実施形態の光記録媒体10では、サーボ層18を、光入射面10Aを基準として記録再生層群14よりも遠い側に配置する場合に限って示したが、本発明はこれに限定されない。また。記録再生層群14として記録再生層を6層以上備える場合に限って示したが、本発明はこれに限定されない。更にまた、本実施形態では、サーボ層18において赤色波長のサーボ用のビーム270の仕様に適合させたグルーブ・ランドを形成する場合を示したが、本発明はこれに限定されない。
【0081】
図5に、他の実施例に係る光記録媒体10として、サーボ層18が、4層の記録再生層群14よりも光入射面10A側に配置されており、更にこのサーボ層18のランド18A及びグルーブ18Bの規格は、青色波長のサーボ用ビーム270によってトラッキング制御可能となっている場合を示す。この光記録媒体10では、サーボ層18も記録再生層群14と同様な記録層によって構成されており、青色のビーム270、170によって、トラッキング制御と記録再生の双方が実現できるようになっている。
【0082】
この場合、ランド18A及びグルーブ18BのトラックピッチP1は0.30μm〜0.35μmの範囲内に設定される。記録再生層群14に対して情報を記録する際には、サーボ用の青色のビーム270を利用して、ランド18A又はグルーブ18Bのいずれか一方のみでトラッキングを行うことが好ましく、このトラッキングを行いながら、記録再生用となる青色のビーム170を、サーボ層18を透過して記録再生層群14に照射して、記録再生層群14に記録を行う。また、サーボ層18に管理情報を記録する際は、サーボ用の青色のビーム270又は記録再生用の青色のビーム170のいずれかを利用して、ランド18A又はグルーブ18Bのいずれか一方のみに管理情報を記録していくことが好ましい。
【0083】
このようにすると、サーボ層18が光入射面10Aに近づくので、トラッキング精度を高めることが出来る。
【0084】
また、本実施形態では、記録再生層群において、2種類の層間距離(16μm、12μm)を交互に設定する場合を示したが、本発明はこれに限定されず、3種類以上の層間距離を組み合わせても良い。
【0085】
なお、本実施形態では、サーボ層18を光入射面10Aから0.6mmに配置したが、このサーボ層18を光入射面10Aから0.6mmより離れた位置、又は0.6mmより近い位置に配置しても良い。この際、例えば、サーボ層18とこのサーボ層10に隣接する第一記録再生層14Aの層間距離を、記録再生層群14の層間距離(即ち16μm、12μmのいずれか)に等しくしても良い。このようにすると、サーボ層18を、記録再生層群14の1つに含めて管理できる。また本実施形態では、サーボ層18に対して赤色のビーム270によってトラッキング制御及び管理情報の記録を行う場合を示したが、青色のビーム170で行うようにしても良い。青色のビーム170を用いると、記録マークのサイズを小さくできることから、サーボ層18のランド18A及びグルーブ18Bの双方に対して、十分な余裕を持って管理情報等を形成できる。
【0086】
また、本実施形態では、記録再生層群と比較して、サーボ層が光入射面から遠い位置に配置される場合を示したが、本発明はこれに限定されず、サーボ層を記録再生層群よりも光入射面側に配置することも可能である。
【0087】
また本実施形態では、長波長側のビーム270を赤色波長領域とし、短波長側のビーム170を青色波長領域としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、同じ青色波長領域の中において、長い波長側をビーム270に設定し、短い波長側をビーム170に設定してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明の光記録媒体及び光記録再生方法は、サーボ層と記録再生層を有する各種光記録媒体に適用することができる。
【符号の説明】
【0089】
10 光記録媒体
11 カバー層
12 支持基板
14 記録再生層群
16 中間層群
17 スペーサ層
18 サーボ層
90 光ピックアップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラッキング制御用の凹凸を有しない平面構造の複数の記録再生層と、トラッキング制御用の凹凸が形成されるサーボ層とを備える光記録媒体に対して、前記サーボ層に対してサーボ用ビームを照射してトラッキング制御を行いながら、前記記録再生層に記録再生用ビームを照射して情報を記録再生する光記録再生方法であって、
前記記録再生層に情報を記録した際に、前記サーボ層に対して、前記記録再生層の次回の記録再生に必要な管理情報を記録しておき、
前記記録再生層における次回以降の記録再生時に、前記サーボ層の前記管理情報を参照することを特徴とする光記録再生方法。
【請求項2】
前記サーボ側管理情報記録領域に記録する前記管理情報は、前記記録再生層のコンテンツ情報、エラー情報、追記情報の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の光記録再生方法。
【請求項3】
前記サーボ層においてトラッキング制御を行う前記サーボ用ビームを利用して、前記サーボ層に前記管理情報を記録することを特徴とする請求項1又は2に記載の光記録再生方法。
【請求項4】
前記記録再生層に対して記録再生を行う前記記録再生用ビームを利用して、前記サーボ層に前記管理情報を記録することを特徴とする請求項1又は2に記載の光記録再生方法。
【請求項5】
前記記録再生用ビームの波長は、前記サーボ用ビームの波長と略等しく設定されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光記録再生方法。
【請求項6】
前記記録再生用ビームの波長は、前記サーボ用ビームの波長と比較して短く設定されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光記録再生方法。
【請求項7】
前記サーボ層を、前記記録再生層と比較して光入射面から遠い側に設けると共に、前記記録再生層を、前記サーボ用ビームに対する光透過特性を有するようにし、
前記サーボ用ビームを、前記記録再生層を透過して前記サーボ層に照射することでトラッキング制御を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光記録再生方法。
【請求項8】
前記サーボ層を、前記記録再生層と比較して光入射面に近い側に設けると共に、前記サーボ層を、前記記録再生用ビームに対する光透過特性を有するようにし、
前記記録再生用ビームを、前記サーボ層を透過して前記記録再生層に照射することで記録又は再生を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光記録再生方法。
【請求項9】
前記サーボ層と該サーボ層に隣接する前記記録再生層の層間距離を、複数の前記記録再生層の層間距離のいずれかに等しく設定することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の光記録再生方法。
【請求項10】
前記サーボ層のトラックピッチが、前記記録再生層に記録予定のトラックピッチの2倍に設定されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の光記録再生方法。
【請求項11】
トラッキング制御用の凹凸を有しない平面構造の複数の記録再生層と、トラッキング制御用の凹凸が形成されるサーボ層とを備え、前記サーボ層を利用してトラッキング制御を行いながら前記記録再生層に情報を記録する光記録媒体であって、
前記サーボ層は、前記記録再生層に情報を記録した際において次回以降の該記録再生層の記録再生に必要な管理情報を記録するためのサーボ側管理情報記録領域を備えることを特徴とする光記録媒体。
【請求項12】
前記サーボ側管理情報記録領域に記録可能な前記管理情報は、前記記録再生層のコンテンツ情報、エラー情報、追記情報の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項11に記載の光記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−170935(P2011−170935A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35810(P2010−35810)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】