光記録媒体、再生装置、再生方法
【課題】コンピュータデータの記録を行うホログラム記録媒体において記録媒体自体のデザイン性を向上させる。
【解決手段】
ホログラムメモリとしての光記録媒体に第1の形式のデータとして例えばコンピュータデータを記録するとともに、第2の形式の記録データとして、人が光記録媒体上で視認可能な画像データを記録する。つまり容量の大きいコンピュータデータの記録媒体として用いながら、人が視覚で見ることのできる画像データをも記録させ、光記録媒体の外観上、その画像が見えるようにする。また第1の形式の記録データは、再生装置で読み取ることを前提とするコンピュータデータであることから、再生装置では、光記録媒体から第1,第2の形式の記録データの再生像を読み出した後、第1の形式の記録データのみを抽出する。
【解決手段】
ホログラムメモリとしての光記録媒体に第1の形式のデータとして例えばコンピュータデータを記録するとともに、第2の形式の記録データとして、人が光記録媒体上で視認可能な画像データを記録する。つまり容量の大きいコンピュータデータの記録媒体として用いながら、人が視覚で見ることのできる画像データをも記録させ、光記録媒体の外観上、その画像が見えるようにする。また第1の形式の記録データは、再生装置で読み取ることを前提とするコンピュータデータであることから、再生装置では、光記録媒体から第1,第2の形式の記録データの再生像を読み出した後、第1の形式の記録データのみを抽出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録データに応じた画像の物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって記録データを記録する光記録媒体、及びその再生装置、再生方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特許第3596174号公報
【特許文献2】特許第3498878号公報
【0003】
物体光と参照光の干渉縞によって例えば立体的に視認できる画像等を記録するホログラム記録媒体が知られている。
例えば上記特許文献1,2には、ホログラム記録の一手法であるホログラフィックステレオグラム方式として、多数の画像を原画とし、これらを1枚のホログラム記録媒体に短冊状又はドット状の要素ホログラムとして順次記録する技術が開示されている。
このホログラフィックステレオグラムでは、被写体を横方向の異なる観察点から順次撮影することにより得られた複数の画像の情報が、短冊状の要素ホログラムとして横方向に連続するように順次記録されることで、このホログラフィックステレオグラムを観察者が両目で見たとき、その左右の目にそれぞれ写る2次元画像は若干異なるものとなる。これにより、観察者は視差を感じることとなり、3次元画像が再生されることとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでホログラム記録媒体は、記録密度を飛躍的に向上させ、著しい大容量化が可能であることも知られている。このためホログラム記録媒体は、3次元画像を再生のためだけでなく、例えばコンピュータデータとしての各種データを記録する記録媒体としても有用であると考えられている。
例えば上記ホログラフィックステレオグラム方式を応用する場合、コンピュータデータを所定の記録単位毎に2次元画像化する。例えばいわゆる二次元バーコード(QRコード)のような画像パターンを生成する。そして記録単位毎の2次元画像としての画像パターンを多数生成し、それぞれを短冊状の要素ホログラムとして記録していく。このようにすると、従来の印刷による二次元バーコードに比べて記録密度を飛躍的に向上させることが可能となる。
【0005】
ところが、当然ながら、このようにホログラム記録媒体にコンピュータデータを記録する場合、あくまでも専用の読み取り装置でデータを再生することを前提となっており、そのホログラム記録媒体に対する視認性は考慮されない。
つまり、コンピュータデータを記録した場合、人がそのホログラム記録媒体を見たときの見た目としては、二次元バーコードと同様のランダムなドット模様が見えるのみである。
【0006】
そこで本発明は、コンピュータデータの記録を行うホログラム記録媒体において、見た目、つまり記録媒体自体のデザイン性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の光記録媒体は、記録データを記録単位毎に画像化し、該画像の物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって上記記録データを記録する光記録媒体であり、第1の形式の記録データと、第2の形式の記録データとが記録されている。
上記第1の形式の記録データは、上記光記録媒体から読み出された後、情報処理装置によって処理されるコンピュータデータであり、上記第2の形式の記録データは、上記光記録媒体に記録された状態で、人の視覚による認識が可能な画像データである。上記コンピュータデータは、例えばオーディオデータである。
また、上記第2の形式の記録データは、上記光記録媒体の記録平面に対する略垂直方向からの観測時に観測されるように記録されている。
また上記光記録媒体に記録される複数の記録単位の各記録データは、位置固定された読み出し参照光に対して、異なる観測位置において各々観測される。
また上記光記録媒体に記録される複数の記録単位の各記録データは、位置固定された観測位置に対して、異なる読み出し参照光位置において各々観測される。
また、上記光記録媒体に記録される第1の形式の記録データは、第1の波長の参照光を用いて記録され、上記第2の形式の記録データは、上記第1の波長とは異なる第2の波長の参照光を用いて記録されている。
また上記第1の形式の記録データとしての1又は複数の記録単位の記録データには、上記第1の形式の記録データであることを識別するための識別データが含まれている。
また上記第1の形式の記録データとしての1又は複数の記録単位の記録データには、エラー訂正コードが含まれている。
【0008】
本発明の再生装置は、記録データを記録単位毎に画像化し、該画像の物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって上記記録データを記録する光記録媒体であって、情報処理装置によって処理されるコンピュータデータである第1の形式のデータと、上記光記録媒体に記録された状態で人の視覚による認識が可能な画像データである第2の形式のデータとが記録された光記録媒体に対してデータ再生を行う再生装置である。そして、読み出し参照光を出力する参照光出力手段と、上記参照光出力手段により上記光記録媒体に読み出し参照光を与えた状態で、上記光記録媒体に記録された各記録単位毎の再生像を検出する検出手段と、上記検出手段で検出された各記録単位毎の再生像をデータ列に変換すると共に、上記第1の形式のデータのみを抽出して再生データとして処理する再生処理手段とを備える。
また上記参照光出力手段は、上記光記録媒体に対して固定の位置状態で読み出し参照光を照射し、上記検出手段は、上記光記録媒体に対して観測位置を変化させながら、上記各記録単位毎の再生像を検出していく。
或いは、上記参照光出力手段は、上記光記録媒体に対して位置を変化させながら参照光を照射し、上記検出手段は、固定の観測位置において、上記読み出し参照光の位置変化に応じて上記各記録単位毎の再生像を検出していく。
或いは、上記光記録媒体に記録される第1の形式の記録データは、第1の波長の参照光を用いて記録され、上記第2の形式の記録データは、上記第1の波長とは異なる第2の波長の参照光を用いて記録されており、上記参照光出力手段は、上記第1の波長の参照光を出力する。
また上記光記録媒体に記録された上記第1の形式の記録データとしての1又は複数の記録単位の記録データには、上記第1の形式の記録データであることを識別するための識別データが含まれており、上記再生処理手段は、上記識別データに基づいて上記第1の形式のデータのみを抽出する。
また上記光記録媒体に記録された上記第1の形式の記録データとしての1又は複数の記録単位の記録データには、エラー訂正コードが含まれており、上記再生処理手段は、上記エラー訂正コードを用いた訂正処理結果に基づいて上記第1の形式のデータのみを抽出する。
【0009】
本発明の再生方法は、記録データを記録単位毎に画像化し、該画像の物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって上記記録データを記録する光記録媒体であって、情報処理装置によって処理されるコンピュータデータである第1の形式のデータと、上記光記録媒体に記録された状態で人の視覚による認識が可能な画像データである第2の形式のデータとが記録された光記録媒体に対する再生方法として、読み出し参照光を上記光記録媒体に与えた状態で、上記光記録媒体に記録された各記録単位毎の再生像を検出する検出ステップと、上記検出ステップで検出された各記録単位毎の再生像をデータ列に変換すると共に上記第1の形式のデータのみを抽出して再生データとして処理する再生処理ステップとを備える。
【0010】
即ち本発明の光記録媒体は、第1の形式のデータとして例えばコンピュータデータを記録するとともに、第2の形式の記録データとして、人が光記録媒体上で視認可能な画像データを記録する。つまり容量の大きいコンピュータデータの記録媒体として用いながら、人が視覚で見ることのできる画像データをも記録させ、光記録媒体の外観上、その画像が見えるようにする。
また第1の形式の記録データは、再生装置で読み取ることを前提とするコンピュータデータであることから、本発明の再生装置、再生方法は、光記録媒体から第1,第2の形式の記録データの再生像を読み出した後、第1の形式の記録データのみを抽出する。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、コンピュータデータ等の第1の形式の記録データを記録したホログラムメモリとしての光記録媒体に、第2の形式の記録データとして例えば視認できる画像データを混在させている。このため、本来のデータ記録媒体という目的を満足しつつ、かつ同時にデザイン性の高く、見た目に興味深い光記録媒体を実現できるという効果がある。
またこのような本発明の光記録媒体に対する本発明の再生装置、再生方法としては、光記録媒体から第1,第2の形式の記録データの再生像を読み出した後、第1の形式の記録データのみを抽出することで、適正なデータ再生処理が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を次の順序で説明する。
[1.ホログラフィックステレオグラム方式のホログラムメモリ]
[2.ホログラムメモリの生成]
[3.再生装置構成]
[4.ホログラムメモリに対する再生動作]
[5.他の方式のホログラムメモリ及び再生動作]
[6.実施の形態の効果及び変形例]
【0013】
[1.ホログラフィックステレオグラム方式のホログラムメモリ]
本発明の光記録媒体の実施の形態として、物体光と参照光によって生じる干渉縞によりデータを記録するホログラムメモリを挙げる。ホログラムメモリにはさまざまな方式があるが、ここではホログラフィックステレオグラム(Holographic Stereogram)方式のホログラムメモリを例に挙げる。
【0014】
実施の形態のホログラムメモリでは、第1の形式の記録データとして、コンピュータ装置その他の情報処理装置によって処理されるコンピュータデータと、第2の形式の記録データとして、ホログラムメモリに記録された状態で、人の視覚による認識が可能な画像データとを混在記録させるものである。
なお、第2の形式の記録データの例として以下でいう「画像データ」とは、特に注記しない限りは、ユーザーがホログラムメモリを見たときに視覚上で画像として認識されるデータであり、後述する再生装置に読み取られて情報処理される対象となる画像のデータのことではない。情報処理装置で処理されるコンピュータユースの「画像データ」を記録するすることも考えられるが、その場合、その「画像データ」は、コンピュータデータの一例であり、本例でいう第1の形式の記録データに相当する。
また以下の説明では、第1の形式の記録データであるコンピュータデータの一例としてオーディオデータを挙げる。
【0015】
従来より知られているように、ホログラフィックステレオグラム方式のホログラムメモリに視認可能な立体画像を記録する場合、様々な角度から撮影した物体の画像をホログラム材料上に垂直の帯状に記録する。すると記録済みのホログラムに参照光を当てると、見る角度によりそれに応じた画像を観察することができ、人には立体画像として認識される。
本実施の形態では、ホログラム材料上の垂直の帯状として記録されるホログラム要素として、一部には画像データを記録させ、一部にはオーディオデータを記録させることで、オーディオデータと画像データを混在記録する。
【0016】
図1には、オーディオデータと画像データをホログラムメモリに混在記録することを模式的に示している。
図1(b)はホログラム材料30に帯状にホログラム要素を記録する状態を表している。ホログラム材料30には物体光L4と記録用の参照光L3が照射される。
例えば液晶パネルによる透過型の表示装置41に画像を表示した状態で、表示装置41に物体光L4を照射する。表示装置41を通過した物体光L4は、表示装置41に表示された画像を反映した物体光となるが、この物体光L4はシリンドリカルレンズ42で垂直方向の線状に収束されてホログラム材料30に照射される。
この線状に収束された物体光L4と参照光L3が干渉した際の干渉縞が、図示するように垂直方向の帯状のホログラム要素としてホログラム材料30に記録されることになる。
【0017】
ここで、帯状の各ホログラム要素を生成していくためには、ホログラム材料30を例えば矢印H方向に1段階ずつ送るとともに、表示装置41に表示する画像を変化させていく。すると、干渉縞としての帯状のホログラム要素がホログラム材料30上に格子状に形成されていくことになる。
このとき、或る物体を様々な角度から撮影した画像を順次表示装置41に表示させて、それぞれホログラム要素として記録していくと、視認上で立体画像が見える状態になるが、本例の場合、表示装置41に表示させる画像として、オーディオデータを2次元バーコード状に表現したパターンを含むものとする。即ちオーディオデータを、2次元バーコード状のパターン画像とし、これを記録されるホログラム要素とする。
【0018】
図1(a)に、表示装置41に順次表示させる画像の例を示す。
表示装置41には、オーディオデータDAと画像データDPに基づく画像を順次表示させることになる。
オーディオデータDAに基づく画像は、図示するように、二次元バーコード状の画像である。記録しようとする元々のオーディオデータについては、例えば固定長のデータサイズ毎などとしての記録単位毎に分割し、その各記録単位のオーディオデータを二次元バーコード画像パターンに変換する。
その二次元バーコード状の画像パターンを表示装置41に表示させた場合、当該画像パターンを反映した物体光L4がホログラム材料30に照射され、参照光L3との干渉縞によって該画像パターンを記録した線状のホログラム要素が形成される。即ちオーディオデータDAの1つの記録単位がホログラム材料30に記録されることになる。
そこで、図1(a)のようにオーディオデータDAに基づく画像と、或る被写体を撮影して得られた画像データDPに基づく画像を、所定の順序(#1・・・#x)で表示装置41に表示させながら、ホログラム材料30にホログラム要素を形成していくと、オーディオデータDAと画像データDPを混在記録したホログラムメモリが形成できる。
【0019】
図2に、そのようにして形成されたホログラムメモリ1の様子を示している。
各ホログラム要素として記録されたデータは、人が視認できる画像としてホログラムメモリ1上にあらわれる。この場合、ホログラムメモリ1に対しては、或る方向に配置された光源からの光や、周囲の自然光等の外光が参照光となる。
上記図1(a)のような#1・・・#xの順序でオーディオデータDA、画像データDPを記録していった場合、例えば図2のように、ホログラムメモリ1に対して、角度θ1の範囲からは、#1〜#nのオーディオデータDAの画像パターンが視認できる。また略正面方向である角度θ2の範囲では、#n+1〜#mの画像データDPの画像が視認できる。さらに角度θ3の範囲からは、#m+1〜#xのオーディオデータDAの画像パターンが視認できる。
【0020】
オーディオデータDAによる画像パターンは、二次元バーコードのように、人が意味的にその内容を認識できる画像ではないが、画像データDPによる画像は、ホログラムメモリ1に対して略正面に対峙した人200がその画像自体を認識できるものである。
オーディオデータDAによる画像パターンについては、再生装置が読み取ってデータ処理するものとされる。再生装置は、図示する読取範囲θ0で、各画像をイメージセンサで読み取っていく。即ち#1〜#nのオーディオデータDAによる画像パターン、#n+1〜#mの画像データDPの画像、及び#m+1〜#xのオーディオデータDAの画像パターンを、それぞれ読み取っていく。例えば再生装置のレンズ系の位置を順次移動させたり、或いは読み出しのための参照光の位置を順次移動させながら、各光像をイメージセンサで読み取っていく。そして各イメージパターンをデータにデコードする。このとき再生装置内でのデータ処理過程で、#n+1〜#mの画像データDPを破棄し、#1〜#n及び#m+1〜#xの読み出し画像パターンからデコードしたオーディオデータDAとしての各記録単位のデータのみを抽出する。そして各記録単位のデータからオーディオデータDAとしてのストリームデータを生成する。
【0021】
つまり本例のホログラムメモリ1は、ホログラムメモリの高密度記録という特性を生かしてオーディオデータDA等のコンピュータデータを十分な容量、記録できるだけでなく、人200が略正面方向から見たときに、画像自体を認識できるため、ホログラムメモリ1自体をデザイン性の高いものとすることができる。
また例えばオーディオデータDAを記録することを想定した場合、音楽データとしてのオーディオデータDAを記録すると共に、その音楽のアーティスト写真やジャケット画像を画像データDPとして記録すれば、付加価値の高いホログラムメモリ1を実現できる。例えばユーザーは視認できる画像によってアーティストや音楽の内容を認識しながら、再生装置によって、その音楽自体(オーディオデータDA)を読み取っていくことが可能となる。
【0022】
なお、当然ながら、ある角度範囲での視認可能な像を画像データDPの像とした場合、その画像データDPを記録した分だけ、オーディオデータDA等のコンピュータデータの記録容量は減少する。但しこれは逆に言えば、オーディオデータDA等の記録に必要な容量を設定した上で、残りの容量として、画像データDPを記録するものとすればよいものである。つまり、どのくらいの角度範囲でデザイン上有効な画像が見えるようにするか(画像データDPの記録容量をどれくらいとするか)というのは、記録しようとするコンピュータデータの容量と、デザイン上の観点を勘案して、決められればよい。
また、必ずしも正面方向から画像データDPによる像が視認できるようにする必要はなく、例えばホログラムメモリ1に対して人200が斜め方向から見たときのみ画像データDPによる像が認識できるようにすることも考えられる。
【0023】
[2.ホログラムメモリの生成]
次に、上記のようなホログラムメモリ1を形成するためのデータ記録装置、即ちホログラフィックステレオグラム作成システムについて説明する。
このホログラフィックステレオグラム作成システムは、物体光と参照光との干渉縞が記録されたフィルム状のホログラム材料30をそのままホログラフィックステレオグラム(ホログラムメモリ1)にする、いわゆるワンステップホログラフィックステレオグラムを作成するシステムである。
【0024】
ホログラフィックステレオグラム作成システムは、図3に示すように、ホログラム材料30に記録する画像の画像データDPを生成する画像データ生成部11と、同じくホログラム材料30に記録するオーディオデータDAを生成するオーディオデータ生成部12と、画像データDPとしての画像と、オーディオデータDAについての画像パターンとを順次記録データとして出力する記録データ生成部13と、このシステム全体の制御を行う制御用コンピュータ14と、ホログラフィックステレオグラム作成用の光学系を有するホログラフィックステレオグラムプリンタ装置15とを備えている。
【0025】
画像データ生成部11は、ホログラム材料30に記録される複数の要素ホログラムに対応した複数の画像の画像データDPを生成する。即ち図1,図2に示した#n+1〜#mとしての複数の画像データDPを生成する。ホログラムメモリ1に記録され、視認される画像を立体画像とする場合は、画像データ生成部11は、#n+1〜#mの各画像データDPを、いわゆる視差画像列としての画像とすればよい。
【0026】
オーディオデータ生成部12は、オーディオソースからのオーディオストリームデータを所定データサイズの記録単位に分割する。そして各記録単位毎にオーディオデータDAを二次元パターンに変換する。即ち図1,図2に示した#1〜#n、及び#m+1〜#xとしてオーディオデータDAに基づいた複数の画像パターンとしてのデータを生成する。
図4にオーディオデータ生成部12におけるオーディオデータDAの処理例を示す。
図4におけるデータブロックとは、ストリームデータとしてのオーディオデータを所定サイズ毎に抽出して生成した記録単位のことを表している。
図4(a)の例は、所定データ量としてのオーディオデータに対してヘッダを付加して1つのデータブロックを生成し、これを1記録単位、つまり1つのホログラム要素として記録される単位とする例である。
ヘッダには、オーディオデータとしての属性、ブロックナンバ、データサイズなどが記録される。
オーディオデータは、オーディオソースから得られたデータをそのまま用いても良いし、所定の圧縮方式或いは記録用のエンコードが施されたデータとしても良い。さらには、所定の暗号化方式での暗号化が施されたオーディオデータであってもよい。
図4(b)の例は、上記ヘッダ及びオーディオデータに加えて、識別コードを記録したデータブロックを生成する例である。識別コードとは、ホログラムメモリ1に記録されているホログラム要素として、画像データDPと区別するためのコード情報であり、つまり識別コードによってオーディオデータDAが記録されたデータブロックであることを示すものとしている。
図4(c)の例は、ヘッダ、オーディオデータ、エラー訂正コード(ECC)によりデータブロックが形成される例である。つまりデータブロック内のオーディオデータに対してエラー訂正用のエンコードが施され、そのECCパリティが記録されることで、再生時に、データブロック単位でエラー訂正処理が可能となるようにしている。
図4(d)の例は、上記のヘッダ、識別コード、オーディオデータ、エラー訂正コードを備えるようにしてデータブロックを形成する例である。
オーディオデータ生成部12は、データソースから与えられたオーディオストリームデータに対して、例えばこの図4(a)〜(d)の例のように、1記録単位毎のデータブロックを生成していくと共に、各データブロックを二次元画像パターンのデータに変換して出力する。
【0027】
記録データ生成部13は、画像データ生成部11からの各画像データDPと、オーディオデータ生成部12からの各オーディオデータDAによる画像パターンとを取り込み、#1〜#xの順序にデータを配列して記録データDRとする。
そして記録データ生成部13は、ホログラム材料30に対する記録時に、#1〜#xの順序の記録データDR(画像データDP、及びオーディオデータDAに基づく画像パターンのデータ)を順次、ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置15に送出するとともに、ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置15に記録データDRを送出する毎に、データを送出したことを示すタイミング信号S1を制御用コンピュータ14に送出する。
【0028】
制御用コンピュータ14は、記録データ生成部13からのタイミング信号S1に基づいてホログラフィックステレオグラムプリンタ装置15を駆動し、記録データ生成部13から出力された記録データDRに基づく画像を、ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置15内にセットされたホログラム材料30に、短冊状の要素ホログラムとして順次記録する。
このとき、制御用コンピュータ14は、後述するように、ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置15に設けられたシャッタ及び記録媒体送り機構等の制御を行う。すなわち、制御用コンピュータ14は、ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置15に制御信号S2を送出して、シャッタの開閉や、記録媒体送り機構によるホログラム材料30の送り動作等を制御する。
【0029】
ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置15は、例えば図5に示す光学系を備える。なお、図5(a)は、ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置3全体の光学系を上方から見た図であり、図5(b)は、ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置3の光学系の物体光用の部分を横方向から見た図である。
【0030】
ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置15は、図5(a)に示すように、所定の波長のレーザ光を出射するレーザ光源31と、レーザ光源31からのレーザ光L1の光軸上に配されたシャッタ32と、ハーフミラー33とを備えている。シャッタ32は、制御用コンピュータ14によって制御され、ホログラム材料30を露光しないときには閉じられ、ホログラム材料30を露光するときに開放される。また、ハーフミラー33は、シャッタ32を通過してきたレーザ光L2を、参照光と物体光とに分離するためのものであり、ハーフミラー33によって反射された光L3が参照光となり、ハーフミラー33を透過した光L4が物体光となる。
【0031】
ハーフミラー33によって反射された光L3の光軸上には、参照光用の光学系として、シリンドリカルレンズ34と、参照光を平行光とするためのコリメータレンズ35と、コリメータレンズ35からの平行光を反射する全反射ミラー36とがこの順に配置されている。
そして、ハーフミラー33によって反射された光は、先ず、シリンドリカルレンズ34によって発散光とされる。次に、コリメータレンズ35によって平行光とされる。その後、全反射ミラー36によって反射され、ホログラム材料30に参照光として入射する。
【0032】
一方、ハーフミラー33を透過した光L4の光軸上には、図5(a)及び図5(b)に示すように、物体光用の光学系として、ハーフミラー33からの透過光を反射する全反射ミラー38と、凸レンズとピンホールを組み合わせたスペーシャルフィルタ39と、物体光を平行光とするためのコリメータレンズ40と、記録対象の画像を表示する表示装置41と、物体光をホログラム用記録媒体30上に集光させるシリンドリカルレンズ42とがこの順に配置されている。
そして、ハーフミラー33を透過した光L4は、全反射ミラー38によって反射された後、スペーシャルフィルタ39によって点光源からの拡散光とされる。次に、コリメータレンズ40によって平行光とされ、その後、表示装置41に入射する。ここで、表示装置41は、例えば液晶パネルからなる透過型の画像表示装置であり、記録データ生成部13から送られた記録データDRに基づく画像を表示する。そして、表示装置41を透過した光は、表示装置41に表示された画像に応じて変調された後、シリンドリカルレンズ42に入射する。
【0033】
表示装置41を透過した光は、シリンドリカルレンズ42により横方向に集束され、この集束光が物体光としてホログラム用記録媒体30に入射する。すなわち、このホログラフィックステレオグラムプリンタ装置15では、表示装置41からの投影光が短冊状の物体光としてホログラム用記録媒体30に入射する。
【0034】
ここで、参照光及び物体光は、参照光がホログラム材料30の一方の主面に入射し、物体光がホログラム材料30の他方の主面に入射するようにする。すなわち、ホログラム材料30の一方の主面に、参照光を所定の入射角度にて入射させるとともに、ホログラム材料30の他方の主面に、物体光をホログラム材料30に対して光軸がほぼ垂直となるように入射させる。これにより、参照光と物体光とがホログラム材料30上において干渉し、当該干渉によって生じる干渉縞が、ホログラム材料30に屈折率の変化として記録される。
【0035】
また、このホログラフィックステレオグラムプリンタ装置15は、制御用コンピュータ14の制御のもとに、ホログラム材料30を間欠送りし得る記録媒体送り機構43を備えている。この記録媒体送り機構43は、記録媒体送り機構43に所定の状態でセットされたフィルム状のホログラム材料30に対して、記録データ生成部13から出力された記録データDRに基づく1つの画像が1つの要素ホログラムとして記録される毎に、制御用コンピュータ14からの制御信号S2に基づいて、ホログラム材料30を1要素ホログラム分だけ間欠送りする。これにより、記録データ生成部13から出力される記録データDRに基づく各画像(画像データDP及びオーディオデータDAに基づく画像パターン)が、要素ホログラムとして、ホログラム材料30に横方向に連続するように順次記録される。
【0036】
以上のように、このホログラフィックステレオグラム作成システムでは、記録データ生成部13から出力される記録データDRに基づく複数の露光用画像が表示装置41に順次表示されるとともに、各画像毎にシャッタ32が開放され、各画像がそれぞれ短冊状の要素ホログラムとしてホログラム材料30に順次記録される。このとき、ホログラム材料30は、1画像毎に1要素ホログラム分だけ送られるので、各要素ホログラムは、横方向に連続して並ぶこととなる。これにより、画像データDPとして、例えば横方向の視差情報を含む複数の画像が、横方向に連続した複数の要素ホログラムとしてホログラム材料30に記録され、横方向の視差を有するホログラフィックステレオグラムが得られるとともに、オーディオデータDAによる画像パターンも同じく横方向に連続した複数の要素ホログラムとして記録される。
そして、このシステムでデータDRの記録を行ったホログラム材料30が、図2で説明した本例のホログラムメモリ1となる。
【0037】
[3.再生装置構成]
続いて、図2のように画像データDPとオーディオデータDAとしての画像が記録された本例のホログラムメモリ1に対する再生装置を説明する。上述したように、記録された画像データDPによる像はユーザーは直接視認するものであり、本例の再生装置は、記録されたコンピュータデータ、つまり上記例でのオーディオデータDAを、ホログラムメモリ1から再生する装置である。
【0038】
図6(a)(b)は、それぞれホログラムメモリリーダーとしての本例の再生装置50の外観例を示している。
再生装置50は、例えばユーザーが携帯可能な小型の筐体で構成され、筐体上にユーザーインターフェースのための表示部51や操作部52が設けられる。
ホログラムメモリ1に対するデータ読取のためには、例えば筐体の一側面に、撮像レンズ系53や読取のための参照光を照射する発光素子(LED)54が設けられる。
図2に示したように、再生装置50はホログラムメモリ1に対して読取範囲θ0の読取スキャンを行う。このため、例えば図6(a)の場合は、発光素子54の位置は固定されるが、レンズ移動部53aとして、撮像レンズ系53の位置を移動させる機構が設けられている。また例えば図6(b)は、撮像レンズ系53は固定されるが、発光素子54の位置を移動させる発光素子移動部54aが設けられている。
読取時のスキャン動作の例については後述する。
【0039】
図7により再生装置50の構成を説明する。
図7においてシステムコントローラ61は、例えばマイクロコンピュータにより形成され、ホログラムメモリ1からのオーディオデータDAの読取のための動作を実行するために各部を制御する。
またシステムコントローラ61は操作部52の操作情報を監視し、ユーザーの操作に応じて必要な制御を行う。またシステムコントローラ61は、表示部51を制御してユーザーに提示する各種の情報の表示を実行させる。
【0040】
読取機構部56は、撮像レンズ系53、イメージャ55,発光素子54、スキャン機構74を有する。撮像レンズ系53は、1又は複数のレンズにより構成される光学系である。1枚の撮像レンズ、或いは撮像レンズとフォーカスレンズ等を備えた複数のレンズにより構成され、ホログラムメモリ1からの再生像光をイメージ55に導く。イメージャ55は、例えばCMOSイメージセンサやCCDイメージセンサ等の固体撮像素子アレイによって構成され、撮像レンズ系53により入射した再生像の光を受光し、電気信号に変換する。
【0041】
例えばLEDによる発光素子54は、発光駆動回路75によって発光される。発光素子54は、当該再生装置50によってホログラムメモリ1の再生を行う場合に、システムコントローラ61の指示によって発光素子54を発光駆動する。
スキャン機構74は、例えば図6(a)のように設けられているレンズ移動部53a内で、レンズ系53(レンズ系53とイメージャ55)を移動させる機構である。或いは図6(b)のように設けられている発光素子移動部54a内で発光素子54を移動させる機構である。
【0042】
カメラメカ制御部67は、ホログラムメモリ1の再生を行う際に、システムコントローラ61の指示に応じて読取機構部56を駆動制御する。例えばレンズ系53におけるフォーカス制御や、スキャン機構74の動作を制御する。
【0043】
転送制御/信号処理部62は、イメージャ55の動作を制御すると共に、イメージ55によって得られる信号の処理を行う。
即ち転送制御/信号処理部62は、イメージャ55に対して転送タイミング信号、転送アドレス信号等を供給して、撮像信号としての固体撮像素子アレイで得られる信号を順次転送出力させる。そしてイメージャ55から転送されたきた撮像信号について、サンプリング処理、AGC処理、A/D変換処理等を施し、撮像データとして出力する。
【0044】
転送制御/信号処理部62から出力される撮像データは、メモリコントローラ63の制御によってDRAM64に蓄積される。
DRAM64に蓄積された撮像データに関する信号処理系として、光学補正部68、幾何歪み補正部69、二値化部70、データ処理部71が設けられる。またこれらの各部の処理結果や処理に必要な情報についてのシステムコントローラ61とのやりとりにSRAM72が用いられる。
また、フラッシュメモリ65には、例えば上記各部での信号処理に必要な設定値、係数、その他必要な情報が記憶される。
【0045】
光学補正部68は、イメージャ55によって得られる撮像データについて光学的な原因によるデータ値の変動を補正する処理を行う。
幾何歪み補正部69は、撮像データとして取り込まれた再生像に生じている幾何的な歪みを補正する処理を行う。
二値化部70は、イメージャ55によって得られる階調のある撮像データを白黒の二値に変換する処理を行う。ホログラムメモリ1から読み取るべきデータは、二次元パターン化されたオーディオデータDAであり、二次元画像パターンは、オーディオデータDAを白黒の二値のデータに変換した上で画像パターンにしたものであるからである。
【0046】
データ処理部71は、二次元の画像パターンとして二値化された撮像データについて、デコード処理を行い、オーディオデータを得る。
即ち、1枚の二次元画像パターンとしての撮像データから、図4に示したような1つのデータブロックとしてのデータ列を生成する。
1つのデータブロックとして得たデータ列については、ヘッダ情報に応じてオーディオデータDAを抽出する。
データ処理部71は、DRAM64に蓄積された各二次元画像パターンの撮像データについて、それぞれデータブロックとしてのデータ列を生成していき、各データブロックから抽出されたオーディオデータDAに基づいて、元のオーディオストリームデータを生成していく。
この場合において、データブロックが図4(c)(d)のようにエラー訂正コードが含まれているのであれば、データ処理部71はオーディオデータのエラー訂正処理を行うことになる。
また、データ処理部71は、データブロックから抽出したオーディオデータDAについて、圧縮処理や圧縮に対する伸長処理、送信用又は記録用のエンコード処理、或いは暗号化に対するデコード処理等を行うようにしてもよい。
【0047】
ところで、ホログラムメモリ1に対して図2の読取範囲θ0としての全ての再生像を撮像データとして取り込み、DRAM64に蓄積していく場合、画像データDPとしての再生像も撮像データとして含まれることになる。
このためデータ処理部71は、DRAM64に蓄積された各撮像データについて、オーディオデータDAを含むデータブロックの二次元画像パターンの再生像の撮像データであるのか、或いは画像データDPの再生像であるのかを判別し、画像データDPの再生像である撮像データについては破棄する処理も行う。
例えばデータブロックが図4(b)又は図4(d)の構成とされる場合、データ処理部71は、データブロック内で識別コードが存在しているか否かで、撮像データが、オーディオデータDAの再生像であるのか、画像データDPの再生像であるのかを判別できる。
またデータブロックが図4(c)又は図4(d)の構成とされる場合、ECCパリティを用いて正しくエラー訂正処理ができれば、その撮像データはオーディオデータDAの再生像の撮像データであり、正しくエラー訂正処理ができなければ画像データDPの再生像であると判別するようにしてもよい。
また、データブロックが図4(a)のように識別コードが存在せず、またエラー訂正コードも含まれていない場合は、そのデータブロックの形式やデータ内容を確認して判別する手法が考えられる。例えばヘッダ情報としての決められた意味のある情報が含まれていればオーディオデータDAのデータブロックとして採用することが考えられる。またデータブロックから抽出したオーディオデータを繋げてオーディオストリームデータを生成する際には、そのデータブロックナンバを確認することになるが、その場合、画像データDPにはストリームデータとしての順序を示すデータブロックナンバは存在しないため、結果として画像データDPの再生像から得られるデータは除外できることになる。
【0048】
データ処理部71で得られたオーディオデータDAとしてのオーディオストリームデータは、外部インターフェース66を介して外部装置、例えばパーソナルコンピュータやオーディオシステム等の外部装置に、ホログラムメモリ1からの再生データとして転送される。外部インターフェース66は例えばUSBインターフェース等が想定される。もちろん外部インターフェース66はUSB以外の規格のインターフェースでもよい。
ユーザーは外部装置側で取り込んだオーディオデータを再生させることで、オーディオ再生を楽しむことができる。
【0049】
またデータ処理部71で得られたオーディオデータDAとしてのオーディオストリームデータは、メディアドライブ73に供給されて記録メディア90に記録されるようにしてもよい。
記録メディア90は、例えば光ディスク、光磁気ディスク等をされる。例えばCD(Compact Disc)方式、DVD(Digital Versatile Disc)方式、ブルーレイディスク(Blu-Ray Disc)方式、MD(Mini Disc)方式などの各種方式の記録可能型のディスクが記録メディア90として考えられる。これらのディスクが記録メディア90とされる場合、メディアドライブ73は、ディスク種別に対応したエンコード処理、エラー訂正コード処理、或いは圧縮処理等を施して、オーディオデータをディスクに記録する。
また記録メディア90としてハードディスクも想定され、その場合、メディアドライブ73は、いわゆるHDD(ハードディスクドライブ)として構成される。
さらに記録メディア90は、固体メモリを内蔵した可搬性のメモリカード、或いは内蔵型固体メモリとしても実現でき、その場合メディアドライブ73は、メモリカード或いは内蔵型固体メモリに対する記録装置部として構成され、必要な信号処理を行ってオーディオデータ記録を行う。
【0050】
なお図7には示していないが、例えば記録メディア90に記録したオーディオデータをメディアドライブ73で再生し、その再生したオーディオデータをデコードして出力する音声再生出力系を備えることは当然考えられる。
またメディアドライブ73で再生したオーディオデータを外部インターフェース66を介して外部機器に転送することもできる。
さらに上記のCD、DVD、ブルーレイディスク、MD、メモリカード等の可搬性の記録メディア90に記録した場合は、その記録メディア90を外部機器で再生させることで、ユーザーはホログラムメモリ1から読み出した音楽等を聞くことができる。
【0051】
[4.ホログラムメモリに対する再生動作]
例えば上記のような構成の再生装置によってホログラムメモリ1からデータを読み取る際の動作例について説明する。
図3,図5では、記録時には参照光の角度を固定して、HPO(Horizontal Parallax Only)の光学系で様々な画像を記録する方式を説明したが、このような記録を行った場合は、基本的には再生時には参照光の角度を固定し、イメージャの角度を変化させることが望ましい。
図8は、上記再生装置50においてレンズ系53とイメージャ55の角度を変化させる読取方式を示している。即ち図6(a)のようにレンズ移動部53aを備えた再生装置50において、このレンズ移動部53aの移動可能範囲で、レンズ系53とイメージャ55を一体的に移動させる移動ユニット80を形成する。そして、この移動ユニットを、図7に示したスキャン機構74によって図8に示すように回転方向に移動させて、ホログラムメモリ1に対する撮像方向の角度を変化させる。読取のための参照光L5を出力する発光素子54は固定位置である。
つまりユーザーがホログラムメモリ1に対して再生装置50を対向させた状態で読取を指示する操作を行ったら、システムコントローラ61がカメラメカ制御部67に指示してスキャン機構74を駆動させ、移動ユニットを回転移動させる。このときにイメージャ55によって順次得られる再生像の撮像データとして、図2の#1〜#xの撮像データが得られることになり、上記のように再生装置50内でオーディオデータDAを得る。
【0052】
また、移動ユニット80を回転方向に移動させるのではなく、図9に示すように、移動ユニット80を平行移動させるように構成しても良い。
このように平行移動で再生像を取り込むようにすれば、移動ユニット80の移動機構を簡単な構成とすることができる。但し、再生像に歪みが生じやすいという点があり、十分な歪み補正等の処理が必要となる。
また、図10のように、イメージャ55のサイズが十分に大きい場合には、撮像レンズ系53のみを移動させる構成も考えられる。
【0053】
また図6(b)のような構成として撮像レンズ系53側は固定とし、発光素子移動部54aにおいて発光素子をホログラムメモリ1に対して回転移動させることで、図11に示すように、ホログラムメモリ1に対して照射する読み取り用の参照光L5の角度を変化させるようにしてもよい。
【0054】
[5.他の方式のホログラムメモリ及び再生動作]
以上の実施の形態としては、ホログラフィックステレオグラム方式でのホログラムメモリ1を例としたが、他の記録方式のホログラムメモリ1でも本発明を適用できる。
例えば角度多重記録方式が考えられる。
フォトポリマーなどの「厚い記録媒体」を用いた場合には、同じ場所に2つ以上のホログラムを記録することが可能であることが知られている。
この原理を利用して、同じ場所に異なる参照光を用いて、異なる記録パターンを記録すれば、参照光の角度を変えることにより、異なる記録パターンを再生することが可能となる。このときの再生装置50では、上記図11のように参照光の照射角度を移動させる構成を採ればよい。
この場合も、たとえば参照光の角度が図2のθ2(例えば80°〜100°)の間で画像が視認でき、それ以外の角度θ1,θ3ではオーディオデータDAによる画像パターンの再生像があらわれるようにデータを記録しておけばよい。
【0055】
また波長多重記録方式も考えられる。
フォトポリマーなどの記録媒体には波長選択性があるために、同じ場所に異なる波長の光源を用いて、異なる記録パターンを記録すれば、参照光の波長を変えることにより、異なる記録パターンを再生することが可能となる。
例えば緑の光源でオーディオデータを記録し、赤の光源で画像データを記録した場合、図12のように発光素子54aによる再生時の参照光L5を緑にすることでオーディオデータを再生できる。また、特に発光素子54bとして赤の参照光L6を照射できるようにすれば、画像データの像を再生することができ、画像データとオーディオデータの混在が可能となる。また白色光で観察した場合には、データは緑色に、画像は赤色に見えるため、デザイン性にも優れている。
【0056】
[6.実施の形態の効果及び変形例]
以上説明してきたように、本実施の形態によれば、ホログラムメモリの高密度記録という特性を生かしてオーディオデータDA等のコンピュータデータを十分な容量、記録でき、さらに人がホログラムメモリ1自体を見たときに、画像を認識できるため、ホログラムメモリ1をデザイン性の高いものとしたり、付加価値の高いものとすることができる。
また再生装置側では、ホログラムメモリ1に対して所定の角度範囲で観察される再生像を取り込んでいき、オーディオデータDAによる画像パターンを抽出していくことで、記録されたオーディオデータDAを再生できる。
【0057】
実施の形態では、画像データDPの再生像は、ホログラムメモリ1の略正面方向から人が観察できるようにしたが、このようにすることで、画像データDPの再生像が見えやすくなり、視認したときのデザイン性の向上に好適である。但し、使用状況や目的によっては、正面方向ではなく、斜め方向から画像データDPの再生像が見えるようにしてもよい。
また、図2の角度θ2の範囲、つまり正面方向においてオーディオデータDAによる画像パターンの再生像が観察されるようにすれば、再生装置50のスキャン機構74によるスキャン角度範囲を狭くすることができ、構成の簡略化に適しているという利点が得られる。
また、画像データDPは再生像として立体画像が観察されるものでもよいし、立体ではない二次元画像が観察されるものでもよい。
【0058】
また、第1の形式のデータとしてコンピュータデータを挙げ、またコンピュータデータとしてオーディオデータDAをホログラムメモリ1に記録する例を説明してきたが、もちろん記録されるコンピュータデータの例は多様である。例えば静止画データ、動画データ、テキストデータ、プログラム/アプリケーションデータ等を、上述したオーディオデータDAに代えて記録することも考えられる。
再生装置の構成は上記図7の構成に限られない。ホログラムメモリ1から再生したオーディオデータDA等のコンピュータデータの出力形態も多様に考えられる。
またホログラムメモリ1は、それ自体がオーディオコンテンツ等のコンピュータデータの提供媒体として、現在一般に流通しているCD、DVDのようなパッケージメディア形態でユーザーに販売、提供されるものでもよいし、ポスターや書籍などに貼付されたり印刷形成されて、ユーザーが再生装置を用いてオーディオデータ等を入手できるような形態とされてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態のホログラムメモリの説明図である。
【図2】実施の形態のホログラムメモリの再生像の説明図である。
【図3】実施の形態のホログラムメモリの生成システムのブロック図である。
【図4】実施の形態のオーディオデータの記録単位としてのデータブロックの説明図である。
【図5】実施の形態のホログラムメモリを形成するホログラフィックステレオグラムプリンタの光学系の説明図である。
【図6】実施の形態の再生装置の外観例の説明図である。
【図7】実施の形態の再生装置のブロック図である。
【図8】実施の形態の再生装置による読み取り動作の説明図である。
【図9】実施の形態の再生装置による読み取り動作の説明図である。
【図10】実施の形態の再生装置による読み取り動作の説明図である。
【図11】実施の形態の再生装置による読み取り動作の説明図である。
【図12】実施の形態の再生装置による読み取り動作の説明図である。
【符号の説明】
【0060】
1 ホログラムメモリ、11 画像データ生成部、12 オーディオデータ生成部、13 記録データ生成部、14 制御用コンピュータ、15、ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置、50 再生装置、53 撮像レンズ系、54 発光素子、55 イメージャ、61 システムコントローラ、71 データ処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は記録データに応じた画像の物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって記録データを記録する光記録媒体、及びその再生装置、再生方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特許第3596174号公報
【特許文献2】特許第3498878号公報
【0003】
物体光と参照光の干渉縞によって例えば立体的に視認できる画像等を記録するホログラム記録媒体が知られている。
例えば上記特許文献1,2には、ホログラム記録の一手法であるホログラフィックステレオグラム方式として、多数の画像を原画とし、これらを1枚のホログラム記録媒体に短冊状又はドット状の要素ホログラムとして順次記録する技術が開示されている。
このホログラフィックステレオグラムでは、被写体を横方向の異なる観察点から順次撮影することにより得られた複数の画像の情報が、短冊状の要素ホログラムとして横方向に連続するように順次記録されることで、このホログラフィックステレオグラムを観察者が両目で見たとき、その左右の目にそれぞれ写る2次元画像は若干異なるものとなる。これにより、観察者は視差を感じることとなり、3次元画像が再生されることとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでホログラム記録媒体は、記録密度を飛躍的に向上させ、著しい大容量化が可能であることも知られている。このためホログラム記録媒体は、3次元画像を再生のためだけでなく、例えばコンピュータデータとしての各種データを記録する記録媒体としても有用であると考えられている。
例えば上記ホログラフィックステレオグラム方式を応用する場合、コンピュータデータを所定の記録単位毎に2次元画像化する。例えばいわゆる二次元バーコード(QRコード)のような画像パターンを生成する。そして記録単位毎の2次元画像としての画像パターンを多数生成し、それぞれを短冊状の要素ホログラムとして記録していく。このようにすると、従来の印刷による二次元バーコードに比べて記録密度を飛躍的に向上させることが可能となる。
【0005】
ところが、当然ながら、このようにホログラム記録媒体にコンピュータデータを記録する場合、あくまでも専用の読み取り装置でデータを再生することを前提となっており、そのホログラム記録媒体に対する視認性は考慮されない。
つまり、コンピュータデータを記録した場合、人がそのホログラム記録媒体を見たときの見た目としては、二次元バーコードと同様のランダムなドット模様が見えるのみである。
【0006】
そこで本発明は、コンピュータデータの記録を行うホログラム記録媒体において、見た目、つまり記録媒体自体のデザイン性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の光記録媒体は、記録データを記録単位毎に画像化し、該画像の物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって上記記録データを記録する光記録媒体であり、第1の形式の記録データと、第2の形式の記録データとが記録されている。
上記第1の形式の記録データは、上記光記録媒体から読み出された後、情報処理装置によって処理されるコンピュータデータであり、上記第2の形式の記録データは、上記光記録媒体に記録された状態で、人の視覚による認識が可能な画像データである。上記コンピュータデータは、例えばオーディオデータである。
また、上記第2の形式の記録データは、上記光記録媒体の記録平面に対する略垂直方向からの観測時に観測されるように記録されている。
また上記光記録媒体に記録される複数の記録単位の各記録データは、位置固定された読み出し参照光に対して、異なる観測位置において各々観測される。
また上記光記録媒体に記録される複数の記録単位の各記録データは、位置固定された観測位置に対して、異なる読み出し参照光位置において各々観測される。
また、上記光記録媒体に記録される第1の形式の記録データは、第1の波長の参照光を用いて記録され、上記第2の形式の記録データは、上記第1の波長とは異なる第2の波長の参照光を用いて記録されている。
また上記第1の形式の記録データとしての1又は複数の記録単位の記録データには、上記第1の形式の記録データであることを識別するための識別データが含まれている。
また上記第1の形式の記録データとしての1又は複数の記録単位の記録データには、エラー訂正コードが含まれている。
【0008】
本発明の再生装置は、記録データを記録単位毎に画像化し、該画像の物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって上記記録データを記録する光記録媒体であって、情報処理装置によって処理されるコンピュータデータである第1の形式のデータと、上記光記録媒体に記録された状態で人の視覚による認識が可能な画像データである第2の形式のデータとが記録された光記録媒体に対してデータ再生を行う再生装置である。そして、読み出し参照光を出力する参照光出力手段と、上記参照光出力手段により上記光記録媒体に読み出し参照光を与えた状態で、上記光記録媒体に記録された各記録単位毎の再生像を検出する検出手段と、上記検出手段で検出された各記録単位毎の再生像をデータ列に変換すると共に、上記第1の形式のデータのみを抽出して再生データとして処理する再生処理手段とを備える。
また上記参照光出力手段は、上記光記録媒体に対して固定の位置状態で読み出し参照光を照射し、上記検出手段は、上記光記録媒体に対して観測位置を変化させながら、上記各記録単位毎の再生像を検出していく。
或いは、上記参照光出力手段は、上記光記録媒体に対して位置を変化させながら参照光を照射し、上記検出手段は、固定の観測位置において、上記読み出し参照光の位置変化に応じて上記各記録単位毎の再生像を検出していく。
或いは、上記光記録媒体に記録される第1の形式の記録データは、第1の波長の参照光を用いて記録され、上記第2の形式の記録データは、上記第1の波長とは異なる第2の波長の参照光を用いて記録されており、上記参照光出力手段は、上記第1の波長の参照光を出力する。
また上記光記録媒体に記録された上記第1の形式の記録データとしての1又は複数の記録単位の記録データには、上記第1の形式の記録データであることを識別するための識別データが含まれており、上記再生処理手段は、上記識別データに基づいて上記第1の形式のデータのみを抽出する。
また上記光記録媒体に記録された上記第1の形式の記録データとしての1又は複数の記録単位の記録データには、エラー訂正コードが含まれており、上記再生処理手段は、上記エラー訂正コードを用いた訂正処理結果に基づいて上記第1の形式のデータのみを抽出する。
【0009】
本発明の再生方法は、記録データを記録単位毎に画像化し、該画像の物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって上記記録データを記録する光記録媒体であって、情報処理装置によって処理されるコンピュータデータである第1の形式のデータと、上記光記録媒体に記録された状態で人の視覚による認識が可能な画像データである第2の形式のデータとが記録された光記録媒体に対する再生方法として、読み出し参照光を上記光記録媒体に与えた状態で、上記光記録媒体に記録された各記録単位毎の再生像を検出する検出ステップと、上記検出ステップで検出された各記録単位毎の再生像をデータ列に変換すると共に上記第1の形式のデータのみを抽出して再生データとして処理する再生処理ステップとを備える。
【0010】
即ち本発明の光記録媒体は、第1の形式のデータとして例えばコンピュータデータを記録するとともに、第2の形式の記録データとして、人が光記録媒体上で視認可能な画像データを記録する。つまり容量の大きいコンピュータデータの記録媒体として用いながら、人が視覚で見ることのできる画像データをも記録させ、光記録媒体の外観上、その画像が見えるようにする。
また第1の形式の記録データは、再生装置で読み取ることを前提とするコンピュータデータであることから、本発明の再生装置、再生方法は、光記録媒体から第1,第2の形式の記録データの再生像を読み出した後、第1の形式の記録データのみを抽出する。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、コンピュータデータ等の第1の形式の記録データを記録したホログラムメモリとしての光記録媒体に、第2の形式の記録データとして例えば視認できる画像データを混在させている。このため、本来のデータ記録媒体という目的を満足しつつ、かつ同時にデザイン性の高く、見た目に興味深い光記録媒体を実現できるという効果がある。
またこのような本発明の光記録媒体に対する本発明の再生装置、再生方法としては、光記録媒体から第1,第2の形式の記録データの再生像を読み出した後、第1の形式の記録データのみを抽出することで、適正なデータ再生処理が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を次の順序で説明する。
[1.ホログラフィックステレオグラム方式のホログラムメモリ]
[2.ホログラムメモリの生成]
[3.再生装置構成]
[4.ホログラムメモリに対する再生動作]
[5.他の方式のホログラムメモリ及び再生動作]
[6.実施の形態の効果及び変形例]
【0013】
[1.ホログラフィックステレオグラム方式のホログラムメモリ]
本発明の光記録媒体の実施の形態として、物体光と参照光によって生じる干渉縞によりデータを記録するホログラムメモリを挙げる。ホログラムメモリにはさまざまな方式があるが、ここではホログラフィックステレオグラム(Holographic Stereogram)方式のホログラムメモリを例に挙げる。
【0014】
実施の形態のホログラムメモリでは、第1の形式の記録データとして、コンピュータ装置その他の情報処理装置によって処理されるコンピュータデータと、第2の形式の記録データとして、ホログラムメモリに記録された状態で、人の視覚による認識が可能な画像データとを混在記録させるものである。
なお、第2の形式の記録データの例として以下でいう「画像データ」とは、特に注記しない限りは、ユーザーがホログラムメモリを見たときに視覚上で画像として認識されるデータであり、後述する再生装置に読み取られて情報処理される対象となる画像のデータのことではない。情報処理装置で処理されるコンピュータユースの「画像データ」を記録するすることも考えられるが、その場合、その「画像データ」は、コンピュータデータの一例であり、本例でいう第1の形式の記録データに相当する。
また以下の説明では、第1の形式の記録データであるコンピュータデータの一例としてオーディオデータを挙げる。
【0015】
従来より知られているように、ホログラフィックステレオグラム方式のホログラムメモリに視認可能な立体画像を記録する場合、様々な角度から撮影した物体の画像をホログラム材料上に垂直の帯状に記録する。すると記録済みのホログラムに参照光を当てると、見る角度によりそれに応じた画像を観察することができ、人には立体画像として認識される。
本実施の形態では、ホログラム材料上の垂直の帯状として記録されるホログラム要素として、一部には画像データを記録させ、一部にはオーディオデータを記録させることで、オーディオデータと画像データを混在記録する。
【0016】
図1には、オーディオデータと画像データをホログラムメモリに混在記録することを模式的に示している。
図1(b)はホログラム材料30に帯状にホログラム要素を記録する状態を表している。ホログラム材料30には物体光L4と記録用の参照光L3が照射される。
例えば液晶パネルによる透過型の表示装置41に画像を表示した状態で、表示装置41に物体光L4を照射する。表示装置41を通過した物体光L4は、表示装置41に表示された画像を反映した物体光となるが、この物体光L4はシリンドリカルレンズ42で垂直方向の線状に収束されてホログラム材料30に照射される。
この線状に収束された物体光L4と参照光L3が干渉した際の干渉縞が、図示するように垂直方向の帯状のホログラム要素としてホログラム材料30に記録されることになる。
【0017】
ここで、帯状の各ホログラム要素を生成していくためには、ホログラム材料30を例えば矢印H方向に1段階ずつ送るとともに、表示装置41に表示する画像を変化させていく。すると、干渉縞としての帯状のホログラム要素がホログラム材料30上に格子状に形成されていくことになる。
このとき、或る物体を様々な角度から撮影した画像を順次表示装置41に表示させて、それぞれホログラム要素として記録していくと、視認上で立体画像が見える状態になるが、本例の場合、表示装置41に表示させる画像として、オーディオデータを2次元バーコード状に表現したパターンを含むものとする。即ちオーディオデータを、2次元バーコード状のパターン画像とし、これを記録されるホログラム要素とする。
【0018】
図1(a)に、表示装置41に順次表示させる画像の例を示す。
表示装置41には、オーディオデータDAと画像データDPに基づく画像を順次表示させることになる。
オーディオデータDAに基づく画像は、図示するように、二次元バーコード状の画像である。記録しようとする元々のオーディオデータについては、例えば固定長のデータサイズ毎などとしての記録単位毎に分割し、その各記録単位のオーディオデータを二次元バーコード画像パターンに変換する。
その二次元バーコード状の画像パターンを表示装置41に表示させた場合、当該画像パターンを反映した物体光L4がホログラム材料30に照射され、参照光L3との干渉縞によって該画像パターンを記録した線状のホログラム要素が形成される。即ちオーディオデータDAの1つの記録単位がホログラム材料30に記録されることになる。
そこで、図1(a)のようにオーディオデータDAに基づく画像と、或る被写体を撮影して得られた画像データDPに基づく画像を、所定の順序(#1・・・#x)で表示装置41に表示させながら、ホログラム材料30にホログラム要素を形成していくと、オーディオデータDAと画像データDPを混在記録したホログラムメモリが形成できる。
【0019】
図2に、そのようにして形成されたホログラムメモリ1の様子を示している。
各ホログラム要素として記録されたデータは、人が視認できる画像としてホログラムメモリ1上にあらわれる。この場合、ホログラムメモリ1に対しては、或る方向に配置された光源からの光や、周囲の自然光等の外光が参照光となる。
上記図1(a)のような#1・・・#xの順序でオーディオデータDA、画像データDPを記録していった場合、例えば図2のように、ホログラムメモリ1に対して、角度θ1の範囲からは、#1〜#nのオーディオデータDAの画像パターンが視認できる。また略正面方向である角度θ2の範囲では、#n+1〜#mの画像データDPの画像が視認できる。さらに角度θ3の範囲からは、#m+1〜#xのオーディオデータDAの画像パターンが視認できる。
【0020】
オーディオデータDAによる画像パターンは、二次元バーコードのように、人が意味的にその内容を認識できる画像ではないが、画像データDPによる画像は、ホログラムメモリ1に対して略正面に対峙した人200がその画像自体を認識できるものである。
オーディオデータDAによる画像パターンについては、再生装置が読み取ってデータ処理するものとされる。再生装置は、図示する読取範囲θ0で、各画像をイメージセンサで読み取っていく。即ち#1〜#nのオーディオデータDAによる画像パターン、#n+1〜#mの画像データDPの画像、及び#m+1〜#xのオーディオデータDAの画像パターンを、それぞれ読み取っていく。例えば再生装置のレンズ系の位置を順次移動させたり、或いは読み出しのための参照光の位置を順次移動させながら、各光像をイメージセンサで読み取っていく。そして各イメージパターンをデータにデコードする。このとき再生装置内でのデータ処理過程で、#n+1〜#mの画像データDPを破棄し、#1〜#n及び#m+1〜#xの読み出し画像パターンからデコードしたオーディオデータDAとしての各記録単位のデータのみを抽出する。そして各記録単位のデータからオーディオデータDAとしてのストリームデータを生成する。
【0021】
つまり本例のホログラムメモリ1は、ホログラムメモリの高密度記録という特性を生かしてオーディオデータDA等のコンピュータデータを十分な容量、記録できるだけでなく、人200が略正面方向から見たときに、画像自体を認識できるため、ホログラムメモリ1自体をデザイン性の高いものとすることができる。
また例えばオーディオデータDAを記録することを想定した場合、音楽データとしてのオーディオデータDAを記録すると共に、その音楽のアーティスト写真やジャケット画像を画像データDPとして記録すれば、付加価値の高いホログラムメモリ1を実現できる。例えばユーザーは視認できる画像によってアーティストや音楽の内容を認識しながら、再生装置によって、その音楽自体(オーディオデータDA)を読み取っていくことが可能となる。
【0022】
なお、当然ながら、ある角度範囲での視認可能な像を画像データDPの像とした場合、その画像データDPを記録した分だけ、オーディオデータDA等のコンピュータデータの記録容量は減少する。但しこれは逆に言えば、オーディオデータDA等の記録に必要な容量を設定した上で、残りの容量として、画像データDPを記録するものとすればよいものである。つまり、どのくらいの角度範囲でデザイン上有効な画像が見えるようにするか(画像データDPの記録容量をどれくらいとするか)というのは、記録しようとするコンピュータデータの容量と、デザイン上の観点を勘案して、決められればよい。
また、必ずしも正面方向から画像データDPによる像が視認できるようにする必要はなく、例えばホログラムメモリ1に対して人200が斜め方向から見たときのみ画像データDPによる像が認識できるようにすることも考えられる。
【0023】
[2.ホログラムメモリの生成]
次に、上記のようなホログラムメモリ1を形成するためのデータ記録装置、即ちホログラフィックステレオグラム作成システムについて説明する。
このホログラフィックステレオグラム作成システムは、物体光と参照光との干渉縞が記録されたフィルム状のホログラム材料30をそのままホログラフィックステレオグラム(ホログラムメモリ1)にする、いわゆるワンステップホログラフィックステレオグラムを作成するシステムである。
【0024】
ホログラフィックステレオグラム作成システムは、図3に示すように、ホログラム材料30に記録する画像の画像データDPを生成する画像データ生成部11と、同じくホログラム材料30に記録するオーディオデータDAを生成するオーディオデータ生成部12と、画像データDPとしての画像と、オーディオデータDAについての画像パターンとを順次記録データとして出力する記録データ生成部13と、このシステム全体の制御を行う制御用コンピュータ14と、ホログラフィックステレオグラム作成用の光学系を有するホログラフィックステレオグラムプリンタ装置15とを備えている。
【0025】
画像データ生成部11は、ホログラム材料30に記録される複数の要素ホログラムに対応した複数の画像の画像データDPを生成する。即ち図1,図2に示した#n+1〜#mとしての複数の画像データDPを生成する。ホログラムメモリ1に記録され、視認される画像を立体画像とする場合は、画像データ生成部11は、#n+1〜#mの各画像データDPを、いわゆる視差画像列としての画像とすればよい。
【0026】
オーディオデータ生成部12は、オーディオソースからのオーディオストリームデータを所定データサイズの記録単位に分割する。そして各記録単位毎にオーディオデータDAを二次元パターンに変換する。即ち図1,図2に示した#1〜#n、及び#m+1〜#xとしてオーディオデータDAに基づいた複数の画像パターンとしてのデータを生成する。
図4にオーディオデータ生成部12におけるオーディオデータDAの処理例を示す。
図4におけるデータブロックとは、ストリームデータとしてのオーディオデータを所定サイズ毎に抽出して生成した記録単位のことを表している。
図4(a)の例は、所定データ量としてのオーディオデータに対してヘッダを付加して1つのデータブロックを生成し、これを1記録単位、つまり1つのホログラム要素として記録される単位とする例である。
ヘッダには、オーディオデータとしての属性、ブロックナンバ、データサイズなどが記録される。
オーディオデータは、オーディオソースから得られたデータをそのまま用いても良いし、所定の圧縮方式或いは記録用のエンコードが施されたデータとしても良い。さらには、所定の暗号化方式での暗号化が施されたオーディオデータであってもよい。
図4(b)の例は、上記ヘッダ及びオーディオデータに加えて、識別コードを記録したデータブロックを生成する例である。識別コードとは、ホログラムメモリ1に記録されているホログラム要素として、画像データDPと区別するためのコード情報であり、つまり識別コードによってオーディオデータDAが記録されたデータブロックであることを示すものとしている。
図4(c)の例は、ヘッダ、オーディオデータ、エラー訂正コード(ECC)によりデータブロックが形成される例である。つまりデータブロック内のオーディオデータに対してエラー訂正用のエンコードが施され、そのECCパリティが記録されることで、再生時に、データブロック単位でエラー訂正処理が可能となるようにしている。
図4(d)の例は、上記のヘッダ、識別コード、オーディオデータ、エラー訂正コードを備えるようにしてデータブロックを形成する例である。
オーディオデータ生成部12は、データソースから与えられたオーディオストリームデータに対して、例えばこの図4(a)〜(d)の例のように、1記録単位毎のデータブロックを生成していくと共に、各データブロックを二次元画像パターンのデータに変換して出力する。
【0027】
記録データ生成部13は、画像データ生成部11からの各画像データDPと、オーディオデータ生成部12からの各オーディオデータDAによる画像パターンとを取り込み、#1〜#xの順序にデータを配列して記録データDRとする。
そして記録データ生成部13は、ホログラム材料30に対する記録時に、#1〜#xの順序の記録データDR(画像データDP、及びオーディオデータDAに基づく画像パターンのデータ)を順次、ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置15に送出するとともに、ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置15に記録データDRを送出する毎に、データを送出したことを示すタイミング信号S1を制御用コンピュータ14に送出する。
【0028】
制御用コンピュータ14は、記録データ生成部13からのタイミング信号S1に基づいてホログラフィックステレオグラムプリンタ装置15を駆動し、記録データ生成部13から出力された記録データDRに基づく画像を、ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置15内にセットされたホログラム材料30に、短冊状の要素ホログラムとして順次記録する。
このとき、制御用コンピュータ14は、後述するように、ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置15に設けられたシャッタ及び記録媒体送り機構等の制御を行う。すなわち、制御用コンピュータ14は、ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置15に制御信号S2を送出して、シャッタの開閉や、記録媒体送り機構によるホログラム材料30の送り動作等を制御する。
【0029】
ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置15は、例えば図5に示す光学系を備える。なお、図5(a)は、ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置3全体の光学系を上方から見た図であり、図5(b)は、ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置3の光学系の物体光用の部分を横方向から見た図である。
【0030】
ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置15は、図5(a)に示すように、所定の波長のレーザ光を出射するレーザ光源31と、レーザ光源31からのレーザ光L1の光軸上に配されたシャッタ32と、ハーフミラー33とを備えている。シャッタ32は、制御用コンピュータ14によって制御され、ホログラム材料30を露光しないときには閉じられ、ホログラム材料30を露光するときに開放される。また、ハーフミラー33は、シャッタ32を通過してきたレーザ光L2を、参照光と物体光とに分離するためのものであり、ハーフミラー33によって反射された光L3が参照光となり、ハーフミラー33を透過した光L4が物体光となる。
【0031】
ハーフミラー33によって反射された光L3の光軸上には、参照光用の光学系として、シリンドリカルレンズ34と、参照光を平行光とするためのコリメータレンズ35と、コリメータレンズ35からの平行光を反射する全反射ミラー36とがこの順に配置されている。
そして、ハーフミラー33によって反射された光は、先ず、シリンドリカルレンズ34によって発散光とされる。次に、コリメータレンズ35によって平行光とされる。その後、全反射ミラー36によって反射され、ホログラム材料30に参照光として入射する。
【0032】
一方、ハーフミラー33を透過した光L4の光軸上には、図5(a)及び図5(b)に示すように、物体光用の光学系として、ハーフミラー33からの透過光を反射する全反射ミラー38と、凸レンズとピンホールを組み合わせたスペーシャルフィルタ39と、物体光を平行光とするためのコリメータレンズ40と、記録対象の画像を表示する表示装置41と、物体光をホログラム用記録媒体30上に集光させるシリンドリカルレンズ42とがこの順に配置されている。
そして、ハーフミラー33を透過した光L4は、全反射ミラー38によって反射された後、スペーシャルフィルタ39によって点光源からの拡散光とされる。次に、コリメータレンズ40によって平行光とされ、その後、表示装置41に入射する。ここで、表示装置41は、例えば液晶パネルからなる透過型の画像表示装置であり、記録データ生成部13から送られた記録データDRに基づく画像を表示する。そして、表示装置41を透過した光は、表示装置41に表示された画像に応じて変調された後、シリンドリカルレンズ42に入射する。
【0033】
表示装置41を透過した光は、シリンドリカルレンズ42により横方向に集束され、この集束光が物体光としてホログラム用記録媒体30に入射する。すなわち、このホログラフィックステレオグラムプリンタ装置15では、表示装置41からの投影光が短冊状の物体光としてホログラム用記録媒体30に入射する。
【0034】
ここで、参照光及び物体光は、参照光がホログラム材料30の一方の主面に入射し、物体光がホログラム材料30の他方の主面に入射するようにする。すなわち、ホログラム材料30の一方の主面に、参照光を所定の入射角度にて入射させるとともに、ホログラム材料30の他方の主面に、物体光をホログラム材料30に対して光軸がほぼ垂直となるように入射させる。これにより、参照光と物体光とがホログラム材料30上において干渉し、当該干渉によって生じる干渉縞が、ホログラム材料30に屈折率の変化として記録される。
【0035】
また、このホログラフィックステレオグラムプリンタ装置15は、制御用コンピュータ14の制御のもとに、ホログラム材料30を間欠送りし得る記録媒体送り機構43を備えている。この記録媒体送り機構43は、記録媒体送り機構43に所定の状態でセットされたフィルム状のホログラム材料30に対して、記録データ生成部13から出力された記録データDRに基づく1つの画像が1つの要素ホログラムとして記録される毎に、制御用コンピュータ14からの制御信号S2に基づいて、ホログラム材料30を1要素ホログラム分だけ間欠送りする。これにより、記録データ生成部13から出力される記録データDRに基づく各画像(画像データDP及びオーディオデータDAに基づく画像パターン)が、要素ホログラムとして、ホログラム材料30に横方向に連続するように順次記録される。
【0036】
以上のように、このホログラフィックステレオグラム作成システムでは、記録データ生成部13から出力される記録データDRに基づく複数の露光用画像が表示装置41に順次表示されるとともに、各画像毎にシャッタ32が開放され、各画像がそれぞれ短冊状の要素ホログラムとしてホログラム材料30に順次記録される。このとき、ホログラム材料30は、1画像毎に1要素ホログラム分だけ送られるので、各要素ホログラムは、横方向に連続して並ぶこととなる。これにより、画像データDPとして、例えば横方向の視差情報を含む複数の画像が、横方向に連続した複数の要素ホログラムとしてホログラム材料30に記録され、横方向の視差を有するホログラフィックステレオグラムが得られるとともに、オーディオデータDAによる画像パターンも同じく横方向に連続した複数の要素ホログラムとして記録される。
そして、このシステムでデータDRの記録を行ったホログラム材料30が、図2で説明した本例のホログラムメモリ1となる。
【0037】
[3.再生装置構成]
続いて、図2のように画像データDPとオーディオデータDAとしての画像が記録された本例のホログラムメモリ1に対する再生装置を説明する。上述したように、記録された画像データDPによる像はユーザーは直接視認するものであり、本例の再生装置は、記録されたコンピュータデータ、つまり上記例でのオーディオデータDAを、ホログラムメモリ1から再生する装置である。
【0038】
図6(a)(b)は、それぞれホログラムメモリリーダーとしての本例の再生装置50の外観例を示している。
再生装置50は、例えばユーザーが携帯可能な小型の筐体で構成され、筐体上にユーザーインターフェースのための表示部51や操作部52が設けられる。
ホログラムメモリ1に対するデータ読取のためには、例えば筐体の一側面に、撮像レンズ系53や読取のための参照光を照射する発光素子(LED)54が設けられる。
図2に示したように、再生装置50はホログラムメモリ1に対して読取範囲θ0の読取スキャンを行う。このため、例えば図6(a)の場合は、発光素子54の位置は固定されるが、レンズ移動部53aとして、撮像レンズ系53の位置を移動させる機構が設けられている。また例えば図6(b)は、撮像レンズ系53は固定されるが、発光素子54の位置を移動させる発光素子移動部54aが設けられている。
読取時のスキャン動作の例については後述する。
【0039】
図7により再生装置50の構成を説明する。
図7においてシステムコントローラ61は、例えばマイクロコンピュータにより形成され、ホログラムメモリ1からのオーディオデータDAの読取のための動作を実行するために各部を制御する。
またシステムコントローラ61は操作部52の操作情報を監視し、ユーザーの操作に応じて必要な制御を行う。またシステムコントローラ61は、表示部51を制御してユーザーに提示する各種の情報の表示を実行させる。
【0040】
読取機構部56は、撮像レンズ系53、イメージャ55,発光素子54、スキャン機構74を有する。撮像レンズ系53は、1又は複数のレンズにより構成される光学系である。1枚の撮像レンズ、或いは撮像レンズとフォーカスレンズ等を備えた複数のレンズにより構成され、ホログラムメモリ1からの再生像光をイメージ55に導く。イメージャ55は、例えばCMOSイメージセンサやCCDイメージセンサ等の固体撮像素子アレイによって構成され、撮像レンズ系53により入射した再生像の光を受光し、電気信号に変換する。
【0041】
例えばLEDによる発光素子54は、発光駆動回路75によって発光される。発光素子54は、当該再生装置50によってホログラムメモリ1の再生を行う場合に、システムコントローラ61の指示によって発光素子54を発光駆動する。
スキャン機構74は、例えば図6(a)のように設けられているレンズ移動部53a内で、レンズ系53(レンズ系53とイメージャ55)を移動させる機構である。或いは図6(b)のように設けられている発光素子移動部54a内で発光素子54を移動させる機構である。
【0042】
カメラメカ制御部67は、ホログラムメモリ1の再生を行う際に、システムコントローラ61の指示に応じて読取機構部56を駆動制御する。例えばレンズ系53におけるフォーカス制御や、スキャン機構74の動作を制御する。
【0043】
転送制御/信号処理部62は、イメージャ55の動作を制御すると共に、イメージ55によって得られる信号の処理を行う。
即ち転送制御/信号処理部62は、イメージャ55に対して転送タイミング信号、転送アドレス信号等を供給して、撮像信号としての固体撮像素子アレイで得られる信号を順次転送出力させる。そしてイメージャ55から転送されたきた撮像信号について、サンプリング処理、AGC処理、A/D変換処理等を施し、撮像データとして出力する。
【0044】
転送制御/信号処理部62から出力される撮像データは、メモリコントローラ63の制御によってDRAM64に蓄積される。
DRAM64に蓄積された撮像データに関する信号処理系として、光学補正部68、幾何歪み補正部69、二値化部70、データ処理部71が設けられる。またこれらの各部の処理結果や処理に必要な情報についてのシステムコントローラ61とのやりとりにSRAM72が用いられる。
また、フラッシュメモリ65には、例えば上記各部での信号処理に必要な設定値、係数、その他必要な情報が記憶される。
【0045】
光学補正部68は、イメージャ55によって得られる撮像データについて光学的な原因によるデータ値の変動を補正する処理を行う。
幾何歪み補正部69は、撮像データとして取り込まれた再生像に生じている幾何的な歪みを補正する処理を行う。
二値化部70は、イメージャ55によって得られる階調のある撮像データを白黒の二値に変換する処理を行う。ホログラムメモリ1から読み取るべきデータは、二次元パターン化されたオーディオデータDAであり、二次元画像パターンは、オーディオデータDAを白黒の二値のデータに変換した上で画像パターンにしたものであるからである。
【0046】
データ処理部71は、二次元の画像パターンとして二値化された撮像データについて、デコード処理を行い、オーディオデータを得る。
即ち、1枚の二次元画像パターンとしての撮像データから、図4に示したような1つのデータブロックとしてのデータ列を生成する。
1つのデータブロックとして得たデータ列については、ヘッダ情報に応じてオーディオデータDAを抽出する。
データ処理部71は、DRAM64に蓄積された各二次元画像パターンの撮像データについて、それぞれデータブロックとしてのデータ列を生成していき、各データブロックから抽出されたオーディオデータDAに基づいて、元のオーディオストリームデータを生成していく。
この場合において、データブロックが図4(c)(d)のようにエラー訂正コードが含まれているのであれば、データ処理部71はオーディオデータのエラー訂正処理を行うことになる。
また、データ処理部71は、データブロックから抽出したオーディオデータDAについて、圧縮処理や圧縮に対する伸長処理、送信用又は記録用のエンコード処理、或いは暗号化に対するデコード処理等を行うようにしてもよい。
【0047】
ところで、ホログラムメモリ1に対して図2の読取範囲θ0としての全ての再生像を撮像データとして取り込み、DRAM64に蓄積していく場合、画像データDPとしての再生像も撮像データとして含まれることになる。
このためデータ処理部71は、DRAM64に蓄積された各撮像データについて、オーディオデータDAを含むデータブロックの二次元画像パターンの再生像の撮像データであるのか、或いは画像データDPの再生像であるのかを判別し、画像データDPの再生像である撮像データについては破棄する処理も行う。
例えばデータブロックが図4(b)又は図4(d)の構成とされる場合、データ処理部71は、データブロック内で識別コードが存在しているか否かで、撮像データが、オーディオデータDAの再生像であるのか、画像データDPの再生像であるのかを判別できる。
またデータブロックが図4(c)又は図4(d)の構成とされる場合、ECCパリティを用いて正しくエラー訂正処理ができれば、その撮像データはオーディオデータDAの再生像の撮像データであり、正しくエラー訂正処理ができなければ画像データDPの再生像であると判別するようにしてもよい。
また、データブロックが図4(a)のように識別コードが存在せず、またエラー訂正コードも含まれていない場合は、そのデータブロックの形式やデータ内容を確認して判別する手法が考えられる。例えばヘッダ情報としての決められた意味のある情報が含まれていればオーディオデータDAのデータブロックとして採用することが考えられる。またデータブロックから抽出したオーディオデータを繋げてオーディオストリームデータを生成する際には、そのデータブロックナンバを確認することになるが、その場合、画像データDPにはストリームデータとしての順序を示すデータブロックナンバは存在しないため、結果として画像データDPの再生像から得られるデータは除外できることになる。
【0048】
データ処理部71で得られたオーディオデータDAとしてのオーディオストリームデータは、外部インターフェース66を介して外部装置、例えばパーソナルコンピュータやオーディオシステム等の外部装置に、ホログラムメモリ1からの再生データとして転送される。外部インターフェース66は例えばUSBインターフェース等が想定される。もちろん外部インターフェース66はUSB以外の規格のインターフェースでもよい。
ユーザーは外部装置側で取り込んだオーディオデータを再生させることで、オーディオ再生を楽しむことができる。
【0049】
またデータ処理部71で得られたオーディオデータDAとしてのオーディオストリームデータは、メディアドライブ73に供給されて記録メディア90に記録されるようにしてもよい。
記録メディア90は、例えば光ディスク、光磁気ディスク等をされる。例えばCD(Compact Disc)方式、DVD(Digital Versatile Disc)方式、ブルーレイディスク(Blu-Ray Disc)方式、MD(Mini Disc)方式などの各種方式の記録可能型のディスクが記録メディア90として考えられる。これらのディスクが記録メディア90とされる場合、メディアドライブ73は、ディスク種別に対応したエンコード処理、エラー訂正コード処理、或いは圧縮処理等を施して、オーディオデータをディスクに記録する。
また記録メディア90としてハードディスクも想定され、その場合、メディアドライブ73は、いわゆるHDD(ハードディスクドライブ)として構成される。
さらに記録メディア90は、固体メモリを内蔵した可搬性のメモリカード、或いは内蔵型固体メモリとしても実現でき、その場合メディアドライブ73は、メモリカード或いは内蔵型固体メモリに対する記録装置部として構成され、必要な信号処理を行ってオーディオデータ記録を行う。
【0050】
なお図7には示していないが、例えば記録メディア90に記録したオーディオデータをメディアドライブ73で再生し、その再生したオーディオデータをデコードして出力する音声再生出力系を備えることは当然考えられる。
またメディアドライブ73で再生したオーディオデータを外部インターフェース66を介して外部機器に転送することもできる。
さらに上記のCD、DVD、ブルーレイディスク、MD、メモリカード等の可搬性の記録メディア90に記録した場合は、その記録メディア90を外部機器で再生させることで、ユーザーはホログラムメモリ1から読み出した音楽等を聞くことができる。
【0051】
[4.ホログラムメモリに対する再生動作]
例えば上記のような構成の再生装置によってホログラムメモリ1からデータを読み取る際の動作例について説明する。
図3,図5では、記録時には参照光の角度を固定して、HPO(Horizontal Parallax Only)の光学系で様々な画像を記録する方式を説明したが、このような記録を行った場合は、基本的には再生時には参照光の角度を固定し、イメージャの角度を変化させることが望ましい。
図8は、上記再生装置50においてレンズ系53とイメージャ55の角度を変化させる読取方式を示している。即ち図6(a)のようにレンズ移動部53aを備えた再生装置50において、このレンズ移動部53aの移動可能範囲で、レンズ系53とイメージャ55を一体的に移動させる移動ユニット80を形成する。そして、この移動ユニットを、図7に示したスキャン機構74によって図8に示すように回転方向に移動させて、ホログラムメモリ1に対する撮像方向の角度を変化させる。読取のための参照光L5を出力する発光素子54は固定位置である。
つまりユーザーがホログラムメモリ1に対して再生装置50を対向させた状態で読取を指示する操作を行ったら、システムコントローラ61がカメラメカ制御部67に指示してスキャン機構74を駆動させ、移動ユニットを回転移動させる。このときにイメージャ55によって順次得られる再生像の撮像データとして、図2の#1〜#xの撮像データが得られることになり、上記のように再生装置50内でオーディオデータDAを得る。
【0052】
また、移動ユニット80を回転方向に移動させるのではなく、図9に示すように、移動ユニット80を平行移動させるように構成しても良い。
このように平行移動で再生像を取り込むようにすれば、移動ユニット80の移動機構を簡単な構成とすることができる。但し、再生像に歪みが生じやすいという点があり、十分な歪み補正等の処理が必要となる。
また、図10のように、イメージャ55のサイズが十分に大きい場合には、撮像レンズ系53のみを移動させる構成も考えられる。
【0053】
また図6(b)のような構成として撮像レンズ系53側は固定とし、発光素子移動部54aにおいて発光素子をホログラムメモリ1に対して回転移動させることで、図11に示すように、ホログラムメモリ1に対して照射する読み取り用の参照光L5の角度を変化させるようにしてもよい。
【0054】
[5.他の方式のホログラムメモリ及び再生動作]
以上の実施の形態としては、ホログラフィックステレオグラム方式でのホログラムメモリ1を例としたが、他の記録方式のホログラムメモリ1でも本発明を適用できる。
例えば角度多重記録方式が考えられる。
フォトポリマーなどの「厚い記録媒体」を用いた場合には、同じ場所に2つ以上のホログラムを記録することが可能であることが知られている。
この原理を利用して、同じ場所に異なる参照光を用いて、異なる記録パターンを記録すれば、参照光の角度を変えることにより、異なる記録パターンを再生することが可能となる。このときの再生装置50では、上記図11のように参照光の照射角度を移動させる構成を採ればよい。
この場合も、たとえば参照光の角度が図2のθ2(例えば80°〜100°)の間で画像が視認でき、それ以外の角度θ1,θ3ではオーディオデータDAによる画像パターンの再生像があらわれるようにデータを記録しておけばよい。
【0055】
また波長多重記録方式も考えられる。
フォトポリマーなどの記録媒体には波長選択性があるために、同じ場所に異なる波長の光源を用いて、異なる記録パターンを記録すれば、参照光の波長を変えることにより、異なる記録パターンを再生することが可能となる。
例えば緑の光源でオーディオデータを記録し、赤の光源で画像データを記録した場合、図12のように発光素子54aによる再生時の参照光L5を緑にすることでオーディオデータを再生できる。また、特に発光素子54bとして赤の参照光L6を照射できるようにすれば、画像データの像を再生することができ、画像データとオーディオデータの混在が可能となる。また白色光で観察した場合には、データは緑色に、画像は赤色に見えるため、デザイン性にも優れている。
【0056】
[6.実施の形態の効果及び変形例]
以上説明してきたように、本実施の形態によれば、ホログラムメモリの高密度記録という特性を生かしてオーディオデータDA等のコンピュータデータを十分な容量、記録でき、さらに人がホログラムメモリ1自体を見たときに、画像を認識できるため、ホログラムメモリ1をデザイン性の高いものとしたり、付加価値の高いものとすることができる。
また再生装置側では、ホログラムメモリ1に対して所定の角度範囲で観察される再生像を取り込んでいき、オーディオデータDAによる画像パターンを抽出していくことで、記録されたオーディオデータDAを再生できる。
【0057】
実施の形態では、画像データDPの再生像は、ホログラムメモリ1の略正面方向から人が観察できるようにしたが、このようにすることで、画像データDPの再生像が見えやすくなり、視認したときのデザイン性の向上に好適である。但し、使用状況や目的によっては、正面方向ではなく、斜め方向から画像データDPの再生像が見えるようにしてもよい。
また、図2の角度θ2の範囲、つまり正面方向においてオーディオデータDAによる画像パターンの再生像が観察されるようにすれば、再生装置50のスキャン機構74によるスキャン角度範囲を狭くすることができ、構成の簡略化に適しているという利点が得られる。
また、画像データDPは再生像として立体画像が観察されるものでもよいし、立体ではない二次元画像が観察されるものでもよい。
【0058】
また、第1の形式のデータとしてコンピュータデータを挙げ、またコンピュータデータとしてオーディオデータDAをホログラムメモリ1に記録する例を説明してきたが、もちろん記録されるコンピュータデータの例は多様である。例えば静止画データ、動画データ、テキストデータ、プログラム/アプリケーションデータ等を、上述したオーディオデータDAに代えて記録することも考えられる。
再生装置の構成は上記図7の構成に限られない。ホログラムメモリ1から再生したオーディオデータDA等のコンピュータデータの出力形態も多様に考えられる。
またホログラムメモリ1は、それ自体がオーディオコンテンツ等のコンピュータデータの提供媒体として、現在一般に流通しているCD、DVDのようなパッケージメディア形態でユーザーに販売、提供されるものでもよいし、ポスターや書籍などに貼付されたり印刷形成されて、ユーザーが再生装置を用いてオーディオデータ等を入手できるような形態とされてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態のホログラムメモリの説明図である。
【図2】実施の形態のホログラムメモリの再生像の説明図である。
【図3】実施の形態のホログラムメモリの生成システムのブロック図である。
【図4】実施の形態のオーディオデータの記録単位としてのデータブロックの説明図である。
【図5】実施の形態のホログラムメモリを形成するホログラフィックステレオグラムプリンタの光学系の説明図である。
【図6】実施の形態の再生装置の外観例の説明図である。
【図7】実施の形態の再生装置のブロック図である。
【図8】実施の形態の再生装置による読み取り動作の説明図である。
【図9】実施の形態の再生装置による読み取り動作の説明図である。
【図10】実施の形態の再生装置による読み取り動作の説明図である。
【図11】実施の形態の再生装置による読み取り動作の説明図である。
【図12】実施の形態の再生装置による読み取り動作の説明図である。
【符号の説明】
【0060】
1 ホログラムメモリ、11 画像データ生成部、12 オーディオデータ生成部、13 記録データ生成部、14 制御用コンピュータ、15、ホログラフィックステレオグラムプリンタ装置、50 再生装置、53 撮像レンズ系、54 発光素子、55 イメージャ、61 システムコントローラ、71 データ処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録データを記録単位毎に画像化し、該画像の物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって上記記録データを記録する光記録媒体において、
第1の形式の記録データと、第2の形式の記録データとが記録されていることを特徴とする光記録媒体。
【請求項2】
上記第1の形式の記録データは、上記光記録媒体から読み出された後、情報処理装置によって処理されるコンピュータデータであり、
上記第2の形式の記録データは、上記光記録媒体に記録された状態で、人の視覚による認識が可能な画像データであることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項3】
上記コンピュータデータは、オーディオデータであることを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体。
【請求項4】
上記第2の形式の記録データは、上記光記録媒体の記録平面に対する略垂直方向からの観測時に観測されるように記録されていることを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体。
【請求項5】
上記光記録媒体に記録される複数の記録単位の各記録データは、
位置固定された読み出し参照光に対して、異なる観測位置において各々観測されることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項6】
上記光記録媒体に記録される複数の記録単位の各記録データは、
位置固定された観測位置に対して、異なる読み出し参照光位置において各々観測されることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項7】
上記光記録媒体に記録される第1の形式の記録データは、第1の波長の参照光を用いて記録され、
上記第2の形式の記録データは、上記第1の波長とは異なる第2の波長の参照光を用いて記録されたことを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項8】
上記第1の形式の記録データとしての1又は複数の記録単位の記録データには、上記第1の形式の記録データであることを識別するための識別データが含まれていることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項9】
上記第1の形式の記録データとしての1又は複数の記録単位の記録データには、エラー訂正コードが含まれていることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項10】
記録データを記録単位毎に画像化し、該画像の物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって上記記録データを記録する光記録媒体であって、情報処理装置によって処理されるコンピュータデータである第1の形式のデータと、上記光記録媒体に記録された状態で人の視覚による認識が可能な画像データである第2の形式のデータとが記録された光記録媒体に対してデータ再生を行う再生装置として、
読み出し参照光を出力する参照光出力手段と、
上記参照光出力手段により上記光記録媒体に読み出し参照光を与えた状態で、上記光記録媒体に記録された各記録単位毎の再生像を検出する検出手段と、
上記検出手段で検出された各記録単位毎の再生像をデータ列に変換すると共に、上記第1の形式のデータのみを抽出して再生データとして処理する再生処理手段と、
を備えたことを特徴とする再生装置。
【請求項11】
上記参照光出力手段は、上記光記録媒体に対して固定の位置状態で読み出し参照光を照射し、
上記検出手段は、上記光記録媒体に対して観測位置を変化させながら、上記各記録単位毎の再生像を検出していくことを特徴とする請求項10に記載の再生装置。
【請求項12】
上記参照光出力手段は、上記光記録媒体に対して位置を変化させながら参照光を照射し、
上記検出手段は、固定の観測位置において、上記読み出し参照光の位置変化に応じて上記各記録単位毎の再生像を検出していくことを特徴とする請求項10に記載の再生装置。
【請求項13】
上記光記録媒体に記録される第1の形式の記録データは、第1の波長の参照光を用いて記録され、上記第2の形式の記録データは、上記第1の波長とは異なる第2の波長の参照光を用いて記録されており、
上記参照光出力手段は、上記第1の波長の参照光を出力することを特徴とする請求項10に記載の再生装置。
【請求項14】
上記光記録媒体に記録された上記第1の形式の記録データとしての1又は複数の記録単位の記録データには、上記第1の形式の記録データであることを識別するための識別データが含まれており、
上記再生処理手段は、上記識別データに基づいて上記第1の形式のデータのみを抽出することを特徴とする請求項10に記載の再生装置。
【請求項15】
上記光記録媒体に記録された上記第1の形式の記録データとしての1又は複数の記録単位の記録データには、エラー訂正コードが含まれており、
上記再生処理手段は、上記エラー訂正コードを用いた訂正処理結果に基づいて上記第1の形式のデータのみを抽出することを特徴とする請求項10に記載の再生装置。
【請求項16】
記録データを記録単位毎に画像化し、該画像の物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって上記記録データを記録する光記録媒体であって、情報処理装置によって処理されるコンピュータデータである第1の形式のデータと、上記光記録媒体に記録された状態で人の視覚による認識が可能な画像データである第2の形式のデータとが記録された光記録媒体に対する再生方法として、
読み出し参照光を上記光記録媒体に与えた状態で、上記光記録媒体に記録された各記録単位毎の再生像を検出する検出ステップと、
上記検出ステップで検出された各記録単位毎の再生像をデータ列に変換すると共に、上記第1の形式のデータのみを抽出して再生データとして処理する再生処理ステップと、
を備えたことを特徴とする再生方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録データを記録単位毎に画像化し、該画像の物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって上記記録データを記録する光記録媒体において、
第1の形式の記録データが記録された記録領域と、第2の形式の記録データが記録された記録領域とを有することを特徴とする光記録媒体。
【請求項2】
上記第1の形式の記録データは、上記光記録媒体から読み出された後、情報処理装置によって処理されるコンピュータデータであり、
上記第2の形式の記録データは、上記光記録媒体に記録された状態で、人の視覚による認識が可能な画像データであることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項3】
上記コンピュータデータは、オーディオデータであることを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体。
【請求項4】
上記第2の形式の記録データは、上記光記録媒体の記録平面に対する略垂直方向からの観測時に観測されるように記録されていることを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体。
【請求項5】
上記光記録媒体に記録される複数の記録単位の各記録データは、
位置固定された読み出し参照光に対して、異なる観測位置において各々観測されることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項6】
上記光記録媒体に記録される複数の記録単位の各記録データは、
位置固定された観測位置に対して、異なる読み出し参照光位置において各々観測されることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項7】
上記光記録媒体に記録される第1の形式の記録データは、第1の波長の参照光を用いて記録され、
上記第2の形式の記録データは、上記第1の波長とは異なる第2の波長の参照光を用いて記録されたことを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項8】
上記第1の形式の記録データとしての1又は複数の記録単位の記録データには、上記第1の形式の記録データであることを識別するための識別データが含まれていることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項9】
上記第1の形式の記録データとしての1又は複数の記録単位の記録データには、エラー訂正コードが含まれていることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項10】
記録データを記録単位毎に画像化し、該画像の物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって上記記録データを記録する光記録媒体であって、情報処理装置によって処理されるコンピュータデータである第1の形式のデータと、上記光記録媒体に記録された状態で人の視覚による認識が可能な画像データである第2の形式のデータとが記録された光記録媒体を再生する再生装置として、
読み出し参照光を出力する参照光出力手段と、
上記参照光出力手段により上記光記録媒体に読み出し参照光を与えた状態で、上記光記録媒体に記録された各記録単位毎の再生像を検出する検出手段と、
上記検出手段で検出された各記録単位毎の再生像をデータ列に変換すると共に、上記第1の形式のデータのみを抽出して再生データとして処理する再生処理手段と、
を備えたことを特徴とする再生装置。
【請求項11】
上記参照光出力手段は、上記光記録媒体に対して固定の位置状態で読み出し参照光を照射し、
上記検出手段は、上記光記録媒体に対して観測位置を変化させながら、上記各記録単位毎の再生像を検出していくことを特徴とする請求項10に記載の再生装置。
【請求項12】
上記参照光出力手段は、上記光記録媒体に対して位置を変化させながら参照光を照射し、
上記検出手段は、固定の観測位置において、上記読み出し参照光の位置変化に応じて上記各記録単位毎の再生像を検出していくことを特徴とする請求項10に記載の再生装置。
【請求項13】
上記光記録媒体に記録される第1の形式の記録データは、第1の波長の参照光を用いて記録され、上記第2の形式の記録データは、上記第1の波長とは異なる第2の波長の参照光を用いて記録されており、
上記参照光出力手段は、上記第1の波長の参照光を出力することを特徴とする請求項10に記載の再生装置。
【請求項14】
上記光記録媒体に記録された上記第1の形式の記録データとしての1又は複数の記録単位の記録データには、上記第1の形式の記録データであることを識別するための識別データが含まれており、
上記再生処理手段は、上記識別データに基づいて上記第1の形式のデータのみを抽出することを特徴とする請求項10に記載の再生装置。
【請求項15】
上記光記録媒体に記録された上記第1の形式の記録データとしての1又は複数の記録単位の記録データには、エラー訂正コードが含まれており、
上記再生処理手段は、上記エラー訂正コードを用いた訂正処理結果に基づいて上記第1の形式のデータのみを抽出することを特徴とする請求項10に記載の再生装置。
【請求項16】
記録データを記録単位毎に画像化し、該画像の物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって上記記録データを記録する光記録媒体であって、情報処理装置によって処理されるコンピュータデータである第1の形式のデータと、上記光記録媒体に記録された状態で人の視覚による認識が可能な画像データである第2の形式のデータとが記録された光記録媒体を再生する再生方法として、
読み出し参照光を上記光記録媒体に与えた状態で、上記光記録媒体に記録された各記録単位毎の再生像を検出する検出ステップと、
上記検出ステップで検出された各記録単位毎の再生像をデータ列に変換すると共に、上記第1の形式のデータのみを抽出して再生データとして処理する再生処理ステップと、
を備えたことを特徴とする再生方法。
【請求項1】
記録データを記録単位毎に画像化し、該画像の物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって上記記録データを記録する光記録媒体において、
第1の形式の記録データと、第2の形式の記録データとが記録されていることを特徴とする光記録媒体。
【請求項2】
上記第1の形式の記録データは、上記光記録媒体から読み出された後、情報処理装置によって処理されるコンピュータデータであり、
上記第2の形式の記録データは、上記光記録媒体に記録された状態で、人の視覚による認識が可能な画像データであることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項3】
上記コンピュータデータは、オーディオデータであることを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体。
【請求項4】
上記第2の形式の記録データは、上記光記録媒体の記録平面に対する略垂直方向からの観測時に観測されるように記録されていることを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体。
【請求項5】
上記光記録媒体に記録される複数の記録単位の各記録データは、
位置固定された読み出し参照光に対して、異なる観測位置において各々観測されることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項6】
上記光記録媒体に記録される複数の記録単位の各記録データは、
位置固定された観測位置に対して、異なる読み出し参照光位置において各々観測されることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項7】
上記光記録媒体に記録される第1の形式の記録データは、第1の波長の参照光を用いて記録され、
上記第2の形式の記録データは、上記第1の波長とは異なる第2の波長の参照光を用いて記録されたことを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項8】
上記第1の形式の記録データとしての1又は複数の記録単位の記録データには、上記第1の形式の記録データであることを識別するための識別データが含まれていることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項9】
上記第1の形式の記録データとしての1又は複数の記録単位の記録データには、エラー訂正コードが含まれていることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項10】
記録データを記録単位毎に画像化し、該画像の物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって上記記録データを記録する光記録媒体であって、情報処理装置によって処理されるコンピュータデータである第1の形式のデータと、上記光記録媒体に記録された状態で人の視覚による認識が可能な画像データである第2の形式のデータとが記録された光記録媒体に対してデータ再生を行う再生装置として、
読み出し参照光を出力する参照光出力手段と、
上記参照光出力手段により上記光記録媒体に読み出し参照光を与えた状態で、上記光記録媒体に記録された各記録単位毎の再生像を検出する検出手段と、
上記検出手段で検出された各記録単位毎の再生像をデータ列に変換すると共に、上記第1の形式のデータのみを抽出して再生データとして処理する再生処理手段と、
を備えたことを特徴とする再生装置。
【請求項11】
上記参照光出力手段は、上記光記録媒体に対して固定の位置状態で読み出し参照光を照射し、
上記検出手段は、上記光記録媒体に対して観測位置を変化させながら、上記各記録単位毎の再生像を検出していくことを特徴とする請求項10に記載の再生装置。
【請求項12】
上記参照光出力手段は、上記光記録媒体に対して位置を変化させながら参照光を照射し、
上記検出手段は、固定の観測位置において、上記読み出し参照光の位置変化に応じて上記各記録単位毎の再生像を検出していくことを特徴とする請求項10に記載の再生装置。
【請求項13】
上記光記録媒体に記録される第1の形式の記録データは、第1の波長の参照光を用いて記録され、上記第2の形式の記録データは、上記第1の波長とは異なる第2の波長の参照光を用いて記録されており、
上記参照光出力手段は、上記第1の波長の参照光を出力することを特徴とする請求項10に記載の再生装置。
【請求項14】
上記光記録媒体に記録された上記第1の形式の記録データとしての1又は複数の記録単位の記録データには、上記第1の形式の記録データであることを識別するための識別データが含まれており、
上記再生処理手段は、上記識別データに基づいて上記第1の形式のデータのみを抽出することを特徴とする請求項10に記載の再生装置。
【請求項15】
上記光記録媒体に記録された上記第1の形式の記録データとしての1又は複数の記録単位の記録データには、エラー訂正コードが含まれており、
上記再生処理手段は、上記エラー訂正コードを用いた訂正処理結果に基づいて上記第1の形式のデータのみを抽出することを特徴とする請求項10に記載の再生装置。
【請求項16】
記録データを記録単位毎に画像化し、該画像の物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって上記記録データを記録する光記録媒体であって、情報処理装置によって処理されるコンピュータデータである第1の形式のデータと、上記光記録媒体に記録された状態で人の視覚による認識が可能な画像データである第2の形式のデータとが記録された光記録媒体に対する再生方法として、
読み出し参照光を上記光記録媒体に与えた状態で、上記光記録媒体に記録された各記録単位毎の再生像を検出する検出ステップと、
上記検出ステップで検出された各記録単位毎の再生像をデータ列に変換すると共に、上記第1の形式のデータのみを抽出して再生データとして処理する再生処理ステップと、
を備えたことを特徴とする再生方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録データを記録単位毎に画像化し、該画像の物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって上記記録データを記録する光記録媒体において、
第1の形式の記録データが記録された記録領域と、第2の形式の記録データが記録された記録領域とを有することを特徴とする光記録媒体。
【請求項2】
上記第1の形式の記録データは、上記光記録媒体から読み出された後、情報処理装置によって処理されるコンピュータデータであり、
上記第2の形式の記録データは、上記光記録媒体に記録された状態で、人の視覚による認識が可能な画像データであることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項3】
上記コンピュータデータは、オーディオデータであることを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体。
【請求項4】
上記第2の形式の記録データは、上記光記録媒体の記録平面に対する略垂直方向からの観測時に観測されるように記録されていることを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体。
【請求項5】
上記光記録媒体に記録される複数の記録単位の各記録データは、
位置固定された読み出し参照光に対して、異なる観測位置において各々観測されることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項6】
上記光記録媒体に記録される複数の記録単位の各記録データは、
位置固定された観測位置に対して、異なる読み出し参照光位置において各々観測されることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項7】
上記光記録媒体に記録される第1の形式の記録データは、第1の波長の参照光を用いて記録され、
上記第2の形式の記録データは、上記第1の波長とは異なる第2の波長の参照光を用いて記録されたことを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項8】
上記第1の形式の記録データとしての1又は複数の記録単位の記録データには、上記第1の形式の記録データであることを識別するための識別データが含まれていることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項9】
上記第1の形式の記録データとしての1又は複数の記録単位の記録データには、エラー訂正コードが含まれていることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項10】
記録データを記録単位毎に画像化し、該画像の物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって上記記録データを記録する光記録媒体であって、情報処理装置によって処理されるコンピュータデータである第1の形式のデータと、上記光記録媒体に記録された状態で人の視覚による認識が可能な画像データである第2の形式のデータとが記録された光記録媒体を再生する再生装置として、
読み出し参照光を出力する参照光出力手段と、
上記参照光出力手段により上記光記録媒体に読み出し参照光を与えた状態で、上記光記録媒体に記録された各記録単位毎の再生像を検出する検出手段と、
上記検出手段で検出された各記録単位毎の再生像をデータ列に変換すると共に、上記第1の形式のデータのみを抽出して再生データとして処理する再生処理手段と、
を備えたことを特徴とする再生装置。
【請求項11】
上記参照光出力手段は、上記光記録媒体に対して固定の位置状態で読み出し参照光を照射し、
上記検出手段は、上記光記録媒体に対して観測位置を変化させながら、上記各記録単位毎の再生像を検出していくことを特徴とする請求項10に記載の再生装置。
【請求項12】
上記参照光出力手段は、上記光記録媒体に対して位置を変化させながら参照光を照射し、
上記検出手段は、固定の観測位置において、上記読み出し参照光の位置変化に応じて上記各記録単位毎の再生像を検出していくことを特徴とする請求項10に記載の再生装置。
【請求項13】
上記光記録媒体に記録される第1の形式の記録データは、第1の波長の参照光を用いて記録され、上記第2の形式の記録データは、上記第1の波長とは異なる第2の波長の参照光を用いて記録されており、
上記参照光出力手段は、上記第1の波長の参照光を出力することを特徴とする請求項10に記載の再生装置。
【請求項14】
上記光記録媒体に記録された上記第1の形式の記録データとしての1又は複数の記録単位の記録データには、上記第1の形式の記録データであることを識別するための識別データが含まれており、
上記再生処理手段は、上記識別データに基づいて上記第1の形式のデータのみを抽出することを特徴とする請求項10に記載の再生装置。
【請求項15】
上記光記録媒体に記録された上記第1の形式の記録データとしての1又は複数の記録単位の記録データには、エラー訂正コードが含まれており、
上記再生処理手段は、上記エラー訂正コードを用いた訂正処理結果に基づいて上記第1の形式のデータのみを抽出することを特徴とする請求項10に記載の再生装置。
【請求項16】
記録データを記録単位毎に画像化し、該画像の物体光と参照光とを干渉させ、干渉縞によって上記記録データを記録する光記録媒体であって、情報処理装置によって処理されるコンピュータデータである第1の形式のデータと、上記光記録媒体に記録された状態で人の視覚による認識が可能な画像データである第2の形式のデータとが記録された光記録媒体を再生する再生方法として、
読み出し参照光を上記光記録媒体に与えた状態で、上記光記録媒体に記録された各記録単位毎の再生像を検出する検出ステップと、
上記検出ステップで検出された各記録単位毎の再生像をデータ列に変換すると共に、上記第1の形式のデータのみを抽出して再生データとして処理する再生処理ステップと、
を備えたことを特徴とする再生方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−292989(P2006−292989A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−113197(P2005−113197)
【出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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