光記録媒体用ケース、ブーストアンテナ、および、管理システム
【課題】リーダ/ライタによるシート状アンテナを介した読み取り性能を、向上することが可能な光記録媒体用ケースを提供する。
【解決手段】光記録媒体用ケース100は、アンテナを有するICタグが表面に付された光記録媒体を収納する。光記録媒体用ケース100は、前記光記録媒体を収納するためのケース本体と、前記ケース本体に収納された前記光記録媒体の前記表面と略平行になるように、前記ケース本体に設けられたブーストアンテナと、を備える。前記ブーストアンテナは、前記ケース本体の第1の辺に沿って略平行に配置された第1のバーアンテナと、前記ケース本体に収納された前記光記録媒体の中心を通る前記表面の垂線と交差するように配置され、且つ、前記第1のバーアンテナとの間で交流電流または直流電流が流れるように前記第1のバーアンテナと接続された第2のバーアンテナと、を含む。
【解決手段】光記録媒体用ケース100は、アンテナを有するICタグが表面に付された光記録媒体を収納する。光記録媒体用ケース100は、前記光記録媒体を収納するためのケース本体と、前記ケース本体に収納された前記光記録媒体の前記表面と略平行になるように、前記ケース本体に設けられたブーストアンテナと、を備える。前記ブーストアンテナは、前記ケース本体の第1の辺に沿って略平行に配置された第1のバーアンテナと、前記ケース本体に収納された前記光記録媒体の中心を通る前記表面の垂線と交差するように配置され、且つ、前記第1のバーアンテナとの間で交流電流または直流電流が流れるように前記第1のバーアンテナと接続された第2のバーアンテナと、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、CD、DVD、BD等の光ディスク(光記録媒体)の光記録媒体用ケース、ブーストアンテナ、および、管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、管理に必要な情報を記憶しているICタグを光記録媒体に貼り付け、該ICタグとリーダ/ライタとを通信することにより、該光記録媒体を管理するシステムがある。
【0003】
例えば、光記録媒体を収納する光記録媒体用ケースを配置する管理用棚の背面、または、底面に、リーダ/ライタ用のシート状アンテナ(例えば、特許文献1参照)を配置する場合がある。この場合、光記録媒体に貼り付けられたUHF帯用のICタグ(例えば、特許文献2参照)は、その偏波方向の指向性の影響により、該リーダ/ライタは十分な読み取り性能を発揮することができない問題がある。
【0004】
すなわち、上記従来技術では、複数の光記録媒体に付されたICタグを適切に読み取ることができず、光記録媒体に対する所定の管理が実施できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−114696号公報
【特許文献2】特開2006−14968号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、リーダ/ライタによるシート状アンテナを介した読み取り性能を、向上することが可能な光記録媒体用ケース、ブーストアンテナ、および、管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る光記録媒体用ケースは、
アンテナを有するICタグが表面に付された光記録媒体を収納するための光記録媒体用ケースであって、
前記光記録媒体を収納するためのケース本体と、
前記ケース本体に収納された前記光記録媒体の前記表面と略平行になるように、前記ケース本体に設けられたブーストアンテナと、を備え、
前記ブーストアンテナは、
前記ケース本体の第1の辺に沿って略平行に配置された第1のバーアンテナと、
前記ケース本体に収納された前記光記録媒体の中心を通る前記表面の垂線と交差するように配置され、且つ、前記第1のバーアンテナとの間で交流電流または直流電流が流れるように前記第1のバーアンテナと接続された第2のバーアンテナと、を含む
ことを特徴とする光記録媒体用ケースである。
【0008】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記ブーストアンテナは、
前記光記録媒体の中心を通る前記表面の前記垂線上で前記第2のバーアンテナと交差するように配置され、且つ、前記第2のバーアンテナとの間で交流電流または直流電流が流れるように前記第2のバーアンテナと接続された第3のバーアンテナをさらに含んでいてもよい。
【0009】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記第2のバーアンテナと前記第3のバーアンテナとは、前記光記録媒体の中心を通る前記表面の前記垂線上で、直交していてもよい。
【0010】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記第3のバーアンテナは、前記光記録媒体の中心を通る前記表面の前記垂線上から延在していてもよい。
【0011】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記ICタグのアンテナは、ダイポール型のアンテナであってもよい。
【0012】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記ICタグのダイポール型のアンテナの偏波方向は、前記光記録媒体の前記表面と略平行であってもよい。
【0013】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記第1のバーアンテナと前記第2のバーアンテナとは、絶縁体を介して接続されていてもよい。
【0014】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記第1のバーアンテナと前記第2のバーアンテナとは、導電体により接続されていいもよい。
【0015】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記光記録媒体用ケースは、略直方体の形状を有していてもよい。
【0016】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記光記録媒体用ケースは、
管理用棚の背面または底面に設けられ前記ICタグと通信するためのシートアンテナの表面と、前記第1のバーアンテナの長手方向とが略平行になるように、前記管理用棚に配置されていてもよい。
【0017】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記光記録媒体用ケースは、
前記第1の辺が、前記シート状アンテナが設けられた前記管理用棚の背面または底面に、近接するように、前記管理用棚に配置されていてもよい。
【0018】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記光記録媒体用ケースは、
前記第1のバーアンテナの長手方向の一部分が前記シート状アンテナの表面と対向し、且つ、前記第1のバーアンテナの長手方向の残りの他の部分が前記シート状アンテナの表面と対向しないように、前記管理用棚に配置されていてもよい。
【0019】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記ケース本体は、
前記光記録媒体の中心を通る前記表面の垂線を回転軸として、前記光記録媒体を回転可能に支持していてもよい。
【0020】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記第1のバーアンテナおよび前記第2のバーアンテナは、帯状の導体から成っていてもよい。
【0021】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記ブーストアンテナは、ダイポール形状を有していてもよい。
【0022】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記第1のバーアンテナまたは前記第2のバーアンテナの少なくとも何れか一方の長さは、送受信する電磁波の波長の略正の整数倍または略正の整数分の1であってもよい。
【0023】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記第2のバーアンテナは、前記ケース本体の角に向かって延在していてもよい。
【0024】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記ブーストアンテナは、
前記光記録媒体用ケースに収納される前記光記録媒体の表面と略平行になるように、前記ケース本体上に伸びて配置されていてもよい。
【0025】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記光記録媒体は、円形の形状を有する光ディスクであり、
前記ICタグのダイポール型のアンテナは、その中心が、前記光記録媒体の中心を通る前記光記録媒体の表面の垂線上に位置するように、前記光記録媒体に設けられていてもよい。
【0026】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記ブーストアンテナは、前記ケース本体の内面に設けられていてもよい。
【0027】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記ブーストアンテナは、前記ケース本体の外面に設けられていてもよい。
【0028】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記光ディスクは、CD、DVD、または、BDの何れかであってもよい。
【0029】
本発明の一態様に係るブーストアンテナは、
アンテナを有するICタグが表面に付された光記録媒体を収納するための光記録媒体用ケースに付されるブーストアンテナであって、
前記光記録媒体の前記表面と略平行になるように前記光記録媒体を収納するための前記ケース本体に設けられており、
前記ケース本体の第1の辺に沿って略平行に配置された第1のバーアンテナと、
前記ケース本体に収納された前記光記録媒体の中心を通る前記表面の垂線と交差するように配置され、且つ、前記第1のバーアンテナとの間で交流電流または直流電流が流れるように前記第1のバーアンテナと接続された第2のバーアンテナと、を含む
ことを特徴とするブーストアンテナである。
【0030】
本発明の一態様に係る管理システムは、
光記録媒体を管理するための管理システムであって、
アンテナを有するICタグが表面に付された光記録媒体を収納するための光記録媒体用ケースと、
前記光記録媒体用ケースが並べられる管理用棚に配置されるシート状アンテナと、
前記ICタグのアンテナおよび前記シート状アンテナを介して、前記ICタグと通信するリーダ/ライタと、
前記ICタグと前記リーダ/ライタとの通信により得られた情報に基づいて、前記光ディスクを管理する管理装置と、を備え、
前記光記録媒体用ケースは、
略直方体の形状を有し、前記光記録媒体を収納するためのケース本体と、
前記ケース本体に収納された前記光記録媒体の前記表面と略平行になるように、前記ケース本体に設けられたブーストアンテナと、を有し、
前記ブーストアンテナは、
前記ケース本体の第1の辺に沿って略平行に配置された第1のバーアンテナと、
前記ケース本体に収納された前記光記録媒体の中心を通る前記表面の垂線と交差するように配置され、且つ、前記第1のバーアンテナとの間で交流電流または直流電流が流れるように前記第1のバーアンテナと接続された第2のバーアンテナと、を含む
ことを特徴とする管理システムである。
【0031】
また、上記管理システムにおいて、
前記シート状アンテナは、
平板状の誘電体層と、
前記シート状アンテナの表面に位置し、メッシュ状の導体を含む第1の導電体層と、
前記第1の導電体層との間で、前記誘電体層を挟む平板状の第2の導電体層と、を有していてもよい。
【0032】
また、上記管理システムにおいて、
前記シート状アンテナが配置される前記管理用棚の背面また底面は、導体で構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0033】
本発明にかかる光記録媒体用ケース、ブーストアンテナ、および、管理システムによれば、リーダ/ライタによるシート状アンテナを介した読み取り性能を、向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、本発明の一態様である実施例1に係るICタグ100が付された光ディスク(光記録媒体)1の構成の一例を示す図である。
【図2】図2は、図1に示す光ディスク1を収納した状態の実施例1に係る光記録媒体用ケースの構成の一例を示す図である。
【図3】図3は、図2に示す光記録媒体用ケース3を並べた状態の、シート状アンテナ200が配置された管理用棚400の構成の一例を示す図である。
【図4】図4は、図3に示すシート状アンテナ200、リーダ/ライタ320、および、管理装置310を含む管理システム1000の一例を示す図である。
【図5】図5は、図2に示す光記録媒体用ケース3を並べた状態の、シート状アンテナが配置された管理用棚400の構成の他の例を示す図である。
【図6】図6は、図2に示す光記録媒体用ケース3を並べた状態の、シート状アンテナが配置された管理用棚400の構成の他の例を示す図である。
【図7】図7は、図1に示す光ディスク1を収納した状態の実施例1に係る光記録媒体用ケース3の構成の他の例を示す図である。
【図8】図8は、図1に示す光ディスク1を収納した状態の実施例1に係る光記録媒体用ケース3の構成の他の例を示す図である。
【図9】図9は、図1に示す光ディスク1を収納した状態の実施例1に係る光記録媒体用ケース3の構成の他の例を示す図である。
【図10】図10は、図1に示す光ディスク1を収納した状態の実施例1に係る光記録媒体用ケース3の構成の他の例を示す図である。
【図11】図11は、図1に示す光ディスク1を収納した状態の実施例1に係る光記録媒体用ケース3の構成の他の例を示す図である。
【図12】図12は、図1に示す光ディスク1を収納した状態の実施例1に係る光記録媒体用ケース3の構成の他の例を示す図である。
【図13】図13は、図1に示す光ディスク1を収納した状態の実施例1に係る光記録媒体用ケース3の構成の他の例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、実施の形態について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0036】
この実施例1では、一例として、光記録媒体である光ディスク(CD)に本発明を適用した場合について説明するが、他の上述の光記録媒体に関しても同様に説明される。
【0037】
図1は、本発明の一態様である実施例1に係るICタグ100が付された光ディスク(光記録媒体)1の構成の一例を示す図である。また、図2は、図1に示す光ディスク1を収納した状態の実施例1に係る光記録媒体用ケースの構成の一例を示す図である。
【0038】
図1に示すように、光ディスク1は、円形の形状を有し、その中央に光ディスク1のプレーヤ(図示せず)の支持部に係合するための穴1aが形成されている。この光ディスク1は、例えば、CD、DVD、BD等の光記録媒体である。
【0039】
また、この光ディスク1の表面には、この光ディスク1を管理するためのICタグ100が設けられている。
【0040】
また、図1に示すように、ICタグ100は、例えば、インレットを構成する、ICチップ100aと、ダイポール型のアンテナ100bと、を備える。
【0041】
ICチップ100aは、情報を記憶するためのメモリ部(図示せず)と、該メモリ部への情報の記憶動作、該メモリ部からの情報の読み出し動作、および、無線通信動作を制御する制御部(図示せず)を有する。
【0042】
ダイポール型のアンテナ100bは、例えば、ループ状の形状を有するループ部100b−1と、光ディスク1の表面上に延在する延在部100b−2とを含む。なお、図1の例では、延在部100bは、矩形波状に光ディスク1の表面上に延在している。
【0043】
したがって、ICタグ100のダイポール型のアンテナ100bの偏波方向は、光ディスク1の表面と略平行である。
【0044】
また、ダイポール型のアンテナ100bは、その中心が、光ディスク1の中心Mを通る光ディスク1の表面の垂線上に位置するように、光ディスク1に設けられている。
【0045】
また、該インレットは、例えば、両面テープ(図示せず)により光ディスク1の表面に貼り付けられている。
【0046】
また、該インレットは、光ディスク1に対向しない面(上面)に、ラベル表紙(図示せず)が、例えば、アクリル系の粘着剤により、貼り付けられている。
【0047】
ここで、図2に示すように、光記録媒体用ケース3は、ダイポール型のアンテナ100bを有するICタグ100が表面に付された光ディスク1を収納するようになっている。
【0048】
そして、この光記録媒体用ケース3は、例えば、光ディスク1の穴1aに係合する支持部(図示せず)を、穴1aに係合させることにより、光ディスク1を内部で支持するようになっている。
【0049】
また、この光記録媒体用ケース3は、ケース本体31と、ブーストアンテナ2と、を備える。
【0050】
ケース本体31は、光ディスク1を内部に収納し、この収納した光ディスク1を該支持部で支持するようになっている。なお、ケース本体31は、例えば、光ディスク1の中心Mを通る光ディスク1の表面の垂線を回転軸として、光ディスク1を回転可能に支持する。このケース本体31は、例えば、略直方体の形状を有する。
【0051】
ブーストアンテナ2は、ケース本体31に収納された光ディスク1の表面と略平行になるように、ケース本体31に設けられている。すなわち、ブーストアンテナ2は、ケース本体31の1つの面に設けられている。
【0052】
なお、ブーストアンテナ2は、ケース本体31の内面に設けられていても、また、ケース本体31の外面に設けられていてもよい。
【0053】
また、ブーストアンテナ2が紙(歌詞カード)等の基材に設けられ、この基材をケース本体31に添付されることにより、ブーストアンテナ2がケース本体31に設けられるようにしてもよい。
【0054】
また、このブーストアンテナ2は、例えば、ダイポール形状を有する。
【0055】
また、このブーストアンテナ2は、導体で構成される。すなわち、このブーストアンテナ2は、例えば、Al、Ag等の金属箔で構成される。
【0056】
また、図2に示す例では、このブーストアンテナ2は、第1のバーアンテナ2aと、第2のバーアンテナ2bと、第3のバーアンテナ2cと、を含む。なお、第1ないし第3のバーアンテナ2a〜2cは、一体的に形成されても、別々に形成されてもよい。
【0057】
第1のバーアンテナ2aは、ケース本体31の第1の辺31aに沿って略平行に配置されている。
【0058】
また、第2のバーアンテナ2bは、ケース本体31に収納された光ディスク1の中心M(光ディスク1を支持する支持部(図示せず))を通る表面の垂線と交差するように配置され、且つ、第1のバーアンテナ2との間で交流電流または直流電流が流れるように第1のバーアンテナ2aと接続されている。
【0059】
例えば、第1のバーアンテナ2a(図2の例では、第1のバーアンテナ2aの一端2a1)と第2のバーアンテナ2b(図2の例では、第2のバーアンテナ2bの一端2b1)とは、導電体により接続されている。
【0060】
これにより、第1のバーアンテナ2aと第2のバーアンテナ2bとの間には、交流電流または直流電流が流れる(すなわち、所定の信号が伝達される)。
【0061】
また、第1のバーアンテナ2a(図2の例では、第1のバーアンテナ2aの一端2a1)と第2のバーアンテナ2b(図2の例では、第2のバーアンテナ2bの一端2b1)とは、絶縁体(接着剤等)を介して接続されるようにしてもよい。
【0062】
これにより、第1のバーアンテナ2aと第2のバーアンテナ2bとの間には、少なくとも交流電流が流れる(すなわち、所定の信号が伝達される)。
【0063】
また、図2に示すように、例えば、第3のバーアンテナ2cは、光ディスク1の中心Mを通る光ディスク1の表面の垂線上で、第2のバーアンテナ2bと交差するように配置されている。
【0064】
例えば、第2のバーアンテナ2bと第3のバーアンテナ2cとは、導電体により接続されている。すなわち、第1のバーアンテナ2aと第2のバーアンテナ2bとの間には、交流電流または直流電流が流れる(すなわち、所定の信号が伝達される)ようになっている。
【0065】
また、例えば、第2のバーアンテナ2bと第3のバーアンテナ2cとは、絶縁体(接着剤等)を介して接続されるようにしてもよい。これにより、第1のバーアンテナ2aと第2のバーアンテナ2bとの間には、少なくとも交流電流が流れる(すなわち、所定の信号が伝達される)。
【0066】
なお、より好ましくは、第3のバーアンテナ2cは、光ディスク1の中心Mを通る光ディスク1の表面の垂線上で、第2のバーアンテナと直交するように配置される。
【0067】
これにより、光ディスク1が本体ケース31内で既述の回転軸を中心に回転しても、ICタグ100aのダイポール型のアンテナ100とブーストアンテナ2との間で、後述のような電磁結合、電磁誘導、静電結合がより確実に発生するようにすることができる。
【0068】
また、第3のバーアンテナ2cは、例えば、光ディスク1の中心Mを通る光ディスク1の表面の垂線上から第1のバーアンテナ2a側に、延在するように配置されている。なお、図2に示す例では、第2のバーアンテナ2bと第3のバーアンテナ2cとは、T字状の形状を構成するように接続されている。
【0069】
なお、図2に示す例では、第1ないし第3のバーアンテナ2a〜2cは、直線状に延在しているが、第1ないし第3のバーアンテナ2a〜2cは、湾曲した形状を有していてもよい。
【0070】
また、ブーストアンテナ2は、光記録媒体用ケース3に収納される光ディスク1の表面と略平行になるように、ケース本体31上に伸びて配置されている。
【0071】
また、直交する第2、3のバーアンテナ2b、2cの一方(2b)は、ケース本体31の1つの角に向かって延在し、他方(2c)は、ケース本体31の他の角に向かって延在している。
【0072】
また、第1ないし第3のバーアンテナ2a〜2cは、帯状の導体から成る。すなわち、ブーストアンテナ2は、帯状の導電材料テープから、貼付、転写、エッチング、印刷、または、接着により、光記録媒体用ケース3に、所定の長さおよび形状で形成される。
【0073】
また、第1、第2のバーアンテナ2a、2bの少なくとも何れか一方の長さは、例えば、送受信する電磁波の波長の略正の整数倍または略正の整数分の1である。例えば、UHF帯(900MHz程度)での使用を想定した場合、ブーストアンテナ2を構成する第1、第2のバーアンテナ2a、2bの長手方向の長さは15cm程度となる。また、このバーアンテナの幅方向の幅は、例えば、5mm程度である。このバーアンテナの厚さは、例えば、9μm〜50μmである。
【0074】
このブーストアンテナ2とICタグ100のダイポール型のアンテナ100bとの間は、例えば、電磁結合、電磁誘導、静電結合の1つ、又は組み合わせにより非接触で電気信号を伝達することがきるようになっている。
【0075】
ここで、既述のICタグ100のICチップ100aは、ダイポール型のアンテナ100b、ブーストアンテナ2、および、シート状アンテナ200を介して、リーダ/ライタ(質問器(Interrogator))へ情報を読み出し、または、該質問器からシート状アンテナ200、ダイポール型のアンテナ100b、および、ブーストアンテナ2を介して入力された情報を記憶する。
【0076】
また、ICタグ100は、ダイポール型のアンテナ100bとブーストアンテナ2との相対的な位置関係に応じて、シート状アンテナ200との交信距離が異なるようになっている。
【0077】
このICタグ100は、リーダ/ライタ320(シート状アンテナ200)との交信周波数が、例えば、800MHzから10GHzの範囲である。
【0078】
また、ICタグ100は、ダイポール型のアンテナ100bに接続されるICチップ100aのインピーダンスと、ブーストアンテナ2のインピーダンスとを整合することにより、受信電力を向上することができる。
【0079】
なお、図2に示す例では、光記録媒体用ケース3のケース本体31に光ディスク1が直接収納されるが、例えば、ケース本体31は、光ディスク1を収納した中箱(図示せず)を収納することにより、光ディスク1をケース本体31内に間接的に収納するようにしてもよい。
【0080】
次に、以上のような構成を有する光記録媒体用ケース3に収納された光ディスク1を管理するための管理システムの例について説明する。
【0081】
ここで、図3は、図2に示す光記録媒体用ケース3を並べた状態の、シート状アンテナ200が配置された管理用棚400の構成の一例を示す図である。また、図4は、図3に示すシート状アンテナ200、リーダ/ライタ320、および、管理装置310を含む管理システム1000の一例を示す図である。
【0082】
図3に示すように、管理用棚400は、底面4上に、複数の光記録媒体用ケース3が並んで配置されるようになっている。そして、管理用棚400の底面4に、シート状アンテナ200が配置されている。なお、このシート状アンテナ200が配置される管理用棚400の底面4および背面5は、例えば、金属等の導体で構成されている。
【0083】
なお、後述のように、ICタグ100の偏波方向に指向性があるので、シート状アンテナ200の表面と光記録媒体用ケース3(光ディスク1)の表面(すなわち、ブーストアンテナ2の延伸方向)とは、直交するように配置されるのが好ましい。
【0084】
例えば、光記録媒体用ケース3は、管理用棚400の底面4に設けられICタグ100と通信するためのシートアンテナ200の表面200a(後述のメッシュ状の導電体層230)と、第1のバーアンテナ2aの長手方向とが略平行になるように、管理用棚400に配置される。
【0085】
これにより、通信効率を向上させることができる。
【0086】
なお、より好ましくは、シートアンテナ200の表面200aと、第1のバーアンテナ2aの長手方向とが平行になるように配置されることにより、通信効率を向上させることができる。
【0087】
しかし、シートアンテナ200の表面200aと、第1のバーアンテナ2aの長手方向との間に傾きがあっても、通信効率が低下するが、シート状アンテナ200とブーストアンテナ2との通信は可能である。
【0088】
さらに、光記録媒体用ケース3は、第1の辺31aが、シート状アンテナが設けられた管理用棚400の底面4に、近接するように、管理用棚400に配置される。
【0089】
これにより、通信効率をより向上させることができる。
【0090】
さらに、光記録媒体用ケース3は、第1のバーアンテナ2aの長手方向の一部分がシート状アンテナ200の表面200aと対向し、且つ、第1のバーアンテナ2aの長手方向の残りの他の部分がシート状アンテナ200の表面200aと対向しないように、管理用棚400に配置される。
【0091】
これにより、通信効率をより向上させることができる。
【0092】
また、図4に示すように、光ディスク1を管理するための管理システム1000は、複数の光記録媒体用ケース3と、シート状アンテナ200と、管理装置310、リーダ/ライタ320と、同軸ケーブル330と、配線340と、を備える。
【0093】
シート状アンテナ200は、光記録媒体用ケース3が並べられる管理用棚400(図3)に配置される。
【0094】
リーダ/ライタ320は、ブーストアンテナ2、ダイポール型のアンテナ100b、および、シート状アンテナ200を介して、光ディスク1のICタグ100と通信するようになっている。
【0095】
管理装置310は、光ディスク1のICタグ100とリーダ/ライタ320との通信により得られた情報に基づいて、光ディスク1を管理するようになっている。
【0096】
また、図4に示すように、シート状アンテナ200は、薄い平板状の誘電体層250を、シート状アンテナ200の表面に位置するメッシュ状の導電体層(第1の導電体層)230と、平板状の導電体層(第2の導電体層)240とで挟む構造を有する。
【0097】
また、メッシュ状の導電体層230のメッシュ周期と、誘電体層250の厚さと、は、シート状アンテナ200を伝搬する波長よりも小さいものとする。
【0098】
また、メッシュ状の導電体層230は、例えば、メッシュ周期が7mmのメッシュ状の導体230aを含む。このメッシュ状の導体230aは一辺が6mmの正方形の開口部分を有する。このような形状では、メッシュ状の導電体層230の表面から一定の高さまで(シート状アンテナ200の表面から一定の高さまで)、電磁場が染み出すようになる。
【0099】
この電磁場が染み出す領域を浸出領域という。この浸出領域の高さは、メッシュのパターン形状とシート状アンテナ200の誘電体層250の厚さと誘電率によって決まる。
【0100】
例えば、メッシュの線間隔がIm、メッシュの線幅がWmの正方形のメッシュ構造を有するメッシュ状の導電体層230においては、メッシュ周期は(Wm+Im)となる。
【0101】
また、シート状アンテナ200において、メッシュ状の導電体層230のメッシュ周期は、伝搬する電磁波の波長より十分短いものとし、例えば、伝搬する電磁波の0.2倍以下である。
【0102】
このメッシュ状の導電体層230が光記録媒体用ケース3と対向するシート状アンテナ200の表面に位置する。
【0103】
また、誘電体層250の厚さは、伝搬する電磁波の波長よりも十分短いものとし、例えば、誘電体層250の厚さは、波長の0.04倍以下である。
【0104】
このように、メッシュ状の導電体層230のメッシュ周期と誘電体層250の厚さとが、シート状アンテナ200を伝搬する電磁波の波長よりも十分に小さい場合には、所謂、導波管と同様に、シート状アンテナ200が遮断周波数を有する。そして、シート状アンテナ200の横幅Wが電磁波の半波長の整数倍である場合に共振を起こす(例えば、特開2010−114696号公報参照)。
【0105】
そして、横幅Wが半波長の整数倍である場合には、シート状アンテナ200を伝搬する電磁波が共振状態となるため、シート状アンテナ200のメッシュ状の導電体層230から放射される電力が増大する。
さらに、シート状アンテナ200の横幅Wの長さと、シート状アンテナ200を伝搬する電磁波の半波長の長さとが等しい場合には、シート状アンテナ200の長辺L方向に、所謂、平面波として電磁波が進行しているように見える(例えば、特開2010−114696号公報参照)。
【0106】
したがって、シート状アンテナ200の電磁波吸収部材210は、シート状アンテナ200の何れか一方の短辺に配置されていればよい。シート状アンテナ200においては、電力を入力する電磁波インタフェース220を他方の短辺に配置しているので、給電点がある短辺と対向する短辺に電磁波吸収部材(終端部材)210を配置すればよい。
【0107】
電磁波吸収部材210は、導体板と抵抗とを組み合わせた構成とすることができ、例えば、導体板をメッシュ状の導電体層230の上に載置してもよい。
【0108】
また、図4に示すように、リーダ/ライタ320は、光ディスク1の管理を実行する管理装置310に配線340を介して接続される。なお、図4に示す例では、リーダ/ライタ320がシート状アンテナ200に1個接続された構成について示しているが、2個以上のリーダ/ライタ320がシート状アンテナ200に接続されていてもよい。
【0109】
シート状アンテナ200は、リーダ/ライタ320に、同軸ケーブル330と電磁波インタフェース220を介して接続される。なお、図4に示す例では、シート状アンテナ200の片側(1カ所)にのみ電磁波インタフェース220が設けられている構成を示しているが、シート状アンテナ200の両側(2カ所)に電磁波インタフェース220が設けられていてもよい。この場合、それぞれの電磁波インタフェース220がリーダ/ライタ320の異なるポートに接続されることになる。
【0110】
なお、リーダ/ライタ320は、読み取り機能または書き込み機能の少なくとも何れか一方を有する。
【0111】
また、リーダ/ライタ320は、ICタグ100と通信する場合に、電磁波を同軸ケーブル330と電磁波インタフェース220とを介して、シート状アンテナ200に通信用の電磁波を入力する。
【0112】
そして、ICタグ100は、シート状アンテナ200から放射され通信内容に応じた電磁波を、ブーストアンテナ2と、ダイポール型のアンテナ100bとを介して受信する。一方、ICタグ100aは、シート状アンテナ200に対して、ブーストアンテナ2と、ダイポール型のアンテナ100bとを介して、通信内容に応じた電磁波を送信する。
【0113】
管理装置310は、リーダ/ライタ320と光ディスク1のICタグ100との通信により得られた情報に基づいて、光ディスク1を管理する。
【0114】
なお、管理システム1000において、同軸ケーブル330、配線340に代えて、管理装置310、リーダ/ライタ320、シート状アンテナ200との間を、無線で情報が伝達するようにしてもよい。
【0115】
ここで、光ディスク1に付されたICタグ100のダイポール型のアンテナ100bの偏波方向には、指向性がある。したがって、ダイポール型のアンテナ100bの向きとシート状アンテナ200の表面の垂線との位置関係により、ICタグ100aの電磁波の送受信の感度が異なる。
【0116】
しかし、本実施例においては、光ディスク1を収納する光記録媒体用ケース3にブーストアンテナ2に設けられていることにより、ダイポール型のアンテナ100bの偏波方向の指向性の影響を低減し、ICタグ100aとシート状アンテナ200との間の電磁波の送受信の感度を向上させることができる。
【0117】
さらに、光記録媒体用ケース3のブーストアンテナ2は、ICタグ100とシート状アンテナ200との交信で使用される該電磁波を反射するようになっている。
【0118】
これにより、複数の光記録媒体用ケース3が並べて配置される場合、ダイポール型のアンテナ100bの偏波方向の指向性の影響がさらに低減し、ICタグ100aとシート状アンテナ200との間の電磁波の送受信の感度をさらに向上させることができる。
【0119】
すなわち、シート状アンテナ200上でのICタグ100の読取り率および読取り数が、飛躍的に向上することになる。
【0120】
これにより、複数の光記録媒体に付されたICタグ100をより適切に読み取り、光記録媒体に対する所定の管理を実施することができる。
【0121】
ここで、既述の図3では、シート状アンテナ200が管理用棚400の底面4上に配置された構成について示したが、シート状アンテナ200が管理用棚400の背面5上に配置するようにしてもよい。
【0122】
ここで、図5および図6は、図2に示す光記録媒体用ケース3を並べた状態の、シート状アンテナが配置された管理用棚400の構成の他の例を示す図である。なお、管理システムの構成は、図4に示す構成と同様である。また、シート状アンテナ200の表面と光記録媒体用ケース3(ブーストアンテナ2)との位置関係も、図4に示す例と同様になる。
【0123】
図5に示すように、管理用棚400の背面5の下部に、シート状アンテナ200が配置されている。この管理用棚400の底面4上に、複数の光記録媒体用ケース3が並んで配置されるようになっている。そして、シート状アンテナ200の表面とブーストアンテナ2の とが近接するように、管理用棚400に光記録媒体用ケース3が配置される。
【0124】
また、図6に示すように、管理用棚400の背面5の下部にシート状アンテナ200を設けてもよい。この管理用棚400の底面4上に、複数の光記録媒体用ケース3が並んで配置されるようになっている。そして、シート状アンテナ200の表面とブーストアンテナ2の とが近接するように、管理用棚400に光記録媒体用ケース3が配置される。
【0125】
図5および図6に示すように、例えば、光記録媒体用ケース3は、管理用棚400の背面5に設けられICタグ100と通信するためのシートアンテナ200の表面200a(後述のメッシュ状の導電体層230)と、第1のバーアンテナ2aの長手方向とが略平行になるように、管理用棚400に配置される。
【0126】
これにより、通信効率を向上させることができる。
【0127】
さらに、光記録媒体用ケース3は、第1の辺31aが、シート状アンテナが設けられた管理用棚400の背面5に、近接するように、管理用棚400に配置される。
【0128】
これにより、通信効率をより向上させることができる。
【0129】
さらに、光記録媒体用ケース3は、第1のバーアンテナ2aの長手方向の一部分がシート状アンテナ200の表面200aと対向し、且つ、第1のバーアンテナ2aの長手方向の残りの他の部分がシート状アンテナ200の表面200aと対向しないように、管理用棚400に配置される。
【0130】
これにより、通信効率をより向上させることができる。
【0131】
また、図2に示す光記録媒体用ケース3のブーストアンテナ2の構成は、一例であり、同様の機能を有すればブーストアンテナ2は異なる構成を有していてもよい。
【0132】
ここで、図7ないし図11は、図1に示す光ディスク1を収納した状態の実施例1に係る光記録媒体用ケース3の構成の他の例を示す図である。
【0133】
例えば、図7に示すように、図2に示す構成と比較して、ブーストアンテナ2の第3のバーアンテナ2cが、ディスク1の中心Mを通る光ディスク1の表面の垂線上から第1のバーアンテナ2aとは反対側に延在するようにしてもよい。
【0134】
また、図8に示すように、ブーストアンテナ2の第3のバーアンテナ2cが、ディスク1の中心Mを通る光ディスク1の表面の垂線上から第2のバーアンテナ2bの両側に延在するようにしてもよい。
【0135】
また、図9に示すように、図2に示す構成と比較して、ブーストアンテナ2は、第3のバーアンテナ2cを省略するようにしてもよい。
【0136】
また、図10に示すように、ブーストアンテナ2は、光ディスク1の中心Mを通る光ディスク1の表面の垂線上で、第2のバーアンテナ2bおよび第3のバーアンテナ2cと交差するように配置された第4のバーアンテナ2dを、さらに含むようにしてもよい。
【0137】
また、図11に示すように、ブーストアンテナ2の第3のバーアンテナ2cは、第2のバーアンテナ2bと同程度の長さを有するようにしてもよい。
【0138】
以上のような光記録媒体用ケース3のブーストアンテナ2の構成によっても、ブーストアンテナ2の感度を向上し、ICタグ100の読み取り性能を向上することができる。
【0139】
なお、以上に示す光記録媒体用ケース3の構成は、収納された光ディスク1の平面方向の断面が正方形である場合(CDのケースを想定)について示しているが、収納された光ディスク1の平面方向の断面が長方形である場合(DVDやBD等のケースを想定)も本発明は同様に適用される。
【0140】
ここで、図12および図13は、図7ないし図11は、図1に示す光ディスク1を収納した状態の実施例1に係る光記録媒体用ケース3の構成の他の例を示す図である。
【0141】
図12に示すように、収納された光ディスク1の平面方向の断面が長方形である場合は、管理用棚400に配置されるシート状アンテナ200との位置関係を考慮して、第1のブーストアンテナ2aの位置が設定される。その他のブーストアンテナ2の構成は、図2に示すブーストアンテナ2と同様である。
【0142】
また、図13に示すように、ブーストアンテナ2の第3のバーアンテナ2cは、第2のバーアンテナ2bと同程度の長さを有するようにしてもよい。
【0143】
以上のような構成によっても、ブーストアンテナ2の感度を向上し、ICタグ100の読み取り性能を向上することができる。
【0144】
以上のように、本実施例に係る光記録媒体用ケース、ブーストアンテナ、および、管理システムによれば、リーダ/ライタによるシート状アンテナを介したICタグの読み取り性能を、向上することができる。
【符号の説明】
【0145】
1 光ディスク(光記録媒体)
2 ブーストアンテナ
2a 第1のバーアンテナ
2a1 第1のバーアンテナの一端
2a2 第1のバーアンテナの他端
2b 第2のバーアンテナ
2b1 第2のバーアンテナの一端
2c 第3のバーアンテナ
2d 第4のバーアンテナ
3 光記録媒体用ケース
4 底面
5 背面
31 ケース本体
100 ICタグ
100a ICチップ
100b アンテナ
100b−1 ループ部
100b−2 延在部
200 シート状アンテナ
210 電磁波吸収部材(終端部材)
220 電磁波インタフェース
230 メッシュ状の導電体層
230a メッシュ状の導電体
240 平板状の導電体層
250 誘電体層
310 管理装置
320 リーダ/ライタ
330 同軸ケーブル
340 配線
400 管理用棚
M 光ディスクの表面の中心
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、CD、DVD、BD等の光ディスク(光記録媒体)の光記録媒体用ケース、ブーストアンテナ、および、管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、管理に必要な情報を記憶しているICタグを光記録媒体に貼り付け、該ICタグとリーダ/ライタとを通信することにより、該光記録媒体を管理するシステムがある。
【0003】
例えば、光記録媒体を収納する光記録媒体用ケースを配置する管理用棚の背面、または、底面に、リーダ/ライタ用のシート状アンテナ(例えば、特許文献1参照)を配置する場合がある。この場合、光記録媒体に貼り付けられたUHF帯用のICタグ(例えば、特許文献2参照)は、その偏波方向の指向性の影響により、該リーダ/ライタは十分な読み取り性能を発揮することができない問題がある。
【0004】
すなわち、上記従来技術では、複数の光記録媒体に付されたICタグを適切に読み取ることができず、光記録媒体に対する所定の管理が実施できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−114696号公報
【特許文献2】特開2006−14968号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、リーダ/ライタによるシート状アンテナを介した読み取り性能を、向上することが可能な光記録媒体用ケース、ブーストアンテナ、および、管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る光記録媒体用ケースは、
アンテナを有するICタグが表面に付された光記録媒体を収納するための光記録媒体用ケースであって、
前記光記録媒体を収納するためのケース本体と、
前記ケース本体に収納された前記光記録媒体の前記表面と略平行になるように、前記ケース本体に設けられたブーストアンテナと、を備え、
前記ブーストアンテナは、
前記ケース本体の第1の辺に沿って略平行に配置された第1のバーアンテナと、
前記ケース本体に収納された前記光記録媒体の中心を通る前記表面の垂線と交差するように配置され、且つ、前記第1のバーアンテナとの間で交流電流または直流電流が流れるように前記第1のバーアンテナと接続された第2のバーアンテナと、を含む
ことを特徴とする光記録媒体用ケースである。
【0008】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記ブーストアンテナは、
前記光記録媒体の中心を通る前記表面の前記垂線上で前記第2のバーアンテナと交差するように配置され、且つ、前記第2のバーアンテナとの間で交流電流または直流電流が流れるように前記第2のバーアンテナと接続された第3のバーアンテナをさらに含んでいてもよい。
【0009】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記第2のバーアンテナと前記第3のバーアンテナとは、前記光記録媒体の中心を通る前記表面の前記垂線上で、直交していてもよい。
【0010】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記第3のバーアンテナは、前記光記録媒体の中心を通る前記表面の前記垂線上から延在していてもよい。
【0011】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記ICタグのアンテナは、ダイポール型のアンテナであってもよい。
【0012】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記ICタグのダイポール型のアンテナの偏波方向は、前記光記録媒体の前記表面と略平行であってもよい。
【0013】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記第1のバーアンテナと前記第2のバーアンテナとは、絶縁体を介して接続されていてもよい。
【0014】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記第1のバーアンテナと前記第2のバーアンテナとは、導電体により接続されていいもよい。
【0015】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記光記録媒体用ケースは、略直方体の形状を有していてもよい。
【0016】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記光記録媒体用ケースは、
管理用棚の背面または底面に設けられ前記ICタグと通信するためのシートアンテナの表面と、前記第1のバーアンテナの長手方向とが略平行になるように、前記管理用棚に配置されていてもよい。
【0017】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記光記録媒体用ケースは、
前記第1の辺が、前記シート状アンテナが設けられた前記管理用棚の背面または底面に、近接するように、前記管理用棚に配置されていてもよい。
【0018】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記光記録媒体用ケースは、
前記第1のバーアンテナの長手方向の一部分が前記シート状アンテナの表面と対向し、且つ、前記第1のバーアンテナの長手方向の残りの他の部分が前記シート状アンテナの表面と対向しないように、前記管理用棚に配置されていてもよい。
【0019】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記ケース本体は、
前記光記録媒体の中心を通る前記表面の垂線を回転軸として、前記光記録媒体を回転可能に支持していてもよい。
【0020】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記第1のバーアンテナおよび前記第2のバーアンテナは、帯状の導体から成っていてもよい。
【0021】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記ブーストアンテナは、ダイポール形状を有していてもよい。
【0022】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記第1のバーアンテナまたは前記第2のバーアンテナの少なくとも何れか一方の長さは、送受信する電磁波の波長の略正の整数倍または略正の整数分の1であってもよい。
【0023】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記第2のバーアンテナは、前記ケース本体の角に向かって延在していてもよい。
【0024】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記ブーストアンテナは、
前記光記録媒体用ケースに収納される前記光記録媒体の表面と略平行になるように、前記ケース本体上に伸びて配置されていてもよい。
【0025】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記光記録媒体は、円形の形状を有する光ディスクであり、
前記ICタグのダイポール型のアンテナは、その中心が、前記光記録媒体の中心を通る前記光記録媒体の表面の垂線上に位置するように、前記光記録媒体に設けられていてもよい。
【0026】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記ブーストアンテナは、前記ケース本体の内面に設けられていてもよい。
【0027】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記ブーストアンテナは、前記ケース本体の外面に設けられていてもよい。
【0028】
また、上記光記録媒体用ケースにおいて、
前記光ディスクは、CD、DVD、または、BDの何れかであってもよい。
【0029】
本発明の一態様に係るブーストアンテナは、
アンテナを有するICタグが表面に付された光記録媒体を収納するための光記録媒体用ケースに付されるブーストアンテナであって、
前記光記録媒体の前記表面と略平行になるように前記光記録媒体を収納するための前記ケース本体に設けられており、
前記ケース本体の第1の辺に沿って略平行に配置された第1のバーアンテナと、
前記ケース本体に収納された前記光記録媒体の中心を通る前記表面の垂線と交差するように配置され、且つ、前記第1のバーアンテナとの間で交流電流または直流電流が流れるように前記第1のバーアンテナと接続された第2のバーアンテナと、を含む
ことを特徴とするブーストアンテナである。
【0030】
本発明の一態様に係る管理システムは、
光記録媒体を管理するための管理システムであって、
アンテナを有するICタグが表面に付された光記録媒体を収納するための光記録媒体用ケースと、
前記光記録媒体用ケースが並べられる管理用棚に配置されるシート状アンテナと、
前記ICタグのアンテナおよび前記シート状アンテナを介して、前記ICタグと通信するリーダ/ライタと、
前記ICタグと前記リーダ/ライタとの通信により得られた情報に基づいて、前記光ディスクを管理する管理装置と、を備え、
前記光記録媒体用ケースは、
略直方体の形状を有し、前記光記録媒体を収納するためのケース本体と、
前記ケース本体に収納された前記光記録媒体の前記表面と略平行になるように、前記ケース本体に設けられたブーストアンテナと、を有し、
前記ブーストアンテナは、
前記ケース本体の第1の辺に沿って略平行に配置された第1のバーアンテナと、
前記ケース本体に収納された前記光記録媒体の中心を通る前記表面の垂線と交差するように配置され、且つ、前記第1のバーアンテナとの間で交流電流または直流電流が流れるように前記第1のバーアンテナと接続された第2のバーアンテナと、を含む
ことを特徴とする管理システムである。
【0031】
また、上記管理システムにおいて、
前記シート状アンテナは、
平板状の誘電体層と、
前記シート状アンテナの表面に位置し、メッシュ状の導体を含む第1の導電体層と、
前記第1の導電体層との間で、前記誘電体層を挟む平板状の第2の導電体層と、を有していてもよい。
【0032】
また、上記管理システムにおいて、
前記シート状アンテナが配置される前記管理用棚の背面また底面は、導体で構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0033】
本発明にかかる光記録媒体用ケース、ブーストアンテナ、および、管理システムによれば、リーダ/ライタによるシート状アンテナを介した読み取り性能を、向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、本発明の一態様である実施例1に係るICタグ100が付された光ディスク(光記録媒体)1の構成の一例を示す図である。
【図2】図2は、図1に示す光ディスク1を収納した状態の実施例1に係る光記録媒体用ケースの構成の一例を示す図である。
【図3】図3は、図2に示す光記録媒体用ケース3を並べた状態の、シート状アンテナ200が配置された管理用棚400の構成の一例を示す図である。
【図4】図4は、図3に示すシート状アンテナ200、リーダ/ライタ320、および、管理装置310を含む管理システム1000の一例を示す図である。
【図5】図5は、図2に示す光記録媒体用ケース3を並べた状態の、シート状アンテナが配置された管理用棚400の構成の他の例を示す図である。
【図6】図6は、図2に示す光記録媒体用ケース3を並べた状態の、シート状アンテナが配置された管理用棚400の構成の他の例を示す図である。
【図7】図7は、図1に示す光ディスク1を収納した状態の実施例1に係る光記録媒体用ケース3の構成の他の例を示す図である。
【図8】図8は、図1に示す光ディスク1を収納した状態の実施例1に係る光記録媒体用ケース3の構成の他の例を示す図である。
【図9】図9は、図1に示す光ディスク1を収納した状態の実施例1に係る光記録媒体用ケース3の構成の他の例を示す図である。
【図10】図10は、図1に示す光ディスク1を収納した状態の実施例1に係る光記録媒体用ケース3の構成の他の例を示す図である。
【図11】図11は、図1に示す光ディスク1を収納した状態の実施例1に係る光記録媒体用ケース3の構成の他の例を示す図である。
【図12】図12は、図1に示す光ディスク1を収納した状態の実施例1に係る光記録媒体用ケース3の構成の他の例を示す図である。
【図13】図13は、図1に示す光ディスク1を収納した状態の実施例1に係る光記録媒体用ケース3の構成の他の例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、実施の形態について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0036】
この実施例1では、一例として、光記録媒体である光ディスク(CD)に本発明を適用した場合について説明するが、他の上述の光記録媒体に関しても同様に説明される。
【0037】
図1は、本発明の一態様である実施例1に係るICタグ100が付された光ディスク(光記録媒体)1の構成の一例を示す図である。また、図2は、図1に示す光ディスク1を収納した状態の実施例1に係る光記録媒体用ケースの構成の一例を示す図である。
【0038】
図1に示すように、光ディスク1は、円形の形状を有し、その中央に光ディスク1のプレーヤ(図示せず)の支持部に係合するための穴1aが形成されている。この光ディスク1は、例えば、CD、DVD、BD等の光記録媒体である。
【0039】
また、この光ディスク1の表面には、この光ディスク1を管理するためのICタグ100が設けられている。
【0040】
また、図1に示すように、ICタグ100は、例えば、インレットを構成する、ICチップ100aと、ダイポール型のアンテナ100bと、を備える。
【0041】
ICチップ100aは、情報を記憶するためのメモリ部(図示せず)と、該メモリ部への情報の記憶動作、該メモリ部からの情報の読み出し動作、および、無線通信動作を制御する制御部(図示せず)を有する。
【0042】
ダイポール型のアンテナ100bは、例えば、ループ状の形状を有するループ部100b−1と、光ディスク1の表面上に延在する延在部100b−2とを含む。なお、図1の例では、延在部100bは、矩形波状に光ディスク1の表面上に延在している。
【0043】
したがって、ICタグ100のダイポール型のアンテナ100bの偏波方向は、光ディスク1の表面と略平行である。
【0044】
また、ダイポール型のアンテナ100bは、その中心が、光ディスク1の中心Mを通る光ディスク1の表面の垂線上に位置するように、光ディスク1に設けられている。
【0045】
また、該インレットは、例えば、両面テープ(図示せず)により光ディスク1の表面に貼り付けられている。
【0046】
また、該インレットは、光ディスク1に対向しない面(上面)に、ラベル表紙(図示せず)が、例えば、アクリル系の粘着剤により、貼り付けられている。
【0047】
ここで、図2に示すように、光記録媒体用ケース3は、ダイポール型のアンテナ100bを有するICタグ100が表面に付された光ディスク1を収納するようになっている。
【0048】
そして、この光記録媒体用ケース3は、例えば、光ディスク1の穴1aに係合する支持部(図示せず)を、穴1aに係合させることにより、光ディスク1を内部で支持するようになっている。
【0049】
また、この光記録媒体用ケース3は、ケース本体31と、ブーストアンテナ2と、を備える。
【0050】
ケース本体31は、光ディスク1を内部に収納し、この収納した光ディスク1を該支持部で支持するようになっている。なお、ケース本体31は、例えば、光ディスク1の中心Mを通る光ディスク1の表面の垂線を回転軸として、光ディスク1を回転可能に支持する。このケース本体31は、例えば、略直方体の形状を有する。
【0051】
ブーストアンテナ2は、ケース本体31に収納された光ディスク1の表面と略平行になるように、ケース本体31に設けられている。すなわち、ブーストアンテナ2は、ケース本体31の1つの面に設けられている。
【0052】
なお、ブーストアンテナ2は、ケース本体31の内面に設けられていても、また、ケース本体31の外面に設けられていてもよい。
【0053】
また、ブーストアンテナ2が紙(歌詞カード)等の基材に設けられ、この基材をケース本体31に添付されることにより、ブーストアンテナ2がケース本体31に設けられるようにしてもよい。
【0054】
また、このブーストアンテナ2は、例えば、ダイポール形状を有する。
【0055】
また、このブーストアンテナ2は、導体で構成される。すなわち、このブーストアンテナ2は、例えば、Al、Ag等の金属箔で構成される。
【0056】
また、図2に示す例では、このブーストアンテナ2は、第1のバーアンテナ2aと、第2のバーアンテナ2bと、第3のバーアンテナ2cと、を含む。なお、第1ないし第3のバーアンテナ2a〜2cは、一体的に形成されても、別々に形成されてもよい。
【0057】
第1のバーアンテナ2aは、ケース本体31の第1の辺31aに沿って略平行に配置されている。
【0058】
また、第2のバーアンテナ2bは、ケース本体31に収納された光ディスク1の中心M(光ディスク1を支持する支持部(図示せず))を通る表面の垂線と交差するように配置され、且つ、第1のバーアンテナ2との間で交流電流または直流電流が流れるように第1のバーアンテナ2aと接続されている。
【0059】
例えば、第1のバーアンテナ2a(図2の例では、第1のバーアンテナ2aの一端2a1)と第2のバーアンテナ2b(図2の例では、第2のバーアンテナ2bの一端2b1)とは、導電体により接続されている。
【0060】
これにより、第1のバーアンテナ2aと第2のバーアンテナ2bとの間には、交流電流または直流電流が流れる(すなわち、所定の信号が伝達される)。
【0061】
また、第1のバーアンテナ2a(図2の例では、第1のバーアンテナ2aの一端2a1)と第2のバーアンテナ2b(図2の例では、第2のバーアンテナ2bの一端2b1)とは、絶縁体(接着剤等)を介して接続されるようにしてもよい。
【0062】
これにより、第1のバーアンテナ2aと第2のバーアンテナ2bとの間には、少なくとも交流電流が流れる(すなわち、所定の信号が伝達される)。
【0063】
また、図2に示すように、例えば、第3のバーアンテナ2cは、光ディスク1の中心Mを通る光ディスク1の表面の垂線上で、第2のバーアンテナ2bと交差するように配置されている。
【0064】
例えば、第2のバーアンテナ2bと第3のバーアンテナ2cとは、導電体により接続されている。すなわち、第1のバーアンテナ2aと第2のバーアンテナ2bとの間には、交流電流または直流電流が流れる(すなわち、所定の信号が伝達される)ようになっている。
【0065】
また、例えば、第2のバーアンテナ2bと第3のバーアンテナ2cとは、絶縁体(接着剤等)を介して接続されるようにしてもよい。これにより、第1のバーアンテナ2aと第2のバーアンテナ2bとの間には、少なくとも交流電流が流れる(すなわち、所定の信号が伝達される)。
【0066】
なお、より好ましくは、第3のバーアンテナ2cは、光ディスク1の中心Mを通る光ディスク1の表面の垂線上で、第2のバーアンテナと直交するように配置される。
【0067】
これにより、光ディスク1が本体ケース31内で既述の回転軸を中心に回転しても、ICタグ100aのダイポール型のアンテナ100とブーストアンテナ2との間で、後述のような電磁結合、電磁誘導、静電結合がより確実に発生するようにすることができる。
【0068】
また、第3のバーアンテナ2cは、例えば、光ディスク1の中心Mを通る光ディスク1の表面の垂線上から第1のバーアンテナ2a側に、延在するように配置されている。なお、図2に示す例では、第2のバーアンテナ2bと第3のバーアンテナ2cとは、T字状の形状を構成するように接続されている。
【0069】
なお、図2に示す例では、第1ないし第3のバーアンテナ2a〜2cは、直線状に延在しているが、第1ないし第3のバーアンテナ2a〜2cは、湾曲した形状を有していてもよい。
【0070】
また、ブーストアンテナ2は、光記録媒体用ケース3に収納される光ディスク1の表面と略平行になるように、ケース本体31上に伸びて配置されている。
【0071】
また、直交する第2、3のバーアンテナ2b、2cの一方(2b)は、ケース本体31の1つの角に向かって延在し、他方(2c)は、ケース本体31の他の角に向かって延在している。
【0072】
また、第1ないし第3のバーアンテナ2a〜2cは、帯状の導体から成る。すなわち、ブーストアンテナ2は、帯状の導電材料テープから、貼付、転写、エッチング、印刷、または、接着により、光記録媒体用ケース3に、所定の長さおよび形状で形成される。
【0073】
また、第1、第2のバーアンテナ2a、2bの少なくとも何れか一方の長さは、例えば、送受信する電磁波の波長の略正の整数倍または略正の整数分の1である。例えば、UHF帯(900MHz程度)での使用を想定した場合、ブーストアンテナ2を構成する第1、第2のバーアンテナ2a、2bの長手方向の長さは15cm程度となる。また、このバーアンテナの幅方向の幅は、例えば、5mm程度である。このバーアンテナの厚さは、例えば、9μm〜50μmである。
【0074】
このブーストアンテナ2とICタグ100のダイポール型のアンテナ100bとの間は、例えば、電磁結合、電磁誘導、静電結合の1つ、又は組み合わせにより非接触で電気信号を伝達することがきるようになっている。
【0075】
ここで、既述のICタグ100のICチップ100aは、ダイポール型のアンテナ100b、ブーストアンテナ2、および、シート状アンテナ200を介して、リーダ/ライタ(質問器(Interrogator))へ情報を読み出し、または、該質問器からシート状アンテナ200、ダイポール型のアンテナ100b、および、ブーストアンテナ2を介して入力された情報を記憶する。
【0076】
また、ICタグ100は、ダイポール型のアンテナ100bとブーストアンテナ2との相対的な位置関係に応じて、シート状アンテナ200との交信距離が異なるようになっている。
【0077】
このICタグ100は、リーダ/ライタ320(シート状アンテナ200)との交信周波数が、例えば、800MHzから10GHzの範囲である。
【0078】
また、ICタグ100は、ダイポール型のアンテナ100bに接続されるICチップ100aのインピーダンスと、ブーストアンテナ2のインピーダンスとを整合することにより、受信電力を向上することができる。
【0079】
なお、図2に示す例では、光記録媒体用ケース3のケース本体31に光ディスク1が直接収納されるが、例えば、ケース本体31は、光ディスク1を収納した中箱(図示せず)を収納することにより、光ディスク1をケース本体31内に間接的に収納するようにしてもよい。
【0080】
次に、以上のような構成を有する光記録媒体用ケース3に収納された光ディスク1を管理するための管理システムの例について説明する。
【0081】
ここで、図3は、図2に示す光記録媒体用ケース3を並べた状態の、シート状アンテナ200が配置された管理用棚400の構成の一例を示す図である。また、図4は、図3に示すシート状アンテナ200、リーダ/ライタ320、および、管理装置310を含む管理システム1000の一例を示す図である。
【0082】
図3に示すように、管理用棚400は、底面4上に、複数の光記録媒体用ケース3が並んで配置されるようになっている。そして、管理用棚400の底面4に、シート状アンテナ200が配置されている。なお、このシート状アンテナ200が配置される管理用棚400の底面4および背面5は、例えば、金属等の導体で構成されている。
【0083】
なお、後述のように、ICタグ100の偏波方向に指向性があるので、シート状アンテナ200の表面と光記録媒体用ケース3(光ディスク1)の表面(すなわち、ブーストアンテナ2の延伸方向)とは、直交するように配置されるのが好ましい。
【0084】
例えば、光記録媒体用ケース3は、管理用棚400の底面4に設けられICタグ100と通信するためのシートアンテナ200の表面200a(後述のメッシュ状の導電体層230)と、第1のバーアンテナ2aの長手方向とが略平行になるように、管理用棚400に配置される。
【0085】
これにより、通信効率を向上させることができる。
【0086】
なお、より好ましくは、シートアンテナ200の表面200aと、第1のバーアンテナ2aの長手方向とが平行になるように配置されることにより、通信効率を向上させることができる。
【0087】
しかし、シートアンテナ200の表面200aと、第1のバーアンテナ2aの長手方向との間に傾きがあっても、通信効率が低下するが、シート状アンテナ200とブーストアンテナ2との通信は可能である。
【0088】
さらに、光記録媒体用ケース3は、第1の辺31aが、シート状アンテナが設けられた管理用棚400の底面4に、近接するように、管理用棚400に配置される。
【0089】
これにより、通信効率をより向上させることができる。
【0090】
さらに、光記録媒体用ケース3は、第1のバーアンテナ2aの長手方向の一部分がシート状アンテナ200の表面200aと対向し、且つ、第1のバーアンテナ2aの長手方向の残りの他の部分がシート状アンテナ200の表面200aと対向しないように、管理用棚400に配置される。
【0091】
これにより、通信効率をより向上させることができる。
【0092】
また、図4に示すように、光ディスク1を管理するための管理システム1000は、複数の光記録媒体用ケース3と、シート状アンテナ200と、管理装置310、リーダ/ライタ320と、同軸ケーブル330と、配線340と、を備える。
【0093】
シート状アンテナ200は、光記録媒体用ケース3が並べられる管理用棚400(図3)に配置される。
【0094】
リーダ/ライタ320は、ブーストアンテナ2、ダイポール型のアンテナ100b、および、シート状アンテナ200を介して、光ディスク1のICタグ100と通信するようになっている。
【0095】
管理装置310は、光ディスク1のICタグ100とリーダ/ライタ320との通信により得られた情報に基づいて、光ディスク1を管理するようになっている。
【0096】
また、図4に示すように、シート状アンテナ200は、薄い平板状の誘電体層250を、シート状アンテナ200の表面に位置するメッシュ状の導電体層(第1の導電体層)230と、平板状の導電体層(第2の導電体層)240とで挟む構造を有する。
【0097】
また、メッシュ状の導電体層230のメッシュ周期と、誘電体層250の厚さと、は、シート状アンテナ200を伝搬する波長よりも小さいものとする。
【0098】
また、メッシュ状の導電体層230は、例えば、メッシュ周期が7mmのメッシュ状の導体230aを含む。このメッシュ状の導体230aは一辺が6mmの正方形の開口部分を有する。このような形状では、メッシュ状の導電体層230の表面から一定の高さまで(シート状アンテナ200の表面から一定の高さまで)、電磁場が染み出すようになる。
【0099】
この電磁場が染み出す領域を浸出領域という。この浸出領域の高さは、メッシュのパターン形状とシート状アンテナ200の誘電体層250の厚さと誘電率によって決まる。
【0100】
例えば、メッシュの線間隔がIm、メッシュの線幅がWmの正方形のメッシュ構造を有するメッシュ状の導電体層230においては、メッシュ周期は(Wm+Im)となる。
【0101】
また、シート状アンテナ200において、メッシュ状の導電体層230のメッシュ周期は、伝搬する電磁波の波長より十分短いものとし、例えば、伝搬する電磁波の0.2倍以下である。
【0102】
このメッシュ状の導電体層230が光記録媒体用ケース3と対向するシート状アンテナ200の表面に位置する。
【0103】
また、誘電体層250の厚さは、伝搬する電磁波の波長よりも十分短いものとし、例えば、誘電体層250の厚さは、波長の0.04倍以下である。
【0104】
このように、メッシュ状の導電体層230のメッシュ周期と誘電体層250の厚さとが、シート状アンテナ200を伝搬する電磁波の波長よりも十分に小さい場合には、所謂、導波管と同様に、シート状アンテナ200が遮断周波数を有する。そして、シート状アンテナ200の横幅Wが電磁波の半波長の整数倍である場合に共振を起こす(例えば、特開2010−114696号公報参照)。
【0105】
そして、横幅Wが半波長の整数倍である場合には、シート状アンテナ200を伝搬する電磁波が共振状態となるため、シート状アンテナ200のメッシュ状の導電体層230から放射される電力が増大する。
さらに、シート状アンテナ200の横幅Wの長さと、シート状アンテナ200を伝搬する電磁波の半波長の長さとが等しい場合には、シート状アンテナ200の長辺L方向に、所謂、平面波として電磁波が進行しているように見える(例えば、特開2010−114696号公報参照)。
【0106】
したがって、シート状アンテナ200の電磁波吸収部材210は、シート状アンテナ200の何れか一方の短辺に配置されていればよい。シート状アンテナ200においては、電力を入力する電磁波インタフェース220を他方の短辺に配置しているので、給電点がある短辺と対向する短辺に電磁波吸収部材(終端部材)210を配置すればよい。
【0107】
電磁波吸収部材210は、導体板と抵抗とを組み合わせた構成とすることができ、例えば、導体板をメッシュ状の導電体層230の上に載置してもよい。
【0108】
また、図4に示すように、リーダ/ライタ320は、光ディスク1の管理を実行する管理装置310に配線340を介して接続される。なお、図4に示す例では、リーダ/ライタ320がシート状アンテナ200に1個接続された構成について示しているが、2個以上のリーダ/ライタ320がシート状アンテナ200に接続されていてもよい。
【0109】
シート状アンテナ200は、リーダ/ライタ320に、同軸ケーブル330と電磁波インタフェース220を介して接続される。なお、図4に示す例では、シート状アンテナ200の片側(1カ所)にのみ電磁波インタフェース220が設けられている構成を示しているが、シート状アンテナ200の両側(2カ所)に電磁波インタフェース220が設けられていてもよい。この場合、それぞれの電磁波インタフェース220がリーダ/ライタ320の異なるポートに接続されることになる。
【0110】
なお、リーダ/ライタ320は、読み取り機能または書き込み機能の少なくとも何れか一方を有する。
【0111】
また、リーダ/ライタ320は、ICタグ100と通信する場合に、電磁波を同軸ケーブル330と電磁波インタフェース220とを介して、シート状アンテナ200に通信用の電磁波を入力する。
【0112】
そして、ICタグ100は、シート状アンテナ200から放射され通信内容に応じた電磁波を、ブーストアンテナ2と、ダイポール型のアンテナ100bとを介して受信する。一方、ICタグ100aは、シート状アンテナ200に対して、ブーストアンテナ2と、ダイポール型のアンテナ100bとを介して、通信内容に応じた電磁波を送信する。
【0113】
管理装置310は、リーダ/ライタ320と光ディスク1のICタグ100との通信により得られた情報に基づいて、光ディスク1を管理する。
【0114】
なお、管理システム1000において、同軸ケーブル330、配線340に代えて、管理装置310、リーダ/ライタ320、シート状アンテナ200との間を、無線で情報が伝達するようにしてもよい。
【0115】
ここで、光ディスク1に付されたICタグ100のダイポール型のアンテナ100bの偏波方向には、指向性がある。したがって、ダイポール型のアンテナ100bの向きとシート状アンテナ200の表面の垂線との位置関係により、ICタグ100aの電磁波の送受信の感度が異なる。
【0116】
しかし、本実施例においては、光ディスク1を収納する光記録媒体用ケース3にブーストアンテナ2に設けられていることにより、ダイポール型のアンテナ100bの偏波方向の指向性の影響を低減し、ICタグ100aとシート状アンテナ200との間の電磁波の送受信の感度を向上させることができる。
【0117】
さらに、光記録媒体用ケース3のブーストアンテナ2は、ICタグ100とシート状アンテナ200との交信で使用される該電磁波を反射するようになっている。
【0118】
これにより、複数の光記録媒体用ケース3が並べて配置される場合、ダイポール型のアンテナ100bの偏波方向の指向性の影響がさらに低減し、ICタグ100aとシート状アンテナ200との間の電磁波の送受信の感度をさらに向上させることができる。
【0119】
すなわち、シート状アンテナ200上でのICタグ100の読取り率および読取り数が、飛躍的に向上することになる。
【0120】
これにより、複数の光記録媒体に付されたICタグ100をより適切に読み取り、光記録媒体に対する所定の管理を実施することができる。
【0121】
ここで、既述の図3では、シート状アンテナ200が管理用棚400の底面4上に配置された構成について示したが、シート状アンテナ200が管理用棚400の背面5上に配置するようにしてもよい。
【0122】
ここで、図5および図6は、図2に示す光記録媒体用ケース3を並べた状態の、シート状アンテナが配置された管理用棚400の構成の他の例を示す図である。なお、管理システムの構成は、図4に示す構成と同様である。また、シート状アンテナ200の表面と光記録媒体用ケース3(ブーストアンテナ2)との位置関係も、図4に示す例と同様になる。
【0123】
図5に示すように、管理用棚400の背面5の下部に、シート状アンテナ200が配置されている。この管理用棚400の底面4上に、複数の光記録媒体用ケース3が並んで配置されるようになっている。そして、シート状アンテナ200の表面とブーストアンテナ2の とが近接するように、管理用棚400に光記録媒体用ケース3が配置される。
【0124】
また、図6に示すように、管理用棚400の背面5の下部にシート状アンテナ200を設けてもよい。この管理用棚400の底面4上に、複数の光記録媒体用ケース3が並んで配置されるようになっている。そして、シート状アンテナ200の表面とブーストアンテナ2の とが近接するように、管理用棚400に光記録媒体用ケース3が配置される。
【0125】
図5および図6に示すように、例えば、光記録媒体用ケース3は、管理用棚400の背面5に設けられICタグ100と通信するためのシートアンテナ200の表面200a(後述のメッシュ状の導電体層230)と、第1のバーアンテナ2aの長手方向とが略平行になるように、管理用棚400に配置される。
【0126】
これにより、通信効率を向上させることができる。
【0127】
さらに、光記録媒体用ケース3は、第1の辺31aが、シート状アンテナが設けられた管理用棚400の背面5に、近接するように、管理用棚400に配置される。
【0128】
これにより、通信効率をより向上させることができる。
【0129】
さらに、光記録媒体用ケース3は、第1のバーアンテナ2aの長手方向の一部分がシート状アンテナ200の表面200aと対向し、且つ、第1のバーアンテナ2aの長手方向の残りの他の部分がシート状アンテナ200の表面200aと対向しないように、管理用棚400に配置される。
【0130】
これにより、通信効率をより向上させることができる。
【0131】
また、図2に示す光記録媒体用ケース3のブーストアンテナ2の構成は、一例であり、同様の機能を有すればブーストアンテナ2は異なる構成を有していてもよい。
【0132】
ここで、図7ないし図11は、図1に示す光ディスク1を収納した状態の実施例1に係る光記録媒体用ケース3の構成の他の例を示す図である。
【0133】
例えば、図7に示すように、図2に示す構成と比較して、ブーストアンテナ2の第3のバーアンテナ2cが、ディスク1の中心Mを通る光ディスク1の表面の垂線上から第1のバーアンテナ2aとは反対側に延在するようにしてもよい。
【0134】
また、図8に示すように、ブーストアンテナ2の第3のバーアンテナ2cが、ディスク1の中心Mを通る光ディスク1の表面の垂線上から第2のバーアンテナ2bの両側に延在するようにしてもよい。
【0135】
また、図9に示すように、図2に示す構成と比較して、ブーストアンテナ2は、第3のバーアンテナ2cを省略するようにしてもよい。
【0136】
また、図10に示すように、ブーストアンテナ2は、光ディスク1の中心Mを通る光ディスク1の表面の垂線上で、第2のバーアンテナ2bおよび第3のバーアンテナ2cと交差するように配置された第4のバーアンテナ2dを、さらに含むようにしてもよい。
【0137】
また、図11に示すように、ブーストアンテナ2の第3のバーアンテナ2cは、第2のバーアンテナ2bと同程度の長さを有するようにしてもよい。
【0138】
以上のような光記録媒体用ケース3のブーストアンテナ2の構成によっても、ブーストアンテナ2の感度を向上し、ICタグ100の読み取り性能を向上することができる。
【0139】
なお、以上に示す光記録媒体用ケース3の構成は、収納された光ディスク1の平面方向の断面が正方形である場合(CDのケースを想定)について示しているが、収納された光ディスク1の平面方向の断面が長方形である場合(DVDやBD等のケースを想定)も本発明は同様に適用される。
【0140】
ここで、図12および図13は、図7ないし図11は、図1に示す光ディスク1を収納した状態の実施例1に係る光記録媒体用ケース3の構成の他の例を示す図である。
【0141】
図12に示すように、収納された光ディスク1の平面方向の断面が長方形である場合は、管理用棚400に配置されるシート状アンテナ200との位置関係を考慮して、第1のブーストアンテナ2aの位置が設定される。その他のブーストアンテナ2の構成は、図2に示すブーストアンテナ2と同様である。
【0142】
また、図13に示すように、ブーストアンテナ2の第3のバーアンテナ2cは、第2のバーアンテナ2bと同程度の長さを有するようにしてもよい。
【0143】
以上のような構成によっても、ブーストアンテナ2の感度を向上し、ICタグ100の読み取り性能を向上することができる。
【0144】
以上のように、本実施例に係る光記録媒体用ケース、ブーストアンテナ、および、管理システムによれば、リーダ/ライタによるシート状アンテナを介したICタグの読み取り性能を、向上することができる。
【符号の説明】
【0145】
1 光ディスク(光記録媒体)
2 ブーストアンテナ
2a 第1のバーアンテナ
2a1 第1のバーアンテナの一端
2a2 第1のバーアンテナの他端
2b 第2のバーアンテナ
2b1 第2のバーアンテナの一端
2c 第3のバーアンテナ
2d 第4のバーアンテナ
3 光記録媒体用ケース
4 底面
5 背面
31 ケース本体
100 ICタグ
100a ICチップ
100b アンテナ
100b−1 ループ部
100b−2 延在部
200 シート状アンテナ
210 電磁波吸収部材(終端部材)
220 電磁波インタフェース
230 メッシュ状の導電体層
230a メッシュ状の導電体
240 平板状の導電体層
250 誘電体層
310 管理装置
320 リーダ/ライタ
330 同軸ケーブル
340 配線
400 管理用棚
M 光ディスクの表面の中心
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナを有するICタグが表面に付された光記録媒体を収納するための光記録媒体用ケースであって、
前記光記録媒体を収納するためのケース本体と、
前記ケース本体に収納された前記光記録媒体の前記表面と略平行になるように、前記ケース本体に設けられたブーストアンテナと、を備え、
前記ブーストアンテナは、
前記ケース本体の第1の辺に沿って略平行に配置された第1のバーアンテナと、
前記ケース本体に収納された前記光記録媒体の中心を通る前記表面の垂線と交差するように配置され、且つ、前記第1のバーアンテナとの間で交流電流または直流電流が流れるように前記第1のバーアンテナと接続された第2のバーアンテナと、を含む
ことを特徴とする光記録媒体用ケース。
【請求項2】
前記ブーストアンテナは、
前記光記録媒体の中心を通る前記表面の前記垂線上で前記第2のバーアンテナと交差するように配置され、且つ、前記第2のバーアンテナとの間で交流電流または直流電流が流れるように前記第2のバーアンテナと接続された第3のバーアンテナをさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項3】
前記第2のバーアンテナと前記第3のバーアンテナとは、前記光記録媒体の中心を通る前記表面の前記垂線上で、直交する
ことを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項4】
前記第3のバーアンテナは、前記光記録媒体の中心を通る前記表面の前記垂線上から延在している
ことを特徴とする請求項2または3に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項5】
前記ICタグのアンテナは、ダイポール型のアンテナであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項6】
前記ICタグのダイポール型のアンテナの偏波方向は、前記光記録媒体の前記表面と略平行であることを特徴とする請求項5に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項7】
前記第1のバーアンテナと前記第2のバーアンテナとは、絶縁体を介して接続されている
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項8】
前記第1のバーアンテナと前記第2のバーアンテナとは、導電体により接続されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項9】
前記光記録媒体用ケースは、略直方体の形状を有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項10】
前記光記録媒体用ケースは、
管理用棚の背面または底面に設けられ前記ICタグと通信するためのシートアンテナの表面と、前記第1のバーアンテナの長手方向とが略平行になるように、前記管理用棚に配置される
ことを特徴とする請求項9に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項11】
前記光記録媒体用ケースは、
前記第1の辺が、前記シート状アンテナが設けられた前記管理用棚の背面または底面に、近接するように、前記管理用棚に配置される
ことを特徴とする請求項10に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項12】
前記光記録媒体用ケースは、
前記第1のバーアンテナの長手方向の一部分が前記シート状アンテナの表面と対向し、且つ、前記第1のバーアンテナの長手方向の残りの他の部分が前記シート状アンテナの表面と対向しないように、前記管理用棚に配置される
ことを特徴とする請求項10または11に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項13】
前記ケース本体は、
前記光記録媒体の中心を通る前記表面の垂線を回転軸として、前記光記録媒体を回転可能に支持する
ことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項14】
前記第1のバーアンテナおよび前記第2のバーアンテナは、帯状の導体から成ることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項15】
前記ブーストアンテナは、ダイポール形状を有することを特徴とする請求項1ないし14のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項16】
前記第1のバーアンテナまたは前記第2のバーアンテナの少なくとも何れか一方の長さは、送受信する電磁波の波長の略正の整数倍または略正の整数分の1である
ことを特徴とする請求項1ないし15のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項17】
前記第2のバーアンテナは、前記ケース本体の角に向かって延在していることを特徴とする請求項9ないし12に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項18】
前記ブーストアンテナは、
前記光記録媒体用ケースに収納される前記光記録媒体の表面と略平行になるように、前記ケース本体上に伸びて配置されている
ことを特徴とする請求項1ないし17のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項19】
前記光記録媒体は、円形の形状を有する光ディスクであり、
前記ICタグのダイポール型のアンテナは、その中心が、前記光記録媒体の中心を通る前記光記録媒体の表面の垂線上に位置するように、前記光記録媒体に設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし18のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項20】
前記ブーストアンテナは、前記ケース本体の内面に設けられていることを特徴とする請求項1ないし19のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項21】
前記ブーストアンテナは、前記ケース本体の外面に設けられていることを特徴とする請求項1ないし19のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項22】
前記光ディスクは、CD、DVD、または、BDの何れかであることを特徴とする請求項1ないし21のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項23】
アンテナを有するICタグが表面に付された光記録媒体を収納するための光記録媒体用ケースに付されるブーストアンテナであって、
前記光記録媒体の前記表面と略平行になるように前記光記録媒体を収納するための前記ケース本体に設けられており、
前記ケース本体の第1の辺に沿って略平行に配置された第1のバーアンテナと、
前記ケース本体に収納された前記光記録媒体の中心を通る前記表面の垂線と交差するように配置され、且つ、前記第1のバーアンテナとの間で交流電流または直流電流が流れるように前記第1のバーアンテナと接続された第2のバーアンテナと、を含む
ことを特徴とするブーストアンテナ。
【請求項24】
光記録媒体を管理するための管理システムであって、
アンテナを有するICタグが表面に付された光記録媒体を収納するための光記録媒体用ケースと、
前記光記録媒体用ケースが並べられる管理用棚に配置されるシート状アンテナと、
前記ICタグのアンテナおよび前記シート状アンテナを介して、前記ICタグと通信するリーダ/ライタと、
前記ICタグと前記リーダ/ライタとの通信により得られた情報に基づいて、前記光ディスクを管理する管理装置と、を備え、
前記光記録媒体用ケースは、
略直方体の形状を有し、前記光記録媒体を収納するためのケース本体と、
前記ケース本体に収納された前記光記録媒体の前記表面と略平行になるように、前記ケース本体に設けられたブーストアンテナと、を有し、
前記ブーストアンテナは、
前記ケース本体の第1の辺に沿って略平行に配置された第1のバーアンテナと、
前記ケース本体に収納された前記光記録媒体の中心を通る前記表面の垂線と交差するように配置され、且つ、前記第1のバーアンテナとの間で交流電流または直流電流が流れるように前記第1のバーアンテナと接続された第2のバーアンテナと、を含む
ことを特徴とする管理システム。
【請求項25】
前記シート状アンテナは、
平板状の誘電体層と、
前記シート状アンテナの表面に位置し、メッシュ状の導体を含む第1の導電体層と、
前記第1の導電体層との間で、前記誘電体層を挟む平板状の第2の導電体層と、を有する
ことを特徴とする請求項24に記載の管理システム。
【請求項26】
前記シート状アンテナが配置される前記管理用棚の背面また底面は、導体で構成されていることを特徴とする請求項24または25に記載の管理システム。
【請求項1】
アンテナを有するICタグが表面に付された光記録媒体を収納するための光記録媒体用ケースであって、
前記光記録媒体を収納するためのケース本体と、
前記ケース本体に収納された前記光記録媒体の前記表面と略平行になるように、前記ケース本体に設けられたブーストアンテナと、を備え、
前記ブーストアンテナは、
前記ケース本体の第1の辺に沿って略平行に配置された第1のバーアンテナと、
前記ケース本体に収納された前記光記録媒体の中心を通る前記表面の垂線と交差するように配置され、且つ、前記第1のバーアンテナとの間で交流電流または直流電流が流れるように前記第1のバーアンテナと接続された第2のバーアンテナと、を含む
ことを特徴とする光記録媒体用ケース。
【請求項2】
前記ブーストアンテナは、
前記光記録媒体の中心を通る前記表面の前記垂線上で前記第2のバーアンテナと交差するように配置され、且つ、前記第2のバーアンテナとの間で交流電流または直流電流が流れるように前記第2のバーアンテナと接続された第3のバーアンテナをさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項3】
前記第2のバーアンテナと前記第3のバーアンテナとは、前記光記録媒体の中心を通る前記表面の前記垂線上で、直交する
ことを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項4】
前記第3のバーアンテナは、前記光記録媒体の中心を通る前記表面の前記垂線上から延在している
ことを特徴とする請求項2または3に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項5】
前記ICタグのアンテナは、ダイポール型のアンテナであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項6】
前記ICタグのダイポール型のアンテナの偏波方向は、前記光記録媒体の前記表面と略平行であることを特徴とする請求項5に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項7】
前記第1のバーアンテナと前記第2のバーアンテナとは、絶縁体を介して接続されている
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項8】
前記第1のバーアンテナと前記第2のバーアンテナとは、導電体により接続されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項9】
前記光記録媒体用ケースは、略直方体の形状を有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項10】
前記光記録媒体用ケースは、
管理用棚の背面または底面に設けられ前記ICタグと通信するためのシートアンテナの表面と、前記第1のバーアンテナの長手方向とが略平行になるように、前記管理用棚に配置される
ことを特徴とする請求項9に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項11】
前記光記録媒体用ケースは、
前記第1の辺が、前記シート状アンテナが設けられた前記管理用棚の背面または底面に、近接するように、前記管理用棚に配置される
ことを特徴とする請求項10に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項12】
前記光記録媒体用ケースは、
前記第1のバーアンテナの長手方向の一部分が前記シート状アンテナの表面と対向し、且つ、前記第1のバーアンテナの長手方向の残りの他の部分が前記シート状アンテナの表面と対向しないように、前記管理用棚に配置される
ことを特徴とする請求項10または11に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項13】
前記ケース本体は、
前記光記録媒体の中心を通る前記表面の垂線を回転軸として、前記光記録媒体を回転可能に支持する
ことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項14】
前記第1のバーアンテナおよび前記第2のバーアンテナは、帯状の導体から成ることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項15】
前記ブーストアンテナは、ダイポール形状を有することを特徴とする請求項1ないし14のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項16】
前記第1のバーアンテナまたは前記第2のバーアンテナの少なくとも何れか一方の長さは、送受信する電磁波の波長の略正の整数倍または略正の整数分の1である
ことを特徴とする請求項1ないし15のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項17】
前記第2のバーアンテナは、前記ケース本体の角に向かって延在していることを特徴とする請求項9ないし12に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項18】
前記ブーストアンテナは、
前記光記録媒体用ケースに収納される前記光記録媒体の表面と略平行になるように、前記ケース本体上に伸びて配置されている
ことを特徴とする請求項1ないし17のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項19】
前記光記録媒体は、円形の形状を有する光ディスクであり、
前記ICタグのダイポール型のアンテナは、その中心が、前記光記録媒体の中心を通る前記光記録媒体の表面の垂線上に位置するように、前記光記録媒体に設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし18のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項20】
前記ブーストアンテナは、前記ケース本体の内面に設けられていることを特徴とする請求項1ないし19のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項21】
前記ブーストアンテナは、前記ケース本体の外面に設けられていることを特徴とする請求項1ないし19のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項22】
前記光ディスクは、CD、DVD、または、BDの何れかであることを特徴とする請求項1ないし21のいずれか一項に記載の光記録媒体用ケース。
【請求項23】
アンテナを有するICタグが表面に付された光記録媒体を収納するための光記録媒体用ケースに付されるブーストアンテナであって、
前記光記録媒体の前記表面と略平行になるように前記光記録媒体を収納するための前記ケース本体に設けられており、
前記ケース本体の第1の辺に沿って略平行に配置された第1のバーアンテナと、
前記ケース本体に収納された前記光記録媒体の中心を通る前記表面の垂線と交差するように配置され、且つ、前記第1のバーアンテナとの間で交流電流または直流電流が流れるように前記第1のバーアンテナと接続された第2のバーアンテナと、を含む
ことを特徴とするブーストアンテナ。
【請求項24】
光記録媒体を管理するための管理システムであって、
アンテナを有するICタグが表面に付された光記録媒体を収納するための光記録媒体用ケースと、
前記光記録媒体用ケースが並べられる管理用棚に配置されるシート状アンテナと、
前記ICタグのアンテナおよび前記シート状アンテナを介して、前記ICタグと通信するリーダ/ライタと、
前記ICタグと前記リーダ/ライタとの通信により得られた情報に基づいて、前記光ディスクを管理する管理装置と、を備え、
前記光記録媒体用ケースは、
略直方体の形状を有し、前記光記録媒体を収納するためのケース本体と、
前記ケース本体に収納された前記光記録媒体の前記表面と略平行になるように、前記ケース本体に設けられたブーストアンテナと、を有し、
前記ブーストアンテナは、
前記ケース本体の第1の辺に沿って略平行に配置された第1のバーアンテナと、
前記ケース本体に収納された前記光記録媒体の中心を通る前記表面の垂線と交差するように配置され、且つ、前記第1のバーアンテナとの間で交流電流または直流電流が流れるように前記第1のバーアンテナと接続された第2のバーアンテナと、を含む
ことを特徴とする管理システム。
【請求項25】
前記シート状アンテナは、
平板状の誘電体層と、
前記シート状アンテナの表面に位置し、メッシュ状の導体を含む第1の導電体層と、
前記第1の導電体層との間で、前記誘電体層を挟む平板状の第2の導電体層と、を有する
ことを特徴とする請求項24に記載の管理システム。
【請求項26】
前記シート状アンテナが配置される前記管理用棚の背面また底面は、導体で構成されていることを特徴とする請求項24または25に記載の管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−162291(P2012−162291A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23234(P2011−23234)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(503054096)株式会社セルクロス (38)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(503054096)株式会社セルクロス (38)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】
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