説明

光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置

【課題】十分な広角端画角の確保、小型化、低コスト化に有利な撮像装置を提供する。
【解決手段】光路を反射する1面の反射面を持つ反射部材を含むズームレンズと、ズームレンズの像側に配置され前記ズームレンズによる像を受光し電気信号に変換する撮像面を備える撮像素子とを有し、ズームレンズは、物体側から像側に順に、前記反射部材を有し且つ負屈折力の第1レンズ群と、正屈折力の第2レンズ群と、負屈折力の第3レンズ群と、正屈折力の第4レンズ群とを含み、広角端から望遠端への変倍の際に、第2レンズ群は第1レンズ群に近づくように物体側にのみ移動し、第2レンズ群と第3レンズ群との間隔及び第3レンズ群と第4レンズ群との間隔が変化し、第1レンズ群が負単レンズ、入射面と射出面が平面の反射プリズム、物体側が凸で像側が凹の正単レンズからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、撮像装置の厚さ方向のサイズを抑えやすくしたズームレンズとして、被写体からの光線が最初に通過する第1レンズ群中に反射部材を配置して、光路を反射させるタイプのズームレンズが知られている。
【0003】
その中でも、反射部材をもつ第1レンズ群を負の屈折力にて構成し、物体側から像側に順に、負、正、負、正の屈折力の4つのレンズ群で構成したタイプの光路反射型ズームレンズが特許文献1、2、3、4、5、6、7に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−330349号公報
【特許文献2】特開2007−232974号公報
【特許文献3】特開2006−343554号公報
【特許文献4】特開2010−152148号公報
【特許文献5】特開2011−59496号公報
【特許文献6】特開2011−59497号公報
【特許文献7】特開2011−59498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光路反射型のズームレンズは、撮像装置の厚さ方向の低減に有利となる。このような光路反射型のズームレンズであっても、広角端画角の確保、小型化と低コスト化、光学性能の維持を同時に行うことが好ましい。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画角の確保と撮像装置の薄型化に有利な負先行型の光路反射型のズームレンズを用い、十分な広角端画角の確保、小型化、低コスト化に有利な撮像装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置は、光路を反射する1面の反射面を持つ反射部材を含むズームレンズと、前記ズームレンズの像側に配置され前記ズームレンズによる像を受光し電気信号に変換する撮像面を備える撮像素子を有し、前記ズームレンズは、物体側から像側に順に、前記反射部材を有し且つ負屈折力の第1レンズ群と、正屈折力の第2レンズ群と、負屈折力の第3レンズ群と、正屈折力の第4レンズ群を含み、広角端から望遠端への変倍の際に、前記第2レンズ群は前記第1レンズ群に近づくように物体側にのみ移動し、前記第2レンズ群と前記第3レンズとの間隔及び前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が変化し、前記第1レンズ群が、物体側から像側への光軸に沿って順に、負屈折力をもつ負単レンズ、前記反射部材、正の屈折力を持ち物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正単レンズからなり、前記反射部材が平面の入射面と平面の射出面を持つ反射プリズムであることを特徴とする。
【0008】
第1レンズ群中に反射部材を配置する構成とすることで撮像装置の薄型化に有利となる。
広角端から望遠端への変倍に際して、正屈折力の第2レンズ群が負の屈折力の第1レンズ群に近づくことで第2レンズ群での変倍機能を確保できる。
加えて、第3レンズ群と第4レンズ群を含めた各レンズ群に挟まれる間隔を変化させることで、変倍比確保と光学性能の確保の両立に有利となる。
第3レンズ群は負の屈折力を持つが、このレンズ群は第2レンズ群からの軸外光束を光軸から離れる方向に屈折させる機能をもつ。そして後続する第4レンズ群は正の屈折力を持つため、第3レンズ群から射出した軸外光束を屈折させることで射出瞳を撮像面から遠ざける機能を果たす。負屈折力の第3レンズ群と正屈折力の第4レンズ群のこのような機能により、射出瞳を撮像面から遠ざける機能を確保しつつ、第3レンズ群よりも物体側のレンズ構成の小型化に有利となり、ズームレンズの全長の短縮化につながる。
本発明は、広画角化、低コスト化およびズームレンズの小型化を実現するために、第1レンズ群を上述の構成としている。反射プリズムの入射面と射出面を平面とすることで製造コストをおさえられ、第1レンズ群の光学部品点数を3つに抑え、且つ、画角の確保に必要な第1レンズ群の負の屈折力の確保と収差補正を行いやすくしている。
特に、正単レンズの形状を物体側に凸面を向けたメニスカス形状としているので、この正単レンズの主点を光軸に沿って物体側に位置させやすくなる。それにより、反射プリズムのサイズを小さくしやすくなり厚さ方向の小型化につながる。
副次的効果としては、負単レンズの径も小さくしやすくなり、正単レンズの主点との距離を小さくできることにより、像面湾曲や過剰な歪曲収差の低減に有利となる。
【0009】
このように構成することで、広角端での画角の確保に有利な負先行タイプの光路反射型のズームレンズにて、十分な広角端画角の確保、小型化、低コスト化に有利となる。
【0010】
なお、光路反射型のズームレンズがフォーカシング機能を持つ場合は、上述の構成は最も遠距離に合焦した状態での構成とする。
【0011】
上述の光路反射型のズームレンズを備えた撮像装置にて、更に、以下の構成のいずれかをひとつ、更には複数を同時に満足することが性能の確保等の点でより好ましい。
【0012】
前記第1レンズ群中の正単レンズが以下の条件式(B1)を満足することが好ましい。
−8 <(R1PF+R1PR)/(R1PF−R1PR)< −1 (B1)
ここで、
1PFは、前記第1レンズ群中の前記正単レンズの物体側面の近軸曲率半径、
1PRは、前記第1レンズ群中の前記正単レンズの像側面の近軸曲率半径、
である。
【0013】
条件式(B1)は、第1レンズ群中のメニスカス形状の正単レンズの好ましい形状ファクターを特定するものである。
条件式(B1)の下限値を下回らないように正単レンズの物体側の面の正屈折力を確保することで、正単レンズの主点を物体側に位置させやすくなり、色収差の補正や、反射プリズムのサイズを小さくすることに有利となる。
条件式(B1)の上限値を上回らないように正単レンズをメニスカス形状にすることで、像面湾曲の補正に有利となる。
【0014】
前記第1レンズ群中の単レンズが以下の条件(B2)を満足することが好ましい。
20< νd1N−νd1P <40 (B2)
ここで、
νd1Nは、前記第1レンズ群中の前記負単レンズのd線基準のアッベ数である。
νd1Pは、前記第1レンズ群中の前記正単レンズのd線基準のアッベ数である。
【0015】
条件式(B2)は、第1レンズ群中の負単レンズと正単レンズの好ましいアッベ数(d線基準)の差を特定するものである。
条件式(B2)の下限値を下回らないように2つのレンズのアッベ数差を確保することで第1レンズ群内の色収差の補正に有利となる。
条件式(B2)の上限値を上回らないように2つのレンズのアッベ数差を抑えることで、負単レンズの屈折率を確保することが容易となる。それにより、各収差を効率よく抑えつつ画角の広角化に有利となる。
【0016】
前記第1レンズ群中の前記負単レンズが以下の条件式(B3)を満足する両凹形状であることが好ましい。
0.4 <(R1NF+R1NR)/(R1NF−R1NR)< 1 (B3)
ここで、
1NFは、前記第1レンズ群中の前記負単レンズの物体側面の近軸曲率半径、
1NRは、前記第1レンズ群中の前記負単レンズの像側面の近軸曲率半径、
である。
【0017】
条件式(B3)は、第1レンズ群中の負単レンズの好ましい形状ファクターを特定するものである。条件式(B3)を満足する両凹負レンズとすることで、第1レンズ群における十分な負の屈折力の確保、画角の確保と共に、第1レンズ群における球面収差の低減に有利となる。
条件式(B3)の下限値を下回らないように負単レンズの物体側の面の屈折力の過剰を防ぐことで、負単レンズの主点位置が前記第1レンズ群の正単レンズの主点位置から離れてしまうことを防ぐことができるので、第1レンズ群内で発生する各収差の補正に有利となる。
条件式(B3)の上限値を上回らないように負単レンズの形状を両凹とすることで、負単レンズの負屈折力を十分に確保できると共に、物体側の面と像側の面で屈折力を分担できるので収差の低減に有利となる。
【0018】
前記第2レンズ群が、前記第2レンズ群中で最も物体側に位置するレンズ成分である正屈折力の物体側正レンズ成分、前記第2レンズ中で最も像側に位置するレンズ成分である正屈折力の像側正レンズ成分、前記物体側正レンズ成分と前記像側正レンズ成分との間に配置され、正レンズと負レンズを含む接合レンズ成分の少なくとも3つのレンズ成分を含むことが好ましい。
【0019】
レンズ成分は、光軸上にて空気に接する屈折面が物体側面と像側面の2つの面のみのレンズ体を意味するものとする。単レンズ、接合レンズがそれに相当する。
【0020】
第2レンズ群は、明るさを確保しつつ変倍比を確保しやすくするために正屈折力の十分な確保と収差低減との両立を行うことが好ましい。
【0021】
第2レンズ群を上述のような構成とすることで、少なくとも3つのレンズ成分にて構成しつつ、最も物体側と最も像側のレンズ成分を正屈折力とすることで正の屈折力を分担している。加えて、それら2つの正レンズ成分の間に正レンズと負レンズを含む接合レンズ成分を配置することで、色収差や像面湾曲を補正する機能を持たせられ、明るさの確保と収差補正との両立に有利となる。
【0022】
更には、以下の条件式(A1)を満足することが好ましい。
0.1<f2F/f2R<0.61 (A1)
ここで、
2Fは、前記第2レンズ群中の前記物体側正レンズ成分の焦点距離、
2Rは、前記第2レンズ群中の前記像側正レンズ成分の焦点距離
である。
【0023】
条件式(A1)は物体側正レンズ成分と像側正レンズ成分との好ましい焦点距離の比を特定するものである。
条件式(A1)の下限値を下回らないように像側正レンズ成分の屈折力を確保し、物体側正レンズ成分の屈折力の過剰を抑えることで、第2レンズ群内での正の屈折力をバランスよく分担することができるので各収差の補正に有利となる。
条件式(A1)の上限値を上回らないように物体側正レンズ成分の屈折力を十分に確保することで球面収差の補正に有利となる。
【0024】
前記第2レンズ群が、物体側から像側に順に、前記物体側正レンズ成分、前記接合レンズ成分、前記像側正レンズ成分の3つのレンズ成分からなることが好ましい。
レンズ成分の数を3つのみとすることで、高性能化とコスト低減の両立につながる。
【0025】
更には、前記接合レンズ成分は負の屈折力を持つことが好ましい。
接合レンズ成分は第2レンズ群中の正レンズ成分同士に挟まれる配置となる。そのため、負屈折力の接合レンズ成分にて第2レンズ群における収差をキャンセルする機能を果たし、明るさを確保しつつも球面収差等を抑えることに有利となる。
【0026】
このとき、以下の条件式(A2)、(A3)を満足することが好ましい。
0.1<f2F/|f2C|<1 (A2)
0.2<f2R/|f2C|<5 (A3)
ここで、
2Cは、前記第2レンズ群中の前記接合レンズ成分の焦点距離
である。
【0027】
条件式(A2)は物体側正レンズ成分と負屈折力の接合レンズ成分との好ましい焦点距離比を特定したものである。
条件式(A2)の下限値を下回らないように前記接合レンズ成分の負屈折力を確保することで第2レンズ群内の正レンズ成分によって発生した収差を効率よくキャンセルすることができる。
条件式(A2)の上限値を上回らないように物体側正レンズ成分の屈折力を十分に確保することで球面収差の補正に有利となる。
【0028】
条件式(A3)は像側正レンズ成分と負屈折力の接合レンズ成分との好ましい焦点距離比を特定したものである。
条件式(A3)の下限値を下回らないように前記接合レンズ成分の負屈折力を確保することで第2レンズ群内の正レンズ成分によって発生した収差を効率よくキャンセルすることができる。
条件式(A3)の上限値を上回らないように前記接合レンズ成分の負の屈折力の過剰を抑えることで、第2レンズ群内で発生する色収差補正に有利となる。
【0029】
前記像側正レンズ成分が負レンズと正レンズとの接合レンズ成分であることが好ましい。
第2レンズ群中に負レンズを複数設けることで収差の低減にいっそう有利となる。
【0030】
前記第2レンズ群が、物体側から像側に順に、正単レンズの前記物体側正レンズ成分、物体側から正レンズと負レンズとからなる前記接合レンズ成分、正単レンズの前記像側正レンズ成分からなることが好ましい。
【0031】
前記接合レンズ成分を物体側から正レンズ、負レンズの順番に配置することによって、前記最物体側の正単レンズの正屈折力を抑えられ、各収差の補正に有利となる。さらに前記像側正レンズ成分を正の単レンズとすることで第2レンズ群の小型化、コスト低減に有利となる。
【0032】
もしくは、前記第2レンズ群が、物体側から像側に順に、正単レンズの前記物体側正レンズ成分、物体側から正レンズと負レンズとからなる前記接合レンズ成分、物体側から負レンズと正レンズとからなる前記像側正レンズ成分からなることが好ましい。
【0033】
像側正レンズ成分を接合レンズとすることで、第2レンズ群内で発生する色収差を効率よく補正することができ、高変倍化に有利となる。
【0034】
前記第4レンズ群は広角端での位置に対して望遠端にて像側に位置するように移動することが好ましい。
【0035】
第4レンズ群を上述のように移動させることにより第4レンズ群にも増倍機能を持たせることが可能となる。それにより他の変倍作用を持つレンズ群の変倍負担を軽減でき、変倍比確保と光学性能の確保の両立に有利となる。
【0036】
前記第3レンズ群は広角端での状態と望遠端での状態の双方と比較して、広角端から望遠端への変倍途中にて前記第2レンズ群に最も近づくように移動し、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
0.3<D23W/D34W<9 (1)
ここで、
D23Wは、広角端における前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の軸上間隔、
D34Wは、広角端における前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間の軸上間隔
である。
【0037】
負屈折力の第3レンズ群は、広角端にて条件式(1)を満足する位置に配置され、且つ、上述のように第2レンズ群に近づいたのち第2レンズ群から遠ざかるように移動することが好ましい。
広角端にて条件式(1)を満足するように第3レンズ群を第2レンズ群から遠ざけて配置し、広角側での変倍においては第3レンズ群が第2レンズ群に近づくように移動することで、広角側におけるズームレンズ全体の変倍機能の確保に有利となる。
一方、第2レンズ群と第3レンズ群との距離が近づきすぎると第2レンズ群と第3レンズ群との相互の偏心が生じた際の偏心収差が目立ちやすくなる。特に、変倍比を大きくしたい場合や、Fナンバーを小さくしたい場合は、この偏心による影響が生じやすくなる。
そこで、本発明においては、上述の構成とし、望遠側では第3レンズ群が第2レンズ群から遠ざかるように移動する構成としている。このような構成とすることで、望遠側での偏心収差の影響を低減し、変倍比や明るさの確保に有利となる。
条件式(1)は、広角端における第3レンズ群の好ましい配置位置を特定するものである。
条件式(1)の下限値を下回らないようにして第3レンズ群が第2レンズ群に近づき過ぎないようにすることで、第3レンズ群による変倍機能を確保しやすくなり、変倍比の確保や、広角端付近での偏心による影響の低減に有利となる。
条件式(1)の上限値を上回らないようにして第3レンズ群が第4レンズ群に近づきすぎないようにすることで、ズームレンズの小型化と像側のテレセントリック性の確保の両立に有利となる。
【0038】
前記第3レンズ群は広角端から望遠端への変倍に際して物体側にのみ移動することが好ましい。
これにより、第3レンズ群と第2レンズ群との距離が望遠側にて離れすぎないように構成でき、コマ収差や非点収差の補正に有利となる。
【0039】
前記第3レンズ群と前記第4レンズ群が以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
−5<f3/f4<−1 (2)
ここで、
3は、前記第3レンズ群の焦点距離、
4は、前記第4レンズ群の焦点距離
である。
【0040】
条件式(2)の上限値を上回らないように第3レンズ群の負の屈折力を適度に抑えることで望遠端付近での第2、第3レンズ群間の相対的な偏心による画質への影響をいっそう低減しやすくなる。
加えて、第4レンズ群の屈折力を確保することで、特に、第4レンズ群が増倍作用を持つ場合、第4レンズ群での増倍作用を維持しやすくなり、第2レンズ群の増倍負担を軽減でき、収差低減や明るさ確保に有利となる。
条件式(2)の下限値を下回らないように第3レンズ群の負の屈折力を確保することで、上述の第3レンズ群によるズームレンズの小型化の効果の確保にいっそう有利となる。
【0041】
以下の条件式(3)、(4)を満足することが好ましい。
−0.2<D23MIN/f3<−0.01 (3)
−0.6<D23MAX/f3<−0.1 (4)
ここで、
23MINは、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の軸上間隔の最小値、
23MAXは、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の軸上間隔の最大値、
3は、前記第3レンズ群の焦点距離
である。
【0042】
条件式(3)、(4)の上限値を上回らないように第2、第3レンズ群間距離を確保することで第2、第3レンズ群間の相対的な偏心による画質への影響を抑えやすくなる。
条件式(3)、(4)の下限値を下回らないように第2、第3レンズ群間距離が離れすぎないようにすることで、第2レンズ群で発生しやすいコマ収差や非点収差を第3レンズ群により補正しやすくなる。
【0043】
以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
0.1<D23MIN/D23W<0.9 (5)
ここで、
23MINは、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の軸上間隔の最小値、
23Wは、広角端における前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の軸上間隔、
である。
【0044】
条件式(5)の下限値を下回らないように広角側での第2レンズ群と第3レンズ群の減少する間隔の変動を適度に抑えることで、中間焦点距離状態付近での第2レンズ群と第3レンズ群との相対偏心による影響を低減しやすくなる。
条件式(5)の上限値を上回らないように広角側での第2、第3レンズ群の間隔を確保することで、第3レンズ群による増倍機能の確保につながる。
【0045】
以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
1.1<D23T/D23MIN<6 (6)
ここで、
23Tは、望遠端における前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の軸上間隔、
23MINは、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の軸上間隔の最小値
である。
【0046】
条件式(6)の下限値を下回らないように望遠側での第2レンズ群と第3レンズ群との増大する間隔変化を確保することで、望遠端付近で特に目立ちやすくなる第2レンズ群と第3レンズ群間の相対偏心による影響の低減に有利となる。
条件式(6)の上限値を上回らないように望遠側での第2レンズ群と第3レンズ群との間隔変化の過剰を抑えることで、望遠端付近での第3レンズ群によるコマ収差、非点収差の補正機能を確保しやすくなる。
【0047】
前記第4レンズ群は広角端での位置に対して望遠端にて像側に位置するように移動することが好ましい。
【0048】
このとき、前記第4レンズ群が広角端から望遠端への変倍に際して像側にのみ移動することがより好ましい。
変倍比の確保、望遠端での望遠比の短縮に有利となる。加えて、変倍時の第4レンズ群の移動域を小さくでき、駆動機構を含めた小型化につながる。
【0049】
前記第1レンズ群は、前記撮像面に対して位置が一定であることが好ましい。
ズームレンズの全長が一定となることで、ズーミング等の動作時における埃の侵入の低減に有利となる。
【0050】
前記第1レンズ群は、以下の条件式(7)、(8)を満足することが好ましい。
−0.5<f1F/f1R<−0.06 (7)
−3<D1FR/f1<−0.5 (8)
ここで、
1Fは、前記第1レンズ群の前記反射面よりも物体側の構成における合成焦点距離、
1Rは、前記第1レンズ群の前記反射面よりも像側の構成における合成焦点距離、
1FRは、前記反射面よりも物体側のレンズ面のうち最も反射面側のレンズ面から前記反射面よりも像側のレンズ面のうち最も反射面側のレンズ面までの光軸に沿った実距離、
1は、前記第1レンズ群の焦点距離
である。
【0051】
この構成によれば、反射面の物体側を負の屈折力とし、反射面の像側を正の屈折力とすることで、反射面前後のレンズ面間距離を小さく抑えつつ、第1レンズ群にてワイドコンバーションレンズのような機能を持たせられ、広角端での画角の確保に有利となる。加えて、反射面前後での屈折力の符号を異ならせることで収差の低減にも有利となる。
【0052】
条件式(7)は、第1レンズ群中の反射面よりも物体側の構成の合成焦点距離と反射面よりも像側の構成の合成焦点距離の好ましい比を特定するものである。
条件式(7)の下限値を下回らないように反射面よりも物体側の構成の負の屈折力を確保することで、広角端での画角の確保に有利となる。
条件式(7)の上限値を上回らないようにして反射面よりも物体側の構成の負の屈折力を適度に抑えることで、広角端での歪曲収差の過剰な発生を低減しやすくなる。
【0053】
条件式(8)は第1レンズ群中の反射面前後のレンズ面の好ましい距離を特定するものである。
条件式(8)の下限値を下回らないように反射面前後のレンズ面間距離を適度に抑えることで、ズームレンズの小型化につながる。
条件式(8)の上限値を上回らないように反射面前後のレンズ面間距離を確保することで、画角、明るさ、変倍比を確保した際の周辺光量の確保に有利となる。
【0054】
前記ズームレンズは、前記第1レンズ群よりも像側であって前記第2レンズ群中の最も像側のレンズよりも物体側に配置され、且つ、広角端から望遠端への変倍に際して物体側に移動する明るさ絞りを有し、
以下の条件式(9)、(10)を満足することが好ましい。
3.3<ft/fw<15.0 (9)
1.2<Fnow<2.4 (10)
ここで、
tは、前記ズームレンズの望遠端での焦点距離、
wは、前記ズームレンズの広角端での焦点距離、
nowは、前記ズームレンズの広角端での最小Fナンバー
である。
【0055】
条件式(9)はこのような構成にて好ましい変倍比を特定するものであり、条件式(10)は好ましい広角端でのFナンバーを特定するものである。
条件式(9)の下限を下回らないようにズームレンズの変倍比を確保することで様々な撮影シーンに対応できる。
条件式(9)の上限値を上回らないようにズームレンズの変倍比を適度に抑えることで、小型化に有利となる。
【0056】
条件式(10)の下限を下回らないようにすることで、ズームレンズの有効径の増大を防ぎやすくなり小型化につながる。
条件式(10)の上限値を上回らないようにして明るさを確保することが好ましい。
【0057】
前記第2レンズ群が、物体側から順に、第1正レンズ、第2正レンズ、第1負レンズ、第2負レンズ、第3正レンズの5枚のレンズからなることが好ましい。
第2レンズ群での諸収差の低減につながり光学性能の確保に有利となる。
【0058】
以下の条件式(11)、(12)を満足することが好ましい。
0.8<fw/IHt<1.4 (11)
0.75<IHw/IHt<0.95 (12)
ここで、
wは、前記ズームレンズの広角端での焦点距離、
IHtは、望遠端における最大像高であり、望遠端における撮像素子の有効撮像領域の対角長の半分、
IHwは、広角端における最大像高であり、広角端における撮像素子の有効撮像領域の対角長の半分、
【0059】
このような構成とすることで、第1レンズ群を簡易な構成としながらも、球面収差、コマ収差を抑えつつ第1レンズ群での負の屈折力の維持に有利となる。よって、広画角化や第2レンズ群の移動による変倍比の確保につながる。
第1レンズ群の負の屈折力を高めると広角端ではタル型の歪曲収差が発生しやすくなるが、画像信号の信号処理により容易に補正が可能となる。
【0060】
条件式(11)は、ズームレンズの好ましい広角端焦点距離を特定するものである。
条件式(11)の下限値を下回らないようにすれば、画角の増大に伴う第1レンズ群の有効径を小さくしやすくなる。
条件式(11)の上限値を上回らないようにして広角端での画角を確保することが好ましい。
【0061】
条件式(12)は、好ましい広角端と望遠端での像高比を特定するものである。
条件式(12)の下限値を下回らないようにして広角端付近での有効撮像領域の面積を確保することで、歪曲収差を信号処理により補正したのちの画質の確保につながる。
条件式(12)の上限値を上回らないようにすることで、ズームレンズの広角端での歪曲収差を許容でき、小型化に有利となる。
【0062】
前記第2レンズ群、前記第3レンズ群、前記第4レンズ群が以下の条件式(13)、(14)、(15)を満足することが好ましい。
1.7<β2T/β2W<6.0 (13)
1.20<β3T/β3W<4.0 (14)
1.04<β4T/β4W<2.0 (15)
ここで、
β2Tは、前記第2レンズ群の望遠端における横倍率、
β2Wは、前記第2レンズ群の広角端における横倍率、
β3Tは、前記第3レンズ群の望遠端における横倍率、
β3Wは、前記第3レンズ群の広角端における横倍率、
β4Tは、前記第4レンズ群の望遠端における横倍率、
β4Wは、前記第4レンズ群の広角端における横倍率、
である。
【0063】
条件式(13)、(14)、(15)はそれぞれ、第2レンズ群、第3レンズ群、第4レンズ群の好ましい変倍負担を特定するものである。
条件式(13)、(14)、(15)のそれぞれの下限値を下回らないようにして、第2、第3、第4レンズ群それぞれのレンズ群に変倍機能を負担させることで収差を抑えながら変倍機能の確保に有利となる。
条件式(13)、(14)、(15)のそれぞれの上限値を上回らないようにして、第2、第3、第4レンズ群のいずれかに変倍負担が偏らないようにすることで移動するレンズ群の移動量の低減や、レンズ枚数の低減に有利となる。
【0064】
上述各構成は相互に組み合わせて構わない。
【0065】
条件式(B1)については、下限値を−7、更には−6、更には−5、更には−4とすることがより好ましい。
また、上限値を−1.5、更には−2、更には−2.5とすることがより好ましい。
【0066】
条件式(B2)については、下限値を22、更には25、更には28とすることがより好ましい。
また、上限値を45、更には40、更には35、更には32とすることがより好ましい。
【0067】
条件式(B3)については、下限値を0.45、更には0.5、更には0.55とすることがより好ましい。
また、上限値を0.9、更には0.8、更には0.7とすることがより好ましい。
【0068】
条件式(A1)については、下限値を0.2、更には0.3、更には0.35とすることがより好ましい。
また、上限値を0.55、更には0.5とすることがより好ましい。
【0069】
条件式(A2)については、下限値を0.2、更には0.3、更には0.4とすることがより好ましい。
また、上限値を0.8、更には0.6、更には0.5とすることがより好ましい。
【0070】
条件式(A3)については、下限値を0.4、更には0.6、更には0.7とすることがより好ましい。
また、上限値を4、更には3、更には2、更には1.5とすることがより好ましい。
【0071】
条件式(1)については、下限値を0.5、更には0.7、更には1.0、更には1.2とすることがより好ましい。
また、上限値を7、更には5、更には3、更には2とすることがより好ましい。
【0072】
条件式(2)については、下限値を−4、更には−3、更には−2とすることがより好ましい。
また、上限値を−1.1、更には−1.2、更には−1.3とすることがより好ましい。
【0073】
条件式(3)については、下限値を−0.18、更には−0.17、更には−0.175、更には−0.16、更には−0.13とすることがより好ましい。
また、上限値を−0.02、更には−0.03、更には−0.04とすることがより好ましい。
【0074】
条件式(4)については、下限値を−0.5、更には−0.4、更には−0.3とすることがより好ましい。
また、上限値を−0.12、更には−0.14、更には−0.16とすることがより好ましい。
【0075】
条件式(5)については、下限値を0.2、更には0.3とすることがより好ましい。
また、上限値を0.8、更には0.75、更には0.7、更には0.6、更には0.5とすることがより好ましい。
【0076】
条件式(6)については、下限値を1.5、更には1.6、更には1.7、更には2、更には2.5とすることがより好ましい。
また、上限値を5、更には4、更には3とすることがより好ましい。
【0077】
条件式(7)については、下限値を−0.3、更には−0.25、更には−0.2とすることがより好ましい。
また、上限値を−0.1、更には−0.13、更には−0.16とすることがより好ましい。
【0078】
条件式(8)については、下限値を−2.5、更には−2、更には−1.5、更には−1.2とすることがより好ましい。
また、上限値を−0.7、更には−0.8、更には−0.9とすることがより好ましい。
【0079】
条件式(9)については、下限値を3.6、更には3.82とすることがより好ましい。
また、上限値を10.0、更には8.0、更には5.0とすることがより好ましい。
【0080】
条件式(10)については、下限値を1.4、更には1.8、更には2.0とすることがより好ましい。
また、上限値を2.2、更には2.1、更には2.07、更には2.06とすることがより好ましい。
【0081】
条件式(11)については、下限値を0.9、更には1.0、更には1.05とすることがより好ましい。
また、上限値を1.3、更には1.25、更には1.23、更には1.2とすることがより好ましい。
【0082】
条件式(12)については、下限値を0.8、更には0.85とすることがより好ましい。
また、上限値を0.92、更には0.89とすることがより好ましい。
【0083】
条件式(13)については、下限値を1.9、更には2.0とすることがより好ましい。
また、上限値を3.5、更には2.5とすることがより好ましい。
【0084】
条件式(14)については、下限値を1.35、更には1.45とすることがより好ましい。
また、上限値を2.5、更には1.8とすることがより好ましい。
【0085】
条件式(15)については、下限値を1.07、更には1.10とすることがより好ましい。
また、上限値を1.5、更には1.2とすることがより好ましい。
【発明の効果】
【0086】
本発明によれば、画角の確保や撮像装置の薄型化に有利な負先行型の光路反射型のズームレンズを用い、明るさや変倍比を確保しても光学性能の維持や小型化に有利な撮像装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明のズームレンズの実施例1の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)でのレンズ断面図である。
【図2】本発明のズームレンズの実施例2の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)でのレンズ断面図である。
【図3】本発明のズームレンズの実施例3の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)でのレンズ断面図である。
【図4】本発明のズームレンズの実施例4の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)でのレンズ断面図である。
【図5】本発明のズームレンズの実施例5の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)でのレンズ断面図である。
【図6】本発明のズームレンズの実施例6の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)でのレンズ断面図である。
【図7】本発明のズームレンズの実施例7の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)でのレンズ断面図である。
【図8】実施例1の無限遠物点合焦時の収差図である。
【図9】実施例2の無限遠物点合焦時の収差図である。
【図10】実施例3の無限遠物点合焦時の収差図である。
【図11】実施例4の無限遠物点合焦時の収差図である。
【図12】実施例5の無限遠物点合焦時の収差図である。
【図13】実施例6の無限遠物点合焦時の収差図である。
【図14】実施例7の無限遠物点合焦時の収差図である。
【図15】歪曲収差の補正を説明する図である。
【図16】本発明による光路折り曲げズームレンズを組み込んだデジタルカメラの外観を示す前方斜視図である。
【図17】上記デジタルカメラの後方斜視図である。
【図18】上記デジタルカメラの内部構成の概念図である。
【図19】デジタルカメラの主要部の内部回路の構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0088】
以下に、本発明にかかる光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0089】
以下、本発明のズームレンズの実施例1〜7について説明する。実施例1〜7の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間焦点距離状態(b)、望遠端(c)のレンズ断面図をそれぞれ図1〜図7に示す。図1〜図7中、第1レンズ群はG1、第2レンズ群はG2、第3レンズ群はG3、第4レンズ群はG4、明るさ(開口)絞りはS、赤外光を制限する波長域制限コートを施したローパスフィルタを構成する平行平板はF、電子撮像素子のカバーガラスの平行平板はC、像面はIで示してある。なお、カバーガラスCの表面に波長域制限用の多層膜を施してもよい。また、そのカバーガラスCにローパスフィルタ作用を持たせるようにしてもよい。平行平板Fは、ローバスフィルターの機能を持たないようにしてもよい。
【0090】
また、各実施例において、明るさ絞りSは第2レンズ群G2と一体で移動する。数値データはいずれも無限遠の被写体に合焦した状態でのデータである。各数値の長さの単位はmm、角度の単位は°(度)である。さらに、ズームデータは広角端(WE)、変倍途中にて第3レンズ群が第2レンズ群に最も近づく中間ズーム状態(ST)、望遠端(TE)での値である。
【0091】
実施例1のズームレンズは、図1に示すように、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群G1と、正の屈折力の第2レンズ群G2と、負の屈折力の第3レンズ群G3と、正の屈折力の第4レンズ群G4とを有し、明るさ(開口)絞りSを第2レンズ群の直前に配置している。
【0092】
広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1は固定されている。第2レンズ群G2は物体側へ移動する。第3レンズ群G3は物体側へ移動する。第4レンズ群G4は像側へ移動する。明るさ絞りSは、第2レンズ群G2とともに移動する。遠距離物点から近距離物点への合焦動作は、第3レンズ群G3を像側へ移動し、又は、第4レンズ群G4を物体側へ移動させて行う。
【0093】
物体側から順に、第1レンズ群G1は、両凹負レンズと、プリズムと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる。第2レンズ群G2は、両凸正レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズの接合レンズと、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズと、からなる。第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる。第4レンズ群G4は、両凸正レンズからなる。
【0094】
非球面は、第1レンズ群G1の両凹負レンズの両面と、第2レンズ群G2の両凸正レンズの両面と、第3レンズ群G3の負メニスカスレンズの像側の面と、第4レンズ群G4の両凸正レンズの両面の7面に設けられている。
【0095】
実施例2のズームレンズは、図2に示すように、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群G1と、正の屈折力の第2レンズ群G2と、負の屈折力の第3レンズ群G3と、正の屈折力の第4レンズ群G4とを有し、明るさ(開口)絞りSを第2レンズ群の直前に配置している。
【0096】
広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1は固定されている。第2レンズ群G2は物体側へ移動する。第3レンズ群G3は物体側へ移動する。第4レンズ群G4は像側へ移動する。明るさ絞りSは、第2レンズ群G2とともに移動する。遠距離物点から近距離物点への合焦動作は、第3レンズ群G3を像側へ移動し、又は、第4レンズ群G4を物体側へ移動させて行う。
【0097】
物体側から順に、第1レンズ群G1は、両凹負レンズと、プリズムと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる。第2レンズ群G2は、両凸正レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズの接合レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸正レンズの接合レンズと、からなる。第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる。第4レンズ群G4は、両凸正レンズからなる。
【0098】
非球面は、第1レンズ群G1の両凹負レンズの両面と、第2レンズ群G2の物体側の両凸正レンズの両面と、第3レンズ群G3の負メニスカスレンズの像側の面と、第4レンズ群G4の両凸正レンズの像側の面の6面に設けられている。
【0099】
実施例3のズームレンズは、図3に示すように、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群G1と、正の屈折力の第2レンズ群G2と、負の屈折力の第3レンズ群G3と、正の屈折力の第4レンズ群G4とを有し、明るさ(開口)絞りSを第2レンズ群の直前に配置している。
【0100】
広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1は固定されている。第2レンズ群G2は物体側へ移動する。第3レンズ群G3は物体側へ移動する。第4レンズ群G4は像側へ移動する。明るさ絞りSは、第2レンズ群G2とともに移動する。遠距離物点から近距離物点への合焦動作は、第3レンズ群G3を像側へ移動し、又は、第4レンズ群G4を物体側へ移動させて行う。
【0101】
物体側から順に、第1レンズ群G1は、両凹負レンズと、プリズムと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる。第2レンズ群G2は、両凸正レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズの接合レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸正レンズの接合レンズと、からなる。第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる。第4レンズ群G4は、両凸正レンズからなる。
【0102】
非球面は、第1レンズ群G1の両凹負レンズの両面と、第2レンズ群G2の物体側の両凸正レンズの両面と像側の両凸正レンズの像側の面と、第3レンズ群G3の負メニスカスレンズの像側の面と、第4レンズ群G4の両凸正レンズの像側の面の7面に設けられている。
【0103】
実施例4のズームレンズは、図4に示すように、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群G1と、正の屈折力の第2レンズ群G2と、負の屈折力の第3レンズ群G3と、正の屈折力の第4レンズ群G4とを有し、明るさ(開口)絞りSを第2レンズ群の直前に配置している。
【0104】
広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1は固定されている。第2レンズ群G2は物体側へ移動する。第3レンズ群G3は物体側へ移動する。第4レンズ群G4は像側へ移動する。明るさ絞りSは、第2レンズ群G2とともに移動する。遠距離物点から近距離物点への合焦動作は、第3レンズ群G3を像側へ移動し、又は、第4レンズ群G4を物体側へ移動させて行う。
【0105】
物体側から順に、第1レンズ群G1は、両凹負レンズと、プリズムと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる。第2レンズ群G2は、両凸正レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズの接合レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸正レンズの接合レンズと、からなる。第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる。第4レンズ群G4は、両凸正レンズからなる。
【0106】
非球面は、第1レンズ群G1の両凹負レンズの両面と、第2レンズ群G2の物体側の両凸正レンズの両面と、第3レンズ群G3の負メニスカスレンズの像側の面と、第4レンズ群G4の両凸正レンズの像側の面の6面に設けられている。
【0107】
実施例5のズームレンズは、図5に示すように、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群G1と、正の屈折力の第2レンズ群G2と、負の屈折力の第3レンズ群G3と、正の屈折力の第4レンズ群G4とを有し、明るさ(開口)絞りSを第2レンズ群の直前に配置している。
【0108】
広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1は固定されている。第2レンズ群G2は物体側へ移動する。第3レンズ群G3は物体側へ移動する。第4レンズ群G4は像側へ移動する。明るさ絞りSは、第2レンズ群G2とともに移動する。遠距離物点から近距離物点への合焦動作は、第3レンズ群G3を像側へ移動し、又は、第4レンズ群G4を物体側へ移動させて行う。
【0109】
物体側から順に、第1レンズ群G1は、両凹負レンズと、プリズムと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる。第2レンズ群G2は、両凸正レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズの接合レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸正レンズの接合レンズと、からなる。第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる。第4レンズ群G4は、両凸正レンズからなる。
【0110】
非球面は、第1レンズ群G1の両凹負レンズの両面と、第2レンズ群G2の物体側の両凸正レンズの両面と、第3レンズ群G3の負メニスカスレンズの像側の面と、第4レンズ群G4の両凸正レンズの像側の面の6面に設けられている。
【0111】
実施例6のズームレンズは、図6に示すように、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群G1と、正の屈折力の第2レンズ群G2と、負の屈折力の第3レンズ群G3と、正の屈折力の第4レンズ群G4とを有し、明るさ(開口)絞りSを第2レンズ群の直前に配置している。
【0112】
広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1は固定されている。第2レンズ群G2は物体側へ移動する。第3レンズ群G3は物体側へ移動する。第4レンズ群G4は像側へ移動する。明るさ絞りSは、第2レンズ群G2とともに移動する。遠距離物点から近距離物点への合焦動作は、第3レンズ群G3を像側へ移動し、又は、第4レンズ群G4を物体側へ移動させて行う。
【0113】
物体側から順に、第1レンズ群G1は、両凹負レンズと、プリズムと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる。第2レンズ群G2は、両凸正レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズの接合レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸正レンズの接合レンズと、からなる。第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる。第4レンズ群G4は、両凸正レンズからなる。
【0114】
非球面は、第1レンズ群G1の両凹負レンズの両面と、第2レンズ群G2の物体側の両凸正レンズの両面と、第3レンズ群G3の負メニスカスレンズの両面と、第4レンズ群G4の両凸正レンズの両面の8面に設けられている。
【0115】
実施例7のズームレンズは、図7に示すように、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群G1と、正の屈折力の第2レンズ群G2と、負の屈折力の第3レンズ群G3と、正の屈折力の第4レンズ群G4とを有し、明るさ(開口)絞りSを第2レンズ群の直前に配置している。
【0116】
広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1は固定されている。第2レンズ群G2は物体側へ移動する。第3レンズ群G3は物体側へ移動する。第4レンズ群G4は像側へ移動する。明るさ絞りSは、第2レンズ群G2とともに移動する。遠距離物点から近距離物点への合焦動作は、第3レンズ群G3を像側へ移動し、又は、第4レンズ群G4を物体側へ移動させて行う。
【0117】
物体側から順に、第1レンズ群G1は、両凹負レンズと、プリズムと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる。第2レンズ群G2は、両凸正レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズの接合レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸正レンズの接合レンズと、からなる。第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる。第4レンズ群G4は、両凸正レンズからなる。
【0118】
非球面は、第1レンズ群G1の両凹負レンズの両面と、第2レンズ群G2の物体側の両凸正レンズの両面と、第3レンズ群G3の負メニスカスレンズの両面と、第4レンズ群G4の両凸正レンズの両面の8面に設けられている。
【0119】
以下に、上記各実施例の数値データを示す。記号は上記の外、BFはバックフォーカス、f1、f2…は各レンズ群の焦点距離、FNOはFナンバー、ωは半画角、WEは広角端、STは変倍途中にて第3レンズ群が第2レンズ群に最も近づく中間ズーム状態、TEは望遠端、rは各レンズ面の曲率半径、dは各レンズ面間の間隔、ndは各レンズのd線の屈折率、νdは各レンズのアッベ数である。後述するレンズ全長は、レンズ最前面からレンズ最終面までの距離にバックフォーカスを加えたものである。BF(バックフォーカス)は、レンズ最終面から近軸像面までの距離を空気換算して表したものである。
【0120】
また、各非球面形状は、各実施例における各非球面係数を用いて、以下の式(I)で表される。
但し、光軸方向の座標をZ、光軸と垂直な方向の座標をYとする。
Z=(Y2/r)/[1+{1−(1+K)・(Y/r)21/2]+A4×Y4
6×Y6+A8×Y8+A10×Y10+A12×Y12 (I)
ここで、
rは近軸曲率半径、
Kは円錐係数、
4、A6、A8、A10、A12はそれぞれ4次、6次、8次、10次、12次の非球面係数である。
また、非球面係数において、「e−n」(nは整数)は、「10-n」を示している。
【0121】
数値実施例1
単位:mm

面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1* -54.294 0.70 1.74320 49.34
2* 6.845 2.61
3 ∞ 9.80 1.83481 42.71
4 ∞ 0.20
5 22.599 1.43 1.92286 18.90
6 45.973 可変
7(絞り) ∞ 0.50
8* 8.871 2.98 1.58313 59.38
9* -23.063 0.20
10 8.797 2.16 1.51633 64.14
11 17.916 0.50 1.84666 23.78
12 6.177 1.19
13 -787.254 1.37 1.49700 81.54
14 -11.469 可変
15 24.000 0.70 1.51633 64.14
16* 7.134 可変
17* 28.124 2.82 1.58313 59.38
18* -9.074 可変
19 ∞ 0.30 1.51633 64.14
20 ∞ 0.40
21 ∞ 0.50 1.51633 64.14
22 ∞ 0.37
像面(撮像面)


非球面データ
第1面
k=0.000
A4=-1.02651e-04,A6=2.83302e-06,A8=-4.57126e-08,A10=2.94908e-10
第2面
k=-0.394
A4=-3.64706e-04,A6=5.39670e-07,A8=-4.12932e-08
第8面
k=-0.279
A4=-8.84624e-05,A6=3.94663e-07
第9面
k=0.000
A4=2.79476e-04,A6=-1.38828e-06,A8=1.48287e-08
第16面
k=0.000
A4=-1.22727e-04,A6=8.94531e-06,A8=-5.91601e-07
第17面
k=0.000
A4=-3.46583e-04,A6=-2.54819e-06,A8=4.74526e-07
第18面
k=0.000
A4=1.00000e-03,A6=-3.17235e-05,A8=9.68103e-07

ズームデータ
WE ST TE
焦点距離 4.51 8.74 17.29
FNO. 2.05 3.26 4.81
画角2ω 83.85 49.99 25.92
像高 3.60 4.16 4.16
BF 3.03 2.03 1.82
レンズ全長 53.95 53.95 53.95

d6 18.10 10.33 1.10
d14 3.20 1.19 2.84
d16 2.46 13.22 21.03
d18 1.71 0.73 0.50

群焦点距離
f1=-12.23 f2=11.63 f3=-19.94 f4=12.10
【0122】
数値実施例2
単位:mm

面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1* -35.285 0.70 1.74320 49.34
2* 7.275 2.39
3 ∞ 9.80 1.83481 42.71
4 ∞ 0.20
5 23.911 1.44 1.92286 18.90
6 50.026 可変
7(絞り) ∞ 0.50
8* 9.335 2.30 1.58313 59.38
9* -21.315 0.20
10 8.440 2.12 1.51633 64.14
11 14.959 0.50 1.84666 23.78
12 6.220 1.26
13 435.767 0.51 1.61772 49.81
14 10.646 2.10 1.51633 64.14
15 -13.062 可変
16 22.013 0.70 1.51633 64.14
17* 7.384 可変
18 23.740 2.70 1.58313 59.38
19* -10.127 可変
20 ∞ 0.30 1.51633 64.14
21 ∞ 0.40
22 ∞ 0.50 1.51633 64.14
23 ∞ 0.53
像面(撮像面)


非球面データ
第1面
k=0.000
A4=-3.17786e-05,A6=-3.30929e-07,A8=1.23452e-08,A10=-1.72009e-10
第2面
k=-0.465
A4=-2.96348e-04,A6=-4.41306e-07,A8=-2.63099e-08
第8面
k=-0.725
A4=-2.99334e-05,A6=-1.72903e-07
第9面
k=0.000
A4=2.15653e-04,A6=-1.96806e-06,A8=1.36225e-08
第17面
k=0.000
A4=-6.32012e-05,A6=3.53360e-07,A8=2.05889e-09
第19面
k=0.000
A4=1.48095e-03,A6=-3.95167e-05,A8=5.24751e-07

ズームデータ
WE ST TE
焦点距離 4.64 9.01 17.82
FNO. 2.04 3.19 4.72
画角2ω 83.54 48.50 25.10
像高 3.60 4.16 4.16
BF 3.29 2.48 1.98
レンズ全長 54.60 54.60 54.60

d6 18.06 9.84 1.09
d15 3.28 1.52 4.36
d17 2.56 13.31 19.78
d19 1.80 1.04 0.49


群焦点距離
f1=-11.82 f2=12.17 f3=-21.87 f4=12.54
【0123】
数値実施例3
単位:mm

面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1* -33.843 0.70 1.74320 49.34
2* 7.644 2.33
3 ∞ 9.90 1.83481 42.71
4 ∞ 0.20
5 24.510 1.40 1.92286 18.90
6 51.949 可変
7(絞り) ∞ 1.10
8* 8.754 2.45 1.58313 59.38
9* -28.998 0.20
10 9.476 1.52 1.51633 64.14
11 11.791 0.50 1.84666 23.78
12 6.561 1.24
13 55.251 0.50 1.69895 30.13
14 13.166 1.72 1.58313 59.38
15* -15.732 可変
16 27.444 0.50 1.51633 64.14
17* 6.814 可変
18 25.778 2.49 1.58313 59.38
19* -9.413 可変
20 ∞ 0.30 1.51633 64.14
21 ∞ 0.40
22 ∞ 0.50 1.51633 64.14
23 ∞ 0.39
像面(撮像面)

非球面データ
第1面
k=0.000
A4=-2.91111e-05,A6=9.83567e-08,A8=-8.64103e-10,A10=-3.48452e-12
第2面
k=-0.580
A4=-2.16660e-04,A6=-1.39940e-07,A8=-4.79094e-09
第8面
k=-0.463
A4=-5.44461e-05,A6=2.29575e-07,A8=4.47084e-10
第9面
k=0.000
A4=2.24075e-04,A6=-1.40874e-06,A8=8.48251e-09
第15面
k=0.000
A4=4.61499e-06,A6=-5.50121e-08,A8=5.82837e-09
第17面
k=0.000
A4=-1.13376e-04,A6=4.51512e-07,A8=3.26203e-08
第19面
k=0.000
A4=1.65047e-03,A6=-4.18933e-05,A8=5.27429e-07

ズームデータ
WE ST TE
焦点距離 4.69 9.11 18.02
FNO. 2.04 3.22 4.77
画角2ω 83.12 47.93 24.90
像高 3.60 4.16 4.16
BF 3.16 2.39 1.83
レンズ全長 55.00 55.00 55.00

d6 18.14 9.98 1.10
d15 4.15 2.59 4.42
d17 2.83 13.28 20.91
d19 1.81 1.07 0.50


群焦点距離
f1=-12.25 f2=11.77 f3=-17.70 f4=12.14
【0124】
数値実施例4
単位:mm

面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1* -34.510 0.70 1.74320 49.34
2* 7.237 2.39
3 ∞ 9.80 1.83481 42.71
4 ∞ 0.20
5 24.395 1.42 1.92286 18.90
6 53.426 可変
7(絞り) ∞ 0.50
8* 9.381 2.31 1.58313 59.38
9* -21.518 0.20
10 8.407 2.12 1.51633 64.14
11 14.279 0.50 1.84666 23.78
12 6.264 1.25
13 467.915 0.50 1.58313 59.38
14 7.691 2.00 1.49700 81.54
15 -12.607 可変
16 21.992 0.70 1.51633 64.14
17* 7.383 可変
18 21.746 3.02 1.58313 59.38
19* -10.431 可変
20 ∞ 0.30 1.51633 64.14
21 ∞ 0.40
22 ∞ 0.50 1.51633 64.14
23 ∞ 0.37
像面(撮像面)

非球面データ
第1面
k=0.000
A4=-3.04381e-05,A6=1.69477e-07,A8=-3.87833e-09,A10=-1.36632e-11
第2面
k=-0.492
A4=-2.91981e-04,A6=7.67946e-08,A8=-3.49219e-08
第8面
k=-0.344
A4=-9.23458e-05,A6=1.87782e-07
第9面
k=0.000
A4=2.09424e-04,A6=-1.23347e-06,A8=1.33931e-08
第17面
k=0.000
A4=-7.90656e-05,A6=2.39362e-06,A8=-2.08011e-07
第19面
k=0.000
A4=1.40524e-03,A6=-3.31802e-05,A8=3.67016e-07

ズームデータ
WE ST TE
焦点距離 4.66 9.03 17.84
FNO. 2.04 3.20 4.74
画角2ω 83.26 48.52 25.15
像高 3.60 4.16 4.16
BF 3.15 2.35 1.82
レンズ全長 54.65 54.65 54.65

d6 18.05 9.83 1.10
d15 3.25 1.49 4.31
d17 2.60 13.34 19.81
d19 1.82 1.05 0.50


群焦点距離
f1=-11.82 f2=12.16 f3=-21.88 f4=12.52
【0125】
数値実施例5
単位:mm

面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1* -38.010 0.70 1.74320 49.34
2* 7.423 2.39
3 ∞ 9.80 1.83481 42.71
4 ∞ 0.20
5 22.864 1.41 1.92286 18.90
6 44.118 可変
7(絞り) ∞ 1.10
8* 9.115 2.45 1.58313 59.38
9* -25.067 0.20
10 9.466 1.63 1.51633 64.14
11 11.964 0.50 1.84666 23.78
12 6.710 1.22
13 237.080 0.50 1.69895 30.13
14 14.487 1.68 1.58313 59.38
15 -13.429 可変
16 25.892 0.70 1.51633 64.14
17* 6.706 可変
18 28.059 2.25 1.58313 59.38
19* -9.015 可変
20 ∞ 0.30 1.51633 64.14
21 ∞ 0.40
22 ∞ 0.50 1.51633 64.14
23 ∞ 0.37
像面(撮像面)

非球面データ
第1面
k=0.000
A4=-4.85058e-05,A6=4.76992e-07,A8=-1.07358e-08,A10=4.32102e-11
第2面
k=-0.452
A4=-2.71303e-04,A6=2.00782e-08,A8=-3.64745e-08
第8面
k=-0.324
A4=-9.02599e-05,A6=7.82224e-07
第9面
k=0.000
A4=2.39349e-04,A6=-7.52152e-07,A8=1.06553e-08
第17面
k=0.000
A4=-1.10231e-04,A6=1.86508e-06,A8=-1.89133e-07
第19面
k=0.000
A4=1.70441e-03,A6=-4.15019e-05,A8=5.05361e-07

ズームデータ
WE ST TE
焦点距離 4.64 9.00 17.80
FNO. 2.05 3.22 4.86
画角2ω 83.55 48.44 25.20
像高 3.60 4.16 4.16
BF 3.12 2.35 1.80
レンズ全長 54.63 54.63 54.63

d6 17.89 9.91 1.10
d15 3.99 2.40 4.21
d17 2.93 13.24 20.79
d19 1.79 1.05 0.50


群焦点距離
f1=-12.06 f2=11.69 f3=-17.75 f4=11.97
【0126】
数値実施例6
単位:mm

面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1* -32.721 0.70 1.74320 49.34
2* 7.357 2.60
3 ∞ 9.60 1.83400 37.18
4 ∞ 0.20
5 22.486 1.40 1.94595 17.94
6 42.781 可変
7(絞り) ∞ 0.40
8* 7.883 2.36 1.58313 59.38
9* -62.774 0.20
10 8.552 1.36 1.51633 64.14
11 10.233 0.60 1.84666 23.78
12 5.693 0.99
13 18.839 0.60 1.64769 33.79
14 7.921 1.84 1.58313 59.38
15 -19.618 可変
16* 64.854 0.60 1.58313 59.38
17* 8.067 可変
18* 27.277 2.52 1.53071 55.69
19* -7.888 可変
20 ∞ 0.30 1.51633 64.14
21 ∞ 0.40
22 ∞ 0.50 1.51633 64.14
23 ∞ 0.53
像面(撮像面)

非球面データ
第1面
K=0.000
A4=4.93489e-05,A6=-1.29158e-07,A8=-1.16334e-08,A10=1.41556e-10
第2面
K=-0.473
A4=-1.82450e-04,A6=1.42535e-06,A8=-8.24347e-08,A10=8.35344e-10
第8面
K=-0.198
A4=-1.03246e-04,A6=3.49289e-07,A8=6.10872e-09
第9面
K=0.000
A4=1.80453e-04,A6=1.17049e-07,A8=7.59420e-09
第16面
K=0.000
A4=7.72531e-04,A6=-3.87260e-05,A8=8.88557e-07
第17面
K=0.000
A4=8.16286e-04,A6=-4.32734e-05,A8=1.88065e-06,A10=-9.19886e-08
第18面
K=0.000
A4=-5.96735e-04,A6=1.42792e-05,A8=-8.01527e-07
第19面
K=0.000
A4=8.74596e-04,A6=-9.08054e-06,A8=-5.08363e-07,A10=4.13678e-09


ズームデータ
WE ST TE
焦点距離 4.59 8.91 17.63
FNO. 2.06 3.26 4.93
画角2ω 84.65 49.36 25.34
像高 3.62 4.16 4.16
BF 3.16 2.35 2.19
レンズ全長 54.55 54.55 54.55

d6 18.66 10.75 1.60
d15 3.75 2.55 4.40
d17 3.00 12.91 20.39
d19 1.68 0.89 0.71

群焦点距離
f1=-11.74 f2=11.35 f3=-15.86 f4=11.82
【0127】
数値実施例7
単位:mm

面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1* -28.431 0.70 1.74156 49.21
2* 7.498 2.52
3 ∞ 9.60 1.83400 37.18
4 ∞ 0.20
5 23.587 1.40 1.94595 17.94
6 48.810 可変
7(絞り) ∞ 0.44
8* 7.803 2.70 1.58253 59.32
9* -99.626 0.20
10 8.542 1.38 1.51633 64.14
11 10.200 0.50 1.84666 23.78
12 5.590 0.88
13 12.617 0.50 1.64769 33.79
14 6.926 1.90 1.58313 59.38
15 -33.630 可変
16* 34.163 0.60 1.58253 59.32
17* 7.376 可変
18* 27.500 2.32 1.53071 55.69
19* -7.809 可変
20 ∞ 0.30 1.51633 64.14
21 ∞ 0.40
22 ∞ 0.50 1.51633 64.14
23 ∞ 0.53
像面(撮像面)

非球面データ
第1面
K=0.000
A4=8.02335e-05,A6=-1.22144e-06,A8=1.56276e-08,A10=-1.18185e-10
第2面
K=-0.381
A4=-1.74640e-04,A6=-1.56968e-06,A8=1.98476e-08,A10=-6.03739e-10
第8面
K=-0.310
A4=-6.99639e-05,A6=1.62806e-07,A8=1.23244e-08
第9面
K=0.000
A4=1.31566e-04,A6=-1.80279e-08,A8=1.30000e-08
第16面
K=0.000
A4=2.46234e-04,A6=-6.33452e-06,A8=3.86311e-07
第17面
K=0.000
A4=2.31935e-04,A6=-4.77549e-06,A8=-2.39171e-07,A10=2.15321e-09
第18面
K=0.000
A4=-6.23737e-04,A6=2.24258e-05,A8=-1.07557e-06
第19面
K=0.000
A4=6.10677e-04,A6=2.86846e-05,A8=-2.10458e-06,A10=2.60906e-08


ズームデータ
WE ST TE
焦点距離 4.58 8.90 17.67
FNO. 2.06 3.26 4.92
画角2ω 84.93 49.33 25.31
像高 3.61 4.16 4.16
BF 3.27 2.49 2.22
レンズ全長 54.61 54.61 54.61

d6 18.72 10.71 1.66
d15 3.82 2.61 4.60
d17 2.99 12.94 20.29
d19 1.79 1.06 0.77

群焦点距離
f1=-11.77 f2=11.50 f3=-16.28 f4=11.73

【0128】
以上の実施例1〜7の無限遠物点合焦時の収差図をそれぞれ図8〜図14に示す。これらの収差図において、(a)は広角端、(b)は変倍途中にて第3レンズ群が第2レンズ群に最も近づく中間ズーム状態、(c)は望遠端における、球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)、倍率色収差(CC)を示す。各図中、“FIY”は最大像高を示す。実線はd線に、破線はC線に、一点鎖線はg線に対応する。
【0129】
次に、各実施例における条件式(1)〜(15)、(A1)〜(A3)、(B1)〜(B3)の値を掲げる。

条件式 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5
(1) 1.30 1.28 1.46 1.25 1.36
(2) -1.65 -1.74 -1.46 -1.75 -1.48
(3) -0.06 -0.07 -0.15 -0.07 -0.14
(4) -0.16 -0.20 -0.25 -0.20 -0.24
(5) 0.37 0.46 0.63 0.46 0.60
(6) 2.38 2.87 1.70 2.89 1.76
(7) -0.17 -0.17 -0.17 -0.17 -0.17
(8) -1.03 -1.05 -1.02 -1.05 -1.03
(9) 3.83 3.84 3.84 3.83 3.83
(10) 2.05 2.04 2.04 2.04 2.05
(11) 1.08 1.12 1.13 1.12 1.12
(12) 0.87 0.87 0.87 0.87 0.87
(13) 2.13 2.26 2.09 2.25 2.09
(14) 1.58 1.48 1.59 1.48 1.59
(15) 1.14 1.15 1.16 1.15 1.15
(A1) 0.49 0.36 0.48 0.35 0.45
(A2) 0.54 0.46 0.45 0.44 0.42
(A3) 1.10 1.26 0.94 1.27 0.92
(B1) -2.93 -2.83 -2.79 -2.68 -3.15
(B2) 30.44 30.44 30.44 30.44 30.44
(B3) 0.78 0.66 0.63 0.65 0.67

条件式 実施例6 実施例7
(1) 1.25 1.28
(2) -1.34 -1.39
(3) -0.16 -0.16
(4) -0.28 -0.28
(5) 0.68 0.68
(6) 1.73 1.76
(7) -0.17 -0.17
(8) -1.06 -1.05
(9) 3.84 3.85
(10) 2.06 2.06
(11) 1.19 1.19
(12) 0.88 0.88
(13) 2.12 2.13
(14) 1.62 1.60
(15) 1.12 1.13
(A1),(A2),(A3) 省略 省略
(B1) -3.22 -2.87
(B2) 31.40 31.27
(B3) 0.63 0.58
【0130】
(歪曲収差の補正)
ところで、本発明のズームレンズを用いたときに、像の歪曲は電気的にデジタル補正する。以下に、像の歪曲をデジタル補正するための基本的概念について説明する。
【0131】
例えば、図15に示すように、光軸と撮像面との交点を中心として有効撮像面の長辺に内接する半径Rの円周上(像高)での倍率を固定し、この円周を補正の基準とする。そして、それ以外の任意の半径r(ω)の円周上(像高)の各点を略放射方向に移動させて、半径r’(ω)となるように同心円状に移動させることで補正する。
【0132】
例えば、図15において、半径Rの円の内側に位置する任意の半径r1(ω)の円周上の点P1は、円の中心に向けて補正すべき半径r1’(ω)円周上の点P2に移動させる。また、半径Rの円の外側に位置する任意の半径r2(ω)の円周上の点Q1は、円の中心から離れる方向に向けて補正すべき半径r2’(ω)円周上の点Q2に移動させる。
【0133】
ここで、r’(ω)は次のように表わすことができる。
r’(ω)=α・f・tanω
ここで、
ωは被写体半画角、
fは結像光学系(本発明では、ズームレンズ)の焦点距離、
αは0以上1以下
である。
【0134】
ここで、前記半径Rの円上(像高)に対応する理想像高をYとすると、
α=R/Y=R/(f・tanω)
となる。
【0135】
光学系は、理想的には、光軸に対して回転対称であり、すなわち歪曲収差も光軸に対して回転対称に発生する。したがって、上述のように、光学的に発生した歪曲収差を電気的に補正する場合には、再現画像上で光軸と撮像面との交点を中心とした有効撮像面の長辺に内接する半径Rの円の円周上(像高)の倍率を固定して、それ以外の半径r(ω)の円周上(像高)の各点を略放射方向に移動させて、半径r’(ω)となるように同心円状に移動させることで補正することができれば、データ量や演算量の点で有利と考えられる。
【0136】
ところが、光学像は、電子撮像素子で撮像された時点で(サンプリングのため)連続量ではなくなる。したがって、厳密には光学像上に描かれる上記半径Rの円も、電子撮像素子上の画素が放射状に配列されていない限り正確な円ではなくなる。
【0137】
つまり、離散的座標点毎に表わされる画像データの形状補正においては、上記倍率を固定できる円は存在しない。そこで、各画素(Xi,Yj)毎に、移動先の座標(Xi’,Yj’)を決める方法を用いるのがよい。なお、座標(Xi’,Yj’)に(Xi,Yj)の2点以上が移動してきた場合には、各画素が有する値の平均値をとる。また、移動してくる点がない場合には、周囲のいくつかの画素の座標(Xi’,Yj’)の値を用いて補間すればよい。
【0138】
このような方法は、特にズームレンズを有する電子撮像装置において光学系や電子撮像素子の製造誤差等のために光軸に対して歪みが著しく、前記光学像上に描かれる上記半径Rの円が非対称になった場合の補正に有効である。また、撮像素子あるいは各種出力装置において信号を画像に再現する際に幾何学的歪み等が発生する場合等の補正に有効である。
【0139】
本発明の電子撮像装置では、補正量r’(ω)−r(ω)を計算するために、r(ω)すなわち半画角と像高との関係、あるいは、実像高rと理想像高r’/αとの関係が、電子撮像装置に内蔵された記録媒体に記録されている構成としてもよい。
【0140】
なお、歪曲補正後の画像が短辺方向の両端において光量が極端に不足することのないようにするには、前記半径Rが、次の条件式を満足するのがよい。
【0141】
0≦R≦0.6Ls
ここで、Lsは有効撮像面の短辺の長さである。
【0142】
好ましくは、前記半径Rは、次の条件式を満足するのがよい。
0.3Ls≦R≦0.6Ls
さらには、半径Rは、略有効撮像面の短辺方向の内接円の半径に一致させるのが最も有利である。なお、半径R=0の近傍、すなわち、軸上近傍において倍率を固定した補正の場合は、画質の面で若干の不利があるが、広画角化しても小型化にするための効果は確保できる。
【0143】
なお、補正が必要な焦点距離区間については、いくつかの焦点ゾーンに分割する。そして、該分割された焦点ゾーン内の望遠端近傍で略、
r’(ω)=α・f・tanω
を満足する補正結果が得られる場合と同じ補正量で補正してもよい。
【0144】
ここで、その場合、分割された焦点ゾーン内の広角端において樽型歪曲量がある程度残存してしまう。また、分割ゾーン数を増加させてしまうと、補正のために必要な固有データを記録媒体に余計に保有する必要が生じあまり好ましくない。そこで、分割された焦点ゾーン内の各焦点距離に関連した1つ又は数個の係数を予め算出しておく。この係数は、シミュレーションや実機による測定に基づいて決定しておけばよい。
【0145】
そして、前記分割されたゾーン内の望遠端近傍で略、
r’(ω)=α・f・tanω
を満足する補正結果が得られる場合の補正量を算出し、この補正量に対して焦点距離毎に前記係数を一律に掛けて最終的な補正量にしてもよい。
【0146】
ところで、無限遠物体を結像させて得られた像に歪曲がない場合は、
f=y/tanω
が成立する。
ここで、yは像点の光軸からの高さ(像高)、fは結像系(本発明ではズームレンズ)の焦点距離、ωは撮像面上の中心からyの位置に結ぶ像点に対応する物点方向の光軸に対する角度(被写体半画角)である。
【0147】
結像系に樽型の歪曲収差がある場合は、
f>y/tanω
となる。つまり、結像系の焦点距離fと、像高yとを一定とすると、ωの値は大きくなる。
【0148】
(デジタルカメラ)
さて、以上のような本発明のズームレンズで物体像を形成しその像をCCD等の電子撮像素子に受光させて撮影を行う電子撮影装置、とりわけデジタルカメラやビデオカメラ等に用いることができる。以下に、その実施形態を例示する。
【0149】
図16〜図18は、本発明によるズームレンズをデジタルカメラの撮影光学系141に組み込んだ構成の概念図を示す。図16はデジタルカメラ140の外観を示す前方斜視図、図17は同後方斜視図、図18はデジタルカメラ140の内部構成を示す概念図である
。図18は、デジタルカメラ140の縦方向に直交する断面を上側から見た図であり、ファインダー光学系と前後のカバーガラスの図示を省略している。また、図18の紙面方向において、CCD149の有効撮像領域の長辺方向とデジタルカメラ140の厚さ方向は互いに一致している。
デジタルカメラ140は、この例の場合、撮影用光路142を有する撮影光学系141、ファインダー用光路144を有するファインダー光学系143、シャッター145、フラッシュ146、液晶表示モニター147等を含み、カメラ140の上部に配置されたシャッター145を押圧すると、それに連動して撮影光学系141、例えば実施例1の光路折り曲げズームレンズを通して撮影が行われる。撮影光学系141によって形成された物体像が、近赤外カットフィルターと光学的ローパスフィルタFを介してCCD149の撮像面上に形成される。このCCD149で受光された物体像は、処理手段151を介し、電子画像としてカメラ背面に設けられた液晶表示モニター147に表示される。また、この処理手段151には記録手段152が接続され、撮影された電子画像を記録することもできる。なお、この記録手段152は処理手段151と別体に設けてもよいし、フレキシブルディスクやメモリーカード、MO等により電子的に記録書込を行うように構成してもよい。また、CCD149に代わってC−MOSセンサーを用いてもよい。
【0150】
さらに、ファインダー用光路144上には不図示のファインダー用対物光学系が配置してある。このファインダー用対物光学系によって形成された物体像は、像正立部材であるポロプリズム(不図示)の視野枠(不図示)上に形成される。このポリプリズムの後方には、正立正像にされた像を観察者眼球Eに導く接眼光学系(不図示)が配置されている。なお、撮影光学系141及びファインダー用対物光学系の入射側、接眼光学系の射出側にそれぞれカバー部材150が配置されている。
【0151】
このように構成されたデジタルカメラ140は、撮影光学系141が4倍程度の高変倍比で、明るく、高い光学性能を有するズームレンズであるので、高性能で、奥行き方向が極めて薄い安価なデジタルカメラが実現できる。
【0152】
なお、図18の例では、カバー部材150として平行平面板を配置しているが、省いてもよい。
【0153】
(内部回路構成)
図19は、上記デジタルカメラ140の主要部の内部回路の構成ブロック図である。なお、以下の説明では、上記の処理手段は、例えばCDS/ADC部124、一時記憶メモリ117、画像処理部118等からなり、記憶手段は、例えば記憶媒体部119等からなる。
【0154】
図19に示すように、デジタルカメラ140は、操作部112と、この操作部112に接続された制御部113と、この制御部113の制御信号出力ポートにバス114及び115を介して接続された撮像駆動回路116並びに一時記憶メモリ117、画像処理部118、記憶媒体部119、表示部120、及び設定情報記憶メモリ部121を備えている。
【0155】
上記の一時記憶メモリ117、画像処理部118、記憶媒体部119、表示部120、及び設定情報記憶メモリ部121は、バス122を介して相互にデータの入力又は出力が可能なように構成され、また、撮像駆動回路116には、CCD149とCDS/ADC部124が接続されている。
【0156】
操作部112は各種の入力ボタンやスイッチを備え、これらの入力ボタンやスイッチを介して外部(カメラ使用者)から入力されるイベント情報を制御部に通知する回路である。
【0157】
制御部113は、例えばCPU等からなる中央演算処理装置であり、不図示のプログラムメモリを内蔵し、そのプログラムメモリに格納されているプログラムにしたがって、操作部112を介してカメラ使用者から入力される指示命令を受けてデジタルカメラ140全体を制御する回路である。
【0158】
CCD149は、本発明による撮影光学系141を介して形成された物体像を受光する。CCD149は、撮像駆動回路116により駆動制御され、その物体像の各画素ごとの光量を電気信号に変換してCDS/ADC部124に出力する撮像素子である。
【0159】
CDS/ADC部124は、CCD149から入力する電気信号を増幅しかつアナログ/デジタル変換を行って、この増幅とデジタル変換を行っただけの映像生データ(ベイヤーデータ、以下RAWデータという。)を一時記憶メモリ117に出力する回路である。
【0160】
一時記憶メモリ117は、例えばSDRAM等からなるバッファであり、CDS/ADC部124から出力される上記RAWデータを一時的に記憶するメモリ装置である。画像処理部118は、一時記憶メモリ117に記憶されたRAWデータ又は記憶媒体部119に記憶されているRAWデータを読み出して、制御部113から指定された画質パラメータに基づいて歪曲収差補正を含む各種画像処理を電気的に行う回路である。
【0161】
記録媒体部119は、例えばフラッシュメモリ等からなるカード型又はスティック型の記録媒体を着脱自在に装着して、それらカード型又はスティック型のフラッシュメモリに、一時記憶メモリ117から転送されるRAWデータや画像処理部118で画像処理された画像データを記録して保持する装置の制御回路である。
【0162】
表示部120は、液晶表示モニターを備え、その液晶表示モニターに画像や操作メニュー等を表示する回路である。設定情報記憶メモリ部121には、予め各種の画質パラメータが格納されているROM部と、そのROM部から読み出された画質パラメータの中から操作部112の入力操作によって選択された画質パラメータを記憶するRAM部が備えられている。設定情報記憶メモリ部121は、それらのメモリへの入出力を制御する回路である。
【0163】
このように構成されたデジタルカメラ140は、撮影光学系141が、本発明により、十分な広角域を有し、コンパクトな構成としながら、明るく、高変倍で全変倍域で結像性能が極めて安定的であるので、高性能・小型化・広画角化が実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0164】
以上のように、本発明に係る、光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置は、十分な広角端画角の確保、小型化、低コスト化を同時に行うのに有用である。
【符号の説明】
【0165】
G1…第1レンズ群
G2…第2レンズ群
G3…第3レンズ群
G4…第4レンズ群
S…開口絞り
F…ローパスフィルタ
C…カバーガラス
P…プリズム
I…像面
112…操作部
113…制御部
114…バス
115…バス
116…撮像駆動回路
117…一時記憶メモリ
118…画像処理部
119…記憶媒体部
120…表示部
121…設定情報記憶メモリ部
122…バス
124…CDS/ADC部
140…デジタルカメラ
141…撮影光学系
142…撮影用光路
143…ファインダー光学系
144…ファインダー用光路
145…シャッターボタン
146…フラッシュ
147…液晶表示モニター
149…CCD
150…カバー部材
151…処理手段
152…記録手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光路を反射する1面の反射面を持つ反射部材を含むズームレンズと、前記ズームレンズの像側に配置され前記ズームレンズによる像を受光し電気信号に変換する撮像面を備える撮像素子を有し、
前記ズームレンズは、物体側から像側に順に、
前記反射部材を有し且つ負屈折力の第1レンズ群と、正屈折力の第2レンズ群と、負屈折力の第3レンズ群と、正屈折力の第4レンズ群を含み、
広角端から望遠端への変倍の際に、前記第2レンズ群は前記第1レンズ群に近づくように物体側にのみ移動し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔及び前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が変化し、
前記第1レンズ群が、物体側から像側への光軸に沿って順に、負屈折力をもつ負単レンズ、前記反射部材、正の屈折力を持ち物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正単レンズからなり、前記反射部材が平面の入射面と平面の射出面を持つ反射プリズムであることを特徴とする光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
【請求項2】
前記第1レンズ群中の前記正単レンズが以下の条件式(B1)を満足することを特徴とする請求項1に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
−8 <(R1PF+R1PR)/(R1PF−R1PR)< −1 (B1)
ここで、
1PFは、前記第1レンズ群中の前記正単レンズの物体側面の近軸曲率半径、
1PRは、前記第1レンズ群中の前記正単レンズの像側面の近軸曲率半径、
である。
【請求項3】
前記第1レンズ群中の前記負単レンズと前記正単レンズが以下の条件(B2)を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
20< νd1N−νd1P <40 (B2)
ここで、
νd1Nは、前記第1レンズ群中の前記負単レンズのd線基準のアッベ数である。
νd1Pは、前記第1レンズ群中の前記正単レンズのd線基準のアッベ数である。
【請求項4】
前記第1レンズ群中の前記負単レンズが以下の条件式(B3)を満足する両凹形状であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
0.4 <(R1NF+R1NR)/(R1NF−R1NR)< 1 (B3)
ここで、
1NFは、前記第1レンズ群中の前記負単レンズの物体側面の近軸曲率半径、
1NRは、前記第1レンズ群中の前記負単レンズの像側面の近軸曲率半径、
である。
【請求項5】
前記第2レンズ群が、前記第2レンズ群中で最も物体側に位置するレンズ成分である正屈折力の物体側正レンズ成分、前記第2レンズ中で最も像側に位置するレンズ成分である正屈折力の像側正レンズ成分、前記物体側正レンズ成分と前記像側正レンズ成分との間に配置され、正レンズと負レンズを含む接合レンズ成分の少なくとも3つのレンズ成分を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
【請求項6】
以下の条件式(A1)を満足することを特徴とする請求項5に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
0.1<f2F/f2R<0.61 (A1)
ここで、
2Fは、前記第2レンズ群中の前記物体側正レンズ成分の焦点距離、
2Rは、前記第2レンズ群中の前記像側正レンズ成分の焦点距離
である。
【請求項7】
前記第2レンズ群が、物体側から像側に順に、前記物体側正レンズ成分、前記接合レンズ成分、前記像側正レンズ成分の3つのレンズ成分からなることを特徴とする請求項5または6に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
【請求項8】
前記接合レンズ成分が負の屈折力を持つことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
【請求項9】
以下の条件式(A2)、(A3)を満足することを特徴とする請求項8に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
0.1<f2F/|f2C|<1 (A2)
0.2<f2R/|f2C|<5 (A3)
ここで、
2Cは、前記第2レンズ群中の前記接合レンズ成分の焦点距離
である。
【請求項10】
前記像側正レンズ成分が負レンズと正レンズとの接合レンズ成分であることを特徴とする請求項5から9のいずれか1項に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
【請求項11】
前記第2レンズ群が、物体側から像側に順に、正単レンズの前記物体側正レンズ成分、物体側から正レンズと負レンズとからなる前記接合レンズ成分、正単レンズの前記像側正レンズ成分からなることを特徴とする請求項5から9のいずれか1項に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
【請求項12】
前記第2レンズ群が、物体側から像側に順に、正単レンズの前記物体側正レンズ成分、物体側から正レンズと負レンズとからなる前記接合レンズ成分、物体側から負レンズと正レンズとからなる前記像側正レンズ成分からなることを特徴とする請求項5から9のいずれか1項に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
【請求項13】
前記第4レンズ群が広角端での位置に対して望遠端にて像側に位置するように移動することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
【請求項14】
前記第3レンズ群が広角端での状態と望遠端での状態の双方と比較して、広角端から望遠端への変倍途中にて前記第2レンズ群に最も近づくように移動し、以下の条件式(1)を満足することを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
0.3<D23W/D34W<9 (1)
ここで、
D23Wは、広角端における前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の軸上間隔、
D34Wは、広角端における前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間の軸上間隔
である。
【請求項15】
前記第3レンズ群は広角端から望遠端への変倍に際して物体側にのみ移動することを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
【請求項16】
前記第3レンズ群と前記第4レンズ群が以下の条件式(2)を満足することを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
−5<f3/f4<−1 (2)
ここで、
3は、前記第3レンズ群の焦点距離、
4は、前記第4レンズ群の焦点距離
である。
【請求項17】
以下の条件式(3)、(4)を満足することを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。

−0.2<D23MIN/f3<−0.01 (3)
−0.6<D23MAX/f3<−0.1 (4)
ここで、
23MINは、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の軸上間隔の最小値、
23MAXは、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の軸上間隔の最大値、
3は、前記第3レンズ群の焦点距離
である。
【請求項18】
以下の条件式(5)を満足することを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
0.1<D23MIN/D23W<0.9 (5)
ここで、
23MINは、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の軸上間隔の最小値、
23Wは、広角端における前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の軸上間隔、
である。
【請求項19】
以下の条件式(6)を満足することを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
1.1<D23T/D23MIN<6 (6)
ここで、
23Tは、望遠端における前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の軸上間隔、
23MINは、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の軸上間隔の最小値
である。
【請求項20】
前記第4レンズ群が広角端から望遠端への変倍に際して像側にのみ移動することを特徴とする請求項1から19のいずれか1項に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
【請求項21】
前記第1レンズ群は、前記撮像面に対して位置が一定であることを特徴とする請求項1から20のいずれか1項に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
【請求項22】
前記第1レンズ群が、以下の条件式(7)、(8)を満足することを特徴とする請求項1から21のいずれか1項に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
−0.5<f1F/f1R<−0.06 (7)
−3<D1FR/f1<−0.5 (8)
ここで、
1Fは、前記第1レンズ群の前記反射面よりも物体側の構成における合成焦点距離、
1Rは、前記第1レンズ群の前記反射面よりも像側の構成における合成焦点距離、
1FRは、前記反射面よりも物体側のレンズ面のうち最も反射面側のレンズ面から前記反射面よりも像側のレンズ面のうち最も反射面側のレンズ面までの光軸に沿った実距離、
1は、前記第1レンズ群の焦点距離
である。
【請求項23】
前記ズームレンズは、前記第1レンズ群よりも像側であって前記第2レンズ群中の最も像側のレンズよりも物体側に配置され、且つ、広角端から望遠端への変倍に際して物体側に移動する明るさ絞りを有し、
以下の条件式(9)、(10)を満足することを特徴とする請求項1から22のいずれか1項に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
3.3<ft/fw<15.0 (9)
1.2<Fnow<2.4 (10)
ここで、
tは、前記ズームレンズの望遠端での焦点距離、
wは、前記ズームレンズの広角端での焦点距離、
nowは、前記ズームレンズの広角端での最小Fナンバー
である。
【請求項24】
前記第2レンズ群が、物体側から順に、第1正レンズ、第2正レンズ、第1負レンズ、第2負レンズ、第3正レンズの5枚のレンズからなることを特徴とする請求項1から23のいずれか1項に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
【請求項25】
以下の条件式(11)、(12)を満足することを特徴とする請求項1から24のいずれか1項に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
0.8<fw/IHt<1.4 (11)
0.75<IHw/IHt<0.95 (12)
ここで、
wは、前記ズームレンズの広角端での焦点距離、
IHtは、望遠端における最大像高であり、望遠端における撮像素子の有効撮像領域の対角長の半分、
IHwは、広角端における最大像高であり、広角端における撮像素子の有効撮像領域の対角長の半分、
である。
【請求項26】
前記第2レンズ群、前記第3レンズ群、前記第4レンズ群が以下の条件式(13)、(14)、(15)を満足することを特徴とする請求項1から25のいずれか1項に記載の光路反射型ズームレンズを備えた撮像装置。
1.7<β2T/β2W<6.0 (13)
1.20<β3T/β3W<4.0 (14)
1.04<β4T/β4W<2.0 (15)
ここで、
β2Tは、前記第2レンズ群の望遠端における横倍率、
β2Wは、前記第2レンズ群の広角端における横倍率、
β3Tは、前記第3レンズ群の望遠端における横倍率、
β3Wは、前記第3レンズ群の広角端における横倍率、
β4Tは、前記第4レンズ群の望遠端における横倍率、
β4Wは、前記第4レンズ群の広角端における横倍率、
である。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−72959(P2013−72959A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211232(P2011−211232)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】