説明

光送信器の制御方法及び光送信器

【課題】光源出力がシャットダウンしたときに駆動電圧の増加を抑え、光源出力の復帰時に速やかに出力光を安定化させること。
【解決手段】この光送信器1の制御方法は、外部変調器5を含む光送信器1において、外部変調器5に印加するバイアス電圧を調整することによって、光送信器1からの出力光を制御する光送信器1の制御方法であって、光検出素子7による出力光のモニタ信号を基にしてバイアス電圧を帰還制御し、出力光の断を検出した際には、バイアス電圧が直前の電圧に維持されるようにバイアス電圧を帰還制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光送信器の制御方法及び光送信器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、光送信モジュールにおいて使用される変調器として、マッハツェンダ(MZ)型光変調器等の外部変調器が用いられている。外部変調器にはデータ変調信号の他に適切な直流(DC)電圧をバイアスする必要があるが、周辺温度や変調器の基板自体が持つ特性に起因して、バイアスの最適値が変動し、変調器から出力される変調信号の品質が時間とともに劣化する問題がある。この最適値の変動をDCドリフトと呼ぶ。
【0003】
このようなDCドリフトを補償するための手法として、外部変調器に印加するデータ変調信号またはDC電圧に低周波信号(ディザ信号)を重畳し、光−電気変換器からの電気信号の低周波成分の位相を、重畳されたディザ信号の位相と比較してDC信号を出力し、このDC信号が0になるようにDC電圧をフィードバック制御する手法が知られている(下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−248366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、二値位相偏移変調(BPSK: Binary Phase Shift Keying)でデータを変調する場合には、上記DC電圧が適正値の場合には、ディザ信号の2倍の周波数を持つ成分(以下、この周波数を2fdとする。)が出力光に現れる。このことを利用して、出力光の2fd成分が最大となるようにDC電圧をフィードバック制御する手法も採りうる。すなわち、MZ型光変調器の入出力特性を考えるに、入力されるデータ変調信号が、入出力特性における極小値〜極大値間を遷移する振幅及びバイアスを与えられている場合には、光出力は極大値及び極小値をそれぞれ維持する。しかしながら、温度変動等が原因でバイアスがシフトすると、データ変調信号が入出力特性における極小値及び極大値をずれて遷移することになるので、光出力波形に高調波成分が生ずることになる。なお、バイアスが変調器の入出力特性上の最適値に設定されているときは、バイアスにディザ信号が与えられると、バイアスが入出力特性の光出力の極大値に相当する値から増加しても減少しても光出力は減少する。このことは、光出力におけるディザ信号周波数fdの2倍高調波成分2fdが最大になるときが光出力がフルスイングしている条件に一致することを意味する。
【0006】
上記手法を用いて外部変調器のバイアスを制御する場合、光源出力がシャットダウンした際には光出力をモニタする光電変換器の出力も消失する。そうすると、フィードバック制御回路は2倍高調波成分2fdを増加させようとしてバイアスを増加させ続けるため、バイアスがリミット値で高止まりする状態となる。また、その後に光源出力が復帰しても最適な動作状態に戻すまでに時間を要する場合も考えられる。さらには、バイアス電圧が常にリミット値となるため、不要な消費電力の増加や、回路の安定性の低下を招くことが懸念される。
【0007】
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、光源出力がシャットダウンしたときに駆動電圧の増加を抑え、光源出力の復帰時に速やかに出力光を安定化させることが可能な光送信器の制御方法及び光送信器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の光送信器の制御方法は、外部変調器を含む光送信器において、外部変調器に印加するバイアス電圧を調整することによって、光送信器からの出力光を制御する光送信器の制御方法であって、出力光のモニタ信号を基にしてバイアス電圧を帰還制御し、出力光の断を検出した際には、バイアス電圧が直前の電圧に維持されるようにバイアス電圧を帰還制御することを特徴とする。
【0009】
或いは、本発明の光送信器は、光源からの出力光を変調させる外部変調器と、出力光の断を検出する判定部と、外部変調器に印加するバイアス電圧を帰還制御する制御部と、バイアス電圧にディザ信号を重畳させる信号重畳回路と、を備え、制御部は、出力光のディザ信号の周波数の2倍の周波数の成分を抽出する抽出部と、2倍の周波数の参照信号を生成し、出力光の断を検出した際に、バイアス電圧が直前の電圧に維持されるように参照信号の振幅レベルを調整する参照信号生成部と、出力光の断を検出していない場合には、抽出部によって抽出された成分を基にしてバイアス電圧を調整し、出力光の断を検出している場合には、参照信号生成部によって生成された参照信号を基にしてバイアス電圧を調整する演算部と、を有する。
【0010】
このような光送信器の制御方法、或いは光送信器によれば、光送信器からの出力光のモニタ信号を基にして外部変調器に印加するバイアス電圧が帰還制御され、出力光がシャットダウンした場合には、バイアス電圧が直前の電圧に維持されるように帰還制御される。これにより、光源の出力断時のバイアス電圧の増加を抑えることができ、バイアス電圧の帰還制御が維持されることにより光源の出力復帰時に速やかに出力光を安定化させるように制御することができる。
【0011】
ここで、外部変調器を含む光送信器において、外部変調器に印加するバイアス電圧を調整することによって、光送信器からの出力光を制御する光送信器の制御方法であって、出力光の断を検出していない場合には、バイアス電圧にディザ信号を重畳させ、出力光のディザ信号の周波数の2倍の周波数の成分を基にして、バイアス電圧を帰還制御し、出力光の断を検出した場合には、バイアス電圧が直前の電圧に維持されるように振幅レベルが調整された2倍の周波数の参照信号を基にして、バイアス電圧を帰還制御することが好ましい。この場合、光出力の断時にバイアス電圧が直前の値に維持されるような参照信号を生成してその参照信号によってバイアス電圧を帰還制御するので、バイアス電圧の帰還制御を維持しながらバイアス電圧の増加を防止することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の光送信器の制御方法及び光送信器によれば、光源出力がシャットダウンしたときに駆動電圧の増加を抑え、光源出力の復帰時に速やかに出力光を安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の好適な一実施形態に係る光送信器の概略構成を示す回路図である。
【図2】図1の光送信器の動作について説明するための各種信号の時間変化を示すグラフである。
【図3】本発明の比較例に係る光送信器の概略構成を示す回路図である。
【図4】図3の光送信器の動作について説明するための各種信号の時間変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明による光送信器およびその制御方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
図1は、本発明の好適な一実施形態に係る光送信器の概略構成を示す回路図である。この光送信器1は、外部からのデータ変調信号に応じた光信号を生成するために装置であり、光源であるレーザダイオード等の発光素子3と、発光素子3からの光を受けて、データ変調信号を基にその光を変調して出力するMZ型光変調器である外部変調器5と、外部変調器5から出力される光変調信号の光強度を検出するフォトダイオード(PD)等の光検出素子7と、光検出素子7から検出信号を受けて光変調信号の断を判定して検出する判定回路(判定部)9と、外部変調器5に対して供給するバイアス電圧を制御する制御回路部11と、バイアス電源13と、低周波発振器(信号重畳回路)15とを有している。
【0016】
外部変調器5は、発光素子3からの入力光を2つの導波路17,19で分岐させた後に再び合流させて光変調信号を生成する。それぞれの導波路17,19には、電極21,23が設けられ、電極21には増幅器25を介して外部からデータ変調信号が印加され、電極23にはバイアス電源13からバイアス電圧が印加される。また、このバイアス電圧には、低周波発振器15によって低周波fdのディザ信号が重畳されている。この外部変調器5は、発光素子3からの光をデータ変調信号に応じて変調することによって光変調信号を生成して出力する。
【0017】
制御回路部11は、ディザ成分抽出回路(抽出部)27、演算回路29、2逓倍器(参照信号生成部)31、振幅調整回路(参照信号生成部)33、比較器(参照信号生成部)35、メモリ37、及びスイッチ39,41によって構成されている。ディザ成分抽出回路27は、光検出素子7から光強度の検出信号を受けて、その検出信号からディザ信号の周波数fd付近の低周波成分を抽出する。このようなディザ成分抽出回路27としては、低域のバンドパスフィルタを採用することができる。また、演算回路29は、ディザ成分抽出回路27から低周波成分、又は振幅調整回路33から参照信号を受けて、その低周波成分の周波数fdの2倍の周波数2fdの成分、又は参照信号の周波数2fdの成分を抽出し、それらの成分が最大となるようにバイアス電源13の出力するバイアス電圧を調整する。この演算回路29としては、周波数2fdでの同期検波を行う回路、周波数2fdの検波を行うバンドパスフィルタ回路や、AD変換器でサンプリングした後にフーリエ変換するデジタル回路によって実現される。ただし、回路の小規模化の観点からは、同期検波回路やバンドパスフィルタによる構成が好適である。このような光検出素子7、ディザ成分抽出回路27、演算回路29、バイアス電源13、及び外部変調器5により、バイアス電圧調整のためのひとつの帰還制御ループLAが構成される。
【0018】
2逓倍器31は、低周波発振器からのディザ信号を受けて、ディザ信号の周波数fdの2倍の周波数2fdを有する参照信号を生成する。また、振幅調整回路33は、その参照信号のレベルを調整して演算回路29に向けて出力する。メモリ37は、バイアス電源13から出力されるバイアス電圧の大きさをモニタしてその値Vrを定期的に記憶する記憶回路である。比較器35は、メモリ37に記憶されているバイアス電圧値Vrを読み出すとともに、バイアス電源13から出力されている現在のバイアス電圧の大きさVdcをモニタし、バイアス電圧値Vrとモニタ値Vdcとを比較する。詳細には、比較器35は、バイアス電圧値Vrとモニタ値Vdcとの差分の絶対値|Vr−Vdc|を生成し、その絶対値|Vr−Vdc|≠0の場合に、その絶対値に応じて参照信号のレベルを減衰させるように振幅調整回路33による参照信号の増幅率を調整する。すなわち、比較器35は、バイアス電源13からの出力電圧がバイアス電圧値Vrに維持されるように、振幅調整回路33から出力される参照電圧の振幅レベルを調整する。このような振幅調整回路33、演算回路29、バイアス電源13、及び比較器35により、バイアス電圧調整のためのもうひとつの帰還制御ループLBが構成される。
【0019】
さらに、制御回路部11には、スイッチ39,41が設けられている。スイッチ39は、判定回路9からの切換信号に応じて、演算回路29の入力端子Cを、振幅調整回路33の出力端子Bとディザ成分抽出回路27の出力端子Aのいずれかに接続するようにそれらの接続を切り替える。また、スイッチ41は、判定回路9からの切換信号に応じて、バイアス電源13の出力とメモリ37との接続をオン/オフするように切り替える。すなわち、判定回路9によって光変調信号の断が検出された場合には、スイッチ39は、演算回路29の入力端子Cを振幅調整回路33の出力端子Bに接続するように切り替え、スイッチ41は、バイアス電源13の出力とメモリ37との接続をオフするように切り替える。その一方で、判定回路9によって光変調信号の断が検出されていない場合には、スイッチ39は、演算回路29の入力端子Cをディザ成分抽出回路27の出力端子Aに接続するように切り替え、スイッチ41は、バイアス電源13の出力とメモリ37との接続をオンするように切り替える。
【0020】
ここで、上述した判定回路9、及び制御回路部11の各構成要素は、その全部或いは一部を、CPU等を含む演算回路上で機能的に実現されてもよいし、物理的な回路素子によって実現されてもよい。
【0021】
以上説明した光送信器1における出力光の制御時の動作について、図2を参照しながら説明する。図2において、(a)は、光検出素子7によって検出される光強度の時間変化を示すグラフであり、(b)は、ディザ成分抽出回路27によって抽出された周波数2fdの成分の時間変化を示すグラフであり、(c)は、振幅調整回路33の出力の時間変化を示すグラフであり、(d)は、バイアス電源13の出力するバイアス電圧の時間変化を示すグラフである。
【0022】
判定回路9によって光変調信号の断が検出されていないような正常動作時には、ループLAの帰還制御が利用されてバイアス電圧が制御される。具体的には、判定回路9によって光変調信号の断が検出されていない場合(時刻t<T)には、外部変調器5からの光変調信号の強度(図2(a)の実線)が光検出素子7によって検出され、制御回路部11によって、その検出信号の周波数2fdの成分(図2(b))が最大となるようにバイアス電源13の出力するバイアス電圧が調整されるとともに、そのバイアス電圧の値Vrは定期的にメモリ37に記憶される。このとき、判定回路9からの切換信号により、スイッチ39はディザ成分抽出回路27の出力端子A側に切り替えられており、スイッチ41はオンされている。
【0023】
その後、判定回路9によって光変調信号の断が検出されたとき(時刻t=T)には、判定回路9からの切換信号(図2(a)の点線)によってスイッチ39,41が切り替えられ、スイッチ39は振幅調整回路33の出力端子B側に切り替えられ、スイッチ41はオフされる。これにより、メモリ37にはその直前のバイアス電圧の値Vrが保持され、光検出素子7による検出結果に依存すること無くループLBの帰還制御が利用されてバイアス電圧が制御される。このときは、光検出素子7によって検出される光強度の周波数2fdの成分は0に近づく(図2(b))。具体的には、メモリ37は直前のバイアス電圧値Vrを比較器35に出力し続け、比較器35は直前のバイアス電圧値Vrと現在のバイアス電圧の大きさVdcとを比較し、それらの差の絶対値|Vr−Vdc|(図2(c)の点線)を基に、その絶対値に応じて振幅調整回路33における参照信号を減衰させるように調整する。さらに、演算回路29には振幅調整回路33から振幅レベルが調整された参照信号(図2(c)の実線)が入力され、演算回路29によりそれを基にバイアス電源13の出力するバイアス電圧が調整される。これにより、演算回路29は参照信号の周波数2fdの成分が最大になるようにバイアス出力を増減させるので、結果としてバイアス電圧が直前のバイアス電圧値Vrと一致するように維持される(図2(d))。これにより、光検出素子7による検出信号が得られなくても、バイアス電圧を電圧リミット値に高止まりさせることなくシャットダウン直前の最適電圧値Vrで安定化させることができる。
【0024】
その後、判定回路9によって光変調信号の断が検出されなくなったとき(時刻t=T)には、判定回路9からの切換信号(図2(a)の点線)によってスイッチ39,41が再度切り替えられ、スイッチ39はディザ成分抽出回路27の出力端子A側に再度切り替えられ、スイッチ41はオンされる。これによって、ループLAの帰還制御が再開されてバイアス電圧が制御される。その際、バイアス電源13の出力するバイアス電圧はシャットダウン直前の電圧Vrであるので、最適バイアス電圧に調整されるまでの時間が短縮化される。
【0025】
これに対して、図3には、本発明に対する比較例である光送信器901の構成を示している。この光送信器901は、光送信器1に比較して、光検出素子7、ディザ成分抽出回路27、演算回路29、バイアス電源13、及び外部変調器5によって構成される帰還制御ループのみを有している。また、図4において、(a)は、光送信器901の光検出素子7によって検出される光強度の時間変化を示すグラフであり、(b)は、光送信器901のディザ成分抽出回路27によって抽出された周波数2fdの成分の時間変化を示すグラフであり、(c)は、光送信器901のバイアス電源13の出力するバイアス電圧の時間変化を示すグラフである。
【0026】
このように、光送信器901において、時刻t=Tで発光素子3にシャットダウンが発生すると、光検出素子7の受光パワーが0になり(図4(a))、ディザ成分抽出回路27の出力電圧値(周波数2fdの成分、図4(b))も0となる。これにより、帰還制御ループによって制御されたバイアス電圧(図4(c))は上昇し、電圧リミット値で高止まりの状態になる。その後、時刻t=Tで発光素子3が回復し、再び帰還制御が正常に開始できる状態になった場合、バイアス電圧が電圧リミット値から帰還制御による調整が為されるために、最適なDCバイアス電圧に安定するまでに一定の時間を要することになる。
【0027】
以上説明した光送信器1およびその制御方法によれば、光送信器1からの出力光の強度の周波数2fdの成分を基にして外部変調器5に印加するバイアス電圧が帰還制御され、出力光がシャットダウンした場合には、バイアス電圧が直前の電圧に維持されるように帰還制御される。これにより、発光素子3の出力断時のバイアス電圧の増加を抑えることができ、バイアス電圧の帰還制御が維持されることにより光源の出力復帰時に速やかに出力光を安定化させるように制御することができる。さらには、バイアス電圧が最適電圧値近くに常に維持されやすくなるため、不要な消費電力を低減し、回路の安定性を向上することができる。
【0028】
特に、発光素子3の光出力のシャットダウン時にバイアス電圧が直前の値に維持されるような参照信号が生成されて、その参照信号によってバイアス電圧が帰還制御されるので、バイアス電圧の帰還制御を維持しながらバイアス電圧の増加を防止することができる。その結果、シャットダウンの回復時に光出力を素早く安定化させることができ、光出力のオーバシュートやアンダーシュートを防止することができる。
【符号の説明】
【0029】
1…光送信器、3…発光素子(光源)、5…外部変調器、9…判定回路(判定部)、11…制御回路部、15…低周波発振器(信号重畳回路)、27…ディザ成分抽出回路(抽出部)、29…演算回路(演算部)、31…2逓倍器(参照信号生成部)、33…振幅調整回路(参照信号生成部)、35…比較器(参照信号生成部)、39,41…スイッチ、LA,LB…帰還制御ループ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部変調器を含む光送信器において、前記外部変調器に印加するバイアス電圧を調整することによって、前記光送信器からの出力光を制御する光送信器の制御方法であって、
前記出力光のモニタ信号を基にして前記バイアス電圧を帰還制御し、
前記出力光の断を検出した際には、前記バイアス電圧が直前の電圧に維持されるように前記バイアス電圧を帰還制御する、
ことを特徴とする光送信器の制御方法。
【請求項2】
外部変調器を含む光送信器において、前記外部変調器に印加するバイアス電圧を調整することによって、前記光送信器からの出力光を制御する光送信器の制御方法であって、
前記出力光の断を検出していない場合には、前記バイアス電圧にディザ信号を重畳させ、前記出力光の前記ディザ信号の周波数の2倍の周波数の成分を基にして、前記バイアス電圧を帰還制御し、
前記出力光の断を検出した場合には、前記バイアス電圧が直前の電圧に維持されるように振幅レベルが調整された前記2倍の周波数の参照信号を基にして、前記バイアス電圧を帰還制御する、
ことを特徴とする光送信器の制御方法。
【請求項3】
光源からの出力光を変調させる外部変調器と、
前記出力光の断を検出する判定部と、
前記外部変調器に印加するバイアス電圧を帰還制御する制御部と、
前記バイアス電圧にディザ信号を重畳させる信号重畳回路と、
を備え、
前記制御部は、
前記出力光の前記ディザ信号の周波数の2倍の周波数の成分を抽出する抽出部と、
前記2倍の周波数の参照信号を生成し、前記出力光の断を検出した際に、前記バイアス電圧が直前の電圧に維持されるように前記参照信号の振幅レベルを調整する参照信号生成部と、
前記出力光の断を検出していない場合には、前記抽出部によって抽出された成分を基にして前記バイアス電圧を調整し、前記出力光の断を検出している場合には、前記参照信号生成部によって生成された参照信号を基にして前記バイアス電圧を調整する演算部と、
を有する、
ことを特徴とする光送信器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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