説明

光透過性磁性粒子を用いた免疫測定方法

【課題】 本発明の目的は、磁性担体粒子及び標識を用いて、測定すべき物質に特異的に結合する物質と測定すべき物質の特異的反応に基づく物質の測定方法において、標識からのシグナルを感度よく検出する方法および該方法に使用する試薬を提供すること
【解決手段】 (i)磁性担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質もしくは測定すべき物質と標識された測定すべき物質に特異的に結合する物質とを反応液中の測定すべき物質に反応させ、または(ii)磁性担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質と標識された測定すべき物質とを反応液中の測定すべき物質に反応させ、磁性担体粒子と複合体を形成した標識を生成させる工程、および磁性担体粒子と複合体を形成した標識を測定する工程を含み、磁性担体粒子が標識を検出するのに使用するシグナルが透過可能な磁性担体粒子であることを特徴とする測定すべき物質の測定方法および試薬。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定すべき物質に特異的に結合する物質を用いる物質の測定方法および測定試薬に関する。
【背景技術】
【0002】
抗原抗体反応を利用した免疫測定方法は、種々の疾病を示す診断マーカーや微量物質の検出に用いられ、その原理も広く知られている。このうち代表的な免疫測定方法としては、それぞれ放射性同位体(RI)、酵素、蛍光物質、発光物質などの標識物質を用いたラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素イムノアッセイ(EIA)、蛍光イムノアッセイ(FIA)、発光イムノアッセイ(LIA)などが知られている。これらの方法は標識物質の特徴を生かして非常に高感度な測定方法として利用されてきたが、一方で担体粒子の反応面積を広げるために担体粒子に磁性粒子を利用し、その分散と集磁を特徴とした方法も開発されてきた。この方法では反応性や感度などの性能を大きく向上させた一方、該粒子を液体中に分散させた状態で試薬としての供給が可能であるため、ELISA(Enzyme-Linked Immunosorbent Assay)プレートのように担体粒子と反応容器が一体となったものに比べ、その汎用性は非常に高いものとなった。特に磁性粒子と発光物質による標識の組み合わせは現在もなお高感度かつ実用的な方法として広く利用されている。
【0003】
しかし、この方法には種々の問題がある。例えばこれまで免疫測定に用いられてきた磁性粒子は光の透過性がない酸化鉄を主成分としていたため、磁性粒子上に形成された免疫複合体中の蛍光物質または発光物質の標識を検出する場合、その光シグナルが弱められる遮蔽現象を常に伴う。このような遮蔽現象は微弱な光シグナルを遮蔽するばかりでなく、高濃度の磁性粒子の使用にあたってはその検量線の傾きを減少させ、精度を大幅に損なうものであった。従って磁性粒子の使用量は遮蔽現象の少ない範囲に限定して使用するのが一般的であった。
【0004】
しかしかかる遮蔽効果を避けるため、その使用量を減らすことは有効な手段ではない。即ち、磁性粒子の使用量の減少は測定性能に大きな影響を与える。第一に固相の反応面積は担体粒子量に比例するため、該粒子量を減らすことは反応性や測定感度といった性能に影響を与える。第二に洗浄工程を含む測定系では、磁性粒子の集磁後、反応液を除去する工程で物理的衝撃による粒子の損失を伴うため、測定精度を悪化させる。この物理的衝撃による粒子の損失割合は磁性粒子量が少ないときに大きく、性能への影響は顕著となる。従って磁性粒子の遮蔽効果はこれら反応性と精度維持のための調整範囲を大きく制限する。
【0005】
この問題の対応策として、特許文献1には、検出時に免疫複合体の特異的結合を解離させる方法が記載されている。この方法では、抗原抗体反応により磁性粒子上に形成された免疫複合体中の標識を検出するため、検出時に抗原抗体反応による特異的結合を解離させるべく解離液を加えて標識を解離させ、該解離した標識の強度を測定する。しかしこれらの方法では解離液の添加、再分離などの工程が必要となり煩雑であり、また標識の測定に乖離液が影響を及ぼすことがあり好ましくない。
【特許文献1】特開平8−43391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、磁性担体粒子及び標識を用いて、測定すべき物質に特異的に結合する物質と測定すべき物質の特異的反応に基づく物質の測定方法において、標識からのシグナルを感度よく検出する方法および該方法に使用する試薬を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の[1]〜[10]に関する。
(1) (i)磁性担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質もしくは測定すべき物質と標識された測定すべき物質に特異的に結合する物質とを反応液中の測定すべき物質に反応させ、または(ii)磁性担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質と標識された測定すべき物質とを反応液中の測定すべき物質に反応させ、磁性担体粒子と複合体を形成した標識を生成させる工程、および磁性担体粒子と複合体を形成した標識を測定する工程を含み、磁性担体粒子が標識を検出するのに使用するシグナルが透過可能な磁性担体粒子であることを特徴とする測定すべき物質の測定方法。
【0008】
(2) 標識を測定する工程が磁性担体粒子と複合体を形成した状態で行われる前記(1)記載の測定方法。
(3) 磁性担体粒子が、蒸留水に0.1mg/mLの濃度で懸濁した状態で、標識を検出するのに使用するシグナルの1cmにおける透過率が20%以上である磁性粒子である前記(1)または(2)記載の方法。
【0009】
(4) 標識が酵素、発光物質、蛍光物質および色原体から選ばれる標識である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 測定すべき物質に特異的に結合する物質が抗体である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6) 磁性担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質もしくは測定すべき物質、および標識された測定すべき物質に特異的に結合する物質を含有し、磁性担体粒子が標識を検出するのに使用するシグナルが透過可能な磁性担体粒子である測定すべき物質の測定用試薬。
【0010】
(7) 磁性担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質、および標識された測定すべき物質を含有し、磁性担体粒子が標識を検出するのに使用するシグナルが透過可能な磁性担体粒子である測定すべき物質の測定用試薬。
(8) 磁性担体粒子が、蒸留水に0.1mg/mLの濃度で懸濁した状態で、標識を検出するのに使用するシグナルの1cmにおける透過率が20%以上である磁性粒子である前記(6)または(7)記載の試薬。
【0011】
(9) 標識が酵素、発光物質、蛍光物質または色原体である前記(6)〜(8)のいずれかに記載の試薬。
(10) 測定すべき物質に特異的に結合する物質が抗体である前記(6)〜(9)のいずれかに記載の試薬。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、測定精度の高い正確な免疫測定方法および試薬が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明で使用する磁性粒子は、標識を検出するのに使用するシグナルが透過可能なもので有れば特に制限はない。例えば、特開平10−297933号公報記載のモル%でTb2 3 が25〜50%、SiO2 が5〜40%、B2 3 が5〜45%、Ga2 3 が5〜35%、さらにP2 5 が0〜7%、GeO2 が0〜20%、またMgO、CaO、SrOおよびBaOがそれぞれ0〜6%で、MgO、CaO、SrOおよびBaOの総和が0〜6%、La2 3 が0〜6%、Gd2 3 が0〜6%、Yb2 3 が0〜6%、Dy2 3 が0〜15%、Tb2 3 、La2 3 、Gd2 3 、Yb2 3 およびDy2 3 の総和が25〜60%並びにZrO2 が0〜8%からなる組成のファラデー回転素子用ガラス、特開2002−145622号公報記載の化学式:Ti1-x Cox 2 ;0<x≦0.3、で表され、Ti格子位置にCoが置換し、かつ、単結晶基板上にエピタキシャル成長した二酸化チタン・コバルト磁性膜、イットリウム・鉄・ガーネットから成る化合物(Proc. 12th Int. Symp. Plasma Chem., / Minneapolis, USA, 1995)、磁性ガラス(特開平04−170338号公報)や光磁気記録材料(特開平01−261235号公報)、窒化ガリウムなどがあげられる。
【0014】
また、磁性担体粒子としては、上記透過性磁性微粒子をポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル、ポリカプラミド、ポリエチレンテレフタレートなどの疎水性重合体、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ(2−オキシエチルアクリレート)、ポリ(2−オキシエチルメタクリレート)、ポリ(2,3−ジオキシプロピルアクリレート)、ポリ(2,3−ジオキシプロピルメタクリレート)、ポリエチレングリコールメタクリレートなどの架橋した親水性重合体、またはそれぞれのモノマーの2〜4種程度の共重合体などのラテックス、ゼラチン、リポソームまたは、上記磁性微粒子をラテックス、ゼラチン、リポソームなどで内包した粒子などがあげられる。
【0015】
磁性担体粒子としては、標識を検出するのに使用するシグナルが透過可能な磁性担体粒子であればその透過率は特に制限はないが、例えば蒸留水に0.1mg/mLの濃度で懸濁した状態で、標識を検出するのに使用するシグナルの1cmにおける透過率が20%以上である磁性粒子が好ましく35%である磁性粒子がより好ましく、50%以上である磁性粒子が特に好ましい。
【0016】
磁性粒子の粒径は、反応液中に懸濁できる粒径であれば特に制限はないが、例えば0.05μm〜300μmが好ましく、0.1μm〜30μmがより好ましく、0.5〜10μmが特に好ましい。
本発明で使用される標識は、磁性粒子を透過するシグナルを用いて直接または補所試薬を用いて間接的に検出できるものであれば特に制限はなく、例えば酵素、発光物質、蛍光物質、色原体、酵素等があげられるが、補助試薬との反応によりその量を測定することができるものが好ましい。
【0017】
シグナルとしては、標識を検出できれば特に制限はないが、例えば光学的なシグナルが好ましく、光、蛍光等があげられる。
発光物質としては、例えば4-(2- サクシニミジルオキシカルボニルエチル)フェニル-10-メチルアクリジウム-9- カルボン酸フルオロ硫酸(以下アクリジニウム−Iと略記する)等のアクリジウム誘導体、ジオキセタン類、ルミノール、イソルミノール、ルシゲニン、クマリン誘導体、ピラゾロピリドピリダジン誘導体等があげられるがあげられる。
【0018】
蛍光物質としては、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸などがあげられる。
色原体としては、単独で色素を形成する化合物であっても、二つの化合物が結合して色素を形成する化合物であってもよい。
単独で色素を形成する化合物としては、例えば、10−N−カルボキシメチルカルバモイル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10H−フェノチアジン(以下、CCAPと略記する。)、10−N−メチルカルバモイル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10H−フェノチアジン(以下、MCDPと略記する。)、N−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン ナトリウム塩(以下、DA−64と略記する。)、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン、ビス[3−ビス(4−クロロフェニル)メチル−4−ジメチルアミノフェニル]アミン(以下、BCMAと略記する。)等があげられる。
【0019】
二つの化合物が結合して色素となるものとしては、例えば過酸化水素水とパーオキシダーゼとの共存下で、結合して色素を形成する化合物があげられる。
具体的には、4−アミノアンチピリン(以下4−AAと略す。)や、3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラジン等のカプラ−と、アニリン化合物、例えばN−エチル−N−(3−メチルフェニル)−N’−サクシニルエチレンジアミン(以下EMSEと略す。)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジン、N−エチル−N−スルホプロピルアニリン、N−エチル−N−スルホプロピル−3,5−ジメトキシアニリン、N−スルホプロピル−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−スルホプロピル−3,5−ジメチルアニリン、N−エチル−N−スルホプロピル−m−トルイジン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−アニシジン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)アニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メチルアニリン・ナトリウム塩2水和物(以下TOOSと略記する。)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン、N−スルホプロピルアニリン、N−エチル−N−スルホプロピルアニリンプロピル−m−アニジン等との組み合わせ等が挙げられる。その他、4−AAとフェノールや3−ヒドロキシ−2,4,6−トリヨウド酢酸の組み合わせが挙げられる。
【0020】
酵素としては、例えばペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ(以下、ALPと略記する。)などがあげられる。
補助試薬は、前述の標識を測定するために使用される試薬であり前述の標識の種類に応じて当業者であれば適宜選択できるが、例えば前述の発光物質、蛍光物質、色原体、酵素などがあげられる。また、アルカリ、過酸化水素等もあげられる。
【0021】
発明において、測定すべき物質に特異的に結合する物質としては、例えば測定すべき物質に結合する抗体、核酸、糖蛋白質、アプタマー等があげられる。
抗体としては、例えばIgM、IgG、IgA、IgE等およびこれら抗体を酵素処理等により処理して得られるFab、Fab’、またはF(ab’)などのフラグメントが挙げられる。抗体としては、IgGが好ましい。抗体としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体の何れも使用できる。モノクローナル抗体を用いる場合、認識するエピトープの異なるモノクローナル抗体を二種類以上組み合わせて使用するのが好ましいが、同一抗原上にエピトープを複数持つ抗原に対しては一種類のモノクローナル抗体を用いることもできる。
【0022】
測定すべき物質としては、特定の物質と特異的に結合する物質であれば特に制限はなく、抗原抗体反応を用いて測定される成分、その他の特異的反応により測定される成分等があげられる。
抗原抗体反応により測定される成分としては例えば、IgG、IgM、IgA、IgE、アポ蛋白AI、アポ蛋白AII、アポ蛋白B、アポ蛋白E、リウマチファクター、D−ダイマー、酸化LDL、グリコアルブミン、トリヨードサイロニン(T3)、総サイロキシン(T4)、抗テンカン剤等の薬剤、C−反応性蛋白(以下CRPと略記する。)、サイトカイン類、α−フェトプロテイン(AFP)、癌胎児性抗原(CEA)、CA19−9(carbohydrate antigen 19-9)、CA15−3(carbohydrate antigen 15-3)、CA−125(carbohydrate antigen 125)、PIVKA−II(Protein induced by vitamin K absence-II)、副甲状腺ホルモン(PTH)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、インスリン、C−ペプタイド、エストロゲン、抗抗グルタミン酸脱炭酸酵素抗体(GAD)抗体、ペプシノーゲン、HBV抗原、抗B型肝炎ウイルス(HBV)抗体、C型肝炎ウイルス(HCV)抗原、抗HCV抗体、成人T細胞性白血病ウイルス(HTLV−I)抗原、抗HTLV−I抗体、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗体、結核抗体、結核菌抗原(TBGL)マイコプラズマ抗体、ヘモグロビンA1c、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、トロポニンT、トロポニンI、クレアチニンキナーゼ−MB(CK−MB)、ミオグロビン、H−FABP(ヒト心臓由来脂肪酸結合蛋白)、デオキシニバレノール(DON)、ニバレノール(NIV)、T-2トキシン(T2)等のカビ毒類、ビスフェノールA、ノニルフェノール、フタル酸ジブチル、ポリ塩素化ビフェニル(PCB)類、ダイオキシン類、p,p’−ジクロロジフェニルトリクロロエタン、トリブチルスズ等の内分泌撹乱物質類、大腸菌等の菌類、卵、乳、小麦、そば、落花生等の食物アレルギー物質やコナヒョウダニやトヤヒョウダニ等のダニ類等のアレルギー物質、抗アレルギー物質抗体等があげられる。
【0023】
その他の特異的結合により測定される成分としては、核酸、レクチン等があげられ、例えばras等のガン遺伝子、p53等のガン抑制遺伝子等をコードするDNAまたはRNA、ペプチド核酸、アプタマー、糖蛋白質等があげられる。
本発明において対象となる試料には前述の測定すべき物質を含有していると疑われる試料であれば特に制限はなく、例えば全血、血漿、血清、髄液、唾液、羊水、尿、汗、膵液等の生体試料や、食品、土壌等があげられる。
【0024】
磁性担体粒子または標識に、測定すべき物質または測定すべき物質に特異的に結合する物質を結合させる方法は、例えば、物理的吸着、化学的結合等により行うことができる。
物理的に結合させる方法としては、磁性担体粒子または標識に抗原または抗体などを疎水結合などで直接固定化する方法が挙げられる。またアルブミンなどの他のタンパク質に化学的に結合させ、物理的に結合する方法があげられる。
【0025】
化学的に結合させる方法としては、磁性担体粒子または標識に存在するアミノ基、カルボキシル基、チオール基などを化学的に修飾することにより、抗原または抗体分子上の同様の官能基と直接固定化する方法が挙げられる。スペーサー分子やアルブミンなどの他のタンパク質を介して抗原または抗体を化学結合させる方法もあげられる。
結合させる測定すべき物質または測定すべき物質に特異的に結合する物質の量は、用いる磁性担体粒子の表面積、官能基量等により異なるが、通常磁性担体粒子1mgあたり1μg〜500μg、好ましくは10μg〜200μgである。また標識の場合、酵素もしくは発光物質を担持させる量は反応官能基の種類または標識によっても異なるが、測定すべき物質または測定すべき物質に特異的に結合する物質の1分子あたり1〜50個、好ましくは5〜20個となるように調製される。
【0026】
磁性担体粒子に標識を固定化する場合は、磁性担体粒子表面の官能基を利用して化学的に結合させる方法、または表面に物理的に結合させる方法などがある。
また、本発明において磁性担体粒子または標識と測定すべき物質または測定すべき物質に特異的に結合する物質との結合は、ビオチン又はストレプトアビジン等の生理活性物質、糖鎖とレクチン、または化学的な相互作用を有する物質を介して行うこともできる。
【0027】
さらに、固定化したい測定すべき物質または測定すべき物質に特異的に結合する物質と結合しうる物質、例えば抗体、プロテインA等を利用して、磁性担体粒子または標識と結合させる方法があげられる。
磁性担体粒子の分離に関しては、磁性担体粒子を約1〜3分程度で分離できるような磁場の強度及び容器の形状が好ましい。磁石には、永久磁石、電磁石等を使用することができる。分離は速やかに行われることが好ましく、このため反応容器の大きさは比較的小さい方が好ましい。反応容器の材質としては特に制限はないが、ポリスチレン、アクリルなどのプラスチックや、ガラスで作成したチューブ、キュベットなどがあげられる。
【0028】
反応液としては、測定すべき物質と測定すべき物質に特異的に結合する物質とが反応できる溶媒で有れば特に制限はないが、標識を補助試薬を用いて測定する場合は、さらに標識と補助試薬とが反応できる溶媒が好ましく、例えば水性媒体があげられる。
水性媒体としては例えば脱イオン水、蒸留水、緩衝液等があげられるが、緩衝液が好ましい。緩衝液に用いる緩衝剤としては、緩衝能を有するものならば特に限定されないが、pH1〜11の例えば乳酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、コハク酸緩衝剤、フタル酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、トリエタノールアミン緩衝剤、ジエタノールアミン緩衝剤、リジン緩衝剤、バルビツール緩衝剤、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝剤、イミダゾール緩衝剤、リンゴ酸緩衝剤、シュウ酸緩衝剤、グリシン緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、グリシン緩衝剤、グッド緩衝剤等があげられる。
【0029】
グッド緩衝剤としては、例えば2−モルホリノエタンスルホン酸(MES)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis−Tris)、N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、3−モルホリノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(MOPSO)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸(HEPES)、3−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−2−ヒドロキシ−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPSO)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)(POPSO)、3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(HEPPSO)、3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸[(H)EPPS]、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン(Tricine)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、N−シクロヘキシル−2−アミノエタンスルホン酸(CHES)、N−シクロヘキシル−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(CAPSO)、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPS)等があげられる。
【0030】
緩衝液の濃度は測定に適した濃度であれば特に制限はされないが、例えば0.001〜2.0mol/Lが好ましく、0.005〜1.0mol/Lがより好ましく、0.01〜0.1mol/Lが特に好ましい。
本願発明の測定方法は、例えば以下の工程を含む。
(i)磁性担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質もしくは測定すべき物質と標識された測定すべき物質に特異的に結合する物質とを反応液中の測定すべき物質に反応させ、または(ii)磁性担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質と標識に担持された測定すべき物質とを反応液中の測定すべき物質に反応させ、磁性担体粒子と複合体を形成した標識を生成させる工程および磁性担体粒子と複合体を形成した標識を測定する工程。
【0031】
磁性担体粒子は、前述の標識を検出するのに使用するシグナルが透過可能な磁性担体粒子である。
磁性担体粒子と複合体を形成した標識の測定は、直接標識を光学的に測定してもよいが、補助試薬を用いて光学的シグナルを生成させ間接的に測定する方法が好ましい。標識の測定は、使用する磁性担体粒子を透過可能な光学的シグナルを用いて、光学的に行うのが好ましい。
【0032】
予め既知濃度の測定対象物を用いて作成した測定対象物濃度と生成物量の関係を示す検量線と、該生成物量を比較することにより測定対象物濃度を求めることができる。
反応条件は、特異的結合が起こる条件であれば特に制限はないが、2℃〜50℃が好ましく、20℃〜40℃がより好ましく、25℃〜37℃が特に好ましい。反応時間は特に制限が無く、試薬の混合直後から一昼夜が好ましく、2〜60分間がより好ましく、3〜30分間が特に好ましい。また担体粒子は反応液に対して0.001〜1.0mg/mL、好ましくは0.05〜0.2mg/mLとなるように使用される。試薬添加時の混合は速やかに行う必要があるが、均一に混合された後は静置してもよい。反応液のpHは特に制限はなく、1〜11が好ましく、2〜10がより好ましく、3〜9が特に好ましく、前述の緩衝剤が用いうる。
【0033】
反応液は非特異反応を避けるために、例えば塩化ナトリウム等の塩類及びウシ血清アルブミン等のタンパク質を含有してもよい。
磁性担体粒子と標識された抗体が添加されると、試料中の抗原が磁性担体粒子上の抗体及び標識された抗体と結合し、免疫複合体を形成する。次いで免疫複合体を含む磁性担体粒子を磁力により反応液中の容器側面に移動させ、反応液を除いた後、必要に応じて洗浄を数回繰り返すことができる。洗浄方法は特に制限はなく、例えば必要に応じて洗浄液を添加した後、吸引除去する方法があげられる。洗浄液としては、前述の反応液があげられ、必要に応じて、トリトンX−100等の界面活性剤を添加することができる。
【0034】
ついで反応容器中に残った磁性担体粒子は適切な分散液、例えば前述の反応液に再分散させ、磁性担体粒子上の標識の量を標識に固有の方法で測定する。標識が蛍光物質のときは、蛍光色素に固有の励起光で照射し、同時に放出される蛍光強度を計測することができる。例えばフルオレッセン化合物を標識として用いた場合、490nmで励起し520nmの蛍光を測定することができる。
【0035】
標識の強度を磁性担体粒子の分散した懸濁状態で光学的に行うことは、分散した磁性担体粒子による光学的な妨害を受けることになる。即ち、磁性担体粒子による遮蔽効果が高すぎると標識の光学的検出を極めて困難なものにするため、使用する磁性担体粒子濃度に制限が生じてしまう。本発明では、この点を改善するため従来の磁性担体粒子の代わりに光透過性磁性担体粒子を用いるものであり、これにより従来と全く変わらない測定手順でより正確な標識強度の計測を可能とさせるものである。
【0036】
本発明の測定試薬は、例えば下記の試薬があげられる。
標識を検出するのに使用するシグナルが透過可能な磁性担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質もしくは測定すべき物質、標識された測定すべき物質に特異的に結合する物質を含有する測定すべき物質の測定用試薬。
標識を検出するのに使用するシグナルが透過可能な磁性担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質および標識された測定すべき物質を含有する測定すべき物質の測定用試薬。
【0037】
本発明の試薬は、下記のようなキットの形態でも良い
標識を検出するのに使用するシグナルが透過可能な磁性担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質もしくは測定すべき物質を含む試薬および標識に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質を含む試薬を含むキット。
標識を検出するのに使用するシグナルが透過可能な磁性担体粒子に担持された測定すべき物質を含む試薬および標識に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質を含むキット。
【0038】
標識を検出するのに使用するシグナルが透過可能な磁性担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質を含む試薬および標識に担持された測定すべき物質を含む試薬を含むキット。
これら試薬およびキットには、前記の緩衝剤、塩類、タンパク質等を含有していてもよい。
【0039】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下に限定されるものではない。
【実施例1】
【0040】
酸化鉄から成る磁性担体粒子と光透過性磁性担体粒子の遮蔽効果の比較
光透過性磁性担体粒子を調製するため、市販の厚さ10.1mm、透過率が可視領域において80%、比重6.04および屈折率1.83の粉末磁性ガラス(住田光学ガラス社製)を用い、メノー乳鉢で微粉化した。このとき分粒の目安として、水溶液中に分散させた状態で5分経っても沈降しない画分を採取し、免疫測定に利用可能な一定粒径以下の磁性担体粒子を得た。さらにこれら磁性担体粒子を磁石で集磁させ、3分経っても集磁できずに水溶液中に分散していた磁性担体粒子を除去することで、免疫測定用光透過性磁性担体粒子とした。これらの磁性担体粒子の粒径は顕微鏡による観察から平均粒径が1〜3μmであることが確認された。
【0041】
これら光透過性磁性担体粒子1gに200μLの0.02N NaOHを加え、さらにシランカップリング剤であるN−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(信越シリコーン社製)200μLを添加し、150℃で2時間反応させた。得られたアミノ基含有光透過性磁性担体粒子は1%トリトンX−100水溶液50mLで5回洗浄し、不要なシランカップリング剤を除去した後、水溶液中に保存した。
【0042】
調製した光透過性磁性担体粒子および市販の平均粒径0.5〜1.0μmの酸化鉄を主成分とするアミノ基付加磁性担体粒子(MagnaBind Beads;PIERCE社製:以下磁性担体粒子)をpH7.4の10mmol/Lリン酸緩衝液(PB)にそれぞれ0.3mg/mLで分散させ、この溶液の5mLに発光物質である4−(2−サクシニミジルオキシカルボニルエチル)フェニル−10−メチルアクリジウム−9−カルボン酸フルオロ硫酸(以下アクリジニウム−Iと略記する:同人化学社製)の0.001μg/μLジメチルホルムアミド溶液を10μL添加し、37℃で1時間反応させた。反応後、磁性担体粒子を1%トリトンX−100水溶液50mLで5回洗浄し、不要なアクリジニウム−Iを除去した。また洗浄液は全て回収し、磁性担体粒子に結合しなかったアクリジニウム−Iの総量を以下と同様の手順で測定した。
【0043】
得られたアクリジニウム−I結合光透過磁性担体粒子、及びアクリジニウム−I結合磁性担体粒子は、再び0.3mg/mLの濃度で水溶液中に分散させ、この100μLに0.1N水酸化ナトリウムと0.3%過酸化水素を含む水溶液200μLを添加し、結合したアクリジニウム−Iを発光させた。この検出は発光光度計(バイオルマットLB9500T;ベルトールド社製)を用い、発光光度計で捉えられた全発光カウントの積算値を標識強度として算出した。
【0044】
アクリジニウム−I結合光透過性磁性担体粒子、及びアクリジニウム−I結合磁性担体粒子それぞれの発光カウント、及びアクリジニウム−I固定化時に結合せず洗浄液中に抽出された発光カウントを第1表に示す。なお、発光強度は、相対値(RLU)を示す。
【0045】
【表1】

【0046】
この結果、それぞれ一定量の磁性担体粒子上で観察された発光カウントはアクリジニウム−I結合光透過性磁性担体粒子の方が高い結果となった。ここで洗浄液中に抽出された未結合のアクリジニウム−Iは微少量であったことから、両磁性担体粒子上に固定化されたアクリジニウム−Iの量は一定と見なすことができる。従って得られた発光カウントの差は各磁性担体粒子の遮蔽効果に依存した違いと見なすことができ、光透過性磁性担体粒子を用いることにより正確な発光カウントが得られることが示唆された。
【0047】
なお、本試験に使用した光透過性磁性粒子は、蒸留水に0.1mg/mlの濃度で懸濁させた場合、1cmの600nmの光の透過率は、51.1%であった。一方磁性担体粒子は、蒸留水に0.1mg/mlの濃度で懸濁させた場合、1cmの600nmの光の透過率は、5.1%であった。
【実施例2】
【0048】
光透過性磁性担体粒子を用いた免疫測定系
光透過性磁性担体粒子及び蛍光物質であるフルオレッセンで標識した抗体を用いてCRP測定系を構築した例を示す。
担体粒子含有試薬の調製
実施例1で調製した光透過性磁性担体粒子100mgをpH5.5、10mmol/mLの酢酸緩衝液5mL中に分散させ、グルタルアルデヒド(和光純薬社製)1mLを添加し、37℃で1時間振とうさせ、活性化させた。光透過性磁性担体粒子は酢酸緩衝液100mLで5回洗浄し、酢酸緩衝液中に10mg/mLの濃度に調製した。固定化する抗CRP抗体は酢酸緩衝液中に1mg/mLとなるよう調製し、この20mLを光透過性磁性担体粒子分散溶液中に添加した。同分散溶液を密閉溶液に入れ、37℃恒温槽中で一晩反応させた。反応後、抗CRP抗体固定化光透過性磁性担体粒子は酢酸緩衝液100mLで5回洗浄し、0.1%BSA及び0.1%NaNを含むpH7.4の10mmol/Lリン酸緩衝液(BSA/PBS)に0.1mg/mLとなるよう加え、担体粒子含有試薬とした。
【0049】
標識試薬の調製
抗CRPモノクロナール抗体(以下、抗CRP抗体)は100mmol/L炭酸緩衝液(pH8.5)に1.0mg/mLとなるように溶解させ、テキサスレッド(PIERCE社製)のDMSO溶液(1mg/mL)100μLを加え、室温で1時間反応させた。反応後、未反応の標識体を除くためにセファデックスG−25カラムクロマトグラフィー(ファルマシア社製)で精製し、テキサスレッド標識抗CRP抗体を得た。これをBSA/PBSに0.01mg/mLとなるよう加え、標識試薬とした。
【0050】
標準抗原溶液の測定
標準のCRP抗原溶液は、CRPリコンビナント(rCRP;オリエンタル酵母工業社製)を2mmol/Lの塩化カルシウム及び0.1%のBSAを含むpH7.2のリン酸緩衝液で希釈した溶液を用いた。
この標準抗原の測定は標準抗原溶液50μLに担体粒子含有試薬300μL、及び標識試薬100μLを反応容器内で混合し、37℃で5分間反応させた。反応後、反応容器の両側に磁石を配し、反応液中に分散している光透過性磁性担体粒子を集磁させ、反応液及び未反応の標識抗体を除去した。さらに蒸留水1mLの添加と除去を2回繰り返し、反応液及び未反応の標識抗体を十分に除去した。次に磁性担体粒子上に形成された免疫複合体中の標識の量を測定するため、蒸留水100μLを添加し、該光透過性磁性担体粒子を分散させ、分光蛍光光度計(F−4000;日立製作所製)を用いて、標識体に固有の励起光(Ex:596nm)及び蛍光(Em:615nm)で測定した。この結果、測定可能なCRPの濃度範囲は、少なくとも蛍光強度と抗原濃度の関係から0.001〜5.0mg/dLであった。結果を図1に示す。
【0051】
またCRPを添加した健常人血清3種(CRP濃度:血清1は0.50mg/dL、血清2は1.0mg/dL、血清3は2.0mg/dL)を測定し、上記蛍光強度と抗原濃度の関係からそれぞれの濃度を算出したところ、各濃度値は同等の数値を示した。結果を第2表に示す。
【0052】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施例2で得られたCRP濃度とフルオレッセン蛍光強度を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)磁性担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質もしくは測定すべき物質と標識された測定すべき物質に特異的に結合する物質とを反応液中の測定すべき物質に反応させ、または(ii)磁性担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質と標識された測定すべき物質とを反応液中の測定すべき物質に反応させ、磁性担体粒子と複合体を形成した標識を生成させる工程、および磁性担体粒子と複合体を形成した標識を測定する工程を含み、磁性担体粒子が標識を検出するのに使用するシグナルが透過可能な磁性担体粒子であることを特徴とする測定すべき物質の測定方法。
【請求項2】
標識を測定する工程が磁性担体粒子と複合体を形成した状態で行われる請求項1記載の測定方法。
【請求項3】
磁性担体粒子が、蒸留水に0.1mg/mLの濃度で懸濁した状態で、標識を検出するのに使用するシグナルの1cmにおける透過率が20%以上である磁性粒子である請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
標識が酵素、発光物質、蛍光物質および色原体から選ばれる標識である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
測定すべき物質に特異的に結合する物質が抗体である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
磁性担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質もしくは測定すべき物質、および標識された測定すべき物質に特異的に結合する物質を含有し、磁性担体粒子が標識を検出するのに使用するシグナルが透過可能な磁性担体粒子である測定すべき物質の測定用試薬。
【請求項7】
磁性担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質、および標識された測定すべき物質を含有し、磁性担体粒子が標識を検出するのに使用するシグナルが透過可能な磁性担体粒子である測定すべき物質の測定用試薬。
【請求項8】
磁性担体粒子が、蒸留水に0.1mg/mLの濃度で懸濁した状態で、標識を検出するのに使用するシグナルの1cmにおける透過率が20%以上である磁性粒子である請求項6または7記載の試薬。
【請求項9】
標識が酵素、発光物質、蛍光物質または色原体である請求項6〜8のいずれかに記載の試薬。
【請求項10】
測定すべき物質に特異的に結合する物質が抗体である請求項6〜9のいずれかに記載の試薬。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2006−162467(P2006−162467A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−355304(P2004−355304)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【出願人】(000162478)協和メデックス株式会社 (42)