光透過率制御の可能な表示装置
【課題】光透過率制御の可能な表示装置を提供する。
【解決手段】少なくとも一面に光を放出する第1領域、及び第1領域と隣接して外光を透過する第2領域を含む画素を備える透明表示素子;透明表示素子の一面に対応する方向に配されて、外光を線形偏光させて透過する第1偏光板;第1偏光板と透明表示素子の一面との間に配されて、外光の位相を遅延させて透過する第1リターダー;透明表示素子の一面の反対側である他面に対応する方向に配されて、外光を線形偏光させて透過する第2偏光板;第2偏光板と透明表示素子の他面との間に配されて、印加される電源により外光の波長を第1位相ないし第2位相の範囲で遅延させて透過する変換リターダー;を備える光透過率制御の可能な表示装置。
【解決手段】少なくとも一面に光を放出する第1領域、及び第1領域と隣接して外光を透過する第2領域を含む画素を備える透明表示素子;透明表示素子の一面に対応する方向に配されて、外光を線形偏光させて透過する第1偏光板;第1偏光板と透明表示素子の一面との間に配されて、外光の位相を遅延させて透過する第1リターダー;透明表示素子の一面の反対側である他面に対応する方向に配されて、外光を線形偏光させて透過する第2偏光板;第2偏光板と透明表示素子の他面との間に配されて、印加される電源により外光の波長を第1位相ないし第2位相の範囲で遅延させて透過する変換リターダー;を備える光透過率制御の可能な表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に係り、さらに詳細には、モードによって光透過率を変化させる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示装置は、視野角、コントラスト、応答速度、消費電力などの側面での特性に優れるため、MP3プレーヤーや携帯電話などの個人用携帯機器からテレビ(TV)に至るまで応用範囲が拡大しつつある。これらの有機発光表示装置は、自発光特性を有しており、液晶表示装置とは異なって別途の光源を必要としないため、厚さ及び重量を低減させる。また、有機発光表示装置は、装置内部の薄膜トランジスタや有機発光素子を透明に作って、画素領域とは別に透過領域(または透過窓)を形成することで、透明表示装置として形成できる。
【0003】
ところが、これらの透明表示装置は、通常固定された透過率のみ持っていて、ユーザが表示装置の透過率を調節しようとする場合にその欲求を満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一実施形態は、透明表示素子に光学素子を配して、モードによって低電力で光透過率を制御する表示装置を提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記のような目的を達成するために、本発明は、少なくとも一面に光を放出する第1領域、及び前記第1領域と隣接して外光を透過する第2領域を含む画素を備える透明表示素子と、前記透明表示素子の前記一面に対応する方向に配されて、前記外光を線形偏光させて透過する第1偏光板と、前記第1偏光板と前記透明表示素子の前記一面との間に配されて、前記外光の位相を遅延させて透過する第1リターダーと、前記透明表示素子の前記一面の反対側である他面に対応する方向に配されて、前記外光を線形偏光させて透過する第2偏光板と、前記第2偏光板と前記透明表示素子の前記他面との間に配されて、印加される電源により前記外光の波長を第1位相ないし第2位相の範囲で遅延させて透過する変換リターダーと、を備える光透過率制御の可能な表示装置を提供する。
【0006】
本発明の他の特徴によれば、前記第1偏光板と前記第2偏光板とは、互いに同方向の偏光軸を有する。
【0007】
本発明の他の特徴によれば、前記第1リターダーは、前記外光の波長を前記第1位相ほど遅延させる波長板である。
【0008】
本発明の他の特徴によれば、前記変換リターダーに第1電源を印加して前記外光の波長を前記第1位相ほど遅延させる時、前記表示装置は、前記表示装置に入射される前記外光を透過せず、ここで、前記第1位相と前記第2位相とは、絶対値は同一であるが、回転方向は相異なる。
【0009】
本発明の他の特徴によれば、前記変換リターダーに第2電源を印加して前記外光の波長を前記第2位相ほど遅延させる時、前記表示装置は、前記表示装置に入射される前記外光を透過し、ここで、前記第1位相と前記第2位相とは、絶対値は同一であるが、回転方向は相異なる。
【0010】
本発明の他の特徴によれば、前記第1偏光板と前記第2偏光板とは、互いに直交する方向の偏光軸を有する。
【0011】
本発明の他の特徴によれば、前記第1リターダーは、前記外光の波長を前記第1位相ほど遅延させる波長板である。
【0012】
本発明の他の特徴によれば、前記変換リターダーに第1電源を印加して前記外光の波長を前記第1位相ほど遅延させる時、前記表示装置は、前記表示装置に入射される前記外光を透過し、ここで、前記第1位相と前記第2位相とは、絶対値は同一であるが、回転方向は相異なる。
【0013】
本発明の他の特徴によれば、前記変換リターダーに第2電源を印加して前記外光の波長を前記第2位相ほど遅延させる時、前記表示装置は、前記表示装置に入射される前記外光を透過せず、ここで、前記第1位相と前記第2位相とは、絶対値は同一であるが、回転方向は相異なる。
【0014】
本発明の他の特徴によれば、前記変換リターダーは、第2リターダー及び液晶膜を備え、前記第2リターダーは、前記透明表示素子と前記液晶膜との間に配され、前記液晶膜は、前記第2リターダーと前記第2偏光板との間に配され、印加される電圧により前記外光の波長を所定の範囲で遅延させる。
【0015】
本発明の他の特徴によれば、前記第1偏光板と前記第2偏光板とは、互いに同方向の偏光軸を持ち、前記第1リターダーは、前記外光の波長を前記第1位相ほど遅延させる波長板である。
【0016】
本発明の他の特徴によれば、前記第1偏光板と前記第2偏光板とは、互いに直交する方向の偏光軸を有し、前記第1リターダーは、前記外光の波長を前記第1位相ほど遅延させる波長板である。
【0017】
本発明の他の特徴によれば、前記第2リターダーは、前記外光の波長を前記第2位相ほど遅延させる波長板であり、前記液晶膜は、印加される電圧により前記外光の波長を、第3位相ないし第4位相間の範囲で遅延させ、ここで、前記第3位相と前記第2位相との和は前記第2位相であり、前記第4位相と前記第2位相との和は前記第1位相であり、前記第1位相と前記第2位相とは、絶対値は同一であるが、回転方向は相異なる。
【0018】
本発明の他の特徴によれば、前記第2リターダーは、前記外光の波長を前記第1位相ほど遅延させる波長板であり、前記液晶膜は、印加される電圧により前記外光の波長を第5位相ないし第6位相間の範囲で遅延させ、ここで、前記第5位相と前記第1位相との和は前記第2位相であり、前記第6位相と前記第1位相との和は前記第1位相であり、前記第1位相と前記第2位相とは、絶対値は同一であるが、回転方向は相異なる。
【0019】
本発明の他の特徴によれば、前記第2領域は、互いに隣接する少なくとも2つの画素に対して連結されるように備えられる。
【0020】
本発明の他の特徴によれば、前記画素は、前記第1領域に配され、少なくとも一つの薄膜トランジスタを含む画素回路部と、少なくとも前記画素回路部を覆うように形成された第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上に前記画素回路部と電気的に連結されるように形成され、前記第1領域内に位置する第1電極と、前記第1電極と対向し、前記画素で少なくとも前記第1領域に形成された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介され、発光層を含む有機膜と、を備える。
【0021】
本発明の他の特徴によれば、前記第2電極は、前記第2領域に対応する位置に第1開口部を備える。
【0022】
本発明の他の特徴によれば、前記第2領域に対応する位置に複数の第2絶縁膜が備えられ、前記第2絶縁膜は、前記第2領域のうち少なくとも一部に対応する位置に第2開口部を備える。
【0023】
本発明の他の特徴によれば、前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜は、透明な物質からなる。
【0024】
本発明の他の特徴によれば、前記第1電極は、光透過電極で備えられ、前記第1電極は、前記画素回路部を遮蔽するように重畳して配される。
【0025】
本発明の他の特徴によれば、前記第1電極は、光反射電極として備えられ、前記第1電極は、前記画素回路部を遮蔽しないように重畳せずに配される。
【0026】
本発明の特徴は、後述する詳細な説明及び図面によりさらに明らかになる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の一実施形態によれば、透明表示素子に光学素子を配して、モードによって低電力で光透過率を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態による表示装置を概略的に示す断面図である。
【図2】図1に示した表示素子に含まれた画素の一実施形態を示す図面である。
【図3】図1に示した表示素子に含まれた画素の他の実施形態を示す図面である。
【図4】図2及び図3に示したサブ画素Pr、Pg、Pbのうちいずれか一つのサブ画素の断面を示す図面である。
【図5】本発明の他の実施形態による表示装置を概略的に示す断面図である。
【図6】図5に示した表示素子に含まれた画素の一実施形態を示す図面である。
【図7】図5に示した表示素子に含まれた画素の他の実施形態を示す図面である。
【図8】図6及び図7に示したサブ画素Pr、Pg、Pbのうちいずれか一つのサブ画素の断面を示す図面である。
【図9】本発明の一実施形態による表示装置の各モード別駆動を示す図面である。
【図10】本発明の一実施形態による表示装置の各モード別駆動を示す図面である。
【図11】本発明の一実施形態による表示装置の各モード別駆動を示す図面である。
【図12】本発明の一実施形態による表示装置の各モード別駆動を示す図面である。
【図13】本発明の他の実施形態による表示装置を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、多様な変換を加えることができ、色々な実施形態を持つことができるところ、特定実施形態を図面に例示して詳細な説明で詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態について限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変換、均等物ないし代替物を含むと理解されねばならない。本発明を説明するに際して関連する公知技術についての具体的な説明が本発明の趣旨を不明にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0030】
第1、第2などの用語は多様な構成要素の説明に使われるが、構成要素は用語により限定されてはならない。当該用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使われる。
【0031】
本出願で使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使われたものであり、本発明を限定するものではない。単数の表現は文脈上明らかに取り立てて想定しない限り、複数の表現を含む。本出願で、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在するということを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されねばならない。
【0032】
以下、添付した図面に図示された本発明に関する実施形態を参照して本発明の構成及び作用を詳細に説明する。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態による表示装置100を概略的に示す断面図である。
【0034】
図1を参照すれば、表示装置100は、外光の透過が可能な透明表示素子10上に、第1偏光板21、第1リターダー41、変換リターダー61及び第2偏光板22が備えられる。
【0035】
透明表示素子10は、背面発光する有機発光表示装置であり、第1基板1と、第1基板1上に備えられたディスプレイ部を密封する第2基板2と、を備える。ディスプレイ部は、複数の画素に区切られており、画素は、第1基板1の方向に光を放出する画素領域31、及び画素領域31に隣接して外光を透過する透過領域32を備える。
【0036】
透明表示素子10から順に、第1リターダー41と第1偏光板21とは、透明表示素子10が光を放出する第1基板1の外側に配される。第1偏光板21と第1リターダー41との組合せは、所定の方向に回転する円偏光を通過させることを特徴とする。すなわち、第1偏光板21と第1リターダー41との組合せにより、左円偏光または右円偏光のうちいずれかのみ通過させられ、表示装置100の前面で外光の反射を低減させて、ユーザが画像を鮮明に見られるようにできる。ここで、第1偏光板21は、入射する光を所定の方向に線形偏光させる線形偏光板であり、第1リターダー41は、入射する光を+1/4波長(+λ/4)ほど位相遅延させる位相遅延板である。
【0037】
透明表示素子10から順に、変換リターダー61と第2偏光板22とは、透明表示素子10が光を放出しない側である第2基板2の外側に配される。ここで、第2偏光板22は、入射する光を所定の方向に線形偏光させる線形偏光板である。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、表示装置100の第1偏光板21と第2偏光板22とが互いに同じ偏光軸を有し、他の実施形態によれば、表示装置100の第1偏光板21と第2偏光板22とが互いに異なる偏光軸を有する。これらの2つの実施形態で、後述する変換リターダー61の位相遅延値制御により低電力で外光の透過率を変換できる表示装置100を具現できるということが、本発明の一側面による特徴である。
【0039】
変換リターダー61は、入射される光を−1/4波長(−λ/4)ないし+1/4波長(+λ/4)の範囲内で位相遅延させる位相遅延板であり、位相遅延値を転換できることを特徴とする。変換リターダー61は、モードによって入射される光の位相を遅延させることを特徴とする。モードは、印加される電圧または電源によって変化させる。変換リターダー61としては、電場の印加によって液晶の配列が変わる液晶素子または、電源の印加によってエレクトロクロミック物質の状態が変化するエレクトロクロミック素子などが使われる。特に、液晶素子(LCD)は電圧差により反応するので、全体面積に対して均一な位相差の具現が可能であり、低電力で低コストであるという長所がある。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、表示装置100は、第1偏光板21、第1リターダー41、変換リターダー61及び第2偏光板22などの各種光学部材を含み、これらの各種光学部材により、外光の透過度を調節できることを特徴とする。従来の透明表示装置(透明表示素子)は、固定された外光に対する透過度を有していて、ユーザの必要に応じて表示装置の透過度を調節できないという短所がある。これを解決するために、透明表示装置の外側にシャッターなどの光透過度調節装置を配してもよいが、これは、第1に、電力の消費が大きいという短所があり、第2に、シャッターなどの装置によって透明表示装置の全般的な透過度が急減するという問題がある。シャッターの場合、電極、光学フィルム、基板などの多様な断面構成を有していて光の損失が多いので、光を透過するモードであっても約5%内外の透過度しか達成することができない。言い換えれば、透過度の調節のために透明表示装置にシャッターを配する場合、全般的な表示装置の透過度がシャッターによって急減するため、透明表示装置として機能するのも困難になる。しかし、本発明の一実施形態によれば、モードによって位相遅延値が調節される変換リターダー61及び各種光学部材の特有な配置により、シャッターなどの高電力の光透過度調節装置を配することなく、低電力で表示装置の透過率を調節できる。特に、光学部材は、従来のシャッターとは異なって、全般的な表示装置の透過度を低下させないため、表示装置100の真の透過モードを具現可能にする。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、表示装置100が光を透過する透過モードである時、画像が具現される側に位置したユーザが、第2基板2外側から第1基板1外側の方向に透過される第1外光51により、第2基板2の外側のイメージを観察できる。一方、画像が具現される反対側に位置したユーザも、第1基板1の外側から第2基板2の外側に透過される第2外光52により第1基板1の外側のイメージを観察できる。なお、第1外光51は、画像と同じ方向に出る外光であり、第2外光52は、第1外光51と方向が逆である外光である。
【0042】
また、表示装置100が光を透過しないブラックモードである時、画像が具現される側に位置するユーザは、第2基板2の外側のイメージを観察できない。一方、画像が具現される反対側に位置するユーザも第1基板1の外側のイメージを観察できない。各モードでの詳細な駆動は、図9ないし図12を参照して後述する。
【0043】
図2は、図1に示した透明表示素子10に含まれた画素の一実施形態を示す図面である。図3は、画素の他の実施形態を示す図面である。
【0044】
画素は、複数のサブ画素を含むことができ、例えば、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pg、青色サブ画素Pbを備える。
【0045】
各サブ画素Pr、Pg、Pbは、画素領域31及び透過領域32を備える。画素領域31には、画素回路部311及び発光部312が備えられ、画素回路部311と発光部312とは重畳しないように互いに隣接して配される。こうすることで、発光部312が第1基板1の方向に背面発光する時、画素回路部311により光経路が邪魔されることを防止できる。
【0046】
画素領域31に隣接して、外光を透過する透過領域32が配される。透過領域32は、図2に示したように、各サブ画素Pr、Pg、Pbに独立して備えられてもよく、図3に示したように、各サブ画素Pr、Pg、Pbにかけて互いに連結されるように備えられてもよい。すなわち、ディスプレイ部を全体的に見る時、画素は共通の透過領域32を介して、互いに離隔する複数の画素領域31を備える。図3による実施形態の場合、外光が透過される透過領域32の面積が広くなる効果があるため、ディスプレイ部全体の透過率を高めることができる。
【0047】
図3では、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pg及び青色サブ画素Pbの透過領域32がいずれも連結された形態を図示したが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pg及び青色サブ画素Pbのうち互いに隣接するいずれか2つのサブ画素の透過領域32のみ互いに連結されるように備えられてもよい。
【0048】
図4は、図2及び図3に図示されたサブ画素Pr、Pg、Pbのうちいずれか一つのサブ画素の断面を示す図面である。
【0049】
図4から分かるように、画素領域の画素回路部311には、薄膜トランジスタTFTが配されるが、図面に示したように、必ずしも一つの薄膜トランジスタTFTが配されるのに限定されるものではなく、この薄膜トランジスタTFTを含むピクセル回路が備えられてもよい。このピクセル回路には、薄膜トランジスタTFT以外にも複数の薄膜トランジスタ及びストレージキャパシタがさらに備えられ、これらと連結されたスキャンライン、データライン及びVddラインなどの配線がさらに備えられる。
【0050】
画素領域の発光部312には、発光素子である有機発光素子ELが配される。この有機発光素子ELは、ピクセル回路の薄膜トランジスタTFTと電気的に連結されている。
【0051】
まず、第1基板1上にはバッファ膜211が形成され、このバッファ膜211上に薄膜トランジスタTFTを備えるピクセル回路が形成される。
【0052】
バッファ膜211上には、半導体活性層212が形成される。バッファ膜211は、不純元素の浸透を防止して表面を平坦化する役割を行うものであり、かかる役割を行える多様な物質で形成される。一例として、バッファ膜211は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタンまたは窒化チタンなどの無機物や、ポリイミド、ポリエステル、アクリルなどの有機物またはこれらの積層体で形成される。なお、バッファ膜211は必須構成要素ではなく、必要に応じて備えられなくてもよい。
【0053】
半導体活性層212は、多結晶シリコンで形成されるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、酸化物半導体で形成されてもよい。例えば、G−I−Z−O層[(In2O3)a(Ga2O3)b(ZnO)c層](a、b、cは、それぞれa≧0、b≧0、c>0の条件を満たす実数)でありうる。このように半導体活性層212を酸化物半導体で形成する場合には、画素領域31のうち画素回路部311での光透過度がさらに高くなり、これにより、ディスプレイ部全体の外光透過度を上昇させる。
【0054】
半導体活性層212を覆うように、ゲート絶縁膜213がバッファ膜211上に形成され、ゲート絶縁膜213上にゲート電極214が形成される。
【0055】
ゲート電極214を覆うように、ゲート絶縁膜213上に層間絶縁膜215が形成される。この層間絶縁膜215上にソース電極216及びドレイン電極217が形成されて、それぞれ半導体活性層212とコンタクトホールを通じてコンタクトされる。
【0056】
前記のような薄膜トランジスタTFTの構造は必ずしも図示された形態に限定されるものではなく、多様な形態の薄膜トランジスタの構造が適用できることはいうまでもない。
【0057】
これらの薄膜トランジスタTFTを覆うように、パッシベーション膜218が形成される。パッシベーション膜218は、上面の平坦化した単一または複数層の絶縁膜になる。このパッシベーション膜218は、無機物及び/または有機物から形成される。パッシベーション膜218は、図4に示したように、画素領域31及び透過領域32をいずれも覆うように形成される。しかし、これに限定されず、図示しないが、透過領域32に対応する位置に開口部を備えることで、透過領域32の外光透過効率をさらに高めうる。
【0058】
パッシベーション膜218上には、薄膜トランジスタTFTと電気的に連結された、有機発光素子ELの第1電極221が形成される。第1電極221は、あらゆるサブピクセル別に独立したアイランド形態に形成される。第1電極221は、画素領域31内の発光部312に位置し、画素回路部311と重畳しないように配される。
【0059】
パッシベーション膜218及び第1電極221の一部の上には、有機及び/または無機絶縁物からなる画素定義膜219が形成される。画素定義膜219は、第1電極221のエッジを覆って中央部は露出させるように第3開口部219aを有する。なお、この画素定義膜219は、画素領域31を覆うように備えられるが、必ずしも画素領域31の全体を覆うように備えられるものではなく、少なくとも一部、特に、第1電極221のエッジを覆うようにすれば十分である。また、画素定義膜219は、透過領域32に対応する位置に第2開口部219bを備えることができる。画素定義膜219が透過領域32には位置しないため、透過領域32の外光透過効率がさらに高くなる。
【0060】
パッシベーション膜218と画素定義膜219とは、いずれも透明な物質からなる。絶縁膜を透明な物質から形成することで、透明表示素子10の外光透過効率はさらに向上する。
【0061】
第3開口部219aにより露出された第1電極221上には、有機膜223と第2電極222とが順に積層される。第2電極222は第1電極221と対向して、有機膜223と画素定義膜219とを覆い、画素領域31内に位置する。第2電極222は、少なくとも一部が画素領域31内に形成され、透過領域32に対応する位置に第1開口部222aを備える。第2電極222が透過領域32には位置しないため、透過領域32の外光透過効率がさらに向上する。なお、第1開口部222aと第2開口部219bとは、互いに連結される。
【0062】
有機膜223には、低分子または高分子有機膜が使われる。低分子有機膜を使用する場合、ホール注入層(HIL:Hole Injection Layer)、ホール輸送層(HTL:Hole Transport Layer)、発光層(EML:Emission Layer)、電子輸送層(ETL:Electron Transport Layer)、電子注入層(EIL:Electron Injection Layer)などが単一あるいは複合の構造で積層して形成され、使用可能な有機材料も銅フタロシアニン(CuPc)、N,N−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(NPB)、トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)などを初めとして多様に適用できる。これら低分子有機膜は、真空蒸着の方法で形成される。この時、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、及び電子注入層は共通層であり、赤色、緑色、青色のピクセルに共通して適用される。
【0063】
第1電極221はアノード電極の機能を行い、第2電極222はカソード電極の機能を行うが、もちろん、これら第1電極221と第2電極222との極性は互いに逆になってもよい。
【0064】
本発明の一実施形態によれば、第1電極221は透明電極になり、第2電極222は反射電極になる。第1電極221は、ITO、IZO、ZnO、またはIn2O3などの透明な導電性物質を含んで備えられる。そして、第2電極222は、すなわち、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、またはCaなどで形成される。したがって、有機発光素子ELは、第1電極221の方向に画像を具現する背面発光型になる。この場合、第2電極222もディスプレイ部全体に電圧降下が起きないように十分な厚さに形成可能になって、大面積表示装置100に適用するのに十分である。
【0065】
図5は、本発明の他の実施形態による表示装置100を概略的に示す断面図である。
【0066】
図5に示した表示装置100’は、図1に示した表示装置100とは異なって、透明表示素子10が前面発光する有機発光表示装置でありうる。したがって、透明表示素子10から順に第1リターダー41及び第1偏光板21は、透明表示素子10が光を放出する第2基板2の外側に配される。一方、透明表示素子10から順に変換リターダー61及び第2偏光板22は、透明表示素子10が光を放出しない側である第1基板1の外側に配される。その他の構成要素は、前述した図1の実施形態の対応する構成要素と、その機能が同一または類似しているので、これについての具体的な説明は省略する。
【0067】
図6は、図5に示した透明表示素子10に含まれた画素の一実施形態を示す図面である。図7は、画素の他の実施形態を示す図面である。
【0068】
図6及び図7に示した画素は、図2及び図3に示した画素とは異なり、画素領域31に含まれる画素回路部311と発光部312とが互いに重畳して配される。発光部312が第2基板2の方向に前面発光するので、画素回路部311と発光部312とが互いに重畳してもよい。発光部312がピクセル回路を含む画素回路部311を覆うことで、ピクセル回路による光干渉を排除できる。その他の構成要素は、前述した図2及び図3の実施形態の対応する構成要素と、その機能が同一または類似しているので、これに対する具体的な説明は省略する。
【0069】
なお、透過領域32は、図6に示したように、各サブ画素Pr、Pg、Pbに独立して備えられてもよく、図7に示したように、各サブ画素Pr、Pg、Pbにかけて互いに連結されるように備えられてもよい。
【0070】
図8は、図6及び図7に示したサブ画素Pr、Pg、Pbのうちいずれか一つのサブ画素の断面を示す図面である。
【0071】
図8に示したように、画素回路部311には薄膜トランジスタTFTが配され、発光部312には発光素子である有機発光素子ELが配される。
【0072】
第1基板1上にバッファ膜211が形成され、バッファ膜211上に半導体活性層212が形成され、半導体活性層212上にゲート絶縁膜213、ゲート電極214、層間絶縁膜215が形成される。層間絶縁膜215上にはソース/ドレイン電極216、217が形成される。かかる薄膜トランジスタTFTを覆うように、絶縁膜の一種であるパッシベーション膜218が形成される。パッシベーション膜218は、図8に示したように、画素領域31と透過領域32とをいずれも覆うように形成される。しかし、これに限定されるものではなく、図示しないが、パッシベーション膜218は、透過領域32に対応する位置に開口部を備えることで透過領域の外光透過効率をさらに向上させる。
【0073】
パッシベーション膜218上には、薄膜トランジスタTFTと電気的に連結された有機発光素子ELの第1電極221が形成される。第1電極221は画素領域31内の発光部312に位置し、画素回路部311と重畳して画素回路部311を覆うように配される。
【0074】
パッシベーション膜218上には、有機及び/または無機絶縁物からなる画素定義膜219が形成される。
【0075】
画素定義膜219は、第1電極221のエッジを覆って中央部は露出させるように第3開口部219aを有する。一方、この画素定義膜219は、画素領域31を覆うように備えられるが、必ずしも画素領域31の全体を覆うように備えられるものではなく、少なくとも一部、特に、第1電極221のエッジを覆うようにすれば十分である。この画素定義膜219は、図8に示したように、透過領域32に対応する位置に第2開口部219bを備える。画素定義膜219が透過領域32には位置しないため、透過領域32の外光透過効率がさらに向上する。
【0076】
パッシベーション膜218と画素定義膜219とは、いずれも透明な物質からなる。絶縁膜を透明な物質から形成することで、透明表示素子10の外光透過効率はさらに向上する。
【0077】
第3開口部219aにより露出された第1電極221上には、有機膜223と第2電極222とが順に積層される。第2電極222は、少なくとも一部が画素領域31内に形成され、図8に示したように、透過領域32に対応する位置に第1開口部222aを備える。第2電極222が透過領域32には位置しないため、透過領域32の外光透過効率がさらに向上する。なお、第1開口部222aと第2開口部219bとは互いに連結される。
【0078】
図8に示した本発明の一実施形態によれば、第1電極221は透明な導電体と反射膜との積層構造で形成され、第2電極222は、半反射・半透過電極に形成できる。透明な導電体は、仕事関数の高いITO、IZO、ZnO、またはIn2O3などからなる。一方、反射膜は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、Mo及びこれらの合金からなる群から選択された少なくとも一つの金属を含むことを特徴とする。また、第1電極221は、画素領域31内に形成される。
【0079】
第2電極222は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、Moまたはこれらの合金で形成される。第2電極222は、透過率が高くなるように100ないし300Å厚さの薄膜で形成することが望ましい。したがって、有機発光素子ELは、第2電極222の方向に画像を具現する前面発光型になる。
【0080】
図9ないし図12は、本発明の一実施形態による表示装置100の各モード別駆動を示す図面である。
【0081】
表示装置100は、2つのモードに大別されるが、各モードは、変換リターダー61の位相遅延値によって、表示装置100が光をどの位透過するかによって区分する。以下では、変換リターダー61が液晶素子である場合を仮定し、変換リターダー61の位相遅延値は、変換リターダー61に印加される電源または電圧によって決定される。以下、変換リターダー61の位相遅延値の変化による各モードにより表示装置100に入射された外光の透過率について説明する。この時、偏光板の組み合わせの違いによって、図9及び図10の実施形態と図11及び図12の実施形態とに大別して説明する。
【0082】
図9及び図12は、ブラックモードを示したものであり、図10及び図11は、透過モードを示したものである。図9ないし図12では、ジョーンズ行列(Jones matrix)の演算を参照して、各光学部材を通過する光の透過特性について説明する。また、図9ないし図12では、画像の方向と逆方向に進む光、すなわち、前面入射光である第2外光52について説明した後、画像の方向と同方向に進む光、すなわち、背面入射光である第1外光51について順に説明する。
【0083】
まず、図9及び図10は、第1偏光板21及び第2偏光板22が同方向の偏光軸を有する実施形態に関する。
【0084】
図9を参照すれば、表示装置100が前面入射光及び背面入射光をそれぞれ透過しないブラックモードを示されている。
【0085】
【表1】
【0086】
次に、前述した光学部材の組合せによる各外光の透過について説明する。
【0087】
透明表示素子10では、D1の方向に画像50が放出されて、ユーザは画像50を見ることができる。
【0088】
第2外光52は、行列値が(Ex=1,Ey=0)を有するように表現され、第1偏光板21を過ぎながら第2外光52は線形偏光された第2a外光52aになる。第2a外光52aは、第1リターダー41を過ぎながら位相が+1/4波長(+λ/4)ほど遅延した第2b外光52bになる。第2b外光52bは、変換リターダー61aを過ぎながら位相が再び+1/4波長(+λ/4)ほど遅延した第2c外光52cになる。第2c外光52cは、第2偏光板22aを過ぎながら線形偏光されるが、最終的な行列値が(E’x=0,E’y=0)である。言い換えれば、図9の表示装置で、第2外光52はD2の方向に透過されなくなる。これを数式で表現すれば、次の通りである。
【0089】
【数1】
【0090】
第1外光51は、行列値が(Ex=1,Ey=0)を有するように表現され、第2偏光板22aを過ぎながら、第1外光51は線形偏光された第1a外光51aになる。第1a外光51aは、変換リターダー61aを過ぎながら、位相が+1/4波長(+λ/4)ほど遅延した第1b外光51bになる。第1b外光51bは、第1リターダー41を過ぎながら、位相が再び+1/4波長(+λ/4)ほど遅延した第1c外光51cになる。第1c外光51cは第1偏光板21を過ぎながら、線形偏光されるが、最終的な行列値が(E’x=0,E’y=0)である。言い換えれば、図9の表示装置で、第1外光51はD1の方向に透過されなくなる。これを数式で表現すれば、次の通りである。
【0091】
【数2】
【0092】
結果的に、図9のように、第1偏光板21及び第2偏光板22aが同方向の偏光軸を有する時、変換リターダー61aが第1リターダー41と同じ位相遅延値を有するように調節される表示装置の場合、第1外光51及び第2外光52の透過率は0(zero)になる。すなわち、変換リターダー61の位相遅延値を変換して表示装置100のブラックモードを容易に具現できる。
【0093】
図10を参照すれば、表示装置100が前面入射光及び背面入射光をそれぞれ約50%ほど透過する透過モードを示すものである。
【0094】
【表2】
【0095】
透明表示素子10ではD1の方向に画像50が放出されて、ユーザは画像50を見ることができる。
【0096】
第2外光52は、行列値が(Ex=1,Ey=0)を有するように表現され、第1偏光板21を過ぎながら、第2外光52は線形偏光された第2a外光52aになる。第2a外光52aは第1リターダー41を過ぎながら、位相が+1/4波長(+λ/4)ほど遅延した第2b外光52bになる。第2b外光52bは、変換リターダー61bを過ぎながら、位相が再び−1/4波長(−λ/4)ほど遅延した第2c外光52cになる。第2c外光52cは、第2偏光板22aを過ぎながら線形偏光されるが、最終的な行列値が(E’x=0.5,E’y=0.5)である。言い換えれば、図10の表示装置で第2外光52は、D2の方向に約50%ほど透過される。これを数式で表現すれば、次の通りである。
【0097】
【数3】
【0098】
第1外光51は、行列値が(Ex=1,Ey=0)を有するように表現され、第2偏光板22aを過ぎながら、第1外光51は線形偏光された第1a外光51aになる。第1a外光51aは、変換リターダー61bを過ぎながら、位相が−1/4波長(−λ/4)ほど遅延した第1b外光51bになる。第1b外光51bは、第1リターダー41を過ぎながら、位相が再び+1/4波長(+λ/4)ほど遅延した第1c外光51cになる。第1c外光51cは、第1偏光板21を過ぎながら線形偏光されるが、最終的な行列値が(E’x=0.5,E’y=0.5)である。言い換えれば、図10の表示装置で、第1外光51はD1の方向に約50%ほど透過される。これを数式で表現すれば、次の通りである。
【0099】
【数4】
【0100】
結果的に、図10のように、第1偏光板21及び第2偏光板22aが同じ方向の偏光軸を有する時、変換リターダー61が第1リターダー41と互いに異なる位相遅延値を有するように制御することにより、第1外光51及び第2外光52の透過率は約50%になる。すなわち、変換リターダー61の位相遅延値を変換して表示装置の透過モードを容易に具現できる。さらに、本発明の実施形態によれば、透過率が約50%ほどであって、透過モードで高い透過率を具現できる。
【0101】
次いで、図11及び図12は、第1偏光板21及び第2偏光板22が互いに直交する方向の偏光軸を有する実施形態に関する。
【0102】
図11を参照すれば、表示装置100が前面入射光及び背面入射光をそれぞれ50%ほど透過する透過ブラックモードを示している。
【0103】
【表3】
【0104】
透明表示素子10では、D1の方向に画像50が放出されて、ユーザは画像50を見ることができる。
【0105】
第2外光52は、行列値が(Ex=1,Ey=0)を有するように表現され、第1偏光板21を過ぎながら、第2外光52は線形偏光された第2a外光52aになる。第2a外光52aは、第1リターダー41を過ぎながら、位相が+1/4波長(+λ/4)ほど遅延した第2b外光52bになる。第2b外光52bは、変換リターダー61aを過ぎながら、位相が再び+1/4波長(+λ/4)ほど遅延した第2c外光52cになる。第2c外光52cは、第2偏光板22bを過ぎながら、第1偏光板21と異なる方向に線形偏光されるが、最終的な行列値が(E’x=0.5,E’y=0.5)である。言い換えれば、図11の表示装置で第2外光52は、D2の方向に約50%ほど透過される。これを数式で表現すれば、次の通りである。
【0106】
【数5】
【0107】
第1外光51は、行列値が(Ex=1,Ey=0)を持つように表現され、第2偏光板22bを過ぎながら、第1外光51は線形偏光された第1a外光51aになる。第1a外光51aは、変換リターダー61aを過ぎながら、位相が+1/4波長(+λ/4)ほど遅延した第1b外光51bになる。第1b外光51bは、第1リターダー41を過ぎながら、位相が再び+1/4波長(+λ/4)ほど遅延した第1c外光51cになる。第1c外光51cは、第1偏光板21を過ぎながら線形偏光されるが、最終的な行列値が(E’x=0.5,E’y=0.5)である。言い換えれば、図11の表示装置で第1外光51は、D1の方向に約50%ほど透過される。これを数式で表現すれば、次の通りである。
【0108】
【数6】
【0109】
結果的に、図11のように、第1偏光板21及び第2偏光板22aが相異なる方向の偏光軸を有する時、変換リターダー61が第1リターダー41と同じ位相遅延値を有するように制御することにより、第1外光51及び第2外光52の透過率は約50%になる。すなわち、変換リターダー61の位相遅延値を変換して表示装置の透過モードを容易に具現できる。さらに、本発明の実施形態によれば、透過率が約50%ほどであって、透過モードで高い透過率を具現できる。
【0110】
図12を参照すれば、表示装置が前面入射光及び背面入射光をそれぞれ透過しないブラックモードを示している。
【0111】
【表4】
【0112】
透明表示素子10では、D1の方向に画像50が放出されて、ユーザは画像50を見ることができる。
【0113】
第2外光52は、行列値が(Ex=1,Ey=0)を有するように表現され、第1偏光板21を過ぎながら、第2外光52は線形偏光された第2a外光52aになる。第2a外光52aは、第1リターダー41を過ぎながら、位相が+1/4波長(+λ/4)ほど遅延した第2b外光52bになる。第2b外光52bは、変換リターダー61bを過ぎながら、位相が再び−1/4波長(−λ/4)ほど遅延した第2c外光52cになる。第2c外光52cは、第2偏光板22aを過ぎながら線形偏光されるが、最終的な行列値が(E’x=0,E’y=0)である。言い換えれば、図12の表示装置で第2外光52は、D2の方向に透過されなくなる。これを数式で表現すれば、次の通りである。
【0114】
【数7】
【0115】
第1外光51は、行列値が(Ex=1,Ey=0)を有するように表現され、第2偏光板22aを過ぎながら、第1外光51は線形偏光された第1a外光51aになる。第1a外光51aは、変換リターダー61bを過ぎながら、位相が−1/4波長(−λ/4)ほど遅延した第1b外光51bになる。第1b外光51bは、第1リターダー41を過ぎながら、位相が再び+1/4波長(+λ/4)ほど遅延した第1c外光51cになる。第1c外光51cは、第1偏光板21を過ぎながら線形偏光されるが、最終的な行列値が(E’x=0,E’y=0)である。言い換えれば、図12の表示装置で、第1外光51はD1の方向に透過されなくなる。これを数式で表現すれば、次の通りである。
【0116】
【数8】
【0117】
結果的に、図12のように、第1偏光板21及び第2偏光板22が互いに異なる方向の偏光軸を持つ表示装置の場合、変換リターダー61が第1リターダー41と互いに異なる位相遅延値を持つように制御することにより、第1外光51及び第2外光52の透過率は0(zero)になる。すなわち、変換リターダー61の位相遅延値を変換して該当表示装置のブラックモードを容易に具現できる。
【0118】
以上のように、本実施形態によれば、シャッターなどの高電力及び透過率を大きく低下させる素子を配する必要なく、偏光板とリターダーなどの無電力、低電力及び透過率を低下させない光学部材を使用して表示装置の透過率を制御できるという特徴がある。これは、光学部材の組み合わせにより光の位相及び偏光方向を変化させることで可能となる。
【0119】
図13は、本発明の他の実施形態による表示装置100を概略的に示す断面図である。
【0120】
図13を参照すれば、表示装置100は、図1の表示装置100と類似しており、下から順に第1偏光板21、第1リターダー41、透明表示素子10、変換素子65及び第2偏光板22を備える。ここで、変換素子65は、図1及び図5の変換リターダー61に対応する位相遅延板である。変換素子65は、第2リターダー62及び液晶膜64を備え、第2リターダー62は透明表示素子10と液晶膜64との間に配され、液晶膜64は第2リターダー62と第2偏光板22との間に配されることを特徴とする。液晶膜64は、一般的な液晶モニタで使用される、低コストで取得の容易な液晶膜64を採用できる。液晶膜64は、入射される光を0ないし+1/2波長(+λ/2)ほど遅延させる位相遅延板であるか、入射される光を−1/2波長(−λ/2)ないし0ほど遅延させる位相遅延板でありうる。一方、第2リターダー62は、入射される光を+1/4波長(+λ/4)ほど遅延させる位相遅延板であるか、入射される光を−1/4波長(−λ/4)ほど遅延させる位相遅延板でありうる。その外に、図13に示した他の構成要素の場合、図1及び図5で説明した構成要素と対応するので、重なる説明は省略する。
【0121】
図13の変換素子65は、液晶膜64と第2リターダー62との組合せにより、図1及び図5に示した変換リターダー61のように、入射される光を−1/4波長(−λ/4)ないし+1/4波長(+λ/4)の範囲内で位相遅延させる、位相遅延値を転換できる位相遅延板(switchable retarder)になりうる。
【0122】
例えば、第2リターダー62が入射される光を−1/4波長(−λ/4)ほど遅延させる位相遅延板であり、同時に液晶膜64が入射される光を0ないし+1/2波長(+λ/2)ほど遅延させる位相遅延板の場合を説明する。この場合、第2リターダー62と液晶膜64との組合せである変換素子65は、位相遅延値が(−λ/4)+(0)=(−λ/4)または、(−λ/4)+(+λ/2)=(+λ/4)の範囲内になる。すなわち、図1及び図5の変換リターダー61の位相遅延値の範囲と同一である。言い換えれば、変換素子65は、変換リターダー61の代わりに使用できる。
【0123】
他の例として、第2リターダー62が入射される光を+1/4波長(+λ/4)ほど遅延させる位相遅延板であり、同時に、液晶膜64が入射される光を−1/2波長(−λ/2)ないし0ほど遅延させる位相遅延板である場合を説明する。この場合、第2リターダー62と液晶膜64との組合せである変換素子は、位相遅延値が(+λ/4)+(−λ/2)=(−λ/4)または、(+λ/4)+(0)=(+λ/4)の範囲内になる。すなわち、図1及び図5の変換リターダー61の位相遅延値の範囲と同一である。言い換えれば、変換素子65は、変換リターダー61の代わりに使用できる。
【0124】
以上のように、本実施形態によれば、液晶素子またはエレクトロクロミック素子などの変換リターダー61を使用しなくても、リターダーや液晶膜などの簡単な光学部材の組合せによっても、モードによって透過率を調節する表示素子を具現できるという長所がある。一方、図13の表示装置100’’も、第1偏光板21及び第2偏光板22の組合せによって、互いに同じ偏光軸を有する場合に、液晶膜64に印加される電圧により表示モードとブラックモードとを、図9及び図10と同一に具現できる。さらに他の実施形態として、第1偏光板21及び第2偏光板22が互いに直交する偏光軸を有する場合に、液晶膜64に印加される電圧により表示モードとブラックモードとを、図11及び図12と同一に具現できる。これは重なる説明であるため、記述は省略する。
【0125】
一方、図13には図示していないが、本実施形態は、図5のように、透明表示素子10が前面発光素子である場合にも適用できる。そしてこれに限定されず、本発明のあらゆる実施形態は、透明表示素子10が両面発光素子である場合にも同一に適用できる。
【0126】
なお、第1位相は(+λ/4)であり、第2位相は(−λ/4)(または+λ3/4)、第3位相は0、第4位相は(+λ/2)、第5位相は(−λ/2)、第6位相は0でありうる。また第1位相は90°、第2位相は−90°(または270°)、第3位相及び第6位相は0°(または360°)、第4位相及び第5位相は180°でありうる。しかし、これは説明の便宜のための一実施形態であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0127】
本発明は、添付した図面に図示された一実施形態を参考として説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の保護範囲は特許請求の範囲のみによって定められねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0128】
本発明は、表示装置関連の技術分野に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0129】
10 透明表示素子、
21、22 第1偏光板、第2偏光板、
31 画素領域(第1領域)、
32 透過領域(第2領域)、
41 第1リターダー、
51 第1外光、
52 第2外光、
61 変換リターダー、
62 第2リターダー、
64 液晶膜、
100 表示装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に係り、さらに詳細には、モードによって光透過率を変化させる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示装置は、視野角、コントラスト、応答速度、消費電力などの側面での特性に優れるため、MP3プレーヤーや携帯電話などの個人用携帯機器からテレビ(TV)に至るまで応用範囲が拡大しつつある。これらの有機発光表示装置は、自発光特性を有しており、液晶表示装置とは異なって別途の光源を必要としないため、厚さ及び重量を低減させる。また、有機発光表示装置は、装置内部の薄膜トランジスタや有機発光素子を透明に作って、画素領域とは別に透過領域(または透過窓)を形成することで、透明表示装置として形成できる。
【0003】
ところが、これらの透明表示装置は、通常固定された透過率のみ持っていて、ユーザが表示装置の透過率を調節しようとする場合にその欲求を満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一実施形態は、透明表示素子に光学素子を配して、モードによって低電力で光透過率を制御する表示装置を提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記のような目的を達成するために、本発明は、少なくとも一面に光を放出する第1領域、及び前記第1領域と隣接して外光を透過する第2領域を含む画素を備える透明表示素子と、前記透明表示素子の前記一面に対応する方向に配されて、前記外光を線形偏光させて透過する第1偏光板と、前記第1偏光板と前記透明表示素子の前記一面との間に配されて、前記外光の位相を遅延させて透過する第1リターダーと、前記透明表示素子の前記一面の反対側である他面に対応する方向に配されて、前記外光を線形偏光させて透過する第2偏光板と、前記第2偏光板と前記透明表示素子の前記他面との間に配されて、印加される電源により前記外光の波長を第1位相ないし第2位相の範囲で遅延させて透過する変換リターダーと、を備える光透過率制御の可能な表示装置を提供する。
【0006】
本発明の他の特徴によれば、前記第1偏光板と前記第2偏光板とは、互いに同方向の偏光軸を有する。
【0007】
本発明の他の特徴によれば、前記第1リターダーは、前記外光の波長を前記第1位相ほど遅延させる波長板である。
【0008】
本発明の他の特徴によれば、前記変換リターダーに第1電源を印加して前記外光の波長を前記第1位相ほど遅延させる時、前記表示装置は、前記表示装置に入射される前記外光を透過せず、ここで、前記第1位相と前記第2位相とは、絶対値は同一であるが、回転方向は相異なる。
【0009】
本発明の他の特徴によれば、前記変換リターダーに第2電源を印加して前記外光の波長を前記第2位相ほど遅延させる時、前記表示装置は、前記表示装置に入射される前記外光を透過し、ここで、前記第1位相と前記第2位相とは、絶対値は同一であるが、回転方向は相異なる。
【0010】
本発明の他の特徴によれば、前記第1偏光板と前記第2偏光板とは、互いに直交する方向の偏光軸を有する。
【0011】
本発明の他の特徴によれば、前記第1リターダーは、前記外光の波長を前記第1位相ほど遅延させる波長板である。
【0012】
本発明の他の特徴によれば、前記変換リターダーに第1電源を印加して前記外光の波長を前記第1位相ほど遅延させる時、前記表示装置は、前記表示装置に入射される前記外光を透過し、ここで、前記第1位相と前記第2位相とは、絶対値は同一であるが、回転方向は相異なる。
【0013】
本発明の他の特徴によれば、前記変換リターダーに第2電源を印加して前記外光の波長を前記第2位相ほど遅延させる時、前記表示装置は、前記表示装置に入射される前記外光を透過せず、ここで、前記第1位相と前記第2位相とは、絶対値は同一であるが、回転方向は相異なる。
【0014】
本発明の他の特徴によれば、前記変換リターダーは、第2リターダー及び液晶膜を備え、前記第2リターダーは、前記透明表示素子と前記液晶膜との間に配され、前記液晶膜は、前記第2リターダーと前記第2偏光板との間に配され、印加される電圧により前記外光の波長を所定の範囲で遅延させる。
【0015】
本発明の他の特徴によれば、前記第1偏光板と前記第2偏光板とは、互いに同方向の偏光軸を持ち、前記第1リターダーは、前記外光の波長を前記第1位相ほど遅延させる波長板である。
【0016】
本発明の他の特徴によれば、前記第1偏光板と前記第2偏光板とは、互いに直交する方向の偏光軸を有し、前記第1リターダーは、前記外光の波長を前記第1位相ほど遅延させる波長板である。
【0017】
本発明の他の特徴によれば、前記第2リターダーは、前記外光の波長を前記第2位相ほど遅延させる波長板であり、前記液晶膜は、印加される電圧により前記外光の波長を、第3位相ないし第4位相間の範囲で遅延させ、ここで、前記第3位相と前記第2位相との和は前記第2位相であり、前記第4位相と前記第2位相との和は前記第1位相であり、前記第1位相と前記第2位相とは、絶対値は同一であるが、回転方向は相異なる。
【0018】
本発明の他の特徴によれば、前記第2リターダーは、前記外光の波長を前記第1位相ほど遅延させる波長板であり、前記液晶膜は、印加される電圧により前記外光の波長を第5位相ないし第6位相間の範囲で遅延させ、ここで、前記第5位相と前記第1位相との和は前記第2位相であり、前記第6位相と前記第1位相との和は前記第1位相であり、前記第1位相と前記第2位相とは、絶対値は同一であるが、回転方向は相異なる。
【0019】
本発明の他の特徴によれば、前記第2領域は、互いに隣接する少なくとも2つの画素に対して連結されるように備えられる。
【0020】
本発明の他の特徴によれば、前記画素は、前記第1領域に配され、少なくとも一つの薄膜トランジスタを含む画素回路部と、少なくとも前記画素回路部を覆うように形成された第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上に前記画素回路部と電気的に連結されるように形成され、前記第1領域内に位置する第1電極と、前記第1電極と対向し、前記画素で少なくとも前記第1領域に形成された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介され、発光層を含む有機膜と、を備える。
【0021】
本発明の他の特徴によれば、前記第2電極は、前記第2領域に対応する位置に第1開口部を備える。
【0022】
本発明の他の特徴によれば、前記第2領域に対応する位置に複数の第2絶縁膜が備えられ、前記第2絶縁膜は、前記第2領域のうち少なくとも一部に対応する位置に第2開口部を備える。
【0023】
本発明の他の特徴によれば、前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜は、透明な物質からなる。
【0024】
本発明の他の特徴によれば、前記第1電極は、光透過電極で備えられ、前記第1電極は、前記画素回路部を遮蔽するように重畳して配される。
【0025】
本発明の他の特徴によれば、前記第1電極は、光反射電極として備えられ、前記第1電極は、前記画素回路部を遮蔽しないように重畳せずに配される。
【0026】
本発明の特徴は、後述する詳細な説明及び図面によりさらに明らかになる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の一実施形態によれば、透明表示素子に光学素子を配して、モードによって低電力で光透過率を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態による表示装置を概略的に示す断面図である。
【図2】図1に示した表示素子に含まれた画素の一実施形態を示す図面である。
【図3】図1に示した表示素子に含まれた画素の他の実施形態を示す図面である。
【図4】図2及び図3に示したサブ画素Pr、Pg、Pbのうちいずれか一つのサブ画素の断面を示す図面である。
【図5】本発明の他の実施形態による表示装置を概略的に示す断面図である。
【図6】図5に示した表示素子に含まれた画素の一実施形態を示す図面である。
【図7】図5に示した表示素子に含まれた画素の他の実施形態を示す図面である。
【図8】図6及び図7に示したサブ画素Pr、Pg、Pbのうちいずれか一つのサブ画素の断面を示す図面である。
【図9】本発明の一実施形態による表示装置の各モード別駆動を示す図面である。
【図10】本発明の一実施形態による表示装置の各モード別駆動を示す図面である。
【図11】本発明の一実施形態による表示装置の各モード別駆動を示す図面である。
【図12】本発明の一実施形態による表示装置の各モード別駆動を示す図面である。
【図13】本発明の他の実施形態による表示装置を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、多様な変換を加えることができ、色々な実施形態を持つことができるところ、特定実施形態を図面に例示して詳細な説明で詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態について限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変換、均等物ないし代替物を含むと理解されねばならない。本発明を説明するに際して関連する公知技術についての具体的な説明が本発明の趣旨を不明にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0030】
第1、第2などの用語は多様な構成要素の説明に使われるが、構成要素は用語により限定されてはならない。当該用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使われる。
【0031】
本出願で使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使われたものであり、本発明を限定するものではない。単数の表現は文脈上明らかに取り立てて想定しない限り、複数の表現を含む。本出願で、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在するということを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されねばならない。
【0032】
以下、添付した図面に図示された本発明に関する実施形態を参照して本発明の構成及び作用を詳細に説明する。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態による表示装置100を概略的に示す断面図である。
【0034】
図1を参照すれば、表示装置100は、外光の透過が可能な透明表示素子10上に、第1偏光板21、第1リターダー41、変換リターダー61及び第2偏光板22が備えられる。
【0035】
透明表示素子10は、背面発光する有機発光表示装置であり、第1基板1と、第1基板1上に備えられたディスプレイ部を密封する第2基板2と、を備える。ディスプレイ部は、複数の画素に区切られており、画素は、第1基板1の方向に光を放出する画素領域31、及び画素領域31に隣接して外光を透過する透過領域32を備える。
【0036】
透明表示素子10から順に、第1リターダー41と第1偏光板21とは、透明表示素子10が光を放出する第1基板1の外側に配される。第1偏光板21と第1リターダー41との組合せは、所定の方向に回転する円偏光を通過させることを特徴とする。すなわち、第1偏光板21と第1リターダー41との組合せにより、左円偏光または右円偏光のうちいずれかのみ通過させられ、表示装置100の前面で外光の反射を低減させて、ユーザが画像を鮮明に見られるようにできる。ここで、第1偏光板21は、入射する光を所定の方向に線形偏光させる線形偏光板であり、第1リターダー41は、入射する光を+1/4波長(+λ/4)ほど位相遅延させる位相遅延板である。
【0037】
透明表示素子10から順に、変換リターダー61と第2偏光板22とは、透明表示素子10が光を放出しない側である第2基板2の外側に配される。ここで、第2偏光板22は、入射する光を所定の方向に線形偏光させる線形偏光板である。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、表示装置100の第1偏光板21と第2偏光板22とが互いに同じ偏光軸を有し、他の実施形態によれば、表示装置100の第1偏光板21と第2偏光板22とが互いに異なる偏光軸を有する。これらの2つの実施形態で、後述する変換リターダー61の位相遅延値制御により低電力で外光の透過率を変換できる表示装置100を具現できるということが、本発明の一側面による特徴である。
【0039】
変換リターダー61は、入射される光を−1/4波長(−λ/4)ないし+1/4波長(+λ/4)の範囲内で位相遅延させる位相遅延板であり、位相遅延値を転換できることを特徴とする。変換リターダー61は、モードによって入射される光の位相を遅延させることを特徴とする。モードは、印加される電圧または電源によって変化させる。変換リターダー61としては、電場の印加によって液晶の配列が変わる液晶素子または、電源の印加によってエレクトロクロミック物質の状態が変化するエレクトロクロミック素子などが使われる。特に、液晶素子(LCD)は電圧差により反応するので、全体面積に対して均一な位相差の具現が可能であり、低電力で低コストであるという長所がある。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、表示装置100は、第1偏光板21、第1リターダー41、変換リターダー61及び第2偏光板22などの各種光学部材を含み、これらの各種光学部材により、外光の透過度を調節できることを特徴とする。従来の透明表示装置(透明表示素子)は、固定された外光に対する透過度を有していて、ユーザの必要に応じて表示装置の透過度を調節できないという短所がある。これを解決するために、透明表示装置の外側にシャッターなどの光透過度調節装置を配してもよいが、これは、第1に、電力の消費が大きいという短所があり、第2に、シャッターなどの装置によって透明表示装置の全般的な透過度が急減するという問題がある。シャッターの場合、電極、光学フィルム、基板などの多様な断面構成を有していて光の損失が多いので、光を透過するモードであっても約5%内外の透過度しか達成することができない。言い換えれば、透過度の調節のために透明表示装置にシャッターを配する場合、全般的な表示装置の透過度がシャッターによって急減するため、透明表示装置として機能するのも困難になる。しかし、本発明の一実施形態によれば、モードによって位相遅延値が調節される変換リターダー61及び各種光学部材の特有な配置により、シャッターなどの高電力の光透過度調節装置を配することなく、低電力で表示装置の透過率を調節できる。特に、光学部材は、従来のシャッターとは異なって、全般的な表示装置の透過度を低下させないため、表示装置100の真の透過モードを具現可能にする。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、表示装置100が光を透過する透過モードである時、画像が具現される側に位置したユーザが、第2基板2外側から第1基板1外側の方向に透過される第1外光51により、第2基板2の外側のイメージを観察できる。一方、画像が具現される反対側に位置したユーザも、第1基板1の外側から第2基板2の外側に透過される第2外光52により第1基板1の外側のイメージを観察できる。なお、第1外光51は、画像と同じ方向に出る外光であり、第2外光52は、第1外光51と方向が逆である外光である。
【0042】
また、表示装置100が光を透過しないブラックモードである時、画像が具現される側に位置するユーザは、第2基板2の外側のイメージを観察できない。一方、画像が具現される反対側に位置するユーザも第1基板1の外側のイメージを観察できない。各モードでの詳細な駆動は、図9ないし図12を参照して後述する。
【0043】
図2は、図1に示した透明表示素子10に含まれた画素の一実施形態を示す図面である。図3は、画素の他の実施形態を示す図面である。
【0044】
画素は、複数のサブ画素を含むことができ、例えば、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pg、青色サブ画素Pbを備える。
【0045】
各サブ画素Pr、Pg、Pbは、画素領域31及び透過領域32を備える。画素領域31には、画素回路部311及び発光部312が備えられ、画素回路部311と発光部312とは重畳しないように互いに隣接して配される。こうすることで、発光部312が第1基板1の方向に背面発光する時、画素回路部311により光経路が邪魔されることを防止できる。
【0046】
画素領域31に隣接して、外光を透過する透過領域32が配される。透過領域32は、図2に示したように、各サブ画素Pr、Pg、Pbに独立して備えられてもよく、図3に示したように、各サブ画素Pr、Pg、Pbにかけて互いに連結されるように備えられてもよい。すなわち、ディスプレイ部を全体的に見る時、画素は共通の透過領域32を介して、互いに離隔する複数の画素領域31を備える。図3による実施形態の場合、外光が透過される透過領域32の面積が広くなる効果があるため、ディスプレイ部全体の透過率を高めることができる。
【0047】
図3では、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pg及び青色サブ画素Pbの透過領域32がいずれも連結された形態を図示したが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pg及び青色サブ画素Pbのうち互いに隣接するいずれか2つのサブ画素の透過領域32のみ互いに連結されるように備えられてもよい。
【0048】
図4は、図2及び図3に図示されたサブ画素Pr、Pg、Pbのうちいずれか一つのサブ画素の断面を示す図面である。
【0049】
図4から分かるように、画素領域の画素回路部311には、薄膜トランジスタTFTが配されるが、図面に示したように、必ずしも一つの薄膜トランジスタTFTが配されるのに限定されるものではなく、この薄膜トランジスタTFTを含むピクセル回路が備えられてもよい。このピクセル回路には、薄膜トランジスタTFT以外にも複数の薄膜トランジスタ及びストレージキャパシタがさらに備えられ、これらと連結されたスキャンライン、データライン及びVddラインなどの配線がさらに備えられる。
【0050】
画素領域の発光部312には、発光素子である有機発光素子ELが配される。この有機発光素子ELは、ピクセル回路の薄膜トランジスタTFTと電気的に連結されている。
【0051】
まず、第1基板1上にはバッファ膜211が形成され、このバッファ膜211上に薄膜トランジスタTFTを備えるピクセル回路が形成される。
【0052】
バッファ膜211上には、半導体活性層212が形成される。バッファ膜211は、不純元素の浸透を防止して表面を平坦化する役割を行うものであり、かかる役割を行える多様な物質で形成される。一例として、バッファ膜211は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタンまたは窒化チタンなどの無機物や、ポリイミド、ポリエステル、アクリルなどの有機物またはこれらの積層体で形成される。なお、バッファ膜211は必須構成要素ではなく、必要に応じて備えられなくてもよい。
【0053】
半導体活性層212は、多結晶シリコンで形成されるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、酸化物半導体で形成されてもよい。例えば、G−I−Z−O層[(In2O3)a(Ga2O3)b(ZnO)c層](a、b、cは、それぞれa≧0、b≧0、c>0の条件を満たす実数)でありうる。このように半導体活性層212を酸化物半導体で形成する場合には、画素領域31のうち画素回路部311での光透過度がさらに高くなり、これにより、ディスプレイ部全体の外光透過度を上昇させる。
【0054】
半導体活性層212を覆うように、ゲート絶縁膜213がバッファ膜211上に形成され、ゲート絶縁膜213上にゲート電極214が形成される。
【0055】
ゲート電極214を覆うように、ゲート絶縁膜213上に層間絶縁膜215が形成される。この層間絶縁膜215上にソース電極216及びドレイン電極217が形成されて、それぞれ半導体活性層212とコンタクトホールを通じてコンタクトされる。
【0056】
前記のような薄膜トランジスタTFTの構造は必ずしも図示された形態に限定されるものではなく、多様な形態の薄膜トランジスタの構造が適用できることはいうまでもない。
【0057】
これらの薄膜トランジスタTFTを覆うように、パッシベーション膜218が形成される。パッシベーション膜218は、上面の平坦化した単一または複数層の絶縁膜になる。このパッシベーション膜218は、無機物及び/または有機物から形成される。パッシベーション膜218は、図4に示したように、画素領域31及び透過領域32をいずれも覆うように形成される。しかし、これに限定されず、図示しないが、透過領域32に対応する位置に開口部を備えることで、透過領域32の外光透過効率をさらに高めうる。
【0058】
パッシベーション膜218上には、薄膜トランジスタTFTと電気的に連結された、有機発光素子ELの第1電極221が形成される。第1電極221は、あらゆるサブピクセル別に独立したアイランド形態に形成される。第1電極221は、画素領域31内の発光部312に位置し、画素回路部311と重畳しないように配される。
【0059】
パッシベーション膜218及び第1電極221の一部の上には、有機及び/または無機絶縁物からなる画素定義膜219が形成される。画素定義膜219は、第1電極221のエッジを覆って中央部は露出させるように第3開口部219aを有する。なお、この画素定義膜219は、画素領域31を覆うように備えられるが、必ずしも画素領域31の全体を覆うように備えられるものではなく、少なくとも一部、特に、第1電極221のエッジを覆うようにすれば十分である。また、画素定義膜219は、透過領域32に対応する位置に第2開口部219bを備えることができる。画素定義膜219が透過領域32には位置しないため、透過領域32の外光透過効率がさらに高くなる。
【0060】
パッシベーション膜218と画素定義膜219とは、いずれも透明な物質からなる。絶縁膜を透明な物質から形成することで、透明表示素子10の外光透過効率はさらに向上する。
【0061】
第3開口部219aにより露出された第1電極221上には、有機膜223と第2電極222とが順に積層される。第2電極222は第1電極221と対向して、有機膜223と画素定義膜219とを覆い、画素領域31内に位置する。第2電極222は、少なくとも一部が画素領域31内に形成され、透過領域32に対応する位置に第1開口部222aを備える。第2電極222が透過領域32には位置しないため、透過領域32の外光透過効率がさらに向上する。なお、第1開口部222aと第2開口部219bとは、互いに連結される。
【0062】
有機膜223には、低分子または高分子有機膜が使われる。低分子有機膜を使用する場合、ホール注入層(HIL:Hole Injection Layer)、ホール輸送層(HTL:Hole Transport Layer)、発光層(EML:Emission Layer)、電子輸送層(ETL:Electron Transport Layer)、電子注入層(EIL:Electron Injection Layer)などが単一あるいは複合の構造で積層して形成され、使用可能な有機材料も銅フタロシアニン(CuPc)、N,N−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(NPB)、トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)などを初めとして多様に適用できる。これら低分子有機膜は、真空蒸着の方法で形成される。この時、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、及び電子注入層は共通層であり、赤色、緑色、青色のピクセルに共通して適用される。
【0063】
第1電極221はアノード電極の機能を行い、第2電極222はカソード電極の機能を行うが、もちろん、これら第1電極221と第2電極222との極性は互いに逆になってもよい。
【0064】
本発明の一実施形態によれば、第1電極221は透明電極になり、第2電極222は反射電極になる。第1電極221は、ITO、IZO、ZnO、またはIn2O3などの透明な導電性物質を含んで備えられる。そして、第2電極222は、すなわち、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、またはCaなどで形成される。したがって、有機発光素子ELは、第1電極221の方向に画像を具現する背面発光型になる。この場合、第2電極222もディスプレイ部全体に電圧降下が起きないように十分な厚さに形成可能になって、大面積表示装置100に適用するのに十分である。
【0065】
図5は、本発明の他の実施形態による表示装置100を概略的に示す断面図である。
【0066】
図5に示した表示装置100’は、図1に示した表示装置100とは異なって、透明表示素子10が前面発光する有機発光表示装置でありうる。したがって、透明表示素子10から順に第1リターダー41及び第1偏光板21は、透明表示素子10が光を放出する第2基板2の外側に配される。一方、透明表示素子10から順に変換リターダー61及び第2偏光板22は、透明表示素子10が光を放出しない側である第1基板1の外側に配される。その他の構成要素は、前述した図1の実施形態の対応する構成要素と、その機能が同一または類似しているので、これについての具体的な説明は省略する。
【0067】
図6は、図5に示した透明表示素子10に含まれた画素の一実施形態を示す図面である。図7は、画素の他の実施形態を示す図面である。
【0068】
図6及び図7に示した画素は、図2及び図3に示した画素とは異なり、画素領域31に含まれる画素回路部311と発光部312とが互いに重畳して配される。発光部312が第2基板2の方向に前面発光するので、画素回路部311と発光部312とが互いに重畳してもよい。発光部312がピクセル回路を含む画素回路部311を覆うことで、ピクセル回路による光干渉を排除できる。その他の構成要素は、前述した図2及び図3の実施形態の対応する構成要素と、その機能が同一または類似しているので、これに対する具体的な説明は省略する。
【0069】
なお、透過領域32は、図6に示したように、各サブ画素Pr、Pg、Pbに独立して備えられてもよく、図7に示したように、各サブ画素Pr、Pg、Pbにかけて互いに連結されるように備えられてもよい。
【0070】
図8は、図6及び図7に示したサブ画素Pr、Pg、Pbのうちいずれか一つのサブ画素の断面を示す図面である。
【0071】
図8に示したように、画素回路部311には薄膜トランジスタTFTが配され、発光部312には発光素子である有機発光素子ELが配される。
【0072】
第1基板1上にバッファ膜211が形成され、バッファ膜211上に半導体活性層212が形成され、半導体活性層212上にゲート絶縁膜213、ゲート電極214、層間絶縁膜215が形成される。層間絶縁膜215上にはソース/ドレイン電極216、217が形成される。かかる薄膜トランジスタTFTを覆うように、絶縁膜の一種であるパッシベーション膜218が形成される。パッシベーション膜218は、図8に示したように、画素領域31と透過領域32とをいずれも覆うように形成される。しかし、これに限定されるものではなく、図示しないが、パッシベーション膜218は、透過領域32に対応する位置に開口部を備えることで透過領域の外光透過効率をさらに向上させる。
【0073】
パッシベーション膜218上には、薄膜トランジスタTFTと電気的に連結された有機発光素子ELの第1電極221が形成される。第1電極221は画素領域31内の発光部312に位置し、画素回路部311と重畳して画素回路部311を覆うように配される。
【0074】
パッシベーション膜218上には、有機及び/または無機絶縁物からなる画素定義膜219が形成される。
【0075】
画素定義膜219は、第1電極221のエッジを覆って中央部は露出させるように第3開口部219aを有する。一方、この画素定義膜219は、画素領域31を覆うように備えられるが、必ずしも画素領域31の全体を覆うように備えられるものではなく、少なくとも一部、特に、第1電極221のエッジを覆うようにすれば十分である。この画素定義膜219は、図8に示したように、透過領域32に対応する位置に第2開口部219bを備える。画素定義膜219が透過領域32には位置しないため、透過領域32の外光透過効率がさらに向上する。
【0076】
パッシベーション膜218と画素定義膜219とは、いずれも透明な物質からなる。絶縁膜を透明な物質から形成することで、透明表示素子10の外光透過効率はさらに向上する。
【0077】
第3開口部219aにより露出された第1電極221上には、有機膜223と第2電極222とが順に積層される。第2電極222は、少なくとも一部が画素領域31内に形成され、図8に示したように、透過領域32に対応する位置に第1開口部222aを備える。第2電極222が透過領域32には位置しないため、透過領域32の外光透過効率がさらに向上する。なお、第1開口部222aと第2開口部219bとは互いに連結される。
【0078】
図8に示した本発明の一実施形態によれば、第1電極221は透明な導電体と反射膜との積層構造で形成され、第2電極222は、半反射・半透過電極に形成できる。透明な導電体は、仕事関数の高いITO、IZO、ZnO、またはIn2O3などからなる。一方、反射膜は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、Mo及びこれらの合金からなる群から選択された少なくとも一つの金属を含むことを特徴とする。また、第1電極221は、画素領域31内に形成される。
【0079】
第2電極222は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、Moまたはこれらの合金で形成される。第2電極222は、透過率が高くなるように100ないし300Å厚さの薄膜で形成することが望ましい。したがって、有機発光素子ELは、第2電極222の方向に画像を具現する前面発光型になる。
【0080】
図9ないし図12は、本発明の一実施形態による表示装置100の各モード別駆動を示す図面である。
【0081】
表示装置100は、2つのモードに大別されるが、各モードは、変換リターダー61の位相遅延値によって、表示装置100が光をどの位透過するかによって区分する。以下では、変換リターダー61が液晶素子である場合を仮定し、変換リターダー61の位相遅延値は、変換リターダー61に印加される電源または電圧によって決定される。以下、変換リターダー61の位相遅延値の変化による各モードにより表示装置100に入射された外光の透過率について説明する。この時、偏光板の組み合わせの違いによって、図9及び図10の実施形態と図11及び図12の実施形態とに大別して説明する。
【0082】
図9及び図12は、ブラックモードを示したものであり、図10及び図11は、透過モードを示したものである。図9ないし図12では、ジョーンズ行列(Jones matrix)の演算を参照して、各光学部材を通過する光の透過特性について説明する。また、図9ないし図12では、画像の方向と逆方向に進む光、すなわち、前面入射光である第2外光52について説明した後、画像の方向と同方向に進む光、すなわち、背面入射光である第1外光51について順に説明する。
【0083】
まず、図9及び図10は、第1偏光板21及び第2偏光板22が同方向の偏光軸を有する実施形態に関する。
【0084】
図9を参照すれば、表示装置100が前面入射光及び背面入射光をそれぞれ透過しないブラックモードを示されている。
【0085】
【表1】
【0086】
次に、前述した光学部材の組合せによる各外光の透過について説明する。
【0087】
透明表示素子10では、D1の方向に画像50が放出されて、ユーザは画像50を見ることができる。
【0088】
第2外光52は、行列値が(Ex=1,Ey=0)を有するように表現され、第1偏光板21を過ぎながら第2外光52は線形偏光された第2a外光52aになる。第2a外光52aは、第1リターダー41を過ぎながら位相が+1/4波長(+λ/4)ほど遅延した第2b外光52bになる。第2b外光52bは、変換リターダー61aを過ぎながら位相が再び+1/4波長(+λ/4)ほど遅延した第2c外光52cになる。第2c外光52cは、第2偏光板22aを過ぎながら線形偏光されるが、最終的な行列値が(E’x=0,E’y=0)である。言い換えれば、図9の表示装置で、第2外光52はD2の方向に透過されなくなる。これを数式で表現すれば、次の通りである。
【0089】
【数1】
【0090】
第1外光51は、行列値が(Ex=1,Ey=0)を有するように表現され、第2偏光板22aを過ぎながら、第1外光51は線形偏光された第1a外光51aになる。第1a外光51aは、変換リターダー61aを過ぎながら、位相が+1/4波長(+λ/4)ほど遅延した第1b外光51bになる。第1b外光51bは、第1リターダー41を過ぎながら、位相が再び+1/4波長(+λ/4)ほど遅延した第1c外光51cになる。第1c外光51cは第1偏光板21を過ぎながら、線形偏光されるが、最終的な行列値が(E’x=0,E’y=0)である。言い換えれば、図9の表示装置で、第1外光51はD1の方向に透過されなくなる。これを数式で表現すれば、次の通りである。
【0091】
【数2】
【0092】
結果的に、図9のように、第1偏光板21及び第2偏光板22aが同方向の偏光軸を有する時、変換リターダー61aが第1リターダー41と同じ位相遅延値を有するように調節される表示装置の場合、第1外光51及び第2外光52の透過率は0(zero)になる。すなわち、変換リターダー61の位相遅延値を変換して表示装置100のブラックモードを容易に具現できる。
【0093】
図10を参照すれば、表示装置100が前面入射光及び背面入射光をそれぞれ約50%ほど透過する透過モードを示すものである。
【0094】
【表2】
【0095】
透明表示素子10ではD1の方向に画像50が放出されて、ユーザは画像50を見ることができる。
【0096】
第2外光52は、行列値が(Ex=1,Ey=0)を有するように表現され、第1偏光板21を過ぎながら、第2外光52は線形偏光された第2a外光52aになる。第2a外光52aは第1リターダー41を過ぎながら、位相が+1/4波長(+λ/4)ほど遅延した第2b外光52bになる。第2b外光52bは、変換リターダー61bを過ぎながら、位相が再び−1/4波長(−λ/4)ほど遅延した第2c外光52cになる。第2c外光52cは、第2偏光板22aを過ぎながら線形偏光されるが、最終的な行列値が(E’x=0.5,E’y=0.5)である。言い換えれば、図10の表示装置で第2外光52は、D2の方向に約50%ほど透過される。これを数式で表現すれば、次の通りである。
【0097】
【数3】
【0098】
第1外光51は、行列値が(Ex=1,Ey=0)を有するように表現され、第2偏光板22aを過ぎながら、第1外光51は線形偏光された第1a外光51aになる。第1a外光51aは、変換リターダー61bを過ぎながら、位相が−1/4波長(−λ/4)ほど遅延した第1b外光51bになる。第1b外光51bは、第1リターダー41を過ぎながら、位相が再び+1/4波長(+λ/4)ほど遅延した第1c外光51cになる。第1c外光51cは、第1偏光板21を過ぎながら線形偏光されるが、最終的な行列値が(E’x=0.5,E’y=0.5)である。言い換えれば、図10の表示装置で、第1外光51はD1の方向に約50%ほど透過される。これを数式で表現すれば、次の通りである。
【0099】
【数4】
【0100】
結果的に、図10のように、第1偏光板21及び第2偏光板22aが同じ方向の偏光軸を有する時、変換リターダー61が第1リターダー41と互いに異なる位相遅延値を有するように制御することにより、第1外光51及び第2外光52の透過率は約50%になる。すなわち、変換リターダー61の位相遅延値を変換して表示装置の透過モードを容易に具現できる。さらに、本発明の実施形態によれば、透過率が約50%ほどであって、透過モードで高い透過率を具現できる。
【0101】
次いで、図11及び図12は、第1偏光板21及び第2偏光板22が互いに直交する方向の偏光軸を有する実施形態に関する。
【0102】
図11を参照すれば、表示装置100が前面入射光及び背面入射光をそれぞれ50%ほど透過する透過ブラックモードを示している。
【0103】
【表3】
【0104】
透明表示素子10では、D1の方向に画像50が放出されて、ユーザは画像50を見ることができる。
【0105】
第2外光52は、行列値が(Ex=1,Ey=0)を有するように表現され、第1偏光板21を過ぎながら、第2外光52は線形偏光された第2a外光52aになる。第2a外光52aは、第1リターダー41を過ぎながら、位相が+1/4波長(+λ/4)ほど遅延した第2b外光52bになる。第2b外光52bは、変換リターダー61aを過ぎながら、位相が再び+1/4波長(+λ/4)ほど遅延した第2c外光52cになる。第2c外光52cは、第2偏光板22bを過ぎながら、第1偏光板21と異なる方向に線形偏光されるが、最終的な行列値が(E’x=0.5,E’y=0.5)である。言い換えれば、図11の表示装置で第2外光52は、D2の方向に約50%ほど透過される。これを数式で表現すれば、次の通りである。
【0106】
【数5】
【0107】
第1外光51は、行列値が(Ex=1,Ey=0)を持つように表現され、第2偏光板22bを過ぎながら、第1外光51は線形偏光された第1a外光51aになる。第1a外光51aは、変換リターダー61aを過ぎながら、位相が+1/4波長(+λ/4)ほど遅延した第1b外光51bになる。第1b外光51bは、第1リターダー41を過ぎながら、位相が再び+1/4波長(+λ/4)ほど遅延した第1c外光51cになる。第1c外光51cは、第1偏光板21を過ぎながら線形偏光されるが、最終的な行列値が(E’x=0.5,E’y=0.5)である。言い換えれば、図11の表示装置で第1外光51は、D1の方向に約50%ほど透過される。これを数式で表現すれば、次の通りである。
【0108】
【数6】
【0109】
結果的に、図11のように、第1偏光板21及び第2偏光板22aが相異なる方向の偏光軸を有する時、変換リターダー61が第1リターダー41と同じ位相遅延値を有するように制御することにより、第1外光51及び第2外光52の透過率は約50%になる。すなわち、変換リターダー61の位相遅延値を変換して表示装置の透過モードを容易に具現できる。さらに、本発明の実施形態によれば、透過率が約50%ほどであって、透過モードで高い透過率を具現できる。
【0110】
図12を参照すれば、表示装置が前面入射光及び背面入射光をそれぞれ透過しないブラックモードを示している。
【0111】
【表4】
【0112】
透明表示素子10では、D1の方向に画像50が放出されて、ユーザは画像50を見ることができる。
【0113】
第2外光52は、行列値が(Ex=1,Ey=0)を有するように表現され、第1偏光板21を過ぎながら、第2外光52は線形偏光された第2a外光52aになる。第2a外光52aは、第1リターダー41を過ぎながら、位相が+1/4波長(+λ/4)ほど遅延した第2b外光52bになる。第2b外光52bは、変換リターダー61bを過ぎながら、位相が再び−1/4波長(−λ/4)ほど遅延した第2c外光52cになる。第2c外光52cは、第2偏光板22aを過ぎながら線形偏光されるが、最終的な行列値が(E’x=0,E’y=0)である。言い換えれば、図12の表示装置で第2外光52は、D2の方向に透過されなくなる。これを数式で表現すれば、次の通りである。
【0114】
【数7】
【0115】
第1外光51は、行列値が(Ex=1,Ey=0)を有するように表現され、第2偏光板22aを過ぎながら、第1外光51は線形偏光された第1a外光51aになる。第1a外光51aは、変換リターダー61bを過ぎながら、位相が−1/4波長(−λ/4)ほど遅延した第1b外光51bになる。第1b外光51bは、第1リターダー41を過ぎながら、位相が再び+1/4波長(+λ/4)ほど遅延した第1c外光51cになる。第1c外光51cは、第1偏光板21を過ぎながら線形偏光されるが、最終的な行列値が(E’x=0,E’y=0)である。言い換えれば、図12の表示装置で、第1外光51はD1の方向に透過されなくなる。これを数式で表現すれば、次の通りである。
【0116】
【数8】
【0117】
結果的に、図12のように、第1偏光板21及び第2偏光板22が互いに異なる方向の偏光軸を持つ表示装置の場合、変換リターダー61が第1リターダー41と互いに異なる位相遅延値を持つように制御することにより、第1外光51及び第2外光52の透過率は0(zero)になる。すなわち、変換リターダー61の位相遅延値を変換して該当表示装置のブラックモードを容易に具現できる。
【0118】
以上のように、本実施形態によれば、シャッターなどの高電力及び透過率を大きく低下させる素子を配する必要なく、偏光板とリターダーなどの無電力、低電力及び透過率を低下させない光学部材を使用して表示装置の透過率を制御できるという特徴がある。これは、光学部材の組み合わせにより光の位相及び偏光方向を変化させることで可能となる。
【0119】
図13は、本発明の他の実施形態による表示装置100を概略的に示す断面図である。
【0120】
図13を参照すれば、表示装置100は、図1の表示装置100と類似しており、下から順に第1偏光板21、第1リターダー41、透明表示素子10、変換素子65及び第2偏光板22を備える。ここで、変換素子65は、図1及び図5の変換リターダー61に対応する位相遅延板である。変換素子65は、第2リターダー62及び液晶膜64を備え、第2リターダー62は透明表示素子10と液晶膜64との間に配され、液晶膜64は第2リターダー62と第2偏光板22との間に配されることを特徴とする。液晶膜64は、一般的な液晶モニタで使用される、低コストで取得の容易な液晶膜64を採用できる。液晶膜64は、入射される光を0ないし+1/2波長(+λ/2)ほど遅延させる位相遅延板であるか、入射される光を−1/2波長(−λ/2)ないし0ほど遅延させる位相遅延板でありうる。一方、第2リターダー62は、入射される光を+1/4波長(+λ/4)ほど遅延させる位相遅延板であるか、入射される光を−1/4波長(−λ/4)ほど遅延させる位相遅延板でありうる。その外に、図13に示した他の構成要素の場合、図1及び図5で説明した構成要素と対応するので、重なる説明は省略する。
【0121】
図13の変換素子65は、液晶膜64と第2リターダー62との組合せにより、図1及び図5に示した変換リターダー61のように、入射される光を−1/4波長(−λ/4)ないし+1/4波長(+λ/4)の範囲内で位相遅延させる、位相遅延値を転換できる位相遅延板(switchable retarder)になりうる。
【0122】
例えば、第2リターダー62が入射される光を−1/4波長(−λ/4)ほど遅延させる位相遅延板であり、同時に液晶膜64が入射される光を0ないし+1/2波長(+λ/2)ほど遅延させる位相遅延板の場合を説明する。この場合、第2リターダー62と液晶膜64との組合せである変換素子65は、位相遅延値が(−λ/4)+(0)=(−λ/4)または、(−λ/4)+(+λ/2)=(+λ/4)の範囲内になる。すなわち、図1及び図5の変換リターダー61の位相遅延値の範囲と同一である。言い換えれば、変換素子65は、変換リターダー61の代わりに使用できる。
【0123】
他の例として、第2リターダー62が入射される光を+1/4波長(+λ/4)ほど遅延させる位相遅延板であり、同時に、液晶膜64が入射される光を−1/2波長(−λ/2)ないし0ほど遅延させる位相遅延板である場合を説明する。この場合、第2リターダー62と液晶膜64との組合せである変換素子は、位相遅延値が(+λ/4)+(−λ/2)=(−λ/4)または、(+λ/4)+(0)=(+λ/4)の範囲内になる。すなわち、図1及び図5の変換リターダー61の位相遅延値の範囲と同一である。言い換えれば、変換素子65は、変換リターダー61の代わりに使用できる。
【0124】
以上のように、本実施形態によれば、液晶素子またはエレクトロクロミック素子などの変換リターダー61を使用しなくても、リターダーや液晶膜などの簡単な光学部材の組合せによっても、モードによって透過率を調節する表示素子を具現できるという長所がある。一方、図13の表示装置100’’も、第1偏光板21及び第2偏光板22の組合せによって、互いに同じ偏光軸を有する場合に、液晶膜64に印加される電圧により表示モードとブラックモードとを、図9及び図10と同一に具現できる。さらに他の実施形態として、第1偏光板21及び第2偏光板22が互いに直交する偏光軸を有する場合に、液晶膜64に印加される電圧により表示モードとブラックモードとを、図11及び図12と同一に具現できる。これは重なる説明であるため、記述は省略する。
【0125】
一方、図13には図示していないが、本実施形態は、図5のように、透明表示素子10が前面発光素子である場合にも適用できる。そしてこれに限定されず、本発明のあらゆる実施形態は、透明表示素子10が両面発光素子である場合にも同一に適用できる。
【0126】
なお、第1位相は(+λ/4)であり、第2位相は(−λ/4)(または+λ3/4)、第3位相は0、第4位相は(+λ/2)、第5位相は(−λ/2)、第6位相は0でありうる。また第1位相は90°、第2位相は−90°(または270°)、第3位相及び第6位相は0°(または360°)、第4位相及び第5位相は180°でありうる。しかし、これは説明の便宜のための一実施形態であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0127】
本発明は、添付した図面に図示された一実施形態を参考として説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の保護範囲は特許請求の範囲のみによって定められねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0128】
本発明は、表示装置関連の技術分野に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0129】
10 透明表示素子、
21、22 第1偏光板、第2偏光板、
31 画素領域(第1領域)、
32 透過領域(第2領域)、
41 第1リターダー、
51 第1外光、
52 第2外光、
61 変換リターダー、
62 第2リターダー、
64 液晶膜、
100 表示装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一面に光を放出する第1領域、及び前記第1領域と隣接して外光を透過する第2領域を含む画素を備える透明表示素子と、
前記透明表示素子の前記一面に対応する方向に配されて、前記外光を線形偏光させて透過する第1偏光板と、
前記第1偏光板と前記透明表示素子の前記一面との間に配されて、前記外光の位相を遅延させて透過する第1リターダーと、
前記透明表示素子の前記一面の反対側である他面に対応する方向に配されて、前記外光を線形偏光させて透過する第2偏光板と、
前記第2偏光板と前記透明表示素子の前記他面との間に配されて、印加される電源により前記外光の波長を第1位相ないし第2位相の範囲で遅延させて透過する変換リターダーと、
を備える光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項2】
前記第1リターダーは、前記外光の波長を前記第1位相ほど遅延させる波長板である請求項1に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項3】
前記変換リターダーに第1電源を印加して、前記外光の波長を、前記第2位相と絶対値は同一で回転方向が異なる前記第1位相ほど遅延させることにより、入射する前記外光を透過しない請求項1または2に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項4】
前記変換リターダーに第2電源を印加して、前記外光の波長を、前記第1位相と絶対値は同一で回転方向が異なる前記第2位相ほど遅延させることにより、入射する前記外光を透過する請求項3に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項5】
前記変換リターダーに第1電源を印加して、前記外光の波長を、前記第2位相と絶対値は同一で回転方向が異なる前記第1位相ほど遅延させることにより、入射する前記外光を透過する請求項1または2に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項6】
前記変換リターダーに第2電源を印加して、前記外光の波長を、前記第1位相と絶対値は同一で回転方向が異なる前記第2位相ほど遅延させることにより、入射する前記外光を透過しない請求項5に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項7】
前記第1偏光板と前記第2偏光板とは、互いに同方向の偏光軸を有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項8】
前記第1偏光板と前記第2偏光板とは、互いに直交する方向の偏光軸を有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項9】
前記変換リターダーは、第2リターダー及び液晶膜を備え、
前記第2リターダーは、前記透明表示素子と前記液晶膜との間に配され、
前記液晶膜は、前記第2リターダーと前記第2偏光板との間に配され、印加される電圧により前記外光の波長を所定の範囲で遅延させる請求項1に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項10】
前記第1偏光板と前記第2偏光板とは、互いに同方向の偏光軸を有し、
前記第1リターダーは、前記外光の波長を前記第1位相ほど遅延させる波長板である請求項9に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項11】
前記第1偏光板と前記第2偏光板とは、互いに直交する方向の偏光軸を有し、
前記第1リターダーは、前記外光の波長を前記第1位相ほど遅延させる波長板である請求項9に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項12】
前記第2リターダーは、前記外光の波長を前記第2位相ほど遅延させる波長板であり、
前記液晶膜は、印加される電圧により前記外光の波長を、第3位相ないし第4位相間の範囲で遅延させ、
ここで、前記第3位相と前記第2位相との和は前記第2位相であり、前記第4位相と前記第2位相との和は前記第1位相であり、前記第1位相と前記第2位相とは、絶対値は同一であるが、回転方向は相異なる請求項9〜11のいずれか一項に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項13】
前記第2リターダーは、前記外光の波長を前記第1位相ほど遅延させる波長板であり、
前記液晶膜は、印加される電圧により前記外光の波長を、第5位相ないし第6位相間の範囲で遅延させ、
ここで、前記第5位相と前記第1位相との和は前記第2位相であり、前記第6位相と前記第1位相との和は前記第1位相であり、前記第1位相と前記第2位相とは、絶対値は同一であるが、回転方向は相異なる請求項9〜11のいずれか一項に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項14】
前記第2領域は、互いに隣接する少なくとも2つの画素に対して連結されるように備えられた請求項1〜13のいずれか一項に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項15】
前記画素は、
前記第1領域に配され、少なくとも一つの薄膜トランジスタを含む画素回路部と、
少なくとも前記画素回路部を覆うように形成された第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上に前記画素回路部と電気的に連結されるように形成され、前記第1領域内に位置する第1電極と、
前記第1電極と対向し、前記画素で少なくとも前記第1領域に形成された第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に介され、発光層を含む有機膜と、
を備える請求項1に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項16】
前記第2電極は、前記第2領域に対応する位置に第1開口部を備える請求項16に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項17】
前記第2領域に対応する位置に複数の第2絶縁膜が備えられ、
前記第2絶縁膜は、前記第2領域のうち少なくとも一部に対応する位置に第2開口部を備える請求項15または16に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項18】
前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜は、透明な物質からなる請求項17に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項19】
前記第1電極は、光透過電極で備えられ、
前記第1電極は、前記画素回路部を遮蔽するように重畳して配される請求項15〜18のいずれか一項に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項20】
前記第1電極は、光反射電極として備えられ、
前記第1電極は、前記画素回路部を遮蔽しないように重畳せずに配される請求項15〜18のいずれか一項に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項1】
少なくとも一面に光を放出する第1領域、及び前記第1領域と隣接して外光を透過する第2領域を含む画素を備える透明表示素子と、
前記透明表示素子の前記一面に対応する方向に配されて、前記外光を線形偏光させて透過する第1偏光板と、
前記第1偏光板と前記透明表示素子の前記一面との間に配されて、前記外光の位相を遅延させて透過する第1リターダーと、
前記透明表示素子の前記一面の反対側である他面に対応する方向に配されて、前記外光を線形偏光させて透過する第2偏光板と、
前記第2偏光板と前記透明表示素子の前記他面との間に配されて、印加される電源により前記外光の波長を第1位相ないし第2位相の範囲で遅延させて透過する変換リターダーと、
を備える光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項2】
前記第1リターダーは、前記外光の波長を前記第1位相ほど遅延させる波長板である請求項1に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項3】
前記変換リターダーに第1電源を印加して、前記外光の波長を、前記第2位相と絶対値は同一で回転方向が異なる前記第1位相ほど遅延させることにより、入射する前記外光を透過しない請求項1または2に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項4】
前記変換リターダーに第2電源を印加して、前記外光の波長を、前記第1位相と絶対値は同一で回転方向が異なる前記第2位相ほど遅延させることにより、入射する前記外光を透過する請求項3に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項5】
前記変換リターダーに第1電源を印加して、前記外光の波長を、前記第2位相と絶対値は同一で回転方向が異なる前記第1位相ほど遅延させることにより、入射する前記外光を透過する請求項1または2に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項6】
前記変換リターダーに第2電源を印加して、前記外光の波長を、前記第1位相と絶対値は同一で回転方向が異なる前記第2位相ほど遅延させることにより、入射する前記外光を透過しない請求項5に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項7】
前記第1偏光板と前記第2偏光板とは、互いに同方向の偏光軸を有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項8】
前記第1偏光板と前記第2偏光板とは、互いに直交する方向の偏光軸を有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項9】
前記変換リターダーは、第2リターダー及び液晶膜を備え、
前記第2リターダーは、前記透明表示素子と前記液晶膜との間に配され、
前記液晶膜は、前記第2リターダーと前記第2偏光板との間に配され、印加される電圧により前記外光の波長を所定の範囲で遅延させる請求項1に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項10】
前記第1偏光板と前記第2偏光板とは、互いに同方向の偏光軸を有し、
前記第1リターダーは、前記外光の波長を前記第1位相ほど遅延させる波長板である請求項9に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項11】
前記第1偏光板と前記第2偏光板とは、互いに直交する方向の偏光軸を有し、
前記第1リターダーは、前記外光の波長を前記第1位相ほど遅延させる波長板である請求項9に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項12】
前記第2リターダーは、前記外光の波長を前記第2位相ほど遅延させる波長板であり、
前記液晶膜は、印加される電圧により前記外光の波長を、第3位相ないし第4位相間の範囲で遅延させ、
ここで、前記第3位相と前記第2位相との和は前記第2位相であり、前記第4位相と前記第2位相との和は前記第1位相であり、前記第1位相と前記第2位相とは、絶対値は同一であるが、回転方向は相異なる請求項9〜11のいずれか一項に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項13】
前記第2リターダーは、前記外光の波長を前記第1位相ほど遅延させる波長板であり、
前記液晶膜は、印加される電圧により前記外光の波長を、第5位相ないし第6位相間の範囲で遅延させ、
ここで、前記第5位相と前記第1位相との和は前記第2位相であり、前記第6位相と前記第1位相との和は前記第1位相であり、前記第1位相と前記第2位相とは、絶対値は同一であるが、回転方向は相異なる請求項9〜11のいずれか一項に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項14】
前記第2領域は、互いに隣接する少なくとも2つの画素に対して連結されるように備えられた請求項1〜13のいずれか一項に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項15】
前記画素は、
前記第1領域に配され、少なくとも一つの薄膜トランジスタを含む画素回路部と、
少なくとも前記画素回路部を覆うように形成された第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上に前記画素回路部と電気的に連結されるように形成され、前記第1領域内に位置する第1電極と、
前記第1電極と対向し、前記画素で少なくとも前記第1領域に形成された第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に介され、発光層を含む有機膜と、
を備える請求項1に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項16】
前記第2電極は、前記第2領域に対応する位置に第1開口部を備える請求項16に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項17】
前記第2領域に対応する位置に複数の第2絶縁膜が備えられ、
前記第2絶縁膜は、前記第2領域のうち少なくとも一部に対応する位置に第2開口部を備える請求項15または16に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項18】
前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜は、透明な物質からなる請求項17に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項19】
前記第1電極は、光透過電極で備えられ、
前記第1電極は、前記画素回路部を遮蔽するように重畳して配される請求項15〜18のいずれか一項に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【請求項20】
前記第1電極は、光反射電極として備えられ、
前記第1電極は、前記画素回路部を遮蔽しないように重畳せずに配される請求項15〜18のいずれか一項に記載の光透過率制御の可能な表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−12734(P2013−12734A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−133266(P2012−133266)
【出願日】平成24年6月12日(2012.6.12)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年6月12日(2012.6.12)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】
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