説明

光通信装置

【課題】伝送すべき情報を出力する光源としてVCSELを採用したときに受光素子の出力が飽和しないよう構成された光通信装置を提供する。
【解決手段】伝送すべき情報に基づいて変調された変調光を照射可能なVCSELと、該変調光が入射する入射端面を有し、入射端面において該変調光の一部をコアに入射させ当該変調光の残りを反射するように配置された光ファイバと、入射端面からの反射光を受光し、その受光量に応じた信号を出力する受光手段と、受光手段が出力した出力信号のレベルを所定のレベルに調整する信号レベル調整手段と、信号レベル調整手段により調整された調整後出力信号に基づいて、入射端面上における該変調光の位置を調整する入射位置調整手段とを具備した光通信装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光を媒体とした情報伝送を行うための光通信装置に関し、特に、変調された情報を照射する光源としてVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Lasers)を採用した光通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報を伝送するための光通信装置が広く知られ実用に供されている。このような光通信装置には、LD(Laser Diode)、集光レンズ、光ファイバ等が備えられている。これらの部材は、それぞれの相対位置が高精度に調整された状態であって、LDからの光が光ファイバのコアの略中心に集光するように配置されている。
【0003】
このような光通信装置の一例が下記特許文献1に開示されている。下記特許文献1に記載の光通信装置では、光ファイバの入射端面からの反射光を受光素子(4分割フォトディテクタ)で受光する。そして、4分割フォトディテクタの各受光エリアの出力が所定の関係を有するようにLD、集光レンズ、光ファイバの相対位置の調整を行う。これにより、LDからの光を光ファイバのコアの略中心に集光するようにして光伝送効率を高め、信号伝送の精度向上を実現可能としている。
【特許文献1】特開2005−321669号公報
【0004】
なお、上記特許文献1に記載の光通信装置では、情報を出力する光源として、ファブリペローLDやDFB−LD(Distributed feedback-LD)等のエッジ・エミッタ(端発光)タイプが想定されている。これらのタイプのLDは、P偏光成分のみが4分割フォトディテクタで受光されるように光通信装置内部に取り付けられている。
【0005】
近年、光通信分野の装置において、情報を出力する光源としてVCSELを採用しているものがある。VCSELは、DFB−LDと同等の高い波長特性を有し、放射角が狭く、断面が略円形状となるビームを照射する。このようなビーム特性は、光通信装置の光ファイバと集光レンズとのカップリングを容易にするものであるといえる。また、VCSELは、電力消費量が低く、高速駆動可能であり、尚かつ低価格である。これらのメリットを鑑みると、VCSELは、例えば上記特許文献1に記載の光通信装置等に好適な光源の一つであるといえる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、VCSELが照射するビームの偏光特性は、VCSEL毎に異なる(つまり、VCSELには個体差がある)。説明を加えると、VCSELでは、P偏光成分、S偏光成分を発光する発光部が混在している。そして、それぞれの成分を発光する発光部の位置や数はVCSEL毎に異なる。従って、上記特許文献1に記載の光通信装置にVCSELを採用した場合、光ファイバの入射端面に入射するビームの偏光特性(ビームに含まれるP偏光成分とS偏光成分の割合)もVCSEL毎に異なることになる。また、光ファイバの入射端面におけるP偏光成分とS偏光成分の反射率はそれぞれ異なる。光ファイバの入射端面において、P偏光成分が微少な量だけ反射するのに対して、S偏光成分はP偏光成分よりも遙かに多くの量反射する性質を有する。このような各偏光成分の反射率の相違により、光ファイバの入射端面上でのビームの反射光量がVCSEL毎でばらつく。これは、4分割フォトディテクタに入射する光量がVCSEL毎でばらつくことも意味する。
【0007】
例えばVCSELが照射するビームにP偏光成分が多く含まれる場合、光ファイバの入射端面上での反射光量が少ないため、4分割フォトディテクタに対する入射光量も少ない。このため、4分割フォトディテクタの出力も低く飽和しないレベルになる。しかし、例えばVCSELが照射するビームにS偏光成分が多く含まれる場合は、光ファイバの入射端面上での反射光量が多いため、4分割フォトディテクタに対する入射光量も多い。このため、4分割フォトディテクタの出力も高くなり、当該出力が飽和する恐れがある。
【0008】
上記の如く4分割フォトディテクタの出力が飽和すると、4分割フォトディテクタの出力に基づいたフィードバック制御にエラーが発生し、各部材間の相対的な位置調整を行うことができなくなる。
【0009】
そこで、本発明は上記の事情に鑑みて、伝送すべき情報を出力する光源としてVCSELを採用したときに受光素子の出力が飽和しないよう構成された光通信装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決する本発明の一態様に係る光通信装置は、光を媒体とした情報伝送を行うための装置である。本発明の一態様に係る光通信装置は、伝送すべき情報に基づいて変調された変調光を照射可能なVCSELと、該変調光が入射する入射端面を有し、入射端面において該変調光の一部をコアに入射させ当該変調光の残りを反射するように配置された光ファイバと、入射端面からの反射光を受光し、その受光量に応じた信号を出力する受光手段と、受光手段が出力した出力信号のレベルを所定のレベルに調整する信号レベル調整手段と、信号レベル調整手段により調整された調整後出力信号に基づいて、入射端面上における該変調光の位置を調整する入射位置調整手段とを具備したことを特徴とした光通信装置である。
【0011】
このように構成された光通信装置によれば、伝送すべき情報を出力する光源としてVCSELを採用した場合であっても、受光手段からの出力信号を所定のレベルに調整できるため、VCSELの個体差によって受光手段の出力が飽和するような事態が起こらない。
【0012】
また、上記の課題を解決する本発明の別の態様に係る光通信装置は、光を媒体とした情報伝送を行うための装置である。本発明の一態様に係る光通信装置は、伝送すべき情報に基づいて変調された変調光を照射可能なVCSELと、該変調光が入射する入射端面を有し、入射端面において該変調光の一部をコアに入射させ当該変調光の残りを反射するように配置された光ファイバと、入射端面からの反射光を受光し、その受光量に応じた信号を出力する受光手段と、受光手段が出力した出力信号と所定の参照値とを比較して、当該出力信号のレベルを飽和する直前のレベルに調整する信号レベル調整手段と、信号レベル調整手段により調整された調整後出力信号に基づいて、入射端面上における該変調光の位置を調整する入射位置調整手段とを具備したことを特徴とした光通信装置である。
【0013】
このように構成された光通信装置によれば、伝送すべき情報を出力する光源としてVCSELを採用した場合であっても、受光手段からの出力信号を飽和する直前のレベルに調整できるため、VCSELの個体差によって受光手段の出力が飽和するような事態が起こらない。また、受光手段からの出力信号が飽和する直前のレベルとなるため、当該出力信号が広いダイナミックレンジを有するものとなる。入射位置調整手段は、ダイナミックレンジが広い信号を用いて該変調光の位置を調整できるため、その位置調整の精度が向上する。
【0014】
上記光通信装置は、例えば増幅倍率を変更可能なオペアンプを更に具備したものであっても良い。この場合、上記信号レベル調整手段は、例えば該増幅倍率を変更して該出力信号のレベルを調整する。このようなオペアンプは例えば電子ボリュームを有したものであっても良い。この場合、上記信号レベル調整手段は、例えば電子ボリュームの内部抵抗値を可変して該増幅倍率を設定する。また、このとき、上記信号レベル調整手段は、該増幅倍率を設定可能な最大値又は最小値にセットして、次いで、該調整後出力信号のレベルが該所定のレベルとなるように当該増幅倍率を段階的に可変するよう動作可能であっても良い。
【0015】
また、上記光通信装置は、例えば調整後出力信号のレベルが該所定のレベルであるか否かを判定するレベル判定手段と、該判定結果を報知する報知手段とを更に具備したものであっても良い。
【0016】
上記入射位置調整手段は、例えば該変調光を集光して入射端面上にスポットを形成する集光レンズを有したものであっても良い。この場合、入射位置調整手段は、例えば該調整後出力信号に基づいて入射端面上における該スポット位置を当該スポット中心とコア中心が一致するように調整する。
【0017】
また、上記入射位置調整手段は、例えば集光レンズを移動させる集光レンズ移動手段を更に有したものであっても良い。この場合、入射位置調整手段は、例えば集光レンズ移動手段による集光レンズの移動により、入射端面上における該スポット位置をそれぞれ異なる第一および第二の方向に移動させる。
【0018】
ここで、上記受光手段は、例えば該第一および第二の方向に対応した二本の境界線により均等に分割された4つの受光エリアを有し、該スポット中心とコア中心が一致するときの該反射光が該二本の境界線の交点に入射するよう配置されたものであっても良い。この場合、上記入射位置調整手段は、例えば各受光エリアからの該出力信号のレベルに基づいて該スポット中心とコア中心のずれ量を算出する。そして、該算出されたずれ量に基づいて集光レンズ移動手段により集光レンズを移動させる。
【0019】
また、上記光通信装置は、例えば各受光エリアからの該出力信号のレベルが全て該所定のレベルに調整されたか否かを判定するレベル判定手段と、該判定結果を報知する報知手段とを更に具備したものであっても良い。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、伝送すべき情報を出力する光源としてVCSELを採用した場合であっても、受光素子の出力が飽和しないよう構成された光通信装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は、本発明の実施の形態の光通信装置10の構成を示した図である。この光通信装置10は、光ファイバ通信を加入者宅内に引き込むONU(Optical Network Unit)として用いられる。光通信装置10は、例えば双方向のWDM(Wavelength Division Multiplexing)伝送に対応した光通信装置であり、一本の光ファイバで上り信号として波長1.3μmを送信し、下り信号として1.5μmの信号を受信するように構成されている。
【0022】
光通信装置10は、VCSEL1、集光レンズ2、光ファイバ部3、光検出器4、および駆動システム5を備えている。
【0023】
VCSEL1は、光通信時には、図示しない通信制御部の制御の下、通信対象である情報により変調されたビームを照射する。また、VCSEL1は、後述する、光ファイバ入射端面上でのビームの入射位置に関する調整時には、変調されないビーム(連続光)を照射する。VCSEL1が照射したビームは、集光レンズ2に入射して、当該集光レンズ2のパワーにより光ファイバ部3の入射端面3aに収束してスポット(以下、「入射端面スポット」と記す)を形成する。なお、ここでいう入射端面スポットは、当該のビームの強度分布において、最大強度の1/e(但し、eは自然対数の底)以上の強度を持つ範囲として規定されるものとする。
【0024】
図1において、VCSEL1が照射し集光レンズ2を介して入射端面3aに入射するビームの入射角を、実際の角度よりも大きく示しているが、実際に使用される光通信装置では、この入射角は極めて小さい。
【0025】
図2に、光ファイバ部3の入射端面3a近傍を拡大した図を示す。光ファイバ部3は、その中心に直径r2のコアを有し、当該コアをクラッドで覆う構造をもつ。光ファイバ部3の中心とコアの中心は同一であるものとする。なお、説明の便宜上、入射端面3a上のクラッドの面を「クラッド面3b」、コアの面を「コア面3c」と記す。
【0026】
図2に示されるように、入射端面3aは、コア面3cがクラッド面3bに対して所定量突出した段差構造となっている。この段差は、クラッド面3bに対して直交する方向に突出し、コア面3cとクラッド面3bが略平行になるように加工されている。本実施形態では、例えば周知のフォトリソグラフィ技術を用いることにより、入射端面3aに上記段差構造を形成している。段差の突出量は、例えばλ/(4n)よりも小さい値である。但し、λは入射する光の波長で、nは媒質の屈折率である。本実施形態では、入射端面3aは、上記突出量が例えば略λ/8となるように加工されている。
【0027】
VCSEL1、集光レンズ2、および光ファイバ部3が理想的な位置にあるとき、図2に示されるように、入射端面スポットは直径r1となり、その中心がコア面3c中心と略一致した状態で入射端面3a上に形成される。r1はr2よりも若干大きいため、このように入射端面スポットが形成されたとき、当該スポットの中心部(コア面c上)のビームはコアに入射してその内部を伝搬し、入射端面スポットの周辺部(クラッド面3b上)のビームは当該クラッド面3bで反射する。またこのとき、入射端面3a上の段差構造によって回折が起こり、回折波が生じる。
【0028】
ここで、光通信装置10において、VCSEL1、集光レンズ2、および光ファイバ部3は、集光レンズ2から入射端面3aに入射するビームが入射方向と異なる方向に反射するように配置・構成される。また、光検出器4は、入射端面スポット中心がコア面3c中心と一致するときに、入射端面3aで生じた回折波が光検出器4の中心部である中心Oに導かれスポット(以下、「受光スポット」と記す)を形成するように配置される。
【0029】
すなわち、VCSEL1、集光レンズ2、光ファイバ部3、および光検出器4の各部材は、VCSEL1から照射されたビームの主光線が集光レンズ2の光学中心と光ファイバ部3の光学中心を介して光検出器4の中心に導かれるように光通信装置10内部に取り付けられる。
【0030】
しかし、取り付け誤差や自重等の個体差が生じるため、VCSEL1、集光レンズ2、光ファイバ部3、および光検出器4の部材の相対位置は、必ずしも設計通りにはならない。そこで、後述する、入射端面スポット中心とコア面3c中心を一致させるための調整作業が行われる。
【0031】
この調整作業は、例えば光通信装置10を製造する段階で行われる。調整作業を開始する段階では、光通信装置10は、光検出器4以外の構成要素が全て組み立てられた状態にあるものとする。
【0032】
調整作業は、先ず、駆動システム5に備えられたシステム・コントローラ51の制御下で実行される。ここで、図3に、光検出器4および駆動システム5の主要部分の回路図を示す。
【0033】
駆動システム5は二軸のアクチュエータを有する。図3によれば、二軸のアクチュエータは、X方向アクチュエータドライバ52x、X方向アクチュエータ53x、Y方向アクチュエータドライバ52y、およびY方向アクチュエータ53yで構成される。
【0034】
X方向アクチュエータドライバ52x、Y方向アクチュエータドライバ52yは、システム・コントローラ51の制御下で、X方向アクチュエータ53x、Y方向アクチュエータ53yを例えばPWM(Pulse Width Modulation)制御により駆動させるものである。また、X方向アクチュエータ53x、Y方向アクチュエータ53yは、それぞれ、X方向アクチュエータドライバ52x、Y方向アクチュエータドライバ52yからのパルスのデューティに応じて駆動する。
【0035】
ここで、集光レンズ2は、X方向アクチュエータ53xおよびY方向アクチュエータ53yの駆動に応じて所定方向に移動するように設置されている。集光レンズ2は、X方向アクチュエータ53xが駆動すると、基準軸AXに垂直な面内において図1のX’方向に移動する。また、Y方向アクチュエータ53yが駆動すると、基準軸AXに垂直な面内において図1のY’方向に移動する。
【0036】
集光レンズ2の移動に伴い、入射端面スポットも移動する。以下、入射端面スポットの移動方向のうち、集光レンズ2のX’方向、Y’方向への各移動に対応する方向をそれぞれX方向、Y方向と記す。このX方向とY方向は互いに直交する方向である。X方向は、図1紙面の上下方向に平行な方向である。また、Y方向は、図1紙面と直交する方向である。
【0037】
また、入射端面スポットの移動に伴い、光検出器4で形成される受光スポットも移動する。受光スポットの移動方向のうち、入射端面スポットのX方向、Y方向への各移動に対応する方向をそれぞれX”方向、Y”方向と記す(図1参照)。
【0038】
システム・コントローラ51は、プルアップ抵抗(不図示)に接続された2つのポートを有している。これらのポートは、それぞれ、スイッチSW1、SW2を介してグランドに接続されている。
【0039】
各ポートは、スイッチSW1、SW2がオフのときにはプルアップされた状態にあるため「H(ハイ)」レベルの信号を検出する。また、スイッチSW1、SW2がオンのときにはグランドに接続されるため「L(ロー)」レベルの信号を検出する。スイッチSW1およびSW2のオン/オフは、例えばユーザ・オペレーションキー(不図示)を操作することにより、切替自在となっている。作業者は、スイッチSW1およびSW2のオン/オフを切替操作することによって、システム・コントローラ51の動作モードを、ウォブリングフィードバック制御モード、4分割フォトディテクタ位置調整モード、増幅倍率調整モード、リアルタイム制御モードの何れかに設定することができる。
【0040】
スイッチSW1およびSW2の両方がオンのとき(すなわち両ポートの入力が「L」レベルの信号であるとき)、システム・コントローラ51は、ウォブリングフィードバック制御モードで動作するように各構成要素を制御する。
【0041】
光通信装置10は、ウォブリングフィードバック制御モードで動作する場合、所定の治具(不図示)に取り付けられる。この治具には受光センサが備えられている。光通信装置10は、当該の受光センサが光ファイバ部3の他端面(図示しない、入射端面3aと逆側の端面)に正対するように治具に取り付けられる。また、この受光センサは、システム・コントローラ51に接続される。
【0042】
上記受光センサは、VCSEL1が照射し集光レンズ2を介して光ファイバ部3に入射し、当該光ファイバ部3の他端面から出射するビームを受光する。システム・コントローラ51は、当該ビームを受光して得られる受光センサの出力を受け取り、それに基づいてウォブリングフィードバック制御をし、二軸のアクチュエータにより集光レンズ2をウォブリングさせる。これにより、集光レンズ2の位置調整を行う。なお、ウォブリングフィードバック制御についての詳細な説明は、例えば本出願人により出願された特開2004−96299号公報で参照することができる。
【0043】
また、VCSEL1を駆動制御する上記通信制御部にはAPC(Auto Power Control)回路も備えられている。APC回路は、VCSEL1に加えて上記受光センサにも接続され、ウォブリングフィードバック制御による位置調整が完了すると動作する。詳細には、APC回路は、受光センサの出力を受け取り、その出力が所定値となるようにVCSEL1に流す駆動電流を調整する。本実施形態では、APC回路は、受光センサの出力が例えば1mWとなるように駆動電流の調整を行い、この調整パラメータは記憶保持される。従って、以後、光ファイバ出力は1mWとなる。
【0044】
VCSEL1の駆動電流の調整に次いで、作業者による、光検出器4の仮止めが行われる。光検出器4は、図3に示されるように、受光エリア(4a、4b、4c、および4d)が4つに分割された4分割フォトディテクタである。光検出器4は、受光エリア4a、4b、4c、4dのそれぞれの出力を、オペアンプ41a、41b、41c、41dにより増幅して外部に出力する。
【0045】
仮止めにおいて光検出器4は、光通信装置10内部に取り付けられると共に、上記出力がシステム・コントローラ51に入力するように接続される。光検出器4は、仮止めの段階で、先のウォブリングフィードバック制御モードにより、入射端面3aからのビーム(主として回折波からなるもの)が光検出器4の略中心に入射するように位置する。
【0046】
各受光エリア4a、4b、4c、4dは、上記ビームを受光すると、その受光量に応じた電流Ia、Ib、Ic、Idを生成してオペアンプ41a、41b、41c、41dに流す。オペアンプ41a、41b、41c、41dにはそれぞれ、電子ボリュームDPa、DPb、DPc、DPdが接続されている。ここで、これら電子ボリュームDPa、DPb、DPc、DPdの内部抵抗値の各々に「Rdpa」、「Rdpb」、「Rdpc」、「Rdpd」を付す。
【0047】
オペアンプ41a、41b、41c、41dはそれぞれ反転増幅器として動作し、その増幅倍率が各電子ボリュームの内部抵抗値で決まる。各電子ボリュームの内部抵抗値は、システム・コントローラ51の制御に応じて可変する。
【0048】
詳細には、システム・コントローラ51は、カウントアップ/ダウン指定信号およびクロックパルス信号を用いて、各電子ボリュームの内部抵抗値を調整する。カウントアップ/ダウン指定信号は、システム・コントローラ51から各電子ボリュームのU/D端子に入力し、クロックパルス信号は、システム・コントローラ51から各電子ボリュームのCP端子に入力する。
【0049】
例えばU/D端子に入力するカウントアップ/ダウン指定信号が「L」レベルである状態でクロックパルス信号がCP端子に入力すると、電子ボリュームは、当該クロックパルス信号の立ち上がりを検出する毎に内部抵抗値を減少させる。また、例えばU/D端子に入力するカウントアップ/ダウン指定信号が「H」レベルである状態でクロックパルス信号がCP端子に入力すると、電子ボリュームは、当該クロックパルス信号の立ち上がりを検出する毎に内部抵抗値を増加させる。すなわち、電子ボリュームの内部抵抗値は、カウントアップ/ダウン指定信号が「L」レベルであるときには入力パルス数に応じて減少し、カウントアップ/ダウン指定信号が「H」レベルであるときには入力パルス数に応じて増加する。
【0050】
附言するに、クロックパルス信号が1パルス入力する毎に、電子ボリュームの内部抵抗値は1kΩ増減する。当該内部抵抗値の最大値は100kΩであり、その最小値は0Ωである。つまり、電子ボリュームの内部抵抗値は100段階で可変する。
【0051】
オペアンプ41a、41b、41c、41dはそれぞれ、入力した電流Ia、Ib、Ic、Idを各電子ボリュームの内部抵抗値に応じた増幅倍率で増幅し、電圧信号A、B、C、Dとして出力する。例えばオペアンプ41aから出力される電圧信号Aは、A=−(Ia×Rdpa)となる。同様に、オペアンプ41b、41c、41dから出力される電圧信号B、C、Dはそれぞれ、B=−(Ib×Rdpb)、C=−(Ic×Rdpc)、D=−(Id×Rdpd)となる。
【0052】
電圧信号A、B、C、Dは、各受光エリアにおける受光量を表す信号として、システム・コントローラ51に入力する。システム・コントローラ51は、入力した電圧信号A、B、C、DをA/D変換し、デジタル信号として処理する。
【0053】
ここで、光源がLDであれば、上述したように光ファイバの入射端面に入射するビームは、予め決まった偏光(P偏光)成分をもつものとなる。このため、入射端面に対する入射光量と反射光量の関係は、各LDで実質的に同一となる。従って、この場合の反射光量は、駆動電流を調整した段階で規定量となり、4分割フォトディテクタの出力(システム・コントローラへの入力)もばらつかない。
【0054】
しかし、光源がVCSELであれば、上述したように光ファイバの入射端面に入射するビームは、VCSELの個体差に応じて、それぞれの偏光成分が混在したものとなる。このため、入射端面に対する入射光量と反射光量の関係がVCSEL毎で変わる。従って、この場合の反射光量は、各VCSELのビーム出力を揃えても(VCSELの駆動電流を上記の如く調整しても)VCSEL毎で異なり、光通信装置間において4分割フォトディテクタの出力がばらつく。光通信装置によっては、多くのS偏光成分がビームに含まれるため、上述した理由により、4分割フォトディテクタの出力が飽和するものもあり得る。
【0055】
このような問題を解消するため、以下の更なる調整作業が行われる。
【0056】
作業者によりスイッチSW1がオン、スイッチSW2がオフされると、システム・コントローラ51は4分割フォトディテクタ位置調整モードに移行する。システム・コントローラ51は、4分割フォトディテクタ位置調整モードに移行すると、先ず、カウントアップ/ダウン指定信号を「L」レベルにし、例えば100パルスのクロックパルス信号を出力する。これにより、各電子ボリュームの内部抵抗値が最小値(0Ω)となり、各オペアンプの出力も0となる。
【0057】
次いで、システム・コントローラ51は、カウントアップ/ダウン指定信号を「H」レベルにし、1パルスのクロックパルス信号を出力する。そして、各オペアンプの電圧信号をA/D変換し、その値(以下、「デジタル電圧信号値」と記す)を検知する。各電子ボリュームの内部抵抗値はクロックパルス信号が入力する度に増加し、それに伴って増幅倍率が上がるため、各オペアンプの出力も増加する。
【0058】
システム・コントローラ51は、電圧信号Aのデジタル電圧信号値が所定値(例えば各オペアンプの電源電圧の1/2に相当する値)になるまで、クロックパルス信号の出力およびデジタル電圧信号値の検知を繰り返し実行する。なお、例えばデジタル電圧信号値がオペアンプの電源電圧に相当する値である場合、オペアンプからの電圧信号は、飽和レベルに達した信号であるものとする。以下、説明の便宜上、上記「オペアンプの電源電圧に相当する値」を「飽和レベル」と記す。
【0059】
ウォブリングフィードバック制御モードにおいて入射端面スポット中心とコア面3c中心が略一致するように調整されている場合、電圧信号Aのデジタル電圧信号値が上記所定値になったとき、同様に、電圧信号B、C、およびDのデジタル電圧信号値も所定値となる。このように全てのデジタル電圧信号値が所定値となるとき、LED(Light Emitting Diode)表示灯54がシステム・コントローラ51の制御により点灯する。
【0060】
上述の如く各オペアンプの増幅倍率を設定することにより、光検出器4からシステム・コントローラ51に出力される電圧信号は、各受光エリアで受光される反射光量に拘わらず、飽和しない所定のレベル(例えば飽和レベルの1/2)となる。すなわち本実施形態では、各オペアンプからの電圧信号が上記所定のレベルとなるように増幅倍率を適宜設定する。これにより、VCSELの偏光特性の個体差に起因した、光検出器4の出力の飽和を防止するのに好適な光通信装置10を提供することを可能としている。
【0061】
なお、ウォブリングフィードバック制御モードでの位置調整に誤差がある場合、各デジタル電圧信号値はそれぞれ異なる値となる。このような事態を想定して、例えば光検出器4を高分解能で移動させることが可能な調整機構(例えばXYステージ等)を光通信装置10に設けても良い。この場合、作業者は、このような調整機構を操作して、光検出器4の位置を容易に微調整することができる。作業者は、光検出器4が適正位置に調整されたか否かを、LED表示灯54の状態を見て確認することができる。
【0062】
また、上記微調整を自動的に行う調整機構を光通信装置10に設けても良い。この場合、調整機構は、例えば二軸のアクチュエータを備えたXYステージである。このアクチュエータは、例えばX方向アクチュエータ53x等よりも分解能が高いステッピング・モータであり、XYステージを二軸に移動させることができる。システム・コントローラ51は、フィードバック制御に基づいてステッピング・モータをパルス駆動し、全てのデジタル電圧信号値が所定値となるように光検出器4の位置調整を行う。
【0063】
次いで、作業者によりスイッチSW1がオフ、スイッチSW2がオンされると、システム・コントローラ51は増幅倍率調整モードに移行する。システム・コントローラ51は、増幅倍率調整モードに移行すると、先ず、カウントアップ/ダウン指定信号を「H」レベルにし、例えば100パルスのクロックパルス信号を出力する。これにより、各電子ボリュームの内部抵抗値が最大値(100kΩ)となり、各オペアンプの増幅倍率も最大となる。
【0064】
システム・コントローラ51は、各電子ボリュームの内部抵抗値を最大値に設定すると、電圧信号Aのデジタル電圧信号値を検知する。そして、検知されたデジタル電圧信号値を所定の参照値と比較して飽和レベルに達するものであるか否かを判定する。デジタル電圧信号値が所定の参照値以上である場合、システム・コントローラ51は、電圧信号Aが飽和した信号(すなわち飽和レベルに達する信号)であると判断してオペアンプ41aの増幅倍率を減少させる。具体的には、カウントアップ/ダウン指定信号を「L」レベルにし、1パルスのクロックパルス信号を出力する。
【0065】
システム・コントローラ51は、1パルスのクロックパルス信号の出力に次いで、電圧信号Aのデジタル電圧信号値を再び検知して、電圧信号Aが飽和した信号であるか否かを判定する。システム・コントローラ51は、この一連の処理を、検知するデジタル電圧信号値が参照値(飽和レベル)より低い値となるまで繰り返し実行する。デジタル電圧信号値が参照値より低い値となったとき、当該の電圧信号Aは、飽和する直前のレベルにあり、ダイナミックレンジが広い信号となる。
【0066】
なお、他のオペアンプの出力(電圧信号B、C、およびD)は、ウォブリングフィードバック制御モードおよび4分割フォトディテクタ位置調整モードにおいて、電圧信号Aと実質的に同一のレベルとなるように調整されている。このため、システム・コントローラ51は、オペアンプ41aの増幅倍率が最適な値に設定されて電圧信号Aが最適なレベルに調整された段階で、他のオペアンプの増幅倍率も最適な値に設定されたものとみなす。従って、システム・コントローラ51は、オペアンプ41aの増幅倍率が最適な値に設定された段階で、LED表示灯54を点灯させて各オペアンプの増幅倍率が最適な値に設定されたことを作業者に報知する。
【0067】
作業者によりスイッチSW1およびスイッチSW2がオフされると、システム・コントローラ51は、リアルタイム制御モードに移行する。このリアルタイム制御モードは、例えば光通信装置10の電源投入後、光通信を行っている間も常時実行することを想定したモードである。
【0068】
駆動システム5は、加算回路55x、55y、56x、56y、および減算回路57x、57yを備えている。
【0069】
加算回路55xには電圧信号AおよびDが入力する。加算回路55xは、電圧信号AとDを加算処理して加算信号(A+D)を減算回路57xに出力する。また、加算回路56xには電圧信号BおよびCが入力する。加算回路56xは、電圧信号BとCを加算処理して加算信号(B+C)を減算回路57xに出力する。減算回路57xは、加算信号(A+D)と加算信号(B+C)との差分を算出して差分信号xを生成し、システム・コントローラ51に出力する。
【0070】
また、加算回路55yには電圧信号AおよびBが入力する。加算回路55yは、電圧信号AとBを加算処理して加算信号(A+B)を減算回路57yに出力する。また、加算回路56yには電圧信号CおよびDが入力する。加算回路56yは、電圧信号CとDを加算処理して加算信号(C+D)を減算回路57yに出力する。減算回路57yは、加算信号(A+B)と加算信号(C+D)との差分を算出して差分信号yを生成し、システム・コントローラ51に出力する。
【0071】
リアルタイム制御モードでは、システム・コントローラ51は、差分信号xおよびyの出力がヌル(null)となる(換言すると、全ての電圧信号のレベルが実質的に同一となる)ように、X方向アクチュエータドライバ52xおよびY方向アクチュエータドライバ52yをフィードバック制御する。説明を加えると、このフィードバック制御により集光レンズ2がX’およびY’方向に微調整され、これに伴って、光検出器4上の受光スポットもX”およびY”方向に僅かに移動して微調整される。受光スポットが微調整されて各差分信号の出力がヌルとなるとき、入射端面スポット中心とコア面3c中心が略一致した状態となる。
【0072】
例えば光通信中に入射端面スポットがコア面3cからずれたとしても、光通信装置10はリアルタイム制御モードにあるため、その位置ずれは上記フィードバック制御によって適宜補正される。なお、リアルタイム制御についてのより詳細な説明も、ウォブリングフィードバック制御と同様に、例えば本出願人により出願された特開2004−96299号公報で参照することができる。
【0073】
以上が本発明の実施の形態である。本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく様々な範囲で変形が可能である。例えば増幅倍率調整モードにおいて、システム・コントローラ51は、電圧信号Aのデジタル電圧信号値のみを監視しているが、別の実施の形態では全てのデジタル電圧信号値を監視するようにしても良い。
【0074】
また、本実施形態では電子ボリュームの内部抵抗値を1kΩ毎に可変するようにしているが、別の実施の形態ではより細かい値(例えば0.1kΩ)で可変するようにしても良い。この場合、増幅倍率調整モードでオペアンプの増幅倍率を調整したときに、当該オペアンプからのデジタル電圧信号値を飽和レベルにより近いものとし、より広いダイナミックレンジを確保した信号とすることができる。
【0075】
また、本実施形態では電子ボリュームの内部抵抗値を0乃至100kΩのレンジで可変するようにしているが、別の実施の形態ではより広いレンジ(例えば0乃至500kΩ)で可変するようにしても良い。この場合、例えば受光エリアの出力が飽和レベルに比べて著しく低いとき、デジタル電圧信号値を高い増幅倍率で増幅し、より広いダイナミックレンジを確保した信号とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の形態の光通信装置の構成を示した図である。
【図2】本発明の実施の形態の光通信装置に備えられた光ファイバ部の入射端面近傍の拡大図である。
【図3】本発明の実施の形態の光通信装置に備えられた光検出器および駆動システムの主要部分の回路図を示す。
【符号の説明】
【0077】
1 VCSEL
2 集光レンズ
3 光ファイバ部
4 光検出器
41a〜41d オペアンプ
5 駆動システム
51 システム・コントローラ
10 光通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を媒体とした情報伝送を行うための光通信装置において、
伝送すべき情報に基づいて変調された変調光を照射可能なVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Lasers)と、
該変調光が入射する入射端面を有し、前記入射端面において該変調光の一部をコアに入射させ当該変調光の残りを反射するように配置された光ファイバと、
前記入射端面からの反射光を受光し、その受光量に応じた信号を出力する受光手段と、
前記受光手段が出力した出力信号のレベルを所定のレベルに調整する信号レベル調整手段と、
前記信号レベル調整手段により調整された調整後出力信号に基づいて、前記入射端面上における該変調光の位置を調整する入射位置調整手段と、を具備したこと、を特徴とする光通信装置。
【請求項2】
光を媒体とした情報伝送を行うための光通信装置において、
伝送すべき情報に基づいて変調された変調光を照射可能なVCSELと、
該変調光が入射する入射端面を有し、前記入射端面において該変調光の一部をコアに入射させ当該変調光の残りを反射するように配置された光ファイバと、
前記入射端面からの反射光を受光し、その受光量に応じた信号を出力する受光手段と、
前記受光手段が出力した出力信号と所定の参照値とを比較して、当該出力信号のレベルを、所定のレベルである、飽和する直前のレベルに調整する信号レベル調整手段と、
前記信号レベル調整手段により調整された調整後出力信号に基づいて、前記入射端面上における該変調光の位置を調整する入射位置調整手段と、を具備したこと、を特徴とする光通信装置。
【請求項3】
増幅倍率を変更可能なオペアンプを更に具備し、
前記信号レベル調整手段は、該増幅倍率を変更して該出力信号のレベルを調整すること、を特徴とする請求項1又は請求項2の何れかに記載の光通信装置。
【請求項4】
前記オペアンプは電子ボリュームを有し、前記信号レベル調整手段は、前記電子ボリュームの内部抵抗値を可変して該増幅倍率を設定すること、を特徴とする請求項3に記載の光通信装置。
【請求項5】
前記信号レベル調整手段は、該増幅倍率を設定可能な最大値又は最小値にセットして、次いで、該調整後出力信号のレベルが該所定のレベルとなるように当該増幅倍率を段階的に可変すること、を特徴とする請求項3又は請求項4の何れかに記載の光通信装置。
【請求項6】
該調整後出力信号のレベルが該所定のレベルであるか否かを判定するレベル判定手段と、
該判定結果を報知する報知手段と、を更に具備したこと、を特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の光通信装置。
【請求項7】
前記入射位置調整手段は、該変調光を集光して前記入射端面上にスポットを形成する集光レンズを有し、該調整後出力信号に基づいて前記入射端面上における該スポット位置を当該スポット中心と前記コア中心が一致するように調整すること、を特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の光通信装置。
【請求項8】
前記入射位置調整手段は、前記集光レンズを移動させる集光レンズ移動手段を更に有し、前記集光レンズ移動手段による前記集光レンズの移動により、前記入射端面上における該スポット位置をそれぞれ異なる第一および第二の方向に移動させること、を特徴とする請求項7に記載の光通信装置。
【請求項9】
前記受光手段は、該第一および第二の方向に対応した二本の境界線により均等に分割された4つの受光エリアを有し、該スポット中心と前記コア中心が一致するときの該反射光が該二本の境界線の交点に入射するよう配置され、
前記入射位置調整手段は、各受光エリアからの該出力信号のレベルに基づいて該スポット中心と前記コア中心のずれ量を算出し、該算出されたずれ量に基づいて前記集光レンズ移動手段により前記集光レンズを移動させること、を特徴とする請求項8に記載の光通信装置。
【請求項10】
各受光エリアからの該出力信号のレベルが全て該所定のレベルに調整されたか否かを判定するレベル判定手段と、
該判定結果を報知する報知手段と、を更に具備したこと、を特徴とする請求項7から請求項9の何れかに記載の光通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−129295(P2008−129295A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−313686(P2006−313686)
【出願日】平成18年11月21日(2006.11.21)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】