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光重合性組成物
説明

光重合性組成物

【課題】費用対効果が高く、複数のホログラフィ像を記録することができ、且つ外部刺激に対して制御下での観測可能な応答を伴うセンサの製造を可能とするホログラフィック記録媒体を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係るホログラフィック記録媒体は、ポリマーマトリックスと、光環化付加による橋かけ環の形成により二量化する化学基とを含み得る。前記二量化可能な化学基は、(i)光環化付加による橋かけ環の形成により二量化し、且つ(ii)ポリマーマトリックス全体にわたり分散し、その分散密度は、(1)二量化可能な化学基の一部を二量化することによるホログラムの記録と、(2)外部刺激の存在に対してポリマーマトリックスが応答したときのホログラムの光学特性の変化が検出されるのを可能とするのに十分な密度である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2008年4月16日に出願された米国仮特許出願第61/124,398号明細書の利益を主張する。上記出願の全教示は、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
現在公知のホログラフィック記録媒体及びセンサには、数多くの欠点がある。例えば、ハロゲン化銀ベースの記録媒体の場合、ハロゲン化銀粒子をポリマーマトリックス中に拡散させなければならず、結果として費用対効果が低いだけでなく、環境にも悪い。加えて、ハロゲン化銀ベースの記録媒体は、特定のセンサ用途として不適である。
【0003】
フォトポリマーホログラフィック記録媒体は、概して、エチレン不飽和単量体と光開始剤とを結合剤(架橋ポリマーネットワーク(例えば、Poly HEMAハイドロゲル)又は親水性ポリマー(例えば、PVA))に拡散させることにより調製される。次に、光反応性の混合物をレーザー光で露光すると、その結果、露光された範囲において結合剤中の単量体が重合する。また、このレーザー光による露光で干渉縞が生じ、露光範囲にホログラムが記録される。しかしながら、このようなフォトポリマーホログラフィック記録媒体の露光されていない範囲(単量体を含む結合剤)は不安定である。露光されていない範囲の単量体はランダムに重合する傾向があり、その結果、回折効率が悪くなり、不要な波長変化が起こり得る。加えて、露光されていない範囲における単量体と結合剤との相分離により、フォトポリマーホログラフィック記録媒体のホログラフィ特性はさらに複雑となる。フォトポリマーベースの記録媒体は、こうした望ましくない特性を持つだけでなく、フォトポリマーベースの記録媒体に複数のホログラフィ像を記録することが困難である。従って、フォトポリマーベースの記録媒体は、一般的にセンサとして使用するには不適である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態は、(a)ポリマーマトリックスを含むホログラフィック記録媒体と(b)ホログラフィ像とを含むホログラフィックセンサに関し、前記ホログラフィ像は、前記ホログラフィック記録媒体に回折フリンジとして記録された少なくとも1つのホログラフィ像であって、この回折フリンジは、橋かけ環を含む二量体構造を含んでいる。ホログラフィック記録媒体は、少なくとも1つの出力信号を提供することにより外部刺激に応答する。
【0005】
本発明の一実施形態はまた、ホログラフィック記録媒体にも関する。このホログラフィック記録媒体は、(a)ポリマーマトリックスと、(b)複数の二量化可能な化学基を含み、前記二量化可能な化学基は、(i)光環化付加による橋かけ環の形成により二量化し、且つ(ii)ポリマーマトリックス全体にわたり分散し、その分散密度は、(1)二量化可能な化学基の一部を二量化することによるホログラムの記録と、(2)外部刺激の存在に対してポリマーマトリックスが応答したときのホログラムの光学特性の変化が検出されるのを可能とするのに十分な密度である。
【0006】
本発明の一実施形態はまた、外部刺激の存在の検出方法にも関する。この方法では、外部刺激に応答して、二量体構造の互いに対する空間位置、及び二量体構造と二量化可能な化学基に対する相対的な空間位置が変化することを含み、それにより、観測可能なホログラフィ像が提示されるか又はホログラフィ像の観測可能な変化がもたらされ、観測可能なホログラフィ像の存在又は変化によって、外部刺激の存在が示される。
【0007】
本発明の一実施形態はまた、ホログラフィ像の記録方法にも関する。この方法は、(1)光環化付加により、二量化可能な化学基が二量化して二量体構造を形成する割合を制御するとともに、(2)前記二量体構造の互いに対する空間位置、及び二量体構造と二量化されなかった二量化可能な化学基との空間位置の保持を制御する工程を含み、この制御工程により、前記ホログラフィ像を記録すること、及び記録後に外部刺激が存在するとき、前記記録されたホログラフィ像が、制御下で観測可能な応答を行なうことを可能にする。制御下での観測可能な応答は、典型的には出力信号である。例えば、制御下での観測可能な応答とは、記録されたホログラフィ像の再生波長が、外部刺激の存在下で、ある程度制御されて変化することであってもよい。例えば、制御下での観測可能な応答は、長波長に向かう変化であってもよい。
【0008】
本発明の一実施形態はまた、ホログラフィ像の記録方法にも関し、この方法は、(a)ホログラフィ像を表す光子に応答し、二量化可能な化学基が光環化付加により二量化して二量体構造を形成する工程と、(b)二量体構造の互いに対する空間位置、及び二量体構造と二量化されなかった二量化可能な化学基との空間位置を保持する工程とを含み、それにより、記録されたホログラフィ像が保持される。そして、前記二量化工程及び前記保持工程に伴って記録されたホログラフィ像は、記録後に外部刺激が存在するとき、制御下で観測可能に応答を行なう。
【0009】
本発明の一実施形態はまた、ホログラフィ像の他の記録方法にも関し、この方法は、(a)二量化可能な化学基同士及び二量体構造同士の空間位置を保持する工程と、(b)前記ホログラフィ像を表す光子に応答して、前記二量化可能な化学基を光環化付加により二量化し、二量体構造を形成するとともに、それにより記録されたホログラフィ像を保持する工程とを含み、(c)記録後に外部刺激が存在するとき、前記保持および二量化に伴って記録されたホログラフィ像を制御下で観測可能に応答させる。
【0010】
本発明の一実施形態はまた、外部刺激の存在の検出方法にも関する。この方法は、(1)ホログラフィックセンサを提供する工程と、(2)外部刺激の存在を検出する工程と、
を含み、前記工程(1)において、前記センサは、(a)ポリマーマトリックスを含むホログラフィック記録媒体と、(b)ホログラフィ像と、を含むホログラフィックセンサであって、前記ホログラフィ像は、前記ホログラフィック記録媒体に回折フリンジとして記録された少なくとも1つのホログラフィ像であって、前記回折フリンジは、橋かけ環を含む二量体構造を含み、ここで、前記ホログラフィック記録媒体は、少なくとも1つの出力信号を提供して外部刺激に応答し、
前記工程(2)において、前記少なくとも1つの出力信号の存在を検出して、それにより前記外部刺激の存在を検出する。
【0011】
本発明の一実施形態はまた、ホログラフィックセンサの製造方法にも関する。この方法は、少なくとも1つのホログラフィ像を回折フリンジとしてホログラフィック記録媒体に記録する工程を含み、前記ホログラフィック記録媒体は、(i)ポリマーマトリックスと、(ii)光環化付加による橋かけ環の形成により二量化する複数の二量化可能な化学基とを含み;前記回折フリンジは、橋かけ環を含む複数の二量体構造を含み、及び前記ホログラフィック記録媒体は、少なくとも1つの出力信号を提供することにより外部刺激に応答する。
【0012】
本発明の一実施形態はまた、上述の方法のいずれかにより調製されたホログラフィックセンサにも関する。
【0013】
本発明の一実施形態はまた、ポリマーマトリックスと、光環化付加による橋かけ環の形成により二量化する化学基とを含むホログラフィック記録媒体にも関する。ホログラフィック記録媒体の物理的又は化学的特性は、外部刺激に応答して変化する。光重合(photo-polymerization)により屈折率が変化するフォトポリマーベースの媒体と比べ、前記ホログラフィック記録媒体は、利点を有している。フォトポリマーベースの媒体とは対照的に、本発明のこの実施形態のホログラフィック記録媒体では、光環化付加によって屈折率が変化する。
【0014】
本発明の一実施形態はまた、ホログラフィック記録媒体と、前記ホログラフィック記録媒体に回折フリンジとして記録された少なくとも1つの像とを含むホログラフィックセンサに関する。回折フリンジは、橋かけ環を含む二量体性基を含む。ホログラフィック記録媒体は、少なくとも1つの読み出し信号を発生することにより外部刺激に応答する。
【0015】
本発明の一実施形態はまた、外部刺激の検出方法にも関し、これは、ホログラフィックセンサに対し、外部刺激を加え、前記ホログラフィック記録媒体が、少なくとも1つの読み出し信号を発生することにより外部刺激に応答する工程と、前記少なくとも1つの読み出し信号を検出する工程と、を含み、前記ホログラフィックセンサは、ホログラフィック記録媒体と、前記ホログラフィック記録媒体に回折フリンジとして記録された少なくとも1つの像とを含み、前記回折フリンジは、橋かけ環を含む二量体化学基を含む。
【0016】
本発明の一実施形態はまた、ホログラフィックセンサの製造方法にも関し、これは、(a)ホログラフィック記録媒体を製造または提供する工程と、(b)前記ホログラフィック記録媒体に少なくとも1つの像を回折フリンジとして記録する工程と、含み、前記ホログラフィック記録媒体は、(i)ポリマーマトリックスと、(ii)光環化付加による橋かけ環の形成により二量化する化学基とを含む。前記回折フリンジは、橋かけ環を含む二量体基を含む。また、前記ホログラフィック記録媒体は、少なくとも1つの読み出し信号を生成することにより外部刺激に応答する。
【0017】
本発明の一実施形態のホログラフィック記録媒体には、数多くの利点がある。銀粒子をポリマーマトリックス中に拡散させる工程がなくなるため、ハロゲン化銀ベース及び他のタイプのホログラフィック記録媒体と比べて製造プロセスが簡略化される。ポリマーマトリックス及び二量化可能な化学基の材料を選択することにより、本発明の記録媒体及びそれを含むセンサの実施形態は、医療診断及びモニタリング(例えば、免疫診断、グルコースモニタリング)並びにセキュリティ用途など、様々な分野における用途に向けて最適化することができる。加えて、光環化付加反応を用いると、干渉パターンの縞を作り出すだけでなく、架橋ポリマーマトリックス、例えばヒドロゲルを作り出すこともできる。これにより、ホログラフィックセンサを一工程プロセスで作製することが可能となるため、製造方法がさらに簡略化される。加えて、本発明の一実施形態のホログラフィック記録媒体を使用して記録されたホログラムは、高い回折効率を有する。
【0018】
上記については、添付の図面に示されるとおりの、以下の本発明の例示的実施形態のより詳細な説明により明らかとなるであろう。図面では、各図にわたり同様の参照符号は同じ要素を指示する。図面は必ずしも一定の尺度とは限らず、むしろ本発明の一実施形態を説明することに重点を置いている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】種々のpHの液体に曝露したときの、本発明の一実施形態に係るホログラフィックセンサの再生波長の変化についての計測を示すグラフである。このホログラフィックセンサは、ホログラフィック記録媒体に記録されたホログラフィ性の干渉縞を含んでいる。記録されたホログラムの再生波長は、1.5単位の(pH6からpH7.5への)pH変化に応答して149nmだけ変化した。
【図2】本発明のいくつかの実施形態に係るホログラフィック記録媒体における干渉縞の調製及び記録方法を示す概略図である。。
【図3】様々なグルコース濃度が、グルコース反応性フォトポリマーホログラムの再生波長に及ぼす影響についての計測を示すグラフである。
【図4】本発明の一実施形態に係るホログラフィック記録媒体に干渉縞を記録し、さらに同時にホログラフィック記録媒体を硬化させる方法を説明する概略図である。
【図5】残存する二量化可能な基の後硬化を含まないフォトポリマーホログラムの調製方法(左)と、本発明の一実施形態に係る、残存する二量化可能な基の後硬化を含むフォトポリマーホログラムの調製方法(右)とを比較する概略図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るホログラフィック記録媒体の製造プロセスを例示する概略図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るホログラフィック記録媒体の別の製造プロセスを例示する概略図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るホログラフィックセンサの調製の概略図であり、レーザーを使用してホログラフィック記録媒体にホログラフィ像を記録する。この図では、本発明の一実施形態に係るポリマーマトリックス中での二量化に起因する化学変化を示すとともに、ホログラフィックセンサが適用され、制御下での観測可能な応答によって、外部刺激が検出されることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の例示的実施形態を以下に記載する。
【0021】
用語「アルキル」は、本明細書で使用されるとき、特に指示されない限り、直鎖状又は分枝鎖状の飽和一価炭化水素、典型的にはC1〜C20、好ましくはC1〜C10又はC1〜C6を含む。アルキル基の例としては、限定はされないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、及びt−ブチルが挙げられる。置換アルキルに好適な置換基としては、−OH、−SR、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、−COOH、−COX(式中、X=Cl、Br、I)、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルコキシ若しくはC1〜C3アルキルスルファニル、又は−(CH−(CR−C(O)OH(式中、p及びqは、独立して1〜10の整数である)が挙げられる。
【0022】
用語「シクロアルキル」は、本明細書で使用されるとき、非芳香族の飽和炭素環部分である。シクロアルキルの例としては、限定はされないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルが挙げられる。シクロアルキルに好適な置換基は、上記に定義されたアルキルに準じる。
【0023】
用語「炭化水素環」は、本明細書で使用されるとき、典型的には4〜8員、好ましくは5〜6員の炭素環式環系であり、1つ又は複数の結合が任意に不飽和である。
【0024】
本明細書で使用されるとき、「ジアルキル」又は「アルキレン」は、構造式−(CR−を有する部分であり、式中、R及びRは、各々が独立して、水素であるか、又は任意に置換されている上記のアルキルのいずれかであり、mは1以上の整数である。
【0025】
用語「アルコキシ」は、本明細書で使用されるとき、「アルキル−O−」基を意味し、式中、アルキルは上記に定義される。
【0026】
用語「アリール」は、本明細書で使用されるとき、炭素環式芳香族基を指す。アリール基の例としては、限定はされないが、フェニル及びナフチルが挙げられる。
【0027】
用語「アリールオキシ」は、本明細書で使用されるとき、「アリール−O−」基を意味し、式中、アリールは上記に定義される。
【0028】
用語「非芳香族複素環」は、典型的には4〜8員、好ましくは5〜6員の非芳香族の炭素環式環系を指し、1個以上、好ましくは1〜4個の環炭素が、各々、N、O、又はSなどのヘテロ原子に置き換えられている。非芳香族複素環は、任意に不飽和であってよい。非芳香族複素環の例としては、3−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロピラニル、3−テトラヒドロピラニル、4−テトラヒドロピラニル、[1,3]−ジオキサラニル(dioxalanyl)、[1,3]−ジチオラニル、[1,3]−ジオキサニル、2−テトラヒドロチオフェニル、3−テトラヒドロチオフェニル、2−モルホリニル、3−モルホリニル、4−モルホリニル、2−チオモルホリニル、3−チオモルホリニル、4−チオモルホリニル、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル、4−チアゾリジニル、ジアゾロニル、N−置換ジアゾロニル、及び1−フタルイミジニルが挙げられる。
【0029】
本明細書で使用されるとき、アミノ基は、第一級(−NH)、第二級(−NHR)、又は第三級(−NR)であってもよく、式中、R及びRは、任意に置換されている上記のアルキルのいずれかであってよい。
【0030】
非芳香族複素環基は、C結合型であっても、又はN結合型であってもよい(それが可能な場合)。例えば、ピロールに由来する基は、ピロール−1−イル(N結合型)又はピロール−3−イル(C結合型)であり得る。
【0031】
本明細書で使用されるとき、「PEG」は、好ましくは平均分子量が12000ダルトン(Da)以下のポリ(エチレングリコール)を指す。
【0032】
本明細書で使用されるとき、「NHS」及び「スルホ−NHS」は、それぞれ、N−ヒドロキシスクシンイミド及びスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミドを指す。
【0033】
アリール、ヘテロアリール、又は非芳香族複素環基に好適な置換基は、開示される化合物の活性を実質的に阻害しないものである。1つ又は複数の置換基が存在してもよく、それらは同一であっても、又は異なってもよい。アリール、ヘテロアリール又は非芳香族複素環基の置換可能な炭素原子に好適な置換基の例としては、−OH、ハロゲン(−F、−Cl、−Br、及び−I)、−R’、ハロアルキル、−OR’、−CHR’、−CHOR’、−CHCHOR’、−CHOC(O)R’、−O−COR’、−COR’、−SR’、−SCHR’、−CHSR’、−SOR’、−SOR’、−CN、−NO、−COOH、−SOH、−NH、−NHR’、−N(R’)、−COOR’、−CHCOOR’、−CHCHCOOR’、−CHO、−CONH、−CONHR’、−CON(R’)、−NHCOR’、−NR’COR’、−NHCONH、−NHCONR’H、−NHCON(R’)、−NR’CONH、−NR’CONR’H、−NR’CON(R’)、−C(=NH)−NH、−C(=NH)−NHR’、−C(=NH)−N(R’)、−C(=NR’)−NH、−C(=NR’)−NHR’、−C(=NR’)−N(R’)、−NH−C(=NH)−NH、−NH−C(=NH)−NHR’、−NH−C(=NH)−N(R’)、−NH−C(=NR’)−NH、−NH−C(=NR’)−NHR’、−NH−C(=NR’)−N(R’)、−NR’H−C(=NH)−NH、−NR’−C(=NH)−NHR’、−NR’−C(=NH)−N(R’)、−NR’−C(=NR’)−NH、−NR’−C(=NR’)−NHR’、−NR’−C(=NR’)−N(R’)、−SONH、−SONHR’、−SONR’、−SH、−SOR’(kは、0、1又は2である)及び−NH−C(=NH)−NHが挙げられる。各R’は、独立してアルキル基である。オキソ(C=O)及びチオ(C=S)もまた、非芳香族複素環に好適な置換基である。
【0034】
非芳香族複素環基又はヘテロアリール基の窒素に対して好適な置換基としては、−R”、−N(R”)、−C(O)R”、−COR”、−C(O)C(O)R”、−C(O)CHC(O)R”、−SOR”、−SON(R”)、−C(=S)N(R”)、−C(=NH)−N(R”)、及び−NR”SOR”が挙げられる。R”は、水素、アルキル又はアルコキシ基である。
【0035】
アリール、ヘテロアリール、又は非芳香族複素環基における炭素原子は置換可能であってもよく、好適な置換基のさらなる例としては、限定はされないが、−OH、ハロゲン(−F、−Cl、−Br、及び−I)、−R、−OR、−CHR、−CHOR、及び−CHCHORが挙げられる。各Rは、独立してアルキル基である。
【0036】
単語「環化付加」は、少なくとも2つのπ結合が失われ、少なくとも2つのσ結合が得られるペリ環状化学反応を指す専門用語であり、その結果として得られる反応は環化反応である(例えば、「March’s Advanced Organic Chemistry」、M.B.Smith及びJ.March、第5版、1062〜1093頁を参照)。
【0037】
本明細書で使用されるとき、「橋かけ環」は、上記に定義されるとおりの、環化付加反応により形成される「炭化水素環」又は「非芳香族複素環」を指す。例えば、2個の不飽和環は、方法1に示されるとおり、シクロブタン架橋を生じる環化付加反応により二量化することができる。光増感剤を使用して光環化付加反応を誘発することもできる。好適な光増感剤の存在下では、光環化付加反応を種々の波長で起こるように調整することができる。例えば、ジメチルマレイミドの紫外線吸収は270〜300nmの領域にある。従って、ジメチルマレイミド基の環化付加には、発光極大が深紫外線にある光源が必要となる。しかしながら、好適なチオキサントンの存在下では、ジメチルマレイミド基の環化付加反応を近紫外線(360〜430nm)に増感することができる。
【0038】
【化1】

【0039】
本明細書で使用されるとき、「橋かけ環を介して二量化する化学基」とは、場合によりさらに大きい化合物の一部である不飽和環を指し、ここで2個のかかる化学基は環化付加(cycloadditon)反応で反応し、橋かけ環を介して二量化することができる。橋かけ環を介して二量化する化学基を供与する化合物の例としては、シンナモイル、カルコン、アントラセン、クマリン、スチルバゾリウム、マレイミド、及びそれらの誘導体が挙げられる。2+2環化付加により4員環構造が形成されてもよく、4+4環化付加により8員環構造が形成されてもよい。かかる反応を起こす化学基の例は上記に示される。化学基は、ポリマー鎖と共有結合してもよく(ペンダント基)、又は橋かけ環を介して二量化する化学基を提供する化合物の形態でポリマーマトリックスと混和されてもよい。橋かけ環を介して二量化する2個の化学基が二量化すると、それらは「二量体」又は「二量体化合物」を形成する。
【0040】
「化学線」は、光化学活性を生じることが可能な電磁エネルギーを指す専門用語である。化学線の例としては、紫外線、可視光線、赤外線、α線、β線、又はγ線、及びX線が挙げられる。
【0041】
本発明の一実施形態は、橋かけ環を介して二量化する化学基とポリマーマトリックスとを含むホログラフィック記録媒体に関する。また、本発明の一実施形態は、ホログラムが記録されたホログラフィック記録媒体を含むセンサに関する。橋かけ環を介して二量化する化学基は、ポリマーマトリックスの一成分であってもよく(例えば、ペンダント基)、又は別個の化合物若しくは別個の化合物の一部位であってもよい。本明細書に記載されるとおり、橋かけ環を介して二量化する化学基を二量化させて干渉縞が形成される。その結果、ホログラフィック記録媒体にホログラムを記録することができる。ホログラフィック記録媒体の物理的又は化学的特性は、外部刺激に応答して変化する。そのため、このようなホログラフィック記録媒体を使用することにより、外部刺激を検出又は定量化するためのホログラフィックセンサを調製することができる。例えば、ホログラムが記録媒体に記録されると、記録媒体の物理的又は化学的特性の変化によりホログラムの再生波長をシフトすることができる。詳細な例では、外部刺激が存在しない場合に可視スペクトルで再生されるホログラムが、刺激が存在する場合には紫外又は赤外スペクトルで再生されてもよいし、又は刺激が存在しない場合にある色で再生されるホログラムが、刺激が存在する場合には別の色で再生されてもよい。
【0042】
図8は、本発明の一実施形態に係るホログラフィック記録媒体(要素802)を示す概略図である。前記ホログラフィック記録媒体(要素802)中に存在するホログラフィ像の記録(要素801)することにより、本発明の一実施形態に係るホログラフィックセンサ(要素813)を形成することができる。そして、このホログラフィックセンサ(要素813)を使用して、外部刺激(要素808)を検出することができる。ホログラフィック記録媒体はポリマーマトリックス(要素811)を含み、反射面/反射像(要素810)上に位置決めされる。ホログラフィ像の記録前、本発明の一実施形態に係るポリマーマトリックス(要素811)は、任意の架橋結合(要素803)と二量化可能な化学基(要素805)とを含む直鎖状及び/又は分枝鎖状ポリマー鎖(要素804)を含む。そして、記録中、二量化可能な化学基は光環化付加により二量化して二量体構造(要素806)を形成する。これらの二量体構造が、ホログラフィックセンサにおいて記録されたホログラフィ像の回折フリンジの一部となる。本発明の一実施形態に従えば、ホログラフィックセンサのポリマーマトリックスは、外部刺激(要素808)の存在下/外部刺激(要素808)との接触により、膨潤して膨潤ポリマーマトリックス(要素812)となり、応答性のホログラフィックセンサ(要素807)を構成する。このホログラフィックセンサ(要素807)は、外部刺激(808)に対する制御下での観測可能な応答(要素809)(例えば、記録されたホログラフィ像の再生波長の変化などの出力信号)を提供する。
【0043】
[本発明のホログラフィック記録媒体]
一実施形態において、本発明は、橋かけ環を介して二量化する化学基とポリマーマトリックスとを含むホログラフィック記録媒体である。ホログラフィック記録媒体の物理的又は化学的特性は、外部刺激に応答して変化する。
【0044】
ホログラフィック記録媒体では、その物理的又は化学的特性を、所望の外部刺激に応じて変化するように調製することができる。例えば、必要であれば、ホログラフィック記録媒体は、分析物などの所望の外部刺激と相互作用した場合、媒体の特性に変化を生じさせ、その結果、分析物を検出する手段を備えることもできる。概してかかる手段は分析物に対する結合親和性を有し、例えば、リガンド(例えば、ボロン酸類)、キレート剤(例えば、サイクラム)、酵素、抗体、受容体及び検出される分析物と同種のリガンドが挙げられる。1つ又は複数のかかる手段は、任意の好適な方法を用いて媒体中に含めることができる。
【0045】
いくつかの実施形態において、外部刺激は、湿度、水、気体、蒸気、有機若しくは無機溶剤、化学物質、金属イオン、化学物質の溶液又は分散液、圧力、温度、酸性度、電磁波、磁界、電界、電離放射線、プロトン性物質、非プロトン性若しくは無極性物質、流体、又は分析物を含む流体のうちの1つ又は複数である。分析物は、限定はされないが、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、アミノ酸、核酸、オリゴヌクレオチド、治療剤、治療剤の代謝産物、RNA、DNA、抗体、生物体、ウイルス、細菌、炭水化物、単糖類、二糖類、多糖類、リポタンパク質、脂肪酸、糖タンパク質、プロテオグリカン、又はリポ多糖類であり得る。典型的には、分析物は、タンパク質、核酸、単糖類、二糖類、多糖類、及び微生物であり得る。より典型的には、分析物は、単糖類又は二糖類であり得る。外部刺激のより詳細な例としては、グルコース、ラクトース、乳酸、カリウム、若しくはCOなどの血液分析物、空気温度、相対湿度、有毒若しくは引火性ガスの蒸気、有機リン剤、紫外線、X線、γ線、ウイルス、炭疽菌の芽胞、リポサッカライドなどの抗体産生剤、又は液体環境の酸性度(pH)の変化が挙げられる。
【0046】
「非プロトン性物質」は、本明細書において参照されるとき、非プロトン性溶剤を指し、例えば、ペルフルオロヘキサン、α,α,α−トリフルオロトルエン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン、ジオキサン、四塩化炭素、フレオン−11、ベンゼン、トルエン、トリエチルアミン、二硫化炭素、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル(エーテル)、t−ブチルメチルエーテル(MTBE)、クロロホルム、酢酸エチル、1,2−ジメトキシエタン(グリム)、2−メトキシエチルエーテル(ジグリム)、テトラヒドロフラン(THF)、塩化メチレン、ピリジン、2−ブタノン(MEK)、アセトン、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチルピロリジノン、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、スルホラン、ジメチルスルホキシド及びプロピレンカーボネート、並びに無極性及び弱極性化合物、例えば、アルカン及びケトンが挙げられる。
【0047】
「プロトン性物質」は、本明細書において参照されるとき、プロトン性溶剤を指し、例えば、プロピオン酸、ジエチルアミン、ブチルアミン、プロピルアミン、酢酸、トリフルオロ酢酸(TFA)、フェノール、イソプロピルアルコール、アンモニア(無水物)、エタノール、(エチルアルコール)、2,2,2−トリフルオロエタノール、メチルアルコール、エチレングリコール、グリセロール、ギ酸、水及びホルムアミド、並びに極性化合物が挙げられる。
【0048】
一般的に、外部刺激に応答して変化する物理的又は化学的特性は、媒体の体積、媒体のサイズ、媒体の密度、媒体の比質量、媒体の屈折率、及び二量化した化学基の屈折率のうちの少なくとも1つである。外部刺激に応答して変化し得る記録媒体の物理的又は化学的特性の他の例は、形状、硬さ、疎水性、完全性、分極率、及び電荷分布である。
【0049】
ホログラフィック記録媒体で干渉縞を生成するために用いられる、橋かけ環を介して二量化する化学基を含む化合物は、光環化付加反応により橋かけ環を形成することによって二量化し得る。橋かけ環の例としては、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルなどが挙げられる。例示的な橋かけ環は、シクロブチルである。
【0050】
橋かけ環の形成に関与する二量化可能な化学基(下記構造式(I)で表される化合物など)において、二重結合の反応性は、電子求引基若しくは電子供与基を導入したりすることにより変化させることができる。又は場合により、その反応性は、二重結合に対する置換基として「分子の安定性」に影響を及ぼす他の基(例えば構造式(I)で表される化合物に示される基R1及びR2)を導入することにより変化させることもできる。反応性が向上すると、反応に必要な光子エネルギーを低下でき、それにより記録波長を可視スペクトル範囲にすることに相当すると考えられる。さらに、ホログラム記録(本明細書では「ホログラムの書き込み」とも称される)後において、シクロブタン環などの橋かけ環の安定化を促進する基を使用することで、記録波長を変化させることができる。同様に、こうした基を使用して、二量化反応及び環の安定性を上記のとおり変更することもできる。このような実行可能な方法は多くある。
【0051】
本発明の一実施形態に係るホログラフィック記録媒体に用いられる、橋かけ環を介して二量化する化学基は、可逆的に、又は実質的に不可逆的に二量化することができる。いくつかの実施形態において、ホログラフィック記録媒体に用いられる、橋かけ環を介して二量化する化学基は、実質的に不可逆的に二量化する。不可逆的な二量体形成は、任意の好適な方法を用いて容易に決定することができ、例えば、約250nm〜約320nm(例えば、250nm、260nm、270nm、280nm、290nm、300nm、310nm、320nm)、用途によっては好ましくは290nmの波長を有する光(例えば、レーザー)で二量体化合物を露光し、二量体化合物の残存、又は単量体への変換を判断することにより、不可逆的な二量体形成の有無を判断できる。例えば、マレイミド基は光環化付加により実質的に不可逆的に二量化し、且つ290nmの光に露光したとき安定しており、一方、アントラセンは可逆的に二量化する。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態での使用に好適な二量化可能な化学基を供与する化合物の例としては、シンナモイル、カルコン、アントラセン、クマリン、スチルバゾリウム、マレイミド、及びそれらの誘導体が挙げられる。これらの基又はそれらの誘導体を含む1つ又は複数の化合物を使用することができる。特定の実施形態では、二量化可能な化学基はホログラフィック記録媒体のポリマーマトリックスと共有結合する。例えば、二量化可能な化学基は、ポリマーマトリックスの一成分であるペンダント基であり得る。このタイプのホログラフィック記録媒体は、任意の好適な方法を用いて調製することができ、例えば本明細書に記載された二量化可能な化学基を含有する単量体を含むポリマーを調製してホログラフィック記録媒体を調製してもよいし、又は二量化可能な化学基と官能基とを含有する化合物と、相補性の官能基を含有するポリマーマトリックスとを反応させ、化学結合(好ましくは共有結合)を形成してホログラフィック記録媒体を調製してもよい。任意の好適な官能基及び相補性官能基を使用することができる。多くの好適な官能基及び相補性官能基が当該技術分野において周知されており、例えば、ハロケトン又はハロメチルケトンなどの求電子基が、−OHなどの求核基と反応することができる。他の官能基は、アミン(第一級、第二級及び第三級)、−COOH、−COX(式中、X=F、Cl、Br、I)、ジスルフィド及びN−ヒドロキシスクシンイミドのエステルであり得る。
【0053】
他の実施形態では、二量化可能な化学基はポリマーマトリックスと共有結合しない。一例において、二量化可能な化学基は、ポリマーマトリックス中に(例えば、溶解して)存在する化合物の一部である。この例のホログラフィック記録媒体は、二量化可能な化学基を含む化合物を好適なポリマーマトリックス中に拡散させ、次に、必要であれば、マトリックスを所望の程度まで乾燥させるなど、任意の好適な方法を用いて調製することができる。
【0054】
ポリマーマトリックスは任意の好適なポリマーマトリックスであってよく、ポリマーマトリックスが親水性の場合、典型的には1種類又は複数種類の単量体を重合してヒドロゲルを形成することにより調製される。重合してヒドロゲルを形成することのできる単量体としては、親水性単量体(アニオン性、カチオン性、非イオン性単量体及び両性イオン性単量体)、及び両親媒性単量体が挙げられる。必要であれば、疎水性単量体などのさらなる単量体を含めてコポリマーを形成してもよい。必要であれば、ポリマーマトリックスは、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン単量体(MPC)を含むポリマーなどのバイオポリマー又は生態適合性ポリマーであってもよく、又はそれを含んでもよい。
【0055】
ポリマーマトリックスは、1つ又は複数の疎水性単量体を重合することにより調製されたポリマーであってもよく、又はそれを含んでもよい。好適な疎水性単量体の例、並びに様々な疎水性ポリマーの特性、架橋及び合成については、「George Odian’s book,Principles of Polymerization」、第3版、Wiley−Interscience(特に、121〜141頁、155〜158頁、303〜314頁及び518〜522頁)に記載されており、その教示全体を参照により本明細書に援用する。
【0056】
本発明に好適な疎水性ポリマーとしては、例えば、ポリ(スチレン)、ポリ(ウレタン)、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ(フルオロカーボン)、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアクリレート及びアクリル酸アルキル、ポリシロキサン、ポリアセタール並びにそれらのコポリマーが挙げられる。
【0057】
疎水性ポリマーは、水溶液中では実質的に膨潤性ではないものの、非プロトン性物質、例えば、アルカン、ケトン、及び塩素含有分子の分子蒸気を非特異的に吸収することができる。従って、疎水性ポリマーを使用して本発明の一実施形態に係るホログラフィックセンサのポリマーマトリックスを調製する場合、ホログラフィックセンサは、非プロトン性溶剤又は無極性化合物の分子気体などの非プロトン性物質に曝露されると、疎水性ポリマーマトリックスが膨潤し、出力信号、例えば記録されたホログラムの再生波長を変化させる。
【0058】
好適な親水性単量体の例としては、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)、ポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート(PEGMA)、ポリ(ビニルアルコール)、酢酸ビニル、アクリル酸(AA)、アクリルアミド、メタクリル酸(MAA)、N,N−メチレンビスアクリルアミド(BIS)、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、メタクリル酸のナトリウム塩、2−(ジメチルアミノエチル)メタクリレート(DMAEMA)、スチレン4−スルホン酸、及び2−(N,Nジメチル−N−(2−メタクリルオキシエチル)アンモニウム)エタン酸などが挙げられる。好適な親水性ポリマーとしては、これらの単量体のポリマー及びコポリマーが挙げられる。親水性ポリマーの具体例としては、ポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート(PEGMA)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(グリシドール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(メチルビニルエーテル)などが挙げられる。
【0059】
ポリマーマトリックスは、刺激応答性ポリマー、例えば、pH、温度、水分(例えば、液体、蒸気若しくは気体の形態の水)又は生化学的な刺激に対して応答性を有するポリマーであってもよく、又はそれを含んでもよい。好適な刺激応答性ポリマーの例としては、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(p(NIPAAm))、ポリ(N−イソプロピルメタクリルアミド)、ポリ(N−エチル−N−メチルアクリルアミド)、ポリ(N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ビニルカプロラクタム)、ポリ(ビニルイソブチロアミド)、ポリ(メチルビニルエーテル)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(2−エチルオキサゾリン)、及びヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。pH応答性のポリマーの例としては、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、及びカルボン酸基及び/又はアミン基を含む(例えば、それで修飾された)単量体で構成されたポリマーが挙げられる。ポリマーマトリックスはまた、例えば、酵素基質、又は親和性リガンドを取り込むことにより、生化学的な刺激に対しても応答性を有することができる。
【0060】
いくつかの実施形態において、ポリマーマトリックスはゼラチンであるか、又は、(ヒドロキシエチル)メタクリレート(HEMA)、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)、メタクリル酸(MAA)、及び/又はアクリルアミドを含むポリマーである。ポリマーマトリックスは、(ヒドロキシエチル)メタクリレート(HEMA)、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)、及び/又はメタクリル酸(MAA)を含むポリマーであってもよい。橋かけ環を介して二量化する化学基がポリマーマトリックスの一成分であることが望ましい場合、ポリマーは、(ヒドロキシエチル)メタクリレート(HEMA)、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)、メタクリル酸(MAA)、又はアクリルアミドの、二量化可能な化学基、例えば、本明細書に記載される2−(3,4,−ジメチル−2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチルメタクリレート(DMIMA)を含む好適な誘導体を含むことができる。
【0061】
好適なポリマーマトリックスとしては、アクリルアミドと、1つ又は複数のさらなる単量体、例えば、本明細書に記載される単量体か、又は本明細書に記載されるポリマー、例えば、酢酸ビニル、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)及びN−イソプロピルアクリルアミドの生成に用いられる単量体とのコポリマーが挙げられる。
【0062】
本発明の一実施形態に係るホログラフィック記録媒体に用いることのできる、橋かけ環を介して二量化する化学基を含む特定の化合物は、マレイミド基を含み、構造式(I)で表される:
【0063】
【化2】

【0064】
式(I)中:
及びRは、各々独立して、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシであるか、又はR及びRは、それらが結合する炭素原子と共に飽和若しくは不飽和の5員若しくは6員炭化水素環若しくは複素環を形成し、ここで、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ及び炭化水素環又は複素環は、各々、COOH、−COX、−OH、−NR、又はハロゲンで任意に置換されており;好ましくは、R及びRは、各々独立して、C1〜C6アルキル、又はC3〜C6シクロアルキル(各々、−OH、−NR、又はハロゲンで任意に置換されている)であり;より好ましくは、R及びRは、各々独立して、C1〜C6アルキル(−OH、−NR、又はハロゲンで任意に置換されている)である。
は、窒素又は酸素に任意に置き換えられるか、及び/又は、−COOH、−COX、−OH、−NR、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、−SR、−Si(RX、又はSi(Rで任意に置換されている1個以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個)の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C20アルキル又はC3〜C10環状アルキルであり;又はRは、平均分子量が12000以下のポリ(エチレングリコール)(PEG)(ここでヒドロキシル基は、アミン、−COOH、−COX、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、−SR、−Si(RX若しくは−Si(Rに任意に置き換えられる)であり;又はRは、−(PEG)分子量≦12000C(O)O−NHS、若しくは−(PEG)分子量≦12000C(O)O−スルホ−NHSである。好ましくは、Rは、平均分子量が12000以下のポリ(エチレングリコール)(PEG)(ここでヒドロキシル基は、アミン、−COOH、−COX、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、−SR、−Si(RX若しくは−Si(Rに任意に置き換えられる);−(PEG)分子量≦12000C(O)O−NHS、−(PEG)分子量≦12000C(O)O−スルホ−NHS、又は、アクリレート、メタクリレート、若しくはアクリルアミドで置換されている直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C10アルキルであり;より好ましくは、Rは、メタクリレートで置換されている直鎖状又は分枝鎖状C1〜C10アルキルである。
Xは、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)であり;
は、水素又は直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C10アルキル、アルコキシ又はC3〜C10環状アルキルであり;及び
及びRは、各々独立して、水素又はC1〜C6アルキルである。
【0065】
好ましくは、式(I)中、R及びRは、各々独立して、C1〜C6アルキル、又はC3〜C6シクロアルキル(各々、−OH、−COOH、−COX、−NR、又はハロゲンで任意に置換されている)であり;及びRは、平均分子量が12000以下のポリ(エチレングリコール)(PEG)(ここでヒドロキシル基は、アミン、−COOH、−COX、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、−SR、−Si(RX又は−Si(Rに任意に置き換えられる);−(PEG)分子量≦12000C(O)O−NHS、−(PEG)分子量≦12000C(O)O−スルホ−NHS、又は、アクリレート、メタクリレート、若しくはアクリルアミドで置換されている直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C10アルキルである。より好ましくは、式(I)中、R及びRは、各々独立して、水素であるか、又は−OH、−NR、若しくはハロゲンで任意に置換されているC1〜C6アルキルであり;及びRは、メタクリレートである。
【0066】
本発明の一実施形態に係るホログラフィック記録媒体に用いることのできる、橋かけ環を介して二量化する化学基を含む化合物の別の例は、マレイミド基を含み、構造式(II)で表される:
【0067】
【化3】

【0068】
式(II)中:
及びRは、上記に式(I)に関して定義され;
R’は、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C20ジアルキル又はC3〜C10環状ジアルキル(ここでC1〜C10ジアルキル又はC3〜C10環状ジアルキルは、窒素又は酸素に任意に置き換えられる1個以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個)の炭素原子を有する)であるか、又はR”は、−C(O)−、−Si(R−、若しくは−(PEG)分子量≦12000−であり;好ましくは、R’は、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C6ジアルキル、C3〜C6環状ジアルキル又は−(PEG)分子量≦12000−であり;より好ましくは、R’は、直鎖状又は分枝鎖状C1〜C6ジアルキル;又は−(PEG)分子量≦12000−であり;
、R、及びRは、各々独立して、水素であるか、又はC1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ(各々、−COOH、−COX、−OH、−NR、若しくはハロゲンで任意に置換されている)であり;好ましくはR及びRは、各々独立して、水素又はC1〜C6アルキルである。
【0069】
好ましくは、式(II)中、R及びRは、各々独立して、C1〜C6アルキル、又はC3〜C6シクロアルキル(各々、−OH、−NR、又はハロゲンで任意に置換されている)であり;R’は、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C6ジアルキル又はC3〜C6環状ジアルキルであり;R、R及びRは、各々独立して、水素又はC1〜C6アルキルである。
【0070】
別の実施形態において、式(II)中、R及びRは、各々独立して、水素であるか、又は−OH、−NR、若しくはハロゲンで任意に置換されているC1〜C6アルキルであり;R’は、直鎖状又は分枝鎖状C1〜C6ジアルキルであり;及びR、R、及びRは、各々独立して、水素又はC1〜C6アルキルである。
【0071】
式(II)の化合物がポリマーマトリックスの一成分である場合、ポリマーマトリックスは構造(IIa)を含み得る:
【0072】
【化4】

【0073】
R1、R2、R’3、R4、R5及びR6は、式(II)について定義されるとおりである。
【0074】
特定の例では、式(II)の化合物は、構造式(III)で表される化合物である:
【0075】
【化5】

【0076】
式(III)の化合物がポリマーマトリックスの一成分である場合、ポリマーマトリックスは構造(IIIa)を含み得る:
【0077】
【化6】

【0078】
一実施形態において、本発明のホログラフィック記録媒体は、式(II)の化合物と、(ヒドロキシエチル)メタクリレート(HEMA)、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)、又はメタクリル酸(MAA)のポリマーから選択されるポリマーマトリックスとを含む。式(II)の変数の値及び好ましい値は、上記に定義されるとおりである。
【0079】
光環化付加により二量化すると、式(I)の化合物は構造式(IV)で表される二量体を形成する:
【0080】
【化7】

【0081】
式(IV)中、変数R’、及びR’は、各々独立して、式(I)について上記に定義されるとおりの、変数R及びRの値及び好ましい値をとる。変数R、R、及びRは、式(I)について上記に定義されるとおりの値及び好ましい値をとる。
【0082】
同様に、光環化付加により二量化すると、式(II)の化合物は構造式(V)で表される二量体を形成する。
【0083】
【化8】

【0084】
式(V)中、変数の値及び好ましい値は、式(II)について上記に定義されるとおりである。変数R’及びR’は、各々独立して、式(II)について上記に定義されるとおりの、変数R、及びRの値及び好ましい値をとる。
【0085】
式(II)の化合物がポリマーマトリックスの一成分である場合、ポリマーマトリックスは、光環化付加(photocycloadditon)による二量化後、構造(Va)を含み得る:
【0086】
【化9】

【0087】
R’、及びR’は、各々独立して、式(II)について上記に定義されるとおりの、変数R及びRの値及び好ましい値をとる。R1、R2、R’1、R’2、R’3、R4、R5及びR6は、式(II)について上記に定義されるとおりである。
【0088】
特定の例では、構造式(V)の二量体は構造式(VI)で表される:
【0089】
【化10】

【0090】
式(VI)の化合物がポリマーマトリックスの一成分である場合、ポリマーマトリックスは、光環化付加(photocycloadditon)による二量化後、構造(VIa)を含み得る:
【0091】
【化11】

【0092】
R1、R2、R’3、R4、R5及びR6は、式(II)について上記に定義されるとおりである。
【0093】
ポリマーマトリックスはまた、式D−FGの付加物を含んでもよく、式中、Dは第2の二量化可能な化学基であり、第2の二量化可能な化学基は、上記の二量化可能な基のいずれか(例えば構造式(I)で表される二量化可能な化学基)であってもよく、FGは官能性付与基である。
【0094】
ポリマーマトリックスはまた、官能性二量体構造L−D−D−FGを含んでもよい。上記式中、Lは存在しないか(官能性二量体構造がポリマーマトリックスと共有結合しない場合)、又は官能性二量体構造をポリマーマトリックスと結合する連結基若しくは結合であり、Dは、光環化付加により付加物D−FGと二量化されて橋かけ環を形成した二量化可能な化学基である。D及びDは同じであっても、又は異なってもよい。典型的には、Lは連結基である結合であり、すなわち、典型的には、官能性二量体構造はポリマーマトリックスのペンダント基である。
【0095】
官能性付与基とは、本発明の一実施形態に係るホログラフィックセンサのホログラフィック記録媒体に組み込まれると、ホログラフィックセンサが外部刺激に対して新しく応答したり、又は応答を変化させたりすることを可能にする化学基である。好適な官能性付与基としては、例えば、リガンド、抗原、抗体、酵素、タンパク質、キレート剤、受容体、刺激応答性オリゴマー又は刺激応答性ポリマーが挙げられる。
【0096】
特定の付加物は、構造式(VII)で表される:
【0097】
【化12】

【0098】
変数R1及びR2は、式(1)について上記に定義される値及び好ましい値をとる。
【0099】
付加物を上記のとおりの二量化可能な化学基と光環化付加により反応させると、ポリマーマトリックス中に官能性二量体構造を取り込むことができ、ここで二量化可能な基は遊離していても、又はポリマーマトリックスと共有結合していてもよい。
【0100】
式(VII)の化合物が二量化可能な化学基D−Lと光環化付加により二量化される場合、ポリマーマトリックスは、式(VIIa)で表される官能性二量体構造を含み得る:
【0101】
【化13】

【0102】
Lは存在しないか(二量化可能な基が遊離している、すなわち、共有結合していない場合)、又は二量化可能な化学基Dをポリマーマトリックスと共有結合させる結合性基である。変数R1及びR2は、式(I)について上記に定義されるとおりの値及び好ましい値をとる。
【0103】
特定の例では、式(VIIa)の官能性二量体構造はポリマーマトリックスの一部であり、構造式(VIIb)で表される構造である:
【0104】
【化14】

【0105】
R’、及びR’は、各々独立して、式(II)について上記に定義されるとおりの、変数R及びRの値及び好ましい値をとる。R1、R2、R’3、R4、R5及びR6は、式(II)について上記に定義されるとおりである。
【0106】
さらに特定の例では、式(VIIb)の官能性二量体構造は構造式(VIIc)で表される構造である:
【0107】
【化15】

【0108】
ポリマーマトリックスの一部である別の特定の二量体構造は、構造式(VIII)で表される:
【0109】
【化16】

【0110】
変数R1及びR2は、式(I)について上記に定義されるとおりの値及び好ましい値をとる。R’3、R4、R5及びR6は、式(II)について上記に定義されるとおりである。
【0111】
構造式(VII)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)及び(VIII)の官能性付与基FGは、リガンド、抗体、酵素、タンパク質、キレート剤、受容体、刺激応答性オリゴマー又は刺激応答性ポリマーであってもよい。
【0112】
より典型的には、構造式(VII)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)及び(VIII)のFGは、シスジオール部分を含む分子を標的とする基である。
【0113】
また、より典型的には、構造式(VII)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)及び(VIII)のFGは、単糖類又は二糖類を標的とする基である。
【0114】
さらにより典型的には、構造式(VII)、(VIIa)、(VIIb)、(Vllc)及び(VIII)のFGは、単糖類を標的とする基である。
【0115】
なおさらにより典型的には、構造式(VII)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)及び(VIII)のFGは、グルコースを標的とする基である。
【0116】
好ましくは、構造式(VII)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)及び(VIII)のFGは、フェニルボロン酸である。
【0117】
より好ましくは、構造式(VII)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)及び(VIII)のFGは、構造式(IXa)又は(IXb)で表される:
【0118】
【化17】

【0119】
【化18】

【0120】
式中、nは、0、1又は2であり、各Rは、独立して、水素、ハロゲン(好ましくは、F若しくはCl)、C1〜C6アルキル、NO、シアノ、COOアルキル、COアルキル又はCFである。
【0121】
好ましい実施形態において、官能性二量体構造は、構造式(X)で表される下部構造を含む:
【0122】
【化19】

【0123】
マレイミド基又は他の二量化可能な化学基とカップリングして付加物を形成することのできる他の官能性付与基FGが、国際公開第03/087899号パンフレット、国際公開第04/081624号パンフレット、国際公開第06/079843号パンフレット及び国際公開第07054689号パンフレットに提供され、これらは全て、本明細書によって全体として参照により援用される。
【0124】
[本発明の例示的実施形態に係るセンサ及び検出方法]
本発明の一実施形態は、本発明の一実施形態に係るホログラフィック記録媒体と、前記ホログラフィック記録媒体に回折フリンジとして記録された少なくとも1つの像とを含むホログラフィックセンサである。回折フリンジは、橋かけ環を含む二量体化合物を含む。上記のとおり、ホログラフィック記録媒体の物理的又は化学的特性は、外部刺激に応答して変化する。
【0125】
ホログラフィックセンサは、いかなる所望の形状又は形態を有してもよい。例えば、センサは、支持層を有しても、又は有しなくともよいフラットフィルム、フレーク、ビーズ、球体(spheres)、バルーン、及びキューブなどの形態であってもよい。様々な形態のセンサを調製するのに好適な方法は、フライス加工、押出しなどを含め、当該技術分野において周知である。ビーズ、フレーク、スフェア、及びバルーンなどの特定のタイプのセンサは、コロイドとして存在し得る。
【0126】
本発明の一実施形態に係るホログラフィックセンサは、少なくとも1つの像が記録されたホログラフィック記録媒体を支持する支持層をさらに含んでいてもよい。典型的な支持層は、透明又は不透明で、可撓性、半剛性又は剛性であり、ガラス、ポリマー、特にプラスチック、あらゆる種類の紙、板紙、繊維材料、場合により2種類の材料を組み合わせて含む紙の金属ラミネート又はプラスチックの金属ラミネート、並びに金属又は木材などの他の適切な材料を含む紙及びプラスチックのラミネートであってもよい。かかる支持体は、概して少なくとも1つの像が記録されたホログラフィック記録媒体を支持するために、適切に付形された表面(平面状など)又は他の適切に付形された表面を有する。例示的な支持材料は、ガラス、プラスチック、金属又は金属とプラスチックとの組み合わせ(例えば、アルミニウム蒸着シート)から選択される。いくつかの実施形態において、支持層は、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム又はポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムである。
【0127】
本発明の別の実施形態は、上記したように、本発明の一実施形態に係るホログラフィックセンサに外部刺激を加える工程と、少なくとも1つの読み出し信号を検出する工程とを含む外部刺激の検出方法である。
【0128】
外部刺激の様々な例は前節に示される。読み出し信号は、ホログラフィック記録媒体の物理的又は化学的特性の変化に基づき、ホログラフィック記録媒体に記録された少なくとも1つの像の再生波長の変動、ホログラフィック記録媒体に付加的に記録された像の出現、及びホログラフィック記録媒体に記録された少なくとも1つの像の消失から選択され得る。
【0129】
詳細な実施形態において、外部刺激は、湿度、酸性度(pH)、金属イオン、グルコース、抗体及び有機リン剤から選択され、読み出し信号は、ホログラフィック記録媒体に記録された少なくとも1つの像の再生波長の変動、ホログラフィック記録媒体に付加的に記録された像の出現、及びホログラフィック記録媒体に記録された少なくとも1つの像の消失から選択される。
【0130】
本発明の特定のセンサは、セキュリティデバイスとして使用することができる。例えば、センサは、赤外光、可視光又は紫外光などの所望の刺激に曝露されたときに付加的なホログラフィ像を出現させることができる。付加的なホログラフィ像の出現は、センサ及びセンサが取り付けられている任意の物品が真正品であることの指標となる。必要であれば、記録されたホログラフィ像は、刺激、例えば、湿度、酸素、グルコース、pH、金属イオン若しくは二酸化炭素/硫化水素濃度(例えば、空気への曝露による)、又は脂質(例えば、人の皮膚に含まれる脂質)の変化に応答して、色が(再生波長の変化により)変化してもよい。かかるセンサを例えば包装材に組み込むと、消費者が購入又は消費する前の包装の完全性を確保することができる。同様に、センサの無傷性が(例えば、包装が破られたことにより)侵害されると、その結果、再生波長が可視スペクトルから赤外又は紫外スペクトルにシフトするか、又はホログラフィック記録媒体が大気(例えば、酸素、二酸化炭素等)と化学反応を起こすことにより、記録された像が消失してもよい。
【0131】
セキュリティデバイスは、セキュリティ素子の公知の用途において有用な形態を呈し得る。例えば、セキュリティデバイスは、ラベル状、パッチ状、ひも状、又は糸状などであってもよく、且つ目的とする用途に適していれば、いかなる所望の形状であってもよい。ラベル状、パッチ状、ひも状、及び糸状などの形態のセキュリティデバイスは、対象物を保護するため対象物の表面に装着され得る。従って、本発明の一実施形態に係るセキュリティデバイスは、接着剤、感圧性接着剤、ホットメルト接着剤、反応性若しくは部分的に反応性のホットメルト接着剤又はそれらの任意の好適な組み合わせなど、任意の好適な方法又は手段を用いて対象物の表面に貼着され得る。接着剤は、概して対象物の表面への永久的な接着状態が確実に実現されるように選択される。このようにすることで、後にセキュリティデバイスが対象物の表面から不正に剥がされることを回避できる。不正開封防止機構として公知の方法を用いると、不正に剥がそうとした場合に破損するセキュリティデバイスを実現することができる。また、使用される接着剤はいずれも、複合的なセキュリティ手段の性能に影響を与えるものであってはならない。かかるプロセス及び接着剤として使用される材料は当該技術分野において十分に周知されており、ここでさらに説明する必要はない。
【0132】
セキュリティデバイス(例えば、ラベル状、パッチ状、ひも状、又は糸状などの形態のもの)は、箔凸加工(foil blocking)又は箔押加工(foil stamping)などの任意の好適な方法を用いて対象物に貼着されてもよい。箔凸加工及び箔押加工は、セキュリティデバイスを、例えば、プラスチックカード(例えば、クレジットカード、銀行のカード)や、セキュリティ書類などに貼着するのに特に有用である。セキュリティデバイスは、熱転写プロセスを用いて対象物に貼着することができる。熱転写プロセスは、透明なキャリアを転写キャリアとして用いてもよく、及び/又は透明なキャリアを熱圧プレスプロセス中の剥離保護ホイルとして用いてもよい。透明なキャリアは貼着後に剥がされてもよく、又は保護層として上面に残してもよい。セキュリティ素子の上面に透明なキャリアを保護層として残したままにする場合、通常、基材に対する良好な接着が実現される。いくつかの実施形態において、透明なキャリアは、一般に約1マイクロメートル〜約数ミリメートル、特に1μm〜800μm、好ましくは5〜300μm、特に10〜100μmの厚さを呈する。その材料は、ほとんどの場合、温度安定性のポリエステル(例えば、PET)フィルムである。かかるフィルムは、セキュリティ素子を破壊しない限り剥がし取ることができないようにマイクロ穿孔加工された形で使用することができる。マイクロ穿孔加工は、レーザー穿孔によるか、機械的な打抜きによるか、放電加工によるか、又は任意の他の好適な方法を用いて行うことができる。
【0133】
本発明の一実施形態に係るセキュリティデバイスは、ラベル状、パッチ状、ひも状、又は糸状などとして構成されるとき、多くの異なる設計及び貼着技術で貼着することができる。さらに、かかるセキュリティデバイスは通常薄く(5〜50μm厚に至るまで)、ロール上に保管され得るため、セキュリティデバイスは高品質且つ高速で対象物に貼着することができる。例えば、セキュリティデバイスラベルは、好ましくは、少なくとも1つの熱安定性剥離層を含むロール上に位置してもよく、この剥離層は、保護対象物の表面にセキュリティデバイスラベルを貼着後、セキュリティデバイスラベルから剥がされる。
【0134】
剥離層をセキュリティデバイスから剥がすことにより、その表面は、湿度、水、化学物質、気体等が加わるなどの外部刺激に対して直接曝露される。有孔又は多孔質の剥離層の場合、上述の外部刺激を体積型ホログラムに伝えることが可能なため、このような剥離層はセキュリティデバイス上に維持されてもよい。温度、電荷、電位、圧力、磁気等の外部刺激については、通常、剥離層は極めて薄く、且つそうした刺激によって引き起こされるホログラフィック構造内での変化に剥離層が負の影響を与えることはないため、このような剥離層、すなわちの孔の剥離層を除去する必要はない。こうした状況では、剥離層はセキュリティデバイスに対する保護層として働き得る。
【0135】
一般に、保護層を呈するセキュリティ素子は、多孔質であっても、又は多孔質でなくとも、摩耗及び引っ掻きに対する極めて良好に保護される。また、マイクロ穿孔を有する保護層を用いることにより、セキュリティ素子それ自体を破壊しない限り保護層を剥がし取ることができなくなり得る(いわゆる不正開封防止性の自己破壊挙動)。保護層を使用する際には、体積型ホログラム構造の体積変化を可能とするのに十分な薄さ及び可撓性を有する保護層が選択される。
【0136】
また、本発明の複数の実施形態に係るセキュリティデバイスを対象物に一体化することで、例えばラミネートタイプ又は射出成形タイプのセキュリティ製品を作製してもよい。。この場合、セキュリティデバイスが製品の一部となる。
【0137】
例えば、セキュリティデバイスは、射出成形プラスチック部品に組み込むか、又は、ポリマーホイル、ポリマー及び紙を基材としたラミネート構造、若しくはコットンベースのシートなどに組み込むことができる。ラミネート形成プロセスは、体積型ホログラムの破損を回避するため、又は特にポリカーボネートポリマーを使用する場合には、約200℃の温度に長時間曝露したときのそうしたポリマーの黄変傾向を回避するため、温度を制御して行わなければならない。かかる黄変は、例えば、身分証明書、運転免許証、パスポート等、少なくとも10年間の寿命保証を有しなければならないセキュリティ書類を作製する場合には特に有害である。
【0138】
本発明の一実施形態に係るセキュリティ素子がラミネート型又は射出成形型のセキュリティ製品に一体化される場合、そのセキュリティ製品に、温度、電荷、電位、圧力、磁気等の外部刺激が加わり得るとともに、セキュリティ素子の片側又は両側にある層又は保護層のうちの少なくとも一方がセキュリティ素子の体積変化を可能とするのに十分な薄さ及び可撓性を有すると、体積型ホログラムに変化が生じ得る。湿度、水、化学物質、気体等の外部刺激が検出されると、セキュリティ製品に存在するセキュリティ素子の両側の層のうち、少なくとも一方の層において外部刺激が体積型ホログラムに接触する(例えば、外部刺激が透過する)ことを可能にする。このような透過性は、穿孔加工(特に微細孔の形態での穿孔加工)するか、又は内部において横方向若しくは水平方向チャネルを有する基板を使用することにより実現され得る。微細孔は、極めて高速のレーザー光(例えば、種々の波長のCOレーザー、Nd:YAGレーザー及び紫外線レーザー)により作製してもよいし、放電加工又は任意の他の好適な方法により作製されてもよい。かかる微細孔は高いアスペクト比を呈してもよく、又は必要であれば円錐形態を有してもよい。同様に、上述の基板におけるチャネルは、機械的手法、化学的手法、又は他の公知の手法により作製され得る。
【0139】
セキュリティデバイスはまた、対象物に貼着されてもよい。例えば、そのような対象物としては、窓と組み合わせた製品が挙げられる。このような貼着により、セキュリティデバイスの片側又は両側からホログラフィ像を観察することができる。窓構造に貼着する場合、本発明の一実施形態に係るセキュリティデバイスは、片側又は両側が保護層で被覆され得る。これらの層のうちの少なくとも一方は、そこに加えられる外部刺激に対して透過性である(例えば、多孔質である)。従って、湿度、水、化学物質、化学溶液、気体等が外部刺激として用いられる場合には、セキュリティデバイスの片側のみが保護層で被覆される実施形態が好ましい。
【0140】
本明細書に記載されるセキュリティデバイスは、必要であれば、付加的なセキュリティ素子を含んでもよい。例えば、セキュリティデバイスは、本明細書に記載されるホログラフィックセンサと、ウォーターマーク、レーザー型彫り、プランシェット、繊維、蛍光要素(例えば、粒子又は繊維)、赤外又は紫外活性着色剤、磁気素子、導電素子、光学的に可変性の色素、LCP色素、特定の波長の光の照射によるか、又は化学反応若しくは基質の操作により観測可能な化学添加剤、DNAコード材料及び/又は生体コード材料、有機又は無機タガント(追跡用添加剤)、ホログラム、キネグラム、無線周波数識別(RFID)素子、光学的に可変性の印刷及び/又は光学的に可変性の色素を用いた光学的に可変性のシステム、光学的に可変性の薄膜フィルム構造及び/又は液晶ポリマー、マイクロテキスト、網縄模様(guilloche)、フォトルミネセンス素子、エレクトロルミネセンス素子、フォトクロミック素子、サーモクロミック素子、ハイドロクロミック素子、トライボクロミック素子、ピエゾクロミック素子などのうちの1つ又は複数とを含むことができる。
【0141】
本発明の一実施形態に係るセキュリティデバイスを使用して保護及び/又は提供され得る製品としては、銀行券、パスポート、身分証明書、スマートカード、運転免許証、株券、証書類、小切手、小切手保証カード、税証紙、郵便切手、発行券類、クレジットカード、デビットカード、テレフォンカード、宝くじ券、商品券、包装材料、例えば医薬品の包装材料、装飾材料、有標製品、又は保護することが望ましい任意の他の対象物若しくは製品、例えば、家庭電化製品、交換部品、靴、衣服、運道具、コンピュータハードウェア、コンピュータソフトウェア、DVDなどの記録可能媒体、医薬品、化粧品、アルコール類、シガレット、及びタバコなどが挙げられる。
【0142】
別の実施形態において、センサは、核酸、タンパク質、単糖類、オリゴ糖類及び多糖類、並びにリポサッカライドなどの生物学的材料の検出に用いることができる。このタイプのセンサは、様々な方法により調製及び使用することができる。例えば、上記のとおり、検出される分析物と同種のリガンド及び/又は受容体などの生物学的分析物を検出するための手段が、ホログラフィック記録媒体に組み込まれる。次に分析物が結合することにより媒体の物理的又は化学的特性が変化し、読み出し信号が生成される。多くの生物学的分析物は、それ自体がホログラフィック記録媒体との接触時にセンサのホログラフィック記録媒体の物理的又は化学的特性を変化させるため、読み出し信号が発生し得る。
【0143】
ホログラフィ像は、静止像及び/又は刺激応答性の像を含め、人間の目により観測するか(眼鏡、コンタクトレンズ、拡大鏡、及び偏光フィルタなどの使用を伴っても、又は伴わなくともよい)、又は光学増幅装置及び/又は光学検波器などの、像を検出するための任意の好適な装置を使用するなどして、任意の好適な方法で観測することができる。
【0144】
例えば、セキュリティ素子により示される第1のホログラフィ像を第1の視角で観測することができ、第2の異なるホログラフィ像を、第1の視角とは異なる第2の視角で観測することができる。第2の視角は、例えば、観測単位(人間の目、像を検出するための装置)に対してセキュリティ素子を傾けるか、又はその他の形でその位置を変え、その一方で観測単位の観察位置は維持することにより実現されてもよい。又は例えば、観測単位の観察位置を変え、その一方でセキュリティ素子の位置を維持することにより実現されてもよい。当然ながら、必要であれば、観測単位の観察位置並びにセキュリティ素子の位置の双方を変えてもよい。別の例では、異なる観察位置にある2つの光学検波器、又は異なるタイプの光学検波器など、別個の観測単位を使用して2つの像を検出することができる。
【0145】
必要であれば、1つ又は複数の付加的な像をホログラフィック記録媒体に記録することができ、それらは第1及び第2の視角と異なる1つ又は複数のさらなる視角で観測することができる。これらの付加的な像を観測する場合、本発明の一実施形態に係る相互作用型セキュリティ素子を、観測単位に対して任意の好適な運動(例えば、上下運動、円運動又は任意の他の運動)で動かすことにより表示させてもよい。また、観測単位または光源を動かして、これらの付加的な像を表示させてもよい。刺激に対する応答性の有無にかかわらず、体積型ホログラムに対しては複数の像を記録することが可能なため、体積型ホログラムそれ自体の働きによって、このような付加的な像を、さらなる視角で観測することができる。好ましくは、かかる付加的な像は、任意の刺激を加える前に観測することができる。
【0146】
この説明の目的上、用語「観測単位」は、人又は光電子工学的な検証デバイス、例えば、カメラシステム又は手持ち式光学検波器を意味する。かかる観測単位は、セキュリティ素子の位置に対して特定の観察位置を呈し、すなわち、その観察位置は、セキュリティ素子の観測が可能となるようにセキュリティ素子に向けられている。
【0147】
この説明の目的上、用語「異なる像」は、前記第1及び/又は第2の視角で観測され得る像が、色及び/又は強度及び/又は輝度及び/又は対象物及び/又は位置及び/又は向き及び/又はサイズ及び/又は見かけの深さ及び/又は遠近及び/又は視差について異なることを意味する。従って、異なる対象物、例えば、バーコード、ロゴ、商標等のホログラフィ表現が異なる像として見えるのみならず、例えば特定のロゴについて、少なくとも1つの外部刺激を加えることにより、色、色の強度、その輝度、その位置、その向き、そのサイズ及び/又はセキュリティ素子におけるその見かけの深さが変化して見える。
【0148】
記録される像(1つ又は複数の刺激応答性の像及び/又は静止像)の配置に応じて、変化する像は、人間の肉眼で検出してもよいし、若しくは拡大鏡、顕微鏡、レンチキュラーレンズ、偏光フィルタ、回折構造、波長フィルタ素子、及び光増幅システムなどの補助を伴って検出してもよいし、、又は分光光度計、スペクトル分析器、CCDセンサ、CMOSセンサ、OCRリーダ、バーコードリーダ、カメラ及び画像認識装置などの光学検波器を用いて検出してもよいし、又は前述の任意の好適な組み合わせによって検出してもよい。像は、例えば、英数字又は同様の文字、マイクロテキスト、ピクチャ、写真、バーコード、物理的な物体、ロゴ、商標、コンピュータ生成によるピクチャ、コンピュータ生成による物体及びその投影のうちの1つ又は複数の像などであってよいが、これらには限定されない。像は、鏡面又は反射面を備えているものであってもよいし、又は鏡面又は反射面のみで形成されていてもよい。必要であれば、複数の刺激応答性の像及び/又は複数の静止像が存在してもよい。刺激応答性の像の変化は、可逆的であっても、部分的に可逆的であっても、又は不可逆的であってもよい。
【0149】
[本発明の一実施形態に係るホログラフィック記録媒体及びセンサの製造方法]
一実施形態において、本発明はホログラフィックセンサの製造方法であり、これは、(a)ホログラフィック記録媒体を製造または提供する工程と、(b)前記ホログラフィック記録媒体に少なくとも1つの像を回折フリンジとして記録する工程と、含み、前記ホログラフィック記録媒体は、(i)ポリマーマトリックスと、(ii)光環化付加による橋かけ環の形成により二量化する化学基とを含む。回折フリンジは、橋かけ環の形成により二量化される化学基の二量体を含む。ホログラフィック記録媒体は、少なくとも1つの読み出し信号を発生することにより外部刺激に応答する。
【0150】
本発明のさらなる実施形態は、ホログラフィックセンサの製造方法であり、これは、少なくとも1つのホログラフィ像を回折フリンジとしてホログラフィック記録媒体に記録する工程を含み、前記ホログラフィック記録媒体は、(i)ポリマーマトリックスと;(ii)光環化付加による橋かけ環の形成により二量化する複数の二量化可能な化学基とを含み;前記回折フリンジは、橋かけ環を含む複数の二量体構造を含み、及び前記ホログラフィック記録媒体は、少なくとも1つの出力信号を提供することにより外部刺激に応答する。
【0151】
必要であれば、上記の方法に従い記録した後、橋かけ環の形成により二量化可能な化学基のうち、二量化していないものを修飾又は誘導体化して、それらが二量化する可能性を低下させてもよい。例えば、二量化可能な化合物が式I、II又はIIAである場合、二量化していない化合物を修飾又は誘導体化してマレイミド基の二重結合を還元したり、又は置換基R及び/又はRを修飾したりすることができる。二重結合の還元は、例えば、R又はRが結合する炭素原子を二重置換することにより達成でき、例えばRが水素ではなく、Rの結合する炭素原子に別の置換基が結合する化合物を生成することができる。この手順により、干渉縞とポリマーマトリックスとの屈折率の差を大きくすることができる。干渉縞とポリマーマトリックスとの屈折率の差を大きくする別の手法としては、記録後に、好適なペンダント基を含むようにポリマーマトリックスを修飾することが挙げられる。ポリマーにペンダント基を付加するのに好適な方法は当該技術分野において周知であり、任意の好適な方法を用いることができる。
【0152】
さらに、必要であれば、1つ又は複数のホログラフィ像を記録した後、媒体中(特に暗縞範囲)に残存している未反応の二量化可能な環状基(すなわち、記録中に二量化しなかった基)を利用して、フォトポリマーホログラムの特性をさらに改良することができる。具体的には、このようなホログラフィック記録媒体に対して、例えば化学線を照射することにより硬化させ、残存する未反応の二量化可能な基の一部又は全部を二量化してもよい。また、未反応の二量化可能な基は、ホログラフィック記録媒体のポリマーマトリックスが部分的に膨潤した状態で二量化させることができる。未反応の二量化可能な化学基がポリマーマトリックスと共有結合するる場合、硬化工程における二量化によりさらなる架橋結合(本明細書では「光架橋結合」とも称される)が生じるため、膨潤したホログラムに剛性が付与される。かかるホログラフィックセンサは、完全に乾燥させるとその当初の厚さまで収縮することがないため、異なる間隔の回折フリンジに関連したホログラフィ像が生じる。典型的には、ホログラフィック記録媒体が部分的に膨潤した状態で後硬化工程が行われるとともに、乾燥状態又は比較的膨潤していない状態でホログラフィ像が記録されたとき、回折フリンジの間隔はさらに離れる。その結果、ホログラフィック記録媒体が乾燥した状態又はそれほど膨潤していない状態で記録されたホログラフィ像と比べ、より長い(より大きい)再生波長を有するホログラフィ像がもたらされる。このように、後硬化を用いることにより、たとえホログラムが紫外レーザー光を使用して記録されたとしても、可視スペクトルのホログラフィ像を示すホログラフィックセンサを得ることができる。
【0153】
図5は、残存する二量化可能な基の後硬化を含まないフォトポリマーホログラムの調製方法(左)と、残存する二量化可能な基の後硬化を含むフォトポリマーホログラムの調製方法(右)とを比較する概略図であり、後硬化を用いる例示的な方法は、実施例6に示される。
【0154】
さらに、必要であれば、二量化可能な化学基は、上記に定義された付加物と反応させてもよく、これにより官能性二量体構造を形成することができる。このような二量化可能な化学基は、任意のホログラフィ像の記録前において、ポリマーマトリックス中に存在している(ポリマーマトリックス中に拡散した、及び/又はそれと共有結合している)基であってもよいし、又は1つ若しくは複数のホログラフィ像を記録した後の反応しなかった二量化可能な化学基であってもよい。記録後、こうした利用されなかった光二量化可能な基は、特に非干渉縞範囲及び暗縞範囲に残る。
【0155】
二量化可能な化学基と付加物とを二量化する場合、(a)付加物を溶剤中に溶解して溶液を形成する工程と、(b)ホログラフィック記録媒体又はホログラフィックセンサを溶液に浸漬させる工程と、(c)化学線(典型的には300nmを超える紫外線)を照射する工程とを含むことができ、ここで(a)工程及び(b)工程は、付加物をポリマーマトリックス中に拡散させるために実施され、(c)工程は、典型的には(1)平衡濃度の確立の後に実施される。一実施形態において、付加物をポリマーマトリックスの二量化可能な化学基と光環化付加させるため、一様な強度の化学線が照射される。また、二量化の際、化学線の照射後、ポリマーマトリックスから任意の未反応の付加物を除去してもよく、このような除去としては、例えばポリマーマトリックスの洗浄が含まれる。
【0156】
この方法による官能性基の導入は、要件に応じて、ホログラムセンサの作製プロセスのいずれの段階においても行うことができる。官能性基の導入は、未反応の二量化可能な化学基が架橋される任意の最終硬化前に行われてもよい。さらに、二量化を介してホログラムを回折フリンジへまたは回折フリンジから記録する工程と、付加物と二量化可能な化学基とのカップリング工程とは同時に行われてもよい。また、導入される官能性基の量は、例えば、溶液に添加し、続いてマトリックス中に拡散させる付加物の量、及びポリマーマトリックス全体における二量化可能な化学基の密度により制御される。例えば、ホログラムの記録後に付加物の導入を行うことが好ましい場合もある。この場合、未反応の二量化可能な化学基の大部分はポリマーマトリックス中の回折フリンジの暗部(暗縞)に位置しており、この暗部では、1つ又は複数のホログラフィ像を記録する際の架橋結合の割合が最も低い。これにより官能性基を優先的に暗縞に導入することが可能となる。これは、マトリックスの効果的な膨潤が求められる分析物検出に好ましいものであり得る。しかしながら、別の場合には、ホログラムを記録する前に付加物を付加することが望ましい。そのような場合には、例えば、単量体から直鎖状ポリマーを調製し、そのポリマーを、付加物を含んでもよい溶液に溶解して基板上にコーティングしてもよい。次に、付加物を含むコーティングされたポリマー薄膜フィルムを紫外線に露光することで、ホログラフィ像の記録前に付加物をポリマー鎖とカップリングし得る。
【0157】
さらにまた、異なる付加物をホログラフィックセンサの製造又は調製工程の異なる段階で導入してもよい。例えば、第1の付加物を1つ又は複数のホログラフィ像の任意の記録前に付加し、第2の付加物を1つ又は複数のホログラフィ像の記録後に付加してもよい。
【0158】
官能性付与基をポリマーマトリックスに導入するためのさらなる方法は、(a)当該技術分野において公知の方法を用いて重合開始剤(例えば、ATRP又はNMRP)を官能性付与基に連結する工程と、(b)官能性付与基と連結した重合開始剤を使用して、ポリマーマトリックスを形成するポリマーの重合を開始する工程とを含む。このようにして、開始剤により重合が開始されると、このような分子では各ポリマー鎖の末端基に官能性付与基を有することになる。
【0159】
一実施形態において、上記のホログラフィックセンサを製造及び調製するための方法は、単量体を重合することによるポリマーマトリックスの作成を含む。親水性及び疎水性ポリマーマトリックスの例は上記に示される。ポリマー技術分野の当業者は、どのような種類の単量体が好適であるかを容易に理解するであろう。ポリマーマトリックスの好ましい一実施形態はヒドロゲル[例えば、十分な量の親水基を有する、ポリ(ビニルアルコール)、ナトリウムポリ(アクリレート)、ポリ(メタクリレート)、及びポリ(アクリルアミド)などを含むポリマー及びコポリマー]である。本発明の一実施形態に係るホログラフィック記録媒体により用いられる二量化可能な化合物(例えば、上記式(I)の化合物)は、ポリマーマトリックスの製造前に単量体と混和しても、又は重合後にマトリックス中に(例えば、拡散させることにより)加えてもよい。
【0160】
いくつかの実施形態において、ポリマーマトリックスは、二官能性の重合可能な化合物、例えば、二量化可能な部位と重合可能な部位とを含む単量体(例えば、式(II)の化合物)と、必要に応じて、1つ又は複数の他の単量体とを使用して調製される。かかる二官能性化合物は、DMIMAの調製について本明細書に記載される方法又はその方法を好適に変更したものなど、任意の好適な方法を用いて調製することができる。概して、ポリマーマトリックスの調製には、二官能性の重合可能な化合物に加えて1つ又は複数の他の単量体が使用される。
【0161】
ポリマーマトリックスの製造は、光開始剤の存在下で単量体を化学線(例えば、紫外線)に曝露してフリーラジカル光重合させるなど、任意の好適な重合技法により実現することができる。使用することのできる光開始剤の例としては、2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)及びIrgacure(登録商標)(Ciba)が挙げられる。また重合は、フリーラジカル開始剤の存在下における単量体のフリーラジカル熱重合、カチオン性開始剤を使用したカチオン重合又はアニオン性開始剤を使用したアニオン重合により行なうこともできる。使用可能なフリーラジカル開始剤としては、カチオン性開始剤としての2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(AIBA);アニオン性開始剤としての過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸ナトリウム(SPS)及び過硫酸カリウム(KPS);及び非イオン性開始剤としての2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)が挙げられる。また重合は、制御フリーラジカル重合により達成することもでき、またリビング重合(例えば、ATRP、NMRP等)もまた、所望の鎖長を有するポリマーの調製に用いることができる。例えば、ハロゲン化アルキルと、金属ハロゲン化物と、リガンドとの組み合わせを使用して重合を開始させることができる。好適な開始剤は当該技術分野において周知であり、当業者は必要以上に実験を行うことなく開始剤を選択することができる(例えば、www.sigmaaldrich.com/Area_of_Interest/Chemistry/Materials_Science/Polymerization_Tools/Free_Radical_Initiators.htmlを参照)。
【0162】
当業者は、疎水性又は親水性の単量体/ポリマーを選択することができ、且つ適切な重合法/ポリマー修飾反応によって光二量化可能な基(二量化可能な化学基)を導入することができる。疎水性ポリマーは、例えばSigma−Aldrichから市販されている(http://www.sigmaaldrich.com/materials−science/material−science−products.html?TablePage=16372120を参照)。
【0163】
特定の実施形態において、ポリマーマトリックスはさらに架橋してもよく、このような場合、架橋するには、このポリマーマトリックスと共有結合している二量化可能な化学基であって、利用可能な状態の化学基を使用できる。
【0164】
ホログラフィ像を記録する工程は、典型的には、ホログラフィック記録媒体をレーザーで照射する工程を含んでおり、この照射により、前記媒体中に存在する二量化可能な化合物が二量化する。化合物の二量化のパターンに従い干渉パターンが生じ、その結果、媒体中に、光又は放射線に曝露されなかった箇所や相殺的干渉が起きた箇所とは異なる屈折率を有する箇所が作り出され、このような二量化の分布によって干渉縞が形成される。必要であれば、媒体には2つ以上の像を記録することができる。また、像は、乾燥状態、水和状態、又は所望のpH条件下など、任意の所望の媒体状態で記録することができる。例えば、いくつかの実施形態において、ある像が乾燥状態で記録され、別の像が水和状態で記録される。
【0165】
さらに、必要であれば、記録は光開始剤及び/又は光増感剤の存在下で実施され得る。当業者は、必要以上に実験を行うことなく好適な光増感剤を選択することができる。光開始剤の例は上記に示される。光増感剤の例としては、色素、例えば、チオキサントン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーのケトン(4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン)、及びベンジル((CCO))が挙げられる。光増感剤色素の存在に応じて、及び使用される特定の二量化可能な化合物に応じて、一実施形態に係るホログラフィ像の記録は好適な波長、例えば、約235nm〜約650nm、好ましくは約250nm〜約415nmで行われ得る。光増感剤は、重合及び/又は記録中に媒体中に存在してもよい。光増感剤が記録中に存在しない場合、概して、光増感剤の存在下より強力な線源(例えば、より強力な紫外線レーザー)が使用される。また、イオン性開始剤(例えば、カチオン性開始剤)などの任意の好適な開始剤を使用してポリマーマトリックスを調製し得ることが理解されるべきである。
【0166】
さらに、ホログラフィックセンサのいくつかの実施形態は、外部刺激、例えば分析物が存在しない場合に可視ホログラフィ像を示し、外部刺激、例えば分析物に曝露されると、ホログラフィックセンサは、色が変化した可視ホログラフィ像又は別のホログラフィ像を提示してもよい。例えば、実施例8に例示されるポリマーの予備膨潤によって、これを実現してもよい。代替的な方法としては、可視光周波数を用いてマトリックスに像を記録することも挙げられる。このようにして記録される乾式ホログラムは、スペクトルの青緑色領域で記録されてもよく、目の感受性が高い場合には、場合により緑色領域で記録されてもよい。ホログラムが分析物と相互作用すると、マトリックスが膨潤することにより再生波長が赤色に移る。呼気センサがこの例である。従って、この用途に好適な増感剤としては、好ましくは、青緑色領域に感受性があるものが挙げられる。しかしながら、一部のポリマーマトリックスは、外部刺激、例えば分析物の存在下で収縮し得る。この場合、特定の用途については赤色領域に感受性がある増感剤及び/又は光開始剤が好ましいこともある。
【0167】
本発明の別の実施形態はホログラフィ像の記録方法である。この方法は、(1)光環化付加により、二量化可能な化学基が二量化して二量体構造を形成する割合を制御するとともに、(2)前記二量体構造の互いに対する空間位置、及び二量体構造と二量化されなかった二量化可能な化学基との空間位置の保持を制御する工程を含み、この制御工程により、ホログラフィ像を記録すること、及び記録後に外部刺激が存在するとき、記録されたホログラフィ像が制御下での観測可能な応答を行うことを可能にする。
【0168】
本発明の関連する実施形態はホログラフィ像の記録方法であり、これは、(a)前記ホログラフィ像を表す光子に応答し、二量化可能な化学基が光環化付加により二量化して、二量体構造を形成する工程と、(b)前記二量体構造の互いに対する空間位置、及び二量体構造と二量化されなかった二量化可能な化学基との空間位置を保持する工程とを含み、それにより、記録されたホログラフィ像が保持され、前記二量化工程及び前記保持工程に伴って記録されたホログラフィ像は、記録後に外部刺激が存在するとき、制御下で観測可能に応答を行なう。ホログラフィ像を表す光子とは、対象物(そのホログラフィ像が記録対象となるもの)から反射したコヒーレント光とコヒーレント参照ビームとの媒体中での干渉により形成される光強度のばらつきに相当する。
【0169】
別の関連する実施形態はホログラフィ像の記録方法であり、これは、(a)二量化可能な化学基同士及び二量体構造同士の空間位置を保持する工程と、(b)前記ホログラフィ像を表す光子に応答して、前記二量化可能な化学基を光環化付加により二量化し、二量体構造を形成するとともに、それにより記録されたホログラフィ像を保持する工程とを含み、(c)記録後に外部刺激が存在するとき、前記保持および二量化に伴って記録されたホログラフィ像を制御下で観測可能に応答させる。
【0170】
上述の方法でホログラフィ像の記録に使用することのできる好適且つ好ましい二量化可能な化学基の例は、上記に記載されている。二量化の割合の制御は、例えば、選択された二量化可能な化学基についてのレーザー光への露光を制御することにより、及び/又は二量化可能な化学基の空間密度分布を制御することにより実現することができる。二量化可能な化学基は、ポリマーマトリックスと共有結合しない化合物であってもよく、又はポリマーマトリックスと共有結合する化合物であってもよい。いずれの場合にも、ポリマーマトリックスにより、二量化可能な化学基の空間的な移動性、ひいてはそうした二量化可能な化学基から形成された二量体構造の空間的な移動性を制限する。さらに、二量化可能な化学基が共有結合している場合、所定の二量化可能な化学基についての空間的な移動性を連結基(すなわち、ポリマーマトリックスと連結する、二量化可能な化学基)の長さにより制御することができる。二量化可能な化学基及び/又は二量体構造を含むポリマーマトリックスが膨潤すると、ポリマーマトリックス中の二量化可能な化学基及び二量体構造の空間位置が変化する。これに関連して、二量体構造の互いに対する空間位置、及び二量体構造と二量化しなかった二量化可能な化学基との空間位置を保持するためには、例えば、二量化可能な化学基を含むポリマーマトリックスを所定の膨潤状態に膨潤させ、二量化可能な化学基が二量化して二量体構造を形成する間、その選択した膨潤状態を維持することにより実現することができる。二量化そのものを制御することと、二量化可能な化学基同士の空間密度分布及び二量化により形成される二量体構造の空間密度分布を制御することで、記録後に外部刺激が存在するとき、記録されたホログラフィ像は、制御下で観測可能な応答を行なうことができる。
【0171】
光強度のばらつきに応じて、光環化付加反応により二量体密度の高い領域と低い領域とが、ホログラムを記録する光線の干渉縞により記録媒体に形成される。これらの領域によって、ホログラムが記録された回折フリンジが形成される。この回折フリンジは、媒体の少なくとも一部において二量体密度のばらつきを含んでおり、ここで二量体の密度が相対的に高い領域は、建設的干渉領域(明縞)に対応し、二量体の密度が相対的に低い領域は相殺的干渉領域(暗縞)に対応する。従って、ホログラムの記録中に形成された二量体構造とは、二量化基を含む回折フリンジを意味する。
【0172】
さらに、官能性付与基(例えば受容体)が導入されたポリマーを、ポリマーマトリックス又はポリマーマトリックスの一部として使用してもよい。これらは、ポリマー鎖に受容体を含むコモノマーを導入することにより調製されてもよく、すなわち、ポリマーの重合中に分析物に対する受容体がポリマーマトリックスに組み込まれ得る。例えば、3−アクリルアミドフェニルボロン酸(3−APB)などの受容体基をビニル基とカップリングすることにより、他のアクリルコモノマーと共重合することのできる単量体であって、ひいてはポリマーマトリックス中に組み込まれ得る単量体を形成してもよい。一例が実施例6に記載されている。受容体基を含む単量体は、受容体と直接連結されるか、又は鎖を介して間接的に連結された(通常の選択)ビニル基を有し得る。受容体を含む単量体は、二量化可能な環状基を含む単量体と、アクリル単量体(例えば、メタクリルアミド、メタクリル酸、メタクリル酸ヒドロキシエチル)などの単純な単量体と、当該技術分野において公知の架橋剤とを、公知の重合技法を用いて共重合してもよい。ポリマーは、ガラスなどの基板上で単量体混合物の光開始反応により直接形成してもよい。
【0173】
本発明のいくつかの実施形態では、ホログラフィック記録媒体へのホログラフィ像の記録と硬化とは同時に行われる。これが図4に示される。図4では、基板(要素403)上のホログラフィ記録材料(例えば、光二量化可能な基が共有結合した直鎖状又は架橋ポリマー薄膜フィルム)(要素404)は、例えば、紫外線ランプ(要素401)からの硬化用の非平行光源と、レーザー(要素402)からのレーザー光(ホログラフィ像を符号化する)の双方によって露光される。
【0174】
本発明の一実施形態に係るホログラフィック記録媒体及びホログラフィックセンサの製造方法、及びホログラフィ像の記録方法は、大量生産プロセスにおいて用いることができる。本発明で企図される大量生産プロセスの例としては、ウェブ式(連続式)の手法が挙げられ、この場合、媒体は可撓性のプラスチックフィルムのロール上にコーティングされる。また、基板ベースの技法でもよく、この場合、コーティングは、シート状の剛性基板、例えばガラス上か、又は張力下に保持されたプラスチック上に形成される。基板による技法には、製造プロセスの様々な工程を通じた個々の基板の手動又はロボットによる操作が関わり、少量生産用途に好適である。ウェブベースの手法はより多量の生産用途に一層適しているが、同様に少量生産に対しても小規模で用いられ得る。
【0175】
本発明の一実施形態に係るウェブ式プロセスとしては、図6及び図7に概略的に表されるものが挙げられる。なお、ウェブ式プロセスを説明するが、基板による手法でも同等の工程が容易に想定される。
【0176】
場合によりプライム層を備えるベースフィルム(PETまたはTAC)が、従来のロール又はブレードコーティング技術を用いてコーティングされてもよい。図6は、本発明の一実施形態に係る好適な単量体コーティング経路の概略図である。ベースフィルム(要素601)をベースフィルムロール(要素602)から巻き出し、単量体と、架橋剤と、開始剤との混合物(要素603)と接触させる。なお、単量体は、必要に応じてコーティングに適した粘度を得るため任意に好適な溶剤中に入れられてもよい。レーザー波長をホログラムの記録に適合させるため、及び架橋工程が熱的に開始される場合には、コーティング溶液はこの段階で増感剤を含むべきである。架橋はまた、紫外線により開始させてもよく、その場合、紫外線架橋後の拡散工程で増感剤が添加されるべきである。コーティング後、場合により、任意の溶剤を乾燥環境(要素604;例えば、乾燥チャンバ)で乾燥させることにより除去し、単量体ベースのコーティングを残して、次にそれを紫外線投光ランプ(要素605)に露光することにより熱的に単量体を連結するか、又は架橋してマトリックスを形成する。次に、洗浄媒体(要素606)中で洗浄することにより、残留している単量体及び他の低分子量成分を除去してもよい。
【0177】
乾燥後、得られたコートフィルムは乾燥しているとともに非粘着性である。このコートフィルムを再び巻き取り、ホログラムを記録する準備が整うまで保存しておいてもよい。或いは、乾燥前に、増感剤媒体(要素607)と接触させ、増感剤をコーティング中に拡散させてもよい。或いは、増感剤を、記録の直前に追加して拡散させてもよい。増感剤を含有または非含有する硬化ポリマー薄膜フィルム(要素609)を、ポリマーロール(要素610)に巻き取る。記録中、フィルム(要素609)は反射ドラム(要素611)に巻回され、その反射ドラム上には、記録される像のマスターホログラム(要素612)が精密配置されている。典型的には、これらはいわゆるH2ホログラムであり、原像のオリジナルH1マスターの複製である。適切な波長のレーザー(要素613)を使用して、ドラムの長さに従う集束した線状ストライプのエネルギーを形成する。これにより、ドラムの回転に伴いホログラフィックセンサがフォトポリマー媒体に書き込まれる。記録は乾式で行われてもよい。又は記録される波長がレーザー波長より短い場合には、記録は好適な膨潤液(要素614)、典型的には緩衝溶液のタンク内で行われてもよい。ホログラムが湿式で書き込まれる場合には、典型的には記録直後に乾燥環境(要素615)における乾燥が必要となる。この段階で未反応の基を二量化するための後硬化工程を実施してもよい。これは、紫外線ランプ(要素616)に露光することにより行われてもよい。次に、ホログラフィックセンサを含むフィルム(要素617)を再び巻き取り、周知の製造方法を使用した個々のホログラムセンサへの加工工程に提供してもよい。
【0178】
図7は、本発明の一実施形態に係る好適なポリマーコーティング経路の概略図である。二量化可能な基(および場合により受容体)を含む直鎖状ポリマーと、さらに場合により増感剤とを、単量体プロセスについて記載されるのと同じ方法を用いてベースフィルム上にコーティングしてもよい。かかるフィルムは乾燥しており、再び巻き取って保管され得る(図示せず)。予めコーティングされた直鎖状ポリマー(要素701)を、紫外線ランプ(要素702)に対する露光によって部分的に二量化することにより架橋する。記録中、フィルム(要素703)は反射ドラム(要素704)に巻回されてもよく、その反射ドラム上には、記録される像のマスターホログラム(要素705)が精密配置されている。典型的には、これらはいわゆるH2ホログラムであり、原像のオリジナルH1マスターの複製である。適切な波長のレーザー(要素706)を使用して、ドラムの長さに従う集束した線状ストライプのエネルギーを形成する。これにより、ドラムの回転に伴いホログラフィックセンサがフォトポリマー媒体に書き込まれる。記録は乾式で行われてもよく、又は記録される波長がレーザー波長より短い場合には、記録は好適な膨潤液(要素707)、典型的には緩衝溶液のタンク内で行われてもよい。記録プロセスは単量体プロセスと同じである。乾燥環境(要素708)において乾燥させた後、好適な膨潤液(要素709)中での任意の予備硬化膨潤を用いて、本明細書に記載されるセンサの再生波長を制御してもよい。膨潤の程度を制御するため、乾燥環境(要素710)における任意の乾燥段階が必要となり得る。この段階で未反応の基を二量化するための後硬化工程を実施してもよい。これは、紫外線ランプ(要素711)に露光することにより行われる。次に、ホログラフィックセンサを含むフィルム(要素712)を再び巻き取り、周知の製造方法を使用した個々のホログラムセンサへの加工に提供してもよい。
【0179】
同じ媒体に2つのホログラムを記録する場合、その記録工程は、一つのホログラムに関する記録工程及び任意の乾燥工程の後中断してもよく、中断されたフィルムは巻き取られてもよい。次にドラムに第2の像のH2ホログラムが置かれ、フィルムは、2回目のホログラム記録工程及び任意の乾燥工程を通過する。未反応の二量化可能な基が十分に利用可能な程度存在することを前提として、媒体により多くのホログラムを記録することが可能な場合には、このプロセスが繰り返され得る。
【0180】
本明細書に記載されるホログラフィック記録媒体を含む体積型ホログラム又はホログラフィックセンサを製造するためのさらなる例示的プロセスが、図2の方法2〜4に示される。
【実施例】
【0181】
(実施例の事前準備:pH応答性ホログラムセンサの合成)
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3,4−ジメチル−ピロール−2,5−ジオン(1)の合成
【0182】
【化20】

【0183】
手順:トルエン125ml中のジメチルマレイン酸無水物3.1527g(25mmol)の撹拌溶液に対し、4.526ml(75mmol)の2−アミノエタノールを添加した。副生成物としての水を除去するためウォータートラップ付きの還流冷却器を使用して、混合物を130〜150℃で5時間沸騰させた。反応混合物を室温に冷却し、溶剤を減圧下40℃で蒸発させた。1:1の比のn−ヘキサンと酢酸エチルとを用いるカラムクロマトグラフィーにより生成物を精製し、H−NMRにより特性決定した。収率:83% 物理的状態:無色結晶。H−NMR(CDCl):δ(ppm)=1.94(s,6H,2CH),2.43(s,1H,O−H),3.65(t,2H,N−CH),3.71(t,2H,O−CH)。
【0184】
2−(3,4−ジメチル−2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチルメタクリレート(2)の合成
【0185】
【化21】

【0186】
手順:ジクロロメタン11mlに対し、0.64g(3.8mmol)の1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3,4−ジメチル−ピロール−2,5−ジオン(1)及び0.5762ml(4.2mmol)のトリエチルアミンを添加した。混合物を氷浴中で0℃に冷却した。撹拌懸濁液に対し、0.4065ml(4.2mmol)の塩化メタクリロイルを滴下しながら添加した。懸濁液を4℃で最初に1時間撹拌した後、室温で24時間撹拌させておいた。溶剤を減圧下40℃で蒸発させた。H−NMRにより生成物を特性決定した。収率:98%。物理的状態:無色の粘稠液体。H NMR(CDCl):δ(ppm)=1.86(s,3H,CH),1.93(s,6H,2CH) 3.77(t,2H,N−CH),4.22(t,2H,O−CH)、5.52(1H,=CH),6.03(1H,=CH)。
【0187】
(実施例1:ヒドロゲルセンサの合成)
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA、0.25g、1.92×10−3mol)、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA、13.8mg、6.9×10−5mol;すなわち架橋剤)、メタクリル酸(MAA、11.9mg、1.4×10−4mol)及び2−(3,4,−ジメチル−2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチルメタクリレート(DMIMA、43.9mg、1.8×10−4mol)を、DMSO中の319μlの4wt%2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)に溶解した。この溶液をアルミニウム蒸着ポリエステルシートのポリエステル側に流し込んだ。メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランで修飾したガラススライドを、流し込んだ溶液まで静かに降下させた。このスライドを紫外線ランプ(約350nm)に1時間露光した。フリーラジカル重合及び架橋が紫外線により開始された結果、基板が結合した薄膜ヒドロゲルセンサフィルムが形成された。ヒドロゲルセンサフィルムを有するガラススライドを脱イオン(DI)水に30分間浸漬してポリエステル/Alシートから剥がし、DI水で洗浄し、窒素流下で1〜2分間乾燥したうえ、周囲温度で一晩真空乾燥させた。
【0188】
(実施例2:pH応答性センサの合成)
実施例1で調製したヒドロゲルセンサフィルムを有するガラススライドを0.4wt%チオキサントン溶液(DMSO中に調製)に10分間浸漬し、窒素流下で1〜2分間乾燥した後、40℃で一晩真空乾燥させた。ヒドロゲルセンサフィルムを鏡の表面に対して約3°の角度で鏡の前に置き、三次高調波発生器が連結されたNd:YAGレーザー(355nm、165mJ)を使用して、ヒドロゲルセンサフィルムを5秒間露光した。その結果、DMIMAのマレイミド基の二量化が起こり、干渉縞が形成された。この干渉縞は、DMI基の二量化により光化学的に得られた生成物で構成される。ホログラフィック性の干渉縞は乾燥状態で記録され、干渉縞はλ/2nm間隔である(ここでλは、ヒドロゲルセンサフィルムの照射に用いるレーザーの波長である)。この場合、干渉縞は177nm間隔である。以上により、ヒドロゲルセンサフィルムは、2種類の架橋結合:EDMAからのランダム架橋結合、及び177nm間隔の秩序立ったDMIMA架橋(DMI基の二量化によるもの)を乾燥状態で有する。
【0189】
ヒドロゲルセンサフィルムをpH6〜7.5の様々な緩衝溶液(イオン強度150mmol)に浸漬した。結果が図1に示され、これは、pHが高いほど記録されたホログラムの再生波長がより長波長に変化したことを示す(図1におけるセンサのポリマーマトリックスは、HEMA/MAA/DMIMA/EDMA(83/6/8/3mol%)、表2のポリマーB2から得られた)。
【0190】
ヒドロゲルセンサフィルムは、pH6.0の150mMのMES緩衝溶液において約623nmの再生波長を示した。また、可視赤色スペクトルの再生波長からヒドロゲルセンサフィルムの体積膨潤度の推定値(1.75)が得られた。加えて、ヒドロゲルセンサフィルムは、pH6.5の150mMのMES緩衝溶液において707nmの再生波長を示し、ヒドロゲルセンサフィルムの体積膨潤度の推定値(2.0)が得られた。緩衝溶液のpHが高くなるほど、ホログラムの再生波長は長くなった(図1を参照)。試験したpHにおける再生波長を表1に示す。pH値が高いほど、センサホログラムの親水性が上昇し、ひいてはヒドロゲルフィルムの体積膨潤度が上昇した。以上により、pHに従い再生波長が調整され得る体積型ホログラムセンサを得ることができる。
【0191】
【表1】

【0192】
センサ応答時間は、必要に応じて、様々なポリマーパラメータを変えることにより調整することができる。例えば、ポリマーの性質は、光二量化可能な化合物のmol%、EDMAのmol%、MAAのmol%を下げ、親水性又は疎水性単量体を導入することにより変化させることができる。加えて、紫外線レーザーに対する露光時間を変えることにより、再生波長及び応答時間を変えることができる。
【0193】
同様に、様々な刺激応答性体積型ホログラムセンサを構築することができる。好適な刺激については、前節に記載されている。
【0194】
(実施例3:別の態様のホログラフィックセンサ)
表2は、9種のポリマーマトリックスの組成を示す。これらのポリマーマトリックスを使用して、上記に例示される手順と同様ににしてホログラフィックセンサを調製した。これらのホログラフィックセンサは、pH(緩衝溶液)又は水(アセトン/水混合物)に応答する。
【0195】
【表2】

【0196】
実施例4:グルコース反応性ホログラフィックセンサ
Kabilanら、Biosensors and Bioelectronics、20(2005年)1602頁に記載される手順に従い、グルコース反応性リガンドとして3−APBを合成した。C.D.Voら、M.Colloid Polym.Sci.2002年、280、400頁に記載される手順に従い、N−[2−(3,4−ジメチル−2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−イル)−エチル]−アクリルアミド(DMIAAm)を合成した。DMIAAmは、アクリルアミドベースの光二量化可能な単量体、すなわち二量化可能な化学基を含む単量体である。
【0197】
(グルコース反応性薄膜ヒドロゲルフィルムの合成)
アクリルアミド(0.231g、3.25×10−3mol)、N,N−メチレン−ビス−アクリルアミド(19.5mg、1.266×10−4mol)、3−APB(96.7mg、5.065×10−4mol)及びDMIAAm(92.2mg、3.376×10−4mol)を、972μlの2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)(DMSO中濃度2wt%)に溶解した。溶液をアルミニウム蒸着シートのポリエステル側に流し込んだ。メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランで修飾したガラススライドを、流し込んだ溶液まで静かに降下させた。このスライドを紫外線ランプ(約350nm)で30分間露光した。フリーラジカル重合及び架橋が紫外線により始まり、その結果、基板に結合した薄膜ヒドロゲルセンサフィルムが形成された。ヒドロゲルセンサフィルムを有するガラススライドを脱イオン(DI)水に1時間浸漬してポリエステル/Alシートから剥がし、DI水で洗浄して未反応の単量体を除去し、窒素流下で1〜2分間乾燥したうえ、周囲温度で一晩真空乾燥させた。
【0198】
ヒドロゲルセンサフィルムを有するガラススライドを0.4wt%チオキサントン溶液(DMSO中に調製)に10分間浸漬し、窒素流下で1〜2分間乾燥した後、40℃で一晩真空乾燥させた。ヒドロゲルセンサフィルムを鏡の表面に対して約3°の角度で鏡の前に置いた。レンズと試料との間の距離は20.7cmであった。三次高調波発生器が連結されたNd:YAGレーザー(355nm、165mJ)を使用して、ヒドロゲルセンサフィルムを2秒間露光した。その結果、DMIMAのマレイミド基の二量化が起こり、干渉縞が形成された。0〜30mMのグルコース溶液中でグルコース反応性ホログラムの再生波長を計測した。pH=7.4(約25mMのイオン強度)のリン酸緩衝液中、様々な濃度のグルコース溶液を調製した。結果を図3及び表3にまとめる。
【0199】
【表3】

【0200】
3−APB(ヒドロゲルホログラムセンサ中に存在する)はグルコースと相互作用するため、その結果負に帯電したボロン酸種が形成される。そして、体積膨潤度が増加し、グルコース濃度に従いホログラムの再生波長が大きくなるものと考えられる。
【0201】
ヒドロゲルフィルムの架橋密度は、所与のグルコース濃度と相互作用したときに所望の波長変化を実現するように調整することができる。大きく変化する再生波長が求められる場合、ヒドロゲルフィルムにおける架橋密度を低下させてもよく、逆もまた同様である。また、レーザー露光時間及び干渉縞領域における二量化の程度も、所与のグルコース濃度におけるホログラムの再生波長に影響する。ホログラムの特性及び分析物(例えば、グルコース)に対するその応答を向上させるため、パラメータ(架橋密度、二量化の程度、レーザー露光時間、反応率及び応答時間を改善するための追加のコモノマー、緩衝液タイプ及びそのイオン強度)を変えることができる。
【0202】
(付加的なグルコース反応性ホログラフィックセンサ)
上記の実施例に記載されるものと同様の配合のホログラムを構築した。レーザー露光パラメータを変化させて再生波長を観察した。結果を表4に示す。
【0203】
【表4】

【0204】
(実施例5:硬化とホログラムの書き込みとを同時に行うことによるpH応答性センサの合成)
実施例1に上述されるとおり、ヒドロゲルセンサを合成する。次に、ヒドロゲルセンサフィルムを有するガラススライドを0.4wt%チオキサントン溶液(DMSO中に調製)に10分間浸漬し、窒素流下で1〜2分間乾燥した後、40℃で一晩真空乾燥させる。ヒドロゲルセンサフィルムを鏡の表面に対して約3°の角度で鏡の前に置く。ヒドロゲルセンサフィルムに対して、以下の1,2に示すとおり、同時に露光を行う。
1.三次高調波発生器が連結されたNd:YAGレーザー(355nm、165mJ)。これにより、DMIMAのマレイミド基の二量化が起こり、干渉縞が形成される。
2.紫外線ランプ(約350nm)。これにより、DMIMAがランダムに二量化され、硬化が起こる。
【0205】
このプロセスを図4に概略的に示す。
【0206】
硬化とホログラムの書き込みとが同時に起こるため、紫外線ランプ及びレーザーに対する露光の変化を用いて所望の割合の反射及び体積膨潤度を有するホログラムを構築することができるものと考えられる。
【0207】
(実施例6:残存する(すなわち未反応の)二量化可能な基を後硬化することにより調製したホログラフィックセンサ)
ヒドロゲルフィルム(84mol%のHEMA、6mol%のMAA、8mol%のDMIMA及び2mol%のEDMAを含む)を実施例1に記載される手順と同様に調製した。そのヒドロゲルセンサフィルムを有するガラススライドを0.4wt%チオキサントン溶液(DMSO中に調製)に10分間浸漬し、窒素流下で1〜2分間乾燥した後、40℃で一晩真空乾燥させた。ヒドロゲルセンサフィルムをコインの表面に対して約0°の角度でコインの前に置いた。レンズと試料との間の距離は19.5cmであった。三次高調波発生器が連結されたNd:YAGレーザーを使用して(355nm、165mJ)、ヒドロゲルセンサフィルムを20秒間露光した。その結果、ホログラムが形成された。チオキサントン溶液(DMSO中0.4wt%)をホログラム上に慎重に流し込み、配合物を10分間静置しておき、続いて紫外線ランプ(約350nm)で30分間露光した。その結果、主に暗縞に存在している、未反応の二量化可能な基の二量化が起こった。アセトン/水混合液で洗浄することによりDMSOを除去した。ホログラムを5mMのリン酸緩衝液(pH=6.5)に1時間浸漬し、青色乃至緑色スペクトルの可視ホログラムを確認した。ホログラムをDI水で洗浄して乾燥させた。この乾式ホログラムは、実施例1に記載される乾式ホログラムとは異なる間隔の干渉縞を有する。
【0208】
しかしながら、得られた乾燥状態のホログラムには色がなく、ほぼモノクロ階調であった。これは、マトリックスが膨潤状態でさらに架橋されたことにより、可視スペクトル全域にわたる波長の反射に対応する干渉縞が一部形成されたことが理由であると思われる。それにもかかわらず、この像は十分な解像度を有し、詳細を明確に示した。
【0209】
このセンサは呼吸に対して応答性を有した。息を吹きかけると、像の色は青色/緑色になった。これは、マトリックスの膨潤(呼気中の水分に起因する)により紫外線の干渉縞が青色/緑色領域にシフトしたものと解釈された。
【0210】
(実施例7:ポリマーマトリックスに付加物を導入することにより調製されたフルクトース及びpH応答性ホログラフィックセンサ)
適切な溶剤を使用して3−アミノフェニルボロン酸をジメチルマレイン酸無水物と反応させ、混合物を130〜150℃で3〜5時間加熱することにより、ボロン酸と連結された光二量化可能な基を含む付加物3−(3,4−ジメチル−2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)フェニルボロン酸(3−DMI−PB)(下記参照)を調製した。
【0211】
【化22】

【0212】
1mlの18.8mMチオキサントン溶液(DMSO中に調製)に50mgの3−DMI−PBを溶解した。薄膜ヒドロゲルフィルム(84mol%HEMA、6mol%MAA、8mol%DMIMA及び2mol%EDMAからなる)上に400μlの上記溶液を慎重に流し込んだ。この配合物を20分間静置した後、紫外線ランプ(波長>300nm)に30分間露光した。これによりフォトポリマーホログラムの非干渉縞領域にある未反応のDMI基が3−DMI−PBと反応し、結果としてシクロブタン環(下記スキームを参照)が形成され、ヒドロゲルフィルムと共有結合した官能性二量体構造が形成された。
【0213】
【化23】

【0214】
次に、得られたホログラフィックセンサを脱イオン(DI)水に一晩浸漬した。ホログラムに視認可能な色は確認されなかった。これは、pH応答性ホログラフィックセンサがDI水中で収縮し、再生波長が紫外領域に移ることが原因である。続いてホログラムを様々な濃度のフルクトース溶液に浸漬した。その結果を表5にまとめる。
【0215】
【表5】

【0216】
(実施例8:事後膨潤を用いた2つの可視ホログラムの記録)
83mol%HEMA、6mol%MAA、8mol%DMIMA及び3mol%EDMAを使用して薄膜ヒドロゲルフィルムを合成した。コインを原版(shim)として使用し、乾燥させたヒドロゲルフィルムを355nmレーザーに5秒間露光した。得られたホログラムをDI水に浸漬した。この湿潤ホログラムを、別のコインをシムとして使用して再び355nmレーザーで5秒間露光した。2つのホログラムの再生波長を種々の緩衝溶液中で観察した。結果を表6にまとめる(MOPSは、3−(N−モルホリノ)−プロパンスルホン酸を表す)。
【0217】
【表6】

【0218】
さらに、ホログラムをpH7.0のリン酸緩衝液に浸漬したとき、2つの像は順番に出現した。最初の膨潤段階の間は像1が視認された。膨潤が増した段階で(平衡化前)、像1は赤外領域に消失し、像2が可視スペクトルに出現した。
【0219】
本発明は、特にその例示的な実施形態を参照して図示及び説明されているが、当業者は、添付の特許請求の範囲により包含される本発明の範囲から逸脱することなく、その形態及び詳細を様々に変更し得ることを理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ポリマーマトリックスを含むホログラフィック記録媒体と、
(b)ホログラフィ像と、
を含むホログラフィックセンサであって、
前記ホログラフィ像は、前記ホログラフィック記録媒体に回折フリンジとして記録された少なくとも1つのホログラフィ像であって、
前記回折フリンジは、橋かけ環を含む二量体構造を含み、
前記ホログラフィック記録媒体が、少なくとも1つの出力信号を提供して外部刺激に応答する、ホログラフィックセンサ。
【請求項2】
前記ホログラフィック記録媒体の物理的又は化学的特性が、外部刺激に応答して変化する、請求項1に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項3】
前記出力信号が光学信号である、請求項1に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項4】
前記二量体構造によって前記ポリマーマトリックスが架橋される、請求項1に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項5】
前記ポリマーマトリックスが、回折フリンジの一部である二量体構造による架橋に加え、さらに架橋される、請求項1に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項6】
前記ポリマーマトリックスが、前記二量体構造とは異なる架橋基によりランダムに架橋される、請求項5に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項7】
前記ポリマーマトリックスが外部刺激に応答して膨潤する、請求項6に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項8】
前記外部刺激として流体による刺激を含み、前記ポリマーマトリックスが、前記流体と接触したとき、膨潤することにより応答する、請求項7に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項9】
前記外部刺激が分析物をさらに含み、前記ポリマーマトリックスの膨潤度が、前記流体中に存在する前記分析物の量と相関する、請求項8に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項10】
前記外部刺激がプロトン性物質を含む流体であり、且つ前記ポリマーマトリックスが親水性であるか;又は
前記外部刺激が非プロトン性若しくは無極性物質を含む流体であり、且つ前記ポリマーマトリックスが疎水性である、請求項7に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項11】
前記ポリマーマトリックスが、親水性単量体、両親媒性単量体、温度応答性単量体、pH応答性単量体及び疎水性単量体からなる群から選択される1種類又は複数種類の単量体のポリマー又はコポリマーを含む、請求項1に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項12】
前記回折フリンジが前記ポリマーマトリックスと共有結合する、請求項1に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項13】
前記ポリマーマトリックスと前記回折フリンジの一部である二量体構造とが、相互貫入ポリマーネットワークを形成しない、請求項1に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項14】
前記回折フリンジが、(i)二量体構造の密度が相対的に低い部分を含む暗縞と、(ii)二量体構造の密度が相対的に高い部分を含む明縞とを含む、請求項1に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項15】
前記ポリマーマトリックスが、外部刺激に対し、前記明縞と比べて前記暗縞においてより高い膨潤度で応答し、それによって、前記ホログラフィック記録媒体に記録された前記ホログラフィ像の再生波長が変動する、請求項14に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項16】
前記外部刺激が、湿度、水、気体、蒸気、有機又は無機溶剤、化学物質、金属イオン、化学物質の溶液又は分散液、圧力、温度、pH、電磁波、磁界、電界、電離放射線、プロトン性物質、非プロトン性物質、流体、及び分析物を含む流体のうちの1つ又は複数である、請求項1に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項17】
前記出力信号が、前記ホログラフィック記録媒体に記録された少なくとも1つのホログラフィ像の再生波長の変動、前記ホログラフィック記録媒体に記録された付加的なホログラフィ像の出現、及び前記ホログラフィック記録媒体に記録された少なくとも1つのホログラフィ像の消失から選択される、請求項16に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項18】
前記外部刺激が、湿度、酸性度、金属イオン、及び単糖類、二糖類又は多糖類を含む液体から選択され、且つ前記出力信号が、前記ホログラフィック記録媒体に記録された少なくとも1つのホログラフィ像の再生波長の変動、前記ホログラフィック記録媒体に記録された付加的なホログラフィ像の出現、及び前記ホログラフィック記録媒体に記録された少なくとも1つのホログラフィ像の消失から選択される、請求項17に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項19】
前記ポリマーマトリックスがゼラチン又はポリマーを含み、前記ポリマーは、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)、ポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート(PEGMA)、酢酸ビニル、アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、N,N−メチレンビスアクリルアミド(BIS)、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、メタクリル酸のナトリウム塩、2−(ジメチルアミノエチル)メタクリレート(DMAEMA)、スチレン4−スルホン酸、及び2−(N,Nジメチル−N−(2−メタクリルオキシエチル)アンモニウム)エタン酸のうちの1種類又は複数種類の単量体のポリマーで構成される、請求項1に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項20】
前記橋かけ環がシクロブチルである、請求項19に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項21】
前記回折フリンジが、シンナモイル、カルコン、アントラセン、クマリン、スチルバゾリウム、マレイミド、又はそれらの誘導体のうちの1つ又は複数の二量体を含む、請求項20に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項22】
前記干渉縞が、式:
【化1】


で表される二量体を含み、
式中:
、R、R’、及びR’は、各々独立して、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ(各々、−OH、−NR、若しくはハロゲンで任意に置換されている)であるか、又はR及びRは、それらが結合する炭素原子と共に飽和若しくは不飽和の5員若しくは6員炭化水素環若しくは複素環を形成し、ここで、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ及び炭化水素環又は複素環は、各々、−OH、−NR、又はハロゲンで任意に置換されており;
は、窒素又は酸素に任意に置き換えられるか、及び/又は、−COOH、−COX、−OH、−NR、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、−SR、−Si(RX、又はSi(Rで任意に置換されている1個以上の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C20アルキル又はC3〜C10環状アルキルであり;又はRは、平均分子量12000以下のポリ(エチレングリコール)(PEG)(ここでヒドロキシル基は、アミン、−COOH、−COX、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、−SR、−Si(RX若しくは−Si(Rに任意に置き換えられる)であり;又はRは、−(PEG)分子量≦12000C(O)O−NHS、若しくは−(PEG)分子量≦12000C(O)O−スルホ−NHSであり;
Xは、ハロゲンであり;
は、水素又は直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C10アルキル又はC3〜C10環状アルキルであり;及び
及びRは、各々独立して、水素又はC1〜C6アルキルである、
請求項21に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項23】
前記二量化可能な化学基が前記ポリマーマトリックスと共有結合し、前記ポリマーマトリックスが、前記二量化可能な化学基を含む第1の化合物と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)、ポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート(PEGMA)、酢酸ビニル、アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、N,N−メチレンビスアクリルアミド(BIS)、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、メタクリル酸のナトリウム塩、2−(ジメチルアミノエチル)メタクリレート(DMAEMA)、スチレン4−スルホン酸、及び2−(N,Nジメチル−N−(2−メタクリルオキシエチル)アンモニウム)エタン酸からなる群から選択される第2の化合物とのポリマーを含む、請求項1に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項24】
前記橋かけ環がシクロブチルである、請求項23に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項25】
前記回折フリンジが、シンナモイル、カルコン、アントラセン、クマリン、スチルバゾリウム、マレイミド、又はそれらの誘導体の二量体構造を含む、請求項24に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項26】
前記回折フリンジが、式:
【化2】


で表される二量体構造を含み、
式中、
、R、R’、及びR’は、各々独立して、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ(各々、−OH、−NR、若しくはハロゲンで任意に置換されている)であるか、又はR及びRは、それらが結合する炭素原子と共に飽和若しくは不飽和の5員若しくは6員炭化水素環若しくは複素環を形成し、ここで、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ及び炭化水素環又は複素環は、各々、−OH、−NR、又はハロゲンで任意に置換されており;
R’は、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C20ジアルキル又はC3〜C10環状ジアルキル[ここでC1〜C10ジアルキル又はC3〜C10環状ジアルキルは、窒素又は酸素に任意に置き換えられる1個以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個)の炭素原子を有する]であるか、又はR’は、−C(O)−、−Si(R−、若しくは−(PEG)分子量≦12000−であり;
、R及びRは、各々独立して、水素であるか、又はC1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ(各々、−OH、−NR、若しくはハロゲンで任意に置換されている)であり;
は、水素又は直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C10アルキル又はC3〜C10環状アルキルであり;及び
及びRは、各々独立して、水素又はC1〜C6アルキルである、
請求項25に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項27】
及びRが、各々独立して、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、又はC3〜C6シクロアルキル(各々、−OH、−NR、又はハロゲンで任意に置換されている)であり;
R’が、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C6ジアルキル又はC3〜C6環状ジアルキル又は平均分子量が12000以下のポリ(エチレングリコール)であり;
、R及びRが、各々独立して、水素又はC1〜C6アルキルである、
請求項26に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項28】
及びRが、各々独立して、C1〜C6アルキル(−OH、−NR、又はハロゲンで任意に置換されている)であり;及び
R’が、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C10ジアルキル又は−(PEG)分子量≦12000−である、
請求項27に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項29】
前記回折フリンジが、式:
【化3】


で表される二量体を含む、請求項28に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項30】
支持層をさらに含む、請求項1に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項31】
前記支持層が、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム又はポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムである、請求項30に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項32】
前記ポリマーマトリックスが、(a)前記回折フリンジの一部である二量体構造による架橋と;(b)前記少なくとも1つのホログラフィ像を記録する際に形成されたものではない二量体構造による架橋と;及び(c)前記(b)の二量体構造以外の構造によるランダムな架橋とを含む、請求項1に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項33】
前記ポリマーマトリックスが膨潤していないとき、前記ホログラフィックセンサが可視スペクトル範囲の乾式像を示し、前記乾式像が、前記少なくとも1つの記録されたホログラフィ像に対応する、請求項1〜32のいずれか一項に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項34】
前記ポリマーマトリックスが前記外部刺激に応答して膨潤すると、前記ホログラフィックセンサの乾式像の再生波長が変化する、請求項33に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項35】
前記ポリマーマトリックスと共有結合した第1の二量化可能な化学基と、式D−FGの付加物(式中、Dは第2の二量化可能な化学基であり、FGは官能性付与基である)との光環化付加による二量化によって形成された橋かけ環を含む複数の官能性二量体構造をさらに含む、請求項1に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項36】
前記第1の二量化可能な化学基と前記第2の二量化可能な化学基とが同じである、請求項35に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項37】
前記二量体構造が、前記少なくとも1つのホログラフィ像が記録されるときに二量化可能な化学基から形成され、前記二量化可能な化学基と、前記第1の二量化可能な化学基と、前記第2の二量化可能な化学基とが同じである、請求項36に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項38】
前記官能性二量体構造が前記ポリマーマトリックス全体に分布している、請求項35に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項39】
前記官能性二量体構造が前記ポリマーマトリックス全体にランダムに分布している、請求項38に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項40】
FGが、リガンド、抗体、酵素、タンパク質、キレート剤、受容体、刺激応答性オリゴマー又は刺激応答性ポリマーである、請求項35に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項41】
FGがフェニルボロン酸類である、請求項40に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項42】
前記官能性二量体構造が、構造式(VIII):
【化4】


で表され、
式中、
及びRは、各々独立して、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ(各々、−OH、−NR、若しくはハロゲンで任意に置換されている)であるか、又はR及びRは、それらが結合する炭素原子と共に飽和若しくは不飽和の5員若しくは6員炭化水素環若しくは複素環を形成し、ここで、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ及び炭化水素環又は複素環は、各々、−OH、−NR、又はハロゲンで任意に置換されており;
R’は、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C20ジアルキル又はC3〜C10環状ジアルキル(ここでC1〜C10ジアルキル又はC3〜C10環状ジアルキルは、窒素又は酸素に任意に置き換えられる1個以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個)の炭素原子を有する)であるか、又はR’は、−C(O)−、−Si(R−、若しくは−(PEG)分子量≦12000−であり;
、R及びRは、各々独立して、水素であるか、又はC1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ(各々、−OH、−NR、若しくはハロゲンで任意に置換されている)であり;
は、水素又は直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C10アルキル又はC3〜C10環状アルキルであり;及び
及びRは、各々独立して、水素又はC1〜C6アルキルである、
請求項40に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項43】
前記官能性二量体構造は、構造式(VIIb):
【化5】


で表され、
式中、
、R、R’、及びR’は、各々独立して、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ(各々、−OH、−NR、若しくはハロゲンで任意に置換されている)であるか、又はR及びRは、それらが結合する炭素原子と共に飽和若しくは不飽和の5員若しくは6員炭化水素環若しくは複素環を形成し、ここで、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ及び炭化水素環又は複素環は、各々、−OH、−NR、又はハロゲンで任意に置換されており;
R’は、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C20ジアルキル又はC3〜C10環式ジアルキル(ここでC1〜C10ジアルキル又はC3〜C10環状ジアルキルは、窒素又は酸素に任意に置き換えられる1個以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個)の炭素原子を有する)であるか、又はR’は、−C(O)−、−Si(R−、若しくは−(PEG)分子量≦12000−であり;
、R及びRは、各々独立して、水素であるか、又はC1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ(各々、−OH、−NR、若しくはハロゲンで任意に置換されている)であり;
は、水素又は直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C10アルキル又はC3〜C10環式アルキルであり;及び
及びRは、各々独立して、水素又はC1〜C6アルキルである、
請求項42に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項44】
及びRが、各々独立して、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、又はC3〜C6シクロアルキル(各々、−OH、−NR、又はハロゲンで任意に置換されている)であり;
R’が、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C6ジアルキル又はC3〜C6環式ジアルキル又は平均分子量が12000以下のポリ(エチレングリコール)であり;及び
、R及びRが、各々独立して、水素又はC1〜C6アルキルである、
請求項42又は43に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項45】
及びRが、各々独立して、C1〜C6アルキル(−OH、−NR、又はハロゲンで任意に置換されている)であり;及び
R’が、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C10ジアルキル又は−(PEG)分子量≦12000−である、
請求項42又は43に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項46】
前記官能性二量体構造が、構造式(VIIc):
【化6】


で表される、請求項45に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項47】
FGが、リガンド、抗体、酵素、タンパク質、キレート剤、受容体、刺激応答性オリゴマー又は刺激応答性ポリマーである、請求項46に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項48】
FGが、フェニルボロン酸類又はビスボロン酸類である、請求項46に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項49】
FGが、構造式(IXa)又は(IXb):
【化7】


【化8】


で表され、
式中、nは、0、1又は2であり、各Rは、独立して、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、NO、シアノ、COOアルキル、COアルキル又はCFである、請求項35〜48のいずれか一項に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項50】
FGが、構造式:
【化9】


で表される、請求項49に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項51】
前記官能性二量体構造が、構造式(X):
【化10】


で表される下部構造を含む、請求項35〜39のいずれか一項に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項52】
前記ホログラフィック記録媒体が、前記ポリマーマトリックスと共有結合した複数の受容体基をさらに含む、請求項1〜51のいずれか一項に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項53】
前記ポリマーマトリックスが、前記受容体基を含む単量体と、二量化可能な化学基を含む単量体と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)、ポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート(PEGMA)、酢酸ビニル、アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、N,N−メチレンビスアクリルアミド(BIS)、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、メタクリル酸のナトリウム塩、2−(ジメチルアミノエチル)メタクリレート(DMAEMA)、スチレン4−スルホン酸、及び2−(N,Nジメチル−N−(2−メタクリルオキシエチル)アンモニウム)エタン酸からなる群から選択される1つ又は複数の化合物との共重合により調製されたポリマーを含む、請求項52に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項54】
前記受容体基が3−アクリルアミドフェニルボロン酸である、請求項53に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項55】
(a)ポリマーマトリックスと、
(b)複数の二量化可能な化学基とを含むホログラフィック記録媒体であって、
前記二量化可能な化学基は、
(i)光環化付加による橋かけ環の形成により二量化し;且つ
(ii)前記ポリマーマトリックス全体にわたり分散し、
その分散密度は、
(1)前記二量化可能な化学基の一部を二量化することによるホログラムの記録と、
(2)外部刺激の存在に対して前記ポリマーマトリックスが応答したときの前記ホログラムの光学特性の変化が検出されるのを可能とするのに十分な密度である、
ホログラフィック記録媒体。
【請求項56】
前記ポリマーマトリックスが架橋される、請求項55に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項57】
前記ホログラフィック記録媒体の物理的又は化学的特性が、外部刺激に応答して変化する、請求項55に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項58】
前記外部刺激として流体による刺激を含み、前記ポリマーマトリックスが、前記流体と接触させたとき、膨潤することにより応答する、請求項55に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項59】
前記外部刺激が分析物をさらに含み、前記ポリマーマトリックスの膨潤度が、前記流体中に存在する前記分析物の量と相関する、請求項58に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項60】
前記光学特性の変化が、前記ホログラムの再生波長の変化である、請求項55に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項61】
前記二量化可能な基が、ペンダント基として前記ポリマーマトリックスと共有結合する、請求項55に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項62】
前記外部刺激がプロトン性物質を含む流体によるものであり、且つ前記ポリマーマトリックスが親水性であるか、又は
前記外部刺激が、非プロトン性若しくは無極性物質を含む流体によるものであり、且つ前記ポリマーマトリックスが疎水性である、請求項61に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項63】
前記ポリマーマトリックスが、親水性単量体、両親媒性単量体、温度応答性単量体、pH応答性単量体及び疎水性単量体からなる群から選択される1種類又は複数種類の単量体のポリマー又はコポリマーを含む、請求項62に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項64】
前記ポリマーマトリックスがランダムに架橋される、請求項61に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項65】
前記外部刺激が、湿度、水、気体、蒸気、有機又は無機溶剤、化学物質、金属イオン、化学物質の溶液又は分散液、圧力、温度、pH、電磁波、磁界、電界、電離放射線、プロトン性物質、非プロトン性物質、流体、及び分析物を含む流体のうちの1つ又は複数である、請求項61に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項66】
前記橋かけ環がシクロブチルである、請求項55〜65のいずれか一項に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項67】
前記ポリマーマトリックスが、ゼラチンを含むか、又は前記ポリマーマトリックスが、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)、ポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート(PEGMA)、酢酸ビニル、アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、N,N−メチレンビスアクリルアミド(BIS)、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、メタクリル酸のナトリウム塩、2−(ジメチルアミノエチル)メタクリレート(DMAEMA)、スチレン4−スルホン酸、及び2−(N,Nジメチル−N−(2−メタクリルオキシエチル)アンモニウム)エタン酸のうちの1種類または複数の種類の単量体から形成されるポリマーを含む、請求項66に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項68】
前記二量化可能な化学基を供与する化合物が、シンナモイル、カルコン、アントラセン、クマリン、スチルバゾリウム、マレイミド、及びそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項67に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項69】
前記二量化可能な化学基が、以下の構造式:
【化11】


で表される化合物によって提供され
式中、
及びRは、各々独立して、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ(各々、−OH、−NR、若しくはハロゲンで任意に置換されている)であるか、又はR及びRは、それらが結合する炭素原子と共に飽和若しくは不飽和の5員若しくは6員炭化水素環若しくは複素環を形成し、ここで、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ及び炭化水素環又は複素環は、各々、−OH、−NR、又はハロゲンで任意に置換されており;
は、窒素又は酸素に任意に置き換えられるか、及び/又は、−COOH、−COX、−OH、−NR、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、−SR、−Si(RX、又はSi(Rで任意に置換されている1個以上の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C20アルキル又はC3〜C10環式アルキルであり;又はRは、平均分子量が12000以下のポリ(エチレングリコール)(PEG)(ここでヒドロキシル基は、アミン、−COOH、−COX、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、−SR、−Si(RX若しくは−Si(Rに任意に置き換えられる)であり;又はRは、−(PEG)分子量≦12000C(O)O−NHS、若しくは−(PEG)分子量≦12000C(O)O−スルホ−NRSであり;
Xは、ハロゲンであり;
は、水素又は直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C10アルキル、アルコキシ又はC3〜C10環式アルキルであり;及び
及びRは、各々独立して、水素又はC1〜C6アルキルである、
請求項66に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項70】
前記二量化可能な化学基が、構造式(II):
【化12】


で表される構造によって提供され
式中、
R’は、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C20ジアルキル又はC3〜C10環式ジアルキル(ここでC1〜C10ジアルキル又はC3〜C10環式ジアルキルは、窒素又は酸素に任意に置き換えられる1個以上の炭素原子を有する)であるか、又はR’は、−C(O)−、−Si(R−、若しくは−(PEG)分子量≦12000−であり;及び
及びRは、各々独立して、水素であるか、又はC1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ(各々、−OH、−NR、若しくはハロゲンで任意に置換されている)である、
請求項66に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項71】
前記ポリマーマトリックスが、(ヒドロキシエチル)メタクリレート(HEMA)と、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)と、メタクリル酸(MAA)とのポリマーを含む、請求項70に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項72】
及びRが、各々独立して、C1〜C10アルキル、又はC3〜C6シクロアルキル(各々、−OH、−NR、又はハロゲンで任意に置換されている)であり;
が、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C10ジアルキル、C3〜C6環式ジアルキル又は平均分子量が12000以下のポリ(エチレングリコール)であり;
及びRが、各々独立して、水素又はC1〜C6アルキルである、
請求項71に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項73】
及びRが、各々独立して、C1〜C6アルキル(−OH、−NR、又はハロゲンで任意に置換されている)であり;及び
が、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C10ジアルキル、又は平均分子量が12000以下のポリ(エチレングリコール)である、
請求項72に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項74】
前記二量化可能な化学基が、以下の式:
【化13】


で表される化合物によって提供される、請求項73に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項75】
前記二量化可能な化学基が前記ポリマーマトリックスと共有結合し、前記ポリマーマトリックスが、前記二量化可能な化学基を含む第1の化合物と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)、ポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート(PEGMA)、酢酸ビニル、アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、N,N−メチレンビスアクリルアミド(BIS)、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、メタクリル酸のナトリウム塩、2−(ジメチルアミノエチル)メタクリレート(DMAEMA)、スチレン4−スルホン酸、及び2−(N,Nジメチル−N−(2−メタクリルオキシエチル)アンモニウム)エタン酸からなる群から選択される第2の化合物とのポリマーを含む、請求項66に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項76】
前記二量化可能な化学基を供与する化合物が、シンナモイル、カルコン、アントラセン、クマリン、スチルバゾリウム、マレイミド、及びそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項75に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項77】
前記二量化可能な化学基が、以下の構造式:
【化14】


で表され、
式中、
及びRは、各々独立して、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ(各々、−OH、−NR、若しくはハロゲンで任意に置換されている)であるか、又はR及びRは、それらが結合する炭素原子と共に飽和若しくは不飽和の5員若しくは6員炭化水素環若しくは複素環を形成し、ここで、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ及び炭化水素環又は複素環は、各々、−OH、−NR、又はハロゲンで任意に置換されており;
は、窒素又は酸素に任意に置き換えられるか、及び/又は、−COOH、−COX、−OH、−NR、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、−SR、−Si(RX、又はSi(Rで任意に置換されている1個以上の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C20アルキル又はC3〜C10環式アルキルであり;又はRは、平均分子量が12000以下のポリ(エチレングリコール)(PEG)(ここでヒドロキシル基は、アミン、−COOH、−COX、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、−SR、−Si(RX若しくは−Si(Rに任意に置き換えられる)であり;又はRは、−(PEG)分子量≦12000C(O)O−NHS、若しくは−(PEG)分子量≦12000C(O)O−スルホ−NHSであり;
Xは、ハロゲンであり;
は、水素又は直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C10アルキル、アルコキシ又はC3〜C10環式アルキルであり;及び
及びRは、各々独立して、水素又はC1〜C6アルキルである、
請求項76に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項78】
前記第1の化合物が、構造式(II):
【化15】


で表され、
式中、
R’は、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C20ジアルキル又はC3〜C10環式ジアルキル(ここでC1〜C10ジアルキル又はC3〜C10環式ジアルキルは、窒素又は酸素に任意に置き換えられる1個以上の炭素原子を有する)であるか、又はR’は、−C(O)−、−Si(R−、若しくは−(PEG)分子量≦12000−であり;及び
及びRは、各々独立して、水素であるか、又はC1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ(各々、−OH、−NR、若しくはハロゲンで任意に置換されている)である、
請求項75に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項79】
前記第2の化合物が、(ヒドロキシエチル)メタクリレート(HEMA)、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)及びメタクリル酸(MAA)である、請求項78に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項80】
及びRが、各々独立して、C1〜C10アルキル、又はC3〜C6シクロアルキル(各々、−OH、−NR、又はハロゲンで任意に置換されている)であり;
が、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C10ジアルキル、C3〜C6環式ジアルキル又は平均分子量が12000以下のポリ(エチレングリコール)であり;
及びRが、各々独立して、水素又はC1〜C6アルキルである、
請求項79に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項81】
及びRが、各々独立して、C1〜C6アルキル(−OH、−NR、又はハロゲンで任意に置換されている)であり;及び
が、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C10ジアルキル、又は平均分子量が12000以下のポリ(エチレングリコール)である、
請求項80に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項82】
前記二量化可能な化学基が、以下の式:
【化16】


で表される化合物によって提供される、請求項81に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項83】
前記ポリマーマトリックスが、以下の構造式(IIa):
【化17】


で表される構造を含み、
式中、
R’は、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C20ジアルキル又はC3〜C10環式ジアルキル(ここでC1〜C10ジアルキル又はC3〜C10環式ジアルキルは、窒素又は酸素に任意に置き換えられる1個以上の炭素原子を有する)であるか、又はR’3は、−C(O)−、−Si(R−、若しくは−(PEG)分子量≦12000−であり;及び
及びRは、各々独立して、水素であるか、又はC1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ(各々、−OH、−NR、若しくはハロゲンで任意に置換されている)である、
請求項66に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項84】
及びRが、各々独立して、C1〜C10アルキル、又はC3〜C6シクロアルキル(各々、−OH、−NR、若しくはハロゲンで任意に置換されている)であり;
が、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C10ジアルキル、C3〜C6環式ジアルキル又は平均分子量が12000以下のポリ(エチレングリコール)であり;
及びRが、各々独立して、水素又はC1〜C6アルキルである、
請求項83に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項85】
及びRが、各々独立して、C1〜C6アルキル(−OH、−NR、又はハロゲンで任意に置換されている)であり;及び
が、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C10ジアルキル、又は平均分子量が12000以下のポリ(エチレングリコール)である、
請求項84に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項86】
前記ポリマーマトリックスが、以下の構造式(IIIa):
【化18】


で表される構造を含む、請求項85に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項87】
外部刺激の存在を検出する方法であって、
前記外部刺激に応答して、二量体構造の互いに対する空間位置、及び二量体構造と二量化可能な化学基との空間位置が変化し、
それにより、観測可能なホログラフィ像が提示されるか又はホログラフィ像の観測可能な変化がもたらされ、
前記観測可能なホログラフィ像の提示又は変化によって、前記外部刺激の存在が示される、方法。
【請求項88】
光学スペクトル範囲において、前記観測可能なホログラフィ像が検出される工程をさらに含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記二量体構造及び前記二量化可能な化学基が、記録されたホログラフィ像に対応する回折フリンジの一部として含まれる、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
前記記録されたホログラフィ像と、前記観測可能なホログラフィ像とが異なる、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記記録されたホログラフィ像と前記観測可能なホログラフィ像とは再生波長が異なる、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
ホログラフィ像の記録方法であって:
(i)光環化付加により、二量化可能な化学基が二量化して二量体構造を形成する割合を制御するとともに、
(ii)前記二量体構造の互いに対する空間位置、及び二量体構造と二量化されなかった二量化可能な化学基との空間位置の保持を制御する工程を含み、
この制御工程により、
前記ホログラフィ像を記録すること、及び
記録後に外部刺激が存在するとき、前記記録されたホログラフィ像が、制御下で観測可能な応答を行なうことを可能にする、方法。
【請求項93】
ホログラフィ像の記録方法であって、
前記ホログラフィ像を表す光子に応答し、二量化可能な化学基が光環化付加により二量化して、二量体構造を形成する工程と、
前記二量体構造の互いに対する空間位置、及び二量体構造と二量化されなかった二量化可能な化学基との空間位置を保持する工程と、
を含み、それにより、記録されたホログラフィ像が保持され、
前記二量化工程及び前記保持工程に伴って記録されたホログラフィ像は、記録後に外部刺激が存在するとき、制御下で観測可能に応答を行なう、方法。
【請求項94】
ホログラフィ像の記録方法であって、
(a)二量化可能な化学基同士及び二量体構造同士の空間位置を保持する工程と、
(b)前記ホログラフィ像を表す光子に応答して、前記二量化可能な化学基を光環化付加により二量化し、二量体構造を形成するとともに、それにより記録されたホログラフィ像を保持する工程とを含み、
(c)記録後に外部刺激が存在するとき、前記保持および二量化に伴って記録されたホログラフィ像を制御下で観測可能に応答させる、方法。
【請求項95】
外部刺激の存在を検出する方法であって、
(1)ホログラフィックセンサを提供する工程と、
(2)外部刺激の存在を検出する工程と、
を含み、
前記工程(1)において、前記センサは、
(a)ポリマーマトリックスを含むホログラフィック記録媒体と、
(b)ホログラフィ像と、
を含むホログラフィックセンサであって、
前記ホログラフィ像は、前記ホログラフィック記録媒体に回折フリンジとして記録された少なくとも1つのホログラフィ像であって、
前記回折フリンジは、橋かけ環を含む二量体構造を含み、
ここで、前記ホログラフィック記録媒体は、少なくとも1つの出力信号を提供して外部刺激に応答し、
前記工程(2)において、前記少なくとも1つの出力信号の存在を検出して、それにより前記外部刺激の存在を検出する、
方法。
【請求項96】
前記外部刺激が分析物を含む流体であり、前記ホログラフィックセンサを提供する工程が、前記ホログラフィック記録媒体を膨潤させる工程を含む、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記ホログラフィック記録媒体を膨潤させる工程が、前記流体中の分析物の濃度に依存する、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記流体が液体である、請求項96又は97に記載の方法。
【請求項99】
前記外部刺激が、湿度、水、気体、蒸気、有機又は無機溶剤、化学物質、金属イオン、化学物質の溶液又は分散液、圧力、温度、pH、電磁波、磁界、電界、電離放射線、プロトン性物質、非プロトン性物質、流体、及び分析物を含む流体のうちの1つ又は複数である、請求項95に記載の方法。
【請求項100】
前記出力信号が、前記ホログラフィック記録媒体に記録された少なくとも1つのホログラフィ像の再生波長の変動、前記ホログラフィック記録媒体に記録された付加的なホログラフィ像の出現、又は前記ホログラフィック記録媒体に記録された少なくとも1つのホログラフィ像の消失に従う、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記ホログラフィックセンサが、請求項1〜54のいずれか一項に記載のホログラフィックセンサである、請求項95に記載の方法。
【請求項102】
ホログラフィックセンサの製造方法であって、
少なくとも1つのホログラフィ像を回折フリンジとしてホログラフィック記録媒体に記録する工程を含み、
前記ホログラフィック記録媒体は、
(i)ポリマーマトリックスと、
(ii)光環化付加による橋かけ環の形成により二量化する複数の二量化可能な化学基と、を含み、
前記回折フリンジは、橋かけ環を含む複数の二量体構造を含み、前記ホログラフィック記録媒体は、少なくとも1つの出力信号を提供することにより外部刺激に応答する、方法。
【請求項103】
ホログラフィック記録媒体を調製する工程をさらに含む、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記ホログラフィック記録媒体を調製する工程が、
(a)前記二量化可能な化学基を含む単量体と、架橋性単量体と、光増感剤との混合物を準備する工程と、
(b)前記混合物を基板上にコーティングする工程と、
(c)前記混合物を熱硬化させて、二量化可能な化学基を含む架橋ポリマーマトリックスを形成することにより、前記基板上に記録層を形成する工程と、
を含む、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記ホログラフィック記録媒体を調製する工程が、
(a)前記二量化可能な化学基を含むポリマーを準備する工程と、
(b)前記混合物を基板上にコーティングする工程と、
(c)前記混合物中の前記二量化可能な基の一部を一様に光架橋して、前記基板上に記録層を形成する工程とを含み、
前記工程(c)によって、未反応の二量化可能な化学基と光開始剤とを含む架橋ポリマーマトリックスが形成される、
請求項103に記載の方法。
【請求項106】
前記少なくとも1つのホログラフィ像の記録後、前記ホログラフィック記録媒体が未反応の二量化可能な化学基を含み、前記方法が、さらに(c)前記ポリマーマトリックスを膨潤させ、化学線を照射することにより、前記未反応の二量化可能な化学基の一部又は全部を光環化付加により二量化する工程を含む、請求項102に記載の方法。
【請求項107】
前記ホログラフィックセンサの前記ポリマーマトリックスが膨潤していないとき、前記ホログラフィックセンサが光学スペクトル範囲の乾式像を示し、ここで前記乾式像が、前記少なくとも1つの記録されたホログラフィ像に対応する、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
工程(c)における化学線の照射前に、前記ポリマーマトリックスを部分的に膨潤した状態にする、請求項106に記載の方法。
【請求項109】
前記化学線が紫外線である、請求項106に記載の方法。
【請求項110】
前記ホログラフィ像を記録する際、前記二量体構造が、前記二量化可能な化学基から形成される、請求項102に記載の方法。
【請求項111】
前記ホログラフィック記録媒体を調製する工程が、前記二量化可能な化学基を含む第1の化合物と、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)、ポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート(PEGMA)、酢酸ビニル、アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、N,N−メチレンビスアクリルアミド(BIS)、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、メタクリル酸のナトリウム塩、2−(ジメチルアミノエチル)メタクリレート(DMAEMA)、スチレン4−スルホン酸、及び2−(N,Nジメチル−N−(2−メタクリルオキシエチル)アンモニウム)エタン酸からなる群から選択される第2の化合物と、
を重合に好適な条件下で重合してポリマーマトリックスを調製する工程を含む、請求項102に記載の方法。
【請求項112】
工程(a)で提供される前記ホログラフィック記録媒体が、光増感剤をさらに含む、請求項102に記載の方法。
【請求項113】
前記少なくとも1つのホログラフィ像の記録後、前記ホログラフィック記録媒体が、未反応の二量化可能な化学基を含み、前記方法が、さらに(d)前記未反応の二量化可能な化学基を式D−FGの付加物(式中、Dは第2の二量化可能な化学基であり、FGは官能性付与基である)と二量化する工程を含む、請求項102に記載の方法。
【請求項114】
前記ホログラフィック記録媒体を調製する工程が、(d)二量化可能な化学基を式D−FGの付加物(式中、Dは第2の二量化可能な化学基であり、FGは官能性付与基である)と二量化する工程を含む、請求項102に記載の方法。
【請求項115】
(d)前記ポリマーマトリックス全体にわたり二量化可能な化学基を式D−FGの付加物(式中、Dは第2の二量化可能な化学基であり、FGは官能性付与基である)と二量化する工程をさらに含む、請求項102に記載の方法。
【請求項116】
前記少なくとも1つのホログラフィ像を記録するのに十分な量の二量化可能な化学基が、前記付加物と二量化されない、請求項114又は115に記載の方法。
【請求項117】
前記ホログラフィック記録媒体を提供する工程が、受容体基を含む単量体と、
前記二量化可能な化学基を含む単量体と、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)、ポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート(PEGMA)、酢酸ビニル、アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、N,N−メチレンビスアクリルアミド(BIS)、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、メタクリル酸のナトリウム塩、2−(ジメチルアミノエチル)メタクリレート(DMAEMA)、スチレン4−スルホン酸、及び2−(N,Nジメチル−N−(2−メタクリルオキシエチル)アンモニウム)エタン酸からなる群から選択される1つ又は複数の化合物とを
共重合に好適な条件下で、共重合する工程を含む、請求項102に記載の方法。
【請求項118】
前記受容体基が3−アクリルアミドフェニルボロン酸である、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記少なくとも1つのホログラフィ像を記録する工程(b)が、前記ホログラフィック記録媒体を、レーザー光に露光し、それにより干渉縞を生成する工程と、それと同時に前記ホログラフィック記録媒体を紫外線に露光する工程とを含む、請求項102に記載の方法。
【請求項120】
工程(b)で記録される前記ホログラフィ像が、235nm〜650nmの波長で記録される、請求項102〜119のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
請求項102〜120のいずれか一項に記載の方法により調製されたホログラフィックセンサ。
【請求項122】
ポリマーマトリックスと、
光環化付加による橋かけ環の形成により二量化する化学基と、
を含むホログラフィック記録媒体であって、
前記ホログラフィック記録媒体の物理的又は化学的特性が、外部刺激に応答して変化する、ホログラフィック記録媒体。
【請求項123】
前記外部刺激が、湿度、水、気体、蒸気、有機又は無機溶剤、化学物質、金属イオン、化学物質の溶液又は分散液、圧力、温度、pH、電磁波、磁界、電界、電離放射線、プロトン性物質、非プロトン性物質、流体、及び分析物を含む流体のうちの1つ又は複数である、請求項122に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項124】
前記外部刺激に応答して変化する前記物理的又は化学的特性が、前記記録媒体の体積、前記記録媒体のサイズ、前記記録媒体の比質量、前記記録媒体の屈折率、及び前記二量化した化学基の屈折率のうちの少なくとも1つである、請求項122に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項125】
前記橋かけ環がシクロブチルである、請求項122に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項126】
前記化学基を供与する化合物が、シンナモイル、カルコン、アントラセン、クマリン、スチルバゾリウム、マレイミド、及びそれらの誘導体のうちの1つ又は複数である、請求項122に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項127】
前記ポリマーマトリックスがゼラチン又はポリマーであって、
前記ポリマーは、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)、ポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート(PEGMA)、酢酸ビニル、アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、N,N−メチレンビスアクリルアミド(BIS)、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、メタクリル酸のナトリウム塩、2−(ジメチルアミノエチル)メタクリレート(DMAEMA)、スチレン4−スルホン酸、及び2−(N,Nジメチル−N−(2−メタクリルオキシエチル)アンモニウム)エタン酸のうちの1種類又は複数種類の単量体から形成されるポリマーである、請求項122に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項128】
前記化学基が、以下の構造式:
【化19】


で表される化合物によって提供され、
式中、
及びRは、各々独立して、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ(各々、−OH、−NR、若しくはハロゲンで任意に置換されている)であるか、又はR及びRは、それらが結合する炭素原子と共に飽和若しくは不飽和の5員若しくは6員炭化水素環若しくは複素環を形成し、ここで、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ及び炭化水素環又は複素環は、各々、−OH、−NR、又はハロゲンで任意に置換されており;
は、窒素又は酸素に任意に置き換えられるか、及び/又は、−COOH、−COX、−OH、−NR、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、−SR、−Si(RX、又はSi(Rで任意に置換されている1個以上の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C20アルキル又はC3〜C10環式アルキルであり;又はRは、平均分子量が12000以下のポリ(エチレングリコール)(PEG)(ここでヒドロキシル基は、アミン、−COOH、−COX、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、−SR、−Si(RX若しくは−Si(Rに任意に置き換えられる)であり;又はRは、−(PEG)分子量≦12000C(O)O−NHS、若しくは−(PEG)分子量≦12000C(O)O−スルホ−NRSであり;
Xは、ハロゲンであり;
は、水素又は直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C10アルキル、アルコキシ又はC3〜C10環式アルキルであり;及び
及びRは、各々独立して、水素又はC1〜C6アルキルである、
請求項122に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項129】
前記化学基が、以下の構造式:
【化20】


で表される化合物によって提供され、
式中、
R’は、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C20ジアルキル又はC3〜C10環式ジアルキル(ここでC1〜C10ジアルキル又はC3〜C10環式ジアルキルは、窒素又は酸素に任意に置き換えられる1個以上の炭素原子を有する)であるか、又はR’は、−C(O)−、−Si(R−、若しくは−(PEG)分子量≦12000−であり;及び
及びRは、各々独立して、水素であるか、又はC1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ(各々、−OH、−NR、若しくはハロゲンで任意に置換されている)である、
請求項122に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項130】
前記ポリマーマトリックスが、(ヒドロキシエチル)メタクリレート(HEMA)、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)、又はメタクリル酸(MAA)のポリマーを含む、請求項129に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項131】
及びRが、各々独立して、C1〜C10アルキル、又はC3〜C6シクロアルキル(各々、−OH、−NR、又はハロゲンで任意に置換されている)であり;
が、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C10ジアルキル、C3〜C6環式ジアルキル又は平均分子量が12000以下のポリ(エチレングリコール)であり;
及びRが、各々独立して、水素又はC1〜C6アルキルである、
請求項130に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項132】
及びRが、各々独立して、C1〜C6アルキル(−OH、−NR、又はハロゲンで任意に置換されている)であり;及び
が、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C10ジアルキル、又は平均分子量が12000以下のポリ(エチレングリコール)である、
請求項131に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項133】
前記化学基が、以下の式:
【化21】


で表される化合物によって提供される、請求項132に記載のホログラフィック記録媒体。
【請求項134】
ホログラフィック記録媒体と、
前記ホログラフィック記録媒体に回折フリンジとして記録された少なくとも1つの像と、
を含むホログラフィックセンサであって、
前記回折フリンジが、橋かけ環を含む二量体化合物を含み;及び
前記ホログラフィック記録媒体が、少なくとも1つの出力信号を生成することにより外部刺激に応答する、ホログラフィックセンサ。
【請求項135】
前記外部刺激が、湿度、水、気体、蒸気、有機又は無機溶剤、化学物質、金属イオン、化学物質の溶液又は分散液、圧力、温度、pH、電磁波、磁界、電界、電離放射線、タンパク質、核酸、多糖類、及び微生物のうちの1つ又は複数である、請求項134に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項136】
前記出力信号が、前記ホログラフィック記録媒体に記録された少なくとも1つの像の再生波長の変動、前記ホログラフィック記録媒体に記録された追加的な像の出現、及び前記ホログラフィック記録媒体に記録された少なくとも1つの像の消失から選択される、請求項134に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項137】
前記外部刺激が、湿度、酸性度、及び金属イオンから選択され、且つ前記出力信号が、前記ホログラフィック記録媒体に記録された少なくとも1つの像の再生波長の変動、前記ホログラフィック記録媒体に記録された追加的な像の出現、及び前記ホログラフィック記録媒体に記録された少なくとも1つの像の消失から選択される、請求項134に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項138】
前記ホログラフィック記録媒体が、ゼラチン又はポリマーであるポリマーマトリックスをさらに含み、前記ポリマーは、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)、ポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート(PEGMA)、酢酸ビニル、アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、N,N−メチレンビスアクリルアミド(BIS)、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、メタクリル酸のナトリウム塩、2−(ジメチルアミノエチル)メタクリレート(DMAEMA)、スチレン4−スルホン酸、及び2−(N,Nジメチル−N−(2−メタクリルオキシエチル)アンモニウム)エタン酸のうちの1種類又は複数種類の単量体のポリマーから選択される、請求項134に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項139】
前記橋かけ環がシクロブチルである、請求項134に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項140】
前記回折フリンジが、シンナモイル、カルコン、アントラセン、クマリン、スチルバゾリウム、マレイミド、又はそれらの誘導体のうちの1種類又は複数種類の二量体を含む、請求項139に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項141】
前記回折フリンジが、式:
【化22】


で表される二量体を含み、
式中:
、R、R’、及びR’は、各々独立して、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ(各々、−OH、−NR、若しくはハロゲンで任意に置換されている)であり、又はR及びRは、それらが結合する炭素原子と共に飽和若しくは不飽和の5員若しくは6員炭化水素環若しくは複素環を形成し、ここでC1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ及び炭化水素環又は複素環は、各々、−OH、−NR又はハロゲンで任意に置換されており;
は、窒素又は酸素に任意に置き換えられるか、及び/又は、−COOH、−COX、−OH、−NR、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、−SR、−Si(RX、又はSi(Rで任意に置換されている1個以上の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C20アルキル又はC3〜C10環式アルキルであり;又はRは、平均分子量が12000以下のポリ(エチレングリコール)(PEG)(ここでヒドロキシル基は、アミン、−COOH、−COX、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、−SR、−Si(RX若しくは−Si(Rで任意に置換されている)であり;又はRは、−(PEG)分子量≦12000C(O)O−NHS、若しくは−(PEG)分子量≦12000C(O)O−スルホ−NHSであり;
Xは、ハロゲンであり;
は、水素又は直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C10アルキル又はC3〜C10環式アルキルであり;及び
及びRは、各々独立して、水素又はC1〜C6アルキルである、
請求項140に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項142】
前記回折フリンジが、式:
【化23】


で表される二量体を含み、
式中、
R’は、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C20ジアルキル又はC3〜C10環式ジアルキル(ここでC1〜C10ジアルキル又はC3〜C10環式ジアルキルは、窒素又は酸素に任意に置き換えられる1個以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個)の炭素原子を有する)であるか、又はR’は、−C(O)−、−Si(Ra)−、若しくは−(PEG)分子量≦12000−であり;及び
、R及びRは、各々独立して、水素であるか、又はC1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、C3〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、C6〜C18アリールオキシ(各々、−OH、−NR、若しくはハロゲンで任意に置換されている)である、
請求項141に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項143】
前記ポリマーマトリックスが、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)、ポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート(PEGMA)、酢酸ビニル、アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、N,N−メチレンビスアクリルアミド(BIS)、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、メタクリル酸のナトリウム塩、2−(ジメチルアミノエチル)メタクリレート(DMAEMA)、スチレン4−スルホン酸、及び2−(N,Nジメチル−N−(2−メタクリルオキシエチル)アンモニウム)エタン酸のうちの1種類又は複数種類の単量体のポリマーから選択される、請求項142に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項144】
及びRが、各々独立して、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、又はC3〜C6シクロアルキル(各々、−OH、−NR、又はハロゲンで任意に置換されている)であり;
R’が、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C6ジアルキル又はC3〜C6環式ジアルキル又は平均分子量が12000以下のポリ(エチレングリコール)であり;
、R及びRが、各々独立して、水素又はC1〜C6アルキルである、
請求項143に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項145】
及びRが、各々独立して、C1〜C6アルキル(−OH、−NR、又はハロゲンで任意に置換されている)であり;及び
R’が、直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C10ジアルキル又は−(PEG)分子量≦12000−である、
請求項144に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項146】
前記回折フリンジが、式
【化24】


で表される二量体を含む、請求項145に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項147】
支持層をさらに含む、請求項134に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項148】
前記支持層が、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム又はポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムである、請求項147に記載のホログラフィックセンサ。
【請求項149】
外部刺激の検出方法であって、
ホログラフィックセンサに対し、外部刺激を加え、前記ホログラフィック記録媒体が、少なくとも1つの出力信号を提供することにより外部刺激に応答する工程と、
前記少なくとも1つの出力信号を検出する工程と、
を含み、
前記ホログラフィックセンサは、
ホログラフィック記録媒体と、前記ホログラフィック記録媒体に回折フリンジとして記録された少なくとも1つの像とを含み、
前記回折フリンジは、橋かけ環を含む二量体化合物を含む、方法。
【請求項150】
前記外部刺激が、湿度、水、気体、蒸気、有機又は無機溶剤、化学物質、金属イオン、化学物質の溶液又は分散液、圧力、温度、pH、電磁波、磁界、電界、電離放射線、タンパク質、核酸、多糖類、及び微生物のうちの1つ又は複数である、請求項149に記載の方法。
【請求項151】
前記出力信号が、前記ホログラフィック記録媒体に記録された少なくとも1つの像の再生波長の変動、前記ホログラフィック記録媒体に記録された追加的な像の出現、及び前記ホログラフィック記録媒体に記録された少なくとも1つの像の消失から選択される、請求項149に記載の方法。
【請求項152】
前記外部刺激が、湿度、酸性度、及び金属イオンから選択され、且つ前記出力信号が、前記ホログラフィック記録媒体に記録された少なくとも1つの像の再生波長の変動、前記ホログラフィック記録媒体に記録された追加的な像の出現、及び前記ホログラフィック記録媒体に記録された少なくとも1つの像の消失から選択される、請求項149に記載の方法。
【請求項153】
前記ホログラフィック記録媒体が、ポリマーマトリックスをさらに含み、
前記ポリマーマトリックスは、ゼラチン又はポリマーから選択され、
前記ポリマーは、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)、ポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート(PEGMA)、酢酸ビニル、アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、N,N−メチレンビスアクリルアミド(BIS)、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、メタクリル酸のナトリウム塩、2−(ジメチルアミノエチル)メタクリレート(DMAEMA)、スチレン4−スルホン酸、及び2−(N,Nジメチル−N−(2−メタクリルオキシエチル)アンモニウム)エタン酸のうちの1種類又は複数種類の単量体から形成されるポリマーである、請求項149に記載の方法。
【請求項154】
前記干渉縞が、シンナモイル、カルコン、アントラセン、クマリン、スチルバゾリウム、マレイミド、又はそれらの誘導体のうちの1つ又は複数の二量体を含む、請求項149に記載の方法。
【請求項155】
前記二量体化合物がシクロブチル部分を含む、請求項149に記載の方法。
【請求項156】
ホログラフィックセンサの製造方法であって、
(a)ホログラフィック記録媒体を製造する工程と、
(b)前記ホログラフィック記録媒体に少なくとも1つのホログラフィ像を回折フリンジとして記録する工程と、含み、
前記ホログラフィック記録媒体は、(i)ポリマーマトリックスと、(ii)光環化付加による橋かけ環の形成により二量化する化学基とを含み、
前記回折フリンジは、橋かけ環を含む二量体化合物を含み、及び
前記ホログラフィック記録媒体は、少なくとも1つの出力信号を生成することにより外部刺激に応答する、方法。
【請求項157】
工程(a)で製造される前記ホログラフィック記録媒体が、光増感剤をさらに含む、請求項156に記載の方法。
【請求項158】
工程(a)が、前記ホログラフィック記録媒体を、化学線、熱又はフリーラジカルに曝露する工程をさらに含む、請求項156に記載の方法。
【請求項159】
工程(b)で記録される前記ホログラフィ像が、235nm〜650nmの波長で記録される、請求項156に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−523452(P2011−523452A)
【公表日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504525(P2011−504525)
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【国際出願番号】PCT/GB2009/000974
【国際公開番号】WO2009/127824
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(504370977)スマート ホログラムズ リミテッド (12)
【Fターム(参考)】