説明

光量制御装置

【課題】電気―機械変換素子を駆動源とし、部品点数が少なく組み立てが容易であり、遮光羽根を良好に揺動することができ、光軸方向に装置高さを低くすることができて装置全体のサイズアップ、コストアップ及び消費電力を抑制できるコンパクトな構造の光量制御装置を提供すること。
【解決手段】遮光羽根揺動手段30により、ベースプレート10内に備えた遮光羽根20を揺動させ遮光羽根20で第1の光量制御穴13を絞り通過光の光量を制御する。遮光羽根揺動手段30は、ベースプレート10に、駆動部材31と、駆動部材31を摩擦係合状態に支持する摩擦係合部材32と、駆動部材31の端面に伸縮方向の一端面を固着されている電気―機械変換素子33と、電気―機械変換素子33の他端面に固着された被駆動ヘッド34と、被駆動ヘッド34と一体に設けられ遮光羽根20に連結されている駆動ピン35を有して構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御電圧を印加され振動する電気―機械変換素子を駆動源としてベースプレート内に備えた遮光羽根を揺動させ光量制御する光量制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光量制御装置としては、地板に設けられた絞り羽根がアイリスモータやステッピングモータなどの電磁モータで駆動される。しかし、電磁モータはマグネットとコイル等で構成されているので、部品点数が多く、構造が複雑になり、組立が難しく、高コストになり、小型化が難しいといった問題があり、電磁モータを使用する光量制御装置の小型化にも限界がある。
【0003】
そこで、駆動装置の駆動源として電気―機械変換素子(例えば圧電素子)を用いることが提案されている(例えば特許文献1参照)。従来の電気―機械変換素子を用いた駆動装置は、インパクト方式(IDM)やStic−Slip方式及びスムースインパクト方式(SIDM)等の方式で、一般的に知られている。
【0004】
特許文献1に記載された光量制御装置は、地板と、4枚の絞り羽根と、動輪と、地板に固定された圧電アクチュエータとによって構成される。圧電アクチュエータは、1つの絞り羽根に係入された摺動嵌合部が摩擦係合した駆動軸と、駆動軸の一端に固着された第1圧電素子と、駆動軸の他端に固着された第2圧電素子とを備え、第1及び第2圧電素子が駆動軸の軸線方向に高速変位と低速変位とを繰り返し行うことで摩擦係合部が軸線方向に、大きな一定の移動量を持って移動される構成である。
【0005】
【特許文献1】特開2006−121886号公報(図19参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された光量制御装置によれば、比較的大きな摩擦嵌合部が移動することにより、その分のスペースが必要になり、また2個の圧電素子を使用するので、装置全体のサイズアップ、コストアップ及び消費電力が懸念され、また光軸方向の寸法を大きく取る構造となっている。
【0007】
本発明は、上記の事情にかんがみてなされたものであり、その目的とするところは、装置全体のサイズアップ、コストアップ及び消費電力を抑制して、電気―機械変換素子の振動を駆動部材に良好に伝えることができて遮光羽根を良好に揺動することができ、簡素な構成で光軸方向の寸法を小さく抑えることができる光量制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の光量制御装置は、電気―機械変換素子を駆動源とする遮光羽根揺動手段により、ベースプレートに備えた第1の光量制御穴の通過光量を制御する光量制御装置において、前記遮光羽根揺動手段は、ベースプレートに、駆動部材と、前記ベースプレートに設けられていて前記駆動部材を摩擦係合状態に支持する摩擦係合部材と、前記駆動部材の端面に伸縮方向の一端面を固着されている前記電気―機械変換素子と、前記電気―機械変換素子の他端面に固着された被駆動ヘッドと、を有し、更に、前記被駆動ヘッドと一体に設けられ、前記遮光羽根に連結されている駆動ピンを有して構成されていることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、電気―機械変換素子は制御電圧の印加により振動(伸縮)し駆動部材を軸方向に振動させる。電気―機械変換素子が瞬速伸長と緩速収縮とを交番して行うときの、駆動部材の振動と、駆動部材と摩擦係合部材とによる摩擦係合との協働作用により、被駆動ヘッドが摩擦係合部材の方向に移動し、また電気―機械変換素子が緩速伸長と瞬速収縮とを交番して行うときの、駆動部材の振動と、駆動部材と摩擦係合部材とによる摩擦係合との協働作用により、被駆動ヘッドが摩擦係合部材から離隔する方向に移動する。
従って、駆動ピンが遮光羽根を揺動し、該遮光羽根が第1の光量制御穴に一部あるいは全部が重なり第1の光量制御穴を通過する光量を制御する。
【0010】
上記構成によれば、ベースプレートに備えた遮光羽根を揺動する遮光羽根揺動手段を、駆動部材と摩擦係合部材と電気―機械変換素子と被駆動ヘッドと駆動ピンを備えて構成してベースプレートに備えたので、部品点数が少なく組み立てが容易であり、電気―機械変換素子の振動を駆動部材に良好に伝えられて遮光羽根を良好に揺動することができ、光軸方向に装置高さを低くすることが可能であるコンパクトな構造の光量制御装置を実現でき、さらに1個の電気―機械変換素子が駆動源であるので装置全体のサイズアップ、コストアップ及び消費電力を抑制できる。
【0011】
上記構成によれば、駆動部材と被駆動ヘッドとが電気―機械変換素子の伸縮方向における両端に配設され、駆動部材を摩擦係合状態に支持する摩擦係合部材がベースプレートに設けられているので、摩擦係合部材と駆動部材との間に生じた摩擦による振動が被駆動ヘッドに直接伝わることを防止でき、摩擦によって発生する振動による被駆動ヘッドへの影響を抑制することが可能となる。
【0012】
そして、遮光羽根揺動手段が、電気―機械変換素子の伸縮方向の一端面に駆動部材が一軸一体に設けられ、他端面に被駆動ヘッドが一軸一体に設けられていて、駆動部材が摩擦係合部材により摩擦係合状態に支持される構成であることに特徴があるので、電気―機械変換素子の振動がフレームに伝わってしまうことがなく、駆動部材の慣性力と摩擦係合部材の摩擦係合力との差により、駆動部材と電気―機械変換素子と被駆動ヘッドが一体に移動し易い。
【0013】
上記構成によれば、遮光羽根を揺動する遮光羽根揺動手段を、駆動部材と摩擦係合部材と電気―機械変換素子と被駆動ヘッドと駆動ピンを備えて構成してベースプレートに備えたので、摩擦係合状態に支持される駆動部材と一軸一体の電気―機械変換素子に制御電圧を印加して振動させることにより被駆動ヘッドを往復動させこの往復動を利用してベースプレートに備えた遮光羽根を揺動して光量制御するように構成されている。
【0014】
上記構成によれば、電気―機械変換素子を駆動源とする遮光羽根揺動手段を分離独立して組み立てることができ、遮光羽根揺動手段のベースプレートへの組付けが、摩擦係合部材のベースプレートへの固定設置及び駆動ピンの差し込み連結で実現できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の光量制御装置によれば、部品点数が少なく組み立てが容易であり、かつ遮光羽根を良好に揺動することができ、光軸方向に装置高さを低くすることができて装置全体のサイズアップ、コストアップ及び消費電力を抑制できるコンパクトな構造の光量制御装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態の光量制御装置について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る光量制御装置1を示す斜視図である。図2は、光量制御装置1の分解斜視図である。図1、図2に示すように、光量制御装置1は、ベースプレート10と、ベースプレート10内に設けられた遮光羽根20と、ベースプレート10外面に設けられた遮光羽根揺動手段30とを備えてなる。
【0018】
ベースプレート10は、ベースプレート本体11と底蓋12とで構成されている。
ベースプレート本体11は、ほぼ正方形の上面部11aと、上面部11aの三つの側縁にわたり垂下するコ字脚11b及び二つのコーナに垂下するコーナ脚11c,11dとを備え、上面部11aは、略中央にすり鉢状斜面を有する円錐穴13aが形成され、かつコーナ脚11dに寄った位置に上側長穴14aが開口され、上面部11aの上側長穴14aに近い内面より一体に垂下するボス部であるピボット軸15とを有して構成されている(図2,図5参照)。
底蓋12は、ベースプレート本体11の上面部に対応するほぼ正方形であり、略中央に円錐穴13aの最小径より若干大きい円穴13bと、ベースプレート本体11の上面部11aの上側長穴14aに対応して14aより若干大きく開口された下側長穴14bと、ピボット軸15を嵌合支持する軸穴16を有している。
遮光羽根20は、所要輪郭のアーム形状に形成され、軸穴21と、第2の長穴22と、第2の光量制御穴23とを有している(図2参照)。
そして、ベースプレート本体11のピボット軸15に遮光羽根20の丸穴部である軸穴21を嵌合して、遮光羽根20をベースプレート本体11内に収容し、底蓋12の周縁部をベースプレート本体11の周壁部下端(コ字脚11b及びコーナ脚11c,11d)に当接し(図2,図5,図9参照)、ねじ等の止着具(不図示)によりベースプレート本体11と底蓋12は止着されている。
【0019】
上記構成のように、ベースプレート本体11と底蓋12とが重ね合わされることにより、ベースプレート本体11の下部開口が底蓋12で閉じられ、かつピボット軸15が遮光羽根20の軸穴21と底蓋12の円穴13bに係入されている。これにより、遮光羽根20が、ピボット軸15を回転中心として揺動可能な状態でベースプレート10に収容されている(図2、図5、図8参照)。
また、ベースプレート本体11と底蓋12とが重ね合わされることにより、円錐穴13aと円穴13bとによってベースプレート本体11の略中心に貫通状態に第1の光量制御穴13が構成され、第1の光量制御穴13とコーナ脚11dとの間に、上側長穴14aと下側長穴14bとが合致しベースプレート本体11に対し貫通状態に第1の長穴14が備えられている(図2参照)。
さらに、ベースプレート本体11と底蓋12とが重ね合わされることにより、ベースプレート11の三方の側面にスリット窓17〜19が形成され、スリット窓17〜19から遮光羽根20が揺動位置によっては突出可能であり、これにより、ベースプレート11の四角形を小さく形成できる(図2,図5参照)。
【0020】
遮光羽根揺動手段30は、ベースプレート本体11の上面部11aに備えられる。遮光羽根揺動手段30は、駆動部材31と、摩擦係合部材32と、圧電素子等の電気―機械変換素子33と、被駆動ヘッド34と、駆動ピン35と、を有して構成されている。この構成によれば、電気―機械変換素子を駆動源とする遮光羽根揺動手段を分離独立して組み立てることができ、遮光羽根揺動手段のベースプレートへの組付けが、摩擦係合部材のベースプレートへの固定設置及び駆動ピンの差し込み連結で実現できる。
【0021】
駆動部材31は、比重が小さい強靭な材料(例えば、CFRP等)より丸棒状に形成されている。駆動部材31は、回転軸の機能を必要としない構成要素であるから角棒状等に構成されても良い。摩擦係合部材32は、駆動部材31を保持する溝を備えた固定係合部材32aと、駆動部材31を固定係合部材32aの溝との間で保持する押さえ板32bと、押さえ板32bを固定係合部材32aの溝方向に付勢するばね部材32cとから構成されていて、ベースプレート10に設けられ、駆動部材31を摩擦係合状態に支持する(図1、図10参照)。電気―機械変換素子33は、制御電圧を印加され振動する駆動部品であり、駆動部材31の端面に伸縮方向の一端面を固着されている。被駆動ヘッド34は、電気―機械変換素子33の他端面に固着されている。駆動部材31と電気―機械変換素子33と被駆動ヘッド34は一軸一体に接合されている。駆動ピン35は、被駆動ヘッド34と一体に成形されている。被駆動ヘッド34と駆動ピン35は、静止慣性力を大きく具有するために、駆動部材31と比較して比重の大きい材料により形成されている。
【0022】
駆動ピン35は、ベースプレート本体11に設けられた上側長穴14aを通してベースプレート10内に入り、遮光羽根20に設けられた第2の長穴22に摺動可能に通されて該遮光羽根20を揺動可能であり、さらに底蓋12に設けられた下側長穴14bに通されている。上側長穴14aと下側長穴14bとは、上記の第1の長穴14を構成し、第1の長穴14内を駆動ピン35が移動する方向が、摩擦係合部材32が駆動部材31をガイドする方向に合致するように備えられている(図1,図2,図9,図10参照)。詳しくは、下側長穴14bは上側長穴14aより若干大きいため、上側長穴14aは、駆動ピン35の移動をガイドする役目を果たす。
【0023】
上側長穴14aは、更に、駆動ピン35の移動範囲を制限し、移動範囲の両端において、遮光羽根20の第1の光量制御穴13に対する位置決めを行う役目を果たす。上側長穴14aは、一方の端(摩擦係合部材32に近い側の端)に駆動ピン35を当接停止するとき(図3,図4参照)、遮光羽根20を第1の光量制御穴13に掛からない位置へ停止させ(図5参照)、また他方の端(摩擦係合部材32から遠い側の端)に駆動ピン35を当接停止するとき(図6,図7参照)、遮光羽根20の第2の光量制御穴23を第1の光量制御穴13と同心位置へ停止させる(図8参照)。
【0024】
続いて、光量制御装置1の動作について説明する。
電気―機械変換素子33が瞬速伸長するときは、被駆動ヘッド34の慣性力が摩擦係合部材32による摩擦係合力よりも大きくなる。このため、被駆動ヘッド34が静止位置に止まるから、このとき摩擦係合部材32の駆動部材31を保持する位置は、電気―機械変換素子33に接近する方向に微小ステップ移動した状態にずれる。そして、次に電気―機械変換素子33が緩速収縮するときは、被駆動ヘッド34の慣性力が摩擦係合部材32による摩擦係合力よりも小さくなり、摩擦係合部材32の駆動部材31を保持する位置にずれは生じない。こうして、電気―機械変換素子33が一回の瞬速伸長と一回の緩速収縮を行うと、被駆動ヘッド34が摩擦係合部材32に接近する方向に微小移動する。
従って、電気―機械変換素子33が瞬速伸長と緩速収縮とを交番する振動を行うときは、図6,図7中の矢印Aに示すように、被駆動ヘッド34が摩擦係合部材32に接近移動し、図3,図4に示すように、駆動ピン35が上側長穴14aの摩擦係合部材32に近い側の端に当接停止すると、図5に示すように、遮光羽根20は、円錐穴13aの側方へ避けて位置される。もって、光量制御装置1は、開口が大きい第1の光量制御穴(入光窓)13の円錐穴13aによって第1の光量(最大値)となるように制御し得る。
【0025】
上記とは逆に、電気―機械変換素子33が瞬速収縮するときは、被駆動ヘッド34の慣性力が摩擦係合部材32による摩擦係合力よりも大きくなる。このため、被駆動ヘッド34が静止位置に止まり、摩擦係合部材32の駆動部材31を保持する位置は、電気―機械変換素子33から離間する方向に微小移動する。そして、次に電気―機械変換素子33が緩速伸長するときは、被駆動ヘッド34の慣性力が摩擦係合部材32による摩擦係合力よりも小さくなり、摩擦係合部材32の駆動部材31を保持する位置にずれは生じない。こうして、電気―機械変換素子33が一回の瞬速収縮と一回の緩速伸長を行うと、被駆動ヘッド34が摩擦係合部材32から離隔する方向に微小移動する。
従って、電気―機械変換素子33が瞬速収縮と緩速伸長とを交番する振動を行うときは、図3,図4中の矢印Bに示すように、被駆動ヘッド34が摩擦係合部材32から離間する方向に移動し、図6,図7に示すように、駆動ピン35が上側長穴14aの摩擦係合部材32から遠い側の端に当接停止すると、図8に示すように、遮光羽根20は、第2の光量制御穴23を第1の光量制御穴13(具体的には円錐穴13a)と同心位置となるように駆動ピン35により揺動される。もって、光量制御装置1は、開口が小さい第2の光量制御穴23によって第2の光量(最小値)となるように制御し得る。
【0026】
上記実施形態では、第1の長穴14(詳しくは、ベースプレート本体11の上側長穴14a)に対して遮光羽根20に設けられた第2の長穴22を交差させ
る構成であるので、駆動ピン35が、ベースプレート本体11の上側長穴14a及び遮光羽根20の第2の長穴22に対し摺動することにより、駆動ピン35の直動でベースプレート10内の遮光羽根20を揺動させる運動変換伝達機構の構成を大幅に簡素化できる。
【0027】
上記実施形態では、ベースプレート本体11の内面に一体にピボット軸15が設けられ、ピボット軸15が遮光羽根20に設けられた軸穴21に嵌挿され更に底蓋12に設けられた円穴13bに嵌合された構成であるので、部品点数を最小にしてベースプレート本体11内に収容する遮光羽根20をピボット回動可能に支持でき、構成を大幅に簡素化できる。
【0028】
上記実施形態では、第1の長穴14(詳しくは、ベースプレート本体11の上側長穴14a)が、駆動部材31の移動方向に沿って設けられ駆動ピン35の移動方向をガイドする構成であるので、移動範囲をガイドする独立したガイド部材を無くし構成を簡素化できる。
【0029】
上記実施形態では、第1の長穴14(詳しくは、ベースプレート本体11の上側長穴14a)が、駆動ピン35の移動範囲を制限する構成であるので、移動範囲を制限する独立したストッパ部材を無くし構成を簡素化できる。
【0030】
上記実施形態では、遮光羽根20には、第2の光量制御穴23が設けられ、遮光羽根揺動手段30が、遮光羽根20を揺動し第2の光量制御穴23を第1の光量制御穴13(詳しくは、円錐穴13a)に対応する位置に合わせる構成であるので、光軸に対して同心円となるように2段階に光量を絞ることができる。
【0031】
上記実施形態では、ベースプレート10が、ベースプレート本体11と底蓋12とで構成され、第1の長穴14が、ベースプレート本体11に設けられた上側長穴14aと、底蓋12に設けられた該上側長穴14aより若干大きな形状の下側長穴14bとで構成されているので、駆動ピン35が遮光羽根20を挟んで両側の上側長穴14aと下側長穴14bを嵌合し、遮光羽根20を確実に揺動可能とし、且つ該上側長穴14aにより進行方向へ円滑にガイドされる。
【0032】
〔その他の実施の形態、変形例〕
以上、本発明に係る実施形態について図面を参照し説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない限度で種々の設計変更や工程の変更が可能であり、そのような変更を技術的範囲に含むものである。例えば、ピボット軸15と軸穴16は、逆転した配置に備えても良い。本発明の光量制御装置は、第1の光量制御穴13による第1の光量制御と、遮光羽根20に設けられた第2の光量制御穴23を第1の光量制御穴13と同心円となる位置に移動する第2の光量制御との二段階の光量制御に限定されるものではない。遮光羽根20を揺動することにより、該遮光羽根20で第1の光量制御穴13を無段階に絞ることができる構成も含まれる。さらに、遮光羽根20は、一枚羽根に限定されない、遮光羽根20と連鎖状にリンクして設けられ該遮光羽根20の揺動に連動して揺動し該遮光羽根20と共同して第1の光量制御穴13を絞ることができる構成も含まれる。駆動ピン35が第1の長穴14の適宜の中途で停止するように設ける場合も本発明に含まれる。駆動ピン35の直動方向と遮光羽根20の揺動方向とが逆転して設けられる場合も本発明に含まれる。
又、ベースプレート10の形状は、本発明の光量制御装置が設置される光学機器の形状に合わせて任意の形状とすることも、本発明の範囲に含まれるものである。
【0033】
本発明の光量制御装置は、構造の簡素化、小型化等を達成しており、近年小型化されているデジタルカメラの光量制御装置として適用できるのは勿論のこと、その他のレンズ光学系の光量制御装置としても有用である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】実施形態に係る光量制御装置を示す斜視図である。
【図2】図1の光量制御装置の分解斜視図である。
【図3】図1の光量制御装置の第1の光量制御状態の斜視図である。
【図4】図3に示す第1の光量制御状態の光量制御装置の平面図である。
【図5】図3におけるV−V矢視図である。
【図6】図1の光量制御装置の第2の光量制御状態の斜視図である。
【図7】図6に示す第2の光量制御状態の光量制御装置の平面図である。
【図8】図6におけるIIX−IIX矢視図である。
【図9】図1の光量制御装置の縦断面図である。
【図10】図1の光量制御装置の他の位置の縦断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 光量制御装置
10 ベースプレート
11 ベースプレート本体
11a 上面部
12 底蓋
13 第1の光量制御穴
13a 円錐穴
13b 円穴
14 第1の長穴
14a 上側長穴
14b下側長穴
15 ピボット軸
16 軸穴
20 遮光羽根
21 軸穴
22 第2の長穴
23 第2の光量制御穴
30 遮光羽根揺動手段
31 駆動部材
32 摩擦係合部材
32a 固定係合部材
32b 押さえ板
32c ばね部材
33 電気―機械変換素子(圧電素子)
34 被駆動ヘッド
35 駆動ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気―機械変換素子を駆動源とする遮光羽根揺動手段により、ベースプレートに備えた遮光羽根を揺動させ該遮光羽根で前記ベースプレートに備えた第1の光量制御穴の通過光量を制御する光量制御装置において、
前記遮光羽根揺動手段は、ベースプレートに、駆動部材と、前記ベースプレートに設けられていて前記駆動部材を摩擦係合状態に支持する摩擦係合部材と、前記駆動部材の端面に伸縮方向の一端面を固着されている前記電気―機械変換素子と、前記電気―機械変換素子の他端面に固着された被駆動ヘッドとを有し、
更に、前記被駆動ヘッドと一体に設けられ、前記遮光羽根に連結されている駆動ピンを有していることを特徴とする光量制御装置。
【請求項2】
前記駆動ピンが、前記遮光羽根に設けた長穴部に挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の光量制御装置。
【請求項3】
前記遮光羽根には丸穴部が設けられ、実質的に前記ベースプレートに固定されたボス部に回転可能に支持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光量制御装置。
【請求項4】
前記ベースプレートには、前記駆動部材の移動方向に沿って駆動ピンを貫通させる長穴が設けられ、前記駆動ピンの移動方向をガイドすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の光量制御装置。
【請求項5】
前記ベースプレートに設けられた長穴は、前記駆動ピンの移動範囲を制限するストッパーであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の光量制御装置。
【請求項6】
前記遮光羽根には、前記ベースプレートに備えられた第1の光量制御穴より小径の第2の光量制御穴が形成され、前記遮光羽根揺動手段により光量制御穴を切り替え可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の光量制御装置。
【請求項7】
前記ベースプレートは、ベースプレート本体と底蓋で形成され、前記ベースプレート本体と底蓋の間に前記遮光羽根が配置されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の光量制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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