説明

光量子リングレーザ及びその製造方法

本発明のPQRレーザは多重量子井戸構造で形成され、エッチングされた側面を有する活性層を含む。前記活性層は、支持基板の上部に配置された反射膜の上部でエピタキシャル成長したp-GaN層とn-GaN層との間でサンドウィッチ状に形成される。被覆層が前記活性層の側面外部に形成され、上部電極が前記n-GaN層の上部に電気的に連結され、分散型ブラッグ反射膜が前記n-GaN層と前記上部電極の上部に形成される。従って、前記PQRレーザは、優れた低電力の3次元垂直共振型多重モードレーザを発振させて低電力ディスプレイ素子に適用でき、光のスペックル現象を防止し、集光が調節される柔らかい3次元光を発生させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体レーザに関し、更に詳しくは、低電力ディスプレイ素子に用いられる多重モードのレーザを発振させるのに適した窒化ガリウム系光量子リングレーザ(GaN-based PQR(Photonic Quantum Ring)Laser)及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、ディスプレイ分野においては現在優れた耐振動性、高信頼性、低電力消費などのような特性を有する発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)が脚光を浴びている。
【0003】
このような発光ダイオードは、モバイルディスプレイのバックライト光源、高速道路の表示板、空港の表示板、株価ボード、地下鉄の案内板、自動車の内部発光など応用市場が産業全般に広がっている傾向にあり、近年は交通信号灯などに応用してエネルギー消費を減少させる目的で用いられている。
【0004】
特に、GaN系発光ダイオードは、黄色蛍光体粉末を塗布して青色と黄色の補色組み合わせを通じて白色を容易に発生させるが、レーザ光が誘導放出よりむしろ自発放出によってのみ発生し、光抽出効率を増強するのに構造的な限界があった。
【0005】
これにより、発光ダイオードに共振器を追加して光の直進性と強度を改善したり、半値幅(FWHM:Full-Width Half Maximum)を数ナノメートルまで低減して電力消費を減らしながら輝度を損なわない共振型RCLED(Resonant Cavity LED)について研究されている。また、誘導放出による垂直レージングのために、更に改善された共振型の垂直共振型レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)が試みられた。
【0006】
このような共振型RCLED及び垂直共振型レーザは、印加電圧が高かったり、出力に比べて電流が大きいため、熱損失が多いという問題がある。この問題を解決するために、粗くパターニングされた基板(PS:Patterned Substrate)LEDを使用したり、粗い発光面(RS:Roughened Surface)を有する発光ダイオードが開発されたが、これも前記のような高電圧の問題点を解決していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の共振型RCLED及び垂直共振型レーザの問題点を解決するために、低電力消費で動作する3次元垂直共振型光量子リングレーザが活発に研究されている。このようなPQRレーザはVCSELレーザとは異なり、高い電流を不要とし、耐熱性が大きいため、他の発光ダイオードと比較して、光変換及び熱特性が著しく改善される。
【0008】
そこで、本発明の主な目的は、窒化ガリウム系多重量子井戸(GaN-based Multi-Quantum-Well)構造の上下に反射膜を形成して優れた低電力の3次元垂直共振型多重モードレーザを発振させることで、低電力ディスプレイ素子に適した光量子リングレーザ及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、窒化ガリウム系多重量子井戸構造の上下に反射膜を形成して3次元垂直共振型多重モードレーザを発振させることで、光のスペックル(speckle)現象を防止し、集光が調節される柔らかい3次元光を発生させることができる光量子リングレーザ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、光量子リング(PQR)レーザは、多重量子井戸(MQW)構造で形成され、エッチングされた側面を有する活性層と、前記活性層がこれらの間にサンドウィッチ状に配置されるようにエピタキシャル成長したn-GaN層とp-GaN層と、支持基板の上部に位置し、前記p-GaN層の上部がその上に配置された反射膜と、前記活性層の側面外部に形成される被覆層と、前記n-GaN層の上部に電気的に連結される上部電極と、前記n-GaN層と前記上部電極の上部に形成される分散型ブラッグ反射膜(DBR)とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の他の様態によれば、PQRレーザの製造方法は、サファイア基板上にn-GaN層、活性層、p-GaN層、反射膜を順次形成する段階と、前記反射膜上に支持基板を接着させた後に、前記サファイア基板を除去する段階と、前記活性層の側面が露出するように選択エッチングし、前記側面の外部に被覆層を形成する段階と、前記被覆層の上部に前記n-GaN層と電気的に連結される上部電極を形成する段階と、前記上部電極と前記n-GaN層の上部に前記活性層と前記n-GaN層と同一の幅を有する領域に分散型ブラッグ反射膜(DBR)を形成する段階とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、窒化ガリウム系活性層の上下部に分散型ブラッグ反射膜と金属反射膜を位置させてPQRレーザを製造することで、低電力の3次元垂直共振型多重モードレーザを発振させて低電力ディスプレイ素子に適し、光のスペックル現象を防止し、集光が調節される柔らかい3次元光を発生させることができる。
【0013】
また、このようなPQRレーザを用いて従来の発光ダイオード(LED)の応答速度に比べて、その応答速度がGHz級まで増加し、高周波変調及びパルス変調などの性能向上をもたらし、LEDの応用範囲を、照明器具だけでなく、携帯電話、次世代ディスプレイ素子などに拡張できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の好適な実施形態による光量子リング(PQR)レーザの3次元トロイダル(toroidal)共振器の構造を示す図である。
【図2】本発明の好適な実施形態による青色PQRレーザの構造を示す断面図である。
【図3】本発明による青色PQRレーザの発光状態を示す図である。
【図4】本発明による青色PQRレーザを製造する過程を示す図である。
【図5】本発明による青色PQRレーザを製造する過程を示す図である。
【図6】本発明による青色PQRレーザを製造する過程を示す図である。
【図7】本発明による青色PQRレーザを製造する過程を示す図である。
【図8】本発明による青色PQRレーザを製造する過程を示す図である。
【図9】本発明による青色PQRレーザを製造する過程を示す図である。
【図10】本発明による青色PQRレーザを製造する過程を示す図である。
【図11】本発明による青色PQRレーザを製造する過程を示す図である。
【図12】本発明によるPQRレーザのアレイチップへの注入電流による発振スペクトラムを示す図である。
【図13】本発明によるPQRレーザのL−Iカーブを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
後述するように、本発明の技術要旨はサファイア基板の上部にn-GaN層、活性層、p-GaN層、反射膜を順次形成し、その上部に支持基板を接着させ、前記サファイア基板を除去し、前記活性層が露出するようにパターニングし、保護膜を形成し、その外部にポリイミドをコーティングしてこれを平坦化し、その上部に上部電極及び分散型ブラッグ反射膜(Distributed Bragg Reflector(DBR))を形成して、青色光量子リング(PQR)レーザを製造することである。このような技術的構成は従来技術における問題点を解決することを可能にする。
【0016】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【実施例】
【0017】
図1の(a)、(b)は、本発明による光量子リング(PQR)レーザの3次元トロイダル共振器の構造を示す。特に、図1の(a)はPQRレーザの一部の斜視図を示し、図1の(b)はPQRレーザで生成されたベッセルフィールドプロフィールをもつヘリカル波のパターンを示す。
【0018】
図1の(a)に示すPQRレーザは、活性多重量子井戸(MQW:Multi-Quantum-Well)層の上下に配置された分散型ブラッグ反射層(DBR)を用いて光子を垂直方向に拘束し、PQRレーザの活性MQW層の側境界面に沿って発生する全反射により光子を水平方向に拘束することで、3次元レイリー-ファブリ-ペロー(RFP:Rayleigh-Fabry-Perot)条件のトロイダル共振器型ウィスパリングギャラリ(WG:Whispering Gallery)モードを形成する。このとき、トロイドで定義されたリング内に位置するMQW層の活性量子井戸面のキャリアは光量子囲い効果(PQCE:Photonic Quantum Corral Effect)によって量子細線(QWR:Quantum Wires)の同心円のように再分布して電子-正孔の再結合により光子を生成する。
【0019】
そして、PQRレーザの発振モード波長及び発振モード間間隔(IMS:Inter-Mode Spacing)は、PQRレーザの半径Rを減らすことによって調節され得る。特に、PQRレーザの半径Rを小さくすることで、数nm〜数十nmのPQRレーザに対するエンベロープ波長の範囲で離散的に多波長(multi-wavelength)で発振するPQRレーザの発振モード間間隔を調節することが可能である。このような発振モード間間隔の調節を通じてPQRレーザの全体エンベロープ内で発振するモード数を決定でき、これにより、PQRレーザでの電力消費量を制御できる。
【0020】
このようなPQRレーザにおいて、3次元トロイダルRFP共振器内で活性MQW層の縁に沿ってレイリーリングが規定される。PQRレーザは、レイリーリング中であるQWRの同心円の電子-正孔の再結合過程を誘導しながら、超低電流の閾値電流状態で駆動される。これにより、リングで発振するPQRレーザは、その中央部分における自己遷移型(self-transition type)発光ダイオード(LED)の発光性能を凌ぎ、QWR特性によってPQRレーザの出力波長を安定的に維持させることができる。
【0021】
図2は、本発明の実施形態による青色PQRレーザの構造を示す断面図である。
【0022】
図2を参照すれば、青色PQRレーザは、半導体基板200、反射膜202、p-GaN層204、活性層206、n-GaN層208、保護膜210、被覆層212、上部電極214及びDBR216を含む。半導体基板200は、自身の上に形成された上部構造物を支持する基板であって、例えば、シリコン(Si)、金属などで形成され得る。
【0023】
活性層206、n-GaN層208及びDBR216は、半導体基板200上で同一幅の領域に形成され、半導体基板200の上部に位置する反射膜202は銀(Ag)などのように少なくとも90%以上の反射度を有する金属で形成される。
【0024】
また、反射膜202の上部に、マグネシウム(Mg)及びシリコン(Si)を用いてそれぞれエピタキシャル成長したp-GaN層204とn-GaN層208との間に活性層206がサンドウィッチされる。この活性層206は多重量子井戸(MQW)構造で形成され、障壁層としてのGaN層と井戸層としてのInGaN層又はAlInGaN層が交互に、例えば、四重に積層される。このようなMQW構造によって、例えば、4つの量子井戸が形成されることができ、物質の組成比(例えば、インジウム(In)、アルミニウム(Al)の組成比)を調節することにより、青色、緑色、赤色の光を発生させることができ、発光波長の範囲を選択することができる。青色PQRレーザにYAG(Yttrium Yluminum Garnet)を塗布することによって、白色の光を発生させることができることはもちろんである。
【0025】
一方、反射膜202、p-GaN層204、活性層206及びn-GaN層208は、化学アシストイオンビームエッチング(CAIBE:Chemically Assisted Ion Beam Etching)のようなドライエッチング法により円形メサ状に選択エッチング(即ち、特定のフォトレジストパターンに応じてエッチング)される。円形メサを保護するために、シリコン窒化膜(例えば、SiNなど)、シリコン酸化膜(例えば、SiOなど)を用いた保護層210が形成され、その外部にはポリイミドがコーティングされ平坦化されて被覆層212を形成し、これによりトロイダルキャビティが形成される。ここで、保護層210は、上部電極214とDBR216に接触するn-GaN層208の上部面が露出するように、例えば、平坦化工程などを通じて除去されている。
【0026】
その後、例えば、Ti/Alからなるn型オーミック電極の上部電極214をN-GaN層208に接触するように形成し、その上部にDBR216を配置する。特に、DBR216は、TiO/SiO、SiN/SiOなどのような誘電体層を少なくとも一回以上交互に積層して反射度が少なくとも60%以上となるように形成される。もちろん、DBR216は、GaN/AlGa1-xN構造で形成してもよい。
【0027】
一例として、図3は、本発明による青色PQRレーザの発光状態を示す。特に、図3ではPQRレーザの直径が約20μmであり、PQRレーザ間の間隔が約15μmである青色PQRレーザアレイのCCDイメージの写真を示す。CCDイメージの写真は、電流注入が増加するにつれて、CCDを飽和させる発光量を減光フィルタ(NDF:Neutral Density Filter)で大部分フィルタリング又は遮断して獲得した写真である。このCCDイメージから、PQRレーザの強い発振状態を確認でき、PQRレーザにより光のスペックル現象を防止し、集光が調節される柔らかい3次元光が発生することが分かる。PQRレーザのサイズとアレイ密度は、必要に応じて調節可能であることはもちろんである。
【0028】
次に、前述したような構造を有する青色PQRレーザを製造する過程について図4〜図11を参照して詳細に説明する。
【0029】
図4〜図11は、本発明によって青色PQRレーザを製造する過程を示す。
【0030】
図4を参照すれば、サファイア基板400上にn-GaN層402、活性層404及びp-GaN層406を順次形成する。この構造において、サファイア基板400は、SiC、シリコン(Si)、又はGaAsからなる基板に替えることもできる。n-GaN層402は略1000℃〜1200℃の温度で成長させ、シリコン(Si)をドーパントにしてドーピングされる。n-GaN層402の成長のために、略500℃〜600℃範囲の相対的に低い温度で低温窒化ガリウム(GaN)バッファ層を形成して、n-GaN層402とサファイア基板400との格子定数の差によるクラックの発生を防止する。
【0031】
活性層404は、井戸層と障壁層が交互に形成されたMQW構造で形成される。即ち、井戸層としてのInGaN層又はAlInGaN層と障壁層としてのGaN層が交互に、例えば、四重に積層されて形成される。このようなMQW構造によって、例えば、4つの量子井戸が形成されることができ、物質(例えば、インジウム(In)、アルミニウム(Al)など)の組成比を調節することにより、青色、緑色、赤色のいずれか1つの光を発生させることができ、発光波長の範囲を選択できる。青色PQRレーザにイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)を塗布することによって、白色の光を発生させることができることはもちろんである。この後、活性層404の上部にマグネシウム(Mg)がドーピングされたp-GaN層406を水素(H)などのガス雰囲気で成長させる。
【0032】
次に、図5に示すように、n-GaN層402、活性層404及びp-GaN層406が順次形成されたサファイア基板400の上部面に銀(Ag)などからなる反射膜408を形成する。特に、反射膜408は少なくとも90%の反射度を有するように準備する。
【0033】
そして、図6に示すように、反射膜408の上部に前述した構造物を支持するための半導体基板410を接着させた後に、エキシマーレーザを用いてレーザー・リフトオフ(LLO:Laser Lift-Off)法によりサファイア基板400を除去する。この後、サファイア基板400が除去されたn-GaN層402の表面に対してクリーニング工程を行う。
【0034】
次に、図7に示すように、n-GaN層402、活性層404、及びp-GaN層406をp-GaN層406の所定厚さまでCAIBEなどのようなドライエッチングにより選択エッチング(即ち、特定のフォトレジストパターンに応じてエッチング)することで、その側面部が滑らかな円形メサを形成する。このドライエッチングの結果、約300μm〜400μmサイズの標準発光ダイオード(LED)の領域内に、例えば、PQRレーザの8×8アレイが配置される。本発明の一実施形態による製造方法ではp-GaN層406の所定厚さまでドライエッチングするように説明したが、図2に示すように、n-GaN層402から活性層404までの層が完全に露出するように、p-GaN層406まで又は反射膜408までドライエッチングしてもよい。即ち、ドライエッチングは、選択的に活性層404の側面部のみを完全に露出させるために行われる。
【0035】
その後、図8に示すように、円形メサが形成されたその上部全面にSiN、SiOなどからなる保護膜412を蒸着し、これを平坦化工程により保護膜412を選択除去し、その後に形成される上部電極416及びDBR418と接触するn-GaN層402の上部面が露出するようにする。その後、保護膜412の上部にポリイミドをコーティングし、n-GaN層402が露出するようにポリイミド(PI)平坦化工程を行って、図9に示すように、被覆層414がトロイダルキャビティに形成されるようにする。
【0036】
続いて、被覆層414が形成されたその上部にTi/Alのような金属物質を蒸着した後に、ドライエッチングして、図10に示すように、n型オーミック電極の上部電極416をn-GaN層402と接触し得るように選択的に形成する。或いはまた、上部電極は、n型オーミック電極の形成のためのエッチング後に窒素又は窒素混合ガスの雰囲気で予め設定された温度及び時間条件で熱処理することにより形成されたオーミック接合を通じて形成してもよい。
【0037】
次に、上部電極416の上部にTiO/SiO、SiN/SiOなどの誘電体を用いてDBR418を形成し、その後にDBR418が活性層404及びn-GaN層402と同じ幅をもつように、図11に示すように、選択エッチングしてPQRレーザを製造過程を完了する。ここで、DBRは、例えば、TiO/SiO、SiN/SiOなどの誘電体を少なくとも一回以上交互に積層して反射度が少なくとも60%以上となるように形成される。一例として、DBR418が交互に二度積層された構造であれば、それはTiO/SiO/TiO/SiO、又はSiN/SiO/SiN/SiOなどからなるであろう。もちろん、DBR418は、GaN/AlGa1-xN構造で形成してもよい。
【0038】
要約すると、サファイア基板の上部にn-GaN層、活性層、p-GaN層、反射膜を順次形成した後、反射膜の上部に支持基板を接着させ、サファイア基板を除去し、活性層が露出するまで選択エッチングし、保護膜を形成し、その外部にポリイミドをコーティング及び平坦化し、その上部に上部電極及びDBRを形成することにより、青色PQRレーザを製造できる。
【0039】
図12は、本発明によるPQRレーザのアレイチップへの注入電流に関する発振スペクトラムを示す。特に、図12においては、直径が約20μmであるPQRレーザの8×8アレイチップへ注入された異なる電流レベルでの発振スペクトラムを示す。これは略40nm半値幅(FWHM)の全体エンベロープを示し、これは典型的なGaN発光ダイオード(LED)のスペクトラムプロファイルと非常に類似し、その範囲内で発振する3nm〜4nmの半値幅値(FWHMm)を有する多重モードのレージングスペクトラムを示している。
【0040】
図13は、本発明による例えば2×8PQRレーザアレイのL−Iカーブを示す図であって、2×8PQRレーザアレイの閾値電流が略200μAであり、各PQRレーザ当りに13μA程度になる。
【0041】
以上の説明では、本発明の好適な実施形態を提示して説明したが、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、次の特許請求の範囲で規定された本発明の範囲から逸脱することなく様々な変形及び変更がなされ得ることが理解できる。
【符号の説明】
【0042】
200 支持基板
202 反射膜
204 p-GaN層
206 活性層
208 n-GaN層
210 保護膜
212 被覆層
214 上部電極
216 分散型ブラッグ反射膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光量子リング(PQR)レーザにおいて、
多重量子井戸構造(MQW)で形成され、エッチングされた側面を有する活性層と、
エピタキシャル成長したn-GaN層とp-GaN層と、
前記活性層はこれらの間にサンドウィッチ状に配置されており、
支持基板の上部に位置し、前記p-GaN層がその上に配置された反射膜と、
前記活性層の側面外部に形成される被覆層と、
前記n-GaN層の上部に電気的に連結される上部電極と、
前記n-GaN層と前記上部電極の上部に形成される分散型ブラッグ反射膜(DBR)と
を含むことを特徴とするPQRレーザ。
【請求項2】
前記反射膜は、銀(Ag)を用いて形成されることを特徴とする請求項1に記載のPQRレーザ。
【請求項3】
前記分散型ブラッグ反射膜は、TiO/SiO又はSiN/SiO構造の誘電体を用いて形成されることを特徴とする請求項1に記載のPQRレーザ。
【請求項4】
前記分散型ブラッグ反射膜は、GaN/AlGa1-xN構造で形成されることを特徴とする請求項1に記載のPQRレーザ。
【請求項5】
前記活性層は、InGaN又はInAlGaNを用いて形成されることを特徴とする請求項1に記載のPQRレーザ。
【請求項6】
前記PQRレーザは、前記活性層に含まれたインジウム(In)成分とアルミニウム(Al)成分の組成比を調節して発光波長の範囲を選択することを特徴とする請求項5に記載のPQRレーザ。
【請求項7】
前記PQRレーザは、その半径を調節して発振モード間間隔(IMS)を決定することを特徴とする請求項1に記載のPQRレーザ。
【請求項8】
前記活性層と前記被覆層との間に形成された保護膜を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のPQRレーザ。
【請求項9】
前記保護膜は、SiN又はSiOを用いて形成されることを特徴とする請求項8に記載のPQRレーザ。
【請求項10】
サファイア基板上にn-GaN層、活性層、p-GaN層、反射膜を順次形成する段階と、
前記反射膜上に支持基板を接着させた後に、前記サファイア基板を除去する段階と、
前記活性層の側面が露出するように選択エッチングし、前記側面の外部に被覆層を形成する段階と、
前記被覆層の上部に前記n-GaN層と電気的に連結される上部電極を形成する段階と、
前記上部電極と前記n-GaN層の上部に前記活性層と前記n-GaN層と同一の幅を有する領域に分散型ブラッグ反射膜を形成する段階と
を含むことを特徴とするPQRレーザの製造方法。
【請求項11】
前記製造方法は、
前記被覆層を形成する前に前記選択エッチングにより露出した前記活性層の側面に保護膜を形成する段階を更に含むことを特徴とする請求項10に記載のPQRレーザの製造方法。
【請求項12】
前記保護膜は、SiN又はSiOを用いて形成することを特徴とする請求項10に記載のPQRレーザの製造方法。
【請求項13】
前記反射膜は、銀(Ag)を用いて形成することを特徴とする請求項10に記載のPQRレーザの製造方法。
【請求項14】
前記分散型ブラッグ反射膜は、TiO/SiO又はSiN/SiO構造の誘電体を用いて形成することを特徴とする請求項10に記載のPQRレーザの製造方法。
【請求項15】
前記分散型ブラッグ反射膜は、GaN/AlGa1-xN構造で形成することを特徴とする請求項10に記載のPQRレーザの製造方法。
【請求項16】
前記活性層は、InGaN又はInAlGaNを用いて形成することを特徴とする請求項10に記載のPQRレーザの製造方法。
【請求項17】
レーザー・リフトオフ(LLO)により前記サファイア基板を除去することを特徴とする請求項10に記載のPQRレーザの製造方法。
【請求項18】
前記被覆層は、ポリイミドコーティング及びポリイミド平坦化を行って形成することを特徴とする請求項10に記載のPQRレーザの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2011−510497(P2011−510497A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543043(P2010−543043)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際出願番号】PCT/KR2008/006121
【国際公開番号】WO2009/093792
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(505282042)ポステック・アカデミー‐インダストリー・ファウンデーション (34)
【Fターム(参考)】