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光開始剤組成物
説明

光開始剤組成物

UV照射線を使用し、特にLEDランプから、硬化可能な、印刷インク及びコーティング剤において使用される、アミノアルキルフェノン、チオキサントン及び多官能アミノベンゾアート相乗剤の組み合わせを含有する光開始剤系。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線(UV)照射、特に発光ダイオード(LED)光源からのUV照射を使用して硬化性であるインク及びコーティング剤において使用される光開始剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
UV LED硬化は、一般的な中圧水銀アーク硬化ランプと比較して低温操作及び極めて長い寿命という利点のために過去数年にわたって顕著に発達した主題であった。UV LEDランプは、LED装置の固有の小さいサイズと市販の印刷システムに容易に設計されるその能力のために有利である。
【0003】
「照射硬化性インクを硬化させる装置及び方法」と題された米国特許出願公開第2002/0149660号(Arthur L Cleary及びJoseph A Lahut)はUV LEDランプを使用するインクジェットインクの硬化のための装置と方法を記述している。「インク硬化のための発光装置及び方法」と題された米国特許第7175712号(Con-Trol-Cure Inc.)は、移動するウェブ上のインク及びコーティング剤のUV硬化が可能になるように配された交互列のUV LEDチップを記述している。「インクジェットUV硬化」と題された米国特許出願公開第2005/0104946号(Con-Trol-Cure Inc.)は、UV LEDが搭載され、使用されて UVインクジェットインクを硬化させ、又は少なくとも部分的にそれらを重合させる方法と、また酸素阻害を抑制することによって硬化を改善するために不活性ガス環境を使用することの必要性を記載している。LEDランプを使用した硬化に特に適した製剤の商材はその文献には開示されていない。「インクジェットプリンター」と題された米国特許出願公開第2005/0128274号(Konica Minolta Holdings Inc.)は、一般的な硬化ランプからの熱の問題を避けるUV LED硬化が装備され、また小型で構築が安価にできる完全に一体型のインクジェット印刷ユニットを記述している。該出願は性質がフリーラジカルか又はカチオン性のUVインクを記載しているが、そのような組成物を硬化させるのに必要な光開始剤の詳細は何れも提供していない。
【0004】
水銀アークランプは典型的には200から450nmのUV可視スペクトルの全領域の光を発する多色発光スペクトルを有する一方、UV LEDランプは典型的には、スペクトルの長波長の端部に向けて、例えば365−420nm、典型的には約395nmのUV波長の単一の発光バンドのみを有している。短波長のUV光はインク及びコーティング剤の特に「表面硬化」の原因である一方、長波長は更に高い透過率を有しており、「貫通硬化(through curing)」の多くの原因であることが広く受け入れられている。典型的な中圧水銀ランプに対してUV LEDランプに伴う減少した全UV出力はUVインク調合剤に二つの重要な制限をもたらす。第一に、表面硬化の達成がより困難であること、第二にLED発光領域の光を吸収する光開始剤系の数が非常に少なく、効果的な処方を困難にしていることである。
【0005】
インク及びコーティング剤を硬化させるためにUV LEDランプ又は他の単色UV光源を使用する場合、光源の波長に合わせられている光開始剤系を使用することが必要である。「エキシマー効果のためのインク」と題された国際公開第2005/111128号(Flint Ink Corporation) は、「Secomaticブルー」のようなエキシマー効果ランプを使用するリソグラフ印刷の硬化に適した光開始剤製剤を記載している。特に、その文献は、リソグラフィーインク組成物を開示しており、そのインク組成物は、300nm又はそれより長い波長に合わされたエキシマー光源に曝露されるときに硬化する。開示された光開始剤の組合せは主にアミノアルキルフェノン類、ホスフィンオキシド類及び幾つかのベンゾフェノン誘導体である。好ましい実施態様は、308nmの光源を使用して硬化される2−4%のアミノベンゾアート相乗剤エチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾアートと共に4−6%の4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィドを含む組成物を含む。同様に、「化学線エネルギー照射線で硬化可能なインク及び印刷物」と題された国際公開第2009/008226号(東洋インキ製造会社)は、350から420nmの波長範囲で発光するLED硬化ランプでの使用に適したインキを記載する。また記載されているものは、光開裂型光開始剤、例えばアミノアルキルフェノン及び/又はホスフィンオキシド光開始剤、及びジアルキルアミノベンゾフェノンである水素引き抜き光開始剤を含む組成物である。該製剤はまた場合によっては第3級アミン化合物を含む。国際公開第2004/056581号(Inca Digital Printer Ltd and Sericol Ltd. Curing)は、不活性環境下で単色(典型的にはLED)光源に基づいてUV硬化性インクジェットインクを硬化させる方法を記載する。また記載されているものは、Irgacure369のようなアミノアルキルフェノン類とチオキサントンのような光増感剤とを含む窒素不活性環境下でこれらのインクジェットインクを硬化させる一連の光開始剤の可能性である。実施例2におけるインク処方Dは、8%のIrgacure369と2%のイソプロピルチオキサントンの組み合わせを使用している。JP262068752(セイコーエプソン社)は、N−ビニル重合性化合物と、ビスアシルホスフィンオキシド類、モノアシルホスフィンオキシド類及びアミノアルキルフェノン類から選択される二種以上の光重合開始剤を含むインク組成物を記載している。JP28280460(Sakata Corporation)は、カチオン性重合開始剤及び約400nmの波長の光により増感機能を発現する増感剤を含むカチオン的に硬化性のUVインクジェットインクを記述している。JP29035650号(Sakata Corporation)は、光重合性化合物、分子中に2つの光重合性基及び2つのアミノ基を有する5−30wt%のアクリル化アミン化合物及び300−450nmの波長を有する光によって開始剤機能を示す5−20wt%の化合物の使用を記載している。国際公開第2007/017644号(Sun Chemical B.V.)は、UV LED光源を使用する硬化に適した、ヨードニウム塩光開始剤及びチオキサントン増感剤を含むカチオン性インクジェットインクを記載している。文献"Sensitization of photoinitiators by triplets sensitizers"; K Dietliker等 Radtech 1987 conference, Florence, p3-37は、照射されたスペクトル領域の光を吸収するチオキサントン化合物からの三重項エネルギー移動メカニズムを利用することによって、それらが吸収しない波長の光を使用してアミノアルキルフェノン型光開始剤から硬化ラジカルを作り出す潜在性を詳細に記載している。特に、この文献は、イソプロピルチオキサントンのようなチオキサントン誘導体と組み合わせてのIrgacure369又はIrgacure907の組み合わせに対する効果を記載している。これらの「増感剤混合物」は今は当業者によく知られている。
【0006】
2010年3月18日に公開され、本発明に対しての先行技術の一部を構成しない特開2010−59334号(東洋インキ製造株式会社)は、(A)チオキサントン;(B)α−アミノアルキルフェノン;(C)エチレン性不飽和モノマー;及び(D)第3級アミン相乗剤(段落[0010])を含むUV LED光源を使用して硬化できるインクを記述している。適切な第3級アミン相乗剤は段落[0029]に列挙され、N,N−ジメチルアミノp−安息香酸エステルを含む。
【0007】
利用できる材料のなかで、当業者によって一般的に受け入れられている見解は、モノアシルホスフィンオキシド又はビスアシルホスフィンオキシド光開始剤がUV LED光源での使用に対して最も効果的であり、ジアルキルアミノベンゾフェノン類(特にN,N−ジエチルアミノベンゾフェノン)、チオキサントン類及びアミノアルキルフェノン類が他の貴重な代替物であることである。しかしながら、高レベルのホスフィンオキシド開始剤の使用は、環境へのR43(感作)及びR50/53ダメージのような幾つかの歓迎されない健康及び安全表示カテゴリーを必要とする。加えて、エチルミヒラーケトンのようなジアルキルアミノベンゾフェノン誘導体は、一般に日本では使用されているが、既知のヒト発癌物質であるミヒラーケトンとのその構造的関連性のためにヨーロッパでは商業的見地から許容されていない。
【0008】
表面での十分なレベルの硬化と組み合わせたインク及びコーティング剤の十分に迅速な硬化をUV LED光源で達成するのは困難なままである。硬化速度及び/又は表面硬化のレベルの比較的小さい改良でさえ、UV LED光源を使用して硬化できるインク及びコーティング剤の商業的な実行可能性に有意な差を生じせしめる。よって、UV LED光源を使用する硬化に適した改良されたインク及びコーティング製剤に対する必要性が残っている。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、LED光源からのUV照射への曝露の際にフリーラジカル硬化反応を開始可能な光開始剤系に関する。本発明の光開始剤系は、従来技術に開示された又は当業者に知られている光開始剤混合物と比較して硬化速度を有意に改善することが見出された光開始剤混合物である。
【0010】
第一の態様では、本発明は、アミノアルキルフェノンとチオキサントンの組合せを多官能アミノベンゾアート相乗剤と併せて含む光開始剤系を提供する。かかる光開始剤系は、UV LED光源及び他の供給源からの放射線への曝露に硬化性であるインク又はコーティング製剤にくめるのに適していることが見出された。上記の成分を含む光開始剤系は既知の系と比較した場合、優れた硬化速度をもたらすこともまた見出された。本発明の第一の態様の光開始剤系は、以下に記載される本発明の第二の態様のインク又はコーティング製剤に含めるのに一般に適している。典型的には、本発明の第三の態様の光開始剤系は空気下で硬化性である着色インク又はコーティング製剤においての使用に適している。
【0011】
チオキサントンと組み合わせてのアミノアルキルフェノン類の使用は効果的な光開始剤系としてよく知られており、窒素下で硬化させる場合に国際公開第2004/056581号においてLED硬化での使用についてまた報告されているが、アミノベンゾアート、特に多官能アミノベンゾアート相乗剤との関連でアミノアルキルフェノンとチオキサントンの組み合わせを使用することは過去には示唆されていない。多官能アミノベンゾアート相乗剤の使用は驚くべき顕著な硬化速度の改善をもたらす。如何なる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、多官能アミノベンゾアート相乗剤の使用は、おそらくは連鎖開始ラジカルを形成可能な複数のアミノベンゾアート基が存在するために特に効果的な連鎖開始剤として機能するばかりでなく、架橋剤としても作用しうるものと思われる。チオキサントン光開始剤はUV LED光源によって発せられた範囲の光の吸収に効果的であることが見出されており、よって、増感剤として機能しうる。アミノアルキルフェノン光開始剤はUV LED光源から発せられたUV光の吸収には効果的ではないかも知れないが、UV光開始剤系にそれを含有させると、得られる硬化のレベルを改良する点で有利であることが見出された。従って、チオキサントン光開始剤/増感剤とまた多官能アミノベンゾアート相乗剤の組み合わせでのアミノアルキルフェノン光開始剤の使用は特に有利な組み合わせであることが見出された。
【0012】
第二の態様によれば、本発明は、本発明の第一の態様の光開始剤系を含むUV硬化性インク又はコーティング製剤を提供する。一実施態様では、本発明の第二の態様のインク又はコーティング製剤は、約2−15%の重量比9.9:1から1:9.9のアミノアルキルフェノンとチオキサントン誘導体の組合せと;約1−10%の多官能N,N’−ジメチルアミノベンゾアート相乗剤を含み、割合はインク又はコーティング剤の全重量に基づく。
【0013】
本発明の第三の態様によれば、本発明の第二の態様のインク又はコーティング製剤を基板に塗布し、UV照射を使用して組成物を硬化させる工程を具備するプリント又はコート品の製造方法が提供される。
本発明の第四の態様によれば、本発明の第二の態様のインク又はコーティング製剤の硬化像又は層を有するプリント又はコート品が提供される。本発明の第四の態様のプリント又はコート品は例えば本発明の第三の態様の方法を使用して調製されうる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の詳細な説明
本発明の第一の態様の光開始剤系は、(a)チオキサントンとアミノアルキルフェノンからなる光開始剤組み合わせ;及び(b)多官能アミノベンゾアート相乗剤を含有する。光開始剤系はまた溶媒及び/又は反応性モノマーのような更なる任意の成分を含有していてもよい。
本発明の第一の態様の光開始剤系は、一又は複数のチオキサントンを含有する。典型的には、チオキサントンは光開始剤系中に存在するアミノアルキルフェノンのための増感剤として機能する。有利には、チオキサントンは、約360から約420nm、例えば約365から約405nm、特に約380から約400nmの範囲の波長の照射線を吸収する。チオキサントンはモノマー又はポリマーでありうる。一実施態様では、チオキサントンは式I:

の化合物であり、ここで、各Rは水素、C1−12アルキル、C1−12アルコキシ又はハロゲンから独立して選択される。一実施態様では、増感剤は1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン(CPTX)又はイソプロピルチオキサントン(ITX)、好ましくはITXである。ITXは相対的に安価な増感剤である。本発明のインク又はコーティング組成物に含めるのに適している他のチオキサントン開始剤は、2,4−ジエチルチオキサントン、2−ブチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン及び2−プロポキシチオキサントンを含む。本発明のインク又はコーティング組成物に含めるのに適しているポリマー性チオキサントンは、IGM Resins, Waalwijk, the Netherlandsから入手できるOmnipol TX、Rahn AG, Switzerlandから入手できるGenopol TX-1又はWetherby, UKのLambson Ltdから入手できるSpeedcure 7010を含む。
【0015】
単独で又は組み合わせて本発明において使用される適切なアミノアルキルフェノン光開始剤は、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−l−オン、例えばCibaから入手できるIracure369TM、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−2−オン、例えばCibaから入手できるIracure907TMを含む。好ましいアミノアルキルフェノン類は、例えば4−モルホリニル基における窒素原子のような、フェノン基のフェニル環のパラ位に窒素原子を含む。一実施態様では、アミノアルキルフェノンのアミノ基はフェノンのケトンに対してα−位にあり、よって開始剤は光開始剤のα−アミノケトンクラスのメンバーである。アミノアルキルフェノン光開始剤は、典型的には開裂して、硬化プロセスを開始させるラジカルを提供する。アミノアルキルフェノン光開始剤の存在は、許容可能なレベルの表面硬化を含むインク及びコーティング組成物の硬化の許容可能なレベルをもたらすのに有利であることが見出された。
【0016】
本発明の第一又は第二の態様の一実施態様では、チオキサントン開始剤/増感剤に対するアミノアルキルフェノン開始剤の重量比は約9:1から約1:9の間である。有利には、重量で少なくともほぼ同じくらいのチオキサントン開始剤/増感剤がアミノアルキルフェノン開始剤として存在する。更なる実施態様では、アミノアルキルフェノンに対するチオキサントンの重量比は少なくとも約1:1であり、好ましくは1:1より多く、例えば約2:1又はそれ以上、典型的には約3:1又はそれ以上である。一実施態様では、アミノアルキルフェノンに対するチオキサントンの重量比は約10:1を越えない。典型的には、アミノアルキルフェノンに対するチオキサントンの重量比は約9:1又はそれ以下、例えば約6:1又はそれ以下である。典型的には、光開始剤組成物は約1:1から約9:1、例えば約2:1から約7:1の範囲のアミノアルキルフェノンに対するチオキサントンの重量比を有している。
【0017】
多官能アミノベンゾアート相乗剤は二以上のアミノベンゾアート基を含む化合物である。典型的にはアミノベンゾアート基はポリマー性ポリエーテルに結合している。ポリマー性ポリエーテルは、二以上のポリエーテル鎖が延びるコアを含む化合物である。コアは典型的には複数のヒドロキシル官能基を有するポリオール化合物から誘導される基、例えばペンタエリトリトール(2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール)、エチレングリコール(エタン−1,2−ジオール)、プロピレングリコール(プロパン−1,2−ジオール)、グリセロール(プロパン−1,2,3−トリオール)又はエリトリトール(ブタン−1,2,3,4−テトラオール)から誘導される基である。あるいは、そこからポリエーテル鎖が延びるポリマー性ポリオールのコアは、アミン、典型的には二以上のアミン基を含む脂肪族の二又はより高次の官能アミン、例えばエタン1,2−ジアミンでありうる。ポリエーテル鎖の例は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール鎖を含み、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール鎖が好ましい。アミノベンゾアート基は、ポリエーテル鎖の酸素原子とベンゾアートのカルボニル基の間のエステル結合を介してポリエーテル鎖に結合されている。ポリマー鎖は、典型的には、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドのようなエポキシドを多官能ポリオール又はアミン開始剤と、触媒、しばしば強塩基、例えば水酸化カリウム又は二重シアン化金属、例えばヘキサシアノコバルト酸亜鉛−t−ブタノール錯体の存在下で、反応させることによってコアから構築される。実際、.鎖は何れか一の分子中で等しい長さである可能性は低く、材料内でポリオール分子量分布があるであろう。アミノベンゾアート相乗剤のアミノ基は、典型的には第3級アミノ基で、一つの置換基はフェニル基で、他の二つの置換基は脂肪族基のような水素以外である。一実施態様では、相乗剤化合物のアミノベンゾアート基はジC1−4アルキルアミノベンゾアート基である。相乗剤化合物のアミノベンゾアート基は典型的にはパラ−(N,N’−ジCアルキルアミノ)ベンゾアート基、例えばパラ−(N,N’−ジメチルアミノ)ベンゾアート基である。一実施態様では、本発明の開始剤系は、少なくとも一つのトリ−又はより高次の官能性アミノベンゾアート相乗剤、例えば少なくとも一つの四官能性アミノベンゾアート相乗剤を含む。本発明の光開始剤系は、二以上の異なった多官能性アミノベンゾアート化合物の混合物を含みうる。適切な多官能アミノベンゾアート相乗剤は、1,3−ジ({α−4−(ジメチルアミノ)ベンゾイルポリ[オキシ(1−メチルエチレン)]}オキシ)−2,2−ビス({α−4−(ジメチルアミノ)ベンゾイルポリ[オキシ(1−メチルエチレン)]}オキシメチル)プロパン及び{α−4−(ジメチルアミノ)ベンゾイルポリ(オキシエチレン)−ポリ[オキシ(1−メチルエチレン)]−ポリ(オキシエチレン)}4−(ジメチルアミノ)ベンゾアートを含む。Lambsonから入手できるSpeedcure7040は、直ぐ上に述べた二つの多官能アミノベンゾアート相乗剤の混合物を含み、本発明での使用に適していることが見出されている。他の適切な多官能アミノベンゾアート相乗剤は、Rahnから入手できるGenopolTMAB−1及びポリ(エチレングリコール)ビス(p−ジメチルアミノベンゾアート)、例えばIGMから入手できるOmnipolTMASAを含む。脂肪族アミンコアに結合した複数のアミノベンゾアート基を含む適切な多官能アミノベンゾアート相乗剤は、欧州特許出願公開第1925609A1号(Agfa Graphics N.V.)に記載された例COINI−07及びCOINI−08及び国際公開第2007/017298A1号(Lamberti SPA)に記載された式Iの化合物を含む。本発明の光開始剤組成物中における多官能アミノベンゾアート相乗剤の存在はインク及びコーティング組成物の迅速な硬化をもたらす点で有利であることが分かった。
【0018】
典型的には、光開始剤組成物は、約1:2から約5:1、例えば約1:1から約4:1、特に約1:1から約2:1の範囲の多官能アミノベンゾアートに対するチオキサントンの重量比を有している。典型的には、光開始剤組成物は、約2:1から約1:5、例えば約1:1から約1:4、特に約1:2から約1:3の範囲の多官能アミノベンゾアート相乗剤に対するアミノアルキルフェノンの重量比を有している。多官能アミノベンゾアート相乗剤は、一般に、相乗剤/アミノアルキルフェノン/チオキサントン組み合わせの全重量に基づいて、約1から約81wt%、好ましくは約5から約31wt%の量で存在する。
【0019】
本発明の第一の態様の一実施態様では、多官能性N,N’−ジメチルアミノベンゾアート相乗剤とカップリングされて、約9:1から約1:9の間の比でアミノアルキルフェノン及びチオキサントン誘導体からなる光開始剤組合せを含む光開始剤系が提供される。かかる光開始剤系は典型的には着色及び非着色インク及びコーティング剤、好ましくはリソグラフィー及びフレキソ印刷インク及びコーティング剤での使用に適している。有利には、かかる光開始剤系を含むインク及びコーティング剤は空気中での硬化に適している。典型的には、本発明のインク及びコーティング剤は、約2−15wt%、好ましくは約5−10wt%のレベルで光開始剤組合せを含む。典型的には、本発明のインク及びコーティング剤は、好ましくは3−8%のレベルの多官能N,N’−ジメチルアミノベンゾアート相乗剤とカップリングされて、約1から約10wt%、好ましくは約3から約8wt%のレベルで多官能アミノベンゾアート相乗剤を含む。更なる実施態様では、本発明は、着色及び非着色インク及びコーティング剤、9:1から1:9の間の比と、2−15%、好ましくは5−10%のレベルでアミノアルキルフェノン及びチオキサントン誘導体を含むか又はこれらからなる好ましくはリソグラフィー及びフレキソ印刷インク及びコーティング剤の空気下での硬化に適した光開始剤系を提供する。
【0020】
典型的には、インク又はコーティング組成物は、少なくとも約2wt%、特に少なくとも約3wt%、例えば少なくとも約5wt%のチオキサントンを含む。典型的には、チオキサントンは製剤の全重量に基づいて本発明の第二態様のインク又はコーティング製剤の約13wt%以下、例えば約10wt%以下を構成する。少なくとも約3wt%のチオキサントンのレベルが十分に速い硬化を確保するために本発明のインク及びコーティング製剤において望ましく、約3wt%から約9wt%のチオキサントンレベルが特に有利であることが見出された。
【0021】
典型的には、インク又はコーティング組成物は、少なくとも約0.5wt%、特に少なくとも約1wt%、例えば少なくとも約1.5wt%のアミノアルキルフェノンを含む。典型的には、アミノアルキルフェノンは、製剤の全重量に基づいて本発明の第二態様のインク又はコーティング製剤の約6wt%以下、例えば約5wt%以下、特に約4wt%以下を構成する。有利には、アミノアルキルフェノンは製剤の全重量に基づいて2.50wt%未満、例えば2.49wt%未満、特に約2.4wt%未満を構成する。2.5wt%以上のアミノアルキルフェノンのレベルを含むインク及びコーティング剤は、それらが特別なラベリング及び/又はパッケージングを必要としうるので望ましくない。
【0022】
光開始剤の組み合わせは、典型的には、製剤の全重量に基づいて本発明の第二態様のインク又はコーティング製剤の少なくとも約5重量%(wt%)、例えば少なくとも約7wt%、特に少なくとも約8wt%を構成する。典型的には、光開始剤の組合せは、製剤の全重量に基づいて本発明の第二態様のインク又はコーティング製剤の約18wt%以下、例えば約15wt%以下、特に約12wt%以下を構成する。
【0023】
多官能アミノベンゾアート相乗剤は、典型的には、製剤の全重量に基づいて本発明の第二態様のインク又はコーティング製剤の少なくとも約0.2wt%、例えば少なくとも約0.5wt%、特に少なくとも約1wt%を構成する。典型的には、多官能アミノベンゾアート相乗剤は、製剤の全重量に基づいてインク又はコーティング製剤の約8wt%以下、例えば約7wt%以下、特に約6wt%以下を構成する。一実施態様では、多官能アミノベンゾアート相乗剤は、製剤の全重量に基づいてインク又はコーティング製剤の約5wt%以下、例えば約4wt%以下を構成する。
【0024】
光開始剤系は、典型的には、製剤の全重量に基づいて本発明の第二態様のインク又はコーティング製剤の少なくとも約5wt%、例えば少なくとも約8wt%、特に少なくとも約10wt%を構成する。典型的には、光開始剤系は、製剤の全重量に基づいてインク又はコーティング製剤の約18wt%以下、好ましくは約15wt%以下、例えば約13wt%以下、特に約10wt%以下を構成する。
【0025】
本発明の第二の態様の一実施態様では、約9.9:1から約1:9.9の比の約2−15%のアミノアルキルフェノンとチオキサントン誘導体の組合せと;約1−10%の多官能性NN’−ジメチルアミノベンゾアート相乗剤を含むUV硬化性インク又はコーティングが提供され、パーセントはインク又はコーティング剤の全重量に基づく。更なる実施態様では、約1から約10wt%のレベルの多官能性N,N’−ジメチルアミノベンゾアート相乗剤と組み合わされて、アミノアルキルフェノンとチオキサントン誘導体が約9.9:1から約1:9.9の重量比で約2から約15wt%のレベルである光開始剤組み合わせを含む着色UV硬化性リソグラフィー又はフレキソ印刷インクであるインク又はコーティング剤が提供され、パーセントはインク又はコーティング剤の全重量に基づく。有利には、インク又はコーティング剤は空気中での硬化に適している。有利には、インク又はコーティング剤はLED光源を使用する硬化に適している。また更なる実施態様では、1−10%、好ましくは3−8%のレベルの多官能性N,N’−ジメチルアミノベンゾアート相乗剤と組み合わされて、9.9:1から1:9.9の比で、2−15%、好ましくは5−10%のレベルのアミノアルキルフェノンとチオキサントン誘導体からなる、空気中でLED光源を使用する硬化に適した光開始剤の組合せを含む着色UV硬化性リソグラフィー又はフレキソ印刷インクが提供される。
【0026】
本発明の第二の態様のインク又はコーティング製剤はフリーラジカル硬化メカニズムで硬化する。本発明の第一の態様の光開始剤系に加えて、製剤は、典型的には、フリーラジカル硬化反応で硬化可能なエチレン性不飽和単量体又はオリゴマー又は他の単量体又はオリゴマーを含む。ここで使用される「オリゴマー」なる用語は、約500から約3000のオーダーの分子量を有するプレポリマー及び/又は小数の反復単量体単位、例えば二量体、三量体及び四量体及び五量体を意味する。適切なフリーラジカル硬化性単量体及びオリゴマーは、(メタ)アクリレート単量体及びオリゴマー、つまりアクリレート単量体及びオリゴマー、メタクリレート単量体及びオリゴマー及びその混合物を含む。有利には、本発明のインク及びコーティング剤は、少なくとも一の多官能性(メタ)アクリレート単量体、例えば一又は複数のジ−又はより高次の官能性(メタ)アクリレート単量体、特に一又は複数のトリ−又はより高次の官能性(メタ)アクリレート単量体を含む。適切なフリーラジカル的に硬化性のオリゴマーは、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーを含む。一を越える(メタ)アクリレート基を含む多官能性ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーが特に適している。
【0027】
本発明の第二の態様のインク及びコーティング製剤は、典型的には、着色剤、例えば顔料又は染料、例えば顔料を含む。好ましくは、着色剤は白色着色剤以外である。本発明の第一の態様の光開始剤組成物は、有色の、例えば着色されたインク及びコーティング剤での使用に特に適している。着色されたインク及びコーティング剤の硬化の許容可能なレベルは、有利には、本発明の光開始剤系が製剤に含められる場合に得られることが見出された。一実施態様では、本発明の第二の態様のインク及びコーティング製剤は、製剤の全重量に基づいて少なくとも約5wt%、例えば少なくとも約10wt%の着色剤を含む。更なる実施態様では、本発明の第二の態様のインク及びコーティング製剤は、製剤の全重量に基づいて約30wt%以下、例えば約25wt%以下の着色剤を含む。本発明のフレキソ印刷インク及びコーティング剤は、典型的には約12wt%から約28wt%、例えば約15wt%の顔料を含む。本発明のオフセットインクは、典型的には約15wt%から約25wt%、例えば約18wt%から約22wt%の顔料を含む。着色剤は、典型的には、顔料又は他の着色剤に加えて、溶媒及び/又は単量体を含有する着色剤濃縮物としてインク及びコーティング製剤中に配合される。
【0028】
硬化時にインク及びコーティング剤の黄変を防止する必要性のため、無色コーティング及び白色インクに使用するのに最も適した光開始剤は典型的にはモノ又はビスアシルホスフィンオキシド類である。本発明の光開始剤配合物が、ホスフィンオキシド類が伝統的に使用されているUVインク、特に着色UVインク、また着色UVコーティングを硬化させるのに効果的であることが実証された。
【0029】
本発明のインク及びコーティング製剤の主成分と組み合わせて使用されうる添加剤は、安定剤、可塑剤、ロウ、スリップ助剤、レベリング助剤、接着促進剤、界面活性剤及びフィラーを含む。本発明の第二の態様の製剤は、典型的には、上述のものに対する更なる成分として、例えばBlueprintにより1993年に刊行されたR.H. Leach等編 "The Printing Ink Manual", 5版に記載の如く、一又は複数のロウ、安定剤、及び流動助剤を含有する。
【0030】
本発明の第三の態様の一実施態様では、インクはフレキソ印刷(フレキソ)又はリソグラフ印刷法を使用して塗布される。更なる実施態様では、インクは、フレキソ、オフセット、グラビア又はインクジェット印刷法、例えばフレキソ、オフセット又はインクジェット法、特にフレキソ又はオフセット法を使用して塗布される。本発明の第一の態様のインクは有利にはそのような印刷法に使用するのに適している。
【0031】
本発明の第三の態様の一実施態様では、インク又はコーティング剤はLED UV照射源を使用して硬化される。
本発明の第三の態様の一実施態様では、インク又はコーティング剤は空気中で硬化される。本発明の第三の態様の更なる実施態様では、不活性環境、例えば窒素又はアルゴンブランケットがUV照射源の領域には提供されない。本発明の第二の態様に係るインク及びコーティング組成物は、硬化中の酸素阻害を防止するために提供される不活性な酸素を含まない環境の必要性を未然に防ぐ酸素の存在下で硬化されうる。
【0032】
本発明の任意の特定の態様又は実施態様に関して上述の何れかの特徴が、適当ならば、本発明の他の態様又は実施態様の何れかにおいても存在しうることが理解されなければならない。
【実施例】
【0033】
次の実施例は本発明の特定の態様を例証するもので、如何なる点においてもその範囲を限定することを意図する物ではなく、そのように解釈されてはならない。
【0034】
実施例1
ブラックUVフレキソインク製剤を次の組成に基づいて調製した:

個々の光開始剤添加剤を以下に記載のレベルで含め、製剤の残りを、22.9%のアクリレート単量体トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA,例えばSartomer製のSR351)及び10%のアクリテート単量体ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA,例えばSartomer製のSR236)を使用して100部にした。
【0035】

【0036】
200ライン/cm(5cm/m)及び400ライン/cm(3cm/m)のデュアルaniloxを取り付けたRKからのFlexiproof100フレキソ印刷プルーファー及びインラインPhoseon Fireflex UV LEDランプを使用して、インクを不浸透性金属化カートン用板紙基材に印刷した。Flexiproof100は15から99m/分の可変印刷/硬化速度を有している。
【0037】
10トンの圧力下で5秒間、硬化インク上に裏返しにして配したときにブランクカートン用板紙基材の一片にインクが移る度合いを比較することにより「相殺(set−off)硬化試験」を使用して照射インクの硬化を試験した。インクが十分に硬化されると、ブランク基材への色の実質的な移動はないが、インクが十分には硬化されない場合、有意な量の色が移る。最大硬化速度は、ブランク基材の実質的な変色がないこれらの実験において定義される。
【0038】
これらの硬化速度は、多官能アミノベンゾアート誘導体(製剤B1、C1、D1及びF1)が、単官能アミノベンゾアート誘導体Omnirad EHAを含む等価な比較製剤(A1及びE1)よりも有意に速く硬化することを実証している。性能におけるこの顕著な改善は、Omnirad EHAが最も低分子量の材料であるという事実にかかわらず、多官能アミノベンゾアート誘導体は当業者にとって論理的な処方選択ではないであろうことをベースにしている。
【0039】
結果はまた光開始剤Irgacure369(製剤A)が、当業者によく知られているように、Irgacure907(製剤E)より有意に良好な性能を有していることを証明している。
【0040】
実施例2(比較例)
ブラックUVフレキソインク製剤を、HDDA単量体をTMPTAに置換した以外は、実施例1に記載された組成に基づいて調製した。光開始剤組成物は以下に記載の通りである。製剤の性能を実施例1に記載したようにして試験した。

【0041】
これらの結果は、 約2%のレベルのIrgacure907のようなアミノアルキルフェノン光開始剤を含む製剤(製剤B2)が、アミノアルキルフェノンを含まない製剤(製剤A1)に対して増加した性能を与えることを証明している。高レベルのアミノアルキルフェノンは、これらの光開始剤はLEDランプからの光を吸収しないが、LED光を吸収するITXからの三重項エネルギー移動に依存するので、性能に有益ではないことがまた分かる。最も高レベルのIrgacure907と最も低レベルのITX(製剤E2)では、LED光発光を十分に吸収するのに十分なITXが存在していないので、硬化速度が低いことが分かる。
【0042】
実施例3
ブラックUVウレキソインク製剤を次の組成に基づいて調製した:

【0043】
光開始剤組成物は以下に記載の通りであり、製剤は単量体TMPTAを使用して100部にされている。製剤の性能を実施例1に記載のようにして試験した。

【0044】
これらの結果は、アミノアルキルフェノンとチオキサントン誘導体を含む製剤(国際公開第2004/056581号に記載−特に8%のIrgacure369と2%のイソプロピルチオキサントンの組み合わせを使用するその文献の実施例2のインク処方D)が空気環境の存在下でのインク及びコーティング剤の硬化に適していないことを証明している。これは、製剤A3がアミン相乗剤の不在下で15m/分以下の最大硬化速度を有しているが、多官能アミノベンゾアート相乗剤が存在すると実質的に改善するという事実によってここでの結果に証明されている。
【0045】
実施例4
ブラックUVフレキソインク製剤を次の組成に基づいて調製した:

【0046】
光開始剤組成物は以下に記載の通りであり、製剤は単量体TMPTAを使用して100部にされている。製剤の性能を実施例1に記載のようにして試験した。製剤の性能を実施例1に記載のようにして試験した。

【0047】
実施例3に示される結果と一緒に解釈すると、これらの結果は、製剤中において約5%を超えるレベルの多官能アミノベンゾアート相乗剤を使用することに殆ど又は何ら利益がないことを証明している。
【0048】
実施例5
イエロー、マゼンタ及びシアンUVフレキソインク製剤を10の次の組成に基づいて調製した:

【0049】
200ライン/cm(5cm/m)及び400ライン/cm(3cm/m)のデュアルaniloxを取り付けたRKからのFlexiproof100フレキソ印刷プルーファー及びインラインPhoseon Fireflex UV LEDランプを使用して、インクをAvery Denison「PE85 Top Trans Label Stock」に印刷した。インクを99m/分でシングルパスで硬化させ、全てが非粘着性で、よく知られた「親指ツイスト(thumb−twist)試験」によって定義されるように十分に硬化すると決定された。これは、本発明の主題である光開始剤組成物が、UVLED光源を使用してジン属に硬化する他の色のフレキソ印刷インク並びにブラックを製造するのにまた有用であることを証明している。
【0050】
十分な硬化を確認するための標準的な親指ツイスト試験は、親指が硬化されたフィルムに強固に適用され、捻られるものである。フィルムの変形又はフィルムの粘着性又はフィルムの親指への移動は失敗と分類される。このような試験は当該技術分野でよく知られており、例えばTest Methods for UV and EB Curable Systems, C. Lowe & P.K.T Oldring, SITA Technology, 1994, ISBN0947798072の74頁に記載されている。印刷物は、該印刷物が乾燥しており、親指の指紋又は表面マークが試験後に残されていない場合に十分に硬化されていると考えられる。
【0051】
実施例6
イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックオフセットインクを次の製剤に基づいて調製した:

インクを、1.15(イエロー)、1.63(マゼンタ)、1.86(シアン)、1.89(ブラック)の密度までIGT C1プルーファーを使用してIncada Excelカートン用板紙基材に印刷し、99m/分の速度でPhoseon Fireflex UV LEDランプを使用して硬化させた。照射されたインクについてこれまでに定義された「相殺硬化試験」を使用して硬化を試験した。マゼンタ、シアン及びブラックインクは全てランプ下でシングルパスで硬化したが、イエローインクは十分に硬化されるまで2パスを必要とした。これは、この発明の主題である光開始剤組成物がまたUV LED光源を使用して迅速に硬化するイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックリソグラフ印刷インクを製造するのに有用であることを証明している。
【0052】
実施例7(比較例)
ブラックUVフレキソインク製剤を以下に記載のようにして調製した。製剤の性能を実施例1に記載のようにして試験した。


これらの結果は、試験されたアシルホスフィンオキシド光開始剤の何れもアミン相乗剤を伴っても又は伴わない場合でも許容可能な硬化速度を示さなかったことを示している。このクラスの光開始剤は、光開始剤が光を吸収し、UV LEDが発光する領域では少ししか競合的光吸収がないホワイトインク及びコーティング剤において使用されることが受け入れられている。試験した光開始剤はJP262068752及び国際公開第2009/008226号に記載されたものと同様であった。本発明の光開始剤系とは異なり、このクラスの光開始剤は、顕著な競合的光吸収があるブラックの着色インクでは良好に機能しない。
【0053】
実施例8(比較例)
ベンゾフェノン及びジアルキルアミノベンゾフェノン(例えばエチルミヒラーケトン)の混合物の電子/プロトン移動増感効果は当業者によく知られており、エチルミヒラーケトンの使用は国際公開第2009008226号に教示されている。エチルミヒラーケトン、Genopol AB1アミノベンゾアート相乗剤及びベンゾフェノンの混合物の効果は、以下に定義されるブラックのUVインク製剤において広い範囲の光開始剤組み合わせを使用して定義した:

【0054】
個々の光開始剤添加剤は以下に記載のレベルで含め、製剤の残りを、22.9%のアクリレート単量体トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、及び10%のアクリレート単量体ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)を使用して100部にした。製剤の性能は実施例1に記載のようにして試験した。

最も反応性の組み合わせは、3%のベンゾフェノン、3%のGenopol AB1及び9%のエチルミヒラーケトンを含み、30m/分の硬化速度の製剤I8であった。しかしながら、この硬化速度は本発明の製剤より大きく遅い。
【0055】
本発明を、その好ましい実施態様を含め詳細に記載した。しかしながら、当業者であれば、本明細書を考慮すると、本発明の範囲及び精神に入る変更及び/又は改良を本発明についてなすことができることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノアルキルフェノン、チオキサントン及び多官能アミノベンゾアート相乗剤を含有する光開始剤系。
【請求項2】
多官能アミノベンゾアート相乗剤が2以上のジCアルキルアミノベンゾアート基を含む請求項1に記載の光開始剤系。
【請求項3】
多官能アミノベンゾアート相乗剤が2以上のパラ−(N,N’−ジメチルアミノ)ベンゾアート基を含む請求項2に記載の光開始剤系。
【請求項4】
アミノアルキルフェノンに対するチオキサントンの重量比が約2:1から約7:1の範囲にある請求項1から3の何れか一項に記載の光開始剤系。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載の光開始剤系を含有するUV硬化性インク又はコーティング剤。
【請求項6】
着色剤を更に含有する請求項5に記載のインク又はコーティング剤。
【請求項7】
インク又はコーティング剤の全重量に対する割合で、約1から約10wt%のレベルの多官能N,N’−ジメチルアミノベンゾアート相乗剤と組み合わせて、約2から約15wt%のレベルで、約9.9:1から約1:9.9の間の重量比のアミノアルキルフェノンとチオキサントン誘導体からなり、空気中でLED光源を使用して硬化するのに適した光開始剤組み合わせを含む、着色UV硬化性リソグラフ又はフレキソ印刷インクである請求項6に記載のインク又はコーティング剤。
【請求項8】
チオキサントンとアミノアルキルフェノンが併せてインク又はコーティング剤の全重量の約5wt%から約15wt%を構成する請求項5から7の何れか一項に記載のインク又はコーティング剤。
【請求項9】
多官能アミノベンゾアート相乗剤が、インク又はコーティング剤の全重量の約1wt%から約8wt%を構成する請求項5から8の何れか一項に記載のインク又はコーティング剤。
【請求項10】
エチレン性不飽和モノマーを更に含有する請求項5から9の何れか一項に記載のインク又はコーティング剤。
【請求項11】
アミノアルキルフェノンに対するチオキサントンの重量比が約2:1から約7:1の範囲にある請求項5から10の何れか一項に記載のインク又はコーティング剤。
【請求項12】
プリント又はコート品の製造方法において、請求項5から11の何れか一項に記載のインク又はコーティング剤を基板に塗布し、UV照射を使用して組成物を硬化させる工程を具備する方法。
【請求項13】
製剤がリソグラフ又はフレキソ印刷技術によって塗布される請求項12に記載の方法。
【請求項14】
UV照射がLED光源からのものである請求項12又は請求項13に記載の方法。
【請求項15】
請求項5から11の何れか一項に記載のインク又はコーティング剤の硬化像又は層を有するプリント又はコート品。

【公表番号】特表2013−503929(P2013−503929A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527380(P2012−527380)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【国際出願番号】PCT/GB2010/001657
【国際公開番号】WO2011/030089
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(506397202)サン ケミカル ビー.ブイ. (11)
【Fターム(参考)】