説明

光防御組成物およびフィルム、ならびに製造方法

本発明は、フォトニック材料の粒子、特に少なくとも2層が両親媒性ポリマーを含むポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む光防御組成物、特に化粧料組成物を提供する。本発明は太陽紫外線から物質を光防御する方法を提供し、本方法は、フォトニック材料の粒子、特に少なくとも2層が両親媒性ポリマーを含むポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む光防御組成物で前記物質を処理する工程、または少なくとも組成物を前記物質に一体化する工程にある。前記物質は、特に、インキ、塗料、ガラス、テキスタイル、紙、およびポリマーから選択されてもよい。本発明は、太陽紫外線から光防御するフィルムも提供し、本フィルムは、太陽紫外線を遮蔽するフォトニック材料、特に、少なくとも2層が両親媒性ポリマーを含むポリマー多層干渉構造を有するフォトニック材料を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトニックゲルから得られるフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を使用して様々な物質を光防御する組成物および方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は、ヒトケラチン物質を処置する組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
現在の光防御組成物は、様々な遮蔽剤、とりわけ可溶性または不溶性有機遮蔽剤を併用している。前記遮蔽剤のそれぞれの吸収スペクトルが紫外線スペクトル全域をカバーするほど十分に広いことは稀であり、併用が必要である。
【0004】
さらに、多くの可溶性有機遮蔽剤は、それらの中に通常含有される成分との相溶性の問題を、とりわけ他の有機遮蔽剤または活性分子(酸化防止剤もしくはビタミンなど)との相互作用の結果として引き起こすことがあり、それらの光安定性は十分に満足のいくものではないことがある。この問題の解決に関する多くの特許がある、即ち、この問題が繰り返し生じることを表している。
【0005】
多くの非化粧品産業部門でも、紫外線、特に太陽紫外線の作用から様々な物質を光防御する紫外線遮蔽剤が使用されている。
【0006】
これは、特に、建築材、自動車産業で使用される材料、またはプラスチック包装材などの紫外線に永久的に曝露される物質に塗布される塗料、インキ、または保護コーティング配合物に当てはまる。特に、透明で、光安定性があり、前記配合物に含有される通常の成分との相溶性があり、目的の色に耐光性を付与するのに有効でなければならない着色剤配合物用の紫外線遮蔽剤が開発されている。
【0007】
特に、貯蔵安定性のあるプラスチック材料の製造に使用されるポリマー組成物にも同様の考慮事項が当てはまり;それらは、特に、ポリマーの製造および成形方法に適合する紫外線遮蔽剤の開発を必要とし、特に、それらは押出中に使用される高温に耐えることができなければならない。
【0008】
天然繊維および/または人造繊維および/または合成繊維産業では、耐高温性があり、押出中に紫外線防御剤を配合することができる前記繊維の製造方法(特に、ナイロンなどのポリアミドで製造される繊維の製造に関する方法)に適合し、広いスペクトルで光安定性を有する紫外線遮蔽剤が開発されている。さらに、良好な親和性、繊維に対する良好な付着性を有し、従って、特に、頻繁に洗濯する場合でも良好な耐性が得られる紫外線遮蔽剤が開発されている。開発されている紫外線遮蔽剤は、また、テキスタイル繊維の十分な保護と、前記繊維と接触する皮膚および他のヒトケラチン物質の十分な保護の両方を提供しなければならない。
【0009】
無機および有機ガラス産業、特に眼科学で使用されるガラスの産業では、広いスペクトルを有する(UVA領域およびUVB領域で有効である)必要があり、且つ、光安定性があり、透明で、ガラス基材への固定方法または光防御コーティングの塗布方法などの様々なガラス処理方法との(例えば、ポリカーボネートガラスとの)適合性がある紫外線遮蔽剤を開発している。
【0010】
多層構造によって構成される干渉材を遮蔽剤として使用してもよい。ポリマー多層干渉構造を有するフィルムは、層が、例えば、数百以下の数に達してもよい。このようなフィルムは押出によって製造することができ、通常、透明であり、厚さが数百μm[マイクロメートル]である。
【0011】
例えば、TiOまたはZnOなどの金属層を使用することにより屈折率の差を大きくすることができ、フィルムを構成する層の数を低減することができる。しかし、その方法を使用するフィルムは可視光線不透過性となることがあり、また剛性がかなり高くなることもある。
【0012】
変形態様において、フィルムが厚く、多くの層を有する場合、それを破砕して粒子にすると、その効率が著しく低下することがある。フィルムの厚さが大きいため、「エッジ効果」により、干渉の発生が非常に大きく低減する可能性がある。
【0013】
紫外線スペクトルの反射を生じさせるためにホログラム顔料を使用することが、仏国特許出願公開第2921559号明細書に開示されている。
【0014】
仏国特許出願公開第2888491号明細書は、多層干渉構造を有する遮蔽剤を含む光防御組成物を開示しており、この遮蔽剤は高屈折率層と低屈折率層が交互に積層されている。
【0015】
異なる誘電率を有する少なくとも2つのポリマー部分を周期的に配置することによって構成されている「フォトニック材料」または「フォトニック結晶」が、米国特許出願公開第2009/0086208号明細書に開示されている。特に、それらのポリマーフォトニック材料は、変化を引き起こす刺激の影響を受けて、寸法、形状、誘電率、屈折率、色、または他のパラメータを含む少なくとも1つの物理的特性、化学的特性、または誘電特性の変化を生じさせることができる少なくとも1つのポリマー部分を含有する。その変化により、フォトニック材料によって回折される電磁放射線の波長が変化する。
【0016】
フォトニックゲルはポリマー多層構造を有するフィルムであり、これは支持体上に堆積する時、自発的にラメラ周期構造を形成するブロックポリマーを含み得る。このような材料は、例えば、膨潤剤と接触すると、干渉特性を有し得る。
【0017】
フォトニックゲルは、E.Thomasによる出版物:Nat Mat Vol 6,957−960,2008およびJ Am Chem Soc 2009,131,7538−7539に開示されている。
【0018】
前述のものなどの光防御材に適合する新規な紫外線遮蔽系の恩恵を受ける必要がある。
【0019】
UVAおよび/またはUVBスペクトルをカバーするのに使用でき、完全に無害で、環境に対して不活性で、光安定性があり、光反応性ではなく、それらを含有する組成物の他の構成成分と相溶性の問題を有しておらず、包装材の材料の機械的特性を低下させない、不溶性遮蔽材の恩恵を受ける必要がある。
【0020】
完全に無害で、環境に対して不活性で、光安定性があり、光反応性ではなく、それらを含有する組成物の他の構成成分と相溶性の問題を有しておらず、包装材の材料の機械的特性を低下させない着色効果材料の恩恵を受ける必要がある。
【0021】
また、粒子に破砕されても光学的特性が僅かしか影響を受けない、または全く影響を受けない、複数部分からなる構造を有する、特にポリマー多層干渉構造を有するすぐに入手可能なポリマーフィルムが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は、前述の必要性の一部または全部を満足することを目的としており、フォトニック材料、特にフォトニックゲルから得られるフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子の使用を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明のポリマー多層干渉構造を有する粒子を示す図である。
【図2】本発明のポリマー多層干渉構造を有するフィルムおよび粒子の製造方法の一例を示す図である。
【図3】膨潤剤と接触する前の、支持体S上に堆積したフォトニックゲル1を概略的且つ部分的に示す図である。
【図4】膨潤剤と接触した後の図3のフォトニックゲル1を示す図である。
【図5】出版物、Nat Mat.Vol 6,957−960,2008に記載のPS−P2VPフォトニックゲルの2つの吸収スペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
「光防御」用途
光防御組成物およびフィルム
第1の例示的実施形態では、本発明は、フォトニック材料の粒子を含む光防御組成物、特に化粧料組成物を提供する。
【0025】
フォトニック材料の粒子は、特に、少なくとも2層がポリマーを含むポリマー多層干渉構造を有する粒子であってもよい。前記ポリマーは、前記構造の少なくとも2層を形成する両親媒性ポリマーであってもよい。換言すれば、前記構造の少なくとも2層は、両親媒性ポリマーによって形成されてもよい。
【0026】
本発明に関して、「光防御組成物」という用語は、任意の物質、特にヒトケラチン物質を紫外線から保護することができる組成物を意味するのに使用される。特に、光防御組成物は、前記物質に塗布する前に測定した透過率が、250nm〜400nmの範囲の少なくとも1つの波長で、より好ましくは前記範囲全体にわたって、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、あるいは、より好ましくは1%以下である。250nm〜400nmの範囲における透過率が低いとき、遮蔽効果がずっと高い。
【0027】
本発明に関して、「フォトニック材料」という用語は、電磁放射線に干渉し、それを変化させることができる周期的に配置された複数の異なる部分を含むポリマー材料に対して使用され、その少なくとも第1の部分と第2の部分はそれぞれ各誘電率を有し、変化を引き起こす刺激を受けたとき、10nm〜10マイクロメートルの連続波長域に対してそれらの部分の誘電率の比が少なくとも1となるように、電磁放射線を少なくとも5nm寸法的に変化させる能力をそれぞれ有する。
【0028】
本発明に関して、「ポリマー多層干渉構造」という用語は、少なくとも2層、好ましくは3層以上のポリマーの積層体に対して使用され、積層体は、用途に応じて、例えば紫外線を遮蔽し、例えばUVAから保護し、それによって皮膚の褐色化を制限するように、および/または色を発現するように、および/または肌色を明るくようするように、および/またはスペクトル反射率が変化するように、干渉を生じさせることができる。
【0029】
干渉は、250nm〜800nmの波長範囲に1つ以上の透過極小を含む透過スペクトル、または1つ以上の反射ピークを含む反射スペクトルを有する、ポリマー多層干渉構造を提供し得る。
【0030】
「両親媒性ポリマー」という用語は、親水基と疎水基を含むポリマーを意味するものと理解すべきである。両親媒性ポリマーは、例えば、少なくとも1つの親水性ブロックと少なくとも1つの疎水性ブロックを含むブロック共重合体であってもよい。
【0031】
他の例示的実施形態によれば、本発明は、紫外線遮蔽剤を内包するポリマーを含むフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む組成物、特に化粧料組成物を提供する。ポリマーは、例えば両親媒性ポリマー、例えば前述の両親媒性ポリマーである。
【0032】
「紫外線遮蔽剤を内包するポリマー」という用語は、紫外線遮蔽性を有し、前記ポリマーを形成する群とは異なる粒子が、前記ポリマーによって形成される構造に閉じ込められていることを意味するものと理解すべきである。換言すれば、紫外線遮蔽剤は、前記ポリマーによって形成される構造中に添加されている。
【0033】
他の例示的実施形態によれば、本発明は、物質、特にヒトケラチン物質に施与される太陽紫外線から光防御するフィルムを提供し、本フィルムは、太陽紫外線を遮蔽するフォトニック材料、特に多層干渉構造を含み、その構造の少なくとも2層は両親媒性ポリマーを含む。
【0034】
両親媒性ポリマーは、太陽紫外線を遮蔽するポリマー多層干渉構造の少なくとも2層を形成し得る。換言すれば、粒子の場合と同様に、構造の少なくとも2層は両親媒性ポリマーによって形成されてもよい。
【0035】
他の例示的実施形態によれば、本発明は、物質、特にヒトケラチン物質に施与される光防御フィルムを提供し、本フィルムは、例えば前述のような、紫外線遮蔽剤を内包するポリマーを含むフォトニック材料、より詳細にはポリマー多層干渉構造を含む。
【0036】
前述の光防御フィルムは、例えば、少なくとも1種類の合成または天然ポリマーから製造される物質、有機または無機ガラス、および少なくとも天然繊維および/または人造繊維および/または合成繊維を含む物質(テキスタイルまたは紙など)から選択される物質に施与されてもよい。
【0037】
光防御フィルムの配合は、目的の物質、特にケラチン物質に施与される前に測定した透過率が、250nm〜400nmの範囲の少なくとも1つの波長で、より好ましくは前記範囲全体にわたって、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、あるいは、より好ましくは1%以下となるように選択される。250nm〜400nmの範囲における透過率が低いとき、遮蔽効果がさらに高い。
【0038】
製造方法
他の例示的実施形態では、本発明は前述の光防御組成物の製造方法を提供し、前記方法は:
a)膨潤剤をフォトニック材料、特に、少なくとも2層が両親媒性ポリマーを含むポリマー多層構造を有するフォトニック材料と接触させる工程;
b)フォトニック材料のフィルム、特に、少なくとも2層が両親媒性ポリマーを含むポリマー多層構造を有するフィルムを破砕して、最大寸法100μm以下および/または最小寸法100nm以上のフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層構造を有する粒子にする工程;および
c)工程a)および工程b)の実施後に得られるフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を、適した媒体に分散させる工程;
を含み、
工程b)は、工程a)の前または後に実施される。
【0039】
他の例示的実施形態によれば、本発明は前述の光防御組成物の製造方法を提供し、前記方法は:
a)紫外線遮蔽剤を溶解含有する膨潤剤をフォトニック材料、特にポリマー多層構造を有するフォトニック材料と接触させる工程;
b)フォトニック材料のフィルム、特にポリマー多層構造を有するフィルムを破砕して、最大寸法100μm以下および/または最小寸法100nm以上のフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層構造を有する粒子にする工程;および
c)工程a)および工程b)の実施後に得られるフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を、適した媒体に分散させる工程;
を含み、
工程b)は、工程a)の前または後に実施される。
【0040】
前述の方法で製造される光防御組成物は光防御化粧料組成物であってもよく、このとき工程c)の分散は、化粧料として許容される媒体中で行われる。
【0041】
光防御組成物およびフィルムの使用
他の例示的実施形態によれば、本発明は、太陽紫外線から物質を光防御する方法を提供し、本方法は:
−フォトニック材料の粒子、より詳細には、少なくとも2層が両親媒性ポリマーを含むポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む光防御組成物で前記物質を処理する工程;または
−少なくとも前記組成物を前記物質に一体化する工程;
を含む。
【0042】
他の例示的実施形態によれば、本発明は、ヒトケラチン物質を太陽紫外線から光防御する非治療的方法、特に化粧方法を提供し、本方法は、フォトニック材料の粒子、より詳細には、少なくとも2層が両親媒性ポリマーを含むポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む光防御化粧料組成物を、ヒトケラチン物質に塗布する工程を含む。
【0043】
本発明の他の例示的実施形態は、また、太陽紫外線からヒトケラチン物質を光防御する方法、特に皮膚癌の発症リスクを低減する方法に使用される生理学的に許容される組成物、特に化粧料組成物を提供し、前記組成物は、フォトニック材料の粒子、より詳細には、少なくとも2層が両親媒性ポリマーを含むポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む。特記しない限り、前記組成物は本発明の化粧料組成物の特徴を全て有してもよい。
【0044】
他の例示的実施形態によれば、本発明は、インキ、塗料、またはコーティングを光防御する方法を提供し、本方法は、前記インキまたは前記塗料または前記コーティングに、フォトニック材料の粒子、より詳細には、少なくとも2層が両親媒性ポリマーを含むポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む、少なくとも1種類の組成物を配合する工程を含む。
【0045】
他の例示的実施形態によれば、本発明は、少なくとも1種類の合成または天然ポリマーから製造される物質を光防御する方法を提供し、本方法は:
−前記ポリマーを、フォトニック材料の粒子、より詳細には少なくとも2層が両親媒性ポリマーを含むポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む組成物で処理する工程;または前記組成物を前記物質に一体化する工程;
を含む。
【0046】
他の例示的実施形態によれば、本発明は、有機または無機ガラスを光防御する方法を提供し、本方法は:
−フォトニック材料の粒子、より詳細には少なくとも2層が両親媒性ポリマーを含むポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む、少なくとも1種類の組成物で前記ガラスを処理する工程;または、前記組成物を前記ガラスに一体化する工程;
を含む。
【0047】
他の例示的実施形態によれば、本発明は、少なくとも天然繊維および/または人造繊維および/または合成繊維を含む物質(テキスタイルまたは紙など)を光防御する方法を提供し、本方法は:
−フォトニック材料の粒子、より詳細には少なくとも2層が両親媒性ポリマーを含むポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む、少なくとも1種類の組成物で前記物質を処理する工程;または前記組成物を前記物質に一体化する工程、
を含む。
【0048】
他の例示的実施形態によれば、本発明は太陽紫外線から物質を光防御する方法を提供し、本方法は:
−紫外線遮蔽剤を内包するポリマー(例えば、前述の両親媒性ポリマー)を含むフォトニック材料の粒子、より詳細にはポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む光防御組成物で前記物質を処理する工程;または
−少なくとも前記組成物を前記物質に一体化する工程;
を含む。
【0049】
他の例示的実施形態によれば、本発明はヒトケラチン物質を太陽紫外線から光防御する非治療的方法、特に化粧方法を提供し、本方法は、紫外線遮蔽剤を内包するポリマー(例えば、前述の両親媒性ポリマー)を含むフォトニック材料の粒子、より詳細にはポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む光防御化粧料組成物をヒトケラチン物質に塗布する工程を含む。
【0050】
本発明の他の例示的実施形態は、また、太陽紫外線からヒトケラチン物質を光防御する方法、特に皮膚癌の発症リスクを低減する方法に使用される、生理学的に許容される組成物、特に化粧料組成物も提供し、前記組成物は、紫外線遮蔽剤を内包するポリマー(例えば、前述の両親媒性ポリマー)を含むフォトニック材料の粒子、より詳細にはポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む。特記しない限り、前記組成物は本発明の化粧料組成物の特徴を全て有してもよい。
【0051】
他の例示的実施形態によれば、本発明はインキ、塗料またはコーティングを光防御する方法を提供し、本方法は、紫外線遮蔽剤を内包するポリマー(例えば、前述の両親媒性ポリマー)を含むフォトニック材料の粒子、より詳細にはポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む少なくとも1種類の組成物を前記インキまたは塗料または前記コーティングに配合する工程を含む。
【0052】
他の例示的実施形態によれば、本発明は少なくとも1種類の合成または天然ポリマーから製造される物質を光防御する方法を提供し、本方法は:
−前記ポリマーを、紫外線遮蔽剤を内包するポリマー(例えば、前述の両親媒性ポリマー)を含むフォトニック材料の粒子、より詳細にはポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む組成物で処理する工程;または、前記組成物を前記物質に一体化する工程、
を含む。
【0053】
他の例示的実施形態によれば、本発明は有機または無機ガラスを光防御する方法を提供し、本方法は:
−紫外線遮蔽剤を内包するポリマー(例えば、前述の両親媒性ポリマー)を含むフォトニック材料の粒子、より詳細にはポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む、少なくとも1種類の組成物で前記ガラスを処理する工程;または、前記組成物を前記ガラスに一体化する工程;
を含む。
【0054】
他の例示的実施形態によれば、本発明は少なくとも天然繊維および/または人造繊維および/または合成繊維を含む物質(テキスタイルまたは紙など)を光防御する方法を提供し、本方法は:
−紫外線遮蔽剤を内包するポリマー(例えば、前述の両親媒性ポリマー)を含むフォトニック材料の粒子、より詳細にはポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む、少なくとも1種類の組成物で前記物質を処理する工程;または、前記組成物を前記物質に一体化する工程;
を含む。
【0055】
例として、本発明の光防御方法に使用される組成物およびフィルムの、ケラチン物質に適用する前に測定したSPF指数は、少なくとも10、より好ましくは少なくとも15、より好ましくは少なくとも30、45、または60である。SPF(サンスクリーンプロテクションファクター)指数は、論文“A new substrate to measure sunscreen protection factors throughout the ultraviolet spectrum”,J Soc Cosmet Chem,40,127−133(May/June 1989)に定義されている。
【0056】
「蛍光」用途
組成物およびフィルム
他の例示的実施形態では、本発明は、例えば前述のような、蛍光剤を内包するポリマーを含むフォトニック材料の粒子、より詳細にはポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む化粧料組成物を提供する。ポリマーは、例えば、両親媒性ポリマーであってもよい。
【0057】
「蛍光剤を内包するポリマー」という用語は、蛍光特性を有し、前記ポリマーを形成する群とは異なる粒子が前記ポリマーによって形成される構造に閉じ込められていることを意味するために使用される。換言すれば、蛍光特性を有する粒子が、前記ポリマーによって形成される構造中に添加されている。
【0058】
製造方法
他の例示的実施形態では、本発明は、例えば前述のような、蛍光剤を内包するポリマーを含むフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む化粧料組成物の製造方法を提供し、前記方法は:
a)蛍光剤を溶解含有する膨潤剤をフォトニック材料、特にポリマー多層構造を有するフォトニック材料と接触させる工程;
b)フォトニック材料のフィルム、特に、前記ポリマー多層構造を有するフィルムを破砕して、最大寸法100μm以下および/または最小寸法100nm以上のフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層構造を有する粒子にする工程;および
c)工程a)および工程b)の実施後に得られるフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を化粧料として許容される媒体に分散させる工程;
を含み、
工程b)は、工程a)の前または後に実施される。
【0059】
組成物およびフィルムの使用
他の例示的実施形態では、本発明はヒトケラチン物質の色を明るくする方法を提供し、本方法は、例えば前述のような、蛍光剤を内包するポリマーを含むフォトニック材料の粒子、より詳細にはポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む化粧料組成物を塗布する工程を含む。
【0060】
他の例示的実施形態によれば、本発明はヒトケラチン物質に施与される肌色を明るくするためのフィルムを提供し、本フィルムは、例えば前述のような、蛍光剤を内包するポリマーを含むフォトニック材料、より詳細にはポリマー多層干渉構造を含む。
【0061】
「着色」用途
組成物およびフィルム
他の例示的実施形態では、本発明は、可視色を発現するフォトニック材料の粒子、より詳細にはポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む化粧料組成物を提供する。
【0062】
他の例示的実施形態によれば、本発明は、例えば前述のような、着色剤を内包するポリマーを含むフォトニック材料の粒子、より詳細にはポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む化粧料組成物を提供する。
【0063】
「着色剤を内包するポリマー」という用語は、前記ポリマーを形成する群とは異なる着色剤が、前記ポリマーによって形成される構造に閉じ込められていることを意味するために使用される。換言すれば、着色剤が、前記ポリマーによって形成される構造中に添加されている。
【0064】
他の例示的実施形態によれば、本発明は、ヒトケラチン物質に施与される化粧用のフィルム、例えば、肌色を均一にするためのフィルムを提供し、本フィルムは、可視色を発現するフォトニック材料の粒子、より詳細にはポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む。
【0065】
他の例示的実施形態によれば、本発明は、ヒトケラチン物質に施与される、化粧用のフィルム、例えば、肌色を均一にするためのフィルムを提供し、本フィルムは、着色剤を内包するポリマーを含むフォトニック材料構造、特にポリマー多層干渉構造を含む。
【0066】
ポリマー多層干渉構造を有する粒子は、前述の両親媒性ポリマーを含んでもよい。
【0067】
製造方法
他の例示的実施形態では、本発明は、例えば両親媒性ポリマーを含み、可視色を発現するフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む化粧料組成物の製造方法を提供し、本方法は:
a)膨潤剤をフォトニック材料、特にポリマー多層構造を有するフォトニック材料と接触させる工程;
b)フォトニック材料のフィルム、特にポリマー多層構造を有するフィルムを破砕して、最大寸法100μm以下および/または最小寸法100nm以上のフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層構造を有する粒子にする工程;および
c)工程a)および工程b)の実施後に得られる前記粒子を化粧料として許容される媒体に分散させる工程;
を含み、
工程b)は、工程a)の前または後に実施される。
【0068】
他の例示的実施形態によれば、本発明は、例えば前述のような、着色剤を内包するポリマーを含むフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む化粧料組成物の製造方法を提供し、前記方法は:
a)フォトニック材料、特にポリマー多層構造を有するフォトニック材料を、着色剤を溶解含有する膨潤剤と接触させる工程;
b)フォトニック材料のフィルム、特にポリマー多層構造を有するフィルムを破砕して、最大寸法100μm以下および/または最小寸法100nm以上のフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層構造を有する粒子にする工程;
c)工程a)および工程b)の実施後に得られる前記粒子を化粧料として許容される媒体に分散させる工程;
を含み、
工程b)は工程a)の前または後に実施される。
【0069】
組成物およびフィルムの使用
他の例示的実施形態では、本発明は、化粧方法、例えば、肌色を均一にする方法を提供し、本方法は、例えば前述の両親媒性ポリマーを含み、可視色を発現するフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む化粧料組成物をヒトケラチン物質に塗布する工程を含み、前記方法はさらに、処置されるケラチン物質の色および/またはスペクトル反射率に応じて組成を選択する工程を含んでもよい。
【0070】
他の例示的実施形態によれば、本発明は、化粧方法、例えば、肌色を均一にする方法を提供し、本方法は、着色剤を内包するポリマー(例えば、前述の両親媒性ポリマー)を含むフォトニック材料の粒子、より詳細にはポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む化粧料組成物をヒトケラチン物質に塗布する工程を含み、前記方法はさらに、処置されるケラチン物質の色および/またはスペクトル反射率に応じて組成を選択する工程を含んでもよい。
【0071】
フォトニック材料およびポリマー多層干渉構造
材料の様々な部分の特定の構造配置および前記部分の誘電率により、少なくとも一方向で、材料に照射された特定の周波数の電磁放射線を反射させることができる。材料の様々な部分の構造配置および前記部分の誘電率により、1つまたは複数の特定の周波数付近の光線を回折または反射するフォトニック材料を形成することができる。特に、ポリマーフォトニック材料は、変化を引き起こす刺激により、寸法、形状、誘電率、屈折率、色、または他のパラメータを含む少なくとも1つの物理的特性、化学的特性、または誘電特性の変化を生じさせることができる少なくとも1つのポリマー部分を含有する。この変化により、フォトニック材料によって回折される電磁放射線の波長が変化する。一例として、溶媒タイプの膨潤剤でフォトニック材料の1部分を膨潤させることにより、寸法の変化(即ち、体積変化)を生じさせることができる。寸法変化により、フォトニック材料の構造配置、およびその結果としてフォトニック材料の1部分の誘電率を変化させることができる、または、それによりフォトニック材料によって反射される電磁放射線を変化させることができる。一例として、光学的特性の変化は、特に、類似部分間の周期的な間隔により起こり得る。フォトニック材料は、体積または別の寸法の変化を生じさせる変化を引き起こす刺激に反応する第1の部分と、反応しないまたは別のタイプの刺激に反応する第2の部分を含んでもよい。
【0072】
フォトニック材料またはフォトニック結晶は、可視、紫外、赤外、およびマイクロ波波長を含む広い波長領域にわたり電磁放射線を回折および/または反射することができる。ある場合には、それらは、100nm〜1600nmの範囲の波長を有する電磁放射線を回折することができる。他の場合には、フォトニック材料は、外部刺激の作用を受けて、約600%の顕著な波長シフトを示すことができる。
【0073】
本発明の特定の実施形態では、変化を引き起こす刺激(即ち、膨潤剤)の影響を受けて、それらの少なくとも1部分の電磁放射線の寸法が別の部分と比較して変化し、回折される電磁放射線の1つの波長が少なくとも10nm、少なくとも25nm、少なくとも50nm、少なくとも150nm、少なくとも200nm、または少なくとも250nm変化する。
【0074】
本発明のフォトニック材料は、回折される電磁放射線の波長を少なくとも50%、少なくとも25%、または少なくとも10%変化させることもできる。一例として、変化を引き起こす刺激の存在下で、それらの少なくとも1部分の電磁放射線の寸法が他の部分と比較して変化し、フォトニック材料によって回折される電磁放射線の1つの波長が少なくとも1%、5%、10%、25%またはそれより多く変化し得る場合、本発明のフォトニック材料は700nmより長波長の電磁放射線(赤外、マイクロ波)を回折させることができる。前記回折される波長の変化率は、次式:
[(λ−λ)/λ]×100
を使用して算出することができ、式中、λは、変化を引き起こす刺激と接触する前のまたは変化を引き起こす刺激の非存在下における、回折される波長のピークに対応し、λは、変化を引き起こす刺激との接触中に回折される波長のピークに対応する。
【0075】
本発明のフォトニック材料は米国特許出願公開第2009/0086208号明細書に記載されており、それらは、その文献に記載されている方法を使用して製造される。
【0076】
フォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造を有するフォトニック材料のフィルムおよび粒子
本発明に関して、「フォトニック材料」、特に「ポリマー多層干渉構造」という用語は、フォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造を有するフォトニック材料のフィルムおよび粒子を包含する。
【0077】
本発明に関して、フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子が化粧料組成物中に存在してもよい。
【0078】
全組成物重量に対する、フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子の重量含有率は、0.1%〜50%の範囲、例えば1%〜20%の範囲、例えば5%〜15%の範囲であってもよい。
【0079】
フォトニック材料のフィルム、特にポリマー多層干渉構造を有するフィルムを使用することも可能であり、前記フィルムは、ケラチン物質ならびに前述のものなどの物質に施与することも可能である。
【0080】
前記フィルムは、例えば、太陽紫外線から保護するために、または肌色を明るくするために、または化粧するために、例えば肌色を均一にするために、ケラチン物質の外面の一部に局所的に堆積されてもよい。
【0081】
前記フィルムは任意の型に切断されてもよく、例えば、皮膚の欠陥、即ち、しみ、皺、白斑等を隠蔽するのに使用されてもよい。
【0082】
本発明のフィルムは任意選択により粘着性であってもよい。フィルムは、例えばケラチン物質、例えば皮膚に施与されることが意図されている場合、粘着性であってもよい。本発明のフィルムは、ケラチン物質上にin situで形成されてもよい。
【0083】
ポリマー多層干渉構造のサイズおよび形状
図1は、本発明のポリマー多層干渉構造を有する粒子を示す。
【0084】
膨潤剤の非存在下または存在下で、粒子の長さLおよび幅Lは1μm〜100μmの範囲であってもよい。
【0085】
粒子の厚さLは、膨潤剤の非存在下では0.1μm〜50μmの範囲、膨潤剤の存在下では0.1μm〜100μmの範囲であってもよい。
【0086】
膨潤剤の非存在下または存在下で、ポリマー多層干渉構造を有する粒子の最大寸法は、100μm以下であってもよい。
【0087】
膨潤剤の非存在下で、粒子の最大寸法は100μm以下、例えば75μm以下、例えば50μm以下であってもよい。
【0088】
膨潤剤の非存在下または存在下で、ポリマー多層干渉構造を有する粒子の最小寸法は0.1μm以上、例えば1μm以上であってもよい。
【0089】
ポリマー多層干渉構造を有するフィルムの最大寸法は、1mm〜50cmの範囲であってもよい。
【0090】
ポリマー多層干渉構造の形状係数(form factor)は、1〜1000の範囲であってもよい。
【0091】
「形状係数」という用語は、ポリマー多層干渉構造の最大寸法と最小寸法の比を意味する。
【0092】
ポリマー多層干渉構造は平板状であってもよい、即ち、形状係数が少なくとも3、例えば少なくとも10であってもよい。
【0093】
ポリマー多層干渉構造は、例えば、両親媒性ポリマーの存在に関連付けられるラメラ構造を有してもよい。両親媒性ポリマーはラメラ構造を有してもよい。
【0094】
ポリマー多層干渉構造は、少なくとも3層、例えば少なくとも5層、10層または50層を含んでもよい。
【0095】
ポリマー多層干渉構造は100層未満を含んでもよい。
【0096】
ポリマー多層干渉構造の製造方法
前述のように、ポリマー多層干渉構造を有する粒子は、E.Thomasによる出版物:Nat Mat Vol 6,957−960,2008およびJ Am Chem Soc 2009,131,7538−7539に記載のように製造され得るフォトニックゲルから得られてもよい。
【0097】
図2は、本発明のポリマー多層干渉構造を有するフィルムおよび粒子の製造方法の一例を示す。
【0098】
フォトニックゲルは、例えば、フィルムプラー(puller)で展延することにより、ディップコートすることにより、またはスピンコートすることにより、および任意の印刷法により、例えば、両親媒性ブロックポリマーを溶媒に溶解した溶液をインクジェット印刷することにより、フィルムの形態で得られる(工程I)。支持体上に堆積されると、それは多層ポリマー構造、例えばラメラ構造に自発的に組織化する。その場合、フォトニックゲルは交互に積層した親水層と疎水層を含む。
【0099】
フォトニックゲルの多層構造の層数は100以下であってもよく、乾燥後の厚さは15μm以下であってもよい。
【0100】
堆積後、膨潤剤の非存在下で、フォトニックゲルは250nm〜800nmの波長範囲で干渉特性を有する必要はない。
【0101】
例えば、出版物、Nat Mat Vol 6,957−960,2008に記載のように、1−ブロモエタンとの接触により、フォトニックゲルを四級化してもよい。
【0102】
詳細に後述する性質を有する膨潤剤との接触(工程III)により、フォトニックゲルの膨潤が、例えば、その親水層または疎水層で起こり得、このようにしてポリマー多層干渉構造が生じ得る。
【0103】
下記に詳述するように、1種類以上の紫外線遮蔽剤および/または1種類以上の蛍光剤および/または1種類以上の着色剤をポリマー多層構造に導入するために、膨潤剤との接触工程を有利に使用することができる。
【0104】
干渉波長は、濃度、様々な層間の屈折率の差、膨潤剤のpH、ポリマー多層干渉構造中に存在するポリマーの分子量および架橋度に応じて変化し得る。これらのパラメータを変化させることによって、例えば、全UVAまたはUVBスペクトルをカバーすることが可能である。
【0105】
図3および図4では、分かり易くするために、図示する様々な要素の相対的割合は必ずしも維持しなかった。
【0106】
図3は、膨潤剤と接触する前の、支持体S上に堆積したフォトニックゲル1を概略的且つ部分的に示す。
【0107】
このフォトニックゲル1は、例えば、図示するように、親水性10ラメラ層と疎水性20ラメラ層を交互に積層することによって構成され得るポリマー多層構造を含む。
【0108】
図3に示す実施形態では、フォトニックゲルは、例えば、250nm〜800nmの範囲の波長を有する放射線Rに対して透明である。
【0109】
「透明」という用語は、フォトニックゲルが450nm〜800nmの波長範囲にバンドギャップを有していないことを意味する。一例として、フォトニックゲルは、当該波長範囲で80%以上、例えば90%の透過率を有してもよい。
【0110】
図4は、膨潤剤と接触した後の図3のフォトニックゲル1を示す。図4の例では、疎水層20のみが膨潤剤に対する感受性を有する。
【0111】
変形態様では、親水層10のみが膨潤剤に対する感受性を有する可能性がある。
【0112】
図示するように、膨潤剤との接触により、フォトニックゲル1が放射線Rを反射し、例えば、太陽紫外線に対する光防御特性を付与するおよび/または可視色を発現することが可能となり得る。膨潤工程を実施した後、本発明のフィルムを使用してもよい。
【0113】
ポリマー多層構造を膨潤剤と接触させた後、好ましくは破砕工程の前または後に、フォトニックゲルを凝固させる凝固工程(工程IV)を実施してもよい。それは、ポリマー多層構造を凝固剤と接触させる工程を含んでもよく、凝固剤は、シリカもしくはその前駆体(例えば、TEOS)などの無機物質、またはグリコール、例えば、グリセリン、ジプロピレングリコール、ソルビトール、ブチレングリコール、400g/mol〜50000g/molの範囲の分子量を有するPEGなどであってもよい。ゾルゲル法においてシリカ前駆体であるTEOSを使用する凝固工程が、出版物、J Am Chem Soc 2009,131,7538−7539に記載されている。
【0114】
凝固工程の実施は、粒子を化粧料として許容される媒体に分散させた後、粒子がその物理化学的特性、とりわけその干渉特性を維持できることを意味し得る。
【0115】
凝固剤を含むポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む組成物は、塗布中、および組成物をケラチン物質に塗布した後、少なくとも2時間、例えば3時間、その干渉特性を維持できる。
【0116】
凝固剤を含むポリマー多層干渉構造を有するフィルムは、施与中、および組成物をケラチン物質に塗布した後、少なくとも2時間、例えば3時間、その干渉特性を維持できる。
【0117】
図2に示すように、膨潤剤と接触させる工程の後、および凝固剤と接触させる任意の工程の後、フォトニックゲルのポリマー多層構造を破砕する破砕工程(V)を実施してもよい。変形態様では、膨潤剤と接触させる工程の前に破砕工程を実施し、その後、任意の凝固工程を実施することも可能である。
【0118】
破砕は、例えば、レーザー切断、またはエアジェットミル、クライオミル、ボールミル、または湿式ミルで行ってもよい。
【0119】
膨潤剤
幾つかの例示的実施形態では、フォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造はさらに、膨潤剤(特に、不揮発性膨潤剤)を、前記材料の一方または両方の部分を膨潤させることができる量で含んでもよい。フォトニック材料がポリブタジエン/スチレンブロック共重合体を含む場合、そのポリブタジエン部分を膨潤させるために、膨潤剤は、例えば、鉱物油であってもよい。
【0120】
例えば、水性溶媒または有機溶媒などの任意の適切な溶媒を膨潤剤として使用してもよい。本発明の幾つかの特定の実施形態では、酸性、中性、または塩基性の溶媒を使用してもよい。
【0121】
本発明に関して、フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子は、膨潤剤を含んでもよい。
【0122】
膨潤剤は、フォトニック材料の膨潤が起こる部分、特にポリマー多層干渉構造の膨潤が起こる層の性質に応じて、親水性であってもまたは疎水性であってもよい。
【0123】
膨潤剤は、少なくとも1種類の光学活性物質、例えば、紫外線遮蔽剤、蛍光剤、着色剤、およびこれらの混合物を溶解含有してもよい。
【0124】
光学活性物質は、例えば、疎水性であっても、または親水性であってもよい。
【0125】
膨潤剤は、例えば、光学活性物質の混合物、例えば、紫外線遮蔽剤と蛍光剤の混合物、紫外線遮蔽剤と着色剤の混合物、蛍光剤と着色剤の混合物、あるいは紫外線遮蔽剤と蛍光剤と着色剤との混合物を含んでもよい。
【0126】
膨潤剤として水、ならびに、0.01M〜5Mの範囲の濃度を有する有機または無機塩水、例えば、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、カルシウム塩または銅塩の溶液、リン酸塩の溶液、またはアンモニウム塩の溶液などを使用することが可能である。
【0127】
また、グリセリン、400g/mol〜50000g/molの範囲の分子量を有するPEG、少なくとも1重量%の割合で水に可溶な単糖類、二糖類、およびオリゴ糖類、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、ブチレングリコール、水溶性ポリオール、水混和性の低級アルコール、例えば、メタノール、エタノールまたはイソプロパノール、または1−ブタノールを膨潤剤として、単独で、混合物として、または水溶液として、任意の割合で使用することも可能である。
【0128】
「低級アルコール」という用語は、炭素数6未満のアルコールを意味する。
【0129】
他の適した溶媒の例としては、ベンゼン、アセトン、β−メチル酪酸、α−エチル酪酸、2,2,2−トリフルオロエタノール、1−ブタノール、1,4−ブタンジオール、クロロホルム、ブロモエタン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ブタン−2−オン、ジビニルベンゼン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、および酢酸溶液を挙げることができる。
【0130】
膨潤剤は、さらに、紫外線遮蔽剤溶液、例えば、中和されたまたは中和されていない有機紫外線遮蔽剤溶液を含んでも、あるいはそれからなってもよい。次の溶液:テレフタリリデンジカンファースルホン酸(例えば、Mexoryl SX)またはフェニルベンズイミダゾールスルホン酸(例えば、Eusolex 232)を挙げることができる。
【0131】
1種または複数種の非中和有機紫外線遮蔽剤の溶液の使用は、pHが変化し得る、従って、フォトニック材料、とりわけポリマー多層構造、例えば両親媒性ポリマーの膨潤も変化し得ることを意味する。
【0132】
また、フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子、例えば両親媒性ポリマーが、少なくとも、疎水性で膨潤剤に対する感受性のある部分、特に、層を含む場合、膨潤剤は、例えば、ラウロイルイソプロピルサルコシネート、オクチルドデカノール、安息香酸C12〜C15アルキル(Finsolv TN)、ウンデカンおよびトリデカンなどの極性油、ならびに、例えば、有機遮蔽剤の油性溶液から選択してもよい。
【0133】
膨潤剤のpHは1〜12の範囲であってもよい。膨潤剤のpHは、例えば、酢酸、乳酸、塩酸、硝酸、硫酸、マレイン酸、およびコハク酸、ならびに水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミンなどの塩基から選択される酸および塩基、またはリシンおよびアルギニンの溶液との接触により調整されてもよい。
【0134】
固定化剤(Fixing agent)
フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子は、固定化剤を含んでもよい。
【0135】
固定化剤は、例えば、シリカおよびその前駆体(例えば、TEOS)などの無機化合物、またはグリコール、例えば、グリセリン、ジプロピレングリコール、ソルビトール、ブチレングリコール、または400g/mol〜50000g/molの範囲の分子量を有するPEGから選択されてもよい。
【0136】
固定化剤とポリマー多層干渉構造の層の屈折率の差は、0.05〜1.5の範囲であってもよい。
【0137】
フォトニック材料およびポリマー多層干渉構造のポリマー
本発明のフォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造は、単独重合体、共重合体、ブロック共重合体、単独重合体の混合物、ブロック共重合体の混合物、単独重合体とブロック共重合体との混合物、着色剤などの添加剤または無機化合物が添加されたポリマー材料を含んでもよい。
【0138】
幾つかの例示的実施形態では、フォトニック材料は、ポリマーの混合物、またはポリマーと非ポリマーもしくは他のものとの混合物を含んでもよく、組成が異なるおよび/または化学的特性、物理的特性、または誘電特性が異なる少なくとも2つの部分を含んでもよい。
【0139】
さらに、本発明のフォトニック材料は、その少なくとも1部分の寸法、化学的特性または物理的特性を変化させるのに使用し得る他のポリマーまたは非ポリマー添加剤を含有してもよい。さらに、フォトニック材料の構造中に存在する非ポリマー添加剤は、周期構造中の2つの部分を分離する部位を構成してもよい。一例として、分離されたポリマー部分のサイズは、その部分の体積の一部を変化させることにより、例えば、補助的ナノ粒子、補助的単独重合体、補助的モノマー、または、in situで重合、グラフト化、および/または架橋される架橋性化合物を配合することにより、制御されてもよい。前述のものなどの添加剤は、その部分の数/タイプ、および/またはその部分の寸法を変化させるために使用することができるが、変化を引き起こす刺激の影響を受けてもフォトニック材料の挙動に影響を及ぼさないものである。
【0140】
ブロック共重合体
本発明のフォトニック材料中に存在するブロック共重合体により、異なる組成および/または異なる物理的特性を特徴とする別々の部分に配置された一次元、二次元、または三次元の周期構造を得ることができる。
【0141】
「周期構造」という用語は、少なくとも一方向の直線が構造を通り、少なくとも2つの別々の部分と規則的な間隔で交差するように配置された構造を意味するのに使用される。一例として、「一次元構造」とは、一方向の直線が構造を通り、少なくとも2つの分離された部分と規則的な間隔で交差するように、三次元直交座標系(X、Y、Z方向の成分)で配置され得る構造である。「二次元構造」とは、二方向の直線が構造を通り、少なくとも2つの別々の部分と規則的な間隔で交差するように、三次元座標系で配置され得る構造である。「三次元構造」とは、三方向のいずれかの直線が構造を通り、少なくとも2つの別々の部分と規則的な間隔で交差するように、三次元座標系で配置され得る構造である。さらに、「周期構造」という用語は、フォトニック材料中の類似の寸法と間隔を有する類似部分を特徴とする、規則的周期性のある部分を有する材料を指す。「部分」という用語は、フォトニック材料の明確に異なる部位を定義し、それを隣接部分または周囲部分のものと区別する特定の組成および/または特定の物理的特性によって特徴付けられる。
【0142】
フォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造を構成するポリマーは、両親媒性であってもよく、例えば、ブロック共重合体、例えば:
・A−Bの形態のジブロック共重合体であって、Aが、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリイソボルニルアクリレート、ポリイソボルニルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリN−tertブチルアクリルアミド、およびポリイソプロピルメタクリレートから選択される疎水性ブロックであり、Bが:
●例えば、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、およびポリ(N−ビニルピロリドン)から選択される親水性陽イオン性ブロック;
●例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(イタコン酸)、ポリ(フマル酸)、ポリ(クロトン酸)、ポリ(アクリルアミドグリコール酸)、およびポリ(アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸)から選択される親水性陰イオン性ブロック;もしくは
●例えば、ポリ(PEGメタクリレート)から選択される親水性非イオン性ブロック;
であるジブロック共重合体、
・A−B−Cの形態のトリブロック共重合体であって:
●AとCが、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリイソボルニルアクリレート、ポリイソボルニルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリN−tertブチルアクリルアミド、およびポリイソプロピルメタクリレートから選択される、異なる疎水性ブロックであり、Bが、
○例えば、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、およびポリ(N−ビニルピロリドン)から選択される親水性陽イオン性ブロック;
○例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(イタコン酸)、ポリ(フマル酸)、ポリ(クロトン酸)、ポリ(アクリルアミドグリコール酸)、およびポリ(アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸)から選択される親水性陰イオン性ブロック;もしくは
○例えば、ポリ(PEGメタクリレート)から選択される親水性非イオン性ブロック;
であるトリブロック共重合体、または
●Bが、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリイソボルニルアクリレート、ポリイソボルニルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリN−tertブチルアクリルアミド、およびポリイソプロピルメタクリレートから選択される疎水性ブロックであり、AとCが異なり、以下:
○例えば、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、およびポリ(N−ビニルピロリドン)から選択される親水性陽イオン性ブロック;
○例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(イタコン酸)、ポリ(フマル酸)、ポリ(クロトン酸)、ポリ(アクリルアミドグリコール酸)、およびポリ(アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸)から選択される親水性陰イオン性ブロック;もしくは
○例えば、ポリ(PEGメタクリレート)から選択される親水性非イオン性ブロック;
から選択されるトリブロック共重合体、
を含んでも、またはこれらのものであってもよい。
【0143】
疎水性ブロックと親水性陽イオン性ブロックを含む共重合体は、塩の形態であってもまたは四級化された形態であってもよい。
【0144】
前記ブロックのそれぞれの分子質量は、10000g/mol〜500000g/molの範囲であってもよい。
【0145】
疎水性ブロックと親水性陰イオン性ブロックを含む共重合体は、塩の形態であってもよい。
【0146】
前記ブロックのそれぞれの分子質量は、1000g/mol〜500000g/molの範囲であってもよい。
【0147】
MPEGの分子量は、500g/mol〜10000g/molの範囲であってもよい。
【0148】
当該実施形態はいずれも、親水性ブロックが膨潤剤に対する感受性を有していてもよい。
【0149】
変形態様では、疎水性ブロックは、膨潤剤に対する感受性を有していてもよい。例えば、疎水性ブロックがポリイソボルニルアクリレート、ポリイソボルニルメタクリレートおよびポリイソブチルメタクリレートから選択される場合、膨潤剤は、極性油または極性油に溶解したサンスクリーン剤の溶液であってもよい。
【0150】
フォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造は、両親媒性ポリマー、例えば、蛍光剤、および/または紫外線遮蔽剤、および/または着色剤を内包する両親媒性ポリマーを含んでもよく、両親媒性ポリマーは共重合体であってもよい。
【0151】
特に好ましくは、ポリマーは、ポリスチレン/ポリ(2−ビニルピリジン)ジブロック共重合体を含む。
【0152】
紫外線遮蔽剤
フォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造は、紫外線遮蔽剤を内包するポリマー(例えば、両親媒性ポリマー)を含んでもよい。
【0153】
フォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造、およびその中に存在する紫外線遮蔽剤は、波長250nm〜400nmの放射線に対する相補的遮蔽作用を有してもよい。
【0154】
紫外線遮蔽剤は、例えば、UVAが遮蔽され、皮膚の褐色化が制限されるように選択することができる。
【0155】
紫外線遮蔽剤は、有機紫外線遮蔽剤であってもよい。
【0156】
紫外線遮蔽剤は、疎水性であっても、または水溶性であってもよい。
【0157】
紫外線遮蔽剤は、膨潤剤に溶解することによって、フォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造に導入されてもよい。
【0158】
紫外線遮蔽剤は、本発明の組成物中に遊離状態で、即ち、フォトニック材料外に、特にポリマー多層干渉構造外に存在してもよい。
【0159】
簡略化するために、遊離状態で、またはフォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造中に紫外線遮蔽剤として使用し得る紫外線遮蔽剤の一覧を下記に記載する。
【0160】
320nm〜400nmの範囲の紫外線(UVA)を吸収できる疎水性遮蔽剤
ジベンゾイルメタン誘導体
・特に、「PARSOL 1789」の商標名でDSM Nutritional Products,Incにより販売されている、ブチルメトキシジベンゾイルメタン;
・イソプロピルジベンゾイルメタン。
【0161】
アミノベンゾフェノン
「UVINUL A+」の商標名でBASFにより販売されている、2−(4−ジエチルアミノ2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸n−ヘキシル。
【0162】
アントラニル酸誘導体
「NEO HELIOPAN MA」の商標名でSYMRISEにより販売されている、アントラニル酸メンチル。
【0163】
4,4−ジアリールブタジエン誘導体
1,1−ジカルボキシ(2,2’−ジメチル−プロピル)−4,4−ジフェニルジフェニルブタジエン。
【0164】
280nm〜320nmの範囲の紫外線(UVB)を吸収できる疎水性遮蔽剤
パラアミノ安息香酸エステル
・エチルPABA;「PABA」は、p−アミノ安息香酸を表す;
・エチルジヒドロキシプロピルPABA;
・エチルヘキシルジメチルPABA(ISP製のESCALOL 507)。
【0165】
サリチル酸誘導体
・「Eusolex HMS」の名称でRona/EM Industriesにより販売されている、ホモサレート;
・「NEO HELIOPAN OS」の名称でSYMRISEにより販売されている、サリチル酸エチルヘキシル;
・「DIPSAL」の名称でSCHERにより販売されている、サリチル酸ジプロピレングリコール;
・「NEO HELIOPAN TS」の名称でSYMRISEにより販売されている、サリチル酸TEA。
【0166】
桂皮酸エステル
・特に、「PARSOL MCX」の商標名でDSM Nutritional Products,Incにより販売されている、メトキシ桂皮酸エチルヘキシル;
・メトキシ桂皮酸イソプロピル;
・「NEO HELIOPAN E 1000」の商標名でSYMRISEにより販売されている、メトキシ桂皮酸イソアミル;
・メチル桂皮酸ジイソプロピル;
・シノキサート;
・エチルヘキサン酸ジメトキシ桂皮酸グリセリル。
【0167】
β,β’−ジフェニルアクリレート誘導体
・特に、「UVINUL N539」の商標名でBASFにより販売されている、オクトクリレン;
・特に、「UVINUL N35」の商標名でBASFにより販売されている、エトクリレン。
【0168】
ベンジリデンカンファー誘導体
・「MEXORYL SD」の商標名でCHIMEXにより製造されている、3−ベンジリデンカンファー;
・「EUSOLEX 6300」の商標名でMERCKにより販売されている、メチルベンジリデンカンファー;
・「MEXORYL SW」の名称でCHIMEXにより製造されている、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー。
【0169】
トリアジン誘導体
・特に、「UVINUL T150」の商標名でBASFにより販売されている、エチルヘキシルトリアゾン;
・「UVASORB HEB」の商標名でSIGMA 3Vにより販売されている、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン;
・2,4,6−トリス(ジネオペンチル4’−アミノベンザルマロネート)−s−トリアジン;
・2,4,6−トリス(ジイソブチル4’−アミノベンザルマロネート)−s−トリアジン;
・2,4−ビス(ジネオペンチル4’−アミノベンザルマロネート)−6−(4’−n−ブチルアミノベンゾエート)−s−トリアジン;
・2,4−ビス(n−ブチル4’−アミノベンゾエート)−6−(アミノプロピルトリシロキサン)−s−トリアジン;
・米国特許第6,225,467号明細書、国際公開第2004/085412号パンフレット(化合物6〜9参照)または文献“Symmetrical Triazine Derivatives”,IP.COM Journal,IP.COM INC WEST HENRIETTA,NY,US(20 September 2004)に記載の対称トリアジン遮蔽剤、特に、2,4,6−トリス−(ビフェニル)1,3,5−トリアジン(特に、2,4,6−トリス(ビフェニル−4−イル−1,3,5−トリアジン)、およびBEIERSDORFによる出願、国際公開第06/035000号パンフレット、国際公開第06/034982号パンフレット、国際公開第06/034991号パンフレット、国際公開第06/035007号パンフレット、国際公開第2006/034992号パンフレット、国際公開第2006/034985号パンフレットに記載の2,4,6−トリス(ターフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0170】
イミダゾリン誘導体
ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオン酸エチルヘキシル。
【0171】
ベンザルマロネート誘導体
・「PARSOL SLX」の商標名でDSM Nutritional Products,Incにより販売されているポリシリコーン15などの、ベンザルマロネート官能基を有するポリオルガノシロキサン;
・4’−メトキシベンザルマロン酸ジネオペンチル。
【0172】
メロシアニン誘導体
オクチル−5−N,N−ジエチルアミノ−2−フェニルスルホニル−2,4−ペンタジエノエート。
【0173】
UVAとUVBの両方を吸収できる混合疎水性遮蔽剤
ベンゾフェノン誘導体
・「UVINUL 400」の商標名でBASFにより販売されている、ベンゾフェノン−1;
・「UVINUL D50」の商標名でBASFにより販売されている、ベンゾフェノン−2;
・「UVINUL M40」の商標名でBASFにより販売されている、ベンゾフェノン−3またはオキシベンゾン;
・ベンゾフェノン−5;
・「Helisorb 11」の商標名でNorquayにより販売されている、ベンゾフェノン−6;
・「Spectra−Sorb UV 24」の商標名でAmerican Cyanamidにより販売されている、ベンゾフェノン−8;
・ベンゾフェノン−10;
・ベンゾフェノン−11;
・ベンゾフェノン−12。
【0174】
フェニルベンゾトリアゾール誘導体
・「Silatrizole」の名称でRHODIA CHIMIEにより販売されている、ドロメトリゾールトリシロキサン;
・固形状で「MIXXIM BB/100」の商標名でFAIRMOUNT CHEMICALにより、または微粒子状で水性分散液として「TINOSORB M」の商標名でCIBA SPECIALTY CHEMICALSにより販売されている、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール。
【0175】
ビス−レゾルシニルトリアジン誘導体
「TINOSORB S」の商標名でCIBA GEIGYにより販売されている、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン。
【0176】
ベンゾキサゾール誘導体
Uvasorb K2Aの名称でSigma 3Vにより販売されている、2,4−ビス−[5−1(ジメチルプロピル)ベンゾキサゾール−2−イル−(4−フェニル)−イミノ]−6−(2−エチルヘキシル)−イミノ−1,3,5−トリアジン。
【0177】
320nm〜400nmの範囲の紫外線(UVA)を吸収できる水溶性遮蔽剤
「MEXORYL SX」の名称でCHIMEXにより製造されている、テレフタリリデンジカンファースルホン酸。
欧州特許第0669323号明細書および米国特許第2,463,264号明細書に記載のビス−ベンゾアゾリル誘導体、より詳細には「NEO HELIOPAN AP」の商標名でHaarmann and REIMERにより販売されている化合物、フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸ニナトリウム。
【0178】
280nm〜320nmの範囲の紫外線(UVB)を吸収できる水溶性遮蔽剤
p−アミノ安息香酸誘導体(PABA)
・PABA;
・グリセリルPABA;および
・「UVINUL P25」の名称でBASFにより販売されている、PEG−25PABA;
・特に、「EUSOLEX 232」の商標名でMERCKにより販売されている、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸;
・フェルラ酸;
・サリチル酸;
・メトキシ桂皮酸DEA;
・「MEXORYL SL」の名称でCHIMEXにより製造されている、ベンジリデンカンファースルホン酸;
・「MEXORYL SO」の名称でCHIMEXにより製造されている、カンファーベンザルコニウムメトサルフェート。
【0179】
混合UVAおよびUVB水溶性遮蔽剤
少なくとも1つのスルホン酸基を含むベンゾフェノン誘導体
・「UVINUL MS40」の商標名でBASFにより販売されている、ベンゾフェノン−4;
・ベンゾフェノン−5;および
・ベンゾフェノン−9。
【0180】
蛍光剤
フォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造中に存在し得る蛍光剤は、IRまたはUV蛍光剤であってもよい。
【0181】
蛍光剤は、例えば、UVAを遮蔽し、皮膚の褐色化を制限するように選択されてもよい。
【0182】
本発明のフォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造は、白色光で照明したとき、それぞれ赤色、緑色、および青色を発現する3種類の異なる蛍光剤を含んでもよい。このような構造は、加算合成により白色光を発生させ、ケラチン物質の色を明るくする方法に使用することができる。
【0183】
蛍光剤は、例えば、スチルベン誘導体(特に、ポリスチリルスチルベンおよびトリアジンスチルベン)、クマリン誘導体(特に、ヒドロキシクマリンおよびアミノクマリン)、オキサゾール、ベンゾキサゾール、イミダゾール、トリアゾールまたはピラゾリン誘導体、ピレン誘導体およびポルフィリン誘導体、および/またはこれらの混合物の溶液から選択される蛍光増白剤であってもよい。
【0184】
このような化合物は、例えば、Tinopal SOPおよびUvitex OBの商標名で供給業者CIBA GEIGYから入手可能である。
【0185】
また、例えば、Tinopal CBS Xの商標名で供給業者CIBAから入手可能な、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウムの水溶液を蛍光増白剤として使用することも可能である。
【0186】
着色剤
着色剤は水溶性であっても、または脂溶性であってもよい。
【0187】
当該実施形態のいずれに関しても、着色剤がフォトニック材料中に、特にポリマー多層干渉構造中に、または遊離状態で、即ち前記構造外に存在してもよい。
【0188】
一例として、着色が望ましい場合、化粧料組成物は、例えば、フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子によって発現するものと実質的に同じ色を有し得る着色剤を遊離状態で含んでもよい。変形態様では、遊離状態の着色剤は、フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子によって発現するものとは異なる色を有してもよい。
【0189】
簡略化するために、遊離状態で、またはフォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造中に使用される着色剤の一覧を下記に記載する。
【0190】
脂溶性着色剤は、例えば、DCレッド17、DCレッド21、DCレッド27、DCグリーン6、DCイエロー11、DCバイオレット2、DCオレンジ5、スダンレッド、カロチン(β−カロチン、リコピン)、キサントフィル(カプサンシン、カプソルビン、ルテイン)、パーム油、スダンブラウン、キノリンイエロー、アナトー、およびクルクミンから選択されてもよい。
【0191】
水溶性着色剤は、例えば、FDCレッド4、DCレッド6、DCレッド22、DCレッド28、DCレッド30、DCレッド33、DCオレンジ4、DCイエロー5、DCイエロー6、DCイエロー8、FDCグリーン3、DCグリーン5、FDCブルー1、ベタニン(ビートの根)、カーミン、銅クロロフィリン、メチレンブルー、アントシアニン(エノシアニン、ブラックキャロット、ハイビスカス、ニワトコ)、およびリボフラビンから選択されてもよい。
【0192】
着色剤は、また、アントラキノン、カラメル、カーボンブラック、アズレンブルー、メトキサレン、トリオキサレン、グアイアズレン、カマズレン、ローズベンガル、コサイン10B(cosine 10B)、シアノシン、ダフィニン(daphinin)、ジュグロン(juglone)およびローソン(lawsone)から選択されてもよい。
【0193】
フォトニック材料、および特にポリマー多層干渉構造の光学的特性
本発明に関して、フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子の反射スペクトルおよび透過率は、前記粒子を適した媒体に分散させる前に測定される。
【0194】
フォトニック材料のフィルム、特にポリマー多層干渉構造を有するフィルムの反射および透過スペクトルは、目的の物質に、特にケラチン物質に施与する前に測定される。
【0195】
本発明のフォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造は、任意選択により角度依存多色性(goniochromatic)であってもよい。
【0196】
フォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造が可視色を発現する場合、それらは、任意選択により紫外線遮蔽性を有してもよい。
【0197】
フォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造が紫外線遮蔽性を有する場合、それらは任意選択により可視色を発現してもよい。
【0198】
太陽紫外線に対する光防御用途
フォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造は、例えば250nm〜400nmの波長範囲に、例えば290nm〜400nmの範囲に、例えば330nm〜400nmの範囲に少なくとも1つの反射ピークを含む反射スペクトルを有してもよい。反射ピークは、干渉次数1を有するピークであってもよい。
【0199】
フォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造は、例えば、250nm〜800nmの波長範囲に、それぞれ異なる干渉次数に対応する幾つかの反射ピークを含む反射スペクトルを有してもよい。フォトニックゲルに関するこのような反射スペクトルについては、出版物、Nat Mat,Vol 6,957−960,2008に記載されている。このような場合、250nm〜400nmの波長範囲の反射ピークは、干渉次数少なくとも2、例えば3、例えば4、例えば5に対応し得る。
【0200】
フォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造は、450nm〜800nmの波長範囲で透明であってもよい。
【0201】
本発明に関して、フォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造は、当該波長範囲で透過率が80%以上、例えば、90%である場合、透明であるものとする。
【0202】
フォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造は、紫外線遮蔽剤または蛍光剤などの別の光学活性物質を、例えば、両親媒性ポリマー中に含んでもよい。
【0203】
フォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造、および、適宜それらの中に存在する紫外線遮蔽剤は、250nm〜400nmの波長範囲の放射線に対する相補的遮蔽作用を有してもよい。
【0204】
従って、紫外線遮蔽剤を内包するポリマーを含むフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む化粧料組成物は、ケラチン物質に塗布する前に、250nm〜400nmの波長範囲に少なくとも2つの極小を含む透過スペクトルを有してもよい。極小は、例えば、少なくとも50nm分離していてもよい。
【0205】
肌色を明るくするための用途
蛍光剤を内包するポリマー(例えば、両親媒性ポリマー)を含むフォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造は、250nm〜800nm、例えば250nm〜400nmの波長範囲に反射ピークを含む反射スペクトルを有してもよい。
【0206】
さらに、フォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造が、蛍光剤を内包するポリマーを含む場合、ケラチン物質に塗布する前に、それらは250nm〜800nmの波長範囲に少なくとも2つの極小を含む透過スペクトルを有してもよい。
【0207】
これらの場合、第1の透過極小は250nm〜400nmの波長範囲にあり、第2の透過極小は400nm〜800nmの波長範囲、例えば400nm〜500nmの範囲にあってもよい。極小は、例えば、少なくとも50nm、例えば100nm分離していてもよい。
【0208】
従って、蛍光剤を内包するポリマー(例えば、両親媒性ポリマー)を含むフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む化粧料組成物は、ケラチン物質に塗布する前に、250nm〜800nmの波長範囲に2つの極小を含む透過スペクトルを有してもよい。
【0209】
極小は、少なくとも50nm、例えば100nm分離していてもよい。
【0210】
少なくとも1つの極小は、250nm〜400nmの波長範囲にあってもよく、少なくとも1つの極小は400nm〜800nmの波長範囲、例えば、400nm〜550nmにあってもよい。
【0211】
化粧用途
フォトニック材料、特に多層干渉構造が、それらの着色特性のために使用される場合、ケラチン物質に塗布する前に、400nm〜800nmの波長範囲に少なくとも1つの反射ピークを含む反射スペクトルを有してもよい。フォトニックゲルに関するこのような反射スペクトルについては、出版物、Nat Mat,Vol 6,957−960,2008に記載されている。
【0212】
フォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造は、可視スペクトルの色を全て、例えば、黄色、黄橙色、または紫色を発現することができる。
【0213】
フォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造は、金属色または金属様の外観を発現し得る。
【0214】
従って、例えば両親媒性ポリマーを含む、可視色を発現するフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む組成物は、ケラチン物質に塗布する前に、400nm〜800nmの波長範囲に反射ピークを含む反射スペクトルを有してもよい。
【0215】
さらに、着色剤を内包するポリマー、例えば、着色剤を内包する両親媒性ポリマーを含むフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む化粧料組成物は、ケラチン物質に塗布する前に、400nm〜800nmの波長範囲に反射ピークを含む反射スペクトルを有し得る。
【0216】
着色剤によって発現する色が、フォトニック材料によって、特にポリマー多層干渉構造によって発現する色を補強してもよい。
【0217】
フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子の混合物
本発明の組成物は、本発明の1種類のフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子、または、例えば、250nm〜400nmの波長範囲でそれぞれ異なる透過および/または反射スペクトルを有する少なくとも2種類の異なるフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子の混合物を含んでもよい。
【0218】
組成物は、例えば、1種類のフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子であって、前記構造の少なくとも2層を形成する両親媒性ポリマーを含む粒子と、多層干渉構造を有する別の種類の粒子との混合物を含んでもよい。
【0219】
組成物は、例えば、第1の紫外線遮蔽剤を内包するポリマーを含む1種類のフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子と、第1の紫外線遮蔽剤とは異なる第2の紫外線遮蔽剤を内包するポリマーを含む別の種類のフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子との混合物を含んでもよい。
【0220】
組成物は、例えば、蛍光剤を内包するポリマーを含む1種類のフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子と、可視色を発現する別の種類のフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子との混合物を含んでもよい。
【0221】
組成物は、例えば、蛍光剤を内包するポリマーを含む1種類のフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子と、紫外線遮蔽剤を内包するポリマーを含む別の種類のフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子との混合物を含んでもよい。
【0222】
組成物は、例えば、可視色を発現する1種類のフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子と、紫外線遮蔽剤を内包するポリマーを含む別の種類のフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子との混合物を含んでもよい。
【0223】
フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を含有する媒体
フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子は、化粧料として許容される媒体、即ち、ヒトケラチン物質、特に皮膚、粘膜、または毛髪もしくは爪に塗布するのに適した無毒性媒体に含有されてもよい。
【0224】
前記媒体は、組成物が塗布される支持体の性質および組成物が包装される形態に適合するものとする。
【0225】
媒体は、フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を含有する25℃で液体の相を含んでもよい。
【0226】
フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子が凝集することを防止するため、媒体は、塗布する前にフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子の媒体への分散を促進するように選択されてもよい。一例として、フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を含有する媒体の表面張力を35mN/M未満に低下させる1種類以上の薬剤を使用することが可能な場合もある。
【0227】
「水性媒体」という用語は、周囲温度および周囲圧力で液体であり、媒体の総重量に対して含有する水の割合が多い媒体を表す。水性媒体中の水の量は、例えば、30重量%以上、好ましくは40%以上、またはより好ましくは50%以上である。
【0228】
媒体は、一相であっても、または多相であってもよい。本発明の組成物は、水相と脂肪相を含んでもよい。
【0229】
媒体は透明であってもまたは半透明であってもよく、有色であってもまたは無色であってもよい。フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を含有する媒体は、顔料または着色剤を含有しなくてもよい。
【0230】
媒体は、揮発性溶媒を含んでもよい。
【0231】
「揮発性溶媒」という用語は、周囲温度および周囲圧力でケラチン物質と接触して蒸発することができる任意の液体を意味する。
【0232】
媒体は、特に、組成物が揮発性溶媒を少なくとも5%、あるいは少なくとも30%含有するように選択されてもよい。
【0233】
媒体は、防御持続性を改善するフィルム形成ポリマーを含んでもよい。
【0234】
フィルム形成ポリマー
本発明では、「フィルム形成ポリマー」という用語は、単独でまたは補助的皮膜形成剤の存在下で、ケラチン物質に粘着する巨視的に連続したフィルム、好ましくは凝集性フィルム、より好ましくは、例えば前記フィルムをTeflonまたはシリコーン表面などの非粘着面に流延することによって製造する場合、前記フィルムを単離し、単独で操作できるような凝集性と機械的特性を有するフィルムを形成することができるポリマーを意味する。
【0235】
組成物は水相を含んでもよく、フィルム形成ポリマーは前記水相に存在してもよい。これらの場合、それは、好ましくはポリマー分散液(polymer in dispersion)であるか、または両親媒性もしくは会合性ポリマーである。
【0236】
「ポリマー分散液」という用語は、水に不溶で、様々なサイズの粒子の形態になっているポリマーを意味する。ポリマーは、任意選択により架橋されてもよい。平均粒子サイズは、通常、25nm〜500nmの範囲、好ましくは50nm〜200nmの範囲である。次のポリマー水性分散液を使用してもよい:Ultrasol 2075(登録商標)(Ganz Chemical製)、Daitosol 5000AD(登録商標)(大東化成工業(Daito Kasei)製)、Avalure UR 450(登録商標)(Noveon製)、DYNAMX(登録商標)(National Starch製)、Syntran 5760(登録商標)(Interpolymer製)、Acusol OP 301(登録商標)(Rohm&Haas製)、およびNeocryl A 1090(登録商標)(Avecia製)。
【0237】
水分散性フィルム形成ポリマーの粒子の水性分散液の他の例としては、Neocryl XK−90(登録商標)、Neocryl A−1070(登録商標)、Neocryl A−1090(登録商標)、Neocryl BT−62(登録商標)、Neocryl A −1079(登録商標)およびNeocryl A−523(登録商標)の名称で供給業者AVECIA−NEORESINSにより、Dow Latex 432(登録商標)の名称で供給業者DOW CHEMICALにより、ダイトゾール(Daitosol)5000AD(登録商標)またはダイトゾール(Daitosol)5000SJ(登録商標)の名称で供給業者大東化成工業(DAITO KASEY KOGYO)により、Syntran 5760(登録商標)の名称で供給業者Interpolymerにより、Allianz OPTの名称で供給業者ROHM & HAASにより販売されているアクリル分散液、JONCRYL(登録商標)の商標名で供給業者JOHNSON POLYMERにより販売されているアクリルまたはスチレン/アクリルポリマーの水性分散液、またはNeorez R−981(登録商標)およびNeorez R−974(登録商標)の名称で供給業者AVECIA−NEORESINSにより、Avalure UR−405(登録商標)、Avalure UR−410(登録商標)、Avalure UR−425(登録商標)、Avalure UR−450(登録商標)、Sancure 875(登録商標)、Sancure 861(登録商標)、Sancure 878(登録商標)およびSancure 2060(登録商標)の名称で供給業者GOODRICHにより、Impranil 85(登録商標)の名称で供給業者BAYERにより、Aquamere H−1511(登録商標)の名称で供給業者HYDROMERにより販売されているポリウレタンの水性分散液、Eastman AQ(登録商標)の商標名で供給業者Eastman Chemical Productsにより販売されているスルホポリエステル、Mexomere PAM(登録商標)(供給業者CHIMEX)などのビニル分散液、およびこれらの混合物がある。
【0238】
「両親媒性または会合性ポリマー」という用語は、ポリマーを部分的に水に可溶にする1つ以上の親水性部分と、ポリマーが会合または相互作用するようにする1つ以上の疎水性部分とを含むポリマーを意味する。次の会合性ポリマー:Nuvis FX1100(登録商標)(Elementis製)、Aculyn 22(登録商標)、Aculyn 44(登録商標)、Aculyn 46(登録商標)(Rohm&Haas製)、およびViscophobe DB1000(登録商標)(AMERCHOL製)を使用してもよい。また、親水性ブロック(ポリアクリレート、ポリエチレングリコール)と疎水性ブロック(ポリスチレン、ポリシロキサン)によって構成されるジブロック共重合体を使用してもよい。
【0239】
組成物は油相を含んでもよく、前記油相中にフィルム形成ポリマーが存在してもよい。ポリマーは分散液の状態であっても、または溶液の状態であってもよい。NADタイプのポリマーまたはマイクロゲル(例えば、KSG)、ならびにPS−PAタイプのポリマーまたはスチレンをベースにする共重合体(Kraton,Regalite)を使用してもよい。
【0240】
少なくとも1種類の安定剤で表面を安定化させることができるポリマー(特に、ブロック、グラフトまたはランダムポリマー)の粒子を1種類以上のシリコーン油および/または炭化水素油に分散させた非水性分散液の例としては、Mexomere PAP(登録商標)(供給業者CHIMEX)などのアクリルのイソドデカン分散液、およびグラフトエチレン性ポリマー、好ましくはアクリルポリマー粒子を液体脂肪相に分散させた分散液、特に、文献、国際公開第04/055081号パンフレットに記載されているものなどの、エチレン性ポリマーが他の粒子表面安定剤の非存在下で有利に分散されているものを挙げることができる。
【0241】
本発明の組成物に使用され得るフィルム形成ポリマーとしては、ラジカルまたは重縮合タイプの合成ポリマー、天然ポリマー、およびこれらの混合物を挙げることができる。
【0242】
特に、ラジカルタイプのフィルム形成ポリマーは単独重合体であっても共重合体であってもよく、それはビニル、とりわけアクリルポリマーである。
【0243】
フィルム形成ビニルポリマーは、不飽和α,β−エチレン性不飽和カルボン酸、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはイタコン酸などの少なくとも1つの酸基を有するエチレン性不飽和結合を含有するモノマーおよび/または前記酸モノマーのエステルおよび/または前記酸モノマーのアミドを重合することによって得ることができる。
【0244】
天然のポリマー、任意選択により変性された天然ポリマーは、シェラック樹脂、サンダラックゴム、ダンマル、エレミ、コーパル、およびセルロースポリマー(ニトロセルロース、エチルセルロース、または、例えば酢酸セルロース、セルロースアセトブチレート、セルロースアセトプロピオネートから選択されるニトロセルロースエステルなど)、および、これらの混合物から選択されてもよい。
【0245】
フィルム形成ポリマーは、一般にラテックスまたは擬似ラテックスとして知られている水性または油性分散液中の固体粒子の形態で存在してもよい。フィルム形成ポリマーは、1種類以上のポリマーからなる略球状のポリマー粒子が生理学的に許容される液体脂肪相に分散した安定な分散液を1種類以上含んでもよい。ポリマー水性分散液であるラテックスに対して、これらの分散液は一般にポリマーNADと称される。これらの分散液は、特に、ポリマーのナノ粒子が前記脂肪相に分散した安定な分散液の形態であってもよい。ナノ粒子のサイズは、好ましくは5nm〜600nmの範囲である。前記分散液の製造方法は当業者に周知である。
【0246】
組成物は、フィルム形成線状ブロックエチレン性ポリマーであるフィルム形成ポリマーを少なくとも1種類含んでもよい。前記ポリマーは、少なくとも1つの第1の配列(ブロック)と、異なるガラス転移温度(Tg)を有する少なくとも1つの第2の配列とを含んでもよく、前記第1の配列と第2の配列は、第1の配列の少なくとも1種類の構成モノマーと第2の配列の少なくとも1種類の構成モノマーを含む中間配列を介して互いに連結されている。一例として、第1の配列と第2の配列とブロックポリマーは、互いに不相溶性である。このようなポリマーは、例えば、文献、欧州特許第1411069号明細書または国際公開第04/028488号パンフレットに記載されており、これらは参照により本明細書に援用される。
【0247】
水相
本発明の組成物は、少なくとも1つの水相を含んでもよい。
【0248】
本発明の組成物は水相を含んでもよく、水相は、フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を含んでもよい。
【0249】
水相の含水率は、例えば30重量%以上、より好ましくは40重量%以上、非常に好ましくは50重量%以上である。
【0250】
水相は、水と、炭素数1〜5の低級モノアルコール(エタノール、イソプロパノールなど)、炭素数2〜8のグリコール(プロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコールなど)、C〜Cケトン、およびC〜Cアルデヒドなどの水混和性の1種または複数種の有機溶媒(25℃における水混和性が50重量%より大きいもの)との混合物を含んでもよい。
【0251】
水相は、当該組成物の総重量に対して1重量%〜99重量%の範囲、特に3重量%〜80重量%の範囲、より詳細には5重量%〜60重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0252】
脂肪相
当該実施形態の全てにおいて、本発明の組成物は脂肪相を含んでもよい。
【0253】
脂肪相は、例えば、フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を含有していなくてもよい。
【0254】
組成物は、例えば、合成エステルまたはエーテル、鉱物または合成由来の直鎖または分枝鎖炭化水素、炭素数8〜26の脂肪アルコール、部分フッ素化炭化水素油および/またはシリコーン油、直鎖または環状シリコーン鎖を有するポリメチルシロキサン(PDMS)などのシリコーン油、およびこれらの混合物などの油を含んでもよく、これらは、任意選択により揮発性であってもよく、周囲温度で液体であってもまたはペースト状であってもよく;他の例は下記に記載する。
【0255】
従って、本発明の組成物は、少なくとも1種類の揮発性油を含んでもよい。
【0256】
揮発性油
本発明に関して、「揮発性油」という用語は、周囲温度および周囲圧力で、皮膚と接触して1時間未満で蒸発することができる油(または非水性媒体)を意味する。
【0257】
揮発性油は、周囲温度で液体の揮発性化粧油、特に周囲温度および周囲圧力でゼロでない蒸気圧を有する、特に0.13Pa〜40000Pa(10−3mmHg〜300mmHg)の範囲、特に1.3Pa〜13000Pa(0.01mmHg〜100mmHg)の範囲、より詳細には1.3Pa〜1300Pa(0.01mmHg〜10mmHg)の範囲の蒸気圧を有する揮発性化粧油である。
【0258】
揮発性炭化水素油は、動物または植物由来の炭素数8〜16の炭化水素油、特に、イソドデカン(2,2,4,4,6−ペンタメチルヘプタンとも称される)、イソデカン、イソヘキサデカン、および、例えば、Isopars(登録商標)またはPermethyls(登録商標)の商標名で販売されている油などの分枝鎖C〜C16アルカン(イソパラフィンとも称される)から選択されてもよい。
【0259】
同様に使用し得る揮発性油の例としては、揮発性シリコーン、例えば、直鎖または環状揮発性シリコーン油、とりわけ≦8センチストローク(cSt)(8×10−6/s)の粘度を有するもの、とりわけ2〜10個のケイ素原子、特に2〜7個のケイ素原子を含有するものがあり、前記シリコーンは、任意選択により、炭素数1〜10のアルキル基またはアルコキシ基を含む。本発明に使用し得る揮発性シリコーン油の例としては、5cSt〜6cStの粘度を有するジメチコン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、およびこれらの混合物を挙げることができる。
【0260】
また、ノナフルオロメトキシブタンまたはパーフルオロメチルシクロペンタン、およびこれらの混合物などのフッ素化揮発性油を使用することも可能である。
【0261】
また、前述の油の混合物を使用することも可能である。
【0262】
不揮発性油
本発明の組成物は、不揮発性油を含んでもよい。
【0263】
本発明に関して、「不揮発性油」という用語は、0.13Pa未満の蒸気圧を有する油、特に、高分子質量の油を意味する。
【0264】
不揮発性油は、特に、必要に応じてフッ素化された炭化水素油、および/または不揮発性シリコーン油から選択されてもよい。
【0265】
本発明の実施に適している可能性がある不揮発性炭化水素油の例としては、特に:
−動物由来の炭化水素油;
−植物由来の炭化水素油、例えば、オレイン酸フィトステアリル、イソステアリン酸フィソステアリル、または、例えば、ELDEW PS203の名称で味の素株式会社(AJINOMOTO)により販売されているグルタミン酸ラウロイル/オクチルドデシル/フィトステアリルなどのフィトステアリルエステル、脂肪酸とグリセリンのエステルによって構成されるトリグリセリド(脂肪酸はC〜C24の範囲の鎖長を有してもよく、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和であってもよい);前記油は、特に、ヘプタン酸もしくはオクタン酸トリグリセリド、または小麦胚芽油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ゴマ油、コーン油、杏仁油、ヒマシ油、シア油、アボカド油、オリーブ油、大豆油、甘扁桃油、パーム油、ナタネ油、綿実油、ヘーゼルナッツ油、マカダミアナッツ油、ホホバ油、アルファルファ油、ケシ油、北海道カボチャ(Hokkaido squash)油、ウリ科植物(gourd)油、黒スグリ油、マツヨイグサ油、アワ油、大麦油、キノア油、ライ麦油、紅花油、ククイ油、トケイソウ油、またはマスクローズ油;シアバター;または供給業者STEARINERIES DUBOISにより販売されているもの、もしくはMIGLYOL 810(登録商標)、812(登録商標)および818(登録商標)の名称で供給業者DYNAMIT NOBELにより販売されているものなどのカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドである;
−鉱物または合成由来の炭化水素油、例えば:
●炭素数10〜40の合成エーテル;
●鉱物または合成由来の直鎖または分枝鎖炭化水素、例えば、ワセリン、ポリデセン、水添ポリイソブテン(パールリームなど)、スクワラン、およびこれらの混合物、特に、水添ポリイソブテン;
●式RCOOR(式中、Rは炭素数1〜40の直鎖または分枝鎖脂肪酸の残基を表し、Rは炭素数1〜40の炭化水素鎖、とりわけ分枝炭化水素鎖を表し、但し、R+R≧10とする)を有する油などの合成エステルなど;
を挙げることができる。
【0266】
特に、エステルは、特に、例えば:
●オクタン酸セトステアリル、イソプロピルアルコールのエステル(ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピルなど)、パルミチン酸エチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸またはイソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、ヒドロキシルエステル(乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチルなど)、アジピン酸ジイソプロピル、ヘプタン酸エステル、特にヘプタン酸イソステアリル、アルコールまたはポリアルコールのオクタン酸、デカン酸またはリシノール酸エステル(ジオクタン酸プロピレングリコール、オクタン酸セチル、オクタン酸トリデシルなど)、4−ジヘプタン酸およびパルミチン酸2−エチルヘキシル、安息香酸アルキル、ジヘプタン酸ポリエチレングリコール、2−ジエチルヘキサン酸プロピレングリコールおよびこれらの混合物、C12〜C15アルコール安息香酸エステル、ラウリン酸ヘキシル、ネオペンタ酸エステル(ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオペンタン酸オクチルドデシルなど)、イソノナン酸エステル(イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸オクチルなど)、またはヒドロキシルエステル(乳酸イソステアリルまたはリンゴ酸ジイソステアリルなど);
●ポリオールのエステルおよびペンタエリスリトールエステル、例えば、テトラヒドロキシステアリン酸/テトライソステアリン酸ジペンタエリスリトール;
●ジオールダイマーと二酸ダイマーのエステル、例えば、供給業者、日本精化株式会社(NIPPON FINE CHEMICAL)により販売され、仏国特許出願公開第0302809号明細書に記載されているLusplan DD−DA5(登録商標)およびLusplan DD−DA7(登録商標);
●周囲温度で液体であり、炭素数12〜26の分枝および/または不飽和炭素鎖を有する脂肪アルコール、例えば、2−オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール、2−ブチルオクタノール、または2−ウンデシルペンタデカノール;
●高級脂肪酸、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸およびこれらの混合物;ならびに
●炭酸ジアルキル(2つのアルキル鎖は同一であってもまたは異なってもよい)、例えば、Cetiol CC(登録商標)の名称でCognisにより販売されている炭酸ジカプリリル;
●不揮発性シリコーン油、例えば、不揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ペンダントのアルキル基またはアルコキシ基を含むおよび/またはシリコーン鎖末端を有するポリジメチルシロキサン(これらの基の炭素数はそれぞれ2〜24である)、フェニルシリコーン(フェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、または2−フェニルエチルトリメチルシロキシシリケートなど)、または100cSt以下の粘度を有するジメチコンもしくはフェニルトリメチコン、およびこれらの混合物;
−ならびに、これらの混合物;
などの脂肪酸のエステルから選択されてもよい。
【0267】
界面活性剤
本発明の組成物は、さらに、例えば、全組成物重量に対して0.1重量%〜30重量%の範囲の割合で存在する乳化および補助乳化界面活性剤を含有してもよい。
【0268】
前記界面活性剤は、陰イオン性または非イオン性界面活性剤から選択されてもよい。界面活性剤の特性および機能の定義に関しては、文献、“The Encyclopedia of Chemical Technology,KIRK−OTHMER,volume 22,pp 333−432,third edition,1979,WILEY、陰イオン性および非イオン性界面活性剤に関しては、特に、前記参考文献の347〜377頁を参照されたい。
【0269】
本発明に使用することができ、W/Oエマルションの製造に適している界面活性剤の例としては、DC 5225 Cの名称で供給業者Dow Corningにより販売されているシクロメチコンとジメチコンコポリオールの混合物などのジメチコンコポリオール、およびDow Corning 5200 Formulation Aidの名称で供給業者Dow Corningにより販売されているラウリルメチコンコポリオール、およびABIL EM 90Rの名称で供給業者GOLDSCHMIDTにより販売されているセチルジメチコンコポリオールなどのジメチコンコポリオール、またはABIL WE 09の名称で供給業者GOLDSCHMIDTにより販売されているイソイソステアリン酸ポリグリセリル−4/セチルジメチコンコポリオール/ラウリン酸ヘキシルを挙げることができる。
【0270】
例えば、アルキル化ポリオールエステルを含む群から選択され得る1種類以上の補助乳化剤をそれに添加することが可能である。アルキル化ポリオールエステルの特定の例としては、グリセリンおよび/またはソルビタンのエステル、例えば、Isolan GI 34の名称で供給業者GOLDSCHMIDTにより販売されている組成物などのイソステアリン酸ポリグリセリン、ARLACEL 987の名称で供給業者ICIにより販売されている組成物などのイソステアリン酸ソルビタン、ARLACEL 986の名称で供給業者ICIにより販売されている組成物などのイソステアリン酸ソルビタングリセリン、およびこれらの混合物を挙げることができる。
【0271】
Lubrizol 5603およびChemcinnate 2000の名称で供給業者LubrizolおよびChemronにより販売されているものなどのエステル化コハク酸末端基を含有するポリイソブチレン界面活性剤を、W/Oエマルションを得るのに適した乳化剤として使用することもできる。
【0272】
同様に使用し得るW/Oエマルション用の界面活性剤としては、文献、米国特許第5,412,004号明細書の実施例3、4および8の方法、および米国特許第5,811,487号明細書の実施例の方法に従って得られるもの、とりわけ、米国特許第5,412,004号明細書の実施例3(合成例)の生成物、ならびにKSG21の品名で供給業者、信越化学工業株式会社(Shin−Etsu)により販売されている製品などの、少なくとも1つのオキシアルキレン基を含む固体の架橋エラストマーオルガノポリシロキサンが挙げられる。
【0273】
W/Oエマルションを得るに適している、本発明に使用し得る界面活性剤の例としては、非イオン性界面活性剤、とりわけ、ポリオールと、例えば、炭素数8〜24、より好ましくは炭素数12〜22の飽和または不飽和鎖を有する脂肪酸とのエステル、およびそれらのオキシアルキレン化誘導体、即ち、オキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化単位を含有する誘導体、例えば、C〜C24脂肪酸のグリセリルエステルおよびそれらのオキシアルキレン化誘導体;C〜C24脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、およびそれらのオキシアルキレン化誘導体;C〜C24脂肪酸のソルビトールエステル、およびそれらのオキシアルキレン化誘導体;C〜C24脂肪酸の糖(ショ糖、グルコースまたはアルキルグルコース)エステル、およびそれらのオキシアルキレン化誘導体;脂肪アルコールのエーテル;C〜C24脂肪アルコールの糖エーテル;グルコースまたはアルキルグルコースのオキシエチレン化脂肪酸エーテル;およびこれらの混合物が挙げられる。
【0274】
脂肪酸のグリセリルエステルとしては、特に、ステアリン酸グリセリル(モノ−、ジ−および/またはトリステアリン酸グリセリル)(CTFA名:ステアリン酸グリセリル)またはリシノール酸グリセリル、およびこれらの混合物を挙げることができる。
【0275】
脂肪酸のポリエチレングリコールエステルとしては、特に、ステアリン酸ポリエチレングリコール(モノ−、ジ−および/またはトリステアリン酸ポリエチレングリコール)、とりわけモノステアリン酸ポリエチレングリコール50OE(CTFA名:ステアリン酸PEG−50)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール100OE(CTFA名:ステアリン酸PEG−100)およびこれらの混合物を挙げることができる。
【0276】
また、これらの界面活性剤の混合物、例えば、ARLACEL 165の名称で供給業者Uniqemaにより販売されているステアリン酸グリセリルとステアリン酸PEG−100を含有する製品、およびTEGINの名称で供給業者GOLDSCHMIDTにより販売されているステアリン酸グリセリル(モノ−ジステアリン酸グリセリル)およびステアリン酸カリウムを含有する製品(CTFA名:ステアリン酸グリセリルSE)を使用することも可能である。
【0277】
グルコースまたはアルキルグルコースの脂肪酸エステルとしては、特に、パルミチン酸グルコース、セスキステアリン酸アルキルグルコース(セスキステアリン酸メチルグルコースなど)、パルミチン酸アルキルグルコース(パルミチン酸メチルグルコースまたはエチルグルコースなど)、メチルグルコシドの脂肪エステル、とりわけメチルグルコシドとオレイン酸のジエステル(CTFA名:ジオレイン酸メチルグルコース);メチルグルコシドとオレイン酸/ヒドロキシステアリン酸混合物の混合エステル(CTFA名:ジオレイン酸/ヒドロキシステアリン酸メチルグルコース);メチルグルコシドとイソステアリン酸のエステル(CTFA名:イソステアリン酸メチルグルコース);メチルグルコシドとラウリン酸のエステル(CTFA名:ラウリン酸メチルグルコース);メチルグルコシドとイソステアリン酸のモノエステルとジエステルの混合物(CTFA名:セスキイソステアリン酸メチルグルコース);メチルグルコシドとステアリン酸のモノエステルとジエステルの混合物(CTFA名:セスキステアリン酸メチルグルコース)、特に、Glucate SSの名称で供給業者AMERCHOLにより販売されている製品、およびこれらの混合物を挙げることができる。
【0278】
脂肪酸とグルコースまたはアルキルグルコースのオキシエチレン化エーテルの例としては、脂肪酸とメチルグルコースのオキシエチレン化エーテル、例えば、エチレンオキサイドを約20mol含有する、メチルグルコースとステアリン酸のジエステルのポリエチレングリコールエーテル(CTFA名:ジステアリン酸PEG−20メチルグルコース)(Glucam E−20 distearateの名称で供給業者AMERCHOLにより販売されている製品など);エチレンオキサイドを約20mol含有する、メチルグルコースとステアリン酸のモノエステルとジエステルの混合物のポリエチレングリコールエーテル(CTFA名:セスキステアリン酸PEG−20メチルグルコース)(例えば、Glucamate SSE−20の名称で供給業者AMERCHOLにより販売されている製品、およびGrillocose PSE−20の名称で供給業者GOLDSCHMIDTにより販売されている製品)、およびこれらの混合物を挙げることができる。
【0279】
ショ糖エステルの例としては、ショ糖パルミトステアリン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステルおよびショ糖モノラウリン酸エステルを挙げることができる。脂肪アルコールのエーテルの例としては、炭素数8〜30、とりわけ炭素数10〜22の脂肪アルコールのポリエチレングリコールエーテル、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコールまたはセテアリルアルコール(セチルアルコールとステアリルアルコールの混合物)のポリエチレングリコールエーテルなどを挙げることができる。例としては、1〜200個、好ましくは2〜100個のオキシエチレン基を含むエーテル(CTFA名、セテアレス−20およびセテアレス−30のものなど)、およびこれらの混合物を挙げることができる。
【0280】
糖エーテルとしては、特に、アルキルポリグルコシド、例えば、マイドール(MYDOL)10の名称で供給業者、花王ケミカルズ(Kao Chemicals)により販売されている製品、PLANTAREN 2000の名称で供給業者Henkelにより販売されている製品、およびORAMIX NS 10の名称で供給業者SEPPICにより販売されている製品などのデシルグルコシド;ORAMIX CG 110の名称で供給業者SEPPICにより、またはLUTENSOL GD 70の名称で供給業者BASFにより販売されている製品などのカプリリル/カプリルグルコシド;PLANTAREN 1200 NおよびPLANTACARE 1200の名称で供給業者Henkelにより販売されている製品などのラウリルグルコシド;PLANTACARE 818/UPの名称で供給業者Henkelにより販売されている製品などのココグルコシド;例えば、MONTANOV 68の名称で供給業者SEPPICにより、TEGO−CARE CG90の名称で供給業者GOLDSCHMIDTにより、およびEMULGADE KE3302の名称で供給業者Henkelにより販売されている、任意選択によりセトステアリルアルコールとの混合物となっているセトステアリルグルコシド;例えば、MONTANOV 202の名称で供給業者SEPPICにより販売されている、アラキジルアルコールとベヘニルアルコールとアラキジルグルコシドとの混合物の形態のアラキジルグルコシド;例えば、MONTANOV 82の名称で供給業者SEPPICにより販売されているセチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物(35/65)の形態のココイルエチルグルコシド、およびこれらの混合物を挙げることができる。
【0281】
本発明の組成物は、また、両親媒性ポリマーを乳化剤または補助乳化剤として含有してもよい。
【0282】
「両親媒性ポリマー」という用語は、極性の異なる2種類の液体を分離する、従って直接分散、逆分散、または多分散タイプの液−液分散液の安定化を可能にする、親水性部分と疎水性部分の両方を含む任意のポリマーを意味する。
【0283】
両親媒性ポリマーは、どのような油でも、水/油界面張力を10mN/mに低下させることができる。これらのポリマーは、イオン性(陰イオン性または陽イオン性)または両性である。
【0284】
本発明の両親媒性ポリマーの数平均分子量は、一般に1000g/mol〜20000000g/molの範囲、好ましくは20000〜8000000の範囲、例えば100000g/mol〜700000g/molの範囲である。本発明に従って使用される両親媒性ポリマーの量は、0.01重量%〜20重量%、好ましくは0.1重量%〜10重量%、例えば0.2重量%〜5重量%の範囲であってもよい。
【0285】
使用し得る特定の例としては、PEMULEN TR1、PEMULEN TR2およびCARBOPOL 1382の名称で供給業者GOODRICHにより販売されている製品、またはこれらの混合物などのアクリレート/C10〜C30−アルキルアクリレート共重合体がある。また、STRUCTURE 2001およびSTRUCTURE 3001の名称で供給業者NATIONAL STARCHにより販売されているアクリレート/イタコン酸ステアレス−20共重合体およびアクリレート/イタコン酸セテス−20共重合体を使用することも可能である。特に適した架橋または非架橋両親媒性ポリマーは、ARISTOFLEX LNC、ARISTOFLEX SNCおよびARISTOFLEX HMSの名称で供給業者CLARIANTにより販売されている製品である。
【0286】
三元共重合体の例としては、供給業者AMERCHOLによりVISCOPHOBE DB 1000 NP3−NP4の名称で販売されている、40個のEO単位でエトキシ化された、メタクリル酸/アクリル酸メチル/ベヘニルジメチル−m−イソプロペニルベンジルイソシアネート三元共重合体を挙げることができる。
【0287】
また、供給業者ALLIED COLLOIDSによりSALCARE SC 80の名称で販売されているものなどの、メタクリル酸、アクリル酸エチル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル(10EO)(ステアレス10)の架橋三元共重合体を挙げることも可能である。
【0288】
本発明に使用される陰イオン性ポリマーの例としては、イソフタル酸またはスルホイソフタル酸のポリマー、特に、「Eastman AQ Polymer」(AQ 35S,AQ 38S、AQ 55SおよびAQ 48 Ultra)の名称で供給業者Eastman Chemicalにより販売されているフタレート/スルホイソフタレート/グリコール(例えば、ジエチレングリコール/フタレート/イソフタレート/l,4−シクロヘキサンジメタノール)の共重合体がある。
【0289】
添加剤
フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む組成物は、充填剤、軟化剤、着色剤、界面活性剤、親水性または親油性ゲル化剤、水溶性または脂溶性の有効成分、防腐剤、保湿剤(ポリオール、特にグリセリンなど)、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、溶媒、香料、物理的および化学的サンスクリーン剤、とりわけUVAおよび/またはUVBに対するもの、脱臭剤、pH調整剤(酸または塩基)およびこれらの混合物などの化粧品分野で通常用いられる補助剤から選択される少なくとも1種類の添加剤を含んでもよい。
【0290】
組成物は、酸化防止剤、色素沈着防止および脱色に関連する美白剤、または老化防止有効成分などの日焼け防止分野の相補的作用を有する少なくとも1種類の有効成分を含有してもよい。
【0291】
CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,10th Edition,Cosmetic and Fragrance Assn,Inc,Washington DC(2004)に記載のものから1種類または複数種類の添加剤を選択してもよく、この文献は参照により本明細書に援用される。
【0292】
ガレヌス(Galenical)剤形
フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子は、皮膚、唇、毛髪または爪用の、ローション、クリーム、乳液、香膏、ポマード、ゲル、エマルション、フィルム、施与剤、スティック(例えば、リップスティック)、粉末、またはペースト中に使用されてもよい。
【0293】
本発明の粒子は、例えば、任意のタイプの化粧料組成物、例えば、グロス、リップスティック、アイライナー、マスカラ、ファンデーション、アイシャドウ、マニキュア液等のタイプのものに配合されてもよい。
【0294】
本発明のフォトニック材料のフィルム、特にポリマー多層干渉構造を有するフィルムは、転写により施与されてもよい。前記フィルムは、ケラチン物質に施与する前に、粘着剤層に結合されてもよい。
【0295】
太陽紫外線から毛髪を保護するために本発明の化粧料組成物を使用する場合、それはシャンプー、ローション、ゲル、エマルション、または非イオン性ベシクル分散液の形態であってもよく、例えば、洗い流すタイプの組成物、シャンプーの前もしくは後に、染毛もしくは脱染の前もしくは後に、パーマもしくはストレートパーマをかける前、かけている時、もしくはかけた後に、セット用またはトリートメント用ローション、ドライヤーでブローするまたはセットするためのローションもしくはゲルとして塗布される組成物、パーマもしくはストレートパーマ用組成物、または毛髪を染毛もしくは脱染するための組成物を構成してもよい。
【0296】
塗布方法
フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む組成物は、手でまたは塗布具を使用して塗布されてもよい。
【0297】
塗布は、スプレー、もしくは、例えば圧電装置を使用して放出することにより、または、中間支持体上に堆積された組成物の層を転写することにより達成されてもよい。
【0298】
包装
組成物は、任意の包装具、とりわけ熱可塑性材料から形成されたものに、または、その目的で提供される任意の支持体に包装されてもよい。
【0299】
包装具は、ボトル、ポンプボトル、エアゾールボトル、チューブ、小袋、またはポットであってもよい。
【実施例】
【0300】
実施例1
厚さ3μm(乾燥)のポリスチレン−ポリ(2−ビニルピリジン)四級化ジブロック共重合体(PS−b−Q−P2VP)(190K/190K)のゲルは、PS−b−Q−P2VPの5重量%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液から硬質表面にディップコートすることにより得られた。次いで、2.5M NHCl水溶液を使用してゲルを膨潤させた。340nm〜385nmの波長範囲で干渉するフォトニックゲルを得た。このフォトニックゲルフィルムは、ケラチン物質の光防御剤として使用するのに適していた。
【0301】
実施例2
実施例1のゲルを硬質支持体から剥離した後、膨潤させる前に乾式ボールミルを使用して最大寸法50μm未満の粒子に破砕した。次いで、このようにして得られた粒子を2.5M NHCl水溶液に分散させた。
【0302】
濾過により分離した後、紫外領域(340nm〜385nm)で干渉するポリマー多層干渉構造を有する粒子を得た。
【0303】
実施例3
厚さ(乾燥)3μmのPS−b−Q−P2VP(190K/190K)ゲルを硬質支持体上に展延した後、膨潤させる前に乾式ボールミルを使用して最大寸法50μm未満の粒子に破砕した。次いで、このようにして得られた粒子を、グリセリン50重量%と2.5M NHCl水溶液50重量%とを含有する混合物に分散させた。分離後、340nm〜385nmの波長範囲で干渉するポリマー多層干渉構造を有する粒子を得た。
【0304】
グリセリンの導入により、乾燥後、フォトニックゲルの干渉特性を維持する効果があった。
【0305】
実施例4:フォトニックゲル粒子をベースにする光防御化粧料組成物
【0306】
【表1】

【0307】
【表2】

【0308】
実施例5:シリカで凝固したフォトニックゲル粒子の製造
PS−b−Q−P2VPの5%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液から硬質表面にディップコートすることにより、厚さ(乾燥)3μmのPS−b−Q−P2VP(190K/190K)ゲルを得た。次いで、ゲルを、膨潤させる前に乾式ボールミルを使用して最大寸法50μm未満の粒子に破砕した。次いで、得られた粒子をメタノールに分散させ、膨潤させた。
【0309】
次いで、0.45Mの濃度を有するTEOS(テトラエトキシシラン)の水溶液を添加した。激しく攪拌しながら2.5M NHCl水溶液を添加した。340nm〜385nmの波長範囲で干渉し、分散媒体に対して非感受性のポリマー多層干渉構造を有する粒子を得た。
【0310】
実施例6:サンスクリーン剤水溶液で膨潤したフォトニックゲル
PS−b−Q−P2VPの5%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液から硬質表面にディップコートすることにより、厚さ(乾燥)3μmのPS−b−Q−P2VP(190K/190K)ゲルを得た。次いで、このゲルをMexoryl SX(Chimex)(テレフタリリデンジカンファースルホン酸、33%水溶液)の3%水溶液で膨潤させた。このようにして、330nm〜385nmの波長範囲で干渉し、ゴニオクロマチック効果が著しく低減したフォトニックゲルを得た。
【0311】
前記フォトニックゲルフィルムは、ケラチン物質の光防御剤として使用するのに適していた。
【0312】
実施例7:サンスクリーン剤水溶液で膨潤したフォトニックゲル
PS−b−Q−P2VPの5%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液から硬質表面にディップコートすることにより、厚さ(乾燥)3μmのPS−b−Q−P2VP(190K/190K)ゲルを得た。このゲルをEusolex 232(Merck)(フェニルベンズイミダゾールスルホン酸)の0.5%水溶液で膨潤させた。このようにして、290nm〜385nmの波長範囲で干渉するフォトニックゲルを得た。
【0313】
前記フォトニックゲルフィルムは、ケラチン物質の光防御剤として使用するのに適していた。
【0314】
実施例8:紫外線に対して異なる相補的な干渉を生じる、ポリマー多層干渉構造を有する2種類の粒子を含む光防御化粧料組成物
【0315】
【表3】

【0316】
【表4】

【0317】
実施例9:紫外線に対して異なる相補的な干渉を生じる、ポリマー多層干渉構造を有する2種類の粒子を含む光防御化粧料組成物
【0318】
【表5】

【0319】
【表6】

【0320】
実施例10:蛍光増白剤溶液で膨潤させたフォトニックゲル
PS−b−Q−P2VPの5%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液から硬質表面にディップコートすることにより、厚さ(乾燥)3μmのPS−b−Q−P2VP(190K/190K)ゲルを得た。次いで、前記ゲルをTinopal CBS X(CIBA)(ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム)の0.5%水溶液で膨潤させた。紫外領域で干渉し、青色を発現するフォトニックゲルを得たが、これは、破砕した後、ヒトケラチン物質、例えば、皮膚の色を明るくするために使用するのに適していた。
【0321】
実施例11:有色フォトニックゲル
PS−b−Q−P2VPの5%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液から硬質表面にディップコートすることにより、厚さ(乾燥)3μmのPS−b−Q−P2VP(190K/190K)ゲルを得た。次いで、前記ゲルを1.5M NHCl水溶液で膨潤させた。透過極小に対応する反射波長は、約550nm、即ち、黄色であった。
【0322】
フィルムは、例えば、破砕の前または後に、肌色を均一にするために使用するのに適していた。
【0323】
実施例12:有色フォトニックゲル
PS−b−Q−P2VPの5重量%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液から硬質表面にディップコートすることにより厚さ(乾燥)3μmのPS−b−Q−P2VP(190K/190K)ゲルを得た。前記ゲルを0.5 M NHCl水溶液で膨潤させた。透過極小に対応する反射波長は、約410〜420nm、即ち、紫色であった。
【0324】
フィルムは、例えば、破砕の前または後に、肌色を均一にするために使用するのに適していた。
【0325】
実施例13:有色フォトニックゲル
PS−b−Q−P2VPの5重量%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液から硬質表面にディップコートすることにより、厚さ(乾燥)3μmのPS−b−Q−P2VP(190K/190K)ゲルを得た。次いで、前記ゲルを1M NHCl水溶液で膨潤させた。透過極小に対応する反射波長は、約600nm、即ち、黄橙色であった。フィルムは、例えば、破砕の前または後に、肌色を均一にするために使用するのに適していた。
【0326】
実施例11〜13に記載のフォトニックゲルは、実施例2の方法を使用しても破砕することができる。
【0327】
前述のフォトニックゲル、例えば、実施例11〜13の有色フォトニックゲルをシリカ前駆体(TEOS)の作用により、または実施例3のようにグリセリンを用いて凝固させることができる。
【0328】
実施例14:フォトニックゲルの反射スペクトル
図5は、出版物、Nat Mat.Vol 6,957−960,2008に記載のPS−P2VPフォトニックゲルの2つの吸収スペクトルを示す。
【0329】
測定した吸収ピークは、フォトニックゲルの透過極小および反射ピークに対応する。
【0330】
膨潤剤の非存在下で、吸収スペクトルはピークを有しておらず、フォトニックゲルは干渉特性を有していなかった。
【0331】
対照的に、フォトニックゲルを純水で膨潤させた場合、吸収スペクトルは、図示するように、それぞれ異なる干渉次数に対応する5つの反射帯域を有することができる。この実施例の紫外線のピークは干渉次数5に対応する。
【0332】
特記しない限り、「1つの〜を含む」という表現は、「少なくとも1つの〜を含む」を意味するものと解釈すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む光防御化粧料組成物であって、前記構造の少なくとも2層が両親媒性ポリマーを含む、光防御化粧料組成物。
【請求項2】
前記ポリマー多層干渉構造を有する粒子が、250nm〜400nmの波長範囲に反射ピークを含む反射スペクトルを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記両親媒性ポリマーが膨潤剤を含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
脂肪相と水相を含み、前記水相がポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリマー多層干渉構造を有する粒子が、無機物質、例えば、シリカおよびその前駆体(例えば、TEOS)、グリコール、例えば、グリセリン、ジプロピレングリコール、ソルビトール、ブチレングリコール、および400g/mol〜50000g/molの範囲の分子量を有するPEGから選択される固定化剤を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
ポリマー多層干渉構造を有する少なくとも2種類の異なる粒子を含み、各種類の粒子が250nm〜400nmの波長範囲で異なる透過スペクトルを有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記両親媒性ポリマーがラメラ構造を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記両親媒性ポリマーがブロック共重合体を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記両親媒性ポリマーが、
・A−Bの形態のジブロック共重合体であって、Aが、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリイソボルニルアクリレート、ポリイソボルニルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリN−tertブチルアクリルアミド、およびポリイソプロピルメタクリレートから選択される疎水性ブロックであり、Bが:
●例えば、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、およびポリ(N−ビニルピロリドン)から選択される親水性陽イオン性ブロック;
●例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(イタコン酸)、ポリ(フマル酸)、ポリ(クロトン酸)、ポリ(アクリルアミドグリコール酸)、およびポリ(アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸)から選択される親水性陰イオン性ブロック;もしくは
●例えば、ポリ(PEGメタクリレート)から選択される親水性非イオン性ブロック;
であるジブロック共重合体、
・A−B−Cの形態のトリブロック共重合体であって:
●AとCが、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリイソボルニルアクリレート、ポリイソボルニルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリN−tertブチルアクリルアミド、およびポリイソプロピルメタクリレートから選択される、異なる疎水性ブロックであり、Bが、
○例えば、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、およびポリ(N−ビニルピロリドン)から選択される親水性陽イオン性ブロック;
○例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(イタコン酸)、ポリ(フマル酸)、ポリ(クロトン酸)、ポリ(アクリルアミドグリコール酸)、およびポリ(アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸)から選択される親水性陰イオン性ブロック;もしくは
○例えば、ポリ(PEGメタクリレート)から選択される親水性非イオン性ブロック;
であるトリブロック共重合体、または
●Bが、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリイソボルニルアクリレート、ポリイソボルニルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリN−tertブチルアクリルアミド、およびポリイソプロピルメタクリレートから選択される疎水性ブロックであり、AとCが異なり、以下:
○例えば、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、およびポリ(N−ビニルピロリドン)から選択される親水性陽イオン性ブロック;
○例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(イタコン酸)、ポリ(フマル酸)、ポリ(クロトン酸)、ポリ(アクリルアミドグリコール酸)、およびポリ(アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸)から選択される親水性陰イオン性ブロック;もしくは
○例えば、ポリ(PEGメタクリレート)から選択される親水性非イオン性ブロック;
から選択されるトリブロック共重合体、
を含む、特にこれらからなる、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記両親媒性ポリマーがA−Bの形態のジブロック共重合体を含み、特に、A−Bの形態のジブロック共重合体からなり、式中、Aがポリスチレンであり、Bがポリ(2−ビニルピリジン)である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記ポリマー多層干渉構造を有する粒子が平板状である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記ポリマー多層干渉構造を有する粒子が、別の光学活性物質を、例えば、前記両親媒性ポリマー中に含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
前記膨潤剤が、
−水、および0.01M〜5Mの範囲の濃度を有する有機または無機塩水、例えば、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、カルシウム塩または銅塩の溶液、リン酸塩の溶液、およびアンモニウム塩の溶液;
−以下の化合物単独、以下の化合物の混合物または水溶液:
○グリセリン、400g/mol〜 50000g/molの範囲の分子量を有するPEG、少なくとも1重量%で水に可溶の単糖類、二糖類、およびオリゴ糖類、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、水溶性ポリオール、水混和性の低級アルコール、例えば、メタノール、エタノールまたはイソプロパノール;
○紫外線遮蔽剤の中和されたまたは中和されていない溶液;および
○極性油、例えば、ラウロイルイソプロピルサルコシネート、オクチルドデカノール、ウンデカンおよびトリデカン、ならびに有機遮蔽剤の油性溶液、
から選択される、請求項3〜12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
請求項3〜13のいずれか1項に記載の化粧料組成物の製造方法であって、
a)膨潤剤を、少なくとも2層が両親媒性ポリマーを含むポリマー多層構造と接触させる工程;
b)少なくとも2層が両親媒性ポリマーを含むポリマー多層構造を有するフィルムを破砕して、最大寸法100μm未満および最小寸法100nm以上のポリマー多層構造を有する粒子にする工程;および
c)工程a)および工程b)の実施後に得られるポリマー多層干渉構造を有する粒子を、化粧料として許容される媒体に分散させる工程;
を含み、
工程b)が工程a)の前または後に実施される方法。
【請求項15】
太陽紫外線からヒトケラチン物質を光防御する非治療的方法、特に化粧方法であって、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化粧料組成物をヒトケラチン物質に塗布する工程を含む方法。
【請求項16】
ヒトケラチン物質に施与される太陽紫外線に対する光防御フィルムであって、太陽紫外線を遮蔽する多層干渉構造を含み、前記構造の少なくとも2層が両親媒性ポリマーを含むフィルム。
【請求項17】
フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子、を含む光防御組成物において、前記構造の少なくとも2層が両親媒性ポリマーを含む、前記粒子。
【請求項18】
前記フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子が、250nm〜400nmの波長範囲に反射ピークを含む反射スペクトルを有する、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記フォトニック材料が少なくとも1種類の膨潤剤を含む、請求項17または18に記載の組成物。
【請求項20】
脂肪相と水相を含み、前記水相がフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む、請求項17〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
前記フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子が、無機物質、例えば、シリカおよびその前駆体(例えば、TEOS)、グリコール、例えば、グリセリン、ジプロピレングリコール、ソルビトール、ブチレングリコール、および400g/mol〜50000g/molの範囲の分子量を有するPEGから選択される固定化剤を含む、請求項17〜20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
少なくとも2種類の異なるフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を含み、各種類の粒子が250nm〜400nmの波長範囲で異なる透過スペクトルを有する、請求項17〜21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
前記両親媒性ポリマーがラメラ構造を有する、請求項1〜22のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項24】
前記両親媒性ポリマーがブロック共重合体を含む、特にブロック共重合体からなる、請求項1〜23のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
前記両親媒性ポリマーが、
・A−Bの形態のジブロック共重合体であって、Aが、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリイソボルニルアクリレート、ポリイソボルニルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリN−tertブチルアクリルアミド、およびポリイソプロピルメタクリレートから選択される疎水性ブロックであり、Bが:
●例えば、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、およびポリ(N−ビニルピロリドン)から選択される親水性陽イオン性ブロック;
●例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(イタコン酸)、ポリ(フマル酸)、ポリ(クロトン酸)、ポリ(アクリルアミドグリコール酸)、およびポリ(アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸)から選択される親水性陰イオン性ブロック;もしくは
●例えば、ポリ(PEGメタクリレート)から選択される親水性非イオン性ブロック;
であるジブロック共重合体、
・A−B−Cの形態のトリブロック共重合体であって:
●AとCが、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリイソボルニルアクリレート、ポリイソボルニルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリN−tertブチルアクリルアミド、およびポリイソプロピルメタクリレートから選択される異なる疎水性ブロックであり、Bが、
○例えば、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、およびポリ(N−ビニルピロリドン)から選択される親水性陽イオン性ブロック;
○例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(イタコン酸)、ポリ(フマル酸)、ポリ(クロトン酸)、ポリ(アクリルアミドグリコール酸)、およびポリ(アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸)から選択される親水性陰イオン性ブロック;もしくは
○例えば、ポリ(PEGメタクリレート)から選択される親水性非イオン性ブロック;
であるトリブロック共重合体、または
●Bが、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリイソボルニルアクリレート、ポリイソボルニルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリN−tertブチルアクリルアミド、およびポリイソプロピルメタクリレートから選択される疎水性ブロックであり、AとCが異なり、以下:
○例えば、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、およびポリ(N−ビニルピロリドン)から選択される親水性陽イオン性ブロック;
○例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(イタコン酸)、ポリ(フマル酸)、ポリ(クロトン酸)、ポリ(アクリルアミドグリコール酸)、およびポリ(アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸)から選択される親水性陰イオン性ブロック;もしくは
○例えば、ポリ(PEGメタクリレート)から選択される親水性非イオン性ブロック;
から選択されるトリブロック共重合体、
を含む、特にこれらからなる、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記両親媒性ポリマーがA−Bの形態のジブロック共重合体を含み、特に、A−Bの形態のジブロック共重合体からなり、式中、Aがポリスチレンであり、Bがポリ(2−ビニルピリジン)である、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記ポリマー多層干渉構造を有する粒子が平板状である、請求項17〜26のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項28】
前記フォトニック材料の粒子、特に前記ポリマー多層干渉構造を有する粒子が、別の光学活性物質を、例えば、前記両親媒性ポリマー中に含む、請求項17〜27のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項29】
前記膨潤剤が、
−水、および0.01M〜5Mの範囲の濃度を有する有機または無機塩水、例えば、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、カルシウム塩または銅塩の溶液、リン酸塩の溶液、およびアンモニウム塩の溶液;
−以下の化合物単独、以下の化合物の混合物または水溶液:
○グリセリン、400g/mol〜 50000g/molの範囲の分子量を有するPEG、少なくとも1重量%で水に可溶の単糖類、二糖類、およびオリゴ糖類、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、水溶性ポリオール、水混和性の低級アルコール(例えば、メタノール、エタノールまたはイソプロパノール)、ベンゼン、アセトン、β−メチル酪酸、α−エチル酪酸、2,2,2−トリフルオロエタノール、1−ブタノール、1,4−ブタンジオール、クロロホルム、ブロモエタン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ブタン−2−オン、ジビニルベンゼン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、および酢酸溶液;
○紫外線遮蔽剤の中和されたまたは中和されていない溶液;および
○極性油、例えば、ラウロイルイソプロピルサルコシネート、オクチルドデカノール、安息香酸C12〜C15アルキル、ウンデカンおよびトリデカンならびに有機遮蔽剤の油性溶液、
から選択される、請求項19〜28のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項30】
化粧料として許容される媒体中に、請求項17〜29のいずれか1項に記載の少なくともフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む、化粧料組成物。
【請求項31】
請求項19〜30のいずれか1項に記載の組成物の製造方法であって、
a)膨潤剤を、フォトニック材料、特に少なくとも2層が両親媒性ポリマーを含むポリマー多層構造を有するフォトニック材料と接触させる工程;
b)フォトニック材料のフィルム、特に少なくとも2層が両親媒性ポリマーを含むポリマー多層構造を有するフィルムを破砕して、最大寸法100μm未満および最小寸法100nm以上のフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層構造を有する粒子にする工程;および
c)工程a)および工程b)の実施後に得られるフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を、適した媒体に分散させる工程;
を含み、
工程b)が工程a)の前または後に実施される方法。
【請求項32】
太陽紫外線から物質を光防御する方法であって、少なくとも前記物質を請求項17〜30のいずれか1項に記載の光防御組成物で処理する工程、または少なくとも前記組成物を前記物質に一体化する工程を含む方法。
【請求項33】
太陽紫外線からヒトケラチン物質を光防御する非治療的方法、特に化粧方法であって、少なくとも、請求項30に記載の化粧料組成物をヒトケラチン物質に施与する工程を含む方法。
【請求項34】
インキ、塗料、またはコーティングを光防御する方法であって、請求項17〜29のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の組成物を前記インキまたは前記塗料または前記コーティングに配合する工程を含む方法。
【請求項35】
少なくとも1種類の合成または天然ポリマーから製造される物質を光防御する方法であって、少なくとも、前記ポリマーを請求項17〜29のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の組成物で処理する工程、または少なくとも前記組成物を前記物質に一体化する工程を含む、方法。
【請求項36】
有機または無機ガラスを光防御する方法であって、少なくとも前記ガラスを請求項17〜29のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の組成物で処理する工程、または少なくとも前記組成物を前記ガラスに一体化する工程を含む方法。
【請求項37】
少なくとも天然繊維および/または人造繊維および/または合成繊維を含む物質、例えばテキスタイルまたは紙、を光防御する方法であって、前記物質を請求項17〜29のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の組成物で少なくとも処理する工程、または少なくとも前記組成物を前記物質に一体化する工程を含む方法。
【請求項38】
太陽紫外線から光防御するためのフィルムであって、太陽紫外線を遮蔽するフォトニック材料、特に少なくとも2層が両親媒性ポリマーを含む多層干渉構造を含むフィルム。
【請求項39】
両親媒性ポリマーを含み可視色を発現するフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む化粧料組成物。
【請求項40】
ケラチン物質に施与する前に、400nm〜800nmの波長範囲に反射ピークを含む反射スペクトルを有する、請求項39に記載の組成物。
【請求項41】
前記フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子が、膨潤剤を含む、請求項39または請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
追加の着色剤をさらに含む、請求項39〜41のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項43】
前記追加の着色剤が前記組成物中に遊離状態で存在する、請求項42に記載の組成物。
【請求項44】
前記膨潤剤が、
−水、および0.01M〜5Mの範囲の濃度を有する有機または無機塩水、例えば、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、カルシウム塩または銅塩、リン酸塩の溶液、およびアンモニウム塩の溶液;
−以下の化合物単独、以下の化合物の混合物または水溶液:
○グリセリン、400g/mol〜 50000g/molの範囲の分子量を有するPEG、少なくとも1重量%で水に可溶の単糖類、二糖類、およびオリゴ糖類、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、水溶性ポリオール、水混和性の低級アルコール、例えば、メタノール、エタノールまたはイソプロパノール、ベンゼン、アセトン、β−メチル酪酸、α−エチル酪酸、2,2,2−トリフルオロエタノール、1−ブタノール、1,4−ブタンジオール、クロロホルム、ブロモエタン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ブタン−2−オン、ジビニルベンゼン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、および酢酸溶液;
○紫外線遮蔽剤の中和されたまたは中和されていない溶液;および
○極性油、例えば、ラウロイルイソプロピルサルコシネート、オクチルドデカノール、ウンデカンおよびトリデカン、ならびに有機遮蔽剤の油性溶液、
から選択される、請求項41〜43のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項45】
前記着色剤が
i.脂溶性着色剤、例えば、DCレッド17、DCレッド21、DCレッド27、DCグリーン6、DCイエロー11、DCバイオレット2、DCオレンジ5、スダンレッド、カロチン、例えばβ−カロチンまたはリコピン、キサントフィル。例えばカプサンシン、カプソルビン、ルテインなど、パーム油、スダンブラウン、キノリンイエロー、アナトー、クルクミン;
ii.水溶性着色剤、例えば、FDCレッド4、DCレッド6、DCレッド22、DCレッド28、DCレッド30、DCレッド33、DCオレンジ4、DCイエロー5、DCイエロー6、DCイエロー8、FDCグリーン3、DCグリーン5、FDCブルー1、ベタニン、カーミン、銅クロロフィリン、メチレンブルー、アントシアニン、リボフラビン、
から選択される、請求項39〜44のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項46】
前記フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子が、ラメラ構造を有する、請求項39〜45のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項47】
前記両親媒性ポリマーが、共重合体、特にブロック共重合体を含む、請求項39〜46のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項48】
前記両親媒性ポリマーが、
・A−Bの形態のジブロック共重合体であって、Aが、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリイソボルニルアクリレート、ポリイソボルニルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリN−tertブチルアクリルアミド、およびポリイソプロピルメタクリレートから選択される疎水性ブロックであり、Bが:
●例えば、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、およびポリ(N−ビニルピロリドン)から選択される親水性陽イオン性ブロック;
●例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(イタコン酸)、ポリ(フマル酸)、ポリ(クロトン酸)、ポリ(アクリルアミドグリコール酸)、およびポリ(アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸)から選択される親水性陰イオン性ブロック;もしくは
●例えば、ポリ(PEGメタクリレート)から選択される親水性非イオン性ブロック;
であるジブロック共重合体、
・A−B−Cの形態のトリブロック共重合体であって:
●AとCが、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリイソボルニルアクリレート、ポリイソボルニルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリN−tertブチルアクリルアミド、およびポリイソプロピルメタクリレートから選択される、異なる疎水性ブロックであり、Bが、
○例えば、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、およびポリ(N−ビニルピロリドン)から選択される親水性陽イオン性ブロック;
○例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(イタコン酸)、ポリ(フマル酸)、ポリ(クロトン酸)、ポリ(アクリルアミドグリコール酸)、およびポリ(アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸)から選択される親水性陰イオン性ブロック;もしくは
○例えば、ポリ(PEGメタクリレート)から選択される親水性非イオン性ブロック;
であるトリブロック共重合体、または
●Bが、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリイソボルニルアクリレート、ポリイソボルニルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリN−tertブチルアクリルアミド、およびポリイソプロピルメタクリレートから選択される疎水性ブロックであり、AとCが異なり、以下:
○例えば、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、およびポリ(N−ビニルピロリドン)から選択される親水性陽イオン性ブロック;
○例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(イタコン酸)、ポリ(フマル酸)、ポリ(クロトン酸)、ポリ(アクリルアミドグリコール酸)、およびポリ(アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸)から選択される親水性陰イオン性ブロック;もしくは
○例えば、ポリ(PEGメタクリレート)から選択される親水性非イオン性ブロック;
から選択されるトリブロック共重合体、
を含む、特にこれらからなる、請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
前記両親媒性ポリマーがA−Bの形態のジブロック共重合体を含み、特に、A−Bの形態のジブロック共重合体からなり、式中、Aがポリスチレンであり、Bがポリ(2−ビニルピリジン)である、請求項48に記載の組成物。
【請求項50】
前記フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子が平板状の形状である、請求項39〜49のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項51】
化粧方法、例えば、肌色を均一にする方法であって、請求項39〜50のいずれか1項に記載の組成物をヒトケラチン物質に施与する工程を含む方法。
【請求項52】
ヒトケラチン物質に施与される化粧用のフィルム、例えば、肌色を均一にするためのフィルムであって、両親媒性ポリマーを含み可視色を発現するフォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造を含むフィルム。
【請求項53】
請求項41〜50のいずれか1項に記載の化粧料組成物の製造方法であって、
a)膨潤剤を、両親媒性ポリマーを含むフォトニック材料、特にポリマー多層構造を有するフォトニック材料と接触させる工程;
b)フォトニック材料のフィルム、特にポリマー多層構造を有するフィルムを破砕して、最大寸法100μm未満および最小寸法100nm以上のフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層構造を有する粒子にする工程;および
c)工程a)および工程b)の実施後に得られる、両親媒性ポリマーを含み可視色を発現する前記フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を、化粧料として許容される媒体に分散させる工程;
を含み、
工程b)が工程a)の前または後に実施される方法。
【請求項54】
蛍光剤を内包するポリマーを含むフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む化粧料組成物。
【請求項55】
前記フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子が、250nm〜800nmの波長範囲に反射ピークを含む反射スペクトルを有する、請求項54に記載の組成物。
【請求項56】
前記フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子が、膨潤剤を含む、請求項54または請求項55に記載の組成物。
【請求項57】
前記蛍光剤が前記膨潤剤に溶解されている、請求項56に記載の組成物。
【請求項58】
前記ケラチン物質に塗布する前に、250nm〜800nmの波長範囲に2つの極小を含む透過スペクトルを有する、請求項55〜57のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項59】
前記極小が少なくとも50nm分離している、請求項58に記載の組成物。
【請求項60】
少なくとも1つの極小が250nm〜400nmの波長範囲にあり、少なくとも1つの極小が400nm〜800nmの波長範囲、例えば400nm〜550nmの範囲にある、請求項58または請求項59に記載の組成物。
【請求項61】
前記蛍光剤が、スチルベン誘導体、特にポリスチリルスチルベンおよびトリアジンスチルベン、クマリン誘導体、特にヒドロキシクマリンおよびアミノクマリン、オキサゾール、ベンゾキサゾール、イミダゾール、トリアゾールまたはピラゾリン誘導体、ピレン誘導体およびポルフィリン誘導体、および/またはこれらの混合物の溶液、およびジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウムの水溶液から選択される蛍光増白剤である、請求項54〜60のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項62】
前記フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子が、平板状である、請求項54〜61のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項63】
前記フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子が、ラメラ構造を有する、請求項54〜62のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項64】
前記両親媒性ポリマーが、共重合体、例えばブロック共重合体を含む、請求項54〜63のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項65】
前記ポリマーが、
・A−Bの形態のジブロック共重合体であって、Aが、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリイソボルニルアクリレート、ポリイソボルニルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリN−tertブチルアクリルアミド、およびポリイソプロピルメタクリレートから選択される疎水性ブロックであり、Bが:
●例えば、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、およびポリ(N−ビニルピロリドン)から選択される親水性陽イオン性ブロック;
●例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(イタコン酸)、ポリ(フマル酸)、ポリ(クロトン酸)、ポリ(アクリルアミドグリコール酸)、およびポリ(アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸)から選択される親水性陰イオン性ブロック;もしくは
●例えば、ポリ(PEGメタクリレート)から選択される親水性非イオン性ブロック;
であるジブロック共重合体、
・A−B−Cの形態のトリブロック共重合体であって:
●AとCが、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリイソボルニルアクリレート、ポリイソボルニルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリN−tertブチルアクリルアミド、およびポリイソプロピルメタクリレートから選択される、異なる疎水性ブロックであり、Bが、
○例えば、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、およびポリ(N−ビニルピロリドン)から選択される親水性陽イオン性ブロック;
○例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(イタコン酸)、ポリ(フマル酸)、ポリ(クロトン酸)、ポリ(アクリルアミドグリコール酸)、およびポリ(アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸)から選択される親水性陰イオン性ブロック;もしくは
○例えば、ポリ(PEGメタクリレート)などの親水性非イオン性ブロック;
であるトリブロック共重合体、または
●Bが、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリイソボルニルアクリレート、ポリイソボルニルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリN−tertブチルアクリルアミド、およびポリイソプロピルメタクリレートから選択される疎水性ブロックであり、AとCが異なり、以下:
○例えば、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、およびポリ(N−ビニルピロリドン)から選択される親水性陽イオン性ブロック;
○例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(イタコン酸)、ポリ(フマル酸)、ポリ(クロトン酸)、ポリ(アクリルアミドグリコール酸)、およびポリ(アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸)から選択される親水性陰イオン性ブロック;もしくは
○例えば、ポリ(PEGメタクリレート)などの親水性非イオン性ブロック;
から選択されるトリブロック共重合体、
から選択される両親媒性ポリマーを含む、特にこれらから選択される両親媒性ポリマーからなる、請求項64に記載の組成物。
【請求項66】
前記両親媒性ポリマーがA−Bの形態のジブロック共重合体を含み、特に、A−Bの形態のジブロック共重合体からなり、式中、Aがポリスチレンであり、Bがポリ(2−ビニルピリジン)である、請求項65に記載の組成物。
【請求項67】
ヒトケラチン物質の色を明るくする方法であって、請求項54〜66のいずれか1項に記載の化粧料組成物を施与する工程を含む方法。
【請求項68】
ヒトケラチン物質に施与される、肌色を明るくするためのフィルムであって、蛍光剤を内包するポリマーを含むフォトニック材料、特にポリマー多層干渉構造を含むフィルム。
【請求項69】
請求項57〜68のいずれか1項に記載の化粧料組成物の製造方法であって、
a)蛍光剤を溶解含有する膨潤剤を、フォトニック材料、特にポリマー多層構造を有するフォトニック材料と接触させる工程;
b)フォトニック材料のフィルム、特に前記ポリマー多層構造を有するフィルムを破砕して、最大寸法100μm以下および最小寸法100nm超のフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層構造を有する粒子にする工程;および
c)工程a)および工程b)の実施後に得られる前記フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を、化粧料として許容される媒体に分散させる工程;
を含み、
工程b)が工程a)の前または後に実施される方法。
【請求項70】
紫外線遮蔽剤を内包するポリマーを含むフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む光防御組成物、特に化粧料組成物。
【請求項71】
前記フォトニック材料の粒子、特に前記ポリマー多層干渉構造を有する粒子が、250nm〜400nmの波長範囲に反射ピークを含む反射スペクトルを有する、請求項70に記載の組成物。
【請求項72】
前記ケラチン物質に塗布する前に、250nm〜400nmの波長範囲に2つの極小を含む透過スペクトルを有し、前記極小が少なくとも50nm分離している、請求項70または請求項71に記載の組成物。
【請求項73】
SPFが10以上である、請求項70〜72のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項74】
前記フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子が、ラメラ構造を有する、請求項70〜73のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項75】
前記ポリマーが共重合体、特にブロック共重合体を含む、請求項70〜74のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項76】
前記ポリマーが、
・A−Bの形態のジブロック共重合体であって、Aが、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリイソボルニルアクリレート、ポリイソボルニルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリN−tertブチルアクリルアミド、およびポリイソプロピルメタクリレートから選択される疎水性ブロックであり、Bが:
●例えば、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、およびポリ(N−ビニルピロリドン)から選択される親水性陽イオン性ブロック;
●例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(イタコン酸)、ポリ(フマル酸)、ポリ(クロトン酸)、ポリ(アクリルアミドグリコール酸)、およびポリ(アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸)から選択される親水性陰イオン性ブロック;もしくは
●例えば、ポリ(PEGメタクリレート)から選択される親水性非イオン性ブロック;
であるジブロック共重合体、
・A−B−Cの形態のトリブロック共重合体であって:
●AとCが、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリイソボルニルアクリレート、ポリイソボルニルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリN−tertブチルアクリルアミド、およびポリイソプロピルメタクリレートから選択される、異なる疎水性ブロックであり、Bが、
○例えば、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、およびポリ(N−ビニルピロリドン)から選択される親水性陽イオン性ブロック;
○例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(イタコン酸)、ポリ(フマル酸)、ポリ(クロトン酸)、ポリ(アクリルアミドグリコール酸)、およびポリ(アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸)から選択される親水性陰イオン性ブロック;もしくは
○例えば、ポリ(PEGメタクリレート)などの親水性非イオン性ブロック;
であるトリブロック共重合体、または
●Bが、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリイソボルニルアクリレート、ポリイソボルニルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリN−tertブチルアクリルアミド、およびポリイソプロピルメタクリレートから選択される疎水性ブロックであり、AとCが異なり、以下:
○例えば、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、およびポリ(N−ビニルピロリドン)から選択される親水性陽イオン性ブロック;
○例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(イタコン酸)、ポリ(フマル酸)、ポリ(クロトン酸)、ポリ(アクリルアミドグリコール酸)、およびポリ(アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸)から選択される親水性陰イオン性ブロック;もしくは
○例えば、ポリ(PEGメタクリレート)などの親水性非イオン性ブロック;
から選択されるトリブロック共重合体、
を含む、特にこれらからなる、請求項75に記載の組成物。
【請求項77】
前記両親媒性ポリマーがA−Bの形態のジブロック共重合体を含み、特に、A−Bの形態のジブロック共重合体からなり、式中、Aがポリスチレンであり、Bがポリ(2−ビニルピリジン)である、請求項76に記載の組成物。
【請求項78】
前記フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子が、膨潤剤を含む、請求項70〜77のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項79】
前記紫外線遮蔽剤が前記膨潤剤に溶解されている、請求項78に記載の組成物。
【請求項80】
前記紫外線遮蔽剤が、
−例えば、ジベンゾイルメタン誘導体、アミノベンゾフェノン、アントラニル酸誘導体、4,4−ジアリールブタジエン誘導体、パラアミノ安息香酸エステル、サリチル酸誘導体、桂皮酸エステル、β,β’−ジフェニルアクリレート誘導体、ベンジリデンカンファー誘導体、トリアジン誘導体、イミダゾリン誘導体、ベンザルマロネート誘導体、メロシアニン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、フェニルベンゾトリアゾール誘導体、ビス−レゾルシニルトリアジン誘導体、およびベンゾキサゾール誘導体などの疎水性遮蔽剤;ならびに
−例えば、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、ビス−ベンゾアゾリル誘導体、p−アミノ安息香酸(PABA)誘導体、および少なくとも1つのスルホン酸基を含むベンゾフェノン誘導体などの水溶性遮蔽剤、
から選択される、請求項1〜79のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項81】
前記フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子が、平板状である、請求項70〜80のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項82】
化粧料として許容される媒体中に、少なくとも請求項70〜81のいずれか1項に記載のフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を含む化粧料組成物。
【請求項83】
請求項70〜82のいずれか1項に記載の組成物の製造方法であって、
a)紫外線遮蔽剤を溶解含有する膨潤剤を、フォトニック材料、特にポリマー多層構造を有するフォトニック材料と接触させる工程;
b)フォトニック材料のフィルム、特に前記ポリマー多層構造を有するフィルムを破砕して、最大寸法100μm未満および最小寸法100nm超のフォトニック材料の粒子、特にポリマー多層構造を有する粒子にする工程;および
c)工程a)および工程b)の実施後に得られる前記フォトニック材料の粒子、特にポリマー多層干渉構造を有する粒子を適した媒体に分散させる工程;
を含み、
工程b)が工程a)の前または後に実施される方法。
【請求項84】
太陽紫外線から物質を光防御する方法であって、前記物質を請求項70〜82のいずれか1項に記載の光防御組成物で処理する工程、または少なくとも前記組成物を前記物質に一体化する工程を含む方法。
【請求項85】
太陽紫外線からヒトケラチン物質を光防御する非治療的方法、特に化粧方法であって、請求項82に記載の化粧料組成物をヒトケラチン物質に塗布する工程を含む方法。
【請求項86】
インキ、塗料、またはコーティングを光防御する方法であって、請求項70〜82のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の組成物を前記インキまたは前記塗料または前記コーティングに配合する工程を含む方法。
【請求項87】
少なくとも1種類の合成または天然ポリマーから製造される物質を光防御する方法であって、前記ポリマーを請求項70〜82のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の組成物で処理する工程、または少なくとも前記組成物を前記物質に一体化する工程を含む、方法。
【請求項88】
有機または無機ガラスを光防御する方法であって、前記ガラスを請求項70〜82のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の組成物で処理する工程、または少なくとも前記組成物を前記ガラスに一体化する工程にある、方法。
【請求項89】
少なくとも天然繊維および/または人造繊維および/または合成繊維を含む物質(テキスタイルまたは紙など)を光防御する方法であって、請求項70〜82のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の組成物で前記物質を処理する工程、または少なくとも前記組成物を前記物質に一体化する工程を含む、方法。
【請求項90】
太陽紫外線から光防御するフィルムであって、フォトニック材料、太陽紫外線を遮蔽する多層干渉構造を特に含み、前記構造の少なくとも2層が紫外線遮蔽剤を内包する両親媒性ポリマーを含む、フィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−508351(P2013−508351A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534816(P2012−534816)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際出願番号】PCT/IB2010/054778
【国際公開番号】WO2011/048570
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(595100370)ロレアル (108)
【氏名又は名称原語表記】L′OREAL
【Fターム(参考)】