説明

光電センサ

【課題】様々な生産ラインに応じた被検出物の検出を可能にしつつも誤判定を抑制し得る設定を自動的に行うことができる光電センサを提供する。
【解決手段】周期可変手段を構成する設定部31及び信号生成部32により投光素子11の投光周期を可変しながら、判別手段としての判別部35によって比較部33から出力されるハイレベルの受光パルス信号の連続回数と評価回数との比較結果に基づいてワークWの検出が可能な周期が判別され、投光周期が判別部35にて判別された周期に設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の製品を生産する生産ラインにて搬送されるワーク(被検出物)を検出するために例えば反射型の光電センサが用いられている。このような光電センサでは、ワークがセンサの検出領域を通過すると、投光素子から所定の投光周期で投光されたパルス光がワークにて反射される。そして、その反射されたパルス光を受光した受光素子により光電変換された信号に基づく受光信号レベルが例えばハイレベルとなり、これによりワークが検出される。このような光電センサでは、ノイズ等の影響によりハイレベルの受光信号が出力されてワークが検出領域を通過していないにも関わらず検出状態と判定されてしまう誤判定を防ぐために、受光信号レベルが連続してハイレベルとなる連続回数が所定の評価回数に達したときにはじめて検出状態と判定されるようになっている。
【0003】
しかしながら、生産ラインに流すワークが替わりその搬送速度が速くしたときにも同じ光電センサを用いた場合、ワークが検出領域を通過する間に評価回数未満のパルス光しか投光されないがために、当然、ワークが検出領域を通過してもハイレベルの受光信号の連続回数が所定の評価回数に達することはなく、その結果、ワークの検出ができないといった不具合が生じる虞があった。
【0004】
そこで、例えば特許文献1に記載の光電センサでは、ワークが検出領域を移動する間に投光可能なパルス光の数を自動的に検出し、その数を評価回数として設定するようになっている。これにより、移動速度が速いワークに対しても検出領域を通過する間に評価回数以上のパルス光を投光することができるため、様々な生産ラインに応じたワークの検出が可能となる。
【特許文献1】特開平10−154449号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ワークを非常に高速で流す生産ラインに上記特許文献1のような光電センサを用いたとき、ワークが検出領域を移動する間に顕著に少ない数(例えば1回)のパルス光しか投光できず、その結果、評価回数が少なく設定されてしまうことがある。そのように設定されると、前述のノイズ等の影響による誤判定を招く虞がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、様々な生産ラインに応じた被検出物の検出を可能にしつつも誤判定を抑制し得る設定を自動的に行うことができる光電センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、被検出物に所定の周期でパルス光を投光する投光手段と、前記投光手段から投光されたパルス光を受光し、その受光量に応じたレベルの受光信号を出力する受光手段と、前記受光手段から出力された受光信号レベルと閾値とを前記周期に基づくタイミングで比較し、同じ比較結果が所定回数連続するときに前記被検出物の検出状態を示す検出結果を出力する検出手段とを備えた光電センサであって、前記投光手段の投光周期を変更可能な周期可変手段と、前記周期を設定する設定モードにおいて、前記周期可変手段により前記投光手段の投光周期を可変しながら、同じ比較結果が前記所定回数連続するかに基づいて前記被検出物の検出が可能な前記周期を判別する判別手段とを備え、前記投光手段の投光周期を前記判別手段にて判別された周期に設定することをその要旨とする。
【0008】
この発明では、周期を設定する設定モードにおいて、周期可変手段により投光手段の投光周期を可変しながら、判別手段によって同じ比較結果が所定回数(評価回数)連続するかに基づいて被検出物の検出が可能な周期が判別され、投光周期が判別手段にて判別された周期に設定される。このため、評価回数を使用環境等に応じた所定値以上に保った状態で、移動速度が速い被検出物に対しても検出領域を通過する間に評価回数以上のパルス光を投光することができる。従って、様々な生産ラインに応じた被検出物の検出を可能にしつつも誤判定を抑制し得る設定を自動的に行うことができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光電センサにおいて、前記判別手段は、前記検出手段の検出結果に基づき前記被検出物の検出が可能な前記周期を判別することをその要旨とする。
【0010】
この発明では、判別手段は、検出手段の検出結果に基づき被検出物の検出が可能な周期を判別するため、判別手段が同じ比較結果の連続回数をカウントする機能を備える必要をなくすことができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2のいずれか1項に記載の光電センサにおいて、前記被検出物の検出が可能な前記周期の中での最長の周期を前記判別手段にて判別することをその要旨とする。
【0012】
この発明では、被検出物を検出可能な周期が複数ある場合に、その中の最も長いものが投光周期に設定される。ここで、投光周期が短い場合と長い場合とでは投光手段の劣化は当然短い場合の方が顕著になるが、これを防ぐために一般には、投光周期が短くすればするほど、投光手段に流す投光させるための投光電流を少なくされ、これにより検出感度(検出距離)が悪化する。即ち、この発明では、設定可能であるとともに被検出物の検出が可能な周期の中で、耐ノイズ性能が最も向上するような最適な周期に投光周期を設定することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電センサにおいて、前記周期可変手段により前記投光周期をスタート値からエンド値まで所定の可変幅で順次可変しながら、前記被検出物の検出が可能な前記周期を前記判別手段にて判別することをその要旨とする。
【0014】
この発明では、投光周期をスタート値からエンド値まで所定の可変幅で順次可変しながら、容易に被検出物の検出が可能な周期を判別することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電センサにおいて、前記判別手段は、2分検索法により前記被検出物の検出が可能な前記周期を判別することをその要旨とする。
【0015】
この発明では、2分検索法により容易に被検出物の検出が可能な周期が判別することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の光電センサにおいて、前記周期可変手段により前記投光周期をスタート値からエンド値まで第1の可変幅で順次可変しながら、前記第1の可変幅にて設定可能であるとともに前記被検出物を検出可能な前記周期の中での最長の周期、及び前記被検出物を検出不能な前記周期の中での最短の周期を前記判別手段にて判別する第1ステップを行った後、その第1ステップで判定した前記各周期の間の範囲において第1の可変幅よりも細かい第2の可変幅で前記投光周期を前記周期可変手段により順次可変しながら、前記第2の可変幅にて設定可能であるとともに前記被検出物の検出が可能な前記周期の中で最長の周期を前記判別手段にて判別する第2ステップを行うことをその要旨とする。
【0016】
この発明では、被検出物を検出可能な周期が複数ある場合に、その中の最も長いものが投光周期に設定されるため、耐ノイズ性能が最も向上するような最適な周期に投光周期を設定することができる。また、その最適な周期を第1ステップにて大まかに調べた後、第2ステップで細かに調べて判別するため、その判別までに要する時間を短縮することが可能である。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光電センサにおいて、前記周期可変手段は、指数関数的に設定された可変幅で前記投光手段の投光周期を可変することをその要旨とする。
【0018】
この発明によれば、周期可変手段によって可変される投光周期の可変幅は、指数関数的に設定される。即ち、投光周期が比較的短い範囲では細かい可変幅で、反対に投光周期が長い範囲では粗い可変幅で可変される。このため、投光周期が長い範囲においては不必要に細かい可変幅で可変しないので、投光周期の設定を効率的に行うことができる。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光電センサにおいて、前記周期可変手段は、前記投光周期の長短に応じて短い範囲では細かく、長い範囲では粗くなるように連続的に又は段階的に設定された可変幅で前記投光手段の投光周期を可変することをその要旨とする。
【0020】
この発明では、可変される投光周期の可変幅は、投光周期の長短に応じて短い範囲では細かく、長い範囲では粗くなるように連続的に又は段階的に設定される。このため、投光周期が長い範囲においては不必要に細かい可変幅で可変しないので、投光周期の設定を効率的に行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
従って、上記記載の発明によれば、様々な生産ラインに応じた被検出物の検出を可能にしつつも誤判定を抑制し得る設定を自動的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。
図1に示す本実施の形態の光電センサ1は、一定速度で順次搬送されるワークWの搬送経路(図1の矢印方向に沿う経路)の脇に配置されている。この光電センサ1は該搬送経路を横切るようにパルス光を投光する投光素子11と、投光素子11から投光されワークWにて反射された光を受光する受光素子12とを備え、該受光素子12での受光量に基づいて搬送されるワークWの有無を検出するものである。尚、光電センサ1は、ワークWの少なくとも一部が光電センサ1の検出領域を通過するように設けられている。
【0023】
光電センサ1は、上記投光素子11を有する投光回路21と、上記受光素子12を有する受光回路22と、これら投光回路21及び受光回路22と電気的に接続されてワークWの検出動作を行う制御回路23とを備えてなる。本実施の形態では、投光回路21が投光手段を、受光回路22が受光手段をそれぞれ構成している。
【0024】
制御回路23は、投光素子11の投光周期を設定するための周期可変手段を構成する設定部31と、該設定部31及び投光回路21と電気的に接続された周期可変手段を構成する信号生成部32と、受光回路22と電気的に接続された比較部33とを備えている。また、制御回路23は、比較部33からの受光信号に基づいてワークWの検出を行う検出手段としてのカウント部34と、該カウント部34及び信号生成部32と電気的に接続された判別手段としての判別部35とを備えている。
【0025】
信号生成部32は、設定部31から出力される所定の投光周期に応じたデータ信号に基づいて、投光素子11をパルス点灯させるための投光パルス信号(図2及び図3参照)を投光回路21に出力する。投光回路21はその投光パルス信号を受けて投光素子11を所定の投光周期でパルス点灯させる。即ち、設定部31及び信号生成部32により投光素子11の投光周期が変更可能となっている。本実施の形態では、投光周期の設定可能な範囲の最小値は10μs、最大値は500msであり、その投光周期の設定可能範囲内において所定の可変ピッチ(可変幅)で多段階的に変更可能となっている。
【0026】
投光素子11からの出射光が、検出可能領域に進入したワークWで反射されて受光素子12にて受光されると、受光素子12はその入射光を光電変換して受光回路22に出力し、受光回路22はその電気信号を増幅して比較部33に出力する。即ち、比較部33には受光素子12での受光量に応じたレベルの受光信号(アナログ信号)が入力される。尚、受光回路22は投光パルス信号に基づき投光素子11のパルス点灯と同じ周期で受光信号を出力する。
【0027】
比較部33は、受光回路22からの受光信号のレベルと予め設定された閾値とを投光周期に基づくタイミングで比較し、ハイレベル若しくはローレベルの受光パルス信号をカウント部34に比較結果として出力する。本実施の形態では、比較部33は受光信号のレベルが閾値以上のときにハイレベルの受光パルス信号を出力し、閾値以下のときにローレベルの受光パルス信号を出力する(図2及び図3参照)。
【0028】
カウント部34は、比較部33から出力されるハイレベル及びローレベルの受光パルス信号の連続回数をそれぞれカウントする。そして、カウント部34は、ハイレベルの受光パルス信号の連続回数が所定の評価回数(本実施の形態では4回)に達したときにハイレベルの出力信号(検出状態を示す検出結果)を出力する。また、ローレベルの受光パルス信号の連続回数が前記評価回数に達したときにローレベルの出力信号(非検出状態を示す検出結果)を出力する。カウント部34の出力信号は、図示しない出力回路及び前記判別部35のそれぞれに出力される。尚、ハイレベル及びローレベルのカウント値は、評価回数にそれぞれ達したとき、又は受光パルス信号のレベルが反転したときにクリアされる。また、上記所定の評価回数はノイズ等の影響による誤検出を防ぐために使用環境を考慮した値に設定されている。
【0029】
このような光電センサ1では、設定可能な投光周期の中での、ワークWの移動速度及び移動方向に沿った長さに応じた最適な投光周期(以下、最適周期)を設定するための「投光周期設定モード」が用意されており、このモードを実行して設定された最適な投光周期にてワークWの検出を行うことで好適な検出を行うことができる。以下に「投光周期設定モード」について説明する。
[投光周期設定モード]
図示しないコントローラ等からの投光周期設定モードの選択によるモード選択信号が制御回路23に入力されると、信号生成部32は設定部31からの信号に基づいて投光素子11の投光周期を段階的に可変するように投光パルス信号を出力し、投光回路21はそのパルス信号に基づき投光素子11をパルス点灯させる。このとき、信号生成部32は投光周期を可変する毎にその投光周期に応じたデータを判別部35に出力する。投光素子11の投光周期は設定可能範囲の最小値(スタート値)から最大値(エンド値)の間において所定の可変ピッチで段階的に設定されるとともに、その設定される各投光周期で投光する時間は、各投光周期に応じたワークWを検出可能な所定時間にそれぞれ設定されている。本実施の形態では、投光周期を可変する上記可変ピッチは指数関数的に(即ち、投光周期の長短に応じて短い範囲では細かく、長い範囲では粗くなるように連続的に又は段階的に)設定されるとともに、可変する間隔が粗い第1可変ピッチと該間隔が細かな第2可変ピッチとの2つのパターンが用意されている。
【0030】
まず、第1ステップとして第1可変ピッチで投光周期を設定可能な最小値から長くしていく。本実施の形態では、投光周期を10μs→50μs→250μs→1ms→5ms→25ms→125ms→500msの順に設定する。このとき、判別部35はカウント部34からの出力信号及び信号生成部32からの投光周期に応じたデータに基づき、カウント部34の出力信号がハイレベルからローレベルに反転する投光周期(以下、反転周期)を検出し、その反転周期に応じた信号を設定部31に出力する。例えば、投光周期が10μs〜1msまでのときはカウント部34の出力信号がハイレベルであって、投光周期を5msにした段階でローレベルに反転した場合、判別部35はこの5ms(反転周期)に応じた信号を出力する。尚、投光周期が最小値(10μs)のときにカウント部34の出力がローレベルとなった場合、又は上記のいずれの投光周期でもカウント部34の出力がローレベルにならない場合、判別部35はエラー出力をし、図示しない表示装置にエラー表示がなされる。
【0031】
次に、第2ステップとして、判別部35から与えられた信号に基づき、設定すべき最適な投光周期が存在する範囲、即ち反転周期からその直前の段階の投光周期までの範囲において、第2可変ピッチで投光素子11の投光周期を可変させる。本実施の形態では、上記のように反転周期が5msであった場合、投光周期を1msから0.5ms刻みで4,5msまで段階的に長くしていく。また、ここで、反転周期が5ms以外の場合についても詳述しておく。反転周期が50μsであった場合、投光周期を10μsから可変ピッチを5μsで可変させる。反転周期が250μsの場合は50μsから可変ピッチ25μsで、1msの場合は300μsから可変ピッチ100μsで900μsまで、25msの場合は5msから可変ピッチ2.5msで可変させる。また、反転周期が125msの場合は25msから可変ピッチ12.5msで、500msの場合は150msから可変ピッチ50msで可変させる。
【0032】
この第2可変ピッチでの検出において、判別部35は、前記第1可変ピッチでの検出と同様に、カウント部34からの出力信号に基づき反転周期を検出する。そして、判別部35は反転周期の直前の段階の投光周期を最適周期として判別し、その最適周期に応じた信号を設定部31に出力する。例えば、投光周期が1.5ms〜3msまでのときはカウント部34の出力信号がハイレベルであって、投光周期を3.5msにした段階でローレベルに反転した場合、判別部35は3msを最適周期として設定部31に出力し、設定部31は投光素子11の投光周期をその最適周期に設定する。尚、図2における投光パルス信号は最適化される前のものであって、図3における投光パルス信号は、投光周期設定モードで投光周期が最適化されたものである。
【0033】
このような光電センサ1では、ワークWを検出するための評価回数を一定に保った状態で、投光周期設定モードにて自動的に投光素子11の投光周期を最適周期に設定することができる。このため、例えばノイズ等の影響による誤検出を抑制しつつも、前記コントローラを操作して投光周期設定モードを実行するだけで搬送するワークWが替わりその搬送速度を変更した場合等に応じて最適周期を設定することができる。
【0034】
次に、本実施の形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)投光周期設定モードにおいて、周期可変手段を構成する設定部31及び信号生成部32により投光素子11の投光周期を可変しながら、判別手段としての判別部35によって比較部33から出力されるハイレベルの受光パルス信号の連続回数と評価回数との比較結果に基づいてワークWの検出が可能な周期が判別され、投光周期が判別部35にて判別された周期に設定される。このため、評価回数を使用環境等に応じた所定値以上に保った状態で、移動速度が速い被検出物に対しても検出領域を通過する間に評価回数以上のパルス光を投光することができる。従って、様々な生産ラインに応じたワークWの検出を可能にしつつも誤判定を抑制し得る設定を自動的に行うことができる。
【0035】
(2)判別部35は、カウント部34の検出結果に基づきワークWの検出が可能な周期を判別するため、判別部35が同じ比較結果の連続回数をカウントする機能を備える必要をなくすことができる。
【0036】
(3)ワークWを検出可能な周期が複数ある場合に、その中の最も長いものが投光周期に設定されるため、耐ノイズ性能が最も向上するような最適な周期に投光周期を設定することができる。
【0037】
(4)最適周期を第1ステップにて大まかに調べた後、第2ステップで細かに調べて判別するため、その判別までに要する時間を短縮することが可能である。
(5)設定部31及び信号生成部32によって可変される投光周期の可変ピッチは、指数関数的に設定される。即ち、投光周期が比較的短い範囲では細かい可変ピッチで、反対に投光周期が長い範囲では粗い可変ピッチで可変される。このため、投光周期が長い範囲においては不必要に細かい可変ピッチで可変しないので、投光周期の設定を効率的に行うことができる。
【0038】
尚、本発明の実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、判別部35はカウント部34からの出力信号に基づいてカウント部34の出力信号の反転周期を判別したが、特にこれに限定されるものではなく、比較部33から直接与えられる出力を受け、その比較部33の比較結果の連続回数と評価回数との比較結果に基づいて判別するように構成してもよい。
【0039】
・上記実施の形態では、投光周期を可変する可変ピッチは指数関数的に設定されたが、これ以外に例えば、等間隔に設定してもよい。
・上記実施の形態では、投光周期は第1可変ピッチと第2可変ピッチとに分けて可変されたが、特にこれに限定されるものではなく、例えば第2ピッチのみで可変してもよい。即ち、1つのステップで周期の判別を行ってもよい。投光周期が所定の可変ピッチで順次可変しながら、容易にワークWの検出が可能な周期を判別することができる。
【0040】
・上記実施の形態では、設定可能範囲の最小値をスタート値、最大値をエンド値としたが、反対に最大値をスタート値、最小値をエンド値としてもよい。また、設定可能な範囲における任意の値をスタート値としてもよい。
【0041】
・上記実施の形態では、所定の可変ピッチで投光周期を可変しながらワークWの検出が可能な周期を判別したが、これ以外に例えば、2分検索法により判別してもよい。この2分検索法による判別では、投光周期の設定可能な範囲内において、最適周期の存在し得る範囲の真ん中付近の周期に順次可変して最適周期が検出される。この構成によれば、2分検索法により容易にワークWの検出が可能な周期が判別することができる。
【0042】
・上記実施の形態では、本発明を反射型の光電センサ1に具体化したが、これ以外に例えば、透過型の光電センサでもよく、また、ファイバセンサやレーザーセンサ等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本実施の形態における光電センサを示す概略構成図。
【図2】投光周期の設定前の光電センサの検出動作を示すタイミングチャート。
【図3】投光周期の設定後の光電センサの検出動作を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
【0044】
1…光電センサ、11…投光素子、12…受光素子、21…投光手段を構成する投光回路、22…受光手段を構成する受光回路、31…周期可変手段を構成する設定部、32…周期可変手段を構成する信号生成部、34…検出手段としてのカウント部、35…判別手段としての判別部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検出物に所定の周期でパルス光を投光する投光手段と、
前記投光手段から投光されたパルス光を受光し、その受光量に応じたレベルの受光信号を出力する受光手段と、
前記受光手段から出力された受光信号レベルと閾値とを前記周期に基づくタイミングで比較し、同じ比較結果が所定回数連続するときに前記被検出物の検出状態を示す検出結果を出力する検出手段と
を備えた光電センサであって、
前記投光手段の投光周期を変更可能な周期可変手段と、
前記周期を設定する設定モードにおいて、前記周期可変手段により前記投光手段の投光周期を可変しながら、同じ比較結果が前記所定回数連続するかに基づいて前記被検出物の検出が可能な前記周期を判別する判別手段と
を備え、前記投光手段の投光周期を前記判別手段にて判別された前記周期に設定することを特徴とする光電センサ。
【請求項2】
請求項1に記載の光電センサにおいて、
前記判別手段は、前記検出手段の検出結果に基づき前記被検出物の検出が可能な前記周期を判別することを特徴とする光電センサ。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれか1項に記載の光電センサにおいて、
前記被検出物の検出が可能な前記周期の中での最長の周期を前記判別手段にて判別することを特徴とする光電センサ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電センサにおいて、
前記周期可変手段により前記投光周期をスタート値からエンド値まで所定の可変幅で順次可変しながら、前記被検出物の検出が可能な前記周期を前記判別手段にて判別することを特徴とする光電センサ。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電センサにおいて、
前記判別手段は、2分検索法により前記被検出物の検出が可能な前記周期を判別することを特徴とする光電センサ。
【請求項6】
請求項3に記載の光電センサにおいて、
前記周期可変手段により前記投光周期をスタート値からエンド値まで第1の可変幅で順次可変しながら、前記第1の可変幅にて設定可能であるとともに前記被検出物を検出可能な前記周期の中での最長の周期、及び前記被検出物を検出不能な前記周期の中での最短の周期を前記判別手段にて判別する第1ステップを行った後、
その第1ステップで判定した前記各周期の間の範囲において第1の可変幅よりも細かい第2の可変幅で前記投光周期を前記周期可変手段により順次可変しながら、前記第2の可変幅にて設定可能であるとともに前記被検出物の検出が可能な前記周期の中で最長の周期を前記判別手段にて判別する第2ステップを行うことを特徴とする光電センサ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の光電センサにおいて、
前記周期可変手段は、指数関数的に設定された可変幅で前記投光手段の投光周期を可変することを特徴とする光電センサ。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の光電センサにおいて、
前記周期可変手段は、前記投光周期の長短に応じて短い範囲では細かく、長い範囲では粗くなるように連続的に又は段階的に設定された可変幅で前記投光手段の投光周期を可変することを特徴とする光電センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−298653(P2008−298653A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−146337(P2007−146337)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(000106221)サンクス株式会社 (578)
【Fターム(参考)】