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光電子部品用組成物
説明

光電子部品用組成物

【課題】光電子部品材料として、高い光線透過性を有し、長時間の使用においても該透過性を保持し、しかも、耐熱性にも優れた光電子部品用組成物を提供することを課題としている。
【解決手段】(メタ)アクリル重合体と、分子内にアルケニル基を少なくとも2個以上有するオルガノポリシロキサンと、分子内にヒドロシリル基を少なくとも2個以上有する化合物と、ヒドロシリル化反応触媒とを含有する組成物であって、該(メタ)アクリル重合体が分子内に(メタ)アクリロイル基以外のアルケニル基と、ポリシロキサン鎖を有する(メタ)アクリル重合体であることを特徴とする光電子部品用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ダイオード、液晶表示装置等の光電子部品に使用される光電子部品用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に用いられる保護コーティング剤や保護シート材、LEDやホトダイオードといった光ダイオードの封止材やダイボンド剤、あるいは、各種センサーのコーティング剤等に使用される光電子部品用の材料には、高い光透過性を有し、しかも、青色光、紫色光といった高エネルギーの短波長光に長時間暴露されても、着色しない耐光性やハンダリフロー等の製造工程上において高い温度に暴露されても、着色しない耐熱変色性が求められている。
【0003】
従来からこれらの用途においては、エポキシ樹脂や、アクリル樹脂、ポリカーボネート等が使用されてきた。例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂と、脂環式エポキシ樹脂と、可撓性エポキシ樹脂と、酸無水物、メタクリル酸系リン酸エステルを含有する透明性エポキシ樹脂組成物が提案されている。(例えば、特許文献1参照)
しかし、上記のビスフェノール型エポキシ樹脂はその分子中にビスフェノールA由来の骨格を有するため、硬化物が初期に着色しているおそれがある上に、耐光性が悪いため、光電子部品として長時間使用した際に光透過性が低下したり、変色したりするおそれがあった。
【0004】
一方、硬化物の耐光性や耐熱変色性の良好な材料として、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンおよび白金もしくは白金系化合物からなる付加反応硬化型シリコーン組成物を光電子部品用の材料として用いることが知られている。
【0005】
しかし、上記の付加反応硬化型シリコーン組成物は、一般的に透湿性が高いため長期使用時における安定性が悪かったり、接着性が低いためにひずみが生じた際に、材料間に隙間が発生したりするおそれがあった。
【0006】
また、SiH基と反応性を有する炭素―炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物、ヒドロシリル化触媒、1分子中に少なくとも1個のエポキシ基を含有する化合物、及び、1分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を含有する化合物を含有することにより、優れた透明性、耐熱変色性を有するとともに、優れた耐湿性及び高い接着性を持つ光学材料用組成物が提案されている。(例えば、特許文献2参照)
上記の光学材料用組成物は、確かに、初期の光線透過率や熱による光線透過率の低下は改良されているが、特に高エネルギーの短波長光が利用される光学系材料に長期的に使用される場合には、その耐光性や光線透過率の保持は十分とは言えなかった。
【特許文献1】特開平6−316626号公報。
【0007】
【特許文献2】特開2004−2783号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明では、光電子部品材料として、高い光線透過性を有し、長時間の使用においても該透過性を保持し、しかも、耐熱性にも優れた光電子部品用組成物を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、この発明にかかる光電子部品用組成物では、(メタ)アクリル重合体と、分子内にアルケニル基を少なくとも2個以上有するオルガノポリシロキサンと、分子内にヒドロシリル基を少なくとも2個以上有する化合物と、ヒドロシリル化反応触媒とを含有する組成物であって、該(メタ)アクリル重合体が分子内に(メタ)アクリロイル基以外のアルケニル基と、ポリシロキサン鎖を有する(メタ)アクリル重合体であることが特徴である。上記(メタ)アクリル重合体が、分子内に(メタ)アクリロイル基以外のアルケニル基と、ポリシロキサン鎖を有する(メタ)アクリル重合体であることにより、(メタ)アクリル重合体と上記オルガノポリシロキサンおよび、分子内にヒドロシリル基を少なくとも2個以上有する化合物との相溶性が高くなることにより、上記組成物より得られた硬化物の透明性が高くなり、光電子部品として使用した際に高い光透過性を有することができる。しかも、上記組成物は優れた耐光性と耐熱変色性を有することから長期の使用に対して信頼性の高い光電子部品を得ることができる。
【0010】
また、上記(メタ)アクリル重合体が、分子内に(メタ)アクリロイル基と(メタ)アクリロイル基以外のアルケニル基を有する単量体および、分子内に平均して1つの(メタ)アクリロイル基とポリシロキサン鎖を有する単量体を必須成分として含む単量体成分を重合してなる重合体であることが、該(メタ)アクリル重合体の分子内に効率的に(メタ)アクリロイル基以外のアルケニル基と、ポリシロキサン鎖を導入することができることから好ましい実施態様である。
【0011】
さらに、光電子部品用組成物よりなる硬化物の光線透過率が80%を超える範囲内であることが光電子部品の性能を向上させることができる。
なお、本発明において光線透過率とは、(メタ)アクリル重合体と、分子内にアルケニル基を少なくとも2個以上有するオルガノポリシロキサン、分子内にヒドロシリル基を少なくとも2個以上有する化合物と、ヒドロシリル化反応触媒を含有する組成物の厚さ2mmの硬化物に、波長450nm〜750nmの範囲の光を照射した際の厚み方向の光線透過率を表す。
【発明の効果】
【0012】
本発明の光電子部品用組成物は、上述の構成よりなるので、光電子部品に使用した際に、高い光線透過性を達成することができる。また、長時間の使用においても変色等の性能低下がおこることなく、しかも、耐熱変色性にも優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明者等は、光ダイオード、液晶表示装置等の光電子部品に使用される光電子部品用組成物について鋭意検討を重ねた結果、(メタ)アクリル重合体と、分子内にアルケニル基を少なくとも2個以上有するオルガノポリシロキサンと、分子内にヒドロシリル基を少なくとも2個以上有する化合物と、ヒドロシリル化反応触媒とを含有する組成物であって、該(メタ)アクリル重合体が分子内に(メタ)アクリロイル基以外のアルケニル基と、ポリシロキサン鎖を有する(メタ)アクリル重合体であることにより、光半導体素子部品に使用した際に、高い光線透過性を達成することができ、長時間の使用においても変色等の性能低下がおこることなく、しかも、耐熱性や成形性も優れることを見出し、上記の課題をみごとに解決できることに想倒した。
【0014】
本発明の組成物は(メタ)アクリル重合体と、分子内にアルケニル基を少なくとも2個以上有するオルガノポリシロキサンと、分子内にヒドロシリル基を少なくとも1個以上有する化合物と、ヒドロシリル化反応触媒とを必須成分とする混合物である。
【0015】
上記の組成物における(メタ)アクリル重合体の配合量としては、組成物中の80質量%〜10質量%の範囲内が好ましい。(メタ)アクリル重合体の配合量が80質量%を超えると組成物の粘度が高くなり、作業性が低下する恐れがある。一方、上記配合量が10質量%未満では、組成物の耐湿性や接着性が低下する恐れがある。(メタ)アクリル重合体の配合量のより好ましい上限値は70質量%であり、60質量%がさらに好ましい。また、上記配合量のより好ましい下限値は20質量%であり、30質量%がさらに好ましい。
【0016】
本発明における(メタ)アクリル重合体は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を主成分とする単量体成分をラジカル重合により重合したポリマーであり、さらに分子内に(メタ)アクリロイル基以外のアルケニル基と、ポリシロキサン鎖を有する重合体である。
【0017】
本発明における(メタ)アクリル重合体の平均分子量は、数平均分子量(Mn)で1,000〜100,000の範囲内であることが好ましい。数平均分子量が1,000未満では得られた組成物から得られた光電子部品の強度物性が低下するおそれがあり、数平均分子量が100,000を超えると組成物の粘度が高くなり、作業性が低下するおそれがある。上記数平均分子量(Mn)のさらに好ましい下限は2,000であり。また、該数平均分子量(Mn)のさらに好ましい上限は50,000であり、10,000が最も好ましい上限である。
【0018】
本発明における(メタ)アクリル重合体のガラス転移点温度は、30℃以上であることが好ましい。ガラス転移点温度が30℃未満では組成物から得られた光電子部品の接着強度が低下するおそれがある。上記ガラス転移点温度のさらに好ましい範囲は40〜120℃であり、50〜100℃の範囲内が最も好ましい。
【0019】
本発明の(メタ)アクリル重合体において、分子内に(メタ)アクリロイル基以外のアルケニル基と、ポリシロキサン鎖を導入する方法としては、単量体成分として、分子内に(メタ)アクリロイル基と(メタ)アクリロイル基以外のアルケニル基を有する単量体と、分子内に平均して1つの(メタ)アクリロイル基とポリシロキサン鎖を有する単量体を必須成分として使用して重合する方法が好ましい。
【0020】
上記の分子内に(メタ)アクリロイル基と(メタ)アクリロイル基以外のアルケニル基を有する単量体おいて、(メタ)アクリロイル基以外のアルケニル基としては、アリル基、メチルビニル基、ジメチルビニル基、シクロヘキセニル基、ブテニル基、アリルエーテル基、ビニルエーテル基等のラジカル反応性の低いアルケニル基が、重合時に効果的に残存して(メタ)アクリル重合体にアルケニル基を導入できるため好ましく、このような単量体としては、例えば、アリル(メタ)アクリレート、2−ブテニル(メタ)アクリレート、3−メチル−2−ブテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキセニルメチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロペニル(メタ)アクリレート、3−ヘプテニル(メタ)アクリレート、4−ヘキセニル(メタ)アクリレート、ビニロキシエチル(メタ)アクリレート、2−(ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0021】
上記の(メタ)アクリロイル基と(メタ)アクリロイル基以外のアルケニル基を有する単量体の単量体成分中の使用割合としては、単量体成分の合計を100質量%として、0.5質量%〜30質量%の範囲内であることが好ましい。(メタ)アクリロイル基と(メタ)アクリロイル基以外のアルケニル基を有する単量体の使用割合が0.5質量%未満の場合には、アルケニル基の導入割合が少なくなるため、組成物から得られた光電子部品の強度物性や耐熱性が低下するおそれがある。一方、上記割合が30質量%を超えると組成物から得られた光電子部品の耐久性が低下するおそれがある。(メタ)アクリロイル基と(メタ)アクリロイル基以外のアルケニル基を有する単量体の割合のさらに好ましい範囲は、1.0質量%〜20質量%であり、3.0質量%〜15質量%の範囲内が最も好ましい。
【0022】
上記の分子内に平均して1つの(メタ)アクリロイル基とポリシロキサン鎖を有する単量体としては、例えば、一般式(1)や(2)の単量体が挙げられる。
【0023】
【化1】

【0024】
式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基、R´はメチル基または、水素、nは1〜10の整数を表す。
【0025】
【化2】

【0026】
式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、R´はメチル基または、水素を表す。
【0027】
上記の単量体としては、具体的には、商品名サイラプレーンFM−0711、FM−0721、FM−0725、TM−0701、TM−0701T(いずれも、チッソ社製)が挙げられる。
【0028】
上記の分子内に平均して1つの(メタ)アクリロイル基とポリシロキサン鎖を有する単量体の単量体成分中の使用割合としては、単量体成分の合計を100質量%として、1.0質量%〜40質量%の範囲内であることが好ましい。分子内に平均して1つの(メタ)アクリロイル基とポリシロキサン鎖を有する単量体の使用割合が1.0質量%未満の場合には、ポリシロキサン鎖の導入割合が少なくなるため、(メタ)アクリル重合体と分子内にアルケニル基を少なくとも2個以上有するオルガノポリシロキサンや分子内にヒドロシリル基を少なくとも2個以上有する化合物との相溶性が低下するため、組成物から得られた光電子部品の光透過性が低下するおそれがある。一方、上記割合が40質量%を超えると組成物から得られた光電子部品の耐久性が低下するおそれがある。(メタ)アクリロイル基とポリシロキサン鎖を有する単量体の割合のさらに好ましい範囲は、5.0質量%〜30質量%であり、10質量%〜20質量%の範囲内が最も好ましい。
【0029】
本発明の(メタ)アクリル重合体において、(メタ)アクリロイル基と(メタ)アクリロイル基以外のアルケニル基を有する単量体や分子内に平均して1つの(メタ)アクリロイル基とポリシロキサン鎖を有する単量体以外の単量体成分としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0030】
本発明の(メタ)アクリル重合体の合成方法としては、一般的な重合反応を用いればよく、例えば、塊状重合(バルク重合)、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等が挙げられる。上記重合反応の際の反応温度や反応時間等の反応条件は適宜設定すればよい。また、上記重合反応は、窒素雰囲気下で行うことが好ましく、さらに、平均分子量を調整するために、連鎖移動剤を添加して行うことが好ましい。
【0031】
上記連鎖移動剤としては、例えば、α−スチレンダイマー、四塩化炭素等が挙げられる。
【0032】
上記連鎖移動剤の添加量としては、連鎖移動剤の種類や原料となる単量体成分の種類により適宜設定すればよいが、例えば、単量体成分に対して0.1質量%〜15質量%の範囲内が挙げられる。
【0033】
上記重合反応においては、重合開始剤を使用することが好ましい。上記重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキシド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。
【0034】
本発明における分子内にアルケニル基を少なくとも2個以上有するオルガノポリシロキサンとしては、ヒドロシリル化反応により分子内にヒドロシリル基を少なくとも2個以上有する化合物と反応して、(メタ)アクリル重合体とともに硬化物を形成するものであり、同時に希釈剤として作用し、組成物の粘度を下げて作業性を向上させるものである。
【0035】
本発明の光電子部品用組成物における上記オルガノポリシロキサンの配合量としては、組成物中の10質量%〜80質量%の範囲内が好ましい。オルガノポリシロキサンの配合量が10質量%未満では、組成物の粘度が高くなり、作業性が低下する恐れがある。一方、上記配合量が80質量%を超えると、組成物の耐湿性や接着性が低下する恐れがある。オルガノポリシロキサンの配合量のより好ましい上限値は70質量%であり、60質量%がさらに好ましい。また、上記配合量のより好ましい下限値は20質量%であり、30質量%がさらに好ましい。
【0036】
上記オルガノポリシロキサンが有するアルケニル基としては、アリル基、ビニル基、メチルビニル基、ジメチルビニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。
【0037】
上記オルガノポリシロキサン中のアルケニル基以外の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基などのアリール基、ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などの置換アルキル基等が挙げられる。この中でも、アルキル基が耐光性が向上するため好ましい。
【0038】
上記オルガノポリシロキサンの25℃における粘度は、100〜100,000センチストークスの範囲内であることが好ましい。該粘度が100センチストークス未満では、組成物から得られた光電子部品の耐久性が低下するおそれがあり、該粘度が100,000センチストークスを超えると組成物の粘度が高くなるため、作業性が低下するおそれがある。オルガノポリシロキサンの25℃における粘度は、100〜10,000センチストールスの範囲内がさらに好ましく、100〜5,000センチストークスの範囲内が最も好ましい。
【0039】
上記オルガノポリシロキサンの分子量は、1,000〜100,000の範囲内であることが好ましい。該分子量が1,000未満では、組成物から得られた光電子部品の耐久性が低下するおそれがあり、該分子量が100,000を超えると組成物の粘度が高くなるため、作業性が低下するおそれがある。オルガノポリシロキサンの分子量は、1,000〜50,000の範囲内がさらに好ましく、1,000〜20,000の範囲内が最も好ましい。
【0040】
本発明における分子内にアルケニル基を少なくとも2個以上有するオルガノポリシロキサンとしては、例えば、ジメチルビニルシロキシ末端ジメチルポリシロキサン、ジメチルビニルシロキシ末端ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、ジメチルビニルシロキシ末端ポリフェニルメチルシロキサン、ジメチルビニルシロキシ末端ジメチルシロキサン・ジエチルシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ末端ジメチルシロキサン・ビニルメチルシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ末端ジメチルシロキサン・ビニルメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ末端ポリビニルメチルシロキサン、トリメチルシロキシ末端ジメチルシロキサン・ビニルメチルシロキサン・オクチルメチルシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ末端ジメチルシロキサン・ビニルメチルシロキサン・フェニルメチルシロキサン共重合体、ジメトキシビニルシロキシ末端ポリビニルメトキシシロキサン等が挙げられる。
【0041】
本発明における分子内にヒドロシリル基を少なくとも2個以上有する化合物は、(メタ)アクリル重合体および、分子内にアルケニル基を少なくとも2個以上有するオルガノポリシロキサンとともに架橋構造を形成する化合物であり、ヒドロシリル基を有する鎖状あるいは、環状のポリシロキサン化合物、さらに、ヒドロシリル基を有する化合物を分子中に2個以上のアルケニル基を有する化合物に一部ヒドロシリル基が残るように付加反応して得られた化合物が挙げられる。
【0042】
上記分子内にヒドロシリル基を少なくとも2個以上有する化合物の25℃における粘度としては、10〜5,000センチストークスの範囲内であることが好ましい。該粘度が10センチストークス未満では、組成物から得られた光電子部品の耐久性が低下するおそれがあり、該粘度が5,000センチストークスを超えると組成物の粘度が高くなるため、作業性が低下するおそれがある。ヒドロシリル基を少なくとも2個以上有する化合物の25℃における粘度は、10〜1,000センチストークスの範囲内がさらに好ましく、10〜600センチストークスの範囲内が最も好ましい。
【0043】
上記分子内にヒドロシリル基を少なくとも2個以上有する化合物中のヒドロシリル基の含有量は、1.0〜99モル%の範囲内が好ましい。該含有量が1.0モル%未満では、組成物から得られた光電子部品の強度物性が低下するおそれがあり、該含有量が99モル%を超えると組成物から得られた光電子部品の耐久性が低下するおそれがある。分子内にヒドロシリル基を少なくとも2個以上有する化合物中のヒドロシリル基の含有量は、2.0〜70モル%の範囲内が好ましく、5.0〜50モル%の範囲内が最も好ましい。
【0044】
上記分子内にヒドロシリル基を少なくとも2個以上有する化合物としては、例えば、ジメチルハイドロジェンシロキシ末端ジメチルポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ末端ポリメチルハイドロジェンシロキサン、トリメチルシロキシ末端ポリエチルハイドロジェンシロキサン、ジメチルハイドロジェンシロキシ末端ポリフェニル(ジメチルハイドロジェンシロキシ)シロキサン、ジメチルハイドロジェンシロキシ末端メチルハイドロジェンシロキサン・フェニルメチルシロキサン共重合体、ジメチルハイドロジェンシロキシ末端メチルハイドロジェンシロキサン・オクチルメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・フェニルメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンシロキサン・メチル(フェニルエチル)シロキサン共重合体等が挙げられる。
【0045】
本発明の光電子部品用組成物における(メタ)アクリル重合体と、分子内にアルケニル基を少なくとも2個以上有するオルガノポリシロキサンの有するアルケニル基の合計モル数と、分子内にヒドロシリル基を少なくとも2個以上有する化合物の有するヒドロシリル基のモル数の比は、アルキニル基のモル数/ヒドロシリル基のモル数で、0.02〜5.0の範囲内であることが好ましい。上記モル数の比が0.02未満では、組成物の硬化が不十分となるおそれがあり、該モル数の比が5.0を超えると組成物より得られた光電子部品の接着性や光透過性が低下するおそれがある。アルキニル基のモル数/ヒドロシリル基のモル数の比は、0.2〜2.5の範囲内がさらに好ましく、0.4〜2.0の範囲内が最も好ましい。
【0046】
本発明の光電子部品用組成物におけるヒドロシリル化反応触媒は、組成物の硬化を促進するために必要な化合物であり、有機過酸化物やアゾ化合物、遷移金属化合物が挙げられる。上記遷移金属化合物としては、例えば、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィンとの錯体、白金もしくは塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体、アルミナ、シリカ、カーボンブラックなどに担持された白金もしくは白金黒などの白金系化合物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等のバラジウム化合物、ロジウム化合物、ニッケル化合物、チタン化合物等が挙げられる。
【0047】
上記ヒドロシリル化反応触媒の使用量としては、本発明の組成物100質量部に対して、白金換算で0.000001〜0.1質量部の範囲が好ましい。上記使用量が0.000001未満では、組成物の硬化速度が著しく低下するおそれがあり、該使用量を0.1質量部以上使用しても硬化速度の向上はこれ以上望めない。
【0048】
本発明の組成物の硬化物は、その光線透過率が80%を超える範囲であることが好ましい。該硬化物の光線透過率が80%以下では、該組成物をLEDやホトダイオードといった光ダイオードの封止材として使用した場合にダイオードの照度が低下するおそれがある。該硬化物の光線透過率は85%以上がより好ましく、90%以上が最も好ましい。
【0049】
上記硬化物の光線透過率を決定する方法としては、2mmの間隔を有する所定のケース中で、100℃−1時間、130℃−2時間加熱硬化させて作製した厚さ2mmの硬化物に、分光光度計を用いて波長450nm〜750nmの範囲の光を照射した際の厚み方向の光線透過率を測定して決定する。
本発明の光電子部品用組成物としては、得られる光電子部品の耐熱性を向上させるために、酸化防止剤を配合することが好ましい、該酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が使用でき、例えば、スチレン化フェノール、2,6−ジ−tブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−tブチル−ハイドロキノン、2,2´−メチレン−ビス(4−メチル−6−tブチルフェノール)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト等が挙げられる。
【0050】
上記酸化防止剤の配合量は、本発明の組成物の100質量部に対して、0.01質量部〜5質量部の範囲内が好ましく、0.1質量部〜1質量部の範囲内がより好ましい。
【0051】
本発明における組成物には、さらに必要に応じて、その他の化合物や副資材を含んでいてもよい。
【0052】
上記その他の化合物や副資材としては、例えば、溶剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、帯電防止剤、着色顔料、染料、可塑剤、酢酸ビニルポリマーやポリエステル等の低収縮化剤、エラストマー、硬化促進剤、硬化遅延剤、ガラスフリット、微粒子ガラスやシリカ粒子等のフィラー等が挙げられる。
【0053】
その他の化合物や副資材の量は、発明の効果を損なわない範囲であれば良く、組成物中の0.01質量%〜85質量%の範囲内が好ましい。
【実施例】
【0054】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下ことわりのない場合、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ示すものとする。
【0055】
合成例1
温度計、冷却管、ガス導入管、および攪拌機を備えた反応器に、メチルメタクリレート260部と、分子内に(メタ)アクリロイル基と(メタ)アクリロイル基以外のアルケニル基を有する単量体としてアリルメタクリレート60部、分子内に平均して1つの(メタ)アクリロイル基とポリシロキサン鎖を有する単量体としてサイラプレーンFM−0711(商品名:チッソ社製)150部、連鎖移動剤としてメチルスチレンダイマー30部、トルエン500部を仕込んだ後、反応器内を窒素ガスに置換した。次に、上記の混合物を攪拌しながら80℃に昇温した後、重合開始剤として2,2´‐アゾビスイゾブチロニトリル3部を添加して、4時間重合反応を行い、重合後にトルエンを留去して、本発明における分子内に(メタ)アクリロイル基以外のアルケニル基と、ポリシロキサン鎖を有する(メタ)アクリル重合体(1)を得た。得られた(メタ)アクリル重合体(1)は、数平均分子量は7,200であり、ガラス転移点温度は52℃であった。
【0056】
合成例2
合成例1と同様にして、シクロヘキシルメタクリレート320部と、アリルメタクリレート30部、サイラプレーンFM−0711(商品名:チッソ社製)100部、メチルスチレンダイマー50部、トルエン500部を仕込んだ後、反応器内を窒素ガスに置換した。次に、上記の混合物を攪拌しながら80℃に昇温した後、2,2´‐アゾビスイゾブチロニトリル3部を添加して、4時間重合反応を行い、重合後にトルエンを留去して、本発明における分子内に(メタ)アクリロイル基以外のアルケニル基と、ポリシロキサン鎖を有する(メタ)アクリル重合体(2)を得た。得られた(メタ)アクリル重合体(2)は、数平均分子量は5,600であり、ガラス転移点温度は38℃であった。
【0057】
合成例3
合成例1において、サイラプレーンFM−0711(商品名:チッソ社製)150部をブチルメタクリレート150部に変更する以外は同様にして、分子内に(メタ)アクリロイル基以外のアルケニル基は有するが、ポリシロキサン鎖を有さない(メタ)アクリル重合体(3)を得た。得られた(メタ)アクリル重合体(3)は、数平均分子量は8,400であった。
【0058】
実施例1〜4および比較例1〜3
表1に示す配合量で本発明の光電子部品用組成物(1)〜(4)および比較の組成物(1)〜(3)を得た。
得られた組成物の相溶性を外観目視で観察するとともに、組成物を2mmのスペーサーを挟んだガラス板で作製したケースに入れ、100℃−1時間、130℃−2時間加熱して、厚さ2mmの硬化物を得た。該硬化物を波長450nm〜750nmの範囲の光を照射して、厚み方向の光線透過率を分光光度計で測定した。
【0059】
評価方法
得られた光電子部品用組成物(1)〜(4)および比較の組成物(1)〜(3)を、それぞれの硬化物を得たのと同様の方法により厚さ2mmの硬化物を作製し、以下の方法により評価した。評価結果を表2に示す。
【0060】
(1)耐光性試験
上記の硬化物をスーパーキセノンウェザーメータ(スガ試験機社製)で63℃(BPT)・50%RH、照度180W/mの条件で試験を行い、所定時間毎の波長450nm〜750nmの光線透過率を測定した。
【0061】
(2)耐熱性試験
上記の硬化物を150℃のオーブン中に入れ、72時間後の波長450nm〜750nmの光線透過率を測定した。
【0062】
【表1】

【0063】
【表2】

【0064】
表1、2から明らかなように、実施例1〜4の光電子部品用組成物は、(メタ)アクリル重合体が分子内に(メタ)アクリロイル基以外のアルケニル基と、ポリシロキサン鎖を有する(メタ)アクリル重合体であるため、分子内にアルケニル基を少なくとも2個以上有するオルガノポリシロキサンや分子内にヒドロシリル基を少なくとも2個以上有する化合物との相溶性が高く、組成物の硬化物の光線透過率も高くなる。また、耐光性試験や耐熱性試験においても光透過性を保つことができる。一方、比較例1の組成物では、(メタ)アクリル重合体が分子内にポリシロキサン鎖を持たないため、上記オルガノポリシロキサンや分子内にヒドロシリル基を少なくとも2個以上有する化合物との相溶性が低く、組成物の硬化物の光線透過率が低くなる。また、比較例2では希釈剤として作用する分子内にアルケニル基を少なくとも2個以上有するオルガノポリシロキサンを使用していないので、高粘度のため配合が困難となる。さらに、比較例3ではビスフェノールAジアリルエーテルを使用したため、耐光性試験や耐熱試験においても変色が大きく、光透過性も大きく低下するものであった。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の光電子部品用組成物は、組成物の硬化物の光線透過率が高く、長時間の光照射においてもその光透過性は低下することなく、しかも、耐熱性や成形性にも優れている。したがって、本発明の光電子部品用組成物は、LEDやホトダイオードといった光ダイオードの封止材料や液晶表示装置に用いられる保護コーティング剤や保護シート材、集光レンズをはじめとする用途に有効に利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリル重合体と、分子内にアルケニル基を少なくとも2個以上有するオルガノポリシロキサンと、分子内にヒドロシリル基を少なくとも2個以上有する化合物と、ヒドロシリル化反応触媒とを含有する組成物であって、該(メタ)アクリル重合体が分子内に(メタ)アクリロイル基以外のアルケニル基と、ポリシロキサン鎖を有する(メタ)アクリル重合体であることを特徴とする光電子部品用組成物。
【請求項2】
前記(メタ)アクリル重合体が、分子内に(メタ)アクリロイル基と(メタ)アクリロイル基以外のアルケニル基を有する単量体および、分子内に平均して1つの(メタ)アクリロイル基とポリシロキサン鎖を有する単量体を必須成分として含む単量体成分を重合してなる重合体である請求項1記載の光電子部品用組成物。
【請求項3】
前記組成物よりなる硬化物の光線透過率が80%を超える範囲内である請求項1または2記載の光電子部品用組成物。

【公開番号】特開2006−83299(P2006−83299A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−270020(P2004−270020)
【出願日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】