説明

光電気複合ケーブルとフェルールとの結線構造及び結線方法

【課題】光電気複合ケーブルと導電性を有するフェルールとの結線構造であって、高い接続強度を得ることのできる結線構造を提供すること。
【解決手段】結線構造は、被かしめ部として機能するスリーブ300と、筒状部222とを備える。筒状部222は、フェルール200の結線部220の一部として形成されている。筒状部222は、外被160と実質的に等しい肉厚を有しており、光電気複合ケーブル100のメタル導体150と外被160との段差を解消する段差解消部として機能する。フェルール200と光電気複合ケーブル100を結線する際には、メタル導体150の一部を外被160から露出させ、メタル導体150の露出させられた一部の内側に筒状部222を位置させてから、それらをフェルール200内に挿入することにより、スリーブ300内部に不要な隙間が存在しないようにし、その後、結線部220をかしめる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電気複合ケーブルとフェルールとの結線構造に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバケーブルをフェルールに接続する際に、フェルールと一体に形成された又は別体に用意された筒状部材を光ファイバ心線と抗張力繊維との間に挿入し、その筒状部材に対応する位置でフェルールをかしめることにより、フェルールと筒状部材との間に光ファイバケーブルの抗張力繊維及び外被を挟み込むことで、接着剤等を用いることなく光ファイバケーブルとフェルールとの接続を行うことについて、例えば、特許文献1乃至特許文献3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−191397号公報
【特許文献2】特開2006−146084号公報
【特許文献3】特開2006−84788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、光信号伝送(高速信号伝送)用の光ファイバケーブルと電気信号伝送(低速信号伝送)用のメタル導体とを複合化した光電気複合ケーブルが利用されてきている。この光電気複合ケーブルと導電性のフェルールとの接続においては、通常の光ファイバケーブルとフェルールとの接続のように光ファイバ心線をフェルールに保持させる一方でメタル導体とフェルールとの電気的接続を図ることとしている。
【0005】
ここで、光電気複合ケーブルのメタル導体と導電性のフェルールとの電気的接続に上述したようなかしめを採用すると、接続強度が弱い場合があるといった問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、光電気複合ケーブルと導電性を有するフェルールとの結線構造において、接続強度の低下を招く原因を特定し排除することにより、高い接続強度を得ることのできる結線構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発明者らが検討した結果、かしめられる部分に段差があったりすると接続強度が低下してしまうことがわかった。例えば、特許文献1乃至特許文献3の抗張力繊維のようにメタル導体を折り返し光電気複合ケーブルの外被上に導線が位置するようにしてからフェルールに挿入しフェルールの結線部をかしめることとすると、折り返されたメタル導体が長ければかしめられる部分に段差は生じず、従って接続強度が低下してしまうことを避けることができる可能性がある。しかしながら、フェルールの外形が大きくなることから、メタル導体を折り返すことなく、かしめによってフェルールの結線部との接続を図りたいという事情がある。そのため、外被から露出されたメタル導体と外被との間に段差ができ、単純なかしめでは強固な接続が得られない場合があった。
【0008】
そこで、本発明の発明者らは、メタル導体とフェルールとの結線部分においてメタル導体と外被との間の段差をなくし、かしめられる部分の内部に不要な隙間等が存在しないように構成することとした。このようにすると、かしめられる部分のかしめ前の形状が単純なものとなり、従って、単純なかしめができ接続強度を安定させることができる。
【0009】
即ち、本発明によれば、光電気複合ケーブルとフェルールとの結線構造であって、前記光電気複合ケーブルが、光ファイバ心線と、該光ファイバ心線の外周に配置されメタル素線を複数本隙間なく配置してパイプ状の外部導体を成形したメタル導体と、これらを覆う外被とを有している場合における結線構造において、
筒状の被かしめ部と、該被かしめ部よりも径の小さい筒状の段差解消部とを備えており、
前記被かしめ部と前記段差解消部との少なくとも一方は前記フェルールと一体形成されており、
前記フェルールと前記光電気複合ケーブルとを結線する際には、前記メタル導体の一部を前記外被から露出させ、前記メタル導体の当該露出させられた一部の内側又は外側に前記段差解消部を位置させる一方で、前記外被の一部と前記メタル導体の露出させられた一部とを前記段差解消部と共に前記被かしめ部内に位置させることにより、前記被かしめ部内に不要な隙間が存在しないようにし、その後、前記被かしめ部をかしめてなる
結線構造が得られる。
ここで、前記段差解消部の肉厚は前記外被の肉厚に実質的に等しい。また、前記被かしめ部と前記段差解消部とは概念上分けられたものであるので、これらは一体に形成されていてもよいし、別体として構成されてもよい。
【0010】
より具体的には、本発明によれば、光電気複合ケーブルと導電性を有するフェルールとの結線構造において、
前記光電気複合ケーブルは、光ファイバ素線と、前記光ファイバ素線を覆う保護用被覆と、前記保護用被覆の外周に配置されメタル素線を複数本隙間なく配置してパイプ状の外部導体を成形したメタル導体と、これらを覆う外被とを有しており、
前記フェルールは、前記光ファイバ素線を挿入され且つ前記挿入された光ファイバ素線を中心部に保持する本体部と、前記メタル導体と接続する結線部とを有しており、
前記フェルールは、前記本体部から前記結線部まで導電性を有しており、
前記結線部は、前記保護用被覆を挿通させる筒状部を有しており、
前記筒状部の外周に前記メタル導体を配置して、前記メタル導体の外径と前記外被の外径とを略同一径にし、略同一の外径を呈する前記メタル導体と前記外被とをスリーブに挿入した後、前記スリーブをかしめることにより、前記光電気複合ケーブルを前記フェルールに保持固定して光伝送用として用い且つ前記フェルールと前記メタル導体とを電気接続させることを特徴とする光電気複合ケーブルとフェルールとの結線構造が得られる。
【0011】
また、本発明によれば、光電気複合ケーブルと導電性を有するフェルールとの結線構造において、
前記光電気複合ケーブルは、光ファイバ心線と、前記光ファイバ心線の外周に配置されメタル素線を複数本隙間なく配置してパイプ状の外部導体を成形したメタル導体と、これらを覆う外被とを有しており、
前記フェルールは、前記光ファイバ心線を挿入され且つ前記挿入された光ファイバ心線を中心部に保持する本体部と、前記メタル導体と接続し前記外被を保持固定する結線部とを有しており、
前記フェルールは、前記本体部から前記結線部まで導電性を有しており、
前記結線部は、前記光ファイバ心線の中心部から前記メタル導体の外側までの径に対応する第1の内径を有する第1筒状部と、前記光ファイバ心線の中心部から前記外被の外側までの径に対応する第2の内径を有する第2筒状部とを有しており、
前記光電気複合ケーブルを前記結線部に挿入し前記結線部をかしめることにより、前記光電気複合ケーブルを前記フェルールに保持固定し光伝送用として用い且つ前記フェルールと前記メタル導体とを電気接続させることを特徴とする光電気複合ケーブルとフェルールとの結線構造が得られる。
【0012】
また、本発明によれば、光電気複合ケーブルと導電性を有するフェルールとの結線構造において、
前記光電気複合ケーブルは、光ファイバ心線と、前記光ファイバ心線の外周に配置されメタル素線を複数本隙間なく配置してパイプ状の外部導体を成形したメタル導体と、これらを覆う外被とを有しており、
前記フェルールは、前記光ファイバ心線を挿入され且つ前記挿入された光ファイバ心線を中心部に保持する本体部と、前記メタル導体と接続し前記外被を保持固定する結線部とを有しており、
前記フェルールは、前記本体部から前記結線部まで導電性を有しており、
前記外被の外径と略同一径の外径を有するスリーブに前記メタル導体を挿入した後、前記光電気複合ケーブルを前記結線部に挿入し前記結線部をかしめることにより、前記光電気複合ケーブルを前記フェルールに保持固定し光伝送用として用い且つ前記フェルールと前記メタル導体とを電気接続させることを特徴とする光電気複合ケーブルとフェルールとの結線構造が得られる。
【0013】
更に、本発明によれば、光電気複合ケーブルと導電性を有するフェルールとの結線構造において、
前記光電気複合ケーブルは、光ファイバ素線と、前記光ファイバ素線を覆う保護用被覆と、前記保護用被覆の外周に配置されメタル素線を複数本隙間なく配置してパイプ状の外部導体を成形したメタル導体と、これらを覆う外被とを有し、
前記フェルールは、前記光ファイバ素線が挿入され中心部に保持する本体部と、前記メタル導体と接続し前記外被を保持固定する結線部とを有しており、
前記フェルールは、前記本体部から前記結線部まで導電性を有しており、
前記保護用被覆と前記メタル導体との間にスリーブを挿入して、前記メタル導体の外径と前記外被の外径とを略同一径の外径を有するようにした後、前記光電気複合ケーブルを前記結線部に挿入し前記結線部をかしめることにより、前記光電気複合ケーブルを前記フェルールに保持固定し光伝送用として用い、かつ前記フェルールと前記メタル導体とを電気接続させることを特徴とする光電気複合ケーブルとフェルールとの結線構造が得られる。
【0014】
また、本発明によれば、光電気複合ケーブルと導電性を有するフェルールとの結線方法であって、
前記光電気複合ケーブルは、光ファイバ素線と、前記光ファイバ素線を覆う保護用被覆と、前記保護用被覆の外周に配置されメタル素線を複数本隙間なく配置してパイプ状の外部導体を成形したメタル導体と、これらを覆う外被とを有しており、前記フェルールは、前記光ファイバ素線が挿入され中心部に保持する本体部と、前記メタル導体と接続する結線部とを有している、光電気複合ケーブルとフェルールとの結線方法において、
前記メタル導体を露出させ前記外被を除去する外被除去工程と、
露出した前記メタル導体を所定長さにしかつ前記保護用被覆を露出させるメタル導体切断工程と、
前記光ファイバ素線を露出させ前記保護用被覆を除去する保護用被覆除去工程と、
前記結線部の筒状部に前記保護用被覆を挿通させ、前記筒状部の外周に前記メタル導体を配置させるメタル導体配置工程と、
前記筒状部の外周に配置したメタル導体と前記外被とをスリーブに挿入するスリーブ取付工程と、
前記スリーブをかしめる結線部カシメ工程と
を備えることを特徴とする光電気複合ケーブルとフェルールとの結線方法が得られる。
【0015】
また、本発明によれば、光電気複合ケーブルと導電性を有するフェルールとの結線方法であって、
前記光電気複合ケーブルは、光ファイバ心線と、前記光ファイバ心線を覆う保護用被覆と、前記保護用被覆の外周に配置されメタル素線を複数本隙間なく配置してパイプ状の外部導体を成形したメタル導体と、これらを覆う外被とを有しており、前記フェルールは、前記光ファイバ心線が挿入され中心部に保持する本体部と、前記メタル導体と接続し前記外被を保持固定する結線部とを有しており、前記結線部は、前記光ファイバ心線の中心部から前記メタル導体の外側までの径に対応する第1の内径を有する第1筒状部と、前記光ファイバ心線の中心部から前記外被の外側までの径に対応する第2の内径を有する第2筒状部とを有している、光電気複合ケーブルとフェルールとの結線方法において、
前記メタル導体を露出させ前記外被を除去する外被除去工程と、
露出した前記メタル導体を所定長さにしかつ前記保護用被覆を露出させるメタル導体切断工程と、
前記光ファイバ心線を露出させ前記保護用被覆を除去する保護用被覆除去工程と、
前記結線部に前記光電気複合ケーブルを挿入する挿入工程と、
前記光電気複合ケーブルの挿入された前記結線部をかしめる結線部カシメ工程と
を備えることを特徴とする光電気複合ケーブルとフェルールとの結線方法が得られる。
【0016】
また、本発明によれば、光電気複合ケーブルと導電性を有するフェルールとの結線方法であって、
前記光電気複合ケーブルは、光ファイバ心線と、前記光ファイバ心線を覆う保護用被覆と、前記保護用被覆の外周に配置されメタル素線を複数本隙間なく配置してパイプ状の外部導体を成形したメタル導体と、これらを覆う外被とを有しており、前記フェルールは、前記光ファイバ心線が挿入され中心部に保持する本体部と、前記メタル導体と接続し前記外被を保持固定する結線部とを有している、光電気複合ケーブルとフェルールとの結線方法において、
前記メタル導体を露出させ前記外被を除去する外被除去工程と、
露出した前記メタル導体を所定長さにしかつ前記保護用被覆を露出させるメタル導体切断工程と、
前記光ファイバ心線を露出させ前記保護用被覆を除去する保護用被覆除去工程と、
前記外被の外径と略同一径の外径を有するスリーブに前記露出したメタル導体を挿入するスリーブ取付工程と、
前記スリーブ付きの前記光電気複合ケーブルを前記結線部に挿入する挿入工程と、
前記スリーブ付きの前記光電気複合ケーブルを挿入された前記結線部をかしめる結線部カシメ工程と
を備えることを特徴とする光電気複合ケーブルとフェルールとの結線方法が得られる。
【0017】
また、本発明によれば、光電気複合ケーブルと導電性を有するフェルールとの結線方法であって、
前記光電気複合ケーブルは、光ファイバ素線と、前記光ファイバ素線を覆う保護用被膜と、前記保護用被膜の外周に配置されメタル素線を複数本隙間なく配置してパイプ状の外部導体を成形したメタル導体と、これらを覆う外被とを有しており、前記フェルールは、前記光ファイバ素線が挿入され中心部に保持する本体部と、前記メタル導体と接続し前記外被を保持固定する結線部とを有している、光電気複合ケーブルと導電性を有するフェルールとの結線方法において、
前記メタル導体を露出させ前記外被を除去する外被除去工程と、
露出した前記メタル導体を所定長さにしかつ前記保護用被膜を露出させる電線切断工程と、
前記光ファイバ素線を露出させ前記保護用被膜を除去する保護用被膜除去工程と、
前記保護用被膜と前記メタル導体との間にスリーブを挿入して、前記メタル導体の外径と前記外被の外径とを略同一径の外径を有するようにするスリーブ挿入工程と、
前記スリーブ付きの前記光電気複合ケーブルを前記結線部に挿入する挿入工程と、
前記スリーブ付きの前記光電気複合ケーブルを挿入された前記結線部をかしめる結線部カシメ工程と
を備えることを特徴とする光電気複合ケーブルとフェルールとの結線方法が得られる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、外被から露出されたメタル導体と外被との間に段差を段差解消部により解消した上で被かしめ部をかしめることとしたため、接続強度を安定させることができる。
【0019】
また、かしめられる部分に不要な隙間等がないことから、かしめに用いる治具も単純なものでよいという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施の形態による光電気複合ケーブルとフェルールとの結線構造を示す断面図である。
【図2】図1の結線構造を構成する手順を示す一部切欠き断面図である。
【図3】光電気複合ケーブルの構造を示す斜視図である。理解を容易にすべく光電気複合ケーブルの各部は露出させられている。
【図4】図3の光電気複合ケーブルを示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態による光電気複合ケーブルとフェルールとの結線構造を示す断面図である。
【図6】図5の結線構造を構成する手順を示す斜視図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態による光電気複合ケーブルとフェルールとの結線構造を示す断面図である。
【図8】図7の結線構造を構成する手順を示す斜視図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態による光電気複合ケーブルとフェルールとの結線構造を示す断面図である。
【図10】図9の結線構造を構成する手順を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
(第1の実施の形態)
図1及び図2に示されるように、本発明の第1の実施の形態による結線構造は、光電気複合ケーブル100と、金属等の導電性材料からなるフェルール200と、金属等の導電性材料からなるスリーブ300とを備えている。導電性材料としては、金属以外に導電性樹脂、あるいは絶縁樹脂の表面に金属薄膜を形成したものを用いても良い。
【0023】
光電気複合ケーブル100は、図3及び図4に示されるように、光ファイバ素線110及び光ファイバ素線110を覆う保護用被膜120からなる光ファイバ心線130と、光ファイバ心線130の外周に配置されメタル素線を複数本隙間なく配置してパイプ状の外部導体を成形したメタル導体150と、これらを覆う外被160とを備えている。本実施の形態における外被160は、ポリ塩化ビニルからなる。加えて、本実施の形態による光電気複合ケーブル100は、図1に示されるように、光ファイバ心線130とメタル導体150との間に設けられた抗張力繊維140を更に備えている。
【0024】
一方、フェルール200は、図1に示されるように、本体部210と、結線部220とを備えている。本体部210は、光ファイバ心線130を挿入され、その挿入された光ファイバ心線130を中心部において保持するものである。一方、結線部220は、光電気複合ケーブル100(特に、メタル導体150)と結線される部分である。詳しくは、フェルール200の後端(即ち、結線部220の後端)から本体部210の内部にかけて光ファイバ心線130の外径と実質的に同じ内径を有する保持穴が形成されており、更に、その保持穴とフェルール200の先端(即ち、本体部210の先端)とを連通する連通孔であって光ファイバ素線110と実質的に同じ径を有する連通孔が本体部210に形成されている。連通孔は、本体部210の径方向の中心部に設けられている。
【0025】
フェルール200の結線部220は、図1に示されるように、後端に向かって延びる筒状部222と、スリーブ300を受けるストッパ部224とを備えている。本実施の形態における筒状部222は、光ファイバ心線130の外径と実質的に等しい内径を有し、且つ、光電気複合ケーブル100の外被160の肉厚と実質的に等しい肉厚を有している。ストッパ部224は、筒状部222の径方向外側で筒状部222と平行に突出して、フェルール200の後端側に向けて延びた断面L字状の形状を有している。本実施の形態におけるストッパ部224の内径のうち最大のものは、スリーブ300の外径と実質的に等しい。
【0026】
本実施の形態においては、図2に示されるようにして、上述したフェルール200及びスリーブ300と光電気複合ケーブル100との接続が行われる。
【0027】
まず、図2(a)に示されるように、光電気複合ケーブル100の外被160を除去し、メタル導体150を剥き出しにする(露出させる)。更に、不要なメタル導体150を除去して光ファイバ心線130を剥き出しにする(露出させる)。加えて、光ファイバ心線130の先端部においては、保護用被膜120を除去し、光ファイバ素線110を剥き出しにする(露出させる)。ここで、光電気複合ケーブル100は、スリーブ300に挿入されている。換言すると、スリーブ300は剥き出しにされたメタル導体150の後方であって外被160上に位置している。メタル導体150は、次の工程のため、一旦折り返した後に折り戻され、光ファイバ心線130からは若干浮いた状態となっている。なお、図1から理解されるように、本実施の形態においては、メタル導体150の露出している部分(剥き出しとなっている部分)の軸方向における長さは、筒状部222の長さに実質的に等しい。
【0028】
次に、保護用被膜120の外周(光ファイバ心線130の外周)に接着剤を塗布し、図2(b)に示されるように、フェルール200に挿入する。これによりフェルール200に対して光電気複合ケーブル100(光ファイバ心線130)を接着する。この際、メタル導体150は、筒状部222の外側に配置される。
【0029】
次いで、スリーブ300をフェルール200の先端に向けてスライドさせ、図2(c)に示されるように、スリーブ300の先端をフェルール200のストッパ部224に当接させる。これによりスリーブ300とフェルール200とを電気的に接続させる。ここで、スリーブ300内においては、剥き出しとなったメタル導体150の内側に外被160と実質的に同じ肉厚を有する筒状部222が挿入されていることから、メタル導体150の外側と外被160の外周との間に段差がなくなっている。即ち、筒状部222は、段差解消部として機能している。
【0030】
このように筒状部222により段差をなくした状態において、スリーブ300をかしめることにより、メタル導体150とフェルール200との接続を図る。このことから明らかなように、本実施の形態におけるスリーブ300は、被かしめ部として機能している。スリーブ300をかしめた後、加熱して接着剤を乾燥させ、最後に光ファイバ素線110を研磨して、光電気複合ケーブル100とフェルール200との接続を終える。
【0031】
以上説明したように、被かしめ部であるスリーブ300の内部においては、筒状部222の存在によりメタル導体150の外側と外被160の外周との間に段差がなくなっていることから、スリーブ300の内側には不要な隙間等がない。被かしめ部が単純な形状となっているため、スリーブ300をかしめた後の形状も単純なものとなり、高い接続強度を得ることができる。
【0032】
(第2の実施の形態)
図5及び図6を参照して、本発明の第2の実施の形態による結線構造について説明する。なお、本実施の形態による結線構造を説明するにあたり、前述した第1の実施の形態による結線構造と同様の構成要素については、図面において同一の参照符号を付すこととし、それにより説明を省略することとする。
【0033】
本実施の形態による結線構造は、第1の実施の形態と異なり、スリーブを備えていないものである。但し、後述するように、被かしめ部及び段差解消部の機能を有する部位は備えており、その点では、第1の実施の形態と同様である。
【0034】
詳しくは、本実施の形態によるフェルール200aは、図5に示されるように、本体部210aと、結線部220aとを備えている。本体部210aは、第1の実施の形態による本体部210と略同一構成を備えている。一方、本実施の形態による結線部220aは、本体部210aから後方に延びる第1筒状部222aと、第1筒状部222aから更に後方に延びる第2筒状部224aとを備えている。
【0035】
第1筒状部222aは、光電気複合ケーブル100の中心部からメタル導体150の外側までの径に対応する第1の内径を有しており、第2筒状部224aは、光電気複合ケーブル100の中心部から外被160の外側までの径(外被160の外径)に対応する第2の内径を有している。一方、第1筒状部222aと第2筒状部224aの外径は、互いに等しい。これにより、結線部220aは、特に段差も有しない筒状のような外観を有している一方、内側には第1筒状部222aと第2筒状部224aとの間に段差を有している。また、上述した第1の内径及び第2の内径の差分から明らかなように、本実施の形態における第1筒状部222aと第2筒状部224aとの間の段差は、外被160の肉厚と実質的に等しい。
【0036】
本実施の形態においては、図6に示されるようにして、上述したフェルール200aと光電気複合ケーブル100との接続が行われる。
【0037】
まず、第1の実施の形態と同様に、光電気複合ケーブル100の外被160を除去し、メタル導体150を剥き出し、更に、不要なメタル導体150を除去して光ファイバ心線130を剥き出しにし、加えて、光ファイバ心線130の先端部において、保護用被膜120を除去して光ファイバ素線110を剥き出しにする(図6(a)参照)。
【0038】
次に、保護用被膜120の外周(光ファイバ心線130の外周)に接着剤を塗布し、図6(b)に示されるように、フェルール200aに挿入する。これによりフェルール200aに対して光電気複合ケーブル100(光ファイバ心線130)を接着する。この際、メタル導体150と外被160との段差が第1筒状部222aと第2筒状部224aとの段差と面することとなり、従って、結線部220a内に不要な隙間等がなくなる。その後、結線部220aをかしめて、メタル導体150と結線部220a(フェルール200a)との接続を図った後、加熱して接着剤を乾燥させ、最後に光ファイバ素線110を研磨して、光電気複合ケーブル100とフェルール200aとの接続を終える。
【0039】
以上の説明から理解されるように、本実施の形態における結線部220aは、被かしめ部と段差解消部とを一体形成してなるものである。即ち、結線部220aを軸方向において分けて説明すると、上述したように第1筒状部222a及び第2筒状部224aとなるが、結線部220aを径方向において分けて説明すると、内側から段差解消部と被かしめ部となる。換言すると、第1筒状部222aは、段差解消部と被かしめ部の機能を併せ持つものであり、第2筒状部224aは被かしめ部としての機能のみを有するものである。かかる構造を有する結線部220aにより、結線部220a内に不要な隙間等をなくすことができることから、結線部220aをかしめた後の形状も単純なものとなり、高い接続強度を得ることができる。
【0040】
(第3の実施の形態)
図7及び図8を参照して、本発明の第3の実施の形態による結線構造について説明する。なお、本実施の形態による結線構造を説明するにあたり、前述した第1の実施の形態による結線構造と同様の構成要素については、図面において同一の参照符号を付すこととし、それにより説明を省略することとする。
【0041】
本実施の形態によるフェルール200bは、図7に示されるように、本体部210bと結線部220bとを備えている。本体部210bは、第1の実施の形態による本体部210と略同一構成を備えている。一方、本実施の形態による結線部220bは、後方に延びる筒状のものであり、その内径は、光電気複合ケーブル100の外被160の外径と実質的に等しい。
【0042】
加えて、本実施の形態による結線構造は、図7に示されるように、スリーブ300bを備えている。スリーブ300bの内径は、光電気複合ケーブル100の中心部からメタル導体150の外側までの径を半径として、これを2倍にした直径(これをメタル導体150の外径と定義する)に実質的に等しく、スリーブ300bの外径は、外被160の外径に実質的に等しい。即ち、スリーブ300bの肉厚は、外被160の肉厚に実質的に等しい。
【0043】
本実施の形態においては、図8に示されるようにして、上述したフェルール200b及びスリーブ300bと光電気複合ケーブル100との接続が行われる。
【0044】
まず、第1の実施の形態と同様に、光電気複合ケーブル100の外被160を除去し、メタル導体150を剥き出し、更に、不要なメタル導体150を除去して光ファイバ心線130を剥き出しにし、加えて、光ファイバ心線130の先端部において、保護用被膜120を除去して光ファイバ素線110を剥き出しにする(図8(a)参照)。なお、図7から理解されるように、本実施の形態においては、メタル導体150の露出している部分(剥き出しとなっている部分)の軸方向における長さは、スリーブ300bの長さに実質的に等しい。
【0045】
次に、図8(b)に示されるように、スリーブ300bに光電気複合ケーブル100を挿入し、メタル導体150をスリーブ300bで覆う。これにより、メタル導体150と外被160との段差は解消される。即ち、本実施の形態においては、スリーブ300bがメタル導体150と外被160との段差を解消する段差解消部として機能している。
【0046】
その後、保護用被膜120の外周(光ファイバ心線130の外周)に接着剤を塗布し、図8(c)に示されるように、フェルール200bに挿入する。これによりフェルール200bに対して光電気複合ケーブル100(光ファイバ心線130)を接着する。更にその後、結線部220bをかしめて、メタル導体150と結線部220b(フェルール200b)との接続を図った後、加熱して接着剤を乾燥させ、最後に光ファイバ素線110を研磨して、光電気複合ケーブル100とフェルール200bとの接続を終える。このことから理解されるように、本実施の形態における結線部220bは、被かしめ部として機能している。
【0047】
以上説明したように、被かしめ部である結線部220b内においては、スリーブ300bの存在によりメタル導体150と外被160との段差が吸収されていることから、結線部220bの内側には不要な隙間等がない。そのため、結線部220bをかしめた後の形状も単純なものとなり、高い接続強度を得ることができる。
【0048】
(第4の実施の形態)
図9及び図10を参照して、本発明の第4の実施の形態による結線構造について説明する。なお、本実施の形態による結線構造を説明するにあたり、前述した第1の実施の形態による結線構造と同様の構成要素については、図面において同一の参照符号を付すこととし、それにより説明を省略することとする。
【0049】
本実施の形態によるフェルール200cは、図9に示されるように、本体部210cと結線部220cとを備えている。本体部210cは、第1の実施の形態による本体部210と略同一構成を備えている。一方、本実施の形態による結線部220cは、後方に延びる筒状のものであり、上述した第3の実施の形態による結線部220bと同じである。即ち、結線部220cの内径は、光電気複合ケーブル100の外被160の外径と実質的に等しい。
【0050】
加えて、本実施の形態による結線構造は、図9に示されるように、スリーブ300cを備えている。スリーブ300cの内径は、光電気複合ケーブル100の光ファイバ心線130の外径に実質的に等しく、スリーブ300cの肉厚は、外被160の肉厚に実質的に等しい。
【0051】
本実施の形態においては、図10に示されるようにして、上述したフェルール200c及びスリーブ300cと光電気複合ケーブル100との接続が行われる。
【0052】
まず、第1の実施の形態と同様に、光電気複合ケーブル100の外被160を除去し、メタル導体150を剥き出し、更に、不要なメタル導体150を除去して光ファイバ心線130を剥き出しにし、加えて、光ファイバ心線130の先端部において、保護用被膜120を除去して光ファイバ素線110を剥き出しにする(図10(a)参照)。なお、図9から理解されるように、本実施の形態においては、メタル導体150の露出している部分(剥き出しとなっている部分)の軸方向における長さは、スリーブ300cの長さに実質的に等しい。
【0053】
次に、図10(b)に示されるように、光電気複合ケーブル100の光ファイバ心線130とメタル導体150の間にスリーブ300cを挿入する。これにより、メタル導体150と外被160との段差は解消される。即ち、本実施の形態におけるスリーブ300cと第3の実施の形態におけるスリーブ300bのサイズは異なるものの、本実施の形態においても第3の実施の形態のスリーブ300bと同様に、スリーブ300cがメタル導体150と外被160との段差を解消する段差解消部として機能している。
【0054】
その後、保護用被膜120の外周(光ファイバ心線130の外周)に接着剤を塗布し、図10(c)に示されるように、フェルール200cに挿入する。これによりフェルール200cに対して光電気複合ケーブル100(光ファイバ心線130)を接着する。更にその後、結線部220cをかしめて、メタル導体150と結線部220c(フェルール200c)との接続を図った後、加熱して接着剤を乾燥させ、最後に光ファイバ素線110を研磨して、光電気複合ケーブル100とフェルール200cとの接続を終える。このことから理解されるように、本実施の形態における結線部220cは、被かしめ部として機能している。
【0055】
以上説明したように、被かしめ部である結線部220c内においては、スリーブ300cの存在によりメタル導体150と外被160との段差が解消されていることから、結線部220cの内側には不要な隙間等がない。そのため、結線部220cをかしめた後の形状も単純なものとなり、高い接続強度を得ることができる。
【0056】
以上、本発明について具体的に説明してきたが、本発明はそれらに限定されるものではない。例えば、第1の実施の形態や第4の実施の形態において、メタル導体150の内側に筒状部222やスリーブ300cを挿入する際にメタル導体150が潰れてしまう(光電気複合ケーブルにおける径方向の厚みが減る)ような場合には、その減少分を考慮して筒状部222やスリーブ300cの肉厚を外被160の肉厚よりも若干厚くしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明に係わる光電気複合ケーブルとフェルールとの結線構造及び結線方法は、フェルールを使用するすべての光電気複合ケーブルに適用することができる。
【符号の説明】
【0058】
100 光電気複合ケーブル
110 光ファイバ素線
120 保護用被膜
130 光ファイバ心線
140 抗張力繊維
150 メタル導体
160 外被
200 フェルール
200a フェルール
200b フェルール
200c フェルール
210 本体部
210a 本体部
210b 本体部
210c 本体部
220 結線部
220a 結線部
220b 結線部(被かしめ部)
220c 結線部(被かしめ部)
222 筒状部(段差解消部)
222a 第1筒状部
224 ストッパ部
224a 第2筒状部
300 スリーブ(被かしめ部)
300b スリーブ(段差解消部)
300c スリーブ(段差解消部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電気複合ケーブルと導電性を有するフェルールとの結線構造において、
前記光電気複合ケーブルは、光ファイバ素線と、前記光ファイバ素線を覆う保護用被覆と、前記保護用被覆の外周に配置されメタル素線を複数本隙間なく配置してパイプ状の外部導体を成形したメタル導体と、これらを覆う外被とを有しており、
前記フェルールは、前記光ファイバ素線を挿入され且つ前記挿入された光ファイバ素線を中心部に保持する本体部と、前記メタル導体と接続する結線部とを有しており、
前記フェルールは、前記本体部から前記結線部まで導電性を有しており、
前記結線部は、前記保護用被覆を挿通させる筒状部を有しており、
前記筒状部の外周に前記メタル導体を配置して、前記メタル導体の外径と前記外被の外径とを略同一径にし、略同一の外径を呈する前記メタル導体と前記外被とをスリーブに挿入した後、前記スリーブをかしめることにより、前記光電気複合ケーブルを前記フェルールに保持固定して光伝送用として用い且つ前記フェルールと前記メタル導体とを電気接続させることを特徴とする光電気複合ケーブルとフェルールとの結線構造。
【請求項2】
光電気複合ケーブルと導電性を有するフェルールとの結線構造において、
前記光電気複合ケーブルは、光ファイバ心線と、前記光ファイバ心線の外周に配置されメタル素線を複数本隙間なく配置してパイプ状の外部導体を成形したメタル導体と、これらを覆う外被とを有しており、
前記フェルールは、前記光ファイバ心線を挿入され且つ前記挿入された光ファイバ心線を中心部に保持する本体部と、前記メタル導体と接続し前記外被を保持固定する結線部とを有しており、
前記フェルールは、前記本体部から前記結線部まで導電性を有しており、
前記結線部は、前記光ファイバ心線の中心部から前記メタル導体の外側までの径に対応する第1の内径を有する第1筒状部と、前記光ファイバ心線の中心部から前記外被の外側までの径に対応する第2の内径を有する第2筒状部とを有しており、
前記光電気複合ケーブルを前記結線部に挿入し前記結線部をかしめることにより、前記光電気複合ケーブルを前記フェルールに保持固定し光伝送用として用い且つ前記フェルールと前記メタル導体とを電気接続させることを特徴とする光電気複合ケーブルとフェルールとの結線構造。
【請求項3】
光電気複合ケーブルと導電性を有するフェルールとの結線構造において、
前記光電気複合ケーブルは、光ファイバ心線と、前記光ファイバ心線の外周に配置されメタル素線を複数本隙間なく配置してパイプ状の外部導体を成形したメタル導体と、これらを覆う外被とを有しており、
前記フェルールは、前記光ファイバ心線を挿入され且つ前記挿入された光ファイバ心線を中心部に保持する本体部と、前記メタル導体と接続し前記外被を保持固定する結線部とを有しており、
前記フェルールは、前記本体部から前記結線部まで導電性を有しており、
前記外被の外径と略同一径の外径を有するスリーブに前記メタル導体を挿入した後、前記光電気複合ケーブルを前記結線部に挿入し前記結線部をかしめることにより、前記光電気複合ケーブルを前記フェルールに保持固定し光伝送用として用い且つ前記フェルールと前記メタル導体とを電気接続させることを特徴とする光電気複合ケーブルとフェルールとの結線構造。
【請求項4】
光電気複合ケーブルと導電性を有するフェルールとの結線構造において、
前記光電気複合ケーブルは、光ファイバ素線と、前記光ファイバ素線を覆う保護用被覆と、前記保護用被覆の外周に配置されメタル素線を複数本隙間なく配置してパイプ状の外部導体を成形したメタル導体と、これらを覆う外被とを有し、
前記フェルールは、前記光ファイバ素線が挿入され中心部に保持する本体部と、前記メタル導体と接続し前記外被を保持固定する結線部とを有しており、
前記フェルールは、前記本体部から前記結線部まで導電性を有しており、
前記保護用被覆と前記メタル導体との間にスリーブを挿入して、前記メタル導体の外径と前記外被の外径とを略同一径の外径を有するようにした後、前記光電気複合ケーブルを前記結線部に挿入し前記結線部をかしめることにより、前記光電気複合ケーブルを前記フェルールに保持固定し光伝送用として用い、かつ前記フェルールと前記メタル導体とを電気接続させることを特徴とする光電気複合ケーブルとフェルールとの結線構造。
【請求項5】
光電気複合ケーブルと導電性を有するフェルールとの結線方法であって、
前記光電気複合ケーブルは、光ファイバ素線と、前記光ファイバ素線を覆う保護用被覆と、前記保護用被覆の外周に配置されメタル素線を複数本隙間なく配置してパイプ状の外部導体を成形したメタル導体と、これらを覆う外被とを有しており、前記フェルールは、前記光ファイバ素線が挿入され中心部に保持する本体部と、前記メタル導体と接続する結線部とを有している、光電気複合ケーブルとフェルールとの結線方法において、
前記メタル導体を露出させ前記外被を除去する外被除去工程と、
露出した前記メタル導体を所定長さにしかつ前記保護用被覆を露出させるメタル導体切断工程と、
前記光ファイバ素線を露出させ前記保護用被覆を除去する保護用被覆除去工程と、
前記結線部の筒状部に前記保護用被覆を挿通させ、前記筒状部の外周に前記メタル導体を配置させるメタル導体配置工程と、
前記筒状部の外周に配置したメタル導体と前記外被とをスリーブに挿入するスリーブ取付工程と、
前記スリーブをかしめる結線部カシメ工程と
を備えることを特徴とする光電気複合ケーブルとフェルールとの結線方法。
【請求項6】
光電気複合ケーブルと導電性を有するフェルールとの結線方法であって、
前記光電気複合ケーブルは、光ファイバ心線と、前記光ファイバ心線を覆う保護用被覆と、前記保護用被覆の外周に配置されメタル素線を複数本隙間なく配置してパイプ状の外部導体を成形したメタル導体と、これらを覆う外被とを有しており、前記フェルールは、前記光ファイバ素線が挿入され中心部に保持する本体部と、前記メタル導体と接続し前記外被を保持固定する結線部とを有しており、前記結線部は、前記光ファイバ素線の中心部から前記メタル導体の外側までの径に対応する第1の内径を有する第1筒状部と、前記光ファイバ素線の中心部から前記外被の外側までの径に対応する第2の内径を有する第2筒状部とを有している、光電気複合ケーブルとフェルールとの結線方法において、
前記メタル導体を露出させ前記外被を除去する外被除去工程と、
露出した前記メタル導体を所定長さにしかつ前記保護用被覆を露出させるメタル導体切断工程と、
前記光ファイバ素線を露出させ前記保護用被覆を除去する保護用被覆除去工程と、
前記結線部に前記光電気複合ケーブルを挿入する挿入工程と、
前記光電気複合ケーブルの挿入された前記結線部をかしめる結線部カシメ工程と
を備えることを特徴とする光電気複合ケーブルとフェルールとの結線方法。
【請求項7】
光電気複合ケーブルと導電性を有するフェルールとの結線方法であって、
前記光電気複合ケーブルは、光ファイバ心線と、前記光ファイバ心線を覆う保護用被覆と、前記保護用被覆の外周に配置されメタル素線を複数本隙間なく配置してパイプ状の外部導体を成形したメタル導体と、これらを覆う外被とを有しており、前記フェルールは、前記光ファイバ心線が挿入され中心部に保持する本体部と、前記メタル導体と接続し前記外被を保持固定する結線部とを有している、光電気複合ケーブルとフェルールとの結線方法において、
前記メタル導体を露出させ前記外被を除去する外被除去工程と、
露出した前記メタル導体を所定長さにしかつ前記保護用被覆を露出させるメタル導体切断工程と、
前記光ファイバ素線を露出させ前記保護用被覆を除去する保護用被覆除去工程と、
前記外被の外径と略同一径の外径を有するスリーブに前記露出したメタル導体を挿入するスリーブ取付工程と、
前記スリーブ付きの前記光電気複合ケーブルを前記結線部に挿入する挿入工程と、
前記スリーブ付きの前記光電気複合ケーブルを挿入された前記結線部をかしめる結線部カシメ工程と
を備えることを特徴とする光電気複合ケーブルとフェルールとの結線方法。
【請求項8】
光電気複合ケーブルと導電性を有するフェルールとの結線方法であって、
前記光電気複合ケーブルは、光ファイバ素線と、前記光ファイバ素線を覆う保護用被膜と、前記保護用被膜の外周に配置されメタル素線を複数本隙間なく配置してパイプ状の外部導体を成形したメタル導体と、これらを覆う外被とを有しており、前記フェルールは、前記光ファイバ素線が挿入され中心部に保持する本体部と、前記メタル導体と接続し前記外被を保持固定する結線部とを有している、光電気複合ケーブルと導電性を有するフェルールとの結線方法において、
前記メタル導体を露出させ前記外被を除去する外被除去工程と、
露出した前記メタル導体を所定長さにしかつ前記保護用被膜を露出させる電線切断工程と、
前記光ファイバ素線を露出させ前記保護用被膜を除去する保護用被膜除去工程と、
前記保護用被膜と前記メタル導体との間にスリーブを挿入して、前記メタル導体の外径と前記外被の外径とを略同一径の外径を有するようにするスリーブ挿入工程と、
前記スリーブ付きの前記光電気複合ケーブルを前記結線部に挿入する挿入工程と、
前記スリーブ付きの前記光電気複合ケーブルを挿入された前記結線部をかしめる結線部カシメ工程と
を備えることを特徴とする光電気複合ケーブルとフェルールとの結線方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−181600(P2010−181600A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−24630(P2009−24630)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【出願人】(390002598)沖電線株式会社 (45)
【Fターム(参考)】