説明

光音響診断用のプローブユニットおよびそれを用いた光音響診断装置

【課題】光音響診断用のプローブユニットおよびそれを用いた光音響診断装置を小型化することを可能とする。
【解決手段】光音響診断用のプローブユニットにおいて、被検体に照射される測定光を発する光照射部74と、駆動回路が形成された回路基板22と、回路基板22上に形成された圧電体30であって、第1の電極としての駆動回路の電圧読み取り部25aに接続された圧電体30と、圧電体30上に形成された第2の電極31とを備え、駆動回路が、圧電体30が音響波を検出した際に発する音響信号を受信する複数の受信回路25であってアレイ状に配列した複数の受信回路25を有するものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光音響効果を使用した光音響診断用のプローブユニットおよびそれを用いた光音響診断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1や非特許文献1に示されているように、光音響効果を利用して生体の内部構造を画像化する光音響画像化装置が知られている。この光音響画像化装置においては、例えばパルスレーザ光等のパルス光が生体内に照射される。このパルス光の照射を受けた生体内部では、パルス光のエネルギーを吸収した生体組織がその吸収に伴う発熱によって膨張し、音響波(音響信号)が発生する。そして、この音響波がプローブユニットなどで受信され、その受信信号に基づいて生体内部の光音響画像が生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−21380号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】A High-Speed Photoacoustic Tomography System based on a Commercial Ultrasound and a Custom Transducer Array, Xueding Wang, Jonathan Cannata, Derek DeBusschere, Changhong Hu, J. Brian Fowlkes, and Paul Carson, Proc. SPIE Vol. 7564, 756424 (Feb.23, 2010)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年携帯型の診断装置が注目されているところ、特許文献1のようなプローブユニットの構成では小型化に向いていないという問題がある。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、小型化が可能な光音響診断用のプローブユニットおよびそれを用いた光音響診断装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る光音響診断用のプローブユニットは、
光音響診断用のプローブユニットにおいて、
被検体に照射される測定光を発する光照射部と、
駆動回路が形成された回路基板と、
測定光の照射により被検体から発せられた音響波を検出するように回路基板上に形成された圧電体であって、第1の電極としての駆動回路の電圧読み取り部に接続された圧電体と、
圧電体上に形成された第2の電極とを備え、
駆動回路が、圧電体が上記音響波を検出した際に発する音響信号を受信する複数の受信回路であってアレイ状に配列した複数の受信回路を有するものであることを特徴とするものである。
【0008】
そして、本発明に係るプローブユニットにおいて、駆動回路はモノリシック回路であることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係るプローブユニットにおいて、圧電体の材料は有機材料であることが好ましく、有機材料はPVDF(ポリフッ化ビニリデン)またはP[VDF/TrFE](フッ化ビニリデンおよび三フッ化エチレンの共重合体)であることが好ましい。
【0010】
また、本発明に係るプローブユニットは、圧電体の受信側に形成された音響整合層であって、エポキシ系樹脂、シリコーンゴム、ポリイミドおよびポリエチレンの少なくとも一種から構成される音響整合層を備えることが好ましい。
【0011】
本発明に係る光音響診断装置は、
上記に記載のプローブユニットと、
光照射部に上記測定光としてのレーザ光を出力するレーザユニットと、
音響信号に基づいて生成された被検体の内部情報を表示する表示部とを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るプローブユニットおよび光音響診断装置は、駆動回路が形成された回路基板上に音響波検出用の圧電体が形成されたものであるから、駆動回路の占有領域を小さくすることが可能となる。この結果、プローブユニットおよびそれを用いた光音響診断装置の小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の光音響診断装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】本発明のプローブユニットの一実施形態を示す概略断面図である。
【図3】モノリシック回路基板の例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明するが、本発明はこれに限られるものではない。なお、視認しやすくするため、図面中の各構成要素の縮尺等は実際のものとは適宜異ならせてある。
【0015】
図1は本発明の光音響診断装置の一実施形態を示す概略斜視図であり、図2は本発明のプローブユニットの一実施形態を示す概略断面図であり、図3はモノリシック回路基板の例を示す概略図である。
【0016】
本実施形態の光音響診断装置2は、被検体内に測定光としてパルスレーザ光を照射し、この測定光の照射により被検体内で発生した光音響波を検出し、その検出信号に基づいて光音響画像を生成する機能を有する。
【0017】
具体的には、光音響診断装置2は、観測装置10と、観測装置10に接続される体外式のプローブユニット11と、観測装置10に接続されるレーザユニット70とから構成されている。
【0018】
観測装置10は、装置本体12とカバー13とからなる。装置本体12の上面には、観測装置10に種々の操作指示を入力するための複数のボタンやトラックボールが設けられた操作部14が配されている。また、カバー13の内面には、音響信号に関するグラフや音響信号に基づいた光音響画像を表示したり様々な操作画面を表示したりするモニタ15が設けられている。
【0019】
カバー13は、ヒンジ16を介して装置本体12に取り付けられており、操作部14とモニタ15とを露呈させる図示する開き位置と、装置本体12の上面とカバー13の内面を対面させて、操作部14とモニタ15を互いに覆って保護する閉じ位置(図示せず)との間で回動自在である。装置本体12の側面には、プローブユニット11が着脱自在に接続されるプローブユニット接続部17およびレーザユニット接続部72が設けられている。
【0020】
プローブユニット11は、術者が把持して被検体にあてがう走査ヘッド18と、プローブユニット接続部17に接続されるコネクタ19と、これらを繋ぐケーブル20とからなる。走査ヘッド18の先端部には、超音波トランスデューサアレイ(以下、UTアレイと略す)21が内蔵されている。
【0021】
UTアレイ21は、図2に示されるように、回路基板22、圧電体30、上部電極31、音響整合層32および音響レンズ33を備えている。
【0022】
回路基板22は、駆動回路が例えばSi基板等の半導体基板23に形成されたものである。駆動回路は、小型化の観点からモノリシック回路であることが好ましい。モノリシック回路とは、半導体基板に不純物を入れる、或いは当該半導体基板上に新たな結晶をつくることにより、半導体基板の物理的な性質を変えて構成した電子回路を意味する。本実施形態では図3に示されるように、駆動回路は、例えばCMOS回路等の受信回路25を少なくとも含む。なお、受信回路25は、1次元アレイ状或いは2次元アレイ状に複数配列したものであることが好ましい。受信回路25は、下部電極(第1の電極)としての電圧読み取り部25aを有しており、電圧読み取り部25aは圧電体30との接続が可能となるように回路基板22の表面に露出している。駆動回路としては、上記で挙げたCMOS回路の他、例えば、受信回路25によって受信した音響信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路、上記音響信号のデジタル信号から光音響画像を生成する画像生成回路、その他公知の論理回路を組み込むことも可能である。駆動回路からの出力信号は、ケーブル20、コネクタ19およびプローブユニット接続部17を経由して装置本体12へ送信される。
【0023】
圧電体30は、被検体からの音響波を検出すると、その振動により電圧を発生させる素子である。圧電体30および受信回路25は電圧読み取り部25aによって相互に接続されているため、圧電体30で発生した電圧は受信回路25によって受信される。圧電体30の材料は特に制限されない。しかしながら、圧電体30の材料は、光音響効果によって生じる音響波の周波数成分が1〜40MHz程度の周波数帯域の全域に広く分布していることから、圧電性能を示す有機材料であることが好ましい。一般的に有機材料の圧電体は、低周波から高周波の非常に広い周波数帯域に亘って音響波を検出することが可能であり、広い周波数帯域に亘って音響波の検出効率が高い特性を有するからである。これにより本実施形態の光音響診断装置2によれば、高画質の光音響画像を生成することが可能となる。
【0024】
圧電体30の材料は、その圧電性能の観点から、特にPVDF(ポリフッ化ビニリデン)およびP[VDF/TrFE](フッ化ビニリデンおよび三フッ化エチレンの共重合体)等のフッ素化合物樹脂であることが好ましい。フッ素化合物樹脂は、受信定数gが大きく、音響波の受信感度が比較的高いためである。圧電体30の材料が有機材料である場合、圧電体30は薄膜状のシートとして用いることが可能である。圧電体シートの厚さは10〜100μmであることが好ましい。圧電体シートは、電圧読み取り部25aおよび上部電極31によって挟まれる構造となる。
【0025】
上部電極31は本発明における第2の電極として機能する。上部電極31の材料は、例えば金、白金およびチタン等の金属材料であり、真空蒸着やスパッタリング等によって圧電体30上に形成される。また、上部電極31は、一種の金属材料からなる単層構造でもよいし、複数の金属材料からなる積層構造でもよい。上部電極31の厚さは、100〜500nmであることが好ましい。上部電極31は例えばグラウンドに接続(接地)される。
【0026】
音響整合層32は、圧電体30と被検体との音響インピーダンスの差を段階的に緩和し、音響波の受信感度を向上させるものである。音響整合層32は、圧電体30の受信側に形成される。「圧電体の受信側に形成される」とは、プローブユニット11が被検体にあてがわれたときに、音響整合層32が圧電体30と被検体との間に配置されるように形成されることを意味する。したがって、音響整合層32は、圧電体30上に直接形成されてもよいし、他の層を介して圧電体30上に形成されてもよい。音響整合層32の材料としては、音響インピーダンスの値が圧電体30に比してより被検体のものの値に近い様々な有機材料を用いることができる。音響整合層32の材料としては、具体的にはエポキシ系樹脂、シリコーンゴム、ポリイミドおよびポリエチレン等が挙げられる。
【0027】
音響レンズ33は、圧電体30から発せられる超音波を被観察部位に集束させる。音響レンズ33は、例えばシリコーンゴムからなり、厚みは最大で1mm程度である。
【0028】
なお、音響整合層32および音響レンズ33は、必ずしも設けなくてもよいが、圧電体30および被検体の間の音響整合並びに圧電体30の保護の観点から設けることが好ましい。
【0029】
上記のように本実施形態のUTアレイ21は、例えばCMOS回路等の受信回路25が形成された回路基板22上に積層された圧電体30、上部電極31、音響整合層32および音響レンズ33からなる構造を有している。そして、それぞれの受信回路25の電圧読み取り部25aが下部電極となり、圧電体30は、当該下部電極と共通に設けられた上部電極とによって挟まれた構造を有する。UTアレイ21の各層を積層させる際に必要に応じて接着剤を用いることも可能である。接着剤としては様々な材料を適用することができる。特にエポキシ系樹脂は、音響透過性と接合強度に優れ、コストの面でも安価であるため接着剤として好ましい。
【0030】
レーザユニット70は、例えばQスイッチ固体レーザを内蔵したもので、電源ケーブル71を介して観測装置10のレーザユニット接続部72に接続されるようになっている。このレーザユニット70は、光音響画像を取得する際に観測装置10の操作部14から発光指示がなされると、所定のトリガーを受けてパルスレーザ光を発する。そのパルスレーザ光は、バンドルファイバ73を介して伝搬され、プローブユニット11の先端に設けられた光照射部74から被検体に向けて照射される。
【0031】
光照射部74は、本実施形態ではバンドルファイバ73を構成する複数の光ファイバの先端部から構成されている。それらの光ファイバの先端部は、例えばUTアレイ21の周辺部を囲むように配設される。さらに、光ファイバの先端部は、UTアレイ21の周辺部を囲む配設に加え、UTアレイ21面内において十字状或いは格子状に配設されることが好ましい。光学的な照射強度の均一性が増すためである。これらの先端部から出射するパルスレーザ光によって被検体が面状に照射される。
【0032】
光音響画像の取得時には、前述したようにレーザユニット70から生体組織等の被検体に向けてパルスレーザ光が照射される。この照射を受けた被検体の部分からは音響波が発せられ、この音響波が圧電体30によって検出される。
【0033】
以上のように、本発明に係るプローブユニットおよび光音響診断装置は、駆動回路が形成された回路基板上に音響波検出用の圧電体が形成されたものであるから、駆動回路の占有領域を小さくすることが可能となる。この結果、プローブユニットおよびそれを用いた光音響診断装置の小型化が可能となる。
【0034】
(設計変更)
上記の実施形態では、いわゆるコンベックス電子走査型の体外式のプローブユニットについて説明したが、本発明はこれに限られない。例えば本発明のプローブユニットは、ラジアル電子走査型、或いは1個の超音波トランスデューサを機械的に回転あるいは揺動、もしくはスライドさせるメカニカルスキャン走査方式のプローブユニットでもよい。電子内視鏡の鉗子チャンネルに挿入される体内式のプローブユニットや、電子内視鏡と一体化された超音波内視鏡についても本発明は適用可能である。
【0035】
また上記の実施形態では、レーザユニットを構成するレーザ光源が固体レーザである場合について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば本発明のプローブユニットは、発振波長が最大800nm程度のAlGaAs系半導体レーザ、発振波長が最大900nm程度のInGaAs系半導体レーザ等も適用可能である。さらに、半導体レーザを種光源とする光増幅型レーザ光源と光波長変換素子との組み合わせからなるもの、より具体的には、波長1560nm程度のレーザ光を発する半導体レーザと、そのレーザ光を増幅する偏波保存型Er(エルビウム)添加光ファイバからなるファイバ増幅器と、そこで増幅された上記レーザ光を波長780nm程度の第2高調波に変換するSHG(第2高調波発生)素子とからなるもの等も適用可能である。
【実施例】
【0036】
本発明に係るプローブユニットの実施例を以下に示す。この実施例では、2次元アレイ状にCMOS回路が形成された回路基板上に、有機材料からなる音響波受信用の圧電体シートが積層された例について説明する。
【0037】
受信回路としてのCMOS回路としては、例えば特開2006−167327の図3Aの回路において送信回路の部分を取り除き、受信回路の部分のみした回路が挙げられる。つまり、特開2006−167327の図3Aは送受信回路であるが、本実施例ではそのうちの受信回路の部分を援用する。
【0038】
圧電体シートは、音響インピーダンスが4.5Mrayl(rayl=N・s/m)のP[VDF/TrFE]から構成されるものである。20μmの厚さに成型された上記圧電体シートを用い、その片面に上部電極としてベタ金属膜(成膜されたままの平坦な金属膜)を形成した。このベタ金属膜は、Ti、PtおよびAuの順で、Tiの厚さが20nm、Ptの厚さが150nm、Auの厚さが300nmとなるように、Arガス導入下においてDCスパッタリング法によって形成した。
【0039】
次に、音響インピーダンスの値が圧電体シートよりも被検体に近いエポキシ樹脂(音響インピーダンス:3.1Mrayl)からなる有機樹脂層を圧電体シートの上記上部電極上に形成した。有機樹脂層の形成は、当該音響整合層を所望の厚さに研磨した後、加熱硬化型のエポキシ系接着剤(例:アルテコ社3500)を用いて上部電極と接着することにより行った。有機樹脂層の研磨は、主として受信したい所望の音響波の周波数fに対して、有機樹脂層の厚さがその周波数fについての波長λの1/4となるように行った。光音響効果によって生じる音響波において、実施例では7MHzを所望の周波数とした。エポキシ樹脂における音速は2600m/sであるため、v=fλに基づき有機樹脂層の所望の厚さは93μmとなった。研磨された有機樹脂層は、薄い圧電体シートのハンドリング性を向上させる基板であると同時に、音響整合層、保護層、音響レンズの役割を兼ねるものである。
【0040】
なお、音響インピーダンスが圧電体シートより被検体に近い有機樹脂層は1層だけでなく、多層でも可能である。例えば、より高周波数を所望の周波数とする場合、エポキシ樹脂自身がかなり薄くなり、剛性を維持できなくなるという問題が生じうる。このような場合、エポキシ樹脂より音響インピーダンスが小さいポリイミド、または更に音響インピーダンスが小さいポリエチレンを用いて、所望の周波数の音響波の透過率が高くなるように有機樹脂層を複数積層することで、剛性を保ちながら音響波の透過率を上げることができる。
【0041】
次に、CMOS回路の電圧読み取り部上に加熱硬化型のエポキシ系接着剤を塗布し、圧電体シートの上部電極側と反対側の面を当該塗布面に接着させた。そして、この接着構造体全体を覆うことができるテフロン板を当該接着構造体上に載せた。そして、そのテフロン板の上にさらに重りを載せて10〜100kPa程度の圧力が面内に均一にかかるように加圧しながら80℃以下で当該接着構造体の接着面を熱圧着して接着した。
【0042】
CMOS回路の電圧読み取り部は、300μm四方の正方形状でありかつ30μm間隔で2次元アレイ状に複数配列されている。電圧読み取り部が圧電体シートに熱圧着して接着されることにより、電圧読み取り部が、そのまま圧電体シートの下部電極として機能し、信号の読み取り電極となる。圧電体シートの上部電極は、前述の通りベタ金属膜であり、全てのCMOS回路を共通にグラウンドに落とす共通グラウンド電極になる。
【0043】
厚さが20μmでありかつ面積が300μm四方であるP[VDF/TrFE]から構成される実施例に係る圧電体シートの素子容量は、0.21pFであり、CMOS回路直結で十分に読み取れる容量である。また、パルスレーザ光の照射により、0.1MPの微弱な音響信号が発生したと仮定しても、実施例に係る圧電体シートは0.8V程度の電圧を発生するので、十分微弱な音響信号を読み取り可能である。
【符号の説明】
【0044】
2 光音響診断装置
10 観測装置
11 プローブユニット
12 装置本体
13 カバー
14 操作部
15 モニタ
16 ヒンジ
17 プローブユニット接続部
18 走査ヘッド
19 コネクタ
20 ケーブル
21 アレイ
22 回路基板
23 半導体基板
25 受信回路
25a 電圧読み取り部(第1の電極)
30 圧電体
31 上部電極(第2の電極)
32 音響整合層
33 音響レンズ
70 レーザユニット
71 電源ケーブル
72 レーザユニット接続部
73 バンドルファイバ
74 光照射部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光音響診断用のプローブユニットにおいて、
被検体に照射される測定光を発する光照射部と、
駆動回路が形成された回路基板と、
前記測定光の照射により前記被検体から発せられた音響波を検出するように前記回路基板上に形成された圧電体であって、第1の電極としての前記駆動回路の電圧読み取り部に接続された前記圧電体と、
該圧電体上に形成された第2の電極とを備え、
前記駆動回路が、前記圧電体が前記音響波を検出した際に発する音響信号を受信する複数の受信回路であってアレイ状に配列した前記複数の受信回路を有するものであることを特徴とするプローブユニット。
【請求項2】
前記駆動回路がモノリシック回路であることを特徴とする請求項1に記載のプローブユニット。
【請求項3】
前記圧電体の材料が有機材料であることを特徴とする請求項1または2に記載のプローブユニット。
【請求項4】
前記有機材料が、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)またはP[VDF/TrFE](フッ化ビニリデンおよび三フッ化エチレンの共重合体)であることを特徴とする請求項3に記載のプローブユニット。
【請求項5】
前記圧電体の受信側に形成された音響整合層であって、エポキシ系樹脂、シリコーンゴム、ポリイミドおよびポリエチレンの少なくとも一種から構成される前記音響整合層を備えることを特徴とする請求項4に記載のプローブユニット。
【請求項6】
請求項1から5いずれかに記載のプローブユニットと、
前記光照射部に前記測定光としてのレーザ光を出力するレーザユニットと、
前記音響信号に基づいて生成された前記被検体の内部情報を表示する表示部とを備えることを特徴とする光音響診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−106823(P2013−106823A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254659(P2011−254659)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】