説明

免疫アジュバントの調製のための化合物

【課題】免疫アジュバントTLR-4レセプターアゴニストE6020の合成法の提供。
【解決手段】アミノ基を保護したリン酸ウレイド中間体を経由して、下記式のTLR-4レセプターアゴニストE6020を合成することが出来る。該化合物は、細菌性およびウイルス性疾患に対する抗原、例えばワクチンと共投与されたとき、免疫アジュバントとして有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一般に、ワクチンは、感染性疾患の予防のための有効な方法として知られている。概して、それらはコスト効率がよく、標的病原体に対する抗生物質抵抗性を誘発せず、または、ホスト中の常在菌叢に影響しない。多くの場合、例えば抗ウイルス免疫を誘発する場合など、ワクチンは使用できる治療法または使用できる改善処置がない疾患を防ぐことができる。
【0002】
免疫システムが薬物または抗原(通常感染性生物体またはその一部である)に対する応答を開始することを引き起こさせるワクチンの機能は, 非感染性または非病原性の形態で体内に投入される。免疫システムがいったん該生物体で“刺激され”または感作されると、後に感染性病原体であるこの生物体に免疫システムが曝露したとき、迅速で強い免疫応答を生じ、それが増殖し疾患症状を引き起こすのに十分なホスト生物体中の細胞に感染する前に、該病原体を破壊する。
【0003】
免疫システムを刺激するのに使用される薬物または抗原は、弱毒化生物体と知られる感染性状態の低い生物体全体であり、またある場合には、該生物体の成分、例えば生物体の様々な構成成分を示す糖質、タンパク質またはペプチドでありうる。
【0004】
多くの場合、免疫システムを十分に刺激して、ワクチンを有効とする、すなわち免疫を与えるために、ワクチン内にある抗原に対する免疫応答を高めることが必要である。多くのタンパク質ならびに大部分のペプチドおよび糖質抗原は単独で投与された場合、免疫を与える十分な抗体反応を引き出さない。該抗原は、それらが異物と認識され免疫応答を引き出す方法で、該免疫システムに提示される必要がある。この目的を達成するために、抗原を固定し免疫応答を刺激する添加物(アジュバント)が発明された
【0005】
最もよく知られたアジュバントであるフロイント完全アジュバントは、オイル/水エマルジョン中のマイコバクテリアの混合物から成る。フロイントアジュバントは2つの方法: 1番目に細胞性および液性-媒介免疫を強化することによって、2番目に抗原チャレンジ急激な分散を防ぐ(“デポー効果”)ことによって作用する。しかしながら、頻繁に起こるこの物質に対する有毒な生理的および免疫反応のために、フロイントアジュバントはヒトに使用することができない。
【0006】
免疫賦活性またはアジュバント活性を有するもう1つの分子は、エンドトキシンであり、リポ多糖体(LPS)としても知られる。LPSは「自然」免疫応答-生物体がエンドトキシン(およびそれを成分とする侵入してきた細菌)を認識できるように進化させる応答-を誘発することで免疫システムを刺激し、これには、生物体が先に曝露を受けている必要はない。一方、LPSは毒性が高いためアジュバントとして使用することができないため、エンドトキシンに構造的に関連する分子、例えばモノホスホリル脂質 A(“MPL”)が、アジュバントとして臨床試験をされている。LPSおよびMPLは共に、ヒトtoll-likeレセプター-4(TLR-4)に対するアゴニストであることが実証されている。しかし現在のところ、唯一のFDA-承認されたヒト用アジュバントは、アルミニウム塩(ミョウバン)であり、抗原を沈殿することによって抗原を“持続”するために使用する。ミョウバンもまた、抗原に対する免疫応答を刺激する。
【0007】
従って、抗原と共投与することができ、免疫システムを刺激して、抗原が単独でまたはミョウバンと共に投入された場合に見られるよりも、該抗原に対するより強い抗体反応を生じさせる化合物を調製するための合成方法を開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題と課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の概要
一つの態様において、本発明は該構造:
【化1】


を有するTLR-4レセプターアゴニストE6020の合成方法を提供する。
【0009】
別の態様において、本発明には、E6020のいずれかの立体異性体の合成方法が含まれる。従って、該構造:
【化2】


を有する化合物を調製するための合成中間体が、本発明において提供される。
【0010】
これらの化合物は、抗原、例えば細菌性およびウイルス性疾患のワクチンと共投与されるとき、免疫アジュバントとして有用である。本発明はまたE6020およびその立体異性体の調製に有用な合成中間体を提供する。
【0011】
定義
本発明に従い、本明細書で使用する以下の用語は、明示的に別段の定めをした場合を除き、以下の意味に定義される。
【0012】
本発明で開示される所定の化合物および特定の官能基の定義もまた、以下により詳細に記載する。本発明の目的のために、化学元素は、the Periodic Table of the Elements, CAS version, Handbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.、表紙裏に従って特定され、特定の官能基は概してそこで記載されるように定義される。さらに、有機化学の一般的原理、ならびに特定の官能部位および反応性は、「Organic Chemistry」, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito: 1999、に記載され、その全ては本明細書に記載されたものとして引用される。さらに、当該技術分野の当業者に当然のことながら、該合成方法には、本明細書に記載されるように、様々な保護基が使用される。本明細書で使用される用語「保護基」は、多官能性化合物の別の反応性部位で選択的に反応が行われるように、特定の官能部位、例えば、O、S、P、またはN、が一時的にブロックされることを意味する。好ましい実施形態において、保護基は、高収率で選択的に反応し、予測される反応に安定である保護された基質が得られ; 該保護基は、直ちに入手可能で好ましくは無毒性の他の官能基をアタックしない試薬により、選択的に高収率で除去されなければならず; 該保護基は容易に分離できる誘導体を形成し(より好ましくは新たな不斉中心を生じずに);および、更なる反応部位を避けるため、該保護基に付加される官能性は最低限である。本明細書において詳説されるように、酸素,硫黄,窒素,リン、および炭素保護基が使用されうる。
【0013】
例えば、ある実施形態において、本明細書において詳説されるように、所定の例示の 酸素保護基が使用される。これらの酸素保護基には、これらに制限されないが、メチルエーテル、置換メチルエーテル(例えば、MOM(メトキシメチルエーテル)、MTM(メチルチオメチルエーテル)、BOM(ベンジルオキシメチルエーテル)、PMBM(p-メトキシベンジルオキシメチルエーテル))、置換エチルエーテル、置換ベンジルエーテル、シリルエーテル(例えば、TMS(トリメチルシリルエーテル)、TES(トリエチルシリルエーテル)、TIPS(トリイソプロピルシリルエーテル)、TBDMS(t-ブチルジメチルシリルエーテル)、トリベンジルシリルエーテル、TBDPS(t-ブチルジフェニルシリルエーテル))、エステル(例えば、ギ酸、酢酸、安息香酸(Bz)、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸)、炭酸、環状アセタールおよびケタールが含まれる。亜リン酸の酸素およびリン酸の酸素の保護基には、例えば、リン酸/亜リン酸アルキル(メチル、エチル; イソプロピル; t-ブチル; シクロヘキシル; 1-アダマンチル; および2-トリメチルシリルプロパ-2-エニルなど); リン酸/亜リン酸アルケニル(エテニルおよびアリルなど); リン酸/亜リン酸2-置換エチル(2-シアノエチル、2-シアノ-1,1-ジメチルエチル、2-(トリメチルシリル)エチル、2-(4-ニトロフェニル)エチル、2-(フェニルスルホニル)エチル,および2-(ベンジルスルホニル)エチルなど); リン酸/亜リン酸ハロエチル(2,2,2-トリクロロエチル、2,2,2-トリクロロ-1,1-ジメチルエチル、2,2,2-トリブロモエチル、2,3-ジブロモプロピルなど)、リン酸/リン酸ベンジル(ベンジル; 4-ニトロベンジル、4-クロロベンジル; 1-オキシド-4-メトキシ-2-ピコリル、フルオレニル-9-メチル、5-ベンズイソオキサゾリルメチレン、(C)C=など); ならびに、リン酸/亜リン酸フェニル(フェニル; 4-ニトロフェニル、および4-クロロフェニルなど); ならびに、リン酸/亜リン酸シリル(トリメチルシリルなど)が含まれる。
【0014】
他の例示の実施形態において、窒素保護基が使用される。これらの窒素保護基は一価または二価の保護基、例えばこれらに限定されないが、カルバメート(例を挙げるとメチル、エチルおよび置換エチルカルバメート(例えば、Troc)を含む)アミド、環状イミド誘導体、N-アルキルおよびN-アリールアミン、イミン誘導体、ならびにエナミン誘導体でありうる。アミン保護基、例えばCbz、Boc、Fmoc、TROC、TMS-エチルカルボニル、シアノエチルカルボニル、アリルオキシカルボニルまたは(C)C=(ジフェニルメチレン)もまた、記載される。本明細書に他の例示の保護基が詳説されるが、当然のことながら、本発明はこれらの保護基に限定するものではなく; むしろ、様々な追加の同等な保護基は、上記の基準を用いて容易に特定され、本発明に使用することができる。さらに、様々な保護基は「Protective Groups in Organic Synthesis」 Third Ed. Greene, T.W. and Wuts, P.G., Eds., John Wiley & Sons, New York: 1999、に記載され、その全ては本明細書に記載されたものとして引用される。
【0015】
該化合物は、本明細書に記載されるように、いくつかの置換基または官能基で置換されていてもよいと理解される。概して、用語「適宜」に続くか否かに関わらず、用語「置換された」および本発明の式に含まれる置換基は、所定の構造の水素ラジカルと特定の置換基のラジカルとの置き換えをいう。所定の構造の1つ以上の位置が特定の群から選択される1つ以上の置換基で置換され得る場合、該置換基は全ての位置で同一でも異なっていてもよい。本明細書で使用される用語「置換された」は、有機化合物の全ての許容される置換基を含むことが意図される。一般的な態様において、許容される置換基には、非環状および環状、分岐および非分岐、炭素環およびヘテロ環、芳香族および非芳香族、炭素およびヘテロ原子の有機化合物の置換基が含まれる。本発明の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基および/または本明細書に記載されるいずれかの許容される有機化合物の置換基を有していてもよく、ヘテロ原子の価数を満たす。さらに、本発明は、該許容される有機化合物の置換基によるいずれかの様式に限定されない。本発明により想定される置換基の組み合わせおよび可変は、好ましくは例えば概して上記のような疾患の治療および予防に有用な安定な化合物の構造を生じるものである。置換基の例には、これらに限定されないが、ハロ置換基、例えばF; Cl; Br;またはI; ヒドロキシル基; C〜Cアルコキシ基、例えば、-OCH、-OCHCH、または-OCH(CH); C〜Cハロアルキル基、例えば-CF; -CHCF;または-CHCl; C〜Cアルキルチオ; アミノ; モノおよびジアルキルアミノ基; -NO; -CN; 硫酸基などがある。通常適用できる置換基の追加の例は、本明細書に記載される実施例に示される個々の実施形態により説明される。
【0016】
本明細書で使用される用語「安定な」は、好ましくは、製造において十分な安定性を有し、検出するのに十分な期間、好ましくは本明細書に詳説される目的に有用であるのに十分な期間に、化合物の完全性を維持する化合物をいう。
【0017】
本明細書で使用される用語「アルキル」には、直鎖および分岐アルキル基が含まれる。類似の慣例が、他の総称、例えば「アルケニル」、「アルキニル」などに適用する。さらに、本明細書で使用される用語「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」などには、置換および非置換基の両方が含まれる。ある実施形態において、本明細書で使用される「低級アルキル」は、1〜6炭素原子を有するそれらのアルキル基(環状、非環状、置換、非置換、分岐または非分岐)を示すのに使用される。他の実施形態において、C1-4、C2-4、C1-3もしくはC3-6アルキルまたはアルケニルが好ましい。
【0018】
ある実施形態において、本発明に使用されるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、アルキル基については1〜20個の脂肪族炭素原子、ならびにアルケニルおよびアルキニル基については2〜20個の炭素原子を含む。他のある実施形態において、本発明に使用されるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜15個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施形態において、本発明に使用されるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜8個の脂肪族炭素原子を含む。またさらに他の実施形態において、本発明に使用されるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施形態において、本発明に使用されるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜4個の炭素原子を含む。従って実例となる脂肪族基には、これらに限定されないが、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、アリル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、sec-ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル、n-ヘキシル、sec-ヘキシルなど含まれ、これらはさらに1個以上の置換基を有していてもよい。アルケニル基には、これらに限定されないが、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1-メチル-2-ブテン-l-イルなどが含まれる。代表的なアルキニル基には、これらに限定されないが、エチニル、2-プロピニル(プロパルギル)、1-プロピニルなどが含まれる。
【0019】
本明細書で使用される用語「脂環」は、脂肪族化合物および環状化合物の特徴を結合する化合物をいい、これらに制限されないが、環状または多環状脂肪族炭化水素および架橋シクロアルキル化合物を含み、これらは1個以上の官能基で適宜置換される。当該技術分野の当業者に明らかなように、本明細書における「脂環」は、これらに制限されないが、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびシクロアルキニル基を含むことを意図し、これらは1個以上の官能基で適宜置換される。従って実例となる脂環基には、これらに限定されないが、例えば、シクロプロピル、-CH-シクロプロピル、シクロブチル、-CH-シクロブチル、シクロペンチル、-CH-シクロペンチル-n、シクロヘキシル、-CH-シクロヘキシル、シクロヘキセニルエチル、シクロヘキサニルエチル、ノルボルビル基などが含まれ、これらはさらに1個以上の置換基を有していてもよい。
【0020】
本明細書で使用される用語「アルコキシ」(もしくは「アルキルオキシ」)または「チオアルキル」は、酸素原子または硫黄原子を介して親分子の部分に結合するアルキルまたはシクロアルキル基(先に定義した)をいう。ある実施形態において、該アルキルまたはシクロアルキル基は、1〜20個の脂肪族または脂環炭素原子を含む。他のある実施形態において、アルキルまたはシクロアルキル基は、1〜10個の脂肪族または脂環炭素原子を含む。さらに他の実施形態において、本発明に使用されるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜8個の脂肪族または脂環炭素原子を含む。またさらに他の実施形態において、該アルキル基は1〜6個の脂肪族または脂環炭素原子を含む。さらに他の実施形態において、該アルキル基は1〜4個の脂肪族または脂環炭素原子を含む。アルコキシの例には、これらに限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、ネオペントキシおよびn-ヘキソキシがある。チオアルキルの例には、これらに限定されないが、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオなどがある。
【0021】
用語「アルキルアミノ」は、構造-NHR’を有する基をいい、式中、R’は本明細書に定義されるアルキルまたはシクロアルキルである。用語「ジアルキル」は、構造-N(R’)を有する基をいい、式中、各々のR’は独立して本明細書に定義されるアルキルまたはシクロアルキルである。用語「アミノアルキル」は構造NHR’-を有する基をいい、式中、R’は本明細書に定義されるアルキルまたはシクロアルキルである。ある実施形態において、該アルキル基は1〜20個の脂肪族または脂環炭素原子を含む。他のある実施形態において、該アルキルまたはシクロアルキル基は、1〜10個の脂肪族または脂環炭素原子を含む。さらに他の実施形態において、本発明に使用されるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は1〜8個の脂肪族または脂環炭素原子を含む。またさらに他の実施形態において、該アルキルまたはシクロアルキル基は、1〜6個の脂肪族または脂環炭素原子を含む。さらに他の実施形態において、該アルキルまたはシクロアルキル基は1〜4個の脂肪族または脂環炭素原子を含む。アルキルアミノの例には、これらに限定されないが、メチルアミノ、エチルアミノ、イソ-プロピルアミノなどがある。
【0022】
概して、本明細書で使用される用語「アリール」および「ヘテロアリール」は、安定な単環、多環、ヘテロ環、多環、およびポリヘテロ環不飽和基をいい、好ましくは3〜14個の炭素原子を有し、これらは各々置換または非置換でありうる。また当然のことながら、本明細書に定義されるアリールおよびヘテロアリール基は、アルキルまたはヘテロアルキル基を介して、結合しうる。従って、-(アルキル)アリール、-(ヘテロアルキル)アリール、-(ヘテロアルキル)アリール、および-(ヘテロアルキル)ヘテロアリール基もまた含まれる。それ故、本明細書で使用されるフレーズ「アリールまたはヘテロアリール」および「アリール、ヘテロアリール、-(アルキル)アリール、-(ヘテロアルキル)アリール、-(ヘテロアルキル)アリール、および-(ヘテロアルキル)ヘテロアリール」は、置き換え可能である。置換基には、これらに限定されないが、上記の置換基のいずれかが含まれ、すなわち、本明細書に開示される、脂肪族基または他の基として列挙される置換基であり、安定な化合物の構造を生じる。本発明のある実施形態において、「アリール」は、1または2個の芳香族環を有する単環または二環状の炭素環系をいい、これらに制限されないが、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニルなどが含まれる。本発明のある実施形態において、本明細書で使用される用語「ヘテロアリール」は、その1個の環原子は、S、OおよびNから選択され; 0、1または2個の環原子は、S、OおよびNから独立して選択される追加のヘテロ原子であり; および残りの環原子は炭素である、5〜10個の環原子を有する環状芳香族ラジカルをいい、該ラジカルは、該環原子のいずれかを介して該分子の残りに結合し、例えば、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニルなどである。
【0023】
当然のことながら、アリールおよびヘテロアリール基(二環状アリール基を含む)は、非置換または置換されることができ、ここで置換には、その1個以上の水素原子が独立して、概して上記の1個以上の置換基と置き換わることが含まれる。通常適用できる置換基の追加の例は、本明細書に記載される実施例に示される個々の実施形態により説明される。
【0024】
本明細書で使用される用語「シクロアルキル」は、3〜7個、好ましくは3〜10個の炭素原子を有する基を特にいう。適当なシクロアルキルには、これらに制限されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど含まれ、他の脂環、ヘテロ脂環またはヘテロ環基の場合と同様に、概して上記の1個以上の置換基で適宜置換されうる。類似の慣例が、他の総称、例えば「シクロアルケニル」、「シクロアルキニル」などに適用される。さらに、当然のことながら、上記のおよびここに記載するいずれかの脂環またはヘテロ脂環基は、そこに縮合するアリールまたはヘテロアリール基を含むことができる。通常適用できる置換基の追加の例は、本明細書に記載される実施例に示される個々の実施形態により説明される。
【0025】
本明細書で使用される用語「ヘテロ脂肪族」は、主鎖中の1個以上の炭素原子がヘテロ原子で置換された脂肪族基をいう。従って、ヘテロ脂肪族基は、例えば炭素原子に代わって、1個以上の酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素原子を含む脂肪族鎖をいう。ヘテロ脂肪族基は分岐または直鎖非分岐であることができる。ある実施形態において、ヘテロ脂肪族基は、その1個以上の水素原子が概して上記の1個以上の置換基と独立して置き換わることにより置換される。通常適用できる置換基の追加の例は、本明細書に記載される実施例に示される個々の実施形態により説明される。
【0026】
本明細書で使用される用語「ヘテロ脂環」は、ヘテロ脂肪族および環状化合物の特性を結合する化合物をいい、これらに制限されないが、飽和および不飽和の単環または多環のヘテロ環、例えばモルホリノ、ピロリジニル、フラニル、チオフラニル、ピロリルなどを含み、1個以上の本明細書に定義される官能基で適宜置換される。
【0027】
さらに、当然のことながら、上記およびここで記載するいずれかの脂環またはヘテロ脂環基は、それに縮合するアリールまたはヘテロアリール基を含むことができる。通常適用できる置換基の追加の例は、本明細書に記載される実施例に示される個々の実施形態により説明される。
【0028】
本明細書で使用される用語「ハロ」および「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択される原子をいう。
【0029】
用語「ハロアルキル」はそこに結合する1、2、または3個のハロゲン原子を有する、上記に定義したアルキル基を意味し、クロロメチル、ブロモエチル、トリフルオロメチルなどの基が例示される。
【0030】
本明細書で使用される用語「ヘテロシクロアルキル」または「ヘテロ環」は、非芳香族5-、6-または7-員環または多環基をいい、これらに制限されないが、縮合6員環を含む二または三環状基を含み、酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有し、(i)各5-員環は0〜1個の二重結合を有し、および各6-員環は0〜2個の二重結合を有し、(ii)該窒素および硫黄ヘテロ原子は適宜酸化されていることができ、(iii)該窒素ヘテロ原子は適宜四級化されていることができ、および(iv)上記のいずれかのヘテロ環は置換または非置換アリールまたはヘテロアリール環に縮合されていることができる。代表的なヘテロ環には、これらに限定されないが、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、およびテトラヒドロフリルがある。ある実施形態において使用され、本明細書で使用される「置換ヘテロシクロアルキルまたはヘテロ環」基は、その1個以上の水素原子が概して上記の1個以上の置換基で独立して置き変えられることにより置換された、上記に定義されるヘテロシクロアルキルまたはヘテロ環基をいう。更なる例または通常適用できる置換基は、本明細書に記載される実施例に示される個々の実施形態により説明される。
【0031】
本明細書で使用される用語「脂肪族」、「ヘテロ脂肪族」、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、「ヘテロアルキニル」などは、置換および非置換、飽和および不飽和、ならびに直鎖および分岐基を包含する。同様に、用語「脂環」、「ヘテロ脂環」、「ヘテロシクロアルキル」、「ヘテロ環」などは、置換および非置換、ならびに飽和および不飽和基を包含する。さらに、用語「シクロアルキル」、「シクロアルケニル」、「シクロアルキニル」、「ヘテロシクロアルキル」、「ヘテロシクロアルケニル」、「ヘテロシクロアルキニル」、「アリール」、「ヘテロアリール」などは、置換および非置換基の両方を包含する。
【0032】
さらに、E6020は不斉炭素原子を含むため、エナンチオマーおよびジアステレオマーの両方の立体異性体として存在することができる。当該技術分野の当業者は、独創的な方法がE6020の全ての可能な立体異性体のいずれかの調製のために適応されることを認識する。一方、本明細書に提供される実施例は、特定の異性体の調製方法を開示するが、E6020の他の立体異性体の調製方法は、本発明の範囲内と考えられる。
【0033】
詳細な説明
一つの態様において、本発明は該構造:
【化3】


を有するTLR-4レセプターアゴニストE6020の合成方法を提供する。
【0034】
E6020は強力なTLR-4レセプターアゴニストであり、従って該化合物は抗原、例えば細菌性およびウイルス性疾患のワクチンと共投与されたとき、免疫アジュバントとして有用である。例えば、E6020は適当な抗原またはワクチン成分、例えば、病原性および非病原性の生物体、ウイルス、および菌由来の抗原からなる群から選択される抗原剤と組み合わせて使用されうる。さらに例として、E6020は、タンパク質、ペプチド、抗原、およびワクチン(これらは病状および症状、例えば、天然痘、黄熱病、癌、ジステンパー、コレラ、鶏痘、猩紅熱、ジフテリア、破傷風、百日咳、インフルエンザ、狂犬病、おたふく風邪、はしか、口蹄疫、およびポリオ、に対する薬理的活性を有する)と組み合わせて使用されうる。ある実施形態において、E6020および該抗原は、それらでワクチン接種をされるホスト動物、胎児、または卵に投与するとき、各々免疫応答を誘導するのに有効な量で存在する。
【0035】
別の態様において、本発明はTLR-4レセプターアゴニストE6020の立体異性体の合成方法を含む。従って、本明細書において該構造:
【化4】


を有する化合物の調製方法が提供される。
【0036】
I. リン酸エステルウレイド二量体の調製
【0037】
ある実施形態において、本発明方法は工程:
(a)構造:
【化5】


[式中、
1aは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、亜リン酸の酸素保護基、またはリン酸の酸素の保護基であり;および
2aおよびR2bは各々独立して、水素または適当な窒素保護基であるか、またはR2aおよびR2bは一緒になって、5-または6-員ヘテロ環を形成し;(このとき、R2aおよびR2bは同時に水素でない);]
を有する化合物とホスゲンを適当な条件下で反応させ、
構造:
【化6】


を有するウレイド二量体の形成を達成する
(b)工程(a)で形成したウレイド二量体(2)を適当な条件下で脱保護し、構造:
【化7】


を有する部分的に脱保護された二量体(3)の形成を達成する
(c)工程(b)で形成された部分的に脱保護された二量体と適当な試薬を適当な条件下で反応させ、構造:
【化8】


を有する保護された二量体(4)の形成を達成する
(d)工程(c)で形成された二量体を1つ以上の適当な試薬で適当な条件下で処理し、構造:
【化9】


を有するナトリウム塩の形成を達成する
を含む。
【0038】
ある実施形態において、上記の化合物1〜5は、下記の立体化学:
【化10】


を有する。
【0039】
さらに他の実施形態において、工程(c)で形成された二量体を1つ以上の適当な試薬で適当な条件下で処理する工程は、構造:
【化11】


を有する化合物を形成し、
その後、精製して対応する二ナトリウム塩:
【化12】


が得られる。
【0040】
上記等のある実施形態において、各々R1aは独立して水素、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、または亜リン酸の酸素保護基またはリン酸の酸素の保護基である。ある例示の実施形態において、各R1aはアリルである。
【0041】
ある実施形態において、R2aおよびR2bは各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、-C(=O)R、-C(=O)OR、-SR、SOであるか、またはR2aおよびR2bは一緒になって、構造=CRを有する基を形成し(このとき、R2aおよびR2bは同時に水素でない)、RおよびRは各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂環、アリール、ヘテロアリール、-C(=O)Rまたは-ZRであり、Zは-O-、-S-、-NRであり、RおよびRは各々独立して、水素、またはアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂環、アリールもしくはヘテロアリール基である。ある例示の実施形態において、R2aは水素であり、R2bは-C(=O)ORであり、Rは置換または非置換低級アルキルである。他の例示の実施形態において、R2aは水素であり、R2bは-C(=O)OtBuである。
【0042】
ある実施形態において、工程(a)の反応条件には、適当な溶媒中のホスゲンが含まれる。ある例示の実施形態において、該溶媒はCHCl、トルエンまたはその組み合わせである。ある実施形態において、工程(a)の反応条件はさらに弱塩基を含む。ある例示の実施形態において、該弱塩基はNaHCO水溶液である。
【0043】
ある実施形態において、工程(b)の脱保護反応条件には、適当な溶媒中の強酸が含まれる。ある例示の実施形態において、該溶媒はCHClである。他の例示の実施形態において、R2aは水素であり、R2bは-C(=O)OtBuおよび該強酸はTFAである。
【0044】
ある実施形態において、工程(c)の試薬は、3-オキソ-テトラデカン酸誘導体である。本明細書で使用される「カルボン酸誘導体」(例えば、3-オキソ-テトラデカン酸またはドデカン酸誘導体)は、構造RC(=O)Xの化合物をいい、式中Rはカルボキシルラジカルであり、Xは一級アミンとの反応によりアミドの形成を達成するのに適当であるか、または一級アミンとの反応によりアミドの形成を達成するために化学的に変換されることができる化学基である。ある実施形態において、Xはハロゲン、ヒドロキシル、-OR、-SH、-SRまたは-C(ハロ)であり; Rはアルキルまたはアリールである。ある例示の実施形態において、該試薬は3-オキソ-テトラデカン酸である。ある実施形態において、工程(c)の試薬は3-オキソ-テトラデカン酸であり、脱保護された二量体と該試薬を反応させる反応条件には、塩基が含まれる。ある実施形態において、該塩基は1-ヒドロキシベンゾトリアゾールである。ある実施形態において、該塩基はヒューニッヒ塩基である。ある実施形態において、工程(c)の反応条件には、カルボン酸活性化剤、例えばDCC、が含まれる。ある実施形態において、カルボン酸活性化剤は、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミドである。ある実施形態において、該カルボン酸活性化剤はHBTUである。
【0045】
他のある実施形態において、各R1aはアリルであり、および工程(d)の反応条件には適当な溶媒中のPd(PPh)が含まれる。ある例示の実施形態において、工程(d)の処理条件にはさらに、トリフェニルホスフィンおよびフェニルシランが含まれる。ある例示の実施形態において、該溶媒はTHFである。
【0046】
またさらに他の実施形態において、構造:
【化13】


を有する化合物の精製には、クロマトグラフ分離および塩基での処理が含まれる。ある例示の実施形態において、該精製工程には、(i)イオン交換クロマトグラフィー、(ii)C-4 Kromasil溶出、および(iii)NaOAc水溶液での処理が含まれる。ある例示の実施形態において、該精製工程には、(i)Biotage KP-シリカクロマトグラフィー、(ii)Biotage KP HS-C18 クロマトグラフィー、および(iii)NaOAc水溶液での処理が含まれる。
【0047】
II. 中間体1の調製方法
【0048】
ある例示の実施形態において、構造:
【化14】


[式中、
1aは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキニル、アリール、ヘテロアリールまたは亜リン酸の酸素保護基またはリン酸の酸素の保護基であり;および
2aおよびR2bは各々独立して、水素もしくは適当な窒素保護基であるか、またはR2aおよびR2bは一緒になって、5-または6-員ヘテロ環を形成し;(このとき、R2aおよびR2bは同時に水素でない);]
を有する化合物は、工程:
(a)構造:
【化15】


を有するアルコールと、構造:
【化16】


[式中、-OXは適当な離脱基を示す];
を有する部分的に保護された適当なジオールを反応させて、構造:
【化17】


を有するアルコール形成する
(b)アルコール8と適当なドデカン酸誘導体を適当な条件下で反応させて、構造:
【化18】


を有するエステルを形成する
(c)エステル9を適当な条件下で脱保護して、構造:
【化19】


を有するヒドロキシルアミンを形成する
(d)ヒドロキシルアミン10を適当な条件下で部分的に保護し、構造:
【化20】


[式中R2aおよびR2bは上記に定義される];
を有するアルコールを形成する
(e)アルコール11を1つ以上の適当な試薬で適当な条件下で処理し、構造:
【化21】


[式中、R1aは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキニル、アリールまたはヘテロアリール、亜リン酸の酸素保護基またはリン酸の酸素の保護基であり;および
3aおよびR3bは各々独立して、水素もしくは適当な窒素保護基であるか、またはR3aおよびR3bは一緒になって、5-または6-員ヘテロ環を形成し;(このときR3aおよびR3bは同時に水素でない)]
を有するリン酸エステルの形成を達成する;および
(f)12を適当な条件下で部分的に脱保護し、アミン1:
【化22】


の形成を達成する、
を含む方法により調製される。
【0049】
ある実施形態において、R1aは各々独立して、水素、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、または亜リン酸の酸素保護基またはリン酸の酸素の保護基である。ある例示の実施形態において、各R1aはアリルである。
【0050】
ある実施形態において、R2aおよびR2bは各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、-C(=O)R、-C(=O)OR、-SR、SOであるか、またはR2aおよびR2bは一緒になって、構造=CRを有する基を形成し(このとき、R2aおよびR2bは同時に水素でない)、RおよびRは各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂環、アリール、ヘテロアリール、-C(=O)Rまたは-ZRであり、Zは-O-、-S-、-NRであり、RおよびRは各々独立して、水素、またはアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂環、アリールまたはヘテロアリール基である。ある例示の実施形態において、R2aは水素であり、R2bは-C(=O)ORであり、Rは置換または非置換低級アルキルである。他の例示の実施形態において、R2aは水素であり、R2bは-C(=O)OtBuである。
【0051】
ある例示の実施形態において、Xはトシルである。
【0052】
ある実施形態において、工程(b)のドデカン酸誘導体はドデカン酸である。ある実施形態において、工程(b)の試薬は、ドデカン酸であり、アルコール8を反応させる反応条件には、塩基が含まれる。ある実施形態において、該塩基は4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)である。ある実施形態において、工程(b)の反応条件には、カルボン酸活性化剤、例えばDCC、が含まれる。ある実施形態において、該カルボン酸活性化剤は、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミドである。
【0053】
ある実施形態において、工程(c)の脱保護反応条件には、接触水素化分解および適当な溶媒が含まれる。ある例示の実施形態において、工程(c)の脱保護反応条件には、HおよびPd/Cが含まれる。ある例示の実施形態において、該溶媒はイソプロピルアルコール(IPA)である。
【0054】
他の例示の実施形態において、R2aは水素であり、R2bは-C(=O)OtBuであり、および工程(d)の反応条件には、ジ-tert-ブチルジカーボネイトおよび適当な溶媒が含まれる。ある実施形態において、該溶媒はアルコールである。ある例示の実施形態において、該溶媒はイソプロピルアルコール(IPA)である。
【0055】
ある実施形態において、工程(e)には:
(i)構造:
【化23】


[式中、RaおよびRbは独立して低級アルキルである]
を有するホスホロアミダス酸(phosphoramidous acid)エステルのin situ形成; および
(ii)構造:
【化24】


[式中、R1a、R2a、R2b、R3aおよびR3bは上記に定義される]
を有するホスホン酸エステルのin situ形成
が含まれる。
【0056】
他のある実施形態において、処理工程(e)には、リン酸化試薬が含まれ、ホスホロアミダス酸(phosphoramidous acid)エステル13のin situ形成をもたらす。ある例示の実施形態において、該リン酸化試薬は、ジアルキルアミンの存在下でのアリルテトライソプロピルホスホロジアミダイトである。他のある実施形態において、処理工程(e)には、トリフルオロ酢酸ピリジニウムが含まれる。ある例示の実施形態において、該ジアルキルアミンは、ジイソプロピルアミン(diidopropylamine)であり、および該ホスホロアミダス酸(phosphoramidous acid)エステル13は、構造:
【化25】


を有する。
【0057】
ある実施形態において、処理工程(e)には、ホスホロアミダス酸(phosphoramidous acid)エステル13のin situ形成、その後続いて構造:
【化26】


[式中、R3aおよびR3bは各々独立して、水素または適当な窒素保護基であるか、またはR3aおよびR3bは一緒になって、5-または6-員ヘテロ環を形成し;(このときR3aおよびR3bは同時に水素でない)]
を有する保護されたエタノールアミンとの反応が含まれる。ある例示の実施形態において、R3aおよびR3bは各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、-C(=O)R、-C(=O)OR、-SR、SOであるか、またはR3aおよびR3bは一緒になって、構造=CRを有する基を形成し(このときR3aおよびR3bは同時に水素でない)、RおよびRは各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂環、アリール、ヘテロアリール、-C(=O)Rまたは-ZR、Zは-O-、-S-、-NRであり、RおよびRは各々独立して、水素、またはアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂環、アリールまたはヘテロアリール基である。ある例示の実施形態において、R3aは水素であり、R3bは-C(=O)ORであり、Rはアリールアルキルである。他の例示の実施形態において、R3aは水素であり、R3bは-C(=O)ORであり、Rは9-フルオレニルメチル(すなわち、R3bはFmocである)である。
【0058】
ある例示の実施形態において、処理工程(e)には、ホスホロアミダス酸(phosphoramidous acid)エステル13と保護されたエタノールアミン15(R3aは水素であり、R3bはFmocである)のin situ反応が含まれ、および該反応条件には、酢酸およびトリフルオロ酢酸ピリジニウムが含まれる。
【0059】
ある実施形態において、処理工程(e)には、ホスホン酸エステル14をin situ形成し、その後続いて適当な酸化剤の存在下で酸化し、リン酸エステル12を形成する:
【化27】


ことが含まれる。ある例示の実施形態において、該酸化剤はHである。
【0060】
ある実施形態において、R2aは水素であり、R2bは-C(=O)OtBuであり、および工程(f)の反応条件には、ジアルキルアミンおよび適当な溶媒が含まれる。ある例示の実施形態において、該ジアルキルアミンはジメチルアミンである。他の例示の実施形態において、該溶媒はTHFである。
【0061】
ある実施形態において、中間体6〜13、13aおよび14は、以下の立体化学:
【化28】


を有する。
【0062】
合成の概説
【0063】
該実施者は、リン脂質化学の既知の文献有し、本明細書の情報と組み合わせて参照し、合成方法、保護基、ならびにE6020およびその立体異性体の合成に有用な他の物質および方法の参考とする。
【0064】
本明細書に記載する様々な特許文献および他の参考文献は、所定の単糖類出発物質の調製に関する有用な背景事情を提供する。特に、所定の試薬および出発物質は、6,551,600; 6,290,973および6,521,776に記載され、その全ては本明細書に記載されたものとして引用される。
【0065】
さらに、該実施者は、E6020およびその立体異性体の合成に有用な例示の中間体に関して、本明細書に記載される特定の指示および例を対象とする。
【0066】
E6020の合成における上記の化合物は、ヘプチルおよびウンデシル側鎖を有する。これらの側鎖は、E6020類似体の合成において適当な試薬を用いることで、異なるアルキル鎖長の様々な長さを有しうる。従って、本発明は、下記の式(15):
【化29】


を有する化合物に関する。
【0067】
式(15)中、Aは-(CH)-O-または共有結合であり、nは0または1であり、およびxは1〜6の範囲である。Aが-(CH)-O-のとき、該メチレン基は、NR3a3bの窒素原子に結合し、該酸素は亜リン酸またはリン酸基のリン原子に結合する。好ましくは、xは2〜4の範囲であり、および最も好ましくは2である。nが0のとき、式(15)の化合物は亜リン酸基を含む。nが1のとき、式(15)の化合物はリン酸基を含む。
【0068】
1aは、水素、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、または亜リン酸の酸素保護基またはリン酸の酸素の保護基である。該保護基は、当該技術分野で知られ、例示のリストが上述される。R1aの特に好ましい基はアリル基である。
【0069】
式(15)において、R2aおよびR2bの一方がHであり、他方が一価の窒素保護基であるか; または、R2aおよびR2bは一緒になって、二価の窒素保護基である。R3aおよびR3bにおいて、Aが-(CH)-O-であるとき、R3aおよびR3bの一方がHであり、他方は一価の窒素保護基であるか、またはR3aおよびR3bは一緒になって二価の窒素保護基である。Aが共有結合であるとき、R3aおよびR3bはC〜Cアルキルから独立して選択されるか、または一緒になって-(CH)-、-(CH)-、または-(CH)O(CH)-である。好ましくは、Aが共有結合であるとき、R3aおよびR3bはC-Cアルキル基、例えばエチル、プロピルまたはブチルであり、より好ましくはイソプロピル基である。
【0070】
式(15)の化合物中、R2aおよびR2bに結合する窒素の保護基は、酸性、塩基性、酸化的、および還元的条件から選択される最初の条件下で除去されることができ;およびR3aおよびR3bに結合する窒素の保護基は、残りの3つの条件から選択される最初の条件とは異なる2番目の条件下で除去されることができる。好ましい窒素保護基は、Boc、Fmoc、TROC、TMS-エチルカルボニル、シアノエチルカルボニル、アリルオキシカルボニル、(C)C=、テトラクロロフタルアミド、またはアジドからなる群から選択される。一般的に言えば、窒素保護基を除去するのに使用されうる4つ条件があり、酸性、塩基性、酸化的または還元的条件である。好ましい実施形態において、1個の窒素保護基が、これら4つの条件の1つで選択的に除去され、および他方の窒素保護基が、残る3つの条件の1つを使用して選択的に除去される。一つの実施形態において、該窒素保護基は、それぞれ弱酸性または弱塩基性条件で除去される。
【0071】
2aおよびR2bに結合する窒素は、Boc基で保護されることができ、およびR3aおよびR3bに結合する窒素は、Fmoc基で保護されることができ、また逆も可能でありうる。該Boc基は酸性条件下で選択的に除去されることができる(溶媒、例えば塩化メチレン中、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、またはギ酸、室温で)。該Fmoc基は、ピペリジンまたはジメチルアミンなどの二級アミンを溶媒(例えばTHF)中で、室温で使用して、選択的に除去されうる。
【0072】
別法として、R2aおよびR2bに結合する窒素はTroc基で保護されることができ、R3aおよびR3bに結合する窒素はFmoc基で保護されることができ、また逆も可能でありうる。該Fmoc基は上記の条件で選択的に除去されることができ、および該Troc基は還元条件下、例えばTHF、水中の亜鉛、で切断されることができる。
【0073】
別の例において、R2aおよびR2bに結合する窒素は、Troc基で保護されることができ、R3aおよびR3bに結合する窒素は、Boc基で保護されることができ、また逆も可能でありうる。該Troc基は、還元条件下、例えばTHF、水中の亜鉛で切断されることができ、および該Boc基は上記の条件で選択的に除去されることができる。
【0074】
は、C〜C12アルキル基またはC〜C12アルケニル基である。Rは、C〜C12アルキル基であり; 好ましくはC〜Cアルキル基であり、より好ましくはCアルキル基であり、およびもっとも好ましくはn-ヘプチル基である。
【0075】
は、C〜C15アルキル基またはC〜C15アルケニル基である。Rは、C〜C15アルキル基であり、好ましくはC〜C13であり、より好ましくはC11アルキル基であり、およびもっとも好ましくはn-ウンデシルである。
【0076】
式(15)の化合物の塩は合成の間に生じ、または式(I)の化合物と酸または塩基を反応させることで、調製しうる。酸付加塩が好ましい。
【0077】
好ましい式(15)の化合物は、(a)式中、Aが-(CH)-O-であり; nが0であり; RがCアルキルであり;およびRがC11アルキルである;(b)式中、Aが-(CH)-O-であり; nが1であり; RがCアルキルであり;およびRがC11アルキルである;(c)式中、Aが共有結合であり、nが0であり; RがCアルキルであり;およびRがC11アルキルである;および(d)式中、Aが共有結合であり、nが0であり; R3aおよびR3bが各々イソプロピルであり; RがCアルキルであり;およびRがC11アルキルである、それらである。
【0078】
該中間体は、下記の式(16):
【化30】


を有するE6020類似体および前駆体の調製に有用である。
【0079】
式(16)において、式(I)において上述したとおり、nは0または1である。R1aは、水素、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、亜リン酸の酸素保護基、またはリン酸の酸素の保護基である。基R1aにおいて好ましい置換基は、上記のそれらと同一である。例えば、R2aおよびR2cの一方はHであり、他方は一価の窒素保護基または-C(O)CHC(O)Rであるか;またはR2aおよびR2cは一緒になって、二価の窒素保護基である。R2aおよびR2cにおける好ましい基は、R2aまたはR2cの一方が-C(O)CHC(O)Rであることも好ましいことを除いては、R2aおよびR2bにおける上記のそれらと同一である。RはC〜C12アルキル基またはC〜C12アルケニル基であり、好ましい基は式(15)と同一である。RおよびRは、独立してC〜C15アルキル基またはC〜C15アルケニル基であり、それらはRにおける上記のそれらと同じ好ましい置換基を有する。
【0080】
式(16)の好ましい化合物は、(a)式中、nが1であり、RがCアルキルであり、およびRがC11アルキルである、式中、nが1であり、R1aがアリルであり、R2aが水素であり、R2cがBocであり、RがCアルキルであり、およびRがC11アルキルである;(c)式中、nが1であり、R2aが水素であり、R2cが-C(O)CHC(O)Rであり、RがCアルキルであり、RがC11アルキルであり、およびRがC11アルキルである;(d)式中、nで0であり、R1aがアリルであり、R2aが水素であり、R2cがBocであり、RがCアルキルであり、およびRがC11アルキルである;(e)式中、nが1であり、R1aがアリルであり、R2aが水素であり、R2cが水素であり、RがCアルキルであり、およびRがC11アルキルである;および(f)式中、nが0であり、R1aはアリルであり、R2aは水素であり、R2cは-C(O)CHC(O)Rであり、RはCアルキルであり、RはC11アルキルであり、およびRはC11アルキルである、それらである。
【0081】
式(16)の化合物の塩は、合成の間に生じ、または式(I)の化合物と酸または塩基を反応させて調製しうる。酸付加塩が好ましい。
【0082】
本発明はまた、式(17):
【化31】


の化合物を含む。
【0083】
式(17)において、Rは水素またはC〜Cアルキル基、好ましくは水素である。式(17)中、R2aおよびR2bの1つはHであり、他方は一価の窒素保護基であるか;またはR2aおよびR2bは一緒になって、二価の窒素保護基である。R2aおよびR2bにおける好ましい基は、上記の式(15)におけるそれらである。RはC〜C12アルキル基またはC〜C12アルケニル基であり、RはC〜C15アルキル基またはC〜C15アルケニル基である。RおよびRにおける好ましい基もまた、上記の式(15)におけるそれらである。
【0084】
式(17)の好ましい化合物は、(a)式中、Rが水素であり、R2aおよびR2bが水素であり、RがCアルキルであり、およびRがC11アルキルである;および(b)式中、Rが水素であり、R2aは水素であり、R2bは窒素保護基であり、RがCアルキルであり、およびRがC11アルキルである、それらである。
【0085】
本発明はまた式(18):
【化32】


の化合物を含む。
【0086】
式(18)中、RはC〜C12アルキル基またはC〜C12アルケニル基であり;およびRはC〜C15アルキル基またはC〜C15アルケニル基である。RおよびRにおける好ましい基は上記のそれらである。式(18)の好ましい化合物はER-819509である。
【0087】
本発明を実践するための合成方法の実施例を以下に記載し、本明細書のスキーム1〜5、および例証で詳細に説明する。当然のことながら、本明細書に記載される方法は、本明細書に開示される各化合物およびその同等物に適用することができる。さらに、該試薬および出発物質は、当該技術分野の当業者に既知である。以下のスキームは、所定の例示の中間体および保護基を説明するが、当然のことながら、別の出発物質、保護基および/または試薬の使用により他の中間体が得られ、これらは本発明の範囲内と考えられる。
【0088】
スキーム 1
【化33】

【0089】
本発明のある例示の実施形態において、該エステルER-819059の調製は、3工程で達成され、ジオールER-028694を適当な基で選択的に官能化し、それにより第1ヒドロキシを離脱基に変える。例えば、ジオールER-028694の第1ヒドロキシルをトシル化して、対応する付加体ER-028695を得る。その後、トシルエステルER-028695をアルコールER-807277と、塩基、例えばNaHMDSの存在下で結合させ、対応するエーテルER-806158を得る。アルコールER-806158とラウリン酸とのエステル化、続いて該フェニルジヒドロオキサゾール基の水素化分解により、ヒドロキシルアミンER-819120を得る。該アミノ基のBoc保護により、ER-819302を得る。
【0090】
スキーム 2
【化34】


【化35】

【0091】
スキーム 3
【化36】

【0092】
その後、Boc-保護ER-819302は6工程でE6020に変換されうる(スキーム2および3に概説する)。例えば、ビス(アリルオキシ)ジイソプロピルアミノホスフィンおよびジイソプロピルアミンの存在下でER-819302をリン酸化し、続いてFmocNH(CH)OHとin situ反応させ、および酸化(例えば、過酸化水素)して、リン酸化中間体ER-819344が形成し、適当な条件(例えば、MeNH)で脱保護して、脱保護された中間体ER-819385が形成される。適当な条件(例えば、20%ホスゲン/トルエン、NaHCO水溶液の存在下)でER-819385とホスゲンを反応させて、ジリン酸エステルER-819409が形成される。適当な酸、例えばTFAを使用して、ER-819409のBoc-保護二級アミンを脱保護し、ジアミン中間体ER-807284を得る。遊離アミンを、カップリング試薬、例えばEDCおよびDMAPの存在下、3-オキソ-1-テトラデカン酸を使用してアミド化し、最後から2番目の生成物であるER-807285を得る。過剰なトリフェニルホスフィンおよびプロトン源(フェニルシラン)の存在下、パラジウム(0)試薬、例えばパラジウム(0)テトラキストリフェニルホスフィンを使用して、該アリル-リン酸エステルを脱保護して、所望の粗生成物が得られ、精製して(例えば、適当なイオン交換クロマトグラフィー条件、続いてNaOAc水溶液での処理)、所望の化合物E6020を得る。
【0093】
当然のことながら、上記のスキーム1、2および3に記載される各反応は、上記の様々なタイプの例示の中間体の合成に記載される試薬および条件を使用して行うことができ、、またはそれらを、他の入手可能な試薬、保護基または出発物質を使用して、修正することができる。例えば、様々な尿素形成条件、リン酸化およびアミン保護/脱保護条件は、当該技術分野で既知であり、および本発明の方法に使用することができる。概して、March, Advanced Organic Chemistry, 5th ed., John Wiley & Sons, 2001;および「Comprehensive Organic Transformations, a guide to functional group preparations」, Richard C. Larock, VCH publishers, 1999; その全ては本明細書に記載されたものとして引用される、および「Protective Groups in Organic Synthesis」 Third Ed. Greene, T.W. and Wuts, P.G., Eds., John Wiley & Sons, New York: 1999、その全ては本明細書に記載されたものとして引用される、が参照される。
【0094】
要約すれば、本発明は、これまでに報告された方法より有意に少ない工程で高い収率の、E6020の合成を提供する。本発明方法は、全体的に高い収率で、かつ高効率なルートで標記の化合物を提供する。
【0095】
下記の代表的な実施例は、本発明を説明するために役立てることを意図し、本発明の範囲を制限するものでなく、また解釈もされない。実際、本明細書に記載されるこれらに加えて、本発明およびその多くのさらなる実施形態の様々な修正が、下記の実施例を含む本明細書の全内容、および科学参考文献および本明細書に記載の特許文献から、当該技術分野の当業者に明らかである。さらに当然のことながら、それらの参考文献の内容は、本明細書に記載されたものとして引用され、当該技術水準を説明に役立てる。
【0096】
下記の実施例には、その様々な実施形態およびその同等物における本発明の実践に適応することができる重要な追加の情報、例証および指示が含まれる。
【0097】
実施例
本発明の化合物およびそれらの調製は、これらの化合物が調製されまたは使用されるいくつかの過程を説明する実施例によって、さらに理解されることができる。しかし当然のことながら、これらの実施例は本発明を限定しない。本発明のバリエーションは、本明細書および特許請求の範囲に記載される本発明の範囲内に含まれると考えられる。
【0098】
本発明の化合物およびそれらの調製は、これらの化合物が調製されまたは使用されるいくつかの過程を説明する実施例によって、さらに理解されることができる。しかし当然のことながら、これらの実施例は本発明を限定しない。現在知られている、またはさらに開発される本発明のバリエーションは、本明細書および特許請求の範囲に記載される本発明の範囲内に含まれると考えられる。
【0099】
下記の実施例を実証するために免疫アジュバントE6020の調製を使用することは、本発明の方法および化合物を使用する、免疫アジュバント化合物の合成前駆体の合成を包含する。
【化37】

【0100】
当該技術分野の当業者は多くのE6020の類似体が、本発明の方法および化合物により、これらに制限されないが、米国特許第6,551,600号; 第6,290,973号および第6,521,776号(その全ては本明細書に記載されたものとして引用される)に記載のそれらのE6020の類似体を含め、調製されることを認識するであろう。従って、当然のことながら、実施例による下記の合成方法は、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を制限しない。
【0101】
一般的な反応手法
【0102】
特に記載がない限り、反応混合物は、磁気駆動の攪拌棒を使用して攪拌される。不活性雰囲気とは、乾燥アルゴンまたは乾燥窒素をいう。反応を、適当に用意した反応混合物の試料についての、薄層クロマトグラフィー、プロトン核磁気共鳴または高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)により、モニターする。
【0103】
本明細書に記載される一般的な有機試薬の略称を以下に示す:
【0104】
ATP: アリルテトライソプロピルホスホロジアミダイト
【0105】
DMF: ジメチルホルムアミド
【0106】
EA: 酢酸エチル
【0107】
EDC: 1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドヒドロクロリド
【0108】
HBTU: O-ベンゾトリアゾール-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム-ヘキサフルオロ-フォスフェイト
【0109】
HOBT: 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
【0110】
IPA: イソ-プロピルアルコール
【0111】
MTBE: メチルtert-ブチルエーテル
【0112】
NaHMDS: ヘキサメチルジシラザンナトリウム
【0113】
Pyr.TFA: トリフルオロ酢酸ピリジニウム
【0114】
TBME: Tert-ブチルメチルエーテル
【0115】
TFA: トリフルオロ酢酸
【0116】
THF: テトラヒドロフラン
【0117】
TsCl: トシルクロリド
【実施例】
【0118】
実施例1: ER-028695の調製
【化38】

【0119】
調製1: 乾燥した22Lの反応器中で攪拌したp-トルエンスルホニルクロリド(1704g、8.938mol)の無水テトラヒドロフラン(THF)(2408g)溶液に、0℃、窒素雰囲気下でER-028694(952g、5.46mol)/無水THF(1041g)を、9分間かけて加えた。残ったER-028694を無水THF(364g)で反応器中にリンスした。トリエチルアミン(1.35Kg、13.4mol)を澄明黄色の反応溶液に19分間かけて滴加し、その間に溶液は濁った。残ったトリエチルアミンを無水THF(30g)で該反応混合物中にリンスした。
【0120】
0℃で、さらに15時間17分間攪拌した後、該反応物を1.0Mの塩酸(2120g)を36分間かけてゆっくり加えてクエンチし、温度変化は0.1〜5.9℃であった。ブライン(785mL)を3分間かけて加え、さらに5分間攪拌を続け、続いて、該反応混合物(〜22L)を50Lのワークアップ反応器にTHF(0.57Kg)で移した。該有機層を該水層(pH=6)から分離した。該有機層を1.0M塩酸(2120g)およびブライン(785mL)の混合物で洗浄した。その後、該有機層を水(2120mL)およびブライン(980mL)の混合物で洗浄した。
【0121】
該有機層を清潔な22Lの反応器に移し、続いて窒素雰囲気下でTHF(1.6Kg)を加えた。該溶液を攪拌しながら0℃(氷水浴)まで冷却し、続いて10%NaOH水溶液(2.04Kg)を7分間かけて加え、温度変化は-0.4から2.3℃であった。28%NHOH水溶液(935g)を6分間かけて加えた(温度変化は1.9〜12.5℃であった)後、該混合物を25分間攪拌し、続いてヘプタン(1.1Kg)を加えた。該反応混合物をヘプタン(0.532Kg)で50Lワークアップ反応器に移し、よく混合して、静置し、および該水層(pH14)を捨てた。該有機層を10%NaOH水溶液(2.04Kg)、 続いて水(2.04Kg)で洗浄した。該有機層溶媒を蒸発させ(ハウスバキューム(house vacuum))、該残渣とヘプタン(1.1Kg)を共沸して、澄明オレンジ色油状物を得た。該分離した物質(1.839Kg)をさらに精製することなく、次の工程に使用した。
ER-028695の分析データ: 1H-NMR(CDCl3, 400MHz)δ0.88(t, J=7.1Hz, 3H), 1.2-1.5(m, 12H), 1.57(bs, 1H), 1.6-1.7(m, 1H), 1.8-1.9(m, 1H), 2.45(s, 3H), 3.7-3.8(m, 1H), 4.1-4.2(m, 1H), 4.2-4.3(m, 1H), 7.35, (d, J=7.8Hz, 2H), 7.80(d, J=7.8Hz, 2H). MS-APESI(M+Na)C17H28NaO4Sの計算値: 351.16 実測値: 351.23. HPLC: ER-028695:ER-817864 比率 87.11%:11.71%.
【0122】
調製2:無水THF(250mL)を攪拌したp-トルエンスルホニルクロリド(161.1g、0.845mol) の溶液に窒素雰囲気下で加えた。その後、ER-028694(90.0g、0.516mol)、続いてトリエチルアミン(176mL、1.26mol)を反応器温度22℃で加え、澄明黄色溶液を得た。該溶液は数分間後に濁った。15時間33分攪拌した後、100μLの試料を取った。GC分析は100%の変換を示した。別に100μLの試料を取り、およびプロセス水(2.0mL)およびヘプタン(3.0mL)で抽出した。該有機層をプロセス水(2.0mL)で2回、その後ブライン(2.0mL)洗浄した。得られた有機層を減圧下で濃縮し、無色油状物を得た。該無色油状物のH-NMR分析は、ER-028694/ER-028695/ER-817864 比率 1.00/91.93/7.07を示した。
【0123】
該反応が完了したことを検出した後、1.0Mの塩酸溶液を加え、温度変化は21.4℃〜26.8℃であり、続いてブライン(74.2mL)を加えた。該有機層(〜0.6L)を該水層(〜0.4L、pH=10)から分離し、1.0M塩酸(201mL)およびブライン(74.2mL)の混合液、続いてプロセス水(201mL)およびブライン(92.7mL)の混合液で洗浄した。その後、該有機層を清潔な反応器に移し、続いてTHF(200mL)を 窒素雰囲気下で加えた。該溶液を10℃まで攪拌しながら冷却し、続いて10%NaOH水溶液(193g)を該反応温度を25℃より下に維持しながら2分間かけて加えた(温度変化は15.3℃〜21.3℃であった)。その後、NHOH水溶液(88.4g)を5分間かけて(遅延性の発熱が認められた)、さらに該反応温度を25℃より下に維持しながら加えた(温度変化は15.5℃〜22.7℃であった)。該反応混合物を20℃まで15分攪拌しながら加温した。該反応混合物を該水層からヘプタン(200mL)で抽出し、該水層はpH14であった。該有機層を10%NaOH水溶液(193g)、続いてプロセス水(193mL)で洗浄した。該溶媒を濃縮し(29〜32℃、20トル)、および該残渣をヘプタンで処理し(200mL、29〜32℃、4.4トル)、澄明オレンジ色油状物を得た。該分離した物質を、さらに精製せずに次の工程に使用した(収率100%と仮定して)。該無色油状物のH−NMR分析は、ER-028694/ER-028695/ER-817864の比率、0.9/90.9/8.2を示した。KFは13.0ppmであった。
【0124】
実施例2: ER-806158の調製
【化39】

【0125】
調製1: 乾燥した22Lの反応器中で攪拌したER-807277(1.177Kg、6.642mol)の無水THF(10.580Kg)溶液に、-1℃、窒素雰囲気下で1.0Mビス(トリメチルジシリル)アミドナトリウム/THF(3.300Kg)を、該反応温度を-0.8〜4.1℃に維持しながら33分間かけて加えた。該溶液を-0.1℃でさらに17分間攪拌した後、粗ER-028695(1.089Kg、3.316mol)/無水THF(0.968Kg)を該反応溶液に、該温度を-0.1〜3.9℃に維持しながら5分間かけて加えた。残ったER-028695を無水THF(0.253Kg)で反応器中にリンスした。該最終反応混合物を室温に加温し、その間に該オレンジ色澄明反応溶液は懸濁液になった(約19℃で)。室温で3時間31分間攪拌した後、該完了した反応混合物を0.1℃に冷却し、50Lワークアップ反応器中の冷却した飽和NHCl水溶液(4.7Kg)およびブライン(1.65L)の混合液に注いだ(発熱性、T最高=16.2℃)。水(2×1.0L)続いてトルエン(3.769Kg)を使用して、残った反応混合物を該ワークアップ反応器にリンスした。該混合物を5分間攪拌した後、該反応混合物を5分間静置し、該得られた下部の水層(pH=9)を捨てた。該有機層の該溶媒を30〜34℃、ハウスバキューム下で部分的に濃縮した。該容器を最小量のTHF(0.4Kg)でリンスし、および該リンスを該生成物と合わせた。トルエン(0.4Kg)を加熱(バス温度=30〜34℃)しながら加え、該固体を移し易いようにスラリーにした。
【0126】
該粗スラリーを窒素下、清潔な乾燥した22Lの反応器に移し、続いて19℃以下で速く攪拌しながらヘプタン(7.503Kg)を加えた。さらに6時間22分間攪拌した後、該混合物を真空ろ過(Fisher P5ろ紙、カタログ#09-801G)し、該ケーク(〜5.4L)をヘプタンで3回:それぞれ0.99Kg、1.02Kgおよび1.01Kgで洗浄した。該合わせたろ液および洗浄液を、30〜34℃、ハウスバキューム下で濃縮し、混濁オレンジ色油状物(1.207Kg)を得た。該ろ過漏斗中の該白色固体ケークはER-807277である。
【0127】
該粗生成物(1.206Kg)をメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)/ヘプタン=1/4(700mL)に溶かし、中間フリットろ過漏斗でろ過し、続いて該ろ過ケークをMTBE/ヘプタン=1/4(300mL)でリンスして、澄明黄色ろ液を得た。該粗ER-806158溶液を前処理したシリカゲルカートリッジ[MTBE(10.46Kg)続いてMTBE/ヘプタン=1/4(3.140Kg/11.606Kg)で処理された、Biotage 150L(5.62Kg、空隙容量=7.07L)カートリッジ]に、〜840mL/分(溶媒圧〜25psi)に調整した流量を用いて充填した。充填後、該カートリッジをMTBE/ヘプタン=1/4(0.148Kg/0.547Kg)でリンスし、続いてMTBE/ヘプタン=1/4(2.09Kg/7.740Kg)、MTBE/ヘプタン=2/3(2.094Kg/2.904Kg、MTBE/ヘプタン=7/3(3.661Kg/1.448Kg)、および最後にMTBE(40.298Kg)で溶出した。該全クロマトグラフィー過程の間に、約350mLの画分を集めた。生成物を含む画分を合わせて、濃縮し、乾燥するためにヘプタン(0.540Kg)を用いて共沸し、続いてハウスバキューム下、33℃で1時間13分乾燥し、純度98.32面積%の澄明オレンジ色油状物(0.793Kg、71%)を得た。
【0128】
ER-806158の結晶化
2.376Kgの精製したER-806158をヘプタン(8.121Kg)に溶かし、清潔な乾燥した22Lの反応器に窒素雰囲気下で移し、続いて攪拌した。該澄明黄色溶液を、0.5時間毎に〜4℃で段階的に-15℃まで冷却した。得られた白色懸濁液を-15℃でさらに1時間攪拌し、続いて冷却したろ過漏斗およびろ紙で、真空で、該ろ過ケーク上に窒素ブランケットをして、ろ過した。該所望の固体を、冷却したヘプタン(-12.3℃、1.387Kg)で洗浄し、上記のようにろ過し、該ろ過ケークを真空下で、該固体上を窒素ブランケットしながら、14時間13分間(T=14.9〜18.8℃)維持した。該反応器の、残りのER-806158を溶かす該母液、洗浄液、および該溶媒を、リサイクルのために合わせた。
入手: 2.068Kg、収率87.0%
ER-806158の分析データ
・ 純度: 99.84 wt/wt%
・ キラル純度: 99.72%e.e.
・ KF: 0.21%
・ ヘプタン: 268ppm
1H-NMR(CDCl3)δ0.88(t, J=6.9Hz, 3H), 1.2-1.6(m, 12H), 1.6-1.7(m, 1H), 1.7-1.8(m, 1H), 3.21(bs, 1H), 3.6-3.7(m, 3H), 3.7-3.8(m, 2H), 3.5-3.6(m, 2 H), 4.2-4.3(m, 1H), 4.5(m, 2H), 7.42, (t, J=7.6Hz, 2H), 7.49, (dd, J=6.9, 7.8Hz, 1H), 7.95(d, J=7.3Hz, 2H).
・ 元素分析(EA): C30H59NO6の計算値: C, 72.04; H, 9.37; N; 4.20 実測値: C, 71.83; H, 9.30; N, 4.08.
・ m.p.(DSC)開始、26.7℃; 最高、29.5℃.
【0129】
調製2: 該反応で使用したER-028695の量(mol)は、実施例1、方法2で使用した出発ER-028694の量に基づいて、収率100%と仮定して、計算した。ER-807277(178.3g、1006mmol)を、清潔な乾燥した5Lの反応器に窒素雰囲気下で加えた。無水THF(1.8L)を攪拌しながら加え、澄明黄色溶液が得られ、該溶液をに0℃冷却した。NaHMDS/THF(1.0M、553mL)を20分間かけて加え、該反応温度を5℃以下に(3.8〜1.3℃)維持した。該溶液を10分間攪拌し、その後-5℃に冷却した。粗ER-028694(165g、503mmolと計算される)を乾燥した清潔なフラスコに無水THF(165mL、1容量部)で窒素雰囲気下で攪拌しながら移し、澄明オレンジ色溶液を得た。その後、該ER-028695/THF溶液を該反応溶液に6分間かけて加え、該温度変化は-3.2℃〜0.4℃であった。残りのER-028695を無水THF(40mL)で反応器中にリンスし、該反応混合物を室温に温水浴(23℃)中で加温した。該加温工程中、該澄明オレンジ色反応溶液は懸濁液となった。18.7〜21.3℃で1.75時間攪拌した後、試料(10μL)を取り、1.0mLMeCNに加え、0.2μmシリンジろ過でろ過し、無色澄明ろ液を得た。HPLC分析(TM-779)により、98.2%変換を検出した。室温で全3時間攪拌した後は、HPLC分析は99.5%変換を示した。飽和NHCl水溶液(0.66L)を一度に加え(発熱性、18.9〜26.0℃)、プロセス水(0.30L)、ブライン(0.25L)、およびトルエン(0.66L)を加えた。該添加の後、5分間攪拌を続けた。該上部有機層(〜2.6L)の溶媒を、減圧下、29〜32℃で部分的に濃縮し、スラリー(481.7g)が得られ、該下部水層(〜1.4L、pH=11)を捨てた。
【0130】
該スラリーを乾燥した清潔な5Lの反応器に窒素下で移した。ヘプタン(1.65L)を速く攪拌しながら室温で加え、攪拌を14時間続けた。該混合物を真空ろ過(中間ろ紙)し、該得られたケーク(〜0.52L)をヘプタン(0.33L)で洗浄し、該黄色ろ液(〜2.8L)を集めた。溶媒を減圧下で蒸発させ(29〜32℃)、オレンジ色油状物(177.9g)を得た。
【0131】
該粗生成物(177.9g)をTBME/ヘプタン=1/4(178mL)に溶かし、TBME(2.1L)、続いてTBME/ヘプタン=1/4(3.15L)で処理したBiotage 75L シリカゲル(834g、空隙容量=1.05L) カートリッジに〜170mL/分(溶媒圧〜18psi)に調整した流量を用いて充填した。画分1-2(各画分〜350mL)を集めた。充填後、該カートリッジをTBME/ヘプタン=1/4(178mL)でリンスし、TBME/ヘプタン=1/4(2.1L)で溶出して、画分2-8を採取し; TBME/ヘプタン=2/3(1.05L)で溶出して、画分8〜11を採取し; TBME/ヘプタン=7/3(1.05L)で溶出して、画分11〜14を採取し;およびTBME(8.4L)で溶出し、画分15〜39を採取した。該採取した画分を分析し(TLC、シリカゲルF254; 移動相、TBME; 可視化、UVおよびアニスアルデヒド溶液)、該生成物を含みER-807277の混入のない画分(14〜35)を合わせた。溶媒を蒸発させ(29〜32℃、80トル)、ヘプタンで処理して(29〜32℃、10.3トル)、澄明オレンジ色油状物(114.4g)が得られ、室温に冷却すると凝固した。HPLC分析(TM-779)は96面積%を検出した。
【0132】
該オレンジ色固体(114.4g、1重量部)を加温し(29〜32℃)、1Lの乾燥した清潔な反応器にヘプタン(572mL)で窒素雰囲気下で攪拌しながら移した。該溶液を14℃に冷却し、0.5時間攪拌し、ER-806158の結晶(0.112g)をシードした。攪拌を0.5時間続け、その時固体粒子は見えた。該反応混合物を、攪拌を1時間続けながら、段階的に-10℃まで冷却し(0.5時間毎に4℃)、さらに-15℃まで冷却した。冷却した中間ろ過漏斗を冷却した(〜-20℃)ヘプタン(〜200mL)で準備し、および該反応混合物を該ロートで真空ろ過し、続いて冷却したヘプタン(〜-20〜-15℃)で洗浄した。真空を1.5時間続け、該ケークの上部に窒素ブランケットをした。その後得られた白色粗粒状固体をビンに移した(98.4g、0.295mol)。分析結果は:wt/wt%、99.95; 純度、99.68; 残るヘプタン、19.1ppm; KF、1.04%を示した。DSCにより、融解の開始が27℃であった。キラルHPLC分析(TM-573)は、99.8面積%を検出した。
【0133】
実施例3: ER-819059の調製
【化40】

【0134】
調製1: 清潔な乾燥した22Lのフラスコ中で、攪拌したN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミドヒドロクロリド(904g、4.176mol)、ラウリン酸(精製、881g、4.398mol)、およびER-806158(1400g、4.198mol)の無水ジクロロメタン(CHCl)(3710g)溶液に、4-ジメチルアミノピリジン(51g、0.417mol)を窒素雰囲気下で加えた。1時間13分攪拌した後、該反応混合物は僅かに混濁した黄色溶液となり、該反応温度は最高26.7℃に達した。6時間34分後に、該反応は98.9%の完了が認められ、その時、さらにN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミドヒドロクロリド(303g、1.581mol)を一度に加えた。室温で全20時間50分攪拌した後、MeOH(5566g)を該黄色反応懸濁液に一度に加えた(僅かに吸熱性、T最低=17.1℃)。部分的に溶媒を蒸発し(ハウスバキューム、29〜32℃)、該CHCl(3.71Kg)を除去し、続いて等量のヘプタン(2×2.86kg ea.)で抽出した。該ヘプタン抽出物を濃縮し(ハウスバキューム、30〜35℃)、ヘプタン(0.75Kg)を使用して乾個するまで共沸した。
【0135】
該生成物(2.192Kg)をヘプタン(3.00Kg)に溶かし、シリカゲルカートリッジ[MTBE/ヘプタン=1/1(15.0Kg)で前処理したBiotage 150L シリカゲル(5.62Kg)]に充填した。該生成物を、〜0.84L/分(溶媒圧=22psi)に調整した流量で、MTBE/ヘプタン=1/1(31.3Kg)で溶出し、約350mL溶出液/画分を採取した。該生成物を含む画分を合わせて、乾固するまで濃縮し、真空乾燥し(16℃、ハウスバキューム、16時間13分間)、ER-819059(2.102Kg、収率86.4%)を澄明淡黄色油状物として得た。
ER-819059の分析データ
・ HPLC分析: 99.76面積%.
・ KF: 0.36%
・ ヘプタン: 725ppm
1H-NMR(CDCl3) δ0.881(t, J=7.1Hz, 3H), 0.884(t, J=6.9Hz, 3H), 1.2-1.3(m, 26H), 1.5-1.6(m, 2H), 1.6-1.7(m, 2H), 1.8-1.9(m, 2H), 2.28(t, J=7.6Hz, 2H), 3.4-3.6(m, 3H), 3.69(dd, J=3.7, 9.6Hz, 1H), 4.3-4.6(m, 3 H), 5.0(m, 1H), 7.43, (t, J=7.6Hz, 2H), 7.51, (dd, J=6.0, 7.3Hz, 1H), 7.95(d, J=6.0Hz, 2H).
・ MS-APESI(M+H)C32H54NO4の計算値: 516.41 実測値: 516.48
・ TLC:(シリカゲルF254):MTBE/ヘプタン=1/1; ER-819059のRf=0.51
【0136】
調製2: N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミドヒドロクロリド(1.49g、7.77mmol)、ER-806158(2.00g、6.00mmol)、DMAP(0.07g、0.59mmol)およびドデカン酸(1.44g、7.19mmol)を乾燥した50mLのフラスコに窒素雰囲気下で加えた。その後、無水ジクロロメタン(6.0mL)を攪拌しながら加えた。僅かに混濁した溶液が生じるまで、室温で攪拌を続けた。16時間攪拌した後、試料(10μL)を取り、1.5mLMeCNに加えた。HPLC分析(TM-780)は95.1%変換を検出した。その後、さらにN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミドヒドロクロリド(0.307g、1.60mmol)を加えた。さらに8時間攪拌した後(トータル24時間)、2番めの試料(10μL)を取り、先の通り分析した。HPLC分析(TM-780)は99.6%変換を検出した。さらに15時間攪拌を続け(39時間トータル)、その時に、3番目の試料を取り、分析した。HPLC(TM-780)分析は99.96%変換を検出した。その後、飽和NaHCO水溶液(10mL)、ブライン(10mL)、およびヘプタン(10mL)を加え、攪拌を0.5時間続けた。質の悪いエマルジョンが認められた。その後、ヘプタン(10mL)を加えよく混合したが、実質的に該エマルジョンは改善しなかった。次に、MeOH(3.0mL)を加えよく混合したが、また実質的に該エマルジョンは改善しなかった。該組成物を0.5時間静置し、該下部の上に形成した該乳状の水層を排出した。該水層をTBME(20mL)で抽出し、約15分間静置した後、該下部水層を排出した。該水層のTLC分析(TLC、シリカゲルF254; 移動相、TBME; 可視化、UVおよびアニスアルデヒド溶液)は有意な量の生成物を検出した。該水層を再びTBME(20mL)で抽出し、該有機層を合わせた。溶媒を蒸発させ(29〜32℃、7.5トル)、澄明黄色油状物(3.35g)を得た。
【0137】
該粗生成物(3.35g)をTBME/ヘプタン=1/1(12mL)に溶かし、TBME/ヘプタン=1/1(36mL)で処理したBiotage 12Mシリカゲル(8.99g、空隙容量=11.3mL)カートリッジに充填した。該生成物を、〜12mL/分に調整した流量で溶出し、15画分(各〜6mL)を採取した。採取した画分を分析し(TLC、シリカゲルF254; 移動相、TBME/ヘプタン=1/1; 可視化、UVおよびアニスアルデヒド溶液)、および生成物を含む画分(3〜15)を合わせた。溶媒を蒸発させ(29〜32℃、8.3トル)、澄明無色油状物(3.03g)を得た。HPLC分析(TM-780)は99.18面積%を検出した。該水溶液のワークアップは、質の悪いエマルジョンのため、行わなかった。
【0138】
実施例4: ER-819120の調製
【化41】

【0139】
ER-819059(3.03g、5.87mmol、1重量部)および10%Pd/C(0.303g、0.28mmol)を清潔な50mLフラスコにIPA(20.2mL、6.67容量部)で、窒素雰囲気下で加えた。該フラスコを、室温で速く攪拌しながら排気し、水素(水素圧を0.04バールに維持した)でパージした。この排気-および-パージ工程を、さらに2回繰り返した。該反応を様々な試料のHPLC分析によりモニターした。該反応が完了した後、約3.5日間、該フラスコを排気し、窒素で3回パージした。得られた混合物を0.2μmのシリンジフィルターでろ過し、IPAでリンスした(2×4.0mL)。その後、該無色澄明ろ液を合わせ、該粗生成物/IPA溶液を次の反応(収率100%と仮定して、精製無しに)使用した。
【0140】
実施例5: ER-819302の調製
【化42】

【0141】
ER-819120(mol)の量を、先の工程の該出発ER-819059に基づいて計算した。
【0142】
ER-819120/IPA(2.52g、ER-8189120、5.87mmolに相当、〜31.5mL)を含む50mLフラスコにジ-tert-ブチルジカーボネイト(1.30g、5.96mmol)を窒素雰囲気下で攪拌しながら一度に加えた。該反応をHPLC(試料調製: 試料15μL、1.0mLMeCNに加える)、およびTLC(TLC、シリカゲルF254; 移動相、MeOH/CHCl/NHOH=10/89/1; 可視化、アニスアルデヒド溶液またはニンヒドリン溶液)でモニターした。TLCはマイナーなER-819120スポットのみを検出した。さらにジ-tert-ブチルジカーボネイト(0.20g、0.92mmol)を加えた。TLC分析により改善は認められなかった。溶媒を蒸発させ(29〜32℃、10トル)、無色澄明油状物(3.21g)を得た。
【0143】
Biotage 12Mシリカゲル(8.99g、空隙容量=11.3mL)カートリッジをTBME/ヘプタン=1/1(36mL、3 v.v.)で処理した。該流量を〜12mL/分に調整した。該粗生成物(3.35g)をTBME/ヘプタン=1/1(12mL)に溶かした後、それを該カートリッジに充填し、およびTBME/ヘプタン=1/1(70mL)で溶出した。15画分(各〜6mL)を採取し、分析した(TLC、シリカゲルF254; 移動相、TBME/ヘプタン=1/1; 可視化、UVおよびアニスアルデヒド溶液)。画分(3〜15)からの生成物を合わせた。溶媒を蒸発させ(29〜32℃、8.3トル)、無色澄明油状物(3.03g)を得た。
【0144】
実施例6: ER-819302の調製の別法
【化43】

【0145】
2つの清潔な12Lの反応器にイソプロパノール(IPA)(各4.647Kg)で等量に分けられたER-819059(1.970Kg、3.82mol)に、10%Pd/Cを加えた(99g=フラスコ1、102g=フラスコ2)。該フラスコを、攪拌しながら、排気し(-0.79バール)、その後、水素(0.05バール)で3回パージした。該反応物を室温、水素雰囲気下で(0.04バール)7日間と16時間維持し、その後、該反応を排気し(ハウスバキューム)、窒素で3回パージして、痕跡量の過剰の水素を全て除去し、続いて窒素雰囲気下で0℃に冷却した。
【0146】
2つの分けたフラスコで、ジ-tert-ブチルジカーボネイト(434g、1.99mol;および438g、2.01mol、それぞれ)を窒素雰囲気下で無水THF(各203g)に溶かした。各該フラスコに、冷却したER-819120反応混合物を5分間かけて加えた。無水THF(各40g)を、該反応混合物に残った試薬をリンスするために使用した。該反応は、発熱性(4.5から10.1℃)であり、ガス発生が認められた。該反応を室温に加温し、一晩攪拌を続けた。完了した反応物を合わせ、セリット545(1.143Kg、 Fisher P5 24cmフィルターに充填)でろ過し、窒素ブランケット下でIPA(3.091Kg)でリンスし、該反応器の該残渣をIPA(1.417Kg)でリンスし、ろ過し、続いて該フィルターパッドをIPA(13.46Kg)でリンスした。該ろ過床をIPA(それぞれ4.573Kgおよび6.360Kg)でさらに2回リンスした。
【0147】
該合わせたろ液を濃縮し、続いてヘプタン(7.529Kg)で共沸して、澄明無色油状物(2.452Kg;純度70.57面積%)を得た。該粗生成物を均等に4つの精製部に分けた。
【0148】
該粗ER-819302(611g、1重量部)をヘプタン(613g、1重量部)に溶かし、およびBiotage 150L シリカゲルカートリッジ[(5.620Kg)MTBE(10.48Kg)、その後ヘプタン(15.51Kg)で、流量700mL/分で処理した]に充填した。ヘプタン(340g、0.56重量部)を、残ったER-819302を該カラムにリンスするために使用した。該カラムを15%MTBE/ヘプタン(7.102Kg/36.994Kg)、その後MTBE(15.72Kg)で溶出し、約3L/各の画分を集めた。該残りの粗ER-819302を、3つの等量にして、同一の方法を使用して、別々にクロマトグラフを行った。4つの精製から所望の画分を合わせ、濃縮し、ヘプタン(0.5Kg)で乾固するまで共沸して、ER-819302を澄明無色油状物(1.9135Kg;収率94.6%、純度97.86面積%)として得た。
ER-819302-00の分析データ
1H-NMR(CDCl3)δ 0.89(t, J=6.9Hz, 6H), 1.2-1.3(m, 26H), 1.46(s, 9 H), 1.5-1.7(m, 4 H), 1.7-1.8(m, 1 H), 1.8-1.9(m, 1H), 2.30(t, J=7.6Hz, 6H), 3.3-3.4(m, 1H), 3.48(td, J=6.9, 9.6Hz, 1H), 3.5-3.6(m, 2 H), 3.69(td, J=6.1, 7.1Hz, 1H), 3.76(d, J=8.2Hz, 2H), 5.0-5.1(m, 1H), 5.2(bs, 1H).
・ MS-APESI(M+Na) C30H59NNaO6の計算値: 552.42 実測値: 552.52
・ KF=0.30%
・ ヘプタン=6034ppm;MTBE=検出なし
【0149】
実施例7: ER-819344の調製
【化44】

【0150】
調製1: 攪拌したジイソプロピルアミン(22.4mL、0.160mol)の無水CHCl(200mL)溶液に、室温、窒素雰囲気下でトリフルオロ酢酸ピリジニウム(30.9g、0.160mol)一度に加え、若干の発熱を呈した。該反応混合物を室温に戻した後、アリルテトライソプロピルホスホロジアミダイト(51.1mL、0.160mol)を加え、続いて10分間攪拌した。ER-819302(84.4g、0.159mol)を無水CHCl(300mL)を使用して乾固するまで、該水分量が60ppmより低いことが検出されるまで、数回共沸した。ER-819302をジクロロメタン(300mL)に溶かした後、該溶液を上記ピリジニウム反応混合物に、該反応温度を20〜30℃に維持しながらゆっくり加え、続いて該試薬容器の残渣を追加のジクロロメタン(100mL)でリンスした。
【0151】
該反応中間体ER-820116の形成が完了(2時間)したとき、該反応混合物を0℃に冷却し、続いて該反応温度を0〜15℃維持しながら酢酸(18.2mL、0.320mol)を滴加した。トリフルオロ酢酸ピリジニウム(11g、0.056mol)を該反応混合物に加え、得られた反応物を直ちに10分間攪拌し、その後、ER-222581(46.5g、0.164mol)を一度に加えた。該反応混合物を室温で2時間攪拌し、その後、該混合物を0℃に冷却し、30-重量%過酸化水素/水(49mL、0.480mol)を滴加し、最終反応温度0〜10℃に維持した(最初に強い発熱性)。該反応混合物を室温まで加温し、さらに30分間攪拌し、その後、該反応混合物を0℃に冷却した。該最終反応混合物を、10重量%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(3.5L)を、反応温度を0〜10℃に維持する添加速度でゆっくり加えてクエンチした。該クエンチした反応物を室温に加温し、得られた両方の層が過酸化物検査が陰性まで攪拌した(30分間)。
【0152】
得られた混合物をMTBE(2.0L)で希釈し、10分間攪拌し、その後ワークアップ容器に移した。該層を分離し、該有機層を5%NaHCO水溶液(2.0L)およびブライン/水の1:1混合液で各1回洗浄した。合わせ水層をMTBE(1L)で逆抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム(100g)で乾燥し、ろ過し、濃縮し、およびMTBEで乾固するまで共沸して、ER-819344(146.6g、収率97%、純度97%、HPLCによる)を得た。
ER-819344の分析データ
1H-NMR(CDCl3)δ 0.85-0.90(m, 6H), 1.20-1.36(m, 26H), 1.40-1.65(m, 4H), 1.44(s, 9H), 1.70-1.83(m, 2H), 2.27(t, J=7.6Hz, 2H), 3.37-3.57(m, 6H), 3.90-4.00(m, 1H), 4.03-4.10(m, 1H), 4.11-4.24(m, 3H), 4.35-4.40(m, 2H), 4.50-4.60(m, 2H), 4.94-5.0(m, 1H), 5.05-5.15(m, 1H), 5.22-5.27(m, 1H), 5.30-5.40(m, 1H), 5.85-6.0(m, 2H), 6.01-6.05(m, 1H), 7.30(dd, J=7.3, 7.8Hz, 2H), 7.40(dd, J=7.3, 7.8Hz, 2H), 7.61(d, J=7.8Hz, 2H), 7.76(d, J=7.3Hz, 2H).
31P-NMR(CDCl3, 測定なし)0.172, 0.564(2つのジアステレオマー)
・ MS-APESI(M+Na) C50H79N2NaO11Pの計算値: 937.53 実測値: 937.65.
【0153】
調製2: ER-819302(1重量部)を無水ジクロロメタン(3容量部)に溶かした。Kfによる測定で該全水量がER-819302の0.7mol.%と同等またはそれ以上のとき、溶媒を蒸発させて水を追い出して水分量を十分な値に低くする。
【0154】
無水ジクロロメタン(2容量部)を乾燥した反応器に入れ、続いてジイソプロピルアミンおよびトリフルオロ酢酸ピリジニウム(1当量)を入れた(発熱を調節するために加えられる前に浴中で)。該溶液を攪拌し、該温度を浴中で20〜25℃に調整した。その後、アリルテトライソプロピルホスホロジアミダイト(1当量)を該溶液に入れ、続いて5分間攪拌した。その後、該ER-819302のジクロロメタン溶液を該溶液に、添加速度を調節して反応温度を30℃より下に維持しながら加えた(1容量部のジクロロメタンでリンス)。該反応過程をTLC(MTBE/ヘプタン/Et3N=40/60/1)およびHPLC(TM、30-ulの反応混合物を採り、およびそれを1mlのアセトニトリルに希釈して試料を調製した)によりモニターした。該ER-819302:ER-820116比が95:5より大きくなったとき、該反応は完了し、通常2時間で生じる。該中間体ER-82 0116の形成後、該反応混合物を0〜10℃に冷却し、酢酸を、該反応温度を15℃より下に維持する添加速度で入れた。
【0155】
トリフルオロ酢酸ピリジニウム(0.4当量)を反応混合物に入れ、続いてER-222581(1当量)を入れた。該混合物を室温で約20〜30分間、該白色懸濁液が澄明溶液になるまで攪拌した。該反応過程を、TLC(MTBE/ヘプタン/Et3N=40/60/1)およびHPLC(TM、30-ulの反応混合物を採り、1mlのアセトニトリルで希釈し、試料を調製した)によりモニターした。該反応が完了した後、約1.5または2時間、該反応混合物を-5〜0℃に冷却した。
【0156】
その後、30重量%過酸化水素(3当量)/水を該反応混合物に反応温度を5℃より下に維持しながら入れた。該反応混合物を室温に加温し、その後30分間攪拌した。それを冷却して-5〜0℃に戻し、10重量%亜硫酸水素ナトリウム水溶液を、反応温度を5℃より下に維持しながらを入れた。該亜硫酸水素溶液を入れた後、該反応混合物を再び室温に加温し、その後30分間攪拌した。該反応混合物が過酸化物検査片が陰性を示すまで、攪拌を続けた。
【0157】
メチルt-ブチルエーテルを該反応に入れ、10分間攪拌した。その後、該反応混合物をワークアップ容器に移し、および該層を分離した。該水層が生成物を含むことを示したとき、それをメチルt-ブチルエーテルで逆抽出した。該有機層を、5%重炭酸ナトリウム水溶液、続いてハーフブラインの溶液で洗浄し(該水層が濁っているとき、メチルt-ブチルエーテルで逆抽出することが必要でありうる)、該有機を濃縮した(それが乳状の油状物となったとき、それにMTBEを入れ、真空ろ過した)。該粗ER-819344をにHPLCおよびHNMRにより分析した。最大スケールのランにより、84.4gのER-819302(収率97%、HPLCにより)を得た。
【0158】
実施例8: ER-819385-00の調製
【化45】

【0159】
攪拌したER-819344(1.56g、1.70mmol)のTHF(1.5mL)溶液に、2.0Mジメチルアミン/THF(8.5mL、17.0mmol)を室温で加え、該反応混合物を2時間攪拌した。完了した反応混合物を濃縮し、該粗生成物をMTBE(15mL)で、乾固するまで2回共沸した。該得られた生成物をMTBE(30mL)に溶かし、ブライン(7.5mL)で洗浄した。該最終有機層を乾固するまで濃縮し、MTBE(15mL)で1回共沸して、所望の幾分不安定なER-819385が得られ、これをさらに精製することなく、次の工程に使用した。
【0160】
調製2: ER-819344-00(1.56g、1.70mmol)をTHF(1.5mL)に溶かし、市販のジメチルアミン/THF(2.0M、8.5mL)溶液に室温で加え、2時間攪拌した。TLC分析を行い、ER-819344の消費の完了を示した。U.V.ランプおよびp-アニスアルデヒド染色を可視化技術として用いた。その後、該揮発性物質をロータリーエバポレーション技術により除去した。該粗生成物をMTBE(2×15mL)で共沸し、その後、それをMTBE(30mL)に溶かし、およびブライン(7.5mL、残りの低MWアミン(例えば、ジメチルアミン、エタノールアミンを除去するため)で洗浄した。エマルジョンは無く、該層は容易に分離された。この洗浄後の該水層のpHは、〜10であった。該有機層を乾固するまで濃縮し、MTBE(1×15mL)で共沸して、所望のアミンモノマーモノマーER-819385-00を得た。
【0161】
実施例9: ER-819409-00の調製
【化46】

【0162】
調製1: 攪拌した粗ER-819385(calc. 1.18g、1.70mmol)のCHCl(15mL)溶液に、NaHCO飽和溶液(12mL)を加えた。得られた混合物を0℃に冷却し、続いて20%ホスゲン/トルエン(465μL、0.935mmol)を滴加した。該反応物を室温に加温し、1時間攪拌し、その後0℃に冷却し、その後、2番目部の20%ホスゲン溶液(210μL、0.425mmol)を加えた。該最終反応混合物を室温に加温し、一晩攪拌した。水(15mL)を加えた。さらに30分間攪拌した後、該クエンチした反応物を、分液ロートに移し、および該層を45分間分離した。該水層をCHCl(30mL)で抽出し、合わせた有機層を乾固するまで濃縮した。該粗油状物をMTBE/酢酸エチル(EtOAc)(1:1、50mL)で乾固するまで共沸して、EtOAc/ヘプタン(1:1、50mL)に溶かし、フリットロートでろ過し、塩を除去した。該粗生成物をシリカゲル(12g)で、2.5%MeOH/酢酸エチル(50mL)、3.8%MeOH/酢酸エチル(50mL)、および最後に5.6%MeOH/酢酸エチル(100mL)で溶出して精製し、ER-819409(984mg、収率82%)を澄明無色油状物として得た。
【0163】
調製2: ER-819385-00(1.70mmol、粗物質)をCHCl(15mL)に溶かし、NaHCO(12mL)飽和溶液に加えた。得られた混合物を0℃に冷却し、市販のホスゲン/トルエン(465uL、0.55当量)溶液に滴加しした。該反応物を1時間攪拌しながら室温に加温した。TLC(10%MeOH/CHCl)およびp-アニスアルデヒド分析を反応生成物を可視化するために使用し、大量の出発物質がまだ存在することが明らかとなった。したがって、該反応物を0℃に冷却し、2番目の20%ホスゲン溶液(210uL、0.25当量)を添加した。該添加後、該反応物の温度をゆっくりと室温に加温した。1時間後のTLC分析は、まだ出発物質を示したが、分解の兆候はなかった。その後、該反応物を攪拌しながら一晩置いた。翌日のTLC分析は、まだ出発物質の存在を示したが、ベースライン分解の発生も明らかにした。水を該反応生成物に室温で加え(15mL)、30分間攪拌した。該混合物を分液ロートに移し、該層を45分間置き、その後それらを分離した。該水相をCHCl(30mL)で抽出し、該有機層を合わせ、乾固するまで濃縮した。水層および合わせた有機層のTLC分析は、アミン出発物質の存在を示さず、該反応は該ワークアップの間に完了したことを示した。
【0164】
該粗油状物をMTBE/EAで共沸し、〜50mlのEA/ヘプタン(1:1比)に再び溶かし、フリットロートでろ過して塩を除去した。この物質をSiOカラム(50%EA/n-ヘプタン、100%EA、その後、5-10%MeOH/EA)で精製し、984mgの該所望の尿素ER-819409-00を、無色油状物として得た。これは該Fmoc脱保護以後の総合収率82%を示す。該マスバランスは該尿素-形成段階の該一晩の攪拌間に形成したベースライン物質であった。
【0165】
実施例10: ER-819409-00のジヒドロキシ尿素合成
【化47】

【0166】
攪拌したトリフルオロ酢酸ピリジニウム(108g、0.533mol)の無水アセトニトリル(348g)溶液に、ジイソプロピルアミン(78.7mL、0.561mol)を該反応温度を30℃より下に維持する速度で加えた。該反応を室温に冷却した後、アリルテトライソプロピルホスホロジアミダイト(179mL、0.561mol)を加え(若干の吸熱、その後発熱が認められた)、続いてさらに10分間攪拌した。次にER-819302(283.2g、0.5345mol; ヘプタン800mLにて前処理)の無水アセトニトリル(453mL)溶液を、反応温度を20および30℃の間に維持する添加速度で加えた。さらに30分間攪拌した後、該反応混合物を0℃に冷却し、続いて酢酸(64mL、1.1mol)を、反応温度を25℃より下に維持しながらゆっくり加えた。該反応混合物を室温で平衡にした。トリフルオロ酢酸ピリジニウム(103g、0.533mol)/アセトニトリル(200mL)を該反応混合物に加えた。トリフルオロ酢酸ピリジニウムを加えた後、直ちにER-812978(40g、0.27mol)を加え、続いてアセトニトリル(50mL)でリンスをした。該反応混合物を室温で18時間攪拌し、その後それを0℃に冷却し、続いて30重量%の過酸化水素/水(140mL、1.37mol)を0〜24℃に反応温度を維持しながら(最初は強い発熱)ゆっくり加えた。該最終反応混合物をさらに30分間攪拌し、続いて20重量%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(3000g)を、反応温度を0および18℃の間に維持する速度で加えた。該反応混合物を室温まで加温し、過酸化物検査で陰性となるまで攪拌した。
【0167】
該得られた反応混合物をワークアップ容器中、MTBE(3000mL)で希釈し、15分間攪拌した。該層を分離した後、該有機層を10%重炭酸ナトリウム(NaHCO)水溶液(3500mL)、その後30%NaCl水溶液(2000mL)で洗浄した。該ブライン層をMTBE(3000mL)で3回逆抽出した。合わせた有機層を濃縮し、TBME/ヘプタン=1/1(1.4L)で2回処理した。該残渣をMTBE(735g)に溶かし、および該懸濁液をセリットパッド(150g)でろ過し、続いてその後3回、MTBE(300mL)で該容器およびフィルターパッドを洗浄した。該ろ液を乾固するまで濃縮し、363.4gの僅かに混濁した油状物を得た。該粗ER-819302を溶かし、前処理したシリカゲルカートリッジ[MTBE/ヘプタン=7/3(15Kg)で処理したBiotage 150L(5.62Kg、空隙容量=7.07L)カートリッジ]に、TBME/ヘプタン=7/3(400mL)で〜800mL/分に調整した流量を使用して充填した。充填後、TBME/ヘプタン=7/3(500mL)を使用して残りのER-819302をリンスし、該リンスを該カートリッジに充填した。該カートリッジをMTBE/ヘプタン=7/3(26Kg)、その後MTBE/ヘプタン/MeOH=70/25/5(21.8Kg/7.18Kg/1.7Kg)で溶出した。全36画分をこの過程の間採取した。生成物を含む画分を合わせ、濃縮し、ヘプタン(8L)を用いて共沸して乾燥し、続いてハウスバキューム下で乾燥し、油状物(281g、79%)を純度92.69面積%で得た。
ER-820116の分析データ
1H-NMR(CDCl3)δ0.870(m, 6H), 1.176(d, J=8.0 Hz, 12H), 1.254-1.282(b, 28H), 1.428(b, 9H), 1.528(b, 2H), 1.603(b, 2H), 1.790(m, 2H), 2.265(t, J=7.0 Hz, 2H), 3.431(m, 2H), 3.481(m, 2H), 3.600(m, 2H), 3.751(b, 2H), 3.847(b, 1H), 3.847- 4.208(m, 2H), 4.950(b, 1H), 5.126(d, J=10Hz, 1H), 5.286(dd, J=17 Hz, J’=1.5 Hz, 1H), 5.898-5.989(m, 1H)
31P-NMR(CDCl3, 測定)148.449および148.347(2 ジアステレオマー)
・ MS-APESI(M+H) C39H78N2O7Pの計算値: 717.55, 実測値: 717.66.
ER-821843の分析データ
31P-NMR(CDCl3, 測定)δ 139.832, 139.868, 140.170, 140.327(4 ジアステレオマー)
・ MS-APESI(M+Na) C30H59NNaO6の計算値: 552.42 実測値: マスデータなし
ER-819409の分析データ
・ MeOH: 検出されず
・ MTBE: 検出されず
・ MeCN: 185ppm
・ ヘプタン: 1718ppm
1H-NMR(CDCl3)δ0.88(t, J=6.9Hz, 12H), 1.20-1.37(m, 52H), 1.44(s, 18H), 1.45-1.72(m, 8H), 1.76-1.85(m, 4H), 2.28(t, J=7.6Hz, 4H), 3.38-3.58(m, 12H), 3.85-3.97(m, 2H), 3.98-4.20(m, 8H), 4.53-4.58(m, 4H), 4.95-5.0(m, 2H), 5.18-5.28(m, 2H), 5.26(dd, J=1.4, 10.5Hz, 2H), 5.37(dd, J=0.9, 16.9Hz, 2H), 5.62-5.85(m, 2H), 5.87-5.99(m, 2H).
・ MS-APESI(M+Na) C71H136N4NaO19P2の計算値: 1433.92 実測値: 1433.98.
【0168】
実施例11: ER-807284-00の調製
【化48】

【0169】
調製1:攪拌したER-819409(40.25g、28.51mmol)の無水CHCl(120mL)溶液にメタンスルホン酸(13.8g、144mmol)のCHCl(140mL)溶液を窒素雰囲気下で該反応温度を20℃より下に維持しながら10分間かけてゆっくり加えた。該反応混合物を20℃に加温し、続いて15時間攪拌した(該中間体反応の完了が検出されたとき)。得られた反応混合物を0℃に冷却し、ジイソプロピルエチルアミン(27.5mL、158mmol)を5分間かけて加えた。さらに5分間0℃で攪拌したのち、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドヒドロクロリド(32.55g、170mmol)を一度に加えた。該反応混合物を0℃で12分間攪拌し、続いてER-028699(20.6g、85.0mmol)を一度に加えた。得られた反応混合物を0℃で2時間攪拌し、続いて室温に30分間加温し、その後、該反応の完了を検出した。
【0170】
完了した反応混合物の4分の1(105g)を、前処理したBiotage 75Mシリカゲルカートリッジ[(351g シリカゲル、MTBE(1L)その後CHCl(2L)で処理した]に150-200mL/分に調整した流量で溶出した。該カラムを1%エタノール(EtOH)/CHCl(900mL)、3%EtOH/CHCl(900mL)および最後に6%EtOH/CHCl(2250mL)で、〜150mL/画分を採取しながら、連続して溶出した。該所望の生成物を含む画分を合わせ、濃縮し(ハウスバキューム、30〜35℃)およびヘプタン(100mL)で3回共沸して、8.8gのER-807285を得た。該完了した反応物の残りを同様に精製し、トータルで35.2g(収率74.5%)を得た。
【0171】
2つの追加の実験方法を以下に記載する。それらは、該ワークアップ段階で異なる。最初のものは標準的なクエンチを含み、他方は逆クエンチを使用する。TLC分析をNHOH/MeOH/CHCl 1:9:90で行った。TLC板をp-アニスアルデヒド染色で黒くし、出発物質および反応生成物を可視化した。
【0172】
調製2: ER-819409-00(995mg、0.705mmol)をCHCl(7.8mL)に溶かした。TFA(1.4mL)をこの混合物に室温で1〜2分間かけて加えた。その後、該反応混合物を室温で4時間攪拌した。
【0173】
攪拌した後、該反応混合物を氷浴中で冷却し、およびNaHCO(16.0mL)の飽和水溶液を25分間かけて加えた。該中和反応の間に記録された最高温度は〜8℃であり、平均温度は4℃であった。得られた混合物をさらに45分間攪拌し、その間、該内部温度をゆっくりと4℃〜室温に加温した。該混合物を分離ロートに移し、CHClを加えた(11.0mL)。該層を35分間置き、その後分離した。該水層のpHは8〜8.5であり、これをCHCl(5.0mL)で抽出した。該有機層を合わせ、10mLの飽和ブライン溶液と水を3:1の比で混合して調製したサリーン水溶液で洗浄した。該層を20分間置き、その後分離した。その後、該有機層を該冷凍庫に一晩保存した(-20℃)。
【0174】
翌朝、該有機層を該冷凍庫から取り出し、室温に加温した。それをNaSOを用いて乾燥し、フリットロートでろ過し、乾固するまで濃縮した。得られた油状物をCHCl(8.0mL)に再び溶かし、綿栓ろ過して、残った塩を除去した。得られた物質を乾固するまで濃縮し、該無色油状物ER-807284-00(727mg、85%質量回収率)を得た。さらなるCHCl抽出により、99.0mgの追加の所望の物質得られた。質量回収率は96.8%となった。精製は不要であった。
ER-807284の分析データ
1H-NMR(CDCl3)δ0.85-0.95(m, 12H), 1.20-1.35(m, 52H), 1.45-1.65(m, 8H), 1.70-1.85(m, 4H), 2.25-2.65(bs, 4H), 2.28(t, J=7.6Hz, 4H), 3,20-3.27(m, 2H), 3.30-3.60(m, 12H), 3.98-4.22(m, 10H), 4.50-4.60(m, 4H), 4.95-5.05(m, 2H), 5.27(dd, J=0.9, 10.5Hz, 2H), 5.38(dd, J=0.9, 16.9Hz, 2H), 5.90-6.0(m, 2H).
・MS-APESI(M+H)C61H121N4O15P2の計算値: 1211.83 実測値: 1211.97.
【0175】
調製3: 適当な大きさの反応器にCHCl(22.3mL)を含有させた。ER-819409-00(2.85g、2.01mmol)を加え、該CHClに溶かした。TFA(4.0mL)を室温で1分間かけて加えた。該反応混合物を室温で4.5時間攪拌した。
【0176】
ワークアップ:(逆クエンチ): 該反応混合物をテフロンカニューレによりNaHCOの飽和溶液に1-2分間かけて移し、0℃に冷却した。若干の温度上昇、最大発熱〜4℃が認められた。該反応フラスコをCHCl(4×2.5mL)でリンスし、および該洗浄液を該溶液に加えた。該冷却装置をはずし、該温度を45分間かけて室温に加温した。さらにCHCl(22mL)を加え、該混合物を分液ロートに移した。該混合物を20分間置き、その後分離した。該水層をCHCl(22mL)で抽出し、該有機層を合わせた。合わせた有機層をサリーン液、飽和ブライン/HO(3:1比)(40mL)で洗浄した。得られた混合物を30分間置き、該層をゆっくり分離した。該層を分離した。該有機層は混濁したままであった。該有機層を-20℃、冷凍庫で一晩保存した。その後、それを室温に加温し、NaSOで乾燥し、フリットロートでろ過し、乾固するまで濃縮した。該ブライン水溶液をまたCHCl(22mL)で逆抽出し、追加の物質を回収した。プロトンおよびフッ素NMRスペクトルにより、これらの2つの物質は、TFA塩形成物を混入していることが明らかにされた。NaHCO層のpH分析により、そのpHは〜7であった(明らかに該遊離塩基ER-807284-00が得られる十分な高さ(8-8.5)でない)。上記で得られた該2つの物質を合わせ、該ワークアップを該有機物質をCHCl(50mL)に溶かして繰り返した。該合わせ溶液を、機械的攪拌装置を装備した250mLの三首丸底フラスコに移した。NaHCOの飽和水溶液(50mL)を加え、得られた混合物を室温で45分間攪拌した。該反応器の内容物を250mL分離ロートに移した。該反応器をCHClでリンスした(全25mL)。該混合物を〜1時間置き、エマルジョンが認められた。該有機層および水層を分離し、該水層をでCHCl(30mL)で逆抽出した。得られた有機層を合わせ、飽和ブライン(25mL)で洗浄した。1時間置いた後でも、該有機層は混濁したままであり、その後該有機層および水層を分離した。該有機層をNaSOで乾燥し、フリットロートでろ過した。該ろ液は混濁した。該ブライン溶液をCHCl(25mL)で逆抽出した。該CHCl層からの物質を同様の乾燥方法の後、他方の物質と合わせた。得られた合わせた有機ろ液を乾固するまで濃縮し、MTBE(2×25mL)で共沸し、CHCl(10mL)に再び溶かし、10mLのシリンジに充填したセリット(3mL)栓でろ過した。そのシリンジの先にはまた、小さい粒子を捕獲するためにろ過装置を装備した。該ろ液を乾固するまで濃縮し、NMR分光法は、該ジアミンER-807284-00が得られ、遊離のTFA塩であることを明らかにした。質量回収率は95%以上であった。該反応物をTLCで精製した。うまく該遊離塩基を生成するために、該ワークアップを繰り返さなければならならず、いくらかの分解がTLCにより明らかになった。pH調節によりこの方法は改善しうる。
【0177】
実施例12: ER-807285-00の調製
【化49】

【0178】
調製1- EDC/HOBT: 適当な大きさの不活性反応器にER-807284-00(1.0当量)および無水塩化メチレン(8.41重量部)を入れた。その後、該反応器に1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド(2当量)続いて1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.18当量)を入れた。その後、該反応器に3-オキソ-テトラデカン酸(2.2当量)を三等分して入れ、各投入に間に該反応混合物を10分間攪拌し、T内部を15〜20℃に維持した。該反応物をTLCでER-807284の消費の完了のためにモニターした。該反応が完了したことを検出したとき(通常、1時間後)、プロセス水(5重量部)を該反応器に入れた。該混合物を20分間攪拌し、その後20分間分離させた。該有機層を採った。該水層を酢酸エチルで上記の方法で2回(2×6重量部)逆抽出した。その後、全ての有機層を合わせ、硫酸ナトリウム(8重量部)を入れ、15分間置き、水分を吸収させた。該有機物をろ過し、該ケークをER-807285について陰性の結果が得られるまで、酢酸エチルで洗浄した。該ろ液を真空で濃縮し(〜50トル、28〜35℃)、ER-807285を得た。その物質をシリカゲルクロマトグラフィーで3%〜6%のEtOH/CHClを用いて精製した。所望の物質が多い画分を合わせ、ロート蒸発(rotoevaporation)により濃縮し、IVACポンプ(0.2トル)で2時間乾燥した。無色油状物、ER-807285の該収率は50%であった。
【0179】
調製2- EDC/DMF: ER-807284-00(208mg、0.172mmol.)を適当な大きさの反応器中でDMF(2.1mL)に溶かし、EDC(263mg、1.37mmol)を加えた。該混合物を0℃に冷却し、DMF(1.4mL)に溶かした3-オキソテトラデカン酸(166mg、0.686mmole)を、30秒間かけて滴加した。得られた反応混合物を0℃で室温に加温しながら10分間攪拌した。該反応物をTLC(7.5%MeOH/CHCl:該出発物質および生成物をp-アニスアルデヒド染色)によりモニターした。該反応を〜3時間後に0℃でNaHCO飽和溶液(8.0mL)、HO(4.0mL)およびMTBE/n-ヘプタン 1:1(10mL)を加えることによりクエンチした。該反応混合物を分液ロートに移した。少量のMTBE/n-ヘプタン 1:1を使用して該反応器をリンスし、該反応混合物と合わせた。該反応混合物を20〜30分間置き、その後該有機層および水層を分離した。該有機層の全容量は〜35mLであった。該水層のTLC分析は少量のDMFを示した。水層の2回目の抽出は必要なかった。該有機層をブライン(4.0mL)で洗浄し、その後15分間置いた。すばやく分離し、エマルジョンはなかった。該有機層および水層を分離し、該有機層を乾固するまで濃縮し、粗ER-807285-00を得た。該粗ER-807285をSiOカラム:3-6%EtOH/CHCl溶媒系を使用、で精製した。該収率は53%、(151mgのER-807285)、純度88%、(HPLCによる)であった。
【0180】
調製3- HBTU/ヒューニッヒ塩基/DMF: ER-807284-00(232mg、0.191mmol)をDMF(2.5mL)に溶かした。該反応器を0℃に冷却した。HBTU(218mg、0.574mmol)および3-オキソテトラデカン酸(139mg、0.574mmole)を加えた。これにヒューニッヒ塩基(106uL、0.612mmol)を30秒間かけて滴加した。該反応混合物を0℃で20分間攪拌し、〜10分後に乳状となった。該反応混合物を室温に加温した。攪拌を4時間続けた。TLCモニターは、DMFのために難しかった。従って、該反応時間は短かったかもしれなかった。該反応混合物をMTBE/n-ヘプタン 1:1(10mL)で希釈し、60mLの分液ロートに移し、クエン酸1.0M(50uL)および飽和塩化ナトリウム(9.5mL)を混合して調製した水溶液でpH3)で処理した。有意な量の塩が形成し、それが砕けて、該ロートを詰まらせた。水(5.0mL)を加え、該塩を溶かしたが、その後、徐々にMTBEを加えた後でも(15mLまで)相分離はできなかった。その後、酢酸エチルを加え、相分離の復元を始めるまで、10mLを要した。該層を〜30分間置き、分離を達成した。該水相のpHをpH5に調整した。該有機層を上記のように調製した希クエン酸10mLで再び洗浄し、pH3となった。該層を分離した。該有機層をNaHCO飽和溶液(2×5mL)で洗浄した。得られた水層および有機層を分離し、該有機層を乾固するまで濃縮した。ER-807285の収率は45%(143mg)で、純度91% (HPLCにより)であった。
【0181】
実施例13: E6020の調製
【化50】

【0182】
適当な大きさの不活性容器にER807285(1当量)/脱気THF(1.57重量部)をアルゴン流下で入れた。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.03重量部)、トリフェニルホスフィン(0.03重量部)およびフェニルシラン(0.07重量部)のテトラヒドロフラン(2重量部)溶液を該反応器に40分間かけて入れた(T内部通常〜40〜45℃に上昇)。該反応をER-804057の消費の完了のためにTLCおよびHPLCによりモニターした。該反応の完了を検出したとき(通常<10分後)、該反応混合物をイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。この精製についての詳細は、実施例14を参照。
【0183】
実施例14: E6020の精製
【化51】

【0184】
804057遊離酸を含むテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、トリフェニルホスフィン、およびフェニルシランの粗反応混合物をSource 30Qイオン交換カラムに充填した。その後、非結合の反応物をメタノール/THF/水(77.5/15/5)を用いて該804057を離れて溶出した。804057のナトリウム塩(すなわち、E6020)を酢酸ナトリウムのリニアグラジエントの増加(0Mで開始し、0.05Mで終了)を用いて該カラムから溶出した。不純物をこのクロマトグラフィーの間に除去した。
【0185】
任意の2番目の精製が好ましい。このクロマトグラフィーは、先のクロマトグラフィーで得られた該E6020/酢酸ナトリウムイオン交換溶液で開始する。これを直接C-4 Kromasilカラムに充填し、該アイソクラチックバッファー系メタノール/THF/水/酢酸ナトリウム(77.5/15/5/0.05M)で溶出した。該生成物を含む画分を固体相抽出のために合わた。
【0186】
その後、純粋なE6020溶液を水で50/50に希釈し、該C-4 Kromasil カラムに充填した。その後、これを水、水からアセトニトリルのリニアグラジエントで溶出した。これにより、該塩および水が純粋なE6020から分離した。その後、該生成物を、メタノールを使用して該カラムから溶出した。純粋なE6020のメタノール溶液を得た。これをロータリーエバポレーターで25から30℃、フルハウスバキュームで、乾固するまで濃縮した。該ガラス状生成物を凍結乾燥し、または酢酸エチル/アセトニトリル溶液で処理して、白色固体を形成した。これを真空乾燥しE6020を得た。
【0187】
実施例15:結晶性ER-806158、(R)-1-(((R)-4,5-ジヒドロ-2-フェニルオキサゾール-4-イル)メトキシ)デカン-3-オ-ルの特性化
【0188】
ER-806158の一部を加温したトルエンに該物質すべてが溶けるまで再び溶かし、 冷却した。これにより、単結晶が生じ、この1つを、本試験に使用するために選んだ。無色黒色結晶、寸法0.14×0.14×0.10mmを、少量のパラトンオイルを使用して、ガラスファイバーに付けた。
【0189】
A. 単結晶X線回折
【0190】
Oxford Cryostream低-温度装置を装備する回折計に基づき、193Kで操作して、データをBruker SMART APEX CCD(電荷結合素子)を使用して収集した。データを、30秒間のフレームにつき0.3°のオメガスキャンを使用して測定し、半球状物を収集した。トータルで1271フレームを収集し、最高分解能は0.76Åであった。データ収集の最後に最初の50フレームを再収集し、崩壊(decay)をモニターした。セルパラメーターをSMARTソフトウェア(該CCD検出器システム;Bruker Analytical X-ray Systems, Madison, WI (2001)のSMART V 5.625(NT)ソフトウェア)を用いて取り出し、すべての観測された反射を、SAINTを使用して精密化した。データ整理を、Lpおよび崩壊(decay)を補正するSAINTソフトウェア(該CCD検出器システム、Bruker Analytical X-ray Systems, Madison, WI (2001)のSAINT V 6.22(NT)ソフトウェア)を使用して行った。該構造をSHELXS-97プログラム(Sheldrick, G. M. SHELXS-90, Program for the Solution of Crystal Structure, University of Goettingen, Germany, 1990.)を用いて、直接方法により解き、およびF、SHELXL-97、(Sheldrick, G. M. SHELXL-97, Program for the Refinement of Crystal Structure, University of Goettingen, Germany, 1997.)、これはSHELXTL-PC V 6.10、(SHELXTL 6.1 (PC-Version), Program library for Structure Solution and Molecular Graphics; Bruker Analytical X-ray Systems, Madison, WI (2000))に組み込まれる、の最小二乗法により精密化した。
【0191】
図1に示される構造は、系統的欠如(systematic absences)の分析により、空間群P1(#1)において解かれた。すべての非水素原子を異方的に精密化した。水素を差フーリエ法により求め、等方的に精密化した。該回折試験に使用した該結晶は、データ収集の間に分解を示さなかった。すべての図は、50%楕円で行った。図2は該a-軸に沿ったパッキングダイアグラムであり、該結晶内の水素結合、点線の最良のダイアグラムを示す。
【表1】

【0192】
B. 粉末X線回折
【0193】
Scintag回折計に石英板を使用し、データを通常の粉末回折条件で、5〜70度の2-シータ幅で、銅放射を使用して行い、表2に示される該条件で分析した。バックグラウンド補正は行わなかった。図3は、結晶性ER-896158の該PXRDパターンを示す。結晶性ER-896158の該PXRDパターンの特徴的なピークが、表3に示される。
【表2】

【表3】

【0194】
C. DSCによる結晶性ER-806158の特性化
【0195】
結晶性ER-806158の固体特性化を、示差走査熱量測定(DSC、キャピラリー法)で測定した。結晶性ER-806158の5.17000mgの試料を使用し、該DSCを、2920 DSC V2.5F 熱量計で、アルミナ皿を用い、50mL/分の窒素パージ下で、10℃/分で200℃に加熱しながら行った。図4は、結晶性ER-806158のサーモグラムを示し、窒素の存在下27℃(開始温度)で融解し、+29.2cal/gを吸収した。該試料の再加熱の間に、融解に先立って発熱性事象が認められ、これはこのER-806158が該液相で200℃まで安定でありうることを示す。
【0196】
D. 結晶性ER-806158の赤外スペクトル
結晶性ER-806158のFTIR吸収スペクトルをニート結晶性粉末について記録した。結晶性ER-806158のIR吸収スペクトルは図5に示される。
【図面の簡単な説明】
【0197】
【図1】図1は結晶性ER-8016158の構造を示す。
【0198】
【図2】図2はa-軸に沿ったパッキングダイアグラムであり、ER-806158結晶内の水素結合、点線の最良のダイアグラムを示す。
【0199】
【図3】図3は結晶性ER-806158の粉末X線回折(PXRD)パターンを示す。
【0200】
【図4】図4は結晶性ER-806158のDSCサーモグラムを示す。
【0201】
【図5】図5は結晶性ER-806158の赤外線スペクトルを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(15):
【化1】

[式中:
Aは-(CH)-O-または共有結合であり;
nは0または1であり;
xは1〜6であり;
1aは水素、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、または亜リン酸の酸素保護基またはリン酸の酸素の保護基であり;
2aおよびR2bの一方はHおよび他方は一価の窒素保護基であるか; またはR2aおよびR2bは一緒になって、二価の窒素保護基であり;
Aが-(CH)-O-であるとき、R3aおよびR3bの一方はHであり、他方は一価の窒素保護基であるか、またはR3aおよびR3bは一緒になって、二価の窒素保護基であり;
Aが共有結合であるとき、R3aおよびR3bはC〜Cアルキル基であるか、またはR3aおよびR3bは一緒になって、-(CH)-、-(CH)-、または-(CH)O(CH)-であり;
はC〜C12アルキル基またはC〜C12アルケニル基であり; および
は、C〜C15アルキル基またはC〜C15アルケニル基である]
の化合物またはその塩。
【請求項2】
式中、R2aおよびR2bまたはR3aおよびR3bの該窒素保護基が、Boc、Fmoc、TROC、TMS-エチルカルボニル、シアノエチルカルボニル、アリルオキシカルボニル、(C)C=、テトラクロロフタルアミド、またはアジドからなる群から独立して選択される、請求項1の化合物。
【請求項3】
式中、R2aおよびR2bに結合する窒素の保護基が、酸性、塩基性、酸化的、および還元的条件から選ばれる第1条件下で除去することができ; およびR3aおよびR3bに結合する窒素の該保護基が、該1条件とは異なる残りの3つの条件から選択される第2条件下で除去することができる、請求項1の化合物。
【請求項4】
式中、Aが-(CH)-O-であり; nが0であり; RがCアルキルであり;およびRがC11アルキルである、請求項1の化合物。
【請求項5】
式ER-820842:
【化2】

を有する、請求項4の化合物。
【請求項6】
式中、Aが-(CH)-O-であり; nが1であり; RがCアルキルであり; およびRがC11アルキルである、請求項1の化合物。
【請求項7】
式ER-819344:
【化3】

を有する、請求項6の化合物。
【請求項8】
式中、Aが共有結合であり、nが0であり; RがCアルキルであり;およびRがC11アルキルである、請求項1の化合物。
【請求項9】
式ER-819385:
【化4】

を有する、請求項8の化合物。
【請求項10】
式中、Aが共有結合であり、nが0であり; R3aおよびR3bが各々イソプロピルであり; RがCアルキルであり;およびRがC11アルキルである、請求項1の化合物。
【請求項11】
式ER820116:
【化5】

を有する、請求項10の化合物。
【請求項12】
式中、Aが-(CH)-O-であり; nが0であり; RがCアルキルであり;およびRがC11アルキルである、請求項1の化合物。
【請求項13】
式(16):
【化6】

[式中:
nは0または1であり;
1aは水素、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、亜リン酸の酸素の保護基またはリン酸の酸素の保護基であり;
2aおよびR2cの一方はH、および他方は一価の窒素保護基または-C(O)CHC(O)Rであるか; R2aおよびR2cは一緒になって、二価の窒素保護基であり;
はC〜C12アルキル基またはC〜C12アルケニル基であり;および
およびRは独立してC〜C15アルキル基またはC〜C15アルケニル基である;]
の化合物またはその塩。
【請求項14】
式中、R2aおよびR2bの該窒素保護基がBoc、Fmoc、TROC、TMS-エチルカルボニル、シアノエチルカルボニル、アリルオキシカルボニル、(C)C=、テトラクロロフタルアミド、またはアジドからなる群から独立して選択される、請求項13の化合物。
【請求項15】
式中、nが1であり; RがCアルキルであり;およびRがC11アルキルである、請求項13の化合物。
【請求項16】
式中、nが1であり; R1aがアリルであり; R2aが水素であり; R2cがBocであり; RがCアルキルであり;およびRがC11アルキルである、請求項13の化合物。
【請求項17】
式ER-819409:
【化7】

を有する、請求項16の化合物。
【請求項18】
式中、nが1であり; R2aが水素であり; R2cが-C(O)CHC(O)Rであり; RがCアルキルであり; RがC11アルキルであり;およびRがC11アルキルである、請求項13の化合物。
【請求項19】
式中、nが0であり; R1aがアリルであり; R2aが水素であり; R2cがBocであり; RがCアルキルであり;およびRがC11アルキルである、請求項13の化合物。
【請求項20】
式ER-821843:
【化8】

を有する、請求項19の化合物
【請求項21】
式中、nが1であり; R1aがアリルであり; R2aが水素であり; R2cが水素であり; RがCアルキルであり;およびRがC11アルキルである、請求項13の化合物。
【請求項22】
該式ER-807284:
【化9】

を有する、請求項21の化合物。
【請求項23】
式中、nが0であり; R1aがアリルであり; R2aが水素であり; R2cが-C(O)CHC(O)Rであり; RがCアルキルであり; RがC11アルキルであり;およびRがC11アルキルである、請求項13の化合物。
【請求項24】
式ER-807825:
【化10】

を有する、請求項23の化合物。
【請求項25】
式(17):
【化11】

[式中:
Rは水素またはC〜Cアルキル基であり;
2aおよびR2bの一方はHでありおよび他方は一価の窒素保護基であるか、またはR2aおよびR2bは一緒になって、二価の窒素保護基であり;
はC〜C12アルキル基またはC〜C12アルケニル基であり;および
は、C〜C15アルキル基またはC〜C15アルケニル基である]
の化合物。
【請求項26】
式中、R2aおよびR2bの該窒素保護基がBoc、Fmoc、TROC、TMS-エチルカルボニル、シアノエチルカルボニル、アリルオキシカルボニル、(C)C=、テトラクロロフタルアミド、またはアジドからなる群から独立して選択される、請求項25の化合物。
【請求項27】
式中、Rが水素であり; R2aおよびR2bが水素であり; RがCアルキルであり;およびRがC11アルキルである、請求項25の化合物。
【請求項28】
式ER-819120:
【化12】

を有する、請求項27の化合物。
【請求項29】
、式中、Rが水素であり; R2aが水素であり; R2bが窒素保護基であり; RがCアルキルであり;およびRがC11アルキルである、請求項25の化合物。
【請求項30】
式ER-819302:
【化13】

を有する請求項29の化合物。
【請求項31】
式(18):
【化14】

[式中:
はC〜C12アルキル基またはC〜C12アルケニル基であり;および
は、C〜C15アルキル基またはC〜C15アルケニル基である]
の化合物。
【請求項32】
式ER-819509
【化15】

を有する、請求項31の化合物。
【請求項33】
三斜晶系結晶系およびP1空間群である、結晶性ER-806158、(R)-1-(((R)-4,5-ジヒドロ-2-フェニルオキサゾール-4-イル)メトキシ)デカン-3-オ-ル。
【請求項34】
結晶格子パラメーター:
a = 4.6047(11)Å α = 106.008(4)°
b = 8.1161(19)Å β = 95.604(4)°
c = 13.579(3)Å γ = 98.696(4)°
体積 = 477.0(2)Å3およびZ = 1
を特徴とする、請求項33の結晶性ER-806158、(R)-1-(((R)-4,5-ジヒドロ-2-フェニルオキサゾール-4-イル)メトキシ)デカン-3-オ-ル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−162562(P2012−162562A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−96962(P2012−96962)
【出願日】平成24年4月20日(2012.4.20)
【分割の表示】特願2008−519603(P2008−519603)の分割
【原出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(506137147)エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社 (215)
【Fターム(参考)】