説明

免疫不全の治療のための新規組成物と方法

本発明は、抗原刺激に応答し、サイトカインを放出した主にTh1又はTh2細胞によって媒介されるものを含む、免疫関連疾患の治療及び診断のための方法及び組成物に関する。本発明は、更に、遺伝子PRO92726、及びそのアゴニスト又はアンタゴニストの相対的発現レベルに基づく、Th1サブタイプ又はTh2サブタイプにおけるT細胞の分化を偏らせる方法に関する。本発明は、更に、Th1及びTh2媒介疾患を診断する方法に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
図2(配列番号2)に示すPRO92627をコードするヌクレオチド配列に対して、少なくとも80%の核酸配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子。
【請求項2】
図1(配列番号1)に示すヌクレオチド配列DNA342188に対して、少なくとも80%の核酸配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子。
【請求項3】
図1(配列番号1)に示すヌクレオチド配列DNA342188の完全長コード化配列に対して、少なくとも80%の核酸配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子。
【請求項4】
請求項1に記載の核酸を含んでなるベクター。
【請求項5】
ベクターで形質転換された宿主細胞によって認識されるコントロール配列に作用可能に結合している請求項4に記載のベクター。
【請求項6】
請求項4に記載のベクターを含んでなる宿主細胞。
【請求項7】
前記細胞がCHO細胞、大腸菌、又は酵母細胞である、請求項6に記載の宿主細胞。
【請求項8】
前記PRO92627ポリペプチドの発現に適した条件下で請求項7に記載の宿主細胞を培養し、細胞培養物から前記PRO92627ポリペプチドを回収することを含んでなるPRO92627ポリペプチド製造方法。
【請求項9】
図2(配列番号2)に示すPRO92627ポリペプチドのアミノ酸配列に対して、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドを含む単離されたポリペプチド。
【請求項10】
異種アミノ酸配列と融合した請求項9に記載のポリペプチドを含んでなるキメラ分子。
【請求項11】
前記異種アミノ酸配列がエピトープタグ配列又はイムノグロブリンのFc領域である、請求項10に記載のキメラ分子。
【請求項12】
請求項9に記載のPRO92627ポリペプチドと特異的に結合する抗体。
【請求項13】
前記抗体がモノクローナル抗体、ヒト化抗体、又は一本鎖抗体である、請求項12に記載の抗体。
【請求項14】
T細胞を有効量のPRO92726ポリペプチド又はPRO092726アゴニストに接触させることを含む、Th1サブタイプではなくTh2サブタイプへのT細胞の分化を促進、刺激又は増強する方法。
【請求項15】
促進、刺激又は増強を哺乳動物で行い、有効量を治療的有効量とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
有効量のPRO92726ポリペプチド又はそのアゴニストを投与することを含む、Th2細胞障害の緩和方法。
【請求項17】
Th2細胞障害が、アレルギー性脳脊髄炎、多発性硬化症、インシュリン依存性糖尿病、自己免疫性ぶどう膜網膜炎、炎症性腸疾患及び自己免疫性甲状腺疾患からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
アゴニストが小分子である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
アゴニストがモノクローナル抗体である、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
抗体が非ヒト相補性決定領域(CDR)残基及びヒトフレームワーク領域(FR)残基である、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
アゴニストが抗体断片又は一本鎖抗体である、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
有効量のPRO92726ポリペプチドアンタゴニストを投与することを含む、T細胞のTh2サブタイプへの分化を防止、阻害又は減弱する方法。
【請求項23】
防止、阻害又は減弱を哺乳動物で行い、有効量を治療的有効量とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
哺乳動物に治療的有効量のPRO92726ポリペプチド又はアゴニストを投与することを含む、哺乳動物のTh2媒介性疾患治療法。
【請求項25】
Th2媒介性疾患が、感染症及びアレルギー性障害からなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
感染症が、リーシュマニア、ライ菌、カンジダ白色体、トキソプラズマ原虫、呼吸器合胞体ウイルス及びヒト免疫不全ウイルスからなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
アレルギー性障害が、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎及び春季カタルからなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
アゴニストが小分子である、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
アゴニストがモノクローナル抗体である、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
抗体が非ヒト相補性決定領域(CDR)残基及びヒトフレームワーク領域(FR)残基を有する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
アゴニストが抗体断片又は一本鎖抗体である、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
細胞を抗−PRO92726抗体に接触させ、細胞に対する抗体の結合を測定することを含み、細胞に対する抗体の結合によりPRO92726ポリペプチドの存在が示される、細胞中のPRO92726ポリペプチドの存在の決定方法。
【請求項33】
哺乳動物におけるTh1媒介性又はTh2媒介性疾患の診断方法であって、(a)哺乳動物から採取した組織細胞の試験試料、及び(b)同じ細胞種類の既知の正常組織細胞のコントロール試料において、PRO92726ポリペプチドをコードする遺伝子の発現レベルを検出することを含み、コントロール試料と比較して試験試料で発現レベルが低い場合にTh2媒介性障害の存在が示され、並びにコントロール試料と比較して試験試料で発現レベルが高い場合にTh1媒介性疾患の存在が示される方法。
【請求項34】
候補化合物とPRO92726ポリペプチドとが相互作用するのに十分な条件及び時間のもとで、候補化合物と該ポリペプチドを接触させることを含む、PRO92726ポリペプチド発現の阻害能を有する化合物を同定する方法。
【請求項35】
候補化合物を固体支持体上に固定化する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
候補化合物に検出可能な標識を付す、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
候補化合物とPRO92726ポリペプチドとが相互作用するのに十分な条件及び時間のもとで、候補化合物と該ポリペプチドを接触させることを含む、PRO92726ポリペプチドの生物学的活性の抑制能を有する化合物を同定する方法。
【請求項38】
候補化合物を固体支持体上に固定化する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
候補化合物に検出可能な標識を付す、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
治療の必要を有する哺乳動物のB細胞関連疾患の緩和方法であって、前記哺乳動物に対し、治療的有効量の(a)請求項9に記載のポリペプチド、(b)前記ポリペプチドのアゴニスト、(c)前記ポリペプチドのアンタゴニスト、又は(d)前記ポリペプチドに結合する抗体を投与することを含む方法。
【請求項41】
B細胞関連疾患が、全身性エリトマトーデス、X染色体連鎖の乳児性低ガンマグロブリン症、多糖体抗原無応答性、選択性IgA欠乏、選択性IgM欠乏、IgGサブクラスの選択性欠乏、高IgMを伴う免疫不全、一過性乳児期低ガンマグロブリン症、バーキットリンパ腫、中間リンパ腫、濾胞性リンパ腫、2型過敏症、リウマチ様関節炎、自己免疫性溶血性貧血、重症筋無力症、低副腎皮質、糸球体腎炎、拡散性大細胞型リンパ腫、及び強直性脊椎炎である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
試料中のPRO92726ポリペプチドの存在を決定する方法であって、該ポリペプチドを含むと思われる試料を、抗−PRO92726抗体に曝露し、前記試料の成分に対する前記抗体の結合を決定することを含む方法。
【請求項43】
哺乳動物のB細胞関連疾患を診断する方法であって、(a)哺乳動物から採取した組織細胞の試験試料中、及び(b)同じ細胞型の既知の正常組織細胞のコントロール試料中における、PRO92726ポリペプチドをコードする遺伝子の発現レベルを検出することを含み、コントロール試料と比較して試験試料中における前記遺伝子の発現レベルが高いか又は低いことにより、試験組織細胞が採取された哺乳動物におけるB細胞関連疾患の存在が示される方法。
【請求項44】
哺乳動物のB細胞関連疾患を診断する方法であって、(a)前記哺乳動物から採取した組織細胞の試験試料と、抗−PRO92726抗体とを接触させ、(b)抗体と試験試料中のポリペプチドの間の複合体形成を検出することを含んでなり、前記複合体形成により、試験組織細胞が採取された哺乳動物における免疫関連疾患の存在が示される方法。
【請求項45】
治療の必要を有する哺乳動物の濾胞性リンパ腫の緩和方法であって、前記哺乳動物に対し、治療的有効量の(a)請求項9に記載のポリペプチド、(b)前記ポリペプチドのアンタゴニスト、又は(c)前記ポリペプチドに結合する抗体を投与することを含む方法。
【請求項46】
治療の必要を有する哺乳動物の拡散性大細胞型リンパ腫の緩和方法であって、前記哺乳動物に対し、治療的有効量の(a)請求項9に記載のポリペプチド、(b)前記ポリペプチドのアンタゴニスト、又は(c)前記ポリペプチドに結合する抗体を投与することを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−537691(P2007−537691A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509965(P2006−509965)
【出願日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/011338
【国際公開番号】WO2004/096848
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(596168317)ジェネンテック・インコーポレーテッド (372)
【氏名又は名称原語表記】GENENTECH,INC.
【Fターム(参考)】