説明

免疫刺激性組成物、および免疫応答の刺激方法

【課題】免疫応答修飾因子(IRM)の免疫応答刺激性を高める。
【解決手段】抗原部分とペアにされた、イミダゾキノリンアミン;テトラヒドロイミダゾキノリンアミン;イミダゾピリジンアミン;アリールエーテル−置換イミダゾピリジンアミン;1,2−架橋イミダゾキノリンアミン;6,7−融合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン;イミダゾナフチリジンアミン;テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン;オキサゾロキノリンアミン;チアゾロキノリンアミン;オキサゾロピリジンアミン;チアゾロピリジンアミン;オキサゾロナフチリジンアミン;チアゾロナフチリジンアミンを含む免疫応答修飾因子部分を含む免疫刺激性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2002年8月15日に出願された米国仮特許出願第60/403,846号の優先権を主張する。
【0002】
免疫応答修飾因子(「IRM」)は、抗ウイルスおよび抗腫瘍活性を包含するがこれらに限定されるわけではない強力な免疫調節活性を有する化合物を含む。あるいくつかのIRMは、サイトカインの産生および分泌を調節する。例えばあるいくつかのIRM化合物は、サイトカイン、例えばI型インターフェロン、TNF−α、IL−1、IL−6、IL−8、IL−10、IL−12、MIP−1、および/またはMCP−1の産生および分泌を誘発する。もう1つの例として、あるいくつかのIRM化合物は、あるいくつかのTH−2サイトカイン、例えばIL−4およびIL−5の産生および分泌を阻害しうる。これに加えて、いくつかのIRM化合物は、IL−1およびTNFを抑制すると言われている(米国特許第6,518,265号)。
【背景技術】
【0003】
あるいくつかのIRMは、小さい有機分子(例えば、大きい生物たんぱく質、ペプチドなどとは対照的に、約1,000ダルトン未満、あるいくつかの場合は約500ダルトン未満の分子量)、例えば次の特許に開示されているものである。すなわち、米国特許第4,689,338号;第4,929,624号;第4,988,815号;第5,037,986号;第5,175,296号;第5,238,944号;第5,266,575号;第5,268,376号;第5,346,905号;第5,352,784号;第5,367,076号;第5,389,640号;第5,395,937号;第5,446,153号;第5,482,936号;第5,693,811号;第5,741,908号;第5,756,747号;第5,939,090号;第6,039,969号;第6,083,505号;第6,110,929号;第6,194,425号;第6,245,776号;第6,331,539号;第6,376,669号;第6,451,810号;第6,525,064号;第6,545,016号;第6,545,017号;第6,558,951号;および第6,573,273号;欧州特許第0394026号;米国特許公報第2002/0055517号;および国際公開第01/74343号パンフレット;第02/46188号パンフレット;第02/46189号パンフレット;第02/46190号パンフレット;第02/46191号パンフレット;第02/46192号パンフレット;第02/46193号パンフレット;第02/46749号パンフレット;第02/102377号パンフレット;第03/020889号パンフレット;第03/043572号パンフレット、および第03/045391号パンフレットである。
【0004】
小分子IRMの他の例には、あるいくつかのプリン誘導体(例えば米国特許第6,376,501号および第6,028,076号に記載されているもの)、あるいくつかのイミダゾキノリンアミド誘導体(例えば米国特許第6,069,149号に記載されているもの)、あるいくつかのベンズイミダゾール誘導体(例えば米国特許第6,387,938号に記載されているもの)、および5員窒素含有ヘテロ環式環に融合された4−アミノピリミジンのあるいくつかの誘導体(例えば米国特許第6,376,501号;第6,028,076号、および第6,329,381号;および国際公開第02/08595号パンフレットに記載されているアデニン誘導体)が含まれる。
【0005】
他のIRMは、大きい生物分子、例えばオリゴヌクレオチド配列を含む。サイトカイン−グアニンジヌクレオチド(CpG)を含有するIRMオリゴヌクレオチド配列もあり、これらは例えば米国特許第6,194,388号;第6,207,646号;第6,239,116号;第6,339,068号;および第6,406,705号に記載されている。合成免疫調節構造モチーフを含んでいることがあるCpG含有オリゴヌクレオチドもあり、例えば米国特許第6,426,334号および第6,476,000号に記載されているものである。CpGを欠いているIRMヌクレオチド配列もあり、これらは例えば国際公開第00/75304号パンフレットに記載されている。
【0006】
あるいくつかのIRMは、Toll様受容体(TLR)アゴニストとして機能しうる。いくつかの小分子IRMは、TLR2、4、6、7、および8の1つまたはそれ以上を通して作用することもある。CpGは、TLR9を通して作用しうる。
【0007】
免疫系のあるいくつかの側面を刺激することによって、ならびに他の側面を抑制することによって(例えば米国特許第6,039,969号および第6,200,592号参照)、IRMは、多くの疾病を治療するために用いることができる。例えば小分子IRMイミキモド(imiquimod)は、ヒトパピローマウイルスによって引起こされた外陰部および肛門周囲のいぼの治療に有用である[例えばトマイ(Tomai)ら、「抗ウイルス研究(Antiviral Research)」、28(3):253−64(1995)参照]。IRMを用いて治療しうる他の疾病の例には、基底細胞ガン、湿疹、本態性血小板症、B型肝炎、多発性硬化症、新生物病、乾癬、慢性関節リウマチ、I型単純ヘルペス、およびII型単純ヘルペスが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0008】
IRM化合物はまた、B細胞による抗体産生を刺激することによって、体液性免疫も調節しうる。さらには様々なIRMは、ワクチンアジュバントとして有用であることが証明されている(例えば米国特許第6,083,505号および第6,406,705号参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
IRM、特に小分子IRM、およびTLR2、4、6、7、および8のアゴニストが、抗原と化学的または物理的にペアにされて免疫刺激性組成物を形成する時、免疫応答の刺激において驚くほど効果的であることが今や発見された。特定の組成物の免疫刺激性効果は、この組成物中のものと同じ抗原、および同じかまたは匹敵しうるIRMであるが、ペア形成されていない形態で投与されたものの免疫刺激性効果よりも大きくなりうる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、抗原部分とペアにされた免疫応答修飾因子(IRM)部分を含む免疫刺激性組成物を提供する。いくつかの実施態様において、このIRM部分は、Toll様受容体2、Toll様受容体4、Toll様受容体6、Toll様受容体7、またはToll様受容体8のアゴニストであってもよく、またはこれらに由来してもよい。他の実施態様において、このIRM部分は、イミダゾキノリンアミン;テトラヒドロイミダゾキノリンアミン;イミダゾピリジンアミン;アリールエーテル−置換イミダゾピリジンアミン;1,2−架橋イミダゾキノリンアミン;6,7−融合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン;イミダゾナフチリジンアミン;テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン;オキサゾロキノリンアミン;チアゾロキノリンアミン;オキサゾロピリジンアミン;チアゾロピリジンアミン;オキサゾロナフチリジンアミン;またはチアゾロナフチリジンアミンを含んでいてもよく、またはこれらに由来してもよい。さらに他の実施態様において、このIRM部分は、約1,000ダルトン未満の分子量を有する有機部位を含んでいてもよく、またはこれに由来してもよい。この抗原部分は、アミノ酸配列、ヌクレオチド配列、リポ多糖類、プリオン、細菌、ウイルス、または菌類を含んでいてもよい。
【0011】
別の側面において、本発明は、患者のT細胞の刺激方法を提供する。この方法は、抗原部分とペアにされた免疫応答修飾因子を含む免疫刺激性組成物を供給する工程;この免疫刺激性組成物が抗原提示細胞に結合することを可能にし、これによって抗原提示細胞を活性化する工程;およびこの活性化された抗原提示細胞が患者のT細胞を刺激することを可能にする工程を含む。患者のT細胞は、生体内または試験管内で刺激されてもよい。
【0012】
さらにもう1つの側面において、本発明は、抗体産生細胞の刺激方法を提供する。この方法は、抗原部分とペアにされた免疫応答修飾因子部分を含む免疫刺激性組成物を供給する工程;およびこの免疫刺激性組成物が抗体産生細胞と結合することを可能にする工程を含む。これらの抗体産生細胞は、生体内または試験管内で刺激されてもよい。
【0013】
本発明の様々な他の特徴および利点は、次の詳細な説明、実施例、特許請求の範囲、および添付図面を参照して容易に明らかになるであろう。本明細書全体のいくつかの箇所において、実施例のリストによって指針が与えられている。どの場合も、列挙されたリストは、代表的な群としての役割を果たすだけであり、限定的なリストと解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例4に記載されているように、オボアルブミンで免疫化されたマウスによって発生させられた、オボアルブミン特異的活性化CD8+T細胞の割合を示している。
【図2】実施例4に記載されているように、IRM−オボアルブミン共役体で皮下免疫化されたマウスよって発生させられた、オボアルブミン特異的活性化CD8+T細胞の割合を示している。
【図3】実施例4に記載されているように、IRM−オボアルブミン共役体で腹膜組織内免疫化されたマウスよって発生させられた、オボアルブミン特異的活性化CD8+T細胞の割合を示している。
【図4】実施例5に記載されているように、オボアルブミンで免疫化されたマウスよって誘発されたインターフェロン−γの産生を示している。
【図5】実施例5に記載されているように、IRM−オボアルブミン共役体で皮下免疫化されたマウスよって誘発されたインターフェロン−γの産生を示している。
【図6】実施例5に記載されているように、IRM−オボアルブミン共役体で腹膜組織内免疫化されたマウスよって誘発されたインターフェロン−γの産生を示している。
【図7】実施例6に記載されているように、IRM−オボアルブミン共役体での二次免疫を与えた時の、抗原特異的免疫応答の増加を示している。
【図8】実施例7に記載されているように、腫瘍特異的IRM−抗原共役体での免疫化後の腫瘍サイズの減少を示している。
【図9】実施例8に記載されているように、IRM−腫瘍抗原共役体での免疫化後の脾臓における活性化腫瘍抗原特異的CD8+T細胞の膨張を示している。
【図10】実施例8に記載されているように、IRM−腫瘍抗原共役体での免疫化後の腫瘍における活性化腫瘍抗原特異的CD8+T細胞の膨張を示している。
【図11】実施例9に記載されているように、オボアルブミンでの免疫化後にKb/SIINFEKLを提示する抗原提示細胞の割合を示している。
【図12】実施例9に記載されているように、オボアルブミン+非共役IRMでの免疫化後にKb/SIINFEKLを提示する抗原提示細胞の割合を示している。
【図13】実施例9に記載されているように、IRM−オボアルブミン共役体での免疫化後にKb/SIINFEKLを提示する抗原提示細胞の割合を示している。
【図14】実施例10に記載されているように、オボアルブミン発現腫瘍細胞での抗原投与後、オボアルブミンまたはIRM−オボアルブミン共役体で免疫化されたマウスの生存率を示している。
【図15】実施例11に記載されているように、オボアルブミンでの免疫化後の抗原特異的CD8+T細胞の膨張を示している。
【図16】実施例11に記載されているように、IRMおよびオボアルブミンのコロイド縣濁液での免疫化後、一人の被検者における抗原特異的CD8+T細胞の膨張を示している。
【図17】実施例11に記載されているように、IRMおよびオボアルブミンのコロイド縣濁液での免疫化後、第二被検者における抗原特異的CD8+T細胞の膨張を示している。
【図18】2つの異なるIRMを用いたIRM−抗原共役体での免疫化の結果としての、抗原特異的CD8+T細胞の膨張を示している。
【図19】様々な免疫刺激性組成物で免疫化されたマウスの、オボアルブミン単独での免疫化を上回る、CD8+T細胞の倍膨張を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、免疫刺激性組成物(ISC)、免疫刺激性組成物の製造方法、免疫刺激性組成物を用いた免疫応答の惹起方法、およびIRMと別の免疫刺激性成分(例えば抗原)とをペアにすることによる、IRMの免疫刺激活性の強化方法を提供する。ISCは、細胞介在免疫応答、体液性免疫応答、またはその両方を惹起するように設計されてもよい。
【0016】
上記のように、多くのIRMは、ワクチンアジュバントとして用いて、同様にこのワクチンにおいて提示された1つまたはそれ以上の抗原に対して発生させられた免疫応答を増加することができる。驚くべきことに、本発明によるあるいくつかのISCは、同じかまたは匹敵しうるIRMおよび同じ抗原を含有するが、ペア形成されていない形態のものよりも一層大きい免疫応答を与えることができる。1つの事例では、ISCは、同じ抗原と匹敵しうるIRMとを含んでいるワクチンによって発生させられた免疫応答の約5倍の大きさの免疫応答を与えた。
【0017】
本明細書において用いられている「ペアにされた(paired)」という用語、およびこれの変形例は、成分が互いから自由に分散可能でないようななんらかの化学的または物理的方法で会合された成分のことを言う。例えば2つの成分は、別々に分散または拡散が不可能であるように互いに対して共有結合されていてもよい。ペア形成は、同様に例えば非共有親和性結合、イオン結合、親水性または疎水性親和性、物理的エントラップメントなどによって達成されてもよい。ペア形成は具体的には、従来のワクチンにおける抗原とアジュバントとの単純混合とは区別される。単純混合物において、これらの成分は、ワクチン接種された環境内で独立して自由に分散しうる。本明細書において用いられる「ペアにされた」という用語、およびこれの変形例は、ペアにされた成分が、免疫化後、化学的または物理的会合を維持するという理解を与える。
【0018】
免疫応答修飾因子部分は、あらゆる適切なIRMであってもよく、またはこれに由来してもよい。適切なIRMは、小さい有機分子、すなわち約1,000ダルトン未満の分子量を有する分子を含む。ただし、いくつかの実施態様において、このIRMは約700ダルトン未満の分子量を有してもよく、いくつかの場合には、IRMは約500ダルトン〜約700ダルトンの分子量を有してもよい。適切なIRMはまた、TLR2、4、6、7、8、および9の1つまたはそれ以上のアゴニストも含んでいる。いくつかの実施態様において、適切なIRMは、上記の小分子IRM化合物およびこれらの誘導体を含むが、これらに限定されるわけではない。5員窒素含有へテロ環式環に融合された2−アミノピリジンを有する適切な小分子IRMには、次のものが含まれるが、これらに限定されるわけではない。すなわち、非限定的にアミド−置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド−置換イミダゾキノリンアミン、尿素−置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル−置換イミダゾキノリンアミン、ヘテロ環式エーテル−置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル−置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル−置換イミダゾキノリンアミン、尿素−置換イミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル−置換イミダゾキノリンアミンを包含するイミダゾキノリンアミン;非限定的にアミド−置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミド−置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素−置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アリールエーテル−置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、ヘテロ環式エーテル−置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミドエーテル−置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル−置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素−置換テトラヒドロイミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル−置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミンを包含するテトラヒドロイミダゾキノリンアミン;非限定的にアミド−置換イミダゾピリジンアミン、スルホンアミド−置換イミダゾピリジンアミン、尿素−置換イミダゾピリジンアミン、アリールエーテル−置換イミダゾピリジンアミン、ヘテロ環式エーテル−置換イミダゾピリジンアミン、アミドエーテル−置換イミダゾピリジンアミン、スルホンアミドエーテル−置換イミダゾピリジンアミン、尿素−置換イミダゾピリジンエーテル、およびチオエーテル−置換イミダゾピリジンアミンを包含するイミダゾピリジンアミン;1,2−架橋イミダゾキノリンアミン;6,7−融合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン;イミダゾナフチリジンアミン;テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン;オキサゾロキノリンアミン;チアゾロキノリンアミン;オキサゾロピリジンアミン;チアゾロピリジンアミン;オキサゾロナフチリジンアミン;およびチアゾロナフチリジンアミンである。
【0019】
他の適切な小分子IRMには、あるいくつかのプリン誘導体、あるいくつかのイミダゾキノリンアミド誘導体、あるいくつかのベンズイミダゾール誘導体、および上記の5員窒素含有へテロ環式環(例えばアデニン誘導体)に融合した4−アミノピリミジンのあるいくつかの誘導体が含まれる。
【0020】
他の適切なIRMには、CpG、および上記CpGを欠いている他のIRMヌクレオチド配列が含まれる。
【0021】
抗原部分は、細胞介在免疫応答、体液性免疫応答、またはこれらの両方を上昇させるあらゆる物質を含んでいてもよい。適切な抗原物質には、次のものが含まれるが、これらに限定されるわけではない。すなわち、ペプチド;ポリペプチド;脂質;糖脂質;多糖類;炭水化物;ポリヌクレオチド;プリオン;生きている細菌または不活性化細菌、ウイルスまたは菌類;および細菌、ウイルス、真菌類、原生動物、腫瘍由来、または生物由来イムノゲン、毒素、またはトキソイドである。
【0022】
本発明の免疫刺激性組成物を治療薬として用いることができる疾病には、次のものが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
(a)ウイルス病、例えば陰部ゆうぜい、尋常性ゆうぜい、足底いぼ、B型肝炎、C型肝炎、単純ヘルペスウイルスI型およびII型、伝染性軟属腫、痘瘡、HIV、CMV、VZV、ライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、インフルエンザ、パラインフルエンザ;
(b)細菌性疾患、例えば結核、マイコバクテリウム・アビウム、ハンセン氏病;
(c)その他の感染病、例えば真菌病、クラミジア、カンジダ、アスペルギルス、クリプトコックス髄膜炎、ニューモシスティス・カリニ、クリプトスポリジウム症、ヒストプラスマ症、トキソプラズマ症、トリパノゾーマ感染、リーシュマニア症;
(d)新生物病、例えば表皮内腫瘍形成、子宮頚部形成異常、光線性角化症、基底細胞ガン、扁平上皮ガン、ヘアリー細胞白血病、カポジ肉腫、黒色腫、腎細胞ガン、骨髄性白血病、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、およびその他のガン;
(e)TH−2介在性、アトピー、および自己免疫疾患、例えばアトピー性皮膚炎または湿疹、好酸球増加症、喘息、アレルギー、アレルギー性鼻炎、全身性エリテマトーデス、本態性血小板血症、多発性硬化症、オメン(Ommen)症候群、円板状狼瘡、円形脱毛症、ケロイド形成およびその他の型の瘢痕化の阻害、および慢性創傷を含む創傷治癒の強化;および
(f)体液性および/または細胞介在性のどちらかの免疫応答を上昇させるあらゆる物質、例えば生きているウイルスおよび細菌イムノゲンおよび不活性化ウイルス、腫瘍由来、原生動物、生物由来、真菌類、および細菌イムノゲン、トキソイド、毒素、多糖類、タンパク質、糖タンパク質、ペプチド、細胞ワクチン、DNAワクチン、組み換えタンパク質、糖タンパク質、およびペプチドなどとともに使用するためのワクチンアジュバントとして、例えばBCG、コレラ、ペスト、腸チフス、A、B、およびC型肝炎、AおよびB型インフルエンザ、パラインフルエンザ、ポリオ、狂犬病、麻疹、おたふく風邪、風疹、黄熱病、破傷風、ジフテリア、b型ヘモフィルスインフルエンザ、結核、髄膜炎および肺炎ワクチン、アデノウイルス、HIV、水痘、サイトメガロウイルス、デング熱、ネコ白血病、家禽ペスト、HSV−1およびHSV−2、豚コレラ、日本脳炎、呼吸器合胞体ウイルス、ロタウイルス、パピローマウイルス、および黄熱病に関連して用いるためのもの。
【0023】
本発明の免疫刺激性組成物は、免疫応答修飾因子部分および抗原部分の両方の生物活性の有効量を含んでいる。免疫応答部分の生物活性(「IRM活性」)の有効量は、次のものの1つまたはそれ以上を包含する。すなわち、T細胞によるサイトカイン産生の増加、抗原に特異的なT細胞の活性化、および樹状細胞の活性化である。抗原部分の生物活性(「抗原活性」)の有効量は、次のものの1つまたはそれ以上を包含する。すなわち、B細胞による抗原に特異的な抗体の発生、および抗原を提示する抗原提示細胞の発生である。本発明の免疫刺激性組成物は、製薬組成物を形成するために、製薬的に許容しうるキャリヤー、1つまたはそれ以上の賦形剤、または前記のもののなんらかの組合わせと組合わされてもよい。
【0024】
本発明の製薬組成物に用いられる活性化合物の正確な量は、当業者に知られている要因、例えば免疫刺激性組成物の物理的および化学的性質、キャリヤーの性質、被検者の免疫系の性質(例えば抑制性、妥協性、刺激性)、および意図されている投薬計画にしたがって変わるであろうが、本発明の製薬組成物は、被検者へIRM約100ng/kg〜約50mg/kg、好ましくは約10μg/kg〜約5mg/kgの用量を供給するのに十分な免疫応答修飾因子部分を含むと予想される。
【0025】
多様な投薬形態が用いられてもよい。例えば、タブレット、トローチ剤、カプセル、非経口配合物、シロップ、クリーム、軟膏、エアゾール配合物、経皮パッチ、経粘膜パッチなどである。
【0026】
本発明の製薬組成物は、1つの治療方式において単一治療薬として投与することができる。またはこの製薬組成物は、別の製薬組成物または他の活性剤と組合わせて投与されてもよい。これには、追加の免疫応答修飾因子、抗ウイルス剤、抗生物質、抗体、タンパク質、ペプチド、オリゴヌクレオチドなどが含まれる。
【0027】
いくつかの実施態様において、免疫刺激性免疫応答修飾因子部分は、抗原部分に共有結合されて、免疫刺激性共役体が形成されてもよい。本明細書において用いられている「共有結合された(covalently coupled)」とは、もっぱら共有結合のみを通した2つの成分の直接的および間接的共役のことを言う。直接的共有結合は、免疫応答修飾因子部分の原子と抗原部分の原子との間の直接的共有結合を包含しうる。あるいはまた、この共有結合は、IRM部分、抗原部分、またはその両方に共有接着された連結基を通して発生することもあり、これは、IRM部分および抗原部分の共有結合を容易にする。間接的共有結合は、第三成分、例えば免疫応答修飾因子部分および抗原部分が別々に共有接着された固体支持体を含んでいることもある。同様に、「共有結合された」および「共有接着された」は、互換的に用いられる。
【0028】
免疫刺激性共役体は、IRM部分として免疫応答修飾因子部位(moiety)、および抗原部分として抗原含有部位を含んでいてもよい。免疫刺激性共役体を合成する時、免疫応答修飾因子部位、連結基、および抗原含有部位の各々は、結果として生じる免疫刺激性共役体が、IRM活性の有効量および抗原活性の有効量を有するように選択されうる。
【0029】
この連結基は、IRM活性および抗原活性の有効量を保持しつつ、抗原含有部位が免疫応答修飾因子部位に共有結合されるのを可能にするあらゆる適切な有機連結基であってもよい。いくつかの実施態様において、連結基は、抗原含有部位が、結果として例えばサイトカイン産生などのIRM活性を生じる、活性コアとT細胞との間の生物学的に有効な相互作用を妨害しないのに十分なほどの空間を、免疫応答修飾因子部位と抗原含有部位との間に生じるように選択されてもよい。
【0030】
この連結基は、抗原と反応して共有結合を形成しうる反応性基を含んでいる。適切な反応性基には、ハーマンソン(Hermanson)、G(1996)、「生物共役体技術(Bioconjugate Techniques)」、アカデミック・プレス」(Academic Press)、第二章、「反応性官能基の化学(The Chemistry of Reactive Functional Groups)」、137−166において考察されているものが含まれる。例えばこの連結基は、第一アミン(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステルまたはN−ヒドロキシスルホスクシンイミジルエステル)と反応しうる;これは、スルフヒドリル基(例えばマレイミドまたはヨードアセチル)と反応することがあり、またはこれは光反応性基(例えば4−アジドフェニル、2−ヒドロキシ−4−アジドフェニル、2−ニトロ−4−アジドフェニル、および2−ニトロ−3−アジドフェニルを包含するフェニルアジド)であってもよい。
【0031】
連結基に共有結合するために利用しやすい化学的活性基には、1つまたは複数の連結基に直接共有結合するために用いることができる基が含まれる。これらは、連結基に共有結合するために利用可能になるように修飾することができる。例えば適切な化学的活性基には、第一アミンおよびスルフヒドリル基が含まれるが、これらに限定されるわけではない。あるいくつかの抗原含有部位、例えばタンパク質および他のペプチドは、複数の化学的活性基を含んでいることがあるので、本発明によるあるいくつかのISCは、特定の抗原含有部位に共役された複数のIRM部位を含んでいることがある。
【0032】
免疫刺激性共役体の作製方法
本発明による免疫刺激性共役体は一般に、免疫応答修飾因子とクロスリンカーとを反応させ、ついでその結果として生じた中間体と抗原とを反応させることによって調製することができる。生物共役体の調製に適した多くのクロスリンカーが知られており、多くは商品として入手しうる。例えばハーマンソン、G.(1996)「生物共役体技術」、アカデミック・プレス参照。
【0033】
本発明による免疫刺激性共役体はまた、例えば反応スキームIに示されている方法にしたがって調製されてもよく、このスキームでは抗原含有部位が、RIを通してIRM部位に連結されている。反応スキームIの工程(1)において、式IIIの化合物を、式IVのヘテロ二官能性クロスリンカーと反応させて、IIの化合物を生じる。RAおよびRBは各々、他方と反応するように選択された官能基を含有する。例えばRAが第一アミンを含有するならば、その場合には、RBがアミン反応性官能基、例えばN−ヒドロキシスルホスクシンイミジルエステルを含有するヘテロ二官能性クロスリンカーが選択されてもよい。RAおよびRBは、これらが反応してこの共役体中に所望のリンカー基を生じるように選択されてもよい。
【0034】
式III(式中、RAは官能基を含有する)の化合物の調製方法が知られている。例えば次の特許参照。すなわち、米国特許第4,689,338号;第4,929,624号;米国特許第5,268,376号;第5,389,640号;第5,352,784号;第5,494,916号;第4,988,815号;第5,367,076号;第5,175,296号;第5,395,937号;第5,741,908号;第5,693,811号;第6,069,149号;第6,194,425号;および米国特許第6,331,539号、および国際公開第00/76505号パンフレット;第00/76518号パンフレット;第02/46188号パンフレット;第02/46189号パンフレット;第02/46190号パンフレット;第02/46191号パンフレット;第02/46192号パンフレット;第02/46193号パンフレット;および第02/46194号パンフレットである。
【0035】
多くのヘテロ二官能性クロスリンカーが知られており、多くが商品として入手可能である。例えばハーマンソン、G.(1996)、「生物共役体技術」、アカデミック・プレス、第五章「ヘテロ二官能性クロスリンカー(Heterobifunctional Cross−Linkers)」、229−285参照。この反応は一般に、適切な溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド中の式IIIの化合物の溶液と、適切な溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド中の式IVのヘテロ二官能性クロスリンカーの溶液とを組合わせることによって実施することができる。この反応は、周囲温度で実施されてもよい。ついで式IIの生成物は、従来の技術を用いて単離されてもよい。
【0036】
反応スキームIの工程(2)において、反応性基ZAを含有する式IIの化合物と抗原とを反応させ、式Iの免疫刺激性共役体を生じる。この反応は一般に、適切な溶媒、例えばジメチルスルホキシド中の式IIの化合物の溶液と、適切な緩衝液、例えばPBS中の抗原の溶液とを組合わせることによって実施することができる。この反応は、周囲温度で、または低い温度(約4℃)で実施されてもよい。ZAが、光反応性基、例えばフェニルアジドであるならば、その場合にはこの反応混合物は、架橋を実施するのに適した時間の長さ(例えば10〜20分)の間、長波UV光に暴露されるであろう。1抗原部位あたりの免疫応答修飾因子部位の平均数は、この反応に用いられる式IIの化合物の量を調節することによって制御されてもよい。式Iの免疫応答共役体は、従来技術を用いて単離され、精製されてもよい。
【0037】
反応スキームI
【化1】

【0038】
あるいはまた、式IIの化合物は、ヘテロ二官能性クロスリンカーを用いずに合成されてもよい。式IIの化合物が反応性基ZAを含有するかぎり、これを上記工程(2)の方法を用いて抗原と反応させて、免疫刺激性共役体を生じてもよい。
【0039】
本明細書において用いられている「アルキル」、「アルケニル」という用語、および接頭辞「アルク(alk)−」は、直鎖、分枝鎖、および環式基、すなわちシクロアルキルおよびシクロアルケニルを包含する。ほかに特定されていなければ、これらの基は、1〜20個の炭素原子を含有し、アルケニル基は、2〜20個の炭素原子を含有する。好ましい基は、全部で10個までの炭素原子を有する。環式基は、単環式または多環式であってもよく、好ましくは3〜10環炭素原子を有する。環式基の例には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、およびアダマンチルが含まれる。
【0040】
「ハロアルキル」という用語は、1つまたはそれ以上のハロゲン原子によって置換された基を包含し、これには過フッ素化基が含まれる。このことはまた、接頭辞「ハロ−」を含む基にも当てはまる。適切なハロアルキル基の例は、クロロメチル、トリフルオロメチルなどである。
【0041】
本明細書において用いられている「アリール」という用語には、炭素環式芳香族環または環系が含まれる。アリール基の例には、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、およびインデニルが含まれる。「ヘテロアリール」という用語には、少なくとも1つの環へテロ原子(例えばO、S、N)を含有する芳香族環または環系が含まれる。適切なヘテロアリール基には、フリル、チエニル、ピリジル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、イソインドリル、トリアゾリル、ピロリル、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、カルバゾリル、ベンゾキサゾリル、ピリミジニル、ベンズイミダゾリル、キノキサリニル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、プリニル、キナゾリニルなどが含まれる。
【0042】
「ヘテロシクリル」には、少なくとも1つの環へテロ原子(例えばO、S、N)を含有する非芳香族環または環系が含まれ、上記ヘテロアリール基の完全飽和および一部不飽和誘導体のすべてが含まれる。ヘテロ環式基の例には、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、およびイミダゾリジニルが含まれる。
【0043】
アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリル基は、非置換であってもよく、または独立して、次のものよりなる群から選択される1つまたはそれ以上の置換基によって置換されていてもよい。すなわち、アルキル、アルコキシ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アルキルチオ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、シアノ、カルボキシ、ホルミル、アリール、アリールオキシ、アリールチオ、アリールアルコキシ、アリールアルキルチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアリールアルコキシ、ヘテロアリールアルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキル、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロアルキルカルボニル、ハロアルコキシカルボニル、アルキルチオカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、アリールチオカルボニル、ヘテロアリールチオカルボニル、アルカノイルオキシ、アルカノイルチオ、アルカノイルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールカルボニルチオ、アルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アリールジアジニル、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アリールアルキルスルホニルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルケニルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールアルキルカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールアルキルカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アルケニルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アリールアルキルスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、ヘテロアリールアルキルスルホニルアミノ、アルキルアミノカルボニルアミノ、アルケニルアミノカルボニルアミノ、アリールアミノカルボニルアミノ、アリールアルキルアミノカルボニルアミノ、ヘテロアリールアミノカルボニルアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノカルボニルアミノ、およびヘテロシクリルの場合オキソである。他の基が「置換されている」または「場合により置換されている」として記載されているならば、その場合にはこれらの基もまた、上に列挙されている置換基の1つまたはそれ以上によって置換されていてもよい。
【0044】
いくつかの置換基が一般に好ましい。例えば好ましいR2基には、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基(すなわちメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、第二ブチル、イソブチル、第三ブチル、およびシクロプロピルメチル)、およびアルコキシアルキル基(例えばメトキシエチルおよびエトキシエチル)が含まれる。好ましくはR3およびR4は独立して、水素またはメチルであり、あるいはR3とR4とは互いに接合して、ベンゼン環、ピリジン環、6−員飽和環、または窒素原子を含有する6−員飽和環を形成する。これらの好ましい置換基の1つまたはそれ以上は、存在するとすれば、本発明の化合物中にあらゆる組合わせで存在してもよい。
【0045】
いくつかの実施態様において、免疫刺激性共役体は、抗原部分およびIRM部分の両方が接着されている固体支持構造を含んでいてもよい。いくつかの実施態様において、IRM部分、抗原部分、またはその両方が、連結基、例えば上記のものを用いて、固体支持体に共有接着されていてもよい。固体支持体には、例えばアガロースビーズ、金粒子などを含めることができる。ついで固体支持体は、適切な標的細胞集団へ、接着されたIRM部分および抗原部分を同時到達するために用いられてもよい。生物分子を固体支持体に接着させる方法は、当業界において知られている。固体支持体上に生物分子を固定化するためのプロトコルは、当業界においてよく知られており、適切な試薬が、商業的供給源から入手しうる。
【0046】
本発明による免疫刺激性組成物は、IRM部分と抗原部分との間の共有結合以外の化学的会合を含有してもよい。例えばISCは、抗原部分とIRM部分との間の親和性相互作用を含んでいてもよい。アビジン−ビオチン親和性は、抗原部分とIRM部分とをペアにするために利用することができる非共有相互作用の一例を表わす。ビオチン分子は、例えばタンパク質抗原(例えば第一アミンまたはスルフヒドリル基)中のアミノ酸上に存在するいくつかの官能基の1つを介して抗原に化学接着されてもよい。IRM部分は、同様な化学的手段によってアビジン分子に共役されてもよい。IRM部分と抗原部分とは、その場合アビジン−ビオチン親和性相互作用によってペアにされてもよい。タンパク質のビオチニル化方法およびアビジンへの化学基の連結方法は、当業者によく知られている。ISCの製造のために有用になりうる代替親和性相互作用には、例えば抗原/抗体相互作用、糖たんぱく質/レクチン相互作用が含まれる。
【0047】
免疫刺激性組成物はまた、IRM部分と抗原部分との間のイオン相互作用によって形成されてもよい。例えばIRM部分、抗原部分、またはこれらの両方は、反対の電荷成分を含有するように化学修飾されてもよい。反対の電荷のIRM部分と抗原部分とはついで、これら2つの物質(entities)間のイオン相互作用を可能にするためにともにインキュベーションされてもよい。その結果生じたISCはついで、被検者または細胞集団に投与されてもよく、その結果、標的細胞へのIRMおよび抗原の両方の同時送達を生じる。
【0048】
共有連結されたISCの場合のように、IRM部分と抗原部分とが非共有的にペアにされているISCは、固体支持体を含んでいてもよい。
【0049】
免疫刺激性共役体を用いた免疫応答の惹起方法
本発明による免疫刺激性組成物は、試験管内または生体内で免疫系の細胞から免疫応答を惹起するために用いられてもよい。したがって、本発明によるISCは、ワクチンの成分として、またはT細胞またはB細胞の試験管内細胞培養に用いられる免疫刺激性因子として有用になりうる。実際、IRMは、ペア形成されていないワクチンアジュバントとして送達された時と比較して、本発明によるISCの一部として送達された時、より強力な免疫刺激性因子になりうる。試験管内で免疫応答を惹起するために用いられた時、試験管内で活性化された免疫細胞は、患者に再導入されてもよい。あるいはまた、活性化免疫細胞、例えば抗体、サイトカインなどによって分泌された因子は、検査、診断、および/または治療用途のために収集されてもよい。
【0050】
他の記載がなければ、宿主は、皮下または腹膜組織内免疫化されてもよい。宿主がISCへの免疫応答を発生させうるのに十分な時間の後、免疫部位に適切な免疫細胞が採集される。例えばリンパ節は、皮下免疫化された宿主から採集されてもよい。脾臓細胞は、腹膜免疫化された宿主から採集されてもよい。いくつかの宿主の場合、細胞採集は、宿主を犠牲にすることを含むことがある。また別の場合には、細胞採集が、適切な組織の生検または外科的除去を含むこともある。
【0051】
1つの実施態様において、ISCは、抗原特異的T細胞の増殖を誘発するために用いられてもよい。宿主(例えばマウス)は、特定の抗原を含むISCで免疫化されてもよい。宿主における十分なインキュベーションの後、あるいくつかのT細胞(例えばCD8+T細胞)は、免疫化に応答して抗原特異的なT細胞に成熟するであろう。抗原のみで免疫化された宿主と比較して、T細胞のより大きい割合が、ISCで免疫化された宿主において抗原特異的であろう(図1〜3)。ISCは、IRM部分と抗原部分とを共有結合させることによって(図1〜3)、あるいはまた非共有ペア形成、例えばコロイド縣濁液によって(図15〜17)ペア形成されてもよい。
【0052】
抗原がタンパク質(例えばオボアルブミン)であるならば、ISCが全タンパク質を含む必要はないかもしれない。例えばタンパク質からの免疫優性ペプチドが、完全なタンパク質抗原に特異的なT細胞の発育を誘発するのに必要とされるすべてでありうる。さらには、例えば最初の免疫化の15日後の追加抗原免疫化は、抗原特異的T細胞の誘発を増加させうる(図7)。
【0053】
ISCでの宿主の免疫化は、CD8+細胞傷害性Tリンパ球(CTL)における抗原特異的応答を惹起するために用いることができる。このような応答は、腫瘍およびウイルス感染した細胞集団を包含するがこれらに限定されるわけではない多くの状態に対して向けることができる。ISCはまた、将来の腫瘍またはウイルス感染に対して向けられた保護的CTL免疫を宿主に備えさせるために、予防的に投与することもできる。
【0054】
もう1つの実施態様において、ISCは、試験管内で抗原特異的T細胞によってサイトカイン産生を誘発するために用いることができる。免疫化された宿主からの適切な組織が、収集され、抗原とともに試験管内で培養され、これによって1つまたはそれ以上のサイトカインの産生を誘発することができる(例えばIFN−γ、図4−6参照)。ここでもまた、抗原がタンパク質である場合、抗原タンパク質からの免疫優性ペプチドが、細胞培養物中に抗原特異的T細胞を誘発して、サイトカインを産生および分泌させるのに必要とされるすべてでありうる。
【0055】
別の実施態様において、ISCは、生体内で腫瘍成長を阻害するために用いることができる。特定の抗原を発現する腫瘍細胞を有する宿主は、抗原を含有するISCで免疫化されうる。いくつかの実施態様において、最初の免疫化は、二次免疫化で高めることができる。抗原を含有するISCで免疫化された宿主から採集された腫瘍は、抗原のみで免疫化された宿主から採集された腫瘍よりも一般に小さかった(図8)。さらにはこれらの腫瘍の分析は、ISCで免疫化された宿主から採集された腫瘍が、抗原のみで免疫化された宿主から採集された腫瘍よりも高い割合の抗原特異的T細胞を含有していた(図10)。
【0056】
さらにもう1つの実施態様において、ISCは、抗原提示細胞(APC、例えば樹状細胞)を誘発させて、これらの細胞表面においてMHC類(class)I錯体内の抗原からペプチドを提示させるために用いることができる。宿主は、この型の応答を誘発するために、静脈内で免疫化されてもよい。この応答は、APC提示抗原/MHC類I錯体について脾臓細胞を収集して分析することによって検証することができる(図11−13)。
【0057】
代替実施態様において、ISCは、試験管内で抗原特異的T細胞を発育させるために用いることができる。例えば骨髄細胞は、特定の抗原を発現する腫瘍を有する患者から採集することができる。これらの採集された細胞は、腫瘍によって発現された抗原を含有するISCとともに試験管内で培養することができる。ここでもまた、抗原がタンパク質であるならば、ISCは、タンパク質の免疫優性ペプチドを含む必要があるだけであろう。ISCでのインキュベーションに応答して試験管内で発育する抗原特異的T細胞は、患者に再導入することができる。
【0058】
さらにもう1つの代替実施態様において、ISCは、腫瘍を有する被検者が、生存の可能性、生存期間、またはその両方を増すために投与することができる。黒色腫細胞で抗原投与された(challenged)マウスに投与された腫瘍特異的抗原部分を含んでいるISCは、腫瘍抗原のみで免疫化されたマウスと比較して、増加した生存率を生じた(図14)。
【実施例】
【0059】
次の実施例は、本発明の特徴、利点、およびその他の詳細をさらに例証するためにのみ選択されている。しかしながらこれらの実施例は、この目的のために用いられるが、使用された特定の材料および量、ならびにその他の条件および詳細は、本発明の範囲を不当に制限するように解釈されるべきではないと理解すべきであることは明らかである。
【0060】
IRM化合物の調製
IRM化合物1(IRM1):N−[6−({2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−6−オキソヘキシル]−4−アジド−2−ヒドロキシベンズアミド
【化2】

【0061】
パートA
2下、200mLの無水CH2Cl2中の4−クロロ−3−ニトロキノリン(17.3g、83.2ミリモル)の攪拌溶液を、トリエチルアミン(23.2mL、166.4ミリモル)および1,2−ジアミノ−2−メチルプロパン(9.57mL、91.5ミリモル)で処理した。一晩攪拌した後、この反応混合物を、800mLのCHCl3で希釈し、H2O(3×300mL)およびブライン(300mL)で洗浄した。有機部分をNa2SO4上で乾燥し、濃縮すると、2−メチル−N1−(3−ニトロキノリン−4−イル)プロパン−1,2−ジアミン(21.0g)を明るい黄色の固体として生じた。
【0062】
パートB
2下、50mLのテトラヒドロフラン(THF)中の2−メチル−N1−(3−ニトロキノリン−4−イル)プロパン−1,2−ジアミン(2.60g、10.0ミリモル)の溶液を0℃に冷却し、10mLの1N NaOH溶液で処理した。ついでジ−第三ブチルジカーボネート(2.18g、10.0ミリモル)を、急速に攪拌された溶液に添加した。ついで反応混合物を、周囲温度に温めておき、一晩攪拌した。追加の400mgのジ−第三ブチルジカーボネートを添加し、攪拌を3日間続行した。ついで反応物をエチルアセテート(200mL)で処理し、H2O(2×)およびブラインで洗浄した。有機部分をNa2SO4上で乾燥し、濃縮すると、黄色の固体を生じた。これを10%EtOAc/ヘキサンで摩砕した。この固体を濾過によって単離し、真空下一晩乾燥すると、第三ブチル1,1−ジメチル−2−[(3−ニトロキノリン−4−イル)アミノ]エチルカルバメート(2.80g)を黄色い粉末として生じた。
【0063】
パートC
150mLのトルエン中の第三ブチル1,1−ジメチル−2−[(3−ニトロキノリン−4−イル)アミノ]エチルカルバメート(3.50g、9.72ミリモル)の溶液を、炭素上0.3gの5%Ptで処理し、H2下(3気圧、3Kg/cm2)6時間振とうした。ついでこの溶液を、セライトパッドを通して濾過し、濃縮すると、3.04gの粗第三ブチル−2−[(3−アミノキノリン−4−イル)−1,1−ジメチルエチルカルバメートを薄いオレンジ色の泡として生じた。
【0064】
パートD
50mLのCH2Cl2中の第三ブチル−2−[[3−アミノキノリン−4−イル]−1,1−ジメチルエチルカルバメート(3.04g、9.21ミリモル)の溶液を0℃に冷却し、トリエチルアミン(1.41mL、10.13ミリモル)および塩化エトキシアセチル(1.02mL、10.17ミリモル)で処理した。2時間後、反応混合物を減圧下に濃縮した。その結果生じたシロップを、100mLのEtOH中に取り、4.5mLのトリエチルアミンで処理した。この溶液を、一晩還流に至るまで加熱した。反応混合物を濃縮し、100mLのCH2Cl2中に取り、H2O(2×)、およびブラインで洗浄した。有機部分をNa2SO4上で乾燥し、濃縮した。その結果として生じたシロップを、カラムクロマトグラフィー(SiO2、80%EtOAc/ヘキサン)によって精製すると、第三ブチル−2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチルカルバメート(1.57g)をピーチカラーの泡として生じた。
【0065】
パートE
30mLのCH2Cl2中の第三ブチル−2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチルカルバメート(1.57g、3.94ミリモル)の溶液を、3−クロロペルオキシ安息香酸(77%、1.01g、4.57ミリモル)で処理した。2時間の攪拌後、反応混合物を、30mLの追加のCH2Cl2で処理し、1%Na2CO3溶液(2×30mL)、H2O、およびブラインで洗浄した。ついで有機部分をNa2SO4上で乾燥し、濃縮すると、第三ブチル−2−[2−(2−(エトキシメチル)−5−オキシド−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチルカルバメート(1.58g)を薄い褐色の泡として生じた。
【0066】
パートF
20mLの1,2−ジクロロエタン中の第三ブチル−2−[2−(2−(エトキシメチル)−5−オキシド−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチルカルバメート(1.57g、3.79ミリモル)の溶液を、70℃に加熱し、2mLの濃縮NH4OH溶液で処理した。急速攪拌溶液に、固体p−トルエンスルホニルクロライド(795mg、4.17ミリモル)を添加した。ついで反応混合物を圧力容器において密封し、加熱を2時間続行した。ついで反応混合物を冷却し、50mLのCHCl3で処理した。ついで反応混合物を、H2O、1%Na2CO3溶液(3×)、およびブラインで洗浄した。有機部分をNa2SO4上で乾燥し、濃縮すると、生成物を薄い褐色の油として生じた。その結果生じた油を、カラムクロマトグラフィー(SiO2、2−5%MeOH/CHCl3)によって精製すると、第三ブチル−2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチルカルバメート(1.26g)を薄黄色の泡として生じた。
【0067】
パートG
第三ブチル−2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチルカルバメート(1.26g、3.05ミリモル)を、10mLのEtOH中に溶解し、EtOH中の10mLの2M HClで処理した。2時間還流加熱後、反応混合物を冷却し、減圧下濃縮した。その結果生じた黄色い固体を、50mLのH2O中に溶解し、CHCl3(20mL)で抽出した。有機相を捨て、水性部分を、濃縮NH4OH溶液の添加によって塩基性(pH約12)にした。ついでこれを、CHCl3(4×20mL)で抽出し、組合わされた有機部分を、Na2SO4で乾燥し、濃縮すると、1−(2−アミノ−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(808mg)を薄い褐色の粉末として生じた。融点161.0−162.0℃。
MSm/z314(M+H);
1H NMR(300MHz,d6−DMSO)δ8.30(d,J=7.7Hz,1H),7.59(dd,J=1.2,8.3Hz,1H),7.40(ddd,J=1.0,7.2,8.1Hz,1H),7.21(ddd,J=1.2,7.0,8.2Hz,1H),6.57(s,2H),4.94(br s,2H),4.61(br s,2H),3.52(q,J=7.0Hz,2H),1.61(s,2H),1.31(t,J=7.0Hz,3H),1.07(s,6H);
13C NMR(75MHz,d6−DMSO)δ152.4,151.1,145.7,134.3,126.8,126.7,121.7,120.8,115.7,65.6,65.2,55.8,52.5,29.2,15.4.
分析。C17235Oについての計算値:%C,65.15;%H,7.40;%N,22.35;実測値:%C,65.04;%H,7.52;%N,22.07。
【0068】
パートH
窒素雰囲気下、N,N−ジメチルホルムアミドDMF(2〜4mL)中のN−ヒドロキシスルホスクシンイミジル(アジドサリチルアミド)ヘキサノエート(米国イリノイ州ロックフォードのピアス・バイオテクノロジー社(Pierce Biotechnology,Inc,Rockford,IL,USA)からのスルホ−LC−NHS−ASA、100mg、0.204ミリモル)の溶液を、DMF(5mL)中の1−(2−アミノ−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(63mg、0.201ミリモル)の溶液に添加した。反応混合物を、ホイルでラップされた容器において窒素下攪拌した。2日後、追加の50mgのN−ヒドロキシスルホスクシンイミジル(アジドサリチルアミド)ヘキサノエートを添加した。約1週間後、反応混合物を、減圧下55℃で濃縮した。残渣を、少量のメタノールを含有するジクロロメタンと水との間で分けた。有機相を分離し、減圧下に濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム中6%メタノールで溶離する2×15cmSiO2)によって精製すると、53mgの生成物を無色ガラスとして生じた。このガラスを、ジクロロメタンを用いて円錐フラスコに移しかえ、ついで濃縮すると、泡が生じた。この泡を、高真空下に一晩乾燥すると、白い結晶固体48mgを生じた。NMRによる分析は、ジクロロメタンの存在を示しており、したがってこの物質を高真空下に一晩、ついで真空オブンにおいて50℃で5時間乾燥した。HPLCによる分析は、>93%の純度を示した。
【0069】
IRM化合物2(IRM2):N−{6−[(2−{2−[4−アミノ−2−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エトキシ}エチル)アミノ]−6−オキソヘキシル}−4−アジド−2−ヒドロキシベンズアミド
【化3】

【0070】
パートA
2下、180mLのテトラヒドロフラン(THF)中の2−(2−アミノエトキシ)エタノール(29.0g、0.276モル)の溶液を0℃に冷却し、140mLの2N NaOH溶液で処理した。ついで180mLのTHF中のジ−第三ブチルジカーボネート(60.2g、0.276モル)の溶液を、急速攪拌溶液に1時間にわたって一滴ずつ添加した。ついで反応溶液を、室温に温めておき、さらに18時間攪拌した。ついでTHFを減圧下に除去し、残りの水性スラリーを、150mLの1M H2SO4溶液の添加によってpH3にした。ついでこれを酢酸エチル(300mL、100mL)で抽出し、組合わされた有機相を、H2O(2×)およびブラインで洗浄した。有機部分をNa2SO4上で乾燥し、濃縮すると、第三ブチル2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルカルバメートを無色油(47.1g)として生じた。
【0071】
パートB
1Lの無水CH2Cl2中の第三ブチル2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルカルバメート(47.1g、0.230モル)の急速攪拌溶液を、N2下、0℃に冷却し、トリエチルアミン(48.0mL、0.345モル)で処理した。ついで塩化メタンスルホニル(19.6mL、0.253モル)を、30分にわたって一滴ずつ添加した。ついで反応混合物を室温に温めておき、さらに22時間攪拌した。反応物を、500mL飽和NaHCO3溶液の添加によって急冷し、有機相を分離した。ついでこの有機相を、H2O(3×500mL)およびブラインで洗浄した。有機部分をNa2SO4上で乾燥し、濃縮すると、2−{2−[(第三ブトキシカルボニル)アミノ]エトキシ}エチルメタンスルホネートを褐色油(63.5g)として生じた。
【0072】
パートC
400mLのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中の2−{2−[(第三ブトキシカルボニル)アミノ]エトキシ}エチルメタンスルホネート(63.5g、0.224モル)の攪拌溶液を、NaN3(16.1g、0.247モル)で処理し、反応混合物を、N2下、90℃に加熱した。5時間後、この溶液を室温に冷却し、500mLの冷たいH2Oで処理した。ついでこの反応混合物を、Et2O(3×300mL)で抽出した。組合わされた有機抽出物を、H2O(4×100mL)およびブライン(2×100mL)で洗浄した。有機部分をMgSO4上で乾燥し、濃縮すると、52.0gの第三ブチル2−(2−アジドエトキシ)エチルカルバメートを薄い褐色油として生じた。
【0073】
パートD
MeOH中の第三ブチル2−(2−アジドエトキシ)エチルカルバメート(47.0g、0.204モル)の溶液を、炭素上4gの10%Pdで処理し、H2(3Kg/cm2)下、24時間振とうした。ついでこの溶液を、セライトパッドを通して濾過し、濃縮すると、35.3gの粗第三ブチル2−(2−アミノエトキシ)エチルカルバメートを無色液体として生じ、これを、それ以上精製することなく用いた。
【0074】
パートE
2下、500mLの無水CH2Cl2中の4−クロロ−3−ニトロキノリン(31.4g、0.151モル)の攪拌溶液を、トリエチルアミン(43mL、0.308モル)および第三−ブチル2−(2−アミノエトキシ)エチルカルバメート(0.151モル)で処理した。一晩攪拌した後、反応混合物を、H2O(2×300mL)およびブライン(300mL)で洗浄した。有機部分をNa2SO4上で乾燥し、濃縮すると、明るい黄色の固体を生じた。酢酸エチル/ヘキサンからの再結晶化によって、43.6gの第三ブチル2−{2−[(3−ニトロキノリン−4−イル)アミノ]エトキシ}エチルカルバメートを明るい黄色の結晶として生じた。
【0075】
パートF
トルエン中の第三ブチル2−{2−[(3−ニトロキノリン−4−イル)アミノ]エトキシ}エチルカルバメート(7.52g、20.0ミリモル)の溶液を、炭素上の1.5gの5%Ptで処理し、H2(3Kg/cm2)下、24時間振とうした。ついでこの溶液を、セライトパッドを通して濾過し、濃縮すると、6.92gの粗第三ブチル2−{2−[(3−アミノキノリン−4−イル)アミノ]エトキシ}エチルカルバメートを黄色いシロップとして生じた。
【0076】
パートG
250mLの無水CH2Cl2中の第三ブチル2−{2−[(3−アミノキノリン−4−イル)アミノ]エトキシ}エチルカルバメート(10.2g、29.5ミリモル)の溶液を0℃に冷却し、トリエチルアミン(4.18mL、30.0ミリモル)で処理した。ついで塩化メトキシプロピオニル(3.30mL、30.3ミリモル)を、5分にわたって一滴ずつ添加した。ついで反応物を室温に温め、攪拌を1時間続行した。ついで反応混合物を減圧下に濃縮すると、オレンジ色の固体を生じた。これを250mLのEtOH中に溶解し、12.5mLのトリエチルアミンを添加した。この混合物を還流に至るまで加熱し、N2下、一晩攪拌した。ついでこの反応物を、減圧下に乾燥に至るまで濃縮し、300mLのEt2Oで処理した。ついでこの混合物を濾過し、この濾過物を減圧下に濃縮すると、褐色固体を生じた。この固体を200mLのホットメタノール中に溶解し、活性炭で処理した。この熱い溶液を濾過し、濃縮すると、11.1gの第三ブチル2−{2−[2−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エトキシ}エチルカルバメートを黄色いシロップとして生じた。
【0077】
パートH
250mLのCHCl3中の第三ブチル2−{2−[2−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エトキシ}エチルカルバメート(10.22g、24.7ミリモル)の溶液を、3−クロロ過安息香酸(77%、9.12g、40.8ミリモル)で処理した。30分の攪拌後、反応混合物を、1%Na2CO3溶液(2×75mL)およびブラインで洗浄した。有機相を、Na2SO4上で乾燥し、濃縮すると、10.6gの第三ブチル2−{2−[2−(2−メトキシエチル)−5−オキシド−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エトキシ}エチルカルバメートをオレンジ色の泡として生じ、これを、それ以上精製することなく用いた。
【0078】
パートI
100mLの1,2−ジクロロエタン中の第三ブチル2−{2−[2−(2−メトキシエチル)−5−オキシド−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エトキシ}エチルカルバメート(10.6g、24.6ミリモル)の溶液を、60℃に加熱し、10mLの濃縮NH4OH溶液で処理した。急速攪拌溶液に、固体p−トルエンスルホニルクロライド(7.05g、37.0ミリモル)を10分間にわたって添加した。反応混合物を、追加の1mL濃縮NH4OH溶液で処理し、ついで圧力容器において密封し、加熱を2時間続行した。ついで反応混合物を冷却し、100mLのCHCl3で処理した。ついで反応混合物を、H2O、1%Na2CO3溶液(2×)、およびブラインで洗浄した。有機部分をNa2SO4上で乾燥し、濃縮すると、10.6gの第三ブチル2−{2−[4−アミノ−2−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エトキシ}エチルカルバメートを褐色の泡として生じた。
【0079】
パートJ
第三ブチル2−{2−[4−アミノ−2−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エトキシ}エチルカルバメート(10.6g、24.6ミリモル)を、エタノール中の75mLの2M HClで処理し、この混合物を攪拌しつつ還流に至るまで加熱した。1.5時間後、反応混合物を冷却し、濾過すると、ガム状の固体を生じた。この固体をエタノールおよびEt2Oで洗浄し、真空下に乾燥すると、塩酸塩を薄い褐色固体として生じた。50mLのH2O中にこの塩酸塩を溶解し、10%NaOH溶液で処理することによって、遊離塩基を作製した。ついでこの水性縣濁液を、乾燥に至るまで濃縮し、残渣をCHCl3で処理した。その結果生じた塩を、濾過によって除去し、この濾過物を濃縮すると、3.82gの1−[2−(2−アミノエトキシ)エチル]−2−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミンを黄褐色粉末として生じた。
MS330(M+H)+
1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ8.10(d,J=8.1Hz,1H),7.66(d,J=8.2Hz,1H);7.40(m,1H);7.25(m,1H);6.88(br s,2H);4.78(t,J=5.4Hz,2H);3.89(t,J=4.8Hz,2H);3.84(t,J=6.9Hz,2H);3.54(t,J=5.4Hz,2H);3.31(s,3H);3.23(t,J=6.6Hz,2H);2.88(t,J=5.3Hz,2H).
【0080】
パートK
窒素雰囲気下、DMF(2〜4mL)中のN−ヒドロキシスルホスクシンイミジル(アジドサリチルアミド)ヘキサノエート(米国イリノイ州ロックフォードのピアス・バイオテクノロジー社からのスルホ−LC−NHS−ASA、100mg、0.204ミリモル)の溶液を、DMF(5mL)中の1−[2−(2−アミノエトキシ)エチル]−2−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(66mg、0.201ミリモル)の溶液に添加した。3.5時間後、HPLCによる分析は、出発物質が存在していないことを示した。反応混合物を一晩攪拌し、ついで減圧下濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム中8%メタノールで溶離する2×15cmSiO2)によって精製すると、55mgの生成物を無色ガラスとして生じた。このガラスを、ジクロロメタンを用いて円錐フラスコに移しかえ、ついで濃縮すると、泡が生じた。この泡を、高真空下に一晩、ついで真空オブンにおいて50℃で5時間乾燥すると、45mgの生成物を白色のフワフワした(fluffy)固体として生じた。HPLCによる分析は、>95%の純度を示した。
【0081】
IRM化合物3(IRM3):N−(2−{2−[4−アミノ−2−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エトキシ}エチル)ヘキサデカンアミド
【化4】

【0082】
窒素雰囲気下、ジクロロメタン(3.5mL)とトリエチルアミン(150μL、1.07ミリモル)との混合物中の1−[2−(2−アミノエトキシ)エチル]−2−(2−メトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(140.5mg、0.428モリモル)の縣濁液を、0℃に冷却した。塩化パルミトイル(130μL、0.428ミリモル)をゆっくりと添加した。反応混合物を0℃で2時間攪拌させておき、この時の薄層クロマトグラフィーによる分析は、出発物質が残っていないことを示した。反応混合物を、ジクロロメタン(30mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(2×5mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ついで減圧下に濃縮した。その結果生じた残渣を、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中2%メタノールで溶離された12gのシリカゲル)によって精製すると、183mgのN−(2−{2−[4−アミノ−2−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エトキシ}エチル)ヘキサデカンアミドを白色粉末として生じた。
分析。C335353についての計算値:%C,69.80;%H,9.41;%N,12.33;実測値:%C,69.60;%H,9.28;%N,11.99。
【0083】
実施例1:オボアルブミンへの免疫応答修飾因子の架橋
IRM1を、ジメチルスルホキシド(DMSO)中に10mg/mlまで縣濁した。オボアルブミンを、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に10mg/mlまで縣濁し、pHを、NaOHの添加によって>10.0に調節した。500μlのオボアルブミン溶液(5mgのオボアルブミン)を、12−ウエル組織培養プレートの単一ウエルにおいて100μlのIRM1(1mgのIRM1)と混合した。このプレートを氷上に置き、長波UV光源を、プレート上に直接、できるだけIRM1/オボアルブミン混合物の入っているウエルの近くに置いた。この混合物を15分間照射した。その結果生じた共役体をこのウエルから除去し、5mg/mlオボアルブミン、0.5mg/ml IRM1の最終濃度までPBS中に再縣濁して、PBSに対して透析し、あらゆる非共役IRMを除去した。
【0084】
実施例2:免疫化
C57BL/6のマウスを、200μl PBS中の共役体(実施例1において調製された、1mgオボアルブミンおよび200μgIRM1)で皮下または腹膜組織内免疫化した。対照マウスを、200μl PBS中の1mgオボアルブミンで免疫化した。一次応答の分析のために、免疫化の5〜7日後にマウスを犠牲にした。二次応答の分析のために、最初の免疫化の7〜15日後にマウスに追加免疫を与え(boost)、5〜7日後にマウスを犠牲にした。ほかに示されていなければ、リンパ節を、皮下的に免疫化されたマウスから分析のために採集し、脾臓細胞を、腹膜組織内免疫化されたマウスから分析のために採集した。
【0085】
実施例3:試薬
マウスCD8、CD11c、およびCD44に対して特異的なフルオロクロム標識抗体を、ファーミンゲン(Phermingen)(カリフォルニア州サンディエゴ(San Diego,CA))から入手した。モノクローナル抗体25D1.16(ロン・ジャーメイン博士(Dr.Ron Germain)、NIH)は、MHC類I分子H−2Kbに結合された優性オボアルブミンペプチド(SIINFEKL)に対して特異的である。ポーガドー(Porgador)ら、「免疫(Immunity)」6:715−26。オボアルブミンは、シグマ・ケミカル・カンパニー(Sigma Chemical Company)(ミズーリ州、セントルイス(St.Louis,MO))から入手した。優性オボアルブミンペプチドSIINFEKLに結合されたMHC類I分子H−2Kbのテトラマーを、ケドル(Kedl)ら、J Exp Med、192:1105−13(2000)に記載されているように生成した。オボアルブミン−発現黒色腫細胞株B16ovaは、プラスミドエンコード全長オボアルブミンでのB16−F10細胞株(ATCC#CRL−6475)のリポフェクションによって作製した。ケドルら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、98:10811−6参照。サイトカイン捕獲および検出試薬は、ミルティエニ・バイオテック(Miltyeni Biotech(カリフォルニア州オーバーン(Auburn,CA))からのものであった。
【0086】
実施例4
実験用マウスを、実施例1において調製された共役体で、実施例2に記載されているように皮下または腹膜組織内のどちらかによって免疫化した。対照マウスを、実施例2に記載されているようにオボアルブミンで免疫化した。7日後、リンパ節または脾臓を除去し、これらの細胞を、CD8、CD44、およびH−2Kb/SIINFEKLテトラマーに対して特異的な抗体で染色し、フロー・サイトメトリーによって分析した。これらの結果は図1〜3に示されている。3つのマーカーすべてについて染色がプラスの細胞は、免疫化の結果として発育した、活性化されたオボアルブミン特異的CD8+T細胞を同定する。
【0087】
図1〜3の各々は、活性化オボアルブミン特異的CD8+T細胞として同定された、すべての調べられたCD8+T細胞の割合を含む。対照マウスにおいて、0.07%のCD8+T細胞は、活性化オボアルブミン特異的CD8+T細胞であった。共役体での皮下免疫化は、0.52%の活性化オボアルブミン特異的CD8+T細胞を発生させた。共役体での腹膜組織内免疫化は、0.92%の活性化オボアルブミン特異的CD8+T細胞を発生させた。
【0088】
IRM1(200μgのIRM1に架橋された100μgのペプチド)に共役された優性オボアルブミンペプチド(SIINFEKL)での免疫化も、オボアルブミン特異的CD8+T細胞の活性化を誘発した。
【0089】
実施例5
対照マウスを、実施例2に記載されているようにオボアルブミンで免疫化した。実験用マウスを、実施例1において調製された共役体で、実施例2に記載されているように皮下または腹膜組織内のどちらかによって免疫化した。適切な免疫細胞を、免疫化の7日後に採集し、SIINFEKLペプチドで4時間試験管内でインキュベーションした。インターフェロンガンマ(IFN−γ)産生CD8+T細胞は、フロー・サイトメトリーと組合わされたIFN−γ捕獲および検出アッセイを用いて同定した。IRM1−オボアルブミン共役体での免疫化によって発生させられたCD8+T細胞は、その後の抗原刺激に応答してIFN−γを産生した(図4〜6)。
【0090】
実施例6
マウスを、実施例1において調製された共役体で、実施例2に記載されているように免疫化し、ついで15日目に等量の共役体で追加免疫を与えた。これらの追加免疫が与えられた動物からの脾臓およびリンパ節細胞を、追加免疫の7日後に分析した。分析は、一次免疫化のみを受けたマウスからのものよりも増加した割合の活性化オボアルブミン特異的CD8+T細胞を示した(図7)。
【0091】
実施例7
マウスに、オボアルブミン−発現黒色腫細胞株B16ova(1×105細胞)を皮内注射した。7日目に、マウスに、1mgのオボアルブミン(対照)、または実施例1において調製された共役体のどちらかを皮下注射した。14日目に、これらのマウスに、7日目のようにオボアルブミンまたは共役体で皮下的に追加免疫を与えた。20日目に、腫瘍サイズを、キャリパーで二次元測定した。共役体での免疫化の結果、対照と比較して減少した腫瘍サイズを生じた(図8)。
【0092】
実施例8
マウスに、オボアルブミン−発現黒色腫細胞株B16ova(1×105細胞)を皮内注射した。7日および14日後、これらのマウスに、1mgのオボアルブミン(対照)、または実施例1において調製された共役体のどちらかを腹膜組織内注射した。黒色腫細胞株での抗原投与の20日後、脾臓および腫瘍を除去し、各源からの細胞を、CD8およびCD44、ならびにH−2Kb/SIINFEKLテトラマーに対して特異的な抗体で染色した。フロー・サイトメトリック分析は、脾臓(図9)および腫瘍(図10)内の両方において、活性化オボアルブミン特異的CD8+T細胞の有意な膨張を明らかにした。
【0093】
実施例9
マウスを、オボアルブミン、オボアルブミンとペア形成されていないIRM1:1−(2−アミノ−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(リンカー基の接着前のIRM1−IRM1の合成のパートGの生成物)、または実施例1において調製された共役体で静脈内免疫化した。14時間後、脾臓を除去し、コラゲナーゼ処理し、これらの細胞を、CD8、CD11c、および抗体25D1.16に対して特異的な抗体で染色した。これは、MHC類IH−2Kb分子と錯体化されたオボアルブミンペプチドSIINFEKLに対して特異的である。フロー・サイトメトリック分析は、IRM1−オボアルブミン共役体(図13)でのマウスの免疫化が、オボアルブミン単独(図11)、またはペア形成されていないオボアルブミンとIRM1との混合物(図12)でのマウスの免疫化よりも大きい割合の、Kb/SIINFEKLを提示するCD11c+、CD8+樹状細胞を発生させたことを示した。
【0094】
実施例10
マウスに、オボアルブミン(対照)、または実施例1において調製されたIRM1共役体で、実施例2に記載されているように0日目に皮下免疫化した。これらのマウスは、14日目に追加免疫化を受けた。ついでこれらのマウスに、28日目にオボアルブミン−発現黒色腫細胞株B16ova(1×105細胞)を皮内抗原投与し、腫瘍成長について監視した。75日目に、共役体で免疫化されたマウスの80%は生存し、健康であるように見えたが、一方で、オボアルブミンだけで免疫化されたマウスはすべて死んだ(図14)。
【0095】
実施例11
IRM3の保存溶液を、IRM3をDMSO中に10mg/mlの濃度まで溶解して調製した。オボアルブミンを、PBS中に50mg/mlの濃度まで溶解した。50μlのIRM3保存溶液を、150μlのPBSに添加し、ついで渦巻き攪拌によって混合した。50μlのオボアルブミンを、IRM3溶液に添加し、渦巻き攪拌によって混合した。IRM3およびオボアルブミンの濁ったコロイド縣濁液が、結果として生じた。
【0096】
マウスに、(a)オボアルブミン単独、または(b)アルブミンとIRM3とのコロイド縣濁液50μlのいずれかで、実施例2に記載されているように0日目に皮下免疫化した。6日目に、排液(draining)リンパ節を除去し、均質化し、H−2Kb/SIINFEKLテトラマーで染色し、オボアルブミン特異的T細胞を同定した。図15は、オボアルブミン単独で免疫化された対照マウスからのフロー・サイトメトリーデータを示している。図16および17は、コロイド縣濁液で免疫化された2匹の異なるマウスからのデータを示している。
【0097】
実施例12
IRM2とオボアルブミンとの共役体を、実施例1に記載されているように調製した。ただし、IRM1の代わりにIRM2を用いた。
【0098】
24匹のマウスを、3匹ずつの8つのグループに分けた。3匹のマウスの4つのグループに、0日目に実施例2に記載されているように皮下免疫化した。各グループは、IRM1−オボアルブミンの漸増量を受けた。残りの4つのグループを、0日目にIRM2−オボアルブミン共役体で同様に免疫化した。6日目に、マウスを犠牲にし、排液リンパ節を除去し、H−2Kb/SIINFEKLテトラマーで染色し、オボアルブミン特異的T細胞を同定した。オボアルブミン特異的T細胞の割合を、各マウスについて計算した。図18は、これらの結果を要約する。
【0099】
実施例13
マウスに、約2×106OT1オボアルブミン特異的トランスジェニックT細胞(メイン州バー・ハーバー、ザ・ジャクソン・ラボラトリー(The Jackson Laboratory,Bar Harbor,Maine))で養子免疫伝達した。マウスに、(a)100μgオボアルブミン、(b)100μgオボアルブミン+50μgCpG(Ova+CpG)、(c)100μgオボアルブミン+50μgのペア形成されていないIRM1(Ova+IRM)、または(d)50μgのIRM1に共役された100μgオボアルブミン(Ova×IRM)のいずれかで、0日目に実施例2に記載されているように皮下免疫化した。5日目に、排液リンパ節を除去し、これらの細胞を、H−2Kb/SIINFEKLテトラマーで染色し、オボアルブミン特異的T細胞を同定した。図19は、オボアルブミン単独で免疫化されたマウスを上回る、Ova+CpG、Ova+IRM、およびOva×IRMグループにおけるオボアルブミン特異的T細胞の倍膨張(fold expansion)を示している。
【0100】
これらの特許、特許文献、および本明細書において引用されている出版物の完全な開示は、それぞれが個別に援用されているかのように、これらの全体が援用される。紛争の場合には、定義を含め、本明細書が支配することになる。
【0101】
この発明への様々な修正および変更は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者には明らかになるであろう。例証的な実施態様および実施例は、単なる例として示されているだけであり、本発明の範囲を限定するためのものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗原部分とペアにされた免疫応答修飾因子部分を含む免疫刺激性組成物。
【請求項2】
前記免疫応答修飾因子部分が、Toll様受容体2、Toll様受容体4、Toll様受容体6、Toll様受容体7、またはToll様受容体8のアゴニストである、請求項1に記載の免疫刺激性組成物。
【請求項3】
前記免疫応答修飾因子部分が、イミダゾキノリンアミン;テトラヒドロイミダゾキノリンアミン;イミダゾピリジンアミン;アリールエーテル−置換イミダゾピリジンアミン;1,2−架橋イミダゾキノリンアミン;6,7−融合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン;イミダゾナフチリジンアミン;テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン;オキサゾロキノリンアミン;チアゾロキノリンアミン;オキサゾロピリジンアミン;チアゾロピリジンアミン;オキサゾロナフチリジンアミン;チアゾロナフチリジンアミンを含む、請求項1に記載の免疫刺激性組成物。
【請求項4】
前記免疫応答修飾因子部分が、約1,000ダルトン未満の分子量を有する有機部位を含む、請求項1に記載の免疫刺激性組成物。
【請求項5】
免疫応答修飾因子部分と抗原部分とが共有結合されている、請求項1に記載の免疫刺激性組成物。
【請求項6】
前記免疫応答修飾因子部分と前記抗原部分とが、抗原部分に関して前記免疫応答修飾因子部分の独立拡散を制限する共有結合以外の物理的または化学的会合によってペアにされる、請求項1に記載の免疫刺激性組成物。
【請求項7】
前記組成物がコロイド縣濁液を含んでいる、請求項1に記載の免疫刺激性組成物。
【請求項8】
前記抗原部分が、アミノ酸配列、ヌクレオチド配列、リポ多糖類、プリオン、細菌、ウイルス、または菌類を含んでいる、請求項1に記載の免疫刺激性組成物。
【請求項9】
前記アミノ酸配列がポリペプチドである、請求項8に記載の免疫刺激性組成物。
【請求項10】
前記ポリペプチドがタンパク質である、請求項9に記載の免疫刺激性組成物。
【請求項11】
前記免疫応答修飾因子部分が、式:
【化1】

(式中、
1は、リンカー基であり;
2は、
−水素;
−アルキル;
−アルケニル;
−アリール;
−置換アリール;
−ヘテロアリール;
−置換ヘテロアリール;
−アルキル−O−アルキル;
−アルキル−S−アルキル;
−アルキル−O−アリール;
−アルキル−S−アリール;
−アルキル−O−アルケニル;
−アルキル−S−アルケニル;および
−アルキルまたはアルケニルであって、
−OH;
−ハロゲン;
−N(R52
−CO−N(R52
−CS−N(R52
−SO2−N(R52
−NR5−CO−C1-10アルキル;
−NR5−CS−C1-10アルキル;
−NR5−SO2−C1-10アルキル;
−CO−C1-10アルキル;
−CO−O−C1-10アルキル;
−N3
−アリール;
−置換アリール;
−ヘテロアリール
−置換ヘテロアリール;
−ヘテロシクリル;
−置換ヘテロシクリル;
−CO−アリール;
−CO−(置換アリール);
−CO−ヘテロアリール;および
−CO−(置換ヘテロアリール)
よりなる群から選択される1つまたはそれ以上の置換基によって置換されたアルキルまたはアルケニルよりなる群から選択され;
3およびR4は、各々独立して:
−水素;
−ハロゲン;
−アルキル;
−アルケニル;
−O−アルキル;
−S−アルキル;および
−N(R52
であるか、またはR3およびR4が一緒になった時、場合により
−ハロゲン;
−アルキル;
−アルケニル;
−O−アルキル;
−S−アルキル;および
−N(R52
よりなる群から選択される1つまたはそれ以上の置換基によって置換された融合アリールまたはヘテロアリール基を形成するか、またはR3およびR4が一緒になった時、場合により1つまたはそれ以上のヘテロ原子を含み、かつ場合により
−ハロゲン;
−アルキル;
−アルケニル;
−O−アルキル;
−S−アルキル;および
−N(R52
よりなる群から選択される1つまたはそれ以上の置換基によって置換された融合5〜7員飽和環を形成し;
各R5は独立して、水素またはC1-10アルキルである)の化合物である、請求項1に記載の免疫刺激性組成物。
【請求項12】
式:
【化2】

(式中、
1は、リンカー基であり;
2は、
−水素;
−アルキル;
−アルケニル;
−アリール;
−置換アリール;
−ヘテロアリール;
−置換ヘテロアリール;
−アルキル−O−アルキル;
−アルキル−S−アルキル;
−アルキル−O−アリール;
−アルキル−S−アリール;
−アルキル−O−アルケニル;
−アルキル−S−アルケニル;および
−アルキルまたはアルケニルであって、
−OH;
−ハロゲン;
−N(R52
−CO−N(R52
−CS−N(R52
−SO2−N(R52
−NR5−CO−C1-10アルキル;
−NR5−CS−C1-10アルキル;
−NR5−SO2−C1-10アルキル;
−CO−C1-10アルキル;
−CO−O−C1-10アルキル;
−N3
−アリール;
−置換アリール;
−ヘテロアリール
−置換ヘテロアリール;
−ヘテロシクリル;
−置換ヘテロシクリル;
−CO−アリール;
−CO−(置換アリール);
−CO−ヘテロアリール;および
−CO−(置換ヘテロアリール)
よりなる群から選択される1つまたはそれ以上の置換基によって置換されたアルキルまたはアルケニルよりなる群から選択され;
3およびR4は、各々独立して:
−水素;
−ハロゲン;
−アルキル;
−アルケニル;
−O−アルキル;
−S−アルキル;および
−N(R52
であるか、またはR3およびR4が一緒になった時、場合により
−ハロゲン;
−アルキル;
−アルケニル;
−O−アルキル;
−S−アルキル;および
−N(R52
よりなる群から選択される1つまたはそれ以上の置換基によって置換された融合アリールまたはヘテロアリール基を形成するか、またはR3およびR4が一緒になった時、場合により1つまたはそれ以上のヘテロ原子を含み、かつ場合により
−ハロゲン;
−アルキル;
−アルケニル;
−O−アルキル;
−S−アルキル;および
−N(R52
よりなる群から選択される1つまたはそれ以上の置換基によって置換された融合5〜7員飽和環を形成し;
各R5は独立して、水素またはC1-10アルキルであり;かつ
nは、1〜10である)
の免疫刺激性共役体、または薬学的に許容しうるその塩。
【請求項13】
2が、水素、アルキル、およびアルキル−O−アルキルよりなる群から選択される、請求項12に記載の免疫刺激性共役体。
【請求項14】
2が、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロプロピルメチル、エトキシメチル、およびメトキシエチルよりなる群から選択される、請求項13に記載の免疫刺激性共役体。
【請求項15】
3およびR4は、一緒になってベンゼン環を形成する、請求項12に記載の免疫刺激性共役体。
【請求項16】
3およびR4は、一緒になってピリジン環を形成する、請求項12に記載の免疫刺激性共役体。
【請求項17】
3およびR4は、一緒になって6員飽和環を形成する、請求項12に記載の免疫刺激性共役体。
【請求項18】
3およびR4は、一緒になって、窒素原子を含有する6員飽和環を形成する、請求項12に記載の免疫刺激性共役体。
【請求項19】
3およびR4は独立して、水素およびアルキルよりなる群から選択される、請求項12に記載の免疫刺激性共役体。
【請求項20】
1が、式:
−X−Y−Z−
(式中、
Xは、場合により
−O−;
−S(O)0-2
−N(R5)−;
−N(R5)−C(O)−;
−N(R5)−S(O2)−;
−N(R5)−C(O)−N(R5)−;
−N(R5)−C(S)−N(R5)−;および
−C(O)−N(R5)−;
の1つまたはそれ以上によって中断されたアルキレン基であり;
Yは、1つの結合であるか、または
−N(R5)−;
−N(R5)−C(O)−;
−N(R5)−C(O)−シクロヘキシル−;
−N(R5)−C(O)−フェニレン−;および
−フェニレン−
よりなる群から選択され;
Zは、反応性基ZAが前記抗原に共有結合する時に形成される二価の連結基であり;
Aは、前記抗原と反応して共有結合を形成する反応性基であり;かつ
各R5は独立して、水素またはC1-10アルキルである)
を有する、請求項12に記載の免疫刺激性共役体。
【請求項21】
Aは、第一アミンと反応する基である、請求項20に記載の免疫刺激性共役体。
【請求項22】
Aは、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルまたはN−ヒドロキシスルホスクシンイミドエステルである、請求項21に記載の免疫刺激性共役体。
【請求項23】
Aは、スルフヒドリル基と反応する基である、請求項20に記載の免疫刺激性共役体。
【請求項24】
Aは、マレイミドまたはヨードアセチル基である、請求項23に記載の免疫刺激性共役体。
【請求項25】
Aは、光反応性基である、請求項20に記載の免疫刺激性共役体。
【請求項26】
Aは、フェニルアジドである、請求項25に記載の免疫刺激性共役体。
【請求項27】
Aは、4−アジドフェニル、2−ヒドロキシ−4−アジドフェニル、2−ニトロ−4−アジドフェニル、および2−ニトロ−3−アジドフェニルよりなる群から選択される、請求項26に記載の免疫刺激性共役体。
【請求項28】
Zは、
−C(O)−;
−C(O)−CH2−;
【化3】

および
【化4】

(式中、R’は水素、ヒドロキシ、またはニトロである)
よりなる群から選択される、請求項20に記載の免疫刺激性共役体。
【請求項29】
前記抗原が、アミノ酸配列、ヌクレオチド配列、またはリポ多糖類を含んでいる、請求項12に記載の免疫刺激性共役体。
【請求項30】
前記アミノ酸配列がポリペプチドである、請求項29に記載の免疫刺激性共役体。
【請求項31】
前記ポリペプチドがタンパク質である、請求項30に記載の免疫刺激性共役体。
【請求項32】
式:
【化5】

(式中:
Xは、場合により
−O−;
−S(O)0-2
−N(R5)−;
−N(R5)−C(O)−;
−N(R5)−S(O2)−;
−N(R5)−C(O)−N(R5)−;
−N(R5)−C(S)−N(R5)−;および
−C(O)−N(R5)−;
の1つまたはそれ以上によって中断されたアルキレン基であり;
Yは、1つの結合であるか、または
−N(R5)−;
−N(R5)−C(O)−;
−N(R5)−C(O)−シクロヘキシル−;
−N(R5)−C(O)−フェニレン−;および
−フェニレン−
よりなる群から選択され;
Aは、前記抗原と反応して共有結合を形成する反応性基であり;
2は、
−水素;
−アルキル;
−アルケニル;
−アリール;
−置換アリール;
−ヘテロアリール;
−置換ヘテロアリール;
−アルキル−O−アルキル;
−アルキル−S−アルキル;
−アルキル−O−アリール;
−アルキル−S−アリール;
−アルキル−O−アルケニル;
−アルキル−S−アルケニル;および
−アルキルまたはアルケニルであって、
−OH;
−ハロゲン;
−N(R52
−CO−N(R52
−CS−N(R52
−SO2−N(R52
−NR5−CO−C1-10アルキル;
−NR5−CS−C1-10アルキル;
−NR5−SO2−C1-10アルキル;
−CO−C1-10アルキル;
−CO−O−C1-10アルキル;
−N3
−アリール;
−置換アリール;
−ヘテロアリール
−置換ヘテロアリール;
−ヘテロシクリル;
−置換ヘテロシクリル;
−CO−アリール;
−CO−(置換アリール);
−CO−ヘテロアリール;および
−CO−(置換ヘテロアリール)
よりなる群から選択される1つまたはそれ以上の置換基によって置換されたアルキルまたはアルケニルよりなる群から選択され;
3およびR4は、各々独立して:
−水素;
−ハロゲン;
−アルキル;
−アルケニル;
−O−アルキル;
−S−アルキル;および
−N(R52
であるか、またはR3およびR4が一緒になった時、場合により
−ハロゲン;
−アルキル;
−アルケニル;
−O−アルキル;
−S−アルキル;および
−N(R52
よりなる群から選択される1つまたはそれ以上の置換基によって置換された融合アリールまたはヘテロアリール基を形成するか、またはR3およびR4が一緒になった時、場合により1つまたはそれ以上のヘテロ原子を含み、かつ場合により
−ハロゲン;
−アルキル;
−アルケニル;
−O−アルキル;
−S−アルキル;および
−N(R52
よりなる群から選択される1つまたはそれ以上の置換基によって置換された融合5〜7員飽和環を形成し;
各R5は独立して、水素またはC1-10アルキルである)
の化合物、または薬学的に許容しうるその塩。
【請求項33】
患者のT細胞の刺激方法であって、
a)抗原部分とペアにされた免疫応答修飾因子部分を含む免疫刺激性組成物を供給する工程;
b)前記免疫刺激性組成物が抗原提示細胞に結合することを可能にし、これによって前記抗原提示細胞を活性化する工程;
c)前記活性化された抗原提示細胞が患者のT細胞を刺激することを可能にする工程を含む方法。
【請求項34】
前記免疫応答修飾因子部分が、Toll様受容体2、Toll様受容体4、Toll様受容体6、Toll様受容体7、またはToll様受容体8のアゴニストである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記免疫応答修飾因子部分が、イミダゾキノリンアミン;テトラヒドロイミダゾキノリンアミン;イミダゾピリジンアミン;アリールエーテル−置換イミダゾピリジンアミン;1,2−架橋イミダゾキノリンアミン;6,7−融合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン;イミダゾナフチリジンアミン;テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン;オキサゾロキノリンアミン;チアゾロキノリンアミン;オキサゾロピリジンアミン;チアゾロピリジンアミン;オキサゾロナフチリジンアミン;またはチアゾロナフチリジンアミンを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記免疫応答修飾因子部分と前記抗原部分とが共有結合されている、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記免疫応答修飾因子部分と前記抗原部分とが、前記抗原部分に関して前記免疫応答修飾因子部分の独立拡散を制限する共有結合以外の物理的または化学的会合によってペアにされる、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記免疫刺激性組成物が、コロイド縣濁液を含んでいる、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記免疫刺激性組成物は、試験管内で前記抗原提示細胞と結合することを可能にされる、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記免疫刺激性組成物が抗原提示細胞と結合することを可能にする工程が、
a)抗原提示細胞を含んでいる細胞培養物を供給する工程;および
b)抗原提示細胞を刺激するのに有効な量の免疫刺激性組成物と前記細胞培養物とを接触させる工程
を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記活性化された抗原提示細胞が患者のT細胞を刺激することを可能にする工程が、前記活性化された抗原提示細胞を患者に注射する工程を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記免疫刺激性組成物は、生体内で前記抗原提示細胞と結合することを可能にされる、請求項33に記載の方法。
【請求項43】
前記免疫刺激性組成物が抗原提示細胞と結合することを可能にする工程が、
a)前記免疫刺激性組成物をワクチンの一成分として供給する工程;および
b)このワクチンを患者に接種する工程
を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記免疫刺激性組成物が、腫瘍特異的抗原部分を含んでいる、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
抗体産生細胞の刺激方法であって、
a)抗原部分とペアにされた免疫応答修飾因子部分を含む免疫刺激性組成物を供給する工程;および
b)前記免疫刺激性組成物が前記抗体産生細胞と結合することを可能にする工程を含む方法。
【請求項46】
前記免疫応答修飾因子部分が、Toll様受容体2、Toll様受容体4、Toll様受容体6、Toll様受容体7、またはToll様受容体8のアゴニストを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記免疫応答修飾因子部分が、イミダゾキノリンアミン;テトラヒドロイミダゾキノリンアミン;イミダゾピリジンアミン;アリールエーテル−置換イミダゾピリジンアミン;1,2−架橋イミダゾキノリンアミン;6,7−融合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン;イミダゾナフチリジンアミン;テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン;オキサゾロキノリンアミン;チアゾロキノリンアミン;オキサゾロピリジンアミン;チアゾロピリジンアミン;オキサゾロナフチリジンアミン;またはチアゾロナフチリジンアミンを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記免疫応答修飾因子部分と前記抗原部分とが共有結合されている、請求項45に記載の方法。
【請求項49】
前記免疫応答修飾因子部分と前記抗原部分とが、前記抗原部分に関して前記免疫応答修飾因子部分の独立拡散を制限する共有結合以外の物理的または化学的会合によってペアにされる、請求項45に記載の方法。
【請求項50】
前記免疫刺激性組成物が、コロイド縣濁液を含んでいる、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記免疫刺激性組成物は、生体内で前記抗体産生細胞と結合することを可能にされる、請求項45に記載の方法。
【請求項52】
前記免疫刺激性組成物が抗体産生細胞と結合することを可能にする工程が、
a)前記免疫刺激性組成物をワクチンの一成分として供給する工程;および
b)抗体産生細胞を有する患者にこのワクチンを導入する工程
を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記免疫刺激性組成物が、腫瘍特異的抗原部分を含んでいる、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記免疫刺激性組成物は、試験管内で前記抗体産生細胞と結合することを可能にされる、請求項45に記載の方法。
【請求項55】
前記免疫刺激性組成物が前記抗体刺激性細胞と結合することを可能にする工程が、
a)抗体産生細胞を含む細胞培養物を供給する工程;および
b)前記抗体産生細胞を刺激するのに有効な量の免疫刺激性組成物と前記細胞培養物とを接触させる工程
を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記刺激された抗体産生細胞によって産生された抗体を収集する工程をさらに含む、請求項45に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−57699(P2011−57699A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−260166(P2010−260166)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【分割の表示】特願2004−543241(P2004−543241)の分割
【原出願日】平成15年8月14日(2003.8.14)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】