説明

免疫原性組成物

本発明はナイセリア属細菌(Neisserial)の免疫原性組成物およびワクチン、それらの製造およびかかる組成物の医薬における使用に関する。特に本発明はH因子結合タンパク質(fHbp)抗原に関わる組成物および方法に関する。本発明者らは、fHbpはST269クローン複合体(これに起因する疾患に関する複数の報告において増殖すると考えられる菌株のサブセット)における発現が乏しいこと、そして、これらの菌株に対して保護を誘発し得るさらなる抗原と共にワクチンを製剤することにより、fHbpを含むワクチンを、前記菌株に対してより有効にすることができるのを見出した。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)第1のfHbp、ポリペプチド抗原;および(2)髄膜炎菌ST269に対して抗体応答を作製することができる第2の抗原を含むものである、ナイセリア菌感染または疾患を予防するための免疫原性組成物。
【請求項2】
ナイセリア菌感染または疾患を予防する方法であって、それを必要とする個体に(1)第1のfHbp、ポリペプチド抗原;および(2)髄膜炎菌ST269に対して抗体応答を作製することができる第2の抗原を含む免疫原性組成物を投与するステップを含むものである前記方法。
【請求項3】
第2の抗原は髄膜炎菌ST269が病因である感染または疾患の予防用である、請求項1または2に記載の免疫原性組成物または方法。
【請求項4】
(1)第1のfHbp、ポリペプチド抗原;および(2)髄膜炎菌ST269に対して抗体応答を作製することができる第2の抗原を含むものである免疫原性組成物。
【請求項5】
第2の抗原は髄膜炎菌ST269が病因である感染または疾患の予防における使用に好適である、請求項4に記載の免疫原性組成物。
【請求項6】
ナイセリア菌感染または疾患が病因である感染または疾患の予防用である医薬の調製における、(1)第1のfHbp、ポリペプチド抗原;および(2)髄膜炎菌ST269に対して抗体応答を作製することができる第2の抗原の使用。
【請求項7】
組成物または方法は髄膜炎菌が病因である感染または疾患の予防用である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の免疫原性組成物、方法または使用。
【請求項8】
組成物は髄膜炎菌L2免疫型が病因である感染または疾患の予防用である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の免疫原性組成物、方法または使用。
【請求項9】
組成物は少なくとも70%は侵害性MenBクローン複合体が病因である髄膜炎菌感染または疾患を予防することができる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の免疫原性組成物または方法。
【請求項10】
第2の抗原はTdfI、Hap、HsfおよびTdfHから選択されるか、または前記抗原の2以上の組み合わせ、例えば、TdfIとHap、TdfIとHsf、HapとHsf、およびTdfIとHapとHsfからなる群より選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の免疫原性組成物または方法。
【請求項11】
組成物がさらにナイセリア菌株由来のNadAを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の免疫原性組成物、使用または方法。
【請求項12】
1以上の抗原が外膜小胞において発現される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の免疫原性組成物、使用または方法。
【請求項13】
第1と第2の抗原が同じ外膜小胞において発現される、請求項12に記載の免疫原性組成物、使用または方法。
【請求項14】
第1と第2の抗原が異なる外膜小胞において発現される、請求項12に記載の免疫原性組成物、使用または方法。
【請求項15】
第1と第2の抗原が同時送達用である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の免疫原性組成物、使用または方法。
【請求項16】
組成物が、任意に精製されたサブユニット産物としてまたはブレブ調製物内に、第1の抗原の0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10μg(またはそれ以上)のヒト用量を含むものである、請求項1〜15のいずれか1項に記載の免疫原性組成物、使用または方法。
【請求項17】
組成物が、任意に精製されたサブユニット産物としてまたはブレブ調製物内に、各第2の抗原の0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10μg(またはそれ以上)のヒト用量を含むものである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の免疫原性組成物、使用または方法。
【請求項18】
(1)第1のfHbp、ポリペプチド抗原および(2)髄膜炎菌ST269に対して抗体応答を作製することができる第2の抗原を含むものであるキット。
【請求項19】
組成物は、好適には髄膜炎菌由来のさらなる抗原を含むものである、請求項1〜18のいずれか1項に記載の免疫原性組成物、使用、方法またはキット。
【請求項20】
fHbp抗原は;
(i) fhBP A、
(ii) fhBP B、
(iii) アミノ酸配列F1およびF2を含むキメラタンパク質であって、F1は第1のfHbpアミノ酸配列のN末端断片であり;F2は第2のfHbpアミノ酸配列のC末端断片であり;前記第1と第2のfHbpアミノ酸配列は異なるfHbpファミリー由来であり;断片F1とF2は両方とも長さが少なくとも10個のアミノ酸であり;そしてその融合タンパク質は両方のfHbpファミリーに対して抗体を誘発することができる前記キメラタンパク質、ならびに
(iv) (i)、(ii)または(iii)に対して80%以上の同一性を有する免疫原性ポリペプチド、
から選択される、請求項1〜19のいずれか1項に記載の免疫原性組成物、使用、方法またはキット。
【請求項21】
fHbpが脂質化されている、請求項1〜20のいずれか1項に記載の免疫原性組成物、使用、キットまたは方法。
【請求項22】
fHbpはH因子結合を低下させるかまたは阻止する少なくとも1つの突然変異を有する、請求項1〜21のいずれか1項に記載の免疫原性組成物、使用、キットまたは方法。
【請求項23】
第1および/または第2の抗原を外膜小胞に発現するステップを含み、前記組成物がナイセリア菌感染または疾患の予防に使用される、先行する請求項のいずれか1項に記載の免疫原性組成物を製造する方法。
【請求項24】
外膜小胞を0〜0.5%界面活性剤で抽出する、請求項23に記載の製造方法。
【請求項25】
a. 第1のfHbpポリペプチドは好適には単離されかつ少なくとも50%純度に精製されたサブユニットポリペプチドであり、そして第2の抗原は外膜小胞に存在するものである、または
b. 第2の抗原は好適には単離されかつ少なくとも50%純度に精製されたサブユニット抗原であり、そして第1のfHbpポリペプチドは外膜小胞に存在するものである、
先行する請求項のいずれか1項に記載の免疫原性組成物、使用、方法またはキット。
【請求項26】
1以上の抗原が外膜小胞内に含まれ、前記1以上の抗原はアップレギュレーションされていて、無改変の髄膜炎菌、好適には菌株H44/76由来の外膜小胞に存在するタンパク質のレベルより高い抗原のレベルが外膜小胞に存在するものである、先行する請求項のいずれか1項に記載の免疫原性組成物、使用、方法またはキット。
【請求項27】
第2の抗原がST269菌株でないナイセリア菌株由来である、先行する請求項のいずれか1項に記載の免疫原性組成物、使用、方法またはキット。
【請求項28】
第2の抗原が髄膜炎菌のfHbpA株によって引き起こされる感染又は疾患を予防するためのものである、請求項1〜27のいずれか1項に記載の免疫原性組成物、使用、方法またはキット。
【請求項29】
第1の抗原を、髄膜炎菌L2免疫型に対して抗体を誘発することができる抗原、任意に、L2 LOS、TdfI、Hap、HsfおよびTdfHから選択されるか、または前記抗原の2以上の組み合わせ、例えば、L2 LOSとTdfI、L2 LOSとHap、L2 LOSとHsf、TdfIとHap、TdfIとHsf、HapとHsf、TdfIとHapとHsf、L2 LOSとTdfIとHap、L2 LOSとTdfIとHsf、ならびにL2 LOSとHapとHsfからなる群より選択される抗原と組み合わせるものである、請求項1〜27のいずれか1項に記載の免疫原性組成物、使用、方法またはキット。
【請求項30】
免疫原性組成物またはキットは髄膜炎菌感染または疾患の治療または予防用、例えば、髄膜炎菌L2免疫型感染または疾患の治療または予防用である、請求項29に記載の免疫原性組成物、使用、方法またはキット。
【請求項31】
髄膜炎菌ST11クローン複合体菌株に対する抗体を誘発することができる抗原が髄膜炎菌L2免疫型でない菌株由来である、請求項29または30に記載の免疫原性組成物、使用、方法またはキット。
【請求項32】
第1の抗原を、髄膜炎菌ST11クローン複合体菌株に対して抗体を誘発することができる抗原、任意に、L2 LOS、TdfI、Hap、HsfおよびTdfHから選択されるか、または前記抗原の2以上の組み合わせ、例えば、L2 LOSとTdfI、L2 LOSとHap、L2 LOSとHsf、TdfIとHap、TdfIとHsf、HapとHsf、TdfIとHapとHsf、L2LOSとTdfIとHap、L2 LOSとTdfIとHsf、およびL2 LOSとHapとHsfからなる群より選択される抗原と組み合わせる(または製剤する)ことを特徴とする、請求項1〜31のいずれか1項に記載の免疫原性組成物、使用、方法またはキット。
【請求項33】
免疫原性組成物またはキットは髄膜炎菌感染または疾患の治療または予防用、例えば、髄膜炎菌ST11クローン複合体感染または疾患の治療または予防用である、請求項32に記載の免疫原性組成物、使用、方法またはキット。
【請求項34】
髄膜炎菌ST11クローン複合体菌株に対する抗体を誘発することができる抗原が髄膜炎菌ST11でない菌株由来である、請求項32または33に記載の免疫原性組成物、使用、方法またはキット。
【請求項35】
第1の抗原をNadAと組み合わせるまたは製剤する、請求項1〜34のいずれか1項に記載の免疫原性組成物、使用、方法またはキット。
【請求項36】
第1の抗原をLipo28と組み合わせるまたは製剤する、請求項1〜35のいずれか1項に記載の免疫原性組成物、使用、方法またはキット。
【請求項37】
請求項1〜36に記載の免疫原性組成物の第1の抗原を含むワクチンを、髄膜炎菌クローン複合体ST269、または免疫型L2とクローン複合体ST269、またはクローン複合体ST11とクローン複合体ST269、または免疫型L2とクローン複合体ST11とクローン複合体ST269が病因である疾患または感染の予防における使用にとってより好適であるように改善する方法であって、請求項1〜36のいずれか1項に記載の免疫原性の第1の抗原を第2の抗原と共に製剤して請求項1〜36のいずれか1項に記載の免疫原性組成物を生産するステップを含むものである前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−521327(P2013−521327A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556523(P2012−556523)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際出願番号】PCT/EP2011/053632
【国際公開番号】WO2011/110636
【国際公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(305060279)グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム (169)
【Fターム(参考)】