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免疫原性LHRH組成物およびそれに関する方法
説明

免疫原性LHRH組成物およびそれに関する方法

【課題】動物の繁殖力および行動様式の修飾、発育増進、飼料転換比率の低減、または、好ましからぬ感覚刺激性特徴の制御、または生殖官器障害治療等の家畜生産増強達成のための予防薬および/または治療薬の提供。
【解決手段】一般的には免疫原性LHRH組成物に関し、一層具体的には、少なくとも5個のアミノ酸のLHRH C末端フラグメントを含む免疫原性LHRH組成物。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、一般的には免疫原性LHRH組成物、および一層具体的には少なくとも5つのアミノ酸のLHRH C末端フラグメントを含む免疫原LHRH組成物に関するものである。本発明は、動物の繁殖力および行動様式の修飾、成育増進、飼料転換比率低減または好ましからぬ感覚刺激性特徴の制御、または生殖官器障害治療等の家畜生産増強を達成するための、予防薬および/または治療薬として特に有用である。
【0002】
本明細書中に著者により引用された刊行物の書誌的詳細は明細書の最後にまとめてある。明細書中に引用されたアミノ酸配列に対する配列番号(SEQ ID NO) は書誌に続いて明示してある。
【0003】
明細書および特許請求の範囲を通じて特に言及がなければ、”含む”なる用語、および”含んでなる”の変形用語は、記載した完全体もしくは工程または完全体群もしくは工程群の包含を意味するものと理解されるべきであり、他の完全体もしくは工程または完全体群もしくは工程群の排除を意味するものではない。
【0004】
視床下部黄体形成ホルモン放出ホルモン(”LHRH”と呼称、GnRHとも言う)に対するワクチン投与免疫化は1970年代以来、生殖制御の免疫学的方法として証明されてきた(Fraser 1975 年、Jeffcoate ら 1982 年)。LHRHに対する免疫応答を引き出すと、生殖腺すなわち雄の睾丸および雌の卵巣の発育および維持に必要なホルモンLHおよびFSHの脳下垂体前葉からの放出が妨げられる。その結果、LHおよびFSH水準の低減が生殖機能の消失に導く。
【0005】
去勢(または中性化)手術は家畜用医薬および家畜用動物管理において最も広く実施される外科的手法である。家畜用動物および付き添い動物両方のかなりの割合は、性的成熟に伴う好ましからぬ様々な特徴を防止するために定期的に去勢される。この種の特徴的行動の様式の例には、格闘、さまよい、性的挙動、状態消失、繁殖官器の腫れ、および受精が包含される。
【0006】
イヌ、ネコおよびウマ等の付き添い動物、および家畜特に雄ブタおよび雄や雌ウシではLHRH−接合体ワクチンによるワクチン接種による交尾挙動の抑制が、受精制御と同じ程度の有意の目標として本発明者により認識されてきた。
【0007】
同様に、例えば睾丸がん、乳房がん、前立腺がん、卵巣がん、前立腺肥大または子宮内膜症等の、ヒトおよび動物両方の生殖腺および他の生殖官器疾患の制御および治療は重要である。
【0008】
LHRH接合体ワクチンを用いてウサギにワクチン接種した最初の公開報告は、睾丸の発育に関して劇的な効果が達成されたことを示した。LHRHワクチンをブタに適用した初期の報告(Falvo ら、1986, Caraty および Bonneau 1986)によると、ヒト血漿グロブリンまたはウシ血漿アルブミンに接合した1−10LHRH系の有効処方が、睾丸の発育および去勢しない雄ブタの汚染物の制御をなし得ることを示した。Awonyi ら(1988) は、LHRHに対するブタのワクチン接種の効果は主として睾丸に影響したことを示す。これらの全ての試みは、小数の動物で試みられ、有効性についての報告はない。
【0009】
去勢しない雄ブタ汚染物の制御におけるLHRH−接合体ワクチンの可変性問題は、E.
coli (Zee ら 1995) からのピリ腺毛を包含する担体タンパク質中に、および Pasteurella haemolytica (Potter ら 1997) からの端を切り取ったロイコトキシン遺伝子中にLHRHアミノ酸配列を遺伝子的に組み込むことで克服しようという試みがなされた。これらの融合タンパク質は組み換え分子として生産され、したがって生化学的結合により生産されたものではない。これらの組み換えタンパク質は免疫去勢ワクチンとして機能することを試行は示している。しかしこれらは、ワクチンとして市販されるには至らず、情報によれば所望の有効性には達していないことを暗示している。
【0010】
疾病予防用に広く適用され、高度に発達したサブユニットワクチンが完璧さにはなお及ばないことを考慮すると、特定LHRH−タンパク質接合体系の免疫去勢ワクチンも、LHRHに対する抗体誘発や生殖機能に伴うホルモン他のパラメータを低減するには未だ不満足であることをが判っている。各種のLHRH−接合ワクチンを用いたLHRHに対する抗体の有効な誘発において広範な変異が一般的に認められている(Melon ら 1994)。
フロイント補助剤中の1-10 LHRHペプチド−ヒト血漿アルブミン接合体を用いた家畜ウシのワクチン接種(Robertson ら 1982)では、ワクチン接種した10匹中僅かに5匹だけが2回のワクチン接種後にLHRHに対する良好な抗体応答を与えた。ブースター接種でさえも、この劣った応答体は抗体力価を維持せず、または抑制されたテストステロンを有した。家畜ウシ用に開発された市販ワクチン(Vaxstrate)の有効性は僅か80%に過ぎなかった(Hoskinson ら 1990)。
【0011】
ネズミにおける実験では(Sad ら1991)
、LHRH−接合体に対する応答は遺伝子に基づくことが判った。このワクチンは位置6のL−グリシンの代わりにD−リシンが置換した 1-10 LHRHペプチドであり、ジフテリア・トキソイドに接合し明礬で補助されたものであった。幾つかのネズミ株は、良く応答したが、一方、他のものはLHRHに対する抗体の抑制を示した。これらの結果はワクチン製剤に係わる当業者をして、異型交配集団の有意な割合がLHRH−接合サブユニット型ワクチンに対して応答できないか、または劣った応答をするであろうことを予期させるはずである。
【0012】
雄ブタのワクチン接種は、睾丸成長の可変的抑制および、去勢しない雄ウシの汚染物が抑制される結果を生じた。Bonneau および共同研究者(Bonneau ら 1994)らは、一次ワクチン接種用およびブースターワクチン接種用のサポニン補助剤のための油性乳化物中に与えた 1-10 LHRH−αグロブリン接合体が、ワクチン接種した20匹のブタ中90%のみに抗体応答を与えたことを示した。テストステロン水準は僅か16/20ワクチン接種体のみで抑制されたに過ぎなかった。このように、抗体の量ならびに質はLHRH−接合体系ワクチンの有効性決定には重要である。Hagen ら(1988) は、フロイント補助剤中のLHRH−ウシ血漿アルブミン(BSA)接合体を用いた、去勢しない雄ウシのワクチン接種が汚染物を低減したと主張した。しかし、2/6の去勢しない雄ウシは抗体応答が低く、かつ、通常の精子形成および睾丸機能を示した。スカトール水準はLHRHに対するワクチン接種では影響されなかった。たがって、現在使用に供されているものよりも、一貫して一層高度の効果を示すLHRHワクチンの開発の必要性がある。
【0013】
本発明に到達する過程で発明者は、LHRHに対するワクチン接種効果は、LHRHをジフテリア・トキソイドおよびイオン性多糖との接合体として投与すると、有意に改良されることを確認した。
したがって本発明の観点の一つは、LHRHに対する有効な免疫応答を引き出すのに使用するための調合薬に関し、上記調合薬はイオン性多糖に吸着されたLHRH−ジフテリア・トキソイド接合体を含んでなる。
”イオン性多糖”なる用語は、正もしくは負に荷電した多糖もしくは誘導体またはその化学的同等物を指すものと理解されるべきである。”誘導体”および”化学的同等物”なる用語は、下記に概略したと同じ意味を有するものと理解されるべきである。上記イオン性多糖は溶解性でも非溶解性でもかまわない。上記イオン性多糖はイオン性デキストランであることが好ましい。一層好ましいイオン性デキストランはDEAE−デキストラン、デキストラン硫酸またはQAE−デキストランである。最も好ましい上記イオン性デキストランはDEAE−デキストランである。上記イオン性デキストランのデキストラン成分の分子量は250,000から4,000,000Daの範囲、および一層好ましくは500,000から1,500,000Daの範囲である。
【0014】
最も好ましい実施態様に従えば本発明は、DEAE−デキストランンに吸着したLHRH−ジフテリア・トキソイド接合体を含む調製物、すなわちLHRHに対する有効な免疫応答を引き出すことに使用する調製物に関する。
【0015】
”有効”な免疫応答なる用語は、処置された動物の少なくとも90%好ましくは少なくとも95%において、直接または間接のいずれかで、結局は生殖機能(すなわち、生殖器官活性のいずれか一種もしくは二種以上の機能を低下もしくは妨げたり、または、生殖もしくは生殖活動の一種もしくは二種以上のいずれかの観点が低下するような態様で動物のホルモン水準を変調させる)の低下もしくは完全封鎖に至らしめる免疫応答を指すとものと理解されるべきである。効能とは機能尺度であり、抗LHRH抗体力価のみを参照に決定されないことを理解されるべきである。その理由は循環抗体のみの存在では生殖機能を封鎖する循環抗体の能力の指標であるとは必ずしも言えないからである。”生殖器官”なる用語は広義には、雄および雌の生殖腺および付属生殖器を指すものと理解されるべきである。
【0016】
”付属生殖器”なる用語は広義において、例えば前立腺、乳房および子宮をも包含するものと理解されるべきである。
【0017】
”LHRH”なる用語は、LHRHの全ての形態およびその誘導体もまた包含するものと判読されるべきである。
【0018】
”誘導体”なる用語中には、フラグメント、一部、部分、化学的同等物、突然変異体、同族体、および、融合タンパク質を包含する天然、合成もしくは組み換え源からの類似体が包含される。例えば、上記LHRHの例には、配列番号 NO:1 または配列番号 NO:2 または配列番号 NO:3 または配列番号 NO: 4中に実質的に記載されるか、またはこれらに少なくとも50%類似性を示すアミノ酸配列を含むペプチド類が包含される。配列番号 NO: 1、 2、 3で定義された分子はヒトからの分子であり、全ての哺乳類に亙って保存される。配列番号 NO:4 は配列番号 NO:2 の誘導体であり、この誘導体ではN末端にスペーサーが導入されている。LHRHの化学的同等物はLHRHの機能類似体として作用できる。化学的同等物は必ずしもLHRHから誘導はされないが、一定の類似性を共有できる。これとは別に、化学的同等物は、LHRHの一定の物理化学的性質を模倣するように特別に設計できる。化学的同等物は化学的に合成されてもよく、または例えば天然生成物のふるい分けに従って見付けてもよい。
【0019】
ここでLHRHの同族体として考慮される例には、トリ、サカナ、爬虫類および無脊椎動物等の種々の種族由来のLHRHが包含されるが、これらのみに限定はされない。
【0020】
また”誘導体”は、アミノ酸の挿入、欠失または置換により誘導されてもよい。アミノ酸挿入誘導体の例には、単アミノ酸もしくは複アミノ酸の配列内挿入ならびにアミノおよび/またはカルボキシル末端融合も包含される。挿入アミノ酸配列変種とは、一種もしくは二種以上のアミノ酸または非天然アミノ酸残基がタンパク質の予め決められた部位に導入されたものであり、得られる生成物を適切にふるい分けすれば無作為挿入が可能である。失欠変種は、一種または二種以上のアミノ酸が配列から除去されることにより特徴付けされる。置換アミノ酸変種は、配列中の少なくとも一つの残基が除去され、その場所に異なった天然もしくは非天然残基が挿入されたものである。典型的置換は表1に従って作られた置換である:
【0021】
表1
アミノ酸置換に適する残基
元の残基 置換の例
Ala Ser
*Arg Lys
Asn Gln;His
Asp Glu
Cys Ser
Gln Asn
*Glu Ala
*Gly Pro
*His Asn;Gln
Ile Leu;Val
*Leu Ile;Val
Lys Arg;Gln;Glu
Met Leu;Ile
Phe Met;Leu;Tyr
*Ser Thr
Thr Ser
*Trp Tyr
*Tyr Trp;Phe
Val Ile;Leu
*印のアミノ酸残基は哺乳類LHRH配列中に存在する残基を示す。
【0022】
非天然アミノ酸の例には、上記アミノ酸のD−異性体が包含されるが、これらのみに限定されない。アミノ酸配列への”付加”なる用語には、他のペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質との融合が包含される。
【0023】
ジフテリア・トキソイドなる用語は、ジフテリア・トキソイドおよびその誘導体の全ての形を指すものと理解されるべきである。”誘導体”なる用語は、上記定義と同一の意味である。誘導体には例えば、ジフテリア・トキソイドT細胞エピトープまたは単離の上記T細胞エピトープを含む分子が包含できる。
【0024】
上記LHRHは少なくとも5個のアミノ酸のLHRH C末端フラグメントを含むのが好ましい。一層好ましくは上記LHRHは、実質的に配列番号 NO: 2 記載のアミノ酸を含み、この場合、上記アミノ酸配列のカルボキシル末端はアミド化されている。好ましい上記のLHRHは”LHRH2−10形”と呼称される。
【0025】
最も好ましい実施態様に従えば、LHRHに対する有効な免疫応答の引き出しに使用する調製物が提供され、この調製物はDEAEデキストランに吸着されたLHRH2−10形−ジフテリア・トキソイド接合体を含む。
他の好ましい実施態様における上記LHRHは、配列番号 NO:4 に実質的に記載されたようなアミノ酸配列を含む。上記の好ましいLHRHを、ここでは”修飾LHRH2−10形”と呼称する。
【0026】
好ましい実施態様に従えば、LHRHに対する有効な免疫応答を引き出すのに用いるための調製物が提供され、上記調製物はDEAEデキストランに吸着した修飾LHRH2−10ジフテリア・トキソイド接合体を含む。
【0027】
上記ペプチドはFmoc 化学により合成でき、かつ生成したペプチドは担体タンパク質ジフテリア・トキソイドに結合し得るが、これらに限定されるものではない。上記結合は Ladd ら(1990) または
Bonneau ら (1994) による記載のように遂行でき、かつ、生成したペプチドと担体タンパク質の接合体(ここでは”ペプチド接合体”と呼称する)は未結合ペプチドおよび他の接合体副産物から遊離するために処理される。この種の処理は、従来型の透析または限外濾過により遂行できる。生成したペプチド接合体はイオン性多糖アジュバントに吸着される。
【0028】
いずれか一つの説または作用態様のみに限定されることはないが、本発明のLHRH調製物の有効量を投与すると、従来技術に記載のLHRH−担体−アジュバント組成物よりも有意に一層有効な免疫応答が誘発される。上記のような改良された効能は、この免疫原性LHRH組成物が担体ジフテリア・トキソイドとイオン性多糖アジュバントとを特別に含む場合に観察される。
【0029】
本発明の他の観点では、一種または二種以上の医薬として容認される担体および/または希釈剤と共に、イオン性多糖に吸着されたLHRHジフテリア・トキソイド接合体を含む医薬組成物が提供される。
【0030】
上記イオン性多糖はDEAEデキストランが好ましい。上記LHRHはLHRH2−10形であることが一層好ましい。
【0031】
ここで用いる”医薬”なる用語には、”獣医用薬”も包含される。
注射用として好適な医薬形状には、滅菌水性溶液(水溶性の場合)もしくは分散物、および、滅菌注射溶液もしくは分散物の即席調製のための滅菌粉末が包含される。これらは製造および貯蔵条件下で安定でなければならず、かつ、細菌やカビ類等の微生物の汚染作用に対抗して保存される必要がある。上記担体は例えば水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコールおよび液状ポリエチレングリコールその他)、これらの適切な混合物、ならびに植物油を含む溶剤または分散媒体であり得る。例えばレシチン等被覆剤の使用、および、分散物の場合には所要粒子径の維持、ならびに界面活性剤の使用により、適切な流動性が維持できる。微生物作用の防止は、例えば、パラベン、クロロブタノール、フエノール、ソルビン酸、チメロサールその他の各種抗細菌剤および抗カビ剤により達成できる。等張剤、例えば糖または塩化ナトリウム等を含むことが好ましい。注射用組成物の長期吸収または遅延放出は、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン等の吸収遅延剤を組成物中に使用することにより遂行できる。
【0032】
必要に応じて上記列挙の各種の他の成分と共に、所要量の上記活性化合物を適当な溶媒中に配合することにより、滅菌注射用溶液を調製し、次いで濾過滅菌する。一般的には、上記列挙のものから選択した他の所要成分および基本的分散媒体を含む滅菌ビヒクル中に各種滅菌活性成分を配合して分散物を調製する。滅菌注射用溶液を調製するための滅菌粉末の場合には、減圧乾燥、凍結乾燥およびスプレー乾燥が好ましい手法であり、これにより予め滅菌濾過した溶液からの所望追加成分プラス上記活性成分の粉末を生じる。
【0033】
例えば不活性希釈剤もしくは同化性の食用担体と共に活性成分が適切に保護される場合、活性成分は経口投与ができ、または硬質もしくは軟質殻ゼラチンカプセル中に封入でき、または錠剤中に圧縮でき、またはダイエット食品中に直接配合ができる。経口投与の場合、活性化合物は賦形剤と配合してもよく、かつ、経口摂取用錠剤、ほお用錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル剤、懸濁物、シロップ、ウエハー、その他の形態で使用できる。この種の組成物および調製物は活性化合物を少なくとも1重量%含有すべきである。組成物および調製物の百分率は当然ながら変動可能であり、通常は単位重量の約5から約80%の間にある。この種の有用な組成物中の活性化合物の量は、適切な投薬が得られるであろう量である。本発明に従った好ましい組成物または調製物は、経口用量単位形態が活性化合物約0.1μgから2000μg含むように調製される。
【0034】
錠剤、トローチ、ピル、カプセルその他もまた、次に掲げる成分を含有できる:ガム、アカシア、トウモロコシ澱粉もしくはゼラチン等の結合剤;リン酸二カルシウム等の賦形剤;トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、アルギン酸その他の崩壊剤;ならびにステアリン酸マグネシウム等の滑剤。用量単位形態がカプセルである場合、上記型の材料以外にも、液状担体を含有できる。被覆剤として、または、用量単位の物理的形状修飾のための他の各種材料も含有できる。エリキシルもしくはシロップは活性化合物、保存剤としてのメチルおよびプロピルパラベン、ならびに色素を含有できる。用量単位形態調製用のいずれの材料も、採用する量において獣医学的に純粋で実質的に非毒性であるべきである。加えて、この活性化合物(単または複)は持続放出性調製物および製剤中に配合できる。
【0035】
医薬として容認し得る担体および/希釈剤の例には、あらゆる溶媒のいずれか、分散媒体、被膜剤、抗細菌および抗カビ剤、等張および吸収遅延剤その他が包含される。獣医学的活性物質に対する、この種の媒体の使用は当業者には周知である。従来型の媒体もしくは薬剤が上記活性成分と非相容性でない限りにおいて、治療用組成物中へのこれらの使用が考慮できる。補助的活性成分も組成物中に取り入れ可能である。
【0036】
投与を容易にし、かつ用量均一化の目的で、用量単位形態の非経口組成物を処方するのが特に有利である。家畜への投与の場合、反復ワクチン用ガンに連結したマルチ用量容器の使用は特に有利である。ここに記載する”用量単位形態”なる用語は、処置対象体に対する単位用量として適した、物理的に区別された単位を指し;各単位は所望治療効果が生ずるように計算された活性材料を、予め決められた量だけ所望医薬担体と共に含有している。本発明の新規な用量単位形態の規格は、(a)活性材料のユニークな特性、および達成されるべき特定治療効果;ならびに(b)ここに詳細な記載があるように、身体の健康状態が損なわれた疾病状態にある生きた被検体の病気治療のために、この種の活性材料を配合する場合に業界では付き物の各種の制約;により左右され、かつ直接にこれらに依存している。
【0037】
簡便で有効な投与が可能なように上記活性主成分は、医薬として容認できる適切な担体と共に、上記用量単位形態における有効量が配合される。単位用量形態は、例えば、0.5μgから約2000μg範囲の量の活性主化合物を含有できる。比率で表示すると、この活性化合物は担体ml当たり約0.5μgから約2000μgで含有されるのが一般的である。補助活性成分を含む組成物の場合の用量は、上記成分の通常の用量および投与態様を参考に決定される。
【0038】
いずれか一説または作用態様に限定されるものではないが、LHRHに対する有効な免疫応答の誘発は下垂体前葉からのホルモンLHおよびFSHの放出を妨げる結果になる。これらのホルモンは生殖腺の発達および維持に必要なので、これらのホルモンの水準低下は生殖機能の低下または消失に繋がる。したがってワクチン摂取した動物は有効に中性化される結果、闘争、うろつき、性的挙動、状態損失、感覚刺激特性、生殖器の腫れおよび受精等の性的熟成に伴う特徴が消失または低下するに至る。
【0039】
したがって本発明の他の観点は、LHRHに対する有効な免疫応答を動物において引き出す方法に関し、この方法はLHRH−接合体の有効量を上記動物に投与することが包含される。
【0040】
”LHRH−接合体”なる用語は、本発明におけるLHRH調製物を指すものと理解されるべきである。
【0041】
”動物”なる用語は、霊長類(例えばヒト、サル)、家畜動物(例えばヒツジ、ウシ、ウマ、ロバ、ヤギ、ブタ)、実験室的試験動物(例えばラット、テンジクネズミ、ウサギ、ハムスター)、付き添い動物(例えばイヌ、ネコ)、捕獲野生動物(例えばエミユー、カンガルー、シカ、キツネ)、トリ(例えばニワトリ、カモ、チヤボ、キジ、エミユー、ダチョウ)、爬虫類(例えばトカゲ、ヘビ、カエル)および魚類(例えばマス、サケ)を包含する全ての動物を指すものと理解されるべきである。上記動物は雄または雌でありうる。
【0042】
最も好ましい実施態様における本発明は、LHRHに対する有効な免疫応答を動物において引き出す方法に関し、上記方法はLHRH接合体の有効量を上記動物に投与して上記免疫応答により上記動物の生殖能力を阻害することを包含する。
【0043】
好ましい上記LHRH−接合体はLHRH2−10形である。
【0044】
”動物の生殖能力を阻害する”なる用語は、いずれか一種または二種以上の生殖器官活動の機能の部分的もしくは完全な低減、または、性的活動等の生殖活動を縮小させる態様での上記動物のホルモン水準の変調として理解されるべきである。
【0045】
動物の生殖能力の阻害は、上記動物の去勢もしくは性的熟成に伴う特性(例えば闘争、うろつき、性的挙動、状態損失、望ましからぬ感覚刺激特性、生殖器の腫れおよび受精)の低下もしくは排除等の多数の結果を招くが、これらのみには限定されない。”去勢”なる用語は、雄および雌両方の動物の中性化を指すものと理解されるべきである。動物の生殖能力の阻害は、腫瘍細胞増殖(例えば、前立腺がん細胞、乳房がん細胞、卵巣がん細胞または睾丸がん細胞)の停止、例えば前立腺肥大、子宮内膜症もしくは炎症性応答等の過形成の阻害または逆転を引き起こす結果にもなる。
【0046】
したがって本発明の他の観点は、動物を去勢するための方法に関し、上記方法は有効量のLHRH−接合体を上記動物に投与することを包含する。
【0047】
好ましい上記LHRH−接合体は、LHRH2−10形である。
【0048】
本発明の他の観点は、雌動物の発情周期を調節する方法に関し、上記方法は有効量のLHRH−接合体を上記動物に投与することを包含する。
【0049】
好ましい上記LHRH−接合体はLHRH−2−10形である。
【0050】
”調節”なる用語は、広義には例えば発情の阻害または遅延を包含するものと理解されるべきである。
【0051】
本発明のさらなる他の観点は、動物の性的熟成により誘発される特徴を阻害する方法に関し、上記方法は有効量のLHRH−接合体を上記動物に投与することを包含する。
【0052】
好ましいLHRH−接合体はLHRH2−10形である。
【0053】
”動物の性的熟成により誘発される特徴の阻害”なる用語は、性的熟成により直接もしくは間接に誘発される、一種または二種以上のいずれかの物理的および/または挙動的特徴の低減または完全排除を指すものと理解されるべきである。上記物理的および/または挙動的特徴には、例えば闘争、うろつき、性的挙動、状態損失、望ましからぬ感覚刺激特性、発情サイクリング、受精、妊娠および生殖官器の腫れ等が包含される。したがって、上記特徴の阻害例には、排卵防止もしくは遅延のための性的活動の阻害(例えば他の雌ウシ上にまたがる雌ウシの防止)、闘争挙動の低減または雄ブタ汚染物等の好ましからぬ感覚刺激性特徴の低減が包含される。特に好ましい実施態様における上記特徴は、攻撃性および性的活動である。
【0054】
本発明の好ましい実施態様によれば、動物の攻撃性を阻害する方法が提供され、上記方法は、有効量のLHRH2−10形−接合体を上記動物に投与することを包含する。
【0055】
他の好ましい実施態様では、動物の性的活動を阻害する方法が提供され、上記方法は有効量のLHRH2−10形接合体を上記動物に投与することが包含される。
【0056】
雄イヌおよびネコにおけるLHRH接合体を用いたワクチン接種は、好ましからぬ挙動特に闘争および放浪癖を制御するのに使用できる。雌イヌおよびネコにおける望ましい効果は、”イン・ヒート”または”イン・シーズン”と通常呼称される発情時期における受精の制御および好ましからぬ挙動の制御にある。雌における好ましからぬ挙動の例には、気難しさの高揚、縄張り形成、うろつき、および発情に伴う他の挙動が包含される。
【0057】
最も好ましい実施態様に従えば、ネコおよび/またはイヌの性的熟成により誘発される特徴を阻害する方法が提供され、この方法は有効量のLHRH−接合体を上記ネコおよび/またはイヌに投与することを包含する。
【0058】
最も好ましい上記特徴としては、闘争、および雄ネコ/またはイヌの放浪および気難しさ、縄張り形成、うろつき、および雌ネコおよび/イヌの発情挙動が挙げられる。
【0059】
サラブレッド馬産業における種馬の競馬は、操作の困難さ、および訓練の容易さと持続性に困難を伴う。若い雄子馬の大多数は去勢し、それらを一層管理し易くするする目的で去勢ウマとして飼育する。このことは、競争馬としてのこれらの潜在性には顕著な影響を与えないように見える。好ましからぬ挙動的問題点を制御するためのワクチンは、実現されるべき雄ウマの完全な競争的潜在性を可能にするであろうし、競争経歴終了後の種動物としての遺伝子的利益の追加的な取得を可能にする。
【0060】
雄子馬および雌馬のレーシングは春に最高で、ある程度は、世界の温暖な気候における秋に盛んである。ウマの季節はこの時期に到来する。この時期には、訓練の困難さ、操縦の困難さ、および競争性能の貧弱化に伴う困難が生ずる。発情制御用HRHワクチンは競争馬産業に大きな既設市場をもつ。最近では、競争用雄子ウマおよび雌ウマの発情制御用の市販ホルモン類似体系製品が現れている。これらは、処置された雌ウマの繁殖能力に永続的な影響を及ぼすと報告される。
【0061】
したがって他の好ましい実施態様では、ウマの性的熟成により誘発される特徴を阻害する方法が提供され、この方法は、有効量のLHRH−接合体を上記ウマに投与することが包含される。
【0062】
最も好ましい特徴は、雄子ウマにおける闘争、および雌ウマにおける発情挙動および不安定挙動である。
ウシでは、雄ウシの取り扱い難い挙動は周知である。雄ウシの闘争は、牧夫、柵や水桶等の無生物に向かうので、その結果、ウシ間で大きな喧嘩が起きる。したがって殆どの牛肉生産国では、牛肉生産用に運命ずけられた雄ウシは子ウシの間に去勢し、去勢した雄子ウシを飼育する。完全な雄ウシよりもむしろ子ウシを飼育するのは生産効率上相当の負の影響を与えるが、一層素直な子ウシを飼育する代償としては、必要でさえあるとして容認される。
【0063】
若い雌子ウシは米国およびオーストラリアで牛肉生産用に飼育される。飼育場における若雌ウシのサイクリングは著しい生産低下を引き起こす。サイクリングする若雌子ウシの活性水準は大きく高まり、その結果、サイクリングの5−7日に亘り貧弱な負の成長を来す。発情期の若雌子ウシの活動が高まると、同じ囲い内の他の若雌子ウシに衝撃を与え、柵内50−100匹の動物の生産性能が影響を受ける。米国では、若雌子ウシには合成ステロイドである酢酸メレンゲストロール(MGA) を発情制御の目的で飼料に含ませて与える。オーストラリアや、ホルモン系飼料補助剤が禁止されている他の諸国では、若雌子ウシは MGAを与えずに飼育場で飼育するが、生産性能は劣る。
【0064】
したがって家畜の免疫去勢は、性的熟成に伴う特徴を低減または除去するが、一般的には、去勢しない動物に比べて免疫去勢動物では生産増強に対して負の衝撃を与える。この説は、完全な動物は去勢動物よりも著しく速く、かつ一層効率よく生長すると言う、充分に確立した事実に準拠する。それにもかかわらず本発明者は、本発明のLHRH調製物を家畜に投与することは、生産増加達成を来すことを確認した。
【0065】
ここで”生産増加”なる用語には、屠殺業者における家畜の最終的重量増加のみに限定されることなく、胴体増加重量kg当たりに要した飼料量の低減、未去勢家畜と比較した上記家畜の生長速度増加、上記家畜由来の肉質の向上(例えば、肉質の好ましからぬ感覚的特徴の制御による)、または集約的飼育家畜の相互闘争反応の低減による集約的飼育動物のストレス水準の低下も包含され、ブタに関しては雄ブタ汚染物の制御も包含される。
【0066】
従って本発明の他の観点は、家畜における生産増加を達成するための方法であって、この方法には有効量のLHRH−接合体を上記家畜に投与することが包含される。
【0067】
好ましい上記生産増加とは、雄家畜からの肉の好ましからぬ感覚的特徴の低減または除去である。
【0068】
このLHRH−接合体は、遅放性もしくは脈動性放出ワクチンとしての単回用量例えば単回投与、または、多重用量で家畜に投与できる。
【0069】
好ましい上記LHRH−接合体はLHRH2−10形である。
【0070】
したがって本発明の他の観点は、家畜の生産増加の達成方法が提供され、この方法はLHRH2−10形−接合体の有効量を上記家畜に投与することが包含される。
【0071】
上記の好ましい生産性の増加は、雄家畜からの肉質の好ましからぬ感覚的特徴の低減または除去である。
【0072】
”家畜”なる用語には、ブタ、ウシ、ヒツジ等の哺乳類、シカ等の捕獲野生動物、およびエミユーもしくはダチョウ等の鳥類が包含されるが、これらのみに限定はされない。上記家畜で最も好ましいのは、ブタおよびウシである。
【0073】
本発明の最も好ましい実施態様に従えば、ブタの生産増加の達成方法が提供され、この方法は、有効量のLHRH2−10形−接合体を上記ブタに投与することが包含される。
【0074】
上記の好ましい生産増加とは、雄ブタの汚染物の低減または除去である。
【0075】
最も好ましい他の実施態様では、ウシの生産増加の達成方法が提供され、この方法は、有効量のLHRH2−10形−接合体を上記ウシに投与することが包含される。
【0076】
動物特にヒトでは、直接または間接にLHRHにより変調される疾患の予防もしくは治療用として、LHRH−接合体を用いたワクチンが使用できる。これらの疾患のなかには、LHRHにより調節されるか、またはそれ自体がLHRHにより調節されるホルモンにより調節される細胞の悪性腫瘍、例えば睾丸がん、乳房がん、卵巣がん、前立腺がん、および腫瘍胎児細胞のがん、または、悪性腫瘍が生じる際に腫瘍胎児抗原を発現するよう誘発される細胞のがんが包含される。これらの疾患の例中には、過形成例えば前立腺過形成または子宮内膜過形成等の非悪性腫瘍増殖疾患も包含される。一説または作用態様のみに本発明を限定することはないが、ある種の腫瘍細胞は生殖ホルモンに対する受容体を発現し、これの合成はLHRHにより調節される。LHRHに対するワウチン接種により、これらのホルモンの放出を妨げることが可能である。本発明のLHRH−接合体は、卵巣多嚢胞、子宮内膜症および炎症性症状等の疾患の治療または防止にも使用できる。本発明におけるLHRH−接合体のさらなる用途には、性的衝動の変調に基づくヒト受精処置が包含される。
【0077】
したがって本発明の他の観点は、LHRHにより直接または間接に調節される細胞の生長を阻害する方法に関するものであり、この方法は有効量のLHRH−接合体を投与することが包含される。
【0078】
上記細胞の好ましい例とは、ヒト細胞である。
【0079】
”生長”なる用語は、増殖、分化または上記細胞の機能的活動を指す。”LHRHにより直接または間接に調節される”なる用語は、LHRHそれ自体により調節される細胞生長、または、それ自体がLHRHにより直接または間接のいずれかで調節される、LHRH以外のホルモンにより調節される細胞生長を指すものと理解されるべきである。
【0080】
”阻害する”なる用語は、細胞生長の阻止、細胞生長の休止または細胞生長の控えめな調節を指すものと理解されるべきである。この種の細胞は、臓器内部に位置し、そこから送出されたり、または悪性腫瘍乳房細胞が肝臓に転移する場合のように動物体内の他の場所に駆り立てられる。
【0081】
特に好ましい実施態様における上記細胞とは、悪性腫瘍細胞、および最も具体的に言えば、悪性腫瘍睾丸細胞、悪性腫瘍乳細胞、悪性腫瘍卵巣細胞または悪性腫瘍前立腺細胞である。
【0082】
他の好ましい実施態様における上記細胞とは、前立腺過形成細胞または子宮内膜過形成細胞等の過形成細胞である。
【0083】
本発明のさらなる他の観点では、動物の発情を下降調節する方法が提供され、この方法は有効量のLHRH−接合体を上記動物に投与することが包含される。
【0084】
好ましい上記動物とはヒトである。
【0085】
本発明の他のさらなる特徴は、次の実施例中に一層詳細に記載される。しかしこの詳細な記載は本発明の単なる例示目的のために包含されたものであることを理解されたい。本発明の広範なる上記記載に対する何らかの制限であると理解されてはならない。
【0086】
実施例1
LHRH−接合体組成物の調製
LHRH−接合体は、担体タンパク質に結合した黄体形成ホルモン放出因子(LHRH)ペプチドの合成2−10形に基づいている。このペプチド自体は抗原であるには小さ過ぎるので、部分抗原としてこのペプチドが作用し、かつLHRHに対する免疫性が誘発されるように担体タンパク質への結合が必要とされる。この担体タンパク質はジフテリア・トキソイドである。
【0087】
このペプチドは Fmoc 化学により合成され、生成した2−10形LHRHペプチドはジフテリア・トキソイドに結合される。この結合は Ladd ら(1990) または
Bonneau らの記載(1994) のように遂行でき、ペプチドとジフテリア・トキソイドとの生成接合体を処理して未結合ペプチドおよび抱合副生成物を除く。この種の処理は従来型透析または限外濾過により遂行できる。
【0088】
生じたLHRH−キャリア調製物は、アジュバント中またはアジュバントとの処方により投与用組成物の調製に使用できる(”LHRH−接合体”と呼称)。このアジュバントはDEAE−デキストラン、デキストラン硫酸またはQAE−デキストラン等のイオン性多糖である。このアジュバント処方には、掲載された一種または二種以上のアジュバントの組み合わせが包含できる。これらのリストは徹底的であると考えるべきではない。アジュバント選択は、一部は目標とされる種に依存し、かつ、所要免疫応答の水準および継続期間、および反応原性(reactogenicity )(すなわち組織適合性)の欠如に基づく。活性成分およびアジ ュバント濃度は所要水準および免疫応答継続期間が達成できるように選択される。
【0089】
本発明における使用に適するLHRH−接合体の製剤は、5−500mgのDEAE−デキストラン中LHRH−ジフテリア・トキソイド5−500μgの範囲が好ましい。
【0090】
実施例2
次のように上記LHRHワクチン(実施例1記載のようにジフテリア・トキソイドおよびDEAEデキストランアジュバントを用いた2−10LHRH)をブタに与えた:
第1群:生後14から18週で2用量、群当たり雄ブタ10匹
第2群:生後14、18から22週で3用量、群当たり雄ブタ10匹
第3群:DEAE−デキストランアジュバントのみの対照、群当たり雄ブタ10匹
【0091】
LHRHワクチンの用量は皮下で与えた。このLHRHワクチンはDEAE−デキストラン50−500mg当たりLHRH−ジフテリア・トキソイド50−500μgの範囲が好ましい。ブタは生後22週目(群1および3)または24週目(群2)に犠牲にした。
【0092】
測定パラメータ:
抗−LHRH力価を2回目投与後2週目に測定した。
雄ブタ汚染物化合物スカトールおよびアンドロステノンは犠牲時に際して採取した脂肪試料中で測定した。
【0093】
結果:ブースター後の2週目の抗−LHRH力価。群平均力価を次に示す。

群 力価
第1群 4300
第2群 2760
第3群 <20
* 雄ブタ汚染物化合物は犠牲時に採取した試料中で測定した。
【0094】
群平均の値を次に示す。
群 スカトール* アンドロステノン*
第1群 0.06 0.18
第2群 0.05 0.23
第3群 0.07 0.51
* 雄ブタ汚染物化合物は脂肪組織g当たりのμgで示す。
【0095】
結論:
このLHRHワクチンはブースター後の2週後に測定されたように、全てのワクチン接種ブタで高水準の抗体を誘発した。
【0096】
このLHRHワクチンはワクチン接種した全てのブタにおいて雄ブタ汚染物化合物の制御が可能であった。
【0097】
実施例3
マウス
ジフテリア・トキソイドに結合し、かつDEAEデキストリンを用いて補足したLHRH類似体からなる製剤を用いてマウス10匹をワクチン接種した。これらのネズミは0日目および14日目にワクチン接種し、LHRHに対する抗体誘発を証拠立てる目的で21日目に採血した。
【0098】
ネズミで試験したLHRH類似体には次が包含される:
2−10LHRH:
His-Trp-Ser-Tyr-Gly-Leu-Arg-Pro-Gly-NH2. ( 配列番号NO:2)
修飾2−10:Gly-Ser-Gly-Ser-Gly-Leu-Arg-Pro-Gly-NH2.
(配列番号NO:4)
【0099】
両方の構築体は従来化学によりジフテリア・トキソイドに結合していた。5−50mgのDEAEデキストランアジュバント中の注射当たり5−50μg範囲の接合体をマウスに接種した。
【0100】

LHRH−接合体 ブースター後1週目の力価
2−10−ジフテリア・トキソイド 3005(n=9)
修飾2−10 1990(n=7)

LHRHに対する力価は上記構築体を用いてワクチン接種した全ネズミ中に誘発された。
【0101】
実施例4
ウシ
完全雄および雌ウシを、ジフテリア・トキソイドに接合し、DEAE−デキストランでアジュバンドした2−10LHRH接合体を含む試料でワクチン接種した。最初のワクチン接種時のウシは生後9−12月であった。各用量はDEAE−デキストラン(50−500mg)中に接合体50から500μgを含有した。
【0102】
0日から接種し28日目にブースター接種した。ブースターワクチン接種後、1月毎に血液試料を採取し、ELISAにより抗体力価を測定した。
【0103】
雌ウシ(若い雌ウシ)の挙動を熟練農場スタッフおよび獣医が毎日検査した。ブースターワクチン接種後8週目に、「Heat Mount Detector パッド」(Kamar Marketing
Group Inc, Steamboat Spring, Colorado, USA, 染料放出パッド)をウシの臀部に固定して同じく挙動をモニターした。サイクリング雌ウシによる、ブルイングとも呼称されるマウンテイングまたはライデイング挙動は、パッド中のカプセルを破壊し、これは遠方からでも肉視できる。この種のことは、通常立っている若雌ウシが受容的で、すなわち発情期にあり、かつ、上る若雌牛も発情期にある場合のみに起こる。かくして、対照非ワクチン接種若ウシについて行ったワクチン接種若ウシの発情に関する有用で継続的なモニターが提供される。
【0104】
結果:抗−LHRH力価。
GMT=群の幾何学的平均力価

ワクチン接種群 ブースト後3週目のGMT ブースト後7週目のGMT
(範囲) (範囲)
プラシーボ ワクチン接種対照 <100 <100
DEAE−デキストラン
アジュバント中のLHRH− 10,357 3435
ジフテリア・トキソイド (3623-26133) (1538-15464)
接合体
【0105】
乗馬挙動/パッド反応性
最初およびブースターワクチン接種時ならびにブースターワクチン接種後の最初7週間に対照若ウシ(雌ウシ)がライデイング挙動を示した。ワクチン接種したウシはいずれも循環運動若ウシにおけるような繁殖機能に伴う挙動パターンは示さなかった。直接観察によるサイクリング挙動の評点を、 Heat Mount Detector Pad により確認したが、ブースターワクチン接種後7週間の間のワクチン化 で活性化されたものはなかった。
【0106】
これらの結果は、ワクチン接種した動物の挙動を修飾し得る好ましい処方ワクチンの能力を確認するものであり、この例では、発情期および雌ウシ(若い雌ウシ)に伴う挙動を制御し得る能力を確認するものである。
【0107】
実施例5
イヌ
ビーグル/フォックスハウンド交配イヌおよび雌イヌを、ジフテリア・トキソイドに接合して、DEAEデキストランでアジュバントした2−10LHRHを含む処方を用いてワクチン接種した。最初のワクチン接種の際のイヌは生後6−10月であった。対照イヌはワクチン接種しなかった。
【0108】
ワクチン接種は0日から28日目にブースター接種した。ブースター接種後、1月毎に血液採取し、ELISAにより抗体力価を測定した。
【0109】
ワクチン用量は10−100mgのDEAE−デキストラン当たりLHRH−ジフテリア・トキソイド50−500μgの範囲が好ましい。
【0110】
イヌ血清中のLHRHに対する力価:

ブースター接種後の週 LHRHワクチンを用いた 非ワクチン接種
ワクチン接種 対照
0 <100 <100
4 84,640 <100
8 38,919 <100
12 7,900 <100
示した全ての力価は7−8イヌ群の幾何学的平均力価である。力価はELISAで測定した。
【0111】
上記データは、DEAE−デキストランアジュバント中のジフテリア・トキソイドに接合された2−10LHRHの好ましい処方が、ワクチン接種したイヌの100%に強力な抗体応答を誘発したことを示す。この例で重要なことは、好ましい処方が抗体応答の期間を与え得ることを証明したことである。
【0112】
睾丸成長の阻害:
ブースターワクチン後16週目に睾丸の大きさを、対照およびワクチン接種済みとの対比において、睾丸計測器ビードを参照し乍ら測定した。
睾丸の大きさ(群平均値):

ブースターワクチン接種後の週 LHRHワクチン接種 非接種対照
16 0.5cm 12cm

【0113】
この例にみられるようにこれらのデータは、イヌの睾丸の成長および維持の阻害において、本発明の好ましい製剤が生殖器管の発育を妨げ得ることを証明するものである。
【0114】
当業者におかれては、ここに記載の発明が具体的に記載された以外の変形や修飾がなされ易いことを理解されるであろう。本発明はこの種の全ての変形および修飾を包含するものと理解されるべきである。また本発明は、明細書中に示された、または引用された全ての組成物および化合物を個別もしくは集合的に包含するものであり、かつ、上記工程または特徴の一種または二種以上のいずれかの全ておよびいずれかの組み合わせも包含する。
【0115】
引用文献
【表1】

【0116】
<配列表>
総配列数:4
(2)配列番号NO:1の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:10アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トロポジー:直鎖状
(ii)分子の型:ペプチド
(xi)配列の記載:配列番号NO:1:
Glu His Trp Ser Tyr Gly Leu Arg Pro Gly
1 5 10
(2)配列番号NO:2の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:9アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トロポジー:直鎖状
(ii)分子の型:ペプチド
(xi)配列の記載:配列番号NO:2:
His Trp Ser Tyr Gly Leu Arg Pro Gly
1 5
(2)配列番号NO:3の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:8アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トロポジー:直鎖状
(ii)分子の型:ペプチド
(xi)配列の記載:配列番号NO:3:
Trp Ser Tyr Gly Leu Arg Pro Gly
1 5
(2)配列番号NO:4の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:9アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トロポジー:直鎖状
(ii)分子の型:ペプチド
(xi)配列の記載:配列番号NO:4:
Gly Ser Gly Ser Gly Leu Arg Pro Gly
1 5

【0117】
<配列表>




【特許請求の範囲】
【請求項1】
LHRHに対する有効な免疫応答を引き出すのに使用する組成物であって、上記組成物がイオン性多糖に吸着したLHRH−ジフテリア・トキソイド接合体を含む組成物。
【請求項2】
上記イオン性多糖がDEAE−デキストランである、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
上記LHRHがLHRH2−10形である、請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
上記LHRHが修飾LHRH2−10形である、請求項1または2記載の組成物。
【請求項5】
医薬として容認し得る一種または二種以上の担体および/または希釈剤と共に、イオン性多糖に吸着したLHRH−ジフテリア・トキソイド接合体を含む医薬組成物。
【請求項6】
上記イオン性多糖がDEAE−デキストランである、請求項5記載の医薬組成物。
【請求項7】
上記LHRHがLHRH2−10形である、請求項5または6記載の医薬組成物。
【請求項8】
上記LHRHが修飾LHRH2−10形である、 請求項5または6記載の医薬組成物。
【請求項9】
LHRHに対する有効な免疫応答を動物において引き出す方法であって、上記方法が請求項1から8のいずれか一項記載の組成物の有効量を上記動物に投与することを包含する方法。
【請求項10】
LHRHに対する有効な免疫応答を動物において引き出す方法であって、上記方法が請求項1から8のいずれか一項記載の組成物の有効量を上記動物に投与することを包含し、上記免疫応答が上記動物の生殖能を阻害する方法。
【請求項11】
動物を虚勢する方法であって、請求項1から8のいずれか一項記載の組成物の有効量を上記動物に投与することを包含する方法。
【請求項12】
雌動物の発情周期を調節する方法であって、上記方法が請求項1から8のいずれか一項記載の組成物の有効量を上記動物に投与することを包含する方法。
【請求項13】
動物の性的熟成により誘発される特徴を阻害する方法であって、上記方法が請求項1から8のいずれか一項記載の組成物の有効量を上記動物に投与することを包含する方法。
【請求項14】
上記特徴が、攻撃性である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
上記特徴が性的活動である、請求項13記載の方法。
【請求項16】
上記動物が雄ネコおよび/またはイヌである、請求項13記載の方法。
【請求項17】
上記特徴が攻撃および/または放浪である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
上記動物が雌ネコおよび/またはイヌである、請求項13記載の方法。
【請求項19】
上記特徴が、気難しさ、縄張り争い、さまよい、および/または発情挙動である、請求項18記載の方法。
【請求項20】
上記動物が雄ウマである、請求項13記載の方法。
【請求項21】
上記特徴が攻撃である、請求項20記載の方法。
【請求項22】
上記動物が雌ウマである、請求項13記載の方法。
【請求項23】
上記特徴が、発情挙動および/または不規則な振る舞いである、請求項22記載の方法。
【請求項24】
家畜の生産増加を達成する方法であて、上記方法が請求項1から8のいずれか一項記載の組成物の有効量を上記家畜に投与することを包含する方法。
【請求項25】
上記生産増加が、上記家畜の肉からの好ましからぬ感覚刺激性特徴の低減または除去である、請求項24記載の方法。
【請求項26】
上記家畜がウシ、ブタ、ヤギおよび/またはヒツジである、請求項25記載の方法。
【請求項27】
上記家畜がブタであり、かつ上記生産増加が雄ブタの汚染物の低減または除去である、請求項25記載の方法。
【請求項28】
上記家畜がブタである、請求項24記載の方法。
【請求項29】
上記家畜がウシである、請求項24記載の方法。
【請求項30】
LHRHにより直接または間接に調節される細胞の成長を阻害する方法であって、上記方法が請求項1から8のいずれか一項記載の組成物の有効量を投与することを包含する方法。
【請求項31】
上記細胞がヒト細胞である、請求項30記載の方法。
【請求項32】
上記細胞が、悪性睾丸細胞、悪性乳房細胞、悪性前立腺細胞、悪性卵巣細胞、または悪性腫瘍胎児細胞である、請求項30記載の方法。
【請求項33】
上記細胞が過形成細胞である、請求項30記載の方法。
【請求項34】
上記過形成細胞が、前立腺細胞または子宮内膜細胞である、請求項33記載の方法。
【請求項35】
動物の性的衝動を下降調節する方法であって、請求項1から8のいずれか一項記載の組成物の有効量を上記動物に投与することを包含する方法。
【請求項36】
上記動物がヒトである、請求項35記載の方法。
【請求項37】
LHRHに対する有効な免疫応答を動物において引き出す目的での、請求項1から8のいずれか一項記載の組成物の使用。
【請求項38】
動物を去勢する目的での請求項1から8のいずれか一項記載の組成物の使用。
【請求項39】
雌動物の発情周期を調節するための請求項1から8のいずれか一項記載の組成物の使用。
【請求項40】
動物の性的熟成により誘発される特徴を阻害する目的での、請求項1から8のいずれか1項記載の組成物の使用。
【請求項41】
上記特徴が攻撃である、請求項40記載の使用。
【請求項42】
上記特徴が性的活動である、請求項40記載の使用。
【請求項43】
上記動物がネコおよび/またはイヌである、請求項40記載の使用。
【請求項44】
上記特徴が、攻撃、放浪、気難しさ、縄張り争い、さまよい、および/または発情挙動である、請求項43記載の使用。
【請求項45】
上記動物がウマである、請求項40記載の使用。
【請求項46】
上記特徴が攻撃および/または不規則な振る舞いである、請求項45記載の使用。
【請求項47】
家畜における生産増加を引き出す目的での、請求項1から8のいずれか一項記載の組成物の使用。
【請求項48】
上記生産増加が、上記家畜の肉からの好ましからぬ感覚刺激性特徴の低減または除去である、請求項47記載の方法。
【請求項49】
上記家畜が、ウシ、ブタ、ヤギおよび/またはヒツジである、請求項48記載の使用。
【請求項50】
上記家畜がブタであり、上記生産増加が、雄ブタの汚染物の低減または除去である、請求項47記載の使用。
【請求項51】
上記家畜がブタである請求項47記載の使用。
【請求項52】
上記家畜がウシである請求項47記載の使用。
【請求項53】
LHRHにより直接または間接に調節される細胞の成長を阻害する目的での、請求項1から8いずれか一項記載の組成物の使用。
【請求項54】
上記細胞がヒト細胞である、請求項53記載の使用。
【請求項55】
上記細胞が悪性睾丸細胞、悪性乳房細胞、悪性前立腺細胞、悪性卵巣細胞、または悪性腫瘍胎児細胞である、請求項54記載の使用。
【請求項56】
上記細胞が過形成細胞である、請求項54記載の使用。
【請求項57】
上記過形成細胞が前立腺細胞または子宮内膜細胞である、請求項56記載の使用。
【請求項58】
動物の性的衝動を下降調節する目的での、請求項1から8のいずれか一項記載の組成物の使用。
【請求項59】
上記動物がヒトである、請求項58記載の使用。
【請求項60】
LHRHに対する有効な免疫応答を誘発するための医薬の製造において、イオン性多糖に吸着したLHRH−ジフテリア・トキソイド接合体を含む組成物の使用。
【請求項61】
上記イオン性多糖がDEAE−デキストランである、請求項60記載の組成物の使用。

【公開番号】特開2013−6862(P2013−6862A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−195610(P2012−195610)
【出願日】平成24年9月5日(2012.9.5)
【分割の表示】特願2009−244560(P2009−244560)の分割
【原出願日】平成10年7月9日(1998.7.9)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】