説明

免疫反応を向上させる方法および組成物

局在的な組織領域内に、局在的な組織領域内に活性IRMの延長された滞留時間を提供するIRM貯留物製剤を配置することにより、IRM化合物に対する免疫反応を向上させる方法および組成物。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
近年、顕著な成功をもって、免疫系の特定の重要な側面を刺激する、ならびに特定のその他の面を抑制することで作用する新しい薬剤化合物を見いだすための多大な努力が払われている(例えば米国特許第6,039,969号明細書および米国特許第6,200,592号明細書参照)。免疫反応調節物質(IRM)と称されるこれらの化合物は、toll様受容体として知られる基本的免疫系機序を通じて作用し、選択されたサイトカイン生合成を誘導するようである。それらを使用して多種多様な疾患および病状を処置できるかもしれない。例えば特定のIRMは、ウィルス性疾患(例えばヒト乳頭腫ウィルス、肝炎、ヘルペス)、新生物形成(例えば基底細胞癌、扁平細胞癌、光線性角化症)、およびTH2−媒介疾患(例えば喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎)を処置するのに有用であっても良く、またワクチンアジュバントとしても有用である。多くの従来の抗ウィルス性または抗腫瘍化合物とは異なり、IRMの主要な作用機序は間接的であり、病原体を認識して適切な作用をするように免疫系を刺激することによる。
【0002】
IRM化合物の多くは、小型有機分子イミダゾキノリンアミン誘導体(例えば米国特許第4,689,338号明細書参照)であるが、その他のいくつかの化合物クラスも知られ(例えば米国特許第5,446,153号明細書参照)、さらにより多くがなおも見いだされている。その他のIRMは、CpGをはじめとするオリゴヌクレオチドなどのようにより高い分子量を有する(例えば米国特許第6,194,388号明細書参照)。IRMの卓越した治療的な潜在能力を鑑みて、既に行われた重要な研究にもかかわらず、それらの使用と治療的な利点を拡大するために、IRMの送達および活性を制御する新しい手段に対するかなりの継続的必要性がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
多くの免疫反応調節物質(IRM)化合物(後述)は、特定の送達位置での滞留時間に関して比較的短い半減期を有することが多く、小分子IRMでは典型的に約1〜2時間未満であることが分かっている。それらは多くの場合、かなり容易に除去され、代謝され、または単に局所的送達部位から拡散するようである。この短い滞留持続時間は、所望の部位でいくつかの免疫系細胞を活性化するIRMの能力を低下させるかもしれない。しかし今や、局在的な組織の領域内で長期間にわたり活性IRM化合物の貯留物を維持することで、IRM化合物の有効性が向上するかもしれないと考えられている。重要なことに、IRMは免疫系を局所的に調節する能力を有するだけでなく、例えばMIP−3α、MIP−1α、IP−10などの特定のケモカインを誘導することにより、樹状細胞などのさらに別の重要な免疫系細胞を局在的な組織領域に動員できる。例えばフルモト(Furumoto)ら、J Clin Invest、2004年3月、no.113(5):774〜83は、樹状細胞を動員するためのCCL20/MIP−3αおよびCpGの使用について考察するが、貯留物中ではないようである。しかしIRMが局在的な組織領域内に長期間存在するようにすることで、IRMは局在的な部位に動員された免疫系細胞をさらに活性化できるので、さらに相乗的効果が生じる。
【0004】
したがって本発明のIRM貯留方法および組成物は、特定の局在的組織領域内で反応性免疫系細胞(例えば樹状細胞、単球/マクロファージ、およびB細胞)の活性化および/または浸潤のための重要な追加的時間を提供する。さらにこれらの方法および調合物はまた、免疫反応が、免疫原を意図される所望の組織位置(例えば新生物細胞、ウィルス感染細胞、またはワクチン抗原の存在がある場所)を正確に標的にするよう確実にすることを助ける。IRM、抗原提示細胞(APC)、および抗原を同一場所に配置することによって標的を定めるこの後者の能力は、標的とする疾患抗原の免疫系による認識を向上させるかもしれず、また実際の標的疾患から離れた望まれない免疫系刺激の可能性を低下させるかもしれないので意外にも重要である。
【0005】
またパルス投与されるIRM送達を提供するIRM貯留物製剤(すなわち活性IRMが時間とともにパルスで断続的に放出される)は、特定の用途で特に望ましいかもしれないと考えられている。
【0006】
したがって本発明は、局在的な組織領域内に、局在的な組織領域内に延長された滞留時間を提供するIRM貯留物製剤を配置するステップを含んでなる、IRM化合物に対する免疫反応を向上させる方法を含む。これは単純な溶液の注入、またはクリーム、ゲル、またはパッチを通じた局所送達のどちらとも対照的である。本発明はまた、ここで開示されるIRM貯留物製剤、およびここで開示されるIRM貯留物製剤を使用した処置の方法を含む。
【0007】
IRM局在組織領域は、例えば癌、感染した病変または臓器、またはワクチン接種部位であっても良い。局在的な組織領域は、例えば乳癌腫瘍、胃癌腫瘍、肺癌腫瘍、頭部または頸部癌腫瘍、結腸直腸癌腫瘍、腎細胞癌腫瘍、膵臓癌腫瘍、基底細胞癌腫瘍、膵臓癌腫瘍、子宮頚部癌腫瘍、メラノーマ癌腫瘍、前立腺癌腫瘍、卵巣癌腫瘍、または膀胱癌腫瘍であっても良い。局在的な組織領域はワクチンを含んでも良い。
【0008】
IRM貯留物製剤は、例えば脂質変性IRM、担体材料に付着したIRM化合物、IRM化合物の固形粒子、エマルジョン、ミセル、生分解性ポリマーマトリックス内のIRM、脂質膜内に組み込まれたIRM化合物、脂質小胞、またはリポソームを含んでなっても良い。
【0009】
IRM貯留物製剤は、局在的な組織領域へのパルス投与されるIRM化合物の送達を提供しても良い。IRM貯留物製剤は、浸透圧性に駆動するシリンダーを含んでなっても良い。IRM貯留物製剤は、例えば注射、外科的移植、腹腔鏡移植、カテーテル移植、マイクロニードル配列、または高速粒子移植を使用して、局在的な組織領域内に送達されても良い。
【0010】
IRMは、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される、少なくとも1つのTLRの作動薬であっても良い。IRMは、TLR7、TLR8、またはTLR9の選択的TLR作動薬であっても、またはTLR7および8双方の作動薬であっても良い。ここで開示されるIRM化合物の多くは、TLR7および/または8作動薬である。代案としてはIRMは、TLR4作動薬であっても良い。IRMは好ましくは、例えば五員環窒素含有複素環に縮合した2−アミノピリジンを含んでなるものなどの小分子免疫反応調節物質であっても良い。
【0011】
説明および請求項にこれらの用語が現れる場合、「含んでなる」という用語およびそのバリエーションは限定的意味を有さない。
【0012】
ここでの用法では、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つ」、および「1つ以上」は、区別なく使用される。
【0013】
ここでの用法では、病状または対象を「処置する」とは、治療的、予防的、および診断的処置を含む。
【0014】
またここでは、終点による数値域の列挙は、その範囲内に包含されるあらゆる数を含む(例えば1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含む)。
【0015】
上の本発明の要約は、それぞれの開示される実施形態またはあらゆる本発明の実行について述べることを意図しない。続く説明は例証的な実施形態をより詳しく例証する。本願明細書を通じて何箇所かで、個別にそして様々な組み合わせで使用できる実施例のリストを通じて、ガイダンスが提供される。各例で列挙されるリストは、代表グループとしてのみの役目を果たし、排他的リストではないものとする。
【0016】
本発明の様々なその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明、実施例、特許請求の範囲、および添付図を参照すれば容易に明らかになるであろう。本願明細書を通じて何箇所かで、実施例のリストを通じて、ガイダンスが提供される。各例で列挙されるリストは、代表グループとしてのみの役目を果たし、排他的リストではないものとする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、局在的な組織領域内に配置されて局所的に活性なIRM化合物を長期間提供できる、免疫反応調節物質(IRM)の方法および調合物に向けたものである。一方法として、これは局在的な組織領域内のIRM半減期に関して説明できる。例えば腫瘍内に活性IRM組織濃度を達成するように、特定のIRM化合物の従来の溶液調合物を固形腫瘍中に注射すると、濃度はわずか2時間後に約半分になる。IRM排除の速度は常に一定ではないもしれないが、これは約2時間のIRM滞留半減期と見なされる。対照的に、固形腫瘍などの局在的な組織領域に、所望のIRM濃度を達成するようにここで述べられるようなIRM貯留物製剤を注射すると、腫瘍組織(局在的な組織領域)中の活性IRMの濃度は、例えば10〜14日後まで半分にはならない。これは約2週間のIRM滞留半減期と見なされる。
【0018】
したがって本発明は、従来の溶液中の比較できる濃度のIRMよりも長時間、局在的な組織領域内に活性IRMを提供し、少なくとも約2時間を超えて処置部位に局在し続けるIRM貯留物製剤を通じて、IRM化合物の少なくとも約50%が送達される。例えばIRM滞留半減期は、少なくとも12時間、24時間、7日間、2週間、1ヶ月、またはさらに数ヶ月であっても良い。
【0019】
下で述べるように、向上した免疫反応および/または意図される抗原への免疫系のより良い標的化に関する本発明の利点は、任意にその他の活性薬剤を含む、多くの異なるIRM貯留物製剤、IRM化合物によって達成でき、広範な処置のために様々な局在的な組織領域に送達できる。
【0020】
IRM貯留物製剤
ここでの用法では、IRM貯留物製剤とは、局在的な組織領域に長期間にわたり活性IRM化合物を提供する組成物を指す(これも全身性の送達のために薬剤貯留物を使用するかもしれないが、延長された全身性の送達を提供するための徐放性IRM調合物とは対照的に)。
【0021】
局在的なIRM貯留物効果を維持する少なくとも2つの一般的方法がある。IRMをIRMが所望の局在的な組織領域内の定位置に留まるのを助ける別の材料に付着しても良く、またはIRMを活性IRMが長期間所望の濃度で局所的に存在するように徐放性調合物から時間とともに放出しても良い。
【0022】
IRM貯留物製剤で使用できる、IRMを別の材料に付着させる例としては、例えば同時係属出願、米国特許出願第60/462140号、米国特許出願第60/515256号、および米国特許出願第2003/25523号で開示されるIRM−担体複合体が挙げられる。
【0023】
IRM貯留物製剤で使用できる徐放性調合物および方法の例は、典型的には徐放性の全身性薬剤送達のために使用されるが、例えば米国特許第6,126,919号明細書(生体適合性化合物)、オヘーガン(O’Hagan)およびシン(Singh)著「ワクチンアジュバントおよび送達システムとしての微粒子(Microparticles as vaccine adjuvants and delivery systems)」Expert Rev.Vaccines 2(2)、p.269〜83(2003)、およびフォーゲル(Vogel)ら「ワクチンアジュバントおよび賦形剤概論(A Compendium of Vaccine Adjuvants and Excipients)」第二版、Bethesda,MD(国立アレルギー感染症研究所)1998(www.niaid.nih.gov/hivvaccines/pdf/compendium.pdfで閲覧可能)で開示される。またそれが局在的な組織領域を離れた後に、全身性のIRMの分布の発生を防止するまたは少なくとも低下させることも通常所望される。これを容易にする一方法は、ひとたびIRMが局在的な組織領域を離れると、迅速に代謝または除去されるIRMを選択することである。
【0024】
局在的な組織領域内に増大するIRM滞留時間を提供できる、いくつかのIRM貯留物製剤の一般例としては、以下が挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0025】
1.IRM化合物は、例えば同時係属出願、米国特許出願第60/462140号、米国特許出願第60/515256号、および米国特許出願第2003/25523号で開示されるように、プラスチック、金属、ミネラル(例えばミョウバン)、または粒子、ビーズ、繊維、メッシュ、ポリマーなどの形態のシリコーンなどのその他の担体材料に付着されても良い(例えば共役、被覆、またはイオン対合)。これらのIRM担体複合体は、次に所望の組織部位内に付着でき、定位置に留まり長期間にわたって活性である。この高度に多用途のアプローチは、ひとつにはIRM化合物が多くの異なる担体複合体材料に付着でき、また担体複合体材料に付着を続ける間もIRMが活性を保つことができるためである。
【0026】
例えばIRM、そして所望ならば抗原をミョウバン粒子表面に吸着させて、微粒子の抗原提示および飲食作用を向上させても良い。別の例では、緩慢な制御された速度で加水分解または酵素的活性を被る結合を通じて、IRMがポリマー主鎖に共有結合的に連結する。
【0027】
2.IRM化合物は、例えば同時係属出願、米国特許出願第60/515604号で開示されるようにそれ自体がIRM貯留物製剤を提供できる脂質基に直接共役しても良い。これらの脂質変性または脂質付加IRMは、例えば懸濁液の形成、エマルジョン、脂質膜、脂質小胞、リポソームなどへの組み込みのために、ここで述べられるその他のIRM貯留物製剤中でIRM化合物として使用されても良い。
【0028】
例えば配合を下で述べる懸濁液中に脂質付加IRMがあって、10mg/kgで皮下注射されると(正常なB6マウスにおいて200μgの薬剤)、10〜14日後、かなりの量のIRM貯留物製剤が皮膚の下になおも視認できる。
【0029】
3.IRM化合物は、ひとたび局在的な組織領域内に移植されると長期間にわたり緩慢に溶解するように、限られた溶解性を有する固形IRM粒子の形態で使用されても良い。これは固形薬剤粒子の懸濁液が送達されて、送達後比較的迅速に(例えば1時間内に)溶解する状況と対照的である。IRM粒子は非晶質または結晶性で、微細粉末、コロイド懸濁液などの液体懸濁液の形態であっても良く、またはゲルまたはクリームなどの中に含まれても良い。固形物IRM粒子は本質的に純粋なIRM化合物であっても良く、またはキャリアまたは充填材を含んでも良い。粒子の平均的な大きさは、使用する特定のIRM、および所望の放出特性次第で、1ミクロン未満、または約1〜100ミクロン、または100ミクロンを超えても良い。1〜20ミクロンの間の平均粒度が適切なことが多い。局在的な組織領域内に導入されると、固形IRM粒子は、活性IRM化合物を局所的領域に緩慢に放出でき、延長された滞留時間を提供する。放出速度は使用する特定のIRMの溶解度に左右され、それは使用するならばあらゆるキャリアまたは充填材の物理化学的特性に加えて、多形体形態、塩、および立体異性体の選択などによって影響されるかもしれない。
【0030】
例えば水混和性有機注射可能溶剤(例えばN−メチルピロリドンまたはNMP)中に溶解したIRMを使用して、コロイドのIRM懸濁液を形成しても良い(区画1)。次に所望するならば抗原を界面活性剤(例えばTween80)と共に水溶液中に溶解しても良い(区画2)。皮下注射などの局在的な組織領域への投与に先だって、区画1を区画2中に混合し、IRMを微細粒子に沈殿させてIRMのコロイド粒子を形成する。もちろん適切な場合、あらかじめIRMコロイドの懸濁液を作成し、投与前に振盪/ボルテックスするようにという説明書と共に梱包できる。
【0031】
4.IRM化合物は、ポリ乳酸(ポリラクチド)、ポリグリコール酸(ポリグリコリド)、ポリ(d,l−ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリホスファゼン、およびポリウレタンなどの生分解性ポリマーマトリックス中にカプセル化し、組み込み、または溶解しても良い。このような生分解性マトリックスは、徐放性の全身性薬剤送達を提供するために使用されることが多いが、局在的な組織領域内、例えば腫瘍塊、感染部位、またはワクチン接種部位内で直接使用して、延長されたIRM送達を提供するように適応できる。
【0032】
例えばIRM化合物およびワクチン抗原をN−メチルピロリドンまたはNMPなどのポリマー溶剤に溶解しても良い(区画1)。次に選択されたポリマーを溶剤に溶解しても良い(区画2)。区画1および2は、例えばスタティックミキサー付きダブルカートリッジシリンジを使用して、投与時に混合される。注射されると水と混和性である溶剤(例えばNMP)は拡散して、IRMおよび抗原の双方を含有する半固形物移植を残す。
【0033】
5.IRM化合物は、水中油型(o/w)または油中水型(w/o)などの単純エマルジョン、または水中油中水型(w/o/w)および油中水中油型(o/w/o)などの多重エマルジョン内に組み込まれても良い。IRMに加えて抗原をエマルジョン内に組み込むことができる(例えばより特異的な免疫反応を生じるために)。IRMおよび抗原は油および水相の間で分割でき、または離散相(例えば油滴)の表面にのせることができる。エマルジョン形態は、改善された免疫反応のためにIRMと相乗的に作用しても良い(例えばIRMは免疫系の細胞による油滴上への抗原の取り込みを向上できるのに対し、油滴表面の抗原はその免疫系細胞への提示を向上させるかもしれない。)
【0034】
例えばo/wエマルジョンは、スクアレン(油相)および界面活性剤(例えばTween80、Span85)、および水を含有するMF59ベースのエマルジョン中のIRMを使用できる。IRMは、水相または油相中に事前溶解されても良い。別の例は、水中のIRMおよび界面活性剤(例えばレシチン)と共に、植物油(ゴマ油、ダイズ油、ミネラル油、例えばフロイント不完全アジュバントをベースとするエマルジョンなど)を使用することである。w/oエマルジョンは、水、界面活性剤(例えばマンニドモノオレアート)およびミネラル油に溶解されたIRMを使用しても良い。w/oエマルジョンはまた、IRMが溶解された水、および適切な乳化剤および界面活性剤(Tween80、クレモフォア(Cremophor)ELなど)を含む注射可能植物油を使用して製造できる。また抗原を水または油相にあらかじめ溶解して、エマルジョン中に組み込んでも良い。
【0035】
6.IRM化合物は、脂質膜、脂質小胞、およびリポソーム中に組み込まれても良い。リポソーム製剤内では、IRMは、膜内、膜表面、またはリポソームコアに挿入されても良い。例えばIRMリポソームは、DOTAP形質移入剤およびコレステロールを使用して、IRMおよび所望ならば抗原をリポソーム中に取込んでも良い。
【0036】
7.IRM化合物は、組織内に移植された浸透圧性に駆動するシリンダーを使用して、局在的な組織領域に送達されても良い。
【0037】
8.IRM化合物は例えばH.S.ソーニー(Sawhney)、C.P.パタック(Pathak)、およびJ.A.ヒューベル(Hubell)著「巨大分子(Macromolecules)」(1993)26:581〜587で述べられるもの、ならびにポリヒアルロン酸、カゼイン、多糖類、ケラチン、コラーゲン、ゼラチン、グルチン、ポリエチレングリコール、架橋されたアルブミン、フィブリン、ポリ酸無水物、ポリアクリル酸、アルジネート、キトサン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、ポリ(オクタデシルアクリレート)、およびセルロースガムなどをはじめとする、ヒドロゲルなどの生体接着性ポリマー中に組み込まれても良い。代案としては、ポリマーヒドロゲル材料は、米国特許第4,528,325号明細書および米国特許第4,618,649号明細書で開示されるようなポリ(ビニルアルコール)前駆物質、またはポリ(メチルメタクリレート)から構築できる。ポリ(メチルメタクリレート)は市販され、眼内レンズ、コンタクトレンズなどの眼科装置で使用されることが多い。
【0038】
適切なヒドロゲルは、天然、合成、またはそれらの組み合わせであることができる。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、例えば2003年7月24日に出願された米国特許出願第10/626261号で述べられるヒドロゲルのように、計画された温度に熱的に反応性であることができる。例えば熱的反応性ヒドロゲルは、身体温度に加温されると硬化でき、UV照射するとさらに硬化することができる。
【0039】
生体接着性有機ポリマーは、IRMの特定用途のために好ましい。例えばIRMが膀胱癌を処置するために使用される場合、生体接着性ポリマーが所望されるかもしれない。有利なことに調合物の接着特性は、IRMが生物学的組織と接触できるようにし、サイトカイン誘導のためのより長い接触時間を可能にする。
【0040】
また固形物粒子が関与する場合、粒子は、例えば不規則な微粒子、球形、プレート、フレーク、ロッドまたはその他の形状などのあらゆる形態であっても良く、それらは多孔性または非多孔性であっても良いことに留意すべきである。粒子は凍結乾燥でき、次に投与に先だって例えば希釈液を提供して、マイクロサスペンションを作ることができる。ワクチンのためには、抗原を例えば生分解性ポリマーなどの粒子マトリックス内にカプセル化して、IRM化合物を物理的または化学的吸着のいずれかによって粒子表面に組み込み、または吸着しても良い。
【0041】
IRM貯留物製剤は、概して少なくとも2時間である様々なIRM滞留半減期で、所望の局在的な組織領域にIRM化合物を提供しても良い。例えばIRM滞留半減期は少なくとも12時間、24時間、7日間、2週間、1ヶ月、またはさらに数ヶ月であっても良い。
【0042】
さらにIRM貯留物製剤は、局在的な組織領域に定常的なまたはパルス投与送達を達成するようにデザインできる。パルス投与送達は、時間とともに局所的組織領域にIRMの断続性投与を提供するために望ましいかもしれない。例えば異なる分解速度を有し、従って異なるIRM放出速度を有する生分解性ポリマーの組み合わせが使用できる。貯留物製剤は、様々な生分解性ポリマーの均質な混合物を含有しても良く、またはポリマーをセグメント化された様式で使用して複合分解プロフィールを達成しても良い。貯留物製剤をまた、様々なポリマーで被覆して、ゼロ次、一次、および拍動性IRM放出を達成しても良い。粒子形態である場合、いくつかの粒子はIRM(およびワクチン抗原などのその他の任意の成分)を24時間にわたり放出するポリマーマトリックスを使用しても良く、その他の粒子は約2週間後に放出する。ワクチン目的では、抗原の連続的な放出を提供し、そしてIRM化合物の拍動性放出を提供するIRM貯留物製剤を使用することが特に望ましいかもしれない。IRM放出のタイミングは例えば初回および数週間にわたり週1回など規則的であっても良く、またはそれは例えば初回および次に3日間、2週間、および2ヶ月の間隔で不規則であっても良い。
【0043】
IRM貯留物製剤は、例えば皮下、皮膚、筋肉内、クモ膜下、臓器内、腫瘍内、病変内、小胞内、および腹腔内送達経路をはじめとするがこれに限定されるものではないあらゆる適切な経路を通じて、所望の局在的な組織領域内に送達されても良い。「局在的な組織領域」は、概して身体の比較的小さな部分であり、例えば10容積%未満であり、1容積%未満であることが多い。例えば固形腫瘍または癌性臓器の大きさ次第で、例えば局在的な組織領域は典型的に約500cm3以下程度であり、約100cm3未満のことが多く、多くの場合10cm3以下である。いくつかの用途では、局在的な組織領域は1cm3以下である(例えば小型腫瘍小塊、ウィルス性病変、またはワクチン接種部位)。しかし例えば全腹腔内の転移癌を処置するためなど特定の場合、局在的な組織領域は数リットルまでの特に大きな領域であっても良い(例えばIRM貯留物製剤を使用して、IRMを腹腔内に長時間留保するため)。IRM貯留物製剤は、例えば注射、外科的、腹腔鏡、またはカテーテル移植、マイクロニードル配列、高速粒子移植、または局在的な組織領域に製剤を導入するためのあらゆるその他の既知の方法を使用して送達されても良い。局在的な組織領域への送達は、例えば超音波、MRI、リアルタイムのX線(蛍光透視)などを使用した画像ガイド技術と連動しても良い。
【0044】
追加的薬剤
1つ以上のIRM化合物に加えて、本発明のIRM貯留物製剤および方法は追加的薬剤を含むことができる。代案としては、追加的薬剤は、IRM貯留物製剤から別に投与できる。
【0045】
このような追加的薬剤は、例えばワクチンまたは腫瘍壊死因子受容体(TNFR)作動薬をはじめとする追加的薬剤であっても良い。ワクチンとしては、例えば癌ワクチン、BCG、コレラ、ペスト、腸チフス、肝炎A、B、およびC、インフルエンザAおよびB、パラインフルエンザ、ポリオ、狂犬病、はしか、おたふく風邪、風疹、黄熱病、破傷風、ジフテリア、ヘモフィルスインフルエンザb、結核、髄膜炎菌性および肺炎球菌ワクチン、アデノウィルス、HIV、水痘、サイトメガロウィルス、デング、ネコ白血病、家禽ペスト、HSV−1およびHSV−2、豚コレラ、日本脳炎、呼吸器合胞体ウィルス、ロタウィルス、乳頭腫ウィルス、重症急性呼吸器症候群(SARS)、炭疽、および黄熱病との関連で使用するための生または弱毒化ウィルスおよび細菌性免疫原および不活性化ウィルス、腫瘍由来、原生動物、生物体由来、真菌、および細菌性免疫原、トキソイド、毒素、多糖類、タンパク質、糖タンパク質、ペプチド、そして樹状細胞、DNAワクチン、リコンビナントタンパク質、糖タンパク質、およびペプチドなどを使用した細胞性ワクチンなどの体液性および/または細胞媒介免疫反応のいずれかを産生させるあらゆる材料が挙げられる。例えば国際公開第02/24225号パンフレットで開示されるワクチンも参照されたい。このような追加的薬剤としては、抗ウィルス薬剤またはサイトカインなどの薬剤が挙げられるが、これに限定されるものではない。ワクチンは分離していても良く、またはユニットとして送達されるように、例えば化学的共役またはその他の手段で物理的または化学的にIRMに結合していても良い。IRM貯留物製剤との組み合わせで送達されても良いTNFR作動薬としては、同時係属出願、米国特許出願第60/437398号で開示されるものなどのCD40受容体作動薬が挙げられるが、これに限定されるものではない。本発明のIRM貯留物製剤と組み合わせて使用するためのその他の活性成分としては、例えば米国特許出願第2003/0139364号で開示されるものが挙げられる。
【0046】
免疫反応調節物質化合物:
本発明で有用な免疫反応調節物質(IRM)としては、サイトカイン生合成を誘導および/または抑制することにより、免疫系に作用する化合物が挙げられる。IRM化合物は、抗ウィルスおよび抗腫瘍活性をはじめとするがこれに限定されるものではない、強力な免疫刺激する活性を有し、また免疫反応のその他の側面を下方制御して、例えば免疫反応をTH−2免疫反応から遠ざけるが、これは広範なTH−2媒介疾患を処置するのに有用である。またIRM化合物を使用して、B細胞によって生成された抗体を刺激することにより、体液性免疫を調節することもできる。さらに様々なIRM化合物が、ワクチンアジュバントとして有用なことが示されている(例えば米国特許第6,083,505号明細書および米国特許第6,406,705号明細書、および国際特許公報国際公開第02/24225号パンフレット参照)。
【0047】
特に、特定のIRMは、例えばタイプIインターフェロン、TNF−α、IL−1、IL−6、IL−8、IL−10、IL−12、IP−10、MIP−1、MIP−3、および/またはMCP−1などのサイトカインの生成および分泌を誘導することでそれらの免疫賦活性活性を生じ、またIL−4およびIL−5などの特定のTH−2サイトカインの生成および分泌を阻害できる。いくつかのIRMは、IL−1およびTNFを抑制すると言われている(米国特許第6,518,265号明細書)。
【0048】
いくつかの実施形態では、好ましいIRM化合物は比較的小型の有機化合物である、いわゆる小分子IRMである(より大型の生物タンパク質、ペプチドなどとは対照的に、例えば分子量約1000ダルトン未満、好ましくは約500ダルトン未満)。活性に関するいかなる単一の理論にも拘束されないが、いくつかのIRMは、少なくとも1つのToll様受容体(TLR)の作動薬であることが知られている。6、7、8、および/または9から選択されるTLRに対する作動薬であるIRM化合物は、特定の適用において特に有用かもしれない。いくつかの用途では、例えば好ましいIRM化合物はTLR7作動薬でなくTLR8またはTLR9作動薬である。その他の用途では、例えばIRMはTLR7作動薬でありTLR8作動薬ではない。いくつかの小分子IRM化合物が、6、7、および/または8などのTLRの作動薬であるのに対し、オリゴヌクレオチドIRM化合物はTLR9およびおそらくはその他の作動薬である。したがっていくつかの実施形態では、IRM送達装置に含まれるIRMは、1つ以上のTLRの作動薬として同定される化合物であっても良い。
【0049】
例えば作用に関するいかなる特定の理論または機序にも拘束されないが、強力な細胞障害性リンパ球(CTL)反応を活性化するIRM化合物は、特にこれらの状況における治療的効果が細胞性免疫の活性化に依存することから、治療的なウィルスおよび/または癌ワクチンのためのワクチンアジュバントとして特に望ましいかもしれない。例えば研究からは、特定の患者におけるT細胞免疫の活性化が患者の予後に対して顕著な好ましい効果を有することが示されている。したがってT細胞免疫を向上させる能力は、これらの疾患状況において治療的な効果を生じる上で重大な意味を持つと考えられる。
【0050】
TLR8を発現する抗原提示細胞は、TLR8を通じた刺激時にIL−12を生成することが示されているので、TLR8作動薬であるIRM化合物は、治療的な癌ワクチンと共に使用するのに特に望ましいかもしれない。IL−12は、上述のように治療的有効性を媒介するのに重要であるCTLの活性化において、顕著な役割を果たすと考えられている。
【0051】
TLR7および/またはTLR9を通じた刺激によって誘導されるタイプIインターフェロンは、中和Th1様体液性および細胞性反応の形成に寄与すると考えられているので、TLR7作動薬および/またはTLR9作動薬であるIRM化合物は、予防的ワクチンと共に使用するのに特に望ましいかもしれない。
【0052】
TLR7刺激は、タイプIIFNの生成と、マクロファージおよびNK細胞などの生得細胞の活性化を誘導すると考えられおり、TLR8刺激は、上述のように抗原提示細胞を活性化して細胞性適応免疫を開始すると考えられているので、TLR7およびTLR8双方の作動薬であるIRM化合物は、治療的なウィルスワクチンおよび/または癌ワクチンと共に使用するのに特に望ましいかもしれない。これらの細胞タイプは、ウィルス排除および/または新生物に対する治療的な生育阻害効果を媒介できる。
【0053】
TLR7はタイプIIFNの生成を誘導し、それはマクロファージおよびDCからのIL−12生成を下方制御するので、非TLR7作動薬であり、実質的な量のインターフェロンαを誘導しないIRM化合物は、細菌ワクチンなどの特定のワクチンと共に使用するのに望ましいかもしれない。IL−12は引き続くマクロファージ、NK細胞、およびCTLの活性化に貢献し、それは全て抗細菌性免疫に貢献する。したがっていくつかの種類の細菌に対する抗細菌性免疫の誘導は、IFNαの不在下で向上するかもしれない。
【0054】
本願明細書の目的では、IRM化合物が特定のTLRに対する作動薬と見なされるかどうかを判定する一方法は、それがNFkB/ルシフェラーゼレポーターコンストラクトを活性化して、それを通じて例えばHEK293またはナマルワ(Namalwa)細胞などのTLR形質移入された宿主細胞中の標的種からのTLRが、コントロールの形質移入体と比較して約1.5倍を超える、および通常少なくとも約2倍であるかどうかである。TLR活性化の情報については、例えば国際公開第03/043573号パンフレット、米国特許出願第60/447179号、米国特許出願第60/432650号、米国特許出願第60/432651号、および米国特許出願第60/450484号、国際公開第03/043588号パンフレット、およびその他のIRM特許、およびここで開示される出願を参照されたい。
【0055】
好ましいIRM化合物としては、五員環の窒素含有複素環に縮合した2−アミノピリジンが挙げられる。
【0056】
小型分子IRM化合物のクラスの例としては、アミド置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換イミダゾキノリンアミン、複素環式エーテル置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル置換イミダゾキノリンアミンをはじめとするがこれに限定されるものではないイミダゾキノリンアミン誘導体と、アミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、複素環式エーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミンをはじめとするがこれに限定されるものではないテトラヒドロイミダゾキノリンアミンと、アミド置換イミダゾピリジン、スルホンアミド置換イミダゾピリジン、および尿素置換イミダゾピリジンをはじめとするがこれに限定されるものではないイミダゾピリジンアミンと、1,2−架橋イミダゾキノリンアミンと、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミンと、イミダゾナフチリジンアミンと、テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミンと、オキサゾロキノリンアミンと、チアゾロキノリンアミンと、オキサゾロピリジンアミンと、チアゾロピリジンアミンと、オキサゾロナフチリジンアミンと、チアゾロナフチリジンアミンと、例えば米国特許第4,689,338号明細書、米国特許第4,929,624号明細書、米国特許第4,988,815号明細書、米国特許第5,037,986号明細書、米国特許第5,175,296号明細書、米国特許第5,238,944号明細書、米国特許第5,266,575号明細書、米国特許第5,268,376号明細書、米国特許第5,346,905号明細書、米国特許第5,352,784号明細書、米国特許第5,367,076号明細書、米国特許第5,389,640号明細書、米国特許第5,395,937号明細書、米国特許第5,446,153号明細書、米国特許第5,482,936号明細書、米国特許第5,693,811号明細書、米国特許第5,741,908号明細書、米国特許第5,756,747号明細書、米国特許第5,939,090号明細書、米国特許第6,039,969号明細書、米国特許第6,083,505号明細書、米国特許第6,110,929号明細書、米国特許第6,194,425号明細書、米国特許第6,245,776号明細書、米国特許第6,331,539号明細書、米国特許第6,376,669号明細書、米国特許第6,451,810号明細書、米国特許第6,525,064号明細書、米国特許第6,545,016号明細書、米国特許第6,545,017号明細書、米国特許第6,558,951号明細書、および米国特許第6,573,273号明細書、欧州特許第0 394 026号明細書、米国特許公報第2002/0055517号、および国際特許公報国際公開第01/74343号パンフレット、国際公開第02/46188号パンフレット、国際公開第02/46189号パンフレット、国際公開第02/46190号パンフレット、国際公開第02/46191号パンフレット、国際公開第02/46192号パンフレット、国際公開第02/46193号パンフレット、国際公開第02/46749号パンフレット、国際公開第02/102377号パンフレット、国際公開第03/020889号パンフレット、国際公開第03/043572号パンフレット、および国際公開第03/045391号パンフレットで開示されるものなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0057】
(とりわけ)インターフェロンを誘導すると言われる小分子IRMの追加例としては、プリン誘導体(米国特許第6,376,501号明細書、および米国特許第6,028,076号明細書で述べられるものなど)、イミダゾキノリンアミド誘導体(米国特許第6,069,149号明細書で述べられるものなど)、およびベンズイミダゾール誘導体(米国特許第6,387,938号明細書で述べられるものなど)が挙げられる。1H−イミダゾピリジン誘導体(米国特許第6,518,265号明細書で述べられるものなど)は、TNFおよびIL−1サイトカインを阻害すると言われている。TLR7作動薬であると言われるその他の小分子IRMは、米国特許出願第2003/0199461 A1号で示されている。
【0058】
五員環の窒素含有複素環に縮合した4−アミノピリミジンを含んでなる小分子IRMの例としては、アデニン誘導体(米国特許第6,376,501号明細書、米国特許第6,028,076号明細書、および米国特許第6,329,381号明細書、および国際公開第02/08595号パンフレットで述べられるものなど)が挙げられる。
【0059】
例えばいくつかの用途では、好ましいIRM化合物はイミキモドまたはS−28463以外である(すなわちレシキモド:4−アミノ−α,α−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノール)。
【0060】
特定のIRM化合物の例としては、主にTLR8作動薬と見なされる(そして実質的にTLR7作動薬でない)2−プロピル[1,3]チアゾロ[4,5−c]キノリン−4−アミン、主にTLR7作動薬と見なされる(そして実質的にTLR8作動薬でない)4−アミノ−α,α−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノール、およびTLR7およびTLR8作動薬である4−アミノ−2−(エトキシメチル)−α,α−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノールが挙げられる。4−アミノ−α,α−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノールは、そのTLR7活性(そしてTLR6活性、しかし低いTLR8活性)に加えて、全身性に送達した際に、イミキモドと比較してはるかに低いCNS効果を有することをはじめとする有益な特性を有する。その他の特定IRM化合物の例としては、例えばN−[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c][1,5]ナフチリジン−1−イル)ブチル]−N’−シクロヘキシル尿素、2−メチル−1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c][1,5]ナフチリジン−4−アミン、1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c][1,5]ナフチリジン−4−アミン、N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}メタンスルホンアミド、N−[4−(4−アミノ−2−エチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]メタンスルホンアミド、2−メチル−1−[5−(メチルスルホニル)ペンチル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン、N−[4−(4−アミノ−2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]メタンスルホンアミド、2−ブチル−1−[3−(メチルスルホニル)プロピル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン、2−ブチル−1−{2−[(1−メチルエチル)スルホニル]エチル}−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン、N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−N’−シクロヘキシル尿素、N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}シクロヘキサンカルボキサミド、N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エチル}−N’−イソプロピル尿素が挙げられる。またTLR7およびTLR8作動薬の組み合わせが所望される特定の状況で、レシキモド、4−アミノ−2−エトキシメチル−α,α−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノールを使用しても良い。
【0061】
その他のIRM化合物としては、オリゴヌクレオチド配列などのより大型の生体分子が挙げられる。いくつかのIRMオリゴヌクレオチド配列はシトシン−グアニンジヌクレオチド(CpG)を含有し、例えば米国特許第6,194,388号明細書、米国特許第6,207,646号明細書、米国特許第6,239,116号明細書、6,339,068号明細書、および米国特許第6,406,705号明細書で述べられる。いくつかのCpG含有オリゴヌクレオチドは、例えば米国特許第6,426,334号明細書および米国特許第6,476,000号明細書で述べられるものなどの合成免疫調節構造モチーフを含むことができる。CpG7909は特定例である。その他のIRMヌクレオチド配列はCpGを欠いており、例えば国際特許公報国際公開第00/75304号パンフレットで述べられる。しかしより大型の生体分子IRMは、局在的な組織領域からの迅速な排除をより受けにくいかもしれないので、ここで述るIRM貯留物製剤は、上述の小分子IRMとの関連で特に有用であるかもしれない。
【0062】
例示的用途:
局在的な組織領域に送達されたIRM貯留物製剤は、多種多様な病状の処置などの多種多様な用途において使用できる。例えばミネソタ州セントポールの3Mファーマシューティカルズ(3M Pharmaceuticals(St.Paul、MN))からアルダラ(ALDARA)として市販される、小型分子イミダゾキノリンIRMであるイミキモドなどのIRMは、疣贅、ならびに特定の癌または前癌病変の治療的な処置のために有用であることが示されている(例えばガイセ(Geisse)ら、J.Am.Acad.Dermatol.、47(3):390〜398(2002);シューマック(Shumack)ら、Arch.Dermatol.、138:1163〜1171(2002);米国特許第5,238,944号明細書および国際特許公報国際公開第03/045391号パンフレットを参照されたい。)
【0063】
IRM貯留物製剤をはじめとするここで同定されたIRMを使用して処置しても良いその他の疾患としては以下が挙げられるが、これに限定されるものではない。
生殖器疣、尋常性肬贅、足底疣贅、肝炎B、肝炎C、単純ヘルペスウィルスタイプIおよびタイプII、伝染性軟属腫、痘瘡、HIV、CMV、VZV、ライノウィルス、アデノウィルス、コロナウィルス、インフルエンザ、パラ−インフルエンザなどのウィルス性疾患、
結核、およびトリ型結核、ハンセン病などの細菌性疾患、
真菌疾患、クラミジア、カンジダ、アスペルギルス、クリプトコックス髄膜炎、カリニ肺炎(pneumocystis carnii)、クリプトスポリジウム症、ヒストプラスマ症、トキソプラズマ症、トリパノソーマ感染、レーシュマニア症などのその他の感染性疾患、
上皮内新生物形成、子宮頚部異形成、光線性角化症、基底細胞癌、扁平細胞癌、毛様細胞白血病、カポジ肉腫、メラノーマ、腎細胞癌、骨髄性白血病、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚のT−細胞リンパ腫、およびその他の癌などの新生物疾患、
アトピー性皮膚炎または湿疹、好酸球増加症、喘息、アレルギー、アレルギー性鼻炎、全身性の紅斑性狼瘡、本態性血小板血症、多発性硬化症、オーメン症候群、円板状エリテマトーデス、円形脱毛症、ケロイド形成阻害などのTH−2媒介アトピー性、および自己免疫疾患、およびその他のタイプの瘢痕、および慢性創傷をはじめとする創傷治癒の向上、および
例えば癌、BCG、コレラ、ペスト、腸チフス、肝炎A、B、およびC、インフルエンザAおよびB、パラインフルエンザ、ポリオ、狂犬病、はしか、おたふく風邪、風疹、黄熱病、破傷風、ジフテリア、ヘモフィルスインフルエンザb、結核、髄膜炎菌性および肺炎球菌ワクチン、アデノウィルス、HIV、水痘、サイトメガロウィルス、デング、ネコ白血病、家禽ペスト、HSV−1およびHSV−2、豚コレラ、日本脳炎、呼吸器合胞体ウィルス、ロタウィルス、乳頭腫ウィルス、および黄熱病との関連で使用するための生ウィルス性および細菌性免疫原および不活性化ウィルス性、腫瘍由来、原生動物、生物体由来、真菌、および細菌性免疫原、トキソイド、毒素、多糖類、タンパク質、糖タンパク質、ペプチド、細胞性ワクチン、DNAワクチン、リコンビナントタンパク質、糖タンパク質、およびペプチドなどの体液性および/または細胞媒介免疫反応のいずれかを産生させるあらゆる材料との組み合わせでのワクチンアジュバントとしての使用。
【0064】
本発明のIRM貯留物製剤は、固形腫瘍および癌性臓器または組織領域内で使用するのに特に有益かもしれない。癌性組織内でIRMの滞留時間が延長されると、身体の癌に対する免疫反応が向上し、関連する腫瘍抗原を直接に標的にできると考えられている。これはIRM貯留物製剤送達部位における癌の縮小または除去を助けるだけでなく、免疫系を癌に対して感作することで、身体全体のその他の位置で免疫系が癌を攻撃するのを助けるかもしれない。この処置アプローチは、単独で、または治療的な癌ワクチン接種(IRM貯留物製剤の使用をさらに含んでも良い)、リツキサンおよびハーセプチンなどの抗体ベースの治療法、およびその他の化学療法などのその他の癌のための処置との組み合わせで使用しても良い。局在的な組織領域中へのIRM貯留物製剤の直接注射に特に適した癌の例としては、乳癌、肺癌、胃癌、頭および頸癌、結腸直腸の癌、腎細胞癌、膵臓癌、基底細胞癌、子宮頚部癌、メラノーマ、前立腺癌、卵巣の癌、および膀胱癌が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0065】
本発明の方法、材料、および物品は、あらゆる適切な対象に適用できるかもしれない。適切な対象としては、ヒト、非ヒト霊長類、齧歯類、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、または鳥などに限定されるものではない動物が挙げられるが、これに限定されるものではない。IRMはまた、HIV AIDS、移植患者、および癌患者などの免疫機能が損なわれている個人において特に役立つかもしれない。
【0066】
特定の治療的なまたは予防的な適用で効果的なIRM貯留物製剤の量は、意図される治療的なまたは予防的な適用を達成するのに十分な量である。使用するIRM貯留物製剤の正確な量は、IRM化合物の物理的および化学的性質、組成物の性質、意図される投与計画、対象の免疫系の状態(例えば抑制されている、損なわれている、刺激されている)、IRM化合物の投与方法、および調合物が投与される種をはじめとするがこれに限定されるものではない、技術分野で知られている要素に従って変動する。したがって概してあらゆる可能な適用で効果的なIRMおよびIRM貯留物製剤の量を構成する量について述べることは実用的でない。しかし当業者はこのような要因をしかるべく考察することで適切な量を容易に判断できる。
【実施例】
【0067】
以下の実施例は、本発明の特徴、利点、およびその他の詳細をさらに例証するためにのみ選択された。しかし実施例はこの目的を果たしながら、使用する特定の材料および量、ならびにその他の条件および詳細は、本発明の範囲を不当に制限するものではないと明示的に理解される。
【0068】
500μgの卵白アルブミンタンパク質を単独で(リン酸塩緩衝食塩水中の水溶液として調合された)、または200μgの以下のIRMの1つに混合し、皮下注射を通じてマウスを免疫した。
【0069】
【化1】

非貯留物製剤として調製され、シクロデキストリンを含有する酢酸緩衝食塩水混合物中の水溶液として200μgを送達するように調合された。
【0070】
【化2】

非貯留物製剤として調製され、シクロデキストリンを含有する酢酸緩衝食塩水混合物中の水溶液として200μgを送達するように調合された。
【0071】
【化3】

IRM3は脂質付加IRMである。IRM3は、微小部分沈殿(ppt)コロイド懸濁液として、またはミセル懸濁液として調合された貯留物製剤を使用して200μgを送達するように調合された。沈殿組成物は、界面活性剤なしに水溶液中に、有機溶剤に溶解したIRM3を単に注入して形成された微粒子(>1ミクロン、約10〜500ミクロン)組成物であった。得られた粒度範囲は、コロイド懸濁液(より単峰性のサブミクロンの大きさを提供する)とは異なり広範であった。コロイド調合物を形成するために、IRM3を最初に有機および水混和性溶剤(例えばN−メチルピロリドン、DMSO、クレモフォア(Cremophore)EL)中に溶解し、次に適量のTween80を含有する水溶液に添加した。これは親油性のIRM3をTween80分子によって被覆されまたは取り囲まれたコロイド粒子に沈殿させ、それはIRM粒子の凝析または凝集を防止または最小化する役割をする。Tween80の濃度が高いほど、IRMコロイドの粒度は小さくなる。Tween80の濃度が2%を超えるとIRMコロイドの懸濁液は半透明からほとんど透明な溶液になり、Tween80によるIRMのミセル封入が示唆される。このアプローチでは、IRMはまたミセル内部の間で分割されてもまたはミセルシェルそれ自体の中に包埋されても良く、その安定性に寄与する。
【0072】
IRM4はCpG1826として知られており、リン酸塩緩衝食塩水中の水溶液として200μgを送達するように調合された。
【0073】
上の各例で、マウスに200μgのIRMおよび500μgの卵白アルブミンを含有する100μLの調合物を皮下注射し、次に2週間後同一調合物で追加免疫した。追加免疫の5日後、脾臓を除去して細胞をCD8、CD44、B220およびKb−SIINFEKL四量体で染色した。
【0074】
結果を図1に示す。示されたデータは、全てのライブ、CD8+、B220−イベントについてゲーティングされた。右上四分円中の数は全CD8+T細胞中の四量体染色細胞(抗原特異的細胞)百分率を示す。脂質付加IRM分子は明らかに、非脂質付加分子よりも向上した免疫反応を提供する。これはIRMが局在的な組織領域内に長期間滞留するようにする、化合物の脂質変性された性質、および沈殿コロイド懸濁液、およびミセル懸濁液組成物双方のためであると考えられる。
【0075】
ここで引用した特許、特許文献および公報の完全な開示は、その内容全体を個々に本願明細書に引用したように参照によってここに編入する。不一致がある場合、定義を含めた本願明細書が統制するものとする。本発明の範囲を精神を逸脱することなく本発明の様々な修正および変更ができることは当業者には明らかである。例証的な実施形態および実施例は例証としてのみ提供され、本発明の範囲の制限を意図するものではない。本発明の範囲は以下で述べる請求項によってのみ制限される。
【図面の簡単な説明】
【0076】
(記載なし)
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
局在的な組織領域内に、該局在的な組織領域内における延長された滞留時間を提供するIRM貯留物製剤を配置するステップを含んでなる、IRM化合物に対する免疫反応を向上させる方法。
【請求項2】
局在的な組織領域が乳癌腫瘍である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
局在的な組織領域が胃癌腫瘍である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
局在的な組織領域が肺癌腫瘍である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
局在的な組織領域が頭部または頸部癌腫瘍である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
局在的な組織領域が結腸直腸癌腫瘍である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
局在的な組織領域が腎細胞癌腫瘍である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
局在的な組織領域が膵臓癌腫瘍である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
局在的な組織領域が基底細胞癌腫瘍である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
局在的な組織領域が子宮頚部癌腫瘍である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
局在的な組織領域がメラノーマ癌腫瘍である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
局在的な組織領域が前立腺癌腫瘍である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
局在的な組織領域が卵巣癌腫瘍である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
局在的な組織領域が膀胱癌腫瘍である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
局在的な組織領域がウィルス感染した病変または臓器である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
局在的な組織領域がワクチンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
局在的な組織領域が、前記IRM化合物を使用して処置可能な疾患にかかった特定の臓器である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
IRM貯留物製剤が脂質変性されたIRMを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
IRM貯留物製剤が担体材料に付着するIRM化合物を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
IRM貯留物製剤がIRM化合物の固形粒子を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
IRM貯留物製剤がエマルジョンを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
IRM貯留物製剤がミセルを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
IRM貯留物製剤が生分解性ポリマーマトリックス内のIRMを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
IRM貯留物製剤が、脂質膜、脂質小胞、またはリポソーム中に組み込まれたIRM化合物を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
IRM貯留物製剤が、IRM化合物のパルス投与される送達を提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
IRM貯留物製剤が、浸透圧性に駆動するシリンダーを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
IRM貯留物製剤が、注射を使用して局在的な組織領域内に送達される、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
IRM貯留物製剤が、外科的移植を使用して局在的な組織領域内に送達される、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
IRM貯留物製剤が、腹腔鏡移植を使用して局在的な組織領域内に送達される、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
IRM貯留物製剤が、カテーテル移植を使用して局在的な組織領域内に送達される、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
IRM貯留物製剤が、マイクロニードル配列を使用して局在的な組織領域内に送達される、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
IRM貯留物製剤が、高速粒子移植を使用して局在的な組織領域内に送達される、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
IRM貯留物製剤が、超音波、MRI、またはリアルタイムのX線蛍光透視から選択される画像ガイド技術を使用して、局在的な組織領域内に送達される、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
IRMが、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される少なくとも1つのTLRの作動薬である、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
IRMがTLR7の選択的TLR作動薬である、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
IRMがTLR8の選択的TLR作動薬である、請求項1に記載の方法。
【請求項37】
IRMがTLR9の選択的TLR作動薬である、請求項1に記載の方法。
【請求項38】
IRMがTLR7および8双方のTLR作動薬である、請求項1に記載の方法。
【請求項39】
IRMが小分子免疫反応調節物質である、請求項1に記載の方法。
【請求項40】
IRMが、アミド置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換イミダゾキノリンアミン、複素環式エーテル置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル置換イミダゾキノリンアミンをはじめとするが、これに限定されるものではないイミダゾキノリンアミンと、アミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、複素環式エーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミンをはじめとするが、これに限定されるものではないテトラヒドロイミダゾキノリンアミンと、アミド置換イミダゾピリジン、スルホンアミド置換イミダゾピリジン、および尿素置換イミダゾピリジンをはじめとするが、これに限定されるものではないイミダゾピリジンアミンと、1,2−架橋イミダゾキノリンアミンと、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミンと、イミダゾナフチリジンアミンと、テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミンと、オキサゾロキノリンアミンと、チアゾロキノリンアミンと、オキサゾロピリジンアミンと、チアゾロピリジンアミンと、オキサゾロナフチリジンアミンと、チアゾロナフチリジンアミンと、それらの薬剤的に許容可能な塩と、それらの組み合わせよりなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項41】
IRMが、アミド置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換イミダゾキノリンアミン、複素環式エーテル置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル置換イミダゾキノリンアミンと、アミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、複素環式エーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミンをはじめとするが、これに限定されるものではないテトラヒドロイミダゾキノリンアミンと、アミド置換イミダゾピリジン、スルホンアミド置換イミダゾピリジン、および尿素置換イミダゾピリジンをはじめとするが、これに限定されるものではないイミダゾピリジンアミンと、1,2−架橋イミダゾキノリンアミンと、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミンと、イミダゾナフチリジンアミンと、テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミンと、オキサゾロキノリンアミンと、チアゾロキノリンアミンと、オキサゾロピリジンアミンと、チアゾロピリジンアミンと、オキサゾロナフチリジンアミンと、チアゾロナフチリジンアミンと、それらの薬剤的に許容可能な塩、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項42】
IRMが、五員環窒素含有複素環に縮合した2−アミノピリジンを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項43】
IRM貯留物製剤がCpG IRMを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項44】
IRM貯留物製剤が、1つ以上の追加的活性成分をさらに含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項45】
活性成分がワクチンを含んでなる、請求項28に記載の方法。
【請求項46】
先行する請求項のいずれか1項に記載のIRM貯留物製剤。

【公表番号】特表2007−514644(P2007−514644A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532393(P2006−532393)
【出願日】平成16年4月9日(2004.4.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/011085
【国際公開番号】WO2005/001022
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】