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免疫学的に重要な単純疱疹ウイルス抗原
説明

免疫学的に重要な単純疱疹ウイルス抗原

【課題】単純疱疹ウイルス(HSV)感染症の予防および治療にとって有用なHSV抗原の提供。
【解決手段】HSV抗原、HSV抗原を含むポリペプチド、該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、ベクター、および該ポリヌクレオチドを含む組換え型ウイルス、該ポリペプチドを提示する抗原提示細胞(APC)、HSVに対して産生された免疫細胞、ならびにこれらを含有する、HSV感染症を予防および治療するために有用な薬学的組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する本発明は、米国国立衛生研究所によって授与された助成金番号第AI34616号、第AI30731号、および第CA70017号によって政府の支援を受けて行われた。政府は、本発明に一定の権利を保有する。
【0002】
本出願は、そのそれぞれの全文が参照として本明細書に組み入れられる、1999年9月30日に出願された米国特許仮出願番号第60/157,181号、2000年5月12日に出願された第60/203,660号、2000年7月13日に出願された第60/218,104号の利益を主張する。本出願全体を通して、様々な出版物を引用する。これらの出版物の全文の開示は、本発明が属する当技術分野の技術の現状をより詳しく説明するために、参照として本明細書に組み入れられる。
【0003】
本発明の技術分野
本発明は、HSV感染症の治療および予防のために用いることができる分子、組成物、および方法に関する。より詳しく述べると、本発明は、HSV特異的T細胞、特にCD8+ T細胞の抗原特異性を有する方法、分子、および組成物を開発するために用いることができるHSVタンパク質のエピトープを同定する。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
細胞性免疫応答は、ヒトにおける重度の再発性HSV感染症を制限するために必要である。初回の性器HSV-2感染症は持続して重度であるが、再発は重症度が低く、よりしばしば無症候性である。原発性HSV-2感染症の緩解は、CD8+ 細胞毒性Tリンパ球(CTLs)を含む抗原特異的T細胞の浸潤に関連している。ヒトにおける再発性HSV-2感染症の連続的な病変部の生検研究から、病変が成熟するにつれてCD8+優勢へとシフトすること、および局所的CTL活性がウイルス排泄と相関することが示されている(コエル(Koelle, DM)ら、J. Clin. Invest. 1998、101:1500〜1508(非特許文献1);カニンガム(Cunningham, AL)ら、J. Clin. Invest. 1985、75:226〜233(非特許文献2))。このように、CD8+ CTLによって認識されるHSV抗原は、新規治療およびワクチンのために用いることができる。
【0005】
単純疱疹ウイルス(HSV)の完全なDNA配列は約150 kbで、既知の遺伝子約85個をコードし、そのそれぞれが長さがアミノ酸50〜1000個の範囲のタンパク質をコードする。これらのタンパク質における免疫原性エピトープは不明であるが、それぞれのエピトープは、長さがアミノ酸約9〜12個であり、ウイルス感染症に反応して有効なT細胞免疫応答を誘発することができる。
【0006】
HSV感染症に対して有効な免疫応答を誘発することができる特異的エピトープを同定する必要がある。そのような情報があれば、HSV感染症の予防および治療にとって有用なより有効な免疫原性抗原を同定することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】コエル(Koelle, DM)ら、J. Clin. Invest. 1998、101:1500〜1508
【非特許文献2】カニンガム(Cunningham, AL)ら、J. Clin. Invest. 1985、75:226〜233
【発明の概要】
【0008】
発明の概要
本発明は、HSV抗原、HSV抗原を含むポリペプチド、該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、ベクター、および該ポリヌクレオチドを含む組換え型ウイルス、該ポリペプチドを提示する抗原提示細胞(APC)、HSVに対して産生された免疫細胞、ならびに薬学的組成物を提供する。薬学的組成物は、予防的および治療的のいずれにも用いることができる。本発明の抗原はヘルペス病変から採取したT細胞によって認識される。本発明はさらに、HSV感染症を予防および治療する方法、抗ウイルスおよび/または免疫調節リンフォカインの分泌を増強する方法、ならびにHSV特異的抗体産生を増強する方法を含む方法を提供する。HSV感染症を予防および治療するため、抗ウイルスおよび/または免疫調節リンフォカインの分泌を増強するため、HSV特異的抗体産生を増強するため、および一般的にHSV-特異的免疫を刺激および/または増強するために、本方法は、本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、組換え型ウイルス、APC、免疫細胞または組成物を被験者に投与することを含む。HSV感染細胞を死滅させる方法、およびウイルス複製を阻害する方法は、HSV感染細胞を本発明の免疫細胞に接触させる段階を含む。本発明の免疫細胞は、本発明の抗原、または本発明の抗原を提示するAPCによって刺激される細胞である。そのような免疫細胞を産生する方法も、本発明によって提供される。本方法は、本発明の抗原を提示するように改変されたAPC、特に樹状細胞に免疫細胞を接触させる段階を含む。好ましい態様において、免疫細胞はCD4+またはCD8+ T細胞のようなT細胞である。
【0009】
一つの態様において、本発明はHSVポリペプチドを含む組成物を提供する。ポリペプチドはICP0もしくはUL47タンパク質またはその断片を含む。ひとつの態様において、断片はICP0の92位〜101位のアミノ酸またはその置換変異体を含む。他の様態において、断片はUL47の289位〜298位のアミノ酸、548位〜557位のアミノ酸、550位〜559位のアミノ酸、551位〜559位のアミノ酸および/もしくは551位〜561位のアミノ酸、またはその置換変異体を含む。同様に、本発明のポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチドおよびポリヌクレオチドを含む組成物も提供する。本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチドを発現するように遺伝子改変された組換え型ウイルス、および組換え型ウイルスを含む組成物を提供する。好ましい態様において、ウイルスは、ワクシニアウイルス、カナリアポックスウイルス、HSV、レンチウイルス、レトロウイルスまたはアデノウイルスである。本発明の組成物は薬学的組成物となりうる。組成物は選択的に、薬学的に許容される担体および/またはアジュバントを含みうる。
【0010】
本発明は、さらにウイルス、細菌、または寄生虫のような感染性微生物の免疫原性エピトープを同定する方法を提供する。好ましくは、感染性生物はHSVのようなウイルスである。一つの態様において、方法は、生物のゲノムの無作為断片の集合体を調製する段階を含む。断片は、制限酵素による消化、および調節された超音波処理(モーニュー(Mougneau, E.)ら、Science 1995、268:563〜66)のような機械的断片化を含むがこれらに限定されない、様々な標準的な方法を用いて調製することができる。好ましい態様において、生物はHSV-2であり、ウイルスゲノムの断片はSau3A Iによる消化によって調製される。用いることができる他の制限酵素の例には、ApaI、SmaI、およびAluIが含まれるがこれらに限定されない。次に、ゲノムDNAの断片を、好ましくは部分的フィルイン反応を用いてベクターにライゲーションする。好ましいベクターは、pcDNA3.1(+)hisシリーズのメンバーである。次に、断片を従来の技術を用いて発現させる。好ましくは、発現は、Cos-7トランスフェクション法を用いて行う(デプラエン(De Plaen E)ら、レフコビッツ(Lefkowits I.)編、「免疫学方法マニュアル(Immunology Methods Manual)」第2巻、ニューヨーク、アカデミックプレス、1997:691〜718)。Cos-7細胞は、標的抗原を提示することができる適当なHLA分子と同時トランスフェクトすることができる。
【0011】
次に、発現されたポリペプチドが細胞性免疫応答を誘発できるか否かをアッセイする。細胞性免疫応答の誘発能は、免疫原性エピトープ存在の指標である。細胞性免疫応答の誘発能を検出するために用いることができるアッセイ法には、細胞毒性アッセイ法およびリンフォカイン分泌アッセイ法が含まれるがこれらに限定されない。一つの態様において、アッセイ法はインターフェロン-γアッセイ法である。
【0012】
好ましい態様において、本発明は、CD8+ T細胞に対して免疫原性であるHSVエピトープを同定する方法を提供する。方法は、HSV病変部からCD8+ T細胞を得る段階、およびHSV感染細胞の認識能を有するT細胞を同定するために、得られたT細胞をアッセイする段階を含む。方法はさらに、HSVからの核酸調製物を得て断片化する段階、得られた核酸の一つまたはそれ以上の断片を発現させる段階、および同定されたHSV特異的T細胞に対する抗原反応性に関して発現された断片をアッセイする段階を含む。HSV特異的T細胞との反応性を有する発現された断片は、CD8+ T細胞に対して免疫原性であるHSVエピトープをコードすると同定される。
【0013】
上記の段階はゲノム断片の小断片によって繰り返すことができる。本方法はさらに、ゲノムの断片をシークエンシングする段階を含む。一つの態様において、T細胞をアッセイする段階は細胞毒性アッセイ法またはインターフェロン-γアッセイ法を実施する段階を含む。アッセイする段階は、感染性微生物に暴露された被験者に由来する免疫細胞について実施することができる。好ましい態様において、細胞は感染した被験者の皮膚、子宮頸部、または血液のような能動的感染部位に由来する。
【0014】
本発明はさらに、本発明の方法によって同定された免疫原性エピトープ、エピトープを含むポリペプチド、およびポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。適した感染性微生物には、細菌、寄生虫およびウイルスが含まれる。ウイルスの例には、いずれも二本鎖および一本鎖であるDNAおよびRNAウイルスが含まれる。本発明の方法は、微生物の核酸配列が既知である必要がないことから、有意な多様性を示す生物を含む多様な感染性微生物に対抗するための方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
(図1A) 被験者RWからのバルクのCD8濃縮PBMCにおけるTCR Cβ-Vβ PCR産物(示されたVβファミリー24個中12個)の蛍光検出を示す。2回の分析において1パネルあたりVβプライマー2個(表示)を用いた。X軸:蛍光マーカーに基づいてTOPで示されたPCR産物の分子量。Y軸:相対的蛍光強度。
(図1B) 初回HSV-2生検からのバルクのCD8濃縮病変浸潤リンパ球(LIL)におけるTCR Cβ-Vβ PCR産物(示したVβファミリー24個中12個)の蛍光検出を示す。2回の分析において1パネルあたりVβプライマー2個(示す)を用いた。X軸:蛍光マーカーに基づいてTOPで示されたPCR産物の分子量。Y軸:相対的蛍光強度。
(図2) 図2Aは、バルク増殖子宮頚部細胞診由来リンパ球の増殖反応を示す。図2Bは、特異的放出百分率に対してプロットした、バルク増殖子宮頚部細胞診由来リンパ球の細胞毒性反応を示す。
(図3) ICP0遺伝子の一部を含む、HSV-2 DNAのSau3A Iライブラリーから単離した陽性ゲノムクローンの概略図である(第二の線)。ゲノムクローンを細胞にトランスフェクトして、プライマーAをcDNA合成に用いた。エキソン-1/エキソン2 C-A(第五の線)、およびHLA B45 cDNAsは、Cos-7細胞にトランスフェクトした後、T細胞クローン(TCC)RW51からのインターフェロンγ分泌を刺激した。エキソン-1 B-C cDNA(第4の線)は陰性であった。
(図4) ワクシニアICP0および合成ICP0 92〜105の表示の濃度に対するRW51のCTL活性を示す棒グラフである。エフェクター:標的比10:1の4時間の51Cr放出アッセイ法。自然放出は全て<20%であった。
(図5) 表示の濃度の合成ICP0 92〜101に対するRW51のCTL活性を示すグラフである。エフェクター:標的比10:1の4時間の51Cr放出アッセイ法。自然放出は全て<20%であった。
(図6) 末梢血に由来し、HSV-2 ICP0アミノ酸92〜101位のペプチドで刺激した被験者RWのリンパ球のCTL活性を示すグラフである。エフェクター:標的比10:1の4時間の51Cr放出アッセイ法。自然放出は全て<20%であった。棒グラフのそれぞれの対に関して、上の棒グラフは、病変由来CD8クローンからのデータを表し、下の棒グラフはペプチドで刺激したPBMCからのデータを表す。
(図7) HLA制限対立遺伝子、HSV-2反応性、および病変部CD8クローンによるIFN-γ分泌の確認を示す。
(図8) 図8Aは、発現クローニングによって得られた病変部CD8クローンdk RW.1991.22に関するペプチド用量反応性を示す。図8Bは、発現クローニングによって得られた病変部CD8クローンRW.1997.51に関するペプチド用量反応性を示す。図8Cは、発現クローニングによって得られた病変部CD8クローンHV.1999.23に関するペプチド用量反応性を示す。
(図9) A*0201制限、UL47 289〜298特異的CD8 CTLがB*4402またはB*4403と交差反応することを示す。
(図10A) 末梢血リンパ球におけるUL47特異的CTLの存在を示す。図10Aは、UL47 289〜298によって誘発された被験者1874の特異的放出を示す。
(図10B) 末梢血リンパ球におけるUL47特異的CTLの存在を示す。図10Bは、UL47 551〜559によって誘発された被験者1874の特異的放出を示す。
(図10C) 末梢血リンパ球におけるUL47特異的CTLの存在を示す。図10Cは、gB2 443〜451によって誘発された被験者1874の特異的放出を示す。
(図10D) 末梢血リンパ球におけるUL47特異的CTLの存在を示す。図10Dは、UL47 289〜298によって誘発された被験者7282の特異的放出を示す。
(図10E) 末梢血リンパ球におけるUL47特異的CTLの存在を示す。図10Eは、UL47 551〜559によって誘発された被験者7282の特異的放出を示す。
(図10F) 末梢血リンパ球におけるUL47特異的CTLの存在を示す。図10Fは、gB2 443〜451によって誘発された被験者7282の特異的放出を示す。
(図10G) 末梢血リンパ球におけるUL47特異的CTLの存在を示す。図10Gは、UL47 289〜298によって誘発された被験者9107の特異的放出を示す。
(図10H) 末梢血リンパ球におけるUL47特異的CTLの存在を示す。図10Hは、UL47 551〜559によって誘発された被験者9107の特異的放出を示す。
(図10I) 末梢血リンパ球におけるUL47特異的CTLの存在を示す。図10Iは、gB2 443〜451によって誘発された被験者9107の特異的放出を示す。
(図10J) 末梢血リンパ球におけるUL47特異的CTLの存在を示す。図10Jは、UL47 289〜298によって誘発された被験者9383の特異的放出を示す。
(図10K) 末梢血リンパ球におけるUL47特異的CTLの存在を示す。図10Kは、UL47 551〜559によって誘発された被験者9383の特異的放出を示す。
(図10L) 末梢血リンパ球におけるUL47特異的CTLの存在を示す。図10Lは、gB2 443〜451によって誘発された被験者9383の特異的放出を示す。
(図10M) 末梢血リンパ球におけるUL47特異的CTLの存在を示す。図10Mは、UL47 289〜298によって誘発された被験者9410の特異的放出を示す。
(図10N) 末梢血リンパ球におけるUL47特異的CTLの存在を示す。図10Nは、UL47 551〜559によって誘発された被験者9410の特異的放出を示す。
(図10O) 末梢血リンパ球におけるUL47特異的CTLの存在を示す。図10Oは、gB2 443〜451によって誘発された被験者9410の特異的放出を示す。
(図11) 図11Aは、ペプチド濃度(μg/ml)の関数としてのIFN-γELISPOTアッセイ法の結果をELISPPOTS/ウェルで示すグラフである。調べた9 merのUL47ペプチド5個の結果を示す:548〜556(黒丸);549〜557(白丸);550〜558(黒三角);551〜559(白三角);552〜560(四角)。図11Bは、ペプチド濃度(μg/ml)の関数としてのIFN-γELISPOTアッセイ法の結果をELISPOTS/ウェルで示すグラフである。結果は調べた10 merのUL47ペプチド5個について示す:548〜557(黒丸);549〜558(白丸);550〜559(黒三角);551〜560(白三角);552〜561(四角)。
(図12) C1R-A2/3D9.6H7細胞上でHLA-A2から溶出したペプチドの様々なHPLC画分のそれぞれについて、IFN-γELISPOTアッセイ法の結果をELISPOTS/ウェルで示す棒グラフである。結果は、画分17、18、および23が、CTLクローンcpRW22によって認識されるペプチドを含むことを示す。挿入図は、T細胞単独、C1R-A2/3D9.5A1、C1R-A2/3D9.6H7、C1R-A2/HSV-2、C1R-A2/HSV-1、およびC1R-A2を含む様々な対照からのデータを示す。
(図13) 図13Aは、画分17の様々なHPLC細画分のそれぞれについてのIFN-γELISPOTアッセイ法の結果をELISPOTS/ウェルで示す棒グラフである。結果は、画分17の細画分がCTLクローンcpRW22によって認識されるC1RA2/3D9.6H7からのペプチドを含むことを示す。矢印はそれぞれ、配列番号:3、1、および2に対応するペプチドを示す。図13Bは、画分18の様々なHPLC細画分のそれぞれについてのIFN-γELISPOTアッセイ法の結果をELISPOTS/ウェルで示す棒グラフである。結果は、画分18の細画分がCTLクローンcpRW22によって認識されるC1R-A2/3D9.6H7由来のペプチドを含むことを示す。矢印はそれぞれ、配列番号:3、1、および2に対応するペプチドを示す。図13Cは、様々な対照のそれぞれに対するIFN-γELISPOTアッセイ法の結果をELISPOTS/ウェルで示す棒グラフである:クローン22のみ;C1R-A2/3D9.5A1;C1R-A2/3D9.6H7;およびT2細胞。
(図14) C1R-A2/3D9.6H7細胞の画分23の様々なHPLC細画分のそれぞれについてのIFN-γELISPOTアッセイ法の結果をELISPOTS/ウェルで示す棒グラフである。結果は、細画分37がCTLクローンcpRW22による認識に関してT2細胞を感作することを示す。この画分における活性はHPLCにおいてUL47/550〜559と同じ移動度を有する。矢印はそれぞれ、配列番号:3、1、および2に対応するペプチドを示す。挿入図は、T細胞単独、およびC1R-A2/3D9.6H7を含む対照に関するデータを示す。
(図15) 図15Aは、HSV2合成ペプチド

(配列番号:1;UL47/550〜559)のHPLC分画の結果を示す。ペプチドを、細分画条件でHPLCに通過させると、画分37に溶出することが判明した。図15Bは、HSV2合成ペプチド

(配列番号:2;UL47/551〜560)のHPLC分画の結果を示す。ペプチドを、細分画条件でHPLCに通過させると、画分40/41に溶出することが判明した。図15Cは、HSV2合成ペプチド

(配列番号:3:UL47/551〜559)のHPLC分画の結果を示す。ペプチドを、細分画条件でHPLCに通過させると、画分32に溶出することが判明した。
(図16) C1R-A2/3D9.6H7からの画分23/細画分37に関してm/zの関数として相対量としてプロットした質量分析データを示す。これらのデータは、UL47/550〜559と同じ質量(MW=961)を有するペプチドがこの細画分に存在することを示している。
(図17) C1R-A2/3D9.6H7細胞がHSV-2に由来する少なくとも2つのレトロウイルス挿入断片を含むことを証明するために、PCRのために用いられる様々なプライマーの配列(配列番号:14〜17)を示す。
(図18A) C1R-A2/3D9.6H7細胞からのレトロウイルス挿入断片のPCR解析の結果を示し、これらの細胞がHSV-2からの挿入断片を含むことを確認する。バンド2、4および8は、図18Bに示すUL47挿入断片の一部を指し;バンド7は、図18Cに示すUL52挿入断片を指す。
(図18B) C1R-A2/3D9.6H7細胞からのレトロウイルス挿入断片によってコードされるUL47遺伝子の大きい一部分の略図である。この挿入断片にはUL47/550〜559ペプチド(配列番号:1)をコードする一部が含まれる。
(図18C) C1R-A2/3D9.6H7細胞からの第二のレトロウイルス挿入断片によってコードされるUL52遺伝子の2つの断片の略図である。
(図19) ELISPOTS/ウェルで測定したインターフェロン-γ分泌によって決定されるように、UL47遺伝子トランスフェクトVA13/A2細胞がCD8+ T細胞クローンcpRW22によって認識されることを示す棒グラフである。標的は、HLA-A2を安定に発現するVA13線維芽細胞であった。標的は、UL47ペプチドをパルスするか、またはUL47発現プラスミドクローン#2、#4、または#6を一過性にトランスフェクトした。反応体はcpRW22 CD8+ T細胞クローンであった。
(図20A) 異なるHLA-A2供与体によるCTL反応を、エフェクター:標的比の関数としての特異的溶解百分率としてプロットして示すグラフである。標的は、ペプチドなし(黒丸)、刺激ペプチド(白丸)、またはHIVに由来する対照ペプチド(三角)のいずれかをパルスした。図20Aは、供与体RW1874の結果を示す。PBMCをインフルエンザM1/58〜66によって刺激した。
(図20B) 異なるHLA-A2供与体によるCTL反応を、エフェクター:標的比の関数としての特異的溶解百分率としてプロットして示すグラフである。標的は、ペプチドなし(黒丸)、刺激ペプチド(白丸)、またはHIVに由来する対照ペプチド(三角)のいずれかをパルスした。図20Bは、供与体RW1874の結果を示す。PBMCをUL47/550〜559によって刺激した。
(図20C) 異なるHLA-A2供与体によるCTL反応を、エフェクター:標的比の関数としての特異的溶解百分率としてプロットして示すグラフである。標的は、ペプチドなし(黒丸)、刺激ペプチド(白丸)、またはHIVに由来する対照ペプチド(三角)のいずれかをパルスした。図20Cは、供与体RW1874の結果を示す。PBMCをUL47/289〜298によって刺激した。
(図20D) 異なるHLA-A2供与体によるCTL反応を、エフェクター:標的比の関数としての特異的溶解百分率としてプロットして示すグラフである。標的は、ペプチドなし(黒丸)、刺激ペプチド(白丸)、またはHIVに由来する対照ペプチド(三角)のいずれかをパルスした。図20Dは、供与体HV5101の結果を示す。PBMCをインフルエンザM1/58〜66によって刺激した。
(図20E) 異なるHLA-A2供与体によるCTL反応を、エフェクター:標的比の関数としての特異的溶解百分率としてプロットして示すグラフである。標的は、ペプチドなし(黒丸)、刺激ペプチド(白丸)、またはHIVに由来する対照ペプチド(三角)のいずれかをパルスした。図20Eは、供与体HV5101の結果を示す。PBMCをUL47/550〜559によって刺激した。
(図20F) 異なるHLA-A2供与体によるCTL反応を、エフェクター:標的比の関数としての特異的溶解百分率としてプロットして示すグラフである。標的は、ペプチドなし(黒丸)、刺激ペプチド(白丸)、またはHIVに由来する対照ペプチド(三角)のいずれかをパルスした。図20Fは、供与体HV5101の結果を示す。PBMCをUL47/289〜298によって刺激した。
(図20G) 異なるHLA-A2供与体によるCTL反応を、エフェクター:標的比の関数としての特異的溶解百分率としてプロットして示すグラフである。標的は、ペプチドなし(黒丸)、刺激ペプチド(白丸)、またはHIVに由来する対照ペプチド(三角)のいずれかをパルスした。図20Gは、供与体AD120の結果を示す。PBMCをインフルエンザM1/58〜66によって刺激した。
(図20H) 異なるHLA-A2供与体によるCTL反応を、エフェクター:標的比の関数としての特異的溶解百分率としてプロットして示すグラフである。標的は、ペプチドなし(黒丸)、刺激ペプチド(白丸)、またはHIVに由来する対照ペプチド(三角)のいずれかをパルスした。図20Hは、供与体AD120の結果を示す。PBMCをUL47/550〜559によって刺激した。
(図20I) 異なるHLA-A2供与体によるCTL反応を、エフェクター:標的比の関数としての特異的溶解百分率としてプロットして示すグラフである。標的は、ペプチドなし(黒丸)、刺激ペプチド(白丸)、またはHIVに由来する対照ペプチド(三角)のいずれかをパルスした。図20Iは、供与体AD120の結果を示す。PBMCをUL47/289〜298によって刺激した。
(図20J) 異なるHLA-A2供与体によるCTL反応を、エフェクター:標的比の関数としての特異的溶解百分率としてプロットして示すグラフである。標的は、ペプチドなし(黒丸)、刺激ペプチド(白丸)、またはHIVに由来する対照ペプチド(三角)のいずれかをパルスした。図20Jは、供与体AD124の結果を示す。PBMCをインフルエンザM1/58〜66によって刺激した。
(図20K) 異なるHLA-A2供与体によるCTL反応を、エフェクター:標的比の関数としての特異的溶解百分率としてプロットして示すグラフである。標的は、ペプチドなし(黒丸)、刺激ペプチド(白丸)、またはHIVに由来する対照ペプチド(三角)のいずれかをパルスした。図20Kは、供与体AD124の結果を示す。PBMCをUL47/550〜559によって刺激した。
(図20L) 異なるHLA-A2供与体によるCTL反応を、エフェクター:標的比の関数としての特異的溶解百分率としてプロットして示すグラフである。標的は、ペプチドなし(黒丸)、刺激ペプチド(白丸)、またはHIVに由来する対照ペプチド(三角)のいずれかをパルスした。図20Lは、供与体AD124の結果を示す。PBMCをUL47/289〜298によって刺激した。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明の詳細な説明
本発明は、HSV感染症の予防および治療のために有用であるHSV抗原を提供する。ヘルペス領域に由来するT細胞によって認識されることが確認された抗原および/またはその構成エピトープを本明細書において開示する。幾つかの態様において、本発明の抗原に対する特異性を有するT細胞は、ウイルス感染細胞に対して細胞障害活性を示した。T細胞の特異性に関与する免疫原性抗原の同定によって、改善された抗ウイルス療法および予防方法の開発が容易となる。抗原または本発明の抗原をコードするポリヌクレオチドを含む組成物により、HSV感染症を予防および治療するために有効にターゲティングされるワクチンが提供される。
【0017】
定義
本出願において用いられた全ての科学技術用語は、特に明記していなければ当技術分野で一般的に用いられている意味を有する。本出願において用いられるように、以下の用語または句は、明記された意味を有する。
【0018】
本明細書において用いられるように、「ポリペプチド」には、天然起源から単離された、組換え技術によって産生された、または化学合成されたか否かによらず、タンパク質、タンパク質の断片、およびペプチドが含まれる。本発明のポリペプチドは、典型的にアミノ酸を少なくとも約6個含む。
【0019】
本明細書において用いられるように、「HSVポリペプチド」には、特に明記していなければHSV-1およびHSV-2が含まれる。HSVタンパク質またはポリペプチドのアミノ酸について言及する場合、ドラン(A. Dolan)ら(1998、J. Virol. 72(3):2010〜2021)に記述のようなHSV-2に関するゲノム配列情報に基づいている。下記に示すように、ICP0の断片をトランスフェクトした細胞からのRNAの配列決定に基づくHSV-2のICP0の予想されるポリペプチド配列は、アミノ酸Q26の削除により公表された配列とは異なる。
【0020】
本明細書において用いられるように、「置換体変種」という用語は、表示のアミノ酸配列において一つまたはそれ以上のアミノ酸置換または欠失を有するが、なおも免疫細胞によって特異的に認識されうる能力を保持している分子を意味する。置換体変種のアミノ酸配列は、好ましくは本来のアミノ酸配列と少なくとも80%同一であり、またはより好ましくは本来のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である。ある分子が免疫細胞によって特異的に認識されうるか否かを決定する一つの方法は、コエルら(D.M. Koelle、1997、Human Immunol. 53:195〜205)に記載される細胞毒性アッセイ法である。ある分子が免疫細胞によって特異的に認識されうるか否かを決定する他の方法は、インターフェロン-γの分泌刺激能または分子を提示する細胞の溶解能を含む、本明細書において下記に提供される実施例に記載される。例えば、分子による刺激によって対照分子による刺激より大きいインターフェロン-γ分泌が起こる場合、免疫細胞は特異的にその分子を認識するであろう。例えば、分子は、5pg/mlを越える、または好ましくは10 pg/mlを越えるインターフェロン-γ分泌を刺激してもよいが、対照分子によるインターフェロン-γの刺激は5pg/ml未満であろう。
【0021】
本明細書において用いられるように、「ベクター」とは、宿主細胞において関係する1つまたは複数の遺伝子または配列を輸送、および好ましくは発現することができる構築物を意味する。ベクターの例には、ウイルスベクター、裸のDNAもしくはRNA発現ベクター、プラスミド、コスミド、もしくはファージベクター、陽イオン濃縮剤に結合したDNAもしくはRNA発現ベクター、リポソームに封入されたDNAもしくはRNA発現ベクター、およびプロデューサー細胞のような特定の真核細胞が含まれるがこれらに限定しない。
【0022】
本明細書において用いられるように、「発現調節配列」とは、核酸の転写を指示する核酸配列を意味する。発現調節配列は、構成的もしくは誘導型プロモーターのようなプロモーター、またはエンハンサーとなりうる。発現調節配列は転写される核酸配列に機能的に結合している。
【0023】
「核酸」または「ポリヌクレオチド」という用語は、一本鎖もしくは二本鎖のいずれかの形でのデオキシリボヌクレオチド、またはリボヌクレオチドを意味し、特に限定されなければ、天然に存在するヌクレオチドと同様に核酸にハイブリダイズする天然のヌクレオチドの既知の類似体を含む。
【0024】
本明細書において用いられるように、「抗原提示細胞」または「APC」とは、抗原を処理することができ、抗原をリンパ球に提示することができる細胞を意味する。APCの例には、マクロファージ、ランゲルハンス樹状細胞、濾胞樹状細胞、B細胞、単球、繊維芽細胞および繊維嚢胞が含まれるがこれらに限定されない。樹状細胞は好ましいタイプの抗原提示細胞である。樹状細胞は多くの非リンパ様組織において認められるが、求心性リンパまたは血流を通じてリンパ様臓器のT依存的領域に移動することができる。非リンパ様臓器では、樹状細胞にはランゲルハンス島および間質樹状細胞が含まれる。リンパおよび血液において、それらはそれぞれ、求心性のリンパに隠された細胞および血液樹状細胞を含む。リンパ様臓器において、それらはリンパ様樹状細胞および互いに入り組んだ細胞を含む。
【0025】
本明細書において用いられるように、エピトープを提示する場合に「改変された」とは、天然または組換え的方法によってエピトープを提示するように操作された抗原提示細胞(APC)を意味する。例えば、APCは単離された抗原の単独もしくは混合物の一部としての暴露、ペプチド負荷によって、または1つもしくはそれ以上のエピトープを含むポリペプチドを発現するようにAPCを遺伝子改変することによって、改変することができる。
【0026】
本明細書において用いられるように、「薬学的に許容される塩」とは、親化合物の所望の生物活性を保持し、如何なる望ましくない毒性作用も付与しない塩を意味する。そのような塩の例には、(a)無機酸から形成された酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸、硝酸等;および例えば、酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモン酸(pamoic acid)、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ポリガラクツロン酸のような、有機酸から形成された酸;(b)亜鉛、カルシウム、ビスマス、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、銅、コバルト、ニッケル、カドミウム等のような多価金属陽イオンの塩;または(c)N,N'-ジベンジルエチレンジアミンまたはエチレンジアミンから形成された有機陽イオンと共に形成された塩;または(d)(a)および(b)または(c)の組合せ、例えばタンニン酸の亜鉛塩等が含まれるがこれらに限定されない。好ましい酸付加塩は、トリフルオロ酢酸塩および酢酸塩である。
【0027】
本明細書において用いられる「薬学的に許容される担体」とは、活性成分と組みあわせた場合に、該成分の生物活性を保持させ、且つ被験者の免疫系と反応しない任意の物質を意味する。例には、燐酸緩衝生理食塩水、水、油/水乳剤のような乳剤、および様々なタイプの湿潤剤が含まれるがこれらに限定されない。エアロゾルまたは非経口投与用の好ましい希釈剤は、燐酸緩衝生理食塩水または通常(0.9%)生理食塩水である。
【0028】
そのような担体を含む組成物は、周知の従来の方法によって調製される(例えば、レミントンの製薬科学、第43章、第14版、マック出版社、イーストン、ペンシルバニア州18042、アメリカを参照のこと)。
【0029】
本明細書において用いられるように、「アジュバント」とは、免疫応答の刺激を促進するために、当技術分野で一般的に用いられるアジュバントを含む。アジュバントの例には、ヘルパーペプチド;水酸化アルミニウムゲル(ミョウバン)、または燐酸アルミニウムのようなアルミニウム塩;フロイントの不完全アジュバントおよび完全アジュバント(ディフコラボラトリーズ、デトロイト、ミシガン州);メルクアジュバント65(メルクアンドカンパニーインク、ラーウェイ、ニュージャージー州);AS-2(スミスクライン・ビーチャム);QS-21(アキラ);MPLまたは3d-MPL(コリザコーポレーション、ハミルトン、モンタナ州);LEIF;カルシウム、鉄または亜鉛の塩;アシル化チロシンの不溶性懸濁液;アシル化糖;陽イオンまたは陰イオン誘導体多糖類;ポリフォスファゼン;生体分解性ミクロスフェア;モノホスホリルリピッドAおよびクイルA(quil A);ムラミルトリペプチドホスファチジルエタノールアミン、またはサイトカイン(例えば、GM-CSFまたはインターロイキン-2、-7、もしくは-12)および免疫刺激DNA配列を含む、免疫刺激複合体が含まれるが、これらに限定されない。ポリヌクレオチドワクチンを使用する場合のような幾つかの態様において、ヘルパーペプチドまたはサイトカインのようなアジュバントは、アジュバントをコードするポリヌクレオチドを介して提供することができる。
【0030】
本明細書において用いられるように、「1つの(aまたはan)」とは、明らかにそうでないことを明記している場合を除き、少なくとも1つの意味である。
【0031】
HSVポリペプチド
一つの態様において、本発明はポリペプチドがICP0もしくはUL47タンパク質またはその断片を含む、単離された単純ヘルペスウイルス(HSV)ポリペプチドを提供する。一つの態様において、断片はICP0の92位〜101位のアミノ酸またはその置換変異体を含む。別の態様において、断片はUL47の289位〜298位のアミノ酸、548位〜557位のアミノ酸、550位〜559位のアミノ酸、551位〜559位のアミノ酸、および/もしくは551位〜561位のアミノ酸またはその置換変異体を含む。アミノ酸残基に関しては、ドラン(A. Dolan)ら(1998、J. Virol. 72(3):2010〜2021)に記述のHSV-2ゲノムのタンパク質を参考とする。
【0032】
ポリペプチドは融合タンパク質となりうる。一つの態様において、融合タンパク質は可溶性である。本発明の可溶性の融合タンパク質は、被験者に注射するためおよび免疫応答を誘発するために適当となりうる。特定の態様において、ポリペプチドは、本明細書に記述の多数のポリペプチドを含む融合タンパク質、または本明細書に記述の少なくとも1つのポリペプチドと無関係な配列とを含む融合タンパク質となりうる。融合の相手は、例えば、Tヘルパーエピトープ(免疫学的融合パートナー)、好ましくはヒトによって認識されるTヘルパーエピトープの提供を補助するものでもよく、または本来の組換え型タンパク質より高い収量でタンパク質(発現エンハンサー)が発現されるように補助するものでもよい。特定の好ましい融合パートナーは、免疫および発現をいずれも増強する融合パートナーである。タンパク質の溶解性を増加させるため、または所望の細胞内分画へのタンパク質の標的輸送を可能にするために、他の融合パートナーを選択してもよい。なおさらに別の融合パートナーは、タンパク質の精製を容易にするアフィニティタグを含んでもよい。
【0033】
融合タンパク質は一般的に、化学結合を含む標準的な技術を用いて調製してもよい。好ましくは、融合タンパク質は組換え型タンパク質として発現され、非融合タンパク質と比較して発現系において増加したレベルで存在する。簡単に説明すると、ポリペプチド成分をコードするDNA配列を個々に集めて、適当な発現ベクターにライゲーションしてもよい。1つのポリペプチド成分をコードするDNA配列の3'末端を、配列の読みとり枠の相が一致するように、ペプチドリンカーと共に、またはペプチドリンカーを用いないで、第二のポリペプチド成分をコードするDNA配列の5'末端にライゲーションする。これによって、双方の構成ポリペプチドの生物活性を保持する単一の融合タンパク質へと翻訳される。
【0034】
ペプチドリンカー配列を用いて、第一および第二のポリペプチド成分を、それぞれのポリペプチドがその二次および三次構造へと確実に折り畳まれるために十分な距離離してもよい。そのようなペプチドリンカー配列は、当技術分野で周知の標準的な技術を用いて融合タンパク質に組み入れられる。適したペプチドリンカー配列は以下の要因に基づいて選択してもよい:(1)柔軟な伸長した構造をとることができること;(2)第一および第二のポリペプチド上の機能的エピトープと相互作用しうる二次構造をとることができないこと;ならびに(3)ポリペプチドの機能的エピトープと反応する疎水性または荷電残基がないこと。好ましいペプチドリンカー配列は、グリシン、アスパラギン、およびセリン残基を含む。トレオニンおよびアラニンのような他のほぼ中性のアミノ酸もリンカー配列に用いてもよい。リンカーとして有用に用いられるアミノ酸配列には、マラテア(Maratea)ら(1985、Gene 40:39〜46);マーフィー(Murphy)ら(1986、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:8258〜8262);米国特許第4,935,233号および米国特許第4,751,180号に開示される配列が含まれる。リンカー配列は一般的に長さがアミノ酸約1〜50個であってもよい。リンカー配列は、第一および第二のポリペプチドが、機能的ドメインを分離させて、立体妨害を防止するために用いることができる非必須N-末端アミノ酸領域を有する場合には必要ではない。
【0035】
ライゲーションしたDNA配列は適した転写または翻訳調節エレメントに機能的に結合する。DNAの発現に関与する調節エレメントは、第一のポリペプチドをコードするDNA配列の5'に存在する。同様に、翻訳を終了させるために必要な停止コドンおよび転写終了シグナルは、第二のポリペプチドをコードするDNA配列の3'に存在する。
【0036】
無関係な免疫原性タンパク質と共に本発明のポリペプチドを含む融合タンパク質も提供する。好ましくは、免疫原性タンパク質はリコール反応(recall response)を誘発することができる。そのようなタンパク質の例には、破傷風、結核および肝炎タンパク質が含まれる(例えば、ストウト(Stoute)ら、1997、New Engl. J. Med. 336:86-9を参照のこと)。
【0037】
好ましい態様において、免疫学的融合パートナーは、グラム陰性細菌であるB型インフルエンザ菌の表面タンパク質であるプロテインD(国際公開公報第91/18926号)に由来する。好ましくは、プロテインD誘導体はタンパク質のおおよそ最初の3分の1(例えば、最初のN末端アミノ酸100〜110個)を含み、プロテインD誘導体に脂質を付加してもよい。特定の好ましい態様において、ポリペプチドにさらなる外因性T-細胞エピトープを提供するため、および大腸菌における発現レベルを増加させるために、リポタンパク質D融合パートナーの最初の109残基をN-末端上に含む(したがって、発現エンハンサーとして機能する)。脂質テール部分によって、抗原提示細胞に対する抗原の最適な提示が確実になる。他の融合パートナーは、インフルエンザウイルスからの非構造タンパク質、NS1(血液凝集素)を含む。典型的には、N末端のアミノ酸81個が用いられるが、Tヘルパーエピトープを含む異なる断片を用いてもよい。
【0038】
もう一つの態様において、免疫学的融合パートナーはLYTAとして知られるタンパク質またはその一部である(好ましくはC-末端部分)。LYTAは、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)に由来し、これはアミダーゼLYTA(LytA遺伝子によってコードされる;Gene 43:265〜292、1986)として知られるN-アセチルL-アラニンアミダーゼを合成する。LYTAは、ペプチドグリカン骨格において特定の結合を特異的に分解する自己溶解素である。LYTAタンパク質のC-末端ドメインはコリンまたはDEAEのような幾つかのコリン類似体に対する親和性に寄与している。この特性は、融合タンパク質の発現に有用な大腸菌のC-LYTA発現プラスミドの作製に利用されている。アミノ末端でC-LYTA断片を含むハイブリッドタンパク質の精製が記述されている(Biotechnology 10:795〜798、1992を参照のこと)。好ましい態様において、LYTAの反復部分を融合タンパク質に組み入れてもよい。反復部分は残基178位から始まるC末端領域に認められる。特に好ましい反復部分は、残基188〜305位を含む。
【0039】
幾つかの態様において、治療物質と本発明のポリペプチドとをカップリングさせること、または本発明の1つ以上のポリペプチドとカップリングさせることが望ましいと考えられる。例えば、1つ以上の物質またはポリペプチドが、本発明の第一のポリペプチドに直接カップリングしてもよく、または多数の結合部位を提供するリンカーを用いることができる。または、担体を用いることができる。VP22(エリオット&オヘール(Elliott and O'Hare)、1997、Cell 88:223〜233;同様にキム(Kim)ら、1997、J. Immunol. 159:1666〜1668を参照;ロジャス(Rojas)ら、1998、Nature Biotechnology 16:370;カトウ(Kato)ら、1998、FEBS Lett. 427(2):203〜208;バイブス(Vives)ら、1997、J. Biol. Chem. 272(25):16010〜7;ナガハラ(Nagahara)ら、1998、Nature Med. 4(12):1449〜1452)を含むがこれに限定されない幾つかの分子は、細胞内移動およびタンパク質輸送にとって特に適している。
【0040】
担体は、直接またはリンカー基のいずれかによる共有結合を含む、多様な方法によって物質またはポリペプチドを有してもよい。適した担体には、アルブミン(例えば、カトウ(Kato)らに対する米国特許第4,507,234号)のようなタンパク質、ペプチド、およびアミノデキストランのような多糖類(例えば、シー(Shih)らに対する米国特許第4,699,784号)が含まれる。担体はまた、非共有結合によって、またはリポソーム小胞内部など封入によって物質を有してもよい(例えば、米国特許第4,429,008号および第4,873,088号)。
【0041】
一般的に、本明細書に記載のポリペプチド(融合タンパク質を含む)およびポリヌクレオチドは、単離されている。「単離された」ポリペプチドまたはポリヌクレオチドとは、その当初の環境から切り離されたものである。例えば、天然に存在するタンパク質が、天然の系において共存する物質の幾つかまたは全てから分離されている場合に、単離されている。好ましくは、そのようなポリペプチドは少なくとも約90%純粋であり、より好ましくは少なくとも約95%純粋で、最も好ましくは少なくとも約99%純粋である。ポリヌクレオチドは、例えば天然の環境の一部ではないベクターにクローニングされている場合、単離されたと見なされる。
【0042】
ポリペプチドは、その天然に存在する型から単離する、組換え手段によって産生する、または化学合成することができる。本明細書に記述のDNA配列によってコードされる組換え型ポリペプチドは、当技術分野で既知の多様な如何なる発現ベクターを用いてもDNA配列から容易に調製することができる。発現は、組換え型ポリペプチドをコードするDNA分子を含む発現ベクターによって形質転換された、またはトランスフェクトさせた適当な宿主細胞において行ってもよい。適した宿主細胞には、原核細胞、酵母および高等真核細胞が含まれる。好ましくは用いられる宿主細胞には、大腸菌、酵母、またはCOSもしくはCHOのような哺乳類の細胞株が含まれる。組換え型タンパク質またはポリペプチドを培養培地中に分泌する可溶性の宿主/ベクター系からの上清はまず、市販の濾紙を用いて濃縮してもよい。濃縮後、濃縮物をアフィニティマトリクスまたはイオン交換樹脂のような適した精製マトリクスに適用してもよい。最後に、1つまたはそれ以上の逆相HPLC段階を用いて、組換え型ポリペプチドをさらに精製することができる。
【0043】
アミノ酸約100個未満、一般的にアミノ酸約50個未満を有する断片およびその他の変異体も同様に、当業者に周知の技術を用いて合成手段によって作製してもよい。例えば、そのようなポリペプチドは、伸長しつつあるアミノ酸鎖にアミノ酸を連続的に加えるメリフィールド固相合成法のような市販の固相技術を用いて合成してもよい(メリフィールド(Merrifield)、1963、J. Am. Chem. Soc. 85:2146〜2149)。ポリペプチドの自動合成装置はパーキンエルマー/アプライドバイオシステムズ部門(フォスターシティ、カリフォルニア州)のような供給元から販売されており、製造元の指示に従って操作してもよい。
【0044】
本発明に従って用いられるポリペプチドの変異体は、HSVまたはHSV感染細胞に対する免疫応答の誘発能を保持するポリペプチドが得られることを示す、アミノ酸配列における1つまたはそれ以上のアミノ酸置換、欠失、付加および/または挿入を有しうる。そのような変異体は、本明細書に記述のポリペプチド配列の1つを改変すること、および本明細書に記述のT細胞アッセイ法のような既知のアッセイ法を用いて改変されたポリペプチドの反応性を評価することによって同定してもよい。ポリペプチド変異体は好ましくは、同定されたポリペプチドに対して少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約90%、および最も好ましくは少なくとも約95%の同一性を示す。これらのアミノ酸置換には、「保存的」として当技術分野において既知のアミノ酸置換が含まれるが必ずしもこれらに限定されない。
【0045】
「保存的」置換とは、ペプチド化学の当業者によってポリペプチドの二次構造およびハイドロパシー特性が実質的に不変であると予想されるように、アミノ酸が類似の特性を有するもう一つのアミノ酸に置換されている置換である。アミノ酸置換は、残基の極性、荷電、溶解性、疎水性、親水性、および/または両親媒性特徴における類似性に基づいて一般的に行ってもよい。例えば、陰性荷電アミノ酸には、アスパラギン酸とグルタミン酸が含まれ;陽性荷電アミノ酸にはリジンとアルギニンが含まれる;および類似の親水性値を有する非荷電極性ヘッド基を有するアミノ酸には、ロイシン、イソロイシン、およびバリン;グリシンおよびアラニン;アスパラギンおよびグルタミン;ならびにセリン、トレオニン、フェニルアラニン、およびチロシンが含まれる。保存的置換を示しうるその他のアミノ酸グループには:(1)アラニン、プロリン、グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミン、アスパラギン、セリン、トレオニン;(2)システイン、セリン、チロシン、トレオニン;(3)バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、アラニン、フェニルアラニン;(4)リジン、アルギニン、ヒスチジン;および(5)フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジンが含まれる。変異体も同様にまたは別法として非保存的置換を含んでもよい。好ましい態様において、変異体ポリペプチドはアミノ酸5個またはそれより少ない置換、欠失、または付加によって本来の配列とは異なる。変異体は同様に、(または)例えばポリペプチドの免疫原性、二次構造およびハイドロパシー特性に及ぼす影響がほとんどないアミノ酸の欠失または付加によって改変してもよい。
【0046】
ポリヌクレオチド、ベクター、宿主細胞および組換え型ウイルス
本発明は、本発明の1つまたは複数のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。ポリヌクレオチドはベクターに含めることができる。ベクターはさらに、本発明のポリヌクレオチドに機能的に結合した発現調節配列を含む。幾つかの態様において、ベクターは、関係する他の分子をコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む。一つの態様において、本発明のポリヌクレオチドとさらなるポリヌクレオチドとを、融合タンパク質をコードするように結合することができる。
【0047】
特定の態様において、ポリヌクレオチドを、哺乳類の細胞への侵入およびその中での発現が可能であるように調製してもよい。そのような製剤は、下記のように治療目的のために特に有用である。当業者は、標的細胞においてポリヌクレオチドを発現させるための多くの方法が存在すること、そして如何なる適した方法を用いてもよいことを認識していると思われる。例えば、ポリヌクレオチドはアデノウイルス、アデノ関連ウイルス、レトロウイルス、またはワクシニアもしくはその他のポックスウイルス(例えば、トリポックスウイルス)のような、しかしこれらに限定されないウイルスベクターに組み入れてもよい。DNAをそのようなベクターに組み入れる技術は当業者に周知である。レトロウイルスベクターはさらに、ベクターを標的特異的にするために、選択マーカー(形質導入した細胞の同定または選択を補助するため)および/または特定の標的細胞上の受容体に対するリガンドをコードする遺伝子のようなターゲティング部分に対する遺伝子を移入または組み入れてもよい。ターゲティングは同様に、当業者に公知の方法によって、抗体を用いて行ってもよい。
【0048】
本発明はまた、本発明のベクターによって形質転換された宿主細胞を提供する。形質転換された宿主細胞は、本発明のポリペプチドを生産する方法において用いることができる。本方法は、宿主細胞を培養し、それにより産生されたポリペプチドを回収する段階を含む。回収されたポリペプチドは、培養上清から精製することができる。
【0049】
本発明のベクターは、インビボ、エクスビボまたはインビトロのいずれかで細胞を遺伝子改変するために用いることができる。直接的またはレトロウイルス・プロデューサー細胞を介するウイルスベクターを用いた形質導入または感染、レシピエント細胞とDNAを含む細菌プロトプラストとの融合、DNAを含むリポソームまたはミクロスフェアによるレシピエント細胞の処理、DEAEデキストラン、受容体媒介エンドサイトーシス、電気穿孔、マイクロインジェクション、および当業者に公知のその他の多くの技術を含む、細胞を遺伝子改変する幾つかの方法が既知である。例えば、サムブルック(Sambrook)らの「分子クローニング、実験マニュアル(Molecular Cloning, A Laboratory Manual)」、第二版1〜3、1989;「分子生物学の現行プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」、アウスユベール(F.M. Ausubel)ら編、グリーンパブリッシングアソシエーツインク、およびジョン・ウィリー&サンズインク(1994増刊)を参照のこと。
【0050】
ウイルスベクターの例には、例えばHIV、SIV、マウスレトロウイルス、テナガザル白血病ウイルス、ならびにアデノ関連ウイルス(AAV)およびアデノウイルスのような他のウイルスに基づくレトロウイルスベクターが含まれるがこれらに限定されない。(ミラー(Miller)ら、1990、Mol. Cell Biol. 10:4239;コルバーグ(J. Kolberg)、1992、NIH Res. 4:43;およびコルネッタ(Cornetta)ら、1991、Hum. Gene Ther. 2:215)。広く用いられているレトロウイルスベクターには、マウス白血病ウイルス(MuLV)、テナガザル白血病ウイルス(GaLV)、環境栄養性レトロウイルス、サル免疫不全ウイルス(SIV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に基づくベクター、およびその組合せが含まれる。例えば、ブクシャー(Buchscher)ら、1992、J. Virol. 66(5):2731〜2739;ジョアン(Johann)ら、1992、J. Virol. 66(5):1635〜1640;ソマーフェルト(Sommerfelt)ら、1990、Virol. 176:58〜59;ウィルソン(Wilson)ら、1989、J. Virol. 63:2374〜2378;ミラー(Miller)ら、1991、J. Virol. 65:2220〜2224、およびローゼンバーグ&ファウシ(Rosenberg and Fauci)、1993、「基礎免疫学(Fundamental Immunology)」、第三版、ポール(W.E. Paul)編、レーブンプレス、ニューヨークおよびそれらに含まれる参考文献;ミラー(Miller)ら、1990、Mol. Cell Biol. 10:4239;コルバーグ(R. Kolberg)、1992、J. NIH Res. 4:43;ならびにコルネッタ(Cornetta)ら、1991、Hum. Gene Ther. 2:215を参照のこと。
【0051】
発現ベクターにサブクローニングする配列を増幅するために適したインビトロ増幅技術は公知である。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、Qβ-レプリカーゼ増幅およびその他のRNAポリメラーゼ媒介技術(例えば、NASBA)を含む、そのようなインビトロ増幅方法の例は、サムブルック(Sambrook)ら、1989、「分子クローニング、実験マニュアル(Molecular Cloning, A Laboratory Manual)」、第二版、1〜3;および米国特許第4,683,202号;PCRプロトコール:方法と応用の手引き(PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications)」、イニス(Innis)ら編、アカデミックプレスインク、サンジエゴ、カリフォルニア州、1990に見られる。インビトロで増幅した核酸をクローニングする改善された方法は米国特許第5,426,039号に記載されている。
【0052】
本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチドを発現するように遺伝子改変された組換え型微生物を提供する。組換え型微生物はワクチンとして有用となりえて、弱毒化生ワクチンを調製するために当技術分野で公知の技術を用いて調製することができる。生ワクチンとして用いられる微生物の例にはウイルスおよび細菌が含まれるがこれらに限定されない。好ましい態様において、組換え型微生物はウイルスである。適したウイルスの例には、ワクシニアウイルス、カナリアポックスウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、HSVおよびアデノウイルスが含まれるがこれらに限定されない。
【0053】
組成物
本発明は、HSV感染症を治療および予防するために有用である組成物を提供する。組成物はウイルス複製を阻害するために、そしてウイルス感染細胞を死滅させるために用いることができる。一つの態様において、組成物は薬学的組成物である。組成物は、本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、組換え型ウイルス、APC、または免疫細胞の治療的または予防的有効量を含みうる。有効量は、例えばT細胞を活性化することによって、免疫応答を誘起または増強するために十分な量である。T細胞の活性化の一つの測定法は、D.M. コエル(Koelle)ら、1997、Human Immunol. 53:195-205)の記述のような細胞毒性アッセイ法である。幾つかの態様において、組成物はワクチンである。
【0054】
本組成物は、薬学的に許容される担体のような担体を選択的に含みうる。薬学的に許容される担体は、投与される特定の組成物と共に、組成物の投与に用いられる特定の方法によって部分的に決定される。したがって、本発明の薬学的組成物の多様な適した製剤が存在する。例えば関節内(関節内)、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、および皮下経路による非経口投与に適した組成物には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌薬、および目的とするレシピエントの血液と製剤を等張にする溶質を含みうる等張滅菌注射水溶液、ならびに懸濁剤、溶解補助剤、濃縮剤、安定化剤、保存剤、リポソーム、ミクロスフェア、および乳剤を含みうる水性および非水性滅菌懸濁剤が含まれる。
【0055】
本発明の組成物はさらに、1つまたは複数のアジュバントを含みうる。アジュバントの例には、ヘルパーペプチド、ミョウバン、フロイントアジュバント、ムラミルトリペプチドホスファチジルエタノールアミン、またはサイトカインを含む免疫刺激複合体が含まれるが、これらに限定されない。ポリヌクレオチドワクチンを使用する場合のような幾つかの態様において、ヘルパーペプチドまたはサイトカインのようなアジュバントは、アジュバントをコードするポリヌクレオチドによって提供することができる。ワクチン製剤は一般的に、例えば、パウエル&ニューマン(M.F. Powell and M.J. Newman)編、「ワクチンのデザイン(サブユニットとアジュバントアプローチ)(Vaccine Design(the subunit and adjuvant approach))」、プレナムプレス(ニューヨーク、1995)に記載されている。本発明の範囲内である薬学的組成物およびワクチンはまた、生物学的に活性であっても不活性であってもよい他の化合物を含みうる。例えば、その他のウイルス抗原の1つまたは複数の免疫原性部分が、融合ポリペプチドとして、または個別の化合物として組成物またはワクチン内に存在してもよい。
【0056】
薬学的組成物またはワクチンは、ポリペプチドがインサイチューで形成されるように、本発明の1つまたは複数のポリペプチドをコードするDNAを含んでもよい。上記のように、DNAは核酸発現系、細菌およびウイルス発現系を含む、当業者に既知の多様な送達系のいずれの中に存在してもよい。多数の遺伝子送達技術が当技術分野で周知であり、例えば、ローランド(Rolland)(1998、Crit. Rev. Therap. Drug Carrier Systems 15:143〜198)およびその中で引用されている参考文献に記載されている。適当な核酸発現系は、患者において発現するために必要な(適したプロモーターおよび終結シグナルのような)DNA配列を含む。細菌送達系は、その細胞表面上にポリペプチドの免疫原性部分を発現する、またはそのようなエピトープを分泌する細菌(カルメットゲラン杆菌(Bacillus-Calmette-Gerrin)のような)の投与を含む。好ましい態様において、DNAは、非病原性(欠損)、複製コンピテントウイルスの使用を含んでもよいウイルス発現系(例えば、ワクシニアもしくはその他のポックスウイルス、レトロウイルス、またはアデノウイルス)を用いて導入してもよい。適した系は、例えば、フィッシャーホック(Fisher-Hoch)ら(1989、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:317〜321);フレクスナー(Flexner)ら(1989、Ann. My Acad. Sci、569:86〜103);フレクスナー(Flexner)ら(1990、Vaccine 8:17〜21);米国特許第4,603,112号、第4,769,330号、及び第5,017,487号;国際公開公報第89/01973号;米国特許第4,777,127号;英国特許第2,200,651号;欧州特許第0,345,242号;国際公開公報第91102805号;バークナー(Berkner)(1998、Biotechniques 6:616〜627);ローゼンフィールド(Rosenfield)ら(1991、Science 252:431〜434);コールズ(Kolls)ら(1994、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:215〜219;カス・アイスラー(Kass-Eisler)ら(1993、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:11498〜11502);グズマン(Guzman)ら(1993、Circulation 88:2838〜2848);およびグズマン(Guzman)ら(1993、Cir. Res. 73:1202〜1207)に開示されている。そのような発現系にDNAを組み入れる技術は、当業者に周知である。DNAはまた、例えば、ウルマー(Ulmer)ら(1993、Science 259:1745〜1749)によって記述され、コーエン(Cohen)(1993、Science 259:1691〜1692)が論評しているように、「裸(naked)」であってもよい。裸のDNAの取り込みは、細胞内に効率よく取り込まれる生体分解性のビーズ上にDNAをコーティングすることによって増加させてもよい。
【0057】
当業者に既知の如何なる適した担体も本発明の薬学的組成物において用いることができるが、担体のタイプは投与様式によって異なると考えられる。本発明の組成物は例えば局所、経口、鼻腔内、静脈内、頭蓋内、腹腔内、皮下、または筋肉内投与を含む適当な投与用式のために製剤化してもよい。皮下注射のような非経口投与に関しては、担体は好ましくは水、生理食塩水、アルコール、脂肪、ロウ、または緩衝液を含む。経口投与に関しては、上記の担体、またはマンニトール、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、グルコース、蔗糖、および炭酸マグネシウムを含む固相担体のいずれを用いてもよい。生体分解性のミクロスフェア(例えば、ポリ乳酸ポリグリコール酸)も同様に本発明の薬学的組成物の担体として用いてもよい。適した生体分解性のミクロスフェアは、例えば米国特許第4,897,268号および第5,075,109号に開示されている。
【0058】
そのような組成物はまた、緩衝液(例えば、中性緩衝生理食塩水または燐酸緩衝生理食塩水)、炭水化物(例えば、グルコース、マンノース、蔗糖またはデキストラン)、マンニトール、タンパク質、ポリペプチド、もしくはグリシンのようなアミノ酸、抗酸化剤、EDTAのようなキレート剤もしくはグルタチオン、アジュバント(例えば、水酸化アルミニウム)および/または保存剤を含んでもよい。または、本発明の組成物は凍結乾燥物として製剤化してもよい。化合物はまた、周知の技術を用いてリポソーム内に封入してもよい。
【0059】
如何なる多様なアジュバントも本発明のワクチンに用いることができる。ほとんどのアジュバントは、水酸化アルミニウムまたは鉱油のような、急速な異化から抗原を保護するようにデザインされた物質、およびリピッドA、百日咳(Bortadella pertussis)または結核菌(Mycobacterium tuberculosis)に由来するタンパク質のような免疫応答の刺激物質を含む。適したアジュバントは、例えばフロイントの不完全アジュバントおよび完全アジュバント(ディフコラボラトリーズ、デトロイト、ミシガン州);メルクアジュバント65(メルク&カンパニーインク、ラーウェイ、ニュージャージー州);水酸化アルミニウムゲル(ミョウバン)または燐酸アルミニウムのようなアルミニウム塩;カルシウム、鉄、または亜鉛の塩;アシル化チロシンアシル化糖の不溶性懸濁液;陽イオンまたは陰イオン誘導体化多糖類;ポリホスファゼン生体分解性ミクロスフェア;モノホスホリルリピッドAおよびクイルAとして販売されている。GM CSFまたはインターロイキン-2、-7、もしくは-12のようなサイトカインも同様にアジュバントとして用いてもよい。
【0060】
本明細書に提供したワクチンにおいて、アジュバント組成物は好ましくはTh1型の免疫応答を主に誘導するようデザインされる。高レベルのTh1型サイトカイン(例えば、IFN-γ、IL-2およびIL-12)は、投与した抗原に対する細胞性免疫応答の誘導に都合がよい傾向がある。対照的に、高レベルのTh2型サイトカイン(例えば、IL-4、IL-5、IL-6、IL-10およびTNF-β)は、液性免疫応答の誘導に都合がよい傾向がある。本明細書に提供するワクチンを適用した後、患者はTh1型およびTh2型反応を含む免疫応答を支持されると思われる。反応が主にTh1型である好ましい態様において、Th1型サイトカインのレベルはTh2型サイトカインのレベルより大きい程度に増加するであろう。これらのサイトカインのレベルは標準的なアッセイ法を用いて容易に評価することができる。サイトカインファミリーの論評に関しては、モスマン&コフマン(Mosmann and Coffman、1989、Ann. Rev. Immunol. 7:145〜173)を参照のこと。
【0061】
主にTh1型反応を誘起するよう用いられる好ましいアジュバントには、例えば、モノホスホリルリピッドA、好ましくは3-デ-O-アシル化モノホスホリルリピッドA(3D-MPL)をアルミニウム塩と共に併用することが含まれる。MPL(商標)アジュバントは、コリザコーポレーションから入手できる(米国特許第4,436,727号;第4,877,611号;第4,866,034号および第4,912,094号を参照のこと)。CpG含有オリゴヌクレオチド(この中でCpGジヌクレオチドが非メチル化されている)も同様に、主にTh1反応を誘導する。そのようなオリゴヌクレオチドは周知であり、例えば、国際公開公報第96/02555号に記載されている。もう一つの好ましいアジュバントはサポニン、好ましくはQS21であり、これは単独または他のアジュバントと組みあわせて用いてもよい。例えば、増強された系は、国際公開公報第94/00153号に記載のQS21と3D-MPLの併用のような、3D-MPLモノホスホリルリピッドAとサポニン誘導体との併用を含み、または国際公開公報第96/33739号に記載のように、QS21をコレステロールに変更した場合にはより反応性が低い組成物が得られる。その他の好ましい製剤は、水中油型乳剤およびトコフェロールを含む。QS21、3D-MPL、およびトコフェロールを水中油型乳剤として含む特に強力なアジュバント製剤は、国際公開公報第95/17210号に記載されている。用いてもよいもう一つのアジュバントは、AS-2である(スミスクラインビーチャム社)。抗原、免疫応答増強剤および適した担体または賦形剤の組合せとなる本明細書に提供した如何なるワクチンも、周知の方法を用いて調製してもよい。
【0062】
本明細書に記述した組成物は、徐放製剤(すなわち、投与後に化合物を徐々に放出するカプセルまたはスポンジのような製剤)の一部として投与してもよい。そのような製剤は、周知の技術を用いて一般的に調製し、例えば、経口、直腸、もしくは皮下植え込み、または所望の標的部位での埋め込みによって投与してもよい。徐放性製剤は、ポリペプチド、ポリヌクレオチドまたは抗体を担体マトリクスに分散させて含んでもよく、および/または速度制御膜によって取り囲まれたリザーバー内に含んでもよい。そのような製剤に用いられる担体は生体適合性であり、そして同様に生体分解性であってもよい;好ましくは製剤は、活性成分を比較的一定レベルで放出する。徐放製剤内に含まれる活性化合物の量は、埋め込み部位、放出の速度および予想される期間、ならびに治療または予防すべき疾患の特性に依存する。
【0063】
HSV感染細胞を標的とする抗原特異的免疫応答の産生を促進する多様な輸送媒体のいずれも、薬学的組成物およびワクチン内で用いてもよい。輸送媒体には、樹状細胞、マクロファージ、B細胞、単球、および効率的なAPCとなるように操作されるその他の細胞のような抗原提示細胞(APC)が含まれる。そのような細胞は抗原提示能を増加するように、T細胞反応の活性化および/または維持を改善するために、それ自身抗ウイルス作用を有するように、および/または受ける側と免疫学的に適合するように(すなわち、一致したHLAハプロタイプ)遺伝子改変してもよいが、必ずしもその必要はない。APCは一般的に、腫瘍および腫瘍周辺組織を含む多様な生体液および臓器のいずれかから単離してもよく、自己由来、同種異系、同系、または異種細胞であってもよい。
【0064】
本発明の特定の好ましい態様は、抗原提示細胞として樹状細胞またはその前駆細胞を使用する。樹状細胞は非常に強力なAPC(バンチェリュー&スタインマン(Banchereau and Steinman)、Nature 392:245〜251)であり、予防または治療免疫を誘起するための生理学的アジュバントとして有効であることが示されている(チマーマン&レビー(Timmerman and Levy)、Ann. Rev. Med. 50:507〜529、1999を参照のこと)。一般的に、樹状細胞は他の典型的な形状(インサイチューで星状、インビトロで著しい細胞質突起(樹状突起))に基づいて、そして標準的なアッセイ法を用いて決定されるように、B細胞(CD19およびCD20)、T細胞(CD3)、単球(CD14)、およびナチュラルキラー細胞(CD56)の分化マーカーがないことに基づいて同定してもよい。樹状細胞は当然、インビボまたはエクスビボにおいて樹状細胞上に一般的に認められない特異的細胞表面受容体、またはリガンドを発現するように操作してもよく、そのように改変された樹状細胞も本発明に含まれる。樹状細胞の代用として、分泌された小胞抗原負荷樹状細胞(エキソソームと呼ぶ)をワクチンにおいて用いてもよい(チトフォーゲル(Zitvogel)ら、1998、Nature Med. 4:594〜600)。
【0065】
樹状細胞および前駆細胞は、末梢血、骨髄、腫瘍浸潤細胞、腫瘍周囲組織浸潤細胞、リンパ節、脾臓、皮膚、臍帯血、またはその他の如何なる適した組織もしくは体液から得てもよい。例えば、樹状細胞はGM-CSF、IL-4、IL-13および/またはTNFαのようなサイトカインの組合せを末梢血から回収された単球の培養に加えることによってエクスビボで分化させてもよい。または、末梢血、臍帯血もしくは骨髄から回収されたCD34陽性細胞は、培養培地にGM-CSF、IL-3、TNFα、CD40リガンド、LPS、flt3リガンドおよび/または樹状細胞の成熟および増殖を誘導する他の化合物を加えることによって、樹状細胞に分化させてもよい。
【0066】
樹状細胞は従来、「未成熟」および「成熟」細胞として分類され、これによって、2つの十分に特徴付けされた表現型を単純な方法で識別することが可能である。しかし、この命名法は、分化の可能な中間段階を全て排除するように構築してはならない。未成熟な樹状細胞は、抗原の取り込み能とプロセシング能が高いことからAPCとして特徴付けされるが、これはFcγ受容体、マンノース受容体、およびDEC-205マーカーの高い発現と相関する。成熟表現型は典型的に、これらのマーカーの発現がより低いが、クラスIおよびクラスII MHC、接着分子(例えば、CD54およびCD11)、ならびに共刺激分子(例えば、CD40、CD80、およびCD86)のようなT細胞活性化に関与する細胞表面分子の発現が高いという特徴を有する。APCは、一般的に、ポリペプチド、またはその免疫原性部分が細胞表面に発現されるように、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドにトランスフェクトさせてもよい。そのようなトランスフェクションはエクスビボで起こってもよく、そのようなトランスフェクトした細胞を含む組成物またはワクチンを、本明細書に記述のように治療目的で用いてもよい。または、樹状細胞もしくはその他の抗原提示細胞を標的とする遺伝子送達媒体を患者に投与して、その結果インビボでトランスフェクションが起こるようにしてもよい。樹状細胞のインビボおよびエクスビボトランスフェクションは、例えば、一般的に国際公開公報第94/24447号に記載の方法、またはマービ(Mahvi)ら(1997、Immunology and Cell Biology 75:456〜460)に記述の遺伝子銃アプローチのような当技術分野で既知の如何なる方法を用いて実施してもよい。樹状細胞の抗原負荷は、樹状細胞もしくは前駆細胞を、腫瘍ポリペプチド、DNA(裸、もしくはプラスミドベクター内で)、またはRNAと共に;または抗原発現組換え型細菌もしくはウイルス(例えば、ワクシニア、鶏痘、アデノウイルス、もしくはレンチウイルスベクター)と共にインキュベートすることによって行ってもよい。負荷の前に、ポリペプチドはT細胞の助けを提供する免疫学的パートナー(例えば、担体分子)に共有結合させてもよい。または、樹状細胞は、個別に、またはポリペプチドの存在下で非結合免疫学的パートナーによってパルスしてもよい。
【0067】
組成物の投与
治療には予防と治療法が含まれる。予防または治療は単回直接注射を1回または多数回行うことによって達成される。投与はまた、複数の部位にほぼ同時に行うことができる。患者または被験者には、ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ブタ、およびヒツジ動物のような哺乳類が含まれる。好ましくは、患者または被験者はヒトである。
【0068】
組成物は典型的にインビボで非経口投与(例えば、静脈内、皮下、および筋肉内)、または経頬/舌下、直腸、経口、点鼻、局所(経皮および点眼のような)、膣内、肺内、動脈内、腹腔内、眼内、もしくは鼻腔内経路のような他の従来の直接経路によって、または特定の組織に直接投与してもよい。
【0069】
組成物は如何なる適した方法、しばしば薬学的に許容される担体と共に投与する。本発明の文脈において患者に細胞を投与する適した方法が利用可能であり、特定の細胞組成物を投与するために1つ以上の経路を用いることができるが、特定の経路はしばしば、もう一つの経路より即時的でより有効な反応を提供しうる。
【0070】
本発明の文脈において、患者に投与される用量は、患者において経時的に有益な治療反応を示すために、または感染症もしくは感染症による疾患を阻止するために十分でなければならない。このように、組成物は特定の抗原に対する有効な免疫応答を誘起するために、および/または疾患もしくは感染症による症状および/または合併症を緩和、減少、治癒、もしくは少なくとも部分的に阻止するために十分な量で患者に投与される。これを行うために適当な量は「治療的有効量」として定義される。
【0071】
用量は、生産された組成物の活性および患者の状態と共に、治療すべき患者の体重または体表面積によって決定される。用量の大きさは、特定の患者において特定の組成物の投与に伴う有害な副作用の存在、性質、および程度によって決定される。HSV感染症のような疾患の治療または予防において投与される組成物の有効量を決定する場合、医師はウイルスに対する免疫応答の産生、疾患の進行および治療に関連した如何なる毒性も評価する必要がある。
【0072】
例えば、サブユニットHSVタンパク質を含むワクチンまたはその他の組成物は、1用量あたりHSVタンパク質を1μg〜10,000 μgを含みうる。好ましい態様において、HSVタンパク質の10μg〜1000 μgがそれぞれの用量に含まれ、より好ましい態様において、1用量あたりHSVタンパク質10μg〜100 μgが含まれる。好ましくは用量は、1回の投与で十分である、または複数回を数ヶ月間にわたって投与するように選択する。HSVポリヌクレオチドまたはペプチドを含む組成物では、1用量あたり類似の量を投与する。
【0073】
一つの態様において、1用量〜10用量を52週間にわたって投与してもよい。好ましくは6用量を1ヶ月間隔で投与し、追加ワクチン接種をその後定期的に行ってもよい。別のプロトコールが個々の患者に適当であるかも知れない。適した用量は上記のように投与した場合、抗ウイルス免疫応答を促進することができ、しかも基礎(すなわち無処置)レベルから少なくとも10%〜50%上である化合物の量である。そのようなワクチンは同様に、非ワクチン接種患者と比較してワクチン接種した患者では臨床転帰の改善に至る免疫応答を引き起こすことができるはずである。一般的に、1つまたは複数のポリペプチドを含む薬学的組成物およびワクチンに関して、それぞれのポリペプチドの量は約0.1 μg/kg〜約5 mg/kg宿主の用量範囲で存在する。好ましくは、量は約10μg/用量〜約1000 μg/用量である。適した投与容量は患者の体格、年齢、および免疫状態に応じて変化するが、典型的に、約0.1 ml〜約5 mlであり、約1 ml未満の容量が最も一般的である。
【0074】
免疫細胞を含む組成物は好ましくは、組成物を投与する被験者から得られた免疫細胞から調製する。または免疫細胞はHLA適合供与体から調製することができる。免疫細胞は、当技術分野で既知の従来の技術を用いて被験者または供与体から得て、本発明のエピトープを提示するように改変されたAPCに暴露して、エクスビボで増殖させ、被験者に投与する。エクスビボ療法のプロトコールは、ローゼンバーグ(Rosenberg)ら(1990、New England J. Med. 9:570〜578)に記載されている。さらに、組成物は本発明のエピトープを提示するように改変されたAPCを含みうる。
【0075】
免疫細胞は一般的に、本明細書に記述のようにインビトロでの増殖によって、養子免疫療法にとって十分な量で得てもよい。単一の抗原特異的エフェクター細胞を、抗原認識を保持しながら数十億個までインビボで増殖させるための増殖条件は当技術分野で周知である。そのようなインビトロ培養条件は典型的に、しばしばサイトカイン(IL-2のような)および非分裂フィーダー細胞の存在下で、抗原による間欠的刺激を利用する。上記のように、本明細書に提供した免疫反応性ポリペプチドを用いて、免疫療法にとって十分な細胞数が得られるように抗原特異的なT細胞培養を濃縮および迅速に増殖させてもよい。特に、樹状細胞、マクロファージ、単球、繊維芽細胞および/またはB細胞のような抗原提示細胞を、当技術分野で周知の標準的な技術を用いて、免疫反応性ポリペプチドによってパルスしてもよく、または1つもしくは複数のポリヌクレオチドにトランスフェクトさせてもよい。例えば、抗原提示細胞は、組換え型ウイルスまたはその他の発現系において発現を増加させるために適当なプロモーターを有するポリヌクレオチドにトランスフェクトさせることができる。治療において用いられる培養エフェクター細胞は、増殖して広く分布し、インビボで長期間生存することができなければならない。培養エフェクター細胞がインビボで増殖してIL-2を加えた抗原による繰り返し刺激によって実質的な数で長期間生存するように誘導することができることは、研究によって示されている(例えば、チーバー(Cheever)ら、1997、Immunological Reviews 157:177)。
【0076】
本明細書に記載、または当技術分野で既知の多くの投与経路は、針、カテーテル、または関連する装置を用いて、1回または複数回の直接投与によって単に行ってもよい。
【0077】
同定された抗原のインビボ試験
従来の技術を用いて、同定されたHSV抗原のインビボ有効性を確認することができる。例えば、一つの技術はマウスチャレンジモデルを利用する。しかし、当業者はこれらの方法が定常的なものであり、他のモデルを用いることができることを認識すると思われる。
【0078】
試験すべき化合物または組成物が調製されたら、マウスまたは他の被験者を一連の注射によって免疫する。例えば、10回までの注射を数ヶ月間にわたって投与することができ、典型的には投与の間隔を1〜4週間あける。一連の最後の注射の後、等しく致命的容量であることが確立されたウイルスの用量を被験者にチャレンジする。対照群にはプラセボを投与するが、実験群は能動的にワクチン接種する。または、試験は致命的用量以下の用量を用いてデザインすることができる。選択的に、用量反応試験を含むことができる。本試験において測定すべき終点には、死亡および例えば脊髄歩行によって示されるような重度の神経障害が含まれる。生存動物を屠殺して、脊髄、脳、および注射部位を含む重要な臓器の定量的なウイルス培養を行うことができる。組織試料中に基底として存在するウイルス量を測定することができる。組成物はまた、治療ワクチンとしての有効性を確認するために、既に感染させた動物において再発が減少するか否かを調べることができる。
【0079】
有効性はIC50を計算することによって決定することができ、これは被験者の50%を死亡から保護するために必要な体重1キログラムあたりのワクチンのマイクログラムを示す。IC50は、用いるチャレンジ用量に左右される。さらに、ワクチンの特定の用量を投与される被験者の半数を死亡させるために必要な感染単位数を示す、IL50を計算することができる。死後のウイルス力価を定量すれば、ウイルス複製が免疫系によって制限されることが確認される。
【0080】
次の試験段階は、膣内接種チャレンジであると考えられる。急性の保護試験では、マウスを用いることができる。モルモットは急性の防護および再発の予防の双方について調べることができるため、モルモットは、ヒトでの作用を推定する場合により生理学的に適切な被験体となる。このタイプのチャレンジでは、非致死量を投与すると、モルモット被験体は病変を発症するが、これは治癒して再発する。測定手段には急激な疾患の改善および病変の再発の双方が含まれうる。ワクチンまたは他の組成物による介入は、接種の前後に、予防と治療のいずれを調べたいかに応じて行うことができる。
【0081】
方法
本発明は、被験体におけるHSV感染症を治療および/または予防する方法を提供する。本方法は、本発明の組成物を被験体に投与することを含む。組成物は治療的または予防的ワクチンとして用いることができる。一つの態様において、HSVはHSV-2である。または、HSVはHSV-1である。本発明はさらに、HSV複製を阻害する、HSV感染細胞を死滅させる、抗ウイルスおよび/または免疫調節活性を有するリンフォカインの分泌を増加させる、ならびにヘルペス特異的抗体の産生を増強する方法を提供する。本方法は、例えば、本明細書に提示した実施例に記述のように、HSV感染細胞を、本発明の抗原に対して産生された免疫細胞に接触させる段階を含む。接触させる段階は、インビトロで行うこともインビボで行うこともできる。好ましい態様において、免疫細胞はT細胞である。T細胞には、CD4およびCD8 T細胞が含まれる。本発明の組成物は、免疫病理疾患に対して認容される物質として用いることができる。
【0082】
さらに、本発明は、HSVに対して指向された免疫細胞を産生する方法を提供する。本方法は、抗原提示細胞が本発明のポリペプチドに含まれる抗原を提示するように改変される、免疫細胞を抗原提示細胞に接触させる段階を含む。好ましくは、抗原提示細胞は樹状細胞である。細胞は例えば、ペプチドの負荷、またはポリペプチドをコードする核酸配列による遺伝子改変によって改変することができる。一つの態様において、免疫細胞はT細胞である。T細胞にはCD4およびCD8 T細胞が含まれる。同様に、この方法によって産生される免疫細胞が提供される。免疫細胞はHSV複製を阻害する、HSV感染細胞をインビトロもしくはインビボで死滅させる、抗ウイルスおよび/または免疫調節活性を有するリンフォカインの分泌を増加させる、ヘルペス特異的抗体産生を増強する、または被験体におけるHSV感染症を治療または予防するために用いることができる。
【0083】
本発明は、感染性生物に関連した免疫原性エピトープを同定する方法を提供する。一つの態様において、本方法は、生物のゲノムのランダムな断片の集合体を調製する段階を含む。調製する段階は、完全なゲノムから始める必要はないが、全ゲノムを消化する段階を含みうる。消化する段階は、好ましくは所望の範囲の長さを有するランダム断片の集合体を得るために、ゲノムを1つまたは複数の制限酵素に接触させる段階を含む。または、目的とするゲノムを含む材料を超音波処理、霧状にする、またはその他の処理を行って、適当な大きさのゲル断片から単離することができる。
【0084】
消化する段階および制限酵素の選択は、平均的な長さのT細胞エピトープより長いゲノム断片、例えば長さが約30ヌクレオチド以上を得るようにデザインされる。好ましくは、断片は遺伝子の停止がまれであるように十分に小さい、例えば長さが約200〜約500塩基対である。関係する生物のゲノム配列または制限マップが既知であれば、ゲノムを分析して、適当な制限酵素によってターゲティングすると、適当な長さの断片が所望の数得られる制限部位を同定することができる。制限酵素は同様に、用いるクローニングベクターと適合性である部位を標的とするように選択することができる。
【0085】
ランダム断片を用いて、断片によってコードされるポリペプチドを発現することができる。断片は個別に発現することができ、または好ましくは単独のポリペプチドのプールとして、もしくは融合タンパク質としてのポリペプチドのプールとして発現することができる。当業者は、開始材料としてDNAまたはRNAのいずれかからポリペプチドを発現することができることを認識すると思われる。例えば、RNAウイルスからのポリペプチドの発現は、RNA断片からcDNAをまず調製し、次にcDNAを用いてポリペプチドを発現させることによって行うことができる。
【0086】
ポリペプチドは、ゲノムの断片を含むベクターから発現することができる。好ましい態様において、ベクターは、pcDNA3.1(+)hisベクターのようなプラスミドである。当業者は、インサートからポリペプチドを発現させることができるその他のベクターを用いることができることを認識すると思われる。好ましくは、ポリペプチドは融合タンパク質として発現される。一つの態様において、発現する段階は、ゲノムの断片を含むベクターによってトランスフェクトされた、または形質導入された宿主細胞を培養する段階を含む。本方法の好ましい態様において、断片は異なる3つの読みとり枠において発現ベクターに、双方向でライゲーションされ、ライブラリーを構成する。
【0087】
部分的フィルイン反応を用いてゲノム断片をライゲーションすることによって、ライブラリーの質を改善することができる。例えば、HSV-2をSau3A Iによって消化することによって作製された付着末端によって、多数のウイルス断片を互いに、かつ多様な方向にライゲーションさせることができる。部分的フィルイン反応を用いて、ウイルスゲノムの断片が互いにライゲーションせず、ウイルス挿入断片一つのみが各ベクターに存在するように付着末端を改変することができる。これによって、解析するためにより単純で、より時間のかからないライブラリーが得られる。
【0088】
本方法はさらに、発現されたポリペプチドの免疫応答誘発能をアッセイする段階を含む。免疫応答の誘発能は、ポリペプチド内に免疫原性エピトープが存在することを示す。一つの態様において、免疫応答は細胞性免疫応答である。アッセイする段階は、T細胞刺激または活性化を測定するアッセイ法を実施する段階を含みうる。T細胞の例にはCD4およびCD8 T細胞が含まれる。
【0089】
T細胞刺激アッセイ法の一つの例は、コエルら(Koelle, D.M. 、Human Immunol. 1997、53:195〜205)に記載されるような細胞毒性アッセイ法である。一つの例において、細胞毒性アッセイ法は、適当なHLA分子に対して抗原性であるウイルスペプチドを提示する細胞を、T細胞と接触させる段階、およびT細胞が抗原提示細胞を殺す能力を検出する段階を含む。細胞死滅は、抗原提示細胞からの放射活性51Crの放出の測定によって検出することができる。抗原提示細胞からの培地への51Crの放出は、細胞死滅の指標である。増加した死滅に関する例示的な基準は、培地と混合した抗原提示細胞から回収した対照培地と比較して、T細胞と混合した抗原提示細胞から回収した培地中の51Cr放射能の計数に基づく1分間あたりのカウント数(cpm)における統計学的に有意な増加である。
【0090】
アッセイ法は、活性部分を含むプールを同定するためにポリペプチドのプールについて実施することができる。次に、目的とするポリペプチドを単離するために当初のプールの漸減するサブセットについてさらなるアッセイ法を実施することができる。目的とする断片、例えばそのウイルスインサートを有するプラスミドを含む材料を精製して、ウイルス断片をシークエンシングすることができる。得られた配列情報に基づいて、同定された抗原のその後の試験および確認を行うために、合成ペプチドを調製することができる。断片のシークエンシングによっても、新規遺伝子が同定されうる。
【0091】
ゲノム断片の小断片が調製される、上記の方法の段階を繰り返すことができる。最小のエピトープを決定するために、漸減する断片を発現させて試験することができる。
【0092】
本発明の方法は、細菌、寄生虫およびウイルスを含む多様な感染性微生物に適用することができる。好ましいウイルスは、イントロンを含まないDNA、またはほとんどがコード配列を含むウイルスである。ウイルスの例には、二本鎖DNAウイルス、一本鎖DNAウイルス、二本鎖RNAウイルスおよび一本鎖RNAウイルスが含まれる。二本鎖DNAウイルスの例には、エプスタイン-バーウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(CMV)、単純ヘルペスウイルス-1(HSV-1)、HSV-2、水痘-帯状疱疹ウイルス(VZV)、ヒトヘルペスウイルス-6(HHV-6)、HHV-7、HHV-8、ポックスウイルスおよびアデノウイルスが含まれるがこれらに限定されない。一本鎖DNAウイルスの例にはパルボウイルスが含まれるがこれらに限定されない。二本鎖RNAウイルスの例には、レトロウイルスおよびレオウイルスが含まれるがこれらに限定されない。一本鎖RNAウイルスの例にはパラミクソウイルス、ミクソウイルス、およびフラビウイルスが含まれる。
【0093】
本方法は、生物の核酸配列が既知である必要がないため、非常に大きな生物学的多様性(例えば、HIVおよびHCV)を示す感染性生物に対抗するための方法を提供する。高い多様性を示すウイルスに関して、特定の患者、特定の部位(例えば、血液、皮膚、子宮頸部)、または既知の核酸配列のプロトタイプ系統とは異なる可能性がある、特定の地理的地域または患者集団に分布する代表的なウイルス株に由来するウイルス核酸材料源を用いることが有利である。
【0094】
好ましい態様において、生物はHSV-2であり、ウイルスゲノムの断片は、Sau3A Iによる消化によって調製される。用いることができるその他の制限酵素の例には、ApaI、SmaI、およびAluIを含むが、これらに限定されない。次に、ゲノムDNAの断片を、好ましくは部分的フィルイン反応を用いることによってベクターにライゲーションする(1999年、ストラタジーン社(Stratagene)カタログ、56ページを参照のこと)。好ましいベクターは、pcDNA3.1(+)hisシリーズのメンバーである。次に、断片を従来の方法を用いて発現させる。好ましくは発現は、Cos-7トランスフェクション法(デプラエン(De Plaen E)ら、レフコビッツ(Lefkowits, I.)編、「免疫学方法マニュアル(Immunology Methods Manual)」第2巻、ニューヨーク、アカデミックプレス、1997:691〜718)を用いて行う。
【0095】
宿主細胞は、HLA重鎖のような関連するHLA分子をコードするcDNAのような核酸分子を同時トランスフェクトすることができる。HLA分子によって、T細胞起源とは異なる種(例えば、Cos細胞の場合はサル)からの宿主細胞は、感染物質に由来する抗原を認識することができる。HLA分子は、標的抗原を提示することができるHLA分子と一致するように選択される。適当なHLA分子を同定する方法は、コエルら(Koelle, DM、J. Infectious Dis. 1994、169:956〜961;およびデプラエンら(DePlaen E)、「免疫学方法マニュアル(Immunology Methods Manual)」、1997、アカデミックプレス、704〜705)に記載されている。提示するHLA分子を明確に同定することができない場合、二つまたはそれ以上の候補クラスI HLA分子をコードするcDNAを同時トランスフェクトさせることができる。
【0096】
次に、発現されたポリペプチドが細胞性免疫応答を誘発できるか否かをアッセイする。細胞性免疫応答の誘発能は、免疫学的エピトープの存在の指標である。細胞性免疫応答の誘発能を検出するために用いることができるアッセイ法には、細胞毒性アッセイ法およびリンフォカイン分泌アッセイ法が含まれるがこれらに限定しない。一つの態様において、アッセイ法はインターフェロン-γアッセイ法である。
【0097】
好ましい態様において、本発明は、CD8+ T細胞に対して免疫原性であるHSVエピトープを同定する方法を含む。方法は、HSV病変からCD8+ T細胞を得る段階、および得られたT細胞をアッセイしてHSV感染細胞の認識能を有するT細胞を同定する段階を含む。方法はさらに、HSVからの核酸調製物を得て、断片化する段階、得られた核酸の一つまたはそれ以上の断片を発現させる段階、および同定されたHSV特異的T細胞との抗原反応性に関して発現された断片をアッセイする段階を含む。HSV特異的T細胞との反応性を有する発現された断片はCD8+ T細胞に対して免疫原性であるHSVエピトープをコードするとして同定される。
【0098】
本発明はまた、診断アッセイ法を提供する。診断アッセイ法は、ヘルペス感染症を有することが疑われる患者の免疫応答性を同定し、特定の治療経過に対する被験者の反応性を予想するために用いることができる。アッセイ法は、適当なAPCに関連して、本発明の抗原に被験者のT細胞を暴露する段階、および例えば、IFNγ、増殖または細胞毒性を測定することによって免疫反応性を試験する段階を含む。適したアッセイ法は、実施例においてより詳細に説明する。
【実施例】
【0099】
実施例
以下の実施例は、本発明を説明するため、そして当業者が本発明を実施および用いる際に役立つように提供する。実施例はいずれにせよ本発明の範囲を制限するものではない。
【0100】
実施例1:再発性性器HSV-2病変におけるHSV特異的CD8 CTLの検出
本実施例は、特異的CD8 CTLが性器HSV-2病変に局在することを証明する。これは、インサイチューで抗原/APCに遭遇しているが、読みとりアッセイ法の前にインビトロで抗原によって再刺激されていない細胞を用いた、再発性の性器HSV-2病変の連続病変生検試験によって示される。
【0101】
材料と方法
病変浸潤リンパ球(LIL)を、50 μMアシクロビル(ACV)の存在下で植物性赤血球凝集素(PHA)およびIL-2によって1サイクル増殖させた。典型的に、細胞5×106個〜5×107個を2週間後に得た。これらのバルク集団の表現型は、既に記述されている(コエルら(Koelle, DM)、J. Clin. Invest. 1998、101:1500〜1508)。TCR αβ、CD3+細胞では、病変部が成熟して培養が陰性となるに従って、CD8優勢となるように徐々にシフトする。
【0102】
結果
局所反応は、症状の2日目という早期での、K562および同種異系HSV-2感染リンパ球継続株(LCL)の溶解によって決定されるように、高レベルのNK-細胞活性を有した。NK細胞は、正常な皮膚と比較して病変から増殖させた細胞において選択的に濃縮された。HSV特異的CD4細胞も同様に早期に濃縮した。病変部は「Th1」(インターフェロン-γ(IFN-γ)、IL-12 p40、IL2)および「Th2」(IL-4、IL-5、IL-10、IL-13)mRNAの双方において濃縮された(ファンフーリス(Van Voorhis, WC)ら、J. Infect. Dis. 1996、173:491〜95)。病変浸潤HSV-2特異的CD8 CTLのサイトカインパターンにはインターフェロン-γが含まれる。
【0103】
CD4およびNK活性とは対照的に、HSV特異的CTLは、これより遅れて(典型的に5〜9日目)再発性HSV-2性器病変に浸潤し、それらの存在は、ウイルスの排除に相関した(コエルら(Koelle, DM)、J. Clin. Invest. 1998、101:1500〜1508)。CD4およびCD8成分は、NKを差し引いて、その後CD4細胞またはCD8細胞のいずれかを差し引くことによって調べた。CTL活性は、CD8細胞単独、または両サブセットのいずれかにおいて認められた。自己由来細胞が都合よく形成され、HSVがこれらの細胞において完全な溶解的複製を受け、かつHLAと同時刺激/接着分子とが高レベルで存在することから、CTLアッセイ法においてEBV形質転換LCL(ティゲス(Tigges, MA)ら、J. Virol. 1992、66:1622〜34)を標的細胞として用いた。
【0104】
HSV特異的CD8クローン(表1)を、疱疹小疱液(コエルら(Koelle, DM)、J. Infect. Dis. 1994、169:956〜61)および病変(コエルら(Koelle, DM)、J. Clin. Invest. 1998、101:1500〜1508)から単離した。抗原による二次再刺激は用いなかった。多くの(1,000個より多い)CD8濃縮細胞の微量培養を、標準的な方法によって細胞0.3〜2個/ウェルでクローニングして(コエルら(Koelle, DM)、J. Clin. Invest. 1998、101:1500〜1508)、クローン〜200個をHSV-2による18時間感染後の、または感染させずに自己由来LCLに対するCTLアッセイ法においてスクリーニングした(感染多重度またはMOI、10)。クローンは全て、フローサイトメトリーによってCD3/8/TCRαβ(+)およびCD4/TCRγδ(-)であった。
【0105】
(表1) 再発性HSV-2病変からのCD8 T細胞クローン(TCC)の細胞溶解活性
溶解は、エフェクター:標的(E:T)比が20:1またはそれより低い割合での特異的放出百分率である。

1HSV-2ゲノムの標準マップ内のエピトープの位置(ドラン(Dolan, A.)ら、J. Virol. 1998、72:2010〜21);HSV-2型特異的TCCのエピトープマッピングは、記載のように(コエル(Koelle, DM)ら、J. Virol. 1994、68:2803〜10;コエル(Koelle, DM)ら、J. Virol. 1998、72:7476〜83)HSV-1×HSV-2中間型組換え型ウイルス(IRV)を用いる(プレストン(Preston, VG)ら、J. Virol. 1978、28:499〜517)。境界はおおよそである。
2記載のように(コエル(Koelle, DM)ら、J. Infect. Dis. 1994、169:956〜61)、HSV-2に感染した部分的一致LCLのHLA対立遺伝子制限死滅;タイピング方法によって認められる血清学的またはDNA定義。
3dkRW22。RW22およびRW 1991.22は、1991年に被験者RWに由来するT細胞クローンを意味する。「22」という名称が与えられた2つのクローンを1991年にRWから個別に得た。本出願を通じて、個別に由来する2つのクローンはdkRW22およびcpRW22によって区別される。
【0106】
CD8反応の多様性を測定するために、TCR Vβ解析をバルク、PHAによって1サイクル増殖したLILからの陽性選択CD8+細胞(CD8 CTLクローンRW51に関する起源培養物、表1および下記)と共に、同じ供与体からのPBMCからのCD8細胞について実施した。全RNA(コムチンスキー(Chomczynski, P)ら、コリガン(Coligan, JE)ら編「免疫学の現行プロトコール(Current Protocols in Immunology)」ニューヨーク、ジョンウィリーおよびサンズ、1992:10.11.7〜10.11.14)をオリゴ-dTプライマーおよびMMLV RT(ファルマシア社(Pharmacia))によって逆転写した。cDNAをCβプライマーおよびファミリー特異的Vβプライマーによる個々のPCR反応24回において用いた。PCRの30サイクル後、各反応の一部を蛍光標識内部cβプライマーと混合して、PCRをさらに5サイクル継続し、再配列されたTCR Vβ遺伝子の増幅体を標識した。プライマーおよびプロトコールは、パネティエ(Pannetier, C.ら、オクセンバーグ(Oksenberg, JR)編、「抗原T細胞受容体:選択されたプロトコールと応用(The Antigen T cell receptor:selected protocols and applications)」、ニューヨーク;チャプマンおよびホール(Chapman and Hall)、1998:第9節)に記載されている。蛍光分子量マーカーを用いたABIシークエンサーによる解析は、フレッドハッチンソン癌研究センターのバイオテクノロジー中央施設(シアトル、ワシントン州)で行った。CD8 PBMCは、ポアソン分布とTCR Vβ増幅体「ラダー」内の多数のピークから判断すると非常にポリクローナルであるが(図1A)、病変CD8集団は全くオリゴクローナルであるように思われた(図1B)。もう一人の供与体についても類似の結果が得られた。これらのデータはHSV-2病変における局所CD8反応の限定された多様性と一致する。
【0107】
実施例2:子宮頚部リンパ球におけるHSV-2特異的T細胞反応の検出
粘膜免疫応答をPBMCから分離して、HSV特異的CTLがマウス粘膜に局在することは、膣接種に対する保護に関連する。本実施例は、CD8+細胞を含むHSV特異的T細胞が子宮頚部リンパ球において検出されうることを証明する。
【0108】
代表的な子宮頚部細胞診標本からの細胞を、活動期性器HSV-2発症の際に回収して、PHA/IL-2によってバルクで増殖させ、その後HSV特異的増殖反応(図2A)および細胞障害反応(図2B)に関して分析した。増殖および細胞毒性アッセイ法は、皮膚由来リンパ球について先に記述したように、自己由来PBMCまたはLCLをAPCとして用いた。抗HLAクラスI mAb W6/32または抗HLA DR mAb L243を記述のように用いた(コエル(Koelle, DM)ら、J. Virol. 1994、68:2803〜10;コエル(Koelle, DM)ら、J. Infect. Dis. 1994、169:956〜61)。抗原特異的増殖反応および細胞毒性反応が存在した。分画およびmAb阻害試験から、CD8 CTLが細胞障害反応に関与することが示される。
【0109】
実施例3:原発性性器HSV-2病変におけるHSV特異的T細胞反応の検出
本実施例において、原発性性器HSV-2感染症に一致した症状を呈する患者から生検標本を採取した。採取した細胞の表現型を決定し、標本からのLILおよびPBMCに増殖および細胞毒性アッセイを行った。結果は、原発性性器HSV-2病変に存在するCTLのHSV特異的増殖および細胞障害反応が、再発性疾患の際に検出される反応に典型的であることを示している。
【0110】
CW7477は、最後の性的接触の3日後に排尿障害、発熱、臀部および下腹部病変を発症した。病変は13日間持続し、HSV-2が増殖した。アシクロビル治療を症状発症の4日目に開始した。生検を4日目および7日目に行った。血清状態は、タイプ特異的HSV-2イムノブロットの増強化学発光変法(ECL;ダレッシオおよびアシュレー(Dalessio, J. and Ashley, R.)、J. Clin. Microbiol. 1992、30(4):1005〜7)によれば、4日目では異型的陽性(イムノブロット上に数本のバンドが存在するのみ)であり、26日目ではこれより多いバンドを認めたが、ほとんどの回復期血清より少なかった。臨床および検査データは原発性性器HSV-2感染症と一致した。生検標本を症状発症の4日目と7日目に得て、バルクLILを上記のようにPHA/IL-2によって増殖させた。
【0111】
増殖した細胞の表現型はCD4とCD8細胞に分かれ、LILではCD3+/CD16,56+細胞が15〜25%、およびTCR γδ+細胞が5〜10%であった。比較すると、正常な皮膚からの細胞は、ほぼ全くCD16,56(+)事象を含まず、TCRγδ細胞を含まなかった。CD3+/CD16,56+細胞の特性は不明であるが、これらは増殖LILにおいてしばしば認められる。抗体カクテルは、αCD16-PEおよびαCD56-PEの組み合わせを有する。
【0112】
(表2) ヒト原発性性器HSV-2感染症からのバルクLILまたはPBMCの機能的活性

1バルク細胞は、APCとしての放射線照射自己PBMC(105個/ウェル)と共に104個/ウェルで用いた。結果は4日目での3Hチミジン取り込みのcpm平均値を表す。15日目PBMCは、生存細胞105個/ウェルで用いた。
2バルク細胞は、表示のようにMOI 10で18時間感染した自己由来(au)またはHLA不一致(al)LCLに対して、51Cr放出においてエフェクター:標的比 20:1で用いた。CD8+細胞はミディマクス(MidiMacs)(登録商標)(ミルテニ(Miltenyi))によって濃縮した。結果は特異的放出百分率であり;自然放出は<22%であった。
【0113】
HSV特異的増殖および細胞障害反応は再発性疾患時に検出されたかなり典型的な反応であった(コエルら(Koelle, DM)、J. Clin. Invest. 1998、101:1500〜1508)。HSV糖タンパク質に対する抗原特異的反応と同様に、HSV-1とHSV-2に対する交差反応が存在した。正常な皮膚の反応は低く、PBMC反応は15日までに発達した。
【0114】
実施例4:HSV特異的CD8 CTLによって認識されるICP0抗原の同定
本実施例は、発現クローニングによって、ICP0の抗原性を証明する。特に、ICP0のアミノ酸92〜101位内のエピトープを同定する。さらに、ICP0の抗原性をワクシニアを用いて確認する。アミノ酸の番号付けは、ドランら(Dolan、J. Virol. 1998、72:2010〜21)の命名および番号付けを用いる。
【0115】
材料と方法
ブーン(Boon)らのCos-7発現クローニング法を、発現クローニングのために用いた(デプラエン(De Plaen E)ら、レフコビッツ(Lefkowits, I.)編、「免疫学方法マニュアル(Immunology Methods Manual)」第2巻、ニューヨーク、アカデミックプレス、1997:691〜718)。インターフェロン-γ分泌は、洗浄した自家LCL刺激体(MOI 10で18時間の偽感染またはHSV-2感染)1×104個および反応TCC5×104個をTCM 200 μlにおいて1試料あたり3本ずつ24時間播種することによってCD8 T細胞読み出しとして試験した(ティゲス(Tigges, MA)ら、J. Virol. 1992、66:1622〜34)。
【0116】
ライブラリーはpcDNA3.1(+)his A、B、およびC(インビトロゲン社(Invitrogen))を発現ベクターとして用いた。これらの特異的ベクターは、多クローニング部位(MCS)の5'に内因性ATG開始部位を有し、リーダーペプチドとウイルスポリペプチド断片との融合タンパク質を生じる。任意のウイルスDNA断片はフォワード方向であり、ATGと「インフレーム」となる可能性が6分の1存在する。したがって、ATGとMCSとのあいだにさらに0bp、1bp、または2bpを有する3つのベクター(A、B、およびC)を用いる。
【0117】
Vero細胞から精製したHSV-2株HG52 DNAからライブラリーを作製した(マクリーン(Maclean, AR)、ブラウン(Brown, SM, MacLean, AR)編、「分子医学の方法:単純疱疹ウイルスのプロトコール(Methods in Molecular Medicine:Herpes Simplex Virus Protocols)」、第10巻、トトワ、ニュージャージー州:ヒュマナプレスインク、1998、19〜25頁)。155,000 bpまでのゲノムをSau3A Iによって消化すると、長さが平均で数百bpである断片456個を生じると予想された。最初のライブラリーに関して異なる反応において、末端を部分的に埋め、Xba I消化して部分的にフィルインし、脱燐酸化したA、B、およびCベクターに断片をライゲーションした。部分的フィルインによって、ベクター1個あたり1個より多い挿入断片がライゲーションしないようにする。細胞DNAの混入はランダムクローン20個において検出されなかった。最初のライブラリーを直ちに増幅して、少量ずつ保存した。各ライブラリーは1/6がフォワード方向でインフレームであると仮定すると、6重のゲノム多重サンプリングの目標は満たされ:各最初のライブラリーは15,000個を越える形質転換体を有した。ライブラリー1つあたりクローン3000個を調べた。ライブラリーの力価を測定して深いマイクロタイタープレートに15クローン/ウェルとなるように希釈した。300 rpmで18時間、37℃で回転させた後、DNAを精製した(ミリポア社96ウェルフォーマット;シリカケミストリー)。平均で10 μg/ウェルの収量が得られ(分光光度計)、これは多くの今後のスクリーニングにとって十分であった。
【0118】
病変クローンRW51(表1)を発現クローニングのために選択した。B45のみで一致するLCLがCTLアッセイ法において溶解されたことから、CD8 TCC RW51のHLA制限対立遺伝子はB45である。HLA B*4501 cDNAをRT-PCRによってクローニングした。cDNA合成は、RW LCLからの全RNA(コムチンスキー(Chomczynski, P,)、サッキ(Sacchi, N.)、コリガン(Coligan, JE)ら編「免疫学の現行プロトコール(Current Protocols in Immunology)」ニューヨーク、ジョンウィリーおよびサンズ、1992:10.11.7〜10.11.14)、オリゴ-dTプライマーおよびMMLV RT(ファルマシア社)を、標準的なプロトコール(サムブルック(Sambrook, J.)ら、「分子のクローニング:実験マニュアル(Molecular Cloning:a laboratry manual)」第二巻、ニューヨーク、コールドスプリングハーバー出版、1989)によって用いた。HLA B*4501 PCR産物(

;KpnIおよびXba I部位に印をつけた:それぞれ、配列番号:4および5)を消化して、pcDNA 3.0にクローニングして、配列決定した。これはB* 4501に関してゲンバンク61710と同一であった。発現は、FITC標識、対立遺伝子特異的mAb B12(ワンラムダインク)によってチェックした。48時間目に、フローサイトメトリーによって、トランスフェクトしたCos-7の40%が表面HLA B45を発現したのに対し、ベクターに関しては<1%であった。CD8 TCC RW3およびdkRW22の制限対立遺伝子(表3)であるHLA A*0201を、同様にクローニングして、発現をmAb MA2.1によって証明した(マクミカエル(McMichael, AJ)ら、Human Immunol. 1980、1:121〜29)。
【0119】
抗原性タンパク質に関してライブラリーをスクリーニングするために、平底マイクロタイタープレートに播種した(7,000個/ウェル)Cos-7細胞に、24時間後にライブラリープールおよびB*4501 DNA(50および25 ng/ウェル)を同時トランスフェクトした。クローニングしたRW51 T細胞(5×104個/ウェル)を48時間後に加えた。上清(さらに24時間)のインターフェロン-γELISA(検出下限、〜2pg/ml)を、一致したmAb対(エンドゲン社(Endogen))について行った。陽性プール2〜4個を、各読みとり枠ライブラリーに認めた(A、B、およびC)。陽性プールからの微生物を播種して、コロニーをつつき、DNAを次のラウンドのアッセイ法のために作製した。陽性クローンは全て、IEタンパク質ICP0をコードするHSV-2 ORFのエキソン1、イントロン1、およびエキソン2の一部を含む同一の1164 bpのHSV-2 Sau3A I挿入断片(図3)を有した。ICP0のATG開始コドンの5'にゲノムDNAのもう一つの445 bpが存在した。代表的な陽性クローンA1:H3:B8を今後の研究のために選択した。
【0120】
AおよびB読みとり登録ライブラリーの双方における陽性ゲノムクローン、ならびにベクターATGとインフレームであって、AおよびBライブラリー陽性クローンの双方においてICP0 ATGの前に3つの停止コドンが存在することは、ベクターのCMVプロモーターよりむしろHSV-2プロモーターを使用することの証拠となる。VP16(αTIF)および「ウイルスの本体」が存在しない場合の5'エレメントによる構成的プロモーターの活性は、HSV-1 ICP0についても起こりうる。
【0121】
エピトープを発見するために、HSV-1 ICP0 mRNAがCos-7細胞においてスプライシングされるか否か、かつどのようにスプライシングされるかを調べた。ICP0 mRNAは、いくつかのスプライシングされたHSV遺伝子の一つであり、別のスプライシングが報告されている。(+)ゲノム断片A1:H3:B8(表4)およびMMLV RTをトランスフェクトしたCos-7細胞からの全RNAを用いて、プライマーCによってcDNAを作製した(図3)。その後、翻訳開始部位でのプライマーAおよびプライマーCをPCRに用いた。cDNAクローン8個の配列は全てスプライシングを示した。アクセプター部位は、公表された部位に対して3'の3 bpであり、アミノ酸Q26を除去した。エピトープの範囲を狭めるために、A−C(エキソン1、エキソン2の開始部位)およびA−B(エキソン1)PCR産物を、インフレーム発現のために適当なpcDNA 3.1に基づくベクターにクローニングした。T細胞クローンRW51との反応性を調べたところ、エキソン1-エキソン2クローンは陽性であったが、エキソン1クローンは陰性であった(表4)。
【0122】
ワクシニア-ICP0(マニカン(Manickan, E)ら、J. Virol. 1995、69(8):4711〜4716)を用いてICP0の発現クローニング同定を確認した(図4)。
【0123】
結果
HSV特異的CD8クローンは全て、特異的にIFN-γを放出した(表3)。さらに、HLA制限に関する確認試験としてのインターフェロン-γアッセイ法の用途を調べた。クローンRW51は、HLA B*4501をトランスフェクトしたCos-7細胞に曝露した後HSV-2を感染させた細胞では、インターフェロン-γを特異的に放出したが、A*0201をトランスフェクトした細胞では放出しなかった(表3)。
【0124】
(表3) 病変由来HSV特異的CD8+ TCC(RW51)からのインターフェロン-γ分泌(ELISAによるpg/ml)

【0125】
(表4) ELISAによってpg/mlで測定した、様々なDNAs(または1μMでローディングしたペプチド)をトランスフェクトしたCos-7細胞に反応したCD8 TCC RW51のインターフェロン-γ分泌
Cos-7細胞7×103個に対するTCC5×104 個の反応を24時間でチェックした。

【0126】
ペプチドを効率よく選択するために、HLA B45結合モチーフを、B45制限ペプチドから誘導し、ペプチドからのプール配列をB*4501から溶出した。モチーフは2位でグルタミン酸、10位(「結合」命名法ではP1およびP9(ラマンシー(Rammansee H-G)、「免疫学の最新の見解(Current Opinion in Immunology)」、1995、7:85〜96)で疎水性である。ペプチドICP0 92〜105

;配列番号:19)はCTL(図4)およびインターフェロン-γ(表4)アッセイ法において活性であった。その他の候補エキソン2ペプチドは活性ではなかった。高いEC50値(〜1μM)は、ペプチド結合溝の外側に存在すると予想されるカルボキシ末端テールによる可能性があり、HLA B*4501に対する結合を減少させる可能性がある。ラウス(B. Rouse)のワクシニア-ICP0(マニカン(Manickan, E)ら、J. Virol. 1995、69:4711〜16)を増殖させて、力価を測定した(コエル(Koelle, DM)ら、J. Virol. 1994、68:2803〜10)。クローンRW51は、vac-ICP0標的を特異的に溶解した(図4)。ワクシニアを利用できることは偶然であり、発現クローニングの結果を確認する必要がない。エピトープの範囲を狭めるために、ICP0(AERQGSPTPA;配列番号:6)のアミノ酸92〜101位を含むペプチドを合成した。このペプチドのIC50は、1〜10ナノモルのあいだである(図5)。
【0127】
HSV-2感染症患者が、その末梢血を循環する新たに発見されたT細胞抗原と反応するT細胞を有することを確認するために、病変由来クローンRW51が回収された患者からの末梢血単核球(PBMC)をペプチドによって刺激した。PBMCを、1.0 μg/mlペプチドHSV-2 ICP0 92-101を含むT細胞培地2ml中で2×106個/1.88 cm2ウェルで3日間培養した。4日目に、IL-2(32単位/ml)を加えた。8日目に、細胞を洗浄して、同じ大きさのウェル中でさらなる2×106個自己放射線照射(3300 ラドγ線照射)PBMC、同じペプチド1.0 μg/ml、およびIL-2(32 U/ml)によって再刺激した。
【0128】
反応体はIL-2の存在下でさらに9日間培養して、必要に応じて増殖させた。細胞毒性アッセイ法は、処置なし、ペプチドHSV-2 ICP0 92-101を1μg/mlで18時間処置、またはHSV-2株333によってMOI 10で18時間感染のいずれかによって処理した自己またはHLAクラスI不一致LCLを用いて実施した。細胞毒性は、標準的な4時間の51Cr放出アッセイ法であった。
【0129】
結果(図6)は、PBMCをペプチドHSV-2 ICP0 92-101によって刺激すると、HSV-2感染細胞に対する細胞毒性を有する細胞を刺激できること、およびこの活性は、HLAクラスI不一致細胞に対しては存在しなかったことを示している。比較のために、指標となるT細胞クローンRW51も同様に、このアッセイ法においてエフェクター細胞として用いられ、図6に示すようにエフェクター:標的比10:1でわずかに高いが同等の細胞毒性を示した。
【0130】
実施例5:HSV特異的CD8 CTLによって認識されるUL47抗原の同定
本実施例は、発現クローニングによってタンパク質UL47のコード領域内に含まれるDNAによってコードされるHSVポリペプチドの抗原性を証明する。発現クローニングおよびライブラリー調製は実施例4に記載した通りであった。
【0131】
病変クローンdkRW22.1991を発現クローニングのために選択した。このクローンはHSV-2感染自己由来LCLに対して細胞溶解活性を有する(表1)。HLA A*0201をトランスフェクトした後HSV-2を感染させたCos-7細胞は、dkRW22.1991(表5)からのインターフェロン-γ放出を特異的に刺激したが、B*4501をトランスフェクトした細胞は刺激しないことから、CD8 TCC dkRW22.1991のHLA制限対立遺伝子はHLA A*0201である。クローンdkRW22.1991は、フローサイトメトリーによって以下の表現型を有する:CD3(+)、CD4(-)、CD8(+)、CD16および56(-)、およびT細胞受容体α/β(+)。
【0132】
結果
抗原タンパク質に関してライブラリーをスクリーニングするために、平底マイクロタイタープレートに播種した(9,000個/ウェル)Cos-7細胞に、24時間後にライブラリーのプールおよびA*0201 DNA(50および25 ng/ウェル)を同時トランスフェクトした。クローニングしたT細胞を48時間後に加え、インターフェロン-γアッセイ法を実施例4に記載したように、24時間上清について実施した。pCNA 3.1-his Cからのライブラリーに1つの陽性プールを認めた。このプールからの微生物を播種して、次のラウンドのアッセイのためにコロニー96個からDNAを調製した。C1F1C7と呼ばれる一つの陽性クローンを、インターフェロン-γ放出アッセイ法の追跡ラウンドにおいて認めた。ウイルス挿入断片の配列決定によって、それがHSV-2ゲノムのヌクレオチド102875〜101383位からの1.4 kbのSau3aI断片であったことが判明した。配列は、アミノ酸292〜696位までのHSV-2 UL47のC-末端領域、短い介在領域、さらにHSV-2 UL46のN-末端アミノ酸70個をコードする。
【0133】
抗原性エピトープをコードするHSV-2 DNAの領域を部分的に狭めるために、HSV-2のUL47およびUL46の完全長の遺伝子を、校正機能を有する熱安定性DNAポリメラーゼ(pfu、Invitrogen)を用いてPCRによってクローニングした。プライマーは、UL47に関して

(5'プライマー;配列番号:7)および

(3'プライマー;配列番号:8)、ならびにUL46に関して

(5'プライマー;配列番号:9)および

(3'プライマー;配列番号:10)であった。それぞれの場合において、クローニングを容易にするために、5'プライマーは、組み込まれたBamH I部位(下線)を含み、3'プライマーは組み込まれたXba I部位(下線)を含んだ。
【0134】
PCR産物をBamH IおよびXba Iによって消化して、pcDNA3.1-his-Cにクローニングすると、いずれの場合もインフレーム融合タンパク質を生じた。pcDNA3.1-his-CにおけるHSV-2遺伝子の5'末端での融合領域における配列は、配列決定によって確認した。さらに、当初の陽性クローンC1F1C7に含まれるUL46コード配列を全て、制限消化によって欠失させて、再ライゲーションした。娘構築物をC1F1C7-ApaI(-)と命名する。
【0135】
病変由来T細胞クローンの反応性を調べるため、Cos-7細胞にA*0201 DNAをトランスフェクトさせて、HSV-2を感染させるか、またはこれらの構築物のそれぞれをトランスフェクトさせた。結果は、HSV-2のUL47をコードするDNAによってコードされる抗原の認識と一致する。クローンC1F1C7-ApaI(-)は陽性であった。このクローンは全てのUL46配列を欠失しているため、UL46は認識されない。さらに、完全長のUL47をHLA A*0201と共にCos-7細胞にトランスフェクトすると、クローンdkRW22.1991によるインターフェロン-γ分泌を特異的に刺激する細胞が得られたが、UL46では認められなかった。
【0136】
(表5) 機能的HLAクラスI重鎖cDNAをトランスフェクトして、HSV-2を感染多重度約5で感染させたCos-7細胞に反応したTCC dkRW22.1991によるインターフェロン-γ分泌

【0137】
(表6) HLA A*0201をトランスフェクトして、陽性対照としてHSV-2に感染させるか、またはHSV-2ゲノムの特異的セグメントを含む真核生物発現ベクターを同時トランスフェクトしたCos-7細胞に反応したクローンdkRW22.1991によるインターフェロン-γ分泌

【0138】
実施例6:HSV特異的CD8 CTLによって認識される抗原としてのUL47のアミノ酸289〜298(配列番号:20)、551〜559(配列番号:3)、および551〜561位(配列番号:21)の同定
材料と方法
細胞株とウイルス:
EBV-LCLを施設内でPBMCから調製し;ARENT、PITOUT、HERLUF、およびKAS011はネポム(G. Nepom)から得た。HSV-1 E115、HSV-2 333、HG52、組換え型vac-ICP0-HSV-2(ロウズ(B. Rouse)提供)および野生型ワクシニアNYを産生させ、Vero細胞またはBSC-40細胞において力価を測定した。
【0139】
HSV特異的T細胞をHSV-2培養陽性臀部病変から得た。生検を5日目の病変または疱疹小疱液から採取した。リンパ球をPHAおよびIL-2によってバルクで増殖させた。CD8細胞を免疫磁気ビーズ(ミニマックス、ミルテニ社(Miltenyi))によって選択し、クローニングした。被験者HVに関して、生検組織をコラゲナーゼIV-S(シグマ社(Sigma))中で37℃で5時間消化して、得られた細胞懸濁液を連続10倍希釈によってクローニングした。クローンを抗CD3 mAb、IL-2、およびフィーダーと共に増殖させた。PBMC4×106個をペプチド1μg/mlと共にインキュベートすることによって、ペプチド再刺激PBMC由来リンパ球を作製した。3日後、10 U/mlヒト組換え型IL-2(カイロン社(Chiron))を加えた。7日後、反応細胞を洗浄して、新たに融解して放射線を照射した自己由来PBMC2×106個、ペプチド、およびIL-2と共に再度播種した。細胞を14〜21日目にアッセイした。
【0140】
発現クローニング:
HSV-2 ゲノムDNAをSau3A Iによって消化して、再抽出し、かつクレノウ断片、dTTP、およびdCTPによって部分的に埋めた。プラスミドpcDNA3.1(+)myc-his A、B、およびC(インビトロゲン社)をXhoIによって消化して、dATPおよびdGTPによって部分的に埋めた。ライゲーションの後、DNAを大腸菌(E. coli)株DH10Bに電気穿孔した。各ライブラリーは、一次形質転換体数千個を有した。各ライブラリーの大多数はバルクで直ちに増幅させて(4ml LB-amp、一晩)少量ずつ小分けした。ランダムクローン20個はそれぞれ、単一のHSV-2 Sau3A I断片を含んだ。トランスフェクションのためにDNAを作製するために、深い96ウェルプレートに、〜15コロニー/ウェルでライブラリーを、または選択された個々のクローンのいずれかを接種した。一晩増殖させた後、DNAを96ウェルフィルターによって調製した。
【0141】
HLA A*0201、B*4402、B*4403、およびB*4501 cDNAを調製するために、全RNAをLCLから抽出した。cDNAはオリゴ-dTおよびMMLV逆転写酵素によって調製した。PCRは、pfu DNAポリメラーゼ、各2.5 mM dNTP、cDNA、および重鎖遺伝子と相補的となるように設計され、遠位KpnIまたはXba I部位を含むプライマーを用いた。増幅体をKpnIおよびXba Iによって消化し、pcDNA 3.0にライゲーションした。挿入断片の配列はゲンバンクのものと同一であった。
【0142】
ICP0の一部(下記)を含む陽性ゲノムクローンに由来するcDNA種を調べるために、Cos-7細胞にICP0ゲノムクローンをトランスフェクトさせて、48時間後に全RNAを調製した。cDNA合成のために用いられるプライマー(

Xba I部位を下線で示す;配列番号:11)は、ICP0ゲノムクローンにおけるHSV-2 DNAの3'末端の配列に由来するものであった。MMLV逆転写酵素を用いた。スプライシングを調べるため、PCRは、pfuポリメラーゼ、cDNA、上記の3'プライマー、および5'プライマー

(KpnI部位;配列番号:12)を用いた。ICP0のエキソン1を単離するために、PCRは同じ5'プライマーと3'プライマー

(Xba I部位;配列番号:13)を用いた。産物はpCDNA3.1-his-Bにクローニングした。
【0143】
上記と同じプライマー(配列番号:7、8)を用いて、HSV-2の完全長のUL47をpCDNA3.1-his-CにPCRクローニングした。HSV-2の完全長のUL46は、上記と同一の対応するプライマー(配列番号:9、10)によってpcDNA3.1-his-CにPCRクローニングした。同様に、上記の5'プライマー、適当な3'プライマー、およびpCDNA3.1-his-Cを用いて、UL47のアミノ酸1〜595位、および1〜640位を発現する構築物をPCRによって作製した。構築物UL47 1〜535および536〜696は、アミノ酸535位での本来のNot I部位を用いて作製した。インフレーム融合体を配列決定によって確認した。
【0144】
リンパ球機能アッセイ法:
CTLアッセイ法は、標準的な4時間の51Cr放出によって行った。標的EBV-LCLをMOI 10でHSVに18時間感染させ;エフェクター:標的比は20:1であった。抗クラスI mAb W6/32を10 μg/mlで用いた。ウイルスRNA発現の阻害作用を調べるために、アクチノマイシンDを5μg/mlで、感染前、90分間感染時、洗浄時、およびアッセイ期間にわたって30分間使用した。
【0145】
HSV反応性CD8 CTLによるIFN-γ分泌は、機能的HLA cDNAの単離を確認するため、および発現クローニングのために終末点として用いた。96ウェル平底プレートに9,000個/ウェルで1日目に播種したCos-7細胞に、2日目にHLA cDNA 50 ngをトランスフェクトした(図6)。3日目、細胞にHSV-2 333を感染させた。4日目に、クローニングしたCD8 T細胞0.7〜1.0×105個を加えた。上清を5日目に採取した。
【0146】
ライブラリーをスクリーニングするために、Cos-7細胞にHLA cDNA 50 ngとライブラリーDNA(15個のプール、または単一のコロニー)100 ngとを同時トランスフェクトした。2日後、クローニングしたT細胞1×105個/ウェルを加えて、上清を24時間後に採取した。活性微生物コロニーを同定するために陽性プールを破壊した。活性クローンにおけるHSV-2 DNAを配列決定した。
【0147】
フローサイトメトリー:
リンパ球を、標準的な方法によってCD3、CD4、CD8、CD16/56、TCRαβ、またはTCRγδに対する標識mAbによって染色した。トランスフェクトしたCos-7細胞におけるHLA発現を測定するために、トリプシン処理した細胞をHLA B*4501に対して反応性のFITC-標識mAb B12(ワンラムダインク(One Lambda, Inc))1μg、またはHLA A*0201に対して反応性のmAb MA2.1細胞上清と共に混合した後、FITC-標識ヤギ抗マウスIgGと混合した。
【0148】
HLAタイピング:
HLA B44対立遺伝子を定義するため、多様なエキソンの直接配列決定を行った。
【0149】
ELISA:
γ-インターフェロンは、エンドゲン社の試薬を用いてELISAによって測定した。プレートを0.25 μg/ml捕獲mAb M700A-E 100 μlによってコーティングして、1%BSAの0.2 M NaCl、3mM KCl、0.05 Mトリス、pH 9(TBS)溶液によって1時間ブロッキングした。後のインキュベーションは各100 μlであり、その前にPBS/0.2%ツイーン-20によって3〜5回洗浄し、室温で回転させて行った。0.1%BSA、0.05%ツイーン20、および4μg/ml免疫グロブリン阻害試薬#6LD1068(バイオレクラメーションインク、イーストメドウ、ニューヨーク州)を含むTBS(試料緩衝液)によって希釈した試料および標準物質を2時間加えた。試料緩衝液において100 ng/mlとなるように希釈したビオチン結合検出mAb(M701B)を1時間加えた。1%BSA、0.05%ツイーン20を含むTBS中で100 ng/mlとなるように希釈したアビジンD:HRP(A-2004)を1時間加えた。TMB基質を10分間加えた。検出下限は2〜10 pg/mlの範囲であった。
【0150】
結果を図7〜10、および表7〜9に示す。
【0151】
(表7)

【0152】
(表8)

【0153】
(表9)

【0154】
結果は、病変浸潤CD8 CTLがACT D阻害およびHSV-コードTAPおよび転写阻害剤によって予想されるように、早初期(ICP0)またはビリオンインプット(UL47)タンパク質を認識することを示す。その上、HSV-2 UL47 289〜298/A*0201特異的CD8 CTLは、HLA B*4402およびB*4403と交差反応するが、B*4405とは交差反応しない。TCRは、これらのB44対立遺伝子の他に、現在のところ不明であるがB細胞ならびにヒトおよび霊長類腎上皮細胞内に存在する「ハウスキーピング」ペプチドを認識する。データは交差反応性T細胞が、A*0201からの幹細胞を、A*0201 HSV-2感染者に加えるとGVHDを媒介しうるが、B*4402またはB*4403からの幹細胞では媒介しないことと共に、B*4402またはB*4403を有する臓器をA*0201 HSV-2感染者に加えると移植片拒絶に影響しうることを示唆する。
【0155】
実施例7:HSV特異的CD8 CTLによって認識される抗原としてのUL47のアミノ酸548〜557位の同定
CD8+ T細胞クローンcpRW22(dkRW22と同じ起源に個別に由来する)を、HLA-A2に結合すると予想され、HSV-2遺伝子UL47に由来する一連の合成ペプチドに対して調べた。これらのペプチドの一つはIFNγELISPOTアッセイ法においてcpRW22によって陽性に認識された。陽性と採点されたUL47ペプチドの配列は、

(配列番号:18)であり、このペプチドはUL47のアミノ酸548〜557位を含む。
【0156】
UL47/548〜557と重複する一連の10 mer(UL47/549〜558、550〜559、551〜560、および552〜561)ならびに9 merのペプチド(UL47/548〜556、549〜557、550〜558、551〜559、および552〜560)を調製して、最適な標的ペプチドを定義した。9 mer 1個(UL47/551〜559)および10 mer 2個(UL47/550〜559、551 〜560)は、ELISPOTアッセイ法において低濃度で強く陽性であると採点された(図11Aおよび11B)。UL47/550〜559およびUL47/551〜559ペプチドは、調べた全てのペプチド濃度で類似の活性を示した。
【0157】
実施例8:天然に加工された抗原としてのUL47のアミノ酸550〜559位
の同定
天然に加工されるUL47ペプチドを決定するために、C1R-A2/3D9.6H7細胞1.5×1010個からA2分子を精製して、結合したペプチドを酸溶出によって剥離させた。これらのペプチドを以下の条件下でHPLCカラム上で分画した:TFAイオン対形成剤;0〜10%アセトニトリル(ACN)を5分、10〜45%ACNを50分、45〜60%ACNを5分。これらの画分が、IFN-γELISPOTアッセイ法においてcpRW22T細胞による認識に関してT2標的を感作できるか否かを調べた。標的は、血清不含培地+HuB2M3μg/ml中で各画分の5%によって32℃で4時間パルスしたT2細胞(20,000個)であった。次に、標的を2回洗浄し、ELISPOTプレートのウェル2個ずつ(10,000個/ウェル)に移した。反応体はCTLクローンcpRW22(20,000個/ウェル)であった。
【0158】
画分17、18、および23は、この活性を含むことが判明した(図12)。画分17および18は、以下の条件下でHPLCカラム上で細分画した:HFBAイオン対形成剤;0〜10%ACNで5分、10〜35%ACNで50分、35〜60%ACNで5分。細画分24および25は、cpRW22による認識に関してT2細胞を感作することが判明した(図13B;図13Aおよび13Cと比較)。画分23は、同じようにHPLCによってさらに分画した。細画分37はIFN-γELISPOTアッセイ法においてcpRW22による認識に関してT2細胞を感作することが判明した(図14)。UL47/551〜559、550〜559、および551〜560ペプチドを細画分条件でHPLC上で分離すると、画分37(UL47/550〜559;図15A)、40/41(UL47/551〜560;図15B)、および32(UL47/551〜559;図15C)に溶出されることが判明した。
【0159】
UL47/550〜559は、C1R-A2/3D9.6H7細胞からの天然に加工されたペプチドと同様に同じ画分(37)に溶出し、したがって天然に加工されたペプチドと同じ配列を有する可能性がある。画分23/細画分37に関するMS/MSデータから、分子量961のペプチドの存在を示す(図16)。UL47/550〜559の分子量もまた961である。これは、UL47/550〜559が天然に加工されたUL47ペプチドであることの根拠となる証拠を提供する。
【0160】
UL47/550〜559ペプチドのアミノ酸配列は

(配列番号:1)である。UL47/550〜559ペプチドをコードしうるHSV-2の遺伝子断片はC1R-A2/3D9.6H7細胞に含まれることがその後確認された。これは、pBIBレトロウイルスベクターのクローニング部位の隣接領域に対して、およびUL47/550〜559をコードするDNA配列(図17)に対して作製したプライマーを用いたPCRを行うことによって実施した。これらのPCRプライマーおよび多様なPCR条件を用いて、C1R-A2/3D9.6H7細胞は、HSV-2に由来する少なくとも2個のレトロウイルス挿入断片を含むことが証明された(図18A〜C)。一つの挿入断片はUL52遺伝子の2つの断片をコードする。第二の挿入断片は、UL47/550〜559ペプチドをコードする部分を含む、UL47遺伝子の大きい部分をコードする。
【0161】
実施例9:HSV特異的CD8 CTLによって認識されるタンパク質を同定する方法
本実施例は、病変由来材料を用いてHSV特異的CD8 CTLによって認識されるさらなるタンパク質を同定することができる方法を示す。
【0162】
性器/臀部HSV-2病変からのHSV特異的CD8 T細胞の単離
直腸周囲、臀部および/または大腿部皮膚を清浄して麻酔後に、それらから穿孔生検(3〜4mm)を採取した。疑われる原発性疱疹からの病変を可能な限り速やかに生検を採取して、初回感染時に少なくとも2回の連続生検を行うことが好ましい。治癒段階での再発性の性器HSV-2病変(後期潰瘍/痂皮)は、そのような病変からのLILは高いCTL活性を有することから、抗原/エピトープ発見にとって好ましい。病変の一部は、免疫組織学のためにOCT培地においてイソペンタン/液体窒素中で瞬間的に凍結することができる。生検の一部を解離させて、細胞を限界希釈によって増殖させ、その一部をバルク培養に用いた(コエル(Koelle, DM)ら、J. Clin. Invest. 1998、101:1500〜1508)。LILは、組織を細切することによってバルクで増殖させ、48ウェルプレートにおいてアシクロビル(50 μM)を含むT細胞培地中で0.8 μg/ml PHAおよびフィーダーPBMC 7.5×105個/ウェルによって刺激した。増殖はIL-2(50 U/ml、ヘマゲン社(Hemagen))によって補助し、通常14〜21日で細胞1〜5×107個を生成する。CD8選択細胞のCTL活性を、エフェクター:標的比20:1の4時間の51Cr放出アッセイ法において自己由来および同種異系感染LCL偽ならびにHSV-2感染LCLに対して調べる(ティゲス(Tigges, MA)ら、J. Virol. 1992、66:1622〜34)。この段階で溶解活性があれば、HSV特異的CD8 CTLクローンの回収が予測される。
【0163】
まれなCD8 CTLまたはバルク培養で増殖短所を有するCTLの回収率を増加させるために、最初のバルク増殖段階を行わないことが可能である。HSV-2病変は、病変進行の中期のあいだ小疱である。HSV特異的CD8 CTLは以下のように小疱液からクローニングすることができる。小疱を破裂させて、細胞用のへらで液を培地に回収する。一部をサイトスピン調製のために用いる(固定後−70℃で保存)。フィコールの上に重層して標準的な密度勾配遠心を行った後、界面の細胞を洗浄して96ウェルU底プレートにおいて細胞100〜1個/ウェルまでの連続希釈液をクローニングカクテル(下記)と共に播種した。小疱からの細胞の回収は、典型的に病変あたり約1×104〜2×105個である。
【0164】
T細胞クローニングは確立された方法(コエル(Koelle, DM)ら、J. Infect. Dis. 1994、169:965〜61)を用いる。LILのバルク増幅の1ラウンドからのCD8選択細胞を、2および0.3個/ウェルで播種する。新しく破壊した病変生検または小疱液からの細胞を細胞30〜100個/ウェルで開始して、前記のコエル(Koelle)らに報告されるように細胞1個/ウェルとなるまで2〜3倍づつ減少させる改変限界希釈スキームで播種する。CD8濃縮新鮮LILおよび小疱細胞に関して、一部をバルクで増殖させることができる(コエル(Koelle, DM)ら、J. Clin. Invest. 1998、101:1500〜1508)。微量培養はIL-2を週2回加え、14日までのあいだスクリーニングする。各細胞インプット量での増殖を示すウェルの割合を記録して、微量培養のクローン性の確率を推定した。
【0165】
候補培養物のスクリーニング
候補培養物の好ましいスクリーニングは、HSV-2に感染した(18時間、MOI 10)、または感染していない自己由来LCLに対する分割ウェルCTLアッセイ法である。LCLは、EBV形質転換B細胞株であり(コエル(Koelle, DM)ら、J. Clin. Invest. 1993、91:961〜68;ミラー(Miller, G.)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1972、69:383〜87)、これはPBMCから確立するために約6週間を要する。LCLはHSV感染に対して許容的であるが、皮膚線維芽細胞と比較すると、HSV媒介HLAクラスIのダウンレギュレーションに対して比較的抵抗性である。ほとんどの被験者は、登録してLCLを調製してから生検を行う。したがって、LCLは、TCCをスクリーニングに準備できる際には使用可能であると思われる。好ましくは、自己由来HSV-2はVero細胞上で単離、増殖、および力価を測定される(コエル(Koelle)ら、1993、上記)。
【0166】
バルク増殖LILに由来するクローンに関して、増殖に関して陽性のウェルの37%またはそれ未満を生じる細胞のインプット量は、推定「クローン」と命名される。各微量培養の半数を、エフェクター:標的比〜15:1で標的2×103個と共に1試料あたり2個ずつ播種する(最終的に、培養の1/8/アッセイウェル)。HSV-2感染標的の真の溶解が非感染標的の溶解より15%上回るクローンは陽性であると見なされる。CTL活性を有するクローンをフローサイトメトリーによって分析し、CD8-保有CTLクローンを増殖させる。新鮮な、破壊された病変生検および小疱からの微量培養を限界希釈方式(上記)で増殖させる。先にバルク増殖ラウンドを行わなければ、微量培養が「妹」クローンを含む可能性はより低いが、同一の細胞が異なる微量培養において新鮮な病変材料から独立して回収される可能性はある。
【0167】
CTL活性を有する培養の増殖
スクリーニングアッセイ法において陽性と採点されたT細胞は、リッデルら(Riddel、Nature Medicine 1996、2:216〜23;米国特許第5,827,642号)の方法によって増殖させる。当初の微量培養ウェルにおける細胞の「残りの」半数(〜5×104個)を25 ml T細胞培地において放射線照射(3300 ラド)混合同種異系PBMC 2.5×107個、放射線照射(8000 ラド)LCL 5×106個、および30 ng/ml mAb OKT3(抗CD3)と共に混合する。24時間目と、その後週に2回、rhIL-2(50 U/ml、カイロン社、エメリービル、カリフォルニア州)を加える。OKT3は4日目に洗浄して除去する。典型的に、T細胞は最初のサイクルの終了時に細胞約1〜5×107個まで増殖する。増殖が約12日で目に見えて遅くなれば確認CTLアッセイを行うことができる。同一の第二のサイクル後に保存された細胞数は、さらに200〜1000倍の増殖が通常起こるため、本質的に無制限である。増殖した細胞の融解した少量をCTL、増殖、およびサイトカインアッセイ法に用いる。クローンの約10〜20%が増殖できず;抗原特異性の喪失はまれであるが、複製能の喪失は起こる可能性がある。
【0168】
上記のCos-7同時トランスフェクション法は、発現クローニングに用いることができる。配列決定したHSV-2株HG52からのDNAを用いて、Sau3A Iによって消化して、pcDNA3.1(+)hisシリーズの各メンバーにライゲーションすることができる。発現クローニングのために選択したTCCsを制限するHLAクラスI重鎖をコードするcDNAは、必要に応じて、上記のようにRT-PCRによってpcDNA3.0にクローニングすることができる。普遍的な方法が公表されている(エニス(Ennis, PDら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1990、87:2833〜37)。校正機能を有するポリメラーゼを用いてcDNAを配列決定することができる。プライマーは、標的配列に存在しないエンドヌクレアーゼ部位を含む「テール」と対立遺伝子特異的に完全に一致する。望ましくない重鎖PCR産物(同時増幅してもよい)は、望ましくないcDNAを選択的に切断する酵素によるPCR産物の消化によって減少させることができる。cDNA機能を調べるために、1)対立遺伝子特異的mAbを48時間トランスフェクトしたCos-7細胞における細胞表面発現をチェックする、および2)上記の表3に示す方法によってHSV-2抗原提示の表示をチェックする。予想された結果は、重鎖のトランスフェクション後の対立遺伝子特異的mAbによるCos-7細胞の特異的染色であり;空のベクターおよび対照mAbが含まれる。重鎖をトランスフェクトして、HSV-2に感染させたCos-7細胞によるCD8 TCCインターフェロン-γ分泌の特異的刺激が予想される。
【0169】
ライブラリー1個あたりスクリーニングされるクローンの数は、ライブラリーを作製する際に生成した制限断片の数に依存するが、典型的に数千であろう。プールサイズ(ウェルあたりトランスフェクトしたCos-7細胞クローンの数)は、ウイルスDNA断片〜15個/ウェルで開始すると思われる。陽性プールを破壊して、個々のクローンを調べる。陽性クローンを配列決定して、公表されたHSV-2配列と比較して、抗原を同定する。
【0170】
エピトープマッピング
エピトープマッピングは、分子、生体情報、および合成方法によって行うことができる。ゲノムライブラリースクリーニング(上記)は、アミノ酸25〜300個の範囲である遺伝子断片を初回「陽性」として生じる。陽性分子クローンにおけるHSV-2コード配列は、HSV-2挿入断片の入れ子状態の切断、またはHSV-2 DNAの内部制限部位での切断、およびプラスミドの再構築を行うために、エキソヌクレアーゼIII消化のような標準的な方法を用いて短くすることができる(ガビン(Gavin, MA)ら、J. Immunol. 1993、151:3971〜80)。陽性構築物の一部を再増幅するために校正機能を有するポリメラーゼによるPCRを用いることが好ましい。切断は、長さアミノ酸50〜100個の陽性断片のために設計される。モチーフマッチングペプチドに関して、「Pマイナス1」の位置でのN-末端ペプチドがしばしばTCRの「上部」に面し、T細胞誘発を必要とするため、P1「アンカー」は合成ペプチドの残基2に存在する。モチーフが不明の場合、5個重なり合う15量体を作製する。ペプチドはCTLおよび/またはインターフェロン-γアッセイ法において1 μMおよび10 μMで調べる。
【0171】
これらの方法によってエピトープを発見できない場合、活性HSV-2構築物の両端からのさらなる分子「トリミング」を行って、最小のコード配列を発見することができる(シュナイダー(Schneider, J.)ら、Int. J. Cancer 1998、75:451〜58)。このペプチドがなおもCTLアッセイ法において陽性である場合、翻訳後修飾を必要とする可能性がある。分子遺伝子学的手法によって陽性であると予想されるペプチドを、電気穿孔または浸透圧ショックによってAPCにローディングする(チェン(Chen, W.)ら、J. Immunol. Methods 1993、15:49〜57)。
【0172】
実施例10:さらなるHLA-B45被験者におけるCTL反応のICP0刺激
本実施例は、他のHLA-B45陽性供与体が先に定義されたICP0 92-101ペプチドに対して検出可能なCD8+ T細胞反応を有することを証明する。
【0173】
バルク方式におけるペプチド再刺激は、CTLの感度のよい検出にとって適当であるが、病変由来抗原(LDA)方式はCTLレベルを生じるが、検出のために持続的な細胞複製を必要とする。本実施例において、T細胞培地2ml中に4×106個PBMCをHSV-2ペプチド1μg/mlによって刺激し、IL-2(10〜30 U/ml)を3日目に加えた。8日目に、反応細胞を洗浄して、自己由来放射線照射PBMC2×106個、新鮮ペプチド、およびIL-2によって再刺激し、必要に応じて分割してから14〜16日にアッセイ法を行った。指標被験者を含む2つのHLA B*4501保有者の場合、ペプチドローディング標的を溶解するのみならず、HSV-2感染標的を殺し、抗クラスI mAbによって阻害される妥当なHLAクラス制限CD8 CTLが検出された(表10)。
【0174】
(表10) ペプチドHSV-2 ICP0 92-101または(+)対照クローンRW1997.51によって刺激したPBMCによるHLA B*4501の溶解
結果は、エフェクター:標的比10:1〜20:1での4時間CTLアッセイ法における特異的放出百分率である。

11μg/ml ICP0 92-101を90分ローディングした、またはMOI 5でHSV-2に18時間感染した標的LCL(RW=B*4501、HV=B*4501以外)。
210 μg/mlで含まれる抗HLAクラスI mAb W6/32
【0175】
実施例11:さらなるHLA-A2被験者におけるCTL反応のUL47刺激
本実施例は、他のHLA-A2陽性供与体がこれまでに定義されたUL47ペプチド550〜559に対して検出可能なCD8+ T細胞反応を有することを証明する。
【0176】
UL47遺伝子はゲノムHSV-2(株333)DNAからPCR法によって増幅し、pBIBレトロウイルスベクターにクローニングした。DNAはいくつかのUL47/pBIBクローンから調製して、HLA-A2を安定に発現するVA13細胞にトランスフェクトした。これらのトランスフェクタントは、UL47/550〜559特異的、HLA-A2制限CTLクローンcpRW22によって認識された(図19)。UL47/550〜559ペプチドパルスVA13/A2細胞を陽性対照として用いた。
【0177】
HLA-A2陽性供与体数人(RW1874,HV5101、AD116、AD120およびAD124)からのPBMCは、そのいくつかがHSV-2血清陽性であったが、これらをUL47特異的CD8+ T細胞の存在下で調べた。UL47/550〜559特異的HLA-A*0201制限CTLクローンcpRW22は先に、供与体RW1874に由来した。HSV-2 UL47/289〜298(

;配列番号:20)特異的A2制限クローンHV2は、供与体HV5101に由来した。このように、RW1874とHV5101のPBMCにおいてUL47特異的CD8+ T細胞が検出されることが予想された。PBMCをインビトロで、3つのA2制限エピトープの一つの1μg/mlによって2回刺激した:インフルエンザM1/58-66、UL47/289-298、またはUL47/550-559。次に、T細胞を、ペプチドなし、刺激ペプチド、またはHIVに由来する対照ペプチド(RT)のいずれかをパルスした標的に対する51Cr放出アッセイ法において調べた。調べた供与体 は全てHIV陰性であることが知られていた。
【0178】
結果を図20A〜Lに示す。RW1874は、M1およびUL47/550-559ペプチドに限って反応した(図20A〜C)。HV5101は、3つのペプチド全てに対して反応したが(図20D〜F)、UL47/289-298はこの供与体からの細胞を用いて同定された唯一のHSV-2ペプチドである。AD120は、3つのペプチドのいずれにも反応せず(図20G〜I)、有意に異なるA2サブタイプに属する可能性を示唆した。AD124は、M1に反応したが、UL47ペプチドのいずれにも反応しなかった(図20J〜L)。これは、AD124がHSV血清陰性であるために予想された。これらの結果を表11に要約する。
【0179】
(表11) UL47エピトープに対するCD8+ T細胞反応の要約

【0180】
当業者は、これまでの説明に開示した概念および特定の態様が、本発明の同じ目的を行うために他の態様を改変または設計するための基礎として容易に用いてもよいことを認識すると思われる。当業者はまた、そのような同等の態様が、添付の請求の範囲に述べられる本発明の精神および範囲内に含まれることを認識すると思われる。
【図1A】

【図1B】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10A】

【図10B】

【図10C】

【図10D】

【図10E】

【図10F】

【図10G】

【図10H】

【図10I】

【図10J】

【図10K】

【図10L】

【図10M】

【図10N】

【図10O】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18A】

【図18B】

【図18C】

【図19】

【図20A】

【図20B】

【図20C】

【図20D】

【図20E】

【図20F】

【図20G】

【図20H】

【図20I】

【図20J】

【図20K】

【図20L】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリペプチドがICP0もしくはUL47タンパク質またはその断片と、薬学的に許容される担体とを含む、単純疱疹ウイルス(HSV)ポリペプチドを含む薬学的組成物。
【請求項2】
断片がICP0のアミノ酸92〜101位もしくは92〜105位またはその置換体変種を含む、請求項1記載の薬学的組成物。
【請求項3】
断片がUL47のアミノ酸289〜298位、548〜557位、550〜559位、551〜559位、551〜560位、もしくは551〜561位、またはその置換体変種を含む、請求項1記載の薬学的組成物。
【請求項4】
ポリペプチドが融合タンパク質である、請求項1記載の薬学的組成物。
【請求項5】
融合タンパク質が可溶性である、請求項4記載の薬学的組成物。
【請求項6】
アジュバントをさらに含む、請求項1記載の薬学的組成物。
【請求項7】
ICP0のアミノ酸92〜101位、92〜105位、UL47のアミノ酸289〜298位、548〜557位、550〜559位、551〜559位、551〜560位、もしくは551〜561位、またはその置換体変種をコードするポリヌクレオチド。
【請求項8】
請求項7記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
【請求項9】
請求項8記載のベクターによって形質転換した宿主細胞。
【請求項10】
請求項9記載の宿主細胞を培養する段階およびそのように産生されたポリペプチドを回収する段階を含む、HSVポリペプチドを産生する方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法によって産生されたHSVポリペプチド。
【請求項12】
ICP0もしくはUL47、またはその断片をコードするポリヌクレオチドと、薬学的に許容される担体とを含む薬学的組成物。
【請求項13】
請求項7記載のポリヌクレオチドと薬学的に許容される担体とを含む薬学的組成物。
【請求項14】
ICP0のアミノ酸92〜101位もしくは92〜105位、UL47のアミノ酸289〜298位、548〜557位、550〜559位、551〜559位、551〜560位、もしくは551〜561位、またはその置換体変種を発現するように遺伝子改変された組換え型ウイルス。
【請求項15】
ワクシニアウイルス、カナリアポックスウイルス、またはアデノウイルスである、請求項14記載の組換え型ウイルス。
【請求項16】
請求項14記載のウイルスと薬学的に許容される担体とを含む薬学的組成物。
【請求項17】
アジュバントをさらに含む、請求項12、13、または16記載の薬学的組成物。
【請求項18】
抗原提示細胞がICP0もしくはUL47タンパク質またはその置換体変種に含まれるエピトープを提示するように改変されている、免疫細胞を抗原提示細胞に接触させる段階を含む、HSVに対して指向される免疫細胞を産生する方法。
【請求項19】
エピトープがICP0のアミノ酸92〜101位もしくは92〜105位、UL47のアミノ酸289〜298位、548〜557位、550〜559位、551〜559位、551〜560位、もしくは551〜561位を含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
免疫細胞がT細胞である、請求項18記載の方法。
【請求項21】
T細胞がCD4+またはCD8+ T細胞である、請求項20記載の方法。
【請求項22】
請求項18記載の方法によって産生される免疫細胞。
【請求項23】
HSV感染症を治療または予防するための組成物の調製に関する、請求項22記載の免疫細胞の使用。
【請求項24】
HSV感染症を治療または予防するための組成物の調製に関する、ICP0もしくはUL47タンパク質またはその断片を含むポリペプチド、または、ICP0もしくはUL47タンパク質またはその断片をコードするポリヌクレオチドの使用。
【請求項25】
断片が、ICP0のアミノ酸92〜101位もしくは92〜105位、UL47のアミノ酸289〜298位、548〜557位、550〜559位、551〜559位、551〜560位、もしくは551〜561位またはその置換体変種を含む、請求項24記載の使用。
【請求項26】
HSV感染症を治療または予防するための組成物の調製に関する、ICP0またはUL47タンパク質に含まれるエピトープを提示するように改変された抗原提示細胞の使用。
【請求項27】
エピトープが、ICP0のアミノ酸92〜101位もしくは92〜105位、UL47のアミノ酸289〜298位、548〜557位、550〜559位、551〜559位、551〜560位、もしくは551〜561位を含む、請求項26記載の方法。
【請求項28】
抗原提示細胞が、エピトープの発現を媒介することができるウイルス、ペプチド、またはミクロスフェアによって改変される、請求項26記載の方法。
【請求項29】
以下を含む、CD8+ T細胞に対して免疫原性であるHSVエピトープを同定する方法:
(a) HSV病変からCD8+ T細胞を得る段階;
(b) HSV感染細胞の認識能を有するT細胞を同定するために、得られたT細胞をアッセイする段階:
(c) HSVからの核酸調製物を得て断片化する段階;
(d) 得られた核酸の一つまたはそれ以上の断片を発現させる段階;および
(e) 発現された断片を、段階(b)をアッセイすることによって同定されたHSV特異的T細胞に対する抗原反応性に関してアッセイして、それによって発現された断片がHSV特異的T細胞に対する反応性を有すれば、CD8+ T細胞に対して免疫原性であるHSVエピトープをコードすると同定される段階。
【請求項30】
発現する段階が、一つまたはそれ以上のベクターのそれぞれへの単一の断片のライゲーションを制限するために部分的フィルイン反応を用いて、一つまたはそれ以上の断片を一つまたはそれ以上のベクターにライゲーションする段階を含む、請求項29記載の方法。
【請求項31】
ベクターが、HSV特異的T細胞によって認識されるHLA分子の重鎖をコードする核酸をさらに含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
段階(e)のアッセイする段階がリンフォカイン分泌アッセイ法を含む、請求項29記載の方法。
【請求項33】
リンフォカインがインターフェロン-γである、請求項32記載の方法。
【請求項34】
段階(e)のアッセイする段階によって同定される断片を配列決定する段階をさらに含む、請求項29記載の方法。
【請求項35】
HSVがHSV-2である、請求項29記載の方法。
【請求項36】
断片化する段階が、制限酵素による消化を含む、請求項29記載の方法。
【請求項37】
制限酵素がSau3A Iである、請求項36記載の方法。

【公開番号】特開2012−214478(P2012−214478A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−122841(P2012−122841)
【出願日】平成24年5月30日(2012.5.30)
【分割の表示】特願2001−526564(P2001−526564)の分割
【原出願日】平成12年9月28日(2000.9.28)
【出願人】(502457803)ユニヴァーシティ オブ ワシントン (93)
【出願人】(397069329)コリクサ コーポレイション (38)
【出願人】(506139369)フレッド ハッチンソン キャンサー リサーチ センター (11)
【Fターム(参考)】