説明

免疫応答を調節するための組成物および方法

【課題】リンパ球抑制性受容体として機能し、PD-I様分子でありT細胞上に発現される新たに同定されたB7受容体、zB7R1を提供する。
【解決手段】リンパ球抑制性受容体として機能し、PD-I様分子でありT細胞上に発現される新たに同定されたB7受容体zB7R1、及び前記zB7R1の対抗構造として同定されたCD155。前記zB7R1に対する抗体、及び、治療、診断、および研究目的のための、zB7R1媒介性の負のシグナル伝達を調節、およびそのカウンター受容体との相互作用を妨げるための方法および組成物。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号:2のアミノ酸残基16〜140または配列番号:6のアミノ酸残基27〜208と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸残基の配列を含む単離された可溶性zB7R1ポリペプチドであって、T細胞活性化を媒介するポリペプチド。
【請求項2】
配列番号:2のアミノ酸残基16〜140または配列番号:6のアミノ酸残基27〜208と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸残基の配列を含む単離された可溶性zB7R1ポリペプチドであって、T細胞活性化を増加させるまたは上方制御するポリペプチド。
【請求項3】
配列番号:2のアミノ酸残基16〜140または配列番号:6のアミノ酸残基27〜208と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸残基の配列を含む単離された可溶性zB7R1ポリペプチドであって、T細胞活性化を減少させるまたは抑制するポリペプチド。
【請求項4】
配列番号:2、配列番号:3、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:9、および配列番号:10からなる群より選択されるアミノ酸の配列を含む、単離された可溶性zB7R1ポリペプチド。
【請求項5】
配列番号:25および配列番号:68からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、単離された可溶性zB7R1ポリペプチド。
【請求項6】
配列番号:1、配列番号:5、および配列番号:8からなる群より選択されるヌクレオチドを含む、単離されたポリヌクレオチド。
【請求項7】
5xSSC、5xデンハルト、0.5% SDS、サケ精子1 mg/ハイブリダイゼーション溶液25 mlを含む緩衝液中での65℃でインキューベションする一晩のハイブリダイゼーション、その後の65℃での0.2x SSC/0.1% SDSによる高ストリンジェンシー洗浄というストリジェントな条件下において、請求項6記載のポリヌクレオチドとハイブリダイズする単離されたポリヌクレオチドであって、T細胞の共刺激を抑制する可溶性ポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド。
【請求項8】
以下の機能的に連結されたエレメントを含む発現ベクター:
転写プロモーター;
請求項1記載のポリペプチドをコードするDNA部分;および
転写ターミネーター。
【請求項9】
請求項8記載の発現ベクターが導入された培養細胞であって、DNA部分によってコードされるポリペプチドを発現する細胞。
【請求項10】
以下の段階を含む、ポリペプチドを生成する方法:
請求項8記載の発現ベクターが導入された細胞であって、DNA部分によってコードされるポリペプチドを発現する細胞を培養する段階;および
発現されたポリペプチドを回収する段階。
【請求項11】
請求項1記載のポリペプチドに特異的に結合する抗体または抗体断片。
【請求項12】
抗体がzB7R1とCD155との相互作用を遮断するまたは抑制する、請求項11記載の抗体または抗体断片。
【請求項13】
抗体がCD155とzB7R1との相互作用を遮断するまたは抑制する、CD155に特異的に結合する抗体または抗体断片。
【請求項14】
抗体がzB7R1とそのカウンター受容体との相互作用を置換するまたは増大させる、請求項11記載の抗体または抗体断片。
【請求項15】
カウンター受容体がCD155である、請求項14記載の抗体。
【請求項16】
ポリクローナル抗体、マウスモノクローナル抗体、マウスモノクローナル抗体に由来するヒト化抗体、抗体断片、中和抗体、およびヒトモノクローナル抗体からなる群より選択される、請求項11記載の抗体。
【請求項17】
F(ab')、F(ab)、F(ab')2、Fab'、Fab、Fv、scFv、および最小認識単位からなる群より選択される、請求項11記載の抗体断片。
【請求項18】
請求項11記載の抗体に特異的に結合する抗イディタイプ抗体を含む抗イディオタイプ抗体。
【請求項19】
ポリクローナル抗体、マウスモノクローナル抗体、マウスモノクローナル抗体に由来するヒト化抗体、抗体断片、中和抗体、およびヒトモノクローナル抗体からなる群より選択される、請求項13記載の抗体。
【請求項20】
F(ab')、F(ab)、F(ab')2、Fab'、Fab、Fv、scFv、および最小認識単位からなる群より選択される、請求項13記載の抗体断片。
【請求項21】
請求項13記載の抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体を含む抗イディオタイプ抗体。
【請求項22】
配列番号:2のアミノ酸残基16〜140または配列番号:5のアミノ酸残基27〜208と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸残基の配列を含むポリペプチド;およびポリアルキルオキシド部分を含む融合タンパク質であって、T細胞活性化を媒介する融合タンパク質。
【請求項23】
ポリアルキルオキシド部分がポリエチレングリコールである、請求項22記載の融合タンパク質。
【請求項24】
ポリエチレングリコールがポリペプチドのN末端またなC末端に結合している、請求項23記載の融合タンパク質。
【請求項25】
ポリエチレングリコールがmPEGプロピオンアルデヒドである、請求項23記載の融合タンパク質。
【請求項26】
ポリエチレングリコールが分枝状または直鎖状である、請求項23記載の融合タンパク質。
【請求項27】
ポリエチレングリコールが約5 kD、12 kD、20 kD、30 kD、40 kD、または50 kDの分子量を有する、請求項23記載の融合タンパク質。
【請求項28】
配列番号:68または配列番号:69と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸残基の配列を含むポリペプチドを含む融合タンパク質。
【請求項29】
免疫グロブリン重鎖定常領域がFc断片である、請求項28記載の融合タンパク質。
【請求項30】
免疫グロブリン重鎖定常領域がIgG、IgM、IgE、IgA、およびIgDからなる群より選択されるアイソタイプである、請求項28記載の融合タンパク質。
【請求項31】
IgGアイソタイプがIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4である、請求項30記載の融合タンパク質。
【請求項32】
VASPドメインおよびzB7R1を含む融合タンパク質。
【請求項33】
zB7R1が配列番号3を含む、請求項32記載の融合タンパク質。
【請求項34】
配列番号:25を含む融合タンパク質。
【請求項35】
以下を含む製剤:
配列番号:2のアミノ酸残基16〜140または配列番号:6のアミノ酸残基27〜208と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸残基の配列を含む、単離された可溶性ポリペプチド;および
薬学的に許容されるビヒクル。
【請求項36】
請求項35記載の製剤を含むキット。
【請求項37】
以下を含む製剤:
請求項11記載の抗体または抗体断片;および
薬学的に許容されるビヒクル。
【請求項38】
以下を含む製剤:
請求項13記載の抗体または抗体断片;および
薬学的に許容されるビヒクル。
【請求項39】
請求項37記載の製剤を含むキット。
【請求項40】
請求項38記載の製剤を含むキット。
【請求項41】
リンパ球活性を調節するための方法であって、zB7R1陽性リンパ球を、zB7R1媒介性シグナル伝達を調節し得る生物活性剤の、少なくとも1つのリンパ球活性を調節するのに有効な量と接触させる段階を含む方法。
【請求項42】
薬剤がzB7R1媒介性シグナル伝達のアンタゴニストを含み、接触段階によりzB7R1シグナル伝達によって媒介されるリンパ球活性の減弱が抑制される、請求項41記載の方法。
【請求項43】
接触段階によりリンパ球活性が増加する、請求項42記載の方法。
【請求項44】
アンタゴニストがzB7R1とそのカウンター受容体との機能的相互作用を妨げ得る遮断薬を含む、請求項42記載の方法。
【請求項45】
カウンター受容体がCD155である、請求項44記載の方法。
【請求項46】
遮断薬がzB7R1の細胞外ドメイン(配列番号:3)に特異的に結合し得る抗zB7R1抗体を含み、該結合によりzB7R1とそのカウンター受容体との相互作用が妨げられる、請求項44記載の方法。
【請求項47】
遮断薬が可溶性zB7R1タンパク質を含む、請求項44記載の方法。
【請求項48】
可溶性zB7R1タンパク質が選択されたアミノ酸残基配列の配列を含む、請求項47記載の方法。
【請求項49】
遮断薬が可溶性zB7R1融合タンパク質を含む、請求項44記載の方法。
【請求項50】
遮断薬が抗zB7R1抗体、zB7R1ポリペプチド、およびzB7R1融合タンパク質からなる群より選択される、請求項44記載の方法。
【請求項51】
薬剤がzB7R1媒介性シグナル伝達のアゴニストを含み、接触段階によりリンパ球活性が減少する、請求項41記載の方法。
【請求項52】
アゴニストがzB7R1とそのカウンター受容体との機能的相互作用を模倣し得る模倣薬を含む、請求項51記載の方法。
【請求項53】
アゴニストがzB7R1とそのカウンター受容体との機能的相互作用を増大させ得る模倣薬を含む、請求項52記載の方法。
【請求項54】
リンパ球がTリンパ球であり、リンパ球活性が活性化、分化、増殖、生存、細胞溶解活性、およびサイトカイン産生からなる群より選択される、請求項41記載の方法。
【請求項55】
リンパ球がBリンパ球であり、リンパ球活性が活性化、分化、増殖、生存、および抗体産生からなる群より選択される、請求項41記載の方法。
【請求項56】
リンパ球活性が標的抗原に対する宿主免疫応答を含み、該標的抗原が病原体抗原、ワクチン抗原、およびそのカウンター受容体以外の腫瘍関連抗原からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項57】
zB7R1陽性腫瘍細胞を有する患者における癌を治療するための方法であって、zB7R1媒介性シグナル伝達のアンタゴニストを患者に投与する段階を含み、該投与が該zB7R1陽性腫瘍細胞に対する宿主免疫応答を増加させるのに有効である方法。
【請求項58】
アンタゴニストがzB7R1とそのカウンター受容体との機能的相互作用を妨げ得る遮断薬を含む、請求項57記載の方法。
【請求項59】
遮断薬がzB7R1の細胞外ドメイン(配列番号:3)に特異的に結合し得る抗zB7R1抗体を含み、該結合によりzB7R1とそのカウンター受容体との相互作用が妨げられる、請求項51記載の方法。
【請求項60】
自己反応性zB7R1陽性リンパ球の存在を特徴とする自己免疫疾患を有する患者を治療するための方法であって、zB7R1媒介性シグナル伝達のアゴニストを患者に投与する段階を含み、該投与がzB7R1を発現する非リンパ系非腫瘍宿主細胞に対する自己反応性免疫応答を抑制するのに有効である方法。
【請求項61】
アゴニストがzB7R1とそのカウンター受容体の機能的相互作用を模倣し得る模倣薬を含む、請求項60記載の方法。
【請求項62】
カウンター構造がCD155である、請求項40記載の方法。
【請求項63】
カウンター構造がCD155である、請求項41記載の方法。
【請求項64】
カウンター構造がCD155である、請求項61記載の方法。
【請求項65】
T細胞をzB7R1アゴニストと接触させる段階を含む、T細胞活性化を抑制する方法。
【請求項66】
T細胞をzB7R1アンタゴニストと接触させる段階を含む、T細胞活性化を上方制御する方法。
【請求項67】
B細胞活性もまた上方制御される、請求項66記載の方法。
【請求項68】
T細胞の共刺激を抑制する方法であって、T細胞を可溶性zB7R1ポリペプチドと接触させる段階を含み、その配列が配列番号:2のアミノ酸残基16〜140または配列番号:6のアミノ酸残基27〜208と少なくとも95%の同一性を有する配列を含む方法。
【請求項69】
接触段階がポリペプチドをT細胞と共にインビトロで培養する段階を含む、請求項68記載の方法。
【請求項70】
T細胞が患者内にある、請求項68記載の方法。
【請求項71】
接触段階がポリペプチドを患者に投与する段階を含む、請求項68記載の方法。
【請求項72】
接触段階がポリペプチドをコードする核酸を患者に投与する段階を含む、請求項70記載の方法。
【請求項73】
(a) 患者から得られた細胞の子孫であり、細胞がポリペプチドを発現するように、ポリペプチドをコードする核酸分子をエクスビボでトランスフェクションまたは形質転換した組換え細胞を提供する段階;および(b) その細胞を患者に投与する段階を含む、請求項70記載の方法。
【請求項74】
患者が、クローン病、潰瘍性大腸炎、移植片対宿主病、セリアック病、および過敏性腸症候群からなる群より選択される炎症性疾患に罹患している、請求項70記載の方法。
【請求項75】
クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病、移植片対宿主病、および過敏性腸症候群からなる群より選択される疾患に関連した症状または状態の少なくとも1つを治療する、予防する、その進行を抑制する、その発症を遅延させる、および/または軽減する方法であって、請求項35記載の製剤の有効量を患者に投与する段階を含む方法。
【請求項76】
クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病、移植片対宿主病、および過敏性腸症候群からなる群より選択される疾患に関連した症状または状態の少なくとも1つを治療する、予防する、その進行を抑制する、その発症を遅延させる、および/または軽減する方法であって、請求項37記載の製剤の有効量を患者に投与する段階を含む方法。
【請求項77】
クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病、移植片対宿主病、および過敏性腸症候群からなる群より選択される疾患に関連した症状または状態の少なくとも1つを治療する、予防する、その進行を抑制する、その発症を遅延させる、および/または軽減する方法であって、請求項38記載の製剤の有効量を患者に投与する段階を含む方法。

【公開番号】特開2012−147786(P2012−147786A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−38077(P2012−38077)
【出願日】平成24年2月24日(2012.2.24)
【分割の表示】特願2008−511431(P2008−511431)の分割
【原出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【出願人】(505222646)ザイモジェネティクス, インコーポレイテッド (72)
【Fターム(参考)】