説明

免疫応答修飾化合物の送達

マイクロニードル装置を使用して生体関門を越えた1つもしくはそれ以上の免疫応答修飾物質(IRM)の送達。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年8月25日に出願された米国仮出願第60/497,628号明細書で優先権を主張するものである。同出願の内容は全体として本明細書に組み込まれている。
【0002】
近年、免疫系の主な要素を刺激し他の要素を抑制することによって作用する新規医薬品化合物を発見するために、大変な努力が払われ、大きな成果が上がった(米国特許第6,039,969号明細書と第6,200,592号明細書を参照)。本明細書ではこれらの化合物を免疫反応修飾物質(IRM)と呼ぶが、Toll様レセプタとして知られる基本的な免疫系の機序を介して作用し、選択的なサイトカインの生合成を誘発すると考えられ、幅広い疾患や臨床状態の治療に使用できるであろう。たとえば、一部のIRMは、ウイルス性疾患(ヒトパピローマウイルス、肝炎、ヘルペスなど)、異常増殖(たとえば、基底細胞癌、扁平上皮癌、紫外線角化症、メラノーマなど)、TH2媒介性疾患(たとえば、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症など)の治療、および、ワクチン補助薬としても有用である。IRM化合物の多くは小分子の有機分子であるイミダゾキノリンアミン誘導体(米国特許第4,689,338号明細書を参照)である。しかし、多くの他の化合物クラスも知られており(米国特許第5,446,153号明細書、同第6,194,425号明細書、および同第6,110,929号明細書を参照)、さらにまだ多くの化合物が発見されている。他のIRMは、CpGを含むオリゴヌクレオチドなど、より大きな分子量を有する(米国特許第6,1994,388号明細書を参照)。IRMの大きな治療可能性を考慮して、すでに重要な研究が行われているが、IRMの使用と治療効果を高めるためにIRM送達と活性を制御する新しい手段は依然として必要性が高い。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
特に免疫応答修飾物質(IRM)の有用性は、これらを、マイクロニードル装置で生体関門を越えて送達することにより拡大、改善することができる。生体関門を越える送達はたとえば、皮膚の角質層内またはその角質層を越えてIRM化合物を送達することを含む。これは、IRMが作用する体の免疫系細胞が皮内部位に豊富なため、特に有益である。さらにこれらの細胞を活性化させるが、実質的な全身的曝露は必要としない。また、疣贅や種々の皮膚癌などの場合のように、他の方法ではケラチン化した皮膚の厚くなった層のために局所的なIRM製剤の透過が低下する部位へ、直接送達するためにも有用である。
【0004】
米国公開特許第2002/0193729号明細書は、2種類の別のIRM化合物の詳細なリストを開示している。これらは、イミキモドとレシキモド(4−アミノ−α、α―ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノール)であり、マイクロニードルのコーティングまたはリザーバでワクチンと共に組み合わせて送達することが可能である。しかし、これらの化合物の使用例はなく、マイクロニードルを使用してこれらのIRMおよび他のIRMを送達することによって得られる実質的な利点の認識もなく、また、IRMがワクチンと共にマイクロニードル内にコーティングされるかまたは保存される必要もないという認識もない。さらに、所定の適切なIRMおよび以下の組み合わせ―たとえば所定の使用について主にTRL8および/または9を活性化するIRM、およびCTL細胞応答を活性化するIRMなどの非TLR7アゴニスト―は明らかに確認されていない。
【0005】
たとえば、強い細胞障害性リンパ球(CTL)反応を活性化するIRM化合物は、特に治療用ウイルスおよび/または癌ワクチンについて、ワクチン補助薬として特に望ましい。TLR8アゴニストであるIRM化合物は、治療用癌ワクチンと共に使用することが特に望ましい。TLR7アゴニストおよび/またはTLR9アゴニストであるIRM化合物は、特に予防用ワクチン剤と共に使用することが特に望ましい。TLR7アゴニストでありTLR8アゴニストでもあるIRM化合物は、治療用ウイルスワクチンおよび/または癌ワクチンと共に使用することが特に望ましい。非TLR7アゴニストであり実質的な量のインターフェロンαを誘導しないIRM化合物は、細菌性ワクチンなどの所定のワクチンと共に使用することが望ましい。ワクチン抗原に共役するIRM化合物は特に強力である。CD40アゴニストなどの腫瘍壊死因子(TNF)レセプタと組み合わせてIRM化合物を投与することは特に強力で、ワクチン抗原と組み合わせて使用することができる。必ずしも必要ではないが、上述のIRM化合物のタイプと組み合わせは、マイクロニードル装置を使用して有利に送達させることができ、皮膚の角質層などの生体関門の中への透過またはこれを越えた透過を改善する。異なるTLRを活性化するIRM化合物とこれらの同定方法は、たとえば係属中の出願国際公開第03/043573号パンフレット、米国出願第60/447179号明細書、同第60/432650号明細書、同第60/432651号明細書、および同第60/450484号明細書に開示されている。また、ワクチン抗原と共役するIRMは、米国出願第60/403846号明細書、およびTNFレセプタアゴニストと組み合わせたIRMは、米国出願第60/437398号明細書に開示されている。従って本発明は、マイクロニードルと、TLR6アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、および/またはTLR9アゴニストである少なくとも1つのIRM化合物とを含むIRM送達デバイスを提供する。
【0006】
一部の実施形態では、本発明は、500μm以下だけ生体関門を貫通する少なくとも1つのマイクロニードルと、TLR6アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、および/またはTLR9アゴニストである少なくとも1つのIRM化合物とを有するマイクロニードル装置を含む。ただし、IRMがワクチンと共にリザーバに入れられるかマイクロニードルにコーティングされる場合は、IRM化合物はイミキモドまたはレシキモド以外である。すなわち、ワクチンは装置と関連づける必要はなく、リザーバ内に入れるか装置にコーティングして使用される場合、IRM化合物は、イミキモドおよびレシキモドを除くTLR6アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、および/またはTLR9アゴニストである任意の化合物であってよい。
【0007】
一部の実施形態では、本発明は、500μm以下だけ生体関門を貫通する少なくとも1本のマイクロニードルと、TLR6アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、および/またはTLR9アゴニストである少なくとも1つのIRM化合物とを有するマイクロニードル装置を含む、IRM化合物送達用に構成されたIRM送達装置を提供する。ただし、ワクチンはIRM化合物投与前にはマイクロニードル装置とは接触しない。
【0008】
したがってワクチンはIRMと共に投与してもしなくてもよい。ワクチンを使用する場合、装置に接触してもよいししなくてもよい。すなわち、ワクチンはリザーバ内になくてもよいし、装置にコーティングしなくてもよい。ワクチンがリザーバにあるかまたは装置にコーティングされる場合、IRM化合物はイミキモドまたはレシキモド以外の化合物である。
【0009】
一部の実施形態では、本発明は、500μm以下だけ生体関門を貫通する少なくとも1本のマイクロニードルと、TLR6アゴニスト、TLR8アゴニスト、および/またはTLR9アゴニストである少なくとも1つのIRM化合物とを有するマイクロニードル装置を含むIRM化合物送達用に構成されたIRM送達装置を提供する。
【0010】
一部の実施形態では、IRM送達装置は複数のマイクロニードルを有してもよい。この複数のマイクロニードルはアレイに配置してもよい。
【0011】
IRM送達装置の一部の実施形態では、少なくとも1つのIRM化合物は、マイクロニードル装置の少なくとも一部にコーティングしてもよい。
【0012】
一部の実施形態では、マイクロニードル装置は、少なくとも1本のマイクロニードルと流体連通するリザーバを含んでいてもよい。このリザーバは少なくとも1つのIRM化合物を含んでいてもよい。この実施形態のIRM送達装置はさらに、ポンプまたはマイクロプロセッサ、あるいは両方を含んでいてもよい。「ポンプ」はIRMをおよび/または薬物をマイクロニードルを介して、たとえば機械的なポンプまたはイオン導入など、皮膚の中に輸送するか、または皮膚を介して輸送する、任意の拡散を用いない機構を含む。
【0013】
IRM送達装置の一部の実施形態では、少なくとも1本のマイクロニードルは中空であってよい。
【0014】
IRM送達装置の一部の実施形態では、少なくとも1本のマイクロニードルは中実であってもよい。
【0015】
IRM送達装置の一部の実施形態では、少なくとも1本のマイクロニードルは多孔性であってよい。
【0016】
一部の実施形態では、IRM送達装置は1つ以上のIRM化合物を含んでいてよい。1つ以上のIRM化合物は、マイクロニードル装置の少なくとも一部にコーティングしてもよい。
【0017】
一部の実施形態では、IRM送達装置はさらに、追加の薬物を含んでいてもよい。少なくとも1つのIRM化合物および追加の薬物は、マイクロニードル装置の少なくとも一部にコーティングしてもよい。追加の薬物は,DNAワクチン、または細胞ベースワクチンなどを含むワクチンであってよい。少なくとも1つのIRM化合物は、1ユニットを形成するようにワクチンに物理的または化学的にリンクしてもよい。少なくとも1つのIRM化合物とワクチンの両方は、マイクロニードル装置の少なくとも一部にコーティングしてもよい。追加の薬物は、たとえばCD40アゴニストを含むTNFレセプタアゴニストであってよい。追加の薬物はワクチンとTNFレセプタアゴニストの両方を含んでいてもよい。
【0018】
また、本発明の別の態様では、IRM化合物を生体関門の中または生体関門を越えて送達する方法を提供する。この方法は、関門を500μm以下だけ貫通する少なくとも1本のマイクロニードルを有するマイクロニードル装置と生体関門を接触させることと、TLR6アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、および/またはTLR9アゴニストである少なくとも1つのIRM化合物を生体関門の中または生体関門を越えて投与することと、場合によりワクチンを投与することとを含み、IRM化合物がワクチンと共にリザーバ内に入っているかまたはマイクロニードル装置上にコーティングされている場合、IRM化合物はイミキモドまたはレシキモド以外であることを条件とする。
【0019】
本発明の別の態様では、IRM化合物を生体関門の中または生体関門を越えて送達する方法が提供され、この方法は、500μm以下だけ生体関門を貫通する少なくとも1本のマイクロニードルを有するマイクロニードル装置と生体関門を接触させることと、TLR6アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、および/またはTLR9アゴニストである少なくとも1つのIRM化合物を生体関門の中または生体関門を越えて投与することと、場合により、ワクチンがIRM化合物投与前にマイクロニードル装置と接触していないことを条件に、ワクチンを投与することとを含む。
【0020】
さらに別の態様では、本発明は、IRM化合物を生体関門の中または生体関門を越えて送達する方法を提供し、この方法は、500μm以下だけ生体関門を貫通する少なくとも1本のマイクロニードルを有するマイクロニードル装置と、生体関門とを接触させることと、TLR6アゴニスト、TLR8アゴニスト、および/またはTLR9アゴニストである少なくとも1つのIRM化合物を、生体関門の中または生体関門を越えて投与することとを含む。この方法の好ましい実施形態では、生体関門は皮膚であって、少なくとも1つのIRM化合物は皮内的に送達してもよい。
【0021】
本方法の一部の実施形態では、皮膚とマイクロニードル装置の接触は、皮膚が少なくとも1つのIRM化合物と接触する前に起きる。皮膚と少なくとも1つのIRM化合物の接触は、少なくとも1つのIRM化合物を局所的に皮膚に適用することによって行ってもよい。少なくとも1つのIRM化合物は、溶液、軟膏、ゲル、泡、エマルジョン中に含んでもよい。
【0022】
本方法の一部の実施形態では、皮膚と少なくとも1つのIRM化合物の接触は、皮膚をマイクロニードル装置と接触する前に起きる。皮膚と少なくとも1つのIRM化合物の接触は、少なくとも1つのIRM化合物を局所的に皮膚に適用することによって行ってもよい。少なくとも1つのIRM化合物は、溶液、軟膏、ゲル、泡、エマルジョンに含まれていてもよい。
【0023】
マイクロニードルの前または後に局所的に適用できるIRM化合物の例は、イミキモドクリーム(たとえばアルダーラ(商標登録))およびレシキモドゲル製剤を含むが、これらに限定されるものではない。
【0024】
本発明の一部の実施形態では、皮膚とマイクロニードル装置の接触は、皮膚と少なくとも1つのIRM化合物の接触と同時に起きてもよい。少なくとも1つのIRM化合物は、マイクロニードル装置の少なくとも一部にコーティングしてもよい。本方法の一部の実施形態はさらに、ワクチンの皮内投与を含む。
【0025】
また本発明の別の態様では、皮膚または粘膜の病変を、病変へのマイクロニードルの適用と、少なくとも1つのIRM化合物の適用とによって治療する方法を提供する。一部の実施形態では、病変は、メラノーマに随伴する腫瘍状態、基底細胞癌、紫外線角化症、扁平上皮癌に伴う腫瘍状態であってもよく、または、病変は、たとえば疣贅を含むウイルス感染に随伴してもよい。
【0026】
本発明の別の態様では、マイクロニードル装置と、1つまたは複数の免疫応答修飾(IRM)化合物とを含むキットを提供する。
【0027】
本発明の一部の実施形態では、少なくとも1つのIRM化合物は、好ましくはTLR6アゴニスト、または、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニストである少なくとも1つのTLRのアゴニストであってよい。また、場合によっては、IRMは、TLR9アゴニストであってもよい。本発明の一部の実施形態では、少なくとも1つのIRM化合物は、小分子免疫応答修飾物質(たとえば約1000未満ダルトンの分子量)であってもよい。本発明の他の実施形態では、少なくとも1つのIRM化合物はCpG化合物またはCpG化合物の誘導体であってもよい。
【0028】
本発明の一部の実施形態では、少なくとも1つのIRM化合物は、五員環窒素含有複素環に縮合した2−アミノピリジン、または、五員環窒素含有複素環に縮合した4−アミノピリミジンを含んでいてもよい。
【0029】
本発明の一部の実施形態では、少なくとも1つのIRM化合物はイミダゾキノリンアミンであってよい。この中には、アミド置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換イミダゾキノリンアミン、複員環エーテル置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル置換イミダゾキノリンアミンが含まれるが、これらに限定されるものではない。また、テトラヒドロイミダゾキノリンアミンを含む。この中には、アミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アリルエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンンアミン、複員環エーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミンを含むが、これらに限定されるものではない。また、イミダゾピリジンアミンを含む。この中には、アミド置換イミダゾピリジン、スルホンアミド置換イミダゾピリジン、および尿素置換イミダゾピリジンを含むが、これらに限定されるものではない。また、1,2−架橋イミダゾキノリンアミン、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、イミダゾナフチリジンアミン、テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン、オキサゾロキノリンアミン、チアゾロキノリンアミン、オキサゾロピリジンアミン、チアゾロピリジンアミン、オキサゾロナフチリジンアミン、チアゾロナフチリジンアミン、これらの薬理学的に許容される塩、およびこれらの組み合わせを含む。
【0030】
一部の実施形態では、少なくとも1つのIRM化合物は、プリン、イミダゾキノリンアミド、ベンゾイミダゾール、1H−イミダゾピリジン、アデニン、またはこれらの誘導体であってよい。
【0031】
「含む」という用語およびこの変化形は、これらの用語が説明および請求項にあるときには限定的な意味を有しない。
【0032】
本明細書では、単数を表す不定冠詞「a」と「an」、定冠詞「the」、「少なくとも1つ」、および「1つまたは複数の」という用語は、相互交換可能に使用される。
【0033】
さらに本明細書で起点と終点で示した範囲で数字を列挙した場合、その範囲に含まれるすべての数字が含まれる(たとえば1から5という表記は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含む)。
【0034】
本発明の上記の要約は、本発明の各開示された実施形態あるいはすべての実装について記載することを意図したものではない。本発明の種々の他の特徴と利点は、次の詳細な説明、実施例、特許請求の範囲、および添付する図面を参照すると容易に明らかになるであろう。明細書全体で、いくつかの点では、実施例を一覧して指針を提供する。それぞれの場合で、列挙されたリストは代表的なグループとしての役割を果たすだけであって、排他的なリストとして解釈すべきではない。
【0035】
本発明は、種々の生体関門を越えてサイトカイン誘導および/または抑制免疫反応修飾(IRM)化合物を送達するために使用するIRM送達装置を提供する。図1から図3に示すように、好ましい実施形態では、本発明のIRM送達装置は、角質層(皮膚の一番外側の層)を越えて皮内空間にIRM化合物を送達するために使用してもよい。所望の場合、IRMは、全身投与のために皮膚を介して経皮的に送達することもできる。
【0036】
また本発明は、マイクロニードル装置の使用を介して、生体関門を越えてIRM化合物を単独または種々の他の薬剤と組み合わせて送達する方法を提供する。マイクロニードル装置は、IRM化合物が単独または他の薬剤と組み合わせて生体関門を通過し、その下の組織に通過できるように生体関門を効果的に貫通する。マイクロニードル装置は、1つまたは複数のIRM化合物を目的の部位に適用する前または後に、目的の部位に使用してもよい。または、マイクロニードル装置は、1つまたは複数のIRM化合物を目的の部位に接触させるのと同時に、目的の部位に使用してもよい。
【0037】
生体関門は、皮膚(またはその一部)、粘膜組織(たとえば口、鼻、眼、膣、尿道、胃腸、および呼吸器の表面)、血液脳関門、歯根膜の表面、血管、リンパ管、あるいは細胞膜を含むが、これらに限定されるものではない。標的の生体関門は通常の無傷の組織内にあってもよい。標的の生体関門は、創傷または病変など、障害または病変組織の中にあってもよい。生体関門内部への送達が望ましい場合、所望の送達部位への外科的到達法を提供してもよい。内部部位への到達も、腹腔鏡および/またはカテーテルを介して提供してもよい。
【0038】
本発明の好ましい実施形態は、1つまたは複数のIRM化合物を単独または種々の他の薬剤と組み合わせて、角質層を介して皮内に送達する方法を提供する。本発明の方法では、マイクロニードル装置とIRM送達装置を使用して生体関門を貫通する。典型的には、マイクロニードル装置またはIRM送達装置を角質層に押し付け、角質層を効果的に貫通し、IRM化合物を単独または他の薬剤との組み合わせで、角質層を通過させてその下にある組織に送達する。マイクロニードルの長さを調節し、所望の貫通の深さを達成することができる。
【0039】
本明細書に開示するマイクロニードル装置とIRM送達装置は任意の生体関門に適用することができるが、典型的には皮膚に適用する。哺乳類の皮膚は2つの層、すなわち表皮および真皮を含んでいる。表皮は5つの層、すなわち角質層、透明層、顆粒層、有棘層、および、胚芽層を含む。真皮は2つの層、すなわち上部の真皮乳頭層およびより深い真皮網状層を含む。角質層は外側の層で、一般に10〜50個の細胞からなり、または厚さが10〜20マイクロメートルである。角質層は身体の他の組織と異なり、脂質の細胞間マトリックスに囲まれた、架橋したケラチンとケラトヒアリンの束で満たされた細胞(ケラチン細胞と呼ばれる)を含む。この構造によって皮膚が関門としての特性を有するので、治療のために経皮投与または皮内投与される多くの薬剤が妨害される。角質層の下には、表皮の他の4つの層があり、これらは典型的には厚さ50〜100マイクロメートルである。生存表皮は血管を含まない。表皮の下には真皮があり、厚さは1ミリメートルと3ミリメートルの間で、血管、リンパ管、および神経を含む。真皮と表皮の厚さは人によって異なり、また、同じ人でも体の部位によって異なる。たとえばヒトでは、表皮の厚さは約40マイクロメータから約90マイクロメータの厚さまでさまざまで、真皮の厚さは身体の一部の部位では表皮の真下から1ミリメートル未満であり、別の部位では2ミリメートル未満から約4ミリメートルである。
【0040】
本明細書では「皮内」という用語は薬物を角質層の中か、または角質層を介して皮膚に投与することを意味する。皮内送達は、表皮への送達(また表皮送達とも呼ぶ)または真皮への送達(また皮内送達とも呼ぶ)を含んでいてもよい。このような皮内送達の例を図1に示す。ここではマイクロニードル(図示せず)は皮膚を貫通し、マイクロニードルはすでに取り除かれて、微小な穿孔10を残し、IRM化合物12はこの穿孔を介して局所用製剤14を介して送達される。皮内送達される薬剤は、薬剤の物理的および化学的性質に依存して、長期間にわたって送達部位近くにとどまるか、あるいは、毛細血管および/またはリンパ管に急速に吸収されて、全身的に使用可能になる。皮内送達された薬剤は皮膚内の細胞が直接摂取してもよい。この中にはたとえば、表皮ランゲルハンス細胞および皮膚の樹状細胞などの抗原提示細胞(APC)が含まれる。本明細書では「経皮的」という用語は、全身送達のために、皮膚を介して薬剤を投与することを意味する。
【0041】
本明細書では「マイクロニードル装置」は、少なくとも1本、通常は複数本の、基板面に接着されるかまたは基板面から突出するマイクロニードルを含む。マイクロニードル装置は1〜2本のマイクロニードルを有してもよいが、典型的にはマイクロニードル装置は2本以上のマイクロニードルを有し、通常は数十、数百、または数千のニードルを有する。マイクロニードルは基板面上で任意の所望のパターンに構成することができる。たとえば、マイクロニードルはアレイパターンに構成してもよいし、マイクロニードルは基板面上でランダムに分布してもよい。本明細書ではマイクロニードル装置の「基板」は、マイクロニードルが接着されるかまたは一体として形成されたベースを含む。このような基板は、たとえば、金属、セラミックス、半導体、有機物、ポリマ、および合成物を含む種々の材料から構成することができる。基板および/またはマイクロニードルは他の構成要素と同様に柔軟な材料から形成することができ、装置は生体関門の輪郭に沿うようにフィットする。
【0042】
本明細書では「マイクロニードル」という用語は、マイクロニードルが約500マイクロメートル未満だけ突出する基板面の上の高さを有する任意の針状の構造を指す。一部の例では、マイクロニードルの高さは約250マイクロメートル、約100マイクロメートル、またはこれ以下であってよい。本発明のマイクロニードルをIRM化合物の経皮送達に使用するとき、マイクロニードルの高さは好ましくは、角質層を介して真皮に入るのに十分である。しかしまたマイクロニードルの高さは、送達部位に挿入したときに深い組織内にある神経を刺激せず、痛みを起こさない高さであると好ましい。マイクロニードルをIRM化合物の皮内送達のためにこのように使用することは多くの利点を有する。たとえば、IRM化合物を痛みや出血なしに送達することができる。したがって、本発明の方法およびIRM送達装置は、侵襲性が最小の方法で患者にIRM化合物を送達することを可能にする。IRM化合物の送達において、IRM化合物を角質層を介して輸送するために拡散に頼る必要がなくなる。したがって、IRM化合物の投与量を低減し、皮内投与されたIRM化合物がより急速に吸収されることが可能になる。
【0043】
IRM化合物送達に使用するマイクロニードルの選択は、本発明の範囲内で幅広く変わってもよい。マイクロニードルは種々の材料から製造されてもよい。材質の選択は種々の因子に基づいていてもよい。たとえば、材料が正確に所望のパターンを再生できる機能、材料がマイクロニードルに形成されたときの強度と硬さ、たとえばヒトまたは動物の皮膚との適合性、マイクロニードル装置と接触すると予想される任意の流体との適合性などの要因が含まれる。マイクロニードルはたとえば、ガラス質の材料、金属、セラミックス、半導体、有機物、生分解性高分子を含むポリマ、合成材、およびこれらの材料の組み合わせから構成することができる。好ましい構成材料は医薬品グレードのステンレススチール、金、チタン、ニッケル、鉄、金、錫、クロム、銅、これらの金属または他の金属の合金、シリコン、二酸化ケイ素、およびポリマを含んでいてもよい。代表的な生分解性高分子は、乳酸とグリコール酸ポリラクチドなどのヒドロキシ酸、ポリグリコリド、ポリラクチド−co−グリコリド、PEGを有するコポリマー、ポリアニドリド、ポリ(オルト)エステル、ポリウレタン、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、およびポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)のポリマを含む。代表的な非生分解性ポリマはポリカーボネート、ポリメタクリル酸、エチレンビニルアセテート、ポリテトラフルオロエチレン(TEFLON(登録商標))、およびポリエステルを含む。高分子材料の中では、マイクロニードルを熱可塑性材料で製造すると望ましい。本発明のマイクロニードルに適した高分子材料は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、ポリフェニルスルフィド、ポリカーボネート、ポリプロピレン、アセタール、アクリル樹脂、ポリエーテルイミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどを含んでいてよいが、これらに限定されるものではない。ポリマのマイクロニードルは単一のポリマで作成してもよいし、2種類または2種類以上のポリマの混合/混合物から作成してもよい。
【0044】
一般に、マイクロニードルは皮膚に挿入する間および皮膚から抜く間、変形しない機械的な強度を有していなければならない。さらに一部の実施形態では、マイクロニードル装置を皮膚に接着して、IRM化合物を持続的に送達することが望ましい。このような持続的な送達のために、マイクロニードルは最高で数日間装着部位にとどまっている間変形しないことが望ましい。他の方法は、たとえば生分解性材料を使用する場合など、マイクロニードルの一部または全部を皮膚から分離し残す方法である。
【0045】
本発明のマイクロニードル装置の構造は、多孔性、中実、または中空であってもよい。本明細書では、「多孔性」という用語は、マイクロニードル構造の少なくとも一部を介した、十分に大きく十分に相互接続して、流体および/または固体はマイクロニードルを介して通過できる空洞を有することを意味する。本明細書では「中空」という用語は、マイクロニードル構造の内部を介し、流体および/または固体がマイクロニードルを介して通過できる十分な直径を有する1つまたは複数の実質的に環状の孔またはチャネルを有することを意味する。環状の穴は先端から基部に向かう方向でニードルの全部または一部を介して伸び、必要に応じて、ニードルの方向に対して平行に伸びるか、または分岐するか、あるいはニードルの側面から出てもよい。中実または多孔性のニードルは中空であってもよい。当業者であれば、特定の用途で求められる適切な多孔性および/または穴機構を選択することができる。
【0046】
一部のマイクロニードル装置では、マイクロニードルに向かうかまたはマイクロニードルから離れる流体の動きは、毛細ウィッキング作用によって行われる。たとえばこのような例では、毛細ウィッキング作用を強化する親水性のコーティングなどのコーティングを備えてもよい。
【0047】
マイクロニードルはまっすぐであってもよいし、または図2から図3に示すように、それぞれテーパ状のシャフト20と30を有してもよい。マイクロニードルは、垂直方向に円形の断面を有するシャフトで形成してもよいし、断面は円形でなくてもよい。断面の大きさは10ナノメートルと1ミリメートルの間であってよく、好ましくは1マイクロメートルと200マイクロメートルの間であり、より好ましくは10マイクロメートルと100マイクロメートルの間である。マイクロニードルは基板に対して垂直方向であってもよいし、一定の角度を有してもよい。
【0048】
図2は、マイクロニードル20が基板24から伸び、送達されるIRM化合物22でコーティングされている構成を示す。
【0049】
図3に示すように、マイクロニードル装置は、IRM化合物32を皮内送達するために、マイクロニードル30との間で液体が連絡し、基板34に接着された流体リザーバ36を含む。図示するように中空のマイクロニードルを使用する場合、中空の中心は流体リザーバとの間で流体が連絡する。流体リザーバは、1つまたは複数のIRM化合物および/または、たとえばワクチンまたは他の薬剤など他の薬剤を含んでいてもよい。マイクロニードル装置はまた、ポンプおよび/またはマイクロプロセッサ(図示せず)を含んでいてもよい。
【0050】
2つ以上のIRM化合物を送達するために、IRM化合物を流体リザーバに入れるか、IRM化合物をマイクロニードル装置にコーティングするか、またはこれを組み合わせた方法を使用してもよい。組み合わせた方法では、1つまたは複数のIRM化合物をリザーバ内にいれ、1つまたは複数のIRM化合物をマイクロニードル装置にコーティングする。2つ以上のIRM化合物を送達するとき、種々のIRM化合物について、同じまたは異なる濃度およびタイミングの送達を使用してもよい。
【0051】
本発明のマイクロニードル装置は、標準の方法で滅菌することができる。マイクロニードル装置は、装置を使ったら廃棄する使い捨てとして設計してもよい。別法としては、本発明の装置は繰り返して使うように設計してもよい。
【0052】
マイクロニードル装置の例は、たとえば米国特許第2,893,392号明細書、同第3,034,507号明細書、同第3,167,073号明細書、同第3,072,122号明細書、同第3,964,482号明細書、同第5,250,023号明細書、同第5,591,139号明細書、同第5,848,991号明細書、同第5,879,326号明細書、同第5,928,207号明細書、同第6,256,533号明細書、同第6,312,612号明細書、同第6,331,266号明細書、同第6,334,856号明細書、同第6,379,324号明細書、同第6,471,903号明細書、同第6,503,231号明細書、同第6,511,463号明細書、同第6,533,949号明細書、同第6,558,361号明細書、米国特許公開第2002/0128599号明細書、同第2002/0193729号明細書、同第2003/0045837号明細書、同第2003/0135161号明細書、米国仮出願第60/424,774号明細書、国際公開第00/35530号パンフレット、および、国際公開第03/20359号パンフレットに開示される。
【0053】
本発明のIRMマイクロニードル送達装置は、マイクロニードル装置と少なくとも1つのIRM化合物を含む。本発明のIRM送達装置のマイクロニードル装置は、本明細書に記載されたマイクロニードル装置のうち任意の装置を含むだけではなく、知られた任意のマイクロニードル装置または今後知られるようになる任意のマイクロニードル装置を含んでいてもよいし、本明細書に開示された特定のマイクロニードル装置の使用に必ずしも限定されるものではないことを理解されたい。
【0054】
本明細書で有用な免疫応答修飾物質(「IRM」)は、サイトカインの生合成を誘導および/または抑制することにより免疫系に作用する化合物を含む。IRM化合物は、強力な免疫刺激作用を有する。この中には、抗ウイルスおよび抗ガン作用を含むがこれらに限定されるものではない。また、免疫応答のほかの側面のダウンレギュレーションをすることができ、たとえば、免疫応答をTH−2免疫応答からシフトさせることが含まれる。これは幅広いTH−2仲介疾患の治療に有効である。IRM化合物はまた、B細胞の抗体産生を刺激することにより、液性免疫を調節するためにも使用できる。さらに種々のIRM化合物がワクチン補助薬として有効であることが示されている(たとえば米国特許第6,083,505号明細書、同第6,406,705号明細書、および国際公開第02/24225号パンフレットを参照)。
【0055】
特に、一部のIRM化合物はたとえば、I型インターフェロン、TNF―α、および/または、IL−1、IL−6、IL−8、IL−10、IL−12、MIP−1、MCP−1などのサイトカインの産生と分泌を誘導することによって免疫刺激活性を行い、また、IL−4およびIL−5などの一部のTH−2サイトカインの産生と分泌を抑制することができる。一部のIRM化合物はIL−1およびTNFを抑制すると言われている(米国特許第6,518,265号明細書)。
【0056】
一部の実施形態については、好ましいIRM化合物はいわゆる小分子IRMである。これは、比較的小さな有機化合物である(たとえば大きな生体タンパク質、ペプチドなどとは異なり、分子量は約1000ダルトン以下であり、好ましくは約500ダルトン以下である)。任意の単一の作用理論に限定されるものではないが、一部のIRMは少なくとも1つのToll様レセプタ(TLR)のアゴニストであることが知られている。TLR6アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、および/またはTLR9アゴニストから選択されたTLRのアゴニストであるIRM化合物は一部の用途では特に有用である。たとえば一部の用途では、IRM化合物をマイクロニードル装置にコーティングするかまたはこのリザーバ内に入れたワクチンと共に投与する時、好ましいIRM化合物はTLR7アゴニストではなく、TLR8アゴニストまたはTLR9アゴニストである。一部の小分子IRM化合物はTLR6、TLR7、および/または、TLR8などのアゴニストであるが、オリゴヌクレオチドIRM化合物はTLR9または他のアゴニストである。したがって一部の実施形態では、IRM送達装置に含まれるIRMは、1つまたは複数のTLRアゴニストとして同定された化合物であってよい。
【0057】
たとえば、特定の作用理論または作用機序に限定されるものではないが、強力な細胞傷害性リンパ球(CTL)応答を活性化するIRM化合物は、とりわけ治療用ウイルスおよび/または癌ワクチンに関するワクチン補助薬として特に望ましい。この状況での治療効果は、細胞性免疫の活性化に依存するためである。たとえば、所与の患者におけるT細胞免疫の活性化は、当該患者の予後に顕著な好ましい効果を有することが研究によって示されている。したがって、T細胞免疫を増強する機能はこういった疾患の場合に治療効果を上げるために重要であると考えられる。
【0058】
TLR8アゴニストであるIRM化合物は治療用癌ワクチンと共に使用することが特に望ましい。これはTLR8を発現している抗原提示細胞はTLR8を介して刺激を受けるとIL−12を産生することが示されているためである。IL−12はCTLの活性化に重要な役割を果たすと考えられる。これは上記のような治療効果を仲介するために重要である。
【0059】
TLR7アゴニストおよび/またはTLR9アゴニストであるIRM化合物は、予防用ワクチンと共に使用すると特に望ましい。これらのTLRを介した刺激で誘発されるI型インターフェロンは、Th1様液性応答および細胞性応答の中和の形成に寄与すると考えられるためである。
【0060】
TLR7アゴニストでありまたTLR8アゴニストであるIRM化合物は、治療用ウイルスワクチンおよび/または癌ワクチンと共に使用すると特に望ましい。これは、TLR7の刺激はI型IFNの産生と、マクロファージおよびNK細胞などの先天性の細胞の活性化とを誘発すると考えられ、かつTLR8の刺激は、抗原提示細胞を活性化し、上記の細胞性適応免疫を開始すると考えられるためである。これらの細胞型はウイルス排除および/または新生物に対する治療的成長抑制効果を仲介することができる。
【0061】
非TLR7アゴニストであり、実質的な量のインターフェロンαを誘発しないIRM化合物は、細菌性ワクチンなど一部のワクチンと共に使用することが望ましい。これは、TLR7はI型IFN産生を誘発し、I型IFNはマクロファージおよびDCからのIL−12の産生をダウンレギュレーションするためである。IL−12はその後の、マクロファージ、NK細胞、および、CTLの後の活性化に寄与する。これらのすべては抗バクテリア免疫に寄与する。したがって、一部の種類のバクテリアに対する抗バクテリア免疫の誘導は、IFNaがない状態で強化することができる。
【0062】
本出願の目的のために、IRM化合物が特定のTLRのアゴニストと考えられるかどうかを決定する1つの方法は、これが、コントロールトランスフェクタントに対して、たとえばHEK293またはナマルバ細胞などのTLRトランスフェクトされた宿主細胞で、約1.5倍、通常は少なくとも約2倍、ターゲット種からこのTLRを介したNFkB/ルチフェラーゼレポータの構成を活性化するかどうかである。TLR活性化に関する情報については、たとえば国際公開第03/043573号パンフレット、米国出願第60/447179号明細書、同第60/432650号明細書、同第60/432651号明細書、同第60/450484号明細書、国際公開第03/043588号パンフレット、および本明細書に開示された(参照により本明細書に組み込まれている)他のIRM特許および出願を参照されたい。
【0063】
好ましいIRM化合物は、五員環窒素含有複素環に融合された2−アミノピリジンを含む。
【0064】
小分子IRM化合物のクラスの例として、アミド置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換イミダゾキノリンアミン、複員環エーテル置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル置換イミダゾキノリンアミンを含むが、これらに限定されるものではない、イミダゾキノリンアミンの誘導体;アミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アリルエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンンアミン、複員環エーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミンを含むが、これらに限定されるものではない、テトラヒドロイミダゾキノリンアミンの誘導体;アミド置換イミダゾピリジン、スルホンアミド置換イミダゾピリジン、および尿素置換イミダゾピリジンを含むが、これらに限定されるものではないイミダゾピリジンアミンの誘導体;1,2−架橋イミダゾキノリンアミンの誘導体;6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミンの誘導体;イミダゾナフチリジンアミンの誘導体;テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミンの誘導体;オキサゾロキノリンアミンの誘導体;チアゾロキノリンアミンの誘導体;オキサゾロピリジンアミンの誘導体;チアゾロピリジンアミンの誘導体;オキサゾロナフチリジンアミンの誘導体;およびチアゾロナフチリジンアミンの誘導体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、たとえば米国特許第4,689,338号明細書、同第4,929,624号明細書、同第4,988,815号明細書、同第5,037,986号明細書、同第5,175,296号明細書、同第5,238,944号明細書、同第5,266,575号明細書、同第5,268,376号明細書、同第5,346,905号明細書、同第5,352,784号明細書、同第5,367,076号明細書、同第5,389,640号明細書、同第5,395,937号明細書、同第5,446,153号明細書、同第5,482,936号明細書、同第5,693,811号明細書、同第5,741,908号明細書、同第5,756,747号明細書、同第5,939,090号明細書、同第6,039,969号明細書、同第6,083,505号明細書、同第6,110,929号明細書、同第6,194,425号明細書、同第6,245,776号明細書、同第6,331,539号明細書、同第6,376,669号明細書、同第6,451,810号明細書、同第6,525,064号明細書、同第6,545,016号明細書、同第6,545,017号明細書、同第6,558,951号明細書、および同第5,573,273号明細書、欧州特許第0394026号明細書、米国特許公開第2002/0055517号明細書、および国際特許公開第01/74343号パンフレット、同第02/46188号パンフレット、同第02/46189号パンフレット、同第02/46190号パンフレット、同第02/46191号パンフレット、同第02/46192号パンフレット、同第02/46193号パンフレット、同第02/46749号パンフレット、同第02/102377号パンフレット、同第03/020889号パンフレット、同第03/043572号パンフレットおよび同第03/045391号パンフレットに開示される。
【0065】
インターフェロン(特に)を誘導すると言われている小分子IRMの別の例として、プリン誘導体(たとえば米国特許第6,376,501号明細書、および第6,028,076号明細書に記載されている)、イミダゾキノリンアミド誘導体(たとえば米国特許第6,069,149号明細書に記載されている)、および、ベンゾイミダゾール誘導体(たとえば米国特許第6,387,938号明細書に記載されている)が挙げられる。1H−イミダゾピリジン誘導体(たとえば米国特許第6,518,265号明細書に記載されている)は、TNFおよびIL−1サイトカインを阻害すると言われている。
【0066】
五員環窒素含有複素環に融合された4−アミノピリミジンを含む小分子IRMの例は、アデニン誘導体を含む(たとえば米国特許第6,376,501号明細書、同第6,028,076号明細書、および同第6,329,381号明細書、および、国際公開第02/08595号パンフレットに記載されたものなど)。
【0067】
一部の用途では、たとえば、IRM化合物をワクチンと共に、マイクロニードル装置のコーティングまたはリザーバから投与する場合、好ましいIRM化合物は、イミキモドまたはS−28463(すなわちレシキモド:4−アミノ−α,α−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノール)以外である。
【0068】
特定のIRM化合物の例として、主にTLR8アゴニストと考えられる(かつ実質的なTLR7アゴニストではない)、2−プロピル[1,3]チアゾロ[4,5−c]キノリン−4−アミン、主にTLR7アゴニストと考えられる(かつ実質的なTLR8アゴニストではない)4−アミノ−α,α−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノール、およびTLR7とTLR8のアゴニストである、4−アミノ−2−(エトキシメチル)−α,α−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノールが挙げられる。4−アミノ−α,α−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノールは、TLR7活性(およびTLR6活性も有するがTLR8活性は低い)に加え、全身に送達したときにイミキモドと比べるとはるかに低いCNS作用を有することを含む、有利な特徴を有する。特定のIRM化合物の他の例として、たとえば、N−[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c][1,5]ナフチリジン−1−イル)ブチル]−N’−シクロヘキシルウレア、2−メチル−1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c][1,5]ナフチリジン−4−アミン、1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c][1,5]ナフチリジン−4−アミン、N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}メタンスルホンアミドN−[4−(4−アミノ−2−エチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル}メタンスルホンアミド、2−メチル−1−[5−(メチルスルホニル)ペンチル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン、N−[4−(4−アミノ−2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]メタンスルホンアミド、2−ブチル−1−[3−(メチルスルホニル)プロピル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン、2−ブチル−1−{2−[(1−メチルエチル)スルホニル]エチル}―1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン、N―{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−N’−シクロヘキシルウレア、N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}シクロヘキサンカルボキサミド、N−{2−4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル}エチル}−N’−イソプロピルウレアが挙げられる。レシキモド,4−アミノ−2−エトキシメチル−α,α−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノールも、TLR7アゴニストとTLR8アゴニストの組み合わせが望ましい場合に特定の状況において使用することができる。たとえば、マイクロニードル装置をウイルスまたは新生物病変に適用する場合、または、特定の治療用ウイルスまたは癌ワクチンと組み合わせて使用するとき、または、マイクロニードル装置適用前後に局所用製剤を介して送達する場合などである。
【0069】
他のIRM化合物は、オリゴヌクレオチドシーケンスなどの生体高分子を含む。たとえば、一部のIRMオリゴヌクレオチドシーケンスはシトシングアニンジヌクレオチド(CpG)を含んでおり、たとえば米国特許第6,1994,388号明細書、同第6,207,646号明細書、同第6,239,116号明細書、同第6,339,068号明細書、および同第6,406,705号明細書に記載されている。一部のCpG含有オリゴヌクレオチドは、たとえば米国特許第6,426,334号明細書および同第6,476,000号明細書などに記載されるような合成免疫調節構造モチーフを含んでいてもよい。他のIRMヌクレオチドシーケンスにはCpGがなく、たとえば、国際特許公開第00/75304号パンフレットに記載されている。
【0070】
本明細書に記載されるような1つまたは複数のIRM化合物は、本発明の装置および方法を用いて、生体関門を越えて送達できる。当業者であればよく理解されているように、このようなIRM化合物は任意の薬理学的に許容可能な形態であってよい。
【0071】
マイクロニードル装置はIRM化合物をすぐに放出する場合もあるし、または一部の実施形態では、マイクロニードル装置は一定期間(たとえば30秒以上、通常は5分から20分、または20分以上)、その場所に留置してIRM化合物を送達することもできる。ここでIRM化合物はマイクロニードルを介するかまたはマイクロニードルの周囲を伝って移動し、貫通部位を介して標的組織に送達される。たとえば、1つまたは複数のIRM化合物をマイクロニードルの少なくとも一部にコーティングしてもよいし、または、1つまたは複数のIRM化合物をマイクロニードル装置の流体リザーバコンポーネント内に入れてもよい。いずれの場合でも、たとえば共にコーティングするかまたはリザーバに入れたワクチンを含む1つまたは複数の他の薬剤を含めることができる。一部の実施形態では、1つまたは複数のワクチンを1つまたは複数のIRM化合物と共に送達するとき、ワクチンはIRM送達装置と関連していなくてもよいし、また接触していなくてもよい。たとえば1つまたは複数のワクチンはIRM送達装置に共にコーティングしなくてもよいし、また流体リザーバ内に含めなくてもよい。
【0072】
一部の実施形態では、マイクロニードル装置は、角質層などの生体関門を貫通したあと、皮膚などの標的部位から取り除いてもよい。ついで、単独または、1つまたは複数のワクチンを含む別の薬剤と組み合わせたIRM化合物を、IRM化合物および他の薬剤(複数可、存在する場合)が貫通した生体関門を通過できるように、貫通部位に適用することができる。IRM化合物は任意の便利な方法で適用することができ、媒介物のタイプと適用時間は特定の望ましい治療転帰に依存する。たとえばIRM化合物は、治療標的部位に綿棒で塗る溶液の形状で適用することができる。または治療部位に局部適用できるたとえばクリーム、ガーゼ、エマルジョン、泡、ゲル、またはローションなどの配合であってもよい。別法としては、IRM化合物は一定期間にわたって標的部位と接触を続けるように、泡の形状で表面に適用してもよい。たとえば、このような接触の延長は、標的部位に付着した経皮送達パッチの形状でIRM化合物を適用することで可能である。
【0073】
また、IRM化合物、およびワクチン(複数可)を含む他の薬品(複数可、使用する場合)は、上記と同様な方法で、マイクロニードル装置で貫通する前に適用することもできる。別法としては、IRM化合物はマイクロニードル装置による貫通の前後に適用することができ、別の薬品はマイクロニードル装置自体から送達してもよい(すなわち、ニードルのコーティングとして、または、リザーバまたは他の貯蔵場所から)。または逆に、マイクロニードル装置にIRMをコーティングするか、貯蔵するか、あるいは付着させ、別の薬品をマイクロニードル装置の貫通前後に部位に送達してもよい。
【0074】
したがって本発明の方法は、標的部位を1つまたは複数のIRM化合物と接触する前、または接触と同時に、または接触後に、皮膚などの標的部位とマイクロニードル装置を接触させることを含むが、これに限定されるものではない。1つまたは複数のIRM化合物に加えて、本発明の装置および方法は追加の薬品を含んでもよい。このような追加薬品は、たとえばワクチンまたは腫瘍壊死因子レセプタ(TNFR)アゴニストを含む追加の薬品であってよい。1つまたは複数のIRM化合物とマイクロニードル装置と共に送達されるワクチンは、液性免疫反応および/または細胞仲介免疫反応のいずれかを生じる任意の物質を含む。たとえば、生きたまたは減弱されたウイルスとバクテリア由来免疫原、不活性化ウイルス免疫原、腫物抽出免疫原、原生動物性免疫原、生物由来免疫原、菌由来免疫原、バクテリア由来免疫原、トキソイド、毒素、多糖類、タンパク質、糖タンパク質、ペプチド、樹状細胞などを使用する細胞ワクチン、DNAワクチン剤、組み換えタンパク質、糖タンパク質、および、ペプチドなどを含む。これらは、たとえば、BCG、コレラ、ペスト、チフス、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザA型、インフルエンザB型、パラインフルエンザ、ポリオ、狂犬病、麻疹、耳下腺炎、風疹、黄熱病、破傷風、ジフテリア、ヘモフィルスインフルエンザb、結核、髄膜炎ワクチン、肺炎球菌ワクチン、アデノウイルス、HIV、水痘、サイトメガロウイルス(デング熱)、ネコの白血病、鶏ペスト、HSV−1とHSV−2、豚コレラ、日本脳炎、RSウイルス、ロタウイルス、パピローマウイルス、重症急性呼吸器症候群(SARS)、炭疽病、および黄熱病と共に使用することができる。このような追加薬品はたとえば、抗ウイルス剤またはサイトカインなどの薬品を含むが、これらに限定されるものではない。ワクチンは別でもよいし、または、ワクチンとIRMがユニットとして送達されるように、化学的な共役または他の方法などでIRMと物理的または化学的にリンクさせてもよい。マイクロニードルを使用してIRMと共に送達できるTNFRアゴニストはCD40レセプタアゴニストを含むが、これに限定されるものではない。またIRMをマイクロニードル装置、ワクチン、およびTNFRアゴニストと共に送達することも可能である。
【0075】
本発明の装置および方法を使用し、IRM化合物とワクチンを生体関門の中または生体関門を越えて送達することができる。この中にはIRM化合物とワクチンの皮内送達を含む。場合によっては、IRM化合物とワクチンを共にコーティングするかまたはマイクロニードル装置のリザーバから送達するために、IRM化合物はイミキモドまたはレシキモドなどのTLR7アゴニストではなく(すなわちS−28463または4−アミノ−α,α−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン1−1−エタノール)、TLR6アゴニスト、TLR8アゴニスト、および/またはTLR9アゴニストである。より好ましくはTLR8および/またはTLR9アゴニストである。場合によっては、本発明の装置および方法によるIRM化合物とワクチンの皮内送達は、従来の皮下注射または筋肉注射で送達するIRM化合物とワクチンと同じまたはより多い量の送達によって引き起こされる免疫反応と等しいかまたはこれより大きな免疫反応を引き起こすことができる。
【0076】
本発明の装置および方法は、病的状態の症状を治療するために、IRM化合物の皮内送達を含む、生体関門を越えてIRM化合物を送達するために使用することができる。本発明の装置および方法によるIRM化合物の皮内送達の一部の例では、局所投与のみで病的状態の同じ症状を治療するために必要な有効量と比べて、病的状態の症状を治療するのに必要なIRM化合物の有効量をより少なくすることができる。
【0077】
アルダーラ(商標登録、3M製薬、セントポール、MN)として市販される小分子イミダゾキノリンIRMであるイミキモドなどのIRMは、疣贅などの治療、および、一部の癌性または前癌性秒息の治療に有効であることが示されている(たとえば、ガイセら(Geisse),J.Am.Acad.Dermatol.,47(3):390−398(2002)、シュマックら(Shumack)、Arch.Dermatol.,138:1162−1171(2002)、および国際公開第03/045391号パンフレットを参照)。
【0078】
IRM化合物を治療用に使用できる疾患としては次のような疾患が含まれるが、疾患はこれらに限定されるものではない。
【0079】
性器疣贅、尋常性疣贅、足底疣贅、B型肝炎、C型肝炎、I型およびII型の単純ヘルペスウイルス、伝染性軟疣、痘瘡、HIV、CMV、VZV、ライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、インフルエンザ、パラインフルエンザなどのウィルス性疾患;
【0080】
結核、およびマイコバクテリウムアビウム、ハンセン病などの細菌性疾患;
【0081】
菌類病、クラミジア、カンジダ、アスペルギルス、クリプトコックス性髄膜炎、ニューモシスティスカリニ肺炎、クリプトスポリジウム症、ヒストプラスマ症、トキソプラズマ症、トリパノソーマ伝染、皮膚リーシュマニア症などの他の感染症;
【0082】
上皮内新形成、子宮頚部形成異常、紫外線角化症、基底細胞癌、扁平上皮癌、ヘアリー細胞白血病、カボシ肉腫、メラノーマ、腎癌、骨髄性白血病、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、悪性皮膚T細胞リンパ腫、およびその他の癌;
【0083】
アトピー性皮膚炎または湿疹、好酸球増多症、喘息、アレルギー、アレルギー性鼻炎、全身性エリテマトーデス、本態性血小板血症、多発性硬化症、オメン(Omenn)症候群、円板状エリテマトーデス、円形脱毛症、ケロイド形成および他のタイプの瘢痕化の阻害、および慢性の創傷を含む傷の治癒などのTH−2仲介性、アトピー性、および自己免疫疾患;および
【0084】
IRM化合物の皮内送達を含む生体関門を越えたIRM化合物の送達は、HIV AIDS、移植患者、癌患者など、免疫機能が低下した患者に特に有益である。
【0085】
所与の治療および予防用途に有効なIRM化合物の量は、目的とする治療または予防用途を達成するために十分な量である。使用するIRM化合物の正確な量は、当業界で知られた因子によって変わる。たとえば因子としては、IRM化合物の物理的および化学的性質、目的の用量、患者の免疫系の状態(たとえば免疫抑制、免疫不全、免疫過敏)、IRM化合物の投与法、製剤を投与する種類、投与する製剤のタイプ、治療すべき状態、およびIRMと共に投与される他の活性物質などが含まれるが、因子はこれらに限定されるものではない。従って、すべての可能な用途について有効なIRM化合物の量を構成する量を一般に既定することは現実的ではない。しかし当業者であれば、このような因子を考慮して適切な量を容易に決定することができる。
【0086】
本発明は一部の実施形態では、少なくとも1つのマイクロニードル装置と少なくとも1つのIRM化合物を含むキットを含む。このようなキットは、たとえばワクチンを含む追加の薬物を含んでいてもよい。またキットは、1つまたは複数のIRM化合物を生体関門を越えて送達するためのマイクロニードル装置の使用法に関する印刷ラベルまたは印刷物の指示を含んでいてもよい。
【0087】
本発明の方法、材料、および物品は、任意の適切な患者に使用可能である。適切な患者は、ヒト、ヒト以外の霊長類、げっ歯類、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、トリ、または魚類などの動物を含むが、動物はこれらに限定されるものではなく、また動物に限定されるものでもない。
【0088】
本明細書に引用された特許、特許文書、出版物の完全な開示は、個別に組み込まれているように、全体として参照により本明細書に組み込まれている。矛盾がある場合、本明細書は定義を含め、管理する。当業者であれば、本発明の範囲および精神から離れることなく、本発明へ種々の修正および変更を行うことが可能であろう。例示的な実施形態および例は例としてのみ提供されるものであり、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。本発明の範囲は添付する特許請求の範囲によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】マイクロニードル装置が貫通し、続いてIRM化合物が適用された皮膚の断面を図式的に示す図である。
【図2】マイクロニードル装置と、ニードルにコーティングされたIRM化合物が貫通した皮膚の断面を図式的に表す図である。
【図3】マイクロニードル装置が貫通し、リザーバからチャネルを介してIRM化合物が送達されている皮膚の断面を図式的に表す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IRM化合物送達用に構成されたIRM送達装置であって、IRM化合物がワクチンと共にマイクロニードル装置のリザーバ内に入っているか該装置にコーティングされているときに、該IRM化合物がイミキモドまたはレシキモドでないことを条件として、500μm以下だけ生体関門を貫通する少なくとも1本のマイクロニードルを有する前記マイクロニードル装置と、TLR6アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、および/またはTLR9アゴニストである少なくとも1つのIRM化合物を含む、前記装置。
【請求項2】
前記マイクロニードル装置が複数のマイクロニードルを含む、請求項1に記載のIRM送達装置。
【請求項3】
前記マイクロニードル装置が少なくとも5本のマイクロニードルを含む、請求項2に記載のIRM送達装置。
【請求項4】
前記マイクロニードル装置が少なくとも100本のマイクロニードルを含む、請求項3に記載のIRM送達装置。
【請求項5】
少なくとも1つのIRM化合物が前記マイクロニードル装置の少なくとも一部にコーティングされる、請求項1に記載のIRM送達装置。
【請求項6】
前記マイクロニードル装置が、少なくとも1つのマイクロニードルと流体連通するリザーバであって、前記少なくとも1つのIRM化合物を含む前記リザーバを含む、請求項1に記載のIRM送達装置。
【請求項7】
ポンプおよび/またはマイクロプロセッサをさらに含む、請求項6に記載のIRM送達装置。
【請求項8】
少なくとも1本のマイクロニードルが中空である、請求項1に記載のIRM送達装置。
【請求項9】
少なくとも1本のマイクロニードルが多孔性である、請求項1に記載のIRM送達装置。
【請求項10】
2つ以上のIRM化合物を含む、請求項1に記載のIRM送達装置。
【請求項11】
少なくとも1つの追加の薬物をさらに含む、請求項1に記載のIRM送達装置。
【請求項12】
前記追加の薬物がワクチンである、請求項11に記載のIRM送達装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのIRM化合物と前記追加の薬物の両方が、前記マイクロニードル装置の少なくとも一部にコーティングされる、請求項11に記載のIRM送達装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのIRM化合物が、前記マイクロニードル装置の少なくとも一部にコーティングされ、ここで、前記ワクチンが前記IRM送達装置に接触しない、請求項12に記載のIRM送達装置。
【請求項15】
前記ワクチンがDNAワクチンである、請求項12に記載のIRM送達装置。
【請求項16】
前記ワクチンが細胞ベースのワクチンである、請求項12に記載のIRM送達装置。
【請求項17】
前記追加の薬物がTNFレセプタアゴニストである、請求項11に記載のIRM送達装置。
【請求項18】
前記TNFレセプタアゴニストがCD40アゴニストである、請求項17に記載のIRM送達装置。
【請求項19】
前記追加の薬物がワクチンとTNFレセプタアゴニストの両方を含む、請求項11に記載のIRM送達装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つのIRM化合物が一体化した対を形成するようにワクチンに物理的または化学的に連結される、請求項12に記載のIRM送達装置。
【請求項21】
前記IRM化合物が非TLR7アゴニストである、請求項1に記載のIRM送達装置。
【請求項22】
前記IRM化合物がTLR8アゴニストである、請求項21に記載のIRM送達装置。
【請求項23】
前記IRM化合物がTLR9アゴニストである、請求項21に記載のIRM送達装置。
【請求項24】
前記IRM化合物がCTL細胞活性剤である、請求項1に記載のIRM送達装置。
【請求項25】
少なくとも1つのIRM化合物が、以下の:
アミド置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換イミダゾキノリンアミン、複素環エーテル置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル置換イミダゾキノリンアミンを含むがこれらに限定されないイミダゾキノリンアミン;
アミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、複素環エーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミンを含むがこれらに限定されないテトラヒドロイミダゾキノリンアミン;
アミド置換イミダゾピリジン、スルホンアミド置換イミダゾピリジン、および尿素置換イミダゾピリジンを含むがこれらに限定されないイミダゾピリジンアミン;
1,2−架橋イミダゾキノリンアミン;
6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン;
イミダゾナフチリジンアミン;
テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン;
オキサゾロキノリンアミン;
チアゾロキノリンアミン;
オキサゾロピリジンアミン;
チアゾロピリジンアミン;
オキサゾロナフチリジンアミン;
チアゾロナフチリジンアミン;ならびに
これらの薬学的に許容可能な塩;そして
これらの組み合わせよりなる群から選択される、請求項1に記載のIRM送達装置。
【請求項26】
前記IRMが、
アミド置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換イミダゾキノリンアミン、複素環エーテル置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル置換イミダゾキノリンアミン;
アミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、複素環エーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミンを含むがこれらに限定されないテトラヒドロイミダゾキノリンアミン;
アミド置換イミダゾピリジン、スルホンアミド置換イミダゾピリジン、および尿素置換イミダゾピリジンを含むがこれらに限定されないイミダゾピリジンアミン;
1,2−架橋イミダゾキノリンアミン;
6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン;
イミダゾナフチリジンアミン;
テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン;
オキサゾロキノリンアミン;
チアゾロキノリンアミン;
オキサゾロピリジンアミン;
チアゾロピリジンアミン;
オキサゾロナフチリジンアミン;
チアゾロナフチリジンアミン;ならびに
これらの薬学的に許容可能な塩;
そして、これらの組み合わせよりなる群から選択される、請求項1に記載のIRM送達装置。
【請求項27】
少なくとも1つのIRM化合物が、プリン、イミダゾキノリンアミド、ベンズイミダゾール、1H−イミダゾピリジン、アデニン、およびそれらの誘導体よりなる群から選択される、請求項1に記載のIRM送達装置。
【請求項28】
少なくとも1つのIRM化合物が、五員環窒素含有複素環に融合された2−アミノピリジンを含む、請求項1に記載のIRM送達装置。
【請求項29】
少なくとも1つのIRM化合物が、五員環窒素含有複素環に融合された4−アミノピリミジンを含む、請求項1に記載のIRM送達装置。
【請求項30】
少なくとも1つのIRM化合物が、CpG化合物またはその誘導体を含む、請求項1に記載のIRM送達装置。
【請求項31】
少なくとも1つのIRM化合物が、2−プロピル[1,3]チアゾロ[4,5−c]キノリン−4−アミン、またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項1に記載のIRM送達装置。
【請求項32】
少なくとも1つのIRM化合物が、4−アミノ−α,α−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノール、またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項1に記載のIRM送達装置。
【請求項33】
IRM化合物送達用に構成されたIRM送達装置であって、IRM化合物の投与前にワクチンがマイクロニードル装置と接触しないことを条件として、500μm以下だけ生体関門を貫通する少なくとも1つの前記マイクロニードルと、TLR6アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、および/またはTLR9アゴニストである少なくとも1つのIRM化合物とを有する前記マイクロニードル装置を含む、前記装置。
【請求項34】
IRM化合物送達用に構成されたIRM送達装置であって、生体関門を500μm以下だけ貫通する少なくとも1本のマイクロニードルと、TLR6アゴニスト、TLR8アゴニスト、および/またはTLR9アゴニストであるが、TLR7アゴニストではない少なくとも1つのIRM化合物とを有するマイクロニードル装置を含む、前記装置。
【請求項35】
生体関門の中かまたは生体関門を越えてIRM化合物を送達する方法であって、以下のステップ:
生体関門と、500μm以下だけ前記関門を貫通する少なくとも1本のマイクロニードルを含むマイクロニードル装置とを接触させること;
TLR6アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、および/またはTLR9アゴニストである少なくとも1つのIRM化合物を、前記生体関門の中または前記生体関門を越えて投与すること;及び
場合によりワクチンを投与すること;
を含み、ここで、前記IRM化合物が前記ワクチンと共にリザーバの中に入っているかまたはマイクロニードル装置上にコーティングされているとき、前記IRM化合物がイミキモドまたはレシキモドではないことを条件とする、前記方法。
【請求項36】
前記生体関門が皮膚であり、前記少なくとも1つのIRM化合物が皮内送達される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記皮膚とマイクロニードル装置の接触が、前記皮膚と少なくとも1つの前記IRM化合物の接触前に行われる、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記皮膚と少なくとも1つのIRM化合物の接触が、前記少なくとも1つのIRM化合物を局所的に前記皮膚に適用することを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記少なくとも1つのIRM化合物が、溶液、軟膏、ゲル、泡、またはエマルジョン中に含まれる、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記皮膚と少なくとも1つのIRM化合物の接触が、前記皮膚とマイクロニードル装置の接触前に行われる、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記皮膚と少なくとも1つのIRM化合物の接触が、前記少なくとも1つのIRM化合物を局所的に前記皮膚に適用することを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記少なくとも1つのIRM化合物が、溶液、軟膏、ゲル、泡、または、エマルジョン中に含まれる請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記皮膚とマイクロニードル装置の接触が、前記皮膚と少なくとも1つのIRM化合物の接触と同時に行われる、請求項36に記載の方法。
【請求項44】
前記少なくとも1つのIRM化合物が、前記マイクロニードル装置の少なくとも一部にコーティングされる、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
ワクチンの皮内投与をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項46】
前記少なくとも1つのIRM化合物が小分子免疫反応修飾物質である、請求項35に記載の方法。
【請求項47】
前記少なくとも1つのIRM化合物が、
アミド置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換イミダゾキノリンアミン、複素環エーテル置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル置換イミダゾキノリンアミンを含むがこれらに限定されないイミダゾキノリンアミン;
アミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、複素環エーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミンを含むがこれらに限定されないテトラヒドロイミダゾキノリンアミン;
アミド置換イミダゾピリジン、スルホンアミド置換イミダゾピリジン、および尿素置換イミダゾピリジンを含むがこれらに限定されないイミダゾピリジンアミン;
1,2−架橋イミダゾキノリンアミン;
6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン;
イミダゾナフチリジンアミン;
テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン;
オキサゾロキノリンアミン;
チアゾロキノリンアミン;
オキサゾロピリジンアミン;
チアゾロピリジンアミン;
オキサゾロナフチリジンアミン;
チアゾロナフチリジンアミン;ならびに
これらの薬学的に許容可能な塩;そして
これらの組み合わせよりなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項48】
前記IRMが、
アミド置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換イミダゾキノリンアミン、複素環エーテル置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル置換イミダゾキノリンアミン;
アミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、複素環エーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミンを含むがこれらに限定されないテトラヒドロイミダゾキノリンアミン;
アミド置換イミダゾピリジン、スルホンアミド置換イミダゾピリジン、および尿素置換イミダゾピリジンを含むがこれらに限定されないイミダゾピリジンアミン;
1,2−架橋イミダゾキノリンアミン;
6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン;
イミダゾナフチリジンアミン;
テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン;
オキサゾロキノリンアミン;
チアゾロキノリンアミン;
オキサゾロピリジンアミン;
チアゾロピリジンアミン;
オキサゾロナフチリジンアミン;
チアゾロナフチリジンアミン;ならびに
これらの薬学的に許容可能な塩;そして
これらの組み合わせよりなる群から選択される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
少なくとも1つのIRM化合物が、プリン、イミダゾキノリンアミド、ベンズイミダゾール、1H−イミダゾピリジン、アデニン、およびこれらの誘導体よりなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項50】
前記少なくとも1つのIRM化合物が、五員環窒素含有複素環に融合された2−アミノピリジンを含む請求項35に記載の方法。
【請求項51】
前記少なくとも1つのIRM化合物が、五員環窒素含有複素環に融合された4−アミノピリミジンを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項52】
生体関門の中かまたは生体関門を越えてIRM化合物を送達する方法であって、以下のステップ:
生体関門と、500μm以下だけ前記関門を貫通する少なくとも1本のマイクロニードルを含むマイクロニードル装置とを接触させること;
TLR6アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、および/またはTLR9アゴニストである少なくとも1つのIRM化合物を、前記生体関門の中または前記生体関門を越えて投与すること;及び
場合によりワクチンを投与すること;
を含み、ここで、前記ワクチンが前記IRM化合物の投与前に前記マイクロニードル装置と接触しないことを条件とする方法。
【請求項53】
生体関門の中かまたは生体関門を越えてIRM化合物を送達する方法であって、以下のステップ:
前記生体関門と、500μm以下だけ前記関門を貫通する少なくとも1本のマイクロニードルを備えたマイクロニードル装置とを接触させること;
TLR6アゴニスト、TLR8アゴニスト、および/またはTLR9アゴニストであるがTLR7アゴニストではない、少なくとも1つのIRM化合物を、前記生体関門の中または前記生体関門を越えて投与すること;
を含む前記方法。
【請求項54】
皮膚または粘膜上の病変を治療する方法であって、少なくとも1つのIRM化合物の適用と共に、前記病変にマイクロニードル装置を適用することを含む、前記方法。
【請求項55】
前記病変が新生物状態である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記病変がメラノーマに随伴する、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記病変が基底細胞癌、紫外線角化症、または、扁平上皮癌に随伴する、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記病変がウイルス感染に随伴する、請求項54に記載の方法。
【請求項59】
前記病変が疣贅である、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
マイクロニードル装置と、前記マイクロニードル装置とは別の1つもしくはそれ以上のIRM化合物とを含むキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−503268(P2007−503268A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524827(P2006−524827)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/027633
【国際公開番号】WO2005/020912
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】