説明

免疫抑制された患者のための免疫療法

効果的な量のNCMまたはムロモナブ−CD3のTリンパ球マイトジェンから実質的になる、治療成果を予測するための診断用皮膚試験。効果的な量のNCMまたはムロモナブ−CD3のTリンパ球マイトジェンから実質的になる、皮膚試験を行うためのキット。皮膚試験を患者に行う方法であって、効果的な量のNCMまたはムロモナブ−CD3のTリンパ球マイトジェンを皮膚に投与する工程と、上記皮膚試験の結果を分析する工程と、治療成果を予測する工程とから実質的になる方法。単球またはTリンパ球機能における不全を検出する方法であって、効果的な量のNCMまたはムロモナブ−CD3のTリンパ球マイトジェンを皮膚に投与する工程と、上記皮膚試験の結果を分析する工程と、単球またはTリンパ球機能における少なくとも1つの不全を検出する工程とを含む方法。免疫系の機能している輸出性または求心性肢部を示す機構であって、効果的な量のNCMまたはムロモナブ−CD3のTリンパ球マイトジェンを含む診断用皮膚試験を含む機構。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーダーメード医療の分野に関する。より詳細には、治療成果を検出するための診断用皮膚試験に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞免疫不全は、身体が有害な抗原から自身を有効に保護できなくなる、免疫反応の欠乏である。この状態における免疫系は、実際に衰退するかまたは完全に停止する。このような欠乏は、例えば薬物治療による薬物性、例えばAIDSにおけるようなウイルス性、または例えば癌による疾病性のものである。実際、細胞免疫不全は癌患者に共通する。身体は、腫瘍抗原を検出することができずそのため腫瘍抗原から自らを守ることもできず、その結果腫瘍が成長し、転移する可能性が出る。
【0003】
細胞免疫不全は、癌関連であってもなくても、T細胞、樹枝状細胞(DC)および/または単球機能不全などのいくつかの異なる要因に起因し得る。Tリンパ球減少症はT細胞機能不全に起因すると考えられているが、他の細胞免疫不全の場合、1つ以上の単球または樹枝状細胞機能不全に帰着し得る。本明細書中定義されるような単球は、接着末梢血単核細胞(PBMC)と実質的に同義であり、骨髄由来マクロファージおよび樹枝状細胞に対する前駆体である。
【0004】
単球機能に不全が発生した場合、免疫機能に広く影響が出てき得る。例えば、単球およびマクロファージは細胞性免疫および炎症の生成において重要な役割を果たすため、単球機能不全は、陰性のまたは低減した細胞性免疫反応(例えば、標準的な細胞性免疫(CMl)によって検出されるもの(遅延型過敏症(DTH)とも呼ばれる))と相関を持ち得る。
【0005】
担癌宿主中の樹枝状細胞の損傷を受けた機能は、いくつかの種類の癌(頭頸部扁平上皮癌(本明細書中以下「H&NSCC」と呼ぶ)、肺癌、腎細胞癌、乳癌および結腸癌を含む)について立証されている(Gabrilovich、1997;Chaux、1996;Almand、2000;Nestle、1997;Tas、1993;Thurnher、1996;Hoffmann、2002)。樹枝状細胞不全が特徴付けられると、T細胞に対して腫瘍抗原を有効かつ成功裏に提示できなくなる。このような不全は、多様な方法(抗原処理機械の成分のダウンレギュレーション、共刺激分子の発現減少、および腫瘍に浸透する樹枝状細胞数の減少)において、特徴付けることができる(Whiteside、2004;Gabrilovich、1997;Choux、1997)。癌患者はまた、末梢血およびリンパ節中の成熟DCの絶対数の減少も示す(Hoffmann、2002;Almand、2000)。VEGFは、腫瘍から共通に分泌される可溶性因子であり、樹枝状細胞中のアポトーシスの誘発増加を示し、多くの異なる種類の癌(H&NSCCを含む)の患者の腫瘍組織中および末梢血中の樹枝状細胞数と逆相関を持つ(Lissoni、2001;Saito、1998;Smith、2000)。全般的に、樹枝状細胞機能が欠乏した場合、現在の免疫療法策に悪影響が発生し、臨床成果の失敗と相関が出る。樹枝状細胞機能不全が治癒されれば、成熟樹枝状細胞数が増加し、次に樹枝状細胞が抗原(例えば、腫瘍抗原)と相互作用することができ、これにより、患者体内の細胞媒介性免疫および抗体媒介性免疫の活性化のために、このような抗原がT細胞に提示される。
【0006】
例えば、洞組織球増殖症(SH)は、癌患者にみられるリンパ節病変であり、リンパ節中への大組織球の蓄積によって特徴付けられる。大組織球は、腫瘍抗原を摂取および処理した部分的に成熟した樹枝状細胞であるが、完全に成熟することはできず、これらの腫瘍ペプチドをナイーブT細胞に提示することはできない。SHは、樹枝状細胞処理における不全に起因するように考えられている。抗原が適切にT細胞に提示されないと、これらのT細胞はTh1およびTh2エフェクター細胞を刺激することができない。このようなTh1およびTh2エフェクター細胞への刺激により、体内における細胞媒介性免疫および抗体媒介性免疫が通常それぞれ得られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
効果的な治療を提供し、治療への反応を決定するために、上記した患者体内の免疫不全を検出できると有利である。しかし、癌患者体内の免疫試験においては、治療成果予測の実用性において限界があった。多くの免疫研究が、癌患者内の免疫不全を実験ベースで描出するのに役立ってきたが、これらの患者の診断およびモニタリングに実行可能に臨床適用された試験は少数である。そのうち、以下の2つの試験が実用的であることが分かっている:すなわち、1)リンパ球数(特にT細胞およびサブセット)、および2)CMI試験としてのジニトロクロロベンゼン(DNCB)に対する皮膚反応である。後者の試験の場合、煩雑であり、皮膚試験後に免疫付与および投与日数が必要となり、現在は臨床で用いられていない。前者の試験の場合、実用的であるが、転帰予測として強調されていない。免疫不全診断のために他にもいくつかのDTH皮膚試験が開発されており、これらの試験について以下に説明する。
【0008】
DTHまたはCMI皮膚試験反応を引き出す免疫系の肢部として、以下の2つの異なる肢部がある。それは1)求心性(入力)肢部、および2)輸出性(出力)肢部である。求心性肢部では、抗原またはマイトジェン誘発性T細胞増殖およびサイトカイン産生が発生する。輸出性肢部では、サイトカイン誘発性単球流入、およびモノカイン産生が発生し、その結果、紅斑および硬結によって測定される炎症に繋がる。
【0009】
1970年代、いくつかのグループが、T細胞マイトジェン、フィトヘムアグルチニン(PHA)を用いた皮膚試験を開発した。PHA皮膚試験は、DNCB皮膚試験と同一種類の情報を提供するようであった。(すなわち、反応の良い患者は臨床的に良い結果を出し、反応の悪い患者は悪い結果を出した)。しかし、PHAは、双方の肢部の反応を刺激するため、陰性PHA皮膚試験は、いくつかの不全(すなわち、不十分なT細胞、T細胞の機能低下、または単球機能の不全)を反映することができる。
【0010】
Johnston−Earlyら(1983)は、小細胞肺癌患者に5個の抗原を投与したDTH皮膚試験について、教示している。皮膚試験に反応した患者は、アネルギー患者よりも有意に長く生存し、これが示しているのは、皮膚試験反応性が、通常は予後が良い患者の予後予測を主に示す一方、アネルギーは生存期間が短いことと関連するということである。予後が不良または中程度の患者の皮膚試験反応性/アネルギーは、生存率に影響は無かった。
【0011】
Birxら(1993)は、DTH皮膚試験抗原を選択するためのアルゴリズムについて教示している。検査スキームをHlV患者に適用したところ、皮膚試験反応性とCD4細胞数との間に相関があることが分かった。アネルギーは、末期疾病、AIDSまたは死亡の進行を独立して予測するものであることが分かった。このアルゴリズムにより、必要最低限の抗原数の規定による皮膚検査プロトコルの改変に繋がった。
【0012】
Woodに付与された米国特許第6,406,699号(本明細書中、以下’699特許と呼ぶ)において、癌免疫療法が開示されている。この癌免疫療法では、患者に対して患者自身の癌細胞および免疫アジュバントをワクチン接種し、癌抗原に感作された末梢血単核細胞(PBL)を患者から除去し、感作されたT細胞を刺激して、エフェクターリンパ球にインビトロで分化させ、エフェクター細胞を患者体内に再度注入する。’699特許中のデータで焦点が置かれていたのは乳癌である。’699特許では、細胞性免疫の分析としてDTH皮膚検査が今まで使用されていることが記載されており、また、DTH試験を介してワクチン接種後に患者に皮膚試験を行って、T細胞が実際に癌抗原に感作されたことを決定した点について開示している。このDTH皮膚試験の背後にある理論とは、DTH反応は、いくつかの感作された癌抗原特有のTリンパ球が末梢血から出て行き、皮膚に入り、癌抗原および抗原提示細胞と相互作用して、局所的免疫反応を産生するために発生するという理論である。このDTH反応により、動物およびヒトにおいて広範囲に研究されてきた細胞性免疫の安定した測定が可能になる。
【0013】
また、特定の生物学的マーカーを有する患者の亜母集団におけるオーダーメード医学介入の開発のためのゲノムまたは核酸に基づいた技術に関連するいくつかの試験も開発されている。また、DNAマイクロアレイを用いた診断分析用のシステムも開発されている。いくつかの診断試験では、患者内の癌と関連する癌細胞表面の特定のタンパク質マーカーまたは特定のタンパク質活性(例えば活性増加)のうちいずれかが検出される。以下に説明するこれらの試験は、癌または細胞免疫不全を診断するための診断ツールとしてあるいは本発明によって開示されるような治療成果を予測するための予測ツールとしての抗原皮膚検査に関連しない。
【0014】
Rheinsらに付与された米国特許第6,949,338号およびBensonに付与された米国特許出願公開番号第2005/0221334 A1は、皮膚疾病について皮膚サンプルを分析する技術に関する。テープ剥離により表皮サンプルを入手し、乾癬または皮膚炎などの皮膚疾病を予測し得る核酸発現について、上記サンプルを分析する。この試験では、抗原よりも核酸または遺伝子発現に焦点を置いている。
【0015】
Lubmanらに付与された米国特許出願公開番号第2004/0214233A1において、癌などの疾病を持つ患者中のマーカー(例えば抗原、抗体)の検出に使用可能なタンパク質マイクロアレイシステムについての開示がある。このLubman出願には、同明細書中に開示されているタンパク質マイクロアレイを癌診断に利用することができると記載されている。この出願は、Wangらの教示内容(N Eng.J.Med.353:12)に部分的に対応する。Wangらは、癌患者内の自己抗体シグネチャを発展させるためのタンパク質マイクロアレイの使用を実証している。同技術において、22ファージペプチドのパネルを用いて、前立腺癌患者の血清を試験し、これは標準的な前立腺特有の抗原(PSA)試験よりも、前立腺癌サンプル間のおよび制御間の区別においてより効果的であった。
【0016】
米国特許第6,482,389号(本明細書中、以下’389特許)において出願人は、天然サイトカイン混合物(NCM)を用いた皮膚試験を開発した。上記NCM(本明細書中IRX−2とも呼ぶ)は、米国特許第5,698,194中において、老齢の免疫抑制されたマウスにおけるT細胞の成長および機能の促進に効果的であることが、出願人によって以前に示されている。詳細には、NCMは、未熟なT細胞の割合を低減させ、胸腺中の成熟したT細胞の割合を増加させることが分かった。上記NCMは、IL−1、IL−2、IL−6、IL−8、IFN−γ、およびTNF−αならびにGM−CSF、G−CSF、IL−3、IL−4、IL−5、IL−7およびIL−12を微量で含むかまたはまったく含んでいなかった。’389特許は、免疫療法の候補の決定、免疫療法の効果のモニタリング、および患者内の細胞性免疫機能の分析のための方法およびキットを開示している。’389特許の方法は、2つの皮内皮膚試験を行う工程と、24時間後に上記皮膚試験を読み取る工程とを含む。1つの皮膚試験では、マイトジェン(例えば、PHA、コンカナバリンA(ConA)、ヨウシュ抗原(PWA)および当該分野において公知のような他のマイトジェン)が投与される。上記PHA皮膚試験に対する反応は、存在するTリンパ球が持つ、PHAに反応し、サイトカイン(例えばIL−2)を放出し、単球およびマクロファージ浸潤を誘発して、その結果DTH皮膚反応を発生させる能力を反映する。このDTH皮膚反応は上記皮膚試験において観察され、免疫系の求心性肢部反応の特性である。第2の皮膚試験では、NCMを投与し、事前形成されたT細胞サイトカインが持つ輸出性肢部反応の単球およびマクロファージ蓄積特性を誘発させる能力を反映する。’389特許の方法は、マイトジェン(例えば、PHA)およびNCMによる皮内皮膚試験の結果および血液リンパ球数の結果(T−リンパ球およびサブセット列挙ありまたはなし)を決定する工程とにより、細胞免疫不全を持つ患者をモニタリングするプロセスを実質的に提供し、これにより、細胞媒介性免疫(Tリンパ球数および機能(求心性肢部)およびサイトカイン産生ならびに単球およびマクロファージへの作用(輸出性肢部)を含む)の複合「三次元ビュー」が得られる。
【0017】
これまでは、NCM免疫療法への低反応のみを予測するために、NCM皮膚試験がPHA皮膚試験と共に用いられた。現在許可され同出願に対して本出願が優先権を主張している米国特許出願第10/637,869において、出願人は、本発明のNCMに対して陰性皮内皮膚試験反応を有する癌患者の場合、免疫療法に対する低反応だけではなく臨床予後も全体的に不良であることの予測を示すデータを提供した。しかし、特定数の患者に対してNCMでの治療を施すと、これらの患者は陰性皮膚試験反応から陽性皮膚試験反応へと転じ、これらの反応が転じた患者においては、臨床反応および病理反応において改善がみられた。NCMに対する陰性皮膚試験は患者内の単球不全を反映しているため細胞性免疫反応が不全であり、NCMによる治療によりこの機能不全が治療可能である、と提案された。これらの実験については、本明細書中記載される実施例において詳述されている。
【0018】
癌患者の細胞免疫状態を反映する試験、特に特定の抗原に対する反応に基づいた診断法およびオーダーメード治療がいまだ大いに求められている。よって、本発明の目的の1つは、輸出性肢部反応(すなわち、免疫反応の単球依存成分)を反映する皮膚試験を提供することである。上記した’389特許は、NCM皮膚試験と共に行われるPHA皮膚試験を開示している。これらの試験は必ず一緒に行われた(すなわち、NCM皮膚試験は必ずPHA試験と共に行われ、別々に行われることはなかった)。患者反応を予測するためのNCM皮膚試験の単独使用については、どこにも開示されていない。よって、NCM組成は、治療成果(例えば、癌患者における治療成果)を予測するための診断用皮膚試験として用いられるよう、提供される。本明細書中示すように、抗CD3モノクローナル抗体を含め、皮膚試験を予測するために他のT細胞マイトジェンが使用可能であることは、今まで知られていなかった。従って、抗CD3モノクローナル抗体の診断用皮膚試験も、本明細書中提供される。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、効果的な量のNCMまたはムロモナブ−CD3のTリンパ球マイトジェンを実質的に含む、治療成果を予測するための診断用皮膚試験を提供する。
【0020】
本発明は、効果的な量のNCMまたはムロモナブ−CD3のTリンパ球マイトジェンを含む皮膚試験を行うためのキットをさらに提供する。
【0021】
本発明はまた、皮膚試験を患者に行う方法も提供する。上記方法は、効果的な量のNCMまたはムロモナブ−CD3のTリンパ球マイトジェンを皮膚に投与する工程と、上記皮膚試験の結果を分析する工程と、治療成果を予測する工程とを含む。
【0022】
本発明は、単球機能の不全を検出する方法を提供する。上記方法は、効果的な量のNCMを皮膚に投与する工程と、上記皮膚試験の結果を分析する工程と、単球機能中の少なくとも1つの不全を検出する工程とを含む。
【0023】
本発明はまた、Tリンパ球機能中の不全を検出する方法も提供する。上記方法は、効果的な量のムロモナブ−CD3のTリンパ球マイトジェンを皮膚に投与する工程と、上記皮膚試験の結果を分析する工程と、単球機能中の少なくとも1つの不全を検出する工程とを含む。
【0024】
免疫系の機能している輸出性肢部または求心性肢部のいずれかを示す機構も提供される。上記機構は、効果的な量のNCMまたはムロモナブ−CD3のTリンパ球マイトジェンそれぞれによる診断用皮膚試験を含む。本発明の他の利点は、以下の詳細な説明を添付図面と共に参照すれば、容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、正常対照、癌対照、またはNCMによる治療を受けたH&NSCC母集団におけるリンパ節サイズを示す棒グラフである。
【図2A】図2Aは、T細胞領域を示す棒グラフである。
【図2B】図2Bは、正常対照、H&NSCC対照およびNCMで治療されたH&NSCC患者におけるT細胞密度を示す。
【図3A】図3Aは、B細胞領域を比較する棒グラフである。
【図3B】図3Bは、3つの治療グループ中の卵胞を比較する棒グラフである。
【図4A】図4Aは、他の細胞の比較を示す。
【図4B】図4Bは、3つの治療グループ中の洞組織球増殖症の比較を示す。
【図5】図5は、ノードB&T(B細胞およびT細胞)ならびに腫瘍B&Tfitプロットを示すグラフである。
【図6】図6は、3つのグループの皮膚試験患者(すなわち、プロトコル患者、皮膚試験陰性のオフプロトコル患者、および皮膚試験陽性のオフプロトコル患者)について、疾病特有の生存率を24か月比較した線グラフである。
【図7】図7Aは、フローサイトメトリーによって決定されるようなNCMによる接着PBMCの治療の後、活性化マーカー、CD86、HLA−DR、CD80およびCD40の組み合わせにおいて陽性として染色された単球およびマクロファージの増加を百分率で示す2つの棒グラフを含む。図7Bは、フローサイトメトリーによって決定されるようなNCMによる接着PBMCの治療の後、活性化マーカーであるCD86、HLA−DR、CD80およびCD40について平均蛍光強度(MFI)の増加を示す一連の棒グラフである。
【図8】図8は、本発明のNCMが単球およびマクロファージを活性化させる(すなわち、活性化マーカーCD86、HLA−DR、CD80およびCD40のTNF−αよりも高い程度までの発現を誘発させる)ことを実証する棒グラフを含む。
【図9】図9は、免疫抑制サイトカインIL−10の存在下においても本発明のNCMが単球およびマクロファージを活性化させる(すなわち、活性化マーカーHLA−DR1CD86およびCD40を誘発させる)ことを実証する棒グラフを含む。上記NCMは、IL−10がある場合においても無い場合においても、単球およびマクロファージの活性化においてLPS1よりも良い結果を示している。
【図10】図10は、本発明のNCMが活性化された単球およびマクロファージからTNF−αの産生を刺激し、IL−10の免疫抑制効果を解消することを実証する棒グラフである。上記NCMは、TNF−αの産生をLPSよりも高い程度まで刺激した。
【図11】図11は、皮膚試験が陰性の患者の48カ月間における疾病特有の生存率を示す線グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書中、本発明は、癌患者における治療成果(手術に対する、総体的患者生存率、再発までの期間、および余命を含む)を予測するための診断用皮膚試験として用いられる天然サイトカイン混合物(NCM)またはムロモナブ−CD3のTリンパ球マイトジェンを含む組成を提供する。本発明のNCM組成を皮内投与し、上記NCMへの反応を決定する方法が提供される。同方法において、陰性皮膚試験は、NCMへの無反応を示し、(放射線治療を含むかまたは含まない)手術に対する患者の無反応、総体的患者生存率、再発までの期間、および余命を予測する。本発明のムロモナブ−CD3のTリンパ球マイトジェンを皮内投与し、上記ムロモナブ−CD3に対する反応を決定する方法がさらに提供される。同方法において、陰性皮膚試験は、NCMへの無反応を示し、(放射線治療を含むかまたは含まない)NCMに対する患者の無反応、総体的患者生存率、再発までの期間、および余命を予測する。
【0027】
効果的な量のNCMを皮膚に投与する工程と、上記皮膚試験の結果を分析する工程と、単球機能中の少なくとも1つの不全を検出する工程とにより単球機能の不全を検出する方法も提供される。効果的な量のムロモナブ−CD3のTリンパ球マイトジェンを皮膚に投与する工程と、上記皮膚試験の結果を分析する工程と、Tリンパ球機能における少なくとも1つの不全を検出する工程とによりTリンパ球機能の不全を検出する方法も提供される。本発明は、免疫系の機能している輸出性肢部または求心性肢部のうちいずれかを示す機構を含む。上記機構は、効果的な量のNCMまたはムロモナブ−CD3のTリンパ球マイトジェンをそれぞれ用いた診断用皮膚試験を含む。本発明のこの実施形態による組成および方法は、癌患者の適切な治療を決定する際に有用である。
【0028】
本明細書中用いられるように、「アジュバント」という用語は、特定の抗原に対する免疫反応を向上させる能力を備えた組成を示す。このような能力は、免疫介在性保護の有意な増加によって分かる。効果を出すには、アジュバントを抗原サイトまたはその近隣に送達する必要がある。免疫の向上は典型的には、抗体タイターが抗原まで有意に(通常は10倍以上)増加することにより、判明する。細胞免疫の向上は、陽性皮膚試験、細胞毒性T細胞分析、IFN−γまたはIL−2についてのELISPOT分析、あるいは(以下に説明するような)腫瘍へのT細胞浸潤により、測定することができる。
【0029】
本明細書中用いられるように、「NCM」は、米国特許第5,632,983号および5,698,194号中に規定および記載されているような天然サイトカイン混合物を示す。上記NCMは、組換えサイトカインを含み得る。簡単に説明すると、NCMは、4−アミノキノロン抗生物質の連続的存在およびマイトジェン、(好適な実施形態においてはPHA)の連続的またはパルス状の存在において、作成される。より詳細には、本発明のNCMは、6つの重要成分IL−1、IL−2、IL−6、IL−8、INF−γおよびTNF−αを含む。これらの成分は、ナイーブT細胞を産生するように機能する。本発明の好適な実施形態によれば、上記NCMのIL−1の濃度は、60〜6,000pcg/ml、より好適には150〜1,200pcg/mlであり、IL−2の濃度は600〜60,000pcg/mlであり、より好適には3,000〜12,000pcg/mlであり、IL―6の濃度は60〜6,000pcg/mlであり、より好適には300〜2,000pcg/mlであり、IL−8の濃度は6,000〜600,000pcg/mlであり、より好適には20,000〜180,000pcg/mlであり、IFN−γおよびTNF−αの濃度は200〜20,000pcg/mlであり、より好適には1,000〜4,000pcg/mlである。組換えサイトカイン、天然サイトカインまたはペグサイトカインを用いてもよいし、あるいは、上記NCM中に組換えサイトカイン、天然サイトカインまたはペグサイトカインの混合物を含めてもよい。上記NCMは、他の組換えサイトカイン、天然サイトカインまたはペグサイトカイン(例えば、IL−12、GM−CSFおよびG−CSF)をさらに含み得る。治療時、上記NCMは、単独で投与してもよいし、あるいは、以下の実施例に詳述されるようなシクロホスファミド(CY)、インドメタシン(INDO)、および亜鉛と共に投与してもよい。
【0030】
本明細書中用いられるように、「反応」という用語は、皮膚試験に対する応答または結果を示す。患者の皮膚試験反応の分析後、反応が得られる。本出願全体において、「反応」という用語は「結果」と同義に用いられる。
【0031】
本明細書中用いられるように、「皮膚試験」という用語は、患者に対して行われる臨床試験を示す。上記臨床試験は、免疫系および特定の疾病に一般的に関連する特定の組の生理学的パラメータが存在する場合、患者の皮膚の反応を刺激する。本発明の皮膚試験は、診断用ツールとしてそして治療成果の予測のために、提供される。
【0032】
本明細書中用いられるように、「Tリンパ球マイトジェン」という用語は、有糸分裂およびリンパ球転換を刺激することが可能な薬剤を示す。この用語は「T細胞マイトジェン」とも呼ばれる。本発明において用いられるTリンパ球マイトジェンは、抗CD3モノクローナル抗体ムロモナブ−CD3である。ムロモナブ−CD3(Ortho Biotech)は、オルソクローン OKT3(登録商標)という商標名でも知られており、患者の天然免疫系を弱めるために、臓器移植(例えば、腎臓移植、心臓移植、または肝臓移植)を受けた患者に共通に投与される。換言すれば、ムロモナブ−CD3は、免疫抑制剤として機能する。これは、身体からの臓器拒絶の回避を支援するために必要であるが、患者が感染し易くもなる。ムロモナブ−CD3は、以下の実施例6に詳述するような本発明の様態のようには皮膚試験成分として今まで使用されていない。
【0033】
本明細書中用いられるように、「腫瘍関連抗原」という用語は、腫瘍に対する免疫反応を誘発することのできるタンパク質またはペプチドまたは他の分子を示す。これは、PSMAペプチド、MAGEペプチド(Sahin、1997;Wang、1999)、パピローマウイルスペプチド(E6およびE7)、MAGEフラグメント、NY ESO−1または他の同様の抗原を含み得る(ただし、これらに限定されない)。以前は、これらの抗原は、そのサイズに起因して(すなわち、小さすぎると考えられていたため)あるいは以前は免疫特性に欠けると考えられていたため(すなわち、自己抗原と考えられていたため)、患者治療において効果的ではないと考えられていた。
【0034】
本発明は、癌患者における治療成果を予測するための診断用皮膚試験において用いられるNCMを提供する。本発明による皮膚試験において投与されるNCMは好適には、上記したような6つのサイトカインIL−1、IL−2、IL−6、IL−8、IFN−γおよびTNF−αを含む。組換えサイトカイン、天然サイトカインまたはペグサイトカインを用いてもよいし、あるいは、上記NCM中にこのようなサイトカインの混合物を含めてもよい。上記NCMは、他の組換えサイトカイン、天然サイトカインまたはペグサイトカイン(例えば、IL−12、GM−CSFおよびG−CSF)をさらに含んでもよい。上記皮膚試験において投与される場合、上記NCMは、1〜500単位のIL−2等量で投与することができる。好適には、0.1mlの上記NCMを濃度で4〜50単位のIL−2等量/mlで皮内投与する。
【0035】
本発明のNCM皮膚試験は、上記輸出性肢部反応(すなわち、上記単球依存成分)のみを反映する。米国特許出願第10/637,869号および下記の実施例2は、NCMを皮内投与し、上記NCMに対する反応を24時間以内に判定することにより、治療成果を予測するための診断用皮膚試験として本発明のNCMを使用する点について、論じている。陽性皮膚試験(すなわち、紅斑)は一般的には、免疫系の輸出性肢部が機能していることを示し、陽性免疫治療成果が予測される。陰性皮膚試験は一般的には、上記NCMおよび免疫療法に対する無反応を示し、陰性の治療成果を予測する。上記輸出性肢部は単球機能に関連するため、上記皮膚試験に対する陰性反応は、単球機能に少なくとも1つの不全があることを示す。よって、本発明は、免疫系の機能している輸出性肢部を示す、上記診断用NCM皮膚試験を含む機構を含む。NCMそのものは、機能している輸出性肢部の指標としてこれまで用いられていない。
【0036】
上記NCM皮膚試験を通じて予測される特定の治療成果はいくつか存在する。例えば、患者の総体的生存率を予測することができる。これは、本発明の1つの新規な局面である。このような試験は、今まで行われたことはない。上記NCM皮膚試験に対する陽性反応は、主要な臨床反応を支持し、NCM治療後、患者は生存し、無病のままでいる。上記NCM皮膚試験に対する陰性反応は、NCM治療をしても患者の総体的生存可能性が限られていることを示す。これらの反応を下記の実施例3中に示す。これらの予測は、オーダーメード治療の判定において有用である。これは、治療に対する良い反応者を選択する際に、患者が適切な治療を受けることができるようにするためだけではなく限られた薬物供給量を守るために、有用である。(特に例えば第3世界の国において)薬物供給量が限定されている場合、これらの当該治療の恩恵が最も大きい患者を先ず被治療者として選択することができる。
【0037】
また、免疫療法に対する反応は、上記NCM皮膚試験を通じて予測される。皮膚試験結果が陽性である場合、患者がNCMによる免疫療法に反応することを示し、皮膚試験結果が陰性である場合、患者がNCMによる免疫療法に反応しないことを示す。免疫療法に対する反応の予測について、下記の実施例1、実施例2および実施例3において詳述する。
【0038】
上記NCM皮膚試験はまた、実施例3中に詳述するように、放射線治療を含むかまたは含まない手術がNCM治療と組み合わされた場合の反応も予測する。皮膚試験結果が陽性である場合、放射線治療を含むかまたは含まない手術およびNCM治療の組み合わせが主要な臨床反応および患者の生存率向上にとって好ましいことを示す。皮膚試験結果が陰性である場合、放射線治療を含むかまたは含まない手術をNCM治療と共に行っても患者の生存率に変化がないことを示す。
【0039】
上記NCM皮膚試験は、疾病再発までの期間をさらに予測する。皮膚試験結果が陽性である場合、再発までの期間が長い(換言すれば、予測された主要臨床反応に起因して、再発が全くない)ことが予測される。皮膚試験結果が陰性である場合、患者が治療に反応せずその疾病が進行するため、再発までの期間が短いことが予測される。再発までの期間を予測する上記NCM皮膚試験について、下記の実施例3においてさらに詳述する。
【0040】
上記NCM皮膚試験を用いて、余命も予測される。例えば、皮膚試験結果が陽性である場合患者の余命が長いことを示す。換言すれば、NCM治療による陽性成果の予測に起因して余命が延びる。皮膚試験結果が陰性である場合、治療に対する反応が無いため、患者の余命が短いことを示す。余命を予測する上記NCM皮膚試験について、下記の実施例3においてさらに詳述する。
【0041】
NCM皮膚試験が陰性である場合、NCMによる前治療により、実施例5に示すように陽性結果に変換することができる。従って、陰性の皮膚試験結果後にNCMを投与して、単球不全を正すことができ、その後の陽性NCM皮膚試験において、免疫系の改善を示し、好ましい成果を予測することができる。
【0042】
上記NCM皮膚試験は一般的に、効果的な量のNCMを皮膚に投与する工程と、上記皮膚試験の結果を分析する工程と、治療成果を予測する工程とにより、行われる。上記NCM皮膚試験は好適には癌患者に対して行われるが、上記NCM皮膚試験を他の免疫不全のある患者に対して行うことも可能である。投与は一般的には皮内で行われるが、以下に詳述する他の方法で行ってもよい。皮内注射は好適には、1ccツベルクリン注射器を針の斜面を上に向けた状態で用いて前腕下部に対して行われる。上記斜面が完全に皮内組織内に入った直後に、少量の液体を注射し、上記針を進行時にゆっくりと進めて、残量をゆっくりと投与する。上述したように、効果的な量のNCMは好適には4〜50単位のIL−2である。上記皮膚試験の結果は一般的には、上記試験の投与後6〜48時間経過後に分析され、読み取られる。好適には、上記試験結果は、投与後24時間後に分析され、読み取られる。陰性反応または陽性反応のいずれかが得られる。陽性反応は一般的には、陽性の治療成果を予測する。陰性反応は一般的には、陰性の治療成果および単球機能における少なくとも1つの不全を予測する。よって、上記NCM皮膚試験を投与して、単球機能における不全を検出することができる。上記試験結果から、特定の治療成果(患者の総体的生存率、免疫療法に対する反応、手術に対する反応、放射線治療に対する反応、再発までの期間および余命を含む)を上記に詳述するように予測することができる。
【0043】
本発明の第2の実施形態によれば、ムロモナブ−CD3が診断用皮膚試験として投与される。好適には、上記皮膚試験時において、0.1〜100ngの上記ムロモナブ−CD3を投与する。ムロモナブ−CD3による上記診断用皮膚試験は、上記したNCM皮膚試験と実質的に同じである。上記ムロモナブ−CD3皮膚試験に対する陽性反応は一般的には、免疫系の求心性肢部が機能していることを示す。なぜならば、この陽性反応は、現在のT−リンパ球が持つ、ムロモナブ−CD3に反応し、サイトカイン(例えば、IL−2)を放出し、単球/マクロファージ浸潤(その結果、上記皮膚試験において観察されるDTH皮膚反応が発生する)を誘発する能力を反映していからである。単球およびマクロファージは、共通の最終経路を用い、抗体産生のための抗原提示を支援する。よって、陽性反応は、陽性の治療成果が予測されることを示す。上記ムロモナブ−CD3皮膚試験に対する陰性反応は一般的には、NCMおよび免疫療法に対する無反応を示し、Tリンパ球不全に起因して陰性の治療成果を予測する。従って、本発明は、上記診断用ムロモナブ−CD3皮膚試験を含む、免疫系の機能している求心性肢部を示す機構を含む。本出願においてはムロモナブ−CD3のみについて説明したが、他の任意のT細胞マイトジェンを同様の方法で用いることが可能であることが考えられる。
【0044】
上記ムロモナブ−CD3皮膚試験を通じて予測可能なものとして、いくつかの特定の治療成果がある。例えば、患者の総体的生存率を予測することができる。上記ムロモナブ−CD3皮膚試験に対する陽性反応は、主要な臨床反応を支持し、NCM治療による治療後、患者は生存し、無病のままでいることを支持する。上記ムロモナブ−CD3皮膚試験に対する陰性反応は、NCM治療をしても患者の総体的生存可能性が限られていることを示す。
【0045】
また、免疫療法に対する反応は、上記ムロモナブ−CD3皮膚試験を通じて予測される。皮膚試験結果が陽性である場合、患者がNCMによる免疫療法に反応することを示し、皮膚試験結果が陰性である場合、患者がNCMによる免疫療法に反応しないことを示す。
【0046】
上記ムロモナブ−CD3皮膚試験はまた、放射線治療を含むかまたは含まない手術とNCM治療の組み合わせに対する反応の予測にも用いられる。皮膚試験結果が陽性である場合、放射線治療を含むかまたは含まない手術とNCM治療の組み合わせが、主要な臨床反応およびより高い患者生存率を支持することが予測される。皮膚試験結果が陰性である場合、放射線治療を含むかまたは含まない手術とNCM治療の組み合わせによって、患者生存率が変化しないことが予測される。
【0047】
上記ムロモナブ−CD3皮膚試験は、疾病再発までの期間をさらに予測する。皮膚試験結果が陽性である場合、再発までの期間が長い(換言すれば、予測された主要臨床反応に起因して再発が全く発生しない)ことが予測される。皮膚試験結果が陰性である場合、患者が治療に反応せずその疾病が進行するため、再発までの期間が短いことが予測される。
【0048】
また、上記ムロモナブ−CD3皮膚試験の使用を通じて、余命も予測される。例えば、皮膚試験結果が陽性である場合、患者余命が長いことを示す。換言すれば、NCM治療の陽性成果が予測されるため、余命が長くなる。皮膚試験結果が陰性である場合、治療に対する無反応が予測されるため、患者余命が短くなることを示す。
【0049】
陰性ムロモナブ−CD3皮膚試験を、NCMによる前治療によって陽性結果に変換することができる。よって、陰性皮膚試験結果後のNCM投与によってTリンパ球不全を正すことができ、その後の陽性ムロモナブ−CD3皮膚試験において、免疫系の改善を得、好ましい成果を予測することができる。
【0050】
Tリンパ球機能中の不全を検出する方法であって、効果的な量のTリンパ球マイトジェンまたはムロモナブ−CD3を皮膚に投与する工程と、上記皮膚試験の結果を分析する工程と、単球機能中の少なくとも1つの不全を検出する工程とを含む。
【0051】
上記ムロモナブ−CD3皮膚試験は一般的には、効果的な量のムロモナブ−CD3を皮膚に投与する工程と、上記皮膚試験の結果を分析する工程と、治療成果を予測する工程とにより、行われる。上記ムロモナブ−CD3皮膚試験は好適には癌患者に対して行われるが、上記ムロモナブ−CD3皮膚試験は他の免疫不全の患者に対して行うこともできる。投与は一般的には皮内投与で行われるが、下記に詳述する他の方法であってもよい。皮内注射は好適には、1ccツベルクリン注射器を針の斜面を上に向けた状態で用いて前腕下部に対して行われる。上記斜面が完全に皮内組織内に入った直後に、少量の液体を注射し、上記針を進行時にゆっくりと進めて、残量をゆっくりと投与することができる。上述したように、効果的な量のムロモナブ−CD3は好適には0.1〜100ngである。上記皮膚試験の結果は一般的には、上記試験の投与後6〜48時間経過後に分析され、読み取られる。好適には、上記試験結果は、投与後24時間後に分析され、読み取られる。陰性反応または陽性反応のいずれかが得られる。陽性反応は一般的には、陽性の治療成果を予測する。陰性反応は一般的には、陰性の治療成果およびTリンパ球機能における少なくとも1つの不全を予測する。上記試験結果から、特定の治療成果(患者の総体的生存率、免疫療法に対する反応、手術に対する反応、放射線治療に対する反応、再発までの期間および余命を含む)を上記にて詳述するように予測することができる。
【0052】
本発明は、上記したような皮膚試験を行うためのキットをさらに提供する。上記NCM皮膚試験を行うためのキットは一般的には、上述したような効果的な量のNCM(好適には4〜50単位のIL−2)を含む。上記NCMは、サイトカインIL−1、IL−2、IL−6、IL−8、IFN−γおよびTNF−αを含み得る。上記NCMは、サイトカインIL−12、GM−CSFおよびG−CSFをさらに含み得る。さらに、上記サイトカインは、組換えサイトカイン、天然サイトカインまたはペグサイトカインであり得る。上記NCMは、薬学的に受入可能なキャリア中に提供される。上記キットは、上記皮膚試験の投与に必要な適切な材料(例えば、注射器および針、および比較のためのNCMを含まない対照溶液)も含む。上記キットを用いて、上記した患者の総体的生存率、免疫療法に対する反応、手術に対する反応、放射線治療に対する反応、再発までの期間、および余命のうちのいずれかの治療成果を予測することができる。
【0053】
上記ムロモナブ−CD3皮膚試験を行うためのキットは一般的には、上記したような効果的な量のムロモナブ−CD3(好適には0.1〜100ng)を含む。上記ムロモナブ−CD3は、薬学的に受入可能なキャリア中に設けられる。上記キットはまた、上記皮膚試験の投与に必要な適切な材料(例えば、注射器および針、ならびに比較のための上記ムロモナブ−CD3を含まない対照溶液)も含む。上記キットを用いて、上記した治療成果(患者の総体的生存率、免疫療法に対する反応、手術に対する反応、放射線治療に対する反応、再発までの期間、および余命)のうちのいずれかを予測することができる。
【0054】
上記実施形態のうちのいずれかについて、以下の治療用の投与詳細および/またはプロトコルが用いられる。
【0055】
好適には、本発明のNCMは、病変部(例えば、腫瘍または他の治療中の持続性病変部)に対して局所的であるリンパ節に連通するリンパ管周辺に注入される。病変部(例えば癌)に対して局所的である上記リンパ節に連通するリンパ管への外リンパ投与が重要である。腫瘍周辺注射の場合、進行時においても反応がほとんど得られないため、禁忌である。10日間の注射スキームが最適であり、20日間の注射プロトコルは、臨床的に効果的であるものの、Th1反応を低減し、癌中へのリンパ球浸潤によって測定されるようなあまり望ましくないTh2反応へのシフトを示す傾向を持つ。よって、両側注射が効果的である。根治的頚部廓清術が行われた箇所については、対側注射が効果的である。
【0056】
本発明の化合物は、手術、放射線治療、化学療法、またはこれらの組み合わせの前に投与してもよいし、後に投与してもよい。本発明の化合物は、腫瘍再発時に(すなわち、腫瘍が消失したかまたは寛解していると思われていた期後に腫瘍の成長が再び起こっている期間中に)投与することができる。
【0057】
本発明の化合物(NCMを含む)は、外因性抗原または内因性抗原のいずれかに対し最適な免疫付与を促進するように、また、個々の患者の臨床条件、投与場所および投与方法、投与スケジュール、患者の年齢、性別および体重を考慮した上で、投与および投薬される。よって、本明細書中の目的のための薬学的に「効果的な量」は、当該分野において公知のようなこのような考慮事項によって決定される。上記量は、免疫付与を促進して、例えば腫瘍低減、腫瘍断片化および白血球浸潤、再発遅延または生存率向上、あるいは症状の改善または除去が得られるように、効果的な量にする必要がある。
【0058】
本発明の方法において、本発明の化合物は、多様な様式で投与することができる。本発明の化合物は、化合物としてまたは薬学的に受入可能な誘導体として投与可能であり、単独で投与してもよいし、あるいは、薬学的に受入可能なキャリア、希釈剤、アジュバントおよび賦形剤と組み合わされた有効成分として投与することも可能である点に留意されたい。上記化合物は、皮内または皮下に、あるいはリンパ管外またはリンパ管内に、節内または脾臓内または筋肉内に、腹腔内に、および胸郭内に投与することができる。上記化合物の移植も有用である。治療される患者は、温血動物であり、詳細には、ヒトを含む哺乳動物である。薬学的に受入可能なキャリア、希釈剤、アジュバントおよび賦形剤ならびにインプラントキャリアは一般的には、本発明の有効成分に反応しない不活性の、非毒性の固形または液体のフィラー、希釈剤または封入材料を指す。
【0059】
投薬は、1回の投薬または数日間にわたる複数回の投薬であり得る。本発明の化合物が投与される場合、一般的には注射可能な形態の投与量単位(例えば、溶液、懸濁液、または乳濁液)で処方される。注射に適した製剤処方としては、滅菌された注射可能な溶液または分散液への再構成に適した滅菌水溶液または分散液ならびに滅菌粉末がある。上記キャリアは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール)、これらの適切な混合物、および植物油を含む溶媒または分散媒質でよい。
【0060】
適切な流動性は、例えば、コーティング(例えばレシチン)の使用、分散液の場合は必要粒径の保持、および界面活性剤の使用により、維持することができる。非水賦形剤(例えば、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、大豆油、コーン油、ヒマワリ油、またはピーナッツ油)およびエステル(例えばイソプロピルミリステート)を化合物組成の溶媒系として用いることもできる。さらに、上記組成の安定性、滅菌性および等張性を向上させる多様な添加剤(例えば、抗菌性保存剤、酸化防止剤、キレート薬剤、および緩衝液)を付加してもよい。微生物の活動を確実に回避するために、多様な抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸)を用いることができる。多くの場合、等張剤(例えば、糖類、塩化ナトリウム)を含むことが望ましい。注射可能な医薬品形態の吸収を長くするために、吸収を遅延させる薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)を使用することができる。しかし、本発明によれば、用いられる賦形剤、希釈剤または添加剤は全て、上記化合物と適合するものでなくてはならない。
【0061】
滅菌された注射可能な溶液は、本発明の実施において用いられる化合物を必要量の適切な溶媒中にその他の成分のうちのいくつかと共に所望に含めることにより、作成することができる。
【0062】
本発明の薬理処方は、任意の適合可能なキャリア(例えば、多様な賦形剤、添加剤および希釈剤)を含む注射可能な処方で患者に投与することができる。あるいは、本発明において用いられる化合物は、徐放性の皮下インプラントまたは標的化送達システム(例えば、モノクローナル抗体、ベクター送達、イオン導入、ポリマーマトリクス、リポソームおよびミクロスフェア)の形態で非経口的に患者に投与することができる。本発明において有用な送達システムの例については、下記文献中に開示されているものを含む:米国特許第5,225,182号、5,169,383号、5,167,616号、4,959,217号、4,925,678号、4,487,603号、4,486,194号、4,447,233号、4,447,224号、4,439,196号、および4,475,196号。他にも多くのこのようなインプラント、送達システムおよびモジュールが当業者にとって周知である。
【0063】
上記議論は、本発明の使用について実際の基礎を提供する。本明細書中開示される設備において使用される本発明の組成および方法は、以下の非限定的な実施例および添付図面により、示すことができる。
【実施例】
【0064】
滅菌条件下において、細胞培養に関連する全工程を行う。本明細書中記載されていない細胞免疫学の一般的方法を、細胞免疫学技術に関する一般的文献(例えば、MishellおよびShiigi(Selected Methods in Cellular Immunology、1981))および当業者に周知のものに記載のような様式で行う。
【0065】
天然サイトカイン混合物(NCM)の作成
NCM(本明細書中IRX−2とも呼ぶ)は、サイトカインの規定された混合物であり、フィトヘムアグルチニン(PHA)およびシプロフロキサシンによってヒト末梢血単核細胞(PBMC)を刺激した後、GMP条件下において24時間にわたって生成される。上記PBMCのソースは、FDAライセンスを持つ血液バンクから購入されたスクリーニングおよび試験を受けた軟膜である。PHA刺激後、マイトジェンを遠心分離および洗浄により除去する。全ての細胞要素を遠心分離によって除去し、DNAをアニオン交換クロマトグラフィーによって除去する。無細胞上清をフィルター殺菌し、ナノフィルターに通して、ウイルス除去し、IRX−2として指定する。サイトカインレベルのバイオアッセイおよびELISA決定双方を含む厳密なQC検査により、上記IRX−2の一貫性が保証される。滅菌性、DNA、マイコプラズマ、エンドトキシンおよびCMVおよびEBVに関するウイルス検査についての安全検査も、GMPプロセスの一部である。IRX−2は、多様な臨床トライアルにおいて150人を越える患者に対して安全であり、現在はFDA認可IND下においてフェーズI/II検査にある。
【0066】
より詳細には、NCMは以下のようにして作成することができる。
【0067】
複数のHlV陰性肝炎ウイルス陰性ドナーからのヒト血液の軟膜白血球を収集する。別の実施形態において、動物も、獣医用の細胞源となり得る。ドナーからの細胞をプールし、フィコールハイパック濃度勾配(Pharmacia)上に載置して、好中球および赤血球の無いリンパ球を得る。当該分野において公知の同一の出発リンパ球母集団が得られる別の方法を用いてもよい。
【0068】
リンパ球を洗浄した後、細胞サブセットを選択するために、表面活性細胞培養フラスコ内のX−VlVO 10メディア(Whittaker Bioproducts)上にリンパ球を分配する。上記フラスコ(MICROCELLECTOR(登録商標)T−25細胞培養フラスコ)は、固定刺激剤(すなわち、マイトジェン(例えばPHA))を含む。刺激剤の固定化プロセスは、パニング手順(すなわち、フラスコ中での細胞の分類)のための多様な物質を固定化するために製造業者が指定するように行う。あるいは、上記リンパ球を刺激剤(例えばPHA)に対して2〜4時間露出した後、3回洗浄する。
【0069】
上記細胞を、24〜48時間にわたってX VIVO−10メディア中で80μg/mlのシプロフロキサシン(Miles Lab)と共に37℃でCO/エアインキュベーター内でインキュベートする。あるいは、RPMI 1640メディアを用いてもよい(Webbら1973)。HSAフリーメディアを数世代にわたって用いる場合、HSA(ヒト血清アルブミン)を付加して、インターロイキンをさらに安定化させることができる。一般的には、HSAを0.1〜0.5%(体積重量)用いる。インキュベート後、上清を捨て、収集する。上記上清を4℃〜−70℃で保存する。
【0070】
〔実施例1〕
頚部にNCMを局所的外リンパ注射し、低投薬量のCY(300mg/m)、INDO(25mgを1日3回経口投与)、および亜鉛(65mgの成分亜鉛を硫酸塩として1日1回経口投与)によって治療を行ったところ、頭頸部扁平上皮癌患者において高パーセントで臨床退縮が誘発され(H&NSCC)(Hadden、1994;Meneses、1998;Barrera、2000;Hadden、2003;Menesis、2003)、再発無しの生存率の向上も実証された。総体的に、低反応(25%−50%)を含め、病理試料における腫瘍収縮および腫瘍低減について、90%を越える試料が反応を示し、大部分の試料が50%を越える腫瘍低減を示した。
【0071】
Bリンパ球およびTリンパ球がどちらとも腫瘍中に浸潤したことが観察されたため、これらの反応は、免疫退縮によって媒介されたものと推測される。上記治療は、有意な毒性と関連していなかった。NCMの組み合わせによるリンパ球癌患者の治療により、顕著なリンパ球可動化が得られた。分析にかけたところ、これらの患者は、CD45RA陽性T細胞(すなわち、ナイーブT細胞(下記の表1を参照))の増加を示した。さらに、H&NSCC患者にNCMを腫瘍内注射または腫瘍外注射したところ、免疫療法によって誘発された腫瘍退縮の逆進または腫瘍の進行が得られた。従って、上記腫瘍は免疫付与場所ではない。それどころか、局所的リンパ節の分析から、上記局所的リンパ節は仮定腫瘍抗原に対する免疫付与場所であることが分かる(Meneses、2003;図1〜図5を参照)。NCMで治療されたこれらの患者のうち、臨床的に15%の患者および病理的に50%までの患者に予測されていた遠位転移を示した患者はゼロだった。これらの結果は、局所的免疫が誘発されたのではなく、全身性免疫が得られたことを示す。治療前、患者に対して0.1mlのNCMで事前皮膚試験を行い、陽性皮膚試験(24時間において>0.3mm)の90%を越える患者が、強い臨床反応および病理反応を示した。陰性皮膚試験の患者は、ほとんど反応を示さなかった。よって、皮膚検査は良好な反応者を選択する。
【0072】
これらのTリンパ球減少患者において、Tリンパ球数(CD3)752−>1020の大幅な増加が見られた(T細胞数752対1600(健常))。重要なことに、「ナイーブ」CD45RA陽性T細胞(532−>782)が対応して増加した。上記したように、これらの増加は一般的には、成人(特に、NCMなどの薬理治療を受けた成人)には発生しないと考えられている。これらの細胞は、最近の胸腺転移(emigre)と推定され、腫瘍抗原のような新規抗原に反応する新規主要能力とみなすことができる。既存のCD45RA陽性細胞は、腫瘍抗原に対して反応せず、腫瘍誘発性免疫抑制(アネルギー)に起因してこれができなかったと思われる。
【0073】
【表1】

【0074】
文献(Hadden JW、Int’l J lmmunopharmacol 11/12:629〜644、1997;Hadden JW、Int’l J lmmunopharmacol 21:79〜101、1999)において、主要な2種類の癌であるSCCおよび腺癌のどちらにおいても、局所的リンパ節は、腫瘍(例えば、洞組織球増殖症、リンパ球枯渇、およびしばしば(IL−2により)腫瘍細胞と反応可能な腫瘍関連リンパ球の存在)に関連する異常を反映する。転移により、リンパ球枯渇および機能低下が発生する。10人のH&NSCC患者および10人の正常対照者における非病変部である頸部リンパ節についての公表された分析(Meneses、2003)によれば、平均リンパ節サイズの低減およびH&NSCCに関連する洞組織球増殖症の増加を示した(本出願の図1〜図4AおよびBを参照)。
【0075】
上記NCMプロトコルによる治療を1サイクル行った後(Hadden、1994;Meneses、1998;Barrera、2000)、上記非病変部である頸部リンパ節は、図1〜図4中に示す変化を示した。NCMで治療されていないH&NSCC患者の局所的リンパ節と比較して、これらの節は、サイズ、T細胞領域および密度において有意な増加と、胚中心数、洞組織球増殖症および鬱血の低減とを示した。治療を受けた患者のリンパ節は全て刺激を受けており、T細胞領域および密度の増加により、対照ノードよりも大きかった。よって、これらのノードは通常まで回復しただけではなく、T細胞の優勢の証拠も示した。これは、H&NSCCにおける生存率との正相関である(Hadden、1997)。
【0076】
重要なことに、B細胞領域およびT細胞領域に関連するリンパ節の変化をT細胞浸潤およびB細胞浸潤を反映するその腫瘍の変化と相関付けた場合、T細胞(p.<0.01)およびB細胞(<0.01)ならびに総体的なリンパ球の存在(p.<0.001)について、高い相関が得られた(図5)。次にこれらの変化を、病理学的基準および臨床基準に基づいて腫瘍低減と相関付けた。これらの発見が示しているのは、上記腫瘍反応がリンパ節変化と直接的かつ正方向に相関しており、かつ、上記腫瘍反応が上記リンパ節変化を従変数として反映するということである。これらの発見を、免疫系の一般的な機能様態に関する知識(Roitt I、1989)と、その後のサイトカイン遺伝子との腫瘍トランスフェクション(Maass G、1995)と照らし合わせると、以下のことが分かる。すなわち、上記NCMプロトコルは、これらの患者に対し、上記リンパ節のレベルにおける未だ特定されていない腫瘍抗原まで免疫性を与える。今まで、自己腫瘍抗原による免疫付与を反映するリンパ節変化に関する証拠は提示されたことはなかった。これは、本発明により、これまで効果がないかまたは効果が低かった腫瘍抗原による免疫付与を、遠位転移の退縮が得られるように有効に行うことが可能であることを示す。
【0077】
〔実施例2〕
皮内皮膚試験の予後における役割:
我々は、以前は、NCMによる陰性皮内皮膚試験を受けた患者は、1人の患者に基づいて、低い臨床反応を示し得ると提案していた(Hadden、1994)。現在では、我々は、一連の皮膚試験陰性患者を蓄積し、また、これらの結果は、米国特許出願シリアル番号第11/374,783号に示すようなCY&INDOの組み合わせ(有意なNCMは無し)による治療において観察される反応と同様の反応を示すことも発見した。次に、10人の患者に対して、本発明のNCMによる陰性皮膚試験を行い(すなわち、上記NCMに対して無反応であり)、その後、上記の実施例1中に開示されるようなNCMならびにCYおよびINDOで治療した。これらの患者は低い総体的臨床反応を示したが、それでも、明確なCY+INDO治療の臨床効果(有意なリンパ球浸潤、予期しない腫瘍低減および断片化、および20%の生存率を含む(下記の表2を参照))を示した。
【0078】
重要なことに、これらの結果から、H&NSCC患者の生存率の向上に関連する強い臨床反応および病理反応を予測する上で陽性NCM皮膚試験が重要であることも分かった。さらに、陰性皮膚試験は、放射線治療を含むかまたは含まない手術に対して患者が反応しないことを予測する。他の試験ではこのような予測を立てることが不可能であったため、これは、驚くべき結果といえる。無反応の可能性があるという知識があれば、患者にとって、本質的に危険を伴う手順である手術および/または放射線治療が臨床予後の助けにならない可能性がある場合において、治療コースを決定する(すなわち、このような手術を受けるか否かを決定する)際の助けとなる。よって、上記NCM皮膚試験を有用に用いて、H&NSCC患者における治療成果を予測することができる。以前は、ジニトロクロロベンゼン(DNCB)による皮膚検査は、H&NSCCにおける予後有意性を示したが、感作を伴う煩雑な手順に起因して、臨床での使用は停止されている。それとは対照的に、上記NCM皮膚試験では、便利な24時間の試験が可能である。
【0079】
興味深いことに、我々の研究における患者は、2つのグループに分けることができた。1つのグループ(表2のB)において、反応は特に低く、生存者はゼロだった。他方のグループ、(表2のA)において、これらの患者の結果は、NCM(およびCYおよびINDO)での治療後、陰性NCM試験結果から陽性NCM皮膚試験へと転換し、オンプロトコル患者と同様の臨床反応および病理反応ならびに生存率を示した。
【0080】
これらの患者のうち1人は、手術不可能と考えられた腫瘍を持っていたが、陰性試験結果から陽性試験結果へと転じ、NCMでの2回目の治療後、腫瘍の臨床低減、病理反応の向上および手術後の生存率の増加(>7年)を示した。よって、皮膚試験陰性患者をNCMで前治療することにより、反応率を増加させることができる。NCMおよびサイモシンαが機能することも予測される(米国公開出願第20030124136号を参照)。陰性のNCM皮膚試験は単球機能不全を反映するため、天然または組換え形態の単球活性化サイトカインでの治療は、単独でも組み合わせても有用であることが予測される。これらは、GM−CSF、G−CSF、IFN−γ、IL−1、IL−6、IL−8、IL−12などを含む(ただし、これらに限定されない)。陰性NCM皮膚試験と関連する単球細胞機能不全を正すためのNCMの使用に関連するデータについては、以下の実施例5を参照されたい。
【0081】
【表2】

【0082】
〔実施例3〕
上記NCM皮膚試験は、手術を含むかまたは含まないNCM治療±放射線治療に対する反応を予測するだけでなく、癌患者の総体的生存率、再発までの期間および余命も予測する。
【0083】
54人のH&NSCC患者を、NCM(IRX−2)を低投薬量で用いた組み合わせ免疫療法で治療した。治療は、Haddenらにより1994年および2003年に記載されたように、先ず頭蓋底に注射をした後、低投薬量のシクロホスファミド(CY、300mg/M)を注射し、インドメタシン(25mg tid)および亜鉛(Stress Tabs(登録商標)として)を毎日経口投与した。手術可能なH&NSCCを持つステージII−IVの32人のオンプロトコル患者を手術前に21日間の治療で治療し、指示された箇所に対し、手術後にさらなる放射線治療を行った。これらの患者は、0.1mlのNCM(IRX−2)の皮内投薬(11−20単位のIL−2等量を含む)に対して陽性の皮膚試験結果を示し、試験を受けた箇所についても、0.1mlのPHAの皮内投薬(0.05μg〜0.5μg)に対して陽性の皮膚試験結果を示した。IRX−2での陰性皮膚試験に起因して、さらに16人の患者がオフプロトコルであり、5つの場合において、再発性であり、進行性でありかつ手術不可能な疾病が示された。これらの患者のうち4人がNCM(IRX−2)による陽性皮膚試験結果へと転じ、よって、皮膚試験が陽性である患者であるとみなされる。さらに6人の患者がNCM(IRX−2)による皮膚試験が陽性であったが、再発性の手術不可能な疾病に起因してオンプロトコルではなかった。従って、これらの患者グループは、以下のような結果となった。

1. 32人のオンプロトコル患者
2. 12人の皮膚試験が陰性のオフプロトコル患者
3. 10人の皮膚試験が陽性のオフプロトコル患者

これらの患者を、臨床反応について、(手術する場合)手術時においてまたは(複数サイクルのNCM(IRX−2)で治療した場合)最大反応時において免疫療法と比較した。また、24ヶ月後における生存率についても比較した。50%よりも高い腫瘍収縮が発生した場合、高臨床反応であるとみなし、50%よりも低い腫瘍収縮(MR/NR)が発生した場合、臨床反応が低いかまたは無反応であるとみなした。
【0084】
結果
上記32人のオンプロトコル患者のうち、13人(42%)が高反応を示した。上記陽性のNCM(IRX−2)皮膚試験を示す10人のオフプロトコル患者のうち、7人(70%)が高反応を示した。上記陰性のNCM(IRX−2)皮膚試験を示す12人のオフプロトコル患者のうち、0人(0%)が高反応を示した。後者の2つのグループを比較するカイ二乗分析は有意である(p<0.0005)。よって、陰性のNCM皮膚試験は、免疫療法による治療に対する高反応の欠如を予測する。陽性の皮膚試験は、高臨床反応を支持するが、保証はしない。
【0085】
これらの3つのグループについての生存率に関する結果を図6中に示す。上記オンプロトコル皮膚試験グループの24ヶ月後における総体的生存率は78.97%であった。この生存率は、同一施設で手術±放射線治療(NCM(IRX−2)レジメンは無し)で治療されたサイトおよびステージが対応する対照の総体的生存率である50%よりも高い。皮膚試験が陽性のオフプロトコル患者は、中程度であった(すなわち、これらの患者のうち6人は再発性の疾病を示した)。皮膚試験が陰性の患者は、無病生存率がその他の2つのグループよりも短く、全員が死亡し、平均生存率もその他の2つのグループよりも低かった(p<0.01)。上記皮膚試験は、患者の将来の治療成果を予測するだけでなく、治療初年度においてまもなく死亡する患者を選択する(図11を参照)。1年または2年にわたって患者の皮膚試験結果が陰性である場合、生存可能性は低くなる。治療開始時のみにおいて皮膚試験結果が陰性である場合、生存可能性は高くなる。従って、陰性の皮膚試験結果が得られた時期に基づいて、治療を患者に合わせてオーダーメードすることができる。よって、陰性の皮膚試験結果の存在により、免疫療法の生存率への効果の欠如だけではなく、生存率への手術±放射線治療(RT)の効果の欠如も予測される。
【0086】
手術±RTの成果を予測するためのこれまでの努力において、以下が重要であることが提案された。すなわち、元々の腫瘍のサイズ、リンパ節侵襲、被膜外浸潤、遠位転移、栄養、および免疫状態である(Hadden、1995を参照)。さらに、どんな臨床的発見または試験においても、上記NCM皮膚試験が行うような様態で臨床不全を発見できたものは無かった。明らかに、これらの患者にとってより強力な治療が必要であり、より詳細には、上記陰性NCM皮膚試験の結果である不全を逆転させるように設計されている治療が必要である。
【0087】
総体的に、23人の患者がPHAについて皮膚試験を受けた。皮膚試験が陽性の患者の64%(9/13)については2年よりも長い生存率が見られたが、皮膚試験が陰性の患者で2年よりも長い生存率が見られたのはたった20%だった(2/10)(カイ二乗p<0.01)。この組における3つの患者は上記PHA皮膚試験について陰性であり、NCMについて陽性であり、2年よりも長く生存したのは1人だけであった。
【0088】
上記PHA皮膚試験は、上記NCM皮膚試験よりも予測性は低いものの、予後推測のためのさらなる手段を提供する。PHAに対する反応は、NCM中にサイトカインを存在させるTリンパ球の刺激を反映し、これらのサイトカインの作用が単球を病変部内へと引き込む。これにより、過敏皮膚反応(例えば、ツベルクリン反応)を遅延させる。PHAは、診断用試験用途として米国において認可されていないが、これは、安全性または効果に問題があるのではなく、臨床用途にPHAを製造し、米国食品医薬品局(FDA)から要求されている研究を行っている企業が無いからである。Tリンパ球に対してマイトジェンとなる任意の薬剤がこの種類の皮膚試験反応を産生すると期待されている。代表例となるのは、抗CD3モノクローナル抗体であり、オルソクローン(登録商標)として臨床に利用可能であり、これについて実施例6においてさらに説明する。
【0089】
〔実施例4〕
予後のための本発明の他の利用
従来、H&NSCCにおける成果(陽性または陰性)についての予測ツールはほとんど無かった。すなわち、リンパ球数、1gEおよび1gAレベルまたは栄養が提案され、上記したようにDNCB皮膚試験が用いられてきた。化学療法(5FU&シスプラチン)の場合、臨床反応が起こるのはほとんどの患者が手術を受ける前であり、生存時間および総体的生存率は実質的に影響を受けない。これらの例において提示されているデータが示しているのは、本発明の使用により、手術後に腫瘍が残留している患者における転移再発が遅延され、また、臨床反応の大きさおよび腫瘍への免疫攻撃の強さ(これは、腫瘍低減、断片化およびリンパ球浸潤の計量によって評価される)に関連する様式で生存率を高めることである。これらの観察結果は、さらに生存率を高めるための本発明の重要な改変を示している。
【0090】
深刻な免疫不全の患者の場合
リンパ球数が少なく、NCM皮膚試験結果が弱いかまたはゼロであり、洞組織球増殖症であり、かつ/または病理反応が乏しい患者の場合、NCMによる再治療および免疫反応のモニタリングが提示される。
【0091】
臨床反応が低いかまたはゼロの患者の場合
これらの患者の場合、転移再発リスクが高いため、論理的には、本発明のNCMによる術後治療から恩恵を受ける。上記患者において観察される腫瘍拒否反応のために現在利用可能な試験が無い場合、3つの試験(個々または集合的に米国特許第6,482,389号に記載)を用いたフォローアップ検査を用いれば、本発明のNCMによる再治療の頻度を決定する際に有用である。
【0092】
再発性の疾病を持つ患者の場合
本発明のNCMによる再治療を受けた患者における2つの完全反応など、有意な反応が観察された。この結果は、天然および組換えIL−2を用いた場合の以前の結果(すなわち、このような患者が再治療に反応を示さなかった結果)とは対照的である。従って、本発明は、患者における疾病再発を治療する際に有用である。
【0093】
〔実施例5〕
陰性NCM皮膚試験によって特徴付けられる単球機能不全の修正
皮内皮膚試験の予後における役割について、上記実施例2および実施例3において概要を示した。そのデータが示しているのは、陰性のNCM皮膚試験結果(すなわち、増殖T細胞反応の欠如)は単球不全を示すということである。出願人は、NCM、INDOおよびCYによる治療を用いれば、何人かの患者のこの不全が逆転し、臨床反応および病理組織反応および生存率が増加したことを示した。当時、出願人は、上記薬剤のうちのどれが単球不全の逆転を可能にしたのか知らなかった。本明細書中、出願人は、上記6つのサイトカインIL−1、IL−2、IL−6、IL−8、IFN−γおよびTNF−αを含むNCMは、(CYまたはINDO投与は無しで)単独で投与された場合、単球/マクロファージの強力な活性剤となることを示すデータを提示する。
【0094】
より詳細には、X−VIVO10メディア(BioWhittaker Bioproducts)内において接着PBMCを一晩成長させ、NCM(IRX−2)によって(1:3最終濃度)24時間刺激し、多様な活性化マーカー(典型的には、フローサイトメトリーによって活性化されたマクロファージ上に見られるもの)の発現を分析した。対照として、NCMを含まないメディア中で細胞を24時間インキュベートした。図7Aおよび図7Bに示すように、NCMによる細胞の治療とサイトカイン無しの治療とを比較した結果、陽性に染色された細胞のパーセンテージの統計的増加(図7A)と、HLA−CR、CD86、CD40およびCD80(単球/マクロファージの全活性化マーカー(p<.03))の平均蛍光強度インデックス(MFI)の増加(図7B)とが得られた。図7Aおよび図7B中に示されるデータは、3つの独立した実験/ドナーからの平均値+/−SEMを示す。
【0095】
さらに、本発明のNCMは、TNF−αよりも高い程度まで単球を活性化させることが分かった。より詳細には、NCM(lRX−2)(最終濃度は1:3、およそ1ng/ml TNF−α)またはTNF−α(10ng/ml)のいずれかで接着PBMCを刺激し、フローサイトメトリーにより活性化マーカーの発現を分析した。図8に示すように、NCMは、TNF−αよりも高いHLA−DR、CD86、CD40およびCD80の発現を統計的に誘発した(p<.03)。図8中に示すデータは、3つの独立した実験/ドナーからの平均値+/−SEMを示す。
【0096】
同様に、中程度のLPSの投薬(活性化は起こすが最大ではない)を用いて行われた研究においても、NCMは比較的強い活性剤であることが分かった。より詳細には、NCM(IRX−2)(最終濃度は1:3)またはLPS(10ng/ml)のいずれかによってIL−10(5ng/ml)の不在または存在下で接着PBMCをを刺激し、フローサイトメトリーにより活性化マーカーを分析した。図9に示すように、NCMは、LPSよりも高い、単球/マクロファージ成熟マーカーHLA−DR、CD86およびCD40の発現増加を示した。さらに、上記免疫抑制サイトカインIL−10の存在下において、上記NCMは単球を刺激できたのに対し、LPSは単球を刺激できなかった(p<.02)。図9中に示すデータは、3つの独立した実験/ドナーからの平均値+/−SEMを示す。
【0097】
最後に、単球は活性化信号に反応してTNF−αを分泌することが知られているが、この分泌は、単球/マクロファージによる腫瘍細胞の非特異的殺細胞に関連する。図10に示すデータが示しているのは、本発明のNCMがTNF−αの単球からの産生を刺激し、IL−10の免疫抑制効果を解消するということである。より詳細には、接着PBMCは、IL−10(5ng/ml)の不在または存在下においてNCM(IRX−2)(最終濃度は1:3)またはLPS(10ng/ml)のいずれかによって刺激され、細胞内染色およびフローサイトメトリーによりTNF−α産生を分析した。図10に示すように、NCMは、LPSまたは対照よりも高いレベルのTNF−αの産生増加を示した。IL−10が存在する場合、NCMは、TNF−αを産生するように単球を刺激することができ、一方LPSの場合は不可能であった(p<.05)。図10中に示すデータは、5つの独立した実験/ドナーからの平均値+/−SEMを示す。
【0098】
単球のNCMに対する反応に関するこれらの観察結果は、ユニークなものであり、以前は見られなかったものである。上記NCMによるIL−10効果の逆転は、公知の腫瘍誘発性不全の逆転を示す。従って、NCM治療は、CD4+Tregを産生するIL−10に起因する公知の腫瘍誘発性不全を逆転させることができる。NCMが単独で単球/マクロファージの強力な活性剤として機能することが判明したため、NCM治療を単独で用いることで癌患者(例えば、陰性のNCM皮膚試験結果を有する患者)の1つ以上の単球機能不全特性の修正が可能であるという主張が支持される。
【0099】
〔実施例6〕
ムロモナブ−CD3(オルソクローンOKT−3(登録商標))による皮膚試験
3人の健常なヒト患者を、0.1mlの抗CD3モノクローナル抗体オルソクローンOKT−3(登録商標)による皮内皮膚試験によって試験した。抗CD3モノクローナル抗体オルソクローンOKT−3(登録商標)は、低投薬量における培養下でT細胞マイトジェンとなり、インビボで高投薬量においてT細胞抑制剤(すなわち、免疫抑制薬剤)となることが知られている。皮膚試験は、1、10、および100ngのオルソクローンOKT−3(登録商標)によって行い、24時間後に読み取った。およそ1cmの紅斑および硬結と共に、1回以上の投薬に対する陽性反応が観察された。これは、フィトヘムアグルチニン(PHA)以外のT細胞刺激剤によって陽性の皮膚試験結果を発生させ、T細胞反応および輸出性肢部活性化を反映することができることを示す、初めての実証である。これらのデータから、全てのT細胞マイトジェンがこの反応を持ち、細胞性免疫系のための新規診断用試験として有用であることが予測される。
【0100】
本出願中、米国特許を含む多様な公開文献を著者、年度および特許番号によって参照している。これらの公開文献の詳細な引用情報を以下に羅列する。本発明が関連する分野の最新技術をより詳細に説明するために、これらの公開文献の開示内容およびその特許全体を参考のため本出願中援用する。
【0101】
本発明について例示的に説明してきたが、専門用語は説明のため使用したものであり、限定のためではないことが理解される。
【0102】
明らかなことではあるが、上記教示内容に照らして、本発明の多くの改変および変更が可能である。従って、本発明の範囲内において、具体的に説明された様式以外の様式でも本発明が実施可能であることが理解される。
【0103】
参照文献
米国特許番号
4, 116,951
4,353,821
4,390,623
4,439,196
4,447,224
4,447,233
4,464,355
4,466,918
4,470,926
4,475,196
4,486,194
4,487,603
4,612,365
4,910,296
4,925,678
4,959,217
5,100,664
5,167,616
5, 169,383
5,225,182
5,503,841
5,632,983
5,643,565
5,698,194
5,800,810
6,060,068
【0104】
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療成果を予測するための診断用皮膚試験であって、効果的な量の天然サイトカイン混合物(NCM)から実質的になる、診断用皮膚試験。
【請求項2】
前記NCMは、サイトカインIL−1、IL−2、IL−6、IL−8、IFN−γおよびTNF−αを含む、請求項1に記載の診断用皮膚試験。
【請求項3】
前記NCMは、サイトカインIL−12、GM−CSFおよびG−CSFをさらに含む、請求項2に記載の診断用皮膚試験。
【請求項4】
前記サイトカインは、組換えサイトカイン、天然サイトカインまたはペグサイトカインからなる群から選択される、請求項3に記載の診断用皮膚試験。
【請求項5】
前記NCMは4〜50単位のIL−2を含む、請求項4に記載の診断用皮膚試験。
【請求項6】
前記NCMは、薬学的に受入可能なキャリア中に設けられる、請求項1に記載の診断用皮膚試験。
【請求項7】
効果的な量の天然サイトカイン混合物(NCM)から実質的になる皮膚試験を行うためのキット。
【請求項8】
前記NCMは、サイトカインIL−1、IL−2、IL−6、IL−8、IFN−YおよびTNF−αを含む、請求項7に記載のキット。
【請求項9】
前記NCMは、サイトカインIL−12、GM−CSF、およびG−CSFをさらに含む、請求項8に記載のキット。
【請求項10】
前記サイトカインは、組換えサイトカイン、天然サイトカインまたはペグサイトカインからなる群から選択される、請求項9に記載のキット。
【請求項11】
前記NCMは4〜50単位のIL−2を含む、請求項10に記載のキット。
【請求項12】
前記NCMは、薬学的に受入可能なキャリア中に設けられる、請求項7に記載のキット。
【請求項13】
患者に対して皮膚試験を行う方法であって、効果的な量の天然サイトカイン混合物(NCM)を皮膚に投与する工程と、前記皮膚試験の結果を分析する工程と、治療成果を予測する工程とから実質的になる、方法。
【請求項14】
前記NCMは4〜50単位のIL−2を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記患者は癌患者である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記投与工程は、前記NCMを皮内投与する工程を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記分析工程は、投与後6〜48時間後に前記試験を読み取る工程を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記分析工程は、投与後24時間後に前記試験を読み取る工程としてさらに規定される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記予測する工程は、前記患者の総体的生存率、免疫療法に対する反応、手術に対する反応、放射線治療に対する反応、再発までの期間および余命からなる群から選択される治療成果を予測する工程としてさらに規定される、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記皮膚試験に対する陰性反応は、陰性の治療成果を予測する、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記皮膚試験に対する陰性反応は、単球機能における少なくとも1つの不全を予測する、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記皮膚試験に対する陽性反応は、陽性の治療成果を予測する、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
効果的な量のムロモナブ−CD3のTリンパ球マイトジェンから実質的になる、治療成果を予測するための診断用皮膚試験。
【請求項24】
0.1〜100ngのムロモナブ−CD3を含む、請求項23に記載の診断用皮膚試験。
【請求項25】
前記ムロモナブ−CD3は、薬学的に受入可能なキャリア中に設けられる、請求項23に記載の診断用皮膚試験。
【請求項26】
効果的な量のムロモナブ−CD3のTリンパ球マイトジェンから実質的になる、皮膚試験を行うためのキット。
【請求項27】
0.1〜100ngのムロモナブ−CD3を含む、請求項26に記載のキット。
【請求項28】
前記ムロモナブ−CD3は、薬学的に受入可能なキャリア中に設けられる、請求項27に記載のキット。
【請求項29】
患者に対して皮膚試験を行う方法であって、効果的な量のムロモナブ−CD3のTリンパ球マイトジェンを皮膚に投与する工程と、前記皮膚試験の結果を分析する工程と、治療成果を予測する工程とから実質的になる、方法。
【請求項30】
0.1〜100ngのムロモナブ−CD3を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記患者は癌患者である、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記投与工程は、前記ムロモナブ−CD3を皮内投与する工程を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記分析工程は、投与後6〜48時間後に前記試験を読み取る工程を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記分析工程は、投与後24時間後に前記試験を読み取る工程としてさらに規定される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記予測工程は、前記患者の総体的生存率、免疫療法に対する反応、手術に対する反応、放射線治療に対する反応、再発までの期間および余命からなる群から選択される治療成果を予測する工程としてさらに規定される、請求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記皮膚試験に対する陰性反応は、陰性の治療成果を予測する、請求項29に記載の方法。
【請求項37】
前記皮膚試験に対する陰性反応は、Tリンパ球機能における少なくとも1つの不全を予測する、請求項29に記載の方法。
【請求項38】
前記皮膚試験に対する陽性反応は、陽性の治療成果を予測する、請求項29に記載の方法。
【請求項39】
単球機能における不全を検出する方法であって、効果的な量の天然サイトカイン混合物(NCM)を皮膚に投与する工程と、前記皮膚試験の結果を分析する工程と、単球機能中の少なくとも1つの不全を検出する工程とを含む、方法。
【請求項40】
Tリンパ球機能中の不全を検出する方法であって、効果的な量のムロモナブ−CD3のTリンパ球マイトジェンを皮膚に投与する工程と、前記皮膚試験の結果を分析する工程と、単球機能中の少なくとも1つの不全を検出する工程とを含む、方法。
【請求項41】
免疫系の機能している輸出性肢部を示す手段であって、効果的な量の天然サイトカイン混合物(NCM)を含む診断用皮膚試験から実質的になる、手段。
【請求項42】
免疫系の機能している求心性肢部を示す手段であって、効果的な量のムロモナブ−CD3のTリンパ球マイトジェンを含む診断用皮膚試験から実質的になる、手段。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2010−519222(P2010−519222A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550149(P2009−550149)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【国際出願番号】PCT/US2008/054070
【国際公開番号】WO2008/101154
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(505401687)アイ アール エックス セーラピューティクス, インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】