説明

免疫系疾患を治療するための修飾されたオリゴ−β−(1,3)−グルカン類の使用、オリゴ−β−(1,3)−グルカン−(1,3)−マンノース、オリゴ−β−(1,3)−グルカン−(1,3)−マンニトール及びこれらの誘導体、それらの調製方法ならびにそれらを含む薬剤

本発明は、腫瘍、癌、ウィルス性疾患、細菌性疾患、真菌性疾患、免疫系疾患、自己免疫疾患、またはヒト及び温血動物における免疫刺激欠損に関連する疾患を含む群から選択される疾患を治療する薬剤を調製するための、少なくとも1つの式(I)または(II)の化合物(式中、R1はHであり、nは2〜10の整数である)の使用に関する。本発明は、マンノースまたはマンニトール末端部を有する新規化合物、ならびにそれらの調製方法にも関連する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫系の刺激に基づいた治療に有用な薬剤を調製するための、下記式(I)または(II)の修飾されたオリゴ-β-(1,3)-グルカン類の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
天然物であるグルカン類については長年研究されてきており、いくつかのグルカン類の免疫刺激機構が知られている。しかしながら、天然由来のすべてのグルカン類が活性を有しているわけではない。
【0003】
本出願人は、具体的には国際公開第03/045414号(特許文献1)において、褐藻Laminaria digitataから単離された多糖のラミナリン(Laminarine)が免疫刺激作用を有していることを示した。ラミナリンは、20から30のグルコース単位が6位で若干枝分かれしており、末端側終端にグルコース部分(G鎖)もしくはマンニトール部分(M鎖)のいずれか一方を有している、直鎖状のβ-(1,3)-グルカン主鎖から成る低分子量の多糖である。
【0004】
ラミナリンの免疫刺激作用については認められているが、それらを治療目的に使用するための主たる問題点は、ラミナリンが天然物であることにある。実際に、ラミナリンの組成物の供給は安定的なものではなく、具体的には、いつどこで収穫されるかなどに依存している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第03/045414号
【特許文献2】仏国特許第2804694号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Jamois, F.; Ferrieres, V.; Guegan, J.-P.; Yvin, J.-C.; Plusquellec, D.; Vetvicka, V. Glycobiology 2005年, 15巻, 393〜407ページ
【非特許文献2】Blattner, R.; Furneaux, R. H.; Pakulski, Z. Carbohydr. Res. 2006年, 341巻, 2115〜2125ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それ故に、ラミナリンの治療特性を有する合成生成物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、とりわけラミナリンに存在するMグループのオリゴ糖に注目した。これらのオリゴ糖類は、グルカンの末端部分の1位炭素とマンニトールの第1の炭素との間にβ-配置の結合を有していることが文献で知られており、下記式で表すことができる。
【化1】

【0009】
本発明者は、分子の特性が完全であり、かつ構造が完全に解明されている分子をとりわけ医薬業界に提供するためにそれらの分子を合成し、それによって天然物を医薬品として使用することにより生じる問題を回避することを模索してきた。
【0010】
驚くことにかつ意外にも、本発明者は、末端グルコース部分の1位炭素と、マンノースもしくはマンニトールの末端部分の第2の炭素との間にβ結合を有する、下記式(I)または(II)のオリゴ糖類が免疫刺激活性を有することを見出した。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例8の結果を示す図である。
【図2】本発明の実施例9の結果を示す図である。
【図3】本発明の実施例10の結果を示す図である。
【図4】本発明の実施例11の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の第1の実施の態様は、式(I)または(II)の少なくとも1つの修飾されたオリゴ-β-(1,3)-グルカンの使用に関連し、
【化2】

式中、R1はHまたはOHであり、nは2〜10の整数であり、好ましくは2〜7であり、さらに好ましくは3、4、または5であり、
腫瘍、癌、ウィルス性疾患、細菌性疾患、真菌性疾患、免疫系疾患、自己免疫疾患、またはヒト及び温血動物における免疫刺激欠損に関連する疾患を含む群から選択される疾患を治療する組成物の調製に使用される。式(I)または(II)の化合物の活性は、マクロファージの表面における、それらの化合物に特異的であるレセプターの存在、より一般的には白血球の異なる個体群の存在に関係している。この活性は、生物の免疫担当細胞の刺激によるものであり、
・NK細胞、Tリンパ球、及び転写因子NF-κB(nuclear factor κB)の活性化;
・食作用活性;
・インターロイキン(IT)、TNF-α、或いはインターフェロンγなどのサイトカインの分泌;
・スーパーオキシドアニオンまたは過酸化水素などの活性酸素種の生成;
により測定される。
【0013】
有利には、式(II)の化合物においてR1がOHのとき、末端基はマンニトールである。
【0014】
数多くのグルカン類の相互作用機構について幅広く説明されてきたが、多くの場合、相反する結果が示されてきており、どのグルカンが最適な免疫調整剤であるかどうか推測するのが極めて困難である。官能基または構造の修飾と相関する効果については、まったく予想がついていない。
【0015】
本発明によると、本発明において使用される組成物は、静脈、腹腔内、経口経路を介して患者に投与することができる。
【0016】
式(I’)、(II’)の化合物の投薬量は、治療する病状及び採用する投薬方法に応じて変わる。投与量は、一般に1日あたり体重の25〜70IU/kg、より好ましくは、1日あたり体重の35〜45IU/kgである。
【0017】
経口経路により投与される有用な薬剤は、タブレット、顆粒、シロップ、ゼラチンカプセル、ゲルである。
【0018】
他の実施形態によると、本発明において使用される組成物は、化学療法剤をさらに含んでもよい。
【0019】
化学療法剤は、シスプラチン、ビンブラスチン、パクリタキセル、タキソール及びその誘導体、とりわけRituximab及びCituximabなどのモノクローナル抗体を含む群から選択される。
【0020】
本発明によると、組成物が化学療法剤及び/または増強剤を含むとき、順次使用してもよい。すなわち、式(I)または(II)の化合物はある時点で投与され、化学療法剤は、任意に増強剤とともにその他の時点で投与される。
【0021】
本発明は、新規化合物である上記式(I)及び(II)のいくつかの誘導体にも関連している。これら新規化合物は、オリゴ-β-(1,3)-グルカン-(1,3)-マンノース及びオリゴ-β-(1,3)-グルカン-(1,3)-マンニトール、ならびにそれらの4-デオキシ誘導体であり、それぞれ一般式(I’)または一般式(II’)を有しており、
【化3】

式中、R1はHまたはOHであり、nは2〜10の整数であり、好ましくは2〜7であり、さらに好ましくは3、4、または5である。
【0022】
さらに具体的には、それらの化合物は以下の化合物である:
β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-(α,β)-D-マンノピラノース;
β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-マンノピラノース;
β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4-デオキシ-(α,β)-D-デオキシ-マンノピラノース;
β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-マンニトール;
β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4-デオキシ-マンニトール;
β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-マンニトール;
β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4-デオキシ-(α,β)-D-マンノピラノース;
β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4-デオキシ-マンニトール。
【0023】
それら新規化合物は、医薬化合物として有用である。
【0024】
それ故に、本発明の実施態様は、それら新規化合物、及び採用する投与手段及び投薬量に応じて選択される賦形剤を少なくとも1種含む薬剤でもある。
【0025】
それらの薬剤は、経口経路、静脈経路、または腹腔内経路を介する投与を対象とした薬剤であってよい。
【0026】
式(I’)、(II’)の化合物の投薬量は、治療する病状及び採用する投薬方法に応じて変わる。投与量は、一般に1日あたり体重の25〜70IU/kg、より好ましくは1日あたり体重の35〜45IU/kgである。
【0027】
経口経路より投与される有用な薬剤は、タブレット、顆粒、シロップ、ゼラチンカプセル、ゲルである。
【0028】
それらの薬剤は、シスプラチン、ビンブラスチン、パクリタキセル、タキソール及びその誘導体、とりわけRituximab及びCituximabなどのモノクローナル抗体を含む群から選択される化学療法剤を少なくとも1種含んでもよい。
【0029】
具体的には、これらの化合物は免疫調節剤として有用である。
【0030】
本発明に係る他の実施態様は、腫瘍、癌、ウィルス性疾患、細菌性疾患、真菌性疾患、免疫系疾患、自己免疫疾患、またはヒト及び温血動物における免疫刺激欠損に関連する疾患を含む群から選択される疾患を治療するための、少なくとも1つの式(I’)または(II’)の化合物の使用に関連する。
【0031】
それらの化合物は、第2級水酸基のうちの1つがβ配置の結合により、グルカン部分がマンニトール残基と結合していることから独特な構造を有している。R1が-OH基である式(I’)及び(II’)の分子の存在は、Laminaria digitaにおいて確認された。調製方法については何ら記載されていない。
【0032】
式(I’)または(II’)で表される新規化合物の化学的調製方法は、主にD-グルコース型還元末端のD-マンノース型残基へのエピメリ化(epimerization;立体選択的還元)に基づいている。この方法は、オリゴ糖のその他のグルコース単位について還元体の単離、及び還元体のヒドロキシ体を還元体のその他の基との単離が含まれる。ここで、反復合成及び末端部のエピメリ化による合成の2つの異なる反応経路が提案される。
【0033】
第1の実施形態によれば、新規化合物の調製方法は、下記式(D)のグリコシルドナーと、下記式(A)のグリコシルアクセプターとの反応を含んでいる。
【化4】

[式中、
mは、1〜9の整数であり、好ましくは1〜6であり、さらに好ましくは2、3または4であり;
pは、0〜9の整数であり、好ましくは0〜6であり、さらに好ましくは2、3または4であり;
Rは、エチル、メチル、プロピルもしくはブチルなどのアルキル、またはフェニルもしくはトリルなどのアリールを表し;
R2は、アリル、メチルナフチル、ベンジル、パラメトキシベンジル、ハロゲノアセチル(クロロアセチル、ブロモアセチル、ヨードアセチル)を表し;
一方でR3及びR4、他方でR3’及びR4’は、それらが結合してエチリジル、イソプロピリジル、ヘキサフルオロイソプロピリジル、シクロペンチリジル、シクロヘキシリジル、シクロヘプチリジル、ブチリジル、1-t-ブチルエチリジル、ベンジリジル、メトキシベンジリジル、1-フェニルベンジリジル基を形成し、或いはR3、R4、R3’及びR4’は、それぞれ独立して、ベンジル、クロロベンジル、ニトロベンジル、アリル、トリアリールメチル、トリアルキルシリル(例えば、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t-ブチルジメチルシリル)、エステル(例えば、アセチル、クロロアセチル、ベンゾイル、ビバロイル)を表し;
R5は、H、レブリノイル、アセチル、クロロアセチル、フルオレニルメチルオキシカルボニル、或いはトリアルキルシリル(例えば、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t-ブチルジメチルシリル)を表し、好ましくはレブリノイル基であり;
但し、R3、R4、R3’、R4’のいずれもがR5と同一ではない。]
【0034】
本明細書中において、以下の略語が使用される:
Bn:ベンジル; NAP:2-メチルナフチル; Bz:ベンゾイル; X:ハロゲン; SEt:エチルチオ-; Ac:アセチル; Lev:レブリノイル。
【0035】
有利には、式(A)の化合物は、
【化5】

である。
【0036】
有利には、式(D)の化合物は、
【化6】

である。
【0037】
この方法の工程を反復合成に含んでもよく、前記工程は、糖鎖を伸長した後に合成されたオリゴマーに存在するその他すべての基と直交する保護基を2位に含む第1のアクセプターの使用を必要とする点で、仏国特許第2804694号明細書(特許文献2)に記載の手法とは異なり、それによって位置選択的なエピメリ化を可能にしている。
【0038】
上記反復合成を、以下に示す反応経路(反応経路1)に従って説明する。
【化7】

【0039】
上記反応経路1は、以下の工程を含む:
・仏国特許第2804694号明細書(特許文献2)で得られる化合物1の-SEt基が-OBn基と置換された化合物2の調製[a’];
・2位の-OBz基を-OR5基で置換し[a]、R5は好ましくはレブリノイルであり、3位のヒドロキシ基の選択的脱保護[b];
・ドナー1とアクセプター4との間の反応[c]或いはグリコシル化;
・任意に3位のヒドロキシ基における選択的脱保護、及び化合物1と化合物6との間のグリコシル化であり、これら二つの工程は望ましい数nのグルコース単位が得られるまで繰り返し行われてよい;
・レブリノイル(Lev)基の選択的脱保護[e];この脱保護はAcOH中、NH2NH2を用いて有利に実行される;
・酸化[f]、好ましくはDess-Martinペルヨージナンを用いた酸化;
・エピメリ化還元[g];有利にはL-Selectrideを用いた還元;
・すべてのエステル基の脱保護[h]、有利にはMeONa/MeOHによる脱保護;
・すべての加水素分解可能な基の脱保護、有利にはH2及びPd(OAc)2による脱保護;
・任意にマンノースを対応するマンニトールへの還元[j]、有利にはMeOH中、NaBH4による還元。
【0040】
以下に記載されるように、より短工程な反応経路による合成を構築することも可能である(反応経路2)。
【0041】
この反応経路において、ドナーDは二糖またはそれ以上のオリゴ糖であり、そのドナーDは、反応経路1において化合物6として得られる二糖またはそれ以上のオリゴ糖(三糖、四糖、五糖)であるアクセプターAと反応される。
【0042】
【化8】

【0043】
この第2の反応経路において、R’は好ましくはAc、Bzまたはピバロイルであり、R5はLevである。
【0044】
この第2の反応経路は、以下の工程を含む:
・仏国特許第2804694号明細書(特許文献2)で得られる二糖のグリコシルドナー(20)と、第1の反応経路に従って調製されるグリコシルアクセプターとの間の反応[a’’]であり、有利にはTMSOTf(トリフルオロメタンスルホン酸)存在下での反応;
・レブリノイル(Lev)基の選択的脱保護であり[b’’]、有利にはAcOH中、NH2NH2により選択的に脱保護される;
・酸化[c’’]、有利にはDess-Martinペルヨージナンを用いた酸化;
・エピメリ化還元[d’’]、有利にはL-Selectrideを用いた立体選択的還元;
・すべての保護基の脱保護、有利にはMeONa/MeOHにより脱保護した後、H2,Pd(OAc)2を用いた反応により脱保護される。
【0045】
第2の実施形態によると、新規化合物を調製する方法は、末端部の2位におけるエピメリ化の工程を含む。この合成ルートにより4位において脱酸素化された化合物を得ることも可能である。
【0046】
反応経路3は、下記の実施例を示す。
【化9】

【0047】
反応経路3において、R7はエステル、具体的にはアセチル、ベンゾイル、ピバロイル、好ましくはBzであり、R8はその他すべての保護基と直交する基であり、Bn、NAP、p-メトキシベンジル、p-メトキシフェニル、アリルであり、好ましくはBnであり、Xは好ましくは臭素である。
【0048】
この第3の反応経路は、以下の工程を含む:
・すべてのOH基の保護反応[A]、好ましくは、保護基はBzであり、反応はピリジン中BzClを用いて行われる;
・選択的ハロゲン化[B]、有利にはAcOH中、HBrを用いてブロム化される;
・脱離反応[C]、有利にはDBU(ジアザビシクロウンデセン)による脱離;
・付加反応[D]、有利にはMeOH中、N-ブロモスクシンイミドによる付加;
・末端糖のアノマー位の置換及び4位の保護されたヒドロキシ基の脱離[E]、有利にはベンジルアルコール、及びナフタレンメタノール、p-メトキシベンジルアルコール、p-メトキシフェノール、アリルアルコールを含むその他のアルコール中、Ph3POまたはトリフルオロメタンスルホン酸銀などのルイス酸を用いた反応;
・エピメリ化還元[F]、有利にはL-Selectrideを用いた還元;
・R7保護基の選択的脱保護[G]、有利にはMeONa/MeOHによる脱保護;
・R8保護基の選択的脱保護[H]であり、その基が加水素分解可能であるとき、有利にはH2 Pd(OAc)2により脱保護される;
・デオキシマンノースからデオキシマンニトールへの還元[I]、有利にはEtOH/H2O中、NaBH4による還元。
【0049】
上記の方法において用いられた合成中間体は新規化合物である。従って、本発明の対象には、式(III)、(IV)、(V)及び(VI)の化合物も含まれる。
【化10】

[式中、
pは、0〜9の整数であり、好ましくは0〜6であり、さらに好ましくは2、3、4であり;
R2は、水素、アリル、メチルナフチル、ベンジル、パラメトキシベンジル、ハロゲノアセチル(クロロアセチル、ブロモアセチル、ヨードアセチル)を表し;
一方でR3及びR4、他方でR3’及びR4’は、それらが結合してエチリジル、イソプロピリジル、ヘキサフルオロイソプロピリジル、シクロペンチリジル、シクロヘキシリジル、シクロヘプチリジル、ブチリジル、1-t-ブチルエチリジル、ベンジリジル、メトキシベンジリジル、1-フェニルベンジリジル基を形成し、
或いはR3、R4、R3’及びR4’は、それぞれ独立して、ベンジル、クロロベンジル、ニトロベンジル、アリル、トリアリールメチル、トリアルキルシリル(例えば、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t-ブチルジメチルシリル)、エステル(例えば、アセチル、クロロアセチル、ベンゾイル、ビバロイル)を表し;
R5は、H、レブリノイル、アセチル、クロロアセチル、フルオレニルメチルオキシカルボニル、トリアルキルシリル(例えば、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t-ブチルジメチルシリル)基を表し、好ましくはレブリノイル基であり;
但し、R3、R4、R3’、R4’のいずれもがR5とは同一ではなく;
R7は、エステル、具体的にはアセチル、ベンゾイル、ピバロイルを表し、好ましくはBzであり;
R8は、Bn、NAP、p-メトキシベンジル、p-メトキシフェニル、アリルから選択される、その他すべての保護基と直交する基であり、R8は好ましくはBnを表し;
R9は、OR8またはXを表す。]
【0050】
式(III)の化合物は、上記定義のとおりアクセプター化合物Aである。
【0051】
本発明は、以下の残りの説明、及び特に限定されないが、有利な実施形態に対応する実施例により理解されるであろう。
【0052】
[実施例]
実施例1〜7は本発明に係る生成物の合成方法を示し、実施例8〜11は本発明に係る化合物の生物活性を示している。
【0053】
実施例1:反応スキーム1に従った、β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-(α,β)-D-マンノピラノース(生成物A1)の調製
生成物1及び2を、仏国特許第2 804 684号明細書(特許文献2)及びJamois, F.; Ferrieres, V.; Guegan, J.-P.; Yvin, J.-C.; Plusquellec, D.; Vetvicka, V. Glycobiology 2005, 15, 393-407(非特許文献1)に記載の方法に従って調製する。
【0054】
[a] ベンジル 4,6-O-ベンジリデン-3-O-(2-メチルナフチル)-2-O-レブリノイル-β-D-グルコピラノシド(生成物3)の調製
【化11】

化合物2(1g、2.006mmol)を50mlの塩化メチレンに溶解して溶液とし、DMAP(50mg、4.093mmol)、レブリン酸(250μl、2.441mmol)及びDCC(500mg、2.423mmol)を添加した。室温で5時間撹拌した後、DCCを濾過により除去し、次いで得られた濾液を50mlの塩化メチレンに溶解し、10%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥かつ濃縮した後、化合物はシリカゲルカラム[石油エーテル/酢酸エチル(3:1; v/v)]で精製することにより、目的化合物3を定量的(1.2g)に得た。
生成物3:白色固体;MP:133(℃);Rf (EP/AcOEt, 3:1):0.4;[α]D20 -37.4 (c=1.0, CH2Cl2)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 7.83-7.74 (m, 4H, 芳香族H); 7.53-7.28 (m, 13H, 芳香族H); 5.61 (s, 1H, H7); 5.01 (d, 1H, H9, JH9-H9’ = 12.4 Hz); 4.87 (d, 1H, H9’); 4.86 (d, 1H, H8, JH8-H8’ = 12.4 Hz); 4.60 (d, 1H, H8’); 2.58 (t, 2H, H12, JH11-H12 = 6.6 Hz); 2.44 (t, 2H, H11); 2.09 (s, 3H, H14) 及び表1a。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 206.2 (C13); 171.3 (C10); 137.1, 136.9, 135.6, 133.1, 132.9 (5C, 第四級芳香族C); 129.0, 128.4, 128.3, 128.2, 128.0, 127.9, 127.8, 127.7, 127.6, 126.8, 126.1, 126.0, 125.8 (芳香族C); 101.3 (C7); 74.1 (C9); 70.7 (C8); 37.7 (C12); 29.8 (C14); 27.8 (C11) 及び表1b。
元素分析(C36H36O8):理論値:C = 72.47%, H = 6.08%;実測値:C = 72.05%, H = 6.12%。
HRMS (ESI+): [M+Na]+ C36H36NaO8:理論m/z値:619.2308、実測m/z値:619.2308;[M+K]+ C36H36KO8:理論m/z値:635.2047、実測m/z値: 635.2050。
【0055】
[b] ベンジル 4,6-O-ベンジリデン-2-O-レブリノイル-β-D-グルコピラノシド(生成物4)の調製
【化12】

室温で、単糖3(1.1g、1.844mmol)及び2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(DDQ)(810mg、3.568mmol)を50mlの塩化メチレン/メタノール混合溶媒(4:1; v/v)に溶解した。5時間反応させた後、反応混合物を50mlの塩化メチレンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回洗浄した。有機層を乾燥(MgSO4)、濃縮した後、残渣をシリカゲルカラム[石油エーテル/酢酸エチル(3:1; v/v)]で精製する。これによって、690mgの目的化合物4を収率82%で得た。
生成物4:白色固体;MP:122(℃);Rf (EP/AcOEt, 3:1):0.2;[α]D20 -62.2 (c=1.0, CH2Cl2)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 7.50-7.48 (m, 2H, 芳香族H); 7.38-7.28 (m, 8H, 芳香族H); 5.55 (s, 1H, H7); 4.89 (d, 1H, H8, JH8-H8’ = 12.3Hz); 4.62 (d, 1H, H8’); 3.05 (s, 1H, OH3); 2.79-2.73 (m, 2H, H11); 2.59-2.51 (m, 2H, H10); 2.09 (s, 3H, H14); 2.16 (s, 3H, H13) 及び表1a。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 207.1 (C12); 172.0 (C9); 136.9 (2C, 第四級芳香族C); 129.2, 128.4, 128.3, 127.9, 127.7, 126.3 (芳香族C); 101.9 (C7); 70.8 (C8); 38.1 (C11); 29.8 (C13); 28.0 (C10) 及び表1b。
元素分析(C25H28O8):理論値:C = 65.78%, H = 6.18%;実測値:C = 66.04%, H = 6.23%。
HRMS (ESI+): [M+Na]+ C25H28NaO8:理論m/z値:479.1682、実測m/z値:479.1682;[M+K]+ C25H28KO8:理論m/z値:495.1421、実測m/z値:495.1395。
【0056】
[c] ベンジル 2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-3-O-(2-メチルナフチル)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4,6-O-ベンジリデン-2-O-レブリノイル-β-D-グルコピラノシド(生成物5)の調製
【化13】

モレキュラーシーブス4Å存在下、フラスコ中-60℃において、ドナー1(1.73g、3.108mmol)及びアクセプター4(1.29g、2.826mmol)を無水塩化メチレンに溶解した。続いて、N-ヨードスクシンイミド(NIS)(763mg、3.390mmol)及びトリメチルシリルトリフラート(50μl、0.283mmol)を反応混合物に添加した。3時間反応させた後、反応混合物をトリエチルアミンで中和し、濾過し、次いで濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー[トルエン/酢酸エチル(9:1; v/v)]で精製することにより、2.51gの目的化合物5を収率94%で得た。
生成物5:白色固体;MP:178〜179(℃);Rf (EP/AcOEt, 3:1):0.2;[α]D20 -21.0 (c=1.0, CH2Cl2)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 7.90-7.86 (m, 2H, 芳香族H); 7.70-7.67 (m, 1H, 芳香族H); 7.60-7.21 (m, 24H, 芳香族H); 5.53 (s, 1H, H7b); 5.28 (s, 1H, H7a); 4.94 (d, 1H, H8b, JH8b-H8’b = 12.1 Hz); 4.84 (d, 1H, H8’b); 4.80 (d, 1H, H8a, JH8a-H8’a = 12.2 Hz); 4.52 (d, 1H, H8’a); 2.66-2.46 (m, 2H, H10a); 2.40-2.27 (m, 2H, H11a); 2.08 (s, 3H, H13a) 及び表1a。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 206.4 (C12a); 171.1 (C9a); 165.0 (OCOPh); 137.3, 137.0, 136.7, 135.3, 133.1, 133.0 (7C, 第四級芳香族C); 132.8, 129.7, 129.4, 128.9, 128.3, 128.2, 127.9, 127.8, 127.7, 127.5, 126.7, 126.1, 126.0, 125.8, 125.6 (芳香族C); 101.7 (C7b); 100.9 (C7a); 73.4 (C8b); 70.6 (C8a); 37.8 (C11a); 29.7 (C13a); 27.5 (C10a) 及び表2b。
元素分析(C56H54O14):理論値:C = 70.72%, H = 5.72%;実測値:C = 70.89%, H = 5.72%。
HRMS (ESI+): [M+Na]+ C56H54NaO14:理論m/z値:973.3411、実測m/z値:973.3412。
【0057】
[d] ベンジル 2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4,6-O-ベンジリデン-2-O-レブリノイル-β-D-グルコピラノシド(生成物6)の調製
2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(DDQ)(820mg、3.600mmol)を、化合物5(1.71g、1.800mmol)の塩化メチレン/メタノール混合(4:1; v/v)溶液に添加した。16時間反応させた後、反応混合物を塩化メチレンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び水で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO4)、濃縮し、シリカゲルカラム[石油エーテル/酢酸エチル(2:1; v/v)]で精製することにより目的生成物6(1.325g、収率=91%)を得た。
生成物6:白色固体;MP:214(℃);Rf (EP/AcOEt, 2:1):0.3;[α]D20 -43.0 (c=1.0, CH2Cl2)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 8.06-8.01 (m, 2H, 芳香族H); 7.63-7.23 (m, 19H, 芳香族H); 5.57 (s, 1H, H7b); 5.31 (s, 1H, H7a); 4.83 (d, 1H, H8a, JH8a-H8’a = 12.2 Hz); 4.55 (d, 1H, H8’a); 2.72 (s, 1H, OH3b); 2.65-2.49 (m, 2H, H10a); 2.37-2.25 (m, 2H, H11a); 2.12 (s, 3H, H13a)及び表2a。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 206.4 (C12a); 171.1 (C9a); 165.7 (OCOPh); 137.0, 136.9, 136.7 (3C, 第四級芳香族C); 133.3, 129.8 (芳香族C); 129.5 (第四級芳香族C); 129.3, 129.1, 128.4, 128.3, 128.2, 128.1, 127.8, 127.6, 126.2, 126.0 (芳香族C); 101.6 (C7b); 101.5 (C7a); 70.6 (C8a); 37.7 (C11a); 29.7 (C13a); 27.5 (C10a) 及び表2b。
元素分析(C45H46O14):理論値:C = 66.66%, H = 5.72%;実測値:C = 66.53%, H = 5.80%。
HRMS (ESI+): [M+Na]+ C45H46NaO14:理論m/z値:833.2785、実測m/z値:833.2785;[M+K]+ C45H46KO14:理論m/z値:849.2525、実測m/z値:849.2530。
【0058】
[c] ベンジル 2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-3-O-(2-メチルナフチル)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4,6-O-ベンジリデン-2-O-レブリノイル-β-D-グルコピラノシド(生成物7)の調製
モレキュラーシーブス4Å存在下、フラスコ中-80℃において、ドナー1(226 mg, 0.406 mmol)及びアクセプター6(300mg、0.370mmol)を無水塩化メチレンに溶解した。続いて、N-ヨードスクシンイミド(100mg、0.444mmol)及びトリメチルシリルトリフラート(6.7μl、0.037mmol)を反応混合物に添加した。2時間反応させた後、反応を終了し、反応混合物をトリエチルアミンで中和し、濾過し、次いで濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー[トルエン/酢酸エチル(9:1; v/v)]で精製することにより、328mgの目的とする三糖体7を収率68%で得た。
生成物7:白色固体;MP:115(℃);Rf (EP/AcOEt, 2:1):0.5;[α]D20 +4.7 (c=1.0, CH2Cl2)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 7.95-7.86 (m, 4H, 芳香族H); 7.70-7.13 (m, 33H, 芳香族H); 5.51 (s, 1H, H7); 5.43 (s, 1H, H7); 4.94 (d, 1H, H8c, JH8c-H8’c = 12.2 Hz); 4.83 (d, 1H, H8’c); 4.78 (d, 1H, H8a, JH8a-H8’a = 12.4 Hz); 4.50 (s, 1H, H7); 4.49 (d, 1H, H8’a); 2.69-2.47 (m, 2H, H10a); 2.40-2.21 (m, 2H, H11a); 1.95 (s, 3H, H13a) 及び表3a。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 206.6 (C12a); 171.1 (C9a); 165.0, 164.8 (2C, OCOPh); 137.3, 137.1, 137.0, 135.4 (第四級芳香族C); 133.3, 133.1 (芳香族C); 133.0, 132.8 (第四級芳香族C); 129.8, 129.7 (芳香族C); 129.4 (第四級芳香族C); 129.4, 128.9, 128.7, 128.6, 128.3, 128.2, 128.1, 127.9, 127.8, 127.7, 127.6, 127.5, 126.6, 126.4, 126.1, 126.0, 125.7, 125.6 (芳香族C); 102.1 (C7); 101.1 (C7); 100.9 (C7); 73.8 (C8c); 70.4 (C8a); 37.7 (C11a); 29.3 (C13a); 27.6 (C10a) 及び表3b。
元素分析(C76H72O20):理論値:C = 69.93%, H = 5.56%;実測値:C = 69.89%, H = 5.63%。
HRMS (ESI+): [M+Na]+ C76H72NaO20:理論m/z値:1327.4515、実測m/z値:1327.4522;[M+K]+ C76H72KO20:理論m/z値:1343.4254、実測m/z値:1343.4206。
【0059】
[e] ベンジル 2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-3-O-(2-メチルナフチル)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4,6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシド(生成物12)の調製
ヒドラジンの1Mピリジン/酢酸混合(3:2, v/v)溶液7.6mlを、三糖体7(500mg、0.383mmol)のピリジン(7.6ml)溶液中に滴下した。3時間攪拌した後、2.1mlの2,4-ペンタンジオンを添加することにより反応を終了し、反応液を減圧下で濃縮した。続いて、残渣を50mlの塩化メチレンに溶解し、10%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。乾燥(MgSO4)及び濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー[石油エーテル/酢酸エチル(2:1; v/v)]で精製することにより、377mgの化合物12を収率82%で得た。
生成物12:白色固体;MP:136(℃);Rf (EP/AcOEt, 2:1):0.5;[α]D20 +13.4 (c=1.0, CH2Cl2)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 7.94-7.90 (m, 4H, 芳香族H); 7.68-7.66 (m, 1H, 芳香族H); 7.58-7.19 (m, 32H, 芳香族H); 5.54 (s, 1H, H7); 5.52 (s, 1H, H7); 4.95 (d, 1H, H8c, JH8c-H8’c = 12.4 Hz); 4.88 (d, 1H, H8a, JH8a-H8’a = 11.6 Hz); 4.83 (d, 1H, H8’c); 4.77 (s, 1H, H7); 4.53 (d, 1H, H8’a) 及び表3a。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 165.1, 164.7 (2C, OCOPh); 137.3, 137.2, 136.9, 135.3, 133.0, 132.8, 129.2 (8C, 第四級芳香族C); 133.4, 133.0, 129.8, 129.7, 129.3 (芳香族C); 129.2 (第四級芳香族C); 129.0, 128.7, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.0, 127.9, 127.8, 127.5, 126.7, 126.4, 126.1, 126.0, 125.7, 125.6 (芳香族C); 102.0 (C7); 101.2 (C7); 100.5 (C7); 73.8 (C8c); 71.2 (C8a) 及び表3b。
元素分析(C71H66O18):理論値:C = 70.64%, H = 5.51%;実測値:C = 70.49%, H = 5.54%。
HRMS (ESI+):[M+Na]+ C71H66NaO18:理論m/z値:1229.4147、実測m/z値:1229.4149;[M+K]+ C71H66KO18:理論m/z値:1245.3886、実測m/z値:1245.3944;[M-H+2Na]+ C71H65Na2O18:理論m/z値:1251.3966、実測m/z値:1251.4040。
【0060】
[f] ベンジル 2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-3-O-(2-メチルナフチル)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4,6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノース-2-ウロシド(生成物15a)及び
ベンジル 2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-3-O-(2-メチルナフチル)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4,6-O-ベンジリデン-2-C-ヒドロキシ-β-D-グルコピラノシド(生成物15b)の調製
DMSO/酢酸混合溶媒(2:1, v/v)9mlを脱保護された化合物12(330mg、0.273mmol)に添加した。室温で48時間攪拌した後、反応混合物を50mlの塩化メチレンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び水で洗浄した。濃縮及びトルエン共沸を行った後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー[石油エーテル/酢酸エチル(3:1; v/v)]で精製することにより180mgの酸化生成物15a及びその水付加体15bを2:1の混合物として得た。
生成物15a:白色固体;Rf (EP/AcOEt, 2:1):0.3。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 7.95-7.91 (m, 4H, 芳香族H); 7.67-7.60 (m, 1H, 芳香族H); 7.57-7.10 (m, 32H, 芳香族H); 5.53 (s, 1H, H7); 5.41 (s, 1H, H7); 5.40 (dd, 1H, H2c, JH1c-H2c = 7.8 Hz, JH2c-H3c = 8.4 Hz); 5.32 (d, 1H, H1c); 5.27 (dd, 1H, H2b, JH1b-H2b = 2.4 Hz, JH2b-H3b = 1.6 Hz); 5.19 (d, 1H, H1b); 4.94 (d, 1H, H8c, JH8c-H8'c = 11.7 Hz); 4.82 (d, 1H, H8'c); 4.82 (d, 1H, H8a, JH8a-H8'a = 12.0 Hz); 4.64 (s, 1H, H1a); 4.61 (d, 1H, H8'a); 4.42 (s, 1H, H7); 4.35 (d, 1H, H3a, JH3a-H4a = 10.4 Hz); 4.35 (t, 1H, H6a, JH5a-H6a = JH6a-H6'a = 5.5 Hz); 4.28 (dd, 1H, H6c, JH5c-H6c = 4.9 Hz, JH6c-H6'c = 10.4 Hz); 4.24 (dd, 1H, H4b, JH3b-H4b = 7.5 Hz, JH4b-H5b = 10.6 Hz); 4.11 (dd, 1H, H6b, JH5b-H6b = 4.8 Hz, JH6b-H6'b = 10.2 Hz); 4.01 (dd, 1H, H3b); 3.95 (t, 1H, H3c, JH3c-H4c = 8.4 Hz); 3.91 (t, 1H, H4c, JH4c-H5c = 8.4 Hz); 3.77 (t, 1H, H6'c, JH5c-H6'c = 10.4 Hz); 3.72 (ddd, 1H, H5b, JH5b-H6'b = 10.2 Hz); 3.63 (ddd, 1H, H5c); 3.56 (t, 1H, H6'a, JH5a-H6'a = 5.5 Hz); 3.55 (dt, 1H, H5a, JH4a-H5a = 9.0 Hz); 3.41 (t, 1H, H6'b); 2.98 (dd, 1H, H4a)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 165.2, 165.0 (2C, OCOPh); 137.3, 137.2, 136.8, 135.9, 135.4 (第四級芳香族C); 133.5, 133.3 (芳香族C); 133.0, 132.8 (第四級芳香族C); 129.8, 129.7, 129.3, 129.2 (芳香族C); 129.0 (第四級芳香族C); 129.0, 128.9, 128.7, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.9, 127.8, 127.5, 126.7, 126.4, 126.2, 126.1, 126.0, 125.7, 125.6 (芳香族C); 101.6 (C7); 101.2 (C7); 100.6 (C7); 98.6 (C1a); 97.6 (C1c); 96.1 (C1b); 81.6 (C4c); 79.9 (C4a); 78.1 (C3c); 77.4 (C4b); 75.9 (C3a); 75.8 (C3b); 73.9 (C8c); 73.1 (C2c); 71.8 (C2b); 70.3 (C8a); 68.9 (C6b); 68.7 (C6c); 68.3 (C6a); 66.4 (C5a); 66.2 (C5c); 64.9 (C5b)。
HRMS (ESI+): [M+Na]+ C71H64NaO18:理論m/z値:1227.3990、実測m/z値:1227.3988;[M+Na+CH3OH]+ C72H68NaO19:理論m/z値:1259.4252、実測m/z値:1259.4245。
生成物15b:
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 5.24 (d, 1H, H3a, JH3a-H4a = 2.9 Hz); 4.30 (s, 1H, H1a)に特徴的なシグナルを有する。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 100.4 (C1a); 93.4 (C2a)に特徴的なシグナルを有する。
【0061】
[g] ベンジル 2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-3-O-(2-メチルナフチル)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4,6-O-ベンジリデン-β-D-マンノピラノシド(生成物18)の調製
酸化化合物15a/15b(180mg、0.149mmol)を塩化メチレン/THF混合溶媒(1:1, v/v)に溶解させ、-78℃でL-Selectride(1M THF溶液;150μl、0.150mmol)を添加した。-78℃で45分間経過後、反応が終了したと判断し、反応液に数滴の酢酸を添加することにより中和した。反応液を室温まで昇温させた後、30mlの塩化メチレンを添加し、有機層を10%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、そして最後に飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。乾燥(MgSO4)及び有機層の濃縮により、180mgの目的とする還元されたマンノシド化合物18を得た。
生成物18:白色固体;MP:180(℃);Rf (EP/AcOEt, 2:1):0.2;[α]D20 -4.4 (c=1.0, CH2Cl2)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 7.85-7.83 (m, 2H, 芳香族H); 7.73-7.67 (m, 3H, 芳香族H); 7.62-7.17 (m, 32H, 芳香族H); 5.50 (s, 1H, H7); 5.42 (s, 1H, H7); 5.21 (s, 1H, H7); 4.90 (d, 1H, H8c, JH8c-H8’c = 12.4 Hz); 4.87 (d, 1H, H8a, JH8a-H8’a = 12.2 Hz); 4.80 (d, 1H, H8’c); 4.59 (d, 1H, H8’a) 及び表3’a。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 164.8, 164.8 (2C, OCOPh); 137.2, 137.1, 136.5, 135.2 (第四級芳香族C); 133.2 (芳香族C); 132.9, 132.8 (第四級芳香族C); 132.8, 129.7, 129.6 (芳香族C); 129.4, 129.1 (第四級芳香族C); 129.0, 128.9, 128.7, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.8, 127.5, 126.7, 126.4, 126.3, 126.1, 126.0, 125.7, 125.6 (芳香族C); 101.5 (C7); 101.1 (2 C, C7); 73.5 (C8c); 70.4 (C8a) 及び表3’b。
【0062】
[h] ベンジル 4,6-O-ベンジリデン-3-O-(2-メチルナフチル)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4,6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4,6-O-ベンジリデン-β-D-マンノピラノシド(生成物19)の調製
化合物18(170mg、0.141mmol)を15mlのメタノール/塩化メチレン混合溶媒(2:1、v/v)に溶解させ、2当量のナトリウムメチラート(0.1M MeOH溶液;3ml、0.300mmol)を添加した。室温で6時間攪拌した後、反応液をAmberlite IR120-H+樹脂の添加により中和し、濾過した後、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー[塩化メチレン/メタノール(99:1; v/v)]後、化合物19を収率72%(126mg)で得た。
生成物19:白色固体;MP:>230(℃);Rf (CH2Cl2/MeOH, 97:3):0.4;[α]D20 -43.5 (c=1.0, CH2Cl2)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 7.70-7.19 (m, 27H, 芳香族H); 5.47 (s, 1H, H7); 5.44 (s, 1H, H7); 5.42 (s, 1H, H7); 4.96 (d, 1H, H8c, JH8c-H8’c = 12.0 Hz); 4.88 (d, 1H, H8’c); 4.84 (d, 1H, H8a, JH8a-H8’a = 11.9 Hz); 4.56 (d, 1H, H8’a) 及び表3’a。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 137.1, 137.0, 136.9, 136.2, 135.8, 133.1, 132.8 (7C, 第四級芳香族C); 129.0, 128.9, 128.8, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.9, 127.8, 127.6, 127.5, 127.4, 126.8, 126.5, 126.2, 126.1, 126.0, 125.9, 125.8, 125.7 (芳香族C); 101.6 (C7); 101.2 (C7); 100.7 (C7); 74.4 (C8c); 70.7 (C8a) 及び表3’b。
HRMS (ESI+): [M+Na]+ C57H58NaO16:理論m/z値:1021.3623、実測m/z値:1021.3624;[M+K]+ C57H58KO16:理論m/z値:1037.3362、実測m/z値:1037.3370;[M-H+2Na]+ C57H57Na2O16:理論m/z値:1043.3442、実測m/z値:1043.3463。
【0063】
[i] β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-(α,β)-D-マンノピラノース(生成物A1)
三糖体18(90mg、0.090mmol)、次いで酢酸パラジウム(60mg、0.267mmol)を10mlの酢酸エチル/メタノール/塩化メチレン混合溶媒(2:2:1; v/v/v)に溶解した。続いて、水素雰囲気下において室温で7日間反応混合物を激しく攪拌した。セライトで濾過した後、ヒドロ‐有機層を塩化メチレンで抽出し、次いで無水エタノールで共沸を行うことにより乾燥することで、定量的に脱保護された化合物(45mg、0.090mmol)を得た。続いて、得られた化合物25mgをSephadex G-10ゲルによる排除クロマトグラフィー(溶離液:水)により精製し、画分を凍結乾燥することで、白色フォーム状物質として目的生成物を得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 5.13 (d, 1H, H1aα, JH1a-H2a =1.8 Hz); 4.67 (d, 1H, H1c, JH1c-H2c =7.7 Hz); 4.53 (d, 1H, H1b, JH1b-H2b = 8.0 Hz); 4.03 (dd, 1H, H2a, JH2a-H3a = 3.1 Hz); 3.96 (dd, 1H, H3a, JH3a-H4a = 9.5 Hz); 3.90-3.80 (m, 3H, H6a, H6b, H6c); 3.80-3.73 (m, 1H, H4a); 3,72-3.55 (m, 5H, H5a, H6'a, H3b, H6'b, H6'c); 3.53-3.36 (m, 5H, H2b, H64b, H5b, H3c, H5c); 3.32 (t, 1H, H4c, JH3c-H4c = JH4c-H5c = 9.7 Hz); 3.27 (dd, 1H, H2c, JH2c-H3c = 9.3 Hz)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 103.1 (C1c); 100.5 (C1b); 94.1 (C1aα); 84.5 (C3b); 78.5 (C3a); 76.3 (C5c); 75.9 (2C, C3c, C5b); 75.8 (C2c); 73.1 (C2b); 72.7 (C4a); 69.9 (C4c); 68.6 (C2a); 68.4 (C4b); 65.5 (C5a); 61.2, 61.0 (3C, C6a, C6b, C6c)。
HRMS (ESI+): [M+Na]+ C18H32NaO16:理論m/z値:527.1588、実測m/z値:527.1587;[M+K]+ C18H32KO16:理論m/z値:543.1327、実測m/z値:m/z: 543.1343。
【0064】
実施例2:種々の中間体の合成
【0065】
【化14】

【0066】
2.1/ベンジル 2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4,6-O-ベンジリデン-2-O-レブリノイル-β-D-グルコピラノシド(生成物8)
【化15】

2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(176mg、0.774mmol)を、三糖化合物7(337mg、0.258mmol)の塩化メチレン/メタノール混合(4:1; v/v)溶液に添加した。室温で16時間反応させた後、反応を終了し、反応混合物を塩化メチレンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで水で洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥させ、濃縮し、シリカゲル[石油エーテル/酢酸エチル(2:1; v/v)]で精製することにより目的生成物8(185mg、収率72%)を得た。
生成物8:白色固体;Rf (EP/AcOEt, 2:1):0.2。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 8.01-7.95 (m, 2H, 芳香族H); 7.90-7.84 (m, 2H, 芳香族H); 7.53-7.18 (m, 24H, 芳香族H); 7.15-7.09 (m, 2H, 芳香族H); 5.39 (s, 1H, H7); 5.37 (s, 1H, H7); 4.74 (d, 1H, H8a, JH8a-H8’a = 12.2 Hz); 4.47 (s, 1H, H7); 4.45 (d, 1H, H8’a); 2.66 (s, 1H, OH3c); 2.66-2.44 (m, 2H, H10a); 2.36-2.20 (m, 2H, H11a); 1.91 (s, 3H, H13a) 及び表3a。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 206.1 (C12a); 171.1 (C9a); 165.7, 164.8 (2C, OCOPh); 137.3, 137.0, 136.9, 133.5, 133.2 (6C, 第四級芳香族C); 129.9, 129.7, 129.5, 129.4, 129.2, 128.7, 128.4, 128.3, 128.2, 127.9, 127.8, 127.7, 127.6, 126.4, 126.2, 126.0 (芳香族C); 102.1, 101.7, 100.4 (3C, C7); 70.4 (C8a); 37.7 (C11a); 29.3 (C13a); 27.7 (C10a) 及び表3b。
【0067】
2.2/ベンジル 2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-3-O-(2-メチルナフチル)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4,6-O-ベンジリデン-2-O-レブリノイル-β-D-グルコピラノシド(生成物9)
【化16】

モレキュラーシーブス4Å存在下、フラスコ中0℃において、ドナー1(26mg、0.047mmol)及び三糖体アクセプター8(50mg、0.043mmol)を無水塩化メチレンに溶解した。N-ヨードスクシンイミド(NIS)(50mg、0.051mmol)及びトリメチルシリルトリフラート(0.65μl、0.004mmol)を添加した後、混合物を30分間激しく攪拌した。反応が終了した後、反応混合物をトリエチルアミンで中和し、濾過し、次いで濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[トルエン/酢酸エチル(2:1; v/v)]で精製することにより、目的とする四糖体9を24mg、収率34%で得た。
生成物9:白色固体;MP:138(℃);Rf (EP/AcOEt, 2:1):0.3;[α]D20 +8.4 (c=1.0, CH2Cl2)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 7.94-7.74 (m, 6H, 芳香族H); 7.58-7.17 (m, 41H, 芳香族H); 5.48 (s, 1H, H7); 5.44 (s, 1H, H7); 5.33 (dd, 1H, H2d, JH1d-H2d = 6.9 Hz, JH2d-H3d = 8.2 Hz); 5.21 (t, 1H, H2c, JH1c-H2c = JH2c-H3c = 5.8 Hz); 5.06 (d, 1H, H1c); 4.97 (d, 1H, H1b, JH1b-H2b = 5.8 Hz); 4.96 (d, 1H, H1d); 4.96 (s, 1H, H7); 4.90 (d, 1H, H8d, JH8d-H8'd = 12.4 Hz); 4.82 (t, 1H, H2b, JH2b-H3b = 5.8 Hz); 4.80 (d, 1H, H8'd); 4.79 (d, 1H, H8a, JH8a-H8'a = 12.4 Hz); 4.68 (dd, 1H, H2a, JH1a-H2a = 8.0 Hz, JH2a-H3a = 8.6 Hz); 4.63 (s, 1H, H7); 4.51 (d, 1H, H8'a); 4.35 (d, 1H, H1a); 4.31 (dd, 1H, H6a, JH5a-H6a = 4.9 Hz, JH6a-H6'a = 10.6 Hz); 4.21 (dd, 1H, H6d, JH5d-H6d = 4.9 Hz, JH6d-H6'd = 10.4 Hz); 4.16 (dd, 1H, H6c, JH5c-H6c = 5.6 Hz, JH6c-H6'c = 10.4 Hz); 4.11 (dd, 1H, H6b, JH5b-H6b = 5.3 Hz, JH6b-H6'b = 9.1 Hz); 4.08 (dd, 1H, H3c, JH3c-H4c = 8.8 Hz); 4.01 (dd, 1H, H3b, JH3b-H4b = 8.4 Hz); 3.98 (t, 1H, H4c, JH4c-H5c = 8.8 Hz); 3.90 (dd, 1H, H4d, JH3d-H4d = 8.2 Hz, JH4d-H5d = 9.1 Hz); 3.90 (dd, 1H, H3a, JH3a-H4a = 9.1 Hz); 3.82 (t, 1H, H3d); 3.73 (t, 1H, H6'd, JH5d-H6'd = 10.4 Hz); 3.67 (t, 1H, H6'a, JH5a-H6'a = 10.6 Hz); 3.62-3.58 (m, 2H, H5c, H6'c); 3.61 (dd, 1H, H4b, JH4b-H5b = 9.1 Hz); 3.50 (t, 1H, H6'b, JH5b-H6'b = 9.1 Hz); 3.48 (dt, 1H, H5b); 3.44 (ddd, 1H, H5d); 3.34 (ddd, 1H, H5a, JH4a-H5a = 9.1 Hz); 3.16 (t, 1H, H4a); 2.64-2.50 (m, 2H, H10a); 2.36-2.21 (m, 2H, H11a); 2.00 (s, 3H, H13a)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 206.0 (C12a); 171.1 (C9a); 164.9, 164.8, 164.5 (3C, OCOPh); 137.3, 137.1, 136.9, 135.3 (第四級芳香族C); 133.3, 133.2 (芳香族C); 133.0, 132.8 (第四級芳香族C); 129.7 (芳香族C); 129.4 (第四級芳香族C);129.4, 128.9, 128.8, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.0, 127.9, 127.8, 127.7, 127.5, 126.6, 126.4, 126.2, 126.0, 125.9, 125.7, 125.6 (芳香族C); 102.0 (C7); 101.1 (C7); 100.8 (2C, C7); 99.7 (C1a); 99.3 (C1d); 97.8 (C1b); 96.8 (C1c); 81.1 (C4d); 78.8 (C4a); 78.5 (C4c); 78.1 (C3d); 77.4 (C4b); 77.2 (C3c); 74.3 (2C, C3a, C3b); 73.6 (2C, C8d, C2a); 73.4 (C2d); 73.2 (C2b); 72.8 (C2c); 70.5 (C8a); 68.7 (3C, C6b, C6c, C6d); 68.5 (C6a); 66.3 (C5a); 65.9 (C5d); 65.7 (C5c); 65.3 (C5b); 37.7 (C11a); 29.5 (C13a); 27.6 (C10a)。
元素分析(C96H90O26): 理論値:C = 69.47%、H = 5.47%;実測値:C = 69.57%、H = 5.58%。
HRMS (ESI+): [M+Na]+ C96H90NaO26:理論m/z値:1681.5618、実測m/z値:1681.5619;[M+K]+ C96H90KO26:理論m/z値:1697.5357、実測m/z値:1697.5398。
【0068】
2.3/ベンジル 4,6-O-ベンジリデン-3-O-(2-メチルナフチル)-β-D-グルコピラノシド(生成物10)
【化17】

化合物3(5g、8.296mmol)の無水メタノール(150ml)溶液にナトリウム(0.7g、30.435mmol)を添加した。出発物質が完全に消失するまで50℃で混合物を攪拌した。続いて、反応混合物を冷却し、化学量論量の酢酸を添加することで中和し、濃縮した。残渣を次いで塩化メチレン(250ml)に溶解し、50mlの水で3回抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、次いで濃縮した。シリカゲル[石油エーテル/酢酸エチル(3:1; v/v)]で精製することにより、脱ベンゾイル化された化合物10を3.7g、収率83%で得ることができた。
生成物10:白色固体;MP:148(℃); Rf (EP/AcOEt, 3:1):0.7;[α]D20 -48.1 (c=1.0, CH2Cl2)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 7.86-7.80 (m, 2H, 芳香族H); 7.78-7.72 (m, 1H, 芳香族H); 7.52-7.30 (m, 14H, 芳香族H); 5.60 (s, 1H, H7); 5.10 (d, 1H, H9, JH9-H9’ = 12.0 Hz); 4.98 (d, 1H, H9’); 4.94 (d, 1H, H8, JH8-H8’ = 11.8 Hz); 4.65 (d, 1H, H8’); 2.46 (s, 1H, OH) 及び表1a。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 137.2, 136.8, 135.7, 133.2, 133.0 (5C, 第四級芳香族C); 129.0, 128.5, 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.9, 127.6, 126.8, 126.2, 126.1, 126.0, 125.9, 125.8, 125.4, 125.1 (芳香族C); 101.4 (C7); 74.6 (C9); 71.4 (C8) 及び表1b。
元素分析(C31H30O6): 理論値:C = 74.68 %、H = 6.07 %;実測値:C = 74.76 %、H = 6.04 %。
HRMS (ESI+): [M+Na]+ C31H30NaO6:理論m/z値:521.1940、実測m/z値:521.1948;[M+K]+ C31H30KO6:理論m/z値:537.1679、実測m/z値:521.1999。
【0069】
2.4/ベンジル 2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-3-O-(2-メチルナフチル)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4,6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシド(生成物11)
【化18】

ヒドラジンの1Mピリジン/酢酸混合(3:2, v/v)溶液200μlを、二糖体5(11mg、0.011mmol)のピリジン(0.2ml)溶液に滴下した。1時間攪拌した後、50μlの2,4-ペンタンジオンを添加することにより反応を終了し、反応混合物を減圧下で濃縮した。続いて、残渣を20mlの塩化メチレンに溶解し、10%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥して溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[石油エーテル/酢酸エチル(2:1; v/v)]で精製することで、化合物11を6mg、収率61%で得た。
生成物11:白色固体;Rf (EP/AcOEt, 2:1):0.6。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 7.93-7.89 (m, 2H, 芳香族H); 7.70-7.23 (m, 25H, 芳香族H); 5.54 (s, 1H, H7b); 5.45 (s, 1H, H7a); 4.95 (d, 1H, H8b, JH8b-H8’b = 12.9 Hz); 4.86 (d, 1H, H8’b); 4.85 (d, 1H, H8a, JH8a-H8’a = 11.7 Hz); 4.56 (d, 1H, H8’a) 及び表2aと2b。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 165.5 (OCOPh); 137.2, 137.1, 136.7, 135.2, 133.1, 132.8 (7C, 第四級芳香族C); 133.0, 129.8, 129.7, 129.1, 129.0, 128.5, 128.4, 128.2, 128.0, 127.9, 127.8, 127.6, 126.9, 126.1, 126.0, 125.8, 125.7 (芳香族C); 102.0 (C7b); 101.3 (C7a); 74.0 (C8b); 71.3 (C8a) 及び表2c。
HRMS (ESI+):[M+Na]+ C51H48NaO12:理論m/z値:875.3044、実測m/z値:875.3040;[M+K]+ C51H48KO12:理論m/z値:891.2783、実測m/z値:891.2748。
【0070】
2.5/ベンジル 4,6-O-ベンジリデン-3-O-(2-メチルナフチル)-β-D-グルコピラノース-2-ウロシド(13a)及び
ベンジル 4,6-O-ベンジリデン-2-C-ヒドロキシ-3-O-(2-メチルナフチル)-β-D-グルコピラノシド(13b)
【化19】

化合物10(43.5mg、0.087mmol)を1mlのDMSO/無水酢酸混合溶媒(2:1; v/v)に溶解した。室温で20時間攪拌した後、反応混合物を50mlの酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO4)及び濃縮した後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー[石油エーテル/酢酸エチル(3:1; v/v)]で精製することで、目的化合物13a及び水付加体13bを5:1の混合物として33mg、収率76%で得た。
白色固体;Rf (EP/AcOEt, 3:1):0.3。
生成物13a:
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 7.75-7.66 (m, 3H, 芳香族H); 7.57-7.54 (m, 1H, 芳香族H); 7.43-7.20 (m, 13H, 芳香族H); 5.49 (s, 1H, H7); 5.03 (d, 1H, H9, JH9-H9’ = 12.7 Hz); 4.84 (d, 1H, H8, JH8-H8’ = 12.0 Hz); 4.80 (d, 1H, H9’); 4.72 (s, 1H, H1); 4.62 (d, 1H, H8’); 4.35 (dd, 1H, H6, JH5-H6 = 4.8 Hz, JH5-H6’ = 10.4 Hz); 4.13 (d, 1H, H3, JH3-H4 = 10.2 Hz); 3.90 (t, 1H, H4, JH4-H5 = 10.2 Hz); 3.77 (t, 1H, H6’, JH5-H6’ = 10.4 Hz); 3.58 (ddd, 1H, H5)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 196.7 (C2); 136.8, 135.9, 134.6, 133.1, 133.0 (5C, 第四級芳香族C); 129.2, 128.6, 128.3, 128.2, 128.1, 127.9, 127.6, 127.1, 126.7, 126.1, 126.0, 125.9, 125.7 (芳香族C); 101.2 (C7); 99.0 (C1); 82.0 (C4); 81.8 (C3); 73.1 (C9); 70.5 (C8); 68.5 (C6); 66.4 (C5)。
生成物13b:
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 7.75-7.66 (m, 3H, 芳香族H); 7.63-7.59 (m, 1H, 芳香族H); 7.43-7.20 (m, 13H, 芳香族H); 5.49 (s, 1H, H7); 4.97 (d, 1H, H9, JH9-H9’ = 11.9 Hz); 4.94 (d, 1H, H9’); 4.84 (d, 1H, H8, JH8-H8’ = 11.7 Hz); 4.58 (d, 1H, H8’); 4.38 (s, 1H, H1); 4.28 (dd, 1H, H6, JH5-H6 = 4.8 Hz, JH6-H6’ = 10.4 Hz); 3.84 (t, 1H, H4, JH3-H4 = JH4-H5 = 9.9 Hz); 3.80 (dd, 1H, H6’, JH5-H6’ = 9.7 Hz); 3.62 (d, 1H, H3); 3.34 (ddd, 1H, H5); 1.97, 1.95 (2s, 2H, OH2)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 136.9, 136.1, 134.8, 133.1, 133.0 (5C, 第四級芳香族C); 129.0, 128.6, 128.3, 128.2, 128.1, 127.9, 127.6, 127.1, 126.7, 126.2, 126.0, 125.9, 125.7 (芳香族C); 101.4 (C7); 100.5 (C1); 93.9 (C2); 79.9 (C4); 79.8 (C3); 74.9 (C9); 71.5 (C8); 68.5 (C6); 66.5 (C5)。
【0071】
2.6/ベンジル 2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-3-O-(2-メチルナフチル)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4,6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノース-2-ウロシド(生成物14a)及び
ベンジル 2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-3-O-(2-メチルナフチル)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4,6-O-ベンジリデン-2-C-ヒドロキシ-β-D-グルコピラノシド(生成物14b)
【化20】

化合物11(6mg、0.007mmol)を1mlのDMSO/無水酢酸混合溶媒(2:1; v/v)に溶解した。室温で20時間攪拌した後、反応混合物を50mlの酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO4)及び濃縮した後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー[石油エーテル/酢酸エチル(2:1; v/v)]で精製することで、目的化合物14a及び水付加体14bを1:5の混合物として6mg、定量的に得た。
白色固体;Rf (EP/AcOEt, 2:1):0.3。
生成物14a:
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm):192.2 (C2a)に特徴的なシグナルを有する。
HRMS (ESI+): [M+Na]+ C51H46NaO12: 理論m/z値:873.2887、実測m/z値:873.2886;[M’+Na]+ C51H48NaO13:理論m/z値:891.2993、実測m/z値:891.2982。
生成物14b:
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 7.92-7.88 (m, 2H, 芳香族H); 7.73-7.22 (m, 25H, 芳香族H); 5.56 (s, 1H, H7); 5.50 (s, 1H, H7); 5.38 (t, 1H, H2b, JH1b-H2b = JH2b-H3b = 8.0 Hz); 4.96 (d, 1H, H8b, JH8b-H8’b = 12.4 Hz); 4.90 (d, 1H, H8a, JH8a-H8'a = 12.0 Hz); 4.89 (d, 1H, H8'b); 4.86 (d, 1H, H1b); 4.58 (d, 1H, H8'a); 4.34 (dd, 1H, H6b, JH5b-H6b = 4.9 Hz, JH6b-H6'b = 10.6 Hz); 4.30 (s, 1H, H1a); 4.27 (dd, 1H, H6a, JH5a-H6a = 5.1 Hz, JH6a-H6'a = 10.6 Hz); 3.99-3.76 (m, 5H, H4a, H6'a, H3b, H4b, H6'b); 3.75 (d, 1H, H3a, JH3a-H4a = 9.5 Hz); 3.48 (dt, 1H, H5b, JH4b-H5b = JH5b-H6'b = 9.5 Hz); 3.36 (dt, 1H, H5a, JH4a-H5a = JH5a-H6'a = 10.0 Hz)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 166.3 (OCOPh); 137.2, 137.1, 136.1, 135.1, 132.9 (第四級芳香族C); 133.3, 133.0, 129.9, 129.5, 129.1, 129.0, 128.6, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.9, 127.6, 127.0, 126.3, 126.2, 126.1, 125.9, 125.8 (芳香族C); 103.0 (C1b); 101.2, 101.0 (C7); 100.4 (C1a); 93.4 (C2a); 81.9 (C3a); 81.0 (C4b); 78.1 (C4a); 77.6 (C3b); 74.4 (C2b); 73.9 (C8b); 71.4 (C8a); 68.6 (C6a); 68.4 (C6b); 66.8 (C5a); 65.9 (C5b)。
【0072】
2.7/ベンジル 4,6-O-ベンジリデン-3-O-(2-メチルナフチル)-β-D-マンノピラノシド(生成物16)
【化21】

-80℃において、1当量のL-Selectride(1M THF溶液;70μl、0.070mmol)を13a/13b混合物(33mg、0.067mmol)のTHF(0.5ml)溶液に添加した。-80℃で15分間攪拌した後、反応混合物を10mlの塩化メチレンで希釈し、10%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。MgSO4で乾燥し、溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー[石油エーテル/酢酸エチル(3:1; v/v)]で精製することで、目的とするマンノシド化合物16を28mg、収率85%で得た。
生成物16:白色固体;Rf (EP/AcOEt, 3:1):0.3。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 7.85-7.79 (m, 3H, 芳香族H); 7.73-7.71 (m, 1H, 芳香族H); 7.55-7.30 (m, 13H, 芳香族H); 5.65 (s, 1H, H7); 4.99 (d, 1H, H9, JH9-H9’ = 12.7 Hz); 4.96 (d, 1H, H9’); 4.94 (d, 1H, H8, JH8-H8’ = 12.0 Hz); 4.65 (d, 1H, H8’); 4.52 (d, 1H, H1, JH1-H2 = 1.0 Hz); 4.37 (dd, 1H, H6, JH5-H6 = 5.1 Hz, JH6-H6’ = 10.4 Hz); 4.21 (t, 1H, H4, JH3-H4 = JH4-H5 = 9.4 Hz); 4.14 (dd, 1H, H2, JH2-H3 = 3.3 Hz); 3.94 (t, 1H, H6’, JH5-H6’ = 10.4 Hz); 3.66 (dd, 1H, H3); 3.33 (ddd, 1H, H5)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 137.4, 136.5, 135.3, 133.1, 133.0 (5C, 第四級芳香族C); 129.2, 129.0, 128.6, 128.5, 128.3, 128.2, 128.1, 127.9, 127.6, 126.7, 126.2, 126.1, 125.9, 125.7 (芳香族C); 101.6 (C7); 98.6 (C1; 1JC1-H1 =158 Hz); 78.4 (C4); 76.4 (C3); 72.4 (C9); 70.7 (C8); 70.0 (C2); 68.6 (C6); 66.9 (C5)。
【0073】
2.8/ベンジル 2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-3-O-(2-メチルナフチル)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4,6-O-ベンジリデン-β-D-マンノピラノシド(生成物17)
【化22】

-90℃において、化合物14a/14b(5mg、0.006mmol)のTHF(1ml)溶液にL-Selectride(1M THF溶液;6μl、0.006mmol)を添加した。低温で1時間攪拌した後、反応液を酢酸で中和し、20mlの塩化メチレンで希釈し、10%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO4)及び濃縮した後、5mgの目的化合物17(0.006mmol)を定量的に得た。
生成物17:白色固体;Rf (EP/AcOEt, 2:1):0.3。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 7.90-7.20 (m, 20H, 芳香族H); 5.55 (s, 1H, H7); 5.48 (s, 1H, H7); 5.35 (t, 1H, H2b, JH1b-H2b = JH2b-H3b = 7.5 Hz); 4.94 (d, 1H, H8b, JH8b-H8'b = 12.2 Hz); 4.86 (d, 1H, H8'b); 4.81 (d, 1H, H8a, JH8a-H8'a = 11.9 Hz); 4.79 (d, 1H, H1b); 4.56 (d, 1H, H8'a); 4.37 (d, 1H, H1a, JH1a-H2 = 0.9 Hz); 4.35-4.17 (m, 2H, H6a, H6b); 4.07 (t, 1H, H4b, JH3b-H4b = JH4b-H5b = 9.3 Hz); 3.94 (t, 1H, H3a, JH2a-H3a = JH3a-H4a = 9.0 Hz); 3.90-3.68 (m, 5H, H2a, H4a, H3b, H6'a, H6'b); 3.56-3.24 (m, 2H, H5a, H5b)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 166.3 (OCOPh); 137.2, 135.1, 133.2 (第四級芳香族C); 129.9, 129.8, 129.7, 129.0, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.9, 127.8, 127.5, 127.0, 126.3, 126.1, 126.0, 125.9, 125.8, 125.7 (芳香族C); 101.2, 101.0 (C7); 100.4 (C1b); 98.3 (C1a); 81.8 (C3a); 80.9 (C4b); 78.4 (C4a); 77.7 (C3b); 74.0 (C2b); 73.7 (C8b); 70.5 (C8a); 69.4 (C2a); 68.6, 68.5 (C6a, C6b); 67.0 (C5a); 66.3 (C5b)。
【0074】
実施例3:β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-マンノピラノース(生成物A2)の調製
【化23】

目的生成物は、化合物9に連続的に段階[d]、[c]、[d]、[c]、続いて[e]から[i]を適用することにより、生成物A1の調製方法と類似した手順によって調製された。
これによって、生成物A2を白色フォーム状物質の形で得た。Rf(AcOEt/iPrOH/H2O, 3:2:2):0.2。
1H NMR (D2O, 400 MHz) δ (ppm): 5.19 (d, 1H, H1aα, JH1a-H2a = 2.2 Hz)。
その他のシグナル:
1H NMR (D2O, 400 MHz) δ (ppm): 4.75 (d, 3H, 3 H1, JH1-H2 = 8.0 Hz); 4.71 (d, 2H, 2 H1, JH1-H2 = 7.8 Hz); 3.93-3.81 (m, 8H, H3a, H4a, H6a, H6b, H6c, H6d, H6e, H6f); 3.80-3.63 (m, 11H, H2a, H3b, H3c, H3d, H3e, H6'a, H6'b, H6'c, H6'd, H6'e, H6'f); 3.55-3.40 (m, 11H, H2b, H2c, H2d, H2e, H3f, H4b, H4c, H4d, H4e, H5a, H5b, H5c, H5d, H5e, H5f); 3.36 (t, 1H, H4f, JH3f-H4f = JH4f-H5f = 9.3 Hz); 3.31 (dd, 1H, H2f, JH1f-H2f = 8.0 Hz, JH2f-H3f = 9.3 Hz)。
HRMS (ESI+): [M+Na]+ C36H62NaO31:理論m/z値:1013.3173、実測m/z値:1013.3172;[M+K]+ C36H62KO31:理論m/z値:1029.2912、実測m/z値:1029.2920。
【0075】
実施例4:反応経路1に基づくβ-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-マンニトール(生成物B1)の調製
【化24】

脱保護された三糖体A1(25mg、0.049mmol)を、10mlのメタノール/水混合溶媒(4:1; v/v)に溶解した。室温で水素化ホウ素ナトリウム(19mg、mmol)を添加し、反応系を10日間撹拌し続けた。続いて、反応混合物を数滴の酢酸を添加することにより中和し、メタノール/酢酸混合溶媒(9:1, v/v)で共沸することで乾燥させ、次いでメタノールで共沸した。凍結乾燥した後、化合物をSephadex G-10ゲル浸透クロマトグラフィー(溶離液:水)により精製し、回収した画分を凍結乾燥することで、目的生成物B1を白色フォーム状物質として得た。
1H NMR (D2O, 400 MHz) δ (ppm): 4.82 (d, 1H, H1c, JH1c-H2c =8.0 Hz); 4.65 (d, 1H, H1b, JH1b-H2b = 8.1 Hz); 4.09-3.90 (m, 7H, H1a, H2a, H3a, H5a, H6a, H6b, H6c); 3.86-3.66 (m, 6H, H1’a, H4a, H6’a, H3b, H6’b, H6’c); 3.64-3.38 (m, 7H, H2b, H4b, H5b, H2c, H3c, H4c, H5c)。
13C NMR (D2O, 100 MHz) δ (ppm): 103.1 (C1c); 102.5 (C1b); 84.4 (C3b); 77.3 (C3a); 76.3 (C5c); 75.8 (C3c); 75.5 (C5b); 73.7 (C2c); 73.4 (C2b); 70.9, 70.8 (2C, C2a, C5a); 69.9 (C4c); 69.6 (C4a); 68.8 (C4b); 63.4 (C6a); 62.6 (C1a); 61.2, 61.0 (2C, C6b, C6c)。
【0076】
実施例5:反応経路2に基づく生成物A1の調製
【0077】
【化25】

【0078】
5.1/ベンジル 2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4,6-O-ベンジリデン-2-O-レブリノイル-β-D-グルコピラノシド(生成物21)の調製
モレキュラーシーブス4Å存在下、フラスコ中で-50℃において、ドナー20[Blattner, R.; Furneaux, R. H.; Pakulski, Z. Carbohydr. Res. 2006年, 341巻, 2115〜2125ページ(非特許文献2)]及びアクセプター4(27mg、0.058mmol)を無水塩化メチレンに溶解した。続いて、トリメチルシリルトリフラート(0.53μl、mmol)を添加し、混合物を2時間激しく撹拌した。反応が終了した後、反応混合物をトリエチルアミンで中和し、濾過した後、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[石油エーテル/酢酸エチル(2:1; v/v)]で精製することにより、目的とする三糖体を22mg、収率35%で得た。
生成物21:非晶質白色固体;Rf (EP/AcOEt, 1:1):0.2。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm):7.46-7.43 (m, 2H, 芳香族H); 7.37-7.27 (m, 8H, 芳香族H); 5.53 (s, 1H, H7a); 5.10 (t, 1H, H3c, JH2c-H3c = JH3c-H4c = 9.3 Hz); 5.04 (t, 1H, H4c, JH4c-H5c = 9.3 Hz); 5.02 (t, 1H, H2a, JH1a-H2a = 7.7 Hz, JH2a-H3a = 9.5 Hz); 4.95 (dd, 1H, H2b, JH1b-H2b = 8.2 Hz, JH2b-H3b = 6.0 Hz); 4.93 (dd, 1H, H4b, JH3b-H4b = 7.3 Hz, JH4b-H5b = 9.7 Hz); 4.87 (dd, 1H, H2c, JH1c-H2c = 8.2 Hz); 4.86 (d, 1H, H8a, JH8a-H8'a = 12.2 Hz); 4.62 (d, 1H, H1c); 4.57 (d, 1H, H8'a); 4.55 (d, 1H, H1b); 4.50 (d, 1H, H1a); 4.34 (dd, 1H, H6c, JH5c-H6c = 2.0 Hz, JH6c-H6'c = 12.4 Hz); 4.33 (dd, 1H, H6a, JH5a-H6a = 4.6 Hz, JH6a-H6'a = 10.4 Hz); 4.15-4.01 (m, 3H, H6b, H6'b, H6'c); 3.93 (t, 1H, H3a, JH3a-H4a = 9.5 Hz); 3.91 (dd, 1H, H3b); 3.79 (t, 1H, H6'a, JH5a-H6'a = 10.4 Hz); 3.69 (t, 1H, H4a, JH4a-H5a = 9.5 Hz); 3.69 (ddd, 1H, H5c, JH5c-H6'c = 4.0 Hz); 3.54 (ddd, 1H, H5b, JH5b-H6b = 2.4 Hz, JH5b-H6'b = 4.0 Hz); 3.40 (ddd, 1H, H5a); 2.87-2.80 (m, 1H, H10a); 2.70-2.62 (m, 2H, H10'a, H11a); 2.50-2.42 (m, 1H, H11'a); 2.20 (s, 3H, H13a); 2.04, 1.99, 1.97, 1.96, 1.94 (6 s, 21H, OCOCH3)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 206.1 (C12a); 171.0 (C9a); 170.8, 170.5, 170.4, 169.3, 169.2, 169.1 (7C, OCOCH3); 137.0, 136.8 (2C, 第四級芳香族C); 129.0, 128.5, 128.4, 128.3, 128.1, 128.0, 127.9, 127.8, 125.9 (芳香族C); 100.9 (C7a); 100.7 (C1c); 100.1 (C1b); 99.8 (C1a); 78.7 (C3b); 78.6 (C4a); 77.7 (C3a); 73.8 (C2a); 73.0 (C3c); 72.6 (C2b); 71.5 (C5b); 71.4 (C5c); 70.9 (C2c); 70.7 (C8a); 68.5 (C6a); 68.1 (C4c); 68.0 (C4b); 66.5 (C5a); 62.2 (C6b); 61.6 (C6c); 37.6 (C11a); 30.1 (C13a); 27.6 (C10a); 21.0, 20.9, 20.7, 20.6, 20.5, 20.4 (7C, OCOCH3)。
【0079】
5.2/ベンジル 2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4,6-O-ベンジリデン-2-O-レブリノイル-β-D-グルコピラノシド(生成物22)の調製
モレキュラーシーブス4Å存在下、フラスコ中で-50℃において、二糖体ドナー37(106mg、0.136mmol)及びアクセプター71(100mg、0.123mmol)を無水塩化メチレンに溶解した。トリメチルシリルトリフラート(1.1μl、0.006mmol)を添加し、反応系を60分間撹拌した。反応混合物をトリエチルアミンで中和し、濾過した後、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[石油エーテル/酢酸エチル(1:1; v/v)]で精製することにより、146mgの四糖オルトエステル体を収率83%で得た。これにより得られた化合物を、0℃で塩化メチレン中、トリメチルシリルトリフラート(2.5μl、0.014mmol)の存在下、分子内転移反応に直接付する。3時間撹拌した後、反応混合物をトリエチルアミンで中和し、続いて濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[石油エーテル/酢酸エチル(1:1; v/v)]で精製することにより、目的生成物22を101mg、収率69%で得た。
生成物22:白色固体;MP:119(℃);Rf (EP/AcOEt, 1:1):0.3。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 8.02-7.99 (m, 2H, 芳香族H); 7.61-7.12 (m, 18H, 芳香族H); 5.59 (s, 1H, H7b); 4.83 (d, 1H, H8a, JH8a-H8’a = 12.2 Hz); 4.57 (s, 1H, H7a); 4.56 (d, 1H, H8’a); 2.73-2.65 (m, 1H, H10a); 2.63-2.51 (m, 1H, H10’a); 2.48-2.40 (m, 1H, H11a); 2.35-2.26 (m, 1H, H11b); 2.08 (s, 3H, H13a); 2.08, 2.04, 2.01, 2.00, 1.97, 1.94 (7s, 21H, OCOCH3) 及び表4a。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 206.0 (C12a); 171.2 (C9a); 170.8, 170.5, 170.3, 169.4, 169.3, 169.1, 168.7 (6C, OCOCH3); 165.0 (OCOPh); 137.3, 136.9, 136.7 (3C, 第四級芳香族C); 133.3, 129.8, 129.7 (芳香族C); 129.6 (第四級芳香族C); 129.5, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 127.9, 127.8, 126.5, 126.0, 125.8 (芳香族C); 102.2 (C7b); 99.7 (C7a); 70.7 (C8a); 37.6 (C11a); 29.4 (C13a); 27.7 (C10a); 21.0, 20.9, 20.6, 20.5, 20.4, 20.3 (7C, OCOCH3) 及び表4b。
HRMS (ESI+): [M+Na]+ C71H80NaO31:理論m/z値:1451.4581、実測m/z値:1451.4579;[M+K]+ C71H80KO31:理論m/z値:1467.4321、実測m/z値:1467.4346。
【0080】
5.3/ベンジル 2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4,6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシド(生成物23)
四糖体22(430mg、0.301mmol)をピリジン6mlに溶解して溶液とし、続いて、ヒドラジンの1Mピリジン/酢酸混合(3:2, v/v)溶液6mlを滴下した。3時間撹拌した後、1.7mlの2,4-ペンタンジオンを添加することにより反応を終了し、かつ減圧下で濃縮した。残渣を50mlの塩化メチレンに溶解し、10%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。乾燥(MgSO4)及び濃縮した後、生成物をシリカゲルクロマトグラフィー[石油エーテル/酢酸エチル(1:1; v/v)]で精製することにより、260mgの脱保護された化合物23を収率65%で得た。
生成物23:白色固体;MP:136(℃);Rf (EP/AcOEt, 1:1):0.3;[α]D20 -29.6 (c=1.0, CH2Cl2)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 8.11-8.09 (dd, 2H, 芳香族H); 7.67-7.17 (m, 18H, 芳香族H); 5.61 (s, 1H, H7); 5.08 (s, 1H, H7); 4.92 (d, 1H, H8a, JH8a-H8’a = 11.7 Hz); 4.61 (d, 1H, H8’a); 2.09, 2.03, 2.01, 2.00, 1.99 (7s, 21H, OCOCH3) 及び表4a。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 170.8, 170.5, 170.2, 169.3, 169.2, 169.0, 168.6 (7C, OCOCH3); 165.1 (OCOPh); 137.1, 137.0, 136.5 (3C, 第四級芳香族C); 133.3 (芳香族C); 129.5 (第四級芳香族C); 129.7, 129.1, 128.9, 128.8, 128.7, 128.5, 128.4, 128.2, 128.1, 128.0, 127.9, 127.8, 126.0, 125.8, 125.2 (芳香族C); 101.4 (C7); 100.4 (C7); 71.3 (C8a); 20.6, 20.5, 20.4, 20.3, 20.2 (7C, OCOCH3) 及び表4b。
【0081】
5.4/ベンジル 2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4,6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノース-2-ウロシド(生成物24a)、及び
ベンジル 2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4,6-O-ベンジリデン-2-C-ヒドロキシ-β-D-グルコピラノシド(生成物24b)の調製
生成物23(260mg、0.195mmol)の無水塩化メチレン(5ml)溶液に、ピリジン(0.5ml)及びDess−Martinペルヨージナン(15%溶液、2.6ml)を添加した。室温で24時間経過後、反応液にエチルエーテルを加えた。得られた沈殿物をセライトで濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。最後に、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー[石油エーテル/酢酸エチル(1:1; v/v)]で精製することにより、酸化された生成物24a及びそのヒドロキシ体24bの混合物(1:1)を208mg、収率80%で得た。
24a/24b:白色固体;Rf (EP/AcOEt, 1:1):0.2。
生成物24a:1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 5.25 (s, 1H, H1a)に特徴的なシグナルを有する。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 196.6 (C2a); 96.8 (C1a); 70.6 (C8a)に特徴的なシグナルを有する。
生成物24b:1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 4.87 (s, 1H, H1a)に特徴的なシグナルを有する。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 98.8 (C1a); 93.7 (C2a); 71.4 (C8a)に特徴的なシグナルを有する。
その他のシグナル(24a/24b):
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 8.08-8.03 (m, 2H, 芳香族H); 7.67-7.45 (m, 8H, 芳香族H); 7.40-7.10 (m, 30H, 芳香族H); 5.65 (s, 1H, H7); 5.59 (s, 1H, H7); 5.26-5.18 (m, 2H, 2 H2b); 5.14-4.80 (m, 14H, H2c, 2 H2d, 2 H3d, 2 H4a, 2 H4b, 2 H8a, 2 H1); 4.73 (d, 1H, H8a, JH8a-H8’a = 11.9 Hz); 4.66-4.48 (m, 6H, H3a, H8’a, 2 H1, H6, H7); 4.42-4.26 (m, 6H, H3a, H1, H7, 3 H6); 4.20-3.40 (m, 28H, 2 H3b, 2 H3c, 2 H4c, 2 H4d, 2 H5a, 2 H5b, 2 H5c, 2 H5d, 2 H6’a, 2 H6’b, 2 H6’c, 2 H6’d, 4 H6); 2.08, 2.06, 2.04, 2.01, 2.00, 1.99, 1.98, 1.97, 1.96, 1.95(14 s, 42H, OCOCH3)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 170.8, 170.5, 170.3, 169.4, 169.3, 169.2, 169.1, 168.8 (10C, OCOCH3); 165.3 (2C, OCOPh); 137.1, 137.0, 136.6, 136.0, 135.6 (6C, 第四級芳香族C); 133.7, 133.6, 129.9, 129.4, 129.3, 129.2, 129.1, 128.8, 128.7, 128.6, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 127.9, 127.7, 126.4, 126.2, 125.9, 125.8 (芳香族C, 2 第四級芳香族C); 101.8, 101.6, 100.4, 100.2 (4C, C7); 100.9, 100.8, 100.6, 99.2, 98.8, 96.8 (8C, C1); 80.6, 79.8, 79.3, 79.0, 78.7, 78.1, 77.8, 77.4, 77.2, 77.1 (10C, C3a, C3b, C3c, C4a, C4b); 74.8 (2C, C2b); 73.3, 73.0, 72.8, 72.3 (4C, C2c, C3d); 71.6, 71.5 (4C, C5c, C5d); 71.0, 70.8 (2C, C2d); 68.7, 68.6, 68.4 (4C, C6a, C6b); 68.0, 67.9 (4C, C4c, C4d); 67.0, 66.8 (2C, C5a); 65.6, 65.1 (2C, C5b); 62.0 (2C, C6d); 61.6 (2C, C6c); 21.1, 20.7, 20.6, 20.5, 20.4, 20.3 (14C, OCOCH3)。
【0082】
5.5/ベンジル 2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2-O-ベンゾイル-4,6-O-ベンジリデン-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4,6-O-ベンジリデン-β-D-マンノピラノシド(生成物25)
-90℃において、化合物24a/24b(66mg、0.050mmol)の塩化メチレン/THF混合溶液にL-Selectride(1M THF溶液;150μl、0.150mmol)を添加した。低温で2時間撹拌した後、反応液を酢酸の添加により中和させ、塩化メチレン20mlで希釈し、飽和塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び水で洗浄した。MgSO4で乾燥及び濃縮した後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー[塩化メチレン/メタノール(98:2; v/v)]で精製することで、目的とする還元体25(66mg、0.050mmol)を定量的に得た。
生成物25:白色固体;Rf (CH2Cl2/MeOH, 98:2):0.2。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 8.08-8.03 (m, 2H, 芳香族H); 7.67-7.10 (m, 18H, 芳香族H); 5.62 (s, 1H, H7); 5.22 (m, 1H, H2b, JH1b-H2b = JH2b-H3b = 5.1 Hz); 5.04 (t, 1H, H3d, JH2d-H3d = JH3d-H4d = 8.0 Hz); 5.03-4.91 (m, 5H, H1b, H2c, H4c, H4d, H7);4.90 (d, 1H, H8a, JH8a-H8’a = 11.9 Hz); 4.84 (dd, 1H, H2d, JH1d-H2d = 8.2 Hz); 4.67 (d, 1H, H1c, JH1c-H2c = 8.0 Hz); 4.63 (d, 1H, H8’a); 4.47 (d, 1H, H1a, JH1a-H2a < 1.0 Hz); 4.44 (d, 1H, H1d); 4.39-4.31 (m, 2H, H6a, H6c); 4.18-3.94 (m, 8H, H2a, H3b, H4a, H4b, H6b, H6d, H6’c, H6’d); 3.93-3.84 (m, 2H, H3a, H6’a); 3.75 (t, 1H, H3c, JH2c-H3c = JH3c-H4c = 9.3 Hz); 3.64 (t, 1H, H6’b, JH5b-H6’b = JH6b-H6’b = 10.0 Hz); 3.62-3.52 (m, 3H, H5b, H5c, H5d); 3.34 (dt, 1H, H5a, JH4a-H5a = JH5a-H6’a = 9.8 Hz, JH5a-H6a = 4.6 Hz); 2.05, 2.00, 1.97, 1.95, 1.94 (7s, 21H, OCOCH3)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 170.8, 170.4, 170.3, 169.3, 169.2, 169.1, 168.9 (7C, OCOCH3); 165.0 (OCOPh); 137.2, 137.1, 136.4, 129.2 (4C, 第四級芳香族C); 133.6, 129.7, 129.0, 128.8, 128.6, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.0, 127.8, 126.1, 125.8 (芳香族C); 101.7, (C7); 100.7 (C1d); 100.5 (C7); 99.7 (C1c); 98.3 (C1a); 97.3 (C1b); 78.7 (C3c); 78.4 (C3b); 77.5 (C4b); 76.3 (C4a); 75.7 (C3a); 74.2 (C2b); 72.9 (C3d); 72.4 (C2c); 71.5 (2C, C5c, C5d); 70.8 (C2d); 70.6 (C7a); 68.7 (C2a); 68.6 (C6b); 68.5 (C6a); 68.1 (C4c); 67.9 (C4d); 67.2 (C5a); 65.9 (C5b); 61.9 (C6d); 61.5 (C6c); 20.7, 20.6, 20.5, 20.4 (7C, OCOCH3)。
【0083】
5.6/生成物A1の調製
化合物25(60mg、0.045mmol)を塩化メチレン/メタノール混合溶媒(2:1, v/v; 10ml)に溶解させた後、2当量のナトリウムメチラート(0.1M MeOH溶液;0.9ml、0.090mmol)を添加した。室温で6時間撹拌した後、反応液をAmberlite IR120-H+樹脂の添加により中和させ、濾過した後、減圧下で濃縮した。これによって残渣を得た後に、10mlの酢酸エチル/メタノール/塩化メチレン混合溶媒(2:2:1; v/v/v)に溶解させた。酢酸パラジウム(60mg、0.267mmol)を添加した後、水素雰囲気下において室温で7日間反応混合物を激しく撹拌した。セライトで濾過した後、ヒドロ-有機層を塩化メチレンで抽出し、次いで無水エタノールで共沸を行うことにより乾燥させた。生成物A1(30mg)は最後の3工程を経て定量的に得た。
【0084】
実施例6:
【化26】

生成物1aは、仏国特許出願公開第2804684号(特許文献1)に記載の方法で得た。
【0085】
6.1/2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-1,2,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-(α,β)-D-グルコピラノース(生成物2a)の調製
オリゴ糖1a(150mg、0.181mmol)をピリジン(15ml)に溶解した。続いて、反応混合物を0℃に冷却した後、塩化ベンゾイル(4.2ml、36mmol)を添加した。室温で2日間撹拌した後、反応混合物を濃縮し、塩化メチレンに溶解させ、次いで中性になるまで10%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。続いて、有機層をMgSO4で乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー[石油エーテル/酢酸エチル(3:2; v/v)]で精製することにより、α/βアノマー比1:1の混合物としてベンゾイル誘導体2aを収率94%(444mg、0.170mmol)で得た。
生成物2a:無色オイル; Rf (EP/AcOEt, 1:1):0.4。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 2aαの特徴的シグナル:6.65 (d, 1H, H1a, JH1a-H2a = 3.6 Hz); 5.47 (t, 1H, H4a, JH3a-H4a = JH4a-H5a = 9.4 Hz); 4.64 (t, 1H, H3a, JH2a-H3a = 9.4 Hz)。2aβの特徴的シグナル:6.07 (d, 1H, H1a, JH1a-H2a = 7.1 Hz); 5.57 (t, 1H, H4a, JH3a-H4a = JH4a-H5a = 8.9 Hz); 4.25 (dt, 1H, H5a, JH5a-H6a = 4.3 Hz, JH5a-H6’a = 8.9 Hz)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 2aαの特徴的シグナル:87.7 (C1a); 76.3 (C3a); 72.4 (C2a); 70.3 (C5a); 67.6 (C4a)。2aβの特徴的シグナル:89.7 (C1a); 78.4 (C3a); 72.4 (2C, C2a, C5a); 67.6 (C4a); 62.0 (C6a)。
その他のシグナル:
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 8.08-7.92 (m, 68H, 芳香族H); 7.61-7.09 (m, 102H, 芳香族H); 5.45-5.37 (m, 3H, H2aβ, H3e); 5.26-5.18 (m, 5H, H2aα, H2e, H4e); 5.11-4.83 (m, 14H, H1b, H2b, H4b, H2c, H4c, H2d, H4d); 4.61-4.35 (m, 10H, H3aβ, H5aα, H6aβ, H6’aβ, H1c, H1d, H1e); 4.20-3.86 (m, 26H, H6aα, H6’aα, H3b, H6b, H6’b, H3c, H6c, H6’c, H3d, H6d, H6’d, H5e, H6e, H6’e); 3.80-3.65 (m, 6H, H5b, H5c, H5d)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 166.0, 165.9, 165.8, 165.7, 165.6, 165.4, 164.9, 164.8, 164.7, 164.6, 164.5, 164.3, 164.1, 163.8, 163.6, 163.5 (OCOPh); 133.3, 132.7, 130.0, 129.3, 129.2, 129.1, 129.0, 128.9, 128.7 (第四級芳香族C); 133.8, 133.6, 133.4, 133.2, 133.1, 133.0, 132.9, 132.8, 132.6, 129.9, 129.7, 129.6, 129.5, 129.4, 128.6, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.9 (芳香族C); 101.4, 101.3, 101.0, 100.8, 100.7 (8C, C1b, C1c, C1d, C1e); 78.1, 77.5, 77.4, 77.2 (6C, C3b, C3c, C3d); 73.4, 73.3, 73.2 (4C, 2 C2); 72.7, 72.6, 72.5, 72.4 (4C, C3e, C2); 71.8, 71.7, 71.6, 71.5 (8C, C5b, C5c, C5d, C5e); 71.3 (2C, C2e); 70.3, 70.2 (6C, C4b, C4c, C4d); 69.8 (2C, C4e); 63.5, 63.4, 63.1, 62.7 (9C, C6aα, C6b, C6c)。
【0086】
6.2/2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-α-D-グルコピラノシルブロミド(生成物3a)の調製
ベンゾイル化されたオリゴ糖2a(444mg、0.170mmol)を塩化メチレン(10ml)に溶解させた後、0℃で臭化水素酸(33質量%酢酸溶液)(0.6ml、3.417mmol)を添加した。3.5時間撹拌した後、反応液を塩化メチレンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。続いて、有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮することによって、435mgのブロム化合物を定量的に得た。
生成物3a:無色オイル。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 6.55 (d, 1H, H1a, JH1a-H2a = 4.1 Hz); 5.35 (t, 1H, H4a, JH3a-H4a = JH4a-H5a = 9.9 Hz); 4.24 (dd, 1H, H6’a, JH5a-H6’a = 4.6 Hz, JH6a-H6’a = 12.4 Hz)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 87.7 (C1a); 76.3 (C3a); 73.4 (C2a); 72.6 (C5a); 67.6 (C4a); 62.0 (C6a)。
その他のシグナル:
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 8.92-7.61 (m, 22H, 芳香族H); 7.48-6.93 (m, 58H, 芳香族H); 5.27 (t, 1H, H3e, JH2e-H3e = JH3e-H4e = 9.7 Hz); 5.09 (dd, 1H, H2e, JH1e-H2e = 7.9 Hz); 5.08 (t, 1H, H4e, JH4e-H5e = 9.7 Hz); 4.93-4.86 (m, 3H, 2 H2, H4); 4.80-4.70 (m, 4H, H2a, H1, 2 H4); 4.50-4.33 (m, 6H, H3a, H5a, H6a, H1e, 2 H1); 4.08-3.94 (m, 3H, H5e, H3, H6); 3.87-3.70 (m, 9H, 2 H3, 7 H6); 3.65-3.53 (m, 3H, H5b, H5c, H5d)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 165.9, 165.8, 165.7, 165.4, 164.9, 164.8, 164.7, 164.6, 164.5, 164.3, 163.8, 163.5 (16C, OCOPh); 133.8, 133.4, 133.2, 133.1, 133.0, 132.9, 132.8, 132.6, 129.9, 129.7, 129.6, 129.5, 129.4, 129.3, 129.2, 129.0, 128.7, 128.6, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.9 (芳香族C); 101.3, 101.0, 100.8, 100.7 (4C, C1b, C1c, C1d, C1e); 78.4, 78.1, 77.4 (3C, C3b, C3c, C3d); 73.3, 73.2, 72.7 (3C, C2b, C2c, C2d); 72.5 (C3e); 71.8, 71.7, 71.6, 71.5 (4C, C5b, C5c, C5d, C5e); 71.3 (C2e); 70.2 (3C, C4b, C4c, C4d); 69.8 (C4e); 63.4, 63.1 (4C, C6b, C6c, C6d, C6e)。
【0087】
6.3/2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-2-D-グル-ヘキス-1-エノピラノース(生成物4a)の調製
前工程で粗生成物(3a:435mg、0.170mmol)を塩化メチレン(10ml)に溶解した後、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7-セン(40μl、0.270mmol)を添加した。室温で5.5時間撹拌した後、反応液を塩化メチレンで希釈し、10%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO4)、濃縮し、シリカゲル[石油エーテル/酢酸エチル(3:2; v/v)]で精製することにより目的生成物を得た。目的化合物4a(343mg)は収率81%で単離された。
生成物4a:白色固体;Rf (EP/AcOEt, 3:2):0.4。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル:6.63 (s, 1H, H1a); 5.77 (d, 1H, H3a, JH3a-H4a = 3.3 Hz); 4.73 (dd, 1H, H6a, JH5a-H6a = 9.0 Hz, JH6a-H6’a = 12.6 Hz); 4.40 (dd, 1H, H6’a, JH5a-H6’a = 3.1 Hz)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル:138.2 (C1a); 74.1 (C5a); 72.3 (C4a); 68.7 (C3a); 61.6 (C6a)。
その他のシグナル:
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm):8.14-7.70 (m, 26H, 芳香族H); 7.63-7.03 (m, 54H, 芳香族H); 5.38 (t, 1H, H3e, JH2e-H3e = JH3e-H4e = 9.5 Hz); 5.21 (dd, 1H, H2e, JH1e-H2e = 8.0 Hz); 5.20 (t, 1H, H4e, JH4e-H5e = 9.5 Hz); 5.17 (t, 1H, H2b, JH1b-H2b = JH2b-H3b = 8.8 Hz); 5.12 (t, 1H, H4b, JH3b-H4b = JH4b-H5b = 10.5 Hz); 5.05-4.97 (m, 2H, H4c, H2d); 4.94 (d, 1H, H1b); 4.94-4.88 (m, 2H, H2c, H4d); 4.71 (d, 1H, H1c, JH1c-H2c = 6.7 Hz); 4.59 (d, 1H, H1e, JH1e-H2e = 8.0 Hz); 4.58-4.53 (m, 3H, H4a, H5a, H1d); 4.46 (dd, 1H, H6b, JH5b-H6b = 3.1 Hz, JH6b-H6’b = 12.2 Hz); 4.31 (dd, 1H, H3b); 4.25 (dd, 1H, H6’b, JH5b-H6’b = 6.6 Hz); 4.15-3.87 (m, 9H, H5b, H3c, H6c, H6’c, H3d, H6d, H6’d, H6e, H6’e); 3.80 (dt, 1H, H5d, JH5d-H6d = 4.9 Hz, JH5d-H6’d = 9.3 Hz); 3.76-3.68 (m, 2H, H5c, H5e)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 165.9, 165.8, 165.7, 165.4, 165.3, 165.1, 165.0, 164.8, 164.7, 164.6, 163.9, 163.7 (16C, OCOPh); 133.3, 133.2, 133.0, 132.9, 132.7, 130.1, 130.0, 129.9, 129.7, 129.6, 129.5, 129.3, 129.2, 129.1, 128.9, 128.7, 128.6, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.8 (C2a, 芳香族C); 101.2 (C1b); 100.9 (C1c); 100.8 (C1e); 100.7 (C1d); 78.2, 78.0, 77.7 (3C, C3b, C3c, C3d); 73.5 (C2c); 73.2 (C2b); 72.8 (C2d); 72.7 (C5b); 72.6 (C3e); 72.1 (C5d); 71.6 (2C, C5c, C5e); 71.3 (C2e); 70.3 (C4c); 70.0 (C4d); 69.9, 69.8 (2C, C4b, C4e); 63.5, 63.4, 63.2 (3C, C6c, C6d, C6e); 63.1 (C6b)。
【0088】
6.5/2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4,6-ジ-O-ベンゾイル-α-D-グルコピラノース-2-ウロシルブロミド(生成物5a)の調製
上記化合物5aの塩化メチレン(0.5ml)溶液にメタノール(1.6μl、0.040mmol)を添加した。室温で10分間撹拌した後、0℃でN-ブロモサクシイミド(10.8mg、0.060mmol)を添加した。反応が終了した後、反応液を塩化メチレンで希釈し、次いで、冷却された飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液及び氷水で洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮することにより、化合物5aを定量的(47mg、0.019mmol)に得た。
生成物5a:無色オイル。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル:6.25 (s, 1H, H1a); 5.44 (t, 1H, H4a, JH3a-H4a = JH4a-H5a = 10.1 Hz); 5.17 (d, 1H, H3a)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル:191.5 (C2a); 83.8 (C1a); 76.3 (C3a); 72.6 (C5a); 69.0 (C4a); 61.7 (C6a)。
その他のシグナル:
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 8.06-7.71 (m, 20H, 芳香族H); 7.61-7.12 (m, 55H, 芳香族H); 5.39 (t, 1H, H3e, JH2e-H3e = JH3e-H4e = 9.5 Hz); 5.22 (dd, 1H, H2e, JH1e-H2e = 8.0 Hz); 5.21 (t, 1H, H4e, JH4e-H5e = 9.5 Hz); 5.10 (dd, 1H, H2b, JH1b-H2b = 8.2 Hz, JH2b-H3b = 9.3 Hz); 5.06-4.98 (m, 4H, H1b, H4b, H4c, H2d); 4.89 (t, 1H, H4d, JH3d-H4d = JH4d-H5d = 9.5 Hz); 4.88 (dd, 1H, H2c, JH1c-H2c = 7.7 Hz, JH2c-H3c = 8.6 Hz); 4.74 (d, 1H, H1c, JH1c-H2c = 8.2 Hz); 4.69 (d, 1H, H1e); 4.66-4.55 (m, 3H, H5a, H6a, H1d); 4.39-4.26 (m, 2H, H3b, H6); 4.24-4.10 (m, 3H, 3 H6); 4.05-3.86 (m, 8H, H5b, H3c, H3d, 5 H6); 3.82-3.70 (m, 3H, H5c, H5d, H5e)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 167.1, 165.9, 165.8, 165.7, 165.4, 164.9, 164.7, 164.6, 164.3, 164.1, 163.9, 163.6 (15C, OCOPh); 133.6, 133.3, 133.2, 133.1, 133.0, 132.9, 132.8, 132.7, 130.3, 130.0, 129.8, 129.7, 129.6, 129.5, 129.4, 129.3, 129.2, 129.1, 129.0, 128.8, 128.7, 128.6, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.8, 127.6 (芳香族C); 101.0, 100.9, 100.7, 100.6 (4C, C1b, C1c, C1d, C1e); 78.2, 78.0, 77.7 (3C, C3b, C3c, C3d); 73.6, 73.1, 72.8 (3C, C2b, C2c, C2d); 72.6 (C3e); 71.9, 71.6 (4C, C5b, C5c, C5d, C5e); 71.3 (C2e); 70.1, 69.9, 69.8 (4C, C4b, C4c, C4d, C4e); 63.5, 63.4, 63.1 (4C, C6b, C6c, C6d, C6e)。
【0089】
6.6/ベンジル 2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-6-O-ベンゾイル-4-デオキシ-β-D-グルコ-ヘキス-3-エノピラノース-2-ウロシド(生成物6)の調製
方法1:
ベンジルアルコール(7μl、0.068mmol)及びウロシドブロミド5a(82mg、0.034mmol)を、モレキュラーシーブス存在下、塩化メチレン(1.5ml)に溶解した。5分間激しく撹拌した後、反応液にトリフェニルホスフィンオキシド(19mg、0.068mmol)を速やかに添加した。室温で4日間撹拌した後、反応混合物をセライトで濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲル[石油エーテル/酢酸エチル(3:2; v/v)]で精製することにより、目的生成物6a(69mg; 0.029mmol)をヒドロキシ体との混合物として、収率85%で得た。
生成物6a:無色オイル;Rf (EP/AcOEt, 1:1):0.5。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 6.26 (d, 1H, H4a, JH4a-H5a = 3.6 Hz); 4.87 (s, 1H, H1a); 4.83 (d, 1H, H7a, JH7a-H7’a = 11.7 Hz); 4.68-4.61 (m, 1H, H5a); 4.60 (d, 1H, H7’a)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 183.5 (C2a); 144.9 (C3a); 126.2 (C4a); 97.7 (C1a); 71.0 (C5a); 70.6 (C7a); 66.1 (C6a)。
方法2:
ドナー5a(50mg、0.020mmol)及びベンジルアルコール(4.4μl、0.040mmol)の塩化メチレン(0.75ml)溶液に、0℃でトリフルオロメタンスルホン酸銀(5.2mg、0.020mmol)を添加した。3時間撹拌した後、トリエチルアミンを添加することで反応液を中和させ、銀塩をセライトで濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。シリカゲル[石油エーテル/酢酸エチル(3:2; v/v)]で精製することにより、デオキシ化合物6aを38mg(0.016mmol)、収率75%で得ることができる。
その他のシグナル:
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 8.10-7.70 (m, 20H, 芳香族H); 7.60-7.12 (m, 55H, 芳香族H); 5.39 (t, 1H, H3e, JH2e-H3e = JH3e-H4e = 9.7 Hz); 5.28-5.17 (m, 5H, H1b, H2b, H4b, H2e, H4e); 5.09-5.02 (m, 4H, H2c, H4c, H2d, H4d); 4.95 (d, 1H, H1c, JH1c-H2c = 8.0 Hz); 4.63 (d, 1H, H1d, JH1d-H2d = 7.9 Hz); 4.61 (d, 1H, H1e, JH1e-H2e = 8.0 Hz); 4.53-4.40 (m, 3H, H6a, 2 H6); 4.38-4.32 (m, 2H, H3b, H6); 4.25-4.18 (m, 2H, H6’a, H3); 4.15-3.90 (m, 8H, H5b, H3, H5, 5 H6); 3.80-3.70 (m, 2H, H5e, H5)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 165.8, 165.7, 165.4, 164.9, 164.6, 164.5, 163.9, 163.8 (14C, OCOPh); 136.1 (第四級芳香族C OCH2Ph); 133.3, 133.2, 133.1, 133.0, 132.9, 132.7, 129.9, 129.8, 129.7, 129.6, 129.5, 129.4, 129.3, 129.2, 129.0, 128.8, 128.6, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.8 (芳香族C); 100.9 (2C, C1d, C1e); 100.1 (C1c); 98.3 (C1b); 78.3, 78.0 (2C, C3c, C3d); 76.8 (C3b); 73.7 (2C, C2c, C2d); 73.0 (C2b); 72.8 (C5b); 72.6 (C3e); 72.1 (1C, C5); 71.6 (C2e); 71.3 (2C, C5e, C5); 69.9, 69.8 (3C, C4c, C4d, C4e); 69.3 (C4b); 63.4 (2C, C6e, C6); 63.1 (2C, C6b, C6)。
HRMS (ESI+): [M+Na]+ C135H11NaO39:理論m/z値:2377.6522、実測m/z値:2377.6516。
【0090】
6.7/ベンジル 2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-6-O-ベンゾイル-4-デオキシ-β-D-マンノ-ヘキス-3-エノピラノシル(生成物7a)の調製
化合物6a(69mg、0.029mmol)をTHF(0.7ml)に溶解させた後、-78℃でL-Selectride(1M THF溶液;28μl、0.028mmol)を添加した。-78℃で90分間経過後、反応が終了したと判断し、反応液に数滴の酢酸を添加することにより中和した。反応液を室温まで昇温させた後に、塩化メチレンを添加し、有機層を10%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。乾燥(MgSO4)及び有機層の濃縮により目的化合物7aを得た(68mg;0.029mmol;100%)。
生成物7a:無色オイル;Rf (EP/AcOEt, 1:1):0.5。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 4.94 (d, 1H, H4a, JH4a-H5a = 1.1 Hz); 4.86 (d, 1H, H7a, JH7a-H7’a = 12.0 Hz); 4.59 (d, 1H, H7’a); 4.44 (d, 1H, H1a, JH1a-H2a = 2.2 Hz); 4.25-4.20 (m, 2H, H5a, H6a)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 151.4 (C3a); 104.1 (C4a); 97.1 (C1a); 70.4 (C5a); 70.1 (C7a); 66.2 (C6a); 65.1 (C2a)。
その他のシグナル:
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 8.03-7.70 (m, 20H, 芳香族H); 7.61-7.13 (m, 55H, 芳香族H); 5.39 (t, 1H, H3e, JH2e-H3e = JH3e-H4e = 9.6 Hz); 5.30 (t, 1H, H4b, JH3b-H4b = JH4b-H5b = 8.3 Hz); 5.22 (dd, 1H, H2e, JH1e-H2e = 7.9 Hz); 5.20 (t, 1H, H4e, JH4e-H5e = 9.6 Hz); 5.18-5.16 (m, 2H, H1b, H2b); 5.07-4.98 (m, 4H, H2c, H4c, H2d, H4d); 4.85 (d, 1H, H1c, JH1c-H2c = 7.9 Hz); 4.62 (d, 2H, H1d, H1e, JH1d-H2d = 7.9 Hz); 4.51 (dd, 1H, H6, JH5-H6 = 3.8 Hz, JH6-H6’ = 12.3 Hz); 4.36-4.30 (m, 2H, H3b, H6); 4.20-4.14 (m, 2H, H6’a, H3); 4.12-3.90 (m, 10H, H2a, H5b, H3, H5, 6 H6); 3.77-3.70 (m, 2H, H5e, H5)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 166.1, 165.9, 165.8, 165.7, 165.4, 164.9, 164.7, 164.3, 163.9, 163.8 (14C, OCOPh); 136.6 (第四級芳香族C OCH2Ph); 133.4, 133.2, 133.1, 133.0, 132.9, 132.7, 129.9, 129.7, 129.6, 129.5, 129.4, 129.3, 129.2, 129.0, 128.8, 128.6, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.8 (芳香族C); 100.9 (2C, C1d, C1e); 100.6 (C1c); 97.3 (C1b); 78.3, 77.9 (2C, C3c, C3d); 77.4 (C3b); 73.5 (1C, C2); 72.9 (2C, C2b, C2); 72.6 (C3e); 72.0 (C5b); 71.6 (3C, C5e, 2 C5); 71.3 (C2e); 70.4 (2C, C4c, C4d); 69.8 (C4e); 69.3 (C4b); 63.5, 63.3, 63.1 (4C, C6b, C6c, C6d, C6e)。
HRMS (ESI+): [M+Na]+ C135H112NaO39:理論m/z値:2379.6678、実測m/z値:2379.6667;[M+K]+ C135H112KO39:理論m/z値:2395.6418、実測m/z値:2395.6542。
【0091】
6.8/ベンジル β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4-デオキシ-β-D-マンノ-ヘキス-3-エノピラノシル(生成物8a)の調製
化合物7a(65mg、0.028mmol)をメタノール/塩化メチレン混合溶媒(2:1, v/v)に溶解させた後、ナトリウムメチラート(1M THF溶液;0.56ml、0.056mmol)を続けてフラスコ中に添加した。室温で6時間撹拌した後、反応液をAmberlite IR120-H+樹脂の添加により中和させ、濾過した後、減圧下で濃縮した。脱ベンゾイル化された化合物8aは、クロマトグラフィー[塩化メチレン/メタノール(99:1; v/v)]の後に定量的に得た(25mg;0.028mmol)。
生成物8a:無色オイル。
1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 5.06 (d, 1H, H4a, JH4a-H5a = 1.5 Hz); 4.82 (d, 1H, H7a, JH7a-H7’a = 12.2 Hz); 4.60 (d, 1H, H7’a); 4.49 (d, 1H, H1a, JH1a-H2a = 1.8 Hz); 4.12-4.08 (m, 1H, H5a); 3.87 (d, 1H, H2a)。
13C NMR (CD3OD, 100 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 153.5 (C3a); 103.8 (C4a); 99.8 (C1a); 71.2 (C7a); 67.2 (C2a); 65.6 (C6a)。
その他のシグナル:
1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ (ppm):7.35-7.16 (m, 5H, 芳香族H); 4.71 (d, 1H, H1b, JH1b-H2b = 7.5 Hz); 4.54 (d 1H, H1, JH1-H2 = 8.0 Hz); 4.53 (d, 1H, H1, JH1-H2 = 7.8 Hz); 4.46 (d, 1H, H1e, JH1e-H2e = 7.8 Hz); 3.80-3.73 (m, 4H, 4 H6); 3.60-3.43 (m, 10H, H6a, H6’a, H2b, 3 H3, 4 H6); 3.40-3.32 (m, 2H, H2c, H2d); 3.30-3.17 (m, 8H, H3e, 3 H4, 4 H5); 3.16 (dd, 1H, H2e, JH2e-H3e = 9.3 Hz); 3.15 (t, 1H, H4e, JH3e-H4e = JH4e-H5e = 9.8 Hz)。
13C NMR (CD3OD, 100 MHz) δ (ppm): 138.9 (第四級芳香族C OCH2Ph); 129.6, 129.4, 128.9 (芳香族C); 105.1, 104.6 (3C, C1c, C1d, C1e); 100.5 (C1b); 87.4, 87.2, 87.1 (3C, C3b, C3c, C3d); 78.1, 77.8, 77.7 (5C, C3e, C5b, C5c, C5d, C5e); 75.5 (C2e); 75.0, 74.9 (3C, C5a, C2c, C2d); 74.0 (C2b); 71.5 (C4e); 70.0, 69.9 (3C, C4b, C4c, C4d); 62.6, 62.5 (4C, C6b, C6c, C6d, C6e)。
【0092】
6.9/β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4-デオキシ-(α,β)-D-マンノピラノース(生成物Ca)の調製
化合物8a(24mg、0.027mmol)をメタノールに溶解させた後、酢酸パラジウム(25mg、0.111mmol)を反応液に添加した。水素雰囲気下において室温で7日間撹拌した後、反応混合物を濾過し、次いで減圧下で濃縮した。Sephadex G-10立体排除による精製(溶離液:水)、及び回収された画分を凍結乾燥することによって化合物Caを得た(21mg;0.027mmol;100%)。
Ca:白色フォーム;Rf (AcOEt/i-PrOH/H2O, 3:2:2):0.2。
1H NMR (D2O, 400 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 5.12 (m, 1H, H1aα); 1.72-1.60 (m, 2H, H4a, H4’a)。
13C NMR (D2O, 100 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 96.0 (C1a); 67.2 (C2a); 61.0 (C6a); 28.8 (C4a)。
その他のシグナル:
1H NMR (D2O, 400 MHz) δ (ppm): 4.68 (d, 2H, 2 H1, JH1-H2 = 8.2 Hz); 4.64 (d, 2H, 2 H1, JH1-H2 = 8.0 Hz); 3.86-3.73 (m, 5H, H6a, H6b, H6c, H6d, H6e); 3.71-3.56 (m, 10H, H2a, H5a, H6’a, H3b, H6’b, H3c, H6’c, H3d, H6’d, H6’e); 3.55-3.33 (m, 13H, H3a, H5a, H2b, H4b, H5b, H2c, H4c, H5c, H2d, H4d, H5d, H3e, H5e); 3.31 (t, 1H, H4e, JH3e-H4e = JH4e-H5e = 9.3 Hz); 3.24 (dd, 1H, H2e, JH1e-H2e = 8.0 Hz, JH2e-H3e = 9.3 Hz)。
13C NMR (D2O, 100 MHz) δ (ppm): 103.1, 102.8 (4C, C1b, C1c, C1d, C1e); 84.5, 84.4 (4C, C3a, C3b, C3c, C3d); 76.3, 75.9, 75.8 (6C, C5a,C5b, C5c, C5d, C3e, C5e); 73.8, 73.6 (5C, C2a, C2b, C2c, C2d, C2e); 69.9 (C4e); 64.4 (3C, C4b, C4c, C4d); 61.0 (4C, C6b, C6c, C6d, C6e)。
HRMS (ESI+):[M+Na]+ C30H52NaO25:理論m/z値:835.2695、実測m/z値:835.2694。
【0093】
実施例7:
生成物1bを、仏国特許出願公開第2804684号(特許文献2)に記載の方法、ならびに実施例6の方法に従って調製する。
【0094】
7.1/2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-1,2,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-(α,β)-D-グルコピラノース(生成物2b)の調製
オリゴ糖1b(200mg、0.202mmol)をピリジン(20ml)に溶解した。続いて、反応液を0℃に冷却した後、塩化ベンゾイル(5.2ml、44.4mmol)を添加した。室温で2日間撹拌した後、反応液を濃縮し、塩化メチレンに溶解させ、次いで中性になるまで10%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。続いて、有機層をMgSO4で乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー[石油エーテル/酢酸エチル(1:1; v/v)]で精製することにより、α/βアノマー比1:1の混合物としてベンゾイル誘導体2bを収率85%(545mg、0.178mmol)で得た。
生成物2b:無色オイル; Rf (EP/AcOEt, 1:1):0.4。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 2bαの特徴的シグナル:6.60 (d, 1H, H1a, JH1a-H2a = 3.8 Hz); 5.42 (t, 1H, H4a, JH3a-H4a = JH4a-H5a = 9.8 Hz);2bβの特徴的シグナル:6.02 (d, 1H, H1a, JH1a-H2a = 7.1 Hz); 5.52 (t, 1H, H4a, JH3a-H4a = JH4a-H5a = 9.0 Hz); 4,23-4.18 (m, 1H, H5a)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 2bαの特徴的シグナル:89.7 (C1a); 76.3 (C3a); 72.7 (C2a); 70.2 (C5a); 68.8 (C4a);2bβの特徴的シグナル:92.0 (C1a); 78.3 (C3a); 72.9 (C5a); 72.5 (C2a); 68.8 (C4a); 62.7 (C6a)。
その他のシグナル:
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm):8.01-7.65 (m, 60H, 芳香族H); 7.55-7.01 (m, 140H, 芳香族H); 5.36-5.30 (m, 3H, H2aβ, H3f); 5.20-5.12 (m, 5H, H2aα, H2f, H4f); 5.07-4.89 (m, 8H, 2 H2, 2 H4); 4.88-4.72 (m, 10H, H1b, 2 H2, 2 H4); 4.61-4.30 (m, 13H, H3aα, H3aβ, H5aα, H6aβ, H6’aβ, H1c, H1d, H1e, H1f); 4.12-3.78 (m, 32H, H6aα, H6’aα, H3b, H6b, H6’b, H3c, H6c, H6’c, H3d, H6d, H6’d, H3e, H6e, H6’e, H5f, H6f, H6’f); 3,73-3.56 (m, 8H, H5b, H5c, H5d, H5e)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 166.0, 165.9, 165.8, 165.7, 165.4, 164.9, 164.7, 164.6, 164.4, 164.3, 164.1, 163.8, 163.6, 163.5 (OCOPh); 133.5, 133.2, 133.1, 133.0, 132.8, 132.6, 130.0, 129.9, 129.7, 129.6, 129.5, 129.4, 129.3, 129.2, 129.1, 129.0, 128.9, 128.7; 128.6, 128.5, 128.4, 128.2, 128.0, 127.9 (芳香族C); 101.4, 101.0, 100.9, 100.8, 100.7 (10C, C1b, C1c, C1d, C1e, C1f); 78.3, 78.2, 78.1, 77.9 (8C, C3b, C3c, C3d, C3e); 73.3, 73.2, 73.1 (6C, 3 C2); 72.9 (2C, C2); 72.5 (C3f); 72.1 (C5f); 71.7, 71.6 (8C, C5b, C5c, C5d, C5e); 71.3 (2C, C2f); 70.2 (4C, 2 C4); 70.0 (4C, 2C4); 69.8 (2C, C4f); 63.7, 63.4, 63.1 (11C, C6aα, C6b, C6c, C6d, C6e, C6f)。
HRMS (ESI+): [M+Na]+ C176H142NaO51:理論m/z値:3093.8416、実測m/z値:3093.8418;[M+K]+ C176H142KO51:理論m/z値:3109.8155、実測m/z値:3109.8119。
【0095】
2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-α-D-グルコピラノシルブロミド(生成物3b)の調製
化合物2b(643mg、0.209mmol)のブロム化反応は、生成物3aの調製と同様に、塩化メチレン(15ml)中、臭化水素酸(1.1ml、6.364mmol)の存在下で行われ、633mgのブロム化合物3bを定量的に得た。
生成物3b:無色オイル。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 6.68 (d, 1H, H1a, JH1a-H2a = 3.8 Hz); 5.48 (t, 1H, H4a, JH3a-H4a = JH4a-H5a = 9.7 Hz); 4.82 (dd, 1H, H2a, JH2a-H3a = 9.7 Hz); 4.61 (t, 1H, H3a); 4.60 (dd, 1H, H6a, JH5a-H6a = 3.8 Hz, JH6a-H6’a = 12.2 Hz); 4,55-4.51 (m, 1H, H5a); 4.37 (dd, 1H, H6’a, JH5a-H6’a = 4.2 Hz)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 87.7 (C1a); 76.3 (C3a); 73.4 (C2a); 72.7 (C5a); 67.6 (C4a); 62.0 (C6a)。
その他のシグナル:
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 8.00-7.71 (m, 26H, 芳香族H); 7.61-7.03 (m, 69H, 芳香族H); 5.39 (t, 1H, H3f, JH2f-H3f = JH3f-H4f = 9.7 Hz); 5.22 (dd, 1H, H2f, JH1f-H2f = 7.8 Hz); 5.21 (t, 1H, H4f, JH4f-H5f = 9.7 Hz); 5.05-4.97 (m, 4H, 3 H2, H4); 4.94 (t, 1H, H4, JH4-H5 = 9.3 Hz); 4.88 (d, 1H, H1, JH1-H2 = 8.2 Hz); 4.87-4.77 (m, 3H, H2, 2 H4); 4.55 (d, 1H, H1f); 4.49 (d, 1H, H1, JH1-H2 = 7.7 Hz); 4.42 (d, 1H, H1, JH1-H2 = 7.5 Hz); 4.40 (d, 1H, H1, JH1-H2 = 7.5 Hz); 4.19-4.12 (m, 2H, H3, H6); 4.08-3.81 (m, 12H, 3 H3, 9 H6); 3.77-3.71 (m, 1H, H5f); 3.71-3.60 (m, 4H, H5b, H5c, H5d, H5e)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 165.9, 165.8, 165.7, 165.4, 164.9, 164.8, 164.7, 164.6, 164.5, 164.3, 163.8, 163.5 (19C, OCOPh); 133.8, 133.4, 133.2, 133.1, 133.0, 132.8, 132.6, 129.9, 129.7, 129.6, 129.5, 129.4, 129.3, 129.2, 129.1, 129.0, 128.9, 128.7, 128.6, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.9 (芳香族C); 101.3, 101.0, 100.8, 100.7 (5C, C1b, C1c, C1d, C1e, C1f); 78.4, 78.1, 77.8, 77.4 (4C, C3b, C3c, C3d, C3e); 73.3, 73.2, 72.9 (4C, C2b, C2c, C2d, C2e); 72.5 (C3f); 71.8, 71.6 (5C, C5b, C5c, C5d, C5e, C5f); 71.3 (C2f); 70.2 (4C, C4b, C4c, C4d, C4e); 69.8 (C4f); 63.5, 63.4, 63.1 (5C, C6b, C6c, C6d, C6e, C6f)。
【0096】
7.3/2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-2-D-グル-ヘキス-1-エノピラノース(生成物4b)の調製
化合物3b(550mg、0.181mmol)を、生成物4aの調製方法と同様に、塩化メチレン(10ml)中、DBU(35μl、0.235mmol)存在下で脱離反応を行った。シリカゲルカラム[石油エーテル/酢酸エチル(3:2; v/v)]で精製することにより、目的化合物を458mg、収率85%で得られた。
4b:白色固体; Rf (EP/AcOEt, 1:1):0.5。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 6.54 (s, 1H, H1a); 5.69 (d, 1H, H3a, JH3a-H4a = 1.6 Hz); 4.64 (dd, 1H, H6a, JH5a-H6a = 8.8 Hz, JH6a-H6’a = 12.4 Hz); 4.32 (dd, 1H, H6’a, JH5a-H6’a = 2.4 Hz)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 138.2 (C1a); 74.1 (C5a); 72.3 (C4a); 68.6 (C3a); 61.6 (C6a)。
その他のシグナル:
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 7.95-7.62 (m, 25H, 芳香族H); 7.51-6.93 (m, 70H, 芳香族H); 5.29 (t, 1H, H3f, JH2f-H3f = JH3f-H4f = 9.7 Hz); 5.12 (dd, 1H, H2f, JH1f-H2f = 8.0 Hz); 5.11 (t, 1H, H4f, JH4f-H5f = 9.7 Hz); 5.10-5.12 (m, 1H, H2b, H4b); 4.96-4.80 (m, 4H, H1, 2 H2, H4); 4.78-4.71 (m, 3H, H2, 2 H4); 4.60 (d, 1H, H1, JH1-H2 = 8.0 Hz); 4.52-4.44 (m, 3H, H4a, H5a, H1); 4.42-4.35 (m, 3H, 2 H1, H6, JH1-H2 = 8.0 Hz); 4.07-4.01 (m, 1H, H5b); 3.98 (dd, 1H, H6, JH5-H6 = 3.5 Hz, JH6-H6’ = 11.9 Hz); 3.93-3.75 (m, 1H, 3 H3c, 8 H6); 3.74-3.55 (m, 4H, H5c, H5d, H5e, H5f)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 165.8, 165.7, 165.4, 165.2, 165.1, 164.9, 164.7, 164.6, 163.8, 163.7, 163.6 (19C, OCOPh); 133.3, 133.2, 133.1, 133.0, 132.9, 132.8, 132.7, 132.6, 129.9, 129.8, 129.7, 129.6, 129.5, 129.4, 129.3, 129.2, 129.1, 129.0, 128.8, 128.6, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.9, 127.7 (C2a, 芳香族C); 101.2 (C1b); 100.9, 100.8 100.7 (4C, C1c, C1d, C1e, C1f); 78.2, 78.0 (4C, C3b, C3c, C3d, C3e); 73.3 (1C, C2); 73.1 (C2b); 73.0 (C2); 72.7 (C5b); 72.6 (2C, C3f, C2); 72.0, 71.8, 71.6 (4C, C5c, C5d, C5e, C5f); 71.3 (C2f); 70.2, 70.1, 69.8, 69.7 (5C, C4b, C4c, C4d, C4e, C4f); 63.5, 63.3, 63.1 (5C, C6b, C6c, C6d, C6e, C6f)。
HRMS (ESI+): [M+Na]+ C169H136NaO49:理論m/z値:2971.8048、実測m/z値:2971.8034;[M+K]+ C169H136KO49:理論m/z値:2987.7787、実測m/z値:2987.7811。
【0097】
7.4/2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4,6-ジ-O-ベンゾイル-α-D-グルコピラノース-2-ウロシルブロミド(生成物5b)の調製
生成物5aの調製法に記載された方法と同様に、塩化メチレン1.5ml、NBS(22.4mg、0.126mmol)及びメタノール(3.4μl、0.084mmol)存在下、4b(124mg、0.042mmol)より化合物5bを定量的に得た(123mg、0.042mmol)。
生成物5b:無色オイル。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 6.25 (s, 1H, H1a); 5.44 (t, 1H, H4a, JH3a-H4a = JH4a-H5a = 10.2 Hz); 5.16 (d, 1H, H3a)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル:91.5 (C2a); 83.9 (C1a); 76.3 (C3a); 72.6 (C5a); 69.0 (C4a); 61.7 (C6a)。
その他のシグナル:
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 8.09-7.70 (m, 25H, 芳香族H); 7.60-6.84 (m, 65H, 芳香族H); 5.37 (t, 1H, H3f, JH2f-H3f = JH3f-H4f = 9.7 Hz); 5.20 (dd, 1H, H2f, JH1f-H2f = 8.0 Hz); 5.19 (t, 1H, H4f, JH4f-H5f = 9.7 Hz); 5.10 (dd, 1H, H2b, JH1b-H2b = 8.1 Hz, JH2b-H3b = 9.1 Hz); 5.07-4.96 (m, 4H, H1b, H2, 2 H4); 4.92-4.78 (m, 4H, 2 H2, 2 H4); 4.73 (d, 1H, H1, JH1-H2 = 8.0 Hz); 4.66 (d, 1H, H1, JH1-H2 = 8.0 Hz); 4.65-4.57 (m, 2H, H5a, H6); 4.54 (d, 1H, H1, JH1-H2 = 8.0 Hz); 4.49 (d, 1H, H1, JH1-H2 = 7.7 Hz); 4.47-4.41 (m, 1H, H6); 4.35 (dd, 1H, H6, JH5-H6 = 4.9 Hz, JH6-H6’ = 12.4 Hz); 4.28 (t, 1H, H3b, JH3b-H4b = 9.1 Hz); 4.19 (dd, 1H, H6, JH5-H6 = 3.5 Hz, JH6-H6’ = 12.2 Hz); 4.12 (dd, 1H, H6, JH5-H6 = 6.2 Hz, JH6-H6’ = 12.2 Hz); 4.05-3.81 (m, 11H, H5b, H3c, H3d, H3e, 7 H6); 3.80-3.62 (m, 4H, H5c, H5d, H5e, H5f)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 165.9, 165.8, 165.7, 165.4, 164.9, 164.7, 164.6, 164.3, 163.8, 163.6 (18C, OCOPh); 133.6, 133.3, 133.2, 133.1, 133.0, 132.9, 132.6, 130.0, 129.8, 129.7, 129.6, 129.5, 129.4, 129.3, 129.2, 129.1, 129.0, 128.8, 128.6, 128.4, 128.3, 128.2, 128.1, 127.9 (芳香族C); 101.0, 100.9, 100.7, 100.6 (5C, C1b, C1c, C1d, C1e, C1f); 78.3, 78.2, 78.1, 78.0 (4C, C3b, C3c, C3d, C3e); 73.5, 73.1, 73.0, 72.8 (4C, C2b, C2c, C2d, C2e); 72.6 (C3f); 71.9, 71.8, 71.6 (5C, C5b, C5c, C5d, C5e, C5f); 71.3 (C2f); 70.2, 70.1, 70.0, 69.8 (5C, C4b, C4c, C4d, C4e, C4f); 63.6, 63.5, 63.4, 63.3, 63.2 (5C, C6b, C6c, C6d, C6e, C6f)。
【0098】
7.5/ベンジル 2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-6-O-ベンゾイル-4-デオキシ-β-D-グルコ-ヘキス-3-エノピラノース-2-ウロシド(生成物6b)の調製
モレキュラーシーブス存在下、ベンジルアルコール(7μl、0.068mmol)及びウロシルブロミド5b(183mg、0.063mmol)を塩化メチレン(1.5ml)に溶解した。5分間激しく撹拌した後、トリフェニルホスフィンオキシド(19mg、0.068mmol)を混合物に速やかに添加した。室温で4日間撹拌した後、反応混合物をセライトで濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー[石油エーテル/酢酸エチル(3:2; v/v)]で精製した。溶媒を留去した後、このようにして得られた粗生成物をベンゼン(8ml)に溶解し、次いで、水(200μl、11.1mol)及び炭酸水素ナトリウム(200mg、2.381mmol)を添加した。次いで、反応液を80℃で1.5時間反応させた。室温まで冷却した後、懸濁液をMgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することにより、生成物6b(120mg、0.029mmol)を収率67%で得た。
生成物6b:無色オイル; Rf (EP/AcOEt, 1:1):0.5。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 6.26 (d, 1H, H4a, JH4a-H5a = 3.5 Hz); 4.87 (s, 1H, H1a); 4.83 (d, 1H, H7a, JH7a-H7’a = 11.7 Hz); 4.71-4.65 (m, 1H, H5a); 4.60 (d, 1H, H7’a)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 183.6 (C2a); 144.9 (C3a); 126.3 (C4a); 97.7 (C1a); 71.0 (C5a); 70.6 (C7a); 66.1 (C6a)。
その他のシグナル:
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 8.06-7.71 (m, 25H, 芳香族H); 7.60-7.12 (m, 65H, 芳香族H); 5.37 (t, 1H, H3f, JH2f-H3f = JH3f-H4f = 9.5 Hz); 5.30-5.16 (m, 5H, H1b, H2b, H2f, H4b, H4f); 5.07-4.94 (m, 6H, H2c, H2d, H2e, H4c, H4d, H4e); 4.90 (d, 1H, H1c, JH1c-H2c = 8.0 Hz); 4.57 (d, 1H, H1, JH1-H2 = 8.2 Hz); 4.55 (d, 2H, H1, JH1-H2 = 8.0 Hz); 4.54-4.43 (m, 3H, H6a, 2 H6); 4.38-4.32 (m, 2H, H3b, H6); 4.24-4.20 (m, 2H, H3, H6’a); 4.16-4.04 (m, 4H, H6‘a, H3, H5, H6); 4.02-3.82 (m, 8H, H3, 2 H5, 5 H6); 3.76-3.64 (m, 3H, H5f, 2 H5)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 165.9, 165.8, 165.7, 165.4, 164.9, 164.7, 164.6, 164.4, 163.8, 163.6 (15C, OCOPh); 136.1 (第四級芳香族C OCH2Ph); 133.3, 133.1, 133.0, 132.9, 132.6, 130.0, 129.8, 129.7, 129.6, 129.5, 129.4, 129.3, 129.2, 129.1, 129.0, 128.8, 128.7, 128.6, 128.5, 128.4, 128.2, 128.1, 128.0 (芳香族C); 101.0, 100.9, 100.8 (3C, C1d, C1e, C1f); 100.2 (C1c); 98.4 (C1b); 78.3, 78.2, 78.1 (3C, C3c, C3d, C3e); 77.6 (C3b); 73.3, 73.0, 72.9 (5C, C2b, C5b, C2c, C2d, C2e); 72.6 (C3f); 72.1, 72.0, 71.8 (3C, C5); 71.6 (C2f); 71.3 (2C, C5f, C5); 70.1, 70.0 (3C, C4c, C4d, C4e); 69.8 (C4f); 69.3 (C4b); 63.5, 63.4 (3C, C6f, 2 C6); 63.2, 63.1 (2C, C6b, C6)。
HRMS (ESI+): C162H132NaO47:理論m/z値:2851.7837、実測m/z値:2852.7830;[M+K]+ C162H132KO47:理論m/z値:2867.7576、実測m/z値:2867.7508。
【0099】
7.6/ベンジル 2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-2,4,6-トリ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-6-O-ベンゾイル-4-デオキシ-β-D-マンノ-へキス-3-エノピラノシル(生成物7b)の調製
化合物6b(104mg, 0.036mmol)の還元は、THF(1ml)中、L-Selectride(1M THF溶液;50μl、0.050mmol)の存在下、生成物7aの調製方法と同様にして行った。それにより、処理後に化合物7b(105mg、0.036mmol)を定量的に得た。
生成物7b:無色オイル; Rf (EP/AcOEt, 1:1):0.5。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 4.96 (d, 1H, H4a, JH4a-H5a < 1.0 Hz); 4.60 (d, 1H, H7’a, JH7a-H7’a = 11.7 Hz); 4.45 (d, 1H, H1a, JH1a-H2a = 2.2 Hz); 4.28-4.22 (m, 2H, H5a, H6a)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 151.4 (C3a); 104.1 (C4a); 97.0 (C1a); 70.3 (C5a); 70.0 (C7a); 66.2 (C6a); 65.1 (C2a)。
その他のシグナル:
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 8.04-7.73 (m, 25H, 芳香族H); 7.60-7.10 (m, 65H, 芳香族H); 5.39 (t, 1H, H3f, JH2f-H3f = JH3f-H4f = 9.7 Hz); 5.34 (t, 1H, H4b, JH3b-H4b = JH4b-H5b = 8.6 Hz); 5.22 (dd, 1H, H2f, JH1f-H2f = 7.7 Hz); 5.21 (t, 1H, H4f, JH4f-H5f = 9.7 Hz); 5.19 (dd, 1H, H2b, JH1b-H2b = 7.1 Hz, JH2b-H3b = 9.5 Hz); 5.18 (d, 1H, H1b); 5.06-4.97 (m, 3H, H2, 2 H4); 4.90-4.81 (m, 4H, H7a, 2 H2, H4); 4.58 (d, 3H, 3H1, JH1-H2 = 7.7 Hz); 4.53 (dd, 1H, H6, JH5-H6 = 3.3 Hz, JH6-H6’ = 12.2 Hz); 4.49 (d, 1H, H1, JH1-H2 = 8.0 Hz); 4.39-4.32 (m, 2H, H3b, H6); 4.20-4.06 (m, 4H, H6’a, H3, H5, H6); 4.00-3.83 (m, 12H, H2a, H5f, 3 H3, 7 H6); 3.76-3.71 (m, 4H, 4 H5)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ (ppm): 166.1, 165.9, 165.8, 165.7, 165.4, 164.9, 164.7, 164.6, 164.5, 164.4, 164.2, 163.8, 163.6 (17C, OCOPh); 136.5 (第四級芳香族C OCH2Ph); 133.4, 133.2, 133.1, 133.0, 132.9, 132.6, 129.9, 129.8, 129.7, 129.6, 129.5, 129.4, 129.3, 129.2, 129.1, 129.0, 128.9, 128.7, 128.6, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.9 (芳香族C); 101.0, 100.9, 100.7, 100.6 (4C, C1c, C1d, C1e, C1f); 97.3 (C1b); 78.2 (3C, C3c, C3d, C3e); 77.5 (C3b); 73.4, 73.1 (3C, C2c, C2d, C2e); 72.9 (C2b); 72.5 (C3f); 71.9 (C5b); 71.7 (1C, C5); 71.6 (3C, C5f, 2 C5); 71.2 (C2f); 70.1 (2C, C4); 69.7 (C4f); 69.3, 69.2 (2C, C4b, C2); 63.4, 63.3, 63.1 (5C, C6b, C6c, C6d, C6e, C6f)。
HRMS (ESI+): [M+Na]+ C162H134NaO47:理論m/z値:2853.7993、実測m/z値:2853.7994;[M+K]+ C162H134KO47:理論m/z値:2869.7732、実測m/z値:2869.7650。
【0100】
7.7/ベンジル β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4-デオキシ-β-D-マンノ-ヘキス-3-エノピラノシル(生成物8b)の調製
生成物8aの調製方法と同様にして、塩化メチレン/メタノール混合(3:2; v/v)(2.5ml)溶液中、MeONa(0.1M MeOH溶液;0.71ml、0.71mmol)の存在下で化合物7b(105mg、0.036mmol)の脱ベンゾイル化反応を行った。シリカゲルカラム[酢酸エチル/メタノール(3:2; v/v)]で精製することにより、8b(38mg)を定量的に得ることができる。
生成物8b:無色オイル。
1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 5.06 (d, 1H, H4a, JH4a-H5a = 1.6 Hz); 4.82 (d, 1H, H7a, JH7a-H7’a = 11.9 Hz); 4.60 (d, 1H, H7’a); 4.49 (d, 1H, H1a, JH1a-H2a = 1.8 Hz); 4.12-4.08 (m, 1H, H5a); 3.88 (d, 1H, H2a)。
13C NMR (CD3OD, 100 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 153.5 (C3a); 103.9 (C4a); 99.8 (C1a); 71.2 (C7a); 67.2 (C2a); 65.6 (C6a)。
その他のシグナル:
1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ (ppm): 7.30-7.17 (m, 5H, 芳香族H); 4.71 (d, 1H, H1b, JH1b-H2b = 7.7 Hz); 4.55 (d, 3H, H1c, H1d, H1e, JH1-H2 = 7.8 Hz); 4.47 (d, 1H, H1f, JH1f-H2f = 8.0 Hz); 3.81-3.72 (m, 5H, 5 H6); 3.62-3.44 (m, 12H, H6a, H6’a, H2b, 3 H3, 5 H6); 3.40-3.34 (m, 3H, H2c, H2d, H2e); 3.32-3.14 (m, 12H, H2f, H3f, H4f, 4 H4, 5 H5)。
13C NMR (CD3OD, 100 MHz) δ (ppm): 138.9 (第四級芳香族C OCH2Ph); 129.4, 129.3, 128.9, 128.7 (芳香族C); 105.2, 104.7 (4C, C1c, C1d, C1e, C1f); 100.5 (C1b); 87.4, 87.3, 87.1 (4C, C3b, C3c, C3d, C3e); 78.1, 77.8 (6C, C3f, C5b, C5c, C5d, C5e, C5f); 75.5 (C2f); 75.0, 74.9 (4C, C2c, C2d, C2e, C5a); 74.0 (C2b); 71.5 (C4f); 70.0, 69.9 (4C, C4b, C4c, C4d, C4e); 62.6, 62.5 (5C, C6b, C6c, C6d, C6e, C6f)。
【0101】
7.8/β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4-デオキシ-(α,β)-D-マンノピラノース(生成物Cb)の調製
化合物8b(60mg、0.056mmol)は、生成物Caにおいて記載される同じ調製方法により、すなわち酢酸パラジウム(60mg、0.267mmol)存在下、水素化分解によって、還元かつ脱ベンゾイル化された。Sephadex G-10カラムで精製することで、化合物αが主生成物である目的生成物Cbをα/βの混合物として定量的に得ることができる。
生成物Cb:白色フォーム。
1H NMR (D2O, 400 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 5.14 (d, 1H, H1aα, JH1a-H2a = 3.3 Hz); 1.75-1.60 (m, 2H, H4a)。
13C NMR (D2O, 100 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 96.0 (C1aα); 61.0 (C6a); 26.0 (C4a)。
その他のシグナル:
1H NMR (D2O, 400 MHz) δ (ppm): 4.70 (d, 3H, H1, JH1-H2 = 8.0 Hz); 4.66 (d, 2H, H1, JH1-H2 = 8.2 Hz); 3.86-3.78 (m, 6H, H6a, H6b, H6c, H6d, H6e, H6f); 3.73-3.60 (m, 11H, H3a, H3b, H3c, H3d, H3e, H6’a, H6’b, H6’c, H6’d, H6’e, H6’f); 3.50-3.36 (m, 16H, H2a, H2b, H2c, H2d, H2e, H3f, H4b, H4c, H4d, H4e, H5a, H5b, H5c, H5d, H5e, H5f); 3.31 (t, 1H, H4f, JH3f-H4f = JH4f-H5f = 9.3 Hz); 3.26 (dd, 1H, H2f, JH1f-H2f = 8.0 Hz, JH2f-H3f = 9.0 Hz)。
13C NMR (D2O, 100 MHz) δ (ppm): 103.1, 102.8 (5C, C1b, C1c, C1d, C1e, C1f); 84.5, 84.3 (5C, C3a, C3b, C3c, C3d, C3e); 76.3, 75.9 (6C, C3f, C5a, C5b, C5c, C5d, C5e, C5f); 73.8, 73.6 (6C, C2a, C2b, C2c, C2d, C2e, C2f); 69.9 (C4f); 68.4 (4C, C4b, C4c, C4d, C4e); 61.0 (5C, C6b, C6c, C6d, C6e, C6f)。
HRMS (ESI+): [M+Na]+ C36H62NaO30:理論m/z値:997.3224、実測m/z値:997.3201。
【0102】
7.9/β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4-デオキシ-D-マンニトール(生成物Dd)の調製
化合物Cb(40mg, 0.041mmol)をメタノール/水混合溶媒(4:1, v/v)に溶解させた後、10当量の水素化ホウ素ナトリウム(15.5 mg, 0.411 mmol)を添加した。室温で1週間撹拌した後、反応液を数滴の酢酸により中和させ、減圧下で濃縮し、10mlのメタノール/酢酸混合溶媒(9:1, v/v)で3回共沸し、最後に10mlのメタノールで3回共沸した。ゲル浸透カラム(Sephadex G-10;溶離液:水)で精製し、回収した画分を凍結乾燥することで、化合物Dbを得た。
生成物Db:白色フォーム。
1H NMR (D2O, 400 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 3.97-3.90 (m, 1H, H3a); 1.70-1.40 (m, 2H, H4a)。
13C NMR (D2O, 100 MHz) δ (ppm): 特徴的シグナル: 76.3 (C3a); 71.0 (C2a, C5a); 66.1 (C6a); 63.0 (C1a); 25.3 (C4a)。
その他のシグナル:
1H NMR (D2O, 400 MHz) δ (ppm): 4.70 (d, 3H, H1, JH1-H2 = 8.0 Hz); 4.66 (d, 2H, H1, JH1-H2 = 8.0 Hz); 3.87-3.76 (m, 9H, H1a, H2a, H5a, H6a, H6b, H6c, H6d, H6e, H6f); 3.72-3.51 (m, 12H, H1’a, H3a, H3b, H3c, H3d, H3e, H6’a, H6’b, H6’c, H6’d, H6’e, H6’f); 3.50-3.36 (m, 14H, H2b, H2c, H2d, H2e, H3f, H4b, H4c, H4d, H4e, H5b, H5c, H5d, H5e, H5f); 3.31 (t, 1H, H4f, JH3f-H4f = JH4f-H5f = 9.3 Hz); 3.26 (dd, 1H, H2f, JH1f-H2f = 8.0 Hz, JH2f-H3f = 9.3 Hz)。
13C NMR (D2O, 100 MHz) δ (ppm): 103.1, 102.8 (5C, C1b, C1c, C1d, C1e, C1f); 84.5, 84.3 (4C, C3b, C3c, C3d, C3e); 76.3 (C5f); 75.9 (5C, C3f, C5a, C5b, C5c, C5d, C5e); 73.8, 73.6 (5C, C2b, C2c, C2d, C2e, C2f); 69.9 (C4f); 68.4, 68.2 (4C, C4b, C4c, C4d, C4e); 61.0 (5C, C6b, C6c, C6d, C6e, C6f)。
HRMS (ESI+):[M+Na]+ C36H64NaO30:理論m/z値:999.3380、実測m/z値:999.3411。
【0103】
実施例8〜11は、本発明に係る化合物の生物活性を示す。
【0104】
それらの実施例において、試験される化合物は、
LAM5:ラミナリペンタオース、
LAM7:ラミナリへプタオース、
A2は、実施例3で調製した化合物であり、
A0は、下記の化合物を表す。
【化27】

使用されるコントロールはPBSである。
使用される投与量は、1マウスあたり100μgである。
【0105】
実施例8:末梢血液細胞の食作用に対するLAM5、LAM7、A2及びA0の効果
コントロール、LAM5、LAM7、A0、またはA20をそれぞれ、Balb/cマウスの群(Jackson laboratory、Bar Harbor、ME、USA)に腹膜経路で注射した。注射から24時間後、マウスを屠殺した。眼窩神経叢から末梢血をヘパリン(5IU/ml)(Sigma)中に回収した。
【0106】
計数後、HEMA粒子(2-ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体から調製した合成マイクロスフェア)の食作用についての試験を、Rembaumら、1976年、Vetvickaら、1982年、Bilejら、1989年に記載の通り実施した。ヘパリン加新鮮血0.1mlを希釈HEMA粒子(5×108/ml)0.05mlに添加し、時々適度に撹拌しながら37℃で60分間インキュベートした。
【0107】
インキュベートの終わりに、細胞懸濁液を顕微鏡用スライド上に塗抹した。塗抹標本をギムザ染色後、光学顕微鏡下で評価した。
【0108】
少なくとも3個の粒子を取り囲む細胞を陽性とみなした。
【0109】
平均の結果を図1に図示する。この結果から、A0およびA2は両方とも、単球および顆粒球における食作用を強力に刺激することが明示される。
【0110】
実施例9:腹腔から得た細胞の食作用に対するオリゴ糖の効果
コントロール、LAM5、LAM7、A0、またはA2をそれぞれ、Balb/cマウスの群(Jackson laboratory、Bar Harbor、ME、USA)に腹腔内経路で注射した。
【0111】
24時間後、マウスを屠殺し、腹膜細胞をハンクス培地(Sigma)中に採取した。
【0112】
血球計数器で細胞を計数した後、腹膜細胞を、5%ウシ胎児血清(Hyclone、Logan、UT、USA)を有するRPMI1640培地(Sigma)中、1×107に希釈した。
【0113】
5%ウシ胎児血清を添加したRPMI1640培地0.2ml中の2×106個の細胞を、同体積のHEMA粒子(5×108/ml)と混合した。
【0114】
懸濁液を時々適度に撹拌しながら37℃で60分間インキュベートした。遠心分離(150g、5分間)によってインキュベートを停止し、ペレットを懸濁液中に戻した。
【0115】
粒子を取り込んだマクロファージを、Accustain(改変ライト染色、Sigma)で染色した塗抹標本として光学顕微鏡下で計数した。
【0116】
少なくとも6個の粒子を取り囲む細胞を陽性であるとみなした。
【0117】
平均の結果を図2に図示する。この結果から、A0およびA2は両方とも、腹膜のマクロファージの単球および顆粒球両方における食作用を強力に刺激することが示される。
【0118】
実施例10:血液における微分計数に対するA0およびA2の効果
実施例8と同じ実験群を用いて、各実験試料から2つのさらなる顕微鏡用スライドを調製した。ギムザ染色後、個々のタイプの細胞、すなわち、単球、リンパ球、および顆粒球の存在を、光学顕微鏡で各スライドについて評価した。
【0119】
平均の結果を図3に図示する。この結果から、A0およびA2は両方とも、末梢血における単球および顆粒球の数を増大することが示される。
【0120】
実施例11:腹膜細胞における微分計数に対するA0およびA2の効果
実施例8と同じ実験群を用いて、各実験試料の2つのさらなる顕微鏡用スライドを調製した。ギムザ染色後、個々のタイプの細胞、すなわち、単球、リンパ球、および肥満細胞の存在を、光学顕微鏡で各スライドについて評価した。
【0121】
平均の結果を図4に図示する。この結果から、A0およびA2は両方とも、腹腔における単球および顆粒球の数を増大することが示される。
【0122】
【表1A】

【表1B】

【表2A】

【表2B】

【表3A】

【表3B】

【表3C】

【表3D】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
腫瘍、癌、ウィルス性疾患、細菌性疾患、真菌性疾患、免疫系疾患、自己免疫疾患、またはヒト及び温血動物における免疫刺激欠損に関連する疾患を含む群から選択される疾患を治療する薬剤の調製における、式(I)または(II)の少なくとも1つの化合物の使用。
【化1】

[式中、R1はHを表し、nは、2〜10の整数、好ましくは2〜7、さらに好ましくは3、4または5である。]
【請求項2】
一般式(I’)または一般式(II’)の、オリゴ-β-(1,3)-グルカン-(1,3)-マンノース及びオリゴ-β-(1,3)-グルカン-(1,3)-マンニトールならびにそれらの4-デオキシ誘導体。
【化2】

[式中、R1はHまたはOHであり、nは2〜10の整数であり、好ましくは2〜7であり、さらに好ましくは3、4、または5である。]
【請求項3】
β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-(α,β)-D-マンノピラノース;
β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-マンノピラノース;
β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4-デオキシ-(α,β)-D-デオキシ-マンノピラノース;
β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-マンニトール;
β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4-デオキシ-マンニトール;
β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-マンニトール;
β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4-デオキシ-(α,β)-D-マンノピラノース;
β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-β-D-グルコピラノシル-(1→3)-4-デオキシ-マンニトール。
【請求項4】
下記式(D)のグリコシルドナーと、下記式(A)のグリコシルアクセプターとの反応を含む、請求項2または3に記載の化合物の調製方法。
【化3】

[式中、
mは、1〜9の整数であり、好ましくは1〜6であり、さらに好ましくは2、3または4であり;
pは、0〜9の整数であり、好ましくは0〜6であり、さらに好ましくは2、3または4であり;
Rは、エチル、メチル、プロピルもしくはブチルなどのアルキル、またはフェニルもしくはトリルなどのアリールを表し;
R2は、アリル、メチルナフチル、ベンジル、パラメトキシベンジル、ハロゲノアセチル(クロロアセチル、ブロモアセチル、ヨードアセチル)を表し;
一方でR3及びR4、他方でR3’及びR4’は、それらが結合してエチリジル、イソプロピリジル、ヘキサフルオロイソプロピリジル、シクロペンチリジル、シクロヘキシリジル、シクロヘプチリジル、ブチリジル、1-t-ブチルエチリジル、ベンジリジル、メトキシベンジリジル、1-フェニルベンジリジル基を形成し、或いはR3、R4、R3’及びR4’は、それぞれ独立して、ベンジル、クロロベンジル、ニトロベンジル、アリル、トリアリールメチル、トリアルキルシリル(例えば、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t-ブチルジメチルシリル)、エステル(例えば、アセチル、クロロアセチル、ベンゾイル、ビバロイル)を表し;
R5は、H、レブリノイル、アセチル、クロロアセチル、フルオレニルメチルオキシカルボニル、或いはトリアルキルシリル(例えば、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t-ブチルジメチルシリル)を表し、好ましくはレブリノイル基であり;
但し、R3、R4、R3’、R4’のいずれもがR5と同一ではない。]
【請求項5】
前記式(A)の化合物が
【化4】

であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記式(D)の化合物が
【化5】

であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
末端部の2位においてエピメリ化の工程を含む、請求項2または3に記載の化合物の調製方法。
【請求項8】
式(III)、(IV)、(V)及び(VI)の化合物。
【化6】

[式中、
pは、0〜9の整数であり、好ましくは0〜6であり、さらに好ましくは2、3、4であり;
R2は、水素、アリル、メチルナフチル、ベンジル、パラメトキシベンジル、ハロゲノアセチル(クロロアセチル、ブロモアセチル、ヨードアセチル)を表し;
一方でR3及びR4、他方でR3’及びR4’は、それらが結合してエチリジル、イソプロピリジル、ヘキサフルオロイソプロピリジル、シクロペンチリジル、シクロヘキシリジル、シクロヘプチリジル、ブチリジル、1-t-ブチルエチリジル、ベンジリジル、メトキシベンジリジル、1-フェニルベンジリジル基を形成し、
或いはR3、R4、R3’及びR4’は、それぞれ独立して、ベンジル、クロロベンジル、ニトロベンジル、アリル、トリアリールメチル、トリアルキルシリル(例えば、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t-ブチルジメチルシリル)、エステル(例えば、アセチル、クロロアセチル、ベンゾイル、ビバロイル)を表し;
R5は、H、レブリノイル、アセチル、クロロアセチル、フルオレニルメチルオキシカルボニル、トリアルキルシリル(例えば、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t-ブチルジメチルシリル)基を表し、好ましくはレブリノイル基であり;
但し、R3、R4、R3’、R4’のいずれもがR5とは同一ではなく;
R7は、エステル、具体的にはアセチル、ベンゾイル、ピバロイルを表し、好ましくはBzであり;
R8は、Bn、NAP、p-メトキシベンジル、p-メトキシフェニル、アリルから選択される、その他すべての保護基と直交する基であり、R8は好ましくはBnを表し;
R9は、OR8またはXを表す。]
【請求項9】
請求項2または3に定義された化合物を含む、薬剤。
【請求項10】
腫瘍、癌、ウィルス性疾患、細菌性疾患、真菌性疾患、免疫系疾患、自己免疫疾患、またはヒト及び温血動物における免疫刺激欠損に関連する疾患を含む群から選択される疾患の治療方法に使用する、請求項2または3に記載の化合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−513426(P2010−513426A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542169(P2009−542169)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際出願番号】PCT/FR2007/052595
【国際公開番号】WO2008/087340
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(508298466)
【Fターム(参考)】