説明

免疫調節剤としての8−オキソアデニン誘導体

本発明は、式


〔式中、R、Y、X、Z、X、Y、A、nおよびRは明細書で定義の通りである。〕
の化合物、それらの製造方法、それらを含む医薬組成物および治療におけるそれらの使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アデニン誘導体、それらの製造方法、それらを含む医薬組成物および治療におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
免疫系は、先天的および後天的免疫を含み、その両方が協調して働き、微生物感染から宿主を保護する。先天的免疫が免疫細胞の細胞表面に発現されるトール様受容体(TLR)を介して、保存された病原体関連分子パターンを認識できることが示されている。その後、侵入している病原体がサイトカイン産生(インターフェロンアルファ(IFNα))および貪食細胞上の共刺激分子の上方制御の引き金を引き、T細胞機能の調節に至る。それ故、先天的免疫は後天的免疫と密接に関連し、後天的応答の発達および制御に影響し得る。
【0003】
TLRは、NH末端細胞外ロイシン・リッチ・リピート・ドメイン(LRR)およびToll/IL−1受容体(TIR)相同ドメインと呼ばれる保存された領域を含むCOOH末端細胞内尾部により特徴付けられる、I型膜貫通型受容体のファミリーである。細胞外ドメインは種々の数のLRRを含み、リガンド結合に関係すると考えられている。11種のTLRが、今日までヒトおよびマウスについて記載されている。それらは、互いにリガンド特異性、発現パターン、およびそれらが誘発できる標的遺伝子が違う。
【0004】
TLRを介して作用するリガンド(免疫応答修飾因子(IRMS)としても既知)、例えば、米国特許4689338に記載されたイミダゾキノリン誘導体(この特許は、性器疣贅の処置用の製品Imiquimodを含む)、およびWO98/01448およびWO99/28321に記載されたアデニン誘導体が開発されている。
【発明の概要】
【0005】
本特許出願は、ウイルス性またはアレルギー性疾患および癌の処置に有用な、TLR7を介して作用する免疫調節特性を有する、9−置換−8−オキソアデニン化合物のクラスを記載する。
【0006】
本発明によって、従って、式(I):
【化1】

〔式中、
は水素、ヒドロキシル、C−Cアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルコキシ、またはC−C10アリール、C−C10ヘテロアリールまたはC−Cシクロアルキル基であり、各基は、所望によりハロゲン、ヒドロキシル、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、アミノ(NH)および(ジ)−C−Cアルキルアミノから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
は単結合またはC−Cアルキレンであり;
は単結合または酸素または硫黄原子またはスルホニル(SO)またはNRであり;
はC−CアルキレンまたはC−Cシクロアルキレン基であり、その各々は、所望により少なくとも1個のヒドロキシルで置換されていてよく;
はNR、CONR、NRCO、SONR、NRCONRまたはNRCONR、SO、CO、NRCSNRであり;
は単結合またはC−Cアルキレンであり;
nは整数0、1または2であり;
各R基は、独立してハロゲン、シアノ、S(O)、OR10、SONR1011、CONR1011、NR、NR10SO、NR10CO、NR10COR、C−C10アリール、C−C10ヘテロアリール基、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cシクロアルキル基であり、後6者は、所望によりハロゲン、シアノ、S(O)12、OR13、SONR1314、CONR1314、NR、NR13SO12、NR13CO12、NR13COR12、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
は水素またはC−Cアルキルであり;
は水素または、環基OまたはNRを含む3−8員飽和ヘテロ環式環であるか;
またはRは所望によりNRまたはRから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよいC−Cアルキレンであり;
は水素またはC−CアルキルまたはC−Cシクロアルキル基であり、その各々は、所望によりハロゲン、ヒドロキシルおよびNRから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
【0007】
は水素、CO、SO、COR、SONR1011、CONR1011、環基NRを含む3−8員飽和ヘテロ環式環であるか;または
(i) C−C10アリールまたはC−C10ヘテロアリール基であり、その各々は、所望によりハロゲン、シアノ、オキソ、カルボキシル、S(O)12、OR13、SONR1314、CONR1314、NR1314、NR13SO12、NR13CO12、NR13COR12、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく、または
(ii) C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cシクロアルキル基であり、その各々は、所望によりハロゲン、シアノ、C−Cシクロアルキル、OR15、S(O)16、CO16、NR1718、CONR1718、NR17COR16、SONR1718、NR17SO16および上記(i)において定義の基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
、R、R13、R14、R15、R19、R20、R22、R23、R24およびR25は、各々独立して水素、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであるか;
またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、環窒素原子および所望により窒素、酸素、硫黄およびスルホニルから独立して選択される1個以上のさらなるヘテロ原子を含んでよい3−8員飽和ヘテロ環式環を形成し、該ヘテロ環式環は、所望によりハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、OR21、S(O)21、NR2223、C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
、R16およびR21は、各々独立してC−CアルキルまたはC−Cシクロアルキル基であり、その各々は、所望によりハロゲン、カルボキシル、ヒドロキシルおよびNR1920から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
10は水素またはC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cシクロアルキル基であり、その各々は、所望によりハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、OR21、S(O)21、NR2223およびC−Cシクロアルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく、そして
11は水素またはC−CアルキルまたはC−Cシクロアルキル基であり、その各々は、所望によりハロゲン、ヒドロキシルおよびNR2425から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよいか、または
10およびR11は、それらが結合している窒素原子と一体となって、窒素、酸素、硫黄およびスルホニルから選択される少なくとも1個のヘテロ原子またはヘテロ基を含む3−8員飽和ヘテロ環式環を形成し、該ヘテロ環式環は、所望によりハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、OR21、S(O)21、NR2223、C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
12はC−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
17およびR18は各々R10およびR11について定義の通りであり;
m、pおよびqは、各々独立して0、1または2の整数であり;そして
Aは単環式もしくは二環式C−C10アリールまたは1−3ヘテロ原子を含む単環式もしくは二環式C−C12ヘテロアリール基である。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩が提供される。
【0008】
本明細書の文脈において、特記しない限り、アルキル置換基または置換基中のアルキル部分は直鎖でも分枝鎖でもよい。C−Cアルキル基/部分の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルを含む。同様に、アルキレン基/部分は直鎖でも分枝鎖でもよい。C−Cアルキレン基/部分の例は、メチレン、エチレン、n−プロピレン、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、1−エチルエチレン、2−エチルエチレン、1−、2−または3−メチルプロピレンおよび1−、2−または3−エチルプロピレンを含む。C−CハロアルキルまたはC−Cハロアルコキシ置換基/部分は、少なくとも1個のハロゲン原子、例えば1個、2個、3個、4個または5個のハロゲン原子を含み、その例はトリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたはペンタフルオロエチルを含む。ジ−C−Cアルキルアミノまたはアルキルカルボニル基/部分のアルキル基は、互いに同じでも異なってもよい。C−CヒドロキシアルキルまたはC−Cヒドロキシアルコキシ置換基/部分は、少なくとも1個のヒドロキシル基、例えば1個、2個または3個のヒドロキシル基を含む。アリールまたはヘテロアリール置換基/部分は単環式でも、2個以上の環が縮合している多環式(例えば二環式または三環式)でもよい。ヘテロアリール基/部分は、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子(例えば独立して1個、2個、3個または4個の環ヘテロ原子)を含む。アリールおよびヘテロアリール基/部分の例は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、フリル、チエニル、ピロリル、ピリジル、インドリル、イソインドリル、キノリル、イソキノリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チアゾリルおよびオキサゾリルを含む。
【0009】
−C10アシルオキシ基/部分は、C−Cアルキルカルボニルオキシ基、C−Cアルケニルカルボニルオキシ基、C−Cアルキニルカルボニルオキシ基、C−Cアリールカルボニルオキシ基またはC−Cヘテロアリールカルボニルオキシ基により例示され、その各々は、アシルオキシ基の炭素原子の総数が10個を超えない限り、所望によりハロゲン、ヒドロキシル、C−Cアルコキシまたは、所望によりハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、OR21、S(O)21またはC−Cアルキルで置換されていてよいフェニル環から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよい。
【0010】
好ましくはRは水素である。
好ましくはYはC−Cアルキレン、より好ましくはCアルキレンである。
好ましくはXは酸素である。
好ましくはZはC−Cアルキレン、より好ましくは(CH)である。
【0011】
好ましくはXはNRである。
好ましくはYはC−Cアルキレン、より好ましくはCH基である。
好ましくはAはフェニルである。
好ましくはRは水素またはC−Cアルコキシである。
【0012】
本発明の化合物の例は、次のものを含む:
6−アミノ−9−{3−[ベンジル(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−2−ブトキシ−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(4−イソプロポキシベンジル)(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(4−メトキシベンジル)(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イルメチル)(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(3,4−ジメトキシベンジル)(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(4−モルホリン−4−イルベンジル)(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(3−モルホリン−4−イルプロピル)(4−ピリミジン−2−イルベンジル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[[4−(メチルチオ)ベンジル](3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−(3−{(3−モルホリン−4−イルプロピル)[(2−オキソ−2H−クロメン−6−イル)メチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−(3−{(3−モルホリン−4−イルプロピル)[(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−6−イル)メチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(3−モルホリン−4−イルプロピル)(4−プロポキシベンジル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(3,5−ジメトキシベンジル)(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(2,4−ジメトキシベンジル)(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
(4−{[[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル](3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]メチル}フェノキシ)アセトニトリル
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(3−モルホリン−4−イルプロピル)(4−ピロリジン−1−イルベンジル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−(3−{(3−モルホリン−4−イルプロピル)[4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ベンジル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[[4−(メチルスルホニル)ベンジル](3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
4−{[[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル](3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]メチル}−N−(tert−ブチル)ベンゼンスルホンアミド
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[[4−(ヒドロキシメチル)ベンジル](3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−9−(3−{ベンジル[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}プロピル)−2−ブトキシ−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−9−{3−[ベンジル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ]プロピル}−2−ブトキシ−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
およびその薬学的に許容される塩または溶媒和物。
【0013】
本発明は、さらに式(I)の化合物の製造方法を提供する。
【0014】
本発明は、さらに、上記で定義の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の製造方法であって、
(a) 式
【化2】

〔式中、Z、Y、X、RおよびRは式(I)において定義の通りである。〕
の化合物と、式
【化3】

〔式中、Yは結合またはC−Cアルキレン基であり、そしてnおよびRは式(I)において定義の通りである。〕
の化合物を、適当な還元剤(例えばナトリウムトリアセトキシボロハイドライド)の存在下で反応させるか;または
【0015】
(b) 上記(a)で定義の式(II)の化合物と、式
【化4】

〔式中、YはC−Cアルキレン基であり、Lは脱離基(例えばハロゲン、メシレートまたはトリフラート)であり、そしてnおよびRは式(I)において定義の通りである。〕
の化合物を、適当な塩基(例えば炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム)の存在下で反応させる
ことを含む、方法を提供する。
【0016】
方法(a)において、本反応は、簡便には、有機溶媒、例えば1−メチル−2−ピロリジノン、1,2−ジクロロエタンまたはテトラヒドロフラン中、例えば、0〜150℃の温度で簡便に行い得る。
【0017】
方法(b)において、本反応は、簡便には、有機溶媒、例えばアセトニトリル、1−メチル−2−ピロリジノンまたはN,N−ジメチルホルムアミド中、例えば、0〜150℃の温度で簡便に行い得る。
【0018】
が水素であり、YがC−Cアルキレンであり、そしてXが酸素である式(II)の化合物は、次の反応スキームに説明する通りに製造し得る:
【化5】

【0019】
式(B)の化合物は、式(A)の化合物とアンモニアを、有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジグリム、アセトニトリルまたは前述の溶媒のいずれか一つの水性混合物中、反応させることにより製造する。本反応は、オートクレーブ中、例えば20〜200℃の範囲の温度で行い得る。
【0020】
式(C)の化合物は、式(B)の化合物とアルカノールを、塩基、例えば水素化ナトリウムの存在下、有機溶媒、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジグリム、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド中、好ましくは高温で、例えば20〜150℃の範囲の温度で反応させることにより製造し得る。あるいは、アルカリ金属、例えばナトリウムをアルカノールに溶解し、式(B)の化合物と、好ましくは高温で、例えば20〜150℃の範囲の温度で反応させてよい。
【0021】
式(D)の化合物は、式(C)の化合物の臭素化により製造する。本反応は、臭素化剤、例えば臭素、過臭素酸またはN−ブロモスクシンイミドを、有機溶媒、例えば炭素テトラクロライド、塩化メチレン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸または二硫化炭素中で使用して行い得る。反応温度は、一般に0℃から溶媒の沸点の範囲である。
【0022】
式(E)の化合物は、式(D)の化合物とナトリウムメトキシドを、有機溶媒、例えばメタノール中、例えば、20〜150℃の範囲の温度で反応させることにより、製造する。
【0023】
式(F)の化合物は、式(E)の化合物を酸、例えばトリフルオロ酢酸で、有機溶媒、例えばメタノール中処理することにより得ることができる。
【0024】
式(G)の化合物は、式(F)の化合物と式LG−Z−LG(式中、LGは脱離基、例えばaハロゲン、メシレートまたはトリフラートであり、そしてZは式(II)に定義した通りのC−Cアルキレン基である)の化合物を反応させることにより製造する。本反応は、有機溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはアセトニトリル中、塩基存在下、好ましくは室温(20℃)で行い得る。塩基、例えばアルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム;アルカリ土類金属炭酸塩、例えば炭酸カルシウム;金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム;金属水素化物、例えば水素化ナトリウム;または金属アルコキシド、例えばカリウムt−ブトキシドを使用し得る。
【0025】
式(H)の化合物は、式(G)の化合物の酸での処理により得ることができる。本反応は、有機溶媒、例えばメタノール中、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸または硫酸、または有機酸、例えばトリフルオロ酢酸のいずれかを使用して、行い得る。
【0026】
式(II)の化合物は、式(H)の化合物と、式RNH(式中、Rは式(I)において定義の通りである)のアミンの反応により製造する。本反応は、有機溶媒、例えばアセトニトリルまたはN,N−ジメチルホルムアミド中、過剰の該アミンを使用して、好ましくは高温で、例えば0〜150℃の範囲の温度で行い得る。
【0027】
当業者には、本発明の方法において、反応物に存在するある種の官能基、例えばヒドロキシルまたはアミノ基を保護基により保護する必要があるかもしれないことを認識しよう。それ故、式(I)の化合物の製造は、適当な段階での、1個以上の保護基の除去を含み得る。
【0028】
官能基の保護および脱保護は、‘Protective Groups in Organic Chemistry’, edited by J.W.F. McOmie, Plenum Press (1973) and ‘Protective Groups in Organic Synthesis’, 3rd edition, T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Wiley-Interscience (1999)において記載されている。
【0029】
上記の式(I)の化合物、はその薬学的に許容される塩、好ましくは酸付加塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、トリフルオロ酢酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、ピルビン酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩またはp−トルエンスルホン酸塩に変換してよい。
【0030】
式(I)の化合物は、立体異性形態で存在できる。本発明は、式(I)の化合物の全ての幾何および光学異性体(アトロプ異性体を含む)およびラセミ体を含むその混合物の使用を包含することは理解されよう。互変異性体およびその混合物の使用もまた本発明の一局面を形成する。エナンチオマー的に純粋な形が特に望ましい。
【0031】
式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩は、医薬として、特にトール様受容体(特にTLR7)活性のモジュレーターとしての活性を有し、それ故に、次のものの処置に使用し得る:
1. 呼吸器:次のものを含む気道の閉塞性疾患:気管支、アレルギー性、内因性、外因性、運動誘発性、薬剤誘発性(アスピリンおよびNSAID誘発を含む)および粉塵誘発性喘息を含む、間欠性および永続性両方の、および全ての重症度の、および気道過敏反応性の他の原因を含む、喘息;慢性閉塞性肺疾患(COPD);感染性および好酸球性気管支炎を含む気管支炎;気腫;気管支拡張症;嚢胞性線維症;サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;過敏性肺炎;原因不明線維化肺胞炎、特発性間質性肺炎、抗新生物治療および結核およびアスペルギルス症および他の真菌感染を含む慢性感染に合併する線維症を含む、肺線維症;肺移植の合併症;肺脈管構造の血管炎性および血栓性障害、および肺高血圧;気道の炎症性および分泌状態と関連する慢性咳、および医原性咳の処置を含む鎮咳活性;薬物性鼻炎、および血管運動性鼻炎を含む、急性および慢性鼻炎;神経性鼻炎(枯草熱)を含む、通年性および季節性アレルギー性鼻炎;鼻のポリープ症;一般的な風邪、および呼吸器多核体ウイルス、インフルエンザ、コロナウイルス(SARSを含む)およびアデノウイルスによる感染を含む、急性ウイルス性感染;
【0032】
2. 皮膚:乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎または他の湿疹性皮膚炎、および遅延型過敏症反応;植物および光皮膚炎;脂漏性皮膚炎、疱疹状皮膚炎、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、壊疽性膿皮症、皮膚サルコイド、円板状エリテマトーデス、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管浮腫、脈管炎、毒性紅斑、皮膚好酸球増加症、円形脱毛症、男性型禿頭、スウィート症候群、ウェーバー・クリスチャン症候群、多形性紅斑;感染性および非感染性両方の蜂巣炎;脂肪織炎;皮膚リンパ腫、非黒色腫皮膚癌および他の形成異常病巣;固定薬疹を含む薬剤誘発性障害;
【0033】
3. 眼:眼瞼炎;通年性および春季アレルギー性結膜炎を含む結膜炎;虹彩炎;前部および後部ブドウ膜炎;脈絡膜炎;網膜に影響する自己免疫性、変性または炎症性障害;交感神経性眼炎を含む眼炎;サルコイドーシス;ウイルス、真菌、および細菌を含む感染;
【0034】
4. 尿生殖器:間質性および糸球体腎炎を含む、腎炎;ネフローゼ症候群;急性および慢性(間質性)膀胱炎およびハンナー潰瘍を含む、膀胱炎;急性および慢性尿道炎、前立腺炎、精巣上体炎、卵巣炎および卵管炎;外陰部腟炎;ペイロニー病;勃起不全(男女両方);
【0035】
5. 同種移植片拒絶反応:例えば、腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚または角膜の移植輸血後の、急性および慢性反応;または慢性移植片対宿主病;
【0036】
6. リウマチ性関節炎、過敏性腸症候群、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、橋本甲状腺炎、グレーブス病、アジソン病、真性糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、抗リン脂質抗体症候群およびセザリー(Sazary)症候群を含む、他の自己免疫およびアレルギー性障害;
【0037】
7. 腫瘍学:前立腺、乳房、肺、卵巣、膵臓、腸および結腸、胃、皮膚および脳腫瘍および骨髄(白血病を含む)およびリンパ増殖系に影響する悪性腫瘍、例えばホジキンおよび非ホジキンリンパ腫を含む、一般的な癌の処置;転移疾患および腫瘍再発、および新生物随伴症候群の予防的処置を含む;および
【0038】
8. 感染症:ウイルス疾患、例えば性器疣贅、一般的疣贅、足底疣贅、B型肝炎、C型肝炎、単純ヘルペスウイルス、伝染性軟属腫、痘瘡、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、サイトメガロウイルス(CMV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、ライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、インフルエンザ、パラインフルエンザ;細菌疾患、例えば結核およびマイコバクテリウム・アビウム、ハンセン病;他の感染症、例えば真菌疾患、クラミジア、カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカス髄膜炎、カリニ肺炎、クリプトスポリジウム症、ヒストプラズマ症、トキソプラズマ症、トリパノソーマ感染およびリーシュマニア症。
【0039】
それ故、本発明は、治療に使用するための、前記で定義の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0040】
さらなる局面において、本発明は、治療に使用するための医薬の製造における、前記で定義の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0041】
本明細書の文脈において、用語“治療”は、相反する明確な指示がない限り、“予防”も含む。用語“治療的”および“治療的に”もそれに従い解釈すべきである。
【0042】
予防は、問題の疾患または状態の前駆エピソードを有するか、または他の方法でリスクが増加したと見なされるヒトの処置に特に適切であると期待される。特定の疾患または状態を発症するリスクのあるヒトは、該疾患または状態の家族歴を有するヒト、または、遺伝子試験またはスクリーニングで該疾患または状態に特に感受性であることが同定されているヒトを含む。
【0043】
特に、本発明の化合物は、喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、癌、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HPV、細菌感染および皮膚病の処置に使用し得る。
【0044】
前記の抗癌処置は、唯一の治療として適用してよく、または、本発明の化合物に加えて、慣用の手術または放射線療法または化学療法を含んでよい。このような化学療法は、以下の範疇の抗腫瘍剤の1個以上を含み得る:−
(i) 内科的腫瘍学において使用される、他の抗増殖性/抗新生物剤およびそれらの組み合わせ、例えばアルキル化剤(例えばシスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、窒素マスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、テモゾロミド(temozolamide)およびニトロソウレア);代謝拮抗剤(例えばゲムシタビンおよび葉酸代謝拮抗剤、例えば5−フルオロウラシルおよびテガフールのようなフルオロピリミジン、ラルチトレキセド、メトトレキサート、シトシンアラビノシド、およびヒドロキシウレア);抗腫瘍抗生物質(例えばアドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシンおよびミトラマイシンのようなアントラサイクリン);有糸分裂阻害剤(例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンおよびビノレルビンのようなビンカアルカロイドおよびタキソールおよびタキソテールのようなタキソイドおよびポロキナーゼ阻害剤);およびトポイソメラーゼ阻害剤(例えばエトポシドおよびテニポシドのようなエピポドフィロトキシン、アムサクリン、トポテカンおよびカンプトテシン);
【0045】
(ii) 細胞増殖抑制剤、例えば抗エストロゲン類(例えばタモキシフェン、フルベストラント、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェンおよびヨードキシフェン)、抗アンドロゲン(例えばビカルタミド、フルタミド、ニルタミドおよび酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニストまたはLHRHアゴニスト(例えばゴセレリン、ロイプロレリンおよびブセレリン)、プロゲストーゲン(例えば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えばアナストロゾール、レトロゾール、ボラゾールおよびエキセメスタン)および5α−レダクターゼ阻害剤、例えばフィナステリド;
【0046】
(iii) 抗侵襲剤(例えば4−(6−クロロ−2,3−メチレンジオキシアニリノ)−7−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ]−5−テトラヒドロピラン−4−イルオキシキナゾリン(AZD0530;国際特許出願WO01/94341)およびN−(2−クロロ−6−メチルフェニル)−2−{6−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]−2−メチルピリミジン−4−イルアミノ}チアゾール−5−カルボキサミド(ダサチニブ、BMS−354825;J. Med. Chem., 2004, 47, 6658-6661)のようなc−Srcキナーゼファミリー阻害剤、およびマリマスタットのようなメタロプロテイナーゼ阻害剤、ウロキナーゼプラスミノーゲンアクティベーター受容体機能の阻害剤またはヘパラナーゼに対する抗体);
【0047】
(iv) 増殖因子機能阻害剤:例えば増殖因子抗体および増殖因子受容体抗体(例えば抗erbB2抗体トラスツマブ[HerceptinTM]、抗EGFR抗体パニツムマブ、抗erbB1抗体セツキシマブ[Erbitux, C225]およびStern et al. Critical reviews in oncology/haematology, 2005, Vol. 54, pp11-29に開示されているいずれかの増殖因子または増殖因子受容体抗体)を含む阻害剤;チロシンキナーゼ阻害剤、例えば上皮細胞増殖因子ファミリーの阻害剤(例えばEGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤、例えばN−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、ZD1839)、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI-774)および6−アクリルアミド−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)−キナゾリン−4−アミン(CI 1033)、erbB2チロシンキナーゼ阻害剤、例えばラパチニブ、肝細胞増殖因子ファミリー阻害剤、血小板由来増殖因子ファミリー阻害剤、例えばイマチニブ、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤(例えばRas/Rafシグナル伝達阻害剤、例えばファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、例えばソラフェニブ(BAY 43-9006))、MEKおよび/またはAKTキナーゼを介する細胞シグナル伝達の阻害剤、肝細胞増殖因子ファミリー阻害剤、c−kit阻害剤、ablキナーゼ阻害剤、IGF受容体(インシュリン様増殖因子)キナーゼ阻害剤のような阻害剤;オーロラキナーゼ阻害剤(例えばAZD1152、PH739358、VX−680、MLN8054、R763、MP235、MP529、VX−528およびAX39459)およびサイクリン依存性キナーゼ阻害剤、例えばCDK2および/またはCDK4阻害剤;
【0048】
(v) 抗血管新生剤、例えば血管内皮細胞増殖因子の作用を阻害するもの[例えば抗血管内皮細胞増殖因子抗体ベバシズマブ(AvastinTM)およびVEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、例えば4−(4−ブロモ−2−フルオロアニリノ)−6−メトキシ−7−(1−メチルピペリジン−4−イルメトキシ)キナゾリン(ZD6474;WO01/32651の実施例2)、4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)キナゾリン(AZD2171;WO00/47212の実施例240)、バタラニブ(PTK787;WO98/35985)およびSU11248(スニチニブ;WO01/60814)のようなもの、例えば国際特許出願WO97/22596、WO97/30035、WO97/32856およびWO98/13354に記載されている化合物および他の機構により働く化合物(例えばリノミド(linomide)、インテグリンαvβ3機能阻害剤およびアンジオスタチン)];
【0049】
(vi) 血管傷害剤、例えばコンブレタスタチンA4および国際特許出願WO99/02166、WO00/40529、WO00/41669、WO01/92224、WO02/04434およびWO02/08213に開示の化合物;
【0050】
(vii) アンチセンス治療、例えば上記の標的を指向するもの、例えばISIS 2503、抗rasアンチセンス;
【0051】
(viii) 例えば異常遺伝子、例えば異常p53または異常BRCA1またはBRCA2を置換するアプローチ、GDEPT(遺伝子指向酵素プロドラッグ治療)アプローチ、例えばシトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼまたは細菌ニトロレダクターゼ酵素を使用するものおよび化学療法または放射線療法に対する患者耐容性を増加させるためのアプローチ、例えば多剤耐性遺伝子治療を含む、遺伝子治療アプローチ;および
【0052】
(ix) 例えば患者腫瘍細胞の免疫原性を上昇させるためのエキソビボおよびインビボ、例えば、サイトカイン類、例えばインターロイキン2、インターロイキン4または顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子でのトランスフェクション、T細胞アネルギーを低下させるためのアプローチ、トランスフェクト免疫細胞、例えばサイトカイントランスフェクト樹状細胞を使用したアプローチ、サイトカイントランスフェクト腫瘍細胞株を使用したアプローチおよび抗イディオタイプ抗体を使用したアプローチを含む、免疫治療的アプローチ。
【0053】
本発明は、なおさらに、閉塞性気道疾患または状態(例えば喘息またはCOPD)を処置する、またはリスクを低下させる方法であって、それを必要とする患者に、治療的有効量の前記で定義の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。
【0054】
上記の治療的使用のために、投与する投与量は、もちろん、用いる化合物、投与方式、望む処置および指示される障害により変わる。例えば、本発明の化合物の1日投与量は、吸入するとき、体重1キログラムあたり0.05マイクログラム(μg/kg)ないし体重1キログラムあたり100マイクログラム(μg/kg)の範囲であり得る。あるいは、本化合物を経口投与するならば、本発明の化合物の1日投与量は、体重1キログラムあたり0.01マイクログラム(μg/kg)ないし体重1キログラムあたり100ミリグラム(mg/kg)の範囲である。
【0055】
式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩はそれ自体で使用してよいが、一般に式(I)化合物/塩(活性成分)を薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と共に含む医薬組成物の形で投与する。適当な医薬製剤の選択および製造についての用法は、例えば、“Pharmaceuticals - The Science of Dosage Form Designs”, M. E. Aulton, Churchill Livingstone, 1988に記載されている。
【0056】
投与方式によって、本医薬組成物は、好ましくは0.05〜99%w(重量パーセント)、より好ましくは0.05〜80%w、なおさらに好ましくは0.10〜70%w、さらに好ましくは0.10〜50%wの活性成分を含み、全ての重量パーセントは全組成物に基づく。
【0057】
本発明はまた、前記で定義の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と共に含む医薬組成物を提供する。
【0058】
本発明は、さらに、前記で定義の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩と薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体を混合することを含む、本発明の医薬組成物の製造方法を提供する。
【0059】
本医薬組成物は、局所的(例えば皮膚または肺および/または気道に)、例えば、クリーム、溶液、懸濁液、ヘプタフルオロアルカン(HFA)エアロゾルおよび乾燥粉末製剤、例えば、Turbuhaler(登録商標)として既知の吸入器中の製剤の形で;または全身に、例えば錠剤、カプセル剤、シロップ剤、散剤または顆粒剤の形で経口投与により;または溶液または懸濁液の形での非経腸投与により;または皮下投与により;または坐薬の形での経腸投与により;または経皮的に投与してよい。
【0060】
本発明の化合物(薬学的に許容される塩を含む)の乾燥粉末製剤および加圧HFAエアロゾルは、経口でまたは鼻腔内吸入により津男よしてよい。吸入のために、本化合物は望ましくは粉砕されている。粉砕された化合物は、好ましくは10マイクロメーター(μm)未満の質量中央直径を有し、噴射剤混合物中に分散剤、例えばC−C20脂肪酸またはその塩(例えば、オレイン酸)、胆汁酸塩、リン脂質、アルキルサッカライド、過フッ素化またはポリエトキシル化界面活性剤、または他の薬学的に許容される分散剤の助けを借りて懸濁し得る。
【0061】
本発明の化合物はまた乾燥粉末吸入器の手段により投与してよい。本吸入器は、単回または多回吸入器であってよく、そして呼気駆動型乾燥粉末吸入器であってよい。
【0062】
一つの可能性は、粉砕された本発明の化合物と担体物質、例えば、モノ−、ジ−またはポリサッカライド、糖アルコール、または他のポリオールとの混合である。適当な担体は、糖類、例えば、ラクトース、グルコース、ラフィノース、メレジトース、ラクチトール、マルチトール、トレハロース、スクロース、マンニトール;およびデンプンである。あるいは、粉砕された化合物を他の物質でコートしてよい。粉末混合物はまた硬ゼラチンカプセルに分配してもよく、各々が所望の量の本活性化合物を含む。
【0063】
他の可能性は、粉砕した粉末の、吸入中に破壊する球体への加工である。この球体化粉末を、多回吸入器、例えば、Turbuhaler(登録商標)として既知のものの薬剤貯蔵部に充填してよく、ここで、投与ユニットが望む量を測定し、それがその後患者により吸入される。このシステムにより、担体物質を伴うまたは伴わない活性成分が、患者に送達される。
【0064】
経口投与のために、本発明の化合物をアジュバントまたは担体、例えば、ラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール;デンプン、例えば、ジャガイモデンプン、コーンデンプンまたはアミロペクチン;セルロース誘導体;結合剤、例えば、ゼラチンまたはポリビニルピロリドン;および/または平滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、蝋、パラフィン等と混合し、次いで錠剤に圧縮してよい。コーティング錠が望まれるならば、上記のように製造したコアを、例えば、アラビアゴム、ゼラチン、タルクおよび二酸化チタンを含み得る糖溶液でコートしてよい。あるいは、本錠剤を、易揮発性有機溶媒に溶解した適当なポリマーでコートしてよい。
【0065】
軟ゼラチンカプセルでの投与のために、本発明の化合物を、例えば、植物油またはポリエチレングリコールと混合してよい。硬ゼラチンカプセルは、錠剤について上記の賦形剤のいずれかを使用した、化合物の顆粒を含み得る。また、本発明の化合物の液体または半固体製剤を硬ゼラチンカプセルに充填してよい。
【0066】
経口投与用液体製剤は、本発明の化合物を含むシロップまたは懸濁液、例えば、溶液であり、バランスは糖およびエタノール、水、グリセロールとプロピレングリコールの混合物である。所望によりそのような液体製剤は、着色剤、香味剤、サッカリンおよび/または濃化剤としてカルボキシメチルセルロースまたは当業者に既知の他の賦形剤を含み得る。
【0067】
本発明の化合物は、上記状態の処置に使用するための他の化合物と一緒に投与してもよい。
【0068】
それ故、本発明は、上記の状態の1種以上の処置のために、本発明の化合物または本発明の化合物を含む医薬組成物もしくは製剤を、他の1種以上の治療剤と同時にまたは連続的に、または組み合わせ製剤として投与する、組み合わせ治療に関する。
【0069】
特に、炎症性疾患COPD、喘息およびアレルギー性鼻炎の処置のために、本発明の化合物は、例えば腫瘍壊死因子アルファ(TNF−アルファ)阻害剤、例えば抗TNFモノクローナル抗体(例えばRemicade、CDP-870およびアダリムマブ)およびTNF受容体免疫グロブリン分子(例えばEnbrel);局所的または全身的いずれに投与するものであれ非選択的シクロオキシゲナーゼCOX−1/COX−2阻害剤(例えばピロキシカム、ジクロフェナク、プロピオン酸類、例えばナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェンおよびイブプロフェン、フェナメート、例えばメフェナム酸、インドメタシン、スリンダク、アザプロパゾン、ピラゾロン類、例えばフェニルブタゾン、サリチレート類、例えばアスピリン)、COX−2阻害剤(例えばメロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、ルミラコキシブ(lumarocoxib)、パレコキシブおよびエトリコキシブ);グルココルチコステロイド(局所、経口、筋肉内、静脈内、または関節内経路いずれで投与するものであれ);メトトレキサート、レフノミド;ヒドロキシクロロキン、d−ペニシラミン、オーラノフィンまたは他の非経腸または経口金製剤と組み合わせ得る。
【0070】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とロイコトリエン生合成阻害剤、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤または5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニスト例えば;ジロートン;ABT-761;フェンレウトン;テポキサリン;Abbott-79175;Abbott-85761;N−(5−置換)−チオフェン−2−アルキルスルホンアミド;2,6−ジ−tert−ブチルフェノールヒドラゾン類;メトキシテトラヒドロピラン類、例えばZeneca ZD-2138;化合物SB-210661;ピリジニル−置換2−シアノナフタレン化合物、例えばL−739,010;2−シアノキノリン化合物、例えばL-746,530;またはインドールまたはキノリン化合物、例えばMK-591、MK-886、およびBAY x 1005の組み合わせに関する。
【0071】
は、さらに、本発明の化合物と、フェノチアジン−3−1s、例えばL−651,392;アミジノ化合物、例えばCGS-25019c;ベンゾキサルアミン類、例えばオンタゾラスト;ベンゼンカルボキシミドアミド類、例えばBIIL 284/260;および化合物、例えばザフィルカスト、アブルカスト(ablukast)、モンテルカスト、プランルカスト、ベルルカスト(verlukast)(MK−679)、RG-12525、Ro-245913、イラルカスト(CGP 45715A)、およびBAY x 7195から成る群から選択されるロイコトリエン類(LT B4、LTC4、LTD4、およびLTE4)の受容体アンタゴニストの組み合わせに関する。
【0072】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤、例えばテオフィリンおよびアミノフィリンを含むメチルキサンタニン;PDE4阻害剤、アイソフォームPDE4Dの阻害剤、またはPDE5の阻害剤を含む選択的PDEアイソザイム阻害剤の組み合わせに関する。
【0073】
本発明は、さらに、本発明の化合物と、経口的、局所的または非経腸的に投与する;ヒスタミン1型受容体アンタゴニスト、例えばセチリジン、ロラタジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、アクリバスチン、テルフェナジン、アステミゾール、アゼラスチン、レボカバスチン、クロルフェニラミン、プロメタジン、シクリジン、またはミゾラスチンの組み合わせに関する。
【0074】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物と胃保護性ヒスタミン2型受容体アンタゴニストの組み合わせに関する。
【0075】
本発明は、さらに、本発明の化合物とヒスタミン4型受容体のアンタゴニストの組み合わせに関する。
【0076】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とアルファ−1/アルファ−2アドレナリン受容体アゴニスト血管収縮交感神経刺激剤、例えばプロピルヘキセドリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、エフェドリン、シュードエフェドリン、ナファゾリンヒドロクロライド、オキシメタゾリンヒドロクロライド、テトラヒドロゾリンヒドロクロライド、キシロメタゾリンヒドロクロライド、トラマゾリンヒドロクロライドまたはエチルノルエピネフリンヒドロクロライドの組み合わせに関する。
【0077】
本発明は、さらに、本発明の化合物とムスカリン受容体(M1、M2、およびM3)アンタゴニストを含む抗コリン剤、例えばアトロピン、ヒヨスチン、グリコピロレート、イプラトロピウムブロマイド、チオトロピウムブロマイド、オキシトロピウムブロマイド、ピレンゼピンまたはテレンゼピンの組み合わせに関する。
【0078】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とベータ−アドレナリン受容体アゴニスト(ベータ受容体サブタイプ1−4を含む)、例えばイソプレナリン、サルブタモール、フォルモテロール、サルメテロール、テルブタリン、オルシプレナリン、ビトルテロールメシレート、およびピルブテロールの組み合わせに関する。
【0079】
本発明は、さらに、本発明の化合物とクロモン、例えばナトリウムクロモグリケートまたはネドクロミルナトリウムの組み合わせに関する。
【0080】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とインシュリン様増殖因子I型(IGF−1)模倣剤の組み合わせに関する。
【0081】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とグルココルチコイド、例えばフルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、プロピオン酸フルチカゾン、シクレソニドまたはフロ酸モメタゾンの組み合わせに関する。
【0082】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)、すなわち、ストロメライシン、コラゲナーゼ、およびゼラチナーゼ、ならびにアグリカナーゼ;特にコラゲナーゼ−1(MMP−1)、コラゲナーゼ−2(MMP−8)、コラゲナーゼ−3(MMP−13)、ストロメライシン−1(MMP−3)、ストロメライシン−2(MMP−10)、およびストロメライシン−3(MMP−11)およびMMP−9およびMMP−12の阻害剤の組み合わせに関する。
【0083】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とケモカイン受容体機能のモジュレーター、例えばCCR1、CCR2、CCR2A、CCR2B、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10およびCCR11(C−Cファミリーについて);CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4およびCXCR5(C−X−Cファミリーについて)およびC−X3−CファミリーについてCX3CR1のアンタゴニストの組み合わせに関する。
【0084】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物とサイトカイン、またはサイトカインシグナル伝達経路に作用する薬剤を含むアルファ−、ベータ−、およびガンマ−インターフェロン;インターロイキン(IL)1〜15を含むIL、およびインターロイキンアンタゴニストまたは阻害剤を含む、サイトカイン機能のモジュレーターの組み合わせに関する。
【0085】
本発明は、なおさらに、本発明の化合物と免疫グロブリン(Ig)またはIg製剤またはアンタゴニストまたはIg機能を調節する抗体、例えば抗IgE(オマリズマブ)の組み合わせに関する。
【0086】
本発明は、さらに、本発明の化合物と他の全身的または局所的に適用する抗炎症剤、例えばサリドマイドまたはその誘導体、レチノイド、ジトラノールまたはカルシポトリオールの組み合わせに関する。
【0087】
本発明は、さらに、本発明の化合物と抗細菌剤、例えばペニシリン誘導体、テトラサイクリン、マクロライド、ベータ−ラクタム、フルオロキノロン、メトロニダゾール、吸入アミノグリコシド;アシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、シドフォビル、アマンタジン、リマンタジン、リバビリン、ザナミビル(zanamavir)およびオセルタミビル(oseltamavir)を含む抗ウイルス剤;プロテアーゼ阻害剤、例えばインジナビル、ネルフィナビル、リトナビル、およびサキナビル;ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、例えばジダノシン、ラミブジン、スタブジン、ザルシタビンまたはジドブジン;または非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、例えばネビラピンまたはエファビレンツの組み合わせに関する。
【0088】
本発明の化合物はまた癌の処置のための既存の治療剤と組合せでも使用でき、例えば適当な薬剤は次のものを含む:
(i) 内科的腫瘍学において使用される、抗増殖/抗新生物剤またはそれらの組み合わせ、例えばアルキル化剤(例えばシスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、窒素マスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファンまたはニトロソウレア);代謝拮抗剤(例えば葉酸代謝拮抗剤、例えば5−フルオロウラシルまたはテガフールのようなフルオロピリミジン、ラルチトレキセド、メトトレキサート、シトシンアラビノシド、ヒドロキシウレア、ゲムシタビンまたはパクリタキセル);抗腫瘍抗生物質(例えばアントラサイクリン、例えばアドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシンまたはミトラマイシン);有糸分裂阻害剤(例えばビンカアルカロイド、例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンまたはビノレルビン、またはタキソイド、例えばタキソールまたはタキソテール);またはトポイソメラーゼ阻害剤(例えばエピポドフィロトキシン、例えばエトポシド、テニポシド、アムサクリン、トポテカンまたはカンプトテシン);
【0089】
(ii) 細胞増殖抑制剤、例えば抗エストロゲン(例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェンまたはヨードキシフェン)、エストロゲン受容体下方制御剤(例えばフルベストラント)、抗アンドロゲン(例えばビカルタミド、フルタミド、ニルタミドまたは酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニストまたはLHRHアゴニスト(例えばゴセレリン、ロイプロレリンまたはブセレリン)、プロゲストーゲン(例えば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えばアナストロゾール、レトロゾール、ボラゾールまたはエキセメスタン)または5α−レダクターゼ阻害剤、例えばフィナステリド;
【0090】
(iii) 癌細胞侵襲を阻害する薬剤(例えばマリマスタットのようなメタロプロテイナーゼ阻害剤またはウロキナーゼプラスミノーゲンアクティベーター受容体機能阻害剤);
【0091】
(iv) 増殖因子機能阻害剤、例えば:増殖因子抗体(例えば抗erbb2抗体トラスツマブ、または抗erbb1抗体セツキシマブ[C225])、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤またはセリン/スレオニンキナーゼ阻害剤、上皮細胞増殖因子ファミリー阻害剤(例えばEGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤、例えば−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、AZD1839)、−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI-774)または6−アクリルアミド−−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI 1033))、血小板由来増殖因子ファミリー阻害剤、または肝細胞増殖因子ファミリー阻害剤;
【0092】
(v) 抗血管新生剤、例えば血管内皮細胞増殖因子阻害効果を有するもの(例えば抗血管内皮細胞増殖因子抗体ベバシズマブ、WO97/22596、WO97/30035、WO97/32856またはWO98/13354に記載の化合物)、または他の機構により働く化合物(例えばリノミド(linomide)、インテグリンαvβ3機能阻害剤またはアンジオスタチン);
【0093】
(vi) 血管傷害剤、例えばコンブレタスタチンA4、またはWO99/02166、WO00/40529、WO00/41669、WO01/92224、WO02/04434またはWO02/08213に記載の化合物;
【0094】
(vii) アンチセンス治療、例えば上記の標的を指向するものに使用される薬剤、例えばISIS 2503、抗rasアンチセンス;
【0095】
(viii) 遺伝子治療アプローチ、例えば異常遺伝子、例えば異常p53または異常BRCA1またはBRCA2を置換するアプローチ、GDEPT(遺伝子指向酵素プロドラッグ治療)アプローチ、例えばシトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼまたは細菌ニトロレダクターゼ酵素を使用するものおよび化学療法または放射線療法に対する患者耐容性を増加させるためのアプローチ、例えば多剤耐性遺伝子治療に使用される薬剤;または
【0096】
(ix) 免疫治療的アプローチ例えば患者腫瘍細胞の免疫原性を上昇させるためのエキソビボおよびインビボ、例えば、サイトカイン類、例えばインターロイキン2、インターロイキン4または顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子でのトランスフェクション、T細胞アネルギーを低下させるためのアプローチ、トランスフェクト免疫細胞、例えばサイトカイントランスフェクト樹状細胞を使用したアプローチ、サイトカイントランスフェクト腫瘍細胞株を使用したアプローチおよび抗イディオタイプ抗体を使用したアプローチに使用される薬剤。
【0097】
本発明を、以下の説明的実施例を参照してさらに説明する。
【0098】
次の略語を使用する;
【表1】

【0099】
特記しない限り有機溶液は硫酸マグネシウムで乾燥させた。RPHPLCは、アセトニトリルと、水性酢酸アンモニウム、アンモニア、ギ酸またはトリフルオロ酢酸のいずれかを、緩衝剤として適宜使用する、Waters Symmetry C8、XterraまたはPhenomenex Geminiカラムを使用した逆相分取高速液体クロマトグラフィーを意味する。カラムクロマトグラフィーはシリカゲルで行った。SCXは、スルホン酸吸着剤での固相抽出を意味し、それにより混合物がスルホン酸吸着剤に吸着され、適当な溶媒、例えばメタノールまたはアセトニトリルで溶出され、次いで遊離塩基生成物が水性アンモニア/適当な溶媒、例えばメタノールまたはアセトニトリルで溶出した。
【実施例】
【0100】
生物学的アッセイ
ヒトTLR7アッセイ
組み換えヒトTLR7を、すでにpNiFty2−SEAPレポータープラスミドを安定に発現するHEK293細胞株に安定に発現させた;レポーター遺伝子の統合は、抗生物質ゼオシンでの選択により維持した。ヒトTLR7の最も一般的な変異配列(EMBL配列AF240467により示される)を、哺乳動物細胞発現ベクターpUNOにクローン化し、このレポーター細胞系にトランスフェクトした。安定な発現をするトランスフェクタントを抗生物質ブラスチシジンを使用して選択した。このレポーター細胞系において、選択したアルカリホスファターゼ(SEAP)の発現を、近位ELAM−1プロモーターと組み合わせた5つのNFkB部位を含むNFkB/ELAM−1複合性プロモーターにより制御する。TLRシグナル伝達はNFkBの転座を導き、プロモーターの活性化はSEAP遺伝子の発現をもたらす。TLR7特異的活性化は、細胞の0.1%(v/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)存在下で、37℃での標準化合物との一夜インキュベーション後に産生されたSEAPのレベルの測定により評価した。化合物による濃度依存的SEAP生成誘発を、化合物がSEAP放出を誘発する最小有効濃度の対数(pMEC)として示した。
【表2】

【0101】
実験
特記しない限り有機溶液は硫酸マグネシウムで乾燥させた。RPHPLCは、アセトニトリルと、水性酢酸アンモニウム、アンモニア、ギ酸またはトリフルオロ酢酸のいずれかを、緩衝剤として適宜使用する、Waters Symmetry C8、XterraまたはPhenomenex Geminiカラムを使用した逆相分取HPLCを意味する。カラムクロマトグラフィーはシリカゲルで行った。SCXでの処理は、混合物をSCX上に吸着させ、適当な溶媒、例えばメタノールまたはアセトニトリルで溶出し、次いで遊離塩基生成物が水性アンモニア/メタノールで溶出することを意味する。
【0102】
実施例1
6−アミノ−9−{3−[ベンジル(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−2−ブトキシ−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化6】

(i) 2−クロロ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン
2,6−ジクロロ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン(55g)をメタノール中7N−水性アンモニア(500ml)に溶解し、100℃で密閉フラスコ中6時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、一夜静置した。濾過により副題化合物を得た。収量40g。
1H NMR δ (CDCl3)8.02(1H, s), 5.94(2H, brs), 5.71(1H, dd), 4.15-4.22(1H, m), 3.75-3.82(1H, m), 1.27-2.12(6H, m)。
【0103】
(ii)2−ブトキシ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン
工程(i)からの生成物(40g)を19%(w/w)−ナトリウムブトキシドのブタノール溶液(250ml)に溶解した。反応混合物を、還流下6時間撹拌した。得られた懸濁液を室温に冷却し、水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機相を水で洗浄し、乾燥させ、真空で濃縮した。副題化合物をジエチルエーテル/イソヘキサン(1/1、300ml)から結晶化させ、濾過により得た。収量19g。
1H NMR δ (CDCl3)7.87(1H, s), 5.56-5.68(3H, m), 4.31-4.35(2H, t), 4.14-4.17(1H, m), 3.76-3.80(1H, m), 1.49-2.08(10H, m), 0.98(3H, t)。
【0104】
(iii)8−ブロモ−2−ブトキシ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)9H−プリン−6−アミン
工程(ii)からの生成物(30g)を乾燥ジクロロメタン(200ml)に溶解した。溶液を室温で撹拌しながら、N−ブロモスクシンアミド(27g)を少しずつ添加した。混合物を、環境温度で一夜撹拌した。20%(w/v)−硫酸ナトリウム(200ml)を添加し、分離した水性相をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液および塩水で洗浄した。真空で濃縮後、残渣を酢酸エチルに溶解し、水および塩水で洗浄し、乾燥させた。溶液をシリカゲルを通して濾過し、真空で濃縮した。残渣をジエチルエーテルおよびイソヘキサン(1/1、200ml)でトリチュレートし、次いで濾過して、副題化合物(26g)を得た。濾液を真空で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/イソヘキサン)で精製して、さらに2.5gの生成物を得た。固体を合わせて、副題化合物を黄色固体として得た。収量28.5g。mp 148−50℃。
1H NMR δ (CDCl3)5.59-5.64(3H, m), 4.32(2H, m), 4.17(1H, m), 3.74(1H, m), 3.08(1H, m), 2.13(1H, d), 1.48-1.83(8H, m), 0.98(3H, t)。
【0105】
(iv)2−ブトキシ−8−メトキシ−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)9H−プリン−6−アミン
ナトリウム(3.7g)を、無水メタノール(400ml)に窒素雰囲気下添加した。この溶液に、工程(iii)からの生成物(28.5g)を添加し、混合物を65℃で9時間撹拌した。混合物を真空で濃縮し、500mlの水を添加した。水性相を酢酸エチルで抽出し、塩水で洗浄し、乾燥させた。副題化合物をジエチルエーテルからの結晶化後に得た。収量14.2g。
1H NMR δ (CDCl3)5.51(1H, dd), 5.28(2H, brs), 4.29(2H, t), 4.11-4.14(4H, m), 3.70(1H, m), 2.76-2.80(1H, m), 2.05(1H, d), 1.47-1.81(8H, m), 0.97(3H, t)。
【0106】
(v)2−ブトキシ−8−メトキシ−9H−プリン−6−アミン、TFA塩
工程(iv)からの生成物(24g)を無水メタノール(300ml)に溶解し、30mlのトリフルオロ酢酸を添加した。反応混合物を環境温度で3日間撹拌し、真空で濃縮した。副題化合物をメタノール/酢酸エチルでのトリチュレーション後、白色結晶性固体として得た。収量21g。
1H NMR δ (CD3OD)4.48(2H, t), 4.15(3H, s), 1.80(2H, quintet), 1.50(2H, sextet), 0.99(3H, t)。
【0107】
(vi)9−(3−ブロモプロピル)−2−ブトキシ−8−メトキシ−9H−プリン−6−アミン
工程(v)の生成物(20g)を、10分間にわたり、急速に撹拌している炭酸カリウム(40g)および1,3−ジブロモプロパン(34ml)のN,N−ジメチルホルムアミド(250ml)中の混合物に環境温度で添加し、混合物を1.5時間撹拌した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を塩水で洗浄し、乾燥させた。混合物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製して、副題化合物を白色固体として得た。収量16g。
1H NMR δ (CDCl3)5.19(2H, s), 4.28(2H, J = 6.7 Hz, t), 4.12(3H, s), 4.09(2H, J = 9.4 Hz, t), 3.37(2H, J = 13.3Hz, t), 2.39-2.30(2H, m), 1.81-1.72(2H, m), 1.55-1.43(2H, m), 0.96(3H, J = 11.4 Hz, t)。
【0108】
(vii)6−アミノ−9−(3−ブロモプロピル)−2−ブトキシ−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
工程(vi)の生成物(35.8g)をメタノール(400ml)に溶解し、ジオキサン中4M 塩化水素(100ml)で処置した。混合物を環境温度で6時間撹拌し、真空で濃縮した。ジクロロメタン(500ml)を添加し、真空で濃縮し、それにより泡状物を得て、それをさらに精製せずに次工程に使用した。収量38g。
1H NMR δ (DMSO-d6)10.60(1H, s), 4.45(2H, m), 3.84(2H, m), 3.65(2H, m), 2.19(2H, m), 1.66-1.73(2H, m), 1.36-1.47(2H, m), 0.96(3H, m)。
【0109】
(viii)6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
工程(vii)の生成物(4g)をアセトニトリル(40ml)に懸濁し、4−(3−アミノプロピル)モルホリン(15ml)を添加した。混合物を還流下14時間撹拌し、次いで混合物を減圧下蒸発させた。残渣をRPHPLCで精製した。収量3.59g。
MS:APCI(+ve):408(M+H)
【0110】
(ix)6−アミノ−9−{3−[ベンジル(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−2−ブトキシ−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−[3−(3−モルホリン−4−イル−プロピルアミノ)−プロピル]−7,9−ジヒドロ−プリン−8−オン(0.1g)、ベンズアルデヒド(0.03125g、0.03005ml)をNMP(1.5mL)中で合わせ、RTで15分間撹拌した。ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(0.078g)を添加し、反応混合物を16時間撹拌した。反応混合物をメタノールで希釈し、RPHPLCで精製して、表題化合物(0.068g)を得た。
1H NMR δ (DMSO-d6)0.90(3H, t), 1.31-1.42(2H, m), 1.44-1.54(2H, m), 1.56-1.67(2H, m), 1.77-1.88(2H, m), 2.14-2.30(6H, m), 2.32-2.44(4H, m), 3.43-3.52(6H, m), 3.64-3.72(2H, m), 4.06-4.17(2H, m), 6.37(2H, s), 7.17-7.29(5H, m), 9.80(1H, s)
MS:APCI(+ve):498(M+H)
【0111】
実施例2−16は、実施例1の方法で製造した。
実施例2
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(4−イソプロポキシベンジル)(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化7】

1H NMR δ (DMSO-d6)0.82-0.95(3H, m), 1.30-1.40(4H, m), 1.43-1.53(2H, m), 1.57-1.67(2H, m), 1.76-1.86(2H, m), 2.15-2.24(3H, m), 2.30-2.39(3H, m), 2.67(1H, s), 2.99-3.09(4H, m), 3.39(2H, s), 3.44-3.54(4H, m), 3.61-3.77(6H, m), 4.12(2H, t), 6.38(2H, s), 6.82(2H, d), 7.10(2H, d)
MS:APCI(+ve):556(M+H)
【0112】
実施例3
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(4−メトキシベンジル)(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化8】

1H NMR δ (DMSO-d6)0.90(3H, t), 1.32-1.42(2H, m), 1.44-1.53(2H, m), 1.57-1.66(2H, m), 1.77-1.86(2H, m), 2.14-2.26(6H, m), 2.29-2.42(4H, m), 3.42(2H, s), 3.45-3.52(4H, m), 3.63-3.71(2H, m), 3.72(3H, s), 4.08-4.16(2H, m), 6.38(2H, s), 6.82(2H, d), 7.16(2H, d), 9.82(1H, s)
MS:APCI(+ve):528(M+H)
【0113】
実施例4
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イルメチル)(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化9】

1H NMR δ (DMSO-d6)0.90(3H, t), 1.31-1.41(2H, m), 1.43-1.52(2H, m), 1.57-1.66(2H, m), 1.75-1.85(2H, m), 2.15-2.26(6H, m), 2.29-2.41(6H, m), 3.45-3.53(4H, m), 3.63-3.71(2H, m), 4.12(2H, t), 4.20(4H, s), 6.37(2H, s), 6.66-6.77(3H, m), 9.81(1H, s)
MS:APCI(+ve):556(M+H)
【0114】
実施例5
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(3,4−ジメトキシベンジル)(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化10】

1H NMR δ (DMSO-d6)0.90(3H, t), 1.31-1.42(2H, m), 1.43-1.54(2H, m), 1.55-1.65(2H, m), 1.77-1.87(2H, m), 2.12-2.26(6H, m), 2.30-2.44(4H, m), 3.30(1H, s), 3.40-3.52(6H, m), 3.65-3.76(7H, m), 4.12(2H, t), 6.37(2H, s), 6.73-6.77(1H, m), 6.82(1H, d), 6.89(1H, d), 9.81(1H, s)
MS:APCI(+ve):558(M+H)
【0115】
実施例6
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(4−モルホリン−4−イルベンジル)(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化11】

1H NMR δ (DMSO-d6)0.82-0.95(3H, m), 1.30-1.40(2H, m), 1.43-1.53(2H, m), 1.57-1.67(2H, m), 1.76-1.86(2H, m), 2.15-2.24(6H, m), 2.30-2.39(4H, m), 2.99-3.09(4H, m), 3.39(2H, s), 3.44-3.54(4H, m), 3.61-3.77(6H, m), 4.12(2H, t), 6.38(2H, s), 6.82(2H, d), 7.10(2H, d)
MS:APCI(+ve):583(M+H)
【0116】
実施例7
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(3−モルホリン−4−イルプロピル)(4−ピリミジン−2−イルベンジル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化12】

1H NMR δ (DMSO-d6)0.87(3H, t), 1.28-1.39(2H, m), 1.47-1.55(2H, m), 1.56-1.64(2H, m), 1.82-1.90(2H, m), 2.13-2.26(6H, m), 2.31-2.43(4H, m), 3.46(4H, t), 3.58(2H, s), 3.67-3.75(2H, m), 4.11(2H, t), 6.36(2H, s), 7.40-7.48(3H, m), 8.32(2H, d), 8.89(2H, d), 9.81(1H, s)
MS:APCI(+ve):576(M+H)
【0117】
実施例8
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[[4−(メチルチオ)ベンジル](3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化13】

1H NMR δ (DMSO-d6)0.90(3H, t), 1.29-1.41(2H, m), 1.43-1.52(2H, m), 1.56-1.66(2H, m), 1.78-1.87(2H, m), 2.14-2.24(6H, m), 2.31-2.41(4H, m), 2.44(3H, s), 3.41-3.51(6H, m), 3.69(2H, t), 4.12(2H, t), 6.38(2H, s), 7.19(4H, dd), 9.81(1H, s)
MS:APCI(+ve):544(M+H)
【0118】
実施例9
6−アミノ−2−ブトキシ−9−(3−{(3−モルホリン−4−イルプロピル)[(2−オキソ−2H−クロメン−6−イル)メチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化14】

1H NMR δ (DMSO-d6)0.88(3H, t), 1.28-1.39(2H, m), 1.45-1.54(2H, m), 1.55-1.64(2H, m), 1.79-1.88(2H, m), 2.14-2.26(6H, m), 2.34-2.46(4H, m), 3.45(4H, t), 3.55(2H, s), 3.70(2H, t), 4.10(2H, t), 6.37(2H, s), 6.47(1H, d), 7.31(1H, d), 7.54(1H, dd), 7.61(1H, d), 8.03(1H, d), 9.80(1H, s)
MS:APCI(+ve):566(M+H)
【0119】
実施例10
6−アミノ−2−ブトキシ−9−(3−{(3−モルホリン−4−イルプロピル)[(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−6−イル)メチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化15】

1H NMR δ (DMSO-d6)0.89(3H, t), 1.26-1.41(2H, m), 1.42-1.51(2H, m), 1.55-1.64(2H, m), 1.76-1.89(2H, m), 2.11-2.24(6H, m), 2.27-2.44(4H, m), 3.40-3.53(6H, m), 3.62-3.76(2H, m), 4.11(2H, t), 6.37(2H, s), 7.02(1H, d), 7.18(1H, d), 7.45(1H, s), 9.69-9.90(1H, m)
MS:APCI(+ve):571(M+H)
【0120】
実施例11
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(3−モルホリン−4−イルプロピル)(4−プロポキシベンジル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化16】

1H NMR δ (DMSO-d6)0.83-1.02(6H, m), 1.29-1.43(2H, m), 1.42-1.56(2H, m), 1.54-1.87(6H, m), 2.12-2.26(6H, m), 2.28-2.42(4H, m), 3.41(2H, s), 3.43-3.53(4H, m), 3.62-3.72(2H, m), 3.88(2H, t), 4.12(2H, t), 6.37(2H, s), 6.81(2H, d), 7.15(2H, d), 9.81(1H, s)
MS:APCI(+ve):556(M+H)
【0121】
実施例12
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(3,5−ジメトキシベンジル)(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化17】

1H NMR δ (DMSO-d6)0.90(3H, t), 1.32-1.40(2H, m), 1.45-1.53(2H, m), 1.56-1.65(2H, m), 1.77-1.85(2H, m), 2.17-2.25(6H, m), 2.31-2.43(4H, m), 3.44(2H, s), 3.48(4H, t), 3.64-3.70(2H, m), 3.71(6H, s), 4.11(2H, t), 6.33(1H, t), 6.38(2H, s), 6.47(2H, d)
MS:APCI(+ve):558(M+H)
【0122】
実施例13
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(2,4−ジメトキシベンジル)(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化18】

1H NMR δ (DMSO-d6)0.90(3H, t), 1.30-1.41(2H, m), 1.42-1.53(2H, m), 1.56-1.67(2H, m), 1.75-1.86(2H, m), 2.14-2.25(6H, m), 2.30-2.41(4H, m), 3.40(2H, s), 3.45-3.53(4H, m), 3.66(2H, t), 3.73(6H, s), 4.12(2H, t), 6.37(2H, s), 6.39-6.44(1H, m), 6.48(1H, d), 7.14(1H, d), 9.80(1H, s)
MS:APCI(+ve):558(M+H)
【0123】
実施例14
(4−{[[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル](3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]メチル}フェノキシ)アセトニトリル
【化19】

1H NMR δ (DMSO-d6)0.90(3H, t), 1.30-1.42(2H, m), 1.43-1.53(2H, m), 1.56-1.66(2H, m), 1.77-1.86(2H, m), 2.12-2.25(6H, m), 2.30-2.43(4H, m), 3.42-3.51(6H, m), 3.68(2H, t), 4.12(2H, t), 5.13(2H, s), 6.38(2H, s), 6.96(2H, d), 7.26(2H, d), 9.81(1H, s)
MS:APCI(+ve):553(M+H)
【0124】
実施例15
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(3−モルホリン−4−イルプロピル)(4−ピロリジン−1−イルベンジル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化20】

1H NMR δ (DMSO-d6)0.90(3H, t), 1.32-1.41(2H, m), 1.44-1.53(2H, m), 1.58-1.67(2H, m), 1.78-1.84(2H, m), 1.90-1.96(4H, m), 2.15-2.26(6H, m), 2.31-2.37(4H, m), 3.15-3.21(4H, m), 3.36(2H, s), 3.49(4H, t), 3.67(2H, t), 4.13(2H, t), 6.37(2H, s), 6.42(2H, d), 7.02(2H, d), 9.80(1H, s)
MS:APCI(+ve):567(M+H)
【0125】
実施例16
6−アミノ−2−ブトキシ−9−(3−{(3−モルホリン−4−イルプロピル)[4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ベンジル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化21】

1H NMR δ (DMSO-d6)0.87(3H, t), 1.28-1.39(2H, m), 1.46-1.55(2H, m), 1.55-1.65(2H, m), 1.80-1.90(2H, m), 2.15-2.26(6H, m), 2.29-2.46(4H, m), 3.41-3.51(4H, m), 3.56(2H, s), 3.71(2H, t), 4.10(2H, t), 6.37(2H, s), 7.47(2H, d), 7.76(2H, d), 8.19(2H, d), 9.84(1H, s)
MS:APCI(+ve):565(M+H)
【0126】
実施例17
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[[4−(メチルスルホニル)ベンジル](3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化22】

実施例1工程(viii)(0.1g)、4−メチルスルホニル臭化ベンジル(0.0673g)および炭酸カリウム(0.0373g)をDMF(1.5mL)中に合わせ、RTで15時間撹拌した。反応混合物をメタノールで希釈し、濾過し、RPHPLCで精製して、表題化合物、0.039gを得た。
1H NMR δ (DMSO-d6)0.82-0.98(3H, m), 1.27-1.43(2H, m), 1.43-1.55(2H, m), 1.56-1.68(2H, m), 1.79-1.91(2H, m), 2.13-2.30(6H, m), 2.33-2.42(4H, m), 3.18(4H, s), 3.41-3.54(2H, m), 3.61(2H, s), 3.66-3.79(2H, m), 4.12(2H, t), 6.38(2H, s), 7.57(2H, d), 7.83(2H, d), 8.14(1H, s), 9.82(1H, s)
MS:APCI(+ve):576(M+H)
【0127】
実施例18
4−{[[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル](3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]メチル}−N−(tert−ブチル)ベンゼンスルホンアミド
【化23】

表題化合物を実施例17の方法を使用して製造した。
1H NMR δ (DMSO-d6)0.89(3H, t), 1.06(9H, s), 1.32-1.43(2H, m), 1.40-1.51(2H, m), 1.54-1.69(2H, m), 1.76-1.91(2H, m), 2.11-2.24(6H, m), 2.25-2.40(4H, m), 3.42-3.50(4H, m), 3.57(2H, s), 3.64-3.78(2H, m), 4.12(2H, t), 6.38(2H, s), 7.39-7.53(3H, m), 7.74(2H, d), 8.15(1H, s)
MS:APCI(+ve):633(M+H)
【0128】
実施例19
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[[4−(ヒドロキシメチル)ベンジル](3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化24】

1H NMR δ (DMSO-d6)0.90(3H, t), 1.31-1.42(2H, m), 1.44-1.54(2H, m), 1.56-1.67(2H, m), 1.77-1.87(2H, m), 2.15-2.25(6H, m), 2.30-2.42(4H, m), 3.45-3.50(5H, m), 3.67(2H, t), 4.13(2H, t), 4.46(2H, d), 5.09(1H, t), 6.37(2H, s), 7.21(4H, s), 9.81(1H, s)
MS:APCI(+ve):528(M+H)
【0129】
実施例20
6−アミノ−9−(3−{ベンジル[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}プロピル)−2−ブトキシ−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化25】

(i)9−(3−クロロプロピル)−2−ブトキシ−8−メトキシ−9H−プリン−6−アミン
実施例1工程(v)の生成物(50g)を、10分間にわたり、急速に撹拌している炭酸カリウム(60g)および1−ブロモ−3−クロロプロパン(21ml)のジメチルホルムアミド(400ml)中の混合物に環境温度で少しずつ添加し、混合物を3時間撹拌した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を水で洗浄し、乾燥させた。粗生成物をアセトニトリルから再結晶した。収量29.83g。
MS:ESI(+ve):314
【0130】
(ii)6−アミノ−9−(3−クロロプロピル)−2−ブトキシ−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
工程(i)の生成物(29.8g)をメタノール(60ml)に溶解し、ジオキサン中4M 塩化水素(60ml)で処理した。混合物を室温で2時間撹拌し、0℃に冷却し、3.5%水性アンモニア溶液で中和した。固体を濾取し、水、次いでメタノールで洗浄し、乾燥させた。収量27.2g。
1H NMR δ (DMSO-d6)9.88(1H, s), 6.41(2H,s), 4.15(2H, t), 3.80(2H, t), 3.65(2H, t), 2.14-2.07(2H, m), 1.68-1.61(2H, m), 1.43-1.34(2H, m), 0.92(3H, t)。
【0131】
(iii)6−アミノ−2−ブトキシ−9−(3−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン、ヒドロクロライド
工程(ii)の生成物(16g)、DMSO(16ml)およびN,N−ジメチルエチレンジアミン(120ml)を80℃で4時間加熱し、次いで減圧下蒸発させた。残渣をアセトニトリルと共沸させ、次いで、アセトニトリル(250ml)中、30分間還流し、次いで、0℃で1時間冷却した。固体を濾取し、乾燥させた。収量15.32g。
1H NMR δ (DMSO-d6)10.60(1H, brs), 6.68(2H, s), 4.15(2H, t), 3.74(2H, t), 2.96(2H, t), 2.97(2H, t), 2.54-2.51(2H, m), 2.22(6H, s), 2.02 - 1.95(2H, m), 1.68-1.61(2H, m), 1.44-1.35(2H, m), 0.92(3H, t)。
MS:ESI(+ve):352
【0132】
(iv)6−アミノ−9−(3−{ベンジル[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}プロピル)−2−ブトキシ−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
工程(iii)からの生成物(0.1g)およびベンズアルデヒド(0.0362g、0.0347ml)をNMP(4mL)中で合わせ、RTで15分間撹拌した。ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(0.0904g)を添加した。反応混合物を16時間撹拌した。反応混合物をメタノールで希釈し、RP−prep−HPLC 75:05 NH:アセトニトリルで15分間にわたり精製して、表題化合物(0.068g)を得た。
1H NMR δ (DMSO-d6)0.90(3H, t), 1.31-1.42(2H, m), 1.54-1.65(2H, m), 1.77-1.88(2H, m), 2.04(6H, s), 2.21-2.28(2H, m), 2.39-2.47(4H, m), 3.53(2H, s), 3.64-3.72(2H, m), 4.12(2H, t), 6.40(2H, s), 7.15-7.25(1H, m), 7.28(4H, s)
MS:APCI(+ve):442(M+H)
【0133】
実施例21
6−アミノ−9−{3−[ベンジル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ]プロピル}−2−ブトキシ−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
【化26】

表題化合物を、実施例1の方法により、1−メチルピペリジン−4−アミンを使用して製造した。
1H NMR δ (DMSO-d6)0.83-0.98(3H, m), 1.30-1.54(4H, m), 1.54-1.67(3H, m), 1.67-1.80(3H, m), 2.09(4H, s), 2.31-2.47(4H, m), 2.70-2.80(2H, m), 3.55(2H, s), 3.59-3.69(2H, m), 4.12(2H, t), 6.36(2H, s), 7.12-7.33(5H, m), 9.78(1H, s)
MS:APCI(+ve):468(M+H)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

〔式中、
は水素、ヒドロキシル、C−Cアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルコキシ、またはC−C10アリール、C−C10ヘテロアリールまたはC−Cシクロアルキル基であり、各基は、所望によりハロゲン、ヒドロキシル、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、アミノ(NH)および(ジ)−C−Cアルキルアミノから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
は単結合またはC−Cアルキレンであり;
は単結合または酸素または硫黄原子またはスルホニル(SO)またはNRであり;
はC−CアルキレンまたはC−Cシクロアルキレン基であり、その各々は、所望により少なくとも1個のヒドロキシルで置換されていてよく;
はNR、CONR、NRCO、SONR、NRCONRまたはNRCONR、SO、CO、NRCSNRであり;
は単結合またはC−Cアルキレンであり;
nは整数0、1または2であり;
各R基は、独立してハロゲン、シアノ、S(O)、OR10、SONR1011、CONR1011、NR、NR10SO、NR10CO、NR10COR、C−C10アリール、C−C10ヘテロアリール基、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cシクロアルキル基であり、後6者は、所望によりハロゲン、シアノ、S(O)12、OR13、SONR1314、CONR1314、NR、NR13SO12、NR13CO12、NR13COR12、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
は水素またはC−Cアルキルであり;
は水素または環基OまたはNRを含む3−8員飽和ヘテロ環式環であるか;
またはRは所望によりNRまたはRから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよいC−Cアルキレンであり;
は水素またはC−CアルキルまたはC−Cシクロアルキル基であり、その各々は、所望によりハロゲン、ヒドロキシルおよびNRから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
は水素、CO、SO、COR、SONR1011、CONR1011、環基NRを含む3−8員飽和ヘテロ環式環であるか;または
(i) C−C10アリールまたはC−C10ヘテロアリール基であり、その各々は、所望によりハロゲン、シアノ、オキソ、カルボキシル、S(O)12、OR13、SONR1314、CONR1314、NR1314、NR13SO12、NR13CO12、NR13COR12、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく、または
(ii) C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cシクロアルキル基であり、その各々は、所望によりハロゲン、シアノ、C−Cシクロアルキル、OR15、S(O)16、CO16、NR1718、CONR1718、NR17COR16、SONR1718、NR17SO16および上記(i)において定義の基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
、R、R13、R14、R15、R19、R20、R22、R23、R24およびR25は、各々独立して水素、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであるか;
またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、環窒素原子および所望により窒素、酸素、硫黄およびスルホニルから独立して選択される1個以上のさらなるヘテロ原子を含んでよい3−8員飽和ヘテロ環式環を形成し、該ヘテロ環式環は、所望によりハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、OR21、S(O)21、NR2223、C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
、R16およびR21は、各々独立してC−CアルキルまたはC−Cシクロアルキル基であり、その各々は、所望によりハロゲン、カルボキシル、ヒドロキシルおよびNR1920から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
10は水素またはC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−CアルキニルまたはC−Cシクロアルキル基であり、その各々は、所望によりハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、OR21、S(O)21、NR2223およびC−Cシクロアルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく、そして
11は水素またはC−CアルキルまたはC−Cシクロアルキル基であり、その各々は、所望によりハロゲン、ヒドロキシルおよびNR2425から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよいか、または
10およびR11は、それらが結合している窒素原子と一体となって、窒素、酸素、硫黄およびスルホニルから選択される少なくとも1個のヘテロ原子またはヘテロ基を含む3−8員飽和ヘテロ環式環を形成し、該ヘテロ環式環は、所望によりハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、OR21、S(O)21、NR2223、C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
12はC−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
17およびR18は各々R10およびR11について定義の通りであり;
m、pおよびqは、各々独立して0、1または2の整数であり;そして
Aは単環式もしくは二環式C−C10アリールまたは1−3ヘテロ原子を含む単環式もしくは二環式C−C12ヘテロアリール基である。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
が酸素である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
が水素である、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
がC−Cアルキレンである、請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
がC−Cアルキレンである、請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
がN−Rである、請求項1から5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
がC−Cアルキレンである、請求項1から6のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
Aがフェニルである、請求項1から7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
次のものから選択される、請求項1に記載の化合物:
6−アミノ−9−{3−[ベンジル(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−2−ブトキシ−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(4−イソプロポキシベンジル)(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(4−メトキシベンジル)(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イルメチル)(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(3,4−ジメトキシベンジル)(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(4−モルホリン−4−イルベンジル)(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(3−モルホリン−4−イルプロピル)(4−ピリミジン−2−イルベンジル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[[4−(メチルチオ)ベンジル](3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−(3−{(3−モルホリン−4−イルプロピル)[(2−オキソ−2H−クロメン−6−イル)メチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−(3−{(3−モルホリン−4−イルプロピル)[(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−6−イル)メチル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(3−モルホリン−4−イルプロピル)(4−プロポキシベンジル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(3,5−ジメトキシベンジル)(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(2,4−ジメトキシベンジル)(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
(4−{[[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル](3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]メチル}フェノキシ)アセトニトリル
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[(3−モルホリン−4−イルプロピル)(4−ピロリジン−1−イルベンジル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−(3−{(3−モルホリン−4−イルプロピル)[4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ベンジル]アミノ}プロピル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[[4−(メチルスルホニル)ベンジル](3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
4−{[[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル](3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]メチル}−N−(tert−ブチル)ベンゼンスルホンアミド
6−アミノ−2−ブトキシ−9−{3−[[4−(ヒドロキシメチル)ベンジル](3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]プロピル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−9−(3−{ベンジル[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}プロピル)−2−ブトキシ−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
6−アミノ−9−{3−[ベンジル(1−メチルピペリジン−4−イル)アミノ]プロピル}−2−ブトキシ−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
およびその薬学的に許容される塩または溶媒和物。
【請求項10】
がNRである式(I)の化合物の製造方法であって、
(a) 式
【化2】

〔式中、Z、Y、X、RおよびRは式(I)において定義の通りである。〕
の化合物と、式
【化3】

〔式中、Yは結合またはC−Cアルキレン基であり、そしてnおよびRは式(I)において定義の通りである。〕
の化合物を、適当な還元剤(例えばナトリウムトリアセトキシボロハイドライド)の存在下で反応させるか;または
(b) 上記(a)で定義の式(II)の化合物と、式
【化4】

の化合物を反応させ、
所望によりその後次の一つ以上を行う:
・得られた化合物を本発明の別の化合物に変換し
・任意の保護基を除去し
・本化合物の薬学的に許容される塩を形成する
ことを含む、方法。
【請求項11】
請求項1から9のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と共に含む、医薬組成物。
【請求項12】
請求項1から9のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩と薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体を混合することを含む、請求項9に記載の医薬組成物の製造方法。
【請求項13】
治療に使用するための、請求項1から9のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物。
【請求項14】
TLR7活性の調節が有益であるヒト疾患または状態の処置用医薬の製造における、請求項1から9のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物の使用。
【請求項15】
アレルギー性またはウイルス性疾患または癌の処置用医薬の製造における、請求項1から9のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物の使用。
【請求項16】
喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、癌、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HPV、細菌感染および皮膚病の処置に使用するための医薬の製造における、請求項1から9のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物の使用。
【請求項17】
TLR7活性の調節が有益である、疾患または状態を処置する、またはリスクを低下させる方法であって、それを必要とする患者に、治療的有効量の請求項1から9のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物を投与することを含む、方法。
【請求項18】
アレルギー性またはウイルス性疾患または癌を処置する、またはリスクを低下させる方法であって、それを必要とする患者に、治療的有効量の請求項1から9のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物を投与することを含む、方法。
【請求項19】
閉塞性気道疾患または状態を処置する、またはリスクを低下させる方法であって、それを必要とする患者に、治療的有効量の請求項1から9のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物を投与することを含む、方法。
【請求項20】
請求項1から9のいずれかに記載の式(I)の化合物である第一成分、および:
− ホスホジエステラーゼ阻害剤
− β2アドレナリン受容体アゴニスト;
− ケモカイン受容体機能モジュレーター;
− キナーゼ機能阻害剤;
− プロテアーゼ阻害剤
− グルココルチコイド;
− 抗コリン剤;
− 非ステロイド性グルココルチコイド受容体アゴニスト
から選択される第二活性成分を含む、2種以上の活性成分を組み合わせて含む、医薬品。

【公表番号】特表2010−513257(P2010−513257A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540862(P2009−540862)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際出願番号】PCT/GB2007/004786
【国際公開番号】WO2008/071976
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【出願人】(000002912)大日本住友製薬株式会社 (332)
【Fターム(参考)】