説明

免疫賦活組成物

【課題】安全で有害な作用がなく、継続して摂取することができる免疫賦活作用を有する組成物を提供する。
【解決手段】麦類に圧力処理後酵素処理を行って得られる平均分子量2000Da以上の水溶性成分を有効成分として含有する、免疫賦活組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、麦類から得られる水溶性成分を含有することを特徴とする、免疫賦活組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
医療技術の進歩と共に医療費が高騰を続ける中、病気にかからないようにする予防医学という概念が注目されてきている。免疫機能は生体の恒常性維持に役立っており、この免疫機能を向上させて病気を予防しようという提案がなされている。例えば、基礎免疫機能を向上させることにより種々の感染症にかからないようにしたり、非特異的な免疫機能を向上させることにより癌ならびに種々の抗原、微生物およびウイルスなどを排除するようにしたり、初期免疫機能を向上させたりすることで、免疫機能全体の改善や免疫機能の調節を行い、さらに特異的免疫機能のバランスを改善し、異常な免疫作用によって引き起こされる種々の病態、例えば、花粉症、アトピー、自己免疫疾患などを予防または治療しようとする試みが行われている。
【0003】
また、免疫賦活剤は医療分野において各種疾患の治療にも使用され、薬物治療効果の増強や副作用の軽減などに有用であることが報告されている。例えば、癌治療においては、化学療法や放射線治療に免疫増強剤を併用することにより治療効果の向上が認められている。しかしながら、医薬品として用いられている免疫賦活剤、例えば、インターロイキンやインターフェロンなどは、優れた抗ウイルス効果や抗癌効果を発揮するものの、副作用も強いため重症患者と診断されなければ処方できず、医師の厳重な管理のもとで投薬しなければならないなど、その適用には困難がある。
【0004】
そこで、日常的に摂取することが可能で、しかも副作用の心配がなく、十分な効果が期待できる天然由来の免疫賦活剤の開発も行われており、例えば、特許文献1には、乳酸菌と共にD−マンノース、アラビノキシランなどの多糖類を共存させた免疫賦活剤が記載されている。また特許文献2には、トウモロコシ外皮から得られたヘミセルロースの部分分解物を有効成分とする免疫賦活剤が記載されている。また特許文献3には、米糠の水溶性成分を有効成分とする免疫賦活用組成物が記載されている。しかしながら、これらの免疫賦活成分の免疫機能増強作用は弱く、満足のいくものではなかった。したがって、安全で簡便に日常的に継続して摂取することができ、かつ顕著な免疫賦活作用を有し、種々の感染症、花粉症、アトピー、自己免疫疾患および各種の癌の予防および/または改善に有効な天然素材が望まれていた。
【0005】
【特許文献1】特開2005−8616号公報
【特許文献2】特開2001−322942号公報
【特許文献3】特開2002−255843号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、安全で有害な作用がなく、継続して摂取することができる免疫賦活作用を有する組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、麦類に圧力処理後酵素処理を行って得られた水溶性成分のうち、特定分子量のものが高い免疫賦活作用を有すること、特に小麦由来の分子量2,000Da以上の水溶性ヘミセルロースを含むものが、他の天然由来成分に比較して極めて強力な免疫賦活作用を有し、様々な免疫疾患の予防および/または改善に有用であることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は以下を包含する。
(1)麦類に圧力処理後酵素処理を行って得られる平均分子量2000Da以上の水溶性成分を有効成分として含有する、免疫賦活組成物。
(2)前記水溶性成分が水溶性ヘミセルロースを含有するものである、(1)に記載の免疫賦活組成物。
(3)感染症、自己免疫疾患、花粉症、アトピーおよび/または癌を予防および/または改善するための、(1)または(2)に記載の免疫賦活組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、安全で簡便に日常的に継続して摂取することができ、かつ顕著な免疫賦活作用を有する組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施形態について具体的に説明する。
【0011】
本発明において免疫賦活作用とは、主として非特異的な貪食作用を中心とする細胞性免疫を活性化する作用をさす。非特異的な免疫反応の1つであるマクロファージによる貪食作用は、体外からの非自己抗原、すなわち異物に対して初期免疫応答として働き、即時的に異物を排除する。同時に貪食した異物を抗原として免疫系に提示し、リンパ球や抗体による特異的免疫応答を発動させ、より強力な異物の排除を行うと共に、獲得免疫として次回以降の同種異物に対して直ちに特異的免疫応答ができるようにする。また、非特異的な貪食作用は、癌などの自己由来でありながら有害である細胞などに対しても排除する能力を有し、自己免疫力を高めて有害な成分を排除して健康を保つ働きを示す。このように非特異的細胞性免疫は、異物の排除を中心とした免疫系による生体の恒常性維持に重要な役割を果たしている。さらに本発明において免疫賦活作用には、前記の非特異的な免疫反応の活性化により、特異的免疫機能の改善、調節もしくは向上、またはTh1/Th2バランスなどの免疫バランスの改善をもたらすことも包含される。
【0012】
本発明において免疫賦活作用は、細胞性免疫機能を担う細胞であるナチュラルキラー細胞、マクロファージ、顆粒球などの細胞が活性化して起こる代表的な現象である、サイトカイン放出量、細胞傷害作用、および細胞貪食作用などを測定することによって評価することができる。
【0013】
本発明に用いられる麦類は、小麦、大麦、ライ麦、エンバクなどのイネ科の食用作物を指す。具体的には、イネ科コムギ属のパンコムギ、デュラムコムギ、クラブコムギ、スペルトコムギおよびエンマコムギなど、イネ科エギロプス属のタルホコムギおよびクサビコムギなど、イネ科オオムギ属のオオムギ、イネ科カラスムギ属のエンバクおよびカラスムギなど、イネ科ドクムギ属のドクムギ、ホソムギ、ネズミムギ、アマドクムギ、ノゲナシドクムギおよびボウムギなど、イネ科スズメノチャヒキ属のイヌムギなど、イネ科ジュズダマ属のハトムギなど、および、イネ科ナガハグサ属のライ麦などが挙げられる。これらの中では、小麦、大麦、ライ麦およびエンバクが好ましい。
【0014】
上記麦類は、花、穂、花柄、茎、葉、種子、根、胚、胚乳、胚芽、糠、ふすま、籾殻など、細胞壁が含まれる部位であればいずれの部位であっても使用できるが、これらの中でも、ふすまを用いるのが、効率よく免疫賦活組成物を得られるため好ましい。代表的なふすまとしては、通常の製粉工程で生じる小麦の一般ふすま、それ以外のふすまのいずれも使用でき、組成や製造過程を問わない。そのうちでも特に、一般ふすまを粉砕した後、繊維質に富む区分を分級処理することにより得られた繊維質含量の高いふすまを使用すると、本発明に係る組成物の有効成分を高収量で得ることができる。
【0015】
本発明の免疫賦活組成物は、上記のような麦類に圧力処理後酵素処理を行って得られる平均分子量2000Da以上、好ましくは2,500Da以上の水溶性成分を有効成分として含有する。上記水溶性成分は、麦類に圧力処理後酵素処理を行って、例えば、カラムクロマトグラフィーなどを用いて平均分子量2,000Da以上、好ましくは2,500Da以上の成分を分画することにより麦類から抽出することができる。ここで平均分子量とは、ゲル濾過クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、サイズ排除高速液体クロマトグラフィーなど公知の方法によって測定することができるが、特にサイズ排除高速液体クロマトグラフィーよって算出された値をさす。
【0016】
本発明の組成物の有効成分である上記水溶性成分は、好ましくは麦類由来の水溶性ヘミセルロース、すなわち平均分子量2000Da以上、好ましくは2,500Da以上の水溶性ヘミセルロースを含有する。本発明の組成物には、水溶性成分として、麦類に圧力処理後酵素処理を行って得られる平均分子量2,000Da以上の水溶性ヘミセルロース自体を用いてもよい。
【0017】
本発明において水溶性ヘミセルロースは、上記麦類に圧力処理後酵素処理を行って得ることができる。本発明の組成物が麦類由来の水溶性ヘミセルロースを含有する場合、組成物中に、原料に含まれていたタンパク質やグルコースなどの糖質といったヘミセルロース以外の成分が含まれていてもよい。本発明における水溶性ヘミセルロースは、好ましくは糖組成として、キシロース35〜75質量%およびアラビノース5〜60質量%を含むアラビノキシランを多く含むものである。
【0018】
以下、本発明の免疫賦活組成物の製造方法について詳細に説明する。
【0019】
本発明の免疫賦活組成物における有効成分である上記水溶性成分は、麦類に圧力処理後酵素処理を行って得られるものであるが、具体的な調製方法としては、特許公報第3079115号に記載された方法を利用できる。以下に、麦類として小麦ふすまを用いた場合の詳細な調製方法を説明するが、この方法は小麦以外にも、また、ふすま以外の麦類の各部位にも容易に適用できるものである。
【0020】
小麦ふすまは、まず水洗して、蛋白質、少糖類、その他の有機物などの水溶性夾雑物を除去するのが好ましい。その際の水の温度は特に限定されないが、操作のし易さ、夾雑物の除去効率、熱効率などの点から通常20〜70℃がよく、好ましくは30〜60℃がよい。水洗は、小麦ふすまを水に分散させて攪拌しながら行うのが、小麦ふすまからの水溶性夾雑物の除去を円滑に行うことができ好ましいが、これに限定されない。水に分散させて攪拌しながら水洗する場合には、水100質量部に対して、小麦ふすま約10〜20質量部を分散させて、周速度約10〜30m/秒で約2〜10分間行うのが、操作のし易さ、夾雑物の除去効果率、水洗終了後の小麦ふすまからの水の除去の容易さなどの点から好ましい。
【0021】
次いで、水洗終了後の小麦ふすまから水を除去する。水の除去は、ろ過、遠心分離、遠心ろ過などの固液分離として一般的ないずれの方法で行ってもよい。操作が簡便であり、速やかに水を除去できる点で遠心ろ過による方法が好ましい。水を除去した後の小麦ふすまは、そのまま湿った状態で、または必要に応じて乾燥して、次の処理に供する。
【0022】
続いて小麦ふすまを圧力処理に付すことにより、植物細胞壁構造を部分的に破壊またはゆるやかな構造に変性させることで、水溶性成分の抽出を容易に、高収率で行うことができる。圧力処理においては、合わせて加熱を行うことが好ましい。圧力処理は、例えば、水分の存在下、温度100〜145℃および圧力1〜4気圧、好ましくは115〜123℃および1.7〜2.3気圧で実施することができる。温度を100℃以上とすることで、水溶性成分の十分な抽出効率が達成され、また温度145℃以上、4気圧以上にしても水溶性成分の抽出効率はこれ以上は上昇しない。ここで水分の存在下とは、圧力処理した後で植物細胞壁分解酵素を作用させたときに所望の水溶性成分が得られるいかなる量の水分でもよいが、小麦ふすまの乾燥重量に対して1〜8倍量程度の水の添加で通常は十分であって、水分量が前記範囲内であると、圧力損失もなく適度な処置が可能であり好ましい。圧力処理は数秒〜数十分程度、好ましくは1〜10分程度の短時間で行えばよく、この範囲以上の長時間行っても効果はほぼ同様である。この圧力処理は、任意の加圧可能な容器、例えばオートクレーブを用いて行うことができるが、連続式加熱加圧装置を用いて連続式操作によって行うこともできる。
【0023】
このように処理された小麦ふすまを、次いで酵素処理に付す。酵素としては、通常、植物細胞壁分解酵素を用いる。上記圧力処理により部分的に破壊またはゆるやかな構造に変性していた植物細胞壁は、酵素処理によって容易に分解を受ける。この操作により、ほぼ選択的に平均分子量2,000Da以上の水溶性成分を得ることができる。そして植物細胞壁分解酵素により分解を受けた水溶性成分は容易に分離することができる。
【0024】
上記酵素処理で用いる酵素としては、植物細胞壁分解酵素、例えば、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ、マンナナーゼなどが挙げられ、これらを単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。複数混合されている複合酵素を用いるのが好ましい。上記酵素は高等植物、菌類、細菌などに広く分布しており、これらから抽出して用いることもできる。また、微生物に起源を有するものが市販されており、これらを用いることもできる。
【0025】
酵素はその至適pHおよび至適温度において使用することが好ましい。至適pHおよび至適温度は個々の酵素により異なるが、一般にpH5〜7、および25〜60℃の範囲にあり、これらの範囲で処理を行うのが好ましい。これらの酵素は、反応液中に遊離状態で存在させて反応させることもできるが、酵素を担体に担持させるなど、固定化した状態で反応させることもできる。
【0026】
この酵素による処理は、前記圧力処理した小麦ふすまの乾燥質量に対して0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜10質量%の量の酵素を用いて行うことが、反応効率および経済性の観点から望ましい。上記の酵素量を用いる場合、1〜120分、好ましくは15〜60分間反応させることにより、十分に植物細胞壁を分解し、効率的に水溶性成分を抽出することができる。酵素反応をとめるには、反応液を80〜100℃にして酵素を失活させる方法などがある。
【0027】
以上説明したように、麦類に圧力処理および酵素処理を行うことで、両処理の併用効果により、麦類から選択的に平均分子量2,000Da以上の水溶性成分を5〜20質量%含有する麦類抽出物を得ることができる。これらの処理によって得られる抽出物には、水溶性ヘミセルロースなどの麦類由来の水溶性成分が含まれるので、この抽出物をそのまま本発明の免疫賦活組成物に配合してもよい。したがって本発明の免疫賦活組成物には、製造工程上不可避的に含まれるふすま由来のその他の成分や酵素類が含有されていてもよい。
【0028】
しかしながら、取り扱いの容易性、保存性などを考慮すると、この水溶性成分から不溶物を除去し、さらに水分を除去して固体状の形態とすることが好ましい。この不溶物の除去や水分除去は、得られた水溶性成分が変性や熱分解を起こさない条件下であれば、どのような方法でもよく、例えばろ過、遠心分離、遠心ろ過、スプレードライ、スプレークール、ドラムドライ、真空乾燥、凍結乾燥などのいずれの方法も使用できる。または、水溶性成分を適当な担体に結合または担持させた後、上記のような方法により溶媒を除去することで、固形物として得ることもできる。
【0029】
麦類を単に通常の抽出処理に付して得られる成分では、その免疫賦活効果は従来の免疫賦活組成物の効果と変わらないが、本願発明者らは、上記のように麦類に圧力処理後酵素処理を行って得られる水溶性成分によって、極めて高い免疫賦活効果が得られることを初めて見出した。
【0030】
本発明の免疫賦活組成物は、上記の工程によって得られた水溶性成分を含有することを特徴とするが、これをそのまま単独で、あるいは医薬品、食品または飼料などの様々な形態にして継続的に摂取する、あるいは化粧料の形態にして継続的に適用すると、非特異的な免疫、換言すれば基礎免疫機能が向上し、感染症、花粉症、アトピー、自己免疫疾患、癌などの様々な障害および疾患を、予防および/または改善することができる。また本発明の免疫賦活組成物は、安全な麦類を原料としているため、安全性が高く、また風味もよいことから、経口摂取や化粧料としての適用が容易であり、長期間の継続的投与が可能である。さらに様々な医薬品、食品、飼料の形態として長期間の継続的摂取に供することができる。
【0031】
本発明の免疫賦活組成物は、通常の場合、上記の工程によって得られた水溶性成分の乾燥質量を基準として、成人1日当たり0.01〜20gの範囲で適用される。経口投与の場合、一般的な1日当たりの摂取量は、1〜10gであるが、該水溶性成分は、麦類を原料としている安全性の高いものであるため、その摂取量をさらに増やすこともできる。1日当たりの摂取量は、1回で摂取してもよいが、数回に分けて摂取してもよい。本発明の組成物を上記範囲で摂取すると、毒性症状は認められない。
【0032】
その際、上記の工程によって得られた水溶性成分をそのまま単独で用いることもできるが、本発明の効果を阻害しない限り、後述する添加剤、他の公知の免疫賦活物質、免疫調節物質などを単独または複数組み合わせて配合してもよい。
【0033】
本発明の免疫賦活組成物を医薬組成物として調製する場合の剤型としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、粉剤、シロップ剤、ドライシロップ剤、液剤、懸濁剤などの経口剤、吸入剤、坐剤などの経腸製剤、軟膏、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤などの皮膚外用剤、点滴剤、注射剤などの局所投与剤が挙げられる。これらのうちでは、経口剤が好ましい。
【0034】
このような剤型の免疫賦活組成物は、有効成分である水溶性成分に、慣用される添加剤、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、アルコール、水、水溶性高分子、甘味料、矯味剤、酸味料などを剤型に応じて配合し、常法に従って製造することができる。なお、液剤、懸濁剤などの液体製剤は、服用直前に水または他の適当な媒体に溶解または懸濁する形であってもよく、また錠剤、顆粒剤の場合には周知の方法でその表面をコーティングしてもよい。
【0035】
本発明に係る医薬組成物における水溶性成分の含有量は、その剤型により異なるが、乾燥質量を基準として、通常は、0.001〜99質量%、好ましくは0.01〜80質量%の範囲であり、上述した成人1日当たりの摂取量を摂取できるよう、1日当たりの投与量が管理できる形にすることが望ましい。
【0036】
本発明の免疫賦活組成物を食品組成物として調製する場合、その形態は特に制限されず、健康食品、機能性食品、特定保健用食品などの他、有効成分である上記水溶性成分を配合できる全ての食品が含まれる。また、本発明において食品には飲料も包含される。具体的には、錠剤、チュアブル錠、粉剤、カプセル剤、顆粒剤、ドリンク剤、経管経腸栄養剤などの流動食といった各種製剤形態とすることができる。製剤形態の食品組成物は、医薬製剤と同様に製造することができる。さらに食品組成物は、緑茶、ウーロン茶、紅茶などの茶飲料、清涼飲料、ゼリー飲料、スポーツ飲料、乳飲料、炭酸飲料、果汁飲料、乳酸菌飲料、発酵乳飲料、粉末飲料、ココア飲料、精製水などの飲料、バター、ジャム、ふりかけ、マーガリンなどのスプレッド類、マヨネーズ、ショートニング、カスタードクリーム、ドレッシング類、パン類、米飯類、麺類、パスタ、味噌汁、豆腐、牛乳、ヨーグルト、スープまたはソース類、菓子(例えば、ビスケットやクッキー類、チョコレート、キャンディ、ケーキ、アイスクリーム、チューインガム、タブレット)などとして調製してもよい。
【0037】
食品組成物にはさらに、食品や飼料の製造に用いられる他の食品素材、各種栄養素、各種ビタミン、ミネラル、アミノ酸、各種油脂、種々の添加剤(例えば、呈味成分、甘味料、有機酸などの酸味料、界面活性剤、pH調整剤、安定剤、酸化防止剤、色素、フレーバー)などを配合してもよい。また、通常食されている食品に本発明に係る水溶性成分を配合することにより、本発明に係る食品組成物を製造することもできる。
【0038】
本発明に係る食品組成物において、水溶性成分の含有量は、食品の形態により異なるが、乾燥質量を基準として、通常は、0.001〜85質量%、好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは1〜50質量%、さらに好ましくは20〜50質量%の範囲である。1日当たりの摂取量は、1回で摂取してもよいが、数回に分けて摂取してもよい。上述した、成人1日当たりの摂取量が飲食できるよう、1日当たりの摂取量が管理できる形にするのが好ましい。
【0039】
さらに本発明の免疫賦活組成物には、人用の食品のみならず、家畜、競走馬などの飼料、ペットフードなども包含される。飼料は、対象が動物である以外は食品とほぼ等しいことから、本明細書における食品に関する記載は、飼料についても同様に当てはめることができる。
【0040】
本発明の免疫賦活組成物は安全性が高いため、化粧料組成物として調製することもできる。本発明に係る化粧料組成物は、継続的に適用することができるため、特にアトピー性皮膚炎を予防および/または改善するために有効である。
【0041】
本発明に係る化粧料組成物を調製する場合、上記水溶性成分をそのまま化粧料組成物としてもよく、または水溶性成分を汎用の方法で配合し、乳液、化粧液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、シート、ファンデーション、おしろい、頬紅、口紅、アイシャドー、アイライナー、マスカラ、洗顔料、皮膚洗浄料、ゲル剤、ジェル剤、美肌剤、ボディシャンプーなどの洗浄料、シャンプー、リンスなどの毛髪化粧料、ヘアートリートメント、養毛剤、浴用剤、軟膏、医薬部外品、あぶら取り紙などの形態の化粧料組成物として調製してもよい。
【0042】
本発明に係る化粧料組成物は、水溶性成分のほかに、所望する剤型に応じて従来公知の賦形剤や香料を初め、油脂類、界面活性剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、水溶性高分子、増粘剤、顔料などの粉末成分、紫外線防御剤、保湿剤、酸化防止剤、pH調節剤、洗浄剤、乾燥剤、乳化剤などを適宜配合して、常法に従って製造することができる。
【0043】
本発明に係る化粧料組成物における水溶性成分の含有量は、特に限定されないが、乾燥質量を基準として、通常、0.001〜80質量%、好ましくは0.01〜50質量%の範囲内である。
【0044】
さらに本発明の免疫賦活組成物には、上記以外に例えば、共役リノール酸、タウリン、グルタチオン、カルニチン、クレアチン、コエンザイムQ、グルクロン酸、グルクロノラクトン、トウガラシエキス、ショウガエキス、カカオエキス、ガラナエキス、ガルシニアエキス、テアニン、γ−アミノ酪酸、カプサイシン、カプシエイト、各種有機酸、フラボノイド類、ポリフェノール類、カテキン類、キサンチン誘導体、フラクトオリゴ糖などの難消化性オリゴ糖、ポリビニルピロリドンなどを配合してもよい。
【0045】
それら添加剤の配合量は、組成物の形態、添加剤の種類および所望すべき摂取量に応じて適宜決められるが、本発明の免疫賦活組成物中、0.01〜70質量%の範囲内であり、好ましくは0.1〜50質量%の範囲内である。
【0046】
本発明によれば、免疫賦活の活性化、特に細胞性免疫機能を活性化することにより、種々の感染症、花粉症、アトピー、自己免疫疾患および各種の癌などを予防および/または改善することができる。さらに本発明の組成物は、副作用がなく、風味がよく簡便に摂取可能で長期間の継続的摂取が容易である。
【0047】
また、本発明の免疫賦活組成物を、食品、飼料、化粧料もしくは医薬組成物として、上述したような有効量で投与することにより、種々の感染症、花粉症、アトピー、自己免疫疾患および各種の癌の予防および/または改善方法を提供することができる。
【0048】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0049】
以下の例中、平均分子量は次の方法で測定した。
【0050】
平均分子量測定方法
各実施例の組成物10mgを蒸留水1mLに溶解し、サイズ排除高速液体クロマトグラフィー(使用カラム:TOHSO G2000SWXL 東ソー製、カラム温度:40℃)に供し、次に蒸留水を使用して1mL/分の流速で溶離させた。溶離液を視差屈折系を用いて測定して、測定値を、分子量既知のプルラン(分子量5,900、11,800、22,800、47,300、112,000、212,000、404,000、788,000Daのもの)から作成した検量線に当てはめて平均分子量を決定した。
【0051】
(実施例1)水溶性成分の製造
(1)反応釜に小麦ふすま(日清製粉)200g、水1.4Lを仕込み、50℃でミキサーを用いて3分間攪拌洗浄した。洗浄後、小麦ふすまをガーゼを用いて濾過して水分を除去した。再度小麦ふすまを反応釜に戻し、水1.4Lを加えて50℃でミキサーを用いて3分間攪拌洗浄した。これを更にもう一度繰り返し行い、合計3回洗浄操作を行った。
(2)ついで、洗浄濾過後の小麦ふすまをメディウムびんに移し、蒸留水600mLを加えて、オートクレーブ(TOMY SS−325)で120℃、約1.8気圧にて15分間圧力処理した。処理終了後、室温にて放冷した。
(3)放冷後、残った水分を濾過により除去し、小麦ふすまを、10L容器に移した。
(4)蒸留水1Lを加え、50℃に加温後、ヘミセルラーゼ(セルラーゼRS;ヤクルト薬品工業製)を0.2g(原料小麦ふすまに対して0.1質量%)を投入して50℃で20分間反応させた。
(5)反応液を90℃に加熱し、15分間維持して酵素を失活させた。
(6)蒸留水を加えて反応液の温度を下げ、遠心分離して上清を分取した。
(7)上清を凍結乾燥し、水溶性成分を粉末の形態で約17g得た。
(8)この水溶性成分は、糖質が約80%、蛋白質が約20%であり、糖質の約95%はアラビノース、キシロース、グルコースであり、その糖組成はキシロース:アラビノース:グルコースが100:27:40であった。また、平均分子量2,800Da、分子量分布は200〜500,000Daであった。また、この水溶性成分は、わずかに甘味のある風味の良い粉末であり、これを水性媒体に添加すると、容易に溶解し清澄な液体が得られた。
【0052】
(比較例1)小麦ふすまのアルカリ抽出物の製造
(1)反応釜に小麦ふすま(日清製粉)200g、水1.4Lを仕込み、50℃でミキサーを用いて3分間攪拌洗浄した。洗浄後、小麦ふすまをガーゼを用いて濾過して水分を除去した。再度小麦ふすまを反応釜に戻し、水1.4Lを加えて50℃でミキサーを用いて3分間攪拌洗浄した。これを更にもう一度繰り返し行い、合計3回洗浄操作を行った。
(2)洗浄濾過後の小麦ふすまを10L容器に移し、0.2mol/L水酸化ナトリウム水溶液1Lを加え、80℃に加温して1.5時間攪拌抽出した。
(3)遠心分離して上清を分取し、4mol/L塩酸を、pHが7になるまで添加した。
(4)ここにエタノール1.5Lを添加し、16時間静置して沈殿を生成させた。
(5)生成した沈殿を遠心分離後、分取した。
(6)沈殿を250mLの水に溶解し、48時間透析膜を通過させて低分子成分を除去した。
(7)通過液を凍結乾燥し、小麦ふすまのアルカリ抽出物を粉末の形態として約2.21g得た。
(8)こうして抽出されたアルカリ抽出物は、糖組成がキシロース:アラビノース:グルコースが100:82:14であり、平均分子量300,000Da、分子量分布は200,000〜1,000,000Daであった。また、このアルカリ抽出物は、茶褐色の塊状であり風味はあまり好ましいものではなかった。またこれを水性媒体に添加すると、容易に溶解しわずかに濁りのある液体が得られた。
【0053】
(比較例2)小麦ふすまの酵素分解物の製造
(1)反応釜に小麦ふすま(日清製粉)200g、水1.4Lを仕込み、50℃でミキサーを用いて3分間攪拌洗浄した。洗浄後、小麦ふすまをガーゼを用いて濾過して水分を除去した。再度小麦ふすまを反応釜に戻し、水1.4Lを加えて50℃でミキサーを用いて3分間攪拌洗浄した。これを更にもう一度繰り返し行い、合計3回洗浄操作を行った。
(2)洗浄濾過後の小麦ふすまを10L容器に移し、0.2mol/L水酸化ナトリウム水溶液1Lを加え、80℃に加温して1.5時間攪拌抽出した。
(3)遠心分離して上清を分取し、4mol/L塩酸を、pHが5.5になるまで添加した。
(4)ヘミセルラーゼ(セルラーゼオノヅカRS;ヤクルト薬品工業製)を0.4g(原料小麦ふすまに対して0.2質量%)を投入して50℃、1時間反応させた。
(5)反応液の容量を測定し、ここに60体積%エタノールとなるようエタノールを添加し、攪拌した。
(6)生成した沈殿を遠心分離後、分取した。
(7)沈殿を250mLの蒸留水に溶解し、透析膜を通過させて脱塩処理した。
(8)通過液を凍結乾燥し、ふすま酵素分解物を粉末の形態として約1.17g得た。
(9)こうして抽出された酵素分解物は、糖組成がキシロース:アラビノース:グルコースが100:107:6であり、平均分子量300,000Da、分子量分布は200,000〜1,000,000Daであった。また、この組成物は、茶褐色の塊状であり風味はあまり好ましいものではなかった。またこれを水性媒体に添加すると、容易に溶解しわずかに濁りのある液体が得られた。
【0054】
(実施例2〜3、比較例3〜4)抽出物の分画
実施例1で得られた水溶性成分を以下の方法を用いて分画処理し、以下の分画物を得た。
(1)実施例1で得られた水溶性成分10gを100mLの蒸留水に溶解し、ここに100mLのエタノールを加えて攪拌し(50%エタノール溶液)、1時間静置した。
(2)沈殿が得られたので遠心分離により分取し、50mLの蒸留水に溶解して凍結乾燥を行った。得られた画分の平均分子量は2,800Daであった。(実施例2)。
(3)遠心上清にエタノールをさらに500mL加えて攪拌し(85%エタノール溶液)、1時間静置した。
(4)沈殿が得られたので遠心分離により分取し、50mLの蒸留水に溶解して凍結乾燥を行った。得られた画分の平均分子量は2,800Daであった。(実施例3)。
(5)上清はそのまま減圧下で濃縮乾固した。得られた画分の平均分子量は1,700Daであった。(比較例3)。
(6)比較例3の0.5gを蒸留水5mLに溶解し、MEGA Bond ELUT C−18(VARIAN社)にアプライし、非吸着の溶出画分を分取して濃縮乾固した。得られた画分の平均分子量は1,200Daであった。(比較例4)
【0055】
(実施例4〜9)抽出物の分画
実施例1で得られた水溶性成分を以下の方法を用いて分画処理し、以下の分画物を得た。
(1)実施例1の水溶性成分1gを蒸留水4mLに溶解し、あらかじめ別に蒸留水でカラム充填しておいたSephacryl S−400HR(GEヘルスケアバイオサイエンス製)にアプライした。
(2)蒸留水で溶出し、10mLずつ分取し、画分7〜12をそれぞれ濃縮乾固して実施例4〜9とした。画分7〜12の分子量はそれぞれ414,000Da、390,000Da、349,000Da、287,000Da、212,000Da、20,000Daであった。
【0056】
(試験例1)
実施例の各組成物の免疫賦活作用を検討した、その際小麦以外の素材の比較例として、比較例5:とうもろこしアラビノキシラン(日食アラビノキシランIP;日本食品加工株式会社製、平均分子量=53,000Da)、比較例6:米糠アラビノキシラン(レンチンプラス100;株式会社エイブリー製、平均分子量=600Da)を同時に試験に用いた。また陽性対照として、免疫賦活剤、免疫増強剤として常用されているリポポリサッカライド(LPS;シグマ社製)を用い、コントロールとして、蒸留水を用いた。
【0057】
10%FBSおよび120nmolカルシトリオールを含有させたPMI1640培地でHL−60細胞を7日以上培養し、48wellプレートに2.5×10cells/well/250μLになるよう分取した。37℃に加温し、濃度調整したYG蛍光ビーズ(Warrington.PA;polysience Inc.製、2μm径)を25μLずつ加え、さらに実施例1〜10、比較例1〜6の各組成物を10μg/mLの濃度になるよう25μL添加し、シェイカー(1100rpm、30秒)で混和した。37℃、5%COの環境下で16時間培養し、培養終了後、2%ホルムアルデヒドを用いて細胞を固定し、フローサイトメーター(FCM FL1);Beckman Coalter製)にて蛍光ビーズを貪食した細胞を測定した。なお陽性対照は、LPSを1μg/mLの濃度になるよう25μL添加した。結果は、総細胞数に対する蛍光ビーズ貪食細胞数の比を、コントロールを100%とする相対値で表1に表した。
【0058】
【表1】

【0059】
表1から、本発明の組成物は、いずれもHL−60細胞のビーズ貪食作用を促進することがわかる。小麦ふすまに圧力処理および酵素処理を行った実施例1の水溶性成分およびその分画物である実施例2〜9の組成物は、比較例5〜6のとうもろこしアラビノキシランおよび米糠アラビノキシランに比べても顕著に高い作用を示した。さらに、免疫賦活作用の陽性対照であるLPSに比べても、顕著に高い作用を示した。一方、小麦ふすまからのアルカリ抽出物である比較例1、小麦ふすまからの酵素処理物である比較例2の組成物の作用は高いものではなかった。また実施例1の水溶性成分の分画物であっても、平均分子量が1700Da以下の画分である比較例3〜4の組成物は、ほとんど免疫賦活作用を示さなかった。
【0060】
(実施例10)錠剤の製造
実施例1で得られた水溶性成分84g、結晶セルロース(旭化成)10gおよびポリビニルピロリドン(BASF)5gを混合し、これにエタノール30mLを添加して、湿式法により常法にしたがって顆粒を製造した。この顆粒を乾燥した後、ステアリン酸マグネシウム1.2gを加えて打錠用顆粒末とし、打錠機を用いて打錠し、1錠が1gの錠剤100個を製造した。
【0061】
(実施例11)顆粒剤の製造
実施例1で得られた水溶性成分100g、乳糖(DMV)100gおよび結晶セルロース(旭化成)40gを混合し、これにエタノール130mLを練合機に添加し、通常の方法により5分間練合した。練合終了後、10メッシュで篩過し、乾燥機中にて50℃で乾燥した。乾燥後、整粒し、顆粒剤240gを得た。
【0062】
(実施例12)シロップ剤の製造
精製水400gを煮沸し、これをかき混ぜながら、白糖750gおよび実施例1で得られた水溶性成分100gを加えて溶解し、熱時に布ごしし、これに精製水を加えて全量を1000mLとしてシロップ剤を製造した。
【0063】
(実施例13)流動食の製造
約65℃の純水700gにカゼインナトリウム(DMV)40g、マルトデキストリン(三和デンプン)160gおよび実施例1で得られた水溶性成分50gを添加して溶解させ、ついでビタミンミックスおよび微量ミネラルの各成分混合液を添加した。得られた混合液をホモミキサーに投入し、約8,000rpmにて15分間粗乳化した。得られた乳化液を約20℃に冷却し、香料を添加後、最終メスアップを行い、この液をパウチへ本液230g充填後、窒素置換を行いながらパウチを密封し、121℃で15分間殺菌を行って流動食を得た。
【0064】
(実施例14)パンの製造
小麦粉(強力粉)160gとドライイースト2gを混合した。これとは別に、実施例1で得られた水溶性成分5g、砂糖25g、食塩3g、脱脂粉乳6gを温湯70gに溶かし、鶏卵1個を添加してよく混合した。これを上記の小麦粉とドライイーストの混合物に加え、よく手でこねた後、バター約40gを加えてさらによくこね、20個のロールパン生地を作り、次いで、これらのパン生地を発酵させた後、表面に溶き卵を塗り、オーブンにて180℃で約15分焼き、ロールパンを作成した。
【0065】
(実施例15)レトルトご飯の製造
お米2合を用いて一般的な水量に対し、実施例1で得られた水溶性成分2gを加えて炊飯し、これを慣用の方法に従ってレトルト用パックに充填した後、窒素置換を行いながら密封し、121℃で15分間殺菌を行ってレトルトご飯を得た。
【0066】
(実施例16)パスタ用ソースの製造
パスタ用のミートソース一人前(150g)を鍋に入れ、これに実施例1で得られた水溶性成分1gを加えて加温混合した。このソースをパウチへ充填した後、窒素置換を行いながらパウチを密封し、121℃で15分間殺菌を行って、パスタ用ミートソースを得た。
【0067】
(実施例17)野菜ジュースの製造
市販の野菜ジュースに実施例1で得られた水溶性成分を5質量%になるよう添加・混合し、野菜ジュースを調製した。
【0068】
(実施例18)コンソメスープの製造
タマネギ100g、ニンジン100g、長ネギ100g、セロリ50g、およびトマト100gの各スライスを鍋に入れ、ここに牛の挽き肉500g、卵の白味2個分、ビーフブイヨン1kgを加え、火にかけて沸騰したら火を弱め、表面に浮いてきたアクや脂肪分を除去しながら弱火で1時間煮て、実施例1で得られた水溶性成分50gを加えてさらに30分間煮て、布でこし、コンソメスープを得た。
【0069】
(実施例19)軟膏剤の製造
【0070】
【表2】

【0071】
Bを70℃で加熱溶解しながら混合し油相とする。Aを70℃で加熱溶解しながら混合し、これにBの油相を加えて混合乳化し、その後Cを加えながら冷却処理をしてよく混合し、軟膏を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
麦類に圧力処理後酵素処理を行って得られる平均分子量2000Da以上の水溶性成分を有効成分として含有する、免疫賦活組成物。
【請求項2】
前記水溶性成分が水溶性ヘミセルロースを含有するものである、請求項1に記載の免疫賦活組成物。
【請求項3】
感染症、自己免疫疾患、花粉症、アトピーおよび/または癌を予防および/または改善するための、請求項1または2に記載の免疫賦活組成物。

【公開番号】特開2009−114122(P2009−114122A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−288905(P2007−288905)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【出願人】(301049744)日清ファルマ株式会社 (61)
【出願人】(501203344)独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 (827)
【Fターム(参考)】