説明

免震構造、及びその施工方法

【課題】上部構造物と基礎構造物の間に、複数の可動支承を平面上に配置する免震構造における可動支承を構成する上沓と下沓とのそれぞれを予め上部構造物の底部及び基礎構造物上に別々で固定し、上沓の滑り面が下沓の滑り面に面接触するように上部構造物を基礎構造物に載置する免震構造及びその施工方法において、全可動支承における上沓の滑り面と下沓の滑り面とが確実に面接触できる免震構造及びその施工方法を提供することを目的とする。
【解決手段】可動支承装置10を構成する上沓30及び下沓20のそれぞれを、炉底部101のベース架台103及び基礎構造物102の基礎上面102aにおいて対応する位置に固定する沓固定工程と、上沓30の上滑り面30aと下沓20の下滑り面20aとが対面するように炉底部101を基礎構造物102に載置する載置工程と、内側空間Nに固化型注入材を注入する注入工程と、固化型注入材が固化する固化工程とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、高炉等の構造体を新設する際、あるいは改修する際に設ける免震構造、及びその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から高炉等の構造物を新設したり、改修したりする際には、上部の高炉設備等の上部構造物と基礎構造物の間に、可動支承による免震構造を設けることがある。このような可動支承は、上部構造物の底部に固定された上沓の底部に設けた滑り面と、基礎構造物の上部に固定された下沓の上部に設けた滑り面とを面接触させることによって、上記滑り面を介して、上部構造物の荷重を基礎構造物に伝達し、基礎構造物で支持するとともに、滑り面同士の滑動により免震する構成である。
なお、高炉等の構造物は巨大な重量や大きさであることが多く、複数の可動支承を平面上において格子状に配置して、可動支承を介して基礎構造物で支持する免震構造が多く用いられている。
【0003】
これまで、複数の可動支承を格子状に配置した免震構造を構築する場合、基礎構造物となる基礎コンクリートを打設後、滑り面同士が面接触した状態で上沓と下沓とを仮固定した可動支承を基礎コンクリート上に設置し、その上に上部構造物を載置し、上部構造物の底部に上沓を固定する方法で施工されていた。なお、上部構造物の底部と上沓との固定は、例えば、上部構造物の底部に植設したボルトを、上沓に形成したボルト孔を貫通させ、ナットで螺合するというような、ボルトの螺合によって固定されることが多い。
【0004】
しかし、この施工方法では、基礎コンクリートや可動支承設置の施工誤差や、上部構造物や可動支承の製品誤差等により、滑り面同士が面接触した状態で上沓と下沓とが仮固定され、基礎コンクリート上に設置された可動支承の上沓と、上部構造物の底部との位置にずれが生じ、可動支承の上沓を、上部構造物の底部に固定することが困難になることがあった。なお、上述したように、例えば、複数の可動支承を設置する高炉の免震構造の場合、個々の可動支承で生じる固定困難性の影響は大きく、施工効率を向上することはできなかった。
【0005】
このような問題に対し、特許文献1では、上沓と下沓とのそれぞれを、予め上部構造物の底部及び基礎構造物上に別々で固定してから、上沓の滑り面が下沓の滑り面に面接触するように上部構造物を基礎構造物に載置する施工方法が提案されている。
【0006】
この施工方法によれば、上沓と下沓とのそれぞれを、予め上部構造物の底部及び基礎構造物上に別々で固定しているため、従来の施工方法のように、種々の誤差によって生じる上部構造物の底部と上沓との位置ずれによって、上沓を上部構造物の底部に固定することの施工性が悪化するという問題がなく、複数の可動支承を設置するような免震構造であっても施工効率を向上することができるとされている。
【0007】
しかし、特許文献1で提案された施工方法の場合、複数の可動支承について上沓と下沓とのそれぞれを、予め上部構造物の底部及び基礎構造物上に別々で固定してから上沓の滑り面と下沓の滑り面とが面接触するように上部構造物を基礎構造物に載置するため、個々の上沓と下沓について高さ方向の固定位置を調整することができず、基礎コンクリートや可動支承設置の施工誤差や、上部構造物や可動支承の製品誤差等により、上沓と下沓との間に隙間ができる可動支承が生じるおそれがあった。
【0008】
このように、上沓と下沓との間に隙間が生じる、つまり上沓の滑り面と下沓の滑り面が面接触しない場合、当該可動支承では上部構造物の荷重を基礎構造物に伝達できず、周囲の可動支承にその分の荷重が作用し、基礎構造物が部分的に破損したり、支承自体が破損するおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−68242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明では、上部構造物と基礎構造物の間に、複数の可動支承を平面上に配置する免震構造における可動支承を構成する上沓と下沓とのそれぞれを、予め上部構造物の底部及び基礎構造物上に別々で固定し、上沓の滑り面が下沓の滑り面に面接触するように上部構造物を基礎構造物に載置する免震構造及びその施工方法において、全可動支承において、上沓の滑り面と下沓の滑り面とが確実に面接触することができる免震構造及びその施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、上部構造物と、基礎構造物との間に複数の可動支承体を設ける免震構造であって、前記可動支承体を、前記上部構造物の底部に固定する上沓と、前記基礎構造物の上部に固定する下沓とで構成するとともに、前記上沓の底面に設けた滑り面と、前記下沓の上面に設けた滑り面とを対面させて設置し、該滑り面同士の滑動により免震する構造とし、前記上沓を、前記上部構造物の底部に固定する上側ベース体と、底面に前記滑り面を有する柱状の柱状滑動体とで構成し、前記上側ベース体を、前記柱状滑動体の上下方向のスライドを許容する態様で、前記柱状滑動体の側面から上面に対して一体的に覆い被せる形状で形成するとともに、前記柱状滑動体の上面及び当該上側ベース体の内側の間に形成される内部空間に注入材を注入する注入手段を備える構成とし、上部に前記下沓を固定した前記基礎構造物に対して、前記上沓の滑り面と前記下沓の滑り面とが対面するように、底部における前記下沓に対応する位置に前記上沓を固定した上部構造物を載置するとともに、前記注入手段より注入され、固化した固化型注入材によって前記内側空間を充塞したことを特徴とする。また、その施工方法として、前記上沓及び前記下沓のそれぞれを、前記上部構造物の底部及び前記基礎構造物の上部において対応する位置に固定する沓固定工程と、前記上沓の滑り面と前記下沓の滑り面とが対面するように、前記上部構造物を前記基礎構造物に載置する載置工程と、前記内側空間に固化型注入材を注入する注入工程と、前記固化型注入材が固化する固化工程とを備えたことを特徴とする。
【0012】
上記上部構造物及び基礎構造物は、上部の高炉設備とそれを支持する基礎構造物、建築物と基礎構造物、あるいは橋梁における上部構造と、橋脚や橋台等の下部構造とすることができる。
【0013】
上述の基礎構造物との間に設ける複数の可動支承体とは、2以上の可動支承体であるものの、直線上に配置する場合は3以上、平面上に配置する場合は4以上配置する場合により有効である。
【0014】
上述の柱状滑動体の上下方向のスライドを許容する態様で、前記柱状滑動体の側面から上面に対して一体的に覆い被せる形状で形成する上側ベース体とは、例えば、柱状滑動体が円柱状である場合、断面逆凹型且つ平面視円形で形成され、柱状滑動体の側面の上部と上面とを囲う態様となる構成とすることができる。
上記固化型注入材は、セメント系注入材や樹脂系注入材で構成することができる。
【0015】
この発明により、上部構造物と基礎構造物の間に、複数の可動支承を平面上に配置する免震構造における可動支承を構成する上沓と下沓とのそれぞれを、予め上部構造物の底部及び基礎構造物上に別々で固定し、上沓の滑り面が下沓の滑り面に面接触するように上部構造物を基礎構造物に載置する免震構造及びその施工方法において、全可動支承における上沓の滑り面と下沓の滑り面とを確実に面接触することができる。
【0016】
詳しくは、前記上沓を、前記上部構造物の底部に固定する上側ベース体と、底面に前記滑り面を有する柱状の柱状滑動体とで構成し、前記上側ベース体を、前記柱状滑動体の上下方向のスライドを許容する態様で、前記柱状滑動体の側面から上面に対して一体的に覆い被せる形状で形成するとともに、前記柱状滑動体の上面及び当該上側ベース体の内側の間に形成される内部空間に注入材を注入する注入手段を備える構成とし、沓固定工程において前記上沓及び前記下沓のそれぞれを、前記上部構造物の底部及び前記基礎構造物の上部において対応する位置に固定し、載置工程において前記上沓の滑り面と前記下沓の滑り面とが対面するように、前記上部構造物を前記基礎構造物に載置するため、上沓と下沓とを滑り面同士が面接触した状態で仮固定した可動支承体を基礎構造物上部に固定し、その上に上部構造物を載置し、上部構造物の底部に上沓を固定する従来の施工方法に比べて、前記上部構造物の底部及び前記基礎構造物の上部に固定された状態でより効率的に面接触させることができる。
【0017】
また、仮に、上沓の滑り面の高さが所定の高さより高い場合、及び/または下沓の滑り面の高さが所定の高さより低い場合であっても、前記上部構造物の底部に固定された上側ベース体に対して、柱状滑動体が自重によりスライドするため、上沓及び下沓の滑り面同士を確実に面接触させることができる。
【0018】
また、前記上側ベース体は、前記柱状滑動体の上面及び当該上側ベース体の内側の間に形成される内部空間に注入材を注入する注入手段を備えるとともに、注入工程において前記内側空間に固化型注入材を注入し、前記固化工程で前記内側空間に注入された前記固化型注入材が固化するため、例えば、柱状滑動体の下方向へのスライドに伴って、前記柱状滑動体の上面及び当該上側ベース体の内側の間に内部空間が生じた場合であっても、内部空間に固化型注入材を注入し、固化するため、内部空間は固化した固化型注入材が充填された状態となる。
【0019】
したがって、上部構造物の荷重を基礎構造物に確実に伝達することができる。よって、上部構造物と基礎構造物の間に配置された複数の可動支承すべてが均等に上部構造物の荷重を基礎構造物に伝達し、滑り面同士が面接触せずに荷重伝達できない可動支承が存することによって、他の可動支承に荷重が集中する等の問題が生じることを防止できる。
【0020】
さらに、上側ベース体を、上述の柱状滑動体の上下方向のスライドを許容する態様で、前記柱状滑動体の側面から上面に対して一体的に覆い被せる形状で形成しているため、例えば、地震動等による上部構造物の水平挙動を上沓と下沓との間に設けた滑り面に確実に伝達することができる。
【0021】
また、柱状滑動体が、該柱状滑動体の側面から上面を一体的に覆い被せる形状である上側ベース体に対して、重力によって下方にスライドし、注入材を注入する内部空間を形成するため、大きく加圧することなく、概ね大気圧で注入手段から固化型注入材を注入し、内部空間を充填することができる。したがって、高精度の圧力制御を必要とせず、内部空間に注入材を注入でき、施工性を向上することができる。
【0022】
この発明の態様として、前記基礎構造物を、コンクリート構造とすることができる。
前記基礎構造物がコンクリート構造である場合、コンクリートの打設精度や乾燥収縮等により、下沓を固定する基礎構造物の上面に不陸が生じやすくなる。したがって、下沓を所定の高さに固定することが困難となる。
【0023】
しかし、コンクリート上面に不陸によって下沓が所定の高さに対して低く固定された場合であっても、上述したように、上沓の柱状滑動体が下方向へスライドして、滑り面同士が確実に面接触するとともに、柱状滑動体の上面及び当該上側ベース体の内側の間に生じる内部空間を注入し、固化した固化型注入材で充填することができるため、上部構造物の荷重を基礎構造物に確実に伝達することができる。
【0024】
またこの発明の態様として、前記載置工程後に、対応する前記上沓と前記下沓との離間距離を計測する計測工程を備え、該計測工程で計測した前記離間距離が基準値を超える前記可動支承体に対して前記注入工程を行うことができる。
上述の基準値を超える計測した前記離間距離とは、基準値より数値が大きい離間距離、あるいは基準値より数値が小さい離間距離とすることができる。
【0025】
この発明により、全可動支承において、上沓の滑り面と下沓の滑り面とを確実に面接触することができる免震構造をより効率的に施工することができる。
詳しくは、載置工程後の計測工程で、対応する前記上沓と前記下沓との離間距離を計測し、計測した離間距離と基準値とを比較することにより、外部から目視できない上沓内部の内部空間について固化型注入材の注入の要否を判断することができる。したがって、注入が必要な内部空間が形成された可動支承のみ固化型注入材を注入すればよく、注入箇所数を低減でき、注入工程を設けたことによる工程の長期化及びコストの増大を抑制することができる。
【0026】
またこの発明の態様として、前記固化型注入材を、セメント系充填用高流動無収縮グラウト材で構成することができる。
上記セメント系充填用高流動無収縮グラウト材は、セルフレベリング性つまり高流動性、充填性、無収縮性、ブリーディング防止性、分離抵抗性及び/または強度発現性の高い無収縮モルタルとすることができる。
この発明により、良好な施工性で、確実に内部空間を固化型注入材で充填することができる。
【0027】
またこの発明の態様として、前記上部構造体が高炉施設における上部高炉設備とすることができる。
上述のように、前記上部構造体を高炉施設における上部高炉設備とする場合、上部高炉設備はその構造によって、重量が大きく、平面サイズも大きいため、多くの可動支承体を配置するが、上述の構造及び施工方法で施工するため、上部高炉設備や基礎構造物あるいは可動支承の製品誤差によって可動支承と、上部高炉設備や基礎構造物との間に生じる隙間によって確実に支承できないという不具合を防止することができる。
【0028】
また、例えば、上沓の滑り面を、下沓の滑り面より平面サイズを小さく形成した場合、上沓の滑り面の全体が下沓の滑り面上に密着して滑動するため、上部高炉設備の熱により上沓の構成部材が変形して滑り面における滑り性能が低下することを防止できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明により、上部構造物と基礎構造物の間に、複数の可動支承を平面上に配置する免震構造における可動支承を構成する上沓と下沓とのそれぞれを、予め上部構造物の底部及び基礎構造物上に別々で固定し、上沓の滑り面が下沓の滑り面に面接触するように上部構造物を基礎構造物に載置する免震構造及びその施工方法において、全可動支承において、上沓の滑り面と下沓の滑り面とが確実に面接触することができる免震構造及びその施工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】高炉用耐震構造の平面図。
【図2】高炉用耐震構造の断面図。
【図3】可動支承装置の断面図。
【図4】上沓の底面側から見た分解斜視図。
【図5】高炉用免震構造の施工方法についての説明図。
【図6】高炉用免震構造の施工方法についての説明図。
【図7】高炉用免震構造の施工方法についての説明図。
【図8】高炉用免震構造の施工方法についての説明図。
【図9】橋梁用免震構造の施工方法についての説明図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1は高炉用耐震構造の平面図を示し、図2は高炉用耐震構造の断面図を示している。
【0032】
高炉100の高炉用耐震構造は、高炉100の炉底部101と基礎構造物102との間において、中心側に格子状に配置した可動支承装置10による高炉用免震構造と、可動支承装置10の外側に配置した制振ゴム支承110による高炉用制振構造とで構成している。
【0033】
詳しくは、平面視円形状の炉底部101の底部において、格子状に並べたH形鋼を接合して架台状に構成したベース架台103の下方及び基礎構造物102の基礎上面102aの間において、可動支承装置10は炉底部101の円形に対応するように格子状に整列配置し、制振ゴム支承110は整列配置した可動支承装置10の平面視外側におけるベース架台103の外周縁近傍に沿って配置されている。
なお、制振ゴム支承110は、詳細な説明は省略するが、復元及び減衰機能をもった積層ゴム支承、又は鉛プラグ入り積層ゴム支承で構成している。
【0034】
次に、可動支承装置10の構成について、図3及び図4とともに説明する。
なお、図3は可動支承装置10の断面図を示し、図4は上沓30の底面側から見た分解斜視図を示している。
【0035】
可動支承装置10は、敷きモルタル104及びアンカー105を介して、基礎構造物102の基礎上面102aに設置及び固定される下沓20と、ベース架台103の底面103aに設置及び固定される上沓30とで構成し、下沓20と上沓30とを上下独立構成とすることにより、下沓20の上面である下滑り面20aと、上沓30の底面である上滑り面30aとが滑動自在に面接触している。
【0036】
下沓20は、敷きモルタル104及びアンカー105を介して、基礎構造物102の基礎上面102aに設置及び固定されるベースプレート21と、ベースプレート21の上面に固定され、PTFEコーティングされた鋼製の滑り板22とで構成し、滑り板22の上面を下滑り面20aとしている。
【0037】
上沓30は、底面側から見た斜視図である図4に示すように、ベース架台103の底面103aに設置及び固定されるベースポット31と、円盤状のエラストマー32と、円形リング状のシールリング33と、ピストン34と、滑り材35とを、上からこの順で(底面側から見た斜視図を示す図4において下から)配置して構成している。
【0038】
ベースポット31は、平面視四角形状の台座部31aと、底面側にエラストマー32乃至ピストン34までの挿入を許容する円柱状の挿入空間31cを有する円柱部31bとを一体構成している。なお、挿入空間31cは、図3に示すように、円柱部31bの半分程度の深さで形成している。
【0039】
また、挿入空間31cの天井面31ca(図4では底面)より上方位置(図4では下方位置)である側面31dから天井面31caまで貫通する注入孔40を備え、注入孔40の側面31d側の端部を外側注入口41、注入孔40の挿入空間31c側の端部を内側注入口42としている。そして、注入孔40は、円柱部31bにおいて、直径方向に並ぶように2つ備えている。
【0040】
エラストマー32は、ベースポット31の挿入空間31cの内径と同径のゴム製円盤状体である。
シールリング33は、後述するピストン34のフランジ部34aの上端側外周縁に装着され、フランジ部34aと、挿入空間31c内周面との密閉性を確保するためのシールリングであり、内側面が斜面であり、上面と下面とが平行な台形断面状のPTFE製のリング体である。
【0041】
ピストン34は、ベースポット31の挿入空間31cの内径と同径のフランジ部34aと、フランジ部34aより一回り小径な円柱状部34bとを一体構成した鋼製であり、円柱状部34bの底面には、後述する滑り材35の嵌合を許容する底面視円形の凹部34cを有している。また、フランジ部34aの上端側外周縁には、上述のシールリング33の嵌合を許容する嵌合外周溝を形成している。
【0042】
滑り材35は、PTFE製の円盤状であり、底面を上滑り面30aとしている。なお、上滑り面30aは、上述の下沓20の下滑り面20aに比べて、小さな平面サイズで形成している。
【0043】
上述のような構成部品で構成される上沓30は、ピストン34の凹部34cに滑り材35を嵌合するとともに、フランジ部34aの上端側外周縁に形成した嵌合外周溝にシールリング33を嵌合した状態で、エラストマー32とともに、ベースポット31の挿入空間31cに装着して完成する。
【0044】
このとき、エラストマー32及びピストン34は、挿入空間31cにおいて、ベースポット31に対して上下方向にスライド移動自在に組み付けられるが、シールリング33を装着しているため、挿入空間31cの内周面とフランジ部34aとの密閉性が確保されている。また、エラストマー32及びシールリング33は、図示省略する抜け止め手段によって、挿入空間31cにおいて、ベースポット31に対して上下方向にスライド移動自在であるものの、抜け止めされている。
【0045】
また、挿入空間31cに挿入されたピストン34及びエラストマー32が、挿入空間31cにおいて下方にスライドすることによって、挿入空間31cの天井面31caとエラストマー32の上面との間に形成される空間を内部空間Nとしている。そして、この内部空間Nに対して、注入孔40を用いてセメント系充填用高流動無収縮グラウト材を注入することができる。
【0046】
このように構成された下沓20の下滑り面20aと、上沓30の上滑り面30aとが面接触するように、下沓20に上沓30を載置することにより、下滑り面20aと上滑り面30aとが滑動する可動支承を構成することができる。
【0047】
なお、下沓20の下滑り面20aと、上沓30の上滑り面30aとが面接触する状態において、下沓20と上沓30とが所定の相対的高さ位置にある場合、挿入空間31cの天井面31caとエラストマー32の上面とは密着し、内部空間Nは形成されない。
【0048】
次に、上述のように構成した可動支承装置10による高炉用免震構造の施工方法について、高炉用免震構造の施工方法についての説明図を示す図5乃至図8とともに説明する。
【0049】
なお、図5(a)は可動支承装置10による高炉用免震構造の完了状態の断面図を示し、図5(b)は基礎構造物構築工程についての断面図を示し、図6(a)は下沓設置工程についての断面図を示し、図6(b)は敷きモルタル打設工程についての断面図を示している。
【0050】
そして、図7(a)は上沓設置工程についての断面図を示し、図7(b)は載置工程についての断面図を示し、図8(a)は計測工程についての断面図を示し、図8(b)は注入工程についての断面図を示している。
【0051】
この可動支承装置10による高炉用免震構造の施工方法の説明においては、図5(a)に示すように、直線上に3つの可動支承装置10を並列状に配置した高炉用免震構造について説明するが、これに限定されず、平面方向において格子状に複数の可動支承装置10を配置する場合であっても同様の施工方法で施工することができる。なお、本実施形態の説明においては、下沓固定工程における下沓の固定高さに関する施工誤差により、3つの可動支承装置10を構成する下沓20のうち中央の下沓20が所定の高さより低く固定されたものとして説明する。
【0052】
まず、可動支承装置10による高炉用免震構造の施工にあたっては、図5(b)に示すように、コンクリート打設し、基礎構造物102を構築する(基礎構造物構築工程)。所定の養生期間経過後、基礎構造物102の基礎上面102aにおいて、後工程で固定する下沓20の設置位置に合わせてアンカー105を設置する(アンカー設置工程)。なお、アンカー105は、基礎構造物102に巻き込み、基礎上面102aから突設するように、上述の基礎構造物構築工程で設置してもよい。
【0053】
次に、図6(a)に示すように、アンカー105に対して下沓20を所定の高さで設置し(下沓固定工程)、図6(b)に示すように、基礎構造物102の基礎上面102aと下沓20との間に無収縮モルタルを打設して敷きモルタル104を構築する(敷きモルタル打設工程)する。これにより、下沓20は、敷きモルタル104及びアンカー105を介し、荷重伝達可能に基礎構造物102に固定される。
【0054】
なお、このように、基礎構造物102の基礎上面102aに直接下沓20を設置及び固定せず、敷きモルタル104及びアンカー105を介して、基礎構造物102の基礎上面102aに下沓20を設置及び固定することにより、基礎構造物102の基礎上面102aに生じる不陸の影響を受けず、高精度で下沓20を設置及び固定することができる。
【0055】
続いて、図7(a)に示すように、基礎構造物102の底部に設けたベース架台103に対し、下沓固定工程で固定した下沓20に対応する位置に上沓30を固定する(上沓固定工程)。なお、この上沓固定工程は、上述の基礎構造物構築工程、アンカー設置工程、下沓固定工程及び敷きモルタル打設工程とは独立しており、次に説明する載置工程までに行えばよい。
【0056】
次に、図7(b)に示すように、ベース架台103に上沓30が固定された炉底部101を、下沓20が固定された基礎構造物102に対して、下滑り面20aと上滑り面30aが面接触するように載置し(載置工程)、この状態で、図8(a)に示すように、ベースポット31の円柱部31bの下端と下滑り面20aとの離間距離Hを計測する(計測工程)。
【0057】
このとき、下沓20が所定の高さに設置された左右の可動支承装置10における離間距離H1,H3は所定の離間距離と一致する。計測された離間距離が所定の離間距離に一致する場合、挿入空間31cにおいて、エラストマー32及びピストン34は下方にスライド移動していないため、内部空間Nは形成されない。
【0058】
これに対し、中央の可動支承装置10の下沓20は所定の高さより低く固定されているため、中央の可動支承装置10の離間距離H2は、所定の離間距離より長くなる。この所定の離間距離に対して離間距離H2が基準値より長い場合、挿入空間31cにおいて、エラストマー32及びピストン34が下方にスライド移動しているため、図8(a)のa部拡大図に示すように、固化型注入材の注入を要する内部空間Nが形成されていると判断できる。
【0059】
したがって、離間距離H2が所定の離間距離に対して基準値以上に大きい中央の可動支承装置10に対して、図8(b)に示すように、硬化型注入材を注入する(注入工程)。
【0060】
詳しくは、中央の可動支承装置10におけるベースポット31に形成された2つの注入孔40のうち一方の注入孔40の外側注入口41にグラウト注入ポンプPを接続し、固化型注入材を注入する。なお、本実施形態において、固化型注入材として、セルフレベリング性つまり高流動性、充填性、無収縮性、ブリーディング防止性、分離抵抗性及び/または強度発現性の高いセメント系充填用高流動無収縮グラウト材を用いている。
【0061】
このようにして、2つの注入孔40のうち一方の注入孔40の外側注入口41から、他方の注入孔40の外側注入口41から吐出するまで、固化型注入材をグラウト注入ポンプPで注入し、両外側注入口41を封止し、注入工程は完了する。この状態で、内部空間Nに注入された固化型注入材が固化するまで養生し(固化工程)、固化完了に伴って、可動支承装置10による高炉用免震構造の施工は完了する。
【0062】
上述したような構成の可動支承装置10を用い、上述のような施工方法で施工することによって、全ての可動支承装置10において、上沓30の上滑り面30aと下沓20の下滑り面20aとが確実に面接触することができる状態を効率よく施工することができる。
【0063】
詳しくは、下沓固定工程で予め下沓20を基礎構造物102の基礎上面102aに固定し、上沓固定工程で上沓30を炉底部101のベース架台103に固定し、この状態で、載置工程において、ベース架台103に上沓30が固定された炉底部101を、下沓20が固定された基礎構造物102に対して、下滑り面20aと上滑り面30aが面接触するように載置するため、例えば、下滑り面20aと上滑り面30aが面接触するように、下沓20と上沓30とを仮固定した可動支承装置10を基礎構造物102の基礎上面102aに固定し、その上方から炉底部101を載置し、炉底部101のベース架台103と上沓30との精度よく位置合わせして固定する必要のある従来の施工方法に比べ、効率よく施工することができる。
【0064】
また、下沓20の下滑り面20aを、上沓30の上滑り面30aに比べて大きく形成しているため、下沓20が上沓30に対して位置がずれて固定された場合であっても、下滑り面20aと上滑り面30aが面接触するように容易に載置できるため、より効率良く施工することができる。
【0065】
さらに、ベースポット31を、ピストン34及びエラストマー32の上下方向のスライドを許容する態様で、ピストン34及びエラストマー32の側面から上面に対して一体的に覆い被せる形状で形成しているため、例えば、地震動等による高炉100の水平挙動を上沓30の上滑り面30aと下沓20の下滑り面20aとに確実に伝達することができる。
【0066】
さらには、加熱される高炉100の炉底部101に近い上沓30を、炉底部101から遠い下沓20に比べて小さく形成しているため、上沓30の上滑り面30aの全体が下沓20の下滑り面20a上に密着して滑動するため、上沓30のエラストマー32やピストン34等の構成部材が高炉100の熱により変形し、上滑り面30aと下滑り面20aにおける滑り性能が低下することを防止でき、安定した免震効果を有することができる。
【0067】
また、可動支承装置10に注入孔40を備えるとともに、ピストン34の下方向へのスライド移動に伴って形成された内部空間Nに対して、注入工程で固化型注入材を注入充填させるため、例えば、施工誤差や加工誤差によって、下沓20と上沓30との相対的高さ位置が異なる可動支承装置10であっても、内部空間Nに充填された固化型注入材によって、確実に、可動支承装置10を介して炉底部101の荷重を基礎構造物102で支持することができる。
【0068】
なお、注入工程で注入する固化型注入材として、セルフレベリング性つまり高流動性、充填性、無収縮性、ブリーディング防止性、分離抵抗性及び/または強度発現性の高いセメント系充填用高流動無収縮グラウト材を用いることにより、確実に内部空間Nを充填することができるため、さらに確実に、可動支承装置10を介して炉底部101の荷重を基礎構造物102で支持することができる。
【0069】
また、ピストン34及びエラストマー32の側面から上面を一体的に覆い被せる形状であるベースポット31に対して、ピストン34及びエラストマー32が重力によって下方にスライドし、固化型注入材であるセメント系充填用高流動無収縮グラウト材を注入する内部空間Nを形成するため、大きく加圧することなく、概ね大気圧で注入孔40からセメント系充填用高流動無収縮グラウト材を注入し、内部空間Nを充填することができる。したがって、高精度の圧力制御を必要とせず、内部空間Nにセメント系充填用高流動無収縮グラウト材を注入でき、施工性を向上することができる。
【0070】
また、計測工程において下滑り面20aとベースポット31の円柱部31bの下端との離間距離Hを計測し、所定の離間距離よりも、基準値以上に長い離間距離である可動支承装置10について、固化型注入材の注入を必要とすると判断できるため、固化型注入材を全可動支承装置10に注入する場合と比較して、注入箇所を必要最小限とすることができ、注入工程を有することによる施工効率の低下や施工コストの増大を抑制することができる。
【0071】
なお、上述の説明では、高炉100と基礎構造物120との間に可動支承装置10を介在させて、免震効果を得ているが、建築物と基礎構造物、あるいは橋梁における上部構造と、橋脚や橋台等の下部構造との間に介在させてもよい。
【0072】
例えば、橋梁200における橋桁210と、橋脚220との間に全可動支承装置10を介在させる場合の構造及びその改修施工方法について、図9とともに説明する。なお、図9(a)は免振改修前の橋梁200についての概略図を示し、図9(b)は仮受け材設置・ピン支承撤去工の概略図を示し、図9(c)は可動支承設置工の概略図を示し、図9(d)は仮受け材撤去・制振ゴム設置工についての概略図を示している。
【0073】
改修前の橋梁200は、図9(a)に示すように、橋脚220の上部に設けたピン支承230によって橋桁210を支持している。この構造では、地震時等において作用する水平方向慣性力は橋脚220に集中するため、大地震時には橋脚220が被害を被る惧れがあった。
【0074】
このような橋梁200に対して、まず、橋脚220の上面から仮受け材240で橋桁210を仮受けし、ピン支承230を撤去する(図9(b)参照:仮受け材設置・ピン支承撤去工)。
【0075】
そして、ピン支承230を撤去した空間に、全可動支承装置10を設置する(図9(c)参照:可動支承設置工)。なお、このときの全可動支承装置10の設置は、上述の高炉100への全可動支承装置10を設置する際の施工方法を同じ施工方法で施工する。
【0076】
全可動支承装置10の設置完了後、仮受け材240を撤去し、仮受け材240を撤去した空間にゴム制振装置250を設置し(図9(d)参照:仮受け材撤去・制振ゴム設置工)、この改修施工は完了する。
【0077】
このように、予めピン支承230を介して橋脚220で橋桁210を支持する構成であった橋梁200を、全可動支承装置10及びゴム制振装置250で橋桁210を支持する構成に改修することによって、全可動支承装置10による滑り作用と、ゴム制振装置250による高減衰化及び長周期化とによって、地震時の水平方向慣性力を低減するとともに、橋桁210の変位量を抑制することができる。
【0078】
また、上述したように、橋桁210と橋脚220との間の空間高さが決まっているが、重力によって下方にスライドするピストン34とベースポット31との間に形成される内部空間Nに固化型注入材し、上沓30の上滑り面30aと下沓20の下滑り面20aとの滑り性能を確保できる全可動支承装置10を用いることにより、ライナープレートを調整しながら挿入して高さ調整するような従来の施工方法に比べて、限られた施工空間であっても施工性が高く、確実な滑り性能を有する免震構造を備えた橋梁200に改修することができる。
【0079】
以上、本発明の構成と、前述の実施態様との対応において、本実施形態の上部構造物は、高炉100及び炉底部101、あるいは橋桁210に対応し、
以下同様に、
免震構造は、高炉用耐震構造に対応し、
可動支承体は、可動支承装置10に対応し、
上部高炉設備の底部は、ベース架台103、あるいは橋桁210の底面に対応し、
基礎構造物の上部は、基礎構造物102の基礎上面102a、あるいは橋脚220の上面に対応し、
上沓の底面に設けた滑り面は、上沓30の上滑り面30aに対応し、
下沓の上面に設けた滑り面は、下沓20の下滑り面20aに対応し、
上側ベース体は、ベースポット31に対応し、
柱状滑動体は、ピストン34に対応し、
注入材は、セメント系充填用高流動無収縮グラウト材に対応し、
注入手段は、注入孔40に対応するも、上記実施形態に限定するものではない。
【0080】
例えば、上述の説明では、注入工程で注入する固化型注入材として、セルフレベリング性つまり高流動性、充填性、無収縮性、ブリーディング防止性、分離抵抗性及び/または強度発現性の高いセメント系充填用高流動無収縮グラウト材を用いたが、高流動性、充填性、無収縮性、分離抵抗性及び/または強度発現性の高いエポキシ樹脂等の樹脂系注入材を用いてもよい。また、樹脂系注入材とセメント系充填用高流動無収縮グラウト材とを併用し、2段階で注入する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0081】
10…可動支承装置
20…下沓
20a…下滑り面
30…上沓
30a…上滑り面
31…ベースポット
34…ピストン
40…注入孔
100…高炉
101…炉底部
102…基礎構造物
102a…基礎上面
103…ベース架台
200…橋梁
210…橋桁
220…橋脚
N…内部空間
H…離間距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部構造物と、基礎構造物との間に複数の可動支承体を設ける免震構造であって、
前記可動支承体を、前記上部構造物の底部に固定する上沓と、前記基礎構造物の上部に固定する下沓とで構成するとともに、前記上沓の底面に設けた滑り面と、前記下沓の上面に設けた滑り面とを対面させて設置し、該滑り面同士の滑動により免震する構造とし、
前記上沓を、前記上部構造物の底部に固定する上側ベース体と、底面に前記滑り面を有する柱状の柱状滑動体とで構成し、
前記上側ベース体を、前記柱状滑動体の上下方向のスライドを許容する態様で、前記柱状滑動体の側面から上面に対して一体的に覆い被せる形状で形成するとともに、前記柱状滑動体の上面及び当該上側ベース体の内側の間に形成される内部空間に注入材を注入する注入手段を備える構成とし、
上部に前記下沓を固定した前記基礎構造物に対して、前記上沓の滑り面と前記下沓の滑り面とが対面するように、底部における前記下沓に対応する位置に前記上沓を固定した上部構造物を載置するとともに、
前記注入手段より注入され、固化した固化型注入材によって前記内側空間を充塞した
免震構造。
【請求項2】
前記上部構造物が高炉施設における上部高炉設備である
請求項1に記載の免震構造。
【請求項3】
上部構造物と、基礎構造物との間に複数の可動支承体を設ける免震構造の施工方法であって、
前記可動支承体を、前記上部構造物の底部に固定する上沓と、前記基礎構造物の上部に固定する下沓とで構成するとともに、前記上沓の底面に設けた滑り面と、前記下沓の上面に設けた滑り面とを対面させて設置し、該滑り面同士の滑動により免震する構造とし、
前記上沓を、前記上部構造物の底部に固定する上側ベース体と、底面に前記滑り面を有する柱状の柱状滑動体とで構成し、
前記上側ベース体を、前記柱状滑動体の上下方向のスライドを許容する態様で、前記柱状滑動体の側面から上面に対して一体的に覆い被せる形状で形成するとともに、前記柱状滑動体の上面及び当該上側ベース体の内側の間に形成される内部空間に注入材を注入する注入手段を備える構成とし、
前記上沓及び前記下沓のそれぞれを、前記上部構造物の底部及び前記基礎構造物の上部において対応する位置に固定する沓固定工程と、
前記上沓の滑り面と前記下沓の滑り面とが対面するように、前記上部構造物を前記基礎構造物に載置する載置工程と、
前記内側空間に固化型注入材を注入する注入工程と、
前記固化型注入材が固化する固化工程とを備えた
免震構造の施工方法。
【請求項4】
前記基礎構造物を、コンクリート構造とした
請求項3に記載の免震構造の施工方法。
【請求項5】
前記載置工程後に、対応する前記上沓と前記下沓との離間距離を計測する計測工程を備え、
該計測工程で計測した前記離間距離が基準値を超える前記可動支承体に対して前記注入工程を行う
請求項3又は4に記載の免震構造の施工方法。
【請求項6】
前記固化型注入材を、セメント系充填用高流動無収縮グラウト材で構成した
請求項3乃至5のうちいずれかに記載の免震構造の施工方法。
【請求項7】
前記上部構造物が高炉施設における上部高炉設備である
請求項3乃至6のうちいずれかに記載の免震構造の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−241351(P2012−241351A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110038(P2011−110038)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【出願人】(000001373)鹿島建設株式会社 (1,387)
【出願人】(000229737)日本ピラー工業株式会社 (337)
【Fターム(参考)】