説明

兜飾り

【課題】 本発明は輸送や保管時には小さな包装箱に収納することができ、効率のよい輸送や、小さなスペースに保管することができるとともに、輸送、展示、保管、掃除時に鍬形が損傷するのを効率よく防止することができる兜飾りを得るにある。
【解決手段】 兜飾りにおいて、兜本体と鍬形とを磁石で着脱可能に取付けて兜飾りを構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は五月人形等に使用される兜飾りに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の兜飾りは兜本体と鍬形とを接着剤で固定していた。
このため、伊達形の鍬形では兜本体の側方および上方へ大きく突出するとともに、義経形の鍬形では兜本体の上方へ大きく突出するため、輸送や保管用の包装箱として大きな包装箱を使用しなければならず、多くのクッション材を用いて包装するため包装作業が大変で、大きな包装箱により効率的な輸送ができないという欠点があるとともに、保管に大きな場所が必要となる欠点があった。
また、鍬形が兜本体に固定されているため、輸送、展示、保管、掃除時に鍬形を損傷させやすいという欠点があった。
特に最近、安価に製造することができるポリレンジを用いた鍬形は損傷しやすいという欠点があった。
【特許文献1】特開平11−57227
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、輸送や保管時には小さな包装箱に収納することができ、効率のよい輸送や、小さなスペースに保管することができるとともに、輸送、展示、保管、掃除時に鍬形が損傷するのを効率よく防止することができる兜飾りを提供することを目的としている。
【0004】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は兜飾りにおいて、兜本体と鍬形とを磁石で着脱可能に取付けて兜飾りを構成している。
【発明の効果】
【0006】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0007】
(1)兜飾りにおいて、兜本体と鍬形とを磁石で着脱可能に取付けたので、輸送や保管時に兜本体より鍬形を外した状態で包装箱に梱包することができる。
したがって、輸送や保管時に兜本体を収納することができる大きさの包装箱を使用することができ、効率のよい梱包作業や輸送を行なうことができる。
【0008】
(2)前記(1)によって、展示時に鍬形に力が加わっても、兜本体より容易に鍬形が外れて折れたりする損傷を効率よく防止できるとともに、掃除をする場合には兜本体より鍬形を外して行なえるので、その作業が楽で、きれいに行なうことができ、鍬形の損傷を確実に防止することができる。
【0009】
(3)前記(1)によって、兜本体に鍬形を磁石で着脱可能に取付けるので、製造時には従来のように兜本体に鍬形を固定する必要がなく、容易に製造することができる。
【0010】
(4)請求項2は前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、兜本体にあらかじめ設定された位置となるように、誰でもが鍬形を固定状態で位置させることができる。
【0011】
(5)請求項3は前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、安価に製造することができるポリレジンで鍬形を製造しても、折れたりする損傷を兜本体より外せることにより、効率よく防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に示す本発明を実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。
【0013】
図1ないし図6に示す本発明を実施するための最良の第1の形態において、1は本発明の兜飾りで、この兜飾り1はポリレンジで成型された兜本体2と、この兜本体2の前面中央部に前方へわずかに突出するように六角形状に形成された鍬形取付部3に埋設された磁石4と、この鍬形取付部3と位置決め状態で係合し、前記磁石4に吸着固定される、ポリレンジで成型された伊達形の鍬形5とで構成されている。
【0014】
前記伊達形の鍬形5は鍬形本体6と、この鍬形本体6の背面に形成された兜本体2への六角形状に形成された鍬形取付部3に位置決め状態で入り込む六角形状に形成された凹部7と、この凹部7内に挿入される鍬形取付部3を除く部位に固定された前記磁石4に吸着固定される磁石8とで構成されている。
【0015】
上記のように構成された兜飾り1は、図6に示すように兜本体2と鍬形5とを外した状態で、比較的に小さな包装箱9内に収納して、輸送や保管をすることができる。
また、展示する場合には兜本体2の鍬形取付部3を凹部7内に位置させ磁石4と磁石8と吸着固定させることにより、位置決め状態で固定することができ、従来と同様に展示することができる。
なお、ホコリ等を除去する掃除の場合は鍬形5を外して行なったり、展示中に鍬形5に力が加わっても、鍬形5が損傷する前に兜本体2より外れて、その損傷を効率よく防止することができる。
[発明を実施するための異なる形態]
【0016】
次に、図7ないし図16に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0017】
図7ないし図9に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、義経形の鍬形5Aを用いた点で、このような義経形の鍬形5Aを用いた兜飾り1Aにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
なお、義経形の鍬形5Aはポリレンジだけで成型したものを用いてもよく、また、十分な強度を得るためにFRPが中央部に位置するようにポリレンジで成型したものを用いてもよい。
【0018】
図10ないし図12に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、兜本体2あるいは鍬形5のいずれか一方、本発明の実施の形態では鍬形5に兜本体2の磁石4と吸着される鉄等の磁性材10を埋設した点で、このように構成した兜飾り1Bにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、兜本体2に埋設固定する係合片状の磁石4の先端部がN極なのか、S極なのかを考えることなく設置することができ、製造が容易にできる。
【0019】
図13ないし図16に示す本発明を実施するための第4の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、兜本体2の鍬形取付部3に凹部11を形成して、磁石あるいは磁性材12を埋設するとともに、鍬形5の背面に前記兜本体2の凹部11内へ位置決め状態で先端部が入り込み、前記磁石あるいは磁性材12と吸着固定される係合部14の中央部に磁性材あるいは磁石13を設けた点で、このように構成した兜飾り1Cにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
なお、前記本発明の各実施の形態では伊達形の鍬形5と義経形の鍬形5Aについて説明したが、本発明はこれに限らず、どんな形状の鍬形であっても、同様に実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は兜飾りを製造する産業で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明を実施するための最良の第1の形態の正面図。
【図2】図1の2−2線に沿う断面図。
【図3】本発明を実施するための最良の第1の形態の兜本体の正面図。
【図4】本発明を実施するための最良の第1の形態の鍬形の背面図。
【図5】図4の5−5線に沿う断面図。
【図6】本発明を実施するための最良の第1の形態の包装箱への収納状態の説明図。
【図7】本発明を実施するための第2の形態の正面図。
【図8】図7の8−8線に沿う断面図。
【図9】本発明を実施するための第2の形態の鍬形の背面図。
【図10】本発明を実施するための第3の形態の正面図。
【図11】図10の11−11線に沿う断面図。
【図12】本発明を実施するための第3の形態の鍬形の背面図。
【図13】本発明を実施するための第4の形態の正面図。
【図14】図13の14−14線に沿う断面図。
【図15】本発明を実施するための第4の形態の鍬形の背面図。
【図16】図15の16−16線に沿う断面図。
【符号の説明】
【0022】
1、1A、1B、1C:兜飾り、2:兜本体、
3:鍬形取付部、 4:係合片状の磁石、
5、5A:鍬形、 6:鍬形本体、
7:凹部、 8:磁石、
9:包装箱、 10:磁性材、
11:凹部、 12:磁石あるいは磁性材、
13:磁性材あるいは磁石、 14:係合部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
兜飾りにおいて、兜本体と鍬形とを磁石で着脱可能に取付けたことを特徴とする兜飾り。
【請求項2】
兜本体の鍬形取付部には係合片状の磁石あるいは磁性材が固定され、鍬形の兜本体への取付部には前記磁石あるいは磁性材と位置決め状態で係合する凹部を介して、磁石あるいは磁性材が設けられていることを特徴とする請求項1記載の兜飾り。
【請求項3】
鍬形はポリレジンで、兜本体への取付部には磁石あるいは磁性材が埋設されていることを特徴とする請求項1記載の兜飾り。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−183377(P2009−183377A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−24636(P2008−24636)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【出願人】(396009137)株式会社お久田 (1)
【Fターム(参考)】