説明

入力デバイス

【課題】低背化されても確実にキャップを保持することができるキャップ構造を用いた入力デバイスを提供する。
【解決手段】外部からの操作を検知する検知部13と、外部からの操作をうけるキャップ部材12と、一端にキャップ部材12を係止するとともに他端には外部からの操作を伝達するフランジ部11bとを有する操作軸11aを備えた操作部11と、を有する入力デバイスにおいて、操作軸11aは一端側末端面の中央に凹形状に形成された係合穴11cを有し、キャップ部材12は伸縮性を有するとともに凹形状に形成された第1の嵌合部12aと第1の嵌合部12aの最奥部にキャップ部材12の外方に凸となる方向に突出して形成された突出部12bとを有し、操作軸11aは一端側を第1の嵌合部12aに圧入し、キャップ部材12は突出部12bを係合穴11cに位置させることで、キャップ部材12は操作部11に係止されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力デバイスに関し、特に、低背化されても確実にキャップを保持することができるキャップ構造を用いた入力デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、ノートパソコンなど持ち運び可能な電子機器ではより持ち運びをしやすくするために小型化・軽量化が進められている。小型化においては厚さをより薄くする低背化の傾向がある。
【0003】
ノートパソコンなど持ち運び可能な電子機器が低背化の傾向があるため、それらに用いられる入力デバイスにおいてもより低背化することが求められている。
【0004】
従来の入力デバイスとしては、下記の特許文献1に記載の入力デバイスが知られている。
【0005】
以下、図12を用いて、特許文献1に記載の入力デバイスについて説明する。図12は、特許文献1に記載の入力デバイスCTを示す図である。
【0006】
特許文献1に記載の入力デバイスCTは、図12に示すように、外部からの操作を検知する検出素子SNと、外部からの操作をうけるキャップCPと、一端にキャップCPを係止するとともに他端には外部からの操作を伝達するフランジFLとを有する突体LEを備えた操作部INと、を有する。
【0007】
キャップCPは、断面形状が正方形で凹状に形成された穴HLを有し、突体LEは断面形状が正方形の直方体形状に形成されている。特許文献1に記載の入力デバイスCTは、穴HLに突体LEの一端を圧入することでキャップCPは突体LEの一端に保持される。
【0008】
入力デバイスCTは、キャップCPが操作されることで受けた力が操作部INを介して検出素子SNに伝わり、検出素子SNは力を受けることで発生する歪による抵抗値の変化を感知することで操作された方向を識別することが可能な入力デバイスである。
【0009】
キャップCPの保持が不十分な場合、操作しても上手く検知できない、キャップCPが脱落するなどの不具合が発生する。
【0010】
入力デバイスCTにおいては、穴HLに突体LEの一端を圧入することにより穴HLと突体LEの一端との係合面積は、キャップCPを操作した際に、キャップCPがガタつかず突体LEの一端から外れずに保持することができる程度の保持力を十分に得られるだけの面積が確保されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2004−79298号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1に記載の入力デバイスCTにすることで、キャップCPと突体LEとの係合面積がキャップCPを保持するのに十分な量の係合面積を得ることができ、実際に使用しても使用中にキャップCPが外れ落ちる事がなく、キャップCPを保持するのに十分な保持力が得られる。
【0013】
しかしながら、入力デバイスCTのキャップ構造は、入力デバイスCTを低背化した場合には突体LEと穴HLとの係合面積が小さくなるとともに、キャップCPが薄肉になることで穴HLが広がりやすくなることで、キャップCPと突体CTとの係合が緩み、キャップCPを保持するのに十分な保持力を得ることができないことが懸念される。
【0014】
本発明は、上述した課題を解決して、低背化しても確実にキャップを保持することができるキャップ構造を用いた入力デバイスを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1に記載の入力デバイスは、外部からの操作を検知する検知部と、外部からの操作をうけるキャップ部材と、一端に前記キャップ部材を係止するとともに他端には外部からの操作を伝達するフランジ部とを有する操作軸を備えた操作部と、を有する入力デバイスにおいて、前記操作軸は一端側末端面の中央に凹形状に形成された係合穴を有し、前記キャップ部材は伸縮性を有するとともに凹形状に形成された第1の嵌合部と前記第1の嵌合部の最奥部に前記キャップ部材の外方に凸となる方向に突出して形成された突出部とを有し、前記操作軸は前記一端側を前記第1の嵌合部に圧入し、前記キャップ部材は前記突出部を前記係合穴に位置させることで、前記キャップ部材は前記操作部に係止されている、という特徴を有する。
【0016】
請求項2に記載の入力デバイスは、前記操作軸は一端側末端面の外周に沿って外方へ突出して形成されたフック部を有し、前記第1の嵌合部は、前記第1の嵌合部の内側面に凹状に形成されたロック部を有している、という特徴を有する。
【0017】
請求項3に記載の入力デバイスは、前記検知部は圧力変化を検知することで外部からの操作を検知する、という特徴を有する。
【0018】
請求項4に記載の入力デバイスは、前記係合穴の内側面には前記係合穴の外方側から前記係合穴の最奥部へ向かう方向に凸状に延設されたリブ部が設けられている、という特徴を有する。
【0019】
請求項5に記載の入力デバイスは、前記操作軸の一端と前記操作軸の他端を結ぶ線方向に対して直交する面で切った前記操作軸の断面形状は多角形である、という特徴を有する。
【0020】
請求項6に記載の入力デバイスは、外部からの操作を検知する検知部と、外部からの操作をうけるキャップ部材と、一端に前記キャップ部材を係止するとともに他端には外部からの操作を伝達するフランジ部とを有する操作軸を備えた操作部と、を有する入力デバイスにおいて、前記操作軸は一端側末端面の中央に凹形状に形成された係合穴を有し、前記キャップ部材は伸縮性を有するとともに凹形状に形成された装着部と前記装着部の最奥部に前記キャップ部材の外方に凸となる方向に突出して形成された第2の嵌合部とを有し、前記操作軸の一端を前記装着部に挿入するとともに前記第2の嵌合部を前記係合穴に圧入することで前記キャップ部材を前記操作部に係止した、という特徴を有する。
【0021】
請求項7に記載の入力デバイスは、前記検知部は圧力変化を検知することで外部からの操作を検知する、という特徴を有する。
【0022】
請求項8に記載の入力デバイスは、前記係合穴の内側面には前記係合穴の外方側から前記挿入穴の最奥部へ向かう方向に凸状に延設されたリブ部が設けられている、という特徴を有する。
【0023】
請求項9に記載の入力デバイスは、前記操作軸の一端と前記操作軸の他端を結ぶ線方向に対して直交する面で切った前記操作軸の断面形状は多角形である、という特徴を有する。
【発明の効果】
【0024】
請求項1の発明によれば、入力デバイスを低背化するにあたり懸念される、キャップ部材の薄肉化により第1の嵌合部が拡がりやすくなることで発生するキャップ部材を操作軸に保持する保持力の低下を、第1の嵌合部の最奥部に突出部を設けキャップ部材を補強し、第1の嵌合部を拡がりにくくして防止することで、キャップ部材を操作軸に保持するに十分な保持力を確保し、キャップ部材の脱落を防止することが可能となる、という効果を奏する。
【0025】
請求項2の発明によれば、操作軸の一端側末端面の外周に沿って外方へ突出して形成されたフック部と第1の嵌合部の内側面に沿って凹状に形成されたロック部を設けることで、キャップ部材を操作軸に係止した際に、フック部とロック部とが係合しさらにキャップ部材が操作軸から外れ難くなり、キャップ部材の脱落をより確実に防止することが可能となる、という効果を奏する。
【0026】
請求項3の発明によれば、圧力変化を検知することで外部からの操作を検知する構造としたことで、操作部を微少量動作することで操作することが可能となり、スイッチや可変抵抗器などを用いた場合に比べて入力デバイスを小型化することができる、という効果を奏する。
【0027】
請求項4の発明によれば、係合穴の内側面に係合穴の外方側から係合穴の最奥部へ向かう方向に凸状に延設されたリブ部を設けることで、第2の嵌合部と係合穴との嵌合力がさらに高まることでキャップ部材が抜け難くなり、キャップ部材の脱落をより確実に防止することが可能となる、という効果を奏する。
【0028】
請求項5の発明によれば、操作軸の断面形状を多角形とすることで、外部から操作を受けたとしてもキャップ部材が操作軸を中心に回転しにくく、操作軸とキャップ部材との嵌合力が弱まり難くなり、キャップ部材の脱落をより確実に防止することが可能となる、という効果を奏する。
【0029】
請求項6の発明によれば、操作軸の一端を装着部に挿入するとともに第2の嵌合部を係合穴に圧入するしキャップ部材を操作部に係止することで、キャップ部材を操作軸に保持することが可能となり、入力デバイスの低背化により操作軸が短く装着部の深さが浅くなった場合でもキャップ部材を保持するに十分な保持力を確保でき、キャップ部材の脱落を防止することが可能となる、という効果を奏する。
【0030】
請求項7の発明によれば、圧力変化を検知することで外部からの操作を検知する構造としたことで、操作部を微少量動作することで操作することが可能となり、入力デバイスを小型化することができる、という効果を奏する。
【0031】
請求項8の発明によれば、係合穴の内側面に係合穴の外方側から係合穴の最奥部へ向かう方向に凸状に延設されたリブ部を設けることで、嵌合部と係合穴との嵌合力がさらに高まることでキャップ部材が抜け難くなり、キャップ部材の脱落をより確実に防止することが可能となる、という効果を奏する。
【0032】
請求項9の発明によれば、操作軸の断面形状を多角形とすることで、外部から操作を受けたとしてもキャップ部材が回転することで嵌合力が弱まり難くなり、キャップ部材の脱落をより確実に防止することが可能となる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】入力デバイス1および入力デバイス2を示す斜視図である。
【図2】入力デバイス1の断面を示す断面図である。
【図3】操作部11を示す図である。
【図4】キャップ部材12を示す図である。
【図5】基板15を示す図である。
【図6】プレート14を示す図である。
【図7】保護シート16を示す図である。
【図8】操作部11と検知部13との位置関係を示す図である。
【図9】入力デバイス2の断面を示す断面図である。
【図10】操作部21を示す図である。
【図11】キャップ部材22を示す図である。
【図12】入力デバイスCTを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
[第1実施形態]
以下に第1実施形態における入力デバイス1について説明する。
【0035】
まず始めに本実施形態における入力デバイス1の構成について図1および図2を用いて説明する。図1は第1実施形態における入力デバイス1を示す斜視図である。図2は入力デバイス1の断面を示す断面図である。図3は操作部11を示す図で、図3(a)は操作部11を上面側から見た斜視図であり、図3(b)は下面側から見た斜視図である。図4はキャップ部材12を示す図であり、図4(a)はキャップ部材12を上面側から見た図であり、図4(b)はキャップ部材12を下面側から見た図である。図5は検知部13を保持した状態の基板15を示す図である。図6はプレート14を示す図である。
【0036】
入力デバイス1は、図1および図2に示すように、外部からの操作を検知する検知部13と、外部からの操作をうけるキャップ部材12と、キャップ部材12が受けた操作を検知部13に伝える操作部11と、検知部13の検知結果を外部へ出力する基板15と、操作部11、検知部13および基板15を一体に保持するプレート14と、基板15を覆い絶縁および保護する保護シート16と、を有している。
【0037】
次に、各構成部品について図3ないし図7を用いて説明する。
【0038】
操作部11は、図3(a)および図3(b)に示すように、合成樹脂材からなり、一端にキャップ部材12を係止するとともに他端には外部からの操作を検知部13へ伝達するフランジ部11bとを有する操作軸11aを備えている。
【0039】
操作軸11aは、操作軸11aの一端と操作軸11aの他端を結ぶ線方向に対して直交する面で切った断面形状が多角形である柱状に形成され、本実施形態においてはその断面形状は略正方形である。
【0040】
操作軸11aは、一端側末端面の中央に凹形状に形成された係合穴11cを有し、一端側末端面の外周に沿って外方へ突出して形成されたフック部11dを有している。係合穴11cの内側面には係合穴11cの外方側から係合穴11cの最奥部へ向かう方向に凸状に延設されたリブ部11eが等間隔に3箇所設けられている。
【0041】
また、操作軸11aの他端側には、フランジ部11bが他端側末端を中心として円盤状に形成されている。
【0042】
キャップ部材12は、図4に示すように、例えばNBR(Nitrile Butadiene Rubber)のような合成ゴム材からなり、円盤状に形成されている。
【0043】
キャップ部材12の底面となる一方の面には、伸縮性を有するとともに凹形状に形成された第1の嵌合部12aと第1の嵌合部12aの最奥部にキャップ部材12の外方に凸となる方向に突出して形成された突出部12bとを有している。
【0044】
また、第1の嵌合部12aは、断面が正方形状に形成され、内側面に凹状に形成されたロック部12cを有している。ロック部12cは、第1の嵌合部12a内に操作軸11aが挿入された時にフック部11dと係合可能な位置に配置されている。
【0045】
基板15は、図5に示すように、例えばFPC(Flexible Printed Circuits)基板のような可撓性を有した樹脂フィルムから形成されている。基板15は、一方の面に検知部13が印刷により一体に形成された基部15aと、基部15aから延出して設けられ外部と電気的接続が可能な接続部15bとを有する。
【0046】
また、検知部13は基部15aの一方の面に仮想の正方形の各角に対応する位置に配置されている。
【0047】
検知部13は基板15上に抵抗体を印刷することで形成されており、圧力を受けることで発生する歪による抵抗値の変化を検知する歪センサであり、歪センサにより抵抗値変化を検知することで外部からの操作を検知する。
【0048】
プレート14は、図6に示すように、金属板からなり、同一円周上に等間隔に4つ設けられた把持部14bを有する基台部14aと、基台部14aから3方向に延出して形成され、入力デバイス1を取り付ける際に使われる取り付け部14cを有する。把持部14bは基台部14aに対して垂直な同一の方向へ基台部14aから延出して設けられている。
【0049】
保護シート16は、図7に示すように、可撓性と絶縁性とを有した材料からなり、外形は基板15の外形に沿った形状に形成されており、一方の面には粘着剤が塗布された粘着面16aを有する。
【0050】
次に入力デバイス1の構造について図2および図5を用いて説明する。
【0051】
保護シート16は、図2に示すように、基板15の外形と保護シート16の外形とを合致させ、基板15の検知部13を印刷した面の裏面と粘着面16aとが対向するように重ねて配置させることで、基板15と保護シート16とは一体に形成される。
【0052】
一体となった検知部13と基板15と保護シート16とは、保護シート16とプレート14とが対向し、把持部14bによって囲まれた領域内に基部15aが収まるように配置され、接着にて固定される。
【0053】
操作部11は、把持部14bによって囲まれた領域内に、フランジ部11bと基板15とが係合するように基板15上に重ねて配置され、接着にて固定される。
【0054】
把持部14bを操作軸11a方向にそれぞれ折り曲げることで、操作部11、検知部13、基板15および保護シート16とは一体に保持される。
【0055】
操作部11は、図2に示すように、フック部11dがロック部12cと係合可能な位置にあわせて操作軸11aの一端側を第1の嵌合部12aに圧入される。このとき、キャップ部材12は第1の嵌合部12aの内部に形成された突出部12bを操作軸11aの一端側に設けられた係合穴11cに配置することで、キャップ部材12は操作部11に係止され、入力デバイス1が形成される。
【0056】
次に入力デバイス1の動作について図8を用いて説明する。図8は操作部11と検知部13との位置関係を示す図である。
【0057】
入力デバイス1は、キャップ部材12を指などで操作されると、操作部11は力を加えられた方向へ傾倒し、傾倒した方向に配置された検知部13を押圧し、押圧された検知部13が圧力を受けることで発生する歪による抵抗値の変化を検知することで外部からの操作を検知する。
【0058】
検知部13が検出する抵抗値は、検知部13が受ける圧力が強まると抵抗値変化が大きくなり、受ける圧力が弱まると抵抗値変化が小さくなる。検知部13が検出した抵抗値の変化をみることで操作された方向を判断する。
【0059】
例えば、図8に示すように、操作部11を矢印A方向(右方向)に操作された場合、位置X1に配置された検知部13で検出している抵抗値が高くなるのを検知するとともに、位置X2に配置された検知部13で検出している抵抗値が低くなるのを検知することで矢印A方向に操作されたことを判断する。
【0060】
また、矢印B方向に操作された場合(左上45度方向)には、位置X2と位置Y1とに配置された検知部13で検出している抵抗値が高くなるのを検知するとともに、位置X1と位置Y2とに配置された検知部13で検出している抵抗値が低くなるのを検知することで矢印B方向に操作されたことを判断する。
【0061】
また、4箇所の検知部13が検知した抵抗値の変化を比較することで、より詳細に操作された方向を検知することが可能となる。
【0062】
例えば、矢印C方向(左下0〜45度方向)に操作された場合、位置X2と位置Y2とに配置された検知部13が検出している抵抗値が高くなるのを検知するとともに、位置X1と位置Y1とに配置された検知部13で検出している抵抗値が低くなるのを検知することで左下のいずれかの方向に操作されたことを検知し、さらに位置X2に配置された検知部13が検知した抵抗値の変化量が位置Y2に配置された検知部13が検知した抵抗値の変化量よりも大きく、位置X1に配置された検知部13が検知した抵抗値の変化量が位置Y1に配置された検知部13が検知した抵抗値の変化量よりも大きいことで、矢印C方向に操作されたと判断する。
【0063】
以下、本実施形態としたことによる効果について説明する。
【0064】
本実施形態の入力デバイス1では、外部からの操作を検知する検知部13と、外部からの操作をうけるキャップ部材12と、一端にキャップ部材12を係止するとともに他端には外部からの操作を伝達するフランジ部11bとを有する操作軸11aを備えた操作部11と、を有する入力デバイスにおいて、操作軸11aは一端側末端面の中央に凹形状に形成された係合穴11cを有し、キャップ部材12は伸縮性を有するとともに凹形状に形成された第1の嵌合部12aと第1の嵌合部12aの最奥部にキャップ部材12の外方に凸となる方向に突出して形成された突出部12bとを有し、操作軸11aは一端側を第1の嵌合部12aに圧入し、キャップ部材12は突出部12bを係合穴11cに位置させることで、キャップ部材12は操作部11に係止されている、構造とした。
【0065】
これにより、入力デバイス1を低背化するにあたり懸念される、キャップ部材12の薄肉化により第1の嵌合部12aが拡がりやすくなることで発生するキャップ部材12と操作軸11aとの保持力の低下を、第1の嵌合部12aの最奥部に突出部12bを設けキャップ部材12を補強し、第1の嵌合部12aを拡がりにくくして防止することで、キャップ部材12を操作軸11aに保持するに十分な保持力を確保し、キャップ部材12の脱落を防止することが可能となる、という効果を奏する。
【0066】
また、これにより、キャップ部材12のガタツキがなくなることで、操作時の操作感触が向上する、という効果を奏する。
【0067】
また、本実施形態の入力デバイス1では、操作軸11aは一端側末端面の外周に沿って外方へ突出して形成されたフック部11dを有し、第1の嵌合部12aは、第1の嵌合部12aの内側面に凹状に形成されたロック部12cを有している、構造とした。
【0068】
これにより、操作軸11aの一端側末端面の外周に沿って外方へ突出して形成されたフック部11dと第1の嵌合部12aの内側面に沿って凹状に形成されたロック部12cを設けることで、キャップ部材12を操作軸11aに係止した際に、フック部11dとロック部12cとが係合しさらにキャップ部材12が操作軸11aから外れ難くなり、キャップ部材12の脱落をより確実に防止することが可能となる、という効果を奏する。
【0069】
また、本実施形態の入力デバイス1では、検知部13は圧力変化を検知することで外部からの操作を検知する、構造とした。
【0070】
これにより、圧力変化を検知することで外部からの操作を検知する構造としたことで、操作部11を微少量動作することで操作することが可能となり、スイッチや可変抵抗器などを用いた場合に比べて入力デバイスを小型化することができる、という効果を奏する。
【0071】
また、本実施形態の入力デバイス1では、係合穴11cの内側面には係合穴11cの外方側から係合穴11cの最奥部へ向かう方向に凸状に延設されたリブ部11eが設けられている、構造とした。
【0072】
これにより、係合穴11cの内側面に係合穴11cの外方側から係合穴11cの最奥部へ向かう方向に凸状に延設されたリブ部11eを設けることで、突出部12bと係合穴11cとの嵌合力がさらに高まることでキャップ部材12が抜け難くなり、キャップ部材12の脱落をより確実に防止することが可能となる、という効果を奏する。
【0073】
また、本実施形態の入力デバイス1では、リブ部11eを等間隔に3箇所設ける構造とした。リブ部11eを等間隔に3箇所設けることで、少ないリブ部11eで突出部12bとバランスよく勘合することができ、キャップ部材12の脱落をより確実に防止することが可能となる、という効果を奏する。
【0074】
また、本実施形態の入力デバイス1では、操作軸11aの一端と操作軸11aの他端を結ぶ線方向に対して直交する面で切った操作軸11aの断面形状は多角形である、構造とした。
【0075】
これにより、操作軸11aの断面形状を多角形とすることで、外部から操作を受けたとしてもキャップ部材12が操作軸11aを中心に回転しにくく、操作軸11aとキャップ部材12との嵌合力が弱まり難くなり、キャップ部材12の脱落をより確実に防止することが可能となる、という効果を奏する。
【0076】
また、これにより、操作軸11aをキャップ部材12に装着しやすくなる、という効果を奏する。
【0077】
また、本実施形態の入力デバイス1では、操作軸11aの断面形状を略正方形とすることで、操作軸11aの四方に配置された検知部13に対して操作圧をより確実に伝達しやすくなる、という効果を奏する。
【0078】
[第2実施形態]
以下に第2実施形態における入力デバイス2について説明する。入力デバイス2は構成部品は第1実施形態の入力デバイス1と同じであるが、入力デバイス1における操作部11とキャップ部材12との係止構造が異なる。以下においては、第1実施形態と同じ部品については第1実施形態で説明に用いた符号を用いるとともに、詳細の説明については割愛する。
【0079】
まず、入力デバイスの構成について図1と図9を用いて説明する。図9は入力デバイス2の断面を示す断面図である。なお、入力デバイス2の外観は入力デバイス1と同じ事であることから図1を用いる。
【0080】
入力デバイス2は、図1および図9に示すように、外部からの操作を検知する検知部13と、外部からの操作をうけるキャップ部材22と、キャップ部材22が受けた操作を検知部13に伝える操作部21と、検知部13の検知結果を外部へ出力する基板15と、操作部21、検知部13および基板15を一体に保持するプレート14と、基板15を覆い絶縁および保護する保護シート16と、を有している。
【0081】
次に、各構成部品について図10および図11を用いて説明する。図10は操作部21を示す図で、図10(a)は操作部21を上面側から見た斜視図であり、図10(b)は下面側から見た斜視図である。図11はキャップ部材22を示す図であり、図11(a)はキャップ部材12を上面側から見た図であり、図11(b)はキャップ部材22を下面側から見た図である。
【0082】
操作部21は、図10に示すように、合成樹脂材からなり、一端にキャップ部材22を係止するとともに他端には外部からの操作を検知部13へ伝達するフランジ部21bとを有する操作軸21aを備えている。
【0083】
操作軸21aは、操作軸21aの一端と操作軸21aの他端を結ぶ線方向に対して直交する面で切った断面形状が多角形である柱状に形成され、本実施形態においてはその断面形状は略正方形である。
【0084】
操作軸21aは、一端側末端面の中央に凹形状に形成された係合穴21cを有している。係合穴21cの内側面には係合穴21cの外方側から係合穴21cの最奥部へ向かう方向に凸状に延設されたリブ部21eが等間隔に3箇所設けられている。
【0085】
また、操作軸21aの他端側には、フランジ部21bが他端側末端を中心として円盤状に形成されている。
【0086】
キャップ部材22は、図11に示すように、例えばNBR(Nitrile Butadiene Rubber)のような合成ゴム材からなり、円盤状に形成されている。
【0087】
キャップ部材22の底面となる一方の面には、伸縮性を有するとともに凹形状に形成された装着部22aと装着部22aの最奥部にキャップ部材22の外方に凸となる方向に突出して形成された嵌合部22bとを有している。
【0088】
また、装着部22aは、断面が正方形状に形成されている。
【0089】
検知部13は、実施形態1と同じく、圧力を受けることで発生する歪による抵抗値の変化を検知する歪センサであり、歪センサにより圧力変化を検知することで外部からの操作を検知する。
【0090】
基板15は、実施形態1で用いた基板15と同じものである。
【0091】
プレート14は、実施形態1で用いたプレート14と同じものである。
【0092】
保護シート16は、実施形態1で用いた保護シート16と同じものである。
【0093】
次に入力デバイス2の構造について図1および図9を用いて説明する。
【0094】
保護シート16は、図1および図9に示すように、基板15の外形と保護シート16の外形とを合致させ、基板15の検知部13を印刷した面の裏面と粘着面16aとが対向するように重ねて配置させることで、基板15と保護シート16とは一体に形成される。
【0095】
一体となった検知部13と基板15と保護シート16とは、保護シート16とプレート14とが対向し、基部15aが把持部14bによって囲まれた領域内に収まるように配置され、接着にて固定される。
【0096】
操作部21は、把持部14bによって囲まれた領域内に、フランジ部21bが基板15側に来るように基板15上に重ねて配置され、接着にて固定される。
【0097】
把持部14bを操作軸11a方向にそれぞれ折り曲げることで、操作部11、検知部13、基板15および保護シート16とは一体に保持される。
【0098】
操作部21は、図1および図9に示すように、操作軸21aの一端側を装着部22aに挿入される。このとき、キャップ部材22は装着部22aの内部に形成された第2の嵌合部22bを操作軸21aの一端側に設けられた係合穴21cに圧入することで、キャップ部材12は操作部11に係止されている。
【0099】
入力デバイス2の動作については入力デバイス1の動作と同じである。
【0100】
以下、本実施形態としたことによる効果について説明する。
【0101】
本実施形態の入力デバイス2では、外部からの操作を検知する検知部13と、外部からの操作をうけるキャップ部材22と、一端にキャップ部材22を係止するとともに他端には外部からの操作を伝達するフランジ部21bとを有する操作軸21aを備えた操作部21と、を有する入力デバイスにおいて、操作軸21aは一端側末端面の中央に凹形状に形成された係合穴21cを有し、キャップ部材22は伸縮性を有するとともに凹形状に形成された装着部22aと装着部22aの最奥部にキャップ部材22の外方に凸となる方向に突出して形成された嵌合部22bとを有し、操作軸21aの一端を装着部22aに挿入するとともに嵌合部22bを係合穴21cに圧入することでキャップ部材22を操作部21に係止した、構造とした。
【0102】
これにより、操作軸21aの一端を装着部22aに挿入するとともに嵌合部22bを係合穴21cに圧入することでキャップ部材22を操作部21に係止したことにより、キャップ部材22が操作軸21aを内側から保持することが可能となり、入力デバイス2の低背化により操作軸21aが短く装着部22aの深さが浅くなった場合でもキャップ部材22を保持するに十分な保持力を確保でき、キャップ部材22の脱落を防止することが可能となる、という効果を奏する。
【0103】
本実施形態の入力デバイス2では、検知部13は圧力変化を検知することで外部からの操作を検知する、構造とした。
【0104】
これにより、圧力変化を検知することで外部からの操作を検知する構造としたことで、操作部21を微少量動作することで操作することが可能となり、入力デバイスを小型化することができる、という効果を奏する。
【0105】
本実施形態の入力デバイス2では、係合穴21cの内側面には係合穴21cの外方側から係合穴21cの最奥部へ向かう方向に凸状に延設されたリブ部21eが設けられている、構造とした。
【0106】
これにより、係合穴21cの内側面に係合穴21cの外方側から係合穴21cの最奥部へ向かう方向に凸状に延設されたリブ部21eを設けることで、嵌合部22bと係合穴21cとの嵌合力がさらに高まることでキャップ部材22が抜け難くなり、キャップ部材22の脱落をより確実に防止することが可能となる、という効果を奏する。
【0107】
本実施形態の入力デバイス2では、操作軸21aの一端と操作軸21aの他端を結ぶ線方向に対して直交する面で切った操作軸21aの断面形状は多角形である、構造とした。
【0108】
これにより、操作軸21aの断面形状を多角形とすることで、外部から操作を受けたとしてもキャップ部材22が操作軸21aを中心に回転することを防止し、キャップ部材22の脱落をより確実に防止することが可能となる、という効果を奏する。
【0109】
また、これにより、キャップ部材22を操作軸21aに装着しやすくなる、という効果を奏する。
【0110】
以上のように、本発明の実施形態に係る入力デバイス1および入力デバイス2について具体的に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
【0111】
(1)キャップ部材12およびキャップ部材22の外観形状は概略円盤形状としているが、操作性などを考慮して任意の形状に変更しても良く、より滑り難くなるように表面に溝や突起などの加工を施しても良い。これにより入力デバイス1および入力デバイス2の操作性が向上する効果を奏する。
【0112】
(2)第1実施形態および第2実施形態において、取り付け部14cは基台部14aから3方向に延出して形成されているが、入力デバイス1および入力デバイス2の取り付けられる場所や方法などにより適宜形状を変更しても良い。
【0113】
(3)第1実施形態および第2実施形態において、検知部13をフランジ部11bで押圧する構造としたが、検知部13の配置面を第1実施形態および第2実施形態における検知部13の裏面側とし、基板15を介して検知部13をフランジ部11bで押圧する構造としても良い。
【符号の説明】
【0114】
1 入力デバイス
11 操作部
11a 操作軸
11b フランジ部
11c 係合穴
11d フック部
11e リブ部
12 キャップ部材
12a 第1の嵌合部
12b 突出部
12c ロック部
13 検知部
14 プレート
14a 基台部
14b 把持部
14c 取り付け部
15 基板
15a 基部
15b 接続部
16 保護シート
16a 粘着面
2 入力デバイス
21 操作部
21a 操作軸
21b フランジ部
21c 係合穴
21e リブ部
22 キャップ部材
22a 装着部
22b 第2の嵌合部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの操作を検知する検知部と、
外部からの操作をうけるキャップ部材と、
一端に前記キャップ部材を係止するとともに他端には外部からの操作を伝達するフランジ部とを有する操作軸を備えた操作部と、を有する入力デバイスにおいて、
前記操作軸は一端側末端面の中央に凹形状に形成された係合穴を有し、
前記キャップ部材は伸縮性を有するとともに凹形状に形成された第1の嵌合部と前記第1の嵌合部の最奥部に前記キャップ部材の外方に凸となる方向に突出して形成された突出部とを有し、
前記操作軸は前記一端側を前記第1の嵌合部に圧入し、前記キャップ部材は前記突出部を前記係合穴に位置させることで、前記キャップ部材は前記操作部に係止されている、ことを特徴とする入力デバイス。
【請求項2】
前記操作軸は一端側末端面の外周に沿って外方へ突出して形成されたフック部を有し、
前記第1の嵌合部は、前記第1の嵌合部の内側面に凹状に形成されたロック部を有している、ことを特徴とする請求項1に記載の入力デバイス。
【請求項3】
前記検知部は圧力変化を検知することで外部からの操作を検知する、ことを特徴とする請求項1に記載の入力デバイス。
【請求項4】
前記係合穴の内側面には前記係合穴の外方側から前記係合穴の最奥部へ向かう方向に凸状に延設されたリブ部が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の入力デバイス。
【請求項5】
前記操作軸の一端と前記操作軸の他端を結ぶ線方向に対して直交する面で切った前記操作軸の断面形状は多角形である、ことを特徴とする請求項1および請求項2に記載の入力デバイス。
【請求項6】
外部からの操作を検知する検知部と、
外部からの操作をうけるキャップ部材と、
一端に前記キャップ部材を係止するとともに他端には外部からの操作を伝達するフランジ部とを有する操作軸を備えた操作部と、を有する入力デバイスにおいて、
前記操作軸は一端側末端面の中央に凹形状に形成された係合穴を有し、
前記キャップ部材は伸縮性を有するとともに凹形状に形成された装着部と前記装着部の最奥部に前記キャップ部材の外方に凸となる方向に突出して形成された第2の嵌合部とを有し、
前記操作軸の一端を前記装着部に挿入するとともに前記第2の嵌合部を前記係合穴に圧入することで前記キャップ部材を前記操作部に係止した、ことを特徴とする入力デバイス。
【請求項7】
前記検知部は圧力変化を検知することで外部からの操作を検知する、ことを特徴とする請求項6に記載の入力デバイス。
【請求項8】
前記係合穴の内側面には前記係合穴の外方側から前記挿入穴の最奥部へ向かう方向に凸状に延設されたリブ部が設けられている、ことを特徴とする請求項6に記載の入力デバイス。
【請求項9】
前記操作軸の一端と前記操作軸の他端を結ぶ線方向に対して直交する面で切った前記操作軸の断面形状は多角形である、ことを特徴とする請求項6に記載の入力デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−47871(P2013−47871A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185601(P2011−185601)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】