入力処理装置
【課題】 入力パッドの所定領域に指を直線移動させてスクロール動作を行った後に、スクロール動作を継続させることができる入力処理装置を提供する。
【解決手段】 入力パッド7の入力面の第1の機能領域16で指を直線軌跡(b)で移動させた後に、曲線軌跡(g)で回転させると、縦方向のスクロール動作を継続する。また、第2の機能領域17で指を直線軌跡(e)で移動させた後に曲線軌跡(i)で回転させると、横方向のスクロールを継続する。指の操作による回転方向を逆にすると、スクロール方向が逆方向に切換えられる。
【解決手段】 入力パッド7の入力面の第1の機能領域16で指を直線軌跡(b)で移動させた後に、曲線軌跡(g)で回転させると、縦方向のスクロール動作を継続する。また、第2の機能領域17で指を直線軌跡(e)で移動させた後に曲線軌跡(i)で回転させると、横方向のスクロールを継続する。指の操作による回転方向を逆にすると、スクロール方向が逆方向に切換えられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面型の入力パッドに触れた指示体を移動させたときに、表示装置に表示されている表示内容を移動させる処理が行われる入力処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータに装備されている入力処理装置として、キーボードやマウスが使用されており、さらにノートブック型のパーソナルコンピュータでは、前記キーボードに併用して入力パッドを有する平面型の入力部材が装備されている。この平面型の入力部材は、人体の指などのように低電位の指示体が入力パッドに接近しまたは接触したときの電極間の静電容量の変化を検知するものである。この静電容量の変化により、座標データを得ることができ、パーソナルコンピュータの制御部では、前記入力部材から得られた座標データに基づいて、外部機器であるマウスが操作されたときと同等の制御信号が生成される。
【0003】
また、最近では表示画面に重ねられて設けられたタブレット型入力装置をペンや指で操作して座標データを入力するパーソナルコンピュータも現れている。
【0004】
以下の各特許文献にも記載されているように、この種の入力処理装置は、平面型の入力パッドに指などを触れて移動させると、入力パッドと重ねて配置された表示装置や入力パッドと別の場所に設けられた表示装置に表示されている内容が、指の移動方向に合わせて移動する処理が行われる。
【0005】
従来の入力処理装置では、入力パッド上に指を触れて一方向へ移動させることにより、表示装置の表示内容を指の移動方向に合わせて移動させることができる。ただし、指の動きを停止させたり、指を入力パッドから離すと、表示内容の移動処理が停止して表示装置の画像が停止する。そのため、表示内容を継続して同じ方向へ移動させるためには、入力パッド上の同じ領域で、指で繰り返して摺動させる必要があった。
【特許文献1】特開2000−163031号公報
【特許文献2】特開2000−163193号公報
【特許文献3】特開2001−265481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、入力パッド上で指などの指示体を移動させて、表示内容を移動させる処理を行っているときに、その後に継続して、指示体の移動軌跡を曲線軌跡としている間は、表示画面の移動が継続するようにして、表示内容の移動処理を簡単な操作で継続して行えるようにした入力処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、入力パッドおよび前記入力パッドに指示体が触れた位置を検知する検知部を有する入力部材と、前記入力部材から得られる入力信号に基づいて表示装置に表示されている表示内容を変更する制御部とが設けられ、
前記制御部で以下の処理が行なわれることを特徴とするものである。
(1)前記入力信号から、指示体が触れている接触位置が、前記入力パッドの予め設定された機能領域であるか否かを判断する。
(2)指示体の接触位置が、前記機能領域内において、処理を有効とする有効方向へ移動していると検知されたときに、前記表示内容を移動させる表示移動処理を実行する。
(3)指示体の接触位置が、前記機能領域内で前記有効方向へ一定の距離以上に移動した後に、これと継続して、前記接触位置が一方向へ連続する曲線軌跡に移行したと判断したときに、前記表示移動処理の実効を継続する。
【0008】
本発明の入力処理装置は、入力パッドの予め設定された機能領域内で、指などの指示体の接触位置が一方向へ所定の距離だけ移動した後に曲線軌跡となったときに、表示移動処理の実施を継続する。よって、指示体を入力パッドから何度も離す必要がなく、継続して表示内容を移動させることができる。また、指示体の動きを止めたり、指示体を入力パッドから離すことで、表示内容の移動を停止させることができ、指示体の動きと表示画面の移動を感覚的に対応させて表示変更処理を行うことが可能である。
【0009】
本明細書の入力パッドは、指などの低電位の指示体が接近し接触したときの静電容量の変化で、指示体が対向している位置を座標データとして出力できるものである。または、入力パッドは、対向する絶縁体の間に抵抗膜などが設けられ、指で絶縁体どうしを部分的に接触させたときに抵抗値の変化を検知して指示体が接触した位置を座標データとして得ることができるものであってもよい。
【0010】
また、入力パッドと表示装置が別の場所に位置し、入力パッドの操作によって表示装置の表示内容が変化させられるものであってもよいし、入力パッドが透明であって表示装置に重ねて設けられているものであってもよい。
【0011】
本発明は、例えば、前記機能領域は、前記入力パッドにおいて上下方向に延びる縦長領域であり、
前記(2)では、前記縦長領域内において、指示体の接触位置が前記有効方向である下方向へ移動したときに、前記表示内容を上方向と下方向のいずれか一方へ移動させる表示移動処理が行われ、指示体の接触位置が前記有効方向である上方向へ移動したときに、前記表示内容を上方向と下方向の他方へ移動させる表示移動処理が行われるものである。
【0012】
この場合に、前記(3)の継続処理では、前記縦長領域内において、指示体の接触位置が、下方向へ一定の距離以上に移動した後に、時計回りの曲線軌跡に移行したときに、前記表示内容の前記一方への移動を継続し、
指示体の接触位置が、上方向へ一定の距離以上に移動した後に、反時計回りの曲線軌跡に移行したときに、前記表示内容の前記他方への移動を継続することが可能である。
【0013】
また本発明は、前記機能領域は、前記入力パッドにおいて左右方向に延びる横長領域であり、
前記(2)では、前記横長領域内において、指示体の接触位置が前記有効方向である右方向へ移動したときに、前記表示内容を右方向と下方向のいずれか一方へ移動させる表示移動処理が行われ、指示体の接触位置が前記有効方向である左方向へ移動したときに、前記表示内容を右方向と左方向の他方へ移動させる表示移動処理が行われる。
【0014】
この場合に、前記(3)の継続処理では、前記横長領域内において、指示体の接触位置が、右方向へ一定の距離以上に移動した後に、反時計回りの曲線軌跡に移行したときに、前記表示内容の前記一方への移動を継続し、
指示体の接触位置が、左方向へ一定の距離以上に移動した後に、時計回りの曲線軌跡に移行したときに、前記表示内容の前記他方への移動を継続することが可能である。
【0015】
また本発明は、前記(3)の継続処理で、指示体の接触位置を時計回りから継続して反時計回りに変えたとき、または反時計回りから継続して時計回りに変えたときに、前記表示内容の移動方向が反転させることが可能である。
【0016】
上記手段では、曲線軌跡の指示体の移動位置を逆方向へ回転させることで、表示内容を双方向へ移動させることができ、表示内容の目標位置へのアクセスが容易になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、入力パッドの機能領域内において、指などの指示体の接触位置が所定距離移動した後にその接触位置が曲線軌跡に移動したときに、表示装置の表示内容を移動させる表示移動処理を継続する。
【0018】
指示体で曲線を描いている間は、ずっと表示内容を動かし続けることができ、指示体の動きを止めたり、指示体を入力パッドから離したときに表示移動処理が停止するため、指示体による操作と表示移動処理を、一体化させた感覚で入力操作を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は本発明の入力処理装置を搭載したノートブック型のパーソナルコンピュータを示す斜視図、図2は平面型の入力部材の平面図である。図3は、入力処理装置の回路ブロック図である。図4ないし図10は入力処理装置の処理動作を示すフローチャートである。
【0020】
図1に示すパーソナルコンピュータ1は、本体部2と蓋体部3とが折り畳み可能に連結されている。本体部2の表面の操作盤に、キーボード装置4と、平面型の入力部材5が設けられている。蓋体部3の手前側の面には、液晶表示パネルで形成された表示装置6が設けられている。
【0021】
図2に拡大して示すように、平面型の入力部材5は、入力パッド7と、その右下に位置している右ボタン8と、左下に位置する左ボタン9とを有している。
【0022】
入力パッド7は平坦面の入力面7aを有している。入力パッド7は、X方向に延びる複数のX電極と、Y方向に延びる複数のY電極とが、絶縁層を挟んで対向しており、また、隣り合うX電極の間にそれぞれ検出電極が設けられている。これら電極が薄い絶縁シートで覆われており、その絶縁シートの表面が前記入力面7aである。入力面7aにほぼ接地電位の導電体の指示体である指が触れると、指と各電極との間に静電容量が形成されるために、指が接近している部分で、検出電極とX電極との間の静電容量が変化し、また検出電極とY電極との間の静電容量が変化する。
【0023】
図3に示すように、入力部材5に設けられた駆動回路11から、X電極に順番にパルス状の電圧が印加され、これとは異なるタイミングでY電極に順番にパルス状の電圧が印加される。いずれかのX電極やY電極にパルス状の電圧が与えられているときにその電極に指示体が接近していると、前記静電容量の変化により、X電極と検出電極との間の電圧またはY電極と検出電極との間の電圧が変化する。この電圧の変化は、検出電極を介してパッド検知部12で検知される。パッド検知部12で、検出電極から電圧の変化を検出するとともに、そのときにどのX電極やY電極に電圧を印加しているかのタイミング情報を得ることで、入力面7aの指の接触位置をX−Y座標上で検出できる。
【0024】
したがって、入力面7aに触れている指を動かすと、その指の移動軌跡をX−Y座標上で検出できる。また、指を入力面7aに素早く接近させて素早く離反させるいわゆるタッピング操作を行ったときには、短時間で電極間の静電容量が変化するため、これをパッド検知部12で検知できる。
【0025】
入力部材5では、パッド検知部12で、入力面7a上の指の接触位置を示すX−Y座標情報が含まれた操作信号が生成されて、パッド入力信号生成部13に与えられる。さらに、右ボタン8の押圧操作で動作させられる右ボタンスイッチ8aの操作信号と、左ボタン9の押圧操作で動作させられる左ボタンスイッチ9aの操作信号(クリック信号)もパッド検知部12で検出されて、その操作情報がパッド入力信号生成部13に与えられる。
【0026】
パッド入力信号生成部13では、パッド検知部12で検出された入力パッド7の操作信号であるX−Y座標情報と、右ボタンスイッチ8aの操作信号および左ボタンスイッチ9aの操作信号とが、所定のバイト数のフォーマットデータ(入力信号)とされて、出力インターフェース14から出力される。出力インターフェース14から出力される入力信号は、パーソナルコンピュータの制御部20に設けられた入力インターフェース21に与えられる。出力インターフェース14と入力インターフェース21はUSBインターフェースなどで接続されている。
【0027】
パーソナルコンピュータ1の制御部20には、各種ソフトウエアが格納されている。制御部20にはオペレーティングシステム(OS)22が格納されている。このオペレーティングシステム22で表示ドライバー23が制御されて、表示装置6に各種情報が表示される。
【0028】
制御部20には、ドキュメントツール25がソフトウエアとしてインストールされている。ドキュメントツール25は、ワードプロセッサの機能を発揮できるもので、辞書ツール27が付随している。ワードプロセッサの機能画面が表示装置6に表示されているときに、キーボードを操作して文字や機能を入力することができ、入力された文字列が表示装置6の画面に表示される。
【0029】
制御部20には、入力判定部24がソフトウエアとしてインストールされており、パッド入力信号生成部13から得られるフォーマットデータ(入力信号)が、前記入力インターフェース21を経て入力判定部24に与えられる。入力判定部24には、入力パッド7の入力面7aの領域を区分して記憶する領域設定部26が付随している。この領域設定部26も入力判定部24と共にソフトウエアとしてインストールされている。
【0030】
領域設定部26に設定される入力面7a上の領域の場所の割り当てや領域の広さ、および領域ごとの機能の振り分けなどは、制御部20を設定メニューモードとし、入力パッド7ならびに右ボタンスイッチ8aと左ボタンスイッチ9aを操作して変更することができる。
【0031】
この実施の形態では、図2に示すように、前記領域設定部26によって、入力面7aに第1の機能領域16と第2の機能領域17が設定されている。第1の機能領域16は、入力面7aのXa側の辺7bに沿ってYa−Yb方向へ一定の幅寸法で延びる縦長領域である。第2の機能領域17は、入力面7aのYa側の辺7cに沿ってXa−Xb方向へ一定の幅寸法で延びる横長領域である。制御部20を前記設定メニューモードに切り換えて入力パッド7などを操作することで、第1の機能領域16の幅寸法と第2の機能領域17の幅寸法を変えることができる。また、第1の機能領域16をXb側の辺に移動したり、第2の機能領域17をYb側の辺に移動させることもできる。
【0032】
入力判定部24では、パッド入力信号生成部13から与えられた入力信号に含まれるX−Y座標情報から、入力パッド7の入力面7aのどの領域に指が触れているかを判別する。指の接触位置が前記第1の機能領域16と第2の機能領域17のいずれでもないと判断したときは、前記入力信号に含まれるX−Y座情報から、外部機器であるマウスを使用して入力信号を生成したときと同等の座標データが生成されてオペレーティングシステム22に通知される。このとき、表示装置6の表示画面に表示されているカーソルが、入力面7aに触れた指の移動方向に倣ってX1−X2方向およびY1−Y2方向へ移動する。この操作で、画面に表示されているファンクションキーやメニューを選択し、タッピング操作や右ボタン8の操作などによって、選択したファンクションキーやメニューを実行させることが可能である。
【0033】
入力判定部24において、入力パッド7の入力面7aの第1の機能領域16または第2の機能領域17に指が触れていると判断したときは、その後の指示体の接触位置の移動状態に応じて、表示移動処理に移行する。
【0034】
表示移動処理では、指示体の接触位置が第1の機能領域16内で上下に移動していることが検出されたときに、入力判定部24から、オペレーティングシステム(OS)22に対して、マウスで画面の右端のスクロールバーを上下に操作したときと同等のスクロール操作信号が与えられる。
【0035】
例えば、図2に示すように、入力面7aの第1の機能領域16のYb側の位置(a)から指の接触位置を直線軌跡(b)でYb方向に移動させると、表示画面の表示内容である画像やワードプロセッサで入力中の文字列が上方(Y2方向)へ移動するスクロール動作が実行される。また、第1の機能領域16のYa側の位置(c)から指の接触位置を直線軌跡(d)でYb方向へ移動させると、画像や文字列が下方(Y1方向)へ移動するスクロール動作が実行される。
【0036】
次に、指示体の接触位置が第2の機能領域17内で左右に移動したときは、入力判定部24から、オペレーティングシステム(OS)22に対して、マウスで画面の下端のスクロールバーを左右に操作したときと同等の操作信号が与えられる。
【0037】
例えば、図2に示すように、入力面7aの第2の機能領域17のXb側の位置(d)から指の接触位置を直線軌跡(e)でXa方向に移動させると、表示画面の表示内容である画像や文字列が左方向(X2方向)へ移動するスクロール動作が実行される。また、第2の機能領域17のXa側の位置(c)から指の接触位置を直線軌跡(f)でXb方向へ移動させると、画像や文字列が右方向(X1方向)へ移動するスクロール動作が実行される。
【0038】
次に、第1の機能領域16のYb側の位置(a)に触れた指を直線軌跡(b)でYa方向へ移動させて、画像や文字列のY2方向へのスクロール動作を開始した後に、指を第1の機能領域16から外れることなく所定距離Ly以上移動させ、さらに指を入力面7aから離すことなく且つ指を止めることなく時計回りの曲線軌跡(g)で連続的に周回させると、直線軌跡(b)で設定されたスクロール動作がそのまま継続する。すなわち、入力判別部24からオペレーティングシステム(OS)22に対して、マウスで画面の右端のスクロールバーを下方向へ操作したときと同等の操作信号が与え続けられる。
【0039】
入力面7aの指の接触位置が曲線軌跡(g)に移行したか否かは、直線軌跡(b)のベクトルが時計方向へ連続して所定角度以上(例えば90度以上、または180度以上)回転した後に、さらに指の接触位置が所定の曲率以上で変化し続けているか否かを監視することで判別される。したがって、通常は、曲線軌跡(g)の直径が常に変化しないように指を周回させることが好ましいが、指の接触位置が予め決められた曲率以上で変化している限りは、曲線軌跡(g)の曲率が途中で変化しても、画面のスクロール動作は継続される。
【0040】
曲線軌跡(g)は、第1の機能領域16と第2の機能領域17のいずれにも属さない領域のみでの指の移動に限定してもよいし、または入力面7aのどの箇所であっても指が曲線軌跡(g)で移動している限りは、スクロール動作が継続するように設定されてもよい。また、第1の機能領域16が広く設定されているときは、第1の機能領域16の内部で指が曲線軌跡(g)で移動しているときのみ、スクロール動作が継続するように設定してもよい。
【0041】
入力面7aの表面を曲線軌跡(g)で摺動させていた指を停止させると、画面のスクロールは停止する。その後に、指を入力面7aから離すことなく曲線軌跡(g)に沿う指の摺動を再開させても、もはや表示内容のスクロール動作は行われない。あるいは、指の停止が所定時間以内である場合は、指が入力面7aから離れない限り、その後の指の曲線軌跡(g)の移動によってスクロール動作を再開させてもよい。
【0042】
なお、曲線軌跡(g)で移動している途中の指が入力面7aから離れたら、スクロール動作は終了する。また、入力面7a上で周回させている指の軌跡の変化が所定の曲率未満となったときもスクロール動作を終了する。
【0043】
同様に、第1の機能領域16のYa側の位置(c)からYb方向へ直線軌跡(d)で、第1の機能領域16から外れることなく且つ所定の距離Ly以上移動させた後に、指を入力面7aから離すことなく継続して、反時計方向の曲線軌跡(h)で移動させたときは、画面の表示内容が下方(Y1方向)へ移動するスクロール動作を継続する。この場合も、直線軌跡(d)のYb方向のベクトルが連続して反時計方向へ所定角度以上(例えば90度以上、または180度以上)回転した後に、さらに指の接触位置の軌跡が所定の曲率以上で変化し続けている場合に、スクロール動作を継続する。
【0044】
次に、入力面7aに触れた指を曲線軌跡(g)で周回させて表示内容をY2方向へスクロールさせている途中で、指を入力面7aから離すことなく、反時計方向への周回動作に切り換えると、表示内容のスクロール方向がY1方向に切り換わる。その後は、入力面7aに触れている指が反時計方向へ回転を継続している限り、Y1方向へのスクロール動作を継続する。このときに、曲線軌跡(g)のベクトルが反時計方向へ所定角度(例えば90度)以上に変化し、その後に曲線軌跡(h)のときと同じ条件を満たしたときに、指の接触位置が反時計方向へ反転したと判断する。
【0045】
なお、時計回りの曲線軌跡(g)から指が止まることなく、または所定時間以上止まることなく、反時計方向へ回転したときに接触位置の軌跡が反時計回りに反転したと判断してスクロール動作を反転させて継続させるが、指が所定時間以上停止したときには、その後に指の周回方向を反転させても、スクロール動作は行われない。
【0046】
同様に、指の接触位置が直線軌跡(d)から反時計回りの曲線軌跡(h)に移行して、表示内容がY1方向へスクロールしているときに、指の接触位置の周回軌跡を時計回りに切り換えると、表示内容のスクロール方向がY2方向に切り換えられる。
【0047】
次に、第2の機能領域17のXb側の位置(d)から直線軌跡(d)で所定距離Lx以上移動した後に、続けて反時計回りの曲線軌跡(i)に移行すると、指が曲線軌跡(i)で周回している間は、表示内容がX2方向へ移動しているスクロール動作を継続する。また、第2の機能領域17のXa側の位置(c)から、直線軌跡(f)でXb方向へ所定距離Lx以上移動した後に、続けて時計回りの曲線軌跡(j)に移行すると、指が曲線軌跡(j)を周回している間は、表示内容がX1方向へ移動しているスクロール動作を継続する。
【0048】
さらに、曲線軌跡(i)の途中で指の周回方向を時計方向へ反転させて逆向きの周回を継続すると、表示内容のスクロール方向がX2方向からX1方向へ反転する。同様に、曲線軌跡(j)の途中で指の周回方向を反時計回りへ反転させて逆向きの周回を継続すると、表示内容のスクロール方向がX1方向からX2方向に切り換わる。このときの条件は、前記曲線軌跡(g)から時計回りへ切り換わるとき、および曲線軌跡(h)から反時計回りへ切り換わるときと同じである。
【0049】
次に、前記入力判定部24の判定処理動作を、図4ないし図10に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0050】
図4ないし図10のフローチャートでは、「ステップ0,1,2,3,・・・」を「ST0,1,2,3,・・・」の符号で示している。
【0051】
図4に示すように、ST0において、パッド入力信号生成部13から入力判定部24に、指が入力面7aに接触している情報が与えられると、処理フローIにおいて、第1の機能領域16でのスクロール操作がなされたか、または第2の機能領域17でのスクロール操作がなされたかが判断される。
【0052】
処理フローIのステップIaにおいて、入力パッド7上での指の接触位置が停止しているときは、図5の処理に移行する。
【0053】
図5に示すST1ないしST3で、それまでの履歴である、スクロール操作フラグやスクロール方向フラグを解除し、また移動累積値などを解除して初期状態とする。ST4で、指の接触位置が第1の機能領域16のYb側の位置(b)または、第1の機能領域16のYa−Ybの中間点であると判断したときはST5に移行する。ST5で縦方向へのスクロールが可能であるフラグがセットされていたら、ST6において、下向き(Ya方向)への縦スクロール動作が可能であることを意味するスクロール方向フラグがセットされる。
【0054】
図5に示すST7で、指の接触位置が第2の機能領域17のXb側の位置(d)または第2の機能領域17のXa−Xbの中間位置であると判断したときは、ST8に移行する。ST8で、横方向へのスクロールが可能であるフラグがセットされていたら、ST9において、右向き(Xa方向)への横スクロール動作が可能であることを意味するスクロール方向フラグがセットされる。
【0055】
ST10で、指の接触位置が図2に示す(c)の位置であると判断されたときは、その後に縦スクロールが行われるか横スクロールが行われるか不明であるため、ST11に移行して準スクロール操作フラグをセットする。
【0056】
図4に示す処理フローIのステップIbにおいて、指が入力面7aから離れたら、図6に示すST12に移行し、スクロール操作フラグを解除する。
【0057】
フローIのステップIcにおいて、指が入力面7aに触れて移動していることが検知されたときは、図7のフローに移行する。
【0058】
図7のフローでは、ST13において、指の接触位置が第1の機能領域16または第2の機能領域17であるか、またはそれ以外の領域であるかを判断する。指の接触位置が第1の機能領域16または第2の機能領域17内であるときは、ST14に移行し、準スクロール操作フラグがセットされているかを判断する。
【0059】
ST14で準スクロール操作フラグがセットされているときは、ST15に移行し、まずスクロール操作フラグとスクロール方向フラグを解除する。ST16で、指の接触位置が第1の機能領域16のYa−Yb方向の中間に移動したと判断したときで、且つST17で縦方向のスクロールが有効であると設定されている場合は、ST18に移行し、Yb方向への縦スクロールを有効とするスクロール操作フラグとスクロール方向フラグをセットする。
【0060】
図7のST14において準スクロール操作フラグがセットされていないときは、ST19に移行する。ST19では、既にスクロール操作フラグがセットされているか否かを判断し、スクロール操作フラグがセットされているときは、図8に示す処理に移行する。
【0061】
図8のST21において、現在縦スクロール動作を行っていると判断したときは、ST22に移行してスクロール方向フラグを一度解除してST23に移行する。ST23において、指の接触位置が第1の機能領域16内にあると判断したら、ST24に移行して、表示内容の縦スクロール操作が有効か否かを判断する。有効であるときはST25に移行して、縦スクロール動作をそのまま継続して行う。ST24で、縦スクロールが有効でないときは、ST26に移行してスクロール操作フラグを解除し、縦スクロール動作を終了する。
【0062】
図8のST27において、縦方向のスクロール動作中に、指の接触位置が第2の機能領域17に移動したときは、ST28に移行する。ST28では、曲線軌跡に移行する前のY方向の移動量がLyを超えているか、ならびに縦スクロール操作から曲線軌跡の操作に移行したと判断できる指の移動(移動ベクトルや軌跡の曲率など)が検知されていて、そのスクロール状態がオペレーティングシステム(OS)22に通知されているかどうかを確認する。ST28で曲線軌跡の操作に移行したと判断できる移動量を検知できているときは、ST29で、曲線軌跡の操作を示すフラグをセットし、ST30で、縦方向のスクロール動作をそのまま継続させる。すなわち、第1の機能領域16が操作されて縦スクロールが行われているときに、指が第2の機能領域17に移動したときも、指の移動が曲線軌跡に至っていると判断したときは、横スクロール動作に移行することなく、縦スクロール動作を継続する。
【0063】
ST28において、指の接触位置が曲線軌跡であると認識できていないときは、ST31に移行して横スクロールが可能な状態であるか否かを判断する。この時点で、入力判定部24は、既にスクロール動作中であると判断しているので、ST31で横スクロールが可能な状態であると判断したら、ST32に移行してスクロール方向を縦方向から横方向に変更する。ST31において横スクロール動作が有効でない場合は、ST33で、スクロール操作フラグを解除し、スクロール動作そのものを終了する。
【0064】
ST21の縦スクロール動作中に、ST23において指の接触位置が第1の機能領域16でないと判断され、ST27において接触位置が第2の機能領域でもないと判断したら、ST34に移行する。ST34では、第1の機能領域16でLy以上の直線移動があった後に、曲線軌跡(g)の操作に移行したと判断できる指の移動(移動ベクトルや軌跡の曲率など)が検知されて、そのスクロール状態がオペレーティングシステム(OS)22に通知されているかどうかを確認する。ST34で曲線軌跡に移動したと判断できているときはST35で曲線軌跡の操作である旨のフラグをセットし、ST36で、曲線軌跡(g)が継続している限り、縦方向のスクロール動作をそのまま継続させる。ST34において、指の接触位置が曲線軌跡であると認識できていないときは、ST37に移行してスクロール動作を終了する。
【0065】
スクロール操作フラグがセットされているときで(ST19)、図8のST21において、縦スクロール操作中でないときは、横方向のスクロール動作中であると判断し、ST22aに移行してスクロール方向フラグを一度解除する。図8に示すST22aないしST37aの各ステップは、ST22ないしST37に示す各ステップにおいて第1の機能領域16と第2の機能領域17とを逆とした動作に相当している。
【0066】
ST22aないしST37aでは、横スクロール動作中に、指の接触位置が第2の機能領域17から第1の機能領域16に移動したときに、曲線軌跡の操作に移行したと判断できる指の移動を検知できて、そのスクロール状態がオペレーティングシステム(OS)22に通知されているときは、曲線軌跡と判断し、横スクロールをそのまま継続する。また、図2の(i)のように、第1の機能領域16と第2の機能領域17のいずれにも属さない領域で曲線軌跡となったと判断したときも、横スクロール動作を継続する。
【0067】
図4のST40において、スクロール動作中と認識しているときは、処理フローIIにおいて、指の接触位置の移動量に伴うスクロール量を累積する計算が行われ、または指の接触位置が曲線軌跡を辿っているときに、その移動量をスクロール量に換算するための処理が行われる。
【0068】
処理フローIIでは、ST41において、スクロール操作開始からの指の接触位置の移動量を累積する。ST42において、指の接触位置が曲線軌跡での移動でないと判断したときは、ST43に移動して、指の直線移動の移動量の積算値を用いてスクロール動作を継続させる。ST42において指の接触位置が曲線軌跡で移動していると判断したときは、図9に示す処理に移行する。
【0069】
図9のST44において、曲線軌跡から換算したスクロール量の累積値が変化したときは、ST45に移行して、曲線軌跡での操作ベクトルを最新の操作ベクトルR0として更新し、ST46で過去の曲線軌跡の操作ベクトルの累積値をリセットする。
【0070】
ST47は、今回得られている指の接触位置の移動量を曲線軌跡の操作量に加算する。ST48において、現在表示内容をY方向へ移動させる縦スクロール処理が行われているときは、ST49に移行して、縦スクロール処理を継続する。ST48において、現在表示内容をX方向へ移動させる横スクロール処理が行われているときは、ST50において横スクロール処理を継続する。
【0071】
ST51では、更新されて保持されている操作ベクトルR0と、現在検出された操作ベクトルの累積値Sとから外積値、すなわち指の移動軌跡のベクトルの変化、例えば曲率を取得する。ST52において、曲率などの外積値がしきい値以上であると判断されると、ST53でベクトルのサイズが取得され、ST54においてベクトルのサイズを縦スクロールの累積値に換算する。
【0072】
ST54とST55において、更新されて保持されている操作ベクトルR0と、現在検出された操作ベクトルとが、所定角度以上違うと判断したら、ST56で曲線軌跡の操作フラグの方向を逆転させST57に移行する。ST55においてベクトルが反転していると判断していないときも、ST57に移行し、縦スクロールの移送量を加算する。
【0073】
ST52において、曲率などの外積値がしきい値以上であると判断されないときは、ST58で指の軌跡の移動量がしきい値以上であるかを判別する。移動量がしきい値以上と判断したら、ST59ないしST62に移行する。ST59ないしST62は、ST54ないしST57の処理と同じである。
【0074】
すなわち、ST52ないしST57において、指の接触位置が所定の曲率以上であるとスクロール動作を継続させるが、ST58ないしST62では、指の接触位置の曲率がしきい値を越えなくても、それまでの軌跡から加算して、結果的に曲線軌跡を辿っていると判断したら、スクロール動作を継続する。
【0075】
図4のST40においてスクロール操作中でないときは、処理フローIIIに移行する。処理フローIIIのST65,66,67では、スクロール動作中と判定できず、またはスクロール動作中に指の接触位置が停止したら、スクロール動作の累積値を解除し、その後に指が移動したときに、移動累積値を新たに加算しなおす。
【0076】
図4に示すST70において、スクロール操作であるか否か未確定のときは、処理フローIVに移行する。処理フローIVでは図10に示す処理が実行される。
【0077】
図10のST71では、指の接触位置が第2の機能領域17であるか否か判断される。ST71で、第2の機能領域17である判断されると、ST72に移行し、指の接触位置の移動量の累積値が縦方向(Y方向)と横方向(X方向)とどちらが大きいか比較される。横方向(X方向)の移動累積値が縦方向(Y方向)値よりも大きいときは、ST73に移行して、横方向の移動累積値がしきい値よりも大きいか否か判断される。横方向の移動累積値がしきい値よりも大きいと、ST74で横方向のスクロール処理であると確定する。ST72において、縦方向の移動累積値が横方向よりも大きい場合で、ST75で、縦方向の移動累積値がしきい値よりも大きいと、ST76でスクロールがキャンセルされる。
【0078】
ST77で指の接触位置が第1の機能領域16であると判断したときは、ST78に移行し、指の接触位置の移動量の累積値が縦方向(Y方向)と横方向(X方向)とどちらが大きいか比較される。縦方向(Y方向)の累積値の方が大きい場合で、ST79において縦方向(Y方向)の移動累積値がしきい値よりも大きければ、ST80で縦方向のスクロール処理であると確定する。ST81で横方向の移動累積値がしきい値よりも大きいと、ST82でスクロール処理がキャンセルされる。
【0079】
図4の処理フローIVでは、ST83でスクロール処理がキャンセルされると、ST84とST85で全てのフラグおよび累積値が解除される。
【0080】
図4のST70で縦方向スクロール処理や横方向スクロール処理が確定しているときは、処理フローVに移行する。
【0081】
図11に示すように、処理フローVでは、ST90において、縦方向と横方向の移動累積値を解除する。ST91で指の接触位置が第2の機能領域17において横スクロールを開始していると判断したら、ST92で、指の接触位置の移動累積値がしきい値(図2の距離Lx)よりも大きいか否かを確認する。ST92でしきい値よりも大きいと判断したら、ST93で、指の接触位置が曲線軌跡であるフラグがセットされているか否か判断する。フラグがセットされているときで且つST94において指が現に曲線軌跡に沿って移動しているときは、ST95で曲線軌跡によるスクロール方向のフラグを確認する。ST96とST97は、スクロール方向フラグで示す方向にしたがって、表示内容の左方向スクロール動作または右方向スクロール動作を継続する。
【0082】
ST93で、指の接触位置が曲線軌跡でないと判断されたときは、ST98に移行し、指のX方向の移動軌跡の累積値が正であるか負であるかを判断し、ST99とST100で、正負の判断にしたがって、表示内容の左方向スクロール動作または右方向スクロール動作を継続する。
【0083】
ST94で曲線軌跡であるフラグがセットされているにもかかわらず、未だST95において、指の接触位置が曲線軌跡に沿って移動していないときは、ST101に移行し、移動軌跡の曲線軌跡の累積値が得られた時点で、その正負にしたがって、ST102,ST104で曲線軌跡の方向フラグを更新し、ST103,ST105において、累積値の正負にしたがって、表示内容の左方向スクロール動作または右方向スクロール動作を継続する。
【0084】
ST106では、曲線軌跡の操作に移行したと判断できたことがオペレーティングシステム(OS)22に通知されて、ST107でスクロール累積値を更新し、次の検知出力を待つ。
【0085】
図11のST91aにおいて、指の接触位置が第1の機能領域16において縦スクロールを開始していると判断したら、ST92aないしST107aに移行する。ST92aないしST107aの処理は、指の接触位置の曲線軌跡によって、スクロール方向が上方向か下方向かを識別するものであり、処理動作は、ST92ないしST107の処理動作と、その向きが横方向か縦方向かが違うだけであり、その他は同種である。
【0086】
図4の処理フローVの後に、ST110で、入力判定部24からオペレーティングシステム(OS)22に操作信号が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の入力処理装置を備えたパーソナルコンピュータの斜視図、
【図2】平面型の入力部材の平面図、
【図3】入力処理装置の回路ブロック図、
【図4】全体の処理動作を示すフローチャート、
【図5】処理フローI内の処理動作を示すフローチャート、
【図6】処理フローI内の処理動作を示すフローチャート、
【図7】処理フローI内の処理動作を示すフローチャート、
【図8】図7に継続する処理フローを示すフローチャート、
【図9】処理フローII内の処理動作を示すフローチャート、
【図10】処理フローIV内の処理動作を示すフローチャート、
【図11】処理フローV内の処理動作を示すフローチャート、
【符号の説明】
【0088】
1 パーソナルコンピュータ
6 表示装置
7 入力パッド
7a 入力面
8 右ボタン
9 左ボタン
12 パッド検知部
13 パッド入力信号生成部
16 第1の機能領域
17 第2の機能領域
22 オペレーティングシステム
24 入力判定部
26 領域設定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面型の入力パッドに触れた指示体を移動させたときに、表示装置に表示されている表示内容を移動させる処理が行われる入力処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータに装備されている入力処理装置として、キーボードやマウスが使用されており、さらにノートブック型のパーソナルコンピュータでは、前記キーボードに併用して入力パッドを有する平面型の入力部材が装備されている。この平面型の入力部材は、人体の指などのように低電位の指示体が入力パッドに接近しまたは接触したときの電極間の静電容量の変化を検知するものである。この静電容量の変化により、座標データを得ることができ、パーソナルコンピュータの制御部では、前記入力部材から得られた座標データに基づいて、外部機器であるマウスが操作されたときと同等の制御信号が生成される。
【0003】
また、最近では表示画面に重ねられて設けられたタブレット型入力装置をペンや指で操作して座標データを入力するパーソナルコンピュータも現れている。
【0004】
以下の各特許文献にも記載されているように、この種の入力処理装置は、平面型の入力パッドに指などを触れて移動させると、入力パッドと重ねて配置された表示装置や入力パッドと別の場所に設けられた表示装置に表示されている内容が、指の移動方向に合わせて移動する処理が行われる。
【0005】
従来の入力処理装置では、入力パッド上に指を触れて一方向へ移動させることにより、表示装置の表示内容を指の移動方向に合わせて移動させることができる。ただし、指の動きを停止させたり、指を入力パッドから離すと、表示内容の移動処理が停止して表示装置の画像が停止する。そのため、表示内容を継続して同じ方向へ移動させるためには、入力パッド上の同じ領域で、指で繰り返して摺動させる必要があった。
【特許文献1】特開2000−163031号公報
【特許文献2】特開2000−163193号公報
【特許文献3】特開2001−265481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、入力パッド上で指などの指示体を移動させて、表示内容を移動させる処理を行っているときに、その後に継続して、指示体の移動軌跡を曲線軌跡としている間は、表示画面の移動が継続するようにして、表示内容の移動処理を簡単な操作で継続して行えるようにした入力処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、入力パッドおよび前記入力パッドに指示体が触れた位置を検知する検知部を有する入力部材と、前記入力部材から得られる入力信号に基づいて表示装置に表示されている表示内容を変更する制御部とが設けられ、
前記制御部で以下の処理が行なわれることを特徴とするものである。
(1)前記入力信号から、指示体が触れている接触位置が、前記入力パッドの予め設定された機能領域であるか否かを判断する。
(2)指示体の接触位置が、前記機能領域内において、処理を有効とする有効方向へ移動していると検知されたときに、前記表示内容を移動させる表示移動処理を実行する。
(3)指示体の接触位置が、前記機能領域内で前記有効方向へ一定の距離以上に移動した後に、これと継続して、前記接触位置が一方向へ連続する曲線軌跡に移行したと判断したときに、前記表示移動処理の実効を継続する。
【0008】
本発明の入力処理装置は、入力パッドの予め設定された機能領域内で、指などの指示体の接触位置が一方向へ所定の距離だけ移動した後に曲線軌跡となったときに、表示移動処理の実施を継続する。よって、指示体を入力パッドから何度も離す必要がなく、継続して表示内容を移動させることができる。また、指示体の動きを止めたり、指示体を入力パッドから離すことで、表示内容の移動を停止させることができ、指示体の動きと表示画面の移動を感覚的に対応させて表示変更処理を行うことが可能である。
【0009】
本明細書の入力パッドは、指などの低電位の指示体が接近し接触したときの静電容量の変化で、指示体が対向している位置を座標データとして出力できるものである。または、入力パッドは、対向する絶縁体の間に抵抗膜などが設けられ、指で絶縁体どうしを部分的に接触させたときに抵抗値の変化を検知して指示体が接触した位置を座標データとして得ることができるものであってもよい。
【0010】
また、入力パッドと表示装置が別の場所に位置し、入力パッドの操作によって表示装置の表示内容が変化させられるものであってもよいし、入力パッドが透明であって表示装置に重ねて設けられているものであってもよい。
【0011】
本発明は、例えば、前記機能領域は、前記入力パッドにおいて上下方向に延びる縦長領域であり、
前記(2)では、前記縦長領域内において、指示体の接触位置が前記有効方向である下方向へ移動したときに、前記表示内容を上方向と下方向のいずれか一方へ移動させる表示移動処理が行われ、指示体の接触位置が前記有効方向である上方向へ移動したときに、前記表示内容を上方向と下方向の他方へ移動させる表示移動処理が行われるものである。
【0012】
この場合に、前記(3)の継続処理では、前記縦長領域内において、指示体の接触位置が、下方向へ一定の距離以上に移動した後に、時計回りの曲線軌跡に移行したときに、前記表示内容の前記一方への移動を継続し、
指示体の接触位置が、上方向へ一定の距離以上に移動した後に、反時計回りの曲線軌跡に移行したときに、前記表示内容の前記他方への移動を継続することが可能である。
【0013】
また本発明は、前記機能領域は、前記入力パッドにおいて左右方向に延びる横長領域であり、
前記(2)では、前記横長領域内において、指示体の接触位置が前記有効方向である右方向へ移動したときに、前記表示内容を右方向と下方向のいずれか一方へ移動させる表示移動処理が行われ、指示体の接触位置が前記有効方向である左方向へ移動したときに、前記表示内容を右方向と左方向の他方へ移動させる表示移動処理が行われる。
【0014】
この場合に、前記(3)の継続処理では、前記横長領域内において、指示体の接触位置が、右方向へ一定の距離以上に移動した後に、反時計回りの曲線軌跡に移行したときに、前記表示内容の前記一方への移動を継続し、
指示体の接触位置が、左方向へ一定の距離以上に移動した後に、時計回りの曲線軌跡に移行したときに、前記表示内容の前記他方への移動を継続することが可能である。
【0015】
また本発明は、前記(3)の継続処理で、指示体の接触位置を時計回りから継続して反時計回りに変えたとき、または反時計回りから継続して時計回りに変えたときに、前記表示内容の移動方向が反転させることが可能である。
【0016】
上記手段では、曲線軌跡の指示体の移動位置を逆方向へ回転させることで、表示内容を双方向へ移動させることができ、表示内容の目標位置へのアクセスが容易になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、入力パッドの機能領域内において、指などの指示体の接触位置が所定距離移動した後にその接触位置が曲線軌跡に移動したときに、表示装置の表示内容を移動させる表示移動処理を継続する。
【0018】
指示体で曲線を描いている間は、ずっと表示内容を動かし続けることができ、指示体の動きを止めたり、指示体を入力パッドから離したときに表示移動処理が停止するため、指示体による操作と表示移動処理を、一体化させた感覚で入力操作を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は本発明の入力処理装置を搭載したノートブック型のパーソナルコンピュータを示す斜視図、図2は平面型の入力部材の平面図である。図3は、入力処理装置の回路ブロック図である。図4ないし図10は入力処理装置の処理動作を示すフローチャートである。
【0020】
図1に示すパーソナルコンピュータ1は、本体部2と蓋体部3とが折り畳み可能に連結されている。本体部2の表面の操作盤に、キーボード装置4と、平面型の入力部材5が設けられている。蓋体部3の手前側の面には、液晶表示パネルで形成された表示装置6が設けられている。
【0021】
図2に拡大して示すように、平面型の入力部材5は、入力パッド7と、その右下に位置している右ボタン8と、左下に位置する左ボタン9とを有している。
【0022】
入力パッド7は平坦面の入力面7aを有している。入力パッド7は、X方向に延びる複数のX電極と、Y方向に延びる複数のY電極とが、絶縁層を挟んで対向しており、また、隣り合うX電極の間にそれぞれ検出電極が設けられている。これら電極が薄い絶縁シートで覆われており、その絶縁シートの表面が前記入力面7aである。入力面7aにほぼ接地電位の導電体の指示体である指が触れると、指と各電極との間に静電容量が形成されるために、指が接近している部分で、検出電極とX電極との間の静電容量が変化し、また検出電極とY電極との間の静電容量が変化する。
【0023】
図3に示すように、入力部材5に設けられた駆動回路11から、X電極に順番にパルス状の電圧が印加され、これとは異なるタイミングでY電極に順番にパルス状の電圧が印加される。いずれかのX電極やY電極にパルス状の電圧が与えられているときにその電極に指示体が接近していると、前記静電容量の変化により、X電極と検出電極との間の電圧またはY電極と検出電極との間の電圧が変化する。この電圧の変化は、検出電極を介してパッド検知部12で検知される。パッド検知部12で、検出電極から電圧の変化を検出するとともに、そのときにどのX電極やY電極に電圧を印加しているかのタイミング情報を得ることで、入力面7aの指の接触位置をX−Y座標上で検出できる。
【0024】
したがって、入力面7aに触れている指を動かすと、その指の移動軌跡をX−Y座標上で検出できる。また、指を入力面7aに素早く接近させて素早く離反させるいわゆるタッピング操作を行ったときには、短時間で電極間の静電容量が変化するため、これをパッド検知部12で検知できる。
【0025】
入力部材5では、パッド検知部12で、入力面7a上の指の接触位置を示すX−Y座標情報が含まれた操作信号が生成されて、パッド入力信号生成部13に与えられる。さらに、右ボタン8の押圧操作で動作させられる右ボタンスイッチ8aの操作信号と、左ボタン9の押圧操作で動作させられる左ボタンスイッチ9aの操作信号(クリック信号)もパッド検知部12で検出されて、その操作情報がパッド入力信号生成部13に与えられる。
【0026】
パッド入力信号生成部13では、パッド検知部12で検出された入力パッド7の操作信号であるX−Y座標情報と、右ボタンスイッチ8aの操作信号および左ボタンスイッチ9aの操作信号とが、所定のバイト数のフォーマットデータ(入力信号)とされて、出力インターフェース14から出力される。出力インターフェース14から出力される入力信号は、パーソナルコンピュータの制御部20に設けられた入力インターフェース21に与えられる。出力インターフェース14と入力インターフェース21はUSBインターフェースなどで接続されている。
【0027】
パーソナルコンピュータ1の制御部20には、各種ソフトウエアが格納されている。制御部20にはオペレーティングシステム(OS)22が格納されている。このオペレーティングシステム22で表示ドライバー23が制御されて、表示装置6に各種情報が表示される。
【0028】
制御部20には、ドキュメントツール25がソフトウエアとしてインストールされている。ドキュメントツール25は、ワードプロセッサの機能を発揮できるもので、辞書ツール27が付随している。ワードプロセッサの機能画面が表示装置6に表示されているときに、キーボードを操作して文字や機能を入力することができ、入力された文字列が表示装置6の画面に表示される。
【0029】
制御部20には、入力判定部24がソフトウエアとしてインストールされており、パッド入力信号生成部13から得られるフォーマットデータ(入力信号)が、前記入力インターフェース21を経て入力判定部24に与えられる。入力判定部24には、入力パッド7の入力面7aの領域を区分して記憶する領域設定部26が付随している。この領域設定部26も入力判定部24と共にソフトウエアとしてインストールされている。
【0030】
領域設定部26に設定される入力面7a上の領域の場所の割り当てや領域の広さ、および領域ごとの機能の振り分けなどは、制御部20を設定メニューモードとし、入力パッド7ならびに右ボタンスイッチ8aと左ボタンスイッチ9aを操作して変更することができる。
【0031】
この実施の形態では、図2に示すように、前記領域設定部26によって、入力面7aに第1の機能領域16と第2の機能領域17が設定されている。第1の機能領域16は、入力面7aのXa側の辺7bに沿ってYa−Yb方向へ一定の幅寸法で延びる縦長領域である。第2の機能領域17は、入力面7aのYa側の辺7cに沿ってXa−Xb方向へ一定の幅寸法で延びる横長領域である。制御部20を前記設定メニューモードに切り換えて入力パッド7などを操作することで、第1の機能領域16の幅寸法と第2の機能領域17の幅寸法を変えることができる。また、第1の機能領域16をXb側の辺に移動したり、第2の機能領域17をYb側の辺に移動させることもできる。
【0032】
入力判定部24では、パッド入力信号生成部13から与えられた入力信号に含まれるX−Y座標情報から、入力パッド7の入力面7aのどの領域に指が触れているかを判別する。指の接触位置が前記第1の機能領域16と第2の機能領域17のいずれでもないと判断したときは、前記入力信号に含まれるX−Y座情報から、外部機器であるマウスを使用して入力信号を生成したときと同等の座標データが生成されてオペレーティングシステム22に通知される。このとき、表示装置6の表示画面に表示されているカーソルが、入力面7aに触れた指の移動方向に倣ってX1−X2方向およびY1−Y2方向へ移動する。この操作で、画面に表示されているファンクションキーやメニューを選択し、タッピング操作や右ボタン8の操作などによって、選択したファンクションキーやメニューを実行させることが可能である。
【0033】
入力判定部24において、入力パッド7の入力面7aの第1の機能領域16または第2の機能領域17に指が触れていると判断したときは、その後の指示体の接触位置の移動状態に応じて、表示移動処理に移行する。
【0034】
表示移動処理では、指示体の接触位置が第1の機能領域16内で上下に移動していることが検出されたときに、入力判定部24から、オペレーティングシステム(OS)22に対して、マウスで画面の右端のスクロールバーを上下に操作したときと同等のスクロール操作信号が与えられる。
【0035】
例えば、図2に示すように、入力面7aの第1の機能領域16のYb側の位置(a)から指の接触位置を直線軌跡(b)でYb方向に移動させると、表示画面の表示内容である画像やワードプロセッサで入力中の文字列が上方(Y2方向)へ移動するスクロール動作が実行される。また、第1の機能領域16のYa側の位置(c)から指の接触位置を直線軌跡(d)でYb方向へ移動させると、画像や文字列が下方(Y1方向)へ移動するスクロール動作が実行される。
【0036】
次に、指示体の接触位置が第2の機能領域17内で左右に移動したときは、入力判定部24から、オペレーティングシステム(OS)22に対して、マウスで画面の下端のスクロールバーを左右に操作したときと同等の操作信号が与えられる。
【0037】
例えば、図2に示すように、入力面7aの第2の機能領域17のXb側の位置(d)から指の接触位置を直線軌跡(e)でXa方向に移動させると、表示画面の表示内容である画像や文字列が左方向(X2方向)へ移動するスクロール動作が実行される。また、第2の機能領域17のXa側の位置(c)から指の接触位置を直線軌跡(f)でXb方向へ移動させると、画像や文字列が右方向(X1方向)へ移動するスクロール動作が実行される。
【0038】
次に、第1の機能領域16のYb側の位置(a)に触れた指を直線軌跡(b)でYa方向へ移動させて、画像や文字列のY2方向へのスクロール動作を開始した後に、指を第1の機能領域16から外れることなく所定距離Ly以上移動させ、さらに指を入力面7aから離すことなく且つ指を止めることなく時計回りの曲線軌跡(g)で連続的に周回させると、直線軌跡(b)で設定されたスクロール動作がそのまま継続する。すなわち、入力判別部24からオペレーティングシステム(OS)22に対して、マウスで画面の右端のスクロールバーを下方向へ操作したときと同等の操作信号が与え続けられる。
【0039】
入力面7aの指の接触位置が曲線軌跡(g)に移行したか否かは、直線軌跡(b)のベクトルが時計方向へ連続して所定角度以上(例えば90度以上、または180度以上)回転した後に、さらに指の接触位置が所定の曲率以上で変化し続けているか否かを監視することで判別される。したがって、通常は、曲線軌跡(g)の直径が常に変化しないように指を周回させることが好ましいが、指の接触位置が予め決められた曲率以上で変化している限りは、曲線軌跡(g)の曲率が途中で変化しても、画面のスクロール動作は継続される。
【0040】
曲線軌跡(g)は、第1の機能領域16と第2の機能領域17のいずれにも属さない領域のみでの指の移動に限定してもよいし、または入力面7aのどの箇所であっても指が曲線軌跡(g)で移動している限りは、スクロール動作が継続するように設定されてもよい。また、第1の機能領域16が広く設定されているときは、第1の機能領域16の内部で指が曲線軌跡(g)で移動しているときのみ、スクロール動作が継続するように設定してもよい。
【0041】
入力面7aの表面を曲線軌跡(g)で摺動させていた指を停止させると、画面のスクロールは停止する。その後に、指を入力面7aから離すことなく曲線軌跡(g)に沿う指の摺動を再開させても、もはや表示内容のスクロール動作は行われない。あるいは、指の停止が所定時間以内である場合は、指が入力面7aから離れない限り、その後の指の曲線軌跡(g)の移動によってスクロール動作を再開させてもよい。
【0042】
なお、曲線軌跡(g)で移動している途中の指が入力面7aから離れたら、スクロール動作は終了する。また、入力面7a上で周回させている指の軌跡の変化が所定の曲率未満となったときもスクロール動作を終了する。
【0043】
同様に、第1の機能領域16のYa側の位置(c)からYb方向へ直線軌跡(d)で、第1の機能領域16から外れることなく且つ所定の距離Ly以上移動させた後に、指を入力面7aから離すことなく継続して、反時計方向の曲線軌跡(h)で移動させたときは、画面の表示内容が下方(Y1方向)へ移動するスクロール動作を継続する。この場合も、直線軌跡(d)のYb方向のベクトルが連続して反時計方向へ所定角度以上(例えば90度以上、または180度以上)回転した後に、さらに指の接触位置の軌跡が所定の曲率以上で変化し続けている場合に、スクロール動作を継続する。
【0044】
次に、入力面7aに触れた指を曲線軌跡(g)で周回させて表示内容をY2方向へスクロールさせている途中で、指を入力面7aから離すことなく、反時計方向への周回動作に切り換えると、表示内容のスクロール方向がY1方向に切り換わる。その後は、入力面7aに触れている指が反時計方向へ回転を継続している限り、Y1方向へのスクロール動作を継続する。このときに、曲線軌跡(g)のベクトルが反時計方向へ所定角度(例えば90度)以上に変化し、その後に曲線軌跡(h)のときと同じ条件を満たしたときに、指の接触位置が反時計方向へ反転したと判断する。
【0045】
なお、時計回りの曲線軌跡(g)から指が止まることなく、または所定時間以上止まることなく、反時計方向へ回転したときに接触位置の軌跡が反時計回りに反転したと判断してスクロール動作を反転させて継続させるが、指が所定時間以上停止したときには、その後に指の周回方向を反転させても、スクロール動作は行われない。
【0046】
同様に、指の接触位置が直線軌跡(d)から反時計回りの曲線軌跡(h)に移行して、表示内容がY1方向へスクロールしているときに、指の接触位置の周回軌跡を時計回りに切り換えると、表示内容のスクロール方向がY2方向に切り換えられる。
【0047】
次に、第2の機能領域17のXb側の位置(d)から直線軌跡(d)で所定距離Lx以上移動した後に、続けて反時計回りの曲線軌跡(i)に移行すると、指が曲線軌跡(i)で周回している間は、表示内容がX2方向へ移動しているスクロール動作を継続する。また、第2の機能領域17のXa側の位置(c)から、直線軌跡(f)でXb方向へ所定距離Lx以上移動した後に、続けて時計回りの曲線軌跡(j)に移行すると、指が曲線軌跡(j)を周回している間は、表示内容がX1方向へ移動しているスクロール動作を継続する。
【0048】
さらに、曲線軌跡(i)の途中で指の周回方向を時計方向へ反転させて逆向きの周回を継続すると、表示内容のスクロール方向がX2方向からX1方向へ反転する。同様に、曲線軌跡(j)の途中で指の周回方向を反時計回りへ反転させて逆向きの周回を継続すると、表示内容のスクロール方向がX1方向からX2方向に切り換わる。このときの条件は、前記曲線軌跡(g)から時計回りへ切り換わるとき、および曲線軌跡(h)から反時計回りへ切り換わるときと同じである。
【0049】
次に、前記入力判定部24の判定処理動作を、図4ないし図10に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0050】
図4ないし図10のフローチャートでは、「ステップ0,1,2,3,・・・」を「ST0,1,2,3,・・・」の符号で示している。
【0051】
図4に示すように、ST0において、パッド入力信号生成部13から入力判定部24に、指が入力面7aに接触している情報が与えられると、処理フローIにおいて、第1の機能領域16でのスクロール操作がなされたか、または第2の機能領域17でのスクロール操作がなされたかが判断される。
【0052】
処理フローIのステップIaにおいて、入力パッド7上での指の接触位置が停止しているときは、図5の処理に移行する。
【0053】
図5に示すST1ないしST3で、それまでの履歴である、スクロール操作フラグやスクロール方向フラグを解除し、また移動累積値などを解除して初期状態とする。ST4で、指の接触位置が第1の機能領域16のYb側の位置(b)または、第1の機能領域16のYa−Ybの中間点であると判断したときはST5に移行する。ST5で縦方向へのスクロールが可能であるフラグがセットされていたら、ST6において、下向き(Ya方向)への縦スクロール動作が可能であることを意味するスクロール方向フラグがセットされる。
【0054】
図5に示すST7で、指の接触位置が第2の機能領域17のXb側の位置(d)または第2の機能領域17のXa−Xbの中間位置であると判断したときは、ST8に移行する。ST8で、横方向へのスクロールが可能であるフラグがセットされていたら、ST9において、右向き(Xa方向)への横スクロール動作が可能であることを意味するスクロール方向フラグがセットされる。
【0055】
ST10で、指の接触位置が図2に示す(c)の位置であると判断されたときは、その後に縦スクロールが行われるか横スクロールが行われるか不明であるため、ST11に移行して準スクロール操作フラグをセットする。
【0056】
図4に示す処理フローIのステップIbにおいて、指が入力面7aから離れたら、図6に示すST12に移行し、スクロール操作フラグを解除する。
【0057】
フローIのステップIcにおいて、指が入力面7aに触れて移動していることが検知されたときは、図7のフローに移行する。
【0058】
図7のフローでは、ST13において、指の接触位置が第1の機能領域16または第2の機能領域17であるか、またはそれ以外の領域であるかを判断する。指の接触位置が第1の機能領域16または第2の機能領域17内であるときは、ST14に移行し、準スクロール操作フラグがセットされているかを判断する。
【0059】
ST14で準スクロール操作フラグがセットされているときは、ST15に移行し、まずスクロール操作フラグとスクロール方向フラグを解除する。ST16で、指の接触位置が第1の機能領域16のYa−Yb方向の中間に移動したと判断したときで、且つST17で縦方向のスクロールが有効であると設定されている場合は、ST18に移行し、Yb方向への縦スクロールを有効とするスクロール操作フラグとスクロール方向フラグをセットする。
【0060】
図7のST14において準スクロール操作フラグがセットされていないときは、ST19に移行する。ST19では、既にスクロール操作フラグがセットされているか否かを判断し、スクロール操作フラグがセットされているときは、図8に示す処理に移行する。
【0061】
図8のST21において、現在縦スクロール動作を行っていると判断したときは、ST22に移行してスクロール方向フラグを一度解除してST23に移行する。ST23において、指の接触位置が第1の機能領域16内にあると判断したら、ST24に移行して、表示内容の縦スクロール操作が有効か否かを判断する。有効であるときはST25に移行して、縦スクロール動作をそのまま継続して行う。ST24で、縦スクロールが有効でないときは、ST26に移行してスクロール操作フラグを解除し、縦スクロール動作を終了する。
【0062】
図8のST27において、縦方向のスクロール動作中に、指の接触位置が第2の機能領域17に移動したときは、ST28に移行する。ST28では、曲線軌跡に移行する前のY方向の移動量がLyを超えているか、ならびに縦スクロール操作から曲線軌跡の操作に移行したと判断できる指の移動(移動ベクトルや軌跡の曲率など)が検知されていて、そのスクロール状態がオペレーティングシステム(OS)22に通知されているかどうかを確認する。ST28で曲線軌跡の操作に移行したと判断できる移動量を検知できているときは、ST29で、曲線軌跡の操作を示すフラグをセットし、ST30で、縦方向のスクロール動作をそのまま継続させる。すなわち、第1の機能領域16が操作されて縦スクロールが行われているときに、指が第2の機能領域17に移動したときも、指の移動が曲線軌跡に至っていると判断したときは、横スクロール動作に移行することなく、縦スクロール動作を継続する。
【0063】
ST28において、指の接触位置が曲線軌跡であると認識できていないときは、ST31に移行して横スクロールが可能な状態であるか否かを判断する。この時点で、入力判定部24は、既にスクロール動作中であると判断しているので、ST31で横スクロールが可能な状態であると判断したら、ST32に移行してスクロール方向を縦方向から横方向に変更する。ST31において横スクロール動作が有効でない場合は、ST33で、スクロール操作フラグを解除し、スクロール動作そのものを終了する。
【0064】
ST21の縦スクロール動作中に、ST23において指の接触位置が第1の機能領域16でないと判断され、ST27において接触位置が第2の機能領域でもないと判断したら、ST34に移行する。ST34では、第1の機能領域16でLy以上の直線移動があった後に、曲線軌跡(g)の操作に移行したと判断できる指の移動(移動ベクトルや軌跡の曲率など)が検知されて、そのスクロール状態がオペレーティングシステム(OS)22に通知されているかどうかを確認する。ST34で曲線軌跡に移動したと判断できているときはST35で曲線軌跡の操作である旨のフラグをセットし、ST36で、曲線軌跡(g)が継続している限り、縦方向のスクロール動作をそのまま継続させる。ST34において、指の接触位置が曲線軌跡であると認識できていないときは、ST37に移行してスクロール動作を終了する。
【0065】
スクロール操作フラグがセットされているときで(ST19)、図8のST21において、縦スクロール操作中でないときは、横方向のスクロール動作中であると判断し、ST22aに移行してスクロール方向フラグを一度解除する。図8に示すST22aないしST37aの各ステップは、ST22ないしST37に示す各ステップにおいて第1の機能領域16と第2の機能領域17とを逆とした動作に相当している。
【0066】
ST22aないしST37aでは、横スクロール動作中に、指の接触位置が第2の機能領域17から第1の機能領域16に移動したときに、曲線軌跡の操作に移行したと判断できる指の移動を検知できて、そのスクロール状態がオペレーティングシステム(OS)22に通知されているときは、曲線軌跡と判断し、横スクロールをそのまま継続する。また、図2の(i)のように、第1の機能領域16と第2の機能領域17のいずれにも属さない領域で曲線軌跡となったと判断したときも、横スクロール動作を継続する。
【0067】
図4のST40において、スクロール動作中と認識しているときは、処理フローIIにおいて、指の接触位置の移動量に伴うスクロール量を累積する計算が行われ、または指の接触位置が曲線軌跡を辿っているときに、その移動量をスクロール量に換算するための処理が行われる。
【0068】
処理フローIIでは、ST41において、スクロール操作開始からの指の接触位置の移動量を累積する。ST42において、指の接触位置が曲線軌跡での移動でないと判断したときは、ST43に移動して、指の直線移動の移動量の積算値を用いてスクロール動作を継続させる。ST42において指の接触位置が曲線軌跡で移動していると判断したときは、図9に示す処理に移行する。
【0069】
図9のST44において、曲線軌跡から換算したスクロール量の累積値が変化したときは、ST45に移行して、曲線軌跡での操作ベクトルを最新の操作ベクトルR0として更新し、ST46で過去の曲線軌跡の操作ベクトルの累積値をリセットする。
【0070】
ST47は、今回得られている指の接触位置の移動量を曲線軌跡の操作量に加算する。ST48において、現在表示内容をY方向へ移動させる縦スクロール処理が行われているときは、ST49に移行して、縦スクロール処理を継続する。ST48において、現在表示内容をX方向へ移動させる横スクロール処理が行われているときは、ST50において横スクロール処理を継続する。
【0071】
ST51では、更新されて保持されている操作ベクトルR0と、現在検出された操作ベクトルの累積値Sとから外積値、すなわち指の移動軌跡のベクトルの変化、例えば曲率を取得する。ST52において、曲率などの外積値がしきい値以上であると判断されると、ST53でベクトルのサイズが取得され、ST54においてベクトルのサイズを縦スクロールの累積値に換算する。
【0072】
ST54とST55において、更新されて保持されている操作ベクトルR0と、現在検出された操作ベクトルとが、所定角度以上違うと判断したら、ST56で曲線軌跡の操作フラグの方向を逆転させST57に移行する。ST55においてベクトルが反転していると判断していないときも、ST57に移行し、縦スクロールの移送量を加算する。
【0073】
ST52において、曲率などの外積値がしきい値以上であると判断されないときは、ST58で指の軌跡の移動量がしきい値以上であるかを判別する。移動量がしきい値以上と判断したら、ST59ないしST62に移行する。ST59ないしST62は、ST54ないしST57の処理と同じである。
【0074】
すなわち、ST52ないしST57において、指の接触位置が所定の曲率以上であるとスクロール動作を継続させるが、ST58ないしST62では、指の接触位置の曲率がしきい値を越えなくても、それまでの軌跡から加算して、結果的に曲線軌跡を辿っていると判断したら、スクロール動作を継続する。
【0075】
図4のST40においてスクロール操作中でないときは、処理フローIIIに移行する。処理フローIIIのST65,66,67では、スクロール動作中と判定できず、またはスクロール動作中に指の接触位置が停止したら、スクロール動作の累積値を解除し、その後に指が移動したときに、移動累積値を新たに加算しなおす。
【0076】
図4に示すST70において、スクロール操作であるか否か未確定のときは、処理フローIVに移行する。処理フローIVでは図10に示す処理が実行される。
【0077】
図10のST71では、指の接触位置が第2の機能領域17であるか否か判断される。ST71で、第2の機能領域17である判断されると、ST72に移行し、指の接触位置の移動量の累積値が縦方向(Y方向)と横方向(X方向)とどちらが大きいか比較される。横方向(X方向)の移動累積値が縦方向(Y方向)値よりも大きいときは、ST73に移行して、横方向の移動累積値がしきい値よりも大きいか否か判断される。横方向の移動累積値がしきい値よりも大きいと、ST74で横方向のスクロール処理であると確定する。ST72において、縦方向の移動累積値が横方向よりも大きい場合で、ST75で、縦方向の移動累積値がしきい値よりも大きいと、ST76でスクロールがキャンセルされる。
【0078】
ST77で指の接触位置が第1の機能領域16であると判断したときは、ST78に移行し、指の接触位置の移動量の累積値が縦方向(Y方向)と横方向(X方向)とどちらが大きいか比較される。縦方向(Y方向)の累積値の方が大きい場合で、ST79において縦方向(Y方向)の移動累積値がしきい値よりも大きければ、ST80で縦方向のスクロール処理であると確定する。ST81で横方向の移動累積値がしきい値よりも大きいと、ST82でスクロール処理がキャンセルされる。
【0079】
図4の処理フローIVでは、ST83でスクロール処理がキャンセルされると、ST84とST85で全てのフラグおよび累積値が解除される。
【0080】
図4のST70で縦方向スクロール処理や横方向スクロール処理が確定しているときは、処理フローVに移行する。
【0081】
図11に示すように、処理フローVでは、ST90において、縦方向と横方向の移動累積値を解除する。ST91で指の接触位置が第2の機能領域17において横スクロールを開始していると判断したら、ST92で、指の接触位置の移動累積値がしきい値(図2の距離Lx)よりも大きいか否かを確認する。ST92でしきい値よりも大きいと判断したら、ST93で、指の接触位置が曲線軌跡であるフラグがセットされているか否か判断する。フラグがセットされているときで且つST94において指が現に曲線軌跡に沿って移動しているときは、ST95で曲線軌跡によるスクロール方向のフラグを確認する。ST96とST97は、スクロール方向フラグで示す方向にしたがって、表示内容の左方向スクロール動作または右方向スクロール動作を継続する。
【0082】
ST93で、指の接触位置が曲線軌跡でないと判断されたときは、ST98に移行し、指のX方向の移動軌跡の累積値が正であるか負であるかを判断し、ST99とST100で、正負の判断にしたがって、表示内容の左方向スクロール動作または右方向スクロール動作を継続する。
【0083】
ST94で曲線軌跡であるフラグがセットされているにもかかわらず、未だST95において、指の接触位置が曲線軌跡に沿って移動していないときは、ST101に移行し、移動軌跡の曲線軌跡の累積値が得られた時点で、その正負にしたがって、ST102,ST104で曲線軌跡の方向フラグを更新し、ST103,ST105において、累積値の正負にしたがって、表示内容の左方向スクロール動作または右方向スクロール動作を継続する。
【0084】
ST106では、曲線軌跡の操作に移行したと判断できたことがオペレーティングシステム(OS)22に通知されて、ST107でスクロール累積値を更新し、次の検知出力を待つ。
【0085】
図11のST91aにおいて、指の接触位置が第1の機能領域16において縦スクロールを開始していると判断したら、ST92aないしST107aに移行する。ST92aないしST107aの処理は、指の接触位置の曲線軌跡によって、スクロール方向が上方向か下方向かを識別するものであり、処理動作は、ST92ないしST107の処理動作と、その向きが横方向か縦方向かが違うだけであり、その他は同種である。
【0086】
図4の処理フローVの後に、ST110で、入力判定部24からオペレーティングシステム(OS)22に操作信号が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の入力処理装置を備えたパーソナルコンピュータの斜視図、
【図2】平面型の入力部材の平面図、
【図3】入力処理装置の回路ブロック図、
【図4】全体の処理動作を示すフローチャート、
【図5】処理フローI内の処理動作を示すフローチャート、
【図6】処理フローI内の処理動作を示すフローチャート、
【図7】処理フローI内の処理動作を示すフローチャート、
【図8】図7に継続する処理フローを示すフローチャート、
【図9】処理フローII内の処理動作を示すフローチャート、
【図10】処理フローIV内の処理動作を示すフローチャート、
【図11】処理フローV内の処理動作を示すフローチャート、
【符号の説明】
【0088】
1 パーソナルコンピュータ
6 表示装置
7 入力パッド
7a 入力面
8 右ボタン
9 左ボタン
12 パッド検知部
13 パッド入力信号生成部
16 第1の機能領域
17 第2の機能領域
22 オペレーティングシステム
24 入力判定部
26 領域設定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力パッドおよび前記入力パッドに指示体が触れた位置を検知する検知部を有する入力部材と、前記入力部材から得られる入力信号に基づいて表示装置に表示されている表示内容を変更する制御部とが設けられ、
前記制御部で以下の処理が行なわれることを特徴とする入力処理装置。
(1)前記入力信号から、指示体が触れている接触位置が、前記入力パッドの予め設定された機能領域であるか否かを判断する。
(2)指示体の接触位置が、前記機能領域内において、処理を有効とする有効方向へ移動していると検知されたときに、前記表示内容を移動させる表示移動処理を実行する。
(3)指示体の接触位置が、前記機能領域内で前記有効方向へ一定の距離以上に移動した後に、これと継続して、前記接触位置が一方向へ連続する曲線軌跡に移行したと判断したときに、前記表示移動処理の実効を継続する。
【請求項2】
前記機能領域は、前記入力パッドにおいて上下方向に延びる縦長領域であり、
前記(2)では、前記縦長領域内において、指示体の接触位置が前記有効方向である下方向へ移動したときに、前記表示内容を上方向と下方向のいずれか一方へ移動させる表示移動処理が行われ、指示体の接触位置が前記有効方向である上方向へ移動したときに、前記表示内容を上方向と下方向の他方へ移動させる表示移動処理が行われる請求項1記載の入力処理装置。
【請求項3】
前記(3)の継続処理では、前記縦長領域内において、指示体の接触位置が、下方向へ一定の距離以上に移動した後に、時計回りの曲線軌跡に移行したときに、前記表示内容の前記一方への移動を継続し、
指示体の接触位置が、上方向へ一定の距離以上に移動した後に、反時計回りの曲線軌跡に移行したときに、前記表示内容の前記他方への移動を継続する請求項2記載の入力処理装置。
【請求項4】
前記機能領域は、前記入力パッドにおいて左右方向に延びる横長領域であり、
前記(2)では、前記横長領域内において、指示体の接触位置が前記有効方向である右方向へ移動したときに、前記表示内容を右方向と下方向のいずれか一方へ移動させる表示移動処理が行われ、指示体の接触位置が前記有効方向である左方向へ移動したときに、前記表示内容を右方向と左方向の他方へ移動させる表示移動処理が行われる請求項1ないし3のいずれかに記載の入力処理装置。
【請求項5】
前記(3)の継続処理では、前記横長領域内において、指示体の接触位置が、右方向へ一定の距離以上に移動した後に、反時計回りの曲線軌跡に移行したときに、前記表示内容の前記一方への移動を継続し、
指示体の接触位置が、左方向へ一定の距離以上に移動した後に、時計回りの曲線軌跡に移行したときに、前記表示内容の前記他方への移動を継続する請求項4記載の入力処理装置。
【請求項6】
前記(3)の継続処理で、指示体の接触位置を時計回りから継続して反時計回りに変えたとき、または反時計回りから継続して時計回りに変えたときに、前記表示内容の移動方向が反転する請求項2ないし5のいずれかに記載の入力処理装置。
【請求項1】
入力パッドおよび前記入力パッドに指示体が触れた位置を検知する検知部を有する入力部材と、前記入力部材から得られる入力信号に基づいて表示装置に表示されている表示内容を変更する制御部とが設けられ、
前記制御部で以下の処理が行なわれることを特徴とする入力処理装置。
(1)前記入力信号から、指示体が触れている接触位置が、前記入力パッドの予め設定された機能領域であるか否かを判断する。
(2)指示体の接触位置が、前記機能領域内において、処理を有効とする有効方向へ移動していると検知されたときに、前記表示内容を移動させる表示移動処理を実行する。
(3)指示体の接触位置が、前記機能領域内で前記有効方向へ一定の距離以上に移動した後に、これと継続して、前記接触位置が一方向へ連続する曲線軌跡に移行したと判断したときに、前記表示移動処理の実効を継続する。
【請求項2】
前記機能領域は、前記入力パッドにおいて上下方向に延びる縦長領域であり、
前記(2)では、前記縦長領域内において、指示体の接触位置が前記有効方向である下方向へ移動したときに、前記表示内容を上方向と下方向のいずれか一方へ移動させる表示移動処理が行われ、指示体の接触位置が前記有効方向である上方向へ移動したときに、前記表示内容を上方向と下方向の他方へ移動させる表示移動処理が行われる請求項1記載の入力処理装置。
【請求項3】
前記(3)の継続処理では、前記縦長領域内において、指示体の接触位置が、下方向へ一定の距離以上に移動した後に、時計回りの曲線軌跡に移行したときに、前記表示内容の前記一方への移動を継続し、
指示体の接触位置が、上方向へ一定の距離以上に移動した後に、反時計回りの曲線軌跡に移行したときに、前記表示内容の前記他方への移動を継続する請求項2記載の入力処理装置。
【請求項4】
前記機能領域は、前記入力パッドにおいて左右方向に延びる横長領域であり、
前記(2)では、前記横長領域内において、指示体の接触位置が前記有効方向である右方向へ移動したときに、前記表示内容を右方向と下方向のいずれか一方へ移動させる表示移動処理が行われ、指示体の接触位置が前記有効方向である左方向へ移動したときに、前記表示内容を右方向と左方向の他方へ移動させる表示移動処理が行われる請求項1ないし3のいずれかに記載の入力処理装置。
【請求項5】
前記(3)の継続処理では、前記横長領域内において、指示体の接触位置が、右方向へ一定の距離以上に移動した後に、反時計回りの曲線軌跡に移行したときに、前記表示内容の前記一方への移動を継続し、
指示体の接触位置が、左方向へ一定の距離以上に移動した後に、時計回りの曲線軌跡に移行したときに、前記表示内容の前記他方への移動を継続する請求項4記載の入力処理装置。
【請求項6】
前記(3)の継続処理で、指示体の接触位置を時計回りから継続して反時計回りに変えたとき、または反時計回りから継続して時計回りに変えたときに、前記表示内容の移動方向が反転する請求項2ないし5のいずれかに記載の入力処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−182197(P2010−182197A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−26601(P2009−26601)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】
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