説明

入力制御装置、入力制御方法、及び入力制御プログラム

【課題】娯楽性の高いゲーム制御技術を提供する。
【解決手段】ゲーム装置10は、表示装置68の表示画面に複数の表示対象を表示する表示制御部43と、表示画面に対する入力を検知可能なタッチパネル69又は背面タッチパネル70から、入力の位置を取得する入力取得部41と、入力取得部41により取得された第1の入力の位置に対応する表示画面の位置を基準位置に設定し、入力取得部41により取得された第2の入力に応じて、基準位置を中心として表示画面に表示された表示対象を変形させる変形制御部45とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力制御技術に関し、とくに、表示装置の表示画面に対する入力を受け付けて表示対象を操作する入力制御装置、入力制御方法、及び入力制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルを備えたスマートフォンや携帯型ゲーム装置が広く普及しており、多くのユーザは、タップ入力、フリック入力、スワイプ入力、ドラッグ入力、ピンチ入力などのタッチパネルに対する基本的な入力操作に習熟してきている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、今後さらにスマートフォンや携帯型ゲーム装置などが普及することが予想される中、より分かりやすく、操作性の良い入力方法を提供する技術が求められる。
【0004】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、より利便性の高い入力制御技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様は、入力制御プログラムに関する。この入力制御プログラムは、コンピュータを、表示装置の表示画面に複数の表示対象を表示する表示制御部、前記表示画面に対する入力を検知可能な入力装置から、前記入力の位置を取得する取得部、前記取得部により取得された第1の入力の位置に対応する前記表示画面の位置を基準位置に設定し、前記取得部により取得された第2の入力に応じて、前記基準位置を中心として前記表示画面に表示された表示対象を変形させる変形制御部、として機能させる。
【0006】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より利便性の高い入力制御技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態に係るゲーム装置の外観を示す図である。
【図2】実施の形態に係るゲーム装置の外観を示す図である。
【図3】実施の形態に係るゲーム装置の構成を示す図である。
【図4】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図5】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図6】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図7】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図8】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図9】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図10】本実施の形態に係る入力制御方法の手順を示すフローチャートである。
【図11】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図12】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図13】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図14】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図15】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図16】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図17】本実施の形態に係る入力制御方法の手順を示すフローチャートである。
【図18】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図19】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図20】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図21】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図22】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図23】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図24】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図25】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図26】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図27】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図28】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図29】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図30】表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す図である。
【図31】本実施の形態に係る入力制御方法の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態に係る入力制御装置は、表示装置の表示画面に併設されたタッチパネルと、裏面に配設された背面タッチパネルとを有しており、タッチパネルや背面タッチパネルなどに対する入力に応じて、表示装置に表示される表示対象の移動、変形、切替を制御する。実施の形態においては、入力制御装置の例として、ゲーム装置について説明する。
【0010】
図1及び図2は、実施の形態に係るゲーム装置10の外観を示す。図1及び図2に示すゲーム装置10は、プレイヤーが把持して使用する携帯型のゲーム装置である。図1に示すように、ゲーム装置10の表側、すなわち、プレイヤーがゲーム装置10を把持して操作するときにプレイヤーに面する側には、方向キー21、ボタン22、左アナログスティック23、右アナログスティック24、左ボタン25、右ボタン26などの入力装置20と、表示装置68と、前面カメラ71とが備えられている。表示装置68には、プレイヤーの指やスタイラスペンなどによる接触を検知するためのタッチパネル69が併設されている。ボタン22は、○ボタン31、△ボタン32、□ボタン33、及び×ボタン34を含む。
【0011】
図2に示すように、ゲーム装置10の裏側には、背面タッチパネル70と背面カメラ72が備えられている。ゲーム装置10の裏側にも、表側と同様に表示装置を設けてもよいが、本実施の形態では、ゲーム装置10の裏側には表示装置を設けずに、背面タッチパネル70のみを設ける。
【0012】
プレイヤーは、ゲーム装置10を両手で把持した状態で、例えば、右手親指でボタン22を操作し、左手親指で方向キー21を操作し、右手人差し指又は中指で右ボタン26を操作し、左手人差し指又は中指で左ボタン25を操作し、両手の親指でタッチパネル69を操作し、両手の薬指又は小指で背面タッチパネル70を操作することができる。スタイラスペンなどを用いる場合は、例えば、ゲーム装置10を左手で把持した状態で、右手でスタイラスペン又は人差し指によりタッチパネル69及びボタン22を操作し、左手親指で方向キー21を操作し、左手人差し指又は中指で左ボタン25を操作し、左手薬指又は小指で背面タッチパネル70を操作することができる。
【0013】
図3は、実施の形態に係るゲーム装置10の構成を示す。ゲーム装置10は、入力装置20、制御部40、データ保持部60、画面生成部66、表示装置68、タッチパネル69、背面タッチパネル70、前面カメラ71、背面カメラ72、3軸ジャイロセンサ75、及び3軸加速度センサ76を備える。これらの構成は、ハードウエアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0014】
タッチパネル69は、マトリクス・スイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式など、任意の方式のタッチパネルであってもよい。タッチパネル69は、入力を検知した位置の座標を所定の周期で出力する。
【0015】
背面タッチパネル70も、任意の方式のタッチパネルであってもよい。背面タッチパネル70は、背面タッチパネル70に対する押圧の圧力を検知可能な感圧センサを備えてもよいし、入力を検知した領域の面積、電圧値、静電容量などに基づいて入力の強度を算出してもよい。背面タッチパネル70は、入力を検知した位置の座標及び入力の強度(圧力)を所定の周期で出力する。
【0016】
前面カメラ71は、ゲーム装置10の表側の画像を撮像する。背面カメラ72は、ゲーム装置10の裏側の画像を撮像する。
【0017】
3軸ジャイロセンサ75は、ゲーム装置10のXZ平面、ZY平面、YX平面における角速度を検知する。3軸ジャイロセンサ75は、回転型又は振動型の機械式ジャイロセンサであってもよいし、流体式又は光学式のジャイロセンサであってもよい。3軸ジャイロセンサ75により検知された3軸の周りの角速度を積分することにより、3軸の周りの回転量を算出することができる。
【0018】
3軸加速度センサ76は、梁に支持された錘を内蔵し、加速による錘の位置変化を検知することにより、ゲーム装置10のXYZの3軸方向の加速度を検知する。3軸加速度センサ76は、機械式、光学式、又は半導体式の加速度センサであってもよい。3軸加速度センサ76により、重力加速度の方向とゲーム装置10のXYZの3軸の方向との相対角度を検知することができるので、ゲーム装置10の姿勢を算出することができる。また、3軸の方向の加速度を積分することにより速度を算出することができ、さらに積分することにより移動量を算出することができる。
【0019】
制御部40は、ゲームなどのアプリケーションのプログラムが格納されたデータ保持部60などからプログラムを読み出して実行し、プレイヤーからの操作入力に基づいて、プログラムを実行する。データ保持部60は、プログラムや各種のデータファイルなどを保持する。画面生成部66は、制御部40により制御されるアプリケーションなどの画面を生成し、表示装置68に表示させる。
【0020】
制御部40は、入力取得部41、アプリケーション42、表示制御部43、移動制御部44、変形制御部45、及び切替制御部46を備える。
【0021】
入力取得部41は、タッチパネル69及び背面タッチパネル70から、入力を検知した位置の表示画面における座標を取得する。入力取得部41は、タッチパネル69及び背面タッチパネル70が検知した情報を取得し、取得した入力が、フリック入力、スワイプ入力、ドラッグ入力、ピンチ入力など、方向を指示するための入力に該当するか否かを判定してもよい。または、図示しないデバイスドライバなどが、フリック入力、スワイプ入力、ドラッグ入力、ピンチ入力などに該当するか否かを判定し、入力取得部41は、デバイスドライバなどから判定結果を取得してもよい。一般に、ドラッグ入力は、指でタッチパネルにタッチした後、タッチしたまま指を移動させる操作であり、スワイプ入力は、指でタッチパネルにタッチした後、タッチしたまま指を特定の方向に移動させる操作であり、フリック入力は、指でタッチパネルにタッチした後、所定値以上の速度で指を移動させ、そのまま指をリリースさせる操作である。以下に説明する機能においては、フリック入力、スワイプ入力、ドラッグ入力、ピンチ入力などのいずれの操作入力によって入力方向を取得してもよいので、それらをとくに区別せずに「方向指示入力」と呼ぶ。もちろん、実装において、いずれかの操作入力に限定して機能をアサインしてもよい。アプリケーション42は、ゲームなどのプログラムを実行して、各種の機能を提供する。表示制御部43は、アプリケーション42により生成される表示画面の表示を制御する。
【0022】
移動制御部44は、表示装置の表示画面に表示されるアイコンやリスト項目などの表示対象の移動を制御する。変形制御部45は、表示画面に表示される表示対象の変形を制御する。切替制御部46は、表示画面に表示される表示対象の切替を制御する。これらの機能の詳細については、画面の例を参照しながら後述する。
【0023】
(表示対象の移動制御)
まず、表示対象の移動を制御する技術について説明する。本実施の形態のゲーム装置10は、第1の入力により、移動の対象となる表示対象を指定し、第2の入力により、移動対象以外の表示対象をスクロールさせることにより、移動対象をそれ以外の表示対象に対して相対的に移動させることが可能なユーザインタフェースを提供する。
【0024】
図4は、表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す。メニューを提示するアプリケーション42が、ゲーム装置10において実行可能なアプリケーション又はゲーム装置10に格納されたデータファイルやフォルダなどに対応した複数のアイコンが配置されたメニュー画面100を生成し、表示制御部43がメニュー画面100の表示を制御する。表示すべきアイコンが多数ある場合、表示制御部43は、メニュー画面100を複数のページに分割して表示させる。移動制御部44は、メニュー画面100のページ間でアイコンを移動させるときに、ページのスクロールを制御する。
【0025】
従来の技術によりアイコン101を別のページへ移動させる場合、ユーザは、アイコン101をドラッグしてメニュー画面の端へ移動させる。このとき、その端から先のページが表示画面に現れてくるように、ページが逆方向へスクロールされる。例えば、図4において、アイコン101を上方向へドラッグさせると、表示画面よりも上方向のページが見えるように、ページが下方向へスクロールされる。しかし、このような操作方法では、ユーザが指を動かし過ぎてタッチパネルの外へドラッグしてしまうと、入力が検知できなくなるために指が離されたものと判定されてスクロールが終了してしまったり、逆に、ページのスクロールの速度が予想外に速くなってスクロールされ過ぎてしまったりするなど、ユーザが意図しない結果をもたらすことがあるという問題があった。
【0026】
図5は、表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す。図5に示した例では、メニュー画面100において、入力取得部41が、いずれかのアイコンが表示された位置に対応するタッチパネル69に対する所定時間以上のタップ入力を第1の入力として取得すると、移動制御部44は、第1の入力の位置に対応する位置に表示されたアイコン101を移動対象に設定し、移動モードに移行させる。このとき、表示制御部43は、選択されたアイコン101の表示態様を、それまでの表示態様とは異なる表示態様に変更する。図5の例では、アイコン101に図形102を重畳させて表示している。さらに、表示制御部43は、ページ間でアイコン101を移動させるモードに入ったことをユーザが視覚的に認識できるように、メニュー画面100のページを示す図形を表示する。図5の例では、第1ページに含まれるアイコンの外側に図形103が表示される。
【0027】
移動制御部44は、入力取得部41が、背面タッチパネル70に対する上下方向の方向指示入力を第2の入力として取得すると、移動対象として選択されたアイコン101の表示位置を第1の入力の位置、すなわち、タッチパネル69に触れているユーザの指の位置に保ったまま、アイコン101以外の表示対象を方向指示入力の方向にスクロールさせる。
【0028】
図6は、表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す。図5に示したメニュー画面100において、入力取得部41が背面タッチパネル70に対する上下方向への方向指示入力を取得すると、移動制御部44は、方向指示入力の開始位置と現在位置との間の距離を算出し、算出された距離に応じてスクロール量を決定する。移動制御部44は、算出された距離の上下方向の成分に応じてスクロール量を決定してもよい。図5に示した例においては、1回の方向指示入力により、1ページのスクロールが可能である。移動制御部44は、方向指示入力の距離が所定のしきい値よりも長ければ1ページ分スクロールさせ、短ければスクロールさせずに元に戻す。
【0029】
図5に示すように、移動モードにおいて、入力取得部41が背面タッチパネル70に対する下方向への方向指示入力を取得すると、図6に示すように、移動制御部44は、方向指示入力の移動距離が十分長ければ、メニュー画面100を1ページ分スクロールさせる。ユーザが、左手の指の位置、すなわち、第1の入力の位置を移動させると、移動制御部44は、その移動に合わせてアイコン101を表示画面内で移動させる。これにより、ユーザは、アイコン101を、その他の表示対象に対して相対的に移動させることができる。ユーザがタッチパネル69から指を離すと、移動制御部44は、移動モードを終了して通常モードに移行させ、図形102及び図形103を画面から消去するとともに、移動対象となっていたアイコン101を、現在表示されているページの、指が離された位置に移動させる。
【0030】
このように、ユーザは、例えば、一方の手の指で移動対象を選択し、他方の手の指でページをスクロールさせることができるので、アイコン101などの移動対象を容易に別のページへ移動させることができる。また、誤動作の発生を低減させることができる。
【0031】
図7は、表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す。図7に示した例では、ブックマーク画面110に、複数のブックマークフォルダとブックマークのリストが表示されている。表示すべき項目が多数ある場合、表示制御部43は、ブックマーク画面110をスクロール可能に表示させる。移動制御部44は、ブックマーク画面110のスクロールを制御する。
【0032】
図8は、表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す。図8に示した例では、ブックマーク画面110において、入力取得部41が、いずれかの項目が表示された位置に対応する背面タッチパネル70に対する所定時間以上のタップ入力を第1の入力として取得すると、移動制御部44は、第1の入力の位置に対応する位置に表示された項目112を移動対象に設定し、移動モードに移行させる。このとき、表示制御部43は、選択された項目112の表示態様を、それまでの表示態様とは異なる表示態様に変更する。図8の例では、項目112を白黒反転表示している。表示制御部43は、移動対象として選択された項目を、押し込まれて沈み込んだように見えるような表示態様で表示してもよいし、押し上げられて浮き上がっているように見えるような表示態様で表示してもよい。表示制御部43は、第1の入力がタッチパネル69に対する入力である場合には、移動対象を押し込まれたように表示してもよいし、第1の入力が背面タッチパネル70に対する入力である場合には、逆に、移動対象を押し上げられたように表示してもよい。これにより、直感的に分かりやすい操作環境をユーザに提供することができる。
【0033】
図9は、表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す。図8に示したブックマーク画面110において、入力取得部41がタッチパネル69に対する上下方向への方向指示入力を取得すると、移動制御部44は、方向指示入力の開始位置と現在位置との間の距離を算出し、算出された距離に応じてスクロール量を決定する。移動制御部44は、算出された距離の上下方向の成分に応じてスクロール量を決定してもよい。
【0034】
図8に示すように、移動モードにおいて、入力取得部41がタッチパネル69に対する上方向への方向指示入力を取得すると、図9に示すように、移動制御部44は、ブックマーク画面110を上方向へスクロールさせる。これにより、ユーザは、項目112を、その他の項目に対して相対的に移動させることができる。ユーザが背面タッチパネル70から指を離すと、移動制御部44は、移動モードを終了して通常モードに移行させ、項目112を再度白黒反転させて元の表示態様に戻すとともに、移動対象となっていた項目112を、現在表示されている位置に移動させる。
【0035】
移動制御部44は、タッチパネル69又は背面タッチパネル70に対するタップ入力、所定時間以上タップし続ける長押し入力、タッチパネル69及び背面タッチパネル70の同じ位置又は所定範囲内の位置に対する同時のタップ入力、マウスなどのポインティングデバイスによるクリック入力などを第1の入力として取得し、第1の入力の位置に表示された表示対象を移動対象に設定してもよい。
【0036】
移動制御部44は、第1の入力を契機として移動モードに移行させてもよいし、所定のボタンの入力や、メニュー選択などにより移動モードに移行させてもよい。移動制御部44は、移動対象に図形などを表示して表示態様を変更することにより、移動モードに移行したことを視覚的にフィードバックする。これにより、意図しない操作により移動モードに移行してしまった場合であっても、そのことをユーザに気づかせることができるので、誤動作の発生を低減させることができる。
【0037】
移動制御部44は、移動モードの間、第2の入力を移動対象以外の表示対象の移動の指示として受け付ける。移動制御部44は、タッチパネル69又は背面タッチパネル70に対するフリック入力、スワイプ入力、ドラッグ入力、ピンチ入力、又はダブルタップ入力や、所定のボタン22、方向キー21、又はアナログスティック23、24などの入力や、3軸ジャイロセンサ75や3軸加速度センサ76などにより検知されるゲーム装置10の姿勢の変化などを第2の入力として取得し、第2の入力に応じてスクロールの量などを決定してもよい。フリック入力、スワイプ入力、ドラッグ入力、ピンチ入力などの場合は、入力位置、移動速度、移動距離、移動時間などに応じてスクロール量を決定してもよい。ダブルタップ入力、ボタン入力などの場合は、入力の回数、時間、圧力などに応じてスクロール量を決定してもよい。
【0038】
図10は、本実施の形態に係る入力制御方法の手順を示すフローチャートである。図10に示したフローチャートは、表示対象の移動を制御する手順を示す。移動制御部44は、入力取得部41が、タッチパネル69や背面タッチパネル70などに対する第1の入力を取得するまで待機する(S100のN)。入力取得部41が第1の入力を取得すると(S100のY)、移動制御部44は、入力位置に表示された表示対象を移動対象に設定して移動モードに移行させ、移動対象の表示態様を変更する(S102)。入力取得部41が、タッチパネル69や背面タッチパネル70などに対する第2の入力を取得すると(S104のY)、移動制御部44は、第2の入力の方向に応じて判定された方向に、移動対象以外の表示対象をスクロールさせる(S106)。第2の入力を取得しないときは(S104のN)、S106はスキップされる。ユーザがタッチパネル69から指を離すなどして、第1の入力が終了されるまでは(S108のN)、S104に戻り、移動モードが続行される。第1の入力が終了されると(S108のY)、移動制御部44は、移動対象の項目を現在表示されている位置に移動させ、必要であればデータ保持部60などに格納されているリストの情報を管理するためのテーブルなどを更新する(S110)。移動制御部44は、移動モードを終了させ、移動対象となっていたアイコンや項目などの表示態様を元に戻す(S112)。
【0039】
上記の例では、第1の入力をタッチパネル69から取得して第2の入力を背面タッチパネル70から取得する例と、第1の入力を背面タッチパネル70から取得して第2の入力をタッチパネル69から取得したが、別の例では、第1の入力及び第2の入力の双方をタッチパネル69から取得してもよいし、背面タッチパネル70から取得してもよい。
【0040】
(表示対象の変形制御)
つづいて、表示対象の変形を制御する技術について説明する。本実施の形態のゲーム装置10は、第1の入力により、変形により移動されない拘束点として変形の中心位置を指定し、第2の入力により、変形の度合いを指定することが可能なユーザインタフェースを提供する。
【0041】
図11は、表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す。図11に示した例では、メニュー画面100において、入力取得部41が、タッチパネル69に対する所定時間以上のタップ入力を第1の入力として取得すると、変形制御部45は、第1の入力の位置を変形の中心位置に設定し、変形モードに移行させる。このとき、表示制御部43は、ユーザが中心位置を視覚的に識別可能とするために、中心位置に図形106を表示する。変形モードにおいて、入力取得部41が、背面タッチパネル70に対する方向指示入力を第2の入力として取得すると、変形制御部45は、中心位置を中心として、メニュー画面100に表示されている表示対象を拡大又は縮小させる。
【0042】
図12は、表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す。図11に示した例では、背面タッチパネル70に対する右方向への方向指示入力が表示対象の拡大に、左方向への方向指示入力が表示対象の縮小に割り当てられている。図11に示したメニュー画面100において、入力取得部41が背面タッチパネル70に対する方向指示入力を取得すると、変形制御部45は、方向指示入力の開始位置と現在位置との間の距離を算出し、算出された距離に応じて、表示対象を拡大又は縮小させるときの倍率を決定する。図11に示すように、変形モードにおいて、入力取得部41が背面タッチパネル70に対する右方向への方向指示入力を取得すると、図12に示すように、変形制御部45は、中心位置を中心として、方向指示入力に応じた倍率で表示対象を拡大させる。ユーザがタッチパネル69から指を離すと、変形制御部45は、変形モードを終了して通常モードに移行させ、図形106を画面から消去する。この例では、第1の入力により指定された中心位置から離れる方向への方向指示入力が表示対象の拡大に、近づく方向への方向指示入力が表示対象の縮小に割り当てられていたが、別の例では、逆に、中心位置に近づく方向への方向指示入力が拡大に、離れる方向への方向指示入力が縮小に割り当てられてもよい。また、中心位置からの距離とは無関係に、方向指示入力の方向と拡大又は縮小の指示が対応づけられてもよい。例えば、図12の例において、上方向への方向指示入力が拡大に、下方向への方向指示入力が縮小に割り当てられてもよい。
【0043】
図13は、表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す。図13に示した例では、メニュー画面100において、入力取得部41が、背面タッチパネル70に対する所定時間以上のタップ入力を第1の入力として取得すると、変形制御部45は、第1の入力の位置を変形の中心位置に設定し、変形モードに移行させる。このとき、表示制御部43は、ユーザが中心位置を視覚的に識別可能とするために、中心位置に図形106を表示するとともに、表示対象を縮小するための縮小ボタン120及び表示対象を拡大するための拡大ボタン122をメニュー画面100に表示する。変形モードにおいて、入力取得部41が、タッチパネル69の縮小ボタン120又は拡大ボタン122に対応する位置に対するタップ入力を第2の入力として取得すると、変形制御部45は、中心位置を中心として、メニュー画面100に表示されている表示対象を拡大又は縮小させる。
【0044】
図14は、表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す。図13に示したメニュー画面100において、入力取得部41がタッチパネル69の縮小ボタン120又は拡大ボタン122に対応する位置に対するタップ入力を取得すると、変形制御部45は、タップ入力の回数又は時間に応じて、表示対象を拡大又は縮小させるときの倍率を決定する。図13に示すように、変形モードにおいて、入力取得部41がタッチパネル69の縮小ボタン120に対応する位置に対するタップ入力を取得すると、図14に示すように、変形制御部45は、中心位置を中心として、縮小ボタン120に対するタップ入力に応じた倍率で表示対象を縮小させる。ユーザが背面タッチパネル70から指を離すと、変形制御部45は、変形モードを終了して通常モードに移行させ、図形106を画面から消去する。
【0045】
図15は、表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す。図15に示した例では、メニュー画面100において、入力取得部41が、タッチパネル69に対する所定時間以上のタップ入力を第1の入力として取得すると、変形制御部45は、第1の入力の位置を変形の中心位置に設定し、変形モードに移行させる。このとき、表示制御部43は、ユーザが中心位置を視覚的に識別可能とするために、中心位置に図形106を表示する。変形モードにおいて、入力取得部41が、背面タッチパネル70に対する方向指示入力を第2の入力として取得すると、変形制御部45は、中心位置を中心として、メニュー画面100に表示されている表示対象を回転させる。
【0046】
図16は、表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す。図15に示したメニュー画面100において、入力取得部41が背面タッチパネル70に対する右方向への方向指示入力を取得すると、変形制御部45は、方向指示入力の開始位置と中心位置とを結ぶ直線と、方向指示入力の現在位置と中心位置とを結ぶ直線とのなす角を算出し、表示対象を回転させるときの回転角とする。図15に示すように、変形モードにおいて、入力取得部41が背面タッチパネル70に対する左下方向への方向指示入力を取得すると、図16に示すように、変形制御部45は、中心位置を中心として、方向指示入力に応じた回転角にて表示対象を回転させる。ユーザがタッチパネル69から指を離すと、変形制御部45は、変形モードを終了して通常モードに移行させ、図形106を画面から消去する。
【0047】
変形制御部45は、タッチパネル69又は背面タッチパネル70に対するタップ入力、所定時間以上タップし続ける長押し入力、タッチパネル69及び背面タッチパネル70の同じ位置又は所定範囲内の位置に対する同時のタップ入力、マウスなどのポインティングデバイスによるクリック入力などを第1の入力として取得し、第1の入力の位置を変形の中心位置に設定してもよい。
【0048】
変形制御部45は、第1の入力を契機として変形モードに移行させてもよいし、所定のボタンの入力や、メニュー選択などにより変形モードに移行させてもよい。変形制御部45は、中心位置に図形などを表示して表示態様を変更することにより、変形モードに移行したことを視覚的にフィードバックする。これにより、意図しない操作により変形モードに移行してしまった場合であっても、そのことをユーザに気づかせることができるので、誤動作を防ぐことができる。
【0049】
変形制御部45は、変形モードの間、第2の入力を表示対象の変形の指示として受け付ける。変形制御部45は、タッチパネル69又は背面タッチパネル70に対するフリック入力、スワイプ入力、ドラッグ入力、ピンチ入力、又はダブルタップ入力や、所定のボタン22、方向キー21、左アナログスティック23、又は右アナログスティック24などの入力などや、3軸ジャイロセンサ75や3軸加速度センサ76などにより検知されるゲーム装置10の姿勢の変化などを第2の入力として取得し、第2の入力に応じて拡大縮小の倍率や回転の角度などを決定してもよい。フリック入力、スワイプ入力、ドラッグ入力、ピンチ入力などの場合は、入力位置、移動速度、移動距離、移動時間などに応じて倍率や角度を決定してもよい。ダブルタップ入力、ボタン入力などの場合は、入力の回数、時間、圧力などに応じて倍率や角度を決定してもよい。
【0050】
タッチパネル69又は背面タッチパネル70に対する長押し入力を第1の入力とする場合、変形制御部45は、変形モード中に第1の入力の位置が移動したときに、その移動に合わせて中心位置を移動させてもよいし、最初の中心位置から移動させなくてもよい。前者の場合、ユーザは、表示対象の変形とスクロールを同時に行うことができる。例えば、表示画面の端付近を変形の中心として表示対象を拡大させつつ、その変形の中心が表示画面の中心にくるように表示画面をスクロールすることができる。
【0051】
タッチパネル69又は背面タッチパネル70に対するドラッグ入力を第2の入力とする場合、変形制御部45は、表示対象の拡大縮小と回転を同時に制御してもよい。例えば、ドラッグ入力の開始位置と変形の中心位置とを結ぶ直線と、ドラッグ入力の現在位置と変形の中心位置とを結ぶ直線とのなす角を回転角とし、ドラッグ入力の開始位置と変形の中心位置との間の距離と、ドラッグ入力の現在位置と変形の中心位置との間の距離との比を拡大又は縮小の倍率としてもよい。
【0052】
従来、ボタン22、方向キー21、左アナログスティック23、及び右アナログスティック24などにより表示対象を変形する場合には、中心位置を指定することができなかった。また、タッチパネルに対するピンチ入力などにより表示対象を変形する場合には、表示画面の端付近を中心として表示対象を変形させるのが困難であった。それに対して、本実施の形態の技術によれば、表示画面において変形の中心位置を指定しつつ、別の指示入力により変形の度合いを指定することができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0053】
図17は、本実施の形態に係る入力制御方法の手順を示すフローチャートである。図17に示したフローチャートは、表示対象の変形を制御する手順を示す。変形制御部45は、入力取得部41が、タッチパネル69や背面タッチパネル70などに対する第1の入力を取得するまで待機する(S120のN)。入力取得部41が第1の入力を取得すると(S120のY)、変形制御部45は、第1の入力の位置を変形の中心位置に設定して変形モードに移行させ、中心位置に図形を表示するなどして表示態様を変更する(S122)。入力取得部41が、タッチパネル69や背面タッチパネル70などに対する第2の入力を取得すると(S124のY)、変形制御部45は、第1の入力の位置を中心として、第2の入力に応じて決定された倍率又は角度にて表示対象を変形させる(S126)。第2の入力を取得しないときは(S124のN)、S126はスキップされる。ユーザがタッチパネル69や背面タッチパネル70などから指を離すなどして、第1の入力が終了されるまでは(S126のN)、S124に戻り、変形モードが続行される。第1の入力が終了されると(S126のY)、変形制御部45は、変形モードを終了させ、中心位置に表示されていた図形を表示画面から消去して表示態様を元に戻す(S128)。
【0054】
上記の例では、第1の入力をタッチパネル69から取得して第2の入力を背面タッチパネル70から取得する例と、第1の入力を背面タッチパネル70から取得して第2の入力をタッチパネル69から取得したが、別の例では、第1の入力及び第2の入力の双方をタッチパネル69から取得してもよいし、背面タッチパネル70から取得してもよい。
【0055】
(表示対象の切替制御)
つづいて、表示対象の切替を制御する技術について説明する。本実施の形態では、ウェブページなどを表示しているときのウェブページ間の切替と各ページ内におけるスクロール、楽曲のリストを表示しているときのアルバムの切替とアルバム内の楽曲のスクロール、楽曲を再生しているときのアルバムの切替とアルバム内の楽曲の切替、動画を再生しているときの動画ファイルの切替と動画ファイル内のシーンの切替など、表示対象が複数の階層に階層化されている場合の上位層における切替と下位層における切替とに、それぞれ異なる操作入力を割り当てる。これにより、切り替えようとする情報の粒度に応じてユーザが適切な操作入力を選択することが可能となるので、表示対象を容易かつ迅速に切り替えることが可能な環境をユーザに提供することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0056】
図18は、表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す。図18に示した例では、ブラウザ画面130に、「ホームページ3」のウェブページが表示されている。従来、複数のブラウザ画面の間で表示対象を切り替えるためには、所定の操作により、図19に示すような表示対象切替画面132を表示させ、表示させるブラウザ画面を選択する技術が一般的であった。
【0057】
図20は、表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す。図20に示した例では、入力取得部41が、タッチパネル69に対する方向指示入力を取得すると、切替制御部46は、ページ内で表示対象をスクロールするよう、ブラウザのアプリケーション42に指示する。
【0058】
図21は、表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す。図21に示した例では、ユーザが表示装置68の表示画面を挟むようにして、例えば、親指でタッチパネル69に、人差し指で背面タッチパネル70に触れ、画面をつまんで動かすように親指と人差し指を同時に同じ方向に移動させると、入力取得部41は、タッチパネル69と背面タッチパネル70の双方の同じ位置又は所定の範囲内の位置における方向指示入力を取得する。このとき、切替制御部46は、ブラウザ画面130に表示されるウェブページを切り替えるよう、ブラウザのアプリケーション42に指示する。
【0059】
このように、切替制御部46は、タッチパネル69のみに対する操作入力をウェブページ内のスクロールに、タッチパネル69と背面タッチパネル70の双方に対する操作入力をウェブページ間の切替に、それぞれ割り当てる。これにより、ウェブページをつまんで動かすような操作入力により別のウェブページに切り替えることができるので、直感的に分かりやすい操作環境を提供することができる。また、タッチパネル69に対する方向指示入力によりウェブページ内で表示対象をスクロールするという従来の操作方法を維持しつつ、ウェブページをつまんで動かすという新しい操作方法を導入するので、従来の操作方法に慣れ親しんだユーザでも使いやすい操作環境を提供することができる。なお、ブラウザのアプリケーション42が、複数のタブのそれぞれにウェブページを表示する場合、切替制御部46は、タッチパネル69及び背面タッチパネル70の双方に対する方向指示入力により、ブラウザ画面130に表示されるタブを切り替えてもよい。
【0060】
図22は、表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す。図22に示した例では、プレイリスト画面140に、「アルバム1」に含まれる楽曲のタイトルが表示されている。
【0061】
図23に示すように、ユーザがタッチパネル69において上下方向に方向指示入力を行うと、切替制御部46は、アルバムに含まれる楽曲のリストをスクロールさせるよう、楽曲管理用のアプリケーション42に指示する。図22においては、「曲タイトル1」〜「曲タイトル7」の楽曲が表示されていたが、図23においては、「曲タイトル4」〜「曲タイトル10」の楽曲に表示対象が切り替えられている。
【0062】
図24に示すように、ユーザがタッチパネル69と背面タッチパネル70の双方において上下方向に方向指示入力を行うと、切替制御部46は、表示対象のアルバムを切り替えるよう、楽曲管理用のアプリケーション42に指示する。図23においては、「アルバム1」の楽曲リストが表示されていたが、図25においては、「アルバム2」の楽曲リストに表示対象が切り替えられている。
【0063】
図25は、表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す。図25に示した例では、楽曲再生画面150に、再生中の楽曲として、「アルバム1」の「曲タイトル3」の楽曲の情報が表示されている。
【0064】
図26に示すように、ユーザがタッチパネル69において左右方向に方向指示入力を行うと、切替制御部46は、アルバム内で前又は次の楽曲に再生対象を切り替えるよう、楽曲再生用のアプリケーション42に指示する。図25においては、「アルバム1」に含まれる「曲タイトル3」の楽曲が再生されていたが、図26においては、同じ「アルバム1」に含まれる「曲タイトル4」の楽曲に再生対象が切り替えられている。
【0065】
図27に示すように、ユーザがタッチパネル69と背面タッチパネル70の双方において左右方向に方向指示入力を行うと、切替制御部46は、再生対象のアルバムを切り替えるよう、楽曲再生用のアプリケーション42に指示する。図25においては、「アルバム1」の「曲タイトル3」の楽曲が再生されていたが、図27においては、「アルバム2」の「曲タイトル1」の楽曲に再生対象が切り替えられている。
【0066】
図28は、表示制御部が表示装置に表示した画面の例を示す。図28に示した例では、動画シーン選択画面160の背景に再生中の動画のある時刻の画像が表示されており、その前面に動画内の別のシーン(「シーンA−1」〜「シーンA−5」)のサムネールが表示されている。ここで、シーンは、動画を時間単位(例えば、1分もしくは10分)、動画の意味(第1話、第1幕)、ユーザによる注釈付けなどによって分割した際の1つの要素を表す。
【0067】
図29に示すように、ユーザがタッチパネル69において左右方向に方向指示入力を行うと、切替制御部46は、シーンの静止画のサムネールリストをスクロールするよう、動画再生用のアプリケーション42に指示する。図28においては、「シーンA−1」〜「シーンA−5」の静止画のサムネールが表示されていたが、図29においては、「シーンA−2」〜「シーンA−6」の静止画のサムネールに表示対象が切り替えられている。
【0068】
図30に示すように、ユーザがタッチパネル69と背面タッチパネル70の双方において左右方向に方向指示入力を行うと、切替制御部46は、再生対象の動画ファイルを切り替えるよう、動画再生用のアプリケーション42に指示する。図25においては、ある動画ファイルの「シーンA−1」〜「シーンA−5」に含まれる静止画のサムネールが表示されていたが、図30においては、別の動画ファイルの「シーンB−1」〜「シーンB−5」に含まれる静止画のサムネールに表示対象が切り替えられている。切替制御部46は、ユーザがタッチパネル69と背面タッチパネル70の双方において左右方向に方向指示入力を行ったときに、複数のシーンを単位としてシーンの静止画のサムネールリストをスクロールさせてもよい。例えば、シーンを10個ずつまとめてスクロールさせてもよいし、シーンをグループ化したものを単位としてスクロールさせてもよい。
【0069】
切替制御部46は、入力取得部41が、タッチパネル69と背面タッチパネル70の双方の、所定の範囲内の位置において、所定時間以上の長押し入力を取得するまでは、上位層における表示対象の切替を行わず、所定時間以上の長押し入力を取得すると、上位層における表示対象の切替を行うモードに移行させてもよい。また、上位層における表示対象の切替を行うモードに移行させたときに、入力位置の近傍などに図形を表示するなどして、モード遷移を視覚的にフィードバックさせてもよい。これにより、誤動作を防ぐことができる。
【0070】
本実施の形態のゲーム装置10は、通常、ユーザが両手で把持した状態で使用される。したがって、複数点でのマルチスワイプ入力などは、片手をいったん離した状態で入力する必要がある。それに対して、本実施の形態では、タッチパネル69と背面タッチパネル70を二本の指でつまんで同時に移動させる入力を用いるので、ゲーム装置10を両手で把持した状態のまま入力を行うことができる。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0071】
図31は、本実施の形態に係る入力制御方法の手順を示すフローチャートである。図31に示したフローチャートは、表示対象の切替を制御する手順を示す。切替制御部46は、入力取得部41が、タッチパネル69や背面タッチパネル70などに対する方向指示入力を取得すると(S140のY)、方向指示入力の方向に、小さい粒度で表示対象を切り替える(S142)。タッチパネル69や背面タッチパネル70などに対する方向指示入力を取得しなければ(S140のN)、S142はスキップされる。切替制御部46は、入力取得部41が、タッチパネル69及び背面タッチパネル70に対する同時の方向指示入力を取得すると(S144のY)、方向指示入力の方向に、一方のみに方向指示入力を行ったときよりも大きい粒度で表示対象を切り替える(S146)。タッチパネル69及び背面タッチパネル70に対する同時の方向指示入力を取得しなければ(S144のN)、S146はスキップされる。
【0072】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、その各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0073】
本実施の形態のゲーム装置10をユーザが把持するとき、背面タッチパネル70に複数の指が接触していることが多いと考えられるので、背面タッチパネル70に対する入力を第1の入力とする場合には、例えば、背面タッチパネル70を左右の領域に分割し、それぞれの領域に対して複数のタップ入力を取得している間は第1の入力と判定せず、それぞれの領域に対して単独のタップ入力が所定時間以上継続したときに、第1の入力と判定してもよい。例えば、ユーザが、表示装置68の表示画面の左側に表示されている位置を中心位置に設定したい場合、左手の指をいったん背面タッチパネル70から離し、中心位置に設定したい位置を単独の指でタップする。このとき、変形制御部45は、背面タッチパネル70の左側の領域に対する単独のタップ入力を所定時間以上取得して、第1の入力と判定する。これにより、誤動作を防止することができる。
【符号の説明】
【0074】
10 ゲーム装置、20 入力装置、40 制御部、41 入力取得部、42 アプリケーション、43 表示制御部、44 移動制御部、45 変形制御部、46 切替制御部、60 データ保持部、66 画面生成部、68 表示装置、69 タッチパネル、70 背面タッチパネル、71 前面カメラ、72 背面カメラ、75 3軸ジャイロセンサ、76 3軸加速度センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
表示装置の表示画面に複数の表示対象を表示する表示制御部、
前記表示画面に対する入力を検知可能な入力装置から、前記入力の位置を取得する取得部、
前記取得部により取得された第1の入力の位置に対応する前記表示画面の位置を基準位置に設定し、前記取得部により取得された第2の入力に応じて、前記基準位置を中心として前記表示画面に表示された表示対象を変形させる変形制御部、
として機能させるための入力制御プログラム。
【請求項2】
前記取得部は、前記表示装置の前記表示画面に併設されたタッチパネル又は前記表示画面の裏側の面に設けられた背面タッチパネルに対する所定時間以上の入力を前記第1の入力として取得することを特徴とする請求項1に記載の入力制御プログラム。
【請求項3】
前記取得部は、前記タッチパネル及び前記背面タッチパネルのいずれか一方に対する入力を前記第1の入力として取得し、他方に対する入力を前記第2の入力として取得することを特徴とする請求項2に記載の入力制御プログラム。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記基準位置を視覚的に識別可能に表示することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の入力制御プログラム。
【請求項5】
表示装置の表示画面に複数の表示対象を表示する表示制御部と、
前記表示画面に対する入力を検知可能な入力装置から、前記入力の位置を取得する取得部と、
前記取得部により取得された第1の入力の位置に対応する前記表示画面の位置を基準位置に設定し、前記取得部により取得された第2の入力に応じて、前記基準位置を中心として前記表示画面に表示された表示対象を変形させる変形制御部と、
を備えることを特徴とする入力制御装置。
【請求項6】
表示制御部が、表示装置の表示画面に複数の表示対象を表示するステップと、
取得部が、前記表示画面に対する入力を検知可能な入力装置から、前記入力の位置を取得するステップと、
変形制御部が、前記取得部により取得された第1の入力の位置に対応する前記表示画面の位置を基準位置に設定し、前記取得部により取得された第2の入力に応じて、前記基準位置を中心として前記表示画面に表示された表示対象を変形させるステップと、
を含むことを特徴とする入力制御方法。
【請求項7】
請求項1から4のいずれかに記載の入力制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図31】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2013−89201(P2013−89201A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232193(P2011−232193)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】