入力制御装置、入力制御方法、及び入力制御プログラム
【課題】娯楽性の高いゲーム制御技術を提供する。
【解決手段】ゲーム装置10は、表示装置60の表示画面に表示対象を表示する画面生成部85と、表示装置60の表示画面に併設されたタッチパネル61及び表示装置60の表示画面と反対側の面に設けられた背面タッチパネル51から、表示対象に対する操作入力の位置又は方向を取得する入力取得部41と、入力取得部41が背面タッチパネル51から表示対象に対する操作入力を取得したときに、操作入力の位置又は方向と、操作の対象となっている表示対象の種類に応じて、その表示対象を操作する方向を判定する判定部43と、判定部43により判定された方向に表示対象を操作する移動制御部44又は回転制御部45とを備える。
【解決手段】ゲーム装置10は、表示装置60の表示画面に表示対象を表示する画面生成部85と、表示装置60の表示画面に併設されたタッチパネル61及び表示装置60の表示画面と反対側の面に設けられた背面タッチパネル51から、表示対象に対する操作入力の位置又は方向を取得する入力取得部41と、入力取得部41が背面タッチパネル51から表示対象に対する操作入力を取得したときに、操作入力の位置又は方向と、操作の対象となっている表示対象の種類に応じて、その表示対象を操作する方向を判定する判定部43と、判定部43により判定された方向に表示対象を操作する移動制御部44又は回転制御部45とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力制御技術に関し、とくに、表示装置に表示された表示対象を操作するための入力を受け付けて表示対象を操作する入力制御装置、入力制御方法、及び入力制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルを備えたスマートフォンや携帯型ゲーム装置が広く普及しており、多くのユーザは、タップ入力、フリック入力、スワイプ入力、ドラッグ入力、ピンチ入力などのタッチパネルに対する基本的な入力操作に習熟してきている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、今後さらにスマートフォンや携帯型ゲーム装置などが普及することが予想される中、より分かりやすく、操作性の良い入力方法を提供する技術が求められる。本出願人は、表示装置の表示画面に併設されたタッチパネルと、表示装置の表示画面と反対側の面に設けられた背面タッチパネルとを有するゲーム装置を開発する過程において、そのような新しいゲーム装置を用いたユーザインタフェースの問題点を認識するに至り、問題点を克服してユーザの利便性を向上させるための技術に想到した。
【0004】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、より利便性の高い入力制御技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様は、入力制御プログラムに関する。この入力制御プログラムは、コンピュータを、表示装置の表示画面に表示対象を表示する表示制御部、前記表示装置の前記表示画面に併設されたタッチパネル及び前記表示装置の前記表示画面と反対側の面に設けられた背面タッチパネルから、前記表示対象に対する操作入力の位置又は方向を取得する取得部、前記取得部が前記背面タッチパネルから前記表示対象に対する操作入力を取得したときに、前記操作入力の位置又は方向と、操作の対象となっている表示対象の種類に応じて、その表示対象を操作する方向を判定する判定部、前記判定部により判定された方向に前記表示対象を操作する操作制御部、として機能させる。
【0006】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より利便性の高い入力制御技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態に係るゲーム装置の外観を示す図である。
【図2】実施の形態に係るゲーム装置の外観を示す図である。
【図3】ゲーム装置の回路構成を示す図である。
【図4】実施の形態に係るゲーム装置の機能構成を示す図である。
【図5】オブジェクトテーブルの内部データの例を示す図である。
【図6】図6(a)(b)は、ホームページをスクロールするときの画面の例を示す図である。
【図7】図7(a)(b)は、ホームページをスクロールするときの画面の例を示す図である。
【図8】図8(a)(b)は、回転ドラムをスクロールするときの画面の例を示す図である。
【図9】図9(a)(b)は、回転ドラムをスクロールするときの画面の例を示す図である。
【図10】図10(a)(b)は、回転ドラムをスクロールするときの画面の例を示す図である。
【図11】図11(a)(b)は、回転ドラムをスクロールするときの画面の例を示す図である。
【図12】図12(a)(b)は、回転ドラムをスクロールするときの画面の例を示す図である。
【図13】図13(a)(b)は、三次元オブジェクトを回転させるときの画面の例を示す図である。
【図14】図14(a)(b)は、三次元オブジェクトを回転させるときの画面の例を示す図である。
【図15】図15(a)(b)は、三次元オブジェクトを回転させるときの画面の例を示す図である。
【図16】図16(a)(b)は、三次元オブジェクトを回転させるときの画面の例を示す図である。
【図17】図17(a)(b)は、循環リストをスクロールするときの画面の例を示す図である。
【図18】図18(a)(b)は、循環リストをスクロールするときの画面の例を示す図である。
【図19】図19(a)(b)は、循環リストをスクロールするときの画面の例を示す図である。
【図20】図20(a)(b)は、実施の形態に係る入力制御方法の手順を示すフローチャートである。
【図21】図21(a)(b)は、実施の形態に係る入力制御方法の手順を示すフローチャートである。
【図22】図22(a)(b)は、三次元オブジェクトを移動させるときの画面の例を示す図である。
【図23】図23(a)(b)は、三次元オブジェクトを回転させるときの画面の例を示す図である。
【図24】図24(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図25】図25(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図26】図26(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図27】図27(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図28】図28(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図29】図29(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図30】図30(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図31】図31(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図32】図32(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図33】図33(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図34】図34(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図35】図35(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図36】図36(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図37】図37(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図38】図38(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態に係る入力制御装置は、表示装置の表示画面に併設されたタッチパネルと、表示画面の反対側の面に配設された背面タッチパネルとを有しており、タッチパネルや背面タッチパネルなどに対する入力に応じて、表示装置に表示される表示対象の移動又は回転を制御する。入力制御装置は、表示対象が、表示画面に平行な仮想軸の周りの回転を観念できないものであれば、背面タッチパネルに対する入力の方向と操作方向との関係を、タッチパネルに対する入力の方向と操作方向との関係と同じとし、仮想軸の周りの回転を観念できるものであれば、背面タッチパネルに対する入力の方向と操作方向との関係を、タッチパネルに対する入力の方向と操作方向との関係と反対にする。例えば、タッチパネルにおける上方向へのドラッグ入力により上方向に操作される表示対象に対して、背面タッチパネルにおいて上方向へのドラッグ入力を行ったとき、前者の場合、表示対象は上方向に操作されるが、後者の場合、表示対象は下方向に操作される。実施の形態においては、入力制御装置の例として、ゲーム装置について説明する。
【0010】
図1及び図2は、実施の形態に係るゲーム装置10の外観を示す。図1及び図2に示すゲーム装置10は、プレイヤーが把持して使用する携帯型のゲーム装置である。図1に示すように、ゲーム装置10の表側、すなわち、プレイヤーがゲーム装置10を把持して操作するときにプレイヤーに面する側には、方向キー21、ボタン22、左アナログスティック23、右アナログスティック24、左ボタン25、右ボタン26などの入力装置65と、表示装置60と、前面カメラ68aとが備えられている。表示装置60には、プレイヤーの指やスタイラスペンなどによる接触を検知するためのタッチパネル61が併設されている。ボタン22は、○ボタン31、△ボタン32、□ボタン33、及び×ボタン34を含む。
【0011】
図2に示すように、ゲーム装置10の裏側には、背面タッチパネル51と背面カメラ68bが備えられている。ゲーム装置10の裏側にも、表側と同様に表示装置を設けてもよいが、本実施の形態では、ゲーム装置10の裏側には表示装置を設けずに、背面タッチパネル51のみを設ける。
【0012】
プレイヤーは、ゲーム装置10を両手で把持した状態で、例えば、右手親指でボタン22を操作し、左手親指で方向キー21を操作し、右手人差し指又は中指で右ボタン26を操作し、左手人差し指又は中指で左ボタン25を操作し、両手の親指でタッチパネル61を操作し、両手の薬指又は小指で背面タッチパネル51を操作することができる。スタイラスペンなどを用いる場合は、例えば、ゲーム装置10を左手で把持した状態で、右手でスタイラスペン又は人差し指によりタッチパネル61及びボタン22を操作し、左手親指で方向キー21を操作し、左手人差し指又は中指で左ボタン25を操作し、左手薬指又は小指で背面タッチパネル51を操作することができる。
【0013】
図3は、ゲーム装置10の回路構成を示す。表示装置60は、ゲーム装置10の各機能により生成される表示画面を表示する。表示装置60は、液晶表示装置であってもよいし、有機EL表示装置であってもよい。タッチパネル61は、表示装置60の上に重ね合わせて設けられ、ユーザの指やペンなどによる接触を検知する。タッチパネル61は、抵抗膜方式、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式など、いずれの方式のものであってもよい。タッチパネル61は、入力を検知した位置の座標を所定の周期で出力する。背面タッチパネル51も、任意の方式のタッチパネルであってもよい。背面タッチパネル51は、背面タッチパネル51に対する押圧の圧力を検知可能な感圧センサを備えてもよいし、入力を検知した領域の面積、電圧値、静電容量などに基づいて入力の強度を算出してもよい。背面タッチパネル51は、入力を検知した位置の座標及び入力の強度(圧力)を所定の周期で出力する。
【0014】
LED62は、ゲーム装置10の状態などを示すインジケータを構成する。動きセンサ63は、ゲーム装置10の動きを検知する。動きセンサ63は、3軸ジャイロセンサ及び3軸加速度センサを含む。3軸ジャイロセンサは、ゲーム装置10のXZ平面、ZY平面、YX平面における角速度を検知する。3軸ジャイロセンサは、回転型又は振動型の機械式ジャイロセンサであってもよいし、流体式又は光学式のジャイロセンサであってもよい。3軸ジャイロセンサにより検知された3軸の周りの角速度を積分することにより、3軸の周りの回転量を算出することができる。3軸加速度センサは、梁に支持された錘を内蔵し、加速による錘の位置変化を検知することにより、ゲーム装置10のXYZの3軸方向の加速度を検知する。3軸加速度センサは、機械式、光学式、又は半導体式の加速度センサであってもよい。3軸加速度センサにより、重力加速度の方向とゲーム装置10のXYZの3軸の方向との相対角度を検知することができるので、ゲーム装置10の姿勢を算出することができる。また、3軸の方向の加速度を積分することにより速度を算出することができ、さらに積分することにより移動量を算出することができる。
【0015】
マイク35は、ゲーム装置10の周辺の音声を入力する。スピーカ64は、ゲーム装置10の各機能により生成される音声を出力する。ステレオ入出力端子36は、外部のマイクからステレオ音声を入力し、外部のヘッドフォンなどへステレオ音声を出力する。入力装置65は、前述した操作キーなどを含み、ユーザの操作入力を受け付ける。以上のタッチパネル61、背面タッチパネル51、LED62、動きセンサ63、マイク35、スピーカ64、ステレオ入出力端子36及び入力装置65が、インターフェイス66を介してCPU71等と相互にデータを授受する。
【0016】
無線通信制御部67は、IEEE802.11b/g等の通信規格に準拠した無線LAN(Wireless Local Area Network)によって構成され、アクセスポイントなどと無線通信し、アクセスポイント及びインターネットを介した他の装置との間の通信を制御する。カメラ68は、画像を撮像し、画像データを入力する。携帯電話網通信制御部69は、ITU(国際電気通信連合)によって定められたIMT−2000規格に準拠した第三世代(3rd Generation)デジタル携帯電話方式に対応し、携帯電話網及びインターネットを介した他の装置との間の通信を制御する。SIMカード70には、携帯電話の電話番号を特定するための固有のID番号が記録されており、SIMカード70が挿入されることにより、携帯電話網との間の通信が可能となる。カメラ68は、CMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)によって構成される正面カメラ68aと、同様にCMOSイメージセンサによって構成される背面カメラ68bとから成り、正面方向と背面方向の画像を各々撮像し、画像データとして出力する。
【0017】
CPU(Central Processing Unit)71は、メインメモリ73にロードされたプログラムなどを実行し、図4に示す各機能構成を実現する。GPU(Graphics Processing Unit)72は、画像処理に必要な計算を実行する。メインメモリ73は、RAM(Random Access Memory)などにより構成され、ゲーム装置10で動作するプログラムやデータなどを記憶する。ストレージ74は、NAND型フラッシュメモリ(NAND-type flash memory)などにより構成され、ゲーム装置10の各構成により利用されるプログラムやデータなどを記録する。
【0018】
GPS(Global Positioning System)制御部75は、GPS衛星からの信号を受信し、現在位置を算出する。Bluetooth制御部76は、Bluetoothによる周辺装置15との間の無線通信を制御する。USB制御部77は、USBによる周辺装置15との間の通信を制御する。メモリカード制御部78は、外部メディア16との間のデータの読み書きを制御する。ビデオ出力制御部79は、HDMIなどの規格に基づいて、外部表示装置17へビデオ信号を出力する。
【0019】
図4は、実施の形態に係るゲーム装置10の機能構成を示す。ゲーム装置10は、制御部40、データ保持部86、オブジェクトテーブル80、及び画面生成部85を備える。これらの構成は、ハードウエアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0020】
制御部40は、アプリケーションのプログラムが格納されたデータ保持部86などからプログラムを読み出し、入力装置65、タッチパネル61、背面タッチパネル51、動きセンサ63などからユーザにより入力される操作指示に基づいて、アプリケーションを実行する。データ保持部86は、プログラムや各種のデータファイルなどを保持する。オブジェクトテーブル80は、アプリケーション42などにより表示装置60の表示画面に表示されるオブジェクトの情報を格納する。画面生成部85は、制御部40により制御されるアプリケーションなどの画面を生成し、表示装置60に表示させる。
【0021】
制御部40は、入力取得部41、アプリケーション42、判定部43、移動制御部44、回転制御部45、及び設定部46を備える。
【0022】
入力取得部41は、タッチパネル61及び背面タッチパネル51から、表示装置60に表示された表示対象を操作するための入力を取得する。入力取得部41は、フリック入力、スワイプ入力、ドラッグ入力など、表示対象を操作する方向を指示するための入力を取得する。入力取得部41は、タッチパネル61及び背面タッチパネル51に対する入力が検知された位置の表示画面における座標を取得し、その入力が、フリック入力、スワイプ入力、ドラッグ入力などに該当するか否かを判定し、該当する場合はその方向を判定してもよいし、図示しないデバイスドライバなどから、フリック入力、スワイプ入力、ドラッグ入力などの方向を取得してもよい。
【0023】
アプリケーション42は、ゲームなどのプログラムをデータ保持部86から読み出して実行することにより、各種の機能を提供する。アプリケーション42と画面生成部85は、表示装置60の表示画面に表示対象を表示する表示制御部として機能する。
【0024】
判定部43は、アプリケーション42により表示装置60に表示対象が表示されているときに、タッチパネル61又は背面タッチパネル51を介して、ユーザから表示対象を操作するための指示入力を受け付けたとき、オブジェクトテーブル80を参照して、その表示対象を操作する方向を判定する。
【0025】
移動制御部44は、表示装置60に表示される表示対象の移動を制御する。回転制御部45は、表示装置60に表示される表示対象の回転を制御する。移動制御部44及び回転制御部45は、判定部43により判定された操作方向に表示対象を移動又は回転させる。設定部46は、ユーザから表示対象の操作方向に関する設定を受け付け、オブジェクトテーブル80に登録する。
【0026】
図5は、オブジェクトテーブル80の内部データの例を示す。オブジェクトテーブル80には、操作対象欄81、操作欄82、及び方向欄83が設けられている。操作対象欄81は、タッチパネル61及び背面タッチパネル51に対する指示入力による操作の対象となるオブジェクトなどの種別を格納する。操作欄82は、操作対象となるオブジェクトなどに対して実行される操作の内容を格納する。方向欄83は、タッチパネル61に対する指示入力の方向と操作対象を操作するときの方向の関係と、背面タッチパネル51に対する指示入力の方向と操作対象を操作するときの方向の関係とが、同じであるか反対であるかを示す情報を格納する。例えば、操作対象がホームページで、操作内容がスクロールである場合には、タッチパネル61と背面タッチパネル51に対する同一方向の指示入力により、ホームページは同一方向にスクロールされる。回転ドラムをスクロールする場合には、タッチパネル61と背面タッチパネル51に対する同一方向の指示入力により、回転ドラムは反対方向にスクロールされる。
【0027】
図6(a)(b)は、ホームページをスクロールするときの画面の例を示す。図6(a)に示すように、ホームページを表示するためのアプリケーション42により、画面100にホームページが表示されているとき、入力取得部41がタッチパネル61において上方向にドラッグ入力が行われたことを検知すると、移動制御部44は、図6(b)に示すように、ホームページを上方向へスクロールする。これにより、スクロール前には画面100に表示されていなかったホームページの下部が画面100に表示される。
【0028】
図7(a)(b)は、ホームページをスクロールするときの画面の例を示す。図7(a)に示すように、画面100にホームページが表示されているとき、入力取得部41が背面タッチパネル51においてドラッグ入力が行われたことを検知すると、判定部43は、オブジェクトテーブル80を参照して、ホームページをスクロールする方向を決定する。オブジェクトテーブル80には、ホームページをスクロールする場合、背面タッチパネル51に対する操作により、タッチパネル61に対する操作の場合と同じ方向へスクロールすべきことが格納されているので、判定部43は、背面タッチパネル51において上方向にドラッグ入力が行われたことが検知されると、ホームページを上方向へスクロールすると判定する。移動制御部44は、図7(b)に示すように、上方向へホームページをスクロールする。このように、ユーザは、ホームページをスクロールさせるときには、タッチパネル61においても、背面タッチパネル51においても、上方向へドラッグ入力を行うと上方向にスクロールさせ、下方向へドラッグ入力を行うと下方向にスクロールさせることができる。これにより、ユーザの直感に合った操作環境を提供することができる。
【0029】
図8(a)(b)は、回転ドラムをスクロールするときの画面の例を示す。図8(a)に示すように、時間を設定するためのアプリケーション42により、画面110に、時を設定するための回転ドラム112a及び分を設定するための回転ドラム112bが表示されている。回転ドラム112a及び112bは、図8(b)に示すように、表示装置60の表示画面に平行な仮想軸114の周りで回転される円柱状のオブジェクトにより表現され、円柱の側面に記載された数値の一部が画面110に表示される。ユーザは、回転ドラム112a及び112bを回転させることにより、画面110に表示される数値を上下にスクロールさせ、設定される数値を変更することができる。
【0030】
図9(a)(b)は、回転ドラムをスクロールするときの画面の例を示す。図9(a)に示すように、画面110に回転ドラム112aが表示されているときに、入力取得部41が、タッチパネル61の回転ドラム112aが表示されている位置に対応する位置において上方向にドラッグ入力が行われたことを検知すると、移動制御部44は、図9(b)に示すように、回転ドラム112aを仮想軸114の周りで、手前が上に奧が下に移動するように回転させ、回転ドラム112aに表示される数値を上方向にスクロールする。
【0031】
図10(a)(b)は、回転ドラムをスクロールするときの画面の例を示す。図10(a)に示すように、画面110に回転ドラム112aが表示されているときに、入力取得部41が、背面タッチパネル51の回転ドラム112aが表示されている位置に対応する位置においてドラッグ入力が行われたことを検知すると、判定部43は、オブジェクトテーブル80を参照して、回転ドラム112aを回転させて数値をスクロールする方向を判定する。図8(b)に示すように、画面110には、回転ドラム112aを表現する円柱状のオブジェクトの側面の一部しか表示されないが、同一方向にスクロールし続けると0〜23の数値が循環して表示されるので、ユーザも、回転ドラム112aが仮想軸の周りで回転される円柱状のオブジェクトにより表現されていることを認識することができる。そのため、ユーザは、タッチパネル61により回転ドラム112aを操作するときには、円柱状のオブジェクトの手前側の側面を操作しているように感じ、背面タッチパネル51により回転ドラム112aを操作するときには、円柱状のオブジェクトの奧側の側面を操作しているように感じる。したがって、図10(b)に示すように、ユーザが背面タッチパネル51において下方向にドラッグ入力を行ったとき、移動制御部44は、タッチパネル61において下方向にドラッグ入力を行ったときとは逆に、回転ドラム112aを上方向にスクロールする。これにより、ユーザの直感に合った操作環境を提供することができる。
【0032】
図11(a)(b)は、回転ドラムをスクロールするときの画面の例を示す。図11(a)に示すように、画面110に回転ドラム112aが表示されているときに、入力取得部41が、タッチパネル61の回転ドラム112aが表示されている位置に対応する位置において下方向にドラッグ入力が行われたことを検知すると、移動制御部44は、図11(b)に示すように、回転ドラム112aを仮想軸114の周りで、手前が下に奧が上に移動するように回転させ、回転ドラム112aに表示される数値を下方向にスクロールする。
【0033】
図12(a)(b)は、回転ドラムをスクロールするときの画面の例を示す。図12(a)に示すように、画面110に回転ドラム112aが表示されているときに、入力取得部41が、背面タッチパネル51の回転ドラム112aが表示されている位置に対応する位置において下方向にドラッグ入力が行われたことを検知すると、判定部43は、オブジェクトテーブル80を参照して、回転ドラム112aを回転させて数値をスクロールする方向を判定する。オブジェクトテーブル80には、回転ドラムをスクロールする場合、背面タッチパネル51に対する操作により、タッチパネル61に対する操作の場合と反対の方向へスクロールすべきことが格納されているので、判定部43は、背面タッチパネル51において下方向にドラッグ入力が行われたことが検知されると、回転ドラムを上方向へスクロールすると判定する。移動制御部44は、図12(b)に示すように、上方向へ回転ドラム112aをスクロールする。
【0034】
図9(a)及び図12(a)に示すように、タッチパネル61と背面タッチパネル51に対する反対の方向の指示入力により、図9(b)及び図12(b)に示すように、回転ドラム112aが同じ上方向にスクロールされる。同様に、図10(a)及び図11(b)に示すように、タッチパネル61と背面タッチパネル51に対する反対の方向の指示入力により、図10(b)及び図11(b)に示すように、回転ドラム112aが同じ下方向にスクロールされる。
【0035】
移動制御部44は、タッチパネル61及び背面タッチパネル51のうちいずれか一方からの操作入力のみを受け付けて回転ドラムをスクロールしてもよいし、双方からの操作入力を受け付けてもよい。後者の場合、ユーザは、例えば、背面タッチパネル51により回転ドラムをスクロールさせた後、タッチパネル61によりスクロールを停止させ、スクロールを微調整することができる。移動制御部44は、ドラッグ入力の移動量、速度、又は加速度に応じて、スクロールの量、速度、又は加速度を調整してもよい。
【0036】
図13(a)(b)は、三次元オブジェクトを回転させるときの画面の例を示す。図13(a)に示すように、三次元オブジェクトを表示するためのアプリケーション42により、画面120に、三次元オブジェクト122が表示されているときに、入力取得部41が、タッチパネル61において上方向にドラッグ入力が行われたことを検知すると、回転制御部45は、図13(b)に示すように、三次元オブジェクト122を仮想軸124の周りで、手前が上に奧が下に移動するように回転させる。
【0037】
図14(a)(b)は、三次元オブジェクトを回転させるときの画面の例を示す。図14(a)に示すように、画面120に三次元オブジェクト122が表示されているときに、入力取得部41が、背面タッチパネル51においてドラッグ入力が行われたことを検知すると、判定部43は、オブジェクトテーブル80を参照して、三次元オブジェクト122を回転させる方向を判定する。回転ドラムの場合と同様に、ユーザは、タッチパネル61により三次元オブジェクト122を回転させるときには、三次元オブジェクト122の、仮想軸124よりも手前側を持って、三次元オブジェクト122を回転させているように感じ、背面タッチパネル51により三次元オブジェクト122を回転させるときには、三次元オブジェクト122の、仮想軸124よりも奧側を持って、三次元オブジェクト122を回転させているように感じる。したがって、オブジェクトテーブル80には、背面タッチパネル51に対する入力により三次元オブジェクトを回転させるときの方向は、タッチパネル61に対する入力により三次元オブジェクトを回転させるときの方向と反対であることが格納される。図14(b)に示すように、ユーザが背面タッチパネル51において下方向にドラッグ入力を行ったとき、移動制御部44は、三次元オブジェクト122を、手前が上に奧が下に移動するように回転させる。これにより、ユーザの直感に合った操作環境を提供することができる。
【0038】
図15(a)(b)は、三次元オブジェクトを回転させるときの画面の例を示す。図15(a)に示すように、三次元オブジェクトを表示するためのアプリケーション42により、画面120に、三次元オブジェクト122が表示されているときに、入力取得部41が、タッチパネル61において右方向にドラッグ入力が行われたことを検知すると、回転制御部45は、図15(b)に示すように、三次元オブジェクト122を、表示装置60の表示画面に平行で、かつ、ドラッグ入力の方向に垂直な仮想軸126の周りで、手前が右に奧が左に移動するように回転させる。
【0039】
図16(a)(b)は、三次元オブジェクトを回転させるときの画面の例を示す。図16(a)に示すように、画面120に三次元オブジェクト122が表示されているときに、入力取得部41が、背面タッチパネル51においてドラッグ入力が行われたことを検知すると、判定部43は、オブジェクトテーブル80を参照して、三次元オブジェクト122を回転させる方向を判定する。オブジェクトテーブル80には、背面タッチパネル51に対する入力により三次元オブジェクトを回転させるときの方向は、タッチパネル61に対する入力により三次元オブジェクトを回転させるときの方向と反対であることが格納されているので、ユーザが背面タッチパネル51において左方向にドラッグ入力を行ったとき、移動制御部44は、図14(b)に示すように、三次元オブジェクト122を、手前が右に奧が左に移動するように回転させる。これにより、ユーザの直感に合った操作環境を提供することができる。
【0040】
図17(a)(b)は、循環リストをスクロールするときの画面の例を示す。図17(a)に示すように、ブックマークを表示するためのアプリケーション42により、画面130に、ブックマークのリストが表示されているときに、入力取得部41が、タッチパネル61において上方向にドラッグ入力が行われたことを検知すると、移動制御部44は、図17(b)に示すように、リストを上にスクロールする。ブックマークのリストは、最終の項目である「ユーザブックマーク7」の次に、最初の項目である「ユーザフォルダ1」が循環して表示されるようにスクロールされる。
【0041】
図18(a)(b)は、循環リストをスクロールするときの画面の例を示す。図18(a)に示すように、画面120にブックマークのリストが表示されているときに、入力取得部41が、背面タッチパネル51においてドラッグ入力が行われたことを検知すると、判定部43は、オブジェクトテーブル80を参照して、リストをスクロールする方向を判定する。オブジェクトテーブル80には、背面タッチパネル51に対する入力により循環リストをスクロールするときの方向は、タッチパネル61に対する入力により循環リストをスクロールするときの方向と反対であることが格納されているので、ユーザが背面タッチパネル51において下方向にドラッグ入力を行ったとき、移動制御部44は、図18(b)に示すように、リストを上にスクロールする。
【0042】
図18(b)に示した例では、循環的に表示されるブックマークのリストを、回転ドラムと同様に操作する環境を提供するが、ユーザによっては、回転ドラムよりも平面的な印象を受けるブックマークのリストを、回転ドラムと同様に操作することに違和感を覚える可能性がある。このとき、ユーザは、設定部46により操作方向を変更することができる。設定部46は、例えば、表示対象を操作するときの操作方向を変更するための設定画面を表示し、ユーザから設定の変更を受け付けて、オブジェクトテーブル80に登録してもよい。
【0043】
図19(a)(b)は、循環リストをスクロールするときの画面の例を示す。ユーザが、設定部46により、背面タッチパネルに対する入力により循環リストをスクロールときの方向を、タッチパネル61に対する入力により循環リストをスクロールするときの方向と同じになるように設定を変更したとする。この場合、図19(a)に示すように、画面120にブックマークのリストが表示されているときに、入力取得部41が、背面タッチパネル51において下方向にドラッグ入力が行われたことを検知すると、移動制御部44は、図19(b)に示すように、リストを下にスクロールする。これにより、ユーザの利便性をさらに向上させることができる。
【0044】
図20は、実施の形態に係る入力制御方法の手順を示すフローチャートである。図20は、表示対象を移動させるときの手順を示す。入力取得部41がタッチパネル61に対する操作入力を取得すると(S100のY)、移動制御部44は、入力の方向に応じて操作対象を移動させる(S102)。入力取得部41がタッチパネル61に対する操作入力を取得しない場合は(S100のN)、S102はスキップされる。入力取得部41が背面タッチパネル51に対する操作入力を取得すると(S104のY)、判定部43は、オブジェクトテーブル80を参照して、タッチパネル61に対する操作入力の場合と操作方向が同じであるか否かを判定する(S106)。操作方向が同じである場合(S106のY)、移動制御部44は、タッチパネル61に対する操作入力の場合と同じ方向に操作対象を移動させる(S108)。操作方向が反対である場合(S106のN)、移動制御部44は、タッチパネル61に対する操作入力の場合と反対の方向に操作対象を移動させる(S110)。入力取得部41が背面タッチパネル51に対する操作入力を取得しない場合(S104のN)、S106、S108、及びS110はスキップされる。
【0045】
図21は、実施の形態に係る入力制御方法の手順を示すフローチャートである。図21は、表示対象を回転させるときの手順を示す。入力取得部41がタッチパネル61に対する操作入力を取得すると(S120のY)、回転制御部45は、入力の方向に応じて、表示装置の表示画面に平行な仮想軸の周りで操作対象を回転させる(S122)。入力取得部41がタッチパネル61に対する操作入力を取得しない場合は(S120のN)、S122はスキップされる。入力取得部41が背面タッチパネル51に対する操作入力を取得すると(S124のY)、判定部43は、オブジェクトテーブル80を参照して、タッチパネル61に対する操作入力の場合と操作方向が同じであるか否かを判定する(S126)。操作方向が同じである場合(S126のY)、回転制御部45は、表示画面に平行な仮想軸の周りで、タッチパネル61に対する操作入力の場合と同じ方向に操作対象を回転させる(S128)。操作方向が反対である場合(S126のN)、回転制御部45は、表示画面に平行な仮想軸の周りで、タッチパネル61に対する操作入力の場合と反対の方向に操作対象を回転させる(S130)。入力取得部41が背面タッチパネル51に対する操作入力を取得しない場合(S124のN)、S126、S128、及びS130はスキップされる。
【0046】
以上の例においては、タッチパネル61に対する操作入力と、背面タッチパネル51に対する反対方向の操作入力によって、表示対象を同じ方向に操作する技術について説明したが、別の例においては、タッチパネル61と背面タッチパネル51に対する同時の操作入力によって、表示対象を操作してもよい。例えば、タッチパネル61及び背面タッチパネル51のいずれか一方に対してドラッグ入力が行われた場合は表示対象を移動させ、タッチパネル61及び背面タッチパネル51の双方に対して同時に反対方向へのドラッグ入力が行われた場合は表示対象を回転させてもよい。
【0047】
図22(a)(b)は、三次元オブジェクトを移動させるときの画面の例を示す。図22(a)に示すように、画面120に三次元オブジェクト122が表示されているときに、入力取得部41が、タッチパネル61において上方向にドラッグ入力が行われたことを検知すると、移動制御部44は、図22(b)に示すように、三次元オブジェクト122を上方向に移動させる。
【0048】
図23(a)(b)は、三次元オブジェクトを回転させるときの画面の例を示す。図23(a)に示すように、画面120に三次元オブジェクト122が表示されているときに、入力取得部41が、タッチパネル61において上方向にドラッグ入力が行われ、同時に、背面タッチパネル51において下方向にドラッグ入力が行われたことを検知すると、回転制御部45は、図23(b)に示すように、三次元オブジェクト122を、手前が上に奧が下に移動するように回転させる。これにより、ユーザの直感に合った操作環境を提供することができる。
【0049】
以上の例においては、タッチパネル61又は背面タッチパネル51に対する、ドラッグ入力、スワイプ入力、フリック入力、ピンチ入力などの方向指示入力に応じて表示対象を移動又は回転させる例について説明したが、別の例においては、タッチパネル61又は背面タッチパネル51に対するタップ入力などに応じて表示対象を操作してもよい。この場合も、タッチパネル61に対してタップ入力が行われた場合と、背面タッチパネル51に対してタップ入力が行われた場合とで、異なる操作を行ってもよい。
【0050】
図24(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。図24(a)に示すように、文書を表示するためのアプリケーション42により、画面140に文書のページ143a及び143bが表示されている。ページ143a及び143bは、図24(b)に示すように、表示装置60の表示画面に平行な仮想軸144の周りで回転される直方体状のオブジェクト142の手前側の側面に配置される。判定部43は、ユーザがタッチパネル61又は背面タッチパネル51においてタップ入力を行うと、入力位置に対応するオブジェクト142の位置がユーザにより押されたものとして、オブジェクト142の回転方向を判定する。ユーザは、オブジェクト142を回転させることにより、画面140に表示されるページを切り替えることができる。
【0051】
図25(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。図25(a)に示すように、画面140にページ143a及び143bが表示されているときに、入力取得部41が、タッチパネル61の、上側のページ143aが表示されている位置、すなわち、オブジェクト142の仮想軸144よりも上側の領域に対応する位置においてタップ入力が行われたことを検知すると、回転制御部45は、図25(b)に示すように、オブジェクト142を仮想軸144の周りで、上半分が奧に、下半分が手前に移動するように回転させる。これにより、画面140に表示されるページは、オブジェクト142の裏側の側面に配置されたページに切り替えられる。本実施の形態では、オブジェクト142が図25(b)に示すように回転されたとき、ページ143a及び143bの前のページであるページ145a及び145bに表示対象が切り替えられるものとする。オブジェクト142が更に同じ方向に回転されると、表示対象は更に前のページに切り替えられる。
【0052】
図26(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。図26(a)に示すように、画面140にページ143a及び143bが表示されているときに、入力取得部41が、タッチパネル61の、下側のページ143bが表示されている位置、すなわち、オブジェクト142の仮想軸144よりも下側の領域に対応する位置においてタップ入力が行われたことを検知すると、回転制御部45は、図26(b)に示すように、オブジェクト142を仮想軸144の周りで、上半分が手前に、下半分が奧に移動するように回転させる。これにより、画面140に表示されるページは、オブジェクト142の裏側の側面に配置されたページに切り替えられる。本実施の形態では、オブジェクト142が図26(b)に示すように回転されたとき、ページ143a及び143bの次のページであるページ146a及び146bに表示対象が切り替えられるものとする。オブジェクト142が更に同じ方向に回転されると、表示対象は更に次のページに切り替えられる。
【0053】
図27(a)(b)は、タップ入力によりオブジェクトを回転させるときの画面の例を示す。図27(a)に示すように、画面140にページ143a及び143bが表示されているときに、入力取得部41が、背面タッチパネル51の、上側のページ143aが表示されている位置、すなわち、オブジェクト142の仮想軸144よりも上側の領域に対応する位置においてタップ入力が行われたことを検知すると、回転制御部45は、図27(b)に示すように、オブジェクト142を仮想軸144の周りで、上半分が手前に、下半分が奧に移動するように回転させる。これにより、画面140に表示されるページは、ページ143a及び143bの次のページであるページ146a及び146bに切り替えられる。
【0054】
図28(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。図28(a)に示すように、画面140にページ143a及び143bが表示されているときに、入力取得部41が、背面タッチパネル51の、下側のページ143bが表示されている位置、すなわち、オブジェクト142の仮想軸144よりも下側の領域に対応する位置においてタップ入力が行われたことを検知すると、回転制御部45は、図28(b)に示すように、オブジェクト142を仮想軸144の周りで、上半分が奧に、下半分が手前に移動するように回転させる。これにより、画面140に表示されるページは、ページ143a及び143bの前のページであるページ145a及び145bに切り替えられる。
【0055】
このような機能により、ユーザは、タッチパネル61又は背面タッチパネル51に対するタップ入力により、オブジェクト142を押して回転させ、回転方向に応じて異なる表示対象に切り替えることができるので、直感に合った操作環境を提供することができる。
【0056】
図29(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。図29(a)に示すように、文書を表示するためのアプリケーション42により、画面150に文書のページ152が表示されている。ページ152は、図29(b)に示すように、表示装置60の表示画面に平行な仮想軸153の周りで回転される直方体状のオブジェクト151の手前側の側面に配置される。オブジェクト151が仮想軸153の周りで手前に回転して倒れると、オブジェクト151の奧に配置されていたオブジェクト154が手前に移動され、オブジェクト154の手前側の側面に配置されたページに表示対象が切り替えられる。オブジェクト151が仮想軸153の周りで奧に回転して倒れると、オブジェクト151の手前に配置されていたオブジェクト156が奧に移動され、オブジェクト156の手前側の側面に配置されたページに表示対象が切り替えられる。判定部43は、ユーザがタッチパネル61においてタップ入力を行うとオブジェクト151の手前側の側面が、背面タッチパネル51においてタップ入力を行うとオブジェクト151の裏側の側面が、ユーザにより押されたものとして、オブジェクト151の回転方向を判定する。
【0057】
図30(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。図30(a)に示すように、画面150にページ152が表示されているときに、入力取得部41が、タッチパネル61の、オブジェクト151が表示されている位置に対応する位置においてタップ入力が行われたことを検知すると、回転制御部45は、図30(b)に示すように、オブジェクト151を仮想軸153の周りで、奧に倒れるように回転させ、代わってオブジェクト156を表示対象とする。これにより、画面150に表示されるページは、ページ152の前のページであるページ157に切り替えられる。
【0058】
図31(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。図31(a)に示すように、画面150にページ152が表示されているときに、入力取得部41が、背面タッチパネル51の、オブジェクト151が表示されている位置に対応する位置においてタップ入力が行われたことを検知すると、回転制御部45は、図31(b)に示すように、オブジェクト151を仮想軸153の周りで、手前に倒れるように回転させ、代わってオブジェクト154を表示対象とする。これにより、画面150に表示されるページは、ページ152の次のページであるページ155に切り替えられる。
【0059】
このような機能により、ユーザは、タッチパネル61又は背面タッチパネル51に対するタップ入力により、オブジェクト151を押して回転させ、回転方向に応じて異なる表示対象に切り替えることができるので、直感に合った操作環境を提供することができる。
【0060】
図32(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。図32(a)に示すように、文書を表示するためのアプリケーション42により、画面150に文書のページ152が表示されている。ページ152は、図32(b)に示すように、平面159の上に配置された直方体状のオブジェクト151の手前側の側面に配置される。オブジェクト151が手前側に押されて平面159から落下すると、オブジェクト151の奧に配置されていたオブジェクト154が手前に移動され、オブジェクト154の手前側の側面に配置されたページに表示対象が切り替えられる。オブジェクト151が奧側に押されて平面159から落下すると、オブジェクト151の手前に配置されていたオブジェクト156が奧に移動され、オブジェクト156の手前側の側面に配置されたページに表示対象が切り替えられる。判定部43は、ユーザがタッチパネル61においてタップ入力を行うとオブジェクト151の手前側の側面が、背面タッチパネル51においてタップ入力を行うとオブジェクト151の裏側の側面が、ユーザにより押されたものとして、オブジェクト151の移動方向を判定する。
【0061】
図33(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。図33(a)に示すように、画面150にページ152が表示されているときに、入力取得部41が、タッチパネル61の、オブジェクト151が表示されている位置に対応する位置においてタップ入力が行われたことを検知すると、移動制御部44は、図33(b)に示すように、オブジェクト151を奧側に移動させた後、下方向に移動させ、代わってオブジェクト156を表示対象とする。これにより、画面150に表示されるページは、ページ152の前のページであるページ157に切り替えられる。
【0062】
図34(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。図34(a)に示すように、画面150にページ152が表示されているときに、入力取得部41が、背面タッチパネル51の、オブジェクト151が表示されている位置に対応する位置においてタップ入力が行われたことを検知すると、移動制御部44は、図34(b)に示すように、オブジェクト151を手前側に移動させた後、下方向に移動させ、代わってオブジェクト154を表示対象とする。これにより、画面150に表示されるページは、ページ152の次のページであるページ155に切り替えられる。
【0063】
このような機能により、ユーザは、タッチパネル61又は背面タッチパネル51に対するタップ入力により、オブジェクト151を押して移動させ、移動方向に応じて異なる表示対象に切り替えることができるので、直感に合った操作環境を提供することができる。
【0064】
上記の例においては、タップ入力により表示対象が押されたものとして表示対象を回転又は移動させたが、逆に、表示対象を引っ張る又は吸引するための指示入力をユーザから受け付け、表示対象が引っ張られたものとして表示対象を回転又は移動させてもよい。例えば、表示対象に対応する位置をタップして所定時間以上長押しした後にリリースする操作入力を、表示対象を吸引するための指示入力としてもよい。吸引する対象にユーザが指を押しつけて対象を指に吸着させた後に引っ張っているような操作を、表示対象を吸引するための指示入力とするので、ユーザの直感に合った操作環境を提供することができる。表示対象を吸引するための指示入力は、その他の入力であってもよく、例えば、ピンチイン入力などであってもよい。
【0065】
図35(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。図35(a)に示すように、入力取得部41は、画面150にページ152が表示されているときに、背面タッチパネル51の、オブジェクト151が表示されている位置に対応する位置においてタップ入力が行われたことを検知すると、タップされた位置を示すオブジェクト158を画面150に表示する。入力取得部41は、同じ位置で所定時間以上タップ入力が行われたことを検知すると、表示対象を吸引するための吸引モードに移行したことをユーザに視覚的に示すために、図35(b)に示すように、オブジェクト158の表示態様を変更する。
【0066】
図36(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。表示対象を吸引するための吸引モードに移行した後、図36(a)に示すように、ユーザが背面タッチパネル51から指を離したことを入力取得部41が検知すると、入力取得部41は、入力位置を示す情報と、吸引モードであることを回転制御部45に通知する。回転制御部45は、図31(a)(b)に示した例とは逆に、オブジェクト151を仮想軸153の周りで、奧に倒れるように回転させ、図36(b)に示すように、代わってオブジェクト156を表示対象とする。これにより、画面150に表示されるページは、ページ152の前のページであるページ157に切り替えられる。
【0067】
図37(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。図37(a)に示すように、入力取得部41は、画面150にページ152が表示されているときに、タッチパネル61の、オブジェクト151が表示されている位置に対応する位置においてタップ入力が行われたことを検知すると、オブジェクト151の表示態様を変更する。タッチパネル61がタップされた場合、タップされた位置を示すオブジェクトを画面150に表示しても、指に隠れて視認しにくい場合があるので、操作対象となるオブジェクト151全体の表示態様を変更している。入力取得部41は、同じ位置で所定時間以上タップ入力が行われたことを検知すると、表示対象を吸引するための吸引モードに移行したことをユーザに視覚的に示すために、図37(b)に示すように、オブジェクト151の表示態様を更に変更する。
【0068】
図38(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。表示対象を吸引するための吸引モードに移行した後、図38(a)に示すように、ユーザがタッチパネル61から指を離したことを入力取得部41が検知すると、入力取得部41は、入力位置を示す情報と、吸引モードであることを回転制御部45に通知する。回転制御部45は、図30(a)(b)に示した例とは逆に、オブジェクト151を仮想軸153の周りで、手前に倒れるように回転させ、図38(b)に示すように、代わってオブジェクト154を表示対象とする。これにより、画面150に表示されるページは、ページ152の次のページであるページ155に切り替えられる。
【0069】
吸引モードにおいて、判定部43は、ユーザがタッチパネル61において表示対象を吸引するための入力を行うとオブジェクト151の手前側の側面が、背面タッチパネル51において入力を行うとオブジェクト151の裏側の側面が、ユーザにより吸引されたものとして、オブジェクト151の回転方向を判定する。
【0070】
吸引モードは、様々な機能に利用可能である。例えば、吸引モードにおいて吸引されたオブジェクトを所定の倍率で縮小表示してもよい。これにより、ユーザが背面タッチパネル51において吸引のための入力を行ったときには、オブジェクトがあたかも奧に入り込んだように見せることができ、ユーザがタッチパネル61において吸引のための入力を行ったときには、オブジェクトがあたかも手前に浮き上がったように見せることができ、オブジェクトの移動を三次元的に表現することができる。また、ユーザが指でタッチパネル61又は背面タッチパネル51にタッチしたときに掃除機のアイコンを画面に表示し、画面上に配置されたゴミのオブジェクトの上で所定時間以上タッチし続けるとゴミを吸引するようなゲームを実現することができる。
【0071】
タップ入力によりオブジェクトを操作する例において、タップ入力の長さや強さなどに応じて操作の内容を異ならせてもよい。例えば、図24〜28に示した例において、タップ入力が所定値よりも長い又は強い場合は、オブジェクト142を2回以上回転させて、2以上前又は次のページに表示対象を切り替えてもよい。タップ入力が長い又は強いほど、多くの回数表示対象を切り替えるようにしてもよい。図29〜図38に示した例においても、同様に、タップ入力が長い又は強いほど、多くの回数表示対象を切り替えるようにしてもよい。
【0072】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、その各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0073】
実施の形態では、回転ドラム、三次元オブジェクト、循環リストを操作する例について説明したが、本実施の形態の技術は、もちろん、その他のオブジェクトを操作する場合にも適用可能である。例えば、銃を発射するゲームにおいて、画面に表示されている銃を操作して銃の向きを変更する場合や、飛行機などの操縦桿を操作する場合や、滑車により上下する昇降機などを操作する場合など、画面に平行な仮想軸の周りでの回転を観念できる任意の操作対象を操作する場合に、本実施の形態の技術を適用可能である。
【符号の説明】
【0074】
10 ゲーム装置、40 制御部、41 入力取得部、42 アプリケーション、43 判定部、44 移動制御部、45 回転制御部、46 設定部、51 背面タッチパネル、60 表示装置、61 タッチパネル、80 オブジェクトテーブル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力制御技術に関し、とくに、表示装置に表示された表示対象を操作するための入力を受け付けて表示対象を操作する入力制御装置、入力制御方法、及び入力制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルを備えたスマートフォンや携帯型ゲーム装置が広く普及しており、多くのユーザは、タップ入力、フリック入力、スワイプ入力、ドラッグ入力、ピンチ入力などのタッチパネルに対する基本的な入力操作に習熟してきている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、今後さらにスマートフォンや携帯型ゲーム装置などが普及することが予想される中、より分かりやすく、操作性の良い入力方法を提供する技術が求められる。本出願人は、表示装置の表示画面に併設されたタッチパネルと、表示装置の表示画面と反対側の面に設けられた背面タッチパネルとを有するゲーム装置を開発する過程において、そのような新しいゲーム装置を用いたユーザインタフェースの問題点を認識するに至り、問題点を克服してユーザの利便性を向上させるための技術に想到した。
【0004】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、より利便性の高い入力制御技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様は、入力制御プログラムに関する。この入力制御プログラムは、コンピュータを、表示装置の表示画面に表示対象を表示する表示制御部、前記表示装置の前記表示画面に併設されたタッチパネル及び前記表示装置の前記表示画面と反対側の面に設けられた背面タッチパネルから、前記表示対象に対する操作入力の位置又は方向を取得する取得部、前記取得部が前記背面タッチパネルから前記表示対象に対する操作入力を取得したときに、前記操作入力の位置又は方向と、操作の対象となっている表示対象の種類に応じて、その表示対象を操作する方向を判定する判定部、前記判定部により判定された方向に前記表示対象を操作する操作制御部、として機能させる。
【0006】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より利便性の高い入力制御技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態に係るゲーム装置の外観を示す図である。
【図2】実施の形態に係るゲーム装置の外観を示す図である。
【図3】ゲーム装置の回路構成を示す図である。
【図4】実施の形態に係るゲーム装置の機能構成を示す図である。
【図5】オブジェクトテーブルの内部データの例を示す図である。
【図6】図6(a)(b)は、ホームページをスクロールするときの画面の例を示す図である。
【図7】図7(a)(b)は、ホームページをスクロールするときの画面の例を示す図である。
【図8】図8(a)(b)は、回転ドラムをスクロールするときの画面の例を示す図である。
【図9】図9(a)(b)は、回転ドラムをスクロールするときの画面の例を示す図である。
【図10】図10(a)(b)は、回転ドラムをスクロールするときの画面の例を示す図である。
【図11】図11(a)(b)は、回転ドラムをスクロールするときの画面の例を示す図である。
【図12】図12(a)(b)は、回転ドラムをスクロールするときの画面の例を示す図である。
【図13】図13(a)(b)は、三次元オブジェクトを回転させるときの画面の例を示す図である。
【図14】図14(a)(b)は、三次元オブジェクトを回転させるときの画面の例を示す図である。
【図15】図15(a)(b)は、三次元オブジェクトを回転させるときの画面の例を示す図である。
【図16】図16(a)(b)は、三次元オブジェクトを回転させるときの画面の例を示す図である。
【図17】図17(a)(b)は、循環リストをスクロールするときの画面の例を示す図である。
【図18】図18(a)(b)は、循環リストをスクロールするときの画面の例を示す図である。
【図19】図19(a)(b)は、循環リストをスクロールするときの画面の例を示す図である。
【図20】図20(a)(b)は、実施の形態に係る入力制御方法の手順を示すフローチャートである。
【図21】図21(a)(b)は、実施の形態に係る入力制御方法の手順を示すフローチャートである。
【図22】図22(a)(b)は、三次元オブジェクトを移動させるときの画面の例を示す図である。
【図23】図23(a)(b)は、三次元オブジェクトを回転させるときの画面の例を示す図である。
【図24】図24(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図25】図25(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図26】図26(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図27】図27(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図28】図28(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図29】図29(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図30】図30(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図31】図31(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図32】図32(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図33】図33(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図34】図34(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図35】図35(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図36】図36(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図37】図37(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【図38】図38(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態に係る入力制御装置は、表示装置の表示画面に併設されたタッチパネルと、表示画面の反対側の面に配設された背面タッチパネルとを有しており、タッチパネルや背面タッチパネルなどに対する入力に応じて、表示装置に表示される表示対象の移動又は回転を制御する。入力制御装置は、表示対象が、表示画面に平行な仮想軸の周りの回転を観念できないものであれば、背面タッチパネルに対する入力の方向と操作方向との関係を、タッチパネルに対する入力の方向と操作方向との関係と同じとし、仮想軸の周りの回転を観念できるものであれば、背面タッチパネルに対する入力の方向と操作方向との関係を、タッチパネルに対する入力の方向と操作方向との関係と反対にする。例えば、タッチパネルにおける上方向へのドラッグ入力により上方向に操作される表示対象に対して、背面タッチパネルにおいて上方向へのドラッグ入力を行ったとき、前者の場合、表示対象は上方向に操作されるが、後者の場合、表示対象は下方向に操作される。実施の形態においては、入力制御装置の例として、ゲーム装置について説明する。
【0010】
図1及び図2は、実施の形態に係るゲーム装置10の外観を示す。図1及び図2に示すゲーム装置10は、プレイヤーが把持して使用する携帯型のゲーム装置である。図1に示すように、ゲーム装置10の表側、すなわち、プレイヤーがゲーム装置10を把持して操作するときにプレイヤーに面する側には、方向キー21、ボタン22、左アナログスティック23、右アナログスティック24、左ボタン25、右ボタン26などの入力装置65と、表示装置60と、前面カメラ68aとが備えられている。表示装置60には、プレイヤーの指やスタイラスペンなどによる接触を検知するためのタッチパネル61が併設されている。ボタン22は、○ボタン31、△ボタン32、□ボタン33、及び×ボタン34を含む。
【0011】
図2に示すように、ゲーム装置10の裏側には、背面タッチパネル51と背面カメラ68bが備えられている。ゲーム装置10の裏側にも、表側と同様に表示装置を設けてもよいが、本実施の形態では、ゲーム装置10の裏側には表示装置を設けずに、背面タッチパネル51のみを設ける。
【0012】
プレイヤーは、ゲーム装置10を両手で把持した状態で、例えば、右手親指でボタン22を操作し、左手親指で方向キー21を操作し、右手人差し指又は中指で右ボタン26を操作し、左手人差し指又は中指で左ボタン25を操作し、両手の親指でタッチパネル61を操作し、両手の薬指又は小指で背面タッチパネル51を操作することができる。スタイラスペンなどを用いる場合は、例えば、ゲーム装置10を左手で把持した状態で、右手でスタイラスペン又は人差し指によりタッチパネル61及びボタン22を操作し、左手親指で方向キー21を操作し、左手人差し指又は中指で左ボタン25を操作し、左手薬指又は小指で背面タッチパネル51を操作することができる。
【0013】
図3は、ゲーム装置10の回路構成を示す。表示装置60は、ゲーム装置10の各機能により生成される表示画面を表示する。表示装置60は、液晶表示装置であってもよいし、有機EL表示装置であってもよい。タッチパネル61は、表示装置60の上に重ね合わせて設けられ、ユーザの指やペンなどによる接触を検知する。タッチパネル61は、抵抗膜方式、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式など、いずれの方式のものであってもよい。タッチパネル61は、入力を検知した位置の座標を所定の周期で出力する。背面タッチパネル51も、任意の方式のタッチパネルであってもよい。背面タッチパネル51は、背面タッチパネル51に対する押圧の圧力を検知可能な感圧センサを備えてもよいし、入力を検知した領域の面積、電圧値、静電容量などに基づいて入力の強度を算出してもよい。背面タッチパネル51は、入力を検知した位置の座標及び入力の強度(圧力)を所定の周期で出力する。
【0014】
LED62は、ゲーム装置10の状態などを示すインジケータを構成する。動きセンサ63は、ゲーム装置10の動きを検知する。動きセンサ63は、3軸ジャイロセンサ及び3軸加速度センサを含む。3軸ジャイロセンサは、ゲーム装置10のXZ平面、ZY平面、YX平面における角速度を検知する。3軸ジャイロセンサは、回転型又は振動型の機械式ジャイロセンサであってもよいし、流体式又は光学式のジャイロセンサであってもよい。3軸ジャイロセンサにより検知された3軸の周りの角速度を積分することにより、3軸の周りの回転量を算出することができる。3軸加速度センサは、梁に支持された錘を内蔵し、加速による錘の位置変化を検知することにより、ゲーム装置10のXYZの3軸方向の加速度を検知する。3軸加速度センサは、機械式、光学式、又は半導体式の加速度センサであってもよい。3軸加速度センサにより、重力加速度の方向とゲーム装置10のXYZの3軸の方向との相対角度を検知することができるので、ゲーム装置10の姿勢を算出することができる。また、3軸の方向の加速度を積分することにより速度を算出することができ、さらに積分することにより移動量を算出することができる。
【0015】
マイク35は、ゲーム装置10の周辺の音声を入力する。スピーカ64は、ゲーム装置10の各機能により生成される音声を出力する。ステレオ入出力端子36は、外部のマイクからステレオ音声を入力し、外部のヘッドフォンなどへステレオ音声を出力する。入力装置65は、前述した操作キーなどを含み、ユーザの操作入力を受け付ける。以上のタッチパネル61、背面タッチパネル51、LED62、動きセンサ63、マイク35、スピーカ64、ステレオ入出力端子36及び入力装置65が、インターフェイス66を介してCPU71等と相互にデータを授受する。
【0016】
無線通信制御部67は、IEEE802.11b/g等の通信規格に準拠した無線LAN(Wireless Local Area Network)によって構成され、アクセスポイントなどと無線通信し、アクセスポイント及びインターネットを介した他の装置との間の通信を制御する。カメラ68は、画像を撮像し、画像データを入力する。携帯電話網通信制御部69は、ITU(国際電気通信連合)によって定められたIMT−2000規格に準拠した第三世代(3rd Generation)デジタル携帯電話方式に対応し、携帯電話網及びインターネットを介した他の装置との間の通信を制御する。SIMカード70には、携帯電話の電話番号を特定するための固有のID番号が記録されており、SIMカード70が挿入されることにより、携帯電話網との間の通信が可能となる。カメラ68は、CMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)によって構成される正面カメラ68aと、同様にCMOSイメージセンサによって構成される背面カメラ68bとから成り、正面方向と背面方向の画像を各々撮像し、画像データとして出力する。
【0017】
CPU(Central Processing Unit)71は、メインメモリ73にロードされたプログラムなどを実行し、図4に示す各機能構成を実現する。GPU(Graphics Processing Unit)72は、画像処理に必要な計算を実行する。メインメモリ73は、RAM(Random Access Memory)などにより構成され、ゲーム装置10で動作するプログラムやデータなどを記憶する。ストレージ74は、NAND型フラッシュメモリ(NAND-type flash memory)などにより構成され、ゲーム装置10の各構成により利用されるプログラムやデータなどを記録する。
【0018】
GPS(Global Positioning System)制御部75は、GPS衛星からの信号を受信し、現在位置を算出する。Bluetooth制御部76は、Bluetoothによる周辺装置15との間の無線通信を制御する。USB制御部77は、USBによる周辺装置15との間の通信を制御する。メモリカード制御部78は、外部メディア16との間のデータの読み書きを制御する。ビデオ出力制御部79は、HDMIなどの規格に基づいて、外部表示装置17へビデオ信号を出力する。
【0019】
図4は、実施の形態に係るゲーム装置10の機能構成を示す。ゲーム装置10は、制御部40、データ保持部86、オブジェクトテーブル80、及び画面生成部85を備える。これらの構成は、ハードウエアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0020】
制御部40は、アプリケーションのプログラムが格納されたデータ保持部86などからプログラムを読み出し、入力装置65、タッチパネル61、背面タッチパネル51、動きセンサ63などからユーザにより入力される操作指示に基づいて、アプリケーションを実行する。データ保持部86は、プログラムや各種のデータファイルなどを保持する。オブジェクトテーブル80は、アプリケーション42などにより表示装置60の表示画面に表示されるオブジェクトの情報を格納する。画面生成部85は、制御部40により制御されるアプリケーションなどの画面を生成し、表示装置60に表示させる。
【0021】
制御部40は、入力取得部41、アプリケーション42、判定部43、移動制御部44、回転制御部45、及び設定部46を備える。
【0022】
入力取得部41は、タッチパネル61及び背面タッチパネル51から、表示装置60に表示された表示対象を操作するための入力を取得する。入力取得部41は、フリック入力、スワイプ入力、ドラッグ入力など、表示対象を操作する方向を指示するための入力を取得する。入力取得部41は、タッチパネル61及び背面タッチパネル51に対する入力が検知された位置の表示画面における座標を取得し、その入力が、フリック入力、スワイプ入力、ドラッグ入力などに該当するか否かを判定し、該当する場合はその方向を判定してもよいし、図示しないデバイスドライバなどから、フリック入力、スワイプ入力、ドラッグ入力などの方向を取得してもよい。
【0023】
アプリケーション42は、ゲームなどのプログラムをデータ保持部86から読み出して実行することにより、各種の機能を提供する。アプリケーション42と画面生成部85は、表示装置60の表示画面に表示対象を表示する表示制御部として機能する。
【0024】
判定部43は、アプリケーション42により表示装置60に表示対象が表示されているときに、タッチパネル61又は背面タッチパネル51を介して、ユーザから表示対象を操作するための指示入力を受け付けたとき、オブジェクトテーブル80を参照して、その表示対象を操作する方向を判定する。
【0025】
移動制御部44は、表示装置60に表示される表示対象の移動を制御する。回転制御部45は、表示装置60に表示される表示対象の回転を制御する。移動制御部44及び回転制御部45は、判定部43により判定された操作方向に表示対象を移動又は回転させる。設定部46は、ユーザから表示対象の操作方向に関する設定を受け付け、オブジェクトテーブル80に登録する。
【0026】
図5は、オブジェクトテーブル80の内部データの例を示す。オブジェクトテーブル80には、操作対象欄81、操作欄82、及び方向欄83が設けられている。操作対象欄81は、タッチパネル61及び背面タッチパネル51に対する指示入力による操作の対象となるオブジェクトなどの種別を格納する。操作欄82は、操作対象となるオブジェクトなどに対して実行される操作の内容を格納する。方向欄83は、タッチパネル61に対する指示入力の方向と操作対象を操作するときの方向の関係と、背面タッチパネル51に対する指示入力の方向と操作対象を操作するときの方向の関係とが、同じであるか反対であるかを示す情報を格納する。例えば、操作対象がホームページで、操作内容がスクロールである場合には、タッチパネル61と背面タッチパネル51に対する同一方向の指示入力により、ホームページは同一方向にスクロールされる。回転ドラムをスクロールする場合には、タッチパネル61と背面タッチパネル51に対する同一方向の指示入力により、回転ドラムは反対方向にスクロールされる。
【0027】
図6(a)(b)は、ホームページをスクロールするときの画面の例を示す。図6(a)に示すように、ホームページを表示するためのアプリケーション42により、画面100にホームページが表示されているとき、入力取得部41がタッチパネル61において上方向にドラッグ入力が行われたことを検知すると、移動制御部44は、図6(b)に示すように、ホームページを上方向へスクロールする。これにより、スクロール前には画面100に表示されていなかったホームページの下部が画面100に表示される。
【0028】
図7(a)(b)は、ホームページをスクロールするときの画面の例を示す。図7(a)に示すように、画面100にホームページが表示されているとき、入力取得部41が背面タッチパネル51においてドラッグ入力が行われたことを検知すると、判定部43は、オブジェクトテーブル80を参照して、ホームページをスクロールする方向を決定する。オブジェクトテーブル80には、ホームページをスクロールする場合、背面タッチパネル51に対する操作により、タッチパネル61に対する操作の場合と同じ方向へスクロールすべきことが格納されているので、判定部43は、背面タッチパネル51において上方向にドラッグ入力が行われたことが検知されると、ホームページを上方向へスクロールすると判定する。移動制御部44は、図7(b)に示すように、上方向へホームページをスクロールする。このように、ユーザは、ホームページをスクロールさせるときには、タッチパネル61においても、背面タッチパネル51においても、上方向へドラッグ入力を行うと上方向にスクロールさせ、下方向へドラッグ入力を行うと下方向にスクロールさせることができる。これにより、ユーザの直感に合った操作環境を提供することができる。
【0029】
図8(a)(b)は、回転ドラムをスクロールするときの画面の例を示す。図8(a)に示すように、時間を設定するためのアプリケーション42により、画面110に、時を設定するための回転ドラム112a及び分を設定するための回転ドラム112bが表示されている。回転ドラム112a及び112bは、図8(b)に示すように、表示装置60の表示画面に平行な仮想軸114の周りで回転される円柱状のオブジェクトにより表現され、円柱の側面に記載された数値の一部が画面110に表示される。ユーザは、回転ドラム112a及び112bを回転させることにより、画面110に表示される数値を上下にスクロールさせ、設定される数値を変更することができる。
【0030】
図9(a)(b)は、回転ドラムをスクロールするときの画面の例を示す。図9(a)に示すように、画面110に回転ドラム112aが表示されているときに、入力取得部41が、タッチパネル61の回転ドラム112aが表示されている位置に対応する位置において上方向にドラッグ入力が行われたことを検知すると、移動制御部44は、図9(b)に示すように、回転ドラム112aを仮想軸114の周りで、手前が上に奧が下に移動するように回転させ、回転ドラム112aに表示される数値を上方向にスクロールする。
【0031】
図10(a)(b)は、回転ドラムをスクロールするときの画面の例を示す。図10(a)に示すように、画面110に回転ドラム112aが表示されているときに、入力取得部41が、背面タッチパネル51の回転ドラム112aが表示されている位置に対応する位置においてドラッグ入力が行われたことを検知すると、判定部43は、オブジェクトテーブル80を参照して、回転ドラム112aを回転させて数値をスクロールする方向を判定する。図8(b)に示すように、画面110には、回転ドラム112aを表現する円柱状のオブジェクトの側面の一部しか表示されないが、同一方向にスクロールし続けると0〜23の数値が循環して表示されるので、ユーザも、回転ドラム112aが仮想軸の周りで回転される円柱状のオブジェクトにより表現されていることを認識することができる。そのため、ユーザは、タッチパネル61により回転ドラム112aを操作するときには、円柱状のオブジェクトの手前側の側面を操作しているように感じ、背面タッチパネル51により回転ドラム112aを操作するときには、円柱状のオブジェクトの奧側の側面を操作しているように感じる。したがって、図10(b)に示すように、ユーザが背面タッチパネル51において下方向にドラッグ入力を行ったとき、移動制御部44は、タッチパネル61において下方向にドラッグ入力を行ったときとは逆に、回転ドラム112aを上方向にスクロールする。これにより、ユーザの直感に合った操作環境を提供することができる。
【0032】
図11(a)(b)は、回転ドラムをスクロールするときの画面の例を示す。図11(a)に示すように、画面110に回転ドラム112aが表示されているときに、入力取得部41が、タッチパネル61の回転ドラム112aが表示されている位置に対応する位置において下方向にドラッグ入力が行われたことを検知すると、移動制御部44は、図11(b)に示すように、回転ドラム112aを仮想軸114の周りで、手前が下に奧が上に移動するように回転させ、回転ドラム112aに表示される数値を下方向にスクロールする。
【0033】
図12(a)(b)は、回転ドラムをスクロールするときの画面の例を示す。図12(a)に示すように、画面110に回転ドラム112aが表示されているときに、入力取得部41が、背面タッチパネル51の回転ドラム112aが表示されている位置に対応する位置において下方向にドラッグ入力が行われたことを検知すると、判定部43は、オブジェクトテーブル80を参照して、回転ドラム112aを回転させて数値をスクロールする方向を判定する。オブジェクトテーブル80には、回転ドラムをスクロールする場合、背面タッチパネル51に対する操作により、タッチパネル61に対する操作の場合と反対の方向へスクロールすべきことが格納されているので、判定部43は、背面タッチパネル51において下方向にドラッグ入力が行われたことが検知されると、回転ドラムを上方向へスクロールすると判定する。移動制御部44は、図12(b)に示すように、上方向へ回転ドラム112aをスクロールする。
【0034】
図9(a)及び図12(a)に示すように、タッチパネル61と背面タッチパネル51に対する反対の方向の指示入力により、図9(b)及び図12(b)に示すように、回転ドラム112aが同じ上方向にスクロールされる。同様に、図10(a)及び図11(b)に示すように、タッチパネル61と背面タッチパネル51に対する反対の方向の指示入力により、図10(b)及び図11(b)に示すように、回転ドラム112aが同じ下方向にスクロールされる。
【0035】
移動制御部44は、タッチパネル61及び背面タッチパネル51のうちいずれか一方からの操作入力のみを受け付けて回転ドラムをスクロールしてもよいし、双方からの操作入力を受け付けてもよい。後者の場合、ユーザは、例えば、背面タッチパネル51により回転ドラムをスクロールさせた後、タッチパネル61によりスクロールを停止させ、スクロールを微調整することができる。移動制御部44は、ドラッグ入力の移動量、速度、又は加速度に応じて、スクロールの量、速度、又は加速度を調整してもよい。
【0036】
図13(a)(b)は、三次元オブジェクトを回転させるときの画面の例を示す。図13(a)に示すように、三次元オブジェクトを表示するためのアプリケーション42により、画面120に、三次元オブジェクト122が表示されているときに、入力取得部41が、タッチパネル61において上方向にドラッグ入力が行われたことを検知すると、回転制御部45は、図13(b)に示すように、三次元オブジェクト122を仮想軸124の周りで、手前が上に奧が下に移動するように回転させる。
【0037】
図14(a)(b)は、三次元オブジェクトを回転させるときの画面の例を示す。図14(a)に示すように、画面120に三次元オブジェクト122が表示されているときに、入力取得部41が、背面タッチパネル51においてドラッグ入力が行われたことを検知すると、判定部43は、オブジェクトテーブル80を参照して、三次元オブジェクト122を回転させる方向を判定する。回転ドラムの場合と同様に、ユーザは、タッチパネル61により三次元オブジェクト122を回転させるときには、三次元オブジェクト122の、仮想軸124よりも手前側を持って、三次元オブジェクト122を回転させているように感じ、背面タッチパネル51により三次元オブジェクト122を回転させるときには、三次元オブジェクト122の、仮想軸124よりも奧側を持って、三次元オブジェクト122を回転させているように感じる。したがって、オブジェクトテーブル80には、背面タッチパネル51に対する入力により三次元オブジェクトを回転させるときの方向は、タッチパネル61に対する入力により三次元オブジェクトを回転させるときの方向と反対であることが格納される。図14(b)に示すように、ユーザが背面タッチパネル51において下方向にドラッグ入力を行ったとき、移動制御部44は、三次元オブジェクト122を、手前が上に奧が下に移動するように回転させる。これにより、ユーザの直感に合った操作環境を提供することができる。
【0038】
図15(a)(b)は、三次元オブジェクトを回転させるときの画面の例を示す。図15(a)に示すように、三次元オブジェクトを表示するためのアプリケーション42により、画面120に、三次元オブジェクト122が表示されているときに、入力取得部41が、タッチパネル61において右方向にドラッグ入力が行われたことを検知すると、回転制御部45は、図15(b)に示すように、三次元オブジェクト122を、表示装置60の表示画面に平行で、かつ、ドラッグ入力の方向に垂直な仮想軸126の周りで、手前が右に奧が左に移動するように回転させる。
【0039】
図16(a)(b)は、三次元オブジェクトを回転させるときの画面の例を示す。図16(a)に示すように、画面120に三次元オブジェクト122が表示されているときに、入力取得部41が、背面タッチパネル51においてドラッグ入力が行われたことを検知すると、判定部43は、オブジェクトテーブル80を参照して、三次元オブジェクト122を回転させる方向を判定する。オブジェクトテーブル80には、背面タッチパネル51に対する入力により三次元オブジェクトを回転させるときの方向は、タッチパネル61に対する入力により三次元オブジェクトを回転させるときの方向と反対であることが格納されているので、ユーザが背面タッチパネル51において左方向にドラッグ入力を行ったとき、移動制御部44は、図14(b)に示すように、三次元オブジェクト122を、手前が右に奧が左に移動するように回転させる。これにより、ユーザの直感に合った操作環境を提供することができる。
【0040】
図17(a)(b)は、循環リストをスクロールするときの画面の例を示す。図17(a)に示すように、ブックマークを表示するためのアプリケーション42により、画面130に、ブックマークのリストが表示されているときに、入力取得部41が、タッチパネル61において上方向にドラッグ入力が行われたことを検知すると、移動制御部44は、図17(b)に示すように、リストを上にスクロールする。ブックマークのリストは、最終の項目である「ユーザブックマーク7」の次に、最初の項目である「ユーザフォルダ1」が循環して表示されるようにスクロールされる。
【0041】
図18(a)(b)は、循環リストをスクロールするときの画面の例を示す。図18(a)に示すように、画面120にブックマークのリストが表示されているときに、入力取得部41が、背面タッチパネル51においてドラッグ入力が行われたことを検知すると、判定部43は、オブジェクトテーブル80を参照して、リストをスクロールする方向を判定する。オブジェクトテーブル80には、背面タッチパネル51に対する入力により循環リストをスクロールするときの方向は、タッチパネル61に対する入力により循環リストをスクロールするときの方向と反対であることが格納されているので、ユーザが背面タッチパネル51において下方向にドラッグ入力を行ったとき、移動制御部44は、図18(b)に示すように、リストを上にスクロールする。
【0042】
図18(b)に示した例では、循環的に表示されるブックマークのリストを、回転ドラムと同様に操作する環境を提供するが、ユーザによっては、回転ドラムよりも平面的な印象を受けるブックマークのリストを、回転ドラムと同様に操作することに違和感を覚える可能性がある。このとき、ユーザは、設定部46により操作方向を変更することができる。設定部46は、例えば、表示対象を操作するときの操作方向を変更するための設定画面を表示し、ユーザから設定の変更を受け付けて、オブジェクトテーブル80に登録してもよい。
【0043】
図19(a)(b)は、循環リストをスクロールするときの画面の例を示す。ユーザが、設定部46により、背面タッチパネルに対する入力により循環リストをスクロールときの方向を、タッチパネル61に対する入力により循環リストをスクロールするときの方向と同じになるように設定を変更したとする。この場合、図19(a)に示すように、画面120にブックマークのリストが表示されているときに、入力取得部41が、背面タッチパネル51において下方向にドラッグ入力が行われたことを検知すると、移動制御部44は、図19(b)に示すように、リストを下にスクロールする。これにより、ユーザの利便性をさらに向上させることができる。
【0044】
図20は、実施の形態に係る入力制御方法の手順を示すフローチャートである。図20は、表示対象を移動させるときの手順を示す。入力取得部41がタッチパネル61に対する操作入力を取得すると(S100のY)、移動制御部44は、入力の方向に応じて操作対象を移動させる(S102)。入力取得部41がタッチパネル61に対する操作入力を取得しない場合は(S100のN)、S102はスキップされる。入力取得部41が背面タッチパネル51に対する操作入力を取得すると(S104のY)、判定部43は、オブジェクトテーブル80を参照して、タッチパネル61に対する操作入力の場合と操作方向が同じであるか否かを判定する(S106)。操作方向が同じである場合(S106のY)、移動制御部44は、タッチパネル61に対する操作入力の場合と同じ方向に操作対象を移動させる(S108)。操作方向が反対である場合(S106のN)、移動制御部44は、タッチパネル61に対する操作入力の場合と反対の方向に操作対象を移動させる(S110)。入力取得部41が背面タッチパネル51に対する操作入力を取得しない場合(S104のN)、S106、S108、及びS110はスキップされる。
【0045】
図21は、実施の形態に係る入力制御方法の手順を示すフローチャートである。図21は、表示対象を回転させるときの手順を示す。入力取得部41がタッチパネル61に対する操作入力を取得すると(S120のY)、回転制御部45は、入力の方向に応じて、表示装置の表示画面に平行な仮想軸の周りで操作対象を回転させる(S122)。入力取得部41がタッチパネル61に対する操作入力を取得しない場合は(S120のN)、S122はスキップされる。入力取得部41が背面タッチパネル51に対する操作入力を取得すると(S124のY)、判定部43は、オブジェクトテーブル80を参照して、タッチパネル61に対する操作入力の場合と操作方向が同じであるか否かを判定する(S126)。操作方向が同じである場合(S126のY)、回転制御部45は、表示画面に平行な仮想軸の周りで、タッチパネル61に対する操作入力の場合と同じ方向に操作対象を回転させる(S128)。操作方向が反対である場合(S126のN)、回転制御部45は、表示画面に平行な仮想軸の周りで、タッチパネル61に対する操作入力の場合と反対の方向に操作対象を回転させる(S130)。入力取得部41が背面タッチパネル51に対する操作入力を取得しない場合(S124のN)、S126、S128、及びS130はスキップされる。
【0046】
以上の例においては、タッチパネル61に対する操作入力と、背面タッチパネル51に対する反対方向の操作入力によって、表示対象を同じ方向に操作する技術について説明したが、別の例においては、タッチパネル61と背面タッチパネル51に対する同時の操作入力によって、表示対象を操作してもよい。例えば、タッチパネル61及び背面タッチパネル51のいずれか一方に対してドラッグ入力が行われた場合は表示対象を移動させ、タッチパネル61及び背面タッチパネル51の双方に対して同時に反対方向へのドラッグ入力が行われた場合は表示対象を回転させてもよい。
【0047】
図22(a)(b)は、三次元オブジェクトを移動させるときの画面の例を示す。図22(a)に示すように、画面120に三次元オブジェクト122が表示されているときに、入力取得部41が、タッチパネル61において上方向にドラッグ入力が行われたことを検知すると、移動制御部44は、図22(b)に示すように、三次元オブジェクト122を上方向に移動させる。
【0048】
図23(a)(b)は、三次元オブジェクトを回転させるときの画面の例を示す。図23(a)に示すように、画面120に三次元オブジェクト122が表示されているときに、入力取得部41が、タッチパネル61において上方向にドラッグ入力が行われ、同時に、背面タッチパネル51において下方向にドラッグ入力が行われたことを検知すると、回転制御部45は、図23(b)に示すように、三次元オブジェクト122を、手前が上に奧が下に移動するように回転させる。これにより、ユーザの直感に合った操作環境を提供することができる。
【0049】
以上の例においては、タッチパネル61又は背面タッチパネル51に対する、ドラッグ入力、スワイプ入力、フリック入力、ピンチ入力などの方向指示入力に応じて表示対象を移動又は回転させる例について説明したが、別の例においては、タッチパネル61又は背面タッチパネル51に対するタップ入力などに応じて表示対象を操作してもよい。この場合も、タッチパネル61に対してタップ入力が行われた場合と、背面タッチパネル51に対してタップ入力が行われた場合とで、異なる操作を行ってもよい。
【0050】
図24(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。図24(a)に示すように、文書を表示するためのアプリケーション42により、画面140に文書のページ143a及び143bが表示されている。ページ143a及び143bは、図24(b)に示すように、表示装置60の表示画面に平行な仮想軸144の周りで回転される直方体状のオブジェクト142の手前側の側面に配置される。判定部43は、ユーザがタッチパネル61又は背面タッチパネル51においてタップ入力を行うと、入力位置に対応するオブジェクト142の位置がユーザにより押されたものとして、オブジェクト142の回転方向を判定する。ユーザは、オブジェクト142を回転させることにより、画面140に表示されるページを切り替えることができる。
【0051】
図25(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。図25(a)に示すように、画面140にページ143a及び143bが表示されているときに、入力取得部41が、タッチパネル61の、上側のページ143aが表示されている位置、すなわち、オブジェクト142の仮想軸144よりも上側の領域に対応する位置においてタップ入力が行われたことを検知すると、回転制御部45は、図25(b)に示すように、オブジェクト142を仮想軸144の周りで、上半分が奧に、下半分が手前に移動するように回転させる。これにより、画面140に表示されるページは、オブジェクト142の裏側の側面に配置されたページに切り替えられる。本実施の形態では、オブジェクト142が図25(b)に示すように回転されたとき、ページ143a及び143bの前のページであるページ145a及び145bに表示対象が切り替えられるものとする。オブジェクト142が更に同じ方向に回転されると、表示対象は更に前のページに切り替えられる。
【0052】
図26(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。図26(a)に示すように、画面140にページ143a及び143bが表示されているときに、入力取得部41が、タッチパネル61の、下側のページ143bが表示されている位置、すなわち、オブジェクト142の仮想軸144よりも下側の領域に対応する位置においてタップ入力が行われたことを検知すると、回転制御部45は、図26(b)に示すように、オブジェクト142を仮想軸144の周りで、上半分が手前に、下半分が奧に移動するように回転させる。これにより、画面140に表示されるページは、オブジェクト142の裏側の側面に配置されたページに切り替えられる。本実施の形態では、オブジェクト142が図26(b)に示すように回転されたとき、ページ143a及び143bの次のページであるページ146a及び146bに表示対象が切り替えられるものとする。オブジェクト142が更に同じ方向に回転されると、表示対象は更に次のページに切り替えられる。
【0053】
図27(a)(b)は、タップ入力によりオブジェクトを回転させるときの画面の例を示す。図27(a)に示すように、画面140にページ143a及び143bが表示されているときに、入力取得部41が、背面タッチパネル51の、上側のページ143aが表示されている位置、すなわち、オブジェクト142の仮想軸144よりも上側の領域に対応する位置においてタップ入力が行われたことを検知すると、回転制御部45は、図27(b)に示すように、オブジェクト142を仮想軸144の周りで、上半分が手前に、下半分が奧に移動するように回転させる。これにより、画面140に表示されるページは、ページ143a及び143bの次のページであるページ146a及び146bに切り替えられる。
【0054】
図28(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。図28(a)に示すように、画面140にページ143a及び143bが表示されているときに、入力取得部41が、背面タッチパネル51の、下側のページ143bが表示されている位置、すなわち、オブジェクト142の仮想軸144よりも下側の領域に対応する位置においてタップ入力が行われたことを検知すると、回転制御部45は、図28(b)に示すように、オブジェクト142を仮想軸144の周りで、上半分が奧に、下半分が手前に移動するように回転させる。これにより、画面140に表示されるページは、ページ143a及び143bの前のページであるページ145a及び145bに切り替えられる。
【0055】
このような機能により、ユーザは、タッチパネル61又は背面タッチパネル51に対するタップ入力により、オブジェクト142を押して回転させ、回転方向に応じて異なる表示対象に切り替えることができるので、直感に合った操作環境を提供することができる。
【0056】
図29(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。図29(a)に示すように、文書を表示するためのアプリケーション42により、画面150に文書のページ152が表示されている。ページ152は、図29(b)に示すように、表示装置60の表示画面に平行な仮想軸153の周りで回転される直方体状のオブジェクト151の手前側の側面に配置される。オブジェクト151が仮想軸153の周りで手前に回転して倒れると、オブジェクト151の奧に配置されていたオブジェクト154が手前に移動され、オブジェクト154の手前側の側面に配置されたページに表示対象が切り替えられる。オブジェクト151が仮想軸153の周りで奧に回転して倒れると、オブジェクト151の手前に配置されていたオブジェクト156が奧に移動され、オブジェクト156の手前側の側面に配置されたページに表示対象が切り替えられる。判定部43は、ユーザがタッチパネル61においてタップ入力を行うとオブジェクト151の手前側の側面が、背面タッチパネル51においてタップ入力を行うとオブジェクト151の裏側の側面が、ユーザにより押されたものとして、オブジェクト151の回転方向を判定する。
【0057】
図30(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。図30(a)に示すように、画面150にページ152が表示されているときに、入力取得部41が、タッチパネル61の、オブジェクト151が表示されている位置に対応する位置においてタップ入力が行われたことを検知すると、回転制御部45は、図30(b)に示すように、オブジェクト151を仮想軸153の周りで、奧に倒れるように回転させ、代わってオブジェクト156を表示対象とする。これにより、画面150に表示されるページは、ページ152の前のページであるページ157に切り替えられる。
【0058】
図31(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。図31(a)に示すように、画面150にページ152が表示されているときに、入力取得部41が、背面タッチパネル51の、オブジェクト151が表示されている位置に対応する位置においてタップ入力が行われたことを検知すると、回転制御部45は、図31(b)に示すように、オブジェクト151を仮想軸153の周りで、手前に倒れるように回転させ、代わってオブジェクト154を表示対象とする。これにより、画面150に表示されるページは、ページ152の次のページであるページ155に切り替えられる。
【0059】
このような機能により、ユーザは、タッチパネル61又は背面タッチパネル51に対するタップ入力により、オブジェクト151を押して回転させ、回転方向に応じて異なる表示対象に切り替えることができるので、直感に合った操作環境を提供することができる。
【0060】
図32(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。図32(a)に示すように、文書を表示するためのアプリケーション42により、画面150に文書のページ152が表示されている。ページ152は、図32(b)に示すように、平面159の上に配置された直方体状のオブジェクト151の手前側の側面に配置される。オブジェクト151が手前側に押されて平面159から落下すると、オブジェクト151の奧に配置されていたオブジェクト154が手前に移動され、オブジェクト154の手前側の側面に配置されたページに表示対象が切り替えられる。オブジェクト151が奧側に押されて平面159から落下すると、オブジェクト151の手前に配置されていたオブジェクト156が奧に移動され、オブジェクト156の手前側の側面に配置されたページに表示対象が切り替えられる。判定部43は、ユーザがタッチパネル61においてタップ入力を行うとオブジェクト151の手前側の側面が、背面タッチパネル51においてタップ入力を行うとオブジェクト151の裏側の側面が、ユーザにより押されたものとして、オブジェクト151の移動方向を判定する。
【0061】
図33(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。図33(a)に示すように、画面150にページ152が表示されているときに、入力取得部41が、タッチパネル61の、オブジェクト151が表示されている位置に対応する位置においてタップ入力が行われたことを検知すると、移動制御部44は、図33(b)に示すように、オブジェクト151を奧側に移動させた後、下方向に移動させ、代わってオブジェクト156を表示対象とする。これにより、画面150に表示されるページは、ページ152の前のページであるページ157に切り替えられる。
【0062】
図34(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。図34(a)に示すように、画面150にページ152が表示されているときに、入力取得部41が、背面タッチパネル51の、オブジェクト151が表示されている位置に対応する位置においてタップ入力が行われたことを検知すると、移動制御部44は、図34(b)に示すように、オブジェクト151を手前側に移動させた後、下方向に移動させ、代わってオブジェクト154を表示対象とする。これにより、画面150に表示されるページは、ページ152の次のページであるページ155に切り替えられる。
【0063】
このような機能により、ユーザは、タッチパネル61又は背面タッチパネル51に対するタップ入力により、オブジェクト151を押して移動させ、移動方向に応じて異なる表示対象に切り替えることができるので、直感に合った操作環境を提供することができる。
【0064】
上記の例においては、タップ入力により表示対象が押されたものとして表示対象を回転又は移動させたが、逆に、表示対象を引っ張る又は吸引するための指示入力をユーザから受け付け、表示対象が引っ張られたものとして表示対象を回転又は移動させてもよい。例えば、表示対象に対応する位置をタップして所定時間以上長押しした後にリリースする操作入力を、表示対象を吸引するための指示入力としてもよい。吸引する対象にユーザが指を押しつけて対象を指に吸着させた後に引っ張っているような操作を、表示対象を吸引するための指示入力とするので、ユーザの直感に合った操作環境を提供することができる。表示対象を吸引するための指示入力は、その他の入力であってもよく、例えば、ピンチイン入力などであってもよい。
【0065】
図35(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。図35(a)に示すように、入力取得部41は、画面150にページ152が表示されているときに、背面タッチパネル51の、オブジェクト151が表示されている位置に対応する位置においてタップ入力が行われたことを検知すると、タップされた位置を示すオブジェクト158を画面150に表示する。入力取得部41は、同じ位置で所定時間以上タップ入力が行われたことを検知すると、表示対象を吸引するための吸引モードに移行したことをユーザに視覚的に示すために、図35(b)に示すように、オブジェクト158の表示態様を変更する。
【0066】
図36(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。表示対象を吸引するための吸引モードに移行した後、図36(a)に示すように、ユーザが背面タッチパネル51から指を離したことを入力取得部41が検知すると、入力取得部41は、入力位置を示す情報と、吸引モードであることを回転制御部45に通知する。回転制御部45は、図31(a)(b)に示した例とは逆に、オブジェクト151を仮想軸153の周りで、奧に倒れるように回転させ、図36(b)に示すように、代わってオブジェクト156を表示対象とする。これにより、画面150に表示されるページは、ページ152の前のページであるページ157に切り替えられる。
【0067】
図37(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。図37(a)に示すように、入力取得部41は、画面150にページ152が表示されているときに、タッチパネル61の、オブジェクト151が表示されている位置に対応する位置においてタップ入力が行われたことを検知すると、オブジェクト151の表示態様を変更する。タッチパネル61がタップされた場合、タップされた位置を示すオブジェクトを画面150に表示しても、指に隠れて視認しにくい場合があるので、操作対象となるオブジェクト151全体の表示態様を変更している。入力取得部41は、同じ位置で所定時間以上タップ入力が行われたことを検知すると、表示対象を吸引するための吸引モードに移行したことをユーザに視覚的に示すために、図37(b)に示すように、オブジェクト151の表示態様を更に変更する。
【0068】
図38(a)(b)は、タップ入力により表示対象を切り替えるときの画面の例を示す。表示対象を吸引するための吸引モードに移行した後、図38(a)に示すように、ユーザがタッチパネル61から指を離したことを入力取得部41が検知すると、入力取得部41は、入力位置を示す情報と、吸引モードであることを回転制御部45に通知する。回転制御部45は、図30(a)(b)に示した例とは逆に、オブジェクト151を仮想軸153の周りで、手前に倒れるように回転させ、図38(b)に示すように、代わってオブジェクト154を表示対象とする。これにより、画面150に表示されるページは、ページ152の次のページであるページ155に切り替えられる。
【0069】
吸引モードにおいて、判定部43は、ユーザがタッチパネル61において表示対象を吸引するための入力を行うとオブジェクト151の手前側の側面が、背面タッチパネル51において入力を行うとオブジェクト151の裏側の側面が、ユーザにより吸引されたものとして、オブジェクト151の回転方向を判定する。
【0070】
吸引モードは、様々な機能に利用可能である。例えば、吸引モードにおいて吸引されたオブジェクトを所定の倍率で縮小表示してもよい。これにより、ユーザが背面タッチパネル51において吸引のための入力を行ったときには、オブジェクトがあたかも奧に入り込んだように見せることができ、ユーザがタッチパネル61において吸引のための入力を行ったときには、オブジェクトがあたかも手前に浮き上がったように見せることができ、オブジェクトの移動を三次元的に表現することができる。また、ユーザが指でタッチパネル61又は背面タッチパネル51にタッチしたときに掃除機のアイコンを画面に表示し、画面上に配置されたゴミのオブジェクトの上で所定時間以上タッチし続けるとゴミを吸引するようなゲームを実現することができる。
【0071】
タップ入力によりオブジェクトを操作する例において、タップ入力の長さや強さなどに応じて操作の内容を異ならせてもよい。例えば、図24〜28に示した例において、タップ入力が所定値よりも長い又は強い場合は、オブジェクト142を2回以上回転させて、2以上前又は次のページに表示対象を切り替えてもよい。タップ入力が長い又は強いほど、多くの回数表示対象を切り替えるようにしてもよい。図29〜図38に示した例においても、同様に、タップ入力が長い又は強いほど、多くの回数表示対象を切り替えるようにしてもよい。
【0072】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、その各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0073】
実施の形態では、回転ドラム、三次元オブジェクト、循環リストを操作する例について説明したが、本実施の形態の技術は、もちろん、その他のオブジェクトを操作する場合にも適用可能である。例えば、銃を発射するゲームにおいて、画面に表示されている銃を操作して銃の向きを変更する場合や、飛行機などの操縦桿を操作する場合や、滑車により上下する昇降機などを操作する場合など、画面に平行な仮想軸の周りでの回転を観念できる任意の操作対象を操作する場合に、本実施の形態の技術を適用可能である。
【符号の説明】
【0074】
10 ゲーム装置、40 制御部、41 入力取得部、42 アプリケーション、43 判定部、44 移動制御部、45 回転制御部、46 設定部、51 背面タッチパネル、60 表示装置、61 タッチパネル、80 オブジェクトテーブル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
表示装置の表示画面に表示対象を表示する表示制御部、
前記表示装置の前記表示画面に併設されたタッチパネル及び前記表示装置の前記表示画面と反対側の面に設けられた背面タッチパネルから、前記表示対象に対する操作入力の位置又は方向を取得する取得部、
前記取得部が前記背面タッチパネルから前記表示対象に対する操作入力を取得したときに、前記操作入力の位置又は方向と、操作の対象となっている表示対象の種類に応じて、その表示対象を操作する方向を判定する判定部、
前記判定部により判定された方向に前記表示対象を操作する操作制御部、
として機能させるための入力制御プログラム。
【請求項2】
前記判定部は、前記表示対象が、前記表示画面に平行な仮想軸の回りで回転可能である場合に、前記取得部が前記背面タッチパネルから前記表示対象に対するある方向の操作入力を取得したときに、前記取得部が前記タッチパネルから前記表示対象に対する同一方向の操作入力を取得したときと反対の方向に前記表示対象を操作すると判定することを特徴とする請求項1に記載の入力制御プログラム。
【請求項3】
前記判定部は、前記表示対象が、表示領域よりも大きな表示部分が循環的にスクロール可能に表示されるものである場合に、前記取得部が前記背面タッチパネルから前記表示対象に対するある方向の操作入力を取得したときに、前記取得部が前記タッチパネルから前記表示対象に対する同一方向の操作入力を取得したときと反対の方向に前記表示対象を操作すると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の入力制御プログラム。
【請求項4】
前記判定部は、前記取得部が前記背面タッチパネルから前記表示対象に対するある方向の操作入力を取得したときに、前記取得部が前記タッチパネルから前記表示対象に対する同一方向の操作入力を取得したときと同じ方向に前記表示対象を操作するか反対の方向に前記表示対象を操作するかを示す情報を、前記表示対象の種類に対応づけて格納したテーブルを参照して、前記表示対象を操作する方向を判定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の入力制御プログラム。
【請求項5】
コンピュータを、前記取得部が前記背面タッチパネルから前記表示対象に対するある方向の操作入力を取得したときに、前記取得部が前記タッチパネルから前記表示対象に対する同一方向の操作入力を取得したときと同じ方向に前記表示対象を操作するか反対の方向に前記表示対象を操作するかの設定をユーザから受け付け、受け付けた設定を前記テーブルに登録する設定部として更に機能させることを特徴とする請求項4に記載の入力制御プログラム。
【請求項6】
表示装置の表示画面に表示対象を表示する表示制御部と、
前記表示装置の前記表示画面に併設されたタッチパネル及び前記表示装置の前記表示画面と反対側の面に設けられた背面タッチパネルから、前記表示対象に対する操作入力の位置又は方向を取得する取得部と、
前記取得部が前記背面タッチパネルから前記表示対象に対する操作入力を取得したときに、前記操作入力の位置又は方向と、操作の対象となっている表示対象の種類に応じて、その表示対象を操作する方向を判定する判定部と、
前記判定部により判定された方向に前記表示対象を操作する操作制御部と、
を備えることを特徴とする入力制御装置。
【請求項7】
表示制御部が、表示装置の表示画面に表示対象を表示するステップと、
取得部が、前記表示装置の前記表示画面に併設されたタッチパネル及び前記表示装置の前記表示画面と反対側の面に設けられた背面タッチパネルから、前記表示対象に対する操作入力の位置又は方向を取得するステップと、
判定部が、前記取得部が前記背面タッチパネルから前記表示対象に対する操作入力を取得したときに、前記操作入力の位置又は方向と、操作の対象となっている表示対象の種類に応じて、その表示対象を操作する方向を判定するステップと、
操作制御部が、前記判定部により判定された方向に前記表示対象を操作するステップと、
を備えることを特徴とする入力制御方法。
【請求項8】
請求項1から5のいずれかに記載の入力制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
コンピュータを、
表示装置の表示画面に表示対象を表示する表示制御部、
前記表示装置の前記表示画面に併設されたタッチパネル及び前記表示装置の前記表示画面と反対側の面に設けられた背面タッチパネルから、前記表示対象に対する操作入力の位置又は方向を取得する取得部、
前記取得部が前記背面タッチパネルから前記表示対象に対する操作入力を取得したときに、前記操作入力の位置又は方向と、操作の対象となっている表示対象の種類に応じて、その表示対象を操作する方向を判定する判定部、
前記判定部により判定された方向に前記表示対象を操作する操作制御部、
として機能させるための入力制御プログラム。
【請求項2】
前記判定部は、前記表示対象が、前記表示画面に平行な仮想軸の回りで回転可能である場合に、前記取得部が前記背面タッチパネルから前記表示対象に対するある方向の操作入力を取得したときに、前記取得部が前記タッチパネルから前記表示対象に対する同一方向の操作入力を取得したときと反対の方向に前記表示対象を操作すると判定することを特徴とする請求項1に記載の入力制御プログラム。
【請求項3】
前記判定部は、前記表示対象が、表示領域よりも大きな表示部分が循環的にスクロール可能に表示されるものである場合に、前記取得部が前記背面タッチパネルから前記表示対象に対するある方向の操作入力を取得したときに、前記取得部が前記タッチパネルから前記表示対象に対する同一方向の操作入力を取得したときと反対の方向に前記表示対象を操作すると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の入力制御プログラム。
【請求項4】
前記判定部は、前記取得部が前記背面タッチパネルから前記表示対象に対するある方向の操作入力を取得したときに、前記取得部が前記タッチパネルから前記表示対象に対する同一方向の操作入力を取得したときと同じ方向に前記表示対象を操作するか反対の方向に前記表示対象を操作するかを示す情報を、前記表示対象の種類に対応づけて格納したテーブルを参照して、前記表示対象を操作する方向を判定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の入力制御プログラム。
【請求項5】
コンピュータを、前記取得部が前記背面タッチパネルから前記表示対象に対するある方向の操作入力を取得したときに、前記取得部が前記タッチパネルから前記表示対象に対する同一方向の操作入力を取得したときと同じ方向に前記表示対象を操作するか反対の方向に前記表示対象を操作するかの設定をユーザから受け付け、受け付けた設定を前記テーブルに登録する設定部として更に機能させることを特徴とする請求項4に記載の入力制御プログラム。
【請求項6】
表示装置の表示画面に表示対象を表示する表示制御部と、
前記表示装置の前記表示画面に併設されたタッチパネル及び前記表示装置の前記表示画面と反対側の面に設けられた背面タッチパネルから、前記表示対象に対する操作入力の位置又は方向を取得する取得部と、
前記取得部が前記背面タッチパネルから前記表示対象に対する操作入力を取得したときに、前記操作入力の位置又は方向と、操作の対象となっている表示対象の種類に応じて、その表示対象を操作する方向を判定する判定部と、
前記判定部により判定された方向に前記表示対象を操作する操作制御部と、
を備えることを特徴とする入力制御装置。
【請求項7】
表示制御部が、表示装置の表示画面に表示対象を表示するステップと、
取得部が、前記表示装置の前記表示画面に併設されたタッチパネル及び前記表示装置の前記表示画面と反対側の面に設けられた背面タッチパネルから、前記表示対象に対する操作入力の位置又は方向を取得するステップと、
判定部が、前記取得部が前記背面タッチパネルから前記表示対象に対する操作入力を取得したときに、前記操作入力の位置又は方向と、操作の対象となっている表示対象の種類に応じて、その表示対象を操作する方向を判定するステップと、
操作制御部が、前記判定部により判定された方向に前記表示対象を操作するステップと、
を備えることを特徴とする入力制御方法。
【請求項8】
請求項1から5のいずれかに記載の入力制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−97563(P2013−97563A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239620(P2011−239620)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】
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