説明

入力受付装置、入力判定方法、および、プログラム

【課題】仮想空間内に配置されたオブジェクトに対する入力操作を、プレイヤに違和感を感じさせずに行わせることのできる入力受付装置等を提供する。
【解決手段】表示制御部130は、仮想カメラから各オブジェクトを含む仮想空間を撮影した画像を生成して表示画面に表示する。入力検出部140は、タッチパネルへの入力に応答し、表示画面の入力位置を検出する。オブジェクト特定部161は、この入力位置のオブジェクトを、管理される位置情報に基づいて特定する。基準時間算定部162は、特定されたオブジェクトについて、仮想空間内における奥行き方向の距離に応じて定まる基準時間を算定する。継続時間計時部163は、タッチパネルへの入力の継続時間を計時する。そして、入力判定部164は、算出された基準時間と計時された継続時間との関係に基づいて、当該オブジェクトへの入力の有効無効を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間内に配置されたオブジェクトに対する入力操作を、プレイヤに違和感を感じさせずに行わせることのできる入力受付装置、入力判定方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザからの入力を受け付けるデバイスとして、タッチパネルが広く用いられている。このタッチパネルは、例えば、表示部(ディスプレイ等)の前面に配置され、タッチペンやユーザの指等による入力操作(タッチ操作)を検出し、その入力座標を取得する。
そのため、タッチパネルを用いた場合では、従来のようなキーやボタン等の入力と異なり、表示部に表示されている所望のシンボル(ボタン画像等)を、ユーザが直接触れることで入力が行える。このため、ユーザにとって、より容易で、直感的な入力操作が可能となっている。
【0003】
最近では、携帯型のゲーム装置等にも、このようなタッチパネルが用いられるようになっている。そして、プレイヤは、ゲーム画面に表示される各種のオブジェクトを目で追いながら、所望のオブジェクトに対する入力を行っている。例えば、攻撃したい敵キャラクタの指示、開けたい扉の指示、または、拾いたいアイテムの指示といったゲーム中における各種オブジェクトへの入力を、タッチ操作により容易に行うことができる。
【0004】
このようなタッチパネルを用いたゲーム装置において、入力操作時のチャタリングの発生を適切に防止できる技術も開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−133887号公報 (第5−10頁、第5図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、タッチパネルを用いたゲーム装置では、ゲーム画面に表示されるオブジェクトに対して、入力操作が容易に行えるようになっている。
しかしながら、このような入力操作を行う際に、表示されているゲーム画面から得ている感覚に対して、違和感を覚えてしまうプレイヤも多かった。
【0007】
例えば、三次元の仮想空間を表現するゲーム装置では、その仮想空間内に配置される各種オブジェクトを、遠近感や立体感を感じさせる画像として表示している。つまり、ゲームに登場する各種オブジェクトについて、それらの仮想空間内の位置と視点(仮想カメラの位置)との関係に応じて、遠近感等を表現したゲーム画面を表示することになる。
そのようなゲーム画面において、例えば、攻撃目標となる敵キャラクタの指定を行う場合に、プレイヤは、タッチパネルから、目的の敵キャラクタの表示位置にタッチ操作を行うことになる。そのようなタッチ操作は、敵キャラクタの仮想空間内の位置等に拘わらず、一様に、画面上の表示位置に触れるだけで済んでしまう。つまり、遠くに表示されている敵キャラクタであっても、近くに表示されている敵キャラクタであっても、全く変更なく、タッチパネルへの表面的なタッチ操作(一様なタッチ操作)により、その敵キャラクタへの入力(指定等)が行えてしまうことになる。
【0008】
そのため、ゲーム画面から仮想空間の広がりを感じていたプレイヤは、このような一様なタッチ操作によりオブジェクトへの入力が行えてしまうことで、その仮想空間が急に平面的なものに思えてしまう等の違和感を感じる場合があった。つまり、三次元の仮想空間内のオブジェクトに対して表面的な入力操作が行えてしまうことにより、仮想空間の広がりが感じられなくなってしまうプレイヤも多かった。
【0009】
このようなことから、仮想空間内のオブジェクトに対する入力時に、このような違和感をプレイヤに感じさせることのないように、入力操作を適切に判定することのできるゲーム装置(入力受付装置)の開発が求められていた。
【0010】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、仮想空間内に配置されたオブジェクトに対する入力操作を、プレイヤに違和感を感じさせずに行わせることのできる入力受付装置、入力判定方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の観点に係る入力受付装置は、表示画面への入力を受け付ける入力受付装置であって、表示制御部、オブジェクト特定部、及び、入力判定部を備えて構成される。
【0012】
まず、表示制御部は、仮想空間内に配置されるオブジェクト(例えば、キャラクタやアイテム等)を含んだ画像を生成し、表示画面に表示する。また、オブジェクト特定部は、この表示画面への入力に応答し、入力位置に表示されているオブジェクトを特定する。そして、入力判定部は、特定された当該オブジェクトについて、視点を基準とした仮想空間内の距離に応じて定まる基準時間を求め、この基準時間と入力が継続された時間との関係に基づいて、当該オブジェクトへの入力の有効無効を判定する。例えば、入力判定部は、特定されたオブジェクトの奥行き方向の距離に応じて定まる基準時間を算定し、この基準時間よりも長い間、入力が続けられた場合に限り、その入力を有効と判定する。
【0013】
すなわち、近くに表示されるオブジェクトには、短い(短時間の)タッチ操作を行うことが要請され、逆に、遠くに表示されるオブジェクトには、長い(長時間の)タッチ操作を行うことが要請される。このような継続時間が長短異なるタッチ操作は、表示されるオブジェクトの遠近感等に沿ったものであり、プレイヤは、ゲーム画面から感じている仮想空間の広がりを損なうことなく、敵キャラクタへの入力を行うことができる。
この結果、仮想空間内に配置されたオブジェクトに対する入力操作を、プレイヤに違和感を感じさせずに行わせることができる。
【0014】
本発明の第2の観点に係る入力受付装置は、表示画面に重畳されたタッチパネルを介して入力を受け付ける入力受付装置であって、位置情報管理部、表示制御部、入力検出部、オブジェクト特定部、基準時間算定部、継続時間計時部、及び、入力判定部を備えて構成される。
【0015】
まず、位置情報管理部は、三次元の仮想空間内に配置されるオブジェクト(例えば、キャラクタやアイテム等)の位置情報を管理する。また、表示制御部は、視点となる仮想カメラから当該オブジェクトを含む仮想空間を撮影し、所定のスクリーン平面に投影した画像を生成して表示画面に表示する。入力検出部は、タッチパネルへの入力に応答し、この表示画面における入力位置を検出する。オブジェクト特定部は、検出された入力位置に表示されているオブジェクトを、管理される位置情報に基づいて特定する。基準時間算定部は、特定された当該オブジェクトについて、仮想空間内における視点を基準とした奥行き方向の距離に応じて定まる基準時間を算定する。継続時間計時部は、タッチパネルへの入力が継続されている間の継続時間を計時する。そして、入力判定部は、算出された基準時間と計時された継続時間との関係に基づいて、当該オブジェクトへの入力の有効無効を判定する。例えば、入力判定部は、算定された基準時間よりも長い間、継続時間が計時された場合に限り、その入力を有効と判定する。
【0016】
すなわち、近くに表示されるオブジェクトには、短いタッチ操作を行うことが要請され、逆に、遠くに表示されるオブジェクトには、長いタッチ操作を行うことが要請される。このような継続時間が長短異なるタッチ操作は、表示されるオブジェクトの遠近感等に沿ったものであり、プレイヤは、ゲーム画面から感じている仮想空間の広がりを損なうことなく、敵キャラクタへの入力を行うことができる。
この結果、仮想空間内に配置されたオブジェクトに対する入力操作を、プレイヤに違和感を感じさせずに行わせることができる。
【0017】
オブジェクト特定部は、入力位置に複数のオブジェクトが重なって表示されている場合に、当該各オブジェクトのZ値を比較して最も視点に近いオブジェクトを特定し、
基準時間算定部は、特定されたオブジェクトの当該Z値に所定の係数を乗じて基準時間を算定してもよい。
この場合、オブジェクトを適切に特定でき、また、基準時間も適切に算定することができる。
【0018】
入力検出部は、タッチパネルへの入力が継続している間において、入力位置を順次検出し、
オブジェクト特定部は、順次検出される当該入力位置に表示されるオブジェクトの有無を、位置情報管理部に管理される現在の位置情報に基づいて順次特定し、
継続時間計時部は、オブジェクト特定部によりオブジェクトが特定された際に継続時間の計時を開始し、オブジェクト特定部により当該オブジェクトが特定されなくなった際、若しくは、タッチパネルへの入力がなくなった際に、継続時間の計時を停止してもよい。
この場合、タッチ操作が続いている間に、タッチペン等の位置がずれたり、また、表示側のオブジェクトの位置が変化する場合に対応して、タッチ操作の有効性をより厳格に判定することができる。
【0019】
本発明の第3の観点に係る入力判定方法は、表示画面への入力を受け付ける入力受付装置が実行する入力判定方法であって、表示制御ステップ、オブジェクト特定ステップ、及び、入力判定ステップを備えて構成される。
【0020】
まず、表示制御ステップでは、仮想空間内に配置されるオブジェクト(例えば、キャラクタやアイテム等)を含んだ画像を生成し、表示画面に表示する。また、オブジェクト特定ステップでは、表示画面への入力に応答し、入力位置に表示されているオブジェクトを特定する。そして、入力判定ステップでは、特定された当該オブジェクトについて、視点を基準とした仮想空間内の距離に応じて定まる基準時間を求め、この基準時間と入力が持続された時間との関係に基づいて、当該オブジェクトへの入力の有効無効を判定する。例えば、入力判定ステップでは、特定されたオブジェクトの奥行き方向の距離に応じて定まる基準時間を算定し、この基準時間よりも長い間、入力が続けられた場合に限り、その入力を有効と判定する。
【0021】
すなわち、近くに表示されるオブジェクトには、短いタッチ操作を行うことが要請され、逆に、遠くに表示されるオブジェクトには、長いタッチ操作を行うことが要請される。このような継続時間が長短異なるタッチ操作は、表示されるオブジェクトの遠近感等に沿ったものであり、プレイヤは、ゲーム画面から感じている仮想空間の広がりを損なうことなく、敵キャラクタへの入力を行うことができる。
この結果、仮想空間内に配置されたオブジェクトに対する入力操作を、プレイヤに違和感を感じさせずに行わせることができる。
【0022】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、表示画面への入力を受け付けるコンピュータ(電子機器を含む。)を、上記の入力受付装置として機能させるように構成する。
【0023】
このプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。
【0024】
上記プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、当該コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、仮想空間内に配置されたオブジェクトに対する入力操作を、プレイヤに違和感を感じさせずに行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施形態に係る入力受付装置が実現される典型的なゲーム装置の外観を示す模式図である。
【図2】典型的なゲーム装置の概要構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係る入力受付装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図4】(a),(b)共に、仮想カメラとオブジェクトとの関係を説明するための模式図である。
【図5】(a)〜(c)全て、オブジェクトの特定について説明するための模式図である。
【図6】(a),(b)共に、オブジェクトを特定する他の手法を説明するための模式図である。
【図7】(a),(b)共に、Z値と基準時間との関係を説明するための模式図である。
【図8】本実施形態に係る入力判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】(a)〜(d)全て、具体的なゲーム画像等を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、携帯型ゲーム機(ゲーム装置)に本発明が適用される実施形態を説明するが、各種のコンピュータ、PDA、携帯電話などの情報処理装置においても同様に本発明を適用することができる。すなわち、以下に記載する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【実施例1】
【0028】
図1は、本発明の実施の形態に係る入力受付装置が実現される典型的なゲーム装置の外観を示す模式図である。このゲーム装置1は、一例として、携帯型のゲーム機器であり、図示するように、操作キー17と、第1の表示部18と、第2の表示部19とを有している。第1及び第2の表示部18,19には、所定の画像が表示可能となっている。なお、第2の表示部19の前面にはタッチパネル20が配置されている。つまり、操作キー17からの入力だけでなく、タッチパネル20からの入力も可能となっている。
【0029】
図2は、このゲーム装置1の概要構成を示すブロック図である。以下、本図を参照してゲーム装置1について説明する。
【0030】
ゲーム装置1は、処理制御部10と、コネクタ11と、カートリッジ12と、無線通信部13と、通信コントローラ14と、サウンドアンプ15と、スピーカ16と、操作キー17と、第1の表示部18と、第2の表示部19と、タッチパネル20と、を備える。
【0031】
処理制御部10は、CPU(Central Processing Unit)コア10aと、画像処理部10bと、クロック回路10cと、VRAM(Video Random Access Memory)10dと、WRAM(Work RAM)10eと、LCD(Liquid Crystal Display)コントローラ10fと、タッチパネルコントローラ10gと、を備える。
【0032】
CPUコア10aは、ゲーム装置1全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。具体的には、カートリッジ12がコネクタ11に装着された状態で、カートリッジ12内のROM(Read Only Memory)12aに記憶されたプログラムやデータを読み出して、所定の処理を実行する。
【0033】
画像処理部10bは、カートリッジ12内のROM 12aから読み出されたデータや、CPUコア10aにて処理されたデータを加工処理した後、これをVRAM 10dに格納する。
【0034】
クロック回路10cは、種々の時間(時刻)を計時するための回路であり、ゲーム装置1に設定された現在時刻や、ゲーム中に必要となる経過時間(後述する継続時間等)を計時する。
【0035】
VRAM 10dは、表示用の情報を記憶するメモリであり、画像処理部10b等により加工された画像情報を記憶する。
WRAM 10eは、CPUコア10aがプログラムに従った各種処理を実行する際に必要となるワークデータ等を記憶する。
【0036】
LCDコントローラ10fは、第1の表示部18および、第2の表示部19を制御し、所定の表示用画像を表示させる。例えば、LCDコントローラ10fは、VRAM 10dに記憶された画像情報を、所定の同期タイミングで表示信号に変換し、第1の表示部18に出力する。また、LCDコントローラ10fは、同様に、第2の表示部19に所定の表示用画像を表示する。
【0037】
タッチパネルコントローラ10gは、タッチペンやプレイヤの指によって、タッチパネル20が押下されると、その座標(入力座標)を取得する。
【0038】
コネクタ11は、カートリッジ12と脱着自在に接続可能な端子であり、カートリッジ12が接続された際に、カートリッジ12との間で所定のデータを送受信する。
【0039】
カートリッジ12は、ROM 12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、を備える。
ROM 12aには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データ等が記録される。
RAM 12bには、ゲームの進行状況等を示す種々のデータが記憶される。
【0040】
無線通信部13は、他のゲーム装置1の無線通信部13との間で、無線通信を行うユニットであり、図示せぬアンテナ(内蔵アンテナ等)を介して所定のデータを送受信する。
なお、無線通信部13は、所定の無線アクセスポイントとの間で、無線通信を行うこともできる。また、無線通信部13には、固有のMAC(Media Access Control)アドレスが採番されている。
【0041】
通信コントローラ14は、無線通信部13を制御し、所定のプロトコルに沿って、処理制御部10と他のゲーム装置1の処理制御部10との間で行われる無線通信の仲立ちをする。
また、ゲーム装置1が、近傍の無線アクセスポイント等を介してインターネットに接続する際には、無線LANに準拠したプロトコルに沿って、処理制御部10と無線アクセスポイント等との間で行われる無線通信の仲立ちをする。
【0042】
サウンドアンプ15は、処理制御部10にて生成された音声信号を増幅し、スピーカ16に供給する。
スピーカ16は、例えば、ステレオスピーカ等からなり、サウンドアンプ15にて増幅された音声信号に従って、所定の楽曲音や効果音等を出力する。
【0043】
操作キー17は、ゲーム装置1に適宜配置された複数のキースイッチ等からなり、ユーザの操作に従って、所定の指示入力を受け付ける。
【0044】
第1の表示部18および、第2の表示部19は、LCD等からなり、LCDコントローラ10fに制御され、ゲーム画像等を適宜表示する。
例えば、第2の表示部19は、タッチパネル20への入力(押下)の目標となる所定のオブジェクト(例えば、キャラクタやアイテム等)を含むゲーム画像を表示する。
【0045】
タッチパネル20は、第2の表示部19の前面に重畳して配置され、タッチペンやプレイヤの指による入力を検出する。
例えば、タッチパネル20は、抵抗膜方式のタッチセンサパネル等からなり、タッチペン等による押圧(押下)を検知し、その座標に応じた情報(信号等)を出力する。
【0046】
(入力受付装置の概要)
図3は、本実施の形態に係る入力受付装置100の概要構成を示すブロック図である。なお、入力受付装置100は、三次元の仮想空間内に配置された各種オブジェクトを含むゲーム画像を表示した状態で、プレイヤにより行われる任意のオブジェクトに向けた入力操作(タッチ操作)を受け付ける装置である。以下、本図を参照して入力受付装置100について説明する。
【0047】
図示するように、入力受付装置100は、オブジェクト記憶部110と、位置情報管理部120と、表示制御部130と、入力検出部140と、キー操作受付部150と、処理制御部160とを備える。
【0048】
まず、オブジェクト記憶部110は、仮想空間内に配置される各種オブジェクトの情報を記憶する。例えば、キャラクタ(プレイヤキャラクタや敵キャラクタ等)、アイテム(宝箱や壺等)、及び、建物(扉や壁、床や天井等)といった各オブジェクトの情報を記憶する。各オブジェクトの情報には、3次元モデルやテクスチャ等の画像情報が含まれており、表示制御部130がゲーム画像を生成する際に使用される。
なお、上述したカートリッジ12内のROM 12a等が、このようなオブジェクト記憶部110として機能しうる。
【0049】
位置情報管理部120は、プレイヤキャラクタや敵キャラクタといった仮想空間内で位置が変化するオブジェクトの位置情報(現在位置や向き等)を管理する。例えば、プレイヤキャラクタは、キー操作受付部150によって受け付けたキー操作(一例として、移動方向指示等)に従って、仮想空間内の位置や向きが変化するため、位置情報管理部120にてその位置情報が管理される。また、敵キャラクタも所定のロジックに従って適宜移動し、仮想空間内の位置等が変化するため、同様に位置情報が管理される。
更に、位置情報管理部120は、仮想空間を撮影するための仮想カメラの位置情報も管理する。つまり、視点となる仮想カメラの位置やその向き(視線方向)等を管理する。一例として、ゲームの表示が、第三者視点モード(プレイヤキャラクタを俯瞰する視点)に設定されている場合では、プレイヤキャラクタの後方(背後)の斜め上方に、仮想カメラの位置(視点位置)が設定され、また、そこからプレイヤキャラクタを見下ろすように視線の方向が設定される。つまり、プレイヤキャラクタが移動すると、それに追随するように、仮想カメラの位置(視点の位置)が適宜変更されるため、仮想カメラの位置情報も管理される。
この他にも、位置情報管理部120は、建物等のような仮想空間内の位置が変わらない(動かない)オブジェクトについても、その位置情報を管理してもよい。
なお、上述した処理制御部10のCPUコア10aやWRAM 10e等が、このような位置情報管理部120として機能しうる。
【0050】
表示制御部130は、各オブジェクトが配置される仮想空間を、視点から眺望するゲーム画像を生成し、生成したゲーム画像を表示部(例えば、上述した第2の表示部19等)に表示する。つまり、キャラクタ(プレイヤキャラクタや敵キャラクタ等)、建物(扉や壁等)、アイテム(宝箱や壺等)といった各オブジェクトを、位置情報管理部120にて管理される位置情報に従って仮想空間内に配置し、これらを仮想カメラ(現在の視点位置)から撮影した画像を生成する。つまり、図4(a)に示すように、各オブジェクトOJが配置された三次元の仮想空間を、視点VPの仮想カメラから撮影した画像を生成する。なお、より詳細には、表示制御部130は、図4(b)に示すように、視点VPに基づいた視界領域VFに含まれるオブジェクトOJを、スクリーン平面SCに投影変換した二次元の画像を生成する。そして、表示制御部130は、この二次元の画像を上述した第2の表示部19等に表示する。
なお、上述した画像処理部10bが、このような表示制御部130として機能しうる。
【0051】
入力検出部140は、タッチパネル20から得られる情報に基づいて、タッチペンや指等による入力(タッチ操作)を検出し、その入力位置(入力座標)を取得する。
例えば、入力検出部140は、タッチパネル20から供給されるX軸方向(水平方向)及び、Y軸方向(垂直方向)の各電圧(電圧の変化等)からタッチ操作を検出すると共に、その各方向の電圧値に基づいて入力位置を取得する。
なお、入力検出部140は、タッチ操作(タッチパネル20への押下)が続いている状態や、その間の入力位置の変化等についても逐次検出する。
なお、上述したタッチパネルコントローラ10gが、このような入力検出部140として機能しうる。
【0052】
キー操作受付部150は、プレイヤによってなされる各キーへの操作を受け付ける。
例えば、キー操作受付部150は、上述した操作キー17における方向キーがプレイヤにより操作されると、プレイヤキャラクタの移動指示を受け付ける。また、キー操作受付部150は、操作キー17における他のキー(一例として、Aボタン,Bボタン,Xボタン,Yボタン等)がプレイヤにより操作されると、それらに対応付けられたプレイヤキャラクタへの動作指示(一例として、武器等を使う、アイテムを拾う、しゃがむ、伏せる等)を受け付ける。
なお、上述した操作キー17が、このようなキー操作受付部150として機能しうる。
【0053】
処理制御部160は、入力受付装置100全体を制御する。例えば、処理制御部160は、タッチパネル20へのタッチペン等によるタッチ操作が入力検出部140により検出されると、対象のオブジェクトを特定し、そのオブジェクトの仮想空間内における奥行き方向の距離に応じて定まる基準時間を算定する。そして、その基準時間を超えるまでタッチ操作が維持された(タッチペン等により押下され続けた)場合に、そのオブジェクトへの入力を有効と判別する。
また、処理制御部160は、キー操作受付部150が、例えば、プレイヤキャラクタへの移動指示等を受け付けると、その操作内容に応じて、位置情報管理部120を制御して、プレイヤキャラクタや視点(仮想カメラ)の位置情報を適宜更新する。
【0054】
このような制御を行う処理制御部160は、一例として、オブジェクト特定部161、基準時間算定部162、継続時間計時部163、及び、入力判定部164を含んで構成される。以下、各構成について説明する。
【0055】
オブジェクト特定部161は、入力検出部140によって検出された入力位置に表示されているオブジェクトを特定する。
すなわち、オブジェクト特定部161は、入力位置に対応する表示位置を求め、その表示位置に表示されているオブジェクトを、位置情報管理部120の位置情報に基づいて特定する。例えば、オブジェクト特定部161は、図5(a)に示すように、画面SC上の表示位置P(入力位置に対応する表示位置)から奥行き方向であるZ軸方向に沿って直線SLを延ばし、この直線SLと交差するオブジェクトOJを特定する。この際、バウンディングボックスを用いてオブジェクトOJを特定してもよい。つまり、図5(b)に示すようなバウンディングボックスBBの情報を、位置情報管理部120にて管理している場合には、直線SLと交差するバウンディングボックスBBから、対応するオブジェクトOJを特定してもよい。
また、図5(c)に示すように、直線SLが複数のオブジェクトOJと交差する場合には、オブジェクト特定部161は、各オブジェクトのZ値を比較して最も視点(画面SC側)に近いオブジェクトOJを特定する。また、図5(a)〜(c)では、直線SLを細線にて示しているが、これは説明のための一例であり、直線SLに所定の幅(太さ)を持たせて、オブジェクトOJと交差しやすくしてもよい。なお、このような直線SLが何れのオブジェクトOJとも交差しない場合には、オブジェクト特定部161は、何れのオブジェクトOJも特定しない(つまり、入力位置Pには何れのオブジェクトOJも表示されていないと判別する)。
【0056】
なお、このようなオブジェクトの特定手法は、一例であり、他の手法によりオブジェクトを特定してもよい。例えば、投影変換した後の二次元画像を基にして、オブジェクトを特定してもよい。具体的には、図6(a)に示すように、画面SCに表示される二次元画像における各オブジェクトOJの領域情報を、位置管理情報部120にて管理している場合には、表示位置Pと重なる(表示位置Pが含まれる)オブジェクトOJを特定する。なお、この際にも、図6(b)に示すようなバウンディングボックスBBの情報を、位置情報管理部120にて管理している場合には、表示位置Pと重なるバウンディングボックスBBから、オブジェクトOJを特定してもよい。
なお、上述したCPUコア10aやWRAM 10e等が、このようなオブジェクト特定部161として機能しうる。
【0057】
図3に戻って、基準時間算定部162は、オブジェクト特定部161によって特定されたオブジェクトについて、視点(スクリーン平面)を基準とした仮想空間内における奥行き方向の距離に応じて定まる基準時間を算定する。例えば、基準時間算定部162は、特定されたオブジェクトのZ値に基づいて基準時間を算定する。より具体的には、Z値が大きくなるに伴って基準時間が長くなるように、一例として、図7(a)に示すような、Z値と基準時間とが比例関係となる係数を、オブジェクトのZ値に乗じる等によって基準時間を算定する。
なお、基準時間を求めるための係数は、このような比例関係となるものに限られず任意である。例えば、図7(b)に示すようなZ値の値が小さい範囲で基準時間がより大きく増加する係数を乗じる等によって、基準時間を算定してもよい。
なお、上述したCPUコア10aやWRAM 10e等が、このような基準時間算定部162として機能しうる。
【0058】
図3に戻って、継続時間計時部163は、タッチパネル20への入力が続いている(維持されている)間の継続時間を計時する。すなわち、入力検出部140によりタッチ操作が検出されてから、タッチパネル20からタッチペン等が離されることなく押下(タッチ操作)され続けている時間を計時する。
例えば、継続時間計時部163は、タッチ操作に応じて、初期値(例えば、0)のタイマ値からカウントアップ(計時)を開始する。このカウントアップは、タッチ操作が終わるまで(タッチパネル20からタッチペン等が離されるまで)、若しくは、基準時間を超えるまで続けられる。
なお、上述したクロック回路10cが、このような継続時間計時部163として機能しうる。
【0059】
入力判定部164は、算出された基準時間と、計時された継続時間との関係に基づいて、オブジェクトへの入力の有効無効を判定する。つまり、基準時間算定部162にて算出された基準時間よりも、継続時間計時部163にて計時された継続時間の方が大きい場合に、入力判定部164は、そのオブジェクトへの入力が有効であると判定する。
例えば、継続時間計時部163が計時中の継続時間(タイマ値)が基準時間を超えた時点で、入力判定部164は、オブジェクトへの入力が有効であると判定する。一方、計時された継続時間が、算出された基準時間を超えることなくタッチ操作が終わると、入力判定部164は、そのオブジェクトへの入力が無効であると判定する。
つまり、入力判定部164は、オブジェクトの奥行き方向の距離に応じた基準時間を超えるまでタッチ操作が続けられた場合に限り、そのオブジェクトへの入力が有効であると判定する。
なお、上述したCPUコア10aやWRAM 10e等が、このような入力判定部164として機能しうる。
【0060】
このような構成の処理制御部160は、プレイヤによるタッチパネル20へのタッチ操作に応じて、仮想空間内における対象のオブジェクトを特定し、そのオブジェクトの奥行き方向の距離に応じた基準時間を超えるまでそのタッチ操作が持続されると、そのオブジェクトへの入力を有効と判別する。これにより、視点から近いオブジェクトには、短くタッチ操作を行うだけでそのオブジェクトへの入力が行えるが、視点から遠いオブジェクトには、その分長くタッチ操作を行わないと、そのオブジェクトへの入力が行えないことになる。このため、プレイヤは、三次元の仮想空間を表現したゲーム画面を見ながら、その中の任意のオブジェクトに対して、感じている遠近感に沿った自然な(違和感のない)入力操作が行えることになる。
【0061】
(入力受付装置の動作の概要)
以下、このような構成の入力受付装置100の動作について図面を参照して説明する。図8は、入力受付装置100において実行される入力判定処理の流れを示すフローチャートである。以下、本図を参照して説明する。なお、この入力判定処理は、一例として、攻撃対象となる敵キャラクタを、プレイヤがタッチ操作により指示するアクションゲームにおいて実行されるものとする。
【0062】
まず、入力受付装置100は、敵キャラクタ等の位置情報に基づいたゲーム画像を表示する(ステップS201)。すなわち、表示制御部130は、キャラクタや建物等を含む各オブジェクトを、位置情報管理部120にて管理される位置情報に従って仮想空間内に配置し、これらを視点位置の仮想カメラから撮影した画像を生成する。
一例として、表示制御部130は、図9(a)に示すような、プレイヤキャラクタPC、及び、敵キャラクタEC1,EC2を含むゲーム画像を生成し、上述した第2の表示部19に表示する。
【0063】
入力受付装置100は、タッチ操作を検出したか否かを判別する(ステップS202)。すなわち、入力検出部140は、タッチパネル20から得られる情報に基づいて、タッチペン等によるタッチパネル20への入力を検出したかどうかを判別する。
入力受付装置100は、タッチ操作を検出していないと判別した場合(ステップS202;No)に、入力受付装置100は、上述したステップS201に処理を戻す。
【0064】
一方、入力受付装置100は、タッチ操作を検出したと判別した場合(ステップS202;Yes)に、検出された入力位置に表示されている敵キャラクタを特定する(ステップS203)。
すなわち、処理制御部160は、例えば、図9(b)に示すように、タッチペンTPにて入力位置Pがタッチ操作された場合、その入力位置P(より詳細には、対応する表示位置)に表示されている敵キャラクタEC1を、位置情報管理部120の位置情報に基づいて特定する。つまり、オブジェクト特定部161は、上述した図5(a)に示すように、画面SC上の表示位置P(入力位置に対応する表示位置)から奥行き方向であるZ軸方向に沿って直線SLを延ばし、この直線SLと交差するオブジェクトOJ(図9(b)の場合に、敵キャラクタEC1)を特定する。
なお、入力位置Pに何れの敵キャラクタ等も表示されていない場合には、入力受付装置100は以降の処理を行わずに、上述したステップS201に処理を戻すものとする。
【0065】
入力受付装置100は、特定した敵キャラクタについて、奥行き方向の距離に応じて定まる基準時間を算定する(ステップS204)。
すなわち、処理制御部160は、ステップS203にて特定した例えば、図9(b)の敵キャラクタEC1について、視点を基準とした仮想空間内における奥行き方向の距離に応じて定まる基準時間を算定する。つまり、基準時間算定部162は、特定した敵キャラクタEC1のZ値に基づいて基準時間を算定する。
一例として、基準時間算定部162は、Z値が大きくなるに伴って基準時間が長くなるように、上述した図7(a)や図7(b)に示すような、Z値と基準時間とが比例関係となる係数を、オブジェクトのZ値に乗じる等によって基準時間を算定する。
【0066】
入力受付装置100は、タッチ操作についての継続時間の計時を開始する(ステップS205)。
すなわち、処理制御部160は、タッチパネル20へのタッチ操作が継続している時間を示す継続時間の計時を開始する。つまり、継続時間計時部163は、タッチ操作に応じて、初期値(例えば、0)のタイマ値からのカウントアップを開始する。
【0067】
入力受付装置100は、タッチ操作が維持されているか否かを判別する(ステップS206)。
すなわち、処理制御部160は、タッチパネル20からタッチペン等が離されることなく、タッチ操作が続いているかどうかを判別する。ここで、タッチ操作が維持されていないと判別すると(ステップS206;No)、入力受付装置100は、上述したステップS201に処理を戻す。
【0068】
一方、タッチ操作が維持されていると判別した場合(ステップS206;Yes)に、入力受付装置100は、継続時間が基準時間を超えたか否かを判別する(ステップS207)。
すなわち、処理制御部160は、継続時間計時部163により計時されている継続時間が、基準時間算定部162にて算定された基準時間よりも大きくなったかどうかを判別する。ここで継続時間がまだ基準時間を超えていないと判別すると(ステップS207;No)、入力受付装置100は、上述したステップS206に処理を戻す。
【0069】
また、継続時間が基準時間を超えたと判別した場合(ステップS207;Yes)に、入力受付装置100は、敵キャラクタへの入力が有効であると判別する(ステップS208)。
すなわち、処理制御部160は、例えば、上述した図9(b)の例では、敵キャラクタEC1の奥行き方向の距離に応じて算出された基準時間よりも長くタッチ操作が継続された場合に、その敵キャラクタEC1への入力が有効であると判定する。つまり、入力判定部164は、その敵キャラクタEC1の奥行き方向の距離に応じて定まる基準時間よりも、継続時間計時部163により計時された継続時間の方が大きくなったため、その敵キャラクタEC1への入力が有効であると判定する。
なお、有効が判定された場合に、処理制御部160は、プレイヤキャラクタPCからその敵キャラクタEC1を狙って銃撃する等の攻撃処理を適宜行うものとする。
【0070】
このような、入力判定処理において、敵キャラクタ(オブジェクト)の奥行き方向の距離に応じて定まる基準時間よりも長くタッチ操作が行われた場合に、その敵キャラクタへの入力が有効となる。つまり、図9(c)に示すように、奥行き方向の距離が小さい(近い)敵キャラクタEC1に対しては、比較的短い基準時間T1を超えてタッチ操作が続けられると、その入力が有効となる。一方、図9(d)に示すように、奥行き方向の距離が大きい(遠い)敵キャラクタEC2に対しては、比較的長い基準時間T2を超えてタッチ操作が続けられると、その入力が有効となる。
すなわち、プレイヤは、これら図9(c),(d)のような遠近感等を表現するゲーム画面において、敵キャラクタEC1,EC2に対する入力を行う際に、近くの敵キャラクタEC1には、短いタッチ操作を行うことが要請され、逆に、遠くの敵キャラクタEC2には、長いタッチ操作が要求されることになる。このような継続時間が長短異なるタッチ操作は、表示される遠近感(つまり、奥行き方向の距離)に沿ったものであり、ゲーム画面から感じている仮想空間の広がりを損なうことなく(違和感を感じることなく)、敵キャラクタへの入力を行うことができる。
【0071】
この結果、仮想空間内に配置されたオブジェクトに対する入力操作を、プレイヤに違和感を感じさせずに行わせることができる。
【0072】
(他の実施形態)
上記の実施形態では、継続時間計時部163が、タッチ操作が続いている間に、無条件に継続時間を計時する(カウントアップする)場合について説明したが、タッチ操作が続いている間に、タッチペン等の位置がずれたり、また、表示側のオブジェクトの位置が変化する(移動する)場合も考えられる。
そのため、オブジェクト特定部162は、タッチ操作中において、現在の入力位置に応じたオブジェクトの有無を、位置情報管理部120に管理される現在の位置情報に基づいて順次特定するようにする。そして、継続時間計時部163は、タッチ操作が維持されていたとしても、オブジェクトが特定されなくなった場合には、継続時間の計時を停止してもよい。
この場合、タッチ操作の有効性をより厳格に判定することができる。
【0073】
上記の実施形態では、特定したオブジェクトについて、視点(スクリーン平面)を基準として奥行き方向の距離を求め、この距離に応じた基準時間を算定する場合について説明したが、このような奥行き方向の距離だけでなく、他の距離に応じて基準時間を算定するようにしてもよい。
例えば、2次元の仮想空間を表現するゲーム(2Dゲーム等)の場合では、プレイヤキャラクタから水平方向又は垂直方向に離れて敵キャラクタが配置される場合も多い(一例として、横スクロールや縦スクロールの2Dゲーム等)。そのため、そのような2Dゲーム等の場合では、タッチ位置のオブジェクト(敵キャラクタ等)を特定すると、プレイヤキャラクタからそのオブジェクトまでの水平方向又は垂直方向の距離を求める様にする。そして、この距離に応じた基準時間を算定してもよい。
このように、水平方向や垂直方向の距離に応じて基準時間を算定し、この基準時間よりも長い時間タッチ操作が維持された場合に、そのオブジェクトへの入力を有効と判定することも適宜可能である。
【0074】
上記の実施形態では、タッチパネル20を介して、入力を行う場合について説明したが、入力デバイスは、このようなタッチパネル20に限られず、他の入力デバイスを用いる場合にも適宜適用可能である。例えば、マウス等により、画面上の任意の位置を指定して、クリック(一例として、左クリック等)による入力を行う場合では、以下のように行うことができる。
【0075】
まず、入力検出部140は、マウスのクリック操作と、その際のマウスカーソルの位置を検出する。オブジェクト特定部161は、クリック操作時のマウスカーソルの表示位置に表示されているオブジェクトを特定する。
また、基準時間算定部162は、特定されたオブジェクトについて、仮想空間内における奥行き方向の距離に応じて定まる基準時間を算定する。継続時間計時部163は、クリック操作(クリックボタンの押下)が続いている間の継続時間を計時する。そして、入力判定部164は、計時されている継続時間が基準時間を超えた時点で、そのオブジェクトへの入力が有効であると判定する。
この場合も、仮想空間内に配置されたオブジェクトに対する入力操作を、プレイヤに違和感を感じさせずに行わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
以上説明したように、本発明によれば、仮想空間内に配置されたオブジェクトに対する入力操作を、プレイヤに違和感を感じさせずに行わせることのできる入力受付装置、入力判定方法、および、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 ゲーム装置
10 処理制御部
11 コネクタ
12 カートリッジ
13 無線通信部
14 通信コントローラ
15 サウンドアンプ
16 スピーカ
17 操作キー
18 第1の表示部
19 第2の表示部
20 タッチパネル
100 入力受付装置
110 オブジェクト記憶部
120 位置情報管理部
130 表示制御部
140 入力検出部
150 キー操作受付部
160 処理制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面への入力を受け付ける入力受付装置であって、
仮想空間内に配置されるオブジェクトを含んだ画像を生成し、前記表示画面に表示する表示制御部と、
前記表示画面への入力に応答し、入力位置に表示されているオブジェクトを特定するオブジェクト特定部と、
特定された当該オブジェクトについて、視点を基準とした仮想空間内の距離に応じて定まる基準時間を求め、当該基準時間と入力が継続された時間との関係に基づいて、当該オブジェクトへの入力の有効無効を判定する入力判定部と、を備える、
ことを特徴とする入力受付装置。
【請求項2】
表示画面に重畳されたタッチパネルを介して入力を受け付ける入力受付装置であって、
三次元の仮想空間内に配置されるオブジェクトの位置情報を管理する位置情報管理部と、
視点となる仮想カメラから当該オブジェクトを含む仮想空間を撮影し、所定のスクリーン平面に投影した画像を生成して前記表示画面に表示する表示制御部と、
前記タッチパネルへの入力に応答し、前記表示画面における入力位置を検出する入力検出部と、
検出された当該入力位置に表示されているオブジェクトを、管理される当該位置情報に基づいて特定するオブジェクト特定部と、
特定された当該オブジェクトについて、仮想空間内における視点を基準とした奥行き方向の距離に応じて定まる基準時間を算定する基準時間算定部と、
前記タッチパネルへの入力が継続されている間の継続時間を計時する継続時間計時部と、
算出された当該基準時間と計時された当該継続時間との関係に基づいて、当該オブジェクトへの入力の有効無効を判定する入力判定部と、を備える、
ことを特徴とする入力受付装置。
【請求項3】
請求項2に記載の入力受付装置であって、
前記オブジェクト特定部は、当該入力位置に複数のオブジェクトが重なって表示されている場合に、当該各オブジェクトのZ値を比較して最も視点に近いオブジェクトを特定し、
前記基準時間算定部は、特定されたオブジェクトの当該Z値に所定の係数を乗じて基準時間を算定する、
ことを特徴とする入力受付装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の入力受付装置であって、
前記入力検出部は、前記タッチパネルへの入力が継続している間において、入力位置を順次検出し、
前記オブジェクト特定部は、順次検出される当該入力位置に表示されるオブジェクトの有無を、前記位置情報管理部に管理される現在の位置情報に基づいて順次特定し、
前記継続時間計時部は、前記オブジェクト特定部によりオブジェクトが特定された際に継続時間の計時を開始し、前記オブジェクト特定部により当該オブジェクトが特定されなくなった際、若しくは、前記タッチパネルへの入力がなくなった際に、継続時間の計時を停止する、
ことを特徴とする入力受付装置。
【請求項5】
表示制御部、オブジェクト特定部、及び、入力判定部を有し、表示画面への入力を受け付ける入力受付装置が実行する入力判定方法であって、
前記表示制御部が、仮想空間内に配置されるオブジェクトを含んだ画像を生成し、前記表示画面に表示する表示制御ステップと、
前記オブジェクト特定部が、前記表示画面への入力に応答し、入力位置に表示されているオブジェクトを特定するオブジェクト特定ステップと、
前記入力判定部が、特定された当該オブジェクトについて、視点を基準とした仮想空間内の距離に応じて定まる基準時間を求め、当該基準時間と入力が持続された時間との関係に基づいて、当該オブジェクトへの入力の有効無効を判定する入力判定ステップと、を備える、
ことを特徴とする入力判定方法。
【請求項6】
表示画面への入力を受け付けるコンピュータを、
仮想空間内に配置されるオブジェクトを含んだ画像を生成し、前記表示画面に表示する表示制御部、
前記表示画面への入力に応答し、入力位置に表示されているオブジェクトを特定するオブジェクト特定部、
特定された当該オブジェクトについて、視点を基準とした仮想空間内の距離に応じて定まる基準時間を求め、当該基準時間と入力が継続された時間との関係に基づいて、当該オブジェクトへの入力の有効無効を判定する入力判定部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−113107(P2011−113107A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266005(P2009−266005)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】