説明

入力情報保護装置および入力情報保護方法

【課題】保護すべき入力情報をソフトキーボードで入力しなければならず、文字入力の効率が悪い。
【解決手段】情報入力装置200に接続され、情報入力装置200から情報伝送路41を介して入力される情報を保護する入力情報保護装置100であって、情報入力装置200から入力される入力情報が保護する必要がある情報であるか否かを判断する入力情報判断部12と、情報伝送路41が暗号化されているか否かを管理する伝送路管理部13と、情報入力装置200に対して入力情報の暗号化を指示する暗号化指示部14とを備え、暗号化指示部14は、入力情報が保護する必要がある情報であり、かつ、情報伝送路41が暗号化されていない場合、入力情報の暗号化を指示することを特徴とする入力情報保護装置100。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力情報保護装置および入力情報保護方法に関し、特に情報入力装置からの入力情報の傍受を防ぐための入力情報保護技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から文字入力等の情報入力は、端末に接続されているキーボードで行われることが多く、キーボードからの入力データを端末に送信する際に入力データの傍受が課題となっている。
【0003】
この課題を解決するために、ディスプレイとキーボードとポインティングデバイスとを有する通信端末において、ディスプレイに表示された入力画面の中の、通常の入力情報はキーボードによって入力され、保護されるべき入力情報は、入力情報が傍受されるのを回避するため、ソフトキーボードを画面に表示させ、ポインティングデバイスによって入力させることで、傍受を回避するものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−284860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来にあっては、以下のような課題があった。
【0006】
つまり、保護されるべき入力情報は、画面に表示されたソフトキーボードとポインティングデバイスを用いて入力しなければならないので、入力効率が悪くユーザのわずらわしさが発生するという課題を有していた。
【0007】
また、保護される入力情報を入力する状態で、ユーザが誤ってキーボードから文字入力した場合、情報が傍受されてしまう課題も有している。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、ユーザの入力のわずらわしさを解消し、ユーザのミスによる文字入力の傍受を回避する入力情報保護装置および入力情報保護法法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の入力情報保護装置は、情報入力装置に接続され、前記情報入力装置から情報伝送路を介して入力される情報を保護する入力情報保護装置であって、前記情報入力装置から入力される入力情報が保護する必要がある情報であるか否かを判断する入力情報判断部と、前記情報伝送路が暗号化されているか否かを管理する伝送路管理部と、前記情報入力装置に対して入力情報の暗号化を指示する暗号化指示部とを備え、前記暗号化指示部は、前記入力情報が保護する必要がある情報であり、かつ、前記情報伝送路が暗号化されていない場合、前記入力情報の暗号化を指示することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の入力情報保護方法は、情報入力装置に接続され、前記情報入力装置から情報伝送路を介して入力される情報を保護する入力情報保護装置における入力情報保護方法であって、前記情報入力装置から入力される入力情報が保護する必要がある情報であるか否かを判断するステップと、前記情報伝送路が暗号化されているか否かを管理するステップと、前記情報入力装置に対して入力情報の暗号化を指示するステップとを備え、前記入力情報が保護する必要がある情報であり、かつ、前記情報伝送路が暗号化されていない場合、前記入力情報の暗号化を指示することを特徴とする。
【0011】
本発明の入力情報保護装置および入力情報保護方法によれば、情報入力装置からの入力情報が保護すべき情報であり、かつ、情報入力装置との情報伝送路が暗号化されていない場合、情報入力装置に対して入力情報の暗号化を指示するので、ソフトキーボード入力によるユーザの文字入力のわずらわしさを解消できるとともに、暗号化されていない情報伝送路で誤ってユーザがキーボード入力しても入力情報を傍受されるリスクを軽減することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の入力情報保護装置および入力情報保護方法によれば、情報入力装置からの入力情報が保護すべき情報であり、かつ、情報入力装置との情報伝送路が暗号化されていない場合、情報入力装置に対して入力情報の暗号化を指示するので、ソフトキーボード入力によるユーザの文字入力のわずらわしさを解消できるとともに、暗号化されていない情報伝送路で誤ってユーザがキーボード入力しても入力情報を傍受されるリスクを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例1における入力情報保護装置および情報入力装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例1における入力情報保護装置の暗号化指示部の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0015】
<入力情報保護装置100および情報入力装置200の構成と機能>
図1は、本発明の実施例1における入力情報保護装置および情報入力装置の構成を示すブロック図である。
【0016】
入力情報保護装置100は、表示部11、入力情報判断部12、伝送路管理部13、暗号化指示部14、無線モジュール15から構成される。
【0017】
また、情報入力装置200は、キーボード21、文字制御部22、無線モジュール23から構成される。
【0018】
入力情報保護装置100において、表示部11は、パスワード等の情報の入力を情報入力装置200に促す際に、情報入力のための入力枠を表示する。入力手段判断部12は、情報入力装置200から入力される入力情報がパスワード等の保護する必要がある情報であるか否かを判断する。伝送路管理部13は、情報伝送路41が暗号化されているか否かを常時管理している。暗号化指示部14は、入力情報保護装置100から情報入力装置200に情報の入力を促す際、該情報がパスワード等の保護する必要がある情報であるかを入力情報判断部12に問い合わせるとともに、伝送路管理部13に情報伝送路41が暗号化されているか否かを問い合わせ、問い合わせた結果を元に、無線モジュール15および情報伝送路14を通して、情報入力装置200に所定の指示を与える。
【0019】
情報入力装置200において、キーボード21は、ユーザが文字入力等を行うためのものである。文字制御部22は、入力情報保護装置100から情報の入力を促され、ユーザがキーボード21を用いて入力した文字を、暗号化指示部14からの所定の指示に基づき暗号化するか否かを制御し、無線モジュール23および情報伝送路41を通して、入力情報保護装置100に送る。
【0020】
AP(Access Point)31は、無線モジュールの管理および装置間で送受信される情報をルーティングするモジュールである。
【0021】
なお、表示部11、無線モジュール15および23は入力情報保護装置100および情報入力装置200に内蔵されている必要はない。また、本実施例において、入力情報保護装置100および情報入力装置200間の情報の送受信を無線にて行っているが、これに限らず有線で行っても良い。
<入力情報保護装置100の暗号化指示部14の動作>
次に本発明の実施例1における入力情報保護装置100の暗号化指示部14の動作を、図2のフローチャートを用いて説明する。
【0022】
暗号化指示部14は、入力情報保護装置100から情報入力装置200に情報の入力を促す際、該情報がパスワード等の保護する必要がある情報であるかを入力情報判断部12に問い合わせる(ステップS201)。
【0023】
暗号化指示部14は、該情報がパスワード等の保護する必要がない情報の場合(ステップS201でNo)、無線モジュール15および情報伝送路41を介して、ユーザにキーボード21での入力許可を与える(ステップS204)。
【0024】
一方、該情報がパスワード等の保護する必要がある情報である場合(ステップS201でYes)、暗号化指示部14は、伝送路管理部13に情報伝送路41が暗号化されているか否かを問い合わせる(ステップS202)。
【0025】
暗号化指示部14は、情報伝送路14が暗号化されている場合(ステップS202でYes)、無線モジュール15および情報伝送路41を介して、ユーザにキーボード21での入力許可を与える(ステップS204)。
【0026】
一方、情報伝送路14が暗号化されていない場合(ステップS202でNo)、暗号化指示部14は、無線モジュール15および情報伝送路41を介して、情報入力装置200にキーボード入力された文字(入力情報)の暗号化を指示する(ステップS203)。入力情報の暗号化指示を受けた情報入力装置200の文字制御部22は、ユーザがキーボード21を用いて入力した文字(入力情報)を暗号化し、無線モジュール23および情報伝送路41を介して、入力情報保護装100に送る。
【0027】
暗号化指示部14は、情報入力装置200に入力情報の暗号化を指示した後、無線モジュール15および情報伝送路41を介して、ユーザにキーボード21での入力許可を与える(ステップS204)。
【0028】
なお、図2のステップS204において、ユーザにキーボード入力の是非を確認するステップを設けても良い。ユーザが置かれている状況からユーザが情報伝送路41や文字制御部22における入力情報の暗号化を破られることを危惧する場合、キーボード21からの入力を禁止することで、入力情報を傍受されるリスクをより柔軟に軽減することができる。
【0029】
本発明の入力情報保護装置および入力情報保護方法によれば、情報入力装置からの入力情報が保護すべき情報であり、かつ、情報入力装置との情報伝送路が暗号化されていない場合、情報入力装置に対して入力情報の暗号化を指示するので、ソフトキーボード入力によるユーザの文字入力のわずらわしさを解消できるとともに、暗号化されていない情報伝送路で誤ってユーザがキーボード入力しても入力情報を傍受されるリスクを軽減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の入力情報保護装置および入力情報保護法法によれば、情報入力装置からの入力情報が保護すべき情報であり、かつ、情報伝送路が暗号化されていない場合、情報入力装置に対して入力情報の暗号化を指示するので、ソフトキーボード入力によるユーザの文字入力のわずらわしさを解消できるとともに、暗号化されていない情報伝送路で誤ってユーザがキーボード入力しても入力情報を傍受されるリスクを軽減することができ、入力情報保護技術として有用である。
【符号の説明】
【0031】
11 表示部
12 入力情報判断部
13 伝送路管理部
14 暗号化指示部
15 無線モジュール
21 キーボード
22 文字制御部
23 無線モジュール
31 AP
41 情報伝送路
100 入力情報保護装置
200 情報入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報入力装置に接続され、前記情報入力装置から情報伝送路を介して入力される情報を保護する入力情報保護装置であって、
前記情報入力装置から入力される入力情報が保護する必要がある情報であるか否かを判断する入力情報判断部と、
前記情報伝送路が暗号化されているか否かを管理する伝送路管理部と、
前記情報入力装置に対して入力情報の暗号化を指示する暗号化指示部と
を備え、
前記暗号化指示部は、前記入力情報が保護する必要がある情報であり、かつ、前記情報伝送路が暗号化されていない場合、前記入力情報の暗号化を指示する
ことを特徴とする入力情報保護装置。
【請求項2】
情報入力装置に接続され、前記情報入力装置から情報伝送路を介して入力される情報を保護する入力情報保護装置における入力情報保護方法であって、
前記情報入力装置から入力される入力情報が保護する必要がある情報であるか否かを判断するステップと、
前記情報伝送路が暗号化されているか否かを管理するステップと、
前記情報入力装置に対して入力情報の暗号化を指示するステップと
を備え、
前記入力情報が保護する必要がある情報であり、かつ、前記情報伝送路が暗号化されていない場合、前記入力情報の暗号化を指示する
ことを特徴とする入力情報の保護方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−68919(P2012−68919A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213483(P2010−213483)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】