説明

入力操作処理装置、入力操作処理方法及び入力操作処理プログラム

【課題】タッチパネルを用いた入力操作における誤選択に係る操作の煩雑さを軽減すること。
【解決手段】表示部6と一体形成されたタッチパネル入力部5と、タッチパネル入力部5に対する入力操作に基づいて所定の選択候補が選択されたことを検知するタッチパネル入力情報取得部9−1と、所定の選択候補が選択されたことが検知された場合、表示部6に選択候補が選択された旨を表示する選択候補表示部9−2と、表示部6上で選択された選択候補から所定の範囲内に位置する別の選択候補の情報を保存する別選択候補保存部9−3と、長押し等の所定の再選択指示が発生したことを検出する再選択指示検出部9−6と、再選択指示の発生が検出された場合、別選択候補保存部9−3が保存した別の選択候補の情報を表示する別選択候補表示部9−7とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル等の入力装置に対する入力操作に応じて処理を行う際に用いて好適な入力操作処理装置、入力操作処理方法及び入力操作処理プログラム
【背景技術】
【0002】
昨今、タッチパネルを搭載した携帯電話等の端末装置が急速に普及してきている。タッチパネルは、カーナビゲーション装置やノート型PC(パーソナルコンピュータ)等の端末装置にも搭載され、最近ではスマートフォンに代表されるように携帯電話ではほぼ必須のデバイスになってきている。
【0003】
また、一部の端末装置では、タッチパネルにて全ての入力操作を行うことが出来るようになっている。このような状況において、タッチパネルを用いた入力操作の操作性を向上させるための技術が開発されている。
【0004】
例えば特許文献1には、タッチパネルを用いた文字入力操作の利便性を向上させるための技術の一例が示されている。特許文献1に記載されている文字入力装置では、入力された読み文字列に基づく変換候補として、複数の一次候補が表示される。そして、ユーザが1つの一次候補を選択すると、選択した文字列が仮確定文字列として、入力された読み文字列に置き換えて表示される。ここでユーザが仮確定文字列に対してスライド操作を行うと、その操作によって指定された文字長の文字列のみが候補として表示される。
【0005】
また、例えば特許文献2には、タッチパネルの1ヶ所が特定の時間以上継続してタッチ操作されることにより、そのタッチ操作された箇所を中心として、表示倍率を上昇(ズーム)させる技術が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−217632号公報
【特許文献2】特開2009−301282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
タッチパネルでは、一般に、画面上に配置されたソフトキー(ソフトウェアキーとも呼ばれる。)といった選択候補を選択することで入力操作が行われる。ソフトキー等を用いた入力操作の際には、画面上に複数の選択候補がある場合、ユーザの意図しない選択候補が選択されてしまう誤選択が発生することがある。これは物理的なハードキー(物理的な操作子を有するキー、ハードウェアキーとも呼ばれる。)を使用していないため選択候補の境目を指等で判別することが出来ないことが要因の一つである。また、文字入力時の変換候補選択においても誤選択が多くなる傾向があり、ハードキーを用いる場合と比較して一文入力に掛かる時間が増加している。
【0008】
上述したように、誤選択が発生することの1つの要因はタッチパネルの基本的な構造に起因するものである。そのため、誤選択自体を完全に防止することは容易ではない。また、誤選択が発生した場合には、別の候補を再選択するために、通常の入力操作と異なる煩雑な操作が必要となることがある。すなわち、誤選択がなされた場合に係る操作はタッチパネルを用いた入力操作の煩雑さを増加させる1つの要因となっていた。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決することができる入力操作処理装置、入力操作処理方法及び入力操作処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態に対応する入力操作処理装置は、操作画面を介して入力する操作指示を受け付ける入力部と、前記操作画面を表示する表示部と、前記操作画面に表示されている複数の選択候補のうち一の選択候補を選択する選択指示を前記入力部が受け付けた場合、前記選択された選択候補を示す情報を取得する入力情報取得部と、前記入力情報取得部によって前記選択された選択候補を示す情報が取得された場合、前記表示部の前記操作画面において前記選択された選択候補周辺の予め決められた範囲内に位置する別の選択候補を示す情報を保存する別選択候補保存部と、前記選択された選択候補の変更を指示する再選択指示を前記入力部が受け付けたことを検出する再選択指示検出部と、前記再選択指示検出部が前記再選択指示を受け付けたことを検出した場合、前記別選択候補保存部が保存した前記別の選択候補を示す情報を読み出し、前記別の選択候補を選択する選択指示を入力する前記操作画面として前記表示部に表示する別選択候補表示部と、を備える。
【0011】
また、本発明の一実施形態に対応する入力操作処理方法は、操作画面に表示されている複数の選択候補のうち一の選択候補を選択する選択指示を入力部が受け付けた場合、前記選択された選択候補を示す情報を取得する入力情報取得ステップと、前記入力情報取得ステップにおいて前記選択された選択候補を示す情報が取得された場合、前記操作画面において前記選択された選択候補周辺の予め決められた範囲内に位置する別の選択候補を示す情報を保存する別選択候補保存ステップと、前記選択された選択候補の変更を指示する再選択指示を前記入力部が受け付けたことを検出する再選択指示検出ステップと、前記再選択指示検出ステップにおいて前記再選択指示を受け付けたことが検出された場合、前記別選択候補保存ステップにおいて保存された前記別の選択候補を示す情報を読み出し、前記別の選択候補を選択する選択指示を入力する前記操作画面として表示部に表示する別選択候補表示ステップと、を備える。
【0012】
また、本発明の一実施形態に対応する入力操作処理プログラムは、コンピュータを、前記操作画面に表示されている複数の選択候補のうち一の選択候補を選択する選択指示を受け付けた場合、前記選択された選択候補を示す情報を取得する入力情報取得手段、前記入力情報取得手段によって前記選択された選択候補を示す情報が取得された場合、前記操作画面において前記選択された選択候補周辺の予め決められた範囲内に位置する別の選択候補を示す情報を保存する別選択候補保存手段、前記選択された選択候補の変更を指示する再選択指示を受け付けたことを検出する再選択指示検出手段、前記再選択指示検出手段において前記再選択指示を受け付けたことを検出した場合、前記別選択候補保存手段が保存した前記別の選択候補を示す情報を読み出し、前記別の選択候補を選択する選択指示を入力する前記操作画面として表示する別選択候補表示手段、として機能させるための入力操作処理プログラムである。
【発明の効果】
【0013】
上記の構成によれば、タッチパネルを用いた入力操作における誤選択に係る操作の煩雑さを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態の構成を説明するためのブロック図である。
【図2】図1のタッチパネル入力情報取得部9−1による処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】図1の選択候補表示部9−2による処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】図1の別選択候補保存部9−3による処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図1の選択候補確定部9−5による処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図1の別選択候補表示部9−7による処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】図1の表示部6の表示例及びタッチパネル入力部5による入力例を説明するための図である。
【図8】図1の表示部6の他の表示例及びタッチパネル入力部5による他の入力例を説明するための図である。
【図9】本発明の一実施形態の構成を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明による入力操作処理装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。図1(A)の端末装置10は、例えば携帯電話などの通信端末である。端末装置10の全部または一部が、本発明による入力操作処理装置に対応している。図1(A)の端末装置10は、記憶部1、無線部2、アンテナ3、CPU(中央処理装置)4、タッチパネル入力部5、表示部6、ハードキー入力部7及びCPUバス8を備えて構成されている。また、図1の端末装置10は、CPU4が記憶部1等に記憶されている所定のプログラムを実行することで実現される機能ブロックとしての、タッチパネル入力情報取得部9−1、選択候補表示部9−2、別選択候補保存部9−3、選択候補確定指示検出部9−4、選択候補確定部9−5、再選択指示検出部9−6、及び別選択候補表示部9−7を有している。
【0016】
記憶部1は、CPU4が動作する際に用いるプログラム及びデータを保存する等の際に使用される。本実施形態において、記憶部1は、図1(B)に示すデータを保存する。すなわち、記憶部1は、別選択候補の範囲閾値1−1と、別選択候補情報1−2とを保持する。
【0017】
別選択候補の範囲閾値1−1は、ユーザによって選択された1つの選択候補(仮に選択候補Aとする)を基準として、選択候補Aが誤選択であったとした場合に、ユーザが意図していた選択候補であったと予想される別の選択候補を抽出する際に基準として用いられる値である。この別選択候補の範囲閾値1−1は、表示部6の画面上での距離に対応する値であって、例えば表示部6の表示画面の画素数に対応する値として設定することができる。また、別選択候補の範囲閾値1−1は、選択候補Aを表すソフトキーの中心又は端部からの別選択候補を表すソフトキーの中心又は端部までの直線距離や縦及び横方向の距離を表す値とすることができる。
【0018】
別選択候補情報1−2は、別選択候補の範囲閾値1−1を基準として選択された1又は複数の別の選択候補を表すデータである。別選択候補情報1−2には、別の選択候補に対応するソフトキー、文字列、画像等に対応した、文字列情報や画像情報、形状情報、位置情報等を含むようにすることができる。
【0019】
無線部2は、アンテナ3を用いて、図示していない外部の無線基地局等との間で無線通信を行う。アンテナ3は、所定周波数での通信用アンテナである。
【0020】
CPU(中央処理装置)4は、記憶部1に格納されている所定のプログラムを実行することで、CPUバス8を介して接続されている無線部2、タッチパネル入力部5、表示部6、ハードキー入力部7等の制御や信号入力を行う。また、CPU4は、タッチパネル入力情報取得部9−1、選択候補表示部9−2、別選択候補保存部9−3、選択候補確定指示検出部9−4、選択候補確定部9−5、再選択指示検出部9−6、及び別選択候補表示部9−7を構成するプログラムであって、記憶部1に格納されている所定のプログラムを実行する。
【0021】
タッチパネル入力部5は、表示部2に一体として形成された入力装置であり、例えばユーザの指による接触操作の有無と、接触操作がなされた場合にその位置や動きを表す情報とを検知して出力する。タッチパネル入力部5は、例えば静電容量方式、電磁誘導方式等既存の種々の検出方式を用いて構成することができる。つまり、タッチパネル入力部5は、表示部2に表示される操作画面を介して入力する操作指示を受け付け、受け付けた操作指示を示す情報を出力する。
【0022】
表示部6は、画像及び文字、記号等を表示する表示装置であり、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ(organic electroluminescence display)、電気泳動方式のディスプレイ等を用いて構成することができる。この表示部6は、タッチパネル入力部5が受け付ける操作指示の入力エリアに、操作画面を表示する。
【0023】
ハードキー入力部7は、ユーザが入力操作を行う押しボタンスイッチ等の操作子を1又は複数含んでいる。
【0024】
CPUバス8は、CPU4と、記憶部1、無線部2、タッチパネル入力部5、表示部6及びハードキー入力部7との間を接続し、各部の間でやりとりされる各種の信号が送受信される。
【0025】
なお、図1は、端末装置10において本発明の実施形態を説明する際に用いる構成を示したものであって、端末装置10には例えば、他にマイク等のオーディオ入力部、スピーカ等のオーディオ出力部、加速度センサ等を用いたモーション検出機能、カメラ機能等を実行するための撮像部、ライト、近距離通信部等の構成が含まれている。また、端末装置10では、CPU4によって、所定のプログラムを実行することで、音声通話機能、電子メール送受信機能、インターネットブラウザ機能、音声認識機能等の図示していない種々の機能が実行される。また、端末装置10では、読み仮名等を入力して漢字等の文字列に変換する文字変換機能も有している。
【0026】
また、タッチパネル入力情報取得部9−1は、タッチパネル入力部5に対するユーザによる入力操作を表す情報を、タッチパネル入力部5から入力情報として取得する。また、タッチパネル入力情報取得部9−1は、取得した入力情報に基づいて、例えば、表示部6上に1又は複数の選択候補(例えばソフトキー等)が表示されている場合に、タッチパネル入力部5に対するユーザの入力操作によって、どの選択候補が押下されたのかということや、どのくらいの時間継続して押下されているのかといったことを、所定の演算処理によって検知し、出力する。言い換えると、操作画面に表示されている複数の選択候補のうち一の選択候補を選択する選択指示をタッチパネル入力部5が受け付けた場合、タッチパネル入力情報取得部9−1は、この選択された選択候補を示す情報を取得する。
【0027】
選択候補表示部9−2は、タッチパネル入力情報取得部9−1によって所定の選択候補が選択されたことが検知された場合(すなわち、選択された選択候補を示す情報を取得した場合)、この選択された選択候補を示す情報を、選択候補が選択されたことを表示する情報として、表示部6に表示する。例えば、画面内の入力欄に、選択候補を表示する。その際、選択候補表示部9−2は、選択候補が選択された場合に、その選択候補の選択が確定される前に(すなわち確定状態とされる前に)、当該選択候補を表す情報を表示部6に表示する。ここで、ここで選択候補とは、ユーザのタッチパネル入力部5に対する入力操作等に応じて選択される、表示部6の表示面上に表示されている対象物を意味する。選択候補の例としては、表示部6上に表示されているソフトキーや、ブラウザ機能等を用いて閲覧しているウェブページ内のリンクを表す文字列やリンク付きの画像、メニュー画面に表示されるアイコン等の画像があげられる。また、確定状態とは、当該選択候補が選択されたことを前提として次の処理に移行することが可能となった状態あるいは次の処理に移行した状態を意味する。したがって、選択候補表示部9−2は、当該選択候補が選択されたことを前提として次の処理に移行することが可能となる前の状態で、又は次の処理に移行する前に、選択されたと検知された選択候補を表す情報を表示部6に表示する。具体例については後述する。
また、選択候補表示部9−2が、選択されたと検知された選択候補を表す情報を「表示部6に表示する」ということは、選択候補を表す情報を選択候補とは異なる位置に表示する場合に限らず、選択候補の色等を変化させて同じ位置に表示する場合等、表示形態を変化させて表示する場合も含むものとする。
【0028】
ここで、選択候補表示部9−2が行う処理の具体例を示して説明する。例えば、文字入力処理であれば、読み仮名に対する変換候補が選択候補であり、確定状態はその変換候補への変換が確定したことを意味する。この場合、選択候補表示部9−2は、表示部6に表示されている複数の変換候補の文字列のいずれかが選択された場合に、選択された文字列を、表示部6内のテキストボックス等の所定の表示領域に選択された文字列を表示する。
【0029】
例えば、ブラウザ機能であれば、リンク先を有する文字列や画像が選択候補であり、確定状態は選択された選択候補に対応するリンク先に対応するウェブページ等の情報を呼び出す処理が開始されたことを意味する。この場合、選択候補表示部9−2は、表示部6に表示されている複数のリンク先を有する文字列や画像のいずれかが選択された場合に、選択された文字列や画像を、その表示形態を変化させて表示する。例えば選択候補表示部9−2は、選択された文字列の表示色を変化させたり、点滅させて表示したり、画像の透明度を変化させたり、所定の色の半透明フィルタを重ねて画像に表示したりすることで表示形態を変化させる。
【0030】
例えば、メニュー機能であれば、メニュー中のアイコンが選択候補であり、確定状態は選択された選択候補に対応する機能が開始された状態を意味する。この場合、選択候補表示部9−2は、表示部6に表示されている複数のアイコンのいずれかが選択された場合に、選択されたアイコンを、その表示形態を変化させて表示する。例えば選択候補表示部9−2、選択されたアイコンの表示色を変化させたり、点滅させて表示したり、透明度を変化させたり、所定の色の半透明フィルタを重ねて表示したりすることで表示形態を変化させる。
【0031】
別選択候補保存部9−3は、タッチパネル入力情報取得部9−1で検知された選択候補の情報と、記憶部に記憶されている別選択候補の範囲閾値1−1の情報とに基づいて、選択候補から別選択候補の範囲閾値1−1で決まる所定の範囲内に位置する別の選択候補を抽出する。別選択候補保存部9−3は、表示部6上で選択された選択候補から所定の範囲内に位置する別の選択候補の情報を記憶部1に別選択情報1−2として保存する。
【0032】
選択候補確定指示検出部9−4は、ユーザがタッチパネル入力部5等に対して所定の確定指示入力を行ったことを検出し、検出した場合に所定の割り込み信号を生成する。選択候補確定指示検出部9−4は、例えば選択候補に対する選択操作が所定の時間内であった場合に確定指示があったと検出する。すなわち、ある選択候補を示すソフトキーの押下の開始時刻から終了時刻までの時間が所定の時間以内であった場合に、選択候補確定指示検出部9−4は、当該選択候補に対して確定指示があったと検出する。この例では、ある選択候補を示すソフトキーの押下時間が所定の時間を超えた場合、選択候補確定指示検出部9−4は、確定指示を検出しないので、所定の指示入力を検出した場合に生成する所定の割り込み信号を生成しない。なお、所定の確定指示入力としては、選択候補選択時の所定時間内のソフトキー押下(すなわち長押しでない押下)のほか、ハードキー入力部7の所定の操作子を操作すること、選択候補選択時の押下に続けて押下している指をスライドさせないこと(例えばソフトキーを押下してそのままタッチパネル入力部5から指を離すこと)、あるいは音声認識機能を用いて確定指示を表す言葉をユーザが発すること、端末装置10に所定の振動や動きを与えること等の事象を用いることができる。
また、選択候補確定指示検出部9−4は、操作画面に表示されている確定ボタン(例えば「検索」と表示され、確定状態になった場合、確定された選択候補が示す情報をキーとした検索の実行の指示を受け付ける操作ボタン)が押下された場合、確定指示を受けつけるものであってもよい。
【0033】
選択候補確定部9−5は、選択候補確定指示検出部9−4で所定の選択候補確定指示が検出され、所定の割り込み信号が生成された場合に、タッチパネル入力情報取得部9−1で検知された当該選択候補の選択状態を確定状態とする。
【0034】
再選択指示検出部9−6は、所定の再選択指示が発生したことを検出し、検出した場合に所定の割り込み信号を生成する。所定の再選択指示とは、ユーザによるタッチパネル入力部5やハードキー入力部7に対する所定の操作であって、ユーザが、選択候補が一旦選択された後に別の選択候補を選択したいと意図した場合に行われる操作である。この再選択指示のためのタッチパネル入力部5に対する所定の操作とは、タッチパネル入力部5に対してなされた所定の選択候補を選択するための操作から連続的になされた後続する操作に基づくものとすることができる。すなわち、タッチパネル入力部5に対する所定の操作は、例えば、選択候補を表すソフトキーやアイコン等の表示領域を長押しする操作(すなわちなんらかの選択候補が一旦選択された後でも所定時間以上継続して選択し続ける操作)であったり、タッチパネル入力部5上で指をスライドさせる操作(すなわちなんらかの選択候補が一旦選択された後に指を離さずに指を動かす操作)であったりする。また、ハードキー入力部7に対する所定の操作とは、所定の押しボタン等を押下する操作である。ただし、所定の再選択指示は、これらの操作に限らず、タッチパネル入力部5上に再選択指示用のソフトキーを設けてその押下操作としたり、音声入力を用いて所定の音声で指示を入力するようにしたり、モーション検出機能にて所定の3次元動作を検出した場合にそれを指示操作とするようにしたりすることができる。
【0035】
別選択候補表示部9−7は、再選択指示検出部9−6によって所定の再選択指示(つまり、既に選択されている選択候補の変更の指示)の発生が検出された場合に生成される所定の割り込み信号を検出すると、別選択候補保存部9−3が保存した別の選択候補の情報を表示部6上に表示する。この別選択候補表示部9−7が別の選択候補の情報を表示部6上に表示した後、ユーザが、別の選択候補のいずれかを選択する入力操作を行うと、タッチパネル入力情報取得部9−1によって選択操作が検出されるとともに、選択された選択候補の情報が取得される。
また、別選択候補表示部9−7は、再選択指示検出部9−6が再選択指示を受け付けたことを検出した場合、別選択候補保存部9−3が保存した別の選択候補を示す情報を読み出し、別の選択候補を選択する選択指示を入力する操作画面として表示部6に表示する。このとき、別選択候補表示部9−7は、表示部6内のテキストボックス等の所定の表示領域に表示されている“選択された文字列”を解除し、別選択候補保存部9−3から読み出した“別の選択候補”を表示部6内のテキストボックス等の所定の表示領域に表示する。
さらに、別選択候補表示部9−7は、別の選択候補を選択する選択指示を入力する操作画面を介して、別の選択候補を選択する選択指示をタッチパネル入力部5が受け付けた場合、選択候補表示部9−2によって表示されている選択候補が選択されたことを表示する表示を解除し、別の選択候補が選択されたことを表示することを表示部6に表示する。
【0036】
次に図2〜図8を参照して、図1の端末装置10の動作について説明する。図2は、図1のタッチパネル入力情報取得部9−1による処理の流れを示すフローチャートである。図3は、図1の選択候補表示部9−2による処理の流れを示すフローチャートである。図4は、図1の別選択候補保存部9−3による処理の流れを示すフローチャートである。図5は、図1の選択候補確定部9−5による処理の流れを示すフローチャートである。図6は、図1の別選択候補表示部9−7による処理の流れを示すフローチャートである。図7は、図1の表示部6の表示例及びタッチパネル入力部5による入力例を説明するための図である。そして、図8は、図1の表示部6の他の表示例及びタッチパネル入力部5による他の入力例を説明するための図である。
【0037】
図7(A)〜(C)は、表示部6の表示例6−1〜6−3を示している。表示例6−2は表示例6−1に対して所定の操作を行った場合、表示例6−3は表示例6−2に対して所定の操作を行った場合を示している。また、表示例6−1〜6−3には、いずれも携帯電話のハードキーに類似したソフトキー群6−11が画面下部に表示されている。ソフトキー群6−11には、母音に対応したソフトキー等からなる文字キー群6−12、文字変換を指示する変換キー6−13等を含んでいる。図7(A)に示す表示例6−1は、ユーザが文字キー群6−12を操作することで文字入力欄6−14に文字列「としゆき」が入力されている例である。また、表示例6−1では、ユーザがさらに変換キー6−13を押下することで、文字変換における変換候補である複数の選択候補が、選択候補キー群6−15として表示されている。
【0038】
図7(B)は、図7(A)の表示例6−14において選択候補である文字列「憲行」を表すソフトキー6−15aに対応するタッチパネル入力部5の入力領域A1をユーザが押下しようとした後に、表示部6に表示される画面の一例を表示例6−2として示している。表示例6−2では、ユーザの意図と異なり、タッチパネル入力部5によって入力領域B1が押下されたと検出された例を示している。表示例6−2では、さらにタッチパネル入力情報取得部9−1によって文字入力欄6−14に選択されたソフトキー6−15bが選択されたと検知されたとして、ソフトキー6−15bに対応する文字列「敏之」が文字入力欄6−14に表示されている。
【0039】
図7(C)は、表示例6−2において入力領域B1が継続して所定時間以上押下されることで、再選択指示検出部9−6で再選択指示が検出され、別選択候補表示部9−7で複数の別選択候補を含む再選択候補欄6−31が表示された例を、表示例6−3として示している。なお、図示しないが、再選択指示を受け付ける操作ボタンが表示されている場合、この操作ボタンの押下を検出することで、再選択指示検出部9−6が、再選択指示を検出するものであってもよい。
また、表示例6−3において、ユーザが、選択候補6−15a(「憲行」)に対応する再選択候補欄6−31内のソフトキー6−31aを押下することで、意図した選択候補の文字列「憲行」を選択することが可能となる。文字列「憲行」が選択された場合、別選択候補表示部9−7は、文字入力欄6−14に表示されている文字列「敏之」に換えて、文字列「憲行」を表示する。つまり、別選択候補表示部9−7は、“選択された文字列”「敏之」を解除し、別選択候補保存部9−3から読み出した“別の選択候補”「憲行」を表示部6内の文字入力欄6−14に表示する。
【0040】
一方、図8(A)〜(C)は、表示部6の表示例6−4〜6−6を示している。表示例6−5は表示例6−4に対して所定の操作を行った場合、表示例6−6は表示例6−5に対して所定の操作を行った場合を示している。また、表示例6−4〜6−6は、ブラウザ機能にて所定のウェブページを閲覧している状態を示している。表示例6−4〜6−6では、選択候補となるリンク先が対応付けられている文字列A〜F及び画像A〜Eが表示されている。
【0041】
表示例6−5は、表示例6−4において「画像B」6−41を選択しようとしてユーザが表示領域A11を押下しようとしたものの、表示領域B11が押下されたとタッチパネル入力部5で検知された場合を示している。この場合、表示例6−5では、タッチパネル入力情報選択部9−1で「文字列B」6−51が選択されたと検知され、選択候補表示部9−2によって「文字列B」6−51の表示色が変更されている。また、表示例6−6は、表示例6−5において入力領域B11が所定時間に達するまで押下され続けて、再選択指示検出部9−6から割り込み信号が出力され、別選択候補表示部9−7によって再選択候補欄6−61が表示された場合を示している。この場合、別選択候補表示部9−7は、例えば、“選択された文字列”「文字列B」の選択を解除し、別選択候補保存部9−3から読み出した“別の選択候補”「画像B」を選択したことを表示部6に表示する。例えば、別選択候補表示部9−7は、「文字列B」の表示色を変更前の色に戻し、「画像B」の表示食を変更する。
【0042】
なお、図7の再選択候補欄6−31あるいは図8の再選択候補欄6−61として示したように別選択候補を表示する場合には、別選択候補を表すソフトキーや文字列、画像等を、表示例6−6として示したように別ウィンドウでまとめて表示したり、拡大して表示したり、強調するためあるいは見やすくするため表示色を変更したりして表示することができる。
【0043】
次に、図2を参照して、タッチパネル入力情報取得部9−1による処理の流れについて説明する。タッチパネル入力情報取得部9−1は、所定の周期で定期的に呼び出されるプログラムを用いて構成されている。タッチパネル入力情報取得部9−1は、タッチパネル入力部5から入力情報を取得すると(ステップS11)、取得した入力情報がいずれかの選択候補が選択されたことを示すものであるか否かを判定する(ステップS12)。選択候補が選択されていない場合(ステップS12でNoの場合)、処理が終了する。一方、いずれかの選択候補が選択されていると判定した場合(ステップS12でYesの場合)、タッチパネル入力情報取得部9−1は、選択候補表示部9−2を構成するプログラムを呼び出して、選択候補を表示する処理を実施する(ステップS13)。
【0044】
図3は、図2のステップS13で呼び出される図1の選択候補表示部9−2を構成するプログラムによる処理の流れを示すフローチャートである。処理が呼び出されると、選択候補表示部9−2は、選択候補が選択されたことを表示部6に表示し(ステップS21)、処理を終了する。
【0045】
図7に示した例では、表示例6−1において選択候補6−15b(すなわち入力領域B1)が選択された場合、ステップS12でタッチパネル入力情報取得部9−1によって選択候補が選択されていると判定されるので、ステップS13及びステップS21では、表示例6−2に示すように選択候補表示部9−2によって選択候補(この場合「敏之」)が文字入力欄6−14に表示される。
【0046】
一方、図8に示した例では、表示例6−4において選択候補6−51(すなわち入力領域B11)が選択された場合、ステップS12でタッチパネル入力情報取得部9−1によって選択候補が選択されていると判定されるので、ステップS13及びステップS21では、表示例6−5に示すように選択候補表示部9−2によって選択候補6−51(この場合「文字列B」)が表示色を変更して表示される。
【0047】
ステップS13の処理が終わると、タッチパネル入力情報取得部9−1は、別選択候補保存部9−3を構成するプログラムを呼び出して、別選択候補についての情報を保存する処理を実施する(ステップS14)。
【0048】
図4は、図2のステップS14で呼び出される図1の別選択候補保存部9−3を構成するプログラムによる処理の流れを示すフローチャートである。処理が呼び出されると、別選択候補保存部9−3は、記憶部1から別候補の範囲閾値1−1を取得する(ステップS31)。次に、別選択候補保存部9−3は、タッチパネル入力部5で選択候補が選択された箇所から別選択候補の範囲閾値1−1内に別選択候補があるか否かを確認する(ステップS32)。
【0049】
別選択候補保存部9−3は、タッチパネル入力部5で選択候補を選択した箇所から別選択候補の範囲閾値1−1内に別選択候補があると確認すると(ステップS32で「ある」の場合)、記憶部1に別選択候補の情報1−2を保存する(ステップS33)。他方、別選択候補保存部9−3は、タッチパネル入力部5で選択候補を選択した箇所から別選択候補の範囲閾値1−1内に別選択候補がないと確認すると(ステップS32で「ない」の場合)、記憶部1に別選択候補の情報1−2としてNULL(空文字列、すなわち別選択情報無し)を保存する(ステップS34)。
【0050】
図7に示した例では、表示例6−2において選択候補6−15b(すなわち入力領域B1)から別選択候補の範囲閾値1−1内(鎖線B2の範囲内)に選択候補となる文字列「敏行」、「憲行」、「紀行」、「俊幸」、「敏之」及び「利行」を表す複数のソフトキー(の一部又は全部)が含まれている。よって、ステップS32の判定結果が「ある」となって、ステップS33で別選択候補保存部9−3が記憶部1に、文字列「敏行」、「憲行」、「紀行」、「俊幸」、「敏之」及び「利行」を表す複数のソフトキーに対応する情報を別選択候補情報1−2として記憶する。
【0051】
一方、図8に示した例では、表示例6−5において選択候補6−51(すなわち入力領域B11)から別選択候補の範囲閾値1−1内(鎖線B12の範囲内)に選択候補6−52(「文字列A」)及び選択候補6−41(「画像B」)(の一部又は全部)が含まれている。よって、ステップS32の判定結果が「ある」となって、ステップS33で別選択候補保存部9−3が記憶部1に選択候補6−52(「文字列A」)と選択候補6−41(「画像B」)に対応する情報を別選択候補情報1−2として記憶する。
【0052】
図2において、ステップS14の処理が終わると、タッチパネル入力情報取得部9−1は、処理を終了する。
【0053】
ここで、図7に示した表示例6−2において選択候補6−15b(この場合「敏之」)が文字入力欄6−14に表示された段階で、仮にユーザが、選択候補が意図するものであるとして確定するため、タッチパネル入力部5から指を離して入力領域B1の押下を終了したとする。この場合、選択候補確定指示検出部9−4によって、所定時間以内の押下が検出されるので、所定の割り込み信号が生成される。すると、図5に示すように、ステップS41〜ステップS42で選択候補確定指示検出部9−4からの割り込み信号待ちであった選択候補確定部9−5は、選択候補確定指示検出部9−4が生成した割り込み信号を検出する(ステップS41)。選択候補確定部9−5は、選択候補確定指示検出部9−4が生成した割り込み信号を検出すると(ステップS42でYes)、選択された選択候補6−15b(この場合「敏之」)を選択候補として確定する(ステップS43)。
【0054】
同様に、図8に示した表示例6−5において選択候補6−51(「文字列B」)の文字色が変更された段階で、仮にユーザが、選択候補が意図するものであるとしてこれを確定しようとして、タッチパネル入力部5から指を離して入力領域B11の押下を終了したとする。この場合、選択候補確定指示検出部9−4によって、所定時間以内の押下が検出されることで、所定の割り込み信号が生成される。すると、図5に示すように、ステップS41〜ステップS42で選択候補確定指示検出部9−4からの割り込み信号待ちであった選択候補確定部9−5は、選択候補確定指示検出部9−4が生成した割り込み信号を検出する(ステップS41)。選択候補確定部9−5は、選択候補確定指示検出部9−4が生成した割り込み信号を検出すると(ステップS42でYes)、選択された選択候補6−51(「文字列B」)を選択候補として確定する(ステップS43)。
【0055】
一方、図7に示した表示例6−2において選択候補6−15b(この場合「敏之」)が文字入力欄6−14に表示された段階で、ユーザが、選択候補6−15b(この場合「敏之」)が意図するものではないとして選択候補を再選択しようとタッチパネル入力部5の入力領域B1の押下を継続したとする。この場合、再選択指示検出部9−6によって、所定時間以上の継続した押下が検出されることで、所定の割り込み信号が生成される。すると、図6に示すように、ステップS51〜ステップS52で再選択指示検出部9−6からの割り込み信号待ちであった別選択候補表示部9−7は、再選択指示検出部9−6が生成した割り込み信号を検出する(ステップS51)。別選択候補表示部9−7は、再選択指示検出部9−6が生成した割り込み信号を検出すると(ステップS52でYes)、別選択候補情報1−2を記憶部1から取得する(ステップS53)。次に、別選択候補表示部9−7は、記憶部1に別選択候補情報1−2が保存されていた場合には(ステップS54でYesの場合には)、別選択候補情報1−2に基づいて別選択候補を表示部6に表示する(ステップS55)。図7の表示例6−3は、このステップS55における別選択候補の表示例を示している。表示例6−3では、選択候補6−15a(「憲行」)に対応するソフトキー6−31a等を含む再選択候補欄6−31が表示されている。
なお、ここで、再選択候補欄6−31に表示されたソフトキー6−31a「憲行」が選択された場合、別選択候補表示部9−7は、文字入力欄6−14に表示されている“選択された文字列”「敏之」の選択を解除し、別選択候補保存部9−3から読み出した“別の選択候補”「憲行」を表示部6内の文字入力欄6−14に表示する。
【0056】
他方、記憶部1に別選択候補情報1−2が保存されていない場合には(ステップS54でNoの場合には)、別選択候補表示部9−7は、別選択候補がない旨を表示する(ステップS56)。
【0057】
また、図8に示した表示例6−5において選択候補6−51(「文字列B」)が表示色を変更した状態で表示された段階で、ユーザが、選択候補6−51(「文字列B」)が意図するものではないとして選択候補を再選択しようとタッチパネル入力部5の入力領域B11の押下を継続したとする。この場合、再選択指示検出部9−6によって、所定時間以上の継続した押下が検出されることで、所定の割り込み信号が生成される。すると、図6に示すように、ステップS51〜ステップS52で再選択指示検出部9−6からの割り込み信号待ちであった別選択候補表示部9−7は、再選択指示検出部9−6が生成した割り込み信号を検出する(ステップS51)。別選択候補表示部9−7は、再選択指示検出部9−6が生成した割り込み信号を検出すると(ステップS52でYes)、別選択候補情報1−2を記憶部1から取得する(ステップS53)。次に、別選択候補表示部9−7は、記憶部1に別選択候補情報1−2が保存されていた場合には(ステップS54でYesの場合には)、別選択候補情報1−2に基づいて別選択候補を表示部6に表示する(ステップS55)。図8の表示例6−6は、このステップS55における別選択候補の表示例を示している。表示例6−6では、選択候補6−41(「画像B」)に対応するソフトキー6−61a等を含む再選択候補欄6−61が表示されている。
なお、ここで、再選択候補欄6−61に表示されたソフトキー6−61a「画像B」が選択された場合、別選択候補表示部9−7は、表示されている“選択された文字列”「文字列B」の選択を解除し「文字列B」6−51の表示色を変更前の色に戻す。また、別選択候補表示部9−7は、別選択候補保存部9−3から読み出した“別の選択候補” 「画像B」の表示色を変更する。
【0058】
他方、記憶部1に別選択候補情報1−2が保存されていない場合には(ステップS54でNoの場合には)、別選択候補表示部9−7は、別選択候補がない旨を表示する(ステップS56)。
【0059】
以上説明したように、本実施形態の端末装置10によれば、ユーザが所定の再選択指示を行うだけで、誤選択された選択候補から所定の範囲内に位置する別の選択候補の情報が表示される。表示される別の選択候補は、誤選択された選択候補から所定の範囲内に位置していたものなので、ユーザが意図していた選択候補を含んでいる可能性が高い。すなわち、誤選択がなされた場合であっても、ユーザが所定の再選択指示を行えば、多くの場合、ユーザが意図していた選択候補を表示させることができる。よって本実施形態の端末装置10によればタッチパネルを用いた入力操作における誤選択に係る操作の煩雑さを軽減することができる。
【0060】
なお、上記の実施形態における特徴となる構成をまとめて表すと次の通りとなる。この構成の一例を、図9に示す。図9に示す通り、本発明の一致実施形態としての端末装置10は、表示部6と、表示部6に一体として形成されたタッチパネル入力部(入力部)5と、タッチパネル入力部5に対するユーザによる入力操作に基づいて表示部6に表示されている所定の選択候補が選択されたことを検知するタッチパネル入力情報取得部(入力情報取得部)9−1と、タッチパネル入力情報取得部9−1によって選択された選択候補を示す情報が取得された場合、表示部6上で選択された選択候補から所定の範囲内に位置する別の選択候補の情報を保存する別選択候補保存部9−3と、選択された選択候補の変更を指示する再選択指示が発生したことを検出する再選択指示検出部9−6と、再選択指示検出部9−6が所定の再選択指示の発生を検出した場合、別選択候補保存部9−3が保存した別の選択候補の情報を読み出し、別の選択候補を選択する選択指示を入力する操作画面として表示部6に表示する別選択候補表示部9−7とを備えることを特徴とするものである。
【0061】
また、本実施形態の端末装置10による別選択候補の表示を、文字入力処理において用いた場合には次のような効果を得ることができる。第1の効果として、文字入力時の変換候補選択を誤った場合に速やかに再選択候補を表示され、修正(再選択)が速やかに実施できる。第2の効果として、文字入力時の変換候補選択を誤った場合に限られた再選択候補を例えば拡大したり、別ウィンドウで表示させたりすることによって、選択候補の選択誤りの率を低減させることができる。そして、第3の効果として、文字入力時の変換候補選択を誤った場合に限られた再選択候補を表示することにより、システムの負荷を低減することができる。
【0062】
また、本実施形態の端末装置10による別選択候補の表示を、ブラウザ閲覧機能におけるリンク選択時に用いた場合には次のような効果を得ることができる。例えばスマートフォン等では小さな画面上でPC用のコンテンツを開くことが多い為、コンテンツ内に近い距離でリンクが並んでいる場合がある。この場合、正確にリンク先を選択するには、選択が正確にできるようにブラウザ画面を拡大するという機能を用いることになる。この機能を用いる場合にはリンク先に遷移するまでに操作回数が増えてしまう。ここで、本実施形態による別選択候補の表示機能を用いることで、タッチポイントから一定距離内のリンク候補を表示することができるので、ユーザは速やかに操作することが可能になる。
【0063】
なお、本発明の実施の形態は上記のものに限定されず、例えば図1に示した複数のブロックを統合したり、分割したり、あるいは通信回線を介して分散して設けるようにしたりすることができる。また、別選択候補(すなわち再選択候補)として選択候補を再表示する場合には、最初に選択された選択候補を含めて表示してもよいし、含めないようにして表示してもよい。また、選択候補を再表示する場合に、選択候補に対応する文字列や画像が長かったり大きかったりする場合には、文字サイズや画像のサイズを縮小してすべてを表示するようにしたり、縮小せずにあるいは拡大して一部を表示するようにしたりすることができる。また、ユーザによる再選択指示を例えばタッチした指をスライド等させることで行う場合には、スライドの方向に意味を持たせるようにしてもよい。すなわち、例えば図8の表示例6−5では、選択された選択候補6−51に対して意図した選択候補が、「文字列A」である場合には図の上方向に指をスライドさせ、「画像B」である場合には図の下方向に指をスライドさせることで、スライドさせた方向の別選択候補を中心として別選択候補を選択して表示させるようにすること等ができる。
【0064】
なお、本実施形態の端末装置10は、CPU4と、CPU4によって実行されるプログラムとを用いて構成することができるが、そのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体や通信回線を介して流通させることができる。
【0065】
また、上述の端末装置10は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した端末装置10の処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0066】
また、端末装置10における各機能部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、これまでに説明した処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0067】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0068】
1 記憶部
4 CPU
5 タッチパネル入力部
6 表示部
7 ハードキー入力部
1−1 別選択候補の範囲閾値
1−2 別選択候補の情報
9−1 タッチパネル入力情報取得部
9−2 選択候補表示部
9−3 別選択候補保存部
9−4 選択候補確定指示検出部
9−5 選択候補確定部
9−6 再選択指示検出部
9−7 別選択候補表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作画面を介して入力する操作指示を受け付ける入力部と、
前記操作画面を表示する表示部と、
前記操作画面に表示されている複数の選択候補のうち一の選択候補を選択する選択指示を前記入力部が受け付けた場合、前記選択された選択候補を示す情報を取得する入力情報取得部と、
前記入力情報取得部によって前記選択された選択候補を示す情報が取得された場合、前記表示部の前記操作画面において前記選択された選択候補周辺の予め決められた範囲内に位置する別の選択候補を示す情報を保存する別選択候補保存部と、
前記選択された選択候補の変更を指示する再選択指示を前記入力部が受け付けたことを検出する再選択指示検出部と、
前記再選択指示検出部が前記再選択指示を受け付けたことを検出した場合、前記別選択候補保存部が保存した前記別の選択候補を示す情報を読み出し、前記別の選択候補を選択する選択指示を入力する前記操作画面として前記表示部に表示する別選択候補表示部と、
を備えることを特徴とする入力操作処理装置。
【請求項2】
前記入力情報取得部によって前記選択された選択候補を示す情報が取得された場合、前記表示部に前記選択候補が選択されたことを前記表示部に表示する選択候補表示部をさらに備え、
前記別選択候補表示部は、
前記別の選択候補を選択する選択指示を入力する前記操作画面を介して、前記別の選択候補を選択する選択指示を前記入力部が受け付けた場合、前記選択候補表示部によって表示されている前記選択候補が選択されたことを表示する表示を解除し、前記別の選択候補が選択されたことを表示することを前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載の入力操作処理装置。
【請求項3】
前記別選択候補表示部は、
前記別選択候補を示す情報を前記操作画面として表示する場合、前記選択された選択候補を示す情報が前記入力情報取得部によって取得された際に前記操作画面に表示されていた前記別の選択候補の表示サイズよりも大きい表示サイズで表示することを特徴とする請求項1あるいは2に記載の前記入力操作装置。
【請求項4】
前記再選択指示検出部は、
前記操作画面に対する前記再選択指示を受け付けた場合、直前に選択された前記選択候補の変更を指示する前記再選択指示を検出することを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の入力操作処理装置。
【請求項5】
前記再選択指示検出部は、
前記操作画面に表示されている前記選択された選択候補を所定時間以上の押下しつづける操作を前記入力部が受け付けた場合、当該押下された前記選択候補の変更を指示する前記再選択指示を検出することを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載の入力操作処理装置。
【請求項6】
操作画面に表示されている複数の選択候補のうち一の選択候補を選択する選択指示を入力部が受け付けた場合、前記選択された選択候補を示す情報を取得する入力情報取得ステップと、
前記入力情報取得ステップにおいて前記選択された選択候補を示す情報が取得された場合、前記操作画面において前記選択された選択候補周辺の予め決められた範囲内に位置する別の選択候補を示す情報を保存する別選択候補保存ステップと、
前記選択された選択候補の変更を指示する再選択指示を前記入力部が受け付けたことを検出する再選択指示検出ステップと、
前記再選択指示検出ステップにおいて前記再選択指示を受け付けたことが検出された場合、前記別選択候補保存ステップにおいて保存された前記別の選択候補を示す情報を読み出し、前記別の選択候補を選択する選択指示を入力する前記操作画面として表示部に表示する別選択候補表示ステップと、
を備えることを特徴とする入力操作処理方法。
【請求項7】
コンピュータを、
前記操作画面に表示されている複数の選択候補のうち一の選択候補を選択する選択指示を受け付けた場合、前記選択された選択候補を示す情報を取得する入力情報取得手段、
前記入力情報取得手段によって前記選択された選択候補を示す情報が取得された場合、前記操作画面において前記選択された選択候補周辺の予め決められた範囲内に位置する別の選択候補を示す情報を保存する別選択候補保存手段、
前記選択された選択候補の変更を指示する再選択指示を受け付けたことを検出する再選択指示検出手段、
前記再選択指示検出手段において前記再選択指示を受け付けたことを検出した場合、前記別選択候補保存手段が保存した前記別の選択候補を示す情報を読み出し、前記別の選択候補を選択する選択指示を入力する前記操作画面として表示する別選択候補表示手段、
として機能させるための入力操作処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−73327(P2013−73327A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210583(P2011−210583)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】