説明

入力支援プログラム、入力支援装置、入力支援システム、及び入力支援方法

【課題】処方オーダーを入力する操作者にとって、より負担が少ない入力作業の実施を支援する。
【解決手段】患者の病名を取得する取得し、病名と、薬剤を識別する薬剤識別子と、病名に対して複数の医師が薬剤を処方した全体処方回数とを対応付けて格納した病名別処方履歴データベース202から、取得した病名に対応付けられた薬剤識別子と全体処方回数とを第1の抽出情報として抽出し、複数の医師のうち患者に処方を行う医師を識別する医師識別子ごとに、薬剤識別子と、医師が薬剤を処方した個別処方回数とを対応付けて格納した医師別処方履歴データベース203から、医師識別子に対応付けられた薬剤識別子と個別処方回数とを第2の抽出情報として抽出し、第1の抽出情報及び第2の抽出情報に基づいて、医師が閲覧する表示装置116に薬剤識別子を表示する際の表示方法を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、入力支援プログラム、入力支援装置、入力支援システム、及び入力支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療現場において、患者の診察結果や検査結果などをデータベースに登録し、医師等が患者のさまざまな情報を容易に参照することができる電子カルテシステムが広く利用されている。電子カルテシステムにおいて患者に薬剤を処方する場合、処方オーダーを電子カルテ上で作成する。処方オーダーの作成時には、医師は、患者に処方する薬剤を入力する必要があるが、その入力操作にかかる負担を低減するために、多くの電子カルテシステムは、薬剤の検索機能を備えている。例えば、医師が処方オーダーの作成画面上で薬剤名の一部を検索文字として入力すると、電子カルテシステムは、薬剤情報を管理するデータベースの中から検索文字を薬剤名に含む薬剤を検索し、検索結果を画面に表示する。医師は、表示された薬剤の中から患者に処方する薬剤を選択することができるため、薬剤の入力に必要な時間を短縮することができる。
【0003】
ここで、画面に表示される薬剤の数は、電子カルテシステムのデータベースに登録されている薬剤情報のデータ数に依存する。従来は、各病院で取り扱う薬剤のみを上述のデータベースに登録することが多かったため、その登録数も限られており、検索結果として表示される薬剤の数も比較的少数であった。その結果、医師も検索結果から容易に薬剤を選択することができた。しかしながら、近年、患者が入院する際に持参する薬剤(持参薬)を管理するために、市場に流通するすべての薬剤をデータベースに登録するようになってきた。これにより、データベースに登録されるデータの数が膨大となるため、検索結果として表示される薬剤の数も増えることとなった。その結果、表示された薬剤の中から、医師が処方したい薬剤を選択するのに時間を要するようになった。そこで、検索結果の表示順序を変更し、選択にかかる負担を軽減する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−97283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、検索結果に表示される薬剤の表示順序が、適切な表示順序となっていないおそれがあり、医師が薬剤を入力する操作にかかる負担が軽減されていない可能性がある。例えば、使用頻度の高い薬剤から順に検索結果を表示する場合には、その表示順序が個人や診療科の処方傾向を反映した表示順序になっておらず、医師が入力したい薬剤が必ずしも上位に表示されていない可能性がある。
【0006】
本件は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、処方オーダーを入力する操作者にとって、より負担が少ない入力作業の実施を支援できる入力支援プログラム、入力支援装置、入力支援システム、及び入力支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、明細書開示の入力支援プログラムは、患者の病名を取得する取得ステップと、前記病名と、薬剤を識別する薬剤識別子と、前記病名に対して複数の医師が前記薬剤を処方した全体処方回数とを対応付けて格納した病名別処方履歴記憶部から、前記取得した病名に対応付けられた前記薬剤識別子と前記全体処方回数とを第1の抽出情報として抽出する第1の抽出ステップと、前記複数の医師のうち前記患者に処方を行う医師を識別する医師識別子ごとに、前記薬剤識別子と、前記医師が前記薬剤を処方した個別処方回数とを対応付けて格納した医師別処方履歴記憶部から、前記医師識別子に対応付けられた前記薬剤識別子と前記個別処方回数とを第2の抽出情報として抽出する第2の抽出ステップと、前記1の抽出情報及び前記第2の抽出情報に基づいて、前記医師が閲覧する表示装置に前記薬剤識別子を表示する際の表示方法を決定する表示方法決定ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0008】
上記課題を解決するために、明細書開示の入力支援装置は、患者の病名を取得する取得部と、前記病名と、薬剤を識別する薬剤識別子と、前記病名に対して複数の医師が前記薬剤を処方した全体処方回数とを対応付けて格納した病名別処方履歴記憶部から、前記取得した病名に対応付けられた前記薬剤識別子と前記全体処方回数とを第1の抽出情報として抽出する第1の抽出部と、前記複数の医師のうち前記患者に処方を行う医師を識別する医師識別子ごとに、前記薬剤識別子と、前記医師が前記薬剤を処方した個別処方回数とを対応付けて格納した医師別処方履歴記憶部から、前記医師識別子に対応付けられた前記薬剤識別子と前記個別処方回数とを第2の抽出情報として抽出する第2の抽出部と、前記1の抽出情報及び前記第2の抽出情報に基づいて、前記医師が閲覧する表示装置に前記薬剤識別子を表示する際の表示方法を決定する表示方法決定部と、を備える。
【0009】
上記課題を解決するために、明細書開示の入力支援システムは、病名と、薬剤を識別する薬剤識別子と、前記病名に対して複数の医師が前記薬剤を処方した全体処方回数とを対応付けて記憶する病名別処方履歴記憶部と、前記複数の医師のうち前記患者に処方を行う医師を識別する医師識別子ごとに、前記薬剤識別子と、前記医師が前記薬剤を処方した個別処方回数とを対応付けて記憶する医師別処方履歴記憶部と、患者の病名を取得する病名取得部と、前記病名別処方履歴記憶部から、前記取得した病名に対応付けられた前記薬剤識別子と前記全体処方回数とを第1の抽出情報として第1の抽出部と、前記医師別処方履歴記憶部から、前記医師識別子に対応付けられた前記薬剤識別子と前記個別処方回数とを第2の抽出情報として抽出する第2の抽出部と、前記1の抽出情報及び前記第2の抽出情報に基づいて、前記医師が閲覧する表示装置に前記薬剤識別子を表示する際の表示方法を決定する表示方法決定部と、を備える。
【0010】
上記課題を解決するために、明細書開示の入力支援方法は、コンピュータが、患者の病名を取得する取得ステップと、前記病名と、薬剤を識別する薬剤識別子と、前記病名に対して複数の医師が前記薬剤を処方した全体処方回数とを対応付けて格納した病名別処方履歴記憶部から、前記取得した病名に対応付けられた前記薬剤識別子と前記全体処方回数とを第1の抽出情報として抽出する第1の抽出ステップと、前記複数の医師のうち前記患者に処方を行う医師を識別する医師識別子ごとに、前記薬剤識別子と、前記医師が前記薬剤を処方した個別処方回数とを対応付けて格納した医師別処方履歴記憶部から、前記医師識別子に対応付けられた前記薬剤識別子と前記個別処方回数とを第2の抽出情報として抽出する第2の抽出ステップと、前記1の抽出情報及び前記第2の抽出情報に基づいて、前記医師が閲覧する表示装置に前記薬剤識別子を表示する際の表示方法を決定する表示方法決定ステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0011】
明細書開示の入力支援プログラム、入力支援装置、入力支援システム、及び入力支援方法によれば、処方オーダーを入力する操作者にとって、より負担が少ない入力作業の実施を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本件の入力支援装置を含む電子カルテシステムの構成の一例を示す図である。
【図2】電子カルテ画面の一例を示す図である。
【図3】ユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】ユーザ端末が備える機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図5】患者情報データベースに格納されるデータの一例を示す図である。
【図6】病名別処方履歴データベースに格納されるデータの一例を示す図である。
【図7】医師別処方履歴データベースに格納されるデータの一例を示す図である。
【図8】ユーザ端末が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】表示順序の決定方法を説明する具体的なデータの一例である。
【図10】表示順序を決定する処理を実行するサーバの機能ブロック図の一例である。
【図11】広域医療ネットワークの一例を示す図である。
【図12】診療科別処方履歴データベースに格納されるデータの一例である。
【図13】処方オーダー作成画面の別例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本件の実施例について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0014】
まず、図1を参照して、本件の入力支援装置を含む電子カルテシステムについて説明する。図1に示すように、電子カルテシステム100は、ユーザ端末(入力支援装置)10a及び10bと、サーバ20とを備える。
【0015】
ユーザ端末10a及び10bは、クライアント端末であり、LAN等のネットワーク30を介してサーバ20と接続する。ユーザ端末10a及び10bは、例えばパーソナルコンピュータであって、無線通信端末、PDA(Parsonal Digital Assistant)などであってもよい。ユーザ端末10a及び10bは、手術等の処置を行う処置室、X線撮影等を行う撮影室、各種の検査を行う検査室、医師が診察を行う診察室等に設置される。本実施例では、ユーザ端末10a及び10bは、診察室に設置されているものとする。なお、ユーザ端末10a及び10bの構成及び動作は同一であるため、以後、ユーザ端末10a及び10bを合わせてユーザ端末10と記載する。
【0016】
医師は、ユーザ端末10を用いて、サーバ20から患者の電子カルテ情報を呼び出し、電子カルテの入力(作成)や閲覧、処方オーダー・検査オーダー等の作成を行う。電子カルテに入力された情報は、サーバ20に送信される。
【0017】
サーバ20は、例えばサーバコンピュータであり、電子カルテに関する各種の情報を一元管理する。サーバ20は、ユーザ端末10からの要求に応じて、電子カルテ情報をユーザ端末10に送信する。また、ユーザ端末10から送信された電子カルテに対する入力情報を受信し、サーバ20が管理する各種情報を更新する。
【0018】
次に、電子カルテにおいて、処方オーダーを入力する操作の概要について説明する。図2は、ユーザ端末10が備える表示装置に表示される電子カルテ画面の一例を示す図である。図2(A)の電子カルテは、患者情報表示部301、カルテ履歴表示部302、カルテ内容表示部303、医師情報表示部304、及び、ツール起動部305を含む。患者情報表示部301には、患者ID及び患者名等、患者に関する情報が表示される。カルテ履歴表示部302には、患者が過去に診察を受けた際のカルテの履歴が表示される。医師情報表示部304には、電子カルテを作成している医師のID情報や、所属している診療科等、医師に関する情報が表示される。医師は、カルテ内容表示部303で、診察内容、診断内容等の記入を行う。また、医師は、ツール起動部305から、検査オーダーや処方オーダー等を入力するためのツールを起動することができる。
【0019】
医師が、ツール起動部305の処方オーダーボタンを押すと、図2(B)に示す処方オーダー作成画面が、表示装置に表示される。処方オーダー作成画面の上部には患者情報が表示され、下部には処方する薬剤を入力する画面(薬剤入力画面)が設けられている。医師は、薬剤入力画面の「選択薬品」の欄に処方する薬剤を入力する。また、医師は、「数量」及び「単位」の欄に、「選択薬品」の欄に入力した薬剤を処方する数量と単位を入力する。ここで、医師は「選択薬品」の欄に薬剤を入力する際に、本実施例における入力支援処理に相当する検索機能を使用することができる。
【0020】
例えば、医師が、「カルバ」という文字(検索文字)を薬剤名に含む薬剤を検索したいとする。この場合、図2(B)に示すように、医師は、「選択薬品」の欄に、「カルバ」と入力し、エンターボタン等を押すことによって、検索を実行することができる。
【0021】
電子カルテシステムは、薬剤名に検索文字を含む薬剤をデータベースから検索し、図2(C)に示すように、例えば、五十音順に表示する。医師は、表示された薬剤の中から処方する薬剤を選択し、薬剤の入力を行うことができる。入力が済んだ処方オーダーは、電子カルテの保存時にサーバ20へ送信される。
【0022】
図2(C)の例では、薬剤名に「カルバ」を含む14種類の薬剤が検索結果として表示されているが、以降は、薬剤名に「カルバ」を含む薬剤は、「カルバクロン錠」、「カルバジャスト」、「カルバジン錠10mg」、及び「カルバジン錠20mg」の4種類であるとして説明を行う。なお、例えば、処方オーダーにおいては、有効成分が同様であっても、配合量によって、異なる薬剤であると認識される。つまり、「カルバジン錠10mg」と「カルバジン錠20mg」とは、構成物質が同様であるが、有効成分の配合量が異なる。この場合、「カルバジン錠10mg」と「カルバジン錠20mg」とは、薬剤識別子が異なる。
【0023】
ここで、医師がある病気に対する有効成分Aを患者に所定量摂取させたい場合を考える。この場合に、ある医師は、「カルバジン錠10mg」を2錠で処方する傾向が強く、一方、他の医師は「カルバジン錠20mg」を1錠で処方する傾向が強いことがある。このように、ある病気Aの患者に対する処方において、医師ごとの傾向が存在する。
【0024】
次に、ユーザ端末10のハードウェア構成について説明する。図3は、ユーザ端末10のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0025】
ユーザ端末10は、入出力部101、ROM(Read Only Memory)102、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)103、RAM(Random Access Memory)104を備える。
【0026】
入出力部101は、サーバ20との間でデータの送受信を行う。また、入出力部101は、ユーザ端末10が備える入力装置115に入力された検索文字を受付けたり、表示装置116に検索結果を出力したりする。ROM102は、表示装置116に薬剤を表示する順序を決定するプログラム(詳細は後述)等を格納する。CPU103は、ROM102に格納されたプログラムを読み込んで実行する。また、ROM102に格納されたプログラムのCPU103による演算によって、図4に示す取得部111、検索文字取得部112、処方履歴抽出部113、及び表示順序決定部114が有する機能が実行される。RAM104は、プログラムを実行する際に使用される一時的なデータを保存する。
【0027】
次に、ユーザ端末10が備える機能の一例について説明する。図4は、ユーザ端末10が備える機能の一例を示す機能ブロック図である。
【0028】
ユーザ端末10は、取得部111、検索文字取得部112、処方履歴抽出部113と、表示順序決定部(表示方法決定部)114とを備える。また、ユーザ端末10は、ユーザから検索文字等の入力を受付ける入力装置115と、電子カルテや検索結果等を表示するための表示装置116とを備える。
【0029】
取得部111は、電子カルテに表示されている患者の患者IDを取得する。取得部111は、サーバ20に格納されている患者情報データベース201から、取得した患者IDに関係付けられた病名を取得する。取得部111は、取得した病名を処方履歴抽出部113に出力する。ここで、患者情報データベース201の概要について説明する。図5は、患者情報データベース201に格納されるデータの一例を示す図である。
【0030】
患者情報データベース201に格納されるデータは、例えば、患者ID、患者氏名、病名、性別、及び生年月日等の項目を含み、患者IDをキーとして、患者IDに紐付けられた各種情報を取得することが可能である。取得部111は、例えば、電子カルテに表示されている患者の患者IDが「A1234」の場合、図5の2行目に登録されている患者ID「A1234」の病名「病名A」を取得し、処方履歴抽出部113に出力する。
【0031】
検索文字取得部112は、患者に薬剤を処方する医師が、薬剤を検索するために入力した検索文字を取得する。検索文字取得部112は、例えば、ユーザ端末10に備えられたキーボード・マウス等の入力装置115を介して、医師が電子カルテに入力した検索文字を取得する。検索文字取得部112は、取得した検索文字を処方履歴抽出部113に出力する。
【0032】
処方履歴抽出部(第1の抽出部、第2の抽出部)113は、取得部111から患者の病名を受付け、検索文字取得部112から検索文字を受付ける。処方履歴抽出部113は、薬剤識別子に検索文字を含む薬剤が、取得部111から受付けた患者の病名に対し処方された回数を、サーバ20に格納されている病名別処方履歴データベース(病名別処方履歴記憶部)202から抽出する。ここで、薬剤識別子とは、例えば薬剤に対して付されたコードや薬剤名といった薬剤を識別するための情報をいう。
【0033】
また、処方履歴抽出部113は、薬剤識別子に検索文字を含む薬剤を、処方オーダーを作成している医師が処方した回数を、サーバ20に格納されている医師別処方履歴データベース203から抽出する。
【0034】
処方履歴抽出部113は、病名別処方履歴データベース202から抽出した薬剤識別子とその処方回数とを、対病名処方情報(第1の抽出情報)として表示順序決定部114に出力する。また、処方履歴抽出部113は、医師別処方履歴データベース(医師別処方履歴記憶部)203から抽出した薬剤識別子とその処方回数とを、医師処方情報(第2の抽出情報)として表示順序決定部114に出力する。
【0035】
ここで、病名別処方履歴データベース202、及び医師別処方履歴データベース203について、図6及び図7を用いて説明する。
【0036】
図6は、病名別処方履歴データベース202に格納されるデータの一例を示す図である。病名別処方履歴データベース202は、病名を列項目として持ち、薬剤識別子を行項目として持つ。なお、行項目には、薬剤情報を管理するデータベースに登録されている薬剤の薬剤識別子全てが格納される。病名と薬剤識別子とが交差する場所には、その病名に対して、薬剤識別子に対応する薬剤が処方された回数が格納される。つまり、ある病気(病名A)と診断された複数の患者に対して、複数の医師が薬剤識別子に対応する薬剤を処方した回数である。なお、複数の医師が薬剤識別子に対応する薬剤を処方した回数を、以降「全体処方回数」とする。例えば、図6において、「病名A」の列と、「カルバクロン錠」の行とが交差する場所には「0」という数字が格納されている。これは、病名Aに対し、複数の医師がカルバクロン錠を処方した全体処方回数が0回であることを意味する。同様に、「病名A」の列と、「カルバジャスト」の行とが交差する場所には、「25」という数字が格納されている。これは、病名Aに対するカルバジャストの全体処方回数が25回であることを意味する。
【0037】
図7は、医師別処方履歴データベース203に格納されるデータの一例を示す図である。医師別処方履歴データベース203は、例えば医師のID番号や氏名といった医師を識別するための情報を列項目として持ち、薬剤識別子を行項目として持つ。なお、行項目には、薬剤情報を管理するデータベースに登録されている薬剤の薬剤識別子全てが格納される。医師と薬剤識別子とが交差する場所には、その医師が、薬剤識別子に対応する薬剤を処方した回数が格納される。つまり、各医師の、薬剤識別子に対応する薬剤の使用履歴を示す処方の回数である。なお、各医師の、薬剤識別子に対応する薬剤の使用履歴を示す処方の回数を、以降「個別処方回数」とする。例えば、「医師A」の列と、「カルバクロン錠」の行とが交差する場所には、「45」という数字が格納されている。これは、医師Aによるカルバクロン錠の個別処方回数が45回であることを意味する。
【0038】
なお、医師がサーバ20に送信する処方オーダーには、患者の病名、医師、及び処方する薬剤に関する情報が含まれるため、医師が処方オーダーをサーバ20に送信するたびに、医師別処方履歴データベース203及び病名別処方履歴データベース202は更新される。
【0039】
表示順序決定部114は、処方履歴抽出部113から、対病名処方情報と、医師処方情報とを受付ける。表示順序決定部114は、対病名処方情報と、医師処方情報とから、表示装置116に表示する薬剤の表示順序を決定する。表示順序決定部114は、決定した表示順序に従って、薬剤を表示装置116へ表示する。表示順序決定部114が表示順序を決定する処理の詳細については後述する。
【0040】
次に、上述のユーザ端末10が実行する処理の一例について、具体的なデータを参照しながら説明する。図8は、ユーザ端末10が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0041】
検索文字取得部112は、入力装置115を介して処方オーダー作成画面(図2(B))の「選択薬剤」の欄に検索文字が入力されると、検索文字を取得する(ステップS11)。
【0042】
次に、取得部111は、患者の病名を取得する(ステップS12)。
【0043】
処方履歴抽出部113は、対病名処方情報を抽出する(ステップS13)。具体的には、処方履歴抽出部113は、ステップS11で取得された検索文字を薬剤識別子に含むものを病名別処方履歴データベース202から抽出し、抽出された薬剤識別子ごとにステップS12で取得された病名に対して処方された全体処方回数を取得する。例えば、ステップS11で取得した検索文字が「カルバ」であり、ステップS12で取得した病名が「病名A」であるとする。また、処方オーダーを作成している医師は、「医師A」であるとする。この場合、処方履歴抽出部113は、図6の病名別処方履歴データベース202において、薬剤識別子に「カルバ」を含むものを抽出する。図6の例では、「カルバクロン錠」、「カルバジャスト」、「カルバジン錠10mg」、及び「カルバジン錠20mg」である。処方履歴抽出部113は、抽出された薬剤識別子が、病名Aに対して処方された全体処方回数を取得し、対病名処方情報とする。この結果、図9(A)に示す対病名処方情報が抽出される。なお、あらかじめ、病名Aに対する全体処方回数が「0」である薬剤識別子は、取得しないものとしても良い。
【0044】
次に、処方履歴抽出部113は、医師処方情報を抽出する(ステップS14)。具体的には、処方履歴抽出部113は、ステップS11で取得された検索文字を薬剤識別子に含むものを医師別処方履歴データベース203から抽出し、抽出された薬剤識別子を、処方オーダーを作成している医師が処方した個別処方回数を取得する。例えば、処方履歴抽出部113は、図7の医師別処方履歴データベース203において、薬剤識別子に「カルバ」を含むものを抽出する。図7の例では、「カルバクロン錠」、「カルバジャスト」、「カルバジン錠10mg」、及び「カルバジン錠20mg」である。処方履歴抽出部113は、抽出された薬剤識別子の薬剤を、医師Aが処方した個別処方回数を取得し、医師処方情報とする。この結果、図9(B)に示す医師処方情報が抽出される。
【0045】
処方履歴抽出部113は、作成した対病名処方情報及び医師処方情報を表示順序決定部114に出力する(ステップS15)。
【0046】
表示順序決定部114は、医師処方情報から医師別係数(重み係数)を計算する(ステップS16)。例えば、表示順序決定部114は、医師処方情報に含まれる薬剤の総処方回数で各薬剤の個別処方回数を除した値に0.1を加算した値を、医師別係数として計算する。医師別係数は、医師が薬剤を処方する際の処方傾向を反映するために使用される係数である。図9(B)の医師処方情報では、総処方回数は100回である。従って、表示順序決定部114は、各薬剤の処方回数を100で除した値に0.1を加算した値を、医師別係数として算出する。その結果、各薬剤に対する医師別係数は、図9(C)となる。
【0047】
次に、表示順序決定部114は、薬剤の表示順序を決定する表示係数を計算する(ステップS17)。例えば、表示順序決定部114は、対病名処方情報が有する全体処方回数に、上記の医師別係数を乗算して、各薬剤の表示係数を計算する。ステップS16において、医師処方情報に含まれる薬剤の総処方回数で各薬剤の個別処方回数を除した値に0.1を加算しているため、医師別係数は0になることがない。そのため、医師が処方したことのない薬剤であっても、その表示係数が0とはならず、病名に対する処方傾向を反映した表示係数を算出することができる。図7の例では、表示順序決定部114は、図9(A)の対病名処方情報に含まれる全体処方回数に対して、図9(C)の医師別係数をそれぞれ乗算する。その結果、図9(D)に示すように、薬剤ごとの表示係数が算出される。
【0048】
表示順序決定部114は、表示係数の大きい順に、表示装置116に薬剤を表示させ(ステップS18)、処理を終了する。図9の例では、図9(F)に示すように、表示係数が最も大きい「カルバジャスト」を一番上に表示し、次いで、「カルバジン錠20mg」、「カルバジン錠10mg」、「カルバクロン錠」の順に表示する。なお、本実施例では表示順序を決定するものとした。医師は表示された複数の薬剤のうち、上から順に閲覧することが予測される。よって、本実施例は、医師がより早く所望の薬剤を発見できるであろう位置に、処方される可能性が高い薬剤を表示することができる。しかし、これに限らず、例えば、表示順序決定部114は、表示係数が大きいものほど、濃い色の文字で表示するとしても良い。また、予め設定したルールに基づいて、表示係数が大きいものほど、大きな文字で表示したり、背景をより目立つ色にするとしても良い。
【0049】
ここで、例えば、医師の個別処方回数の多い順に薬剤の表示順序を決定した場合、表示順序は図9(F)となり、「カルバクロン錠」が一番上に表示され、また、「カルバジャスト」は一番下に表示される。また、病名に対する全体処方回数の多い順に薬剤の表示順序を決定した場合、表示順序は図9(G)となり、「カルバジャスト」が一番上に表示される。つまり、前者の場合は、ある病名Aに対して広く処方される薬剤を上位に表示することができない。また、後者の場合は、前述のように医師の処方における傾向が反映されておらず、医師は処方したい薬剤を表示された複数の薬剤の下位から探しださなければならない。
【0050】
以上の説明から明らかなように、上述の実施例によれば、処方履歴抽出部113は、検索文字取得部112が取得した検索文字を薬剤識別子に含む薬剤が、取得部111が取得した患者の病名に対して処方された全体処方回数を、病名別処方履歴データベース202から、対病名処方情報として抽出する。また、処方履歴抽出部113は、検索文字取得部112が取得した検索文字を薬剤識別子に含む薬剤を、処方オーダーを作成する医師が処方した個別処方回数を、医師別処方履歴データベース203から、医師処方情報として抽出する。そして、表示順序決定部114は、対病名処方情報と、医師処方情報とに基づいて、薬剤の表示順序を決定する。これにより、医師が薬剤を処方する際の処方傾向と、病名に対する薬剤の処方傾向の両方を考慮した表示順序で、薬剤を表示することができるため、処方される可能性の高い薬剤が上位に表示される可能性が高まる。すなわち、より適切な表示順序で検索結果が表示される。その結果、医師は簡単に目的とする薬剤を見つけ出すことができるため、医師の薬剤の入力操作にかかる負担を低減することができる。
【0051】
また、医師の薬剤の入力操作にかかる負担を低減する方法としては、検索結果として表示される薬剤の数を制限することが考えられる。例えば、病院内で処方する薬剤の薬剤情報と、持参薬管理のための薬剤情報とを区別して、データベースに登録しておき、薬剤の検索は病院内で処方する薬剤情報のみから行うことにより、検索結果として表示される薬剤の数を制限するという方法が考えられる。しかしながら、この場合、病院内で処方する薬剤と、持参薬管理の薬剤情報とを、別々のデータベースに登録する、あるいは、同じデータベース上でフラグ等によって区別することが必要となり、データの登録・メンテナンス作業が煩雑となる。また、データの登録・メンテナンス時に誤った情報を入力した場合には、誤った検索結果が表示されてしまうおそれもある。しかしながら、本実施例によれば、ユーザが表示結果を制御するための煩雑なデータ登録・メンテナンス作業を行わなくても、処方される可能性の高い薬剤を検索結果の上位に表示できる。その結果、医師は簡単に目的とする薬剤を見つけ出すことができるため、処方オーダーを入力する医師の、薬剤の入力操作にかかる負担を低減することができる。
【0052】
しかし、本実施例のように、病名に対する薬剤の処方傾向を考慮することによって、医師があまり使用したことのない薬剤であっても、病名に対する全体処方回数が多ければ、その薬剤を上位に表示することができる。すなわち、医師Aがあまり使用したことのない薬剤であっても、患者と同一の病名Aに対する全体処方回数が多ければ、その薬剤が処方される可能性が高いため、図9(E)に示すように、カルバジャストが一番上に表示される。また、本実施例のように、医師の処方傾向を反映することにより、病名に対する薬剤の全体処方回数が少なくても、その薬剤を上位に表示することができる。すなわち、病名Aに対してはあまり処方されていない薬剤であっても、医師Aが処方する可能性が高い薬剤として、図9(G)において3番目に表示されていた「カルバジン錠20mg」を、図9(E)に示すように2番目に表示できる。すなわち、より適切な表示順序で検索結果が表示される。この結果、医師は、適切な薬剤を短時間で見つけることが可能となる。従って、処方オーダーを入力する医師の、薬剤の入力操作にかかる負担が低減される。
【0053】
なお、上述の実施例では、サーバ20が、患者情報データベース、医師別処方履歴データベース、及び病名別処方履歴データベースを備えていたが、ユーザ端末10がこれらのデータベースを備えていても良い。
【0054】
上述のユーザ端末10が有する機能をサーバ(入力支援装置)20で実現することによっても、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。図10は、表示順序を決定する処理を実行するサーバ20の機能ブロック図の一例である。
【0055】
図10において、サーバ20は、患者情報データベース201、病名別処方履歴データベース202、医師別処方履歴データベース203の他に、取得部211、検索文字取得部212、処方履歴抽出部213、及び表示順序決定部(表示方法決定部)214を備える。
【0056】
検索文字取得部212は、ユーザ端末10の入力装置115に入力された検索文字を取得し、処方履歴抽出部213に、出力する。取得部211は、ユーザ端末10から、処方オーダーの作成対象となっている患者IDを取得する。取得部211は、取得した患者IDと紐付けられた病名を患者情報データベース201から取得し、処方履歴抽出部213に出力する。
【0057】
処方履歴抽出部213及び表示順序決定部214が実行する処理は、ユーザ端末10における処方履歴抽出部113及び表示順序決定部114の説明と異なるところがないため、説明を省略する。表示順序決定部214は、決定した表示順序をユーザ端末10へ送信する。ユーザ端末10は、受信した表示順序に従って、表示装置116に薬剤を表示する。
【0058】
なお、上述の説明では、サーバ20は、ユーザ端末10の入力装置115に入力された検索文字に基づいて、各データベースから処方履歴情報を抽出し、決定した表示順序をユーザ端末10に送信していた。そして、ユーザ端末10が受信した表示順序に従って、表示装置116に薬剤を表示していた。しかしながら、サーバ20が入力装置及び表示装置を備え、検索文字取得部212は、サーバ20に備えられた入力装置から検索文字を取得し、表示順序決定部214は、サーバ20に備えられた表示装置に、決定した表示順序に従って検索結果を表示するようにしても良い。
【0059】
以上、本件の実施例について詳述したが、本件は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0060】
例えば、ユーザ端末10及びサーバ20は、検索文字取得部112及び212を備えなくとも良い。この場合、処方履歴抽出部113又は213は、行項目に定義された薬剤識別子が患者の病名に対して処方された全体処方回数、及び、行項目に定義された薬剤識別子を医師が処方した個別処方回数を抽出し、表示順序決定部114又は214に出力する。表示順序決定部114は、行項目に定義された薬剤識別子ごとに表示係数を求め、薬剤の表示順序を決定する。
【0061】
また、上述の実施例では、処方履歴抽出部113が病名別処方履歴及び医師別処方履歴データベースから抽出対象となる処方履歴情報を全て抽出し、表示順序決定部114に出力していた。そして、表示順序決定部114は、表示順序決定部114から受付けた処方履歴情報に基づいて、薬剤表示順序テーブルを作成し薬剤の表示順序を決定していた。しかし、表示順序の決定方法は、上述の実施例に限られるものではなく、処方履歴抽出部113が病名別処方履歴及び医師別処方履歴データベースから検索文字を含むレコードを1行ずつ抽出し、表示順序決定部114に出力するようにしても良い。この場合、表示順序決定部114は、処方履歴抽出部113から受付けたレコードに対し、表示係数を算出する。そして、処方履歴抽出部113及び表示順序決定部114は、検索文字を含むレコードの処理が全て終了するまで上述の処理を繰り返す。
【0062】
上述の実施例では、対病名処方情報が有する全体処方回数に、上記の医師別係数を乗算して各薬剤の表示係数を算出したが、表示係数の算出方法は本実施例に限定されるものではない。例えば、医師処方情報の個別処方回数と、対病名処方情報の全体処方回数とを単に足し合わせた数を表示係数としてもよい。あるいは、対病名処方情報において重み係数を算出し、算出した重み係数を医師処方情報の個別処方回数に乗算して表示係数を求めてもよいし、重み係数と医師別係数とを乗算あるいは足し合わせることによって表示係数を求めてもよい。また、上述の実施例では、医師別係数の計算の際に、医師処方情報に含まれる薬剤の総処方回数で各薬剤の処方回数を除した値に0.1を加算したが、0.1を加算せずに医師別係数を求めても良い。
【0063】
また、上述の実施例では、1つの病院における電子カルテシステムを例にとって説明したが、図11に示すように複数の病院とサーバ20とをインターネット、WAN(Wide Area Network)等のネットワーク300で接続した広域医療ネットワークにも適用が可能である。この場合、各病院に設置されたユーザ端末が表示順序を決定する機能を有することもできるし、サーバ20が各病院に設置されたユーザ端末からの要求に応じて、表示順序を決定するようにすることができる。
【0064】
また、サーバ20は、医師別処方履歴データベース203から作成される診療科別処方履歴データベース(図12(A))を備えていても良い。これにより、診療科毎の薬剤の処方傾向を反映した表示順序で、薬剤の検索結果を表示できる。この場合、サーバ20は、医師と、医師が所属する診療科とを紐付けた医師情報データベースを備えることによって、医師の所属する診療科毎に、医師別処方履歴データベース203をサマリし、診療科別処方履歴データベースを作成できる。あるいは、処方履歴抽出部113又は213が、処方オーダーを作成する医師が所属する診療科と同じ診療科に属する医師の処方履歴を医師別処方履歴データベース203から抽出し、図12(B)に示すような診療科処方情報を作成し、表示順序決定部114に出力するようにしても良い。例えば、検索文字が「カルバ」であり、処方オーダーを作成している医師が「医師A」であり、図7に示した医師別処方履歴データベース203において、医師A、医師B、及び医師Cが「内科」に所属しているとする。この場合、診療科処方情報は、図12(B)に示すように医師A、医師B、及び医師Cの個別処方回数をサマリしたものとなる。
【0065】
また、医師別の処方履歴に基づいて表示順序を決定するか、あるいは、診療科別の処方履歴に基づいて表示順序を決定するかを、図13に示すように、処方オーダー作成画面にて医師が選択できるようにしても良い。また、表示順序を変更しないよう(例えば、五十音順に表示される)選択できるようにしても良い。
【0066】
なお、上記の入力支援装置(ユーザ端末10及びサーバ20)が有する機能は、CPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータによって実現することができる。その場合、入力支援装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。
【0067】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0068】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0069】
また、例えば、インターネット等の通信網に接続されたサーバコンピュータに接続されたパーソナルコンピュータ等の通信装置に、上記の入力支援装置が有する機能をサービスとしてサーバコンピュータから提供するようにしても良い(ASP(Application Service Provider))。
【符号の説明】
【0070】
10…ユーザ端末
20…サーバ
100…電子カルテシステム
111、211…取得部
112、212…検索文字取得部
113、213…処方履歴抽出部
114、214…表示順序決定部
116…表示装置
202…病名別処方履歴データベース
203…医師別処方履歴データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の病名を取得する取得ステップと、
前記病名と、薬剤を識別する薬剤識別子と、前記病名に対して複数の医師が前記薬剤を処方した全体処方回数とを対応付けて格納した病名別処方履歴記憶部から、前記取得した病名に対応付けられた前記薬剤識別子と前記全体処方回数とを第1の抽出情報として抽出する第1の抽出ステップと、
前記複数の医師のうち前記患者に処方を行う医師を識別する医師識別子ごとに、前記薬剤識別子と、前記医師が前記薬剤を処方した個別処方回数とを対応付けて格納した医師別処方履歴記憶部から、前記医師識別子に対応付けられた前記薬剤識別子と前記個別処方回数とを第2の抽出情報として抽出する第2の抽出ステップと、
前記1の抽出情報及び前記第2の抽出情報に基づいて、前記医師が閲覧する表示装置に前記薬剤識別子を表示する際の表示方法を決定する表示方法決定ステップと、
をコンピュータに実行させる入力支援プログラム。
【請求項2】
前記医師別処方履歴記憶部から、前記医師と同様の属性を有する他の医師に対応付けられた前記薬剤識別子と前記個別処方回数とを第3の抽出情報として抽出する第3の抽出ステップをコンピュータに実行させ、
前記表示方法決定ステップにおいては、前記第1の抽出情報と前記第2の抽出情報と前記第3の抽出情報とに基づいて、前記表示方法を決定することを特徴とする請求項1記載の入力支援プログラム。
【請求項3】
前記表示方法決定ステップにおいて、前記薬剤識別子を表示する際の表示順序を決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の入力支援プログラム。
【請求項4】
薬剤の検索に使用される検索文字を取得する検索文字取得ステップをコンピュータに実行させ、
前記第1の抽出ステップは、前記取得した病名に対応付けられた前記検索文字を含む前記薬剤識別子と前記全体処方回数とを前記病名別処方履歴記憶部から前記第1の抽出情報として抽出し、
前記第2の抽出ステップは、前記医師識別子に対応付けられた、前記検索文字を含む前記薬剤識別子と前記個別処方回数とを、前記医師別処方履歴記憶部から第2の抽出情報として抽出することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の入力支援プログラム。
【請求項5】
前記表示方法決定ステップは、前記第1の抽出情報、及び前記第2の抽出情報のうち少なくとも1つの抽出情報に含まれる前記薬剤識別子とその全体処方回数又は個別処方回数とから、前記薬剤識別子ごとの重み係数を算出し、前記重み係数を用いて前記薬剤の表示方法を決定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の入力支援プログラム。
【請求項6】
患者の病名を取得する取得部と、
前記病名と、薬剤を識別する薬剤識別子と、前記病名に対して複数の医師が前記薬剤を処方した全体処方回数とを対応付けて格納した病名別処方履歴記憶部から、前記取得した病名に対応付けられた前記薬剤識別子と前記全体処方回数とを第1の抽出情報として抽出する第1の抽出部と、
前記複数の医師のうち前記患者に処方を行う医師を識別する医師識別子ごとに、前記薬剤識別子と、前記医師が前記薬剤を処方した個別処方回数とを対応付けて格納した医師別処方履歴記憶部から、前記医師識別子に対応付けられた前記薬剤識別子と前記個別処方回数とを第2の抽出情報として抽出する第2の抽出部と、
前記1の抽出情報及び前記第2の抽出情報に基づいて、前記医師が閲覧する表示装置に前記薬剤識別子を表示する際の表示方法を決定する表示方法決定部と、
を備えることを特徴とする入力支援装置。
【請求項7】
病名と、薬剤を識別する薬剤識別子と、前記病名に対して複数の医師が前記薬剤を処方した全体処方回数とを対応付けて記憶する病名別処方履歴記憶部と、
前記複数の医師のうち前記患者に処方を行う医師を識別する医師識別子ごとに、前記薬剤識別子と、前記医師が前記薬剤を処方した個別処方回数とを対応付けて記憶する医師別処方履歴記憶部と、
患者の病名を取得する病名取得部と、
前記病名別処方履歴記憶部から、前記取得した病名に対応付けられた前記薬剤識別子と前記全体処方回数とを第1の抽出情報として第1の抽出部と、
前記医師別処方履歴記憶部から、前記医師識別子に対応付けられた前記薬剤識別子と前記個別処方回数とを第2の抽出情報として抽出する第2の抽出部と、
前記1の抽出情報及び前記第2の抽出情報に基づいて、前記医師が閲覧する表示装置に前記薬剤識別子を表示する際の表示方法を決定する表示方法決定部と、
を備える入力支援システム。
【請求項8】
コンピュータが、
患者の病名を取得する取得ステップと、
前記病名と、薬剤を識別する薬剤識別子と、前記病名に対して複数の医師が前記薬剤を処方した全体処方回数とを対応付けて格納した病名別処方履歴記憶部から、前記取得した病名に対応付けられた前記薬剤識別子と前記全体処方回数とを第1の抽出情報として抽出する第1の抽出ステップと、
前記複数の医師のうち前記患者に処方を行う医師を識別する医師識別子ごとに、前記薬剤識別子と、前記医師が前記薬剤を処方した個別処方回数とを対応付けて格納した医師別処方履歴記憶部から、前記医師識別子に対応付けられた前記薬剤識別子と前記個別処方回数とを第2の抽出情報として抽出する第2の抽出ステップと、
前記1の抽出情報及び前記第2の抽出情報に基づいて、前記医師が閲覧する表示装置に前記薬剤識別子を表示する際の表示方法を決定する表示方法決定ステップと、
を実行することを特徴とする入力支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−180927(P2011−180927A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45935(P2010−45935)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)