入力端末装置
【課題】この発明は、受付けた帳票を返却可能に回収管理する一時的な回収管理機能を備えることで、契約操作が完結するまでは帳票への記入変更が可能となって帳票の有効利用が図れ、しかも顧客の接客操作性が向上する入力端末装置の提供を目的とする。
【解決手段】この発明は、帳票を受付けてデータ処理する入力端末装置であって、帳票を元の位置に返却許容して回収する回収手段を備えたことを特徴とする。
【解決手段】この発明は、帳票を受付けてデータ処理する入力端末装置であって、帳票を元の位置に返却許容して回収する回収手段を備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、顧客の要請する契約カードを自動的に発行する自動契約機のような端末装置に関し、さらに詳しくは帳票の取扱い処理性能の向上に加えて装置の小型化を図った入力端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】以下、自動契約機を例にとって説明すると、この自動契約機は顧客が免許証や健康保険証等の身分を証明する証明媒体や申込書や契約書等の帳票を定位置にセットすると、これを自動的に受付けて読取り判定し、有効性を確認すれば契約成立して顧客が要請した契約カードを発行している。このように、顧客が要請する契約カードを無人対応して自動的に発行するため、顧客自信で操作が完結し、係員の窓口業務の省力化が図れ、また顧客へのサービス性を高めている。
【0003】しかし、この自動契約機は、証明媒体や帳票を読取るスキャナ装置が、装置本体と別々に独立して配置されているため、この自動契約機の全体構成が大型化し、また配置スペースを大きくとってしまい、また証明媒体や帳票の取扱い操作に手間取ることがあった。
【0004】特に、帳票の読取り後は、この帳票を装置内部に取込んで内部管理する構成のため、内容変更や誤記等を途中で気付いても取出せず、この場合は取消しキーを入力して再び最初からやり直していた。また、この契約内容を係員が遠隔監視して審査したとき、未記入や誤記を顧客に伝えて修正指示する場合にあっても同様に取込まれた帳票はそのまま回収され、同様にやり直しが行われていた。このため、帳票が無駄となり、また顧客はその都度、再記入を繰返えさねばならず、手間がかかって不便となる問題を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明は、受付けた帳票を返却可能に回収管理する一時的な回収管理機能を備えることで、契約操作が完結するまでは帳票への記入変更が可能となって帳票の有効利用が図れ、しかも顧客の接客操作性が向上する入力端末装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、帳票を受付けてデータ処理する入力端末装置であって、上記帳票を元の位置に返却許容して回収する回収手段を備えたことを特徴とする。
【0007】請求項2記載の発明は、回収手段を帳票の読取り位置近傍に配設したことを特徴とする。
【0008】請求項3記載の発明は、読取り位置にセットされた帳票を保持する保持手段を備えたことを特徴とする。
【0009】請求項4記載の発明は、帳票を回収処理する回収部と、帳票を帳票セット位置に返却許容して一時回収する一時回収部とを兼用して回収手段を構成したことを特徴とする。
【0010】請求項5記載の発明は、回収部または一時回収部の少なくとも一方を、装置本体の前面に突出する接客テーブルの下面側に形成したことを特徴とする。
【0011】請求項6記載の発明は、帳票セット位置にセットされた帳票を押圧保持する押圧保持手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
【作用】この発明によれば、帳票を受付けてデータ処理したとき、そのデータ処理済の帳票を回収手段が元の位置に返却許容して回収する。また、帳票の回収に際しては、帳票の読取り位置近傍に回収手段を配設して直ちに回収処理する。
【0013】さらに、帳票の読取りに際しては、読取り位置にセットされた帳票を保持手段が保持して読取り動作する。また、帳票を回収処理する回収部と、帳票を元の帳票セット位置に返却許容して一時回収する一時回収部とを回収手段で兼用して回収処理する。
【0014】また、帳票を回収するとき、装置本体の前面に突出する接客テーブルの下面側に形成した回収部または一時回収部で帳票の回収処理を行う。さらに、帳票の読取りに際しては、帳票セット位置にセットされた帳票を押圧保持手段により押圧保持して読取り動作する。
【0015】
【発明の効果】この結果、契約操作時に取込まれた帳票は装置内部の一時回収部で返却可能に一時回収されているため、この取込み後に契約内容を変更する場合や未記入、誤記等により修正する場合も同様に取込まれた帳票を元の位置に戻して再記入することができる。このため、帳票を有効に活用して無駄が生じず、また顧客は最初からやり直すような再記入操作を省略して部分記入だけで済み、顧客の記入操作に適した能率のよい帳票の記入管理ができる。
【0016】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。図1は顧客の契約カードを自動的に発行する自動契約機11を示し、この自動契約機11は上部前面に撮像窓12と、カード発行口13と、入力操作面14と、押圧ホルダ15と、申込書/契約書発行口16と、接客テーブル17および筆記トレー18とを備えて構成される。
【0017】図2は自動契約機11の内部構造を示し、この自動契約機11は前面の撮像窓12と対応する内部位置にテレビカメラ21を内蔵して顧客を撮像許容し、前面のカード発行口13と対応する内部位置にカード発行機22を内蔵して作成した契約カードを発行する。
【0018】さらに、前面中央に形成される入力操作面14は顧客の入力操作および視認角度に適した傾斜角度を有し、かつ横長の長方形に広くとって設け、この入力操作面14で表示/入力/読取りを許容している。この入力操作面14の内部位置にはタッチ入力兼用の表示器23とスキャナ24を内蔵し、表示器23ではタッチ入力操作とセット操作とその操作内容を表示案内し、スキャナ24では入力操作面14上にセットされた免許証/健康保険証等の身分証明書25あるいは申込書/契約書等の帳票26の記載データを読取る。この読取り時には、入力操作面14上にセットされた身分証明書25や帳票26を、上方より押圧ホルダ15で押圧保持した状態で読取る。
【0019】また、入力操作面14の下辺側には、読取った帳票26を下方に引込んで回収する帳票回収通路27を形成しており、この帳票回収通路27の下方内端部を、接客テーブル17の下面に形成した回収箱28に接続して帳票26を回収許容している。
【0020】さらに、申込書/契約書発行口16の内部には、帳票放出通路29を介して帳票収納部を備えたプリンタ30を接続し、このプリンタ30で契約内容を印刷し、また顧客の契約操作時に帳票収納部から申込書や契約書を発行する。
【0021】また、接客テーブル17は筆記面に適した平板形を有して装置本体の前面より略水平に突出させ、またテーブル17の下面に沿って同形状の回収箱28を形成し、回収箱28を単独で開閉許容してここに回収した帳票26を係員により容易に取出せるようにしている。
【0022】さらに、回収箱28を入力操作面14の直ぐ下方の近傍位置に設けて、入力操作面14と回収箱28との間を短く設定しているため、この間を接続する帳票回収通路27の通路長さの短縮が図れ、また入力操作面14から回収箱28への回収処理時間の短縮、あるいは回収箱28から入力操作面14への返却処理時間の短縮が図れる。
【0023】図3は入力操作面14に身分証明書25をセットするときの表示案内例を示し、これは身分証明に運転免許証を用いた場合で、しかも表面を読取った後に続いて裏面を読取るためのセット位置の表示案内であって、画面上には裏面のセット位置や確認動作を案内する文字案内表示31と、置く位置を指定案内するセット位置指定案内表示32と、免許証の裏面セット動作をアニメーションで流動的に案内する図形案内表示33と、申込み取消しキー34と、案内係員の顔写真表示35と、確認キー36を表示案内する。また、この表示案内と共に音声で運転免許証の裏面セット動作を確認案内用に出力案内する。
【0024】図4は健康保険証の裏面を読取るためのセット位置の表示案内であって、画面上には裏面のセット位置や確認動作を案内する文字案内表示41と、置く位置を指定案内するセット位置指定案内表示42と、健康保険証の裏面セット動作をアニメーションで流動的に案内する図形案内表示43と、申込み取消しキー44と、案内係員の顔写真表示45と、確認キー46を表示案内する。また、この表示案内と共に音声で健康保険証の裏面セット動作を確認案内用に出力案内する。
【0025】図5は契約書26aの一例を示し、この契約書26aには各種の契約内容51…が記載されており、これを承認して氏名、住所の承認要項52を記載するように設けている。また、この契約書26aの左上隅には、定位置にセットするときの向きや表裏を指定するためのセット方向指定矢印53を明瞭に設けており、このセット方向指定矢印53により入力操作面14上への契約書26aのセット操作を容易にしている。また、この契約書26aに限らず、申込書にあっても同様にセット方向指定矢印を設けてセット操作を容易にしており、さらにこの矢印53の表示に限らず、用紙の隅部を切欠いてセット方向や表裏を指定することもできる。
【0026】図6は大きさの異なる身分証明書25や帳票26のセット状態を示し、免許証25aや健康保険証25bのような身分証明書25の場合は、セット位置を入力操作面14の左下隅を基準に位置決めしてセットし、申込書26bや契約書26aのような帳票26の場合は下縁を帳票回収通路27に若干差込んで左端を基準に位置決めセットし、縦長の状態でセットする。この状態で押圧ホルダ15を上方より押圧保持させて読取り動作を行わせる。
【0027】またこのとき、セット位置の右側には入力操作面14が一定幅で露出し、この露出した入力操作面14を活用してセット位置を案内する等の操作案内を表示することができる。
【0028】例えば、図7に示すように、帳票の初期セット時に、入力操作面14の左側にセット位置指定案内表示71と、帳票のセット動作をアニメーションで流動的に表す図形案内表示72と、挿入セット方向表示73との帳票のセット案内動作を表示案内し、右側に申込取消しキー74と、帳票セット動作を案内する文字案内表示75を表示する。このように、入力操作面14の左側を読取り兼用の表示画面に利用し、右側を入力兼用の表示画面に有効利用することができる。
【0029】図8および図9は押圧ホルダ15の押圧動作状態を示し、この押圧ホルダ15は入力操作面14に隣接する側部位置で待機し、この待機位置と入力操作面14上との左右間を手動式の水平維持機構81により移動自由に支持している。
【0030】この水平維持機構81は、基板82上に固定されたホルダ支点軸83に連結アーム84の下端部を回動自由に取付け、同アーム84の上端部を押圧ホルダ15の枢支軸85に連結し、ホルダ支点軸83を回動支点に押圧ホルダ15を手動操作により左方向あるいは右方向に半円形の軌跡で動かすことにより、押圧ホルダ15は略水平状態を維持して移動する。
【0031】またこの場合、押圧ホルダ15に読取り対応用のスキャナ86を内蔵すれば、入力操作面14と反対面側で読取ることができ、このようにスキャナ86を入力操作面14と分離配設しても、入力操作面14と同位置で表示/入力/読取り処理ができる。また、この他、帳票回収通路27の入口部分にセット確認用スキャナ24a(図2参照)を配設して帳票のセット確認や取込み時に読取り動作するように設けることができ、この場合は帳票セット時の差替え等の不正行為に対する検知性能を高めることができる。
【0032】図10は入力操作面14の積層構造を示し、上面層のタッチパネル101と、可動形のイメージセンサ102を内蔵する中間層のスキャナ24と、下面層のTFTディスプレイ(カラー液晶画面)103との三層構造で構成する。
【0033】タッチパネル101は超音波信号を利用してタッチ入力された位置を感知し、イメージセンサ102は、図11にも示すように、入力操作面14の全幅長さを有して入力操作面14上の全領域をスキャンして読取り許容し、TFTディスプレイ103では操作内容を順次表示する。
【0034】また、図12に示すように、イメージセンサ102は断面V字形を有する一方の傾斜内面側にLEDアレイ121を備え、他方の傾斜内面側にセンサアレイ122を備えてLEDアレイ121からの反射信号をセンサアレイ122が検知して身分証明書25や帳票26の記載データを読取っている。またこの場合、反射光の有無により被測定物の輪郭を検知できるため、帳票等の外形認識を検知でき、誤セットや位置ズレを容易に検知する。
【0035】図13はイメージセンサ102の走査機構131を示し、この走査機構131は走査駆動モータM1 からの駆動伝達力をギャ132…およびプーリ133…を介して検知方向に掛渡したタイミングベルト134を回転駆動し、このタイミングベルト134にイメージセンサ102の一端を取付け、かつイメージセンサ102の両側をタイミングベルト134と同方向に平行する左右のガイドレール135,136で摺動許容して検知方向に支持している。
【0036】ところで、タッチパネル101はパネル平面方向に沿って超音波を発信し、この超音波信号を利用してパネル上にタッチ入力された位置を感知する構成のため、図14に示すように、入力操作面14の左側は押圧ホルダ15で保持された読取り面となり、右側は顧客が指先141でタッチ入力可能に露出した入力兼用の表示画面となるが、このときタッチ入力した位置を超音波特性を利用した超音波信号により押圧ホルダ15の押圧力に拘らず確実に特定できるため、同一画面上でデータを読取りながら入力操作させることができ、処理能力の高い入力操作面14を形成することができる。
【0037】またこの場合、押圧ホルダ15は硬質材等の超音波非干渉部材で形成して、超音波信号に支障のないように配慮している。
【0038】図15は帳票回収通路27を示し、この帳票回収通路27は内方に沿って入口側からシャッタ151と帳票保持ローラ152とストッパ153とフラッパ154とをこの順に配設して内方の回収箱28に接続している。
【0039】また、この帳票回収通路27上に第1〜第3検知センサS1 〜S3 を配設して帳票26の搬送状態を検知確認し、さらにこの帳票回収通路27とフラッパ154の位置で交差する帳票放出通路29上にも第4検知センサS4 を配設して帳票26の搬送状態を検知確認する。また、両通路27,29は通路駆動モータM2の駆動に基づいて搬送駆動される。
【0040】例えば、帳票26の受付け時は、帳票回収通路27の入口側のシャッタ151と帳票保持ローラ152を開口し、ストッパ153を閉鎖した状態で受付け待機し、このストッパ153の位置でセット時に差込まれた帳票の下端を位置規制して入力操作面14上への受付けセットが完了する。この受付けセット完了後はセットされた帳票26の記載データを読取り、読取ったデータの審査を合格すれば帳票の収納動作に移って内方に取込み処理し、回収箱28の入口部分を一時回収部28aに設定して、ここで一旦待機させる。このとき、取消したり内容に修正があれば、これより逆送して返却処理する。
【0041】また、申込書や契約書を発行する時は、両通路27,29交差位置のフラッパ154を切換えて帳票放出通路29を開放する。
【0042】図16は自動契約機11の制御回路ブロック図を示し、CPU161はROM162に格納されたプログラムに沿って各回路装置を制御し、その制御データを読出し可能にRAM163で記憶する。
【0043】通路搬送処理部164は、通路駆動モータM2 、シャッタ151、帳票保持ローラ152、ストッパ153、フラッパ154をON/OFFして帳票回収通路27と帳票放出通路29を駆動し、帳票回収通路27では帳票26を回収箱は28に取込み/返却処理し、帳票放出通路29では申込書や契約書を放出処理する。
【0044】通信処理部165は、自動契約機11の使用状態を遠隔位置で監視する係員端末機166と通信接続し、この通信接続された係員端末機166は自動契約機11で顧客が自動契約したときの情報を受信し、これを係員が遠隔監視して顧客自身による無人の自動契約操作を遠隔位置から促進する。
【0045】図17は係員端末機166の表示器171で表示した監視画面を示し、この監視画面には顧客が契約時に書込んだ内容を部分的に切出して表示する。例えば、住所、氏名等の記載に不備がないかを切出して係員がチェックする。また、このチェックには画像表示だけでなく、印刷出力させてもよく、これによりスキャナの読取り異常を解消して安定した入力操作を促進させる。
【0046】このように構成された自動契約機11の全体の処理動作を図18のフローチャートを参照して説明する。今、顧客が無人化コーナに設置された自動契約機11を使用して契約カードの発行を要請する場合、先ず、顧客は本人を照合確認するための身分証明書25を入力操作面14にセットして読取り動作させ、本人を照合確認する(顧客ステップn1 )。
【0047】このとき、係員が係員端末機166の表示データから本人を確認すると(係員ステップo1 )、自動契約機11は次に申込書を発行し、この申込書に顧客が規定の契約内容を記載し、記載後に申込書を入力操作面14の定位置にセットすると、申込内容の読取りが行われる(顧客ステップn2 〜n3 )。
【0048】読取ったデータは係員端末機166に送信され、このデータから係員が申込み内容を確認すると審査に移り、その審査結果を折返し回答する(係員ステップo2 〜o4 )、この審査結果が適正であれば、契約取引が成立するため続いて契約書26aを発行し、この契約書26aに顧客の要請する契約内容を記入させ(顧客ステップn4 〜n6 )、契約書の記入が全て完了して入力操作面14の読取り位置にセットすると(顧客ステップn7 )、その契約内容が係員側で確認され(係員ステップo5 )、適切であれば、プリンタ30で契約事項を印刷して顧客に契約書控えと契約カードとを発行して一契約操作が終了する(顧客ステップn8 〜n9 )。
【0049】次に、身分証明書25を用いた証明処理動作を図19および図20のフローチャートを参照して説明する。今、顧客が自動契約するに先立って、入力操作面14では顧客本人を証明する利用書類の選択を表示案内し、顧客が免許証25aを選択指定すると(顧客ステップn11〜n12)、入力操作面14は免許証25aのセット位置を表示案内し、また健康保険証25bを選択指定した場合は健康保険証25bのセット位置を表示案内する(顧客ステップn13〜n14)。
【0050】この表示案内に従って身分証明書25を定位置にセットし、そのデータの読取りを開始すべく確認入力がなされると、そのセットされた身分証明証25のデータを読取り動作する(顧客ステップn15〜n16)。
【0051】このとき適正にセットされているか、また画像に異常がないかを確認する。例えば、免許証25aの場合であれば、その特徴となる罫線を抽出してセット位置の適否を判定する(顧客ステップn17〜n18)。
【0052】不適と判定すれば再読取りを行わせ(顧客ステップn19)、適正であれば、図17に示すように、特定の切出したデータを係員端末機166に送信して本人の照合確認を要請し(顧客ステップn20〜n21)、係員端末機166側から本人を確認する適正な回答が得られると、この身分証明書25による証明確認処理が終了する。このとき、不適と判定された場合は、再確認画面を表示案内して本人を確認するための操作を再操作させる(顧客ステップn22〜n23)。
【0053】一方、係員端末機166側にあっては、自動契約機11側から切出された身分証明25のデータを受信すると(係員ステップo11)、そのデータを係員端末機166の表示器171に表示出力させ、これを係員が見てチェックし、また必要であれば印刷出力させて視認し(係員ステップo12〜o13)、これに基づいて係員が適否を判断し、適正であれば了承して次の申込書発行処理に移行し、不適であれば再読取り操作を行わせる(係員ステップo14〜o16)。
【0054】次に、申込書26b受付け時の処理動作を図21および図22のフローチャートを参照して説明する。上述した身分証明書25を証明確認することに基づいて自動契約機11から自動的に申込書26bが発行され、この発行された申込書26bの記入欄に、顧客の要請する契約内容を書込む。
【0055】この書込み完了した申込書26bの読取りセット位置を入力操作面14で表示案内し(顧客ステップn31)、これに従って顧客が申込書26bを定位置にセットして確認入力すると、そのセットされた申込書26bのデータを読取り動作し(顧客ステップn32〜n33)、このとき位置ズレせずに適正にセットされているか、また画像に異常がないかを確認し(顧客ステップn34〜n35)、不適と判定すれば再読取りを行わせ(顧客ステップn36)、適正であれば、図17に示すように、特定の切出したデータを係員端末機166に送信して、申込書26bの適否状態の内容確認を要請する(顧客ステップn37〜n38)。
【0056】係員端末機166側から申込書26bに対する適正な回答が得られると、この申込書26bの受付けを終了する。このとき、不適と判定された場合は、その不適な原因、例えば未記入、誤字、脱字等の回答データに基づいて再確認画面を表示案内して再操作させる(顧客ステップn39〜n40)。
【0057】一方、係員端末機166側にあっては、自動契約機11側から切出された申込書26bのデータを受信すると(係員ステップo31)、そのデータを係員端末機166の表示器171に表示させて係員がチェックし、また必要であれば印刷出力させて視認し(係員ステップo32〜o33)、これを係員が見て適正か否かを判断し、適正であれば了承して次の契約書発行処理に移行し、不適であれば再読取り操作を行わせる(係員ステップo34〜o36)。
【0058】この申込書26bの受付けが完了すると、続いて自動契約機11は契約書26aを発行し、この契約書に顧客の要請する契約内容を書込ませた後、申込書26bと同手順で契約書をセットして読取り動作および契約書内容を審査し、この審査合格時に契約内容を印字した控え契約書を発行すると共に、顧客の要請する契約カードを発行する。このように、全て顧客自信で入力操作して契約カードを得ることができる。
【0059】ところで、契約操作時に用いられた申込書26bや契約書26aは回収箱28に回収して保管し、また契約操作途中では記入欄の修正および契約取消し可能に帳票26を返却許容して待機させている。このような帳票26の回収処理動作を図23のフローチャートを参照して次に説明する。
【0060】今、入力操作面14は、身分証明が終了して帳票待機画面を表示している。この帳票待機画面は帳票26のセット位置を表示案内し、これに従って顧客が帳票をセットして、確認キーをタッチ入力すると(顧客ステップn41〜n42)、帳票26の下縁部を帳票保持ローラ152が挟持固定し、また帳票26の上部側を押圧ホルダ15で押圧保持させて帳票の読取りに適した固定保持状態を維持させる(顧客ステップn43〜n44)。
【0061】この帳票26を固定保持した状態でスキャナ24により読取り開始し、読取りが終了すると(顧客ステップn45〜n46)、帳票の固定を解除して、帳票を内方に取込み、一時回収部28aの位置で一時待機させる(顧客ステップn47〜n48)。
【0062】この待機状態で同帳票26の読取りデータを係員端末機166に伝送し、係員端末機166からの回答情報に修正等の異常検出がなければ、一時回収部28aに一時待機させている帳票26を内方の回収箱28の定位置に完全に取込んで回収完了する(顧客ステップn49〜n51)。
【0063】これに対し、係員端末機166からの回答情報に未記入、誤字、脱字のような修正の要請があれば、一時回収部28aに待機させている帳票26を逆送して元の入力操作面14上の位置に戻して返却し、この返却した帳票26に再記入した後、再セットするように表示案内する(顧客ステップn52〜n53)。
【0064】上述のように、一つの自動契約機に読取り機能と入力機能と表示機能とを持たせて入力操作面を一体化した単体構成にしてあるため操作性の向上が図れ、しかも身分証明書や帳票を読取りセットする位置と、入力位置および接客案内する表示位置とを入力操作面上の同位置に配設して装置の小型化および配置スペースの縮小化を図ることができる。
【0065】また、顧客は同位置で表示案内を見ながら身分証明書や帳票を定位置に読取りセットさせ、また同時に入力操作できるため、その内容に応じた適切な操作案内を受けながら終始円滑に取扱い操作をすることができ、顧客の取扱い操作時に戸惑いによる遅延操作が確実に解消されて、操作時間の短縮および顧客に対するサービス性が向上する。
【0066】さらに、契約操作時に取込まれた帳票は装置内部の一時回収部で返却可能に一時回収されるため、この取込み後に契約内容を変更する場合や未記入、誤記等により修正する場合も同様に取込まれた帳票を元の位置に戻して再記入することができる。このため、帳票に無駄が生じず、また顧客は最初からやり直すような再記入操作を省略して部分記入だけで済み、顧客の記入操作に適した能率のよい帳票の記入管理ができる。
【0067】この発明と、上述の一実施例の構成との対応において、この発明の入力端末装置は、実施例の自動契約機11に対応し、以下同様に、帳票は、契約書26aや申込書26bに対応し、回収手段および回収部は、回収箱28に対応し、元の位置、読取り位置、帳票セット位置は、入力操作面14に対応し、保持手段および押圧保持手段は、押圧ホルダ15対応するも、この発明は上述の一実施例の構成のみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の自動契約機の外観斜視図。
【図2】この発明の自動契約機の内部構成図。
【図3】この発明の運転免許証の裏面セット状態を示す案内表示図。
【図4】この発明の健康保険証の裏面セット状態を示す案内表示図。
【図5】この発明の契約書の一例を示す概略説明図。
【図6】この発明の入力操作面の各種媒体のセット状態を示す案内表示図。
【図7】この発明の帳票の初期セットの操作案内状態を示す案内表示図。
【図8】この発明の押圧ホルダの押圧動作状態を示す説明図。
【図9】この発明の押圧ホルダの押圧動作状態を示す要部斜視図。
【図10】この発明の入力操作面の積層構造を示す要部拡大縦断面図。
【図11】この発明の入力操作面のスキャナの走査状態を示す要部斜視図。
【図12】この発明のイメージセンサの読取り原理を示す縦断面図。
【図13】この発明のイメージセンサの走査機構を示す要部分解斜視図。
【図14】この発明の読取り動作と入力動作との左右位置の併用処理動作を示す説明図。
【図15】この発明の帳票回収通路を示す要部縦断面図。
【図16】この発明の自動契約機の制御回路ブロック図。
【図17】この発明の係員端末機の表示器に出力された監視画面の一例を示す表示図。
【図18】この発明の自動契約機の全体の処理動作を示すフローチャート。
【図19】この発明の身分証明証の取扱い処理動作を示すフローチャート。
【図20】この発明の図19に続くフローチャート。
【図21】この発明の申込書の取扱い処理動作を示すフローチャート。
【図22】この発明の図21に続くフローチャート。
【図23】この発明の帳票の回収処理動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
11…自動契約機
14…入力操作面
15…押圧ホルダ
17…接客テーブル
26…帳 票
26a…契約書
26b…申込書
27…帳票回収通路
28a…一時回収部
29…帳票放出通路
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、顧客の要請する契約カードを自動的に発行する自動契約機のような端末装置に関し、さらに詳しくは帳票の取扱い処理性能の向上に加えて装置の小型化を図った入力端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】以下、自動契約機を例にとって説明すると、この自動契約機は顧客が免許証や健康保険証等の身分を証明する証明媒体や申込書や契約書等の帳票を定位置にセットすると、これを自動的に受付けて読取り判定し、有効性を確認すれば契約成立して顧客が要請した契約カードを発行している。このように、顧客が要請する契約カードを無人対応して自動的に発行するため、顧客自信で操作が完結し、係員の窓口業務の省力化が図れ、また顧客へのサービス性を高めている。
【0003】しかし、この自動契約機は、証明媒体や帳票を読取るスキャナ装置が、装置本体と別々に独立して配置されているため、この自動契約機の全体構成が大型化し、また配置スペースを大きくとってしまい、また証明媒体や帳票の取扱い操作に手間取ることがあった。
【0004】特に、帳票の読取り後は、この帳票を装置内部に取込んで内部管理する構成のため、内容変更や誤記等を途中で気付いても取出せず、この場合は取消しキーを入力して再び最初からやり直していた。また、この契約内容を係員が遠隔監視して審査したとき、未記入や誤記を顧客に伝えて修正指示する場合にあっても同様に取込まれた帳票はそのまま回収され、同様にやり直しが行われていた。このため、帳票が無駄となり、また顧客はその都度、再記入を繰返えさねばならず、手間がかかって不便となる問題を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明は、受付けた帳票を返却可能に回収管理する一時的な回収管理機能を備えることで、契約操作が完結するまでは帳票への記入変更が可能となって帳票の有効利用が図れ、しかも顧客の接客操作性が向上する入力端末装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、帳票を受付けてデータ処理する入力端末装置であって、上記帳票を元の位置に返却許容して回収する回収手段を備えたことを特徴とする。
【0007】請求項2記載の発明は、回収手段を帳票の読取り位置近傍に配設したことを特徴とする。
【0008】請求項3記載の発明は、読取り位置にセットされた帳票を保持する保持手段を備えたことを特徴とする。
【0009】請求項4記載の発明は、帳票を回収処理する回収部と、帳票を帳票セット位置に返却許容して一時回収する一時回収部とを兼用して回収手段を構成したことを特徴とする。
【0010】請求項5記載の発明は、回収部または一時回収部の少なくとも一方を、装置本体の前面に突出する接客テーブルの下面側に形成したことを特徴とする。
【0011】請求項6記載の発明は、帳票セット位置にセットされた帳票を押圧保持する押圧保持手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
【作用】この発明によれば、帳票を受付けてデータ処理したとき、そのデータ処理済の帳票を回収手段が元の位置に返却許容して回収する。また、帳票の回収に際しては、帳票の読取り位置近傍に回収手段を配設して直ちに回収処理する。
【0013】さらに、帳票の読取りに際しては、読取り位置にセットされた帳票を保持手段が保持して読取り動作する。また、帳票を回収処理する回収部と、帳票を元の帳票セット位置に返却許容して一時回収する一時回収部とを回収手段で兼用して回収処理する。
【0014】また、帳票を回収するとき、装置本体の前面に突出する接客テーブルの下面側に形成した回収部または一時回収部で帳票の回収処理を行う。さらに、帳票の読取りに際しては、帳票セット位置にセットされた帳票を押圧保持手段により押圧保持して読取り動作する。
【0015】
【発明の効果】この結果、契約操作時に取込まれた帳票は装置内部の一時回収部で返却可能に一時回収されているため、この取込み後に契約内容を変更する場合や未記入、誤記等により修正する場合も同様に取込まれた帳票を元の位置に戻して再記入することができる。このため、帳票を有効に活用して無駄が生じず、また顧客は最初からやり直すような再記入操作を省略して部分記入だけで済み、顧客の記入操作に適した能率のよい帳票の記入管理ができる。
【0016】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。図1は顧客の契約カードを自動的に発行する自動契約機11を示し、この自動契約機11は上部前面に撮像窓12と、カード発行口13と、入力操作面14と、押圧ホルダ15と、申込書/契約書発行口16と、接客テーブル17および筆記トレー18とを備えて構成される。
【0017】図2は自動契約機11の内部構造を示し、この自動契約機11は前面の撮像窓12と対応する内部位置にテレビカメラ21を内蔵して顧客を撮像許容し、前面のカード発行口13と対応する内部位置にカード発行機22を内蔵して作成した契約カードを発行する。
【0018】さらに、前面中央に形成される入力操作面14は顧客の入力操作および視認角度に適した傾斜角度を有し、かつ横長の長方形に広くとって設け、この入力操作面14で表示/入力/読取りを許容している。この入力操作面14の内部位置にはタッチ入力兼用の表示器23とスキャナ24を内蔵し、表示器23ではタッチ入力操作とセット操作とその操作内容を表示案内し、スキャナ24では入力操作面14上にセットされた免許証/健康保険証等の身分証明書25あるいは申込書/契約書等の帳票26の記載データを読取る。この読取り時には、入力操作面14上にセットされた身分証明書25や帳票26を、上方より押圧ホルダ15で押圧保持した状態で読取る。
【0019】また、入力操作面14の下辺側には、読取った帳票26を下方に引込んで回収する帳票回収通路27を形成しており、この帳票回収通路27の下方内端部を、接客テーブル17の下面に形成した回収箱28に接続して帳票26を回収許容している。
【0020】さらに、申込書/契約書発行口16の内部には、帳票放出通路29を介して帳票収納部を備えたプリンタ30を接続し、このプリンタ30で契約内容を印刷し、また顧客の契約操作時に帳票収納部から申込書や契約書を発行する。
【0021】また、接客テーブル17は筆記面に適した平板形を有して装置本体の前面より略水平に突出させ、またテーブル17の下面に沿って同形状の回収箱28を形成し、回収箱28を単独で開閉許容してここに回収した帳票26を係員により容易に取出せるようにしている。
【0022】さらに、回収箱28を入力操作面14の直ぐ下方の近傍位置に設けて、入力操作面14と回収箱28との間を短く設定しているため、この間を接続する帳票回収通路27の通路長さの短縮が図れ、また入力操作面14から回収箱28への回収処理時間の短縮、あるいは回収箱28から入力操作面14への返却処理時間の短縮が図れる。
【0023】図3は入力操作面14に身分証明書25をセットするときの表示案内例を示し、これは身分証明に運転免許証を用いた場合で、しかも表面を読取った後に続いて裏面を読取るためのセット位置の表示案内であって、画面上には裏面のセット位置や確認動作を案内する文字案内表示31と、置く位置を指定案内するセット位置指定案内表示32と、免許証の裏面セット動作をアニメーションで流動的に案内する図形案内表示33と、申込み取消しキー34と、案内係員の顔写真表示35と、確認キー36を表示案内する。また、この表示案内と共に音声で運転免許証の裏面セット動作を確認案内用に出力案内する。
【0024】図4は健康保険証の裏面を読取るためのセット位置の表示案内であって、画面上には裏面のセット位置や確認動作を案内する文字案内表示41と、置く位置を指定案内するセット位置指定案内表示42と、健康保険証の裏面セット動作をアニメーションで流動的に案内する図形案内表示43と、申込み取消しキー44と、案内係員の顔写真表示45と、確認キー46を表示案内する。また、この表示案内と共に音声で健康保険証の裏面セット動作を確認案内用に出力案内する。
【0025】図5は契約書26aの一例を示し、この契約書26aには各種の契約内容51…が記載されており、これを承認して氏名、住所の承認要項52を記載するように設けている。また、この契約書26aの左上隅には、定位置にセットするときの向きや表裏を指定するためのセット方向指定矢印53を明瞭に設けており、このセット方向指定矢印53により入力操作面14上への契約書26aのセット操作を容易にしている。また、この契約書26aに限らず、申込書にあっても同様にセット方向指定矢印を設けてセット操作を容易にしており、さらにこの矢印53の表示に限らず、用紙の隅部を切欠いてセット方向や表裏を指定することもできる。
【0026】図6は大きさの異なる身分証明書25や帳票26のセット状態を示し、免許証25aや健康保険証25bのような身分証明書25の場合は、セット位置を入力操作面14の左下隅を基準に位置決めしてセットし、申込書26bや契約書26aのような帳票26の場合は下縁を帳票回収通路27に若干差込んで左端を基準に位置決めセットし、縦長の状態でセットする。この状態で押圧ホルダ15を上方より押圧保持させて読取り動作を行わせる。
【0027】またこのとき、セット位置の右側には入力操作面14が一定幅で露出し、この露出した入力操作面14を活用してセット位置を案内する等の操作案内を表示することができる。
【0028】例えば、図7に示すように、帳票の初期セット時に、入力操作面14の左側にセット位置指定案内表示71と、帳票のセット動作をアニメーションで流動的に表す図形案内表示72と、挿入セット方向表示73との帳票のセット案内動作を表示案内し、右側に申込取消しキー74と、帳票セット動作を案内する文字案内表示75を表示する。このように、入力操作面14の左側を読取り兼用の表示画面に利用し、右側を入力兼用の表示画面に有効利用することができる。
【0029】図8および図9は押圧ホルダ15の押圧動作状態を示し、この押圧ホルダ15は入力操作面14に隣接する側部位置で待機し、この待機位置と入力操作面14上との左右間を手動式の水平維持機構81により移動自由に支持している。
【0030】この水平維持機構81は、基板82上に固定されたホルダ支点軸83に連結アーム84の下端部を回動自由に取付け、同アーム84の上端部を押圧ホルダ15の枢支軸85に連結し、ホルダ支点軸83を回動支点に押圧ホルダ15を手動操作により左方向あるいは右方向に半円形の軌跡で動かすことにより、押圧ホルダ15は略水平状態を維持して移動する。
【0031】またこの場合、押圧ホルダ15に読取り対応用のスキャナ86を内蔵すれば、入力操作面14と反対面側で読取ることができ、このようにスキャナ86を入力操作面14と分離配設しても、入力操作面14と同位置で表示/入力/読取り処理ができる。また、この他、帳票回収通路27の入口部分にセット確認用スキャナ24a(図2参照)を配設して帳票のセット確認や取込み時に読取り動作するように設けることができ、この場合は帳票セット時の差替え等の不正行為に対する検知性能を高めることができる。
【0032】図10は入力操作面14の積層構造を示し、上面層のタッチパネル101と、可動形のイメージセンサ102を内蔵する中間層のスキャナ24と、下面層のTFTディスプレイ(カラー液晶画面)103との三層構造で構成する。
【0033】タッチパネル101は超音波信号を利用してタッチ入力された位置を感知し、イメージセンサ102は、図11にも示すように、入力操作面14の全幅長さを有して入力操作面14上の全領域をスキャンして読取り許容し、TFTディスプレイ103では操作内容を順次表示する。
【0034】また、図12に示すように、イメージセンサ102は断面V字形を有する一方の傾斜内面側にLEDアレイ121を備え、他方の傾斜内面側にセンサアレイ122を備えてLEDアレイ121からの反射信号をセンサアレイ122が検知して身分証明書25や帳票26の記載データを読取っている。またこの場合、反射光の有無により被測定物の輪郭を検知できるため、帳票等の外形認識を検知でき、誤セットや位置ズレを容易に検知する。
【0035】図13はイメージセンサ102の走査機構131を示し、この走査機構131は走査駆動モータM1 からの駆動伝達力をギャ132…およびプーリ133…を介して検知方向に掛渡したタイミングベルト134を回転駆動し、このタイミングベルト134にイメージセンサ102の一端を取付け、かつイメージセンサ102の両側をタイミングベルト134と同方向に平行する左右のガイドレール135,136で摺動許容して検知方向に支持している。
【0036】ところで、タッチパネル101はパネル平面方向に沿って超音波を発信し、この超音波信号を利用してパネル上にタッチ入力された位置を感知する構成のため、図14に示すように、入力操作面14の左側は押圧ホルダ15で保持された読取り面となり、右側は顧客が指先141でタッチ入力可能に露出した入力兼用の表示画面となるが、このときタッチ入力した位置を超音波特性を利用した超音波信号により押圧ホルダ15の押圧力に拘らず確実に特定できるため、同一画面上でデータを読取りながら入力操作させることができ、処理能力の高い入力操作面14を形成することができる。
【0037】またこの場合、押圧ホルダ15は硬質材等の超音波非干渉部材で形成して、超音波信号に支障のないように配慮している。
【0038】図15は帳票回収通路27を示し、この帳票回収通路27は内方に沿って入口側からシャッタ151と帳票保持ローラ152とストッパ153とフラッパ154とをこの順に配設して内方の回収箱28に接続している。
【0039】また、この帳票回収通路27上に第1〜第3検知センサS1 〜S3 を配設して帳票26の搬送状態を検知確認し、さらにこの帳票回収通路27とフラッパ154の位置で交差する帳票放出通路29上にも第4検知センサS4 を配設して帳票26の搬送状態を検知確認する。また、両通路27,29は通路駆動モータM2の駆動に基づいて搬送駆動される。
【0040】例えば、帳票26の受付け時は、帳票回収通路27の入口側のシャッタ151と帳票保持ローラ152を開口し、ストッパ153を閉鎖した状態で受付け待機し、このストッパ153の位置でセット時に差込まれた帳票の下端を位置規制して入力操作面14上への受付けセットが完了する。この受付けセット完了後はセットされた帳票26の記載データを読取り、読取ったデータの審査を合格すれば帳票の収納動作に移って内方に取込み処理し、回収箱28の入口部分を一時回収部28aに設定して、ここで一旦待機させる。このとき、取消したり内容に修正があれば、これより逆送して返却処理する。
【0041】また、申込書や契約書を発行する時は、両通路27,29交差位置のフラッパ154を切換えて帳票放出通路29を開放する。
【0042】図16は自動契約機11の制御回路ブロック図を示し、CPU161はROM162に格納されたプログラムに沿って各回路装置を制御し、その制御データを読出し可能にRAM163で記憶する。
【0043】通路搬送処理部164は、通路駆動モータM2 、シャッタ151、帳票保持ローラ152、ストッパ153、フラッパ154をON/OFFして帳票回収通路27と帳票放出通路29を駆動し、帳票回収通路27では帳票26を回収箱は28に取込み/返却処理し、帳票放出通路29では申込書や契約書を放出処理する。
【0044】通信処理部165は、自動契約機11の使用状態を遠隔位置で監視する係員端末機166と通信接続し、この通信接続された係員端末機166は自動契約機11で顧客が自動契約したときの情報を受信し、これを係員が遠隔監視して顧客自身による無人の自動契約操作を遠隔位置から促進する。
【0045】図17は係員端末機166の表示器171で表示した監視画面を示し、この監視画面には顧客が契約時に書込んだ内容を部分的に切出して表示する。例えば、住所、氏名等の記載に不備がないかを切出して係員がチェックする。また、このチェックには画像表示だけでなく、印刷出力させてもよく、これによりスキャナの読取り異常を解消して安定した入力操作を促進させる。
【0046】このように構成された自動契約機11の全体の処理動作を図18のフローチャートを参照して説明する。今、顧客が無人化コーナに設置された自動契約機11を使用して契約カードの発行を要請する場合、先ず、顧客は本人を照合確認するための身分証明書25を入力操作面14にセットして読取り動作させ、本人を照合確認する(顧客ステップn1 )。
【0047】このとき、係員が係員端末機166の表示データから本人を確認すると(係員ステップo1 )、自動契約機11は次に申込書を発行し、この申込書に顧客が規定の契約内容を記載し、記載後に申込書を入力操作面14の定位置にセットすると、申込内容の読取りが行われる(顧客ステップn2 〜n3 )。
【0048】読取ったデータは係員端末機166に送信され、このデータから係員が申込み内容を確認すると審査に移り、その審査結果を折返し回答する(係員ステップo2 〜o4 )、この審査結果が適正であれば、契約取引が成立するため続いて契約書26aを発行し、この契約書26aに顧客の要請する契約内容を記入させ(顧客ステップn4 〜n6 )、契約書の記入が全て完了して入力操作面14の読取り位置にセットすると(顧客ステップn7 )、その契約内容が係員側で確認され(係員ステップo5 )、適切であれば、プリンタ30で契約事項を印刷して顧客に契約書控えと契約カードとを発行して一契約操作が終了する(顧客ステップn8 〜n9 )。
【0049】次に、身分証明書25を用いた証明処理動作を図19および図20のフローチャートを参照して説明する。今、顧客が自動契約するに先立って、入力操作面14では顧客本人を証明する利用書類の選択を表示案内し、顧客が免許証25aを選択指定すると(顧客ステップn11〜n12)、入力操作面14は免許証25aのセット位置を表示案内し、また健康保険証25bを選択指定した場合は健康保険証25bのセット位置を表示案内する(顧客ステップn13〜n14)。
【0050】この表示案内に従って身分証明書25を定位置にセットし、そのデータの読取りを開始すべく確認入力がなされると、そのセットされた身分証明証25のデータを読取り動作する(顧客ステップn15〜n16)。
【0051】このとき適正にセットされているか、また画像に異常がないかを確認する。例えば、免許証25aの場合であれば、その特徴となる罫線を抽出してセット位置の適否を判定する(顧客ステップn17〜n18)。
【0052】不適と判定すれば再読取りを行わせ(顧客ステップn19)、適正であれば、図17に示すように、特定の切出したデータを係員端末機166に送信して本人の照合確認を要請し(顧客ステップn20〜n21)、係員端末機166側から本人を確認する適正な回答が得られると、この身分証明書25による証明確認処理が終了する。このとき、不適と判定された場合は、再確認画面を表示案内して本人を確認するための操作を再操作させる(顧客ステップn22〜n23)。
【0053】一方、係員端末機166側にあっては、自動契約機11側から切出された身分証明25のデータを受信すると(係員ステップo11)、そのデータを係員端末機166の表示器171に表示出力させ、これを係員が見てチェックし、また必要であれば印刷出力させて視認し(係員ステップo12〜o13)、これに基づいて係員が適否を判断し、適正であれば了承して次の申込書発行処理に移行し、不適であれば再読取り操作を行わせる(係員ステップo14〜o16)。
【0054】次に、申込書26b受付け時の処理動作を図21および図22のフローチャートを参照して説明する。上述した身分証明書25を証明確認することに基づいて自動契約機11から自動的に申込書26bが発行され、この発行された申込書26bの記入欄に、顧客の要請する契約内容を書込む。
【0055】この書込み完了した申込書26bの読取りセット位置を入力操作面14で表示案内し(顧客ステップn31)、これに従って顧客が申込書26bを定位置にセットして確認入力すると、そのセットされた申込書26bのデータを読取り動作し(顧客ステップn32〜n33)、このとき位置ズレせずに適正にセットされているか、また画像に異常がないかを確認し(顧客ステップn34〜n35)、不適と判定すれば再読取りを行わせ(顧客ステップn36)、適正であれば、図17に示すように、特定の切出したデータを係員端末機166に送信して、申込書26bの適否状態の内容確認を要請する(顧客ステップn37〜n38)。
【0056】係員端末機166側から申込書26bに対する適正な回答が得られると、この申込書26bの受付けを終了する。このとき、不適と判定された場合は、その不適な原因、例えば未記入、誤字、脱字等の回答データに基づいて再確認画面を表示案内して再操作させる(顧客ステップn39〜n40)。
【0057】一方、係員端末機166側にあっては、自動契約機11側から切出された申込書26bのデータを受信すると(係員ステップo31)、そのデータを係員端末機166の表示器171に表示させて係員がチェックし、また必要であれば印刷出力させて視認し(係員ステップo32〜o33)、これを係員が見て適正か否かを判断し、適正であれば了承して次の契約書発行処理に移行し、不適であれば再読取り操作を行わせる(係員ステップo34〜o36)。
【0058】この申込書26bの受付けが完了すると、続いて自動契約機11は契約書26aを発行し、この契約書に顧客の要請する契約内容を書込ませた後、申込書26bと同手順で契約書をセットして読取り動作および契約書内容を審査し、この審査合格時に契約内容を印字した控え契約書を発行すると共に、顧客の要請する契約カードを発行する。このように、全て顧客自信で入力操作して契約カードを得ることができる。
【0059】ところで、契約操作時に用いられた申込書26bや契約書26aは回収箱28に回収して保管し、また契約操作途中では記入欄の修正および契約取消し可能に帳票26を返却許容して待機させている。このような帳票26の回収処理動作を図23のフローチャートを参照して次に説明する。
【0060】今、入力操作面14は、身分証明が終了して帳票待機画面を表示している。この帳票待機画面は帳票26のセット位置を表示案内し、これに従って顧客が帳票をセットして、確認キーをタッチ入力すると(顧客ステップn41〜n42)、帳票26の下縁部を帳票保持ローラ152が挟持固定し、また帳票26の上部側を押圧ホルダ15で押圧保持させて帳票の読取りに適した固定保持状態を維持させる(顧客ステップn43〜n44)。
【0061】この帳票26を固定保持した状態でスキャナ24により読取り開始し、読取りが終了すると(顧客ステップn45〜n46)、帳票の固定を解除して、帳票を内方に取込み、一時回収部28aの位置で一時待機させる(顧客ステップn47〜n48)。
【0062】この待機状態で同帳票26の読取りデータを係員端末機166に伝送し、係員端末機166からの回答情報に修正等の異常検出がなければ、一時回収部28aに一時待機させている帳票26を内方の回収箱28の定位置に完全に取込んで回収完了する(顧客ステップn49〜n51)。
【0063】これに対し、係員端末機166からの回答情報に未記入、誤字、脱字のような修正の要請があれば、一時回収部28aに待機させている帳票26を逆送して元の入力操作面14上の位置に戻して返却し、この返却した帳票26に再記入した後、再セットするように表示案内する(顧客ステップn52〜n53)。
【0064】上述のように、一つの自動契約機に読取り機能と入力機能と表示機能とを持たせて入力操作面を一体化した単体構成にしてあるため操作性の向上が図れ、しかも身分証明書や帳票を読取りセットする位置と、入力位置および接客案内する表示位置とを入力操作面上の同位置に配設して装置の小型化および配置スペースの縮小化を図ることができる。
【0065】また、顧客は同位置で表示案内を見ながら身分証明書や帳票を定位置に読取りセットさせ、また同時に入力操作できるため、その内容に応じた適切な操作案内を受けながら終始円滑に取扱い操作をすることができ、顧客の取扱い操作時に戸惑いによる遅延操作が確実に解消されて、操作時間の短縮および顧客に対するサービス性が向上する。
【0066】さらに、契約操作時に取込まれた帳票は装置内部の一時回収部で返却可能に一時回収されるため、この取込み後に契約内容を変更する場合や未記入、誤記等により修正する場合も同様に取込まれた帳票を元の位置に戻して再記入することができる。このため、帳票に無駄が生じず、また顧客は最初からやり直すような再記入操作を省略して部分記入だけで済み、顧客の記入操作に適した能率のよい帳票の記入管理ができる。
【0067】この発明と、上述の一実施例の構成との対応において、この発明の入力端末装置は、実施例の自動契約機11に対応し、以下同様に、帳票は、契約書26aや申込書26bに対応し、回収手段および回収部は、回収箱28に対応し、元の位置、読取り位置、帳票セット位置は、入力操作面14に対応し、保持手段および押圧保持手段は、押圧ホルダ15対応するも、この発明は上述の一実施例の構成のみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の自動契約機の外観斜視図。
【図2】この発明の自動契約機の内部構成図。
【図3】この発明の運転免許証の裏面セット状態を示す案内表示図。
【図4】この発明の健康保険証の裏面セット状態を示す案内表示図。
【図5】この発明の契約書の一例を示す概略説明図。
【図6】この発明の入力操作面の各種媒体のセット状態を示す案内表示図。
【図7】この発明の帳票の初期セットの操作案内状態を示す案内表示図。
【図8】この発明の押圧ホルダの押圧動作状態を示す説明図。
【図9】この発明の押圧ホルダの押圧動作状態を示す要部斜視図。
【図10】この発明の入力操作面の積層構造を示す要部拡大縦断面図。
【図11】この発明の入力操作面のスキャナの走査状態を示す要部斜視図。
【図12】この発明のイメージセンサの読取り原理を示す縦断面図。
【図13】この発明のイメージセンサの走査機構を示す要部分解斜視図。
【図14】この発明の読取り動作と入力動作との左右位置の併用処理動作を示す説明図。
【図15】この発明の帳票回収通路を示す要部縦断面図。
【図16】この発明の自動契約機の制御回路ブロック図。
【図17】この発明の係員端末機の表示器に出力された監視画面の一例を示す表示図。
【図18】この発明の自動契約機の全体の処理動作を示すフローチャート。
【図19】この発明の身分証明証の取扱い処理動作を示すフローチャート。
【図20】この発明の図19に続くフローチャート。
【図21】この発明の申込書の取扱い処理動作を示すフローチャート。
【図22】この発明の図21に続くフローチャート。
【図23】この発明の帳票の回収処理動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
11…自動契約機
14…入力操作面
15…押圧ホルダ
17…接客テーブル
26…帳 票
26a…契約書
26b…申込書
27…帳票回収通路
28a…一時回収部
29…帳票放出通路
【特許請求の範囲】
【請求項1】帳票を受付けてデータ処理する入力端末装置であって、上記帳票を元の位置に返却許容して回収する回収手段を備えた入力端末装置。
【請求項2】回収手段を帳票の読取り位置近傍に配設した請求項1記載の入力端末装置。
【請求項3】読取り位置にセットされた帳票を保持する保持手段を備えた請求項2記載の入力端末装置。
【請求項4】回収手段は、帳票を回収処理する回収部と、帳票を帳票セット位置に返却許容して一時回収する一時回収部とを兼用して構成した請求項1記載の入力端末装置。
【請求項5】回収部または一時回収部の少なくとも一方を、装置本体の前面に突出する接客テーブルの下面側に形成した請求項4記載の入力端末装置。
【請求項6】帳票セット位置にセットされた帳票を押圧保持する押圧保持手段を備えた請求項1記載の入力端末装置。
【請求項1】帳票を受付けてデータ処理する入力端末装置であって、上記帳票を元の位置に返却許容して回収する回収手段を備えた入力端末装置。
【請求項2】回収手段を帳票の読取り位置近傍に配設した請求項1記載の入力端末装置。
【請求項3】読取り位置にセットされた帳票を保持する保持手段を備えた請求項2記載の入力端末装置。
【請求項4】回収手段は、帳票を回収処理する回収部と、帳票を帳票セット位置に返却許容して一時回収する一時回収部とを兼用して構成した請求項1記載の入力端末装置。
【請求項5】回収部または一時回収部の少なくとも一方を、装置本体の前面に突出する接客テーブルの下面側に形成した請求項4記載の入力端末装置。
【請求項6】帳票セット位置にセットされた帳票を押圧保持する押圧保持手段を備えた請求項1記載の入力端末装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図7】
【図8】
【図13】
【図14】
【図17】
【図15】
【図16】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
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【図15】
【図16】
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【公開番号】特開平9−251560
【公開日】平成9年(1997)9月22日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−87522
【出願日】平成8年(1996)3月14日
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【公開日】平成9年(1997)9月22日
【国際特許分類】
【出願日】平成8年(1996)3月14日
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
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