説明

入力装置、入力方法、及び、プログラム

【課題】片手で操作するのに好適な入力装置等を提供する。
【解決手段】本発明に係る入力装置300は、複数の課題を順にユーザに提示する提示部301と、ユーザが指示している位置を検知する検知部302と、検知された位置の移動方向にあらかじめ対応付けられた項目を取得する取得部303と、現在提示されている課題に対して入力された回答として、取得された項目を出力する出力部304と、を備える。そして、提示部301は、回答が出力された後、検知された位置が、取得された項目にあらかじめ対応付けられる方向以外の方向に移動してから停止すると、次の課題をユーザに提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、片手で操作するのに好適な入力装置、入力方法、及び、これらをコンピュータにて実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルの機能を生かしたコマンド入力が可能な発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3853342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コマンド入力を行うための典型的な操作方法として、片手で入力装置を支え、もう一方の手を使ってコマンド入力操作を行う方法がある。しかし、操作を行うために両手がふさがることを煩わしいと感じるユーザが存在する。また、電車で吊り皮を握っている時など、片手がふさがっている状態では、操作を行うことができない場合がある。そこで、簡便に操作を行うのに好適な新たな手法が求められている。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、片手で操作するのに好適な入力装置、入力方法、及び、これらをコンピュータにて実現するためのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る入力装置は、提示部と、検知部と、取得部と、出力部と、を含んで構成される。
【0007】
まず、提示部は、複数の課題を順にユーザに提示する。
【0008】
ここで、課題とは、2つや4つ等の複数の選択肢中に、1つの正解がある問題が典型的である。
なお、選択肢の数は、2つや4つに限定されず、任意である。
【0009】
提示部は、例えば、「Yes」か「No」かのどちらか一方を選択することにより、回答を行うことができる課題をユーザに提示する。そして、提示部は、当該課題に対してユーザが回答を行うと、次の課題を提示する。提示される課題に対してユーザが回答を行うと、次々と新しい課題がユーザに提示される。
【0010】
次に、検知部は、ユーザが指示している位置を検知する。
【0011】
検知部は、例えば、タッチパネル、コントローラ、キーボード、もしくは、マウス等を通じて、ユーザからの入力指示を受け付けて、入力があるか否か、ユーザによってどのような入力操作がなされたか、どの位置が指示されているか等、を検知する。
【0012】
例えば、検知部がタッチパネルの場合、検知部は、タッチパネル上のどの位置をユーザがタッチしているかを検知する。また、検知部は、ユーザが現在タッチしているタッチ位置から、当該タッチ位置をどの方向に移動させたかを示す移動方向(スライド方向)や移動量を検知することもできる。
【0013】
次に、取得部は、検知された位置の移動方向にあらかじめ対応付けられた項目を取得する。
【0014】
ここで、項目とは、提示されている課題に対する回答に対応付けられるものをいう。例えば、「Yes」か「No」かのどちらか一方を選択することにより回答が行われる課題では、選択肢である「Yes」及び「No」が、項目に相当する。
【0015】
例えば、ユーザがタッチしているタッチ位置からの移動方向が、当該タッチ位置より上方向のときには「Yes」と、当該タッチ位置より下方向のときには「No」と、移動方向と項目とがそれぞれ対応付けられているとする。この場合において、ユーザがタッチ位置を上方向に移動させた場合、取得部は、提示されている課題に対する回答として、「Yes」が入力されたとして、当該課題に対する回答として「Yes」を取得する。また、ユーザがタッチ位置を下方向に移動させた場合、取得部は、提示されている課題に対する回答として、「No」が入力されたとして、当該課題に対する回答として「No」を取得する。
【0016】
次に、出力部は、現在提示されている課題に対して入力された回答として、取得された項目を出力する。
【0017】
例えば、提示されている課題に対して、「Yes」とユーザが回答した場合、出力部は、当該回答である「Yes」を出力する。ユーザが選択した項目である回答は、液晶ディスプレイやスピーカを通じて、任意の方法により出力される。
【0018】
また、提示部は、回答が出力された後、検知された位置が、取得された項目にあらかじめ対応付けられる方向以外の方向に移動してから停止すると、次の課題をユーザに提示する。
【0019】
ここで、停止とは、検知される位置が、所定時間以上、所定範囲内から移動していないことをいう。なお、時間及び範囲は、検出感度や検出項目等によって異なるため、任意に定められる。
【0020】
例えば、ユーザが当初のタッチ位置より上方向にタッチ位置を移動させることにより、課題に対して回答を行った後、当該上方向以外の方向、例えば、下方向にタッチ位置を移動させて停止させる。すると、新しい課題に対して回答を行う準備ができたものとして、提示部は、新しい課題をユーザに提示する。そして、新たに提示された課題に対して、タッチ位置を移動させることにより、ユーザは回答をさらに行っていくことができる。
【0021】
ユーザが回答を行うために、例えば、人差し指から小指までの4本指で入力装置を支え、当該入力装置が備えるタッチが検出される検知部を親指で押さえることにより、入力装置を挟み込むように片手で持つことができる。そして、検知部を押さえている親指をスライドさせることにより、上述のように回答が行われる。これにより、ユーザが親指をスライドさせることにより回答を行っている間も、入力装置は、ユーザの手によって挟み込まれるように絶えず保持されている。
【0022】
このため、本発明によれば、課題に対する回答を行う動作と、次の課題を提示させる動作と、が一連の動作によって行われるため、ユーザは簡便に操作を行うことができる。また、ユーザは、入力装置を片手で操作することができる。
【0023】
また、提示部は、タッチパネル(タッチスクリーン)に、提示すべき課題と、当該課題に対して入力できる回答を表す項目にあらかじめ対応付けられる方向と、を表示することもできる。
【0024】
例えば、複数の選択肢の中から1つの選択肢を選択させる課題、例えば、「Yes」や「No」で回答できる課題を、提示部は、タッチパネル上に表示する。また、タッチ位置を上方向に移動させる動作により、「Yes」と回答できることをユーザに対して表示するために、提示部は、例えば、上矢印と「Yes」とを並べて表示する。これにより、矢印の示す方向に、もしくは、表示される矢印に沿うように、タッチ位置を移動させることにより、ユーザは回答を行うことができる。
【0025】
また、検知部は、タッチパネルにおける接触位置を検知して、当該検知された接触位置をユーザが指示している位置とすることもできる。
【0026】
例えば、検知部は、タッチパネルからユーザの指等が離れた場合であっても、ユーザが現在タッチしている現在タッチ位置と、指等が離れる以前にタッチしていた前回タッチ位置と、を検出する。そして、現在タッチ位置が、前回タッチ位置より上方向に位置している場合、検知部は、課題に対する回答として「Yes」が入力されたと検知する。
【0027】
これにより、ユーザの指等がタッチパネルから離れた場合であっても、課題に対して回答を行うことができるため、ユーザは簡便に操作を行うことができる。
また、課題に対して回答を行うための動作方法が表示されるため、ユーザは簡便に操作を行うことができる。
【0028】
また、提示されている課題に対して入力できる回答を表す項目に応じて閾移動量が定められ、移動方向が、取得された項目以外の項目にあらかじめ対応付けられる方向であり、検知された位置の移動量が、当該閾移動量に達すると、当該項目が取得される。
【0029】
ここで、閾移動量とは、課題に対する回答として、ユーザが所定の移動操作を行ったか否かを判定するための基準である。閾移動量は、回答としての選択肢の数やタッチパネルの大きさ等に応じて、任意に定められる。
【0030】
例えば、2択のうち、いずれか1つを選択することにより回答を行う課題が提示される場合、タッチ位置から移動方向として、上方向と下方向とのそれぞれに、課題に対する回答である選択肢が対応付けられる。ユーザは、課題に対する回答として、例えば、タッチ位置から上方向に、当該タッチ位置を移動させる移動操作を行う。そして、当該移動操作が閾移動量に達すると、上方向への移動操作を行ったと検知される。これにより、当該上方向への移動操作に対応付けられる選択肢が、課題に対する回答として取得される。つまり、タッチ位置からの移動方向、及び、移動量に基づいて、ユーザが行った移動操作が検出され、当該移動操作に対応する回答が取得される。
【0031】
これにより、ユーザが行った移動操作に基づいて、課題に対する回答が取得されるため、ユーザは簡便に操作を行うことができる。
【0032】
上記の目的を達成するため、本発明のその他の観点に係る入力方法は、提示部と、検知部と、取得部と、出力部と、を有する入力装置にて実行される入力方法であって、提示工程と、検知工程と、取得工程と、出力工程と、を備える。
【0033】
提示工程では、提示部が、複数の課題を順にユーザに提示する。
【0034】
検知工程では、検知部が、ユーザが指示している位置を検知する。
【0035】
取得工程では、取得部が、検知された位置の移動方向にあらかじめ対応付けられた項目を取得する。
【0036】
出力工程では、出力部が、現在提示されている課題に対して入力された回答として、取得された項目を出力する。
【0037】
また、提示工程では、提示部が、回答が出力された後、検知された位置が、取得された項目にあらかじめ対応付けられる方向以外の方向に移動してから停止すると、次の課題をユーザに提示する。
【0038】
これにより、課題に対する回答を行う動作と、次の課題を提示させる動作と、が同一の動作により行われるため、ユーザは簡便に操作を行うことができる。
【0039】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを上記の入力装置として機能させ、コンピュータに上記の入力方法を実行させるように構成する。
【0040】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。上記プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、当該コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、ユーザは簡便に操作を行うことができる。また、ユーザは、片手で操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態に係る入力装置が実現される典型的な携帯型情報処理装置の概要構成を示す図である。
【図2】携帯型情報処理装置の外観の一例を示す図である。
【図3】携帯型情報処理装置を片手で把持する方法を示す図である。
【図4A】回答を入力する方法について説明するための図である。
【図4B】回答を入力する方法について説明するための図である。
【図4C】回答を入力する方法について説明するための図である。
【図5】入力装置の概要構成を示す図である。
【図6】入力処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】課題に対する回答表示の一例を示す図である。
【図8】課題に対する回答表示の一例を示す図である。
【図9】課題に対する回答表示の一例を示す図である。
【図10】移動量を示す図である。
【図11A】回答後の移動量を示す図である。
【図11B】回答後の移動量を示す図である。
【図12】課題に対する回答表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、本発明の実施形態に係る典型的な携帯型情報処理装置の概要構成を示す図である。また、図2に携帯型情報処理装置の外観図を示す。以下、これらの図を参照して説明する。
【0044】
携帯型情報処理装置1は、処理制御部10、コネクタ11、カートリッジ12、無線通信部13、通信コントローラ14、サウンドアンプ15、スピーカ16、マイク17、操作キー18、第1の表示部19、第2の表示部20、タッチパネル21、を備える。
【0045】
処理制御部10は、CPU(Central Processing Unit)コア10a、画像処理部10b、VRAM(Video Random Access Memory)10c、WRAM(Work RAM)10d、LCD(Liquid Crystal Display)コントローラ10e、タッチパネルコントローラ10f、を備える。
【0046】
CPUコア10aは、携帯型情報処理装置1全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。具体的には、カートリッジ12がコネクタ11に装着された状態で、カートリッジ12内のROM(Read Only Memory)12aに記憶されたプログラムやデータを読み出して、所定の処理を実行する。
【0047】
画像処理部10bは、カートリッジ12内のROM 12aから読み出されたデータや、CPUコア10aにて処理されたデータを加工処理した後、これをVRAM 10cに格納する。
【0048】
VRAM 10cは、表示用の情報を記憶するフレームメモリであり、画像処理部10b等により加工された画像情報を記憶する。
【0049】
WRAM 10dは、CPUコア10aがプログラムに従った各種処理を実行する際に必要となるワークデータ等を記憶する。
【0050】
LCDコントローラ10eは、第1の表示部19および、第2の表示部20を制御し、所定の表示用画像を表示させる。例えば、LCDコントローラ10eは、VRAM 10cに記憶された画像情報を、所定の同期タイミングで表示信号に変換し、第1の表示部19に出力する。また、LCDコントローラ10eは、第2の表示部20に所定の指示アイコン等を表示する。
【0051】
タッチパネルコントローラ10fは、タッチペン22やユーザの指によるタッチパネル21への接触(タッチ)を検出する。例えば、第2の表示部20に所定の指示アイコン等が表示されている状態で、タッチパネル21上の接触およびその位置等を検出する。
【0052】
コネクタ11は、カートリッジ12と脱着自在に接続可能な端子であり、カートリッジ12が接続された際に、カートリッジ12との間で所定のデータを送受信する。
【0053】
カートリッジ12は、ROM 12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、を備える。
ROM 12aには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データ等が記録される。
RAM 12bには、ゲームの進行状況等を示す種々のデータが記憶される。
【0054】
無線通信部13は、他の携帯型情報処理装置1の無線通信部13との間で、無線通信を行うユニットであり、図示せぬアンテナ(内蔵アンテナ等)を介して所定のデータを送受信する。
なお、無線通信部13は、所定のアクセスポイントとの間で、無線LAN通信を行うこともできる。また、無線通信部13には、固有のMAC(Media Access Control)アドレスが採番されている。
【0055】
通信コントローラ14は、無線通信部13を制御し、所定のプロトコルに沿って、処理制御部10と他の携帯型情報処理装置1の処理制御部10との間で行われる通信の仲立ちをする。
【0056】
サウンドアンプ15は、処理制御部10にて生成された音声信号を増幅し、スピーカ16に供給する。
【0057】
スピーカ16は、例えば、ステレオスピーカ等からなり、サウンドアンプ15にて増幅された音声信号に従って、所定の楽曲音や効果音等を出力する。
【0058】
マイク17は、ユーザの声等のアナログ信号を受け付け、受け付けた信号は処理制御部10でミキシング等の処理がされる。
【0059】
操作キー18は、携帯型情報処理装置1に適宜配置された方向キー18aやボタン18b等から構成され、ユーザの操作に従って、所定の指示入力を受け付ける。操作キー18には、音量を調節するためのボタンや、つまみ等も含まれる。
【0060】
第1の表示部19および、第2の表示部20は、LCD等からなり、LCDコントローラ10eに制御され、ゲーム画像等を適宜表示する。
【0061】
タッチパネル21は、第2の表示部20の前面に重畳して配置され、タッチペン22やユーザの指の接触による入力を受け付ける。
タッチパネル21は、例えば、感圧式のタッチセンサパネル等からなり、ユーザの指等の圧力を検出し、接触状態および、接触状態から非接触状態への移行等を検出する。なお、タッチパネル21は、他に静電容量の変化等から、ユーザの指等の接触を検出してもよい。
【0062】
なお、本実施形態に係る入力装置は、上述した典型的な携帯型情報処理装置1上に実現されるが、一般的なコンピュータや入力装置上に実現することもでき、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。一般的なコンピュータや入力装置は、上記携帯型情報処理装置1と同様に、CPUコアや、VRAM、WRAM、を備える。また、通信部として、例えば、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−Tなどの規格に準拠するNIC(Network Interface Controller)、記憶装置としてハードディスクを有する他、DVD−ROMや、光磁気ディスク等が利用できるようになっている。また、入力装置として、タッチパネルの代わりに、キーボードやマウスなどを利用する。そして、プログラムをインストールした後に、そのプログラムを実行させると、入力装置として機能させることができる。
【0063】
本実施形態では、課題(問題)が提示されて、当該課題に対して回答を行うゲーム、いわゆるクイズゲームを例に取り説明する。本実施形態のクイズゲームでは、図2に示すように、第1の表示部19には、クイズである課題が表示され、第2の表示部20には、当該課題の回答に対応する選択肢が表示される。ユーザは、第1の表示部19に表示される課題を確認し、選択肢が表示された第2の表示部20の前面に重畳して配置されるタッチパネル21を介して、当該課題に対する回答を入力する。
【0064】
図3は、携帯型情報処理装置1を片手で把持する方法を示す図である。同図に示すように、本実施形態では、ユーザは、人差し指から小指までの4本指で携帯型情報処理装置1を下から支え、第2の表示部20(タッチパネル21)を親指で押さえることにより、携帯型情報処理装置1を片手で持つのが典型的な場合である。そして、タッチパネル21を押さえている親指をスライドさせることにより、課題に対する回答を入力していく。タッチパネル21上から離すことなく、親指をスライドさせることにより、携帯型情報処理装置1は、人差し指から小指までの4本指と親指とにより絶えず把持されて、安定に保たれる。このような方法により、ユーザは、片手で携帯型情報処理装置1を把持しながら、親指をスライドさせることにより、課題に対する回答を入力していく。
【0065】
図4A〜4Cは、回答を入力する方法について説明するための図である。同図に示すように、第2の表示部20(タッチパネル21)には、基準領域30と境界線31とが示される。
【0066】
ここで、基準領域とは、ユーザが課題を始める際に指を置く位置である。
また、境界線とは、課題の回答である複数の選択肢に対応付けて、タッチパネル21を複数の領域に分割する線である。
なお、基準領域30及び境界線31の表示・非表示は任意であり、ユーザからの要求により、基準領域30及び境界線31を表示させる、もしくは、表示させない、こともできる。
【0067】
まず、図4Aに示すように、ユーザは、基準領域30内に任意の指(典型的には親指)を配置して、当該指でタッチパネル21をタッチする。ユーザは、表示される課題を確認し、当該課題に対して回答を行う。例えば、課題に対する回答として「Yes」を入力する場合、図4Bに示すように、ユーザは、基準領域30の外側であり、境界線31より上側の「Yes」と表示されている領域に指をスライドさせる。これにより、「Yes」が入力される。また、課題に対する回答として「No」を入力する場合、ユーザは、基準領域30の外側であり、境界線31より下側の「No」と表示されている領域に指をスライドさせる。これにより、「No」が入力される。そして、図4Cに示すように、ユーザの指がタッチしているタッチ位置が基準領域30内に移動した場合、又は、回答が行われたタッチ位置とは異なる新たな位置をユーザがタッチしている場合、次の新しい課題が表示される。ユーザは、新しく表示された課題に対する回答として、指を再びスライドさせることにより、新たな課題に対して回答を行うことができる。
【0068】
以上のように、ユーザは、指をスライドさせることにより、課題に対する回答を入力することができる。
【0069】
図5は、本実施形態に係る入力装置の構成を示す図である。以下、本図を参照して説明する。入力装置300は、同図に示すように、提示部301、検知部302、取得部303、出力部304、記憶部305等を備える。
【0070】
まず、提示部301は、複数の課題を順にユーザに提示する。典型的には、提示部301は、複数の選択肢のうち、いずれか1つを選択することにより回答を行うことができる課題を提示する。例えば、図2に示すように、提示部301は、「問題:日本の首都は東京か?」という課題を、第1の表示部19に表示する。この課題における回答では、「Yes」や「○」もしくは「No」や「×」、というように、2つの選択肢から1つをユーザが選択することとなる。そして、1つの選択肢が選択されることにより回答が受け付けられると、提示部301は、新しい課題を第1の表示部19に表示する。
【0071】
また、提示部301は、回答が出力された後、検知された位置が、取得された項目にあらかじめ対応付けられる方向以外の方向に移動してから停止すると、次の課題をユーザに提示する。
【0072】
まず、図4Aに示すように、課題に対する回答を行うための準備として、タッチパネル21上にある基準領域30を、ユーザがタッチしている。そして、図4Bに示すように、当該基準領域30以外の領域に、タッチ位置を移動させることにより回答が行われる。ユーザが回答を行うことにより、回答が出力される。図4Bでは、タッチ位置は、当初のタッチ位置から上方向に移動している。この場合、当初のタッチ位置から移動した上方向以外、例えば、右方向、左下方向等の任意の方向に、ユーザがタッチ位置を移動させて、当該移動を停止させた場合、次の新しい課題が第1の表示部19に表示される。図4Cでは、当初のタッチ位置から移動した移動方向以外の方向にタッチ位置が移動しているため、新しい課題がユーザに提示される。なお、回答が行われたタッチ位置から移動されるタッチ位置は、基準領域30内に限られず、どの領域であってもよい。
【0073】
また、提示部301は、第2の表示部20(タッチパネル21)に、提示すべき課題と、当該課題に対して入力できる回答を表す項目にあらかじめ対応付けられる方向と、を表示することもできる。図4A〜4Cに示すように、提示部301は、上矢印と「Yes」とを対応付けて、また、下矢印と「No」とを対応付けて、第2の表示部20に表示する。これにより、ユーザは、課題に対する回答として、「Yes」と入力したい場合には、当初のタッチ位置より上方向に指をスライドさせ、また、「No」と入力したい場合には、当初のタッチ位置より下方向に指をスライドさせればよいことを認識できる。
【0074】
CPUコア10a、画像処理部10b、VRAM 10c、LDCコントローラ10e、及び、第1/第2の表示部19、20等が協働して動作することにより、提示部301として機能する。
【0075】
次に、検知部302は、ユーザが指示している位置を検知する。検知部302は、ユーザの指やタッチペン22によって、タッチパネル21上のどの位置が指示されているか、すなわち、指等とタッチパネル21との接触位置を検知して、当該接触位置をユーザが指示している位置として検知する。
【0076】
CPUコア10a、タッチパネル21、タッチパネルコントローラ10f、及び、操作キー18等が協働して動作することにより、検知部302として機能する。
【0077】
次に、取得部303は、検知された位置の移動方向にあらかじめ対応付けられた項目を取得する。図4Bに示すように、ユーザがタッチ位置を移動させると、取得部303は、移動したタッチ位置に対応付けられる項目(ここでは「Yes」)を、課題に対する回答として取得する。
【0078】
また、取得部303は、提示されている課題に対して入力できる回答を表す項目に応じて閾移動量を定めて、移動方向が、取得された項目以外の項目にあらかじめ対応付けられる方向であり、検知された位置の移動量が、当該閾移動量に達すると、当該項目を取得する。
【0079】
閾移動量は、選択肢の数、タッチパネルの大きさ等に応じて、任意に定められる。例えば、選択肢の数が少ない場合には、検知された位置の移動量が僅かであっても閾移動量を超えるように、閾移動量が小さく設定される。これにより、ユーザによって選択される選択肢の検知が容易になる。一方、選択肢の数が多い場合には、ユーザがどの選択肢を選択したかを明確にするために、閾移動量が大きく設定される。これにより、ユーザからの誤入力を防ぐことができる。
また、タッチパネルが小さい場合には、タッチ位置の移動が制限される。このため、タッチ位置の僅かな移動量を検出するために、閾移動量が小さく設定される。一方、タッチパネルが大きい場合には、タッチ位置の移動が制限されることが少ないため、閾移動量が大きく設定される。
【0080】
CPUコア10a、及び、VRAM 10c等が協働して動作することにより、取得部303として機能する。
【0081】
次に、出力部304は、現在提示されている課題に対して入力された回答として、取得された項目を出力する。出力部304は、課題に対する回答として、ユーザが選択した回答を、第1の表示部19やスピーカ16を介して出力する。
【0082】
CPUコア10a、画像処理部10b、VRAM 10c、LDCコントローラ10e、サウンドアンプ15、スピーカ16、及び、第1/第2の表示部19、20等が協働して動作することにより、出力部304として機能する。
【0083】
次に、記憶部305は、例えば、ユーザがタッチしたタッチ位置、タッチ位置が移動した移動方向、課題に対するユーザからの回答等のユーザからの入力状態、また、当該入力状態の履歴を記憶する。また、記憶部305は、課題、当該課題に対する回答、当該課題に対する選択肢等、任意の情報を記憶する。
【0084】
CPUコア10a、及び、RAM 12b等が協働して動作することにより、記憶部305として機能する。
【0085】
次に、本実施形態の入力装置300にて実行される入力処理について説明する。図6は、入力処理の流れを示すフローチャートである。以下、本図を参照して説明する。
【0086】
入力方法は、図3に示すように、人差し指から小指までの4本指で携帯型情報処理装置1を下から支え、第2の表示部20(タッチパネル21)を親指で押さえることにより、携帯型情報処理装置1を片手で持ち、親指をスライドさせることにより行うのが典型的である。この入力方法により、ユーザは片手で入力操作を行うことができる。しかし、タッチパネル21上のタッチ位置やスライド方向を検出できればよいため、タッチペン22を用いての入力、携帯型情報処理装置1を台などに置いて人差し指での入力等、任意の方法で入力を行うことができる。
【0087】
まず、入力装置300に電源が投入され、典型例であるクイズゲームが開始されると、図3に示すように、CPUコア10aは、当該クイズゲームの課題を第1の表示部19に表示する(ステップS101)。また、CPUコア10aは、表示された課題に対応する選択肢(項目)を、第2の表示部20に表示する。同図の場合、課題は「問題:日本の首都は東京か?」であるため、第2の表示部20には、選択肢「Yes」と「No」とが表示される。
【0088】
なお、CPUコア10aは、課題に応じて、複数の任意の選択肢を表示することもできる。図7は、課題に対する回答表示の一例を示す図である。例えば、課題が「問題:日本の首都は、次のいずれのうちどこか?」である場合、同図に示すように、CPUコア10aは、「1:札幌、2:東京、3:名古屋、4:大阪」というように、4つの選択肢を表示することもできる。
【0089】
また、表示される課題は、任意であり、例えば、ユーザによって指定された課題、ランダムに抽出される課題、前回終了時と同一の課題等が表示される。そして、当該課題に対して、任意の選択肢が表示される。
【0090】
次に、CPUコア10aは、タッチパネル21上において、ユーザがタッチしているタッチ位置を検出することにより、ユーザからの入力を受け付ける(ステップS102)。なお、ユーザからのタッチを検知する方法は任意である。
【0091】
次に、CPUコア10aは、図4Aに示すように、タッチ位置が基準領域30内にあるか否かを検出する(ステップS103)。タッチ位置が基準領域30内にあるか否かに基づいて、ユーザが課題に対して回答を行う準備ができたかが判定される。
【0092】
タッチ位置が基準領域30内にない場合(ステップS103;No)、CPUコア10aは、タッチ位置の検出を続ける(ステップS102)。
【0093】
一方、タッチ位置が基準領域30内にある場合(ステップS103;Yes)、CPUコア10aは、タッチ位置の検出を続け、当該タッチ位置が移動する移動方向及び移動量を検出する(ステップS104)。移動後のタッチ位置、移動方向及び移動量が検出されることにより、課題に対する回答として、ユーザがどの選択肢を選択したかが判定される。
【0094】
なお、基準領域30のサイズ及び形状は、任意であり、課題に対する選択肢の数に応じて変形させることもできる。
【0095】
図8及び9は、課題に対する回答表示の一例を示す図である。例えば、ユーザがタッチパネル21をタッチして、一定時間以上、タッチ位置が移動していない場合、図8に示すように、CPUコア10aは、当該タッチ位置を基準領域30と設定することもできる。これにより、任意のタッチ位置が基準領域30となるため、ユーザは、基準領域30を意識することなく入力操作を行うことができる。
【0096】
また、図9に示すように、CPUコア10aは、ユーザからの入力を受け付けないブランク領域32を設定することもできる。例えば、ユーザが「Yes」を選択しようとしてタッチ位置を上方向に動かしたつもりでも、移動距離が少なく、移動後のタッチ位置が境界線31付近にある場合、ユーザの意志とは異なる「No」が、選択肢として選択されたと判定される可能性がある。そこで、ユーザが選択した選択肢が「Yes」であるか「No」であるかを明確に区別するために、「Yes」の領域と「No」の領域とを分けるブランク領域32を設けることにより、ユーザからの誤入力を防ぐことができる。
【0097】
また、ユーザがタッチしているタッチ位置が、基準領域30内にある、もしくは、基準領域30内にない場合、CPUコア10aは、第1/第2の表示部19、20やスピーカ16等を通じて、その旨をユーザに通知することもできる。
【0098】
また、CPUコア10aは、任意の位置及び任意のタイミングで課題を表示することもできる。例えば、CPUコア10aは、タッチ位置が基準領域30内にあると検出した後、課題を表示することもできる。また、ユーザがタッチパネル21をタッチした後、CPUコア10aは、課題や当該課題に対する回答である選択肢を表示することもできる。
【0099】
次に、CPUコア10aは、タッチ位置の移動方向及び移動量に基づいて、タッチ位置が基準領域30外にあるか否かを検出する(ステップS105)。CPUコア10aは、移動したタッチ位置を検知することにより、図4Bに示すように、タッチ位置が基準領域30外にあるかを判定する。
【0100】
なお、ステップS105においては、ユーザがどの選択肢を選択したかが検出されればよいため、移動後のタッチ位置が必ずしも基準領域30外でなくてもよい。このため、CPUコア10aは、ユーザが指をスライドさせた移動量が、閾移動量を超えているか否かに基づいて、ユーザが選択した選択肢を検出することもできる。図10は、移動量を示す図である。まず、タッチ位置が検出され、当該タッチ位置を中心とする任意の閾移動量が定められる。タッチ位置が移動すると、移動方向及び移動量が検出される。そして、移動量が閾移動量を超えているか否かが判定される。また、移動方向に基づいて、ユーザが選択した選択肢が判定される。同図の場合、移動量が閾移動量を超えて、かつ、タッチ位置から上方向に移動しているため、選択肢として「Yes」が選択されたと判定される。
【0101】
閾移動量は、典型的には、円形、楕円形、正方形、もしくは、長方形で定められる形状の重心点から円弧や辺までの距離によって定められる。図10に示される閾移動量は、楕円形の重心点(ここでは、タッチ位置)から円弧までの距離として定められている。そして、「Yes」や「No」で示される選択肢が楕円形の短軸方向に位置するように、閾移動量を示す楕円形が配置される。短軸の長さは、長軸の長さより当然短いため、短軸方向の閾移動量は、長軸方向の閾移動量より小さく設定される。このため、短軸方向にタッチ位置が移動した場合には、僅かな移動量であっても閾移動量を超えることとなる。ユーザが選択肢を選択する明確な意志がある場合には、タッチ位置は短軸方向に移動するはずであり、当該短軸方向では僅かな移動量であっても閾移動量を超えるため、ユーザが選択しようとしている選択肢が容易に検出される。一方、長軸方向にタッチ位置が移動した場合には、長軸方向の閾移動量は大きく設定されているため、ユーザからの誤入力を防ぐことができる。
【0102】
次に、タッチ位置が基準領域30外にない場合(ステップS105;No)、ステップS104に遷移する。CPUコア10aは、タッチ位置が移動する移動方向及び移動量を継続して検出することにより、当該タッチ位置が基準領域30外にあるか否かを検出し続ける。
【0103】
一方、タッチ位置が基準領域30外にある場合(ステップS105;Yes)、CPUコア10aは、ユーザが現在タッチしているタッチ位置、もしくは、移動方向に基づいて、課題に対する回答してユーザが選択した選択肢である項目を取得する(ステップS106)。例えば、図4Bに示すように、現在のタッチ位置は、基準領域30の外側であり、境界線31より上方向に位置しているため、「Yes」が取得され、回答として「Yes」が入力されたものとみなされる。
【0104】
次に、CPUコア10aは、ユーザから入力された回答が正解であるかを判定することにより、結果を表示する(ステップS107)。図3に示される「問題:日本の首都は東京か?」という課題に対する正解の回答は「Yes」である。この場合、図4Bに示すように、ユーザが指を境界線31より上方向にスライドさせることにより、回答として「Yes」が取得されると、CPUコア10aは、ユーザが入力した回答が正解である旨を通知する。結果を通知する方法は任意であり、例えば、第1の表示部19やスピーカ16等を通じて、回答した結果がユーザに通知される。
【0105】
なお、ユーザの回答が不正解の場合、CPUコア10aは、新しい課題をユーザに提示することもでき、また、同一の課題についてユーザからの新しい入力を受け付けることもできる。
【0106】
次に、CPUコア10aは、タッチ位置の検出を続け、当該タッチ位置が移動する移動方向及び移動量を検出する(ステップS108)。結果が表示された後も、CPUコア10aは、移動方向及び移動量の検出を続けることにより、次の課題に対して、ユーザが回答を行う準備ができたか否かを判定する。
【0107】
次に、CPUコア10aは、タッチ位置が基準領域30内にあるか否かを検出する(ステップS109)。課題に対する回答が取得された後、図4Cに示すように、タッチ位置が基準領域30内にあるか否かが判定される。タッチ位置が基準領域30内にあるか否かに基づいて、ユーザが新しい課題に対して回答を行う準備ができたかが判定される。タッチ位置が基準領域30内にある場合、課題に対する回答が入力される前と状態と同じであるため、ユーザが新しい課題に対して回答を行う準備ができたと判定される。一方、タッチ位置が基準領域30内にない場合、課題に対する回答が入力される前と状態と異なるため、回答を行う準備ができていないと判定される。
【0108】
また、ユーザが回答を行う準備ができたか否かを判定するために、CPUコア10aは、回答が出力された後、検知された位置が、取得された項目にあらかじめ対応付けられる方向以外の方向に移動してから停止したか否かを判定することもできる。例えば、ユーザが当初のタッチ位置より上方向にタッチ位置を移動させることにより、課題に対して回答を行った後、当該上方向以外の方向、例えば、下方向にタッチ位置を移動させて停止させる。すると、新しい課題に対して回答を行う準備ができたものとして、新しい課題がユーザに提示される。
【0109】
図11A及び11Bは、回答後の移動量を示す図である。同図においては、選択肢の項目である「Yes」と「No」とが、Y軸方向に定められているため、当初タッチ位置から回答タッチ位置までのY軸方向の移動量の絶対値と、回答タッチ位置からタッチ位置までのY軸方向の移動量の絶対値と、に基づいて、新しい課題を提示するか否かが判定される。例えば、(回答タッチ位置からタッチ位置までのY軸方向の移動量の絶対値)/(当初タッチ位置から回答タッチ位置までのY軸方向の移動量の絶対値)、により求められる比の値が、任意に定められる閾値を超えているか否かで判定される。図11Aに示されるタッチ位置では、当該比の値は0.5以上であるため、新しい課題に対して回答を行う準備ができたものとして、新しい課題がユーザに提示される。一方、図11Bに示されるタッチ位置では、当該比の値は0.5未満であるため、当該比の値が0.5以上となるまでタッチ位置が検出され続ける。これにより、ユーザは、基準領域30の位置を意識することなく、入力操作を行うことができる。
【0110】
次に、タッチ位置が基準領域30内にない場合(ステップS109;No)、CPUコア10aは、タッチ位置の検出を続けることにより、移動方向及び移動量を検出する(ステップS108)。
【0111】
一方、タッチ位置が基準領域30内にある場合(ステップS109;Yes)、次の課題に対してユーザが回答を行う準備ができたものとして、CPUコア10aは、新しい課題を第1の表示部19に表示する(ステップS101)。
【0112】
なお、CPUコア10aは、表示される課題を変更するための領域を、第2の表示部20に表示することもできる。図12は、課題に対する回答表示の一例を示す図である。例えば、同図に示すように、タッチ位置が基準領域30を越えて、左方向に移動した場合には前の課題が表示される項目が、また、右方向に移動した場合には次の課題が表示される項目が、第1の表示部19に表示される。ユーザは、当該項目を選択することにより、任意の時点において課題を変更することができる。なお、課題を変更するための領域は、任意の位置に表示される。
【0113】
以上の処理により、課題に対する回答を行う動作と、次の課題を提示させる動作と、が一連の動作によって行われるため、ユーザは簡便に入力操作を行うことができる。また、ユーザは片手で入力操作を行うことができる。
【0114】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
【0115】
提示部301は、記憶部305に記憶されるユーザの入力履歴に基づいて、基準領域30の形状及び位置、及び、境界線31の位置を設定して、表示することもできる。例えば、図3に示すように、左親指をスライドさせることにより入力操作を行う場合、タッチ位置は、左親指の先端部分であり、当該左親指の先端部分が移動する範囲、すなわち、タッチ位置の移動範囲は、左親指の付け根を中心点とする円弧の一部となるのが典型的である。そこで、提示部301は、例えば、基準領域30の形状を、ユーザの左親指の先端部の形状とほぼ同一の形状とし、また、左親指と平行するように境界線31を配置することもできる。
【0116】
また、提示部301は、選択肢を連続して選択することにより回答が行われる課題を提示することもできる。例えば、「問題:次の都市を人口の多い順に選べ」という課題が、第1の表示部19に提示され、図7に示すような選択表示が、第2の表示部20に提示される場合、ユーザは、「2:東京」、「4:大阪」、「3:名古屋」、「1:札幌」、と順番に選択肢を選ぶことにより、当該課題に正解することができる。検知部302は、タッチ位置を検知し、取得部303は、ユーザが選択した選択肢を取得することにより、ユーザが入力した回答が正解であるか否かが判定される。
【0117】
また、検知部302は、例えば、タッチパネル、コントローラ、キーボード、もしくは、マウス等の任意の入力デバイスからの入力を検知することができる。例えば、マウスにより指示されている位置を検知することにより、検知部302は、ユーザからの入力操作を受け付けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0118】
以上説明したように、本発明によれば、片手で操作するのに好適な入力装置、入力方法、及び、これらをコンピュータにて実現するためのプログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0119】
1 携帯型情報処理装置
10 処理制御部
10a CPUコア
10b 画像処理部
10c VRAM
10d WRAM
10e LCDコントローラ
10f タッチパネルコントローラ
11 コネクタ
12 カートリッジ
12a ROM
12b RAM
13 無線通信部
14 通信コントローラ
15 サウンドアンプ
16 スピーカ
17 マイク
18 操作キー
18a 方向キー
18b ボタン
19 第1の表示部
20 第2の表示部
21 タッチパネル
22 タッチペン
30 基準領域
31 境界線
32 ブランク領域
300 入力装置
301 提示部
302 検知部
303 取得部
304 出力部
305 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の課題を順にユーザに提示する提示部と、
前記ユーザが指示している位置を検知する検知部と、
前記検知された位置の移動方向にあらかじめ対応付けられた項目を取得する取得部と、
現在提示されている課題に対して入力された回答として、前記取得された項目を出力する出力部と、を備え、
前記提示部は、前記回答が出力された後、前記検知された位置が、前記取得された項目にあらかじめ対応付けられる方向以外の方向に移動してから停止すると、次の課題を前記ユーザに提示する、
ことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の入力装置であって、
前記提示部は、タッチスクリーンに、前記提示すべき課題と、当該課題に対して入力できる回答を表す項目にあらかじめ対応付けられる方向と、を表示し、
前記検知部は、前記タッチスクリーンにおける接触位置を検知して、当該検知された接触位置を前記ユーザが指示している位置とする、
ことを特徴とする入力装置。
【請求項3】
請求項2に記載の入力装置であって、
前記提示されている課題に対して入力できる回答を表す項目に応じて閾移動量が定められ、前記移動方向が、前記取得された項目以外の項目にあらかじめ対応付けられる方向であり、前記検知された位置の移動量が、当該閾移動量に達すると、当該項目が取得される、
ことを特徴とする入力装置。
【請求項4】
提示部と、検知部と、取得部と、出力部と、を有する入力装置にて実行される入力方法であって、
前記提示部が、複数の課題を順にユーザに提示する提示工程と、
前記検知部が、前記ユーザが指示している位置を検知する検知工程と、
前記取得部が、前記検知された位置の移動方向にあらかじめ対応付けられた項目を取得する取得工程と、
前記出力部が、現在提示されている課題に対して入力された回答として、前記取得された項目を出力する出力工程と、を備え、
前記提示工程では、前記提示部が、前記回答が出力された後、前記検知された位置が、前記取得された項目にあらかじめ対応付けられる方向以外の方向に移動してから停止すると、次の課題を前記ユーザに提示する、
ことを特徴とする入力方法。
【請求項5】
コンピュータを、
複数の課題を順にユーザに提示する提示部と、
前記ユーザが指示している位置を検知する検知部と、
前記検知された位置の移動方向にあらかじめ対応付けられた項目を取得する取得部と、
現在提示されている課題に対して入力された回答として、前記取得された項目を出力する出力部と、して機能させ、
前記提示部は、前記回答が出力された後、前記検知された位置が、前記取得された項目にあらかじめ対応付けられる方向以外の方向に移動してから停止すると、次の課題を前記ユーザに提示する、
ように機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−183025(P2011−183025A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52782(P2010−52782)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】