説明

入力装置、入力方法および入力プログラム

【課題】機種の違いに左右されることなく、ユーザが所望する方法によって容易に入力操作をおこなうこと。
【解決手段】タッチパネル102に対しておこなわれた、領域の選択にかかる操作(第1の操作、第2の操作または第3の操作)を特定し、特定された操作にしたがって、ユーザに選択された処理のいずれか一つを特定し、特定された処理を実行する入力装置100を構成した。これによって、ユーザは、煩雑な切り換え操作をおこなうことなく、当該ユーザが所望する方法によって入力操作をおこなうことができる。また、これによって、ユーザは、機種の違いに左右されることなく、ユーザが所望する方法によって容易に入力操作をおこなうことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザの操作に基づいて文字入力をおこなう入力装置、当該入力装置における文字の入力方法、および、当該入力装置において文字の入力を実現する入力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば、日本語文字における濁音や半濁音文字の入力に際して、清音から濁音や半濁音文字への切り替えが可能な代表文字が選択された場合に、入力候補とともに濁音や半濁音文字への切り替えボタンを表示し、当該切り替えボタンが選択されると入力候補の表示を濁音や半濁音文字に切り替えるようにした技術があった。
【0003】
具体的には、従来、たとえば、濁点・半濁点・小文字キーボード呼出しキーが押されると、タッチパネルの表示を濁点・半濁点・小文字入力用のものへと切り替えるようにした技術(たとえば、下記特許文献1を参照。)や、時計回り方向及び反時計回り方向への回転操作を検知し、時計回り方向には現在の入力モードで入力できる各文字を、反時計回り方向には文字種別選択のための複数の入力モードを設定するようにした技術(たとえば、下記特許文献2を参照。)などがあった。
【0004】
また、従来、たとえば、選択された、複数表示された入力候補の中から一つの入力候補が選択されると、当該選択された入力候補が確定される前に当該選択された入力候補に関連する入力候補(サブガイド)を当該選択された入力候補の近傍にさらに表示するようにした技術があった。
【0005】
具体的には、従来、たとえば、派生文字(小文字、濁音、半濁音文字等)を有する文字が指示されると、その周辺にあるキーを派生文字入力用ボタンに変更するようにした技術(たとえば、下記特許文献3を参照。)や、複数の文字が割り当てられた仮想キーを表示し、そこから割り当てられた文字の1つが選択されると、選択された文字に関連した複数の候補単語を仮想キーの近傍に表示するようにした技術(たとえば、下記特許文献4を参照。)、タッチセンサー面上のペンまたは指によりタップとストローク及びその組合せを使用することにより文字入力を行うようにした技術(たとえば、下記特許文献5を参照。)などがあった。
【0006】
上記のような入力方法は、ハードウエアによって実現されるキーボードに対する操作によっておこなっていた文字入力を、ソフトウエアによる処理によって実現するソフトウエアキーボードによって実現することができる。ソフトウエアキーボードに関しては、従来、たとえば、タッチスクリーン上でスクロール操作を行うことにより、キーボードの種類を切り替えるようにした技術(たとえば、下記特許文献6を参照。)や、複数の指をタッチパネル画面に同時に接触させて、それらの軌跡パターンをジェスチャとして利用することにより、複数個のアイコン等のオブジェクトを片手で同時に選択して操作したり、ウィンドウの端を複数個選んで一度に複数の方向にサイズ変更したりするようにした技術(たとえば、下記特許文献7を参照。)などがあった。
【0007】
また、従来、ソフトウエアキーボードにおいては、仮想キーボードの大きさをユーザーごとに調整可能にした技術があった。具体的には、たとえば、オペレータの指サイズを測定し、その指サイズに応じた大きさにキーサイズを設定するようにした技術があった(たとえば、下記特許文献8を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平05−108238号公報
【特許文献2】特開2009−128939号公報
【特許文献3】特開2007−156778号公報
【特許文献4】特開2005−092521号公報
【特許文献5】特開2010−033254号公報
【特許文献6】国際公開第2007/086371号公報
【特許文献7】特開2000−222130号公報
【特許文献8】特開平05−046308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、1つの機種に搭載されているソフトウエアキーボードは、上述した従来の技術を含む従来の技術による入力方式を採用したいずれか1種類のソフトウエアキーボードであるため、ユーザがソフトウエアキーボードの仕様にあわせて入力操作をおこなわなくてはならないという現状があった。このように、使いやすいソフトウエアキーボードの種類はユーザによって異なるにもかかわらず、ソフトウエアキーボードの仕様が機種ごとに画一化されているため、ソフトウエアキーボードや入力方式に対するユーザごとの要望に対応することができていないという問題があった。
【0010】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、機種の違いに左右されることなく、ユーザが所望する方法によって容易に入力操作をおこなうことができる入力装置、入力方法および入力プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる入力装置は、タッチパネルを備えた入力装置であって、前記タッチパネルに複数の領域(以下「第1の領域」という)を表示する表示制御手段と、前記表示制御手段によって表示された複数の前記第1の領域のうちのいずれか一つ(以下「第1の選択領域」という)が接触されたことを検出する第1の検出手段と、前記第1の検出手段によって接触が検出された場合に、当該第1の選択領域に割り当てられた処理を示す複数の新たな領域(以下「第2の領域」という)を前記タッチパネル上に生成するとともに、当該複数の前記第2の領域のうちのいずれか一つが選択候補領域である状態を生成する領域生成手段と、前記第1の検出手段によって前記第1の選択領域への新たな接触が検出されるごとに、前記第2の領域のうち前記選択候補領域とは別の第2の領域のいずれか一つが新たな選択候補領域である状態を順次切り替える切替制御手段と、前記第2の領域のうちのいずれか一つ(以下「第2の選択領域」という)が接触されたこと(以下「第1の操作」という)、前記第1の選択領域において検出された接触が移動して前記第2の選択領域に進入したこと(以下「第2の操作」という)、または、前記第1の操作または前記第2の操作以外の所定の操作(以下「第3の操作」という)のいずれかを検出する第2の検出手段と、前記第2の検出手段によって、前記第1の操作または前記第2の操作が検出された場合に、前記第2の選択領域に示された処理を実行するとともに、前記第2の検出手段によって前記第3の操作が検出された場合に、前記選択候補領域に示された処理を実行する処理実行手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる入力装置は、上記の発明において、各前記第2の領域が、前記第1の領域から等距離となるように生成されることを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる入力装置は、上記の発明において、各前記第2の領域が、前記タッチパネルの表示画面における前記第1の領域の上側に生成されることを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる入力装置は、上記の発明において、前記第1の領域が五十音の各行の内容または「あ」段を示す領域であり、前記第2の領域が前記各行を構成するかな文字を示す領域であることを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかる入力装置は、上記の発明において、前記表示制御手段が、前記第1の検出手段によって接触が検出されてから所定時間後に、前記領域生成手段によって生成された前記第2の領域を表示することを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかる入力方法は、タッチパネルを用いた入力方法であって、前記タッチパネルに複数の領域(以下「第1の領域」という)を表示する第1の表示工程と、前記第1の表示工程によって表示された複数の前記第1の領域のうちのいずれか一つ(以下「第1の選択領域」という)が接触されたことを検出する第1の検出工程と、前記第1の検出工程によって接触が検出された場合に、当該第1の選択領域に割り当てられた処理を示す複数の新たな領域(以下「第2の領域」という)を前記タッチパネル上に生成するとともに、当該複数の前記第2の領域のうちのいずれか一つが選択候補領域である状態を生成する領域生成工程と、前記第1の検出工程によって前記第1の選択領域への新たな接触が検出されるごとに、前記第2の領域のうち前記選択候補領域とは別の第2の領域のいずれか一つが新たな選択候補領域である状態を順次切り替える切替工程と、前記第2の領域のうちのいずれか一つ(以下「第2の選択領域」という)が接触されたこと(以下「第1の操作」という)、前記第1の選択領域において検出された接触が移動して前記第2の選択領域に進入したこと(以下「第2の操作」という)、または、前記第1の操作または前記第2の操作以外の所定の操作(以下「第3の操作」という)のいずれかを検出する第2の検出工程と、前記第2の検出工程によって、前記第1の操作または前記第2の操作が検出された場合に、前記第2の選択領域に示された処理を実行するとともに、前記第2の検出工程によって前記第3の操作が検出された場合に、前記選択候補領域に示された処理を実行する処理実行工程と、を含んだことを特徴とする。
【0017】
また、この発明にかかる入力プログラムは、タッチパネルを備えた情報処理装置に実行させる入力プログラムであって、前記タッチパネルに複数の領域(以下「第1の領域」という)を表示する第1の表示工程と、前記第1の表示工程によって表示された複数の前記第1の領域のうちのいずれか一つ(以下「第1の選択領域」という)が接触されたことを検出する第1の検出工程と、前記第1の検出工程によって接触が検出された場合に、当該第1の選択領域に割り当てられた処理を示す複数の新たな領域(以下「第2の領域」という)を前記タッチパネル上に生成するとともに、当該複数の前記第2の領域のうちのいずれか一つが選択候補領域である状態を生成する領域生成工程と、前記第1の検出工程によって前記第1の選択領域への新たな接触が検出されるごとに、前記第2の領域のうち前記選択候補領域とは別の第2の領域のいずれか一つが新たな選択候補領域である状態を順次切り替える切替工程と、前記第2の領域のうちのいずれか一つ(以下「第2の選択領域」という)が接触されたこと(以下「第1の操作」という)、前記第1の選択領域において検出された接触が移動して前記第2の選択領域に進入したこと(以下「第2の操作」という)、または、前記第1の操作または前記第2の操作以外の所定の操作(以下「第3の操作」という)のいずれかを検出する第2の検出工程と、前記第2の検出工程によって、前記第1の操作または前記第2の操作が検出された場合に、前記第2の選択領域に示された処理を実行するとともに、前記第2の検出工程によって前記第3の操作が検出された場合に、前記選択候補領域に示された処理を実行する処理実行工程と、を含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
この発明にかかる入力装置、入力方法および入力プログラムによれば、煩雑な切り替え操作をおこなうことなく、ユーザが所望する方法によって入力操作をおこなうことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明にかかる実施の形態の入力装置の外観を示す説明図である。
【図2】この発明にかかる実施の形態の入力装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図3】この発明にかかる実施の形態の入力装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図4−1】この発明にかかる実施の形態の入力装置が実行する入力処理の概要を示す説明図(その1)である。
【図4−2】この発明にかかる実施の形態の入力装置が実行する入力処理の概要を示す説明図(その2)である。
【図4−3】この発明にかかる実施の形態の入力装置が実行する入力処理の概要を示す説明図(その3)である。
【図5−1】この発明にかかる実施の形態の入力装置の入力方法例のうちマルチタップによる入力方法例を示す説明図(その1)である。
【図5−2】この発明にかかる実施の形態の入力装置の入力方法例のうちマルチタップによる入力方法例を示す説明図(その2)である。
【図6−1】この発明にかかる実施の形態の入力装置の入力方法例のうちツータッチ方式による入力方法例を示す説明図(その1)である。
【図6−2】この発明にかかる実施の形態の入力装置の入力方法例のうちツータッチ方式による入力方法例を示す説明図(その2)である。
【図7−1】この発明にかかる実施の形態の入力装置の入力方法例のうちジェスチャ方式による入力方法例を示す説明図(その1)である。
【図7−2】この発明にかかる実施の形態の入力装置の入力方法例のうちジェスチャ方式による入力方法例を示す説明図(その2)である。
【図7−3】この発明にかかる実施の形態の入力装置の入力方法例のうちジェスチャ方式による入力方法例を示す説明図(その3)である。
【図8−1】この発明にかかる実施の形態の入力装置における、選択した文字(文字列)のキャンセル方法を示す説明図(その1)である。
【図8−2】この発明にかかる実施の形態の入力装置における、選択した文字(文字列)のキャンセル方法を示す説明図(その2)である。
【図9】この発明にかかる実施の形態の入力装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる入力装置、入力方法および入力プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
(入力装置の外観)
まず、この発明にかかる実施の形態の入力装置の外観について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態の入力装置の外観を示す説明図である。図1において、この発明にかかる実施の携帯の入力装置100は、たとえば、スマートフォンなどの携帯型の端末装置によって実現することができる。
【0022】
入力装置100は、筐体101を備えている。筐体101の一面側には、タッチパネル102が設けられている。タッチパネル102は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置と、タッチパッドなどと称される位置入力装置100と、を組み合わせて構成されている。筐体101には、各種の操作キー103が設けられている。操作キー103は、たとえば、筐体101の一面側において、ディスプレイの近傍に設けることができる。また、操作キー103は、たとえば、筐体101の側面に設けられていてもよい。
【0023】
(入力装置100のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の入力装置100のハードウエア構成について説明する。図2は、この発明にかかる実施の形態の入力装置100のハードウエア構成を示すブロック図である。
【0024】
図2において、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、メモリ204と、操作キー103と、タッチパネル102と、通信I/F205と、マイク206と、スピーカ207と、を備えている。入力装置100が備える各構成部102、103、201〜207は、バス210によってそれぞれ接続されている。
【0025】
CPU201は、入力装置100全体の制御をつかさどる。ROM202は、ブートプログラムやOS(オペレーティングシステム)などの各種プログラムを記憶している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。CPU201は、RAM203をワークエリアとして使用しながら、ROM202に記録された各種プログラムを実行することによって、入力装置100の全体の制御をつかさどる。操作キー103は、操作されたキーに応じた信号を出力する。
【0026】
メモリ204は、CPU201の制御によって記録されたデータを保持する。メモリ204は、入力装置100の電源がOFFの状態であっても、記録されたデータを保持する。メモリ204は、たとえば、ユーザ設定情報を記憶する。ユーザ設定情報は、あらかじめユーザによって当該ユーザの任意のタイミングで設定される。ユーザ設定情報については後述する。
【0027】
また、メモリ204は、たとえば、後述する各領域に割り当てられた所定の処理に関する情報を記憶する。所定の処理は、たとえば、文字や文字列などによって構成される新しい領域を展開する処理によって実現することができる。また、所定の処理は、たとえば、特定の機能を起動する処理によって実現することができる。
【0028】
タッチパネル102は、表示装置と位置入力装置100とを備えている。表示装置は、位置入力装置100に対する入力操作や操作キー103に対する操作に応じて各種の表示画面を表示する。タッチパネル102は、位置入力装置100に対する入力位置を表示装置に表示した情報によって案内する。
【0029】
タッチパネル102に対する入力操作による指示内容は、表示装置に表示される情報に応じて異なる。入力装置100は、タッチパネル102に対する入力操作位置が同じであっても、表示装置における表示内容に応じて異なる処理を実行する。タッチパネル102は、たとえば指やペンなどの筆記部材が接触したことを検出した場合に、タッチパネル102に対する筆記部材の接触位置に応じた電気信号を出力する。
【0030】
また、タッチパネル102は、タッチパネル102に対する筆記部材の接触が解除された場合は、信号の出力を停止する。あるいは、タッチパネル102は、タッチパネル102に対する筆記部材の接触が解除された場合に、タッチパネル102に対する筆記部材の接触がないことを示す信号を出力してもよい。
【0031】
タッチパネル102は、抵抗膜方式、静電容量方式、電磁誘導方式、表面弾性波方式など公知の各種の方式によってタッチパネル102に対する筆記部材の接触位置を検出し、検出した接触位置に応じた電気信号を、CPU201に対して出力する。電磁誘導方式を採用する場合、電子ペンなどと称される専用の筆記部材を用いる。
【0032】
通信I/F205は、インターネットなどのネットワークに接続され、ネットワークを介して外部装置との間で通信をおこなう。通信I/F205は、ネットワークと入力装置100の内部とのインターフェースをつかさどり、ネットワークを介して接続された外部装置と入力装置100との間におけるデータの入出力を制御する。
【0033】
また、通信I/F205は、携帯電話網や公衆交換電話網などの電話回線ネットワークに接続され、電話回線ネットワークを介して他の入力装置100や携帯型電話機、固定型電話機などとの間で音声による通信をおこなってもよい。マイク206は、話者の声の入力を受け付け、アナログデータとして入力された話者の声をアナログ/デジタル変換し、デジタル形式の音声データを生成する。
【0034】
スピーカ207は、通話相手側から送信されたデジタル形式の音声データをデジタル/アナログ変換し、アナログ形式の音声データに基づいてスピーカコーンにおけるコイルに通電するなどして音声を出力する。また、スピーカ207は、たとえば、誤操作がおこなわれたことを報知する警告音を出力する。
【0035】
入力装置100は、図示を省略するカメラを備えていてもよい。カメラは、タッチパネル102や操作キー103に対する入力操作によって撮像対象を撮像し、画像データを生成する。生成された画像データは、RAM203などに記憶される。この場合、撮影によって生成された画像データを、通信I/F205を介して他の入力装置100などに送信することができる。
【0036】
(入力装置100の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の入力装置100の機能的構成について説明する。図3は、この発明にかかる実施の形態の入力装置100の機能的構成を示すブロック図である。図3において、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、表示制御部301と、記憶部302と、第1の検出部303と、領域生成部304と、切替制御部305と、第2の検出部306と、処理実行部307と、を備えている。この発明にかかる実施の形態の入力装置100において、第1の検出部303、領域生成部304、切替制御部305、第2の検出部306および処理実行部307は、入力装置100が備える各構成部102、103、201〜207によってその機能を実現することができる。
【0037】
表示制御部301は、タッチパネル102に複数の領域(以下「第1の領域」という)を表示する(図4−1を参照)。表示制御部301は、記憶部302に記憶された情報に基づいて、第1の領域を表示する。記憶部302は、各領域に割り当てられた処理やユーザ設定情報などを不揮発に記憶する。各領域には、文字や文字列などによって構成される新しい領域を展開する処理や、所定の機能を実行する処理などが割り当てられている。
【0038】
第1の領域は、たとえば五十音の各行の内容または「あ」段を示す領域とすることができる。具体的には、第1の領域は、たとえば、「あいうえお」、「かきくけこ」、「さしすせそ」、・・・などのような五十音の各行の内容を示す領域とすることができる。また、具体的には、第1の領域は、たとえば、「あ」、「か」、「さ」、・・・などのように、「あ」段を示す領域であってもよい。
【0039】
第1の検出部303は、表示制御部301によって表示された複数の第1の領域のうちのいずれか一つが接触されたことを検出する(図4−1を参照)。複数の第1の領域には、それぞれ、所定の処理が割り当てられている。第1の領域に割り当てられた所定の処理は、たとえば、文字や文字列などによって構成される新しい領域をタッチパネル102上に生成(展開)する処理によって実現することができる。具体的には、所定の処理は、たとえば、複数の第1の領域のうち接触されたことが検出された第1の領域(以下「第1の選択領域」という)に関連した文字や文字列などの候補を示す領域をタッチパネル102上に生成(展開)する処理とすることができる。
【0040】
領域生成部304は、第1の検出部303によって接触が検出された場合に、第1の選択領域に割り当てられた処理を示す複数の新たな領域(以下「第2の領域」という)をタッチパネル102上に生成(展開)するとともに、当該複数の第2の領域のうちのいずれか一つが選択候補領域(第2の選択領域)である状態を生成する(図4−2を参照)。領域生成部304は、記憶部302に記憶されている情報に基づいて、第2の領域をタッチパネル102上に生成するとともに、当該複数の第2の領域のうちのいずれか一つが第2の選択領域である状態を生成する。
【0041】
各第2の領域は、たとえば、第1の選択領域から等距離となるように生成される。これによって、たとえばユーザの手の親指で操作する場合に、選択対象とする第2の領域によって操作性が劣ることを抑制し、いずれの第2の領域に対しても同程度の操作性を確保することができる。
【0042】
また、各第2の領域は、たとえば、ユーザ設定情報に基づいて、ユーザが右利きであるか左利きであるかに応じて、タッチパネル102における位置が異なるように生成されるものであってもよい。具体的には、たとえば、ユーザが右利きである場合、第1の領域から等距離であって、第1の領域を中心とする円周に沿って当該第1の領域の左側に円弧状に、各第2の領域を生成する。また、具体的には、たとえば、ユーザが左利きである場合、第1の領域から等距離であって、第1の領域を中心とする円周に沿って当該第1の領域の右側に円弧状に、各第2の領域を生成する。
【0043】
これによって、右手の親指によって操作する場合も左手の親指によって操作する場合も良好な操作性を確保することができる。このように、ユーザ設定情報に基づいて第2の領域を生成する場所を調整することにより、ユーザに応じて、より高い操作性を確保することができる。
【0044】
また、各第2の領域は、たとえば、タッチパネル102の表示画面における第1の領域の上側に生成される。第2の領域は、たとえば五十音の各行の内容または「あ」段を示す領域によって第1の領域が実現される場合に、各行を構成するかな文字を示す領域によって実現することができる。具体的には、領域生成部304は、たとえば、五十音の「あ」段を示す領域(第1の領域)において「か」を示す領域への接触が検出された場合、「か」を示す領域(第1の選択領域)に割り当てられた処理を実行し、「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す新たな領域を複数の第2の領域として生成する。
【0045】
また、領域生成部304は、たとえば、生成した第2の領域を、タッチパネル102に表示してもよい。この場合、タッチパネル102に表示された第2の領域のうち、選択候補となっている第2の領域(選択候補領域すなわち第2の選択領域)を強調した表示をおこなってもよい。選択候補領域すなわち第2の選択領域は、たとえば、第2の選択領域以外の第2の領域とは異なる色や大きさで表示することによって強調することができる。また、選択候補領域すなわち第2の選択領域は、たとえば、第2の選択領域以外の第2の領域に表示される文字のフォントとは異なるフォントの文字を表示することによって強調されるものであってもよい。
【0046】
領域生成部304は、生成した第2の領域をタッチパネル102に表示するものに限らない。領域生成部304は、生成した第2の領域をタッチパネル102に表示せず、第2の領域をタッチパネル102上に生成(展開)するとともに当該複数の第2の領域のうちのいずれか一つが選択候補領域すなわち第2の選択領域である状態をタッチパネル102上に生成するものであってもよい。
【0047】
上記の表示制御部301は、第1の検出部303によって接触が検出されてから所定時間後に、領域生成部304によって生成された第2の領域を表示するものであってもよい。この場合、第2の領域は、第1の検出部303によって接触が検出されてから入力装置100の各ユーザによって任意に設定された所定時間が経過した後に表示される。
【0048】
第1の検出部303によって接触が検出されてから第2の領域を表示するまでの時間が経過する前に、第1の検出部303によってつぎの接触が検出された場合、先の接触による第1の選択領域に対応する第2の領域を表示せずに、つぎの接触による第1の選択領域に対応する第2の領域を生成(展開)する。所定時間は、入力装置100の製造時に一意に定められた時間とすることができる。
【0049】
また、所定時間は、たとえばユーザ設定情報に基づいて特定される任意に設定可能な時間であってもよい。第1の検出部303によって接触が検出されてから第2の領域を表示するまでの時間をユーザの任意に設定可能とすることによって、ユーザごとに使いやすい仕様の入力装置100を実現することができる。
【0050】
表示制御部301によって第1の検出部303によって接触が検出されてから所定時間後に、領域生成部304によって生成された第2の領域を表示するようにした場合、第1の検出部303によって第1の選択領域が検出された時点において複数の第2の領域を生成するとともに当該複数の第2の領域のうちのいずれか一つが第2の選択領域である状態を生成し、その後、所定時間が経過してから第2の領域を表示する。これによって、タッチパネル102に第2の領域が表示されていない状態であっても、第2の領域の中のいずれか一つを選択することができる。
【0051】
切替制御部305は、第1の検出部303によって第1の選択領域への新たな接触が検出されるごとに、第2の領域のうち選択候補領域(第2の選択領域)とは別の第2の領域のいずれか一つが新たな選択候補領域(第2の選択領域)である状態を順次切り替える。切替制御部305は、記憶部302に記憶されている情報に基づいて、状態を切り替える。この実施の形態においては、切替制御部305による状態の切り替えをおこなわせる操作を「マルチタップ」操作として説明する。
【0052】
切替制御部305は、五十音の「あ」段を示す複数の第1の領域における「か」を示す第1の領域への接触が検出されることによって当該「か」を示す第1の領域(第1の選択領域)の周辺に「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域を生成(展開)している状態において、さらに第1の領域の中の「か」を示す領域(第1の領域)への接触が検出された場合に、第2の領域における新たな選択候補領域が「か」→「き」→「く」→「け」→「こ」→「か」・・・というように切り替わるように、第2の領域のいずれか一つが新たな選択候補領域である状態を順次切り替える。
【0053】
第2の検出部306は、第2の領域のうちのいずれか一つ(以下「第2の選択領域」という)が接触されたこと(以下「第1の操作」という)、前記第1の選択領域において検出された接触が移動して前記第2の選択領域に進入したこと(以下「第2の操作」という)、または、第1の操作または第2の操作以外の所定の操作(以下「第3の操作」という)のいずれかを検出する。
【0054】
たとえば、五十音の「あ」段を示す複数の第1の領域における「か」を示す第1の領域への接触が検出されることによって当該「か」を示す第1の領域(第1の選択領域)の周辺に「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域を生成(展開)している状態において、「き」を示す第2の領域(第2の選択領域)が接触されたことを検出した場合に、第1の操作がおこなわれたと検出することができる。この実施の形態においては、適宜、第1の操作を「ツータッチ」操作として説明する。
【0055】
また、たとえば、五十音の「あ」段を示す複数の第1の領域における「か」を示す第1の領域への接触が検出されることによって当該「か」を示す第1の領域(第1の選択領域)の周辺に「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域を生成(展開)している状態において、接触が検出される位置が第1の領域における「か」の位置(第1の選択領域)から移動して第2の領域における「き」の位置(第2の選択領域)に進入し、「き」の位置(第2の選択領域)で接触が検出されなくなった(解除された)ことを検出した場合に、第2の操作がおこなわれたと検出することができる。
【0056】
または、たとえば、五十音の「あ」段を示す複数の第1の領域における「か」を示す第1の領域への接触が検出されることによって当該「か」を示す第1の領域(第1の選択領域)の周辺に「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域を生成(展開)している状態において、接触が検出される位置が第1の選択領域における「か」の位置から移動して第2の領域における「き」の位置(第2の選択領域)に進入し、その後当該第2の選択領域を通過(経由)して当該第2の選択領域の外側に移動したことを検出した場合(すなわち、接触が検出される位置が第2の選択領域を通過した場合)に、第2の操作がおこなわれたと検出するようにしてもよい。
【0057】
そして、この場合、たとえば、五十音の「あ」段を示す複数の第1の領域における「か」を示す第1の領域への接触が検出されることによって当該「か」を示す第1の領域(第1の選択領域)の周辺に「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域を生成(展開)している状態において、接触が検出される位置が第1の選択領域における「か」の位置から第2の領域における「き」の位置(第2の選択領域)に進入した後当該「き」の位置(第2の選択領域)で接触が検出されなくなった(解除された)場合は「き」を入力するとともに、「き」の位置(第2の選択領域)に進入した後当該第2の選択領域を通過して当該第2の選択領域の外側に移動したことを検出した場合は「き」を示す第2の領域を選択候補領域とするようにしてもよい。「き」を示す第2の領域を選択候補領域とした場合は、当該「き」を示す第2の領域に割り当てられた処理を実行する。
【0058】
これによって、接触が検出される位置が、同じように、第2の領域における「き」の位置(第2の選択領域)の外側から当該「き」の位置(第2の選択領域)に進入した場合にも、接触が検出されなくなった(解除された)位置に応じて、第2の領域が示す文字を入力したり、選択候補領域としたりすることができる。
【0059】
第2の操作は、複数の第1の領域における「か」を示す第1の領域(第1の選択領域)から第2の領域における「き」の位置(第2の選択領域)に進入したことを検出した場合のみに検出されるものではない。たとえば、複数の第2の領域を生成(展開)している状態において、タッチパネル102に対する接触位置が、第2の選択領域(たとえば「き」の位置)に任意の方向から進入したことが検出された場合に、当該第2の選択領域(たとえば「き」の位置)が第2の操作によって選択されたことを検出するものであってもよい。これにより、指などによる接触位置が、第2の選択領域(たとえば「き」の位置)に対して、いずれの方向から進入した場合にも、第2の操作によって選択された第2の選択領域が示す文字(たとえば「き」)を入力したり選択候補領域としたりすることができる。この実施の形態においては、適宜、第2の操作を「ジェスチャ」操作として説明する。
【0060】
また、たとえば、五十音の「あ」段を示す複数の第1の領域における「か」を示す第1の領域への接触が検出されることによって当該「か」を示す第1の領域(第1の選択領域)の周辺に「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域を生成(展開)している状態において、「か」を示す第1の領域(第1の選択領域)がふたたび接触されたことを検出した場合に、マルチタップ操作がおこなわれたと検出することができる。
【0061】
また、この実施の形態においては、「ツータッチ」操作および「ジェスチャ」操作以外の操作を第3の操作として説明する。また、第3の操作は、「マルチタップ」操作以外の操作とされている。具体的には、第3の操作は、たとえば、選択候補領域を確定する確定キーの操作などによって実現することができる。
【0062】
処理実行部307は、第2の検出部306によって、第1の操作または第2の操作が検出された場合に、第2の選択領域に示された処理を実行するとともに、第2の検出部306によって第3の操作が検出された場合に、選択候補領域(第2の選択領域)に示された処理を実行する。処理実行部307は、記憶部302に記憶されている情報に基づいて、該当する各種の処理を実行する。
【0063】
処理実行部307は、たとえば、五十音の「あ」段を示す複数の第1の領域における「か」を示す第1の領域への接触が検出されることによって当該「か」を示す第1の領域(第1の選択領域)の周辺に「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域を生成(展開)している状態において、複数の第2の領域における「き」を示す第2の領域を第2の選択領域として選択する第1の操作または第2の操作が検出された場合に、「き」を示す第2の領域に割り当てられた処理を実行する。具体的には、たとえば、「き」の文字を入力する。入力される文字は、たとえば、入力された文字を表示する、タッチパネル102上の所定の位置に表示される。
【0064】
また、処理実行部307は、たとえば、五十音の「あ」段を示す複数の第1の領域における「か」を示す第1の領域への接触が検出されることによって当該「か」を示す第1の領域(第1の選択領域)の周辺に「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域を生成(展開)し、「か」を示す第2の領域が選択候補領域となっている状態において、ふたたび第1の選択領域における「か」の位置における接触が検出された場合には「き」を示す第2の領域を新たな選択候補領域とし、さらに所定の確定操作が検出されたときに、「き」を示す第2の領域に割り当てられた処理を実行する。
【0065】
(入力処理の概要)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の入力装置100が表示する入力処理の概要について説明する。図4−1、図4−2および図4−3は、この発明にかかる実施の形態の入力装置100が実行する入力処理の概要を示す説明図である。
【0066】
図4−1においては、タッチパネル102に、第1の領域410が表示されている状態を示している。第1の領域410は、タッチパネル102において同時に複数表示されている。図4−1において、タッチパネル102に表示された複数の第1の領域410のうち、いずれか一つの第1の領域410(図4−1においては上段中央に位置する第1の領域410)が接触されたことが検出された場合、接触が検出された第1の領域410によって第1の選択領域411が実現される。
【0067】
入力装置100は、複数の第1の領域410のうちいずれか一つの第1の領域410が接触されたことを検出した場合に、当該いずれか一つの第1の領域410である第1の選択領域411に割り当てられた所定の処理を実行する。図4−2においては、第1の選択領域411に割り当てられた所定の処理として、複数の第2の領域420を第1の選択領域411の周辺に生成(展開)する処理を実行した状態を示している。
【0068】
また、複数の第1の領域410のうちいずれか一つの第1の領域410が接触されたことを検出した場合に、当該いずれか一つの第1の領域410である第1の選択領域411に割り当てられた所定の処理として、複数の第2の領域420のうちのいずれか一つが選択候補領域(第2の選択領域421)である状態を生成(展開)する。複数の第2の領域420は、第1の選択領域411の周辺に生成される。また、複数の第2の領域420は、第1の選択領域411の上側に生成(展開)される。第2の領域420は、上側に生成(展開)されるものに限らず、第1の選択領域411の下側に生成(展開)されるものであってもよい。
【0069】
図4−2においては、複数の第2の領域420が可視化された(表示された)状態が示されているが、複数の第2の領域420は可視化されているものに限らず、可視化されていない状態が生成(展開)されるものであってもよい。また、複数の第2の領域420のうち選択候補領域(第2の選択領域421)となるいずれか一つの第2の領域420は可視化されているものに限らず、可視化されていない状態が生成(展開)されるものであってもよい。このとき、表示画面上の入力中文字(未確定文字)や入力中文字列(未確定文字列)によって選択候補領域(第2の選択領域421)を確認することができる。
【0070】
図4−2に示すように、複数の第2の領域420を第1の選択領域411の周辺に生成(展開)した状態において、第1の選択領域411への新たな接触が検出された場合、新たに接触が検出された第1の選択領域411に割り当てられた所定の処理として、複数の第2の領域420を新たに第1の選択領域411の周辺に生成(展開)する処理を実行する。たとえば、「か」を示す第1の領域410によって第1の選択領域411が実現され、この「か」を示す第1の選択領域411の周辺に「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域420を生成(展開)している状態において、「さ」を示す第1の領域410への接触が検出された場合、「さ」を示す第1の領域410域の周辺に「さ」、「し」、「す」、「せ」、「そ」を示す第2の領域420を生成(展開)する処理を実行する。
【0071】
また、複数の第2の領域420を第1の選択領域411の周辺に生成(展開)した状態において、第1の選択領域411および第2の領域420以外の場所への接触が検出された場合、第1の選択領域411の周辺に生成(展開)した第2の領域420をたたむ(閉じる)ようにしてもよい。
【0072】
また、図4−2に示すように、複数の第2の領域420を第1の選択領域411の周辺に生成(展開)した状態において、新たに接触が検出された第1の選択領域411が、直前の第1の選択領域411と同じである場合、選択候補領域(第2の選択領域421)の生成(展開)内容を切り替えるようにしてもよい。
【0073】
たとえば、「か」を示す第1の領域410によって実現される第1の選択領域411への接触が検出されることによって当該第1の選択領域411の周辺に「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域420を生成(展開)している状態において、ふたたび、「か」を示す第1の領域410への接触が検出されることによって直前の第1の選択領域411と同じ第1の選択領域411が選択された場合、当該第1の選択領域411の周辺に生成(展開)された「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」のうち選択候補領域(第2の選択領域421)となる第2の領域420を切り替える処理を実行する。
【0074】
図4−3においては、第1の選択領域411の周辺に生成(展開)された複数の第2の領域420のうち、いずれか一つの第2の領域420が選択候補領域(第2の選択領域421)として選択された状態を示している。図4−3において、第1の選択領域411の周辺に生成(展開)された複数の第2の領域420のうち、いずれか一つの第2の領域420が選択候補領域(第2の選択領域421)として選択された場合、選択された選択候補領域(第2の選択領域421)に割り当てられた処理が実行される。
【0075】
このように、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、生成(展開)された領域をさらに選択すると、さらに当該選択された領域に割り当てられた所定の処理が順次実行される。図4−3においては、第2の選択領域421の周辺に、第2の選択領域421に割り当てられた文字(または文字列)を示す領域(第3の領域)430が展開された状態を示している。図4−3において、符号431は、領域430のうちで選択候補とされている領域を示す。
【0076】
(入力方法例/マルチタップ入力)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の入力装置100の入力方法例について説明する。図5−1および図5−2は、この発明にかかる実施の形態の入力装置100の入力方法例のうちマルチタップによる入力方法例を示す説明図である。
【0077】
図5−1および図5−2において、マルチタップ方式による入力(マルチタップ入力)は、同一の領域を複数回タップすることによって1つの文字を入力(選択)する方法であって、同一の領域において複数回の接触が繰り返して検出された場合におこなわれる。具体的には、たとえば、第1の領域410において「か」を示す第1の領域410によって第1の選択領域411が実現される状態において、当該第1の選択領域411への接触が複数回繰り返して検出された場合、第2の領域420における選択候補領域(第2の選択領域421)を「か」→「き」→「く」→「け」→「こ」→「か」・・・というように順次切り替える。
【0078】
そして、たとえば第2の領域420において「か」が選択候補領域(第2の選択領域421)とされた状態で、つづいて第1の領域410における「さ」を示す領域への接触が複数回繰り返して検出された場合、「か」を確定する。この場合、「さ」を示す領域を新たな選択領域411とし、「さ」、「し」、「す」、「せ」、「そ」を示す第2の領域420を生成(展開)してもよい。さらに、「さ」を示す領域を新たな選択領域411とした状態で、当該「さ」を示す領域への接触が複数回繰り返して検出された場合、第2の領域420における選択候補領域(第2の選択領域421)を、「さ」→「し」→「す」→「せ」→「そ」→「さ」・・・というように順次切り替えてもよい。
【0079】
また、マルチタップによる入力に際しては、たとえば、第1の領域410において「か」を示す第1の領域410によって第1の選択領域411が実現される状態において、当該第1の選択領域411への接触が検出されたために「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域420を既に生成(展開)している状態で、さらに同じ第1の選択領域411(この場合は、「か」を示す第1の領域410)への接触が検出された場合、第2の領域420における選択候補領域(第2の選択領域421)を「か」→「き」→「く」→「け」→「こ」→「か」・・・というように順次切り替える。
【0080】
マルチタップによる入力に際しては、選択された候補の確定方法は、第1の選択領域411および第2の領域420以外の領域が接触されたときに限るものではない。たとえば、「選択候補領域である状態が一定時間続いた場合」、「右カーソルキー(特定の領域)の接触が検出された場合」などに選択された候補を確定するようにしてもよい。また、たとえば、「端末に振動が加わったとき」に選択された候補を確定するようにしてもよい。
【0081】
(入力方法例/ツータッチ入力)
図6−1および図6−2は、この発明にかかる実施の形態の入力装置100の入力方法例のうちツータッチ方式による入力方法例を示す説明図である。図6−1および図6−2において、ツータッチ方式による入力(ツータッチ入力)は、2回のタップで1つの文字を入力(確定)する方法であって、複数の文字が割り付けられたキーをタップした後、割り付けられた複数のキーから入力したキーを選択することによっておこなわれる。
【0082】
具体的には、たとえば、第1の領域410において「か」を示す第1の領域410によって第1の選択領域411が実現される状態において、当該第1の選択領域411の周辺に「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域420を生成(展開)する(図6−1を参照)。そして、第1の選択領域411(この場合は、「か」を示す第1の領域410)の周辺に展開された「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域420のうち、接触が検出された第2の領域420が示す文字の領域を第2の選択領域421とし、当該文字を入力(確定)する(図6−2を参照)。
【0083】
(入力方法例/ジェスチャ入力)
図7−1、図7−2および図7−3は、この発明にかかる実施の形態の入力装置100の入力方法例のうちジェスチャ方式による入力方法例を示す説明図である。図7−1、図7−2および図7−3において、ジェスチャ方式による入力(ジェスチャ入力)は、タッチパネル102上で指などをドラッグすることにより文字を入力する方法であって、指が領域上を通過したときに、当該指が通過した領域が選択されたと判断し、指が離れたときの領域の1つの文字を入力(確定)することによっておこなわれる。
【0084】
具体的には、たとえば、第1の領域410において「か」を示す第1の領域410によって第1の選択領域411が実現される状態において、当該第1の選択領域411への接触が検出された場合(図7−1を参照)、第1の選択領域411(この場合は、「か」を示す第1の領域410)の周辺に「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域420を生成(展開)する(図7−2を参照)。そして、第1の選択領域411(この場合は、「か」を示す第1の領域410)において検出された接触が、当該「か」を示す領域411の周辺に生成(展開)された「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域420のうちのいずれかにドラッグされ、これらの第2の領域420のうちのいずれかの第2の領域420の位置で接触が解除された場合、接触が解除された位置における第2の領域420(第2の選択領域421)が示す文字を入力(確定)する(図7−3を参照)。
【0085】
また、たとえば、ジェスチャ方式の場合、複数の第2の領域410のうち接触位置が通過することによって選択された第2の選択領域411に対応する複数の第3の領域430が生成(展開)され、複数の第3の領域430の領域のうち接触が解除された位置に生成(展開)されている第3の領域431が示す文字または文字列を入力(確定)することができる。このような操作方法によって入力候補を選択し、選択した入力候補を確定することにより、指をタッチパネル102から離さずに文字または文字列を入力することができる。
【0086】
第1の選択領域411の周辺に生成(展開)する第2の領域420、第2の選択領域421の周辺に生成(展開)する第3の領域430などの各領域は、下位の階層と同位の階層における領域の上に重ねて生成(展開)する。これによって、スマートフォンなどの携帯型の端末装置によって入力装置100を実現する場合にも、限られた大きさのタッチパネル102を効率よく活用することができる。
【0087】
この場合、重ねて生成(展開)する各領域は、直下位の階層における選択領域には重ならないように生成(展開)する。具体的には、たとえば第1の領域410において「か」を示す領域が第1の選択領域411とされた場合、当該第1の選択領域411に割り当てられた処理を実行することによって生成(展開)された「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す各第2の領域420は、第1の選択領域411である「か」を示す領域に重ならないように生成(展開)する。
【0088】
(選択した文字(文字列)のキャンセル)
つぎに、選択した文字(文字列)のキャンセル方法について説明する。図8−1および図8−2は、この発明にかかる実施の形態の入力装置100における、選択した文字(文字列)のキャンセル方法を示す説明図である。
【0089】
図8−1および図8−2において、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、上記の方法によって選択した文字(文字列)をキャンセルすることができる。選択した文字(文字列)のキャンセルは、選択された文字(文字列)が確定される前での任意のタイミングでおこなうことができる。
【0090】
図8−1において、第1の領域410において「か」を示す領域が第1の選択領域411として選択され、第2の領域420において「か」を示す領域が第2の選択領域421として選択され、第2の選択領域421に関連する第3の領域430として「下記の」、「確認」、「関して」、「カタログ」という文字列が生成(展開)された状態で、「下記の」という文字列が選択された場合、当該「下記の」という文字列に関連する文字列として「件について」、「様に」、「項目を」などの文字列が第4の領域810として生成(展開)される。
【0091】
この状態において、選択した項目をキャンセルする場合、直下位の階層における領域をタップするなどして選択する。具体的には、たとえば、図8−1および図8−2の例においては、「下記の」という文字列を選択した後に、直下位の階層における「か」を示す領域421を選択する。
【0092】
上位の階層における領域が選択された後に、直下位の階層における領域が選択された場合、上位の階層において選択されていた領域に割り当てられた処理を実行することによって生成(展開)されていた領域をたたむ(閉じる)ようにしてもよい。具体的には、たとえば、図8−1および図8−2の例においては、「下記の」という文字列を示す領域431を選択した後に、直下位の階層における「か」を示す領域421が選択された場合、「下記の」という文字列および当該文字列と同一階層の文字列を示すために生成(展開)されていた領域810がたたまれる。このようにして、入力(選択)した文字や文字列の確定前であれば、任意の階層まで戻ることができる。
【0093】
上位の階層における領域が選択された後に、直下位の階層における領域を選択する場合、直下位の階層における任意の領域を選択することができる。具体的には、たとえば、図8−1および図8−2の例においては、「下記の」という文字列の選択をキャンセルする場合、直下位の階層における「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」のいずれの領域であっても選択することができる。
【0094】
そして、上位の選択がキャンセルされ、直下位の階層が選択された場合、選択された直下位の階層に割り当てられた処理を実行することによって、ふたたび複数の領域を生成(展開)する。具体的には、たとえば、図8−1および図8−2の例においては、第2の領域420における「か」を示す領域421を第2の選択領域421として選択した後、当該選択をキャンセルして「き」を示す領域が選択された場合、「き」を頭文字とする文字列があらたに生成(展開)される。
【0095】
また、タッチパネル102上に第2の領域420や第3の領域430を生成(展開)している状態において、第1の領域410、第2の領域420および第3の領域430以外の領域への接触を検出した場合は、タッチパネル102上に生成(展開)されて入力中(未確定)の文字を示す第2の領域420や第3の領域430をたたむ(閉じる)ようにしてもよい。
【0096】
(入力装置100の処理手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の入力装置100の処理手順について説明する。図9は、この発明にかかる実施の形態の入力装置100の処理手順を示すフローチャートである。図9のフローチャートにおいて、まず、領域が選択されたか否かを判断する(ステップS901)。
【0097】
ステップS901においては、タッチパネル102に対する接触が検出されたか否かを判断することによって領域が選択されたか否かを判断する。また、ステップS901においては、タッチパネル102に対する接触が検出された時点におけるタッチパネル102の表示内容と、接触が検出された位置(接触位置)と、検出された接触が解除された位置と、を特定し、特定内容に基づいて領域が選択されたか否かを判断する。ステップS901において、領域が選択されていない場合(ステップS901:No)は、領域が選択されるまで待機する。
【0098】
ステップS901において、領域が選択された場合(ステップS901:Yes)は、選択された領域に処理が割り当てられているか否かを判断する(ステップS902)。ステップS902においては、ステップS901:Yesにおいて領域が選択された時点におけるタッチパネル102の表示内容を特定し、特定された表示内容と検出された接触位置とに基づいて選択された領域を特定し、特定された領域に処理が割り当てられているか否かを判断する。選択された領域に処理が割り当てられていない場合(ステップS902:No)は、ステップS909へ移行する。
【0099】
ステップS902において、ステップS901:Yesにおいて選択された領域に処理が割り当てられている場合(ステップS902:Yes)は、あらかじめ記憶されている情報に基づいて、ステップS901:Yesにおいて選択された領域に割り当てられた処理を特定する(ステップS903)。
【0100】
つぎに、ユーザ設定情報を取得する(ステップS904)とともに、残りの画面領域情報を取得する(ステップS905)。ユーザ設定情報は、領域の展開に関する情報であって、ユーザごとに設定される。具体的には、ユーザ設定情報は、たとえば、ユーザの利き手(右利きか左利きか)、ユーザの手の大きさや指の長さなど、ユーザの身体的な情報とすることができる。また、ユーザ設定情報は、たとえば、生成(展開)する領域を表示(可視化)するかどうか、生成(展開)する領域を表示(可視化)する場合はタップされてから表示(可視化)するまでの時間(遅延時間)などを特定する情報とすることができる。ユーザ設定情報は、あらかじめユーザによって当該ユーザの任意のタイミングで設定される。
【0101】
残りの画面領域情報は、候補を生成(展開)する領域を特定可能な情報であって、領域が選択された時点におけるタッチパネル102の表示内容や、タッチパネル102における選択された領域の位置などによって異なる。ステップS904における処理とステップS905における処理とは、実行する順序が逆であってもよい。すなわち、残りの画面領域情報を取得した後に、ユーザ設定情報を取得するようにしてもよい。
【0102】
つぎに、ステップS903において特定された文字、ステップS904において取得されたユーザ設定情報、および、ステップS905において取得された残りの画面領域情報に基づいて、新たな領域を生成(展開)するための情報を生成する(ステップS906)。ステップS906においては、ステップS901:Yesにおいて選択された領域の周辺に生成(展開)する、当該選択された領域に割り当てられた新たな領域を生成(展開)するための情報を生成する。
【0103】
つぎに、ステップS906において生成された新たな領域をタッチパネル102に生成(展開)する(ステップS907)。そして、生成(展開)された新たな領域を含む、タッチパネル102に生成(展開)されている各領域のいずれか一つが確定されたか否かを判断する(ステップS908)。
【0104】
ステップS908においては、ステップS907において生成(展開)された新たな領域の中からいずれか一つの領域が選択されたか否かを判断することによって確定されたか否かを判断する。また、ステップS908においては、それぞれの入力方式に応じた所定の処理(たとえば、確定処理)が検出されたか否かを判断し、それぞれの入力方式に応じた所定の処理が検出された場合に領域を確定する。また、ステップS908においては、ステップS907において生成(展開)された新たな領域のそれぞれが、さらなる領域が割り当てられていない領域である場合に、ステップS908において選択された一つの領域を確定する。
【0105】
ステップS908において、生成(展開)された新たな領域を含む、タッチパネル102に生成(展開)されている各領域のいずれか一つが確定された場合(ステップS908:Yes)は、確定された領域に割り当てられた処理を実行して(ステップS909)、一連の処理を終了する。ステップS909においては、たとえば、文字や文字列などによって構成される新しい領域を生成(展開)する処理を実行する。具体的には、ステップS909においては、たとえば、入力された文字を表示するためにタッチパネル102上の所定の位置に設けられた入力内容表示領域に、確定された領域に割り当てられた文字(または文字列)を表示する処理を実行する。
【0106】
一方、ステップS908において、確定されていない場合(ステップS908:No)は、ステップS901へ移行する。また、ステップS907において生成(展開)された新たな領域の中から選択された一つの領域に、さらなる複数の領域が割り当てられている場合は、ステップS901へ移行する。
【0107】
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、タッチパネル102を備えた入力装置100であって、タッチパネル102に複数の第1の領域410を表示し、表示された複数の第1の領域410のうちのいずれか一つの第1の選択領域411が接触されたことを検出した場合に、当該第1の選択領域411に割り当てられた処理を示す複数の新たな領域である第2の領域420をタッチパネル102上に生成(展開)するとともに、当該複数の第2の領域420のうちのいずれか一つが選択候補領域(第2の選択領域421)である状態を生成(展開)する。
【0108】
そして、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、第1の選択領域411への新たな接触が検出されるごとに、第2の領域420のうち選択候補領域(第2の選択領域421)とは別の第2の領域420のいずれか一つが新たな選択候補領域(第2の選択領域421)である状態を順次切り替える。また、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、第2の領域420のうちのいずれか一つの第2の選択領域421が接触されたことを示す第1の操作、または、第1の選択領域411において検出された接触が移動して第2の選択領域421に進入したことを示す第2の操作が検出された場合に、第2の選択領域421に示された(割り当てられた)処理を実行するとともに、第1の操作または第2の操作以外の所定の操作を示す第3の操作が検出された場合に、選択候補領域(第2の選択領域421)に示された(割り当てられた)処理を実行することを特徴としている。
【0109】
この発明にかかる実施の形態の入力装置100によれば、タッチパネル102に対しておこなわれた、領域の選択にかかる操作(第1の操作、第2の操作または第3の操作)を特定し、特定された操作にしたがって、ユーザに選択された処理のいずれか一つを特定することができる。これによって、ユーザは、煩雑な切り換え操作をおこなうことなく、当該ユーザが所望する方法によって入力操作をおこなうことができる。また、これによって、ユーザは、機種の違いに左右されることなく、ユーザが所望する方法によって容易に入力操作をおこなうことができる。
【0110】
また、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、各第2の領域420が、第1の領域410から等距離となるように生成(展開)されることを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の入力装置100によれば、第1の領域410の中から第1の選択領域411を選択した後、つぎに選択対象となる第2の領域420によって操作性が劣ることを抑制することができ、第1の選択領域411に関連するいずれの第2の領域420に対しても同等の操作性を確保することができる。これによって、操作性の良好な使いやすい入力装置100を提供することができる。
【0111】
また、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、各第2の領域420が、タッチパネル102における第1の領域410の上側に生成(展開)されることを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の入力装置100によれば、生成(展開)された第2の領域420がユーザの手などによって覆われることを抑制し、各第2の領域420に対する操作性を確保することができる。これによって、操作性の良好な使いやすい入力装置100を提供することができる。
【0112】
特に、各第2の領域420を表示して可視化する場合に、表示された各第2の領域420がユーザの手などによって覆われて見えなくなることを防止し、表示された第2の領域420のすべてを容易かつ素早く視認させることができる。これによって、各第2の領域420に対する操作性を確保することができ、操作性の良好な使いやすい入力装置100を提供することができる。
【0113】
また、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、第1の領域410が五十音の各行の内容または「あ」段を示す領域であり、第2の領域420が各行を構成するかな文字を示す領域であることを特徴とする。この発明にかかる実施の形態の入力装置100によれば、階層構造に分類された五十音のそれぞれの位置の概要を第1の領域410によって把握させてから、生成(展開)された第2の領域420によって実際に選択対象とする五十音を詳細に案内することにより、五十音を構成する各文字の位置を容易かつ素早く把握させることができる。これによって、操作性の良好な使いやすい入力装置100を提供することができる。
【0114】
また、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、第1の領域410に対する接触が検出されてから所定時間後に、第2の領域420を表示することを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の入力装置100によれば、第2の領域420が展開されている位置がわかっているユーザなどに対して、表示に頼らずに第2の領域420を選択操作させることができる。これによって、操作に精通したユーザと不慣れなユーザとが同じ入力装置100を利用する場合に、ユーザが変更するごとに格別な設定変更をおこなうことなく双方に対して操作性の良好な使いやすい入力装置100を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
以上のように、この発明にかかる入力装置、入力方法および入力プログラムは、ユーザの操作に基づいて文字入力をおこなう入力装置、入力方法および入力プログラムに有用であり、特に、不特定多数のユーザによって文字入力がおこなわれる入力装置、入力方法および入力プログラムに適している。
【符号の説明】
【0116】
100 入力装置
102 タッチパネル
303 第1の検出部
304 領域生成部
305 切替制御部
306 第2の検出部
307 処理実行部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルを備えた入力装置であって、
前記タッチパネルに複数の領域(以下「第1の領域」という)を表示する表示制御手段と、
前記表示制御手段によって表示された複数の前記第1の領域のうちのいずれか一つ(以下「第1の選択領域」という)が接触されたことを検出する第1の検出手段と、
前記第1の検出手段によって接触が検出された場合に、当該第1の選択領域に割り当てられた処理を示す複数の新たな領域(以下「第2の領域」という)を前記タッチパネル上に生成するとともに、
当該複数の前記第2の領域のうちのいずれか一つが選択候補領域である状態を生成する領域生成手段と、
前記第1の検出手段によって前記第1の選択領域への新たな接触が検出されるごとに、前記第2の領域のうち前記選択候補領域とは別の第2の領域のいずれか一つが新たな選択候補領域である状態を順次切り替える切替制御手段と、
前記第2の領域のうちのいずれか一つ(以下「第2の選択領域」という)が接触されたこと(以下「第1の操作」という)、前記第1の選択領域において検出された接触が移動して前記第2の選択領域に進入したこと(以下「第2の操作」という)、または、前記第1の操作または前記第2の操作以外の所定の操作(以下「第3の操作」という)のいずれかを検出する第2の検出手段と、
前記第2の検出手段によって、前記第1の操作または前記第2の操作が検出された場合に、前記第2の選択領域に示された処理を実行するとともに、
前記第2の検出手段によって前記第3の操作が検出された場合に、前記選択候補領域に示された処理を実行する処理実行手段と、
を備えたことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
各前記第2の領域は、前記第1の領域から等距離となるように生成されることを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
各前記第2の領域は、前記タッチパネルの表示画面における前記第1の領域の上側に生成されることを特徴とする請求項1または2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記第1の領域は五十音の各行の内容または「あ」段を示す領域であり、前記第2の領域は前記各行を構成するかな文字を示す領域であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の入力装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記第1の検出手段によって接触が検出されてから所定時間後に、前記領域生成手段によって生成された前記第2の領域を表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の入力装置。
【請求項6】
タッチパネルを用いた入力方法であって、
前記タッチパネルに複数の領域(以下「第1の領域」という)を表示する第1の表示工程と、
前記第1の表示工程によって表示された複数の前記第1の領域のうちのいずれか一つ(以下「第1の選択領域」という)が接触されたことを検出する第1の検出工程と、
前記第1の検出工程によって接触が検出された場合に、当該第1の選択領域に割り当てられた処理を示す複数の新たな領域(以下「第2の領域」という)を前記タッチパネル上に生成するとともに、
当該複数の前記第2の領域のうちのいずれか一つが選択候補領域である状態を生成する領域生成工程と、
前記第1の検出工程によって前記第1の選択領域への新たな接触が検出されるごとに、前記第2の領域のうち前記選択候補領域とは別の第2の領域のいずれか一つが新たな選択候補領域である状態を順次切り替える切替工程と、
前記第2の領域のうちのいずれか一つ(以下「第2の選択領域」という)が接触されたこと(以下「第1の操作」という)、前記第1の選択領域において検出された接触が移動して前記第2の選択領域に進入したこと(以下「第2の操作」という)、または、前記第1の操作または前記第2の操作以外の所定の操作(以下「第3の操作」という)のいずれかを検出する第2の検出工程と、
前記第2の検出工程によって、前記第1の操作または前記第2の操作が検出された場合に、前記第2の選択領域に示された処理を実行するとともに、
前記第2の検出工程によって前記第3の操作が検出された場合に、前記選択候補領域に示された処理を実行する処理実行工程と、
を含んだことを特徴とする入力方法。
【請求項7】
タッチパネルを備えた情報処理装置に実行させる入力プログラムであって、
前記タッチパネルに複数の領域(以下「第1の領域」という)を表示する第1の表示工程と、
前記第1の表示工程によって表示された複数の前記第1の領域のうちのいずれか一つ(以下「第1の選択領域」という)が接触されたことを検出する第1の検出工程と、
前記第1の検出工程によって接触が検出された場合に、当該第1の選択領域に割り当てられた処理を示す複数の新たな領域(以下「第2の領域」という)を前記タッチパネル上に生成するとともに、
当該複数の前記第2の領域のうちのいずれか一つが選択候補領域である状態を生成する領域生成工程と、
前記第1の検出工程によって前記第1の選択領域への新たな接触が検出されるごとに、前記第2の領域のうち前記選択候補領域とは別の第2の領域のいずれか一つが新たな選択候補領域である状態を順次切り替える切替工程と、
前記第2の領域のうちのいずれか一つ(以下「第2の選択領域」という)が接触されたこと(以下「第1の操作」という)、前記第1の選択領域において検出された接触が移動して前記第2の選択領域に進入したこと(以下「第2の操作」という)、または、前記第1の操作または前記第2の操作以外の所定の操作(以下「第3の操作」という)のいずれかを検出する第2の検出工程と、
前記第2の検出工程によって、前記第1の操作または前記第2の操作が検出された場合に、前記第2の選択領域に示された処理を実行するとともに、
前記第2の検出工程によって前記第3の操作が検出された場合に、前記選択候補領域に示された処理を実行する処理実行工程と、
を含んだことを特徴とする入力プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図7−3】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−233050(P2011−233050A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104553(P2010−104553)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(390024350)株式会社ジャストシステム (123)
【Fターム(参考)】