説明

入力装置、入力方法および入力プログラム

【課題】表記の異なる複数種類の文字を容易かつ迅速に入力すること。
【解決手段】第1の領域410の中から第1の選択領域411が選択された場合、第2の領域420と第3の領域422とが表示されるので、たとえばひらがなとカタカナ、ひらがなとアルファベット文字、大文字と小文字、などのように表記の異なる複数種類の文字の入力に際して、入力する文字の種類(表記方法)を容易に切り替えることができる入力装置を構成した。これによって、表記の異なる複数種類の文字を、容易かつ迅速に入力することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザの操作に基づいて文字入力をおこなう入力装置、当該入力装置における文字の入力方法、および、当該入力装置において文字の入力を実現する入力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば、日本語文字における濁音や半濁音文字の入力に際して、清音から濁音や半濁音文字への切り替えが可能な代表文字が選択された場合に、入力候補とともに濁音や半濁音文字への切り替えボタンを表示し、当該切り替えボタンが選択されると入力候補の表示を濁音や半濁音文字に切り替えるようにした技術があった。
【0003】
具体的には、従来、たとえば、濁点・半濁点・小文字キーボード呼出しキーが押されると、タッチパネルの表示を濁点・半濁点・小文字入力用のものへと切り替えるようにした技術(たとえば、下記特許文献1を参照。)や、時計回り方向及び反時計回り方向への回転操作を検知し、時計回り方向には現在の入力モードで入力できる各文字を、反時計回り方向には文字種別選択のための複数の入力モードを設定するようにした技術(たとえば、下記特許文献2を参照。)などがあった。
【0004】
また、従来、たとえば、選択された、複数表示された入力候補の中から一つの入力候補が選択されると、当該選択された入力候補が確定される前に当該選択された入力候補に関連する入力候補(サブガイド)を当該選択された入力候補の近傍にさらに表示するようにした技術があった。
【0005】
具体的には、従来、たとえば、派生文字(小文字、濁音、半濁音文字等)を有する文字が指示されると、その周辺にあるキーを派生文字入力用ボタンに変更するようにした技術(たとえば、下記特許文献3を参照。)や、複数の文字が割り当てられた仮想キーを表示し、そこから割り当てられた文字の1つが選択されると、選択された文字に関連した複数の候補単語を仮想キーの近傍に表示するようにした技術(たとえば、下記特許文献4を参照。)、タッチセンサー面上のペンまたは指によりタップとストローク及びその組合せを使用することにより文字入力を行うようにした技術(たとえば、下記特許文献5を参照。)などがあった。
【0006】
上記のような入力方法は、ハードウエアによって実現されるキーボードに対する操作によっておこなっていた文字入力を、ソフトウエアによる処理によって実現するソフトウエアキーボードによって実現することができる。ソフトウエアキーボードに関しては、従来、たとえば、タッチスクリーン上でスクロール操作を行うことにより、キーボードの種類を切り替えるようにした技術(たとえば、下記特許文献6を参照。)や、複数の指をタッチパネル画面に同時に接触させて、それらの軌跡パターンをジェスチャとして利用することにより、複数個のアイコン等のオブジェクトを片手で同時に選択して操作したり、ウィンドウの端を複数個選んで一度に複数の方向にサイズ変更したりするようにした技術(たとえば、下記特許文献7を参照。)などがあった。
【0007】
また、従来、ソフトウエアキーボードにおいては、仮想キーボードの大きさをユーザーごとに調整可能にした技術があった。具体的には、たとえば、オペレータの指サイズを測定し、その指サイズに応じた大きさにキーサイズを設定するようにした技術があった(たとえば、下記特許文献8を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平05−108238号公報
【特許文献2】特開2009−128939号公報
【特許文献3】特開2007−156778号公報
【特許文献4】特開2005−092521号公報
【特許文献5】特開2010−033254号公報
【特許文献6】国際公開第2007/086371号公報
【特許文献7】特開2000−222130号公報
【特許文献8】特開平05−046308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、1つの機種に搭載されているソフトウエアキーボードは、上述した従来の技術を含む従来の技術による入力方式を採用したいずれか1種類のソフトウエアキーボードであるため、ユーザがソフトウエアキーボードの仕様にあわせて入力操作をおこなわなくてはならず、操作が煩わしいという問題があった。たとえば、入力文字をひらがなからカタカナに切り替える場合、ソフトウエアキーボードの仕様にあわせて、入力文字をひらがなからカタカナに切り替える操作キーを操作し、カタカナでの入力終了後に、カタカナからひらがなに切り替える操作キーを操作しなくてはならず、操作が煩わしいという問題があった。
【0010】
また、使いやすいソフトウエアキーボードの種類はユーザによって異なるにもかかわらず、従来は、ソフトウエアキーボードの仕様が機種ごとに画一化されているため、ソフトウエアキーボードや入力方式に対するユーザごとの要望に対応することができていないという問題があった。
【0011】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、表記の異なる複数種類の文字を容易かつ迅速に入力することができる入力装置、入力方法および入力プログラムを提供することを目的とする。
【0012】
また、この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、機種の違いに左右されることなく、ユーザが所望する方法によって、表記の異なる複数種類の文字を容易かつ迅速に入力することができる入力装置、入力方法および入力プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる入力装置は、タッチパネルを備えた入力装置であって、前記タッチパネルに、かな文字またはアルファベット文字を複数の所定のグループにグルーピングし、グルーピングされた各所定のグループの内容を示す複数の領域(以下「第1の領域」という)を表示する第1の表示制御手段と、前記第1の表示制御手段によって表示された複数の前記第1の領域のうちのいずれか一つ(以下「第1の選択領域」という)が接触されたことを検出する第1の検出手段と、前記第1の検出手段によって接触が検出された場合に、当該第1の選択領域に割り当てられた各グループの文字を示す複数の新たな領域(以下「第2の領域」という)を表示するとともに、前記第2の領域とは別の領域に、第3の領域を生成する領域生成手段と、前記第3の領域が接触されたこと(以下「第1の操作」という)、または、前記第1の選択領域において検出された接触が移動して前記第3の領域に進入したこと(以下「第2の操作」という)を検出する第2の検出手段と、前記第2の検出手段によって前記第1の操作または前記第2の操作が検出された場合に、第3の領域に割り当てられた機能にしたがって、前記第2の領域に表示された文字の表示をあらかじめ定められた所定の文字に切り替えて表示する第2の表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる入力装置は、上記の発明において、前記第1の領域が、五十音のかな文字の各行の内容または「あ」段の文字を示す複数の領域であり、前記第2の領域が、前記第1の検出手段によって接触が検出された場合に、当該第1の選択領域に割り当てられた各行の文字を示す複数の新たな領域であることを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかる入力装置は、上記の発明において、前記第2の表示制御手段が、前記第3の領域を複数個表示することを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかる入力装置は、上記の発明において、前記領域生成手段が、各前記第2の領域を前記タッチパネルの表示画面における前記第1の領域の上側に表示するとともに、前記第3の領域を前記タッチパネルの表示画面における前記第1の領域の下側に生成することを特徴とする。
【0017】
また、この発明にかかる入力装置は、上記の発明において、前記領域生成手段が、前記第1の領域が、五十音のかな文字の各行の内容または「あ」段の文字を示す複数の領域である場合に、前記第2の検出手段によって前記第1の操作または前記第2の操作が検出されるたびに、清音と、濁音、半濁音および拗音の少なくともいずれかとを切り替えて表示することを特徴とする。
【0018】
また、この発明にかかる入力装置は、上記の発明において、前記第2の表示制御手段が、前記第1の領域が、五十音のかな文字の各行の内容または「あ」段の文字を示す複数の領域である場合に、前記第2の検出手段によって前記第1の操作または前記第2の操作が検出されるたびに、ひらがなとカタカナとを切り替えて表示することを特徴とする。
【0019】
また、この発明にかかる入力装置は、上記の発明において、前記第2の表示制御手段が、前記第1の領域が、アルファベット文字が複数の所定のグループにグルーピングされた各所定のグループの内容を示す複数の領域である場合に、前記第2の検出手段によって前記第1の操作または前記第2の操作が検出されるたびに、大文字と小文字とを切り替えて表示することを特徴とする。
【0020】
また、この発明にかかる入力装置は、上記の発明において、前記第2の表示制御手段が、前記第2の検出手段によって前記第1の操作または前記第2の操作が検出されるたびに、全角文字と半角文字とを切り替えて表示することを特徴とする。
【0021】
また、この発明にかかる入力方法は、タッチパネルを用いた入力方法であって、前記タッチパネルに、かな文字またはアルファベット文字を複数の所定のグループにグルーピングし、グルーピングされた各所定のグループの内容を示す複数の領域(以下「第1の領域」という)を表示する第1の表示工程と、前記第1の表示工程によって表示された複数の前記第1の領域のうちのいずれか一つ(以下「第1の選択領域」という)が接触されたことを検出する第1の検出工程と、前記第1の検出工程によって接触が検出された場合に、当該第1の選択領域に割り当てられた各グループの文字を示す複数の新たな領域(以下「第2の領域」という)を表示するとともに、前記第2の領域とは別の領域に、第3の領域を生成する領域生成工程と、前記第3の領域が接触されたこと(以下「第1の操作」という)、または、前記第1の選択領域において検出された接触が移動して前記第3の領域に進入したこと(以下「第2の操作」という)を検出する第2の検出工程と、前記第2の検出工程によって前記第1の操作または前記第2の操作が検出された場合に、第3の領域に割り当てられた機能にしたがって、前記第2の領域に表示された文字の表示をあらかじめ定められた所定の文字に切り替えて表示する第3の表示工程と、を含んだことを特徴とする。
【0022】
また、この発明にかかる入力プログラムは、タッチパネルを備えた情報処理装置に実行させる入力プログラムであって、前記タッチパネルに、かな文字またはアルファベット文字を複数の所定のグループにグルーピングし、グルーピングされた各所定のグループの内容を示す複数の領域(以下「第1の領域」という)を表示する第1の表示工程と、前記第1の表示工程によって表示された複数の前記第1の領域のうちのいずれか一つ(以下「第1の選択領域」という)が接触されたことを検出する第1の検出工程と、前記第1の検出工程によって接触が検出された場合に、当該第1の選択領域に割り当てられた各グループの文字を示す複数の新たな領域(以下「第2の領域」という)を表示するとともに、前記第2の領域とは別の領域に、第3の領域を表示する第2の表示工程と、前記第3の領域が接触されたこと(以下「第1の操作」という)、または、前記第1の選択領域において検出された接触が移動して前記第3の領域に進入したこと(以下「第2の操作」という)を検出する第2の検出工程と、前記第2の検出工程によって前記第1の操作または前記第2の操作が検出された場合に、第3の領域に割り当てられた機能にしたがって、前記第2の領域に表示された文字の表示をあらかじめ定められた所定の文字に切り替えて表示する第3の表示工程と、を含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
この発明にかかる入力装置、入力方法および入力プログラムによれば、煩雑な切り替え操作をおこなうことなく、ユーザが所望する方法によって入力操作をおこなうことができるという効果を奏する。
【0024】
また、この発明にかかる入力装置、入力方法および入力プログラムによれば、機種の違いに左右されることなく、ユーザが所望する方法によって、表記の異なる複数種類の文字を容易かつ迅速に入力することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明にかかる実施の形態の入力装置の外観を示す説明図である。
【図2】この発明にかかる実施の形態の入力装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図3】この発明にかかる実施の形態の入力装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図4−1】この発明にかかる実施の形態の入力装置のタッチパネルに生成される各領域の関係を示す説明図(その1)である。
【図4−2】この発明にかかる実施の形態の入力装置のタッチパネルに生成される各領域の関係を示す説明図(その2)である。
【図4−3】この発明にかかる実施の形態の入力装置のタッチパネルに生成される各領域の関係を示す説明図(その3)である。
【図5−1】この発明にかかる実施の形態の入力装置の入力方法例のうちマルチタップによる入力方法例を示す説明図(その1)である。
【図5−2】この発明にかかる実施の形態の入力装置の入力方法例のうちマルチタップによる入力方法例を示す説明図(その2)である。
【図6−1】この発明にかかる実施の形態の入力装置の入力方法例のうちツータッチ方式による入力方法例を示す説明図(その1)である。
【図6−2】この発明にかかる実施の形態の入力装置の入力方法例のうちツータッチ方式による入力方法例を示す説明図(その2)である。
【図7−1】この発明にかかる実施の形態の入力装置の入力方法例のうちジェスチャ方式による入力方法例を示す説明図(その1)である。
【図7−2】この発明にかかる実施の形態の入力装置の入力方法例のうちジェスチャ方式による入力方法例を示す説明図(その2)である。
【図7−3】この発明にかかる実施の形態の入力装置の入力方法例のうちジェスチャ方式による入力方法例を示す説明図(その3)である。
【図8−1】この発明にかかる実施の形態の入力装置における、第2の領域の切り替え方法を示す説明図(その1)である。
【図8−2】この発明にかかる実施の形態の入力装置における、第2の領域の切り替え方法を示す説明図(その2)である。
【図8−3】この発明にかかる実施の形態の入力装置における、第2の領域の切り替え方法を示す説明図(その3)である。
【図9−1】この発明にかかる実施の形態の入力装置における、第2の領域の切り替え方法を示す説明図(その4)である。
【図9−2】この発明にかかる実施の形態の入力装置における、第2の領域の切り替え方法を示す説明図(その5)である。
【図10−1】この発明にかかる実施の形態の入力装置における、第2の領域の切り替え方法を示す説明図(その6)である。
【図10−2】この発明にかかる実施の形態の入力装置における、第2の領域の切り替え方法を示す説明図(その7)である。
【図11】この発明にかかる実施の形態の入力装置における、第2の領域の切り替え方法を示す説明図(その8)である。
【図12−1】この発明にかかる実施の形態の入力装置における、選択した文字(文字列)のキャンセル方法を示す説明図(その1)である。
【図12−2】この発明にかかる実施の形態の入力装置における、選択した文字(文字列)のキャンセル方法を示す説明図(その2)である。
【図13】この発明にかかる実施の形態の入力装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる入力装置、入力方法および入力プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0027】
(入力装置の外観)
まず、この発明にかかる実施の形態の入力装置の外観について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態の入力装置の外観を示す説明図である。図1において、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、たとえば、スマートフォンなどの携帯型の端末装置によって実現することができる。
【0028】
入力装置100は、筐体101を備えている。筐体101の一面側には、タッチパネル102が設けられている。タッチパネル102は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置と、タッチパッドなどと称される位置入力装置と、を組み合わせて構成されている。筐体101には、各種の操作キー103が設けられている。操作キー103は、たとえば、筐体101の一面側において、ディスプレイの近傍に設けることができる。また、操作キー103は、たとえば、筐体101の側面に設けられていてもよい。
【0029】
(入力装置100のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の入力装置100のハードウエア構成について説明する。図2は、この発明にかかる実施の形態の入力装置100のハードウエア構成を示すブロック図である。
【0030】
図2において、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、メモリ204と、操作キー103と、タッチパネル102と、通信I/F205と、マイク206と、スピーカ207と、を備えている。入力装置100が備える各構成部102、103、201〜207は、バス210によってそれぞれ接続されている。
【0031】
CPU201は、入力装置100全体の制御をつかさどる。ROM202は、ブートプログラムやOS(オペレーティングシステム)などの各種プログラムを記憶している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。CPU201は、RAM203をワークエリアとして使用しながら、ROM202に記録された各種プログラムを実行することによって、入力装置100の全体の制御をつかさどる。操作キー103は、操作されたキーに応じた信号を出力する。
【0032】
メモリ204は、CPU201の制御によって記録されたデータを保持する。メモリ204は、入力装置100の電源がOFFの状態であっても、記録されたデータを保持する。メモリ204は、たとえば、ユーザ設定情報を記憶する。ユーザ設定情報は、あらかじめユーザによって当該ユーザの任意のタイミングで設定される。ユーザ設定情報については後述する。
【0033】
また、メモリ204は、たとえば、後述する各領域に割り当てられた所定の処理に関する情報を記憶する。所定の処理は、たとえば、文字や文字列などによって構成される新しい領域を展開する処理によって実現することができる。また、所定の処理は、たとえば、特定の機能を起動する処理によって実現することができる。
【0034】
タッチパネル102は、表示装置と位置入力装置とを備えている。表示装置は、位置入力装置に対する入力操作や操作キー103に対する操作に応じて各種の表示画面を表示する。タッチパネル102は、位置入力装置に対する入力位置を表示装置に表示した情報によって案内する。
【0035】
タッチパネル102に対する入力操作による指示内容は、表示装置に表示される情報に応じて異なる。入力装置100は、タッチパネル102に対する入力操作位置が同じであっても、表示装置における表示内容に応じて異なる処理を実行する。タッチパネル102は、たとえば指やペンなどの筆記部材が接触したことを検出した場合に、タッチパネル102に対する筆記部材の接触位置に応じた電気信号を出力する。
【0036】
また、タッチパネル102は、タッチパネル102に対する筆記部材の接触が解除された場合は、信号の出力を停止する。あるいは、タッチパネル102は、タッチパネル102に対する筆記部材の接触が解除された場合に、タッチパネル102に対する筆記部材の接触がないことを示す信号を出力してもよい。
【0037】
タッチパネル102は、抵抗膜方式、静電容量方式、電磁誘導方式、表面弾性波方式など公知の各種の方式によってタッチパネル102に対する筆記部材の接触位置を検出し、検出した接触位置に応じた電気信号を、CPU201に対して出力する。電磁誘導方式を採用する場合、電子ペンなどと称される専用の筆記部材を用いる。
【0038】
通信I/F205は、インターネットなどのネットワークに接続され、ネットワークを介して外部装置との間で通信をおこなう。通信I/F205は、ネットワークと入力装置100の内部とのインターフェースをつかさどり、ネットワークを介して接続された外部装置と入力装置100との間におけるデータの入出力を制御する。
【0039】
また、通信I/F205は、携帯電話網や公衆交換電話網などの電話回線ネットワークに接続され、電話回線ネットワークを介して他の入力装置100や携帯型電話機、固定型電話機などとの間で音声による通信をおこなってもよい。マイク206は、話者の声の入力を受け付け、アナログデータとして入力された話者の声をアナログ/デジタル変換し、デジタル形式の音声データを生成する。
【0040】
スピーカ207は、通話相手側から送信されたデジタル形式の音声データをデジタル/アナログ変換し、アナログ形式の音声データに基づいてスピーカコーンにおけるコイルに通電するなどして音声を出力する。また、スピーカ207は、たとえば、誤操作がおこなわれたことを報知する警告音を出力する。
【0041】
入力装置100は、図示を省略するカメラを備えていてもよい。カメラは、タッチパネル102や操作キー103に対する入力操作によって撮像対象を撮像し、画像データを生成する。生成された画像データは、RAM203などに記憶される。この場合、撮影によって生成された画像データを、通信I/F205を介して他の入力装置100などに送信することができる。
【0042】
(入力装置100の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の入力装置100の機能的構成について説明する。図3は、この発明にかかる実施の形態の入力装置100の機能的構成を示すブロック図である。
【0043】
図3において、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、第1の表示制御部301と、記憶部302と、第1の検出部303と、領域生成部304と、第2の検出部305と、第2の表示制御部306と、を備えている。この発明にかかる実施の形態の入力装置100において、第1の表示制御部301、記憶部302、第1の検出部303、領域生成部304、第2の検出部305および第2の表示制御部306は、入力装置100が備える各構成部102、103、201〜207によってその機能を実現することができる。
【0044】
第1の表示制御部301は、タッチパネル102に、かな文字を複数の所定のグループにグルーピングし、グルーピングされた各所定のグループの内容を示す複数の領域(以下「第1の領域」という)を表示する。かな文字のグループは、たとえば、五十音の「あ」段にしたがってグルーピングすることができる。この場合、具体的には、「あ、い、う、え、お」のグループ、「か、き、く、け、こ」のグループ、・・・のようにグルーピングされたグループを構成することができる。また、かな文字のグループは、たとえば、ひらがな表記によるグループや、カタカナ表記によるグループ、のようにグルーピングされたグループを構成することができる。
【0045】
また、第1の表示制御部301は、タッチパネル102に、アルファベット文字を複数の所定のグループにグルーピングし、グルーピングされた各所定のグループの内容を示す第1の領域を表示してもよい。アルファベット文字のグループは、たとえば、アルファベットをAからZに向かって順に所定数ずつにグルーピングすることができる。この場合、具体的には、「A、B、C」のグループ、「D、E、F」のグループ、「G、H、I」のグループ、「J、K、L」のグループ、「M、N、O」のグループ、「P、Q、R、S」のグループ、「T、U、V」のグループ、「W、X、Y、Z」のグループなどのようにグルーピングされたグループを構成することができる。
【0046】
第1の表示制御部301は、記憶部302に記憶されている情報に基づいて、第1の領域を表示する。記憶部302は、かな文字を複数の所定のグループにグルーピングした各所定のグループに関する情報や、アルファベット文字を複数の所定のグループにグルーピングした各所定のグループに関する情報など、タッチパネル102上における領域の生成にかかる各種の情報を記憶している。
【0047】
第1の検出部303は、第1の表示制御部301によって表示された複数の第1の領域のうちのいずれか一つが接触されたことを検出する。この実施の形態においては、複数の第1の領域のうち接触されたことが検出された第1の領域を、第1の選択領域として説明する。複数の第1の領域には、それぞれ、各グループの文字を示す複数の新たな領域(以下「第2の領域」という)が割り当てられている。
【0048】
たとえば、第1の表示制御部301が五十音の「あ」段に該当する文字(「あ」、「か」、「さ」、・・・)を示す第1の領域を表示している場合、各第1の領域に割り当てられた第2の領域は、それぞれ、「あ」段が示す各行の「あ」段、「い」段、「う」段、「え」段、「お」段の文字を示す。具体的には、たとえば、「あ」を示す第1の領域には、「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」を示す複数の第2の領域が割り当てられている。また、具体的には、たとえば、「か」を示す第1の領域には、「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す複数の第2の領域が割り当てられている。
【0049】
また、具体的には、たとえば、アルファベット文字の「A」を示す第1の領域には、「A」、「B」、「C」を示す第2の領域が割り当てられている。また、具体的には、たとえば、アルファベット文字の「D」を示す第1の領域には、「D」、「E」、「F」を示す第2の領域が割り当てられている。
【0050】
領域生成部304は、第1の検出部303によって複数の第1の領域のうちのいずれか一つの第1の領域(第1の選択領域)が接触されたことが検出された場合に、第1の選択領域に割り当てられた各グループの文字を示す複数の第2の領域を生成するとともに、第2の領域とは別の領域に、第3の領域を生成する。領域生成部304は、記憶部302に記憶されている情報に基づいて、第2の領域をタッチパネル102上に生成するとともに、タッチパネル102上における第2の領域とは別の領域に、第3の領域を生成する。
【0051】
第2の領域は、それぞれ、各グループを構成する文字を示す。具体的には、たとえば、第1の選択領域が五十音のかな文字のうちの「か」を示す場合、第2の領域は「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」の各文字を示す。第3の領域には、第2の領域に示される文字を切り替える機能が割り当てられている。
【0052】
たとえば、第3の領域には、第2の領域に生成される文字が清音または濁音を示すように、選択されるごとに清音と濁音とを切り替える機能を割り当てることができる。具体的には、第3の領域には、たとえば、第2の領域が示す文字列が「か、き、く、け、こ」である場合に、当該第2の領域が示す文字列を「が、ぎ、ぐ、げ、ご」に切り替える機能が割り当てられている。また、具体的には、第3の領域には、たとえば、第2の領域が示す文字列が「が、ぎ、ぐ、げ、ご」である場合に、当該第2の領域が示す文字列を「か、き、く、け、こ」に切り替える機能が割り当てられている。
【0053】
第3の領域に割り当てられる機能は、清音と濁音とを切り替える機能に限るものではない。第3の領域には、たとえば、第2の領域に生成される文字が清音と、濁音、半濁音および拗音の少なくともいずれかと、を示すように、選択されるごとに清音と濁音、半濁音および拗音の少なくともいずれかとを切り替える機能を割り当てることができる。これにより、具体的には、第3の領域には、たとえば、第2の領域が示す文字列が「は、ひ、ふ、へ、ほ」である場合に、当該第2の領域が示す文字列を「ば、び、ぶ、べ、ぼ」、「ぱ、ぴ、ぷ、ぺ、ぽ」に切り替える機能を割り当ててもよい。
【0054】
また、第3の領域には、たとえば、第2の領域に生成される文字がかな文字における「ひらがな」または「カタカナ」を示すように、選択されるごとに「ひらがな」と「カタカナ」とを切り替える機能を割り当ててもよい。この場合、具体的には、第3の領域には、たとえば、選択されるごとに、第2の領域が示す「か、き、く、け、こ」の文字列を、「カ、キ、ク、ケ、コ」に切り替える機能を割り当てることができる。
【0055】
また、たとえば、第1の選択領域がアルファベット文字を示す複数の領域である場合、第3の領域には、第2の領域に生成される文字が大文字または小文字を示すように、選択されるごとに大文字と小文字とを切り替える機能を割り当ててもよい。この場合、具体的には、第3の領域には、たとえば、選択されるごとに、第2の領域が示す「A、B、C」などの大文字の文字列を、「a、b、c」などの小文字に切り替える機能を割り当てることができる。
【0056】
また、たとえば、第1の選択領域が五十音のかな文字の各行の内容または「あ」段の文字を示す複数の領域である場合やアルファベット文字を示す複数の領域である場合、第3の領域には、第2の領域に生成される文字が全角文字または半角文字を示すように、選択されるごとに全角文字と半角文字とを切り替える機能を割り当ててもよい。
【0057】
また、領域生成部304は、各第2の領域をタッチパネル102の表示画面における第1の選択領域の上側に表示(生成)するとともに、第3の領域をタッチパネル102の表示画面における第1の選択領域の下側に生成する。第2の領域および第3の領域は、いずれも、タッチパネル102上に生成(展開)されているものであればよく、表示(可視化)されているものに限らない。
【0058】
領域生成部304は、第2の領域および第3の領域を、第2の領域が生成される位置と第3の領域が生成される位置とがタッチパネル102上において異なるように生成するものであればよく、各第2の領域をタッチパネルの表示画面における第1の選択領域の下側に生成するとともに、第3の領域をタッチパネルの表示画面における第1の選択領域の上側に生成するものであってもよい。
【0059】
また、領域生成部304は、各第2の領域をタッチパネルの表示画面における第1の選択領域の左側に生成するとともに、第3の領域をタッチパネルの表示画面における第1の選択領域の右側に生成するものであってもよい。あるいは、領域生成部304は、各第2の領域をタッチパネルの表示画面における第1の選択領域の右側に生成するとともに、第3の領域をタッチパネルの表示画面における第1の選択領域の左側に生成するものであってもよい。
【0060】
第2の検出部305は、第3の領域が接触されたこと(以下「第1の操作」という)、または、前記第1の選択領域において検出された接触が移動して前記第3の領域に進入したこと(以下「第2の操作」という)を検出する。第2の検出部305は、第1の選択領域において検出された接触が移動して第3の領域に進入した後当該第3の領域内で解除されたこと、または、第1の選択領域において検出された接触が移動して第3の領域に進入した後当該第3の領域を通過して当該第3の領域の外側へ移動したことを、第2の操作として検出する。第1の操作または第2の操作の検出は、タッチパネル102に対しておこなわれた接触位置および当該接触が解除された位置を検出することによって実現することができる。
【0061】
具体的には、第2の検出部305は、たとえば、五十音における「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域を表示している状態において、第3の領域が接触されたことを検出した場合に、第1の操作がおこなわれたと検出する。この実施の形態においては、この実施の形態においては、第3の領域などの選択対象とする領域が接触されたことを2回のタップによって検出する操作を、第1の操作として説明する。
【0062】
また、具体的には、第2の検出部305は、たとえば、五十音における「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域を表示している状態において、接触が検出される位置が第1の選択領域(たとえば「か」を示す第1の領域)から移動して第3の領域に進入し、第3の領域で接触が検出されなくなった(解除された)ことを検出した場合に、第2の操作がおこなわれたと検出する。
【0063】
または、具体的には、第2の検出部305は、たとえば、五十音における「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域を表示している状態において、接触が検出される位置が第1の選択領域(たとえば「か」を示す第1の領域)から移動して第3の領域に進入し、その後当該第3の領域を通過(経由)して当該第3の領域の外側に移動したことを検出した場合(すなわち、接触が検出される位置が第3の領域を通過した場合)に、第2の操作がおこなわれたと検出するようにしてもよい。
【0064】
この実施の形態においては、このように、接触が検出される位置が、ドラッグ操作によって、第3の領域などの選択対象とする領域に進入したことを検出する操作を、「ジェスチャ」操作として説明する。この実施の形態においては、第2の操作は、「ジェスチャ」操作によって実現される。
【0065】
ジェスチャ操作は、接触が検出される位置が第1の選択領域からドラッグ操作によって第3の領域などの選択対象とする領域に進入したことを検出した場合のみに検出されるものではない。ジェスチャ操作は、たとえば、複数の第2の領域を生成(展開)している状態において、タッチパネル102に対する接触位置が、第3の領域に任意の方向から進入したことが検出された場合に、当該第3の領域が第2の操作によって選択されたことを検出するものであってもよい。これにより、指などによる接触位置が、第3の領域などの選択対象とする領域に対して、いずれの方向から進入した場合にも、第3の領域などの選択対象とする領域を第2の操作によって選択することができる。
【0066】
また、具体的には、ジェスチャ操作は、たとえば、五十音の「あ」段を示す複数の第1の領域における「か」を示す第1の領域への接触が検出されることによって当該「か」を示す第1の領域(第1の選択領域)の周辺に「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域を生成(展開)している状態において、接触が検出される位置が第1の領域における「か」の位置(第1の選択領域)から移動して第2の領域における「き」の位置(第2の選択領域)に進入し、「き」の位置(第2の選択領域)で接触が検出されなくなった(解除された)ことを検出した場合に検出することができる。
【0067】
または、具体的には、ジェスチャ操作は、五十音の「あ」段を示す複数の第1の領域における「か」を示す第1の領域への接触が検出されることによって当該「か」を示す第1の領域(第1の選択領域)の周辺に「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域を生成(展開)している状態において、接触が検出される位置が第1の選択領域における「か」の位置から移動して第2の領域における「き」の位置(第2の選択領域)に進入し、その後当該第2の選択領域を通過(経由)して当該第2の選択領域の外側に移動したことを検出した場合(すなわち、接触が検出される位置が第2の選択領域を通過した場合)に検出することができる。
【0068】
そして、この場合、たとえば、五十音の「あ」段を示す複数の第1の領域における「か」を示す第1の領域への接触が検出されることによって当該「か」を示す第1の領域(第1の選択領域)の周辺に「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域を生成(展開)している状態において、接触が検出される位置が第1の選択領域における「か」の位置から第2の領域における「き」の位置(第2の選択領域)に進入した後当該「き」の位置(第2の選択領域)で接触が検出されなくなった(解除された)場合は「き」を入力するとともに、「き」の位置(第2の選択領域)に進入した後当該第2の選択領域を通過して当該第2の選択領域の外側に移動したことを検出した場合は「き」を示す第2の領域を選択候補領域とするようにしてもよい。「き」を示す第2の領域を選択候補領域とした場合は、当該「き」を示す第2の領域に割り当てられた処理を実行する。
【0069】
これによって、接触が検出される位置が、同じように、第2の領域における「き」の位置(第2の選択領域)の外側から当該「き」の位置(第2の選択領域)に進入した場合にも、接触が検出されなくなった(解除された)位置に応じて、第2の領域が示す文字を入力したり、選択候補領域としたりすることができる。
【0070】
入力装置においては、上記の第1の操作および第2の操作(「ジェスチャ」操作)に加えて、「ツータッチ」操作と称される操作方法および「マルチタップ」操作と称される操作方法によって文字や文字列を入力することができる。「ツータッチ」操作および「マルチタップ」操作については、説明を後述する。
【0071】
第2の表示制御部306は、第2の検出部305によって第1の操作または第2の操作が検出された場合に、第3の領域に割り当てられた機能にしたがって、第2の領域に表示された文字の表示を所定の文字に切り替えて表示する。第2の表示制御部306は、記憶部302に記憶された情報に基づいて、文字の表示をおこなう。
【0072】
具体的には、たとえば、第1の選択領域が五十音のかな文字のうちの「か」を示し、第2の領域が「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」の各文字を示し、当該第2の領域に示される文字の清音と濁音とを切り替える機能が第3の領域に割り当てられている場合、第2の表示制御部306は、第1の操作または第2の操作が検出されるごとに、第2の領域が示す文字を、「か、き、く、け、こ」、または、「が、ぎ、ぐ、げ、ご」に切り替える。たとえば、2の領域が示す文字を「か、き、く、け、こ」から「が、ぎ、ぐ、げ、ご」に切り替えた場合、「が、ぎ、ぐ、げ、ご」を示す文字によって、第2の領域に表示された文字に切り替えて表示される「所定の文字」を実現することができる。
【0073】
また、第2の領域に「が、ぎ、ぐ、げ、ご」を示す文字を表示している状態において清音と濁音とを切り替える機能が割り当てられた第3の領域に対する第1の操作または第2の操作が検出された場合、第2の領域が示す文字を「か、き、く、け、こ」に切り替える。この場合、「か、き、く、け、こ」を示す文字によって、第2の領域に表示された文字に切り替えて表示される「所定の文字」を実現することができる。
【0074】
また、具体的には、たとえば、第1の選択領域が五十音のかな文字のうちの「は」を示し、第2の領域が「は」、「ひ」、「ふ」、「へ」、「ほ」の各文字を示し、当該第2の領域に生成される文字を清音、濁音および半濁音のいずれかに切り替える機能が第3の領域に割り当てられている場合、第2の表示制御部306は、第1の操作または第2の操作が検出されるごとに、第2の領域が示す文字列を、「は、ひ、ふ、へ、ほ」、「ば、び、ぶ、べ、ぼ」または「ぱ、ぴ、ぷ、ぺ、ぽ」に順次切り替える。
【0075】
また、具体的には、たとえば、第1の選択領域が五十音のかな文字の各行の内容または「あ」段の文字のうちの「か」を示し、第2の領域に生成される文字がひらがなまたはカタカナを示すように切り替える機能が第3の領域に割り当てられている場合、第2の表示制御部306は、第1の操作または第2の操作が検出されるごとに、第2の領域が示す文字列を、「か、き、く、け、こ」、または、「カ、キ、ク、ケ、コ」に切り替える。
【0076】
また、具体的には、たとえば、第1の選択領域がアルファベット文字を示し、第2の領域に生成される文字が大文字または小文字を示すように切り替える機能が第3の領域に割り当てられている場合、第2の表示制御部306は、第1の操作または第2の操作が検出されるごとに、第2の領域が示す文字列を、「A、B、C」、または、「a、b、c」に切り替える。
【0077】
また、具体的には、たとえば、第1の選択領域が五十音のかな文字の各行の内容または「あ」段の文字やアルファベット文字を示し、第2の領域に生成される文字が全角文字または半角文字を示すように切り替える機能が第3の領域に割り当てられている場合、第2の表示制御部306は、第1の操作または第2の操作が検出されるごとに、第2の領域が示す文字列を、全角文字または半角文字に切り替える。
【0078】
第2の表示制御部306は、第3の領域を複数個表示してもよい。たとえば、第1の選択領域が五十音のかな文字を示し、第2の領域が第1の選択領域にしたがったかな文字を示す場合、当該第2の領域に生成される文字を清音、濁音および半濁音のいずれかに切り替える機能が割り当てられた第3の領域を複数表示することができる。
【0079】
具体的には、たとえば、第1の選択領域が五十音のかな文字のうちの「は」を示し、第2の領域が「は」、「ひ」、「ふ」、「へ」、「ほ」の各文字を示す場合、第2の表示制御部306は、たとえば、清音から濁音へ切り替える機能が割り当てられた第3の領域と、清音から半濁音へ切り替える機能が割り当てられた第3の領域と、を表示することができる。
【0080】
そして、この場合、たとえば、清音から濁音へ切り替える機能が割り当てられた第3の領域に対する第1の操作または第2の操作が検出されるごとに、第2の領域が示す文字列「は、ひ、ふ、へ、ほ」を「ば、び、ぶ、べ、ぼ」に切り替える。また、この場合、たとえば、清音から半濁音へ切り替える機能が割り当てられた第3の領域に対する第1の操作または第2の操作が検出されるごとに、第2の領域が示す文字列「は、ひ、ふ、へ、ほ」を「ぱ、ぴ、ぷ、ぺ、ぽ」に切り替える。
【0081】
第3の領域が示す機能は、第2の領域が示す文字列によって適宜切り替えられる。たとえば、第2の領域が「は、ひ、ふ、へ、ほ」を示す文字列を表示している状態で、清音から濁音「ば、び、ぶ、べ、ぼ」へ切り替える機能が割り当てられた第3の領域に対する第1の操作または第2の操作が検出された場合、清音から濁音へ切り替える機能が割り当てられた第3の領域に代えて、濁音から清音へ切り替える機能が割り当てられた第3の領域を表示する。
【0082】
(各領域の関係)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の入力装置100のタッチパネル102に生成される各領域の関係について説明する。図4−1、図4−2および図4−3は、この発明にかかる実施の形態の入力装置100のタッチパネル102に生成される各領域の関係を示す説明図である。
【0083】
図4−1においては、タッチパネル102に、第1の領域410が表示されている状態を示している。第1の領域410は、タッチパネル102において同時に複数表示されている。図4−1において、タッチパネル102に表示された複数の第1の領域410のうち、いずれか一つの第1の領域410(図4−1においては上段中央に位置する第1の領域410)が接触されたことが検出された場合、接触が検出された第1の領域410によって第1の選択領域411が実現される。
【0084】
入力装置100は、第1の選択領域411が接触されたことを検出した場合に、当該第1の選択領域411に割り当てられた文字を示す第2の領域420を生成する。複数の第2の領域420は、第1の選択領域411の周辺に生成される。複数の第2の領域420を第1の選択領域411の周辺に展開した状態において、第1の選択領域411への新たな接触が検出された場合は、新たに接触が検出された第1の選択領域411に割り当てられた文字を示す複数の第2の領域420を新たに第1の選択領域411の周辺に生成(展開)する(図4−2を参照)。
【0085】
具体的には、たとえば、「か」を示す領域への接触が検出されることによって当該「か」を示す領域の周辺に「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域420を生成(展開)している状態において、「さ」を示す領域への接触が検出された場合、「さ」を示す領域の周辺に「さ」、「し」、「す」、「せ」、「そ」を示す第2の領域420を生成(展開)する処理を実行する。
【0086】
複数の第2の領域420を第1の選択領域411の周辺に生成(展開)した状態において、新たに接触が検出された第1の選択領域411が先に生成(展開)されていた第1の選択領域411と同じである場合は、新たに生成(展開)する第2の領域420が示す文字を切り替える。たとえば、「か」を示す領域への接触が検出されることによって当該「か」を示す領域の周辺に「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域420を生成(展開)している状態において、第1の選択領域411における「か」を示す領域への接触が検出された場合、第1の選択領域411における「か」を示す領域の周辺に生成(展開)された「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」のうち選択候補領域(第2の選択領域421)となる第2の領域420を切り替える。
【0087】
また、第1の選択領域411の周辺に生成(展開)された複数の第2の領域420のうち、いずれか一つの第2の領域420が選択候補領域(第2の選択領域421)として選択された場合、選択された選択候補領域(第2の選択領域421)に割り当てられた処理を実行する。このように、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、生成(展開)された領域をさらに選択すると、さらに当該選択された領域に割り当てられた文字を示す領域430が順次生成(展開)されるようにしてもよい(図4−3を参照)。符号431は、領域430のうちで選択候補とされている領域を示す。
【0088】
また、第1の選択領域411への新たな接触が検出された場合、当該第1の選択領域411の周辺には、第3の領域422が表示される。第3の領域422は、第2の領域420に表示する文字の種類の切り替えを実行するキーを示す。第3の領域422は、当該第3の領域422に対する接触を検出した場合に、第2の領域420に表示する文字を、たとえば、かな文字からアルファベット文字へ、アルファベット文字からかな文字へと切り替える。また、第3の領域422は、当該第3の領域422に対する接触を検出した場合に、第2の領域420に表示する文字を、たとえば、ひらがなからカタカナへ、アルファベット文字の大文字から小文字へと切り替える。
【0089】
第3の領域422に対する接触を検出した場合、領域430に表示する文字あるいは文字列を切り替えてもよい。この場合、たとえば、タッチパネル102上に、「か」を第2の選択領域とする第2の領域420、清音から濁音へ切り替える機能が割り当てられた第3の領域422、「か」を頭文字とする文字列(たとえば「下記の」、「確認」、「関して」など)を示す領域430を生成(展開)している状態で、第3の領域422に対する接触を検出した場合、領域430に表示する文字あるいは文字列を「が」を頭文字とする文字列(たとえば「概要」、「概算」、「楽曲」など)に切り替える。
【0090】
(入力方法例/マルチタップ入力)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の入力装置100の入力方法例について説明する。図5−1および図5−2は、この発明にかかる実施の形態の入力装置100の入力方法例のうちマルチタップによる入力方法例を示す説明図である。
【0091】
図5−1および図5−2において、マルチタップ方式による入力(マルチタップ入力)は、同一の領域を複数回タップすることによって1つの文字を入力(確定)する方法であって、同一の領域において複数回の接触が繰り返して検出された場合におこなわれる。具体的には、たとえば、第1の領域410における「か」を示す領域への接触が複数回繰り返して検出された場合、第2の領域420における選択候補領域(第2の選択領域421)を「か」→「き」→「く」→「け」→「こ」→「か」・・・というように順次切り替える。
【0092】
そして、たとえば第2の領域420において「か」が選択候補領域(第2の選択領域421)とされた状態で、つづいて第1の領域410における「さ」を示す領域への接触が複数回繰り返して検出された場合、「か」を確定する。この場合、「さ」を示す領域を新たな選択領域411とし、「さ」、「し」、「す」、「せ」、「そ」を示す第2の領域420を生成(展開)してもよい。さらに、「さ」を示す領域を新たな選択領域411とした状態で、当該「さ」を示す領域への接触が複数回繰り返して検出された場合、第2の領域420における選択候補領域(第2の選択領域421)を、「さ」→「し」→「す」→「せ」→「そ」→「さ」・・・というように順次切り替えてもよい。
【0093】
また、マルチタップによる入力に際しては、たとえば、第1の領域410における「か」を示す領域への接触が検出されることによって、「か」行に割り当てられた処理を実行することにより「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域420が既に生成(展開)されている状態で、さらに第1の領域410における「か」を示す領域への接触が検出された場合、第2の領域420における選択候補領域(第2の選択領域421)を「か」→「き」→「く」→「け」→「こ」→「か」・・・というように順次切り替える。
【0094】
マルチタップによる入力に際しては、選択された候補の確定方法は、第1の領域410および第2の領域420以外の領域が接触されたときに限るものではない。たとえば、「選択候補領域である状態が一定時間続いた場合」、「右カーソルキー(特定の領域)の接触が検出された場合」などに選択された候補を確定するようにしてもよい。また、たとえば、「端末に振動が加わったとき」に選択された候補を確定するようにしてもよい。
【0095】
(入力方法例/ツータッチ入力)
図6−1および図6−2は、この発明にかかる実施の形態の入力装置100の入力方法例のうちツータッチ方式による入力方法例を示す説明図である。図6−1および図6−2において、ツータッチ方式による入力(ツータッチ入力)は、2回のタップで1つの文字を入力(確定)する方法であって、複数の文字が割り付けられたキーをタップした後、割り付けられた複数のキーから入力したキーを選択することによっておこなわれる。
【0096】
具体的には、たとえば、第1の領域410における「か」を示す領域への接触が検出された場合、「か」を示す領域の周辺に「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域420を生成(展開)する(図6−1を参照)。そして、「か」を示す領域の周辺に展開された「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域420のうち、接触が検出された第2の領域420が示す文字の領域を第2の選択領域421とし、当該文字を入力(確定)する(図6−2を参照)。
【0097】
(入力方法例/ジェスチャ入力)
図7−1、図7−2および図7−3は、この発明にかかる実施の形態の入力装置100の入力方法例のうちジェスチャ方式による入力方法例を示す説明図である。図7−1、図7−2および図7−3において、ジェスチャ方式による入力(ジェスチャ入力)は、タッチパネル102上で指などをドラッグすることにより文字を入力する方法であって、指が領域上を通過したときに、当該指が通過した領域が選択されたと判断し、指が離れたときの領域の1つの文字を入力(確定)することによっておこなわれる。
【0098】
具体的には、たとえば、第1の領域410における「か」を示す領域への接触が検出された場合(図7−1を参照)、「か」を示す領域の周辺に「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域420を生成(展開)する(図7−2を参照)。そして、第1の領域410において検出された「か」を示す領域が、当該「か」を示す領域の周辺に生成(展開)された「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域420のうちのいずれかにドラッグされ、これらの第2の領域420のうちのいずれかの第2の領域420の位置で接触が解除された場合、接触が解除された位置における第2の領域420(第2の選択領域421)が示す文字を入力(確定)する(図7−3を参照)。
【0099】
(第2の領域420の切り替え方法・その1)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の入力装置100における、第2の領域420の切り替え方法について説明する。図8−1、図8−2および図8−3は、この発明にかかる実施の形態の入力装置100における、第2の領域420の切り替え方法を示す説明図である。図8−1、図8−2および図8−3においては、五十音の清音と濁音とを切り替える場合の切替方法について説明する。
【0100】
図8−1においては、タッチパネル102に、五十音の「あ」段に該当する文字によって第1の領域410が表示されている状態を示している。第1の領域410は、タッチパネル102において同時に複数表示されている。入力装置100は、タッチパネル102に表示された複数の第1の領域410のうち、いずれか一つの第1の領域410(図8−1においては上段中央に位置する第1の領域410)が接触されたことを検出した場合、「か」を示す第1の領域410の周辺に「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域420を生成(展開)する(図8−2を参照)。
【0101】
また、入力装置100は、タッチパネル102に表示された複数の第1の領域410のうち、いずれか一つの第1の領域410である第1の選択領域411(図8−1においては上段中央に位置する第1の領域410)が接触されたことを検出した場合、「か」を示す第1の選択領域411の周辺に「゛(濁点)」を示す第3の領域422を生成(展開)する(図8−2を参照)。「゛(濁点)」を示す第3の領域422は、清音から濁音への切り替えキーであることを示す。
【0102】
第2の領域420は、第1の選択領域411の上側における、第1の選択領域411を中心とする円周に沿って円弧状に生成する。第3の領域422は、第1の選択領域411の下側、すなわち、第1の選択領域411を間にして第2の領域420とは反対側に生成(展開)する。このように、第1の選択領域411を間にして第2の領域420と第3の領域422とを反対側に生成(展開)することにより、第2の領域420に対する操作と第3の領域422に対する操作とをわかりやすく分けることができ、操作ミスを防止することができる。
【0103】
「゛(濁点)」を示す第3の領域422が接触されたことを検出した場合、「か」を示す第1の領域410の周辺に「が」、「ぎ」、「ぐ」、「げ」、「ご」を示す第2の領域420を生成(展開)する(図8−3を参照)。また、「゛(濁点)」を示す第3の領域422が接触されたことを検出した場合、「か」を示す第1の選択領域411の周辺に、濁音から清音への切り替えキーであることを示す第3の領域422を生成(展開)する(図8−3を参照)。
【0104】
図8−3において、濁音から清音への切り替えキーであることを示す第3の領域422が接触されたことを検出した場合、「か」を示す第1の領域410の周辺に、ふたたび、「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域420、および、「゛(濁点)」を示す第3の領域422を生成(展開)する。このように、入力装置100においては、第3の領域422に対する接触が複数回繰り返して検出された場合、第3の領域422に割り当てられる機能を、トグル形式によって順次切り替える。トグル形式による切り替えによって、第3の領域422に対する接触が検出された回数に応じて、清音→濁音→半濁音→拗音→清音・・・などのように切り替えることができる。
【0105】
(第2の領域420の切り替え方法・その2)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の入力装置100における、第2の領域420の別の切り替え方法について説明する。図9−1および図9−2は、この発明にかかる実施の形態の入力装置100における、第2の領域420の切り替え方法を示す説明図である。図9−1および図9−2においては、アルファベット文字の大文字と小文字とを切り替える場合の切替方法について説明する。
【0106】
図9−1において、タッチパネル102上に表示された第1の領域410は、アルファベット文字の大文字を示している。複数の第1の領域410は、それぞれ、「A」、「D」、「G」、「J」、「M」、「P」、「T」、「W」の各文字(代表文字)を示す。各文字(代表文字)によって示される各第1の領域410には、それぞれ、グルーピングされた複数の文字が割り当てられている。
【0107】
たとえば「A」を示す第1の領域410には、「A、B、C」の3つのアルファベット文字(大文字)が割り当てられている。また、たとえば「D」を示す第1の領域410には、「D、E、F」の3つのアルファベット文字(大文字)が割り当てられている。また、たとえば「G」を示す第1の領域410には、「G、H、I」の3つのアルファベット文字(大文字)が割り当てられている。また、たとえば「J」を示す第1の領域410には、「J、K、L」の3つのアルファベット文字(大文字)が割り当てられている。
【0108】
また、たとえば「M」を示す第1の領域410には、「M、N、O」の3つのアルファベット文字(大文字)が割り当てられている。また、たとえば「P」を示す第1の領域410には、「P、Q、R、S」の4つのアルファベット文字(大文字)が割り当てられている。また、たとえば「T」を示す第1の領域410には、「T、U、V」の3つのアルファベット文字(大文字)が割り当てられている。また、たとえば「W」を示す第1の領域410には、「W、X、Y、Z」の4つのアルファベット文字(大文字)が割り当てられている。
【0109】
タッチパネル102に表示された複数の第1の領域410のうち、いずれか一つの第1の領域410(図9−1においては上段中央に位置する、「A」を示す第1の領域410)が接触されたことを検出した場合、「A」を示す第1の領域410が第1の選択領域411となり、当該第1の選択領域411の周辺であって当該第1の選択領域411よりも上側に「A」、「B」、「C」を示す第2の領域420を生成(展開)する(図9−1を参照)。第2の領域420は、第1の選択領域411を中心とする円周に沿って円弧状に生成する。
【0110】
また、タッチパネル102に表示された複数の第1の領域410のうち、いずれか一つの第1の領域410(図9−1においては上段中央に位置する、「A」を示す第1の領域410)が接触されたことを検出した場合、「A」を示す第1の領域410が第1の選択領域411となり、当該第1の選択領域411の周辺であって当該第1の選択領域411よりも下側に、小文字の「a」を示す第3の領域422を生成(展開)する。第3の領域422は、第1の選択領域411の下側、すなわち、第1の選択領域411を間にして第2の領域420とは反対側に生成(展開)する。
【0111】
図9−1に示した状態において、小文字の「a」を示す第3の領域422が接触されたことを検出した場合、「A」を示す第1の領域410(すなわち第1の選択領域411)の周辺に「a」、「b」、「c」を示す第2の領域420を生成(展開)する(図9−2を参照)。また、小文字の「a」を示す第3の領域422が接触されたことを検出した場合、第1の選択領域411の周辺に、小文字から大文字への切り替えキーであることを示す第3の領域422を生成(展開)する(図9−2を参照)。図9−2において、小文字から大文字への切り替えキーであることを示す第3の領域422が接触されたことを検出した場合、「A」を示す第1の領域410の周辺に、ふたたび、「A」、「B」、「C」を示す第2の領域420、および、小文字の「a」を示す第3の領域422を生成(展開)する。
【0112】
(第2の領域420の切り替え方法・その3)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の入力装置100における、第2の領域420の別の切り替え方法について説明する。図10−1および図10−2は、この発明にかかる実施の形態の入力装置100における、第2の領域420の切り替え方法を示す説明図である。図10−1および図10−2においては、ひらがなの五十音とアルファベット文字とを切り替える場合の切替方法について説明する。
【0113】
図10−1において、タッチパネル102上に表示された第1の領域410は、五十音の「あ」段に該当する文字、および、アルファベット文字をグルーピングしたグループの代表文字(大文字)を示している。複数の第1の領域410のうち、該当する第1の領域410においては、ひらがなとアルファベット文字とを並記する。具体的には、たとえば、複数の第1の領域410のうち、「か」および「A」を示す第1の領域410には、「かA」という文字列を表示する。「かA」という文字列によって示される第1の領域410には、「か、き、く、け、こ」の5つのひらがな文字および「A、B、C」の3つのアルファベット文字(大文字)が割り当てられている。
【0114】
同様に、たとえば「さD」を示す第1の領域410には、「さ、し、す、せ、そ」の5つのひらがな文字および「D、E、F」の3つのアルファベット文字(大文字)が割り当てられている。また、たとえば「たG」を示す第1の領域410には、「た、ち、つ、て、と」の5つのひらがな文字および「G、H、I」の3つのアルファベット文字(大文字)が割り当てられている。また、たとえば「なJ」を示す第1の領域410には、「な、に、ぬ、ね、の」の5つのひらがな文字および「J、K、L」の3つのアルファベット文字(大文字)が割り当てられている。
【0115】
また、たとえば「はM」を示す第1の領域410には、「は、ひ、ふ、へ、ほ」の5つのひらがな文字および「M、N、O」の3つのアルファベット文字(大文字)が割り当てられている。また、たとえば「まP」を示す第1の領域410には、「ま、み、む、め、も」の5つのひらがな文字および「P、Q、R、S」の4つのアルファベット文字(大文字)が割り当てられている。また、たとえば「やT」を示す第1の領域410には、「や、ゆ、よ」の3つのひらがな文字および「T、U、V」の3つのアルファベット文字(大文字)が割り当てられている。また、たとえば「らW」を示す第1の領域410には、「ら、り、る、れ、ろ」の5つのひらがな文字および「W、X、Y、Z」の4つのアルファベット文字(大文字)が割り当てられている。
【0116】
タッチパネル102に表示された複数の第1の領域410のうち、いずれか一つの第1の領域410(図10−1においては上段中央に位置する、「かA」を示す第1の領域410)が接触されたことを検出した場合、「かA」を示す第1の領域410が第1の選択領域411となり、当該第1の選択領域411の周辺であって当該第1の選択領域411よりも上側に「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域420を生成(展開)する(図10−1を参照)。第2の領域420は、第1の選択領域411を中心とする円周に沿って円弧状に生成する。
【0117】
また、タッチパネル102に表示された複数の第1の領域410のうち、いずれか一つの第1の領域410(図10−1においては上段中央に位置する、「かA」を示す第1の領域410)が接触されたことを検出した場合、「かA」を示す第1の領域410が第1の選択領域411となり、当該第1の選択領域411の周辺であって当該第1の選択領域411よりも下側に、アルファベット文字の「A」を示す第3の領域422を生成(展開)する。第3の領域422は、第1の選択領域411の下側、すなわち、第1の選択領域411を間にして第2の領域420とは反対側に生成(展開)する。
【0118】
図10−1に示した状態において、アルファベット文字の「A」を示す第3の領域422が接触されたことを検出した場合、「かA」を示す第1の領域410の周辺に「A」、「B」、「C」を示す第2の領域420を生成(展開)する(図10−2を参照)。また、アルファベット文字の「A」を示す第3の領域422が接触されたことを検出した場合、「かA」を示す第1の領域410の周辺であって「かA」を示す第1の領域410よりも下側に、ひらがな文字の「か」を示す第3の領域422を生成(展開)する(図10−2を参照)。ひらがな文字の「か」を示す第3の領域422は、アルファベット文字からひらがな文字への切り替えキーであることを示す。
【0119】
(第2の領域420の切り替え方法・その4)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の入力装置100における、第2の領域420の別の切り替え方法について説明する。図11は、この発明にかかる実施の形態の入力装置100における、第2の領域420の切り替え方法を示す説明図である。図11においては、ひらがなの五十音とアルファベット文字とが混在した状態において、ひらがなの清音を濁音に切り替えたり、アルファベット文字の大文字を小文字に切り替えたりする場合の切替方法について説明する。
【0120】
図11において、タッチパネル102上に表示された第1の領域410は、五十音の「あ」段に該当する文字、アルファベット文字をグルーピングしたグループの代表文字(大文字)、および、ローマ数字の「2」を示している。複数の第1の領域410のうち、該当する第1の領域410においては、ひらがなとアルファベット文字とを並記する。具体的には、たとえば、複数の第1の領域410のうち、「か」、「A」および「2」を示す第1の領域410には、「かA」という文字列を表示する。「かA」という文字列によって示される第1の領域410には、「か、き、く、け、こ」の5つのひらがな文字、「A、B、C」の3つのアルファベット文字(大文字)、および、ローマ数字の「2」が割り当てられている。
【0121】
タッチパネル102に表示された複数の第1の領域410のうち、いずれか一つの第1の領域410(図11においては上段中央に位置する、「かA」を示す第1の領域410)が接触されたことを検出した場合、「かA」を示す第1の領域410の周辺であって「かA」を示す第1の領域410よりも上側にひらがなの「か、き、く、け、こ」、アルファベット文字の「A、B、C」およびローマ数字の「2」を示す第2の領域420を生成(展開)する。第2の領域420は、第1の選択領域411を中心とする円周に沿って円弧状に生成する。
【0122】
また、タッチパネル102に表示された複数の第1の領域410のうち「かA」を示す第1の領域410が接触されたことを検出した場合、「かA」を示す第1の領域410の周辺であって「かA」を示す第1の領域410よりも下側に、アルファベット文字の小文字の「a」を示す第3の領域422と、「゛(濁点)」を示す第3の領域422と、を生成(展開)する。第3の領域422は、複数生成され、それぞれが、第1の選択領域411の下側すなわち第1の選択領域411を間にして第2の領域420とは反対側に生成(展開)する。
【0123】
図11において、アルファベット文字の小文字の「a」を示す第3の領域422が接触されたことを検出した場合、「かA」を示す第1の領域410の周辺にひらがなの「か、き、く、け、こ」、アルファベット文字の小文字の「a、b、c」およびローマ数字の「2」を示す第2の領域420を生成(展開)する。また、アルファベット文字の小文字の「a」を示す第3の領域422が接触されたことを検出した場合、「かA」を示す第1の領域410の周辺であって「かA」を示す第1の領域410よりも下側に、アルファベット文字の小文字の「a」を示す第3の領域422に代えて、アルファベット文字の大文字の「A」を示す第3の領域422を生成(展開)する。アルファベット文字の大文字の「A」を示す第3の領域422は、アルファベット文字の小文字から大文字への切り替えキーであることを示す。
【0124】
また、図11において、「゛(濁点)」を示す第3の領域422が接触されたことを検出した場合、「かA」を示す第1の領域410の周辺にひらがなの「が、ぎ、ぐ、げ、ご」、アルファベット文字の小文字の「a、b、c」およびローマ数字の「2」を示す第2の領域420を生成(展開)する。また、「゛(濁点)」を示す第3の領域422が接触されたことを検出した場合、「かA」を示す第1の領域410の周辺であって「かA」を示す第1の領域410よりも下側に、「゛(濁点)」を示す第3の領域422に代えて、濁音から清音への切り替えキーであることを示す第3の領域422を生成(展開)する。
【0125】
(第2の領域420の切り替え方法・その5)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の入力装置100における、第2の領域420の別の切り替え方法について説明する。図示を省略するが、第3の領域422には、第2の領域420に生成される文字が全角文字または半角文字を示すように、選択されるごとに全角文字と半角文字とを切り替える機能を割り当てることができる。
【0126】
この場合、上述したような清音と濁音との切り替え、清音と半濁音との切り替え、清音と拗音との切り替え、「ひらがな」と「カタカナ」との切り替え、大文字と小文字との切り替えなどの各種の切り替えと同様に、第3の領域422が選択されるごとに、メモリ204に記憶されている各種情報に基づいて、第2の領域420に生成される全角文字を半角文字に切り替えたり、第2の領域420に生成される半角文字を全角文字に切り替えたりすることができる。
【0127】
また、この場合、第2の領域420に生成される全角文字が半角文字に切り替わったり、第2の領域420に生成される半角文字が全角文字に切り替わったりするごとに、第3の領域422が示す切り替えキーの内容を適宜切り替えて当該第3の領域422を生成(展開)する。
【0128】
(選択した文字(文字列)のキャンセル)
つぎに、選択した文字(文字列)のキャンセル方法について説明する。図12−1および図12−2は、この発明にかかる実施の形態の入力装置100における、選択した文字(文字列)のキャンセル方法を示す説明図である。
【0129】
図12−1および図12−2において、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、上記の方法によって選択した文字(文字列)をキャンセルすることができる。選択した文字(文字列)のキャンセルは、選択された文字(文字列)が確定される前での任意のタイミングでおこなうことができる。
【0130】
図12−1においては、第1の領域410において「か」を示す領域が第1の選択領域411として選択され、第2の領域420において「か」を示す領域が第2の選択領域421として選択され、第2の選択領域421に「下記の」、「確認」、「関して」、「カタログ」という文字列を示す領域430が割り当てられている。これらの文字列が示す領域430において、「下記の」という文字列を示す領域431が選択された場合、当該「下記の」という文字列に関連する文字列として「件について」、「様に」、「項目を」などの文字列を示す領域1210が生成(展開)される。
【0131】
この状態において、選択した項目をキャンセルする場合、直下位の階層における領域をタップするなどして選択する。具体的には、たとえば、図12−1および図12−2の例においては、「下記の」という文字列が示す領域431を選択した後に、直下位の階層における「か」を示す領域421を選択する。
【0132】
上位の階層における領域が選択された後に、直下位の階層における領域が選択された場合、上位の階層において選択されていた領域に割り当てられた処理を実行することによって生成(展開)されていた領域をたたむ(閉じる)。具体的には、たとえば、図12−1および図12−2の例においては、「下記の」という文字列を選択した後に、直下位の階層における「か」を示す領域が選択された場合、「下記の」という文字列および当該文字列と同一階層の文字列を示すために生成(展開)されていた領域がたたまれる。このようにして、入力(選択)した文字や文字列の確定前であれば、任意の階層まで戻ることができる。
【0133】
上位の階層における領域が選択された後に、直下位の階層における領域を選択する場合、直下位の階層における任意の領域を選択することができる。具体的には、たとえば、図12−1および図12−2の例においては、「下記の」という文字列の選択をキャンセルする場合、直下位の階層における「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」のいずれの領域であっても選択することができる。
【0134】
そして、上位の選択がキャンセルされ、直下位の階層が選択された場合、選択された直下位の階層に割り当てられた処理を実行することによって、ふたたび複数の領域を生成(展開)する。具体的には、たとえば、図12−1および図12−2の例においては、第2の領域420における「か」を示す領域を第2の選択領域421として選択した後、当該選択をキャンセルして「き」を示す領域が選択された場合、「き」を頭文字とする文字列があらたに生成(展開)される。
【0135】
(入力装置100の処理手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の入力装置100の処理手順について説明する。図13は、この発明にかかる実施の形態の入力装置100の処理手順を示すフローチャートである。図13のフローチャートにおいて、まず、領域が選択されたか否かを判断する(ステップS1301)。
【0136】
ステップS1301においては、タッチパネル102に対する接触が検出されたか否かを判断することによって領域が選択されたか否かを判断する。また、ステップS1301においては、タッチパネル102に対する接触が検出された時点におけるタッチパネル102の表示内容と、接触が検出された位置(接触位置)と、検出された接触が解除された位置と、を特定し、特定内容に基づいて領域が選択されたか否かを判断する。ステップS1301において、領域が選択されていない場合(ステップS1301:No)は、領域が選択されるまで待機する。
【0137】
ステップS1301において、領域が選択された場合(ステップS1301:Yes)は、選択された領域に割り当てられている文字(または文字列)があるか否かを判断する(ステップS1302)。ステップS1302においては、ステップS1301:Yesにおいて領域が選択された時点におけるタッチパネル102の表示内容を特定し、特定された表示内容と検出された接触位置とに基づいて選択された領域を特定し、特定された領域に基づいて当該領域に文字(または文字列)が割り当てられているか否かを判断する。選択された領域に割り当てられている文字(または文字列)がない場合(ステップS1302:No)は、ステップS1309へ移行する。
【0138】
ステップS1302において、ステップS1301:Yesにおいて選択された領域に文字(または文字列)が割り当てられている場合(ステップS1302:Yes)は、あらかじめ記憶されている情報に基づいて、ステップS1301:Yesにおいて選択された領域に割り当てられた文字(または文字列)を特定する(ステップS1303)。
【0139】
つぎに、ユーザ設定情報を取得する(ステップS1304)とともに、残りの画面領域情報を取得する(ステップS1305)。ユーザ設定情報は、領域の展開に関する情報であって、ユーザごとに設定される。具体的には、ユーザ設定情報は、たとえば、ユーザの利き手(右利きか左利きか)、ユーザの手の大きさや指の長さなど、ユーザの身体的な情報とすることができる。また、ユーザ設定情報は、たとえば、生成(展開)する領域を表示(可視化)するかどうか、生成(展開)する領域を表示(可視化)する場合はタップされてから表示(可視化)するまでの時間(遅延時間)などを特定する情報とすることができる。ユーザ設定情報は、あらかじめユーザによって当該ユーザの任意のタイミングで設定される。
【0140】
残りの画面領域情報は、候補を生成(展開)する領域を特定可能な情報であって、領域が選択された時点におけるタッチパネル102の表示内容や、タッチパネル102における選択された領域の位置などによって異なる。ステップS1304における処理とステップS1305における処理とは、実行する順序が逆であってもよい。すなわち、残りの画面領域情報を取得した後に、ユーザ設定情報を取得するようにしてもよい。
【0141】
つぎに、ステップS1303において特定された文字、ステップS1304において取得されたユーザ設定情報、および、ステップS1305において取得された残りの画面領域情報に基づいて、新たな領域を生成(展開)するための情報を生成する(ステップS1306)。ステップS1306においては、ステップS1301:Yesにおいて選択された領域の周辺に生成(展開)する、当該選択された領域に割り当てられた新たな領域を生成(展開)するための情報を生成する。
【0142】
ステップS1306においては、たとえば、ユーザにタッチパネル102上で指をドラッグさせることによってユーザの手指の届く範囲を検出することによって、展開される新たな領域がユーザの手指の届く範囲内に収まるように、当該新たな領域を展開するための情報を生成することができる。また、ステップS1306においては、たとえば、ユーザにタッチパネル102上で指をドラッグさせ、ドラッグした軌跡を検出することによって、新たな領域がユーザの手指の移動軌跡上に展開されるように、当該新たな領域を展開するための情報を生成することができる。また、ステップS1306においては、たとえば、残りの画面領域の広さ、当該残りの画面領域の形状、当該残りの画面領域のタッチパネル102上における位置などに応じて、展開される新たな領域の大きさや形状などを決定し、決定された結果に基づいて該新たな領域を展開するための情報を生成するようにしてもよい。
【0143】
つぎに、ステップS1306において生成された情報に基づいて、新たな領域をタッチパネル102上に生成(展開)する(ステップS1307)。そして、ステップS1307においてタッチパネル102上に生成(展開)された新たな領域を含む、タッチパネル102に生成(展開)されている各領域のいずれか一つが確定されたか否かを判断する(ステップS1308)。ステップS1308において、確定されていない場合(ステップS1308:No)は、ステップS1301へ移行する。
【0144】
ステップS1308においては、ステップS1307において生成(展開)された新たな領域の中からいずれか一つの領域が選択されたか否かを判断することによって確定されたか否かを判断する。また、ステップS1308においては、それぞれの入力方式に応じた所定の処理(たとえば、確定処理)が検出されたか否かを判断し、それぞれの入力方式に応じた所定の処理が検出された場合に領域を確定する。また、ステップS1308においては、ステップS1307において生成(展開)された新たな領域のそれぞれが、さらなる領域が割り当てられていない領域である場合に、選択された一つの領域を確定する。
【0145】
ステップS1308において、生成(展開)された新たな領域を含む、タッチパネル102に生成(展開)されている各領域のいずれか一つが確定された場合(ステップS1308:Yes)は、確定された処理を実行して(ステップS1309)、一連の処理を終了する。ステップS1309においては、たとえば、文字や文字列などによって構成される新しい領域を生成(展開)する処理を実行する。具体的には、ステップS1309においては、たとえば、入力された文字を表示するためにタッチパネル102上の所定の位置に設けられた入力内容表示領域に、確定された領域に割り当てられた文字(または文字列)を表示する処理を実行する。
【0146】
具体的には、ステップS1309においては、たとえば、確定された領域が「あ」段を示す複数の第1の領域のうち「か」を示す第1の領域である場合は、「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」を示す第2の領域420、および、「゛(濁点)」を示す第3の領域422を生成(展開)する処理を実行する。また、具体的には、ステップS1309においては、たとえば、確定された領域が「下記の」、「確認」、「関して」などの文字列を示す領域430における「下記の」を示す領域431である場合は、「件について」、「様に」、「項目を」などの領域1210を生成(展開)する処理を実行する。
【0147】
一方、ステップS1308において、確定されていない場合(ステップS1308:No)は、ステップS1301へ移行する。また、ステップS1307において生成(展開)された新たな領域の中から選択された一つの領域に、さらなる複数の領域が割り当てられている場合は、ステップS1301へ移行する。
【0148】
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、タッチパネル102を備えた入力装置100であって、タッチパネル102に、かな文字またはアルファベット文字を複数の所定のグループにグルーピングし、グルーピングされた各所定のグループの内容を示す複数の第1の領域410を表示し、表示された複数の第1の領域410のうちのいずれか一つである第1の選択領域411が接触されたことが検出された場合に、当該第1の選択領域411に割り当てられた各グループの文字を示す複数の新たな第2の領域420を生成するとともに、当該第2の領域420とは別の領域に、第3の領域422を生成する。
【0149】
また、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、第3の領域422が接触されたことを示す第1の操作、または、第1の選択領域411において検出された接触が移動して第3の領域422に進入したことを示す第2の操作を検出し、第1の操作または第2の操作が検出された場合に、第3の領域422に割り当てられた機能にしたがって、第2の領域420に表示された文字の表示をあらかじめ定められた所定の文字に切り替えて表示するようにしたことを特徴としている。
【0150】
この発明にかかる実施の形態の入力装置100によれば、第1の領域410の中から第1の選択領域411が選択された場合、第2の領域420と第3の領域422とが表示されるので、たとえばひらがなとカタカナ、ひらがなとアルファベット文字、大文字と小文字、などのように表記の異なる複数種類の文字の入力に際して、入力する文字の種類(表記方法)を容易に切り替えることができる。これによって、表記の異なる複数種類の文字を、容易かつ迅速に入力することができる。
【0151】
また、この発明にかかる実施の形態の入力装置100によれば、タッチパネル102に対しておこなわれた、領域の選択にかかる操作が第2の領域420に対しておこなわれたものか第3の領域422に対しておこなわれたものかを特定し、特定結果にしたがって第2の領域420が示す文字を切り替えたり、第2の領域420が示す文字を入力(確定)したりすることができる。これによって、ユーザは、煩雑な切り替え操作をおこなうことなく、当該ユーザが所望する方法によって入力操作をおこなうことができる。また、これによって、ユーザは、機種の違いに左右されることなく、ユーザが所望する方法によって、表記の異なる複数種類の文字を容易かつ迅速に入力することができる。
【0152】
また、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、第1の領域410が、五十音のかな文字の各行の内容または「あ」段の文字を示す複数の領域であり、第2の領域420が、第1の領域410において接触が検出された第1の選択領域411に割り当てられた各行の文字を示す複数の新たな領域であることを特徴としている。
【0153】
この発明にかかる実施の形態の入力装置100によれば、五十音のかな文字のそれぞれが複数の第1の領域410におけるいずれの領域に割り当てられているかをわかりやすく案内することができ、かな文字入力に際してユーザにかかる負担軽減を図ることができる。これによって、ユーザは、表記の異なる複数種類の文字を容易かつ迅速に入力することができる。
【0154】
また、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、第3の領域422を複数個表示することを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の入力装置100によれば、第2の領域420における表示をユーザが希望する表記の文字に容易かつ迅速に切り替えることができる。これによって、ユーザは、表記の異なる複数種類の文字を容易かつ迅速に入力することができる。
【0155】
また、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、各第2の領域420をタッチパネル102の表示画面における第1の領域410の上側に表示するとともに、第3の領域422をタッチパネル102の表示画面における第1の領域410の下側に生成することを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の入力装置100によれば、第1の選択領域411を間にして第2の領域420と第3の領域422とを反対側に生成(展開)することにより、第2の領域420に対する操作と第3の領域422に対する操作とをわかりやすく分けることができ、操作ミスを防止することができる。これによって、表記の異なる複数種類の文字を容易かつ迅速に入力することができる。
【0156】
また、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、第1の領域410が、五十音のかな文字の各行の内容または「あ」段の文字を示す複数の領域である場合に、第1の操作または第2の操作が検出されるたびに、清音と、濁音、半濁音および拗音の少なくともいずれかとを切り替えて表示することを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の入力装置100によれば、第2の領域420における表示をトグル方式により切り替えることができ、ユーザが希望する表記の文字に容易かつ迅速に切り替えることができる。これによって、ユーザは、表記の異なる複数種類の文字を容易かつ迅速に入力することができる。
【0157】
また、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、第1の領域410が、五十音のかな文字の各行の内容または「あ」段の文字を示す複数の領域である場合に、第1の操作または第2の操作が検出されるたびに、ひらがなとカタカナとを切り替えて表示することを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の入力装置100によれば、ひらがなとカタカナとの切り替えを容易かつ迅速におこなうことができる。これによって、ユーザは、表記の異なる複数種類の文字を容易かつ迅速に入力することができる。
【0158】
また、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、第1の領域410が、アルファベット文字が複数の所定のグループにグルーピングされた各所定のグループの内容を示す複数の領域である場合に、第1の操作または第2の操作が検出されるたびに、大文字と小文字とを切り替えて表示することを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の入力装置100によれば、アルファベット文字の入力に際しての大文字と小文字との表記を容易かつ迅速に切り替えることができる。これによって、ユーザは、表記の異なる複数種類の文字を容易かつ迅速に入力することができる。
【0159】
また、この発明にかかる実施の形態の入力装置100は、第1の操作または第2の操作が検出されるたびに、全角文字と半角文字とを切り替えて表示することを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の入力装置100によれば、全角文字と半角文字との表記を容易かつ迅速に切り替えることができる。これによって、ユーザは、表記の異なる複数種類の文字を容易かつ迅速に入力することができる。
【産業上の利用可能性】
【0160】
以上のように、この発明にかかる入力装置、入力方法および入力プログラムは、ユーザの操作に基づいて文字入力をおこなう入力装置、入力方法および入力プログラムに有用であり、特に、表記の異なる複数種類の文字入力をおこなう入力装置、入力方法および入力プログラムに適している。
【符号の説明】
【0161】
100 入力装置
102 タッチパネル
301 第1の表示制御部
302 記憶部
303 第1の検出部
304 領域生成部
305 第2の検出部
306 第2の表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルを備えた入力装置であって、
前記タッチパネルに、かな文字またはアルファベット文字を複数の所定のグループにグルーピングし、グルーピングされた各所定のグループの内容を示す複数の領域(以下「第1の領域」という)を表示する第1の表示制御手段と、
前記第1の表示制御手段によって表示された複数の前記第1の領域のうちのいずれか一つ(以下「第1の選択領域」という)が接触されたことを検出する第1の検出手段と、
前記第1の検出手段によって接触が検出された場合に、当該第1の選択領域に割り当てられた各グループの文字を示す複数の新たな領域(以下「第2の領域」という)を表示するとともに、
前記第2の領域とは別の領域に、第3の領域を生成する領域生成手段と、
前記第3の領域が接触されたこと(以下「第1の操作」という)、または、前記第1の選択領域において検出された接触が移動して前記第3の領域に進入したこと(以下「第2の操作」という)を検出する第2の検出手段と、
前記第2の検出手段によって前記第1の操作または前記第2の操作が検出された場合に、第3の領域に割り当てられた機能にしたがって、前記第2の領域に表示された文字の表示をあらかじめ定められた所定の文字に切り替えて表示する第2の表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記第1の領域は、五十音のかな文字の各行の内容または「あ」段の文字を示す複数の領域であり、
前記第2の領域は、前記第1の検出手段によって接触が検出された場合に、当該第1の選択領域に割り当てられた各行の文字を示す複数の新たな領域であることを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記第2の表示制御手段は、前記第3の領域を複数個表示することを特徴とする請求項1または2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記領域生成手段は、各前記第2の領域を前記タッチパネルの表示画面における前記第1の領域の上側に表示するとともに、前記第3の領域を前記タッチパネルの表示画面における前記第1の領域の下側に生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の入力装置。
【請求項5】
前記領域生成手段は、前記第1の領域が、五十音のかな文字の各行の内容または「あ」段の文字を示す複数の領域である場合に、前記第2の検出手段によって前記第1の操作または前記第2の操作が検出されるたびに、清音と、濁音、半濁音および拗音の少なくともいずれかとを切り替えて表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の入力装置。
【請求項6】
前記第2の表示制御手段は、前記第1の領域が、五十音のかな文字の各行の内容または「あ」段の文字を示す複数の領域である場合に、前記第2の検出手段によって前記第1の操作または前記第2の操作が検出されるたびに、ひらがなとカタカナとを切り替えて表示することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の入力装置。
【請求項7】
前記第2の表示制御手段は、前記第1の領域が、アルファベット文字が複数の所定のグループにグルーピングされた各所定のグループの内容を示す複数の領域である場合に、前記第2の検出手段によって前記第1の操作または前記第2の操作が検出されるたびに、大文字と小文字とを切り替えて表示することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の入力装置。
【請求項8】
前記第2の表示制御手段は、前記第2の検出手段によって前記第1の操作または前記第2の操作が検出されるたびに、全角文字と半角文字とを切り替えて表示することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の入力装置。
【請求項9】
タッチパネルを用いた入力方法であって、
前記タッチパネルに、かな文字またはアルファベット文字を複数の所定のグループにグルーピングし、グルーピングされた各所定のグループの内容を示す複数の領域(以下「第1の領域」という)を表示する第1の表示工程と、
前記第1の表示工程によって表示された複数の前記第1の領域のうちのいずれか一つ(以下「第1の選択領域」という)が接触されたことを検出する第1の検出工程と、
前記第1の検出工程によって接触が検出された場合に、当該第1の選択領域に割り当てられた各グループの文字を示す複数の新たな領域(以下「第2の領域」という)を表示するとともに、
前記第2の領域とは別の領域に、第3の領域を生成する領域生成工程と、
前記第3の領域が接触されたこと(以下「第1の操作」という)、または、前記第1の選択領域において検出された接触が移動して前記第3の領域に進入したこと(以下「第2の操作」という)を検出する第2の検出工程と、
前記第2の検出工程によって前記第1の操作または前記第2の操作が検出された場合に、第3の領域に割り当てられた機能にしたがって、前記第2の領域に表示された文字の表示をあらかじめ定められた所定の文字に切り替えて表示する第3の表示工程と、
を含んだことを特徴とする入力方法。
【請求項10】
タッチパネルを備えた情報処理装置に実行させる入力プログラムであって、
前記タッチパネルに、かな文字またはアルファベット文字を複数の所定のグループにグルーピングし、グルーピングされた各所定のグループの内容を示す複数の領域(以下「第1の領域」という)を表示する第1の表示工程と、
前記第1の表示工程によって表示された複数の前記第1の領域のうちのいずれか一つ(以下「第1の選択領域」という)が接触されたことを検出する第1の検出工程と、
前記第1の検出工程によって接触が検出された場合に、当該第1の選択領域に割り当てられた各グループの文字を示す複数の新たな領域(以下「第2の領域」という)を表示するとともに、
前記第2の領域とは別の領域に、第3の領域を表示する第2の表示工程と、
前記第3の領域が接触されたこと(以下「第1の操作」という)、または、前記第1の選択領域において検出された接触が移動して前記第3の領域に進入したこと(以下「第2の操作」という)を検出する第2の検出工程と、
前記第2の検出工程によって前記第1の操作または前記第2の操作が検出された場合に、第3の領域に割り当てられた機能にしたがって、前記第2の領域に表示された文字の表示をあらかじめ定められた所定の文字に切り替えて表示する第3の表示工程と、
を含んだことを特徴とする入力プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図7−3】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図8−3】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図11】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−233051(P2011−233051A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104554(P2010−104554)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(390024350)株式会社ジャストシステム (123)
【Fターム(参考)】