説明

入力装置及びその入力装置を備えたゲームシステム

【課題】弦楽器に用いられる演奏技法に対応する動作を入力することができる入力装置を提供する。
【解決手段】ボディ部31と、ボティ部31から延びるネック部32と、ネック部32の先端に設けられたヘッド部33と、を備えたギターコントローラ10は、ヘッド部33に、加速度を検知可能な3軸加速度センサ40が設けられているものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム等に用いられる入力装置及びその入力装置を備えたゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
音楽ゲームにて使用される入力装置であって、ギターを模した入力装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−96061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような音楽ゲーム用の模擬ギター入力装置は、実際のギターのように操作される。このため、模擬ギター入力装置には、ギターのさまざまな演奏技法が用いられる可能性がある。そして、これらの演奏技法には、模擬ギター入力装置を動作させるものが含まれている。一方で、特許文献1の模擬ギター入力装置は、プレイヤが行う動作を入力することができない。このため、このような入力装置を備えたゲームシステムにおいて、プレイヤの動作をゲームに十分に反映させることができない。
【0005】
そこで、本発明は、弦楽器に用いられる演奏技法に対応する動作を入力することができる入力装置及びその入力装置を備えたゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の入力装置(10)は、弦楽器を模して、ボディ部(31)と、前記ボティ部から延びるネック部(32)と、前記ネック部の先端に設けられたヘッド部(33)と、を備えた入力装置において、前記ヘッド部に、加速度を検知可能な加速度検知手段(40)が設けられているものである。
【0007】
本発明によれば、ヘッド部に設けられた加速度検知手段にて動作を検知することができるので、弦楽器を模した入力装置に用いられた演奏技法に対応する動作を検知して入力することができる。また、弦楽器にはさまざまな演奏技法が用いられるが、それらの演奏技法の大部分はボディ部よりもヘッド部を大きく動作させるものである。この場合、ボディ部よりも大きく動作させる傾向にあるヘッド部に加速度検知手段が設けられているので、より感度良く入力装置への動作を検知することができる。これにより、入力装置への動作をより正確に把握することができる。
【0008】
弦楽器としてどのような楽器を模していてもよい。例えば、本発明の入力装置の一態様において、前記弦楽器として、ギターを模していてもよい。
【0009】
本発明の入力装置の一態様において、前記加速度検知手段として、前記ネック部が延びる方向に沿う方向を含む互いに直交する3軸方向の加速度を検知可能な3軸加速度検知手段が用いられていてもよい。この場合、ネック部が延びる方向に沿う方向を含む互いに直交する3軸方向の動作を検知できるので、より多様な演奏技法に対応する動作を入力することができる。
【0010】
本発明のゲームシステムは、少なくとも一つの操作部が設けられている上述した入力装置(10)と、ゲーム画面を表示出力する表示装置(7)と、ゲーム音を再生出力する音声出力装置(4、8)と、楽曲を再生させるための楽曲データを記憶する楽曲データ記憶手段(20)と、前記楽曲データに基づいて前記音声出力装置から前記楽曲を再生させる楽曲再生手段(11)と、前記ゲーム中における前記操作部の操作時期を記述したシーケンスデータ(28)を記憶するシーケンスデータ記憶手段(20)と、前記楽曲上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作部の操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別し、判別した各操作時期に対応する操作指示標識(62)と前記現在時刻に対応する操作基準標識(61)とを、前記ゲーム画面上にて時間軸に沿った配置で表示させるとともに、前記操作指示標識が該操作指示標識にて示されるべき操作時期に前記操作基準標識と一致するようにして、前記操作基準標識と前記操作指示標識との間に前記楽曲上の時間の進行に応じた相対的な変位を生じさせることにより、前記操作部の操作をプレイヤに案内する操作案内手段(10)と、を備え、前記操作案内手段は、プレイヤが前記入力装置に対して所定の動作を行うべき動作時期に対応する動作指示標識(65、67)を前記ゲーム画面上にて時間軸に沿った配置で表示させるとともに、前記動作指示標識が該動作指示標識にて示されるべき動作時期に前記操作基準標識と一致するようにして、前記操作基準標識と前記動作基準標識との間に前記楽曲上の時間の進行に応じた相対的な変位を生じさせることにより、前記所定の動作をプレイヤに案内する動作案内手段(10)を備えているものである。
【0011】
本発明のゲームシステムによれば、楽曲の再生に応じてプレイヤに動作の指示を案内することができるので、例えば、楽曲に応じた演奏技法をプレイヤに要求することができる。これにより、プレイヤの臨場感を向上させることができる。また、上述の入力装置を備えているので、プレイヤの入力装置への動作をゲーム状況に反映させることができる。
【0012】
動作案内手段が案内する所定の動作には、どのような動作が含まれていてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記所定の動作には、前記ボディ部が有する上面と平行し、かつ、前記ネック部が延びる方向に沿う方向と直交する方向への動作が含まれていてもよい。また、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記所定の動作には、前記ボディ部が有する上面と直交し、かつ、前記ネック部が延びる方向に沿う方向と直交する方向への動作が含まれていてもよい。また、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記所定の動作には、前記ヘッド部がプレイヤの横に位置する状態から正面に位置する状態となるように前記ヘッド部を移動させる動作が含まれていてもよい。また、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記所定の動作には、前記ネック部がプレイヤの横に向かって延びるように位置する状態から前記ネック部が鉛直方向の上方に向かって延びるように位置する状態となるように前記ネック部を移動させる動作が含まれていてもよい。
【0013】
本発明のゲームシステムの一態様において、前記入力装置に設けられた前記加速度検知手段の検知結果に基づいて前記所定の動作を判定する判定手段を更に備えていてもよい。この場合、所定の動作を判定することができるので、プレイヤが案内に従って行った所定の動作を評価することができる。
【0014】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0015】
以上、説明したように、本発明の入力装置によれば、弦楽器に用いられる演奏技法に対応する動作を入力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一形態に係る入力装置が適用されたゲーム装置の正面図。
【図2】本発明の一形態に係る入力装置が適用されたゲーム装置の平面図。
【図3】ゲーム装置の機能ブロック図。
【図4】ギターコントローラの拡大斜視図。
【図5】図4のV−V線に関する断面図。
【図6】ギターコントローラのネック部を鉛直方向の上方に立てるように回転させる動作の指示が含まれるゲーム画面。
【図7】ギターコントローラのヘッド部を水平方向に回転させる動作の指示が含まれるゲーム画面。
【図8】プレイヤのジャンプに伴いギターコントローラをY軸方向に移動させる動作の指示が含まれるゲーム画面。
【図9】シーケンスデータの内容の一例を示す図。
【図10】ゲーム制御部が実行するシーケンス処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
【図11】ゲーム制御部が実行する動作評価ルーチンの一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一形態に係る入力装置が適用されたゲーム装置について説明する。図1は、ゲーム装置の正面図を、図2はゲーム装置の平面図を、それぞれ示している。このゲーム装置は、商業施設に設置される業務用の音楽ゲーム装置として構成されている。図示のように、ゲーム装置1は、メインユニット3と、アンプを模した2つの大型スピーカ4と、を備えている。メインユニット3は、筐体6と、筐体6の上部前面に配置されるモニタ7と、モニタ7の下部で筐体6の左右に配置される2つの小型スピーカ8と、各小型スピーカ8の前にそれぞれ配置されるエフェクターを模したフットペダル9と、モニタ7の左右に配置される2つのギターコントローラ10と、を備えている。2つのギターコントローラ10は、それぞれが本発明に係る入力装置として機能する。
【0018】
筐体6には、コイン投入口17と、ゲームの進行に用いられる複数の押しボタン18とが設けられている。なお、筐体6にカード読み取り装置を設けてもよい。これにより、コイン投入口17へのコインの投入と同等の効果をカードのデータを読み取ることにより発生させることができる。
【0019】
図3は、ゲーム装置1の機能ブロック図である。筐体6の内部にはコンピュータとしての制御ユニット11が設けられている。図3に示すように、制御ユニット11は、制御主体としてのゲーム制御部12と、そのゲーム制御部12からの出力に従って動作する表示制御部13及び音声出力制御部14と、を備えている。ゲーム制御部12は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種の周辺装置とを組み合わせたユニットとして構成されている。表示制御部13は、ゲーム制御部12から与えられる描画データに応じた画像をフレームバッファに描画し、その描画した画像に対応する映像信号をモニタ7に出力することにより、モニタ7上に所定の画像を表示させる。音声出力制御部14は、ゲーム制御部12から与えられる音声再生データに応じた音声再生信号を生成してスピーカ4、8に出力することにより、スピーカ4、8から所定の楽曲(効果音等を含む)を再生させる。制御ユニット11には、ギターコントローラ10が接続される。
【0020】
ゲーム制御部12には、外部記憶装置20が接続されている。外部記憶装置20には、DVDROM、CDROM等の光学式記憶媒体、あるいはEEPROM等の不揮発性半導体メモリ装置といった、電源の供給がなくても記憶を保持可能な記憶媒体が使用される。ゲーム装置本体3に外部記憶装置20が接続されることにより、ゲーム制御ユニット11は外部記憶装置20に記憶されている各種プログラム、各種データ等の読み取りが可能になる。
【0021】
外部記憶装置20には、ゲームプログラム21と、ゲームデータ22とが記憶されている。ゲームプログラム21は、ゲーム装置1にて所定の手順に従って音楽ゲームを実行するために必要なコンピュータプログラムであり、そこには、本発明に係る機能を実現するためのシーケンス制御モジュール23及び評価モジュール24が含まれている。筐体6が起動されると、ゲーム制御部12はゲーム装置1として動作するために必要な各種の処理を実行し、音楽ゲームを実行するための環境を設定する。ゲームプログラム21のシーケンス制御モジュール23がゲーム制御部12にて実行されることにより、ゲーム制御部12にはシーケンス処理部15が生成される。また、ゲームプログラム21の評価モジュール24がゲーム制御部12にて実行されることにより、ゲーム制御部12には操作評価部16が生成される。シーケンス処理部15及び操作評価部16は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせによって実現される論理的装置である。シーケンス処理部15は、プレイヤが選択した音楽(楽曲)の再生に合わせてプレイヤに操作を指示し、あるいはプレイヤの操作に応じて効果音等の演出を発生させるといった音楽ゲーム処理を実行する。操作評価部16は、プレイヤの操作及び動作を評価する処理を実行する。なお、ゲームプログラム21には、上述したモジュール23、24の他にも音楽ゲームを実行するために必要な各種のプログラムモジュールが含まれ、ゲーム制御部12にはそれらのモジュールに対応した論理装置が生成されるが、それらの図示は省略した。
【0022】
ゲームデータ22には、ゲームプログラム21に従って音楽ゲームを実行する際に参照されるべき各種のデータが含まれている。例えば、ゲームデータ22には、楽曲データ25、効果音データ26及び画像データ27が含まれている。楽曲データ25は、ゲームの対象となる楽曲をスピーカ6から再生出力させるために必要なデータである。図1では、一種類の楽曲データ25が示されているが、実際には、プレイヤが複数の楽曲からプレイする楽曲を選択可能である。ゲームデータ22には、それらの複数の楽曲データ25がそれぞれの曲を識別するための情報を付して記録されている。効果音データ26は、プレイヤの操作に応答してスピーカ4、8から出力させるべき複数種類の効果音を、効果音毎にユニークなコードと対応付けて記録したデータである。効果音は、楽器その他の様々な種類の音声を含む。効果音データは、各種類に対して、音程を変えて所定のオクターブ数だけ用意されている。画像データ27は、ゲーム画面内の背景画像、各種のオブジェクト、アイコン等をモニタ7に表示させるためのデータである。
【0023】
ゲームデータ22には、さらにシーケンスデータ28が含まれている。シーケンスデータ28は、プレイヤに対して指示すべき操作等を定義したデータである。一曲の楽曲データ25に対して、最低一個のシーケンスデータ28が用意される。シーケンスデータ28の詳細は後述する。なお、制御ユニット11は、プログラム等を含む各種データが外部記憶装置20に記憶されている形態に限定されず、例えば、各種データを通信手段によって取得するように構成されていてもよい。
【0024】
図4は、ギターコントローラ10の拡大斜視図である。ギターコントローラ10は、形状、大きさ等、いわゆるギターを模したもので、ボディ部31と、ボディ部31から延びるネック部32と、ネック部32の先端に取り付けられたヘッド部33と、を備えている。各ギターコントローラ10は、モニタ7の左右上方に設けられたフレーム34にてヘッド部33の移動が制限されつつ、筐体6の左右に設けられたフック35にボディ部31が載置されている。また、ギターコントローラ10は、筐体6内部の制御ユニット11と情報の送受信が可能なように接続されている。ネック部32には、ヘッド部33付近からボディ部31側に向かって順にレッド、グリーン、ブルー、イエロー、ピンクに色分けされた5つのフレットボタン37R、37G、37B、37Y、37Pが操作部として設けられている。プレイヤがこれらの各フレットボタン37R〜37Pを選択する選択操作をすると、フレットボタン37R〜37P毎に異なる選択信号が出力される。各フレットボタン37R〜37Pが本発明に係る操作部として機能する。
【0025】
ボディ部31の中央付近には、ピッキングレバー38が設けられている。ピッキングレバー38は、ギターの弦を弾く動作をシミュレートするためのもので、プレイヤによってギターの弦のように操作される。このため、ピッキングレバー38は、ボディ部31への取付部を支軸として、後述するY軸方向に一定範囲だけ回転運動可能に構成されている。ピッキングレバー38の取付部には、ピッキングレバー38が回転運動可能な一定範囲のほぼ中央に保持されるように不図示の弾性部材が設けられている。また、ピッキングレバー38には、不図示の操作検出用のセンサが設けられている。これにより、ギターコントローラ10は、プレイヤがピッキングレバー38を回転運動させる操作をした場合に、この操作を検出して信号として出力可能である。プレイヤはギターを持つようにギターコントローラ10を持ち、ギターを演奏するようにギターコントローラ10の各フレットボタン37R〜37P及びピッキングレバー38を操作する。
【0026】
図5は、図4のV−V線に関する断面図である。図5に示すように、ヘッド部33には、内部に加速度を検知する加速度検知手段としての3軸加速度センサ40が設けられている。3軸加速度センサ40は、図4に示すX軸、Y軸、Z軸の3軸について加速度を検知することができる。X軸はギターコントローラ10のネック部32の根元からネック部32の先端に向かう軸を、Y軸はギターコントローラ10のボディ部31の上面31aと平行、かつ、X軸と直角に交わる軸を、Z軸はギターコントローラ10のボディ部31の上面31aから鉛直方向に向かう軸、つまり、X軸及びY軸のいずれとも直交する軸を、それぞれ示している。また、図5に示すように、ネック部32の内部には、ボディ部31付近に振動を発生させる振動発生手段としての振動モータ41が設けられている。つまり、フレットボタン37R〜37Pを挟んでヘッド部33に3軸加速度センサ40が、ネック部32のボディ部31付近に振動モータ41が、それぞれ配置されている。ギターコントローラ10は、3軸加速度センサ40が検知した加速度の情報を出力可能に構成されている。また、振動モータ41の動作は制御ユニット11によって制御される。なお、ギターコントローラ10には、その他ゲームの進行を選択、中止等するための不図示の操作ボタン等が設けられていてもよい。
【0027】
図1及び図2に戻り、図示のように、2つの大型スピーカ4は、メインユニット3を挟んでそれぞれ左右に配置される。各大型スピーカ4は、上部スピーカ43と、下部スピーカ44と、を備えている。また、2つの大型スピーカ4は、いずれも上部スピーカ43のスピーカ面43a及び下部スピーカ44のスピーカ面44aがプレイヤの方を向くように、つまり、これらのスピーカ面43a、44aが中央方向を向くように配置されている。
【0028】
次に、図6〜8を参照して、ゲームの概要を説明する。図6〜図8は、いずれも各フレットボタン37R〜37P及びピッキングレバー38の操作時期の指示に加えてプレイヤへの動作の指示を含むゲーム画面を示している。図6は、ギターコントローラ10のネック部32を鉛直方向の上方に立てるように回転させる動作の指示が含まれるゲーム画面48aを、図7は、ギターコントローラ10のヘッド部33を水平方向に回転させる動作の指示が含まれるゲーム画面48bを、図8は、プレイヤのジャンプに伴いギターコントローラ10をY軸方向に移動させる動作の指示が含まれるゲーム画面48cを、それぞれ模式的に示している。図6〜図8に示すように、ゲーム画面には、操作指示領域50と、各種情報を表示する情報表示領域51とが含まれている。情報表示領域51には、評価及び評価の連続数51a、累計で獲得した得点51b、プレイしているステージの種類51e、プレイ状況により減少するライフ51Gといった各種の情報が表示されている。ライフ51Gは、ゲージとして形成されており、減少にともなって残領域51Gaの長さが短くなり、逆に空領域51Gbの長さが長くなる。なお、情報表示領域51には、その他にも難易度、再生している楽曲等の情報が含まれていてよい。
【0029】
操作指示領域50には、上下方向に延びる5つのレーン52R、52G、52B、52Y、52Pが細区分線54にて区分された状態で表示される。各レーン52R〜52Pは、左から右に向かって、Rレーン52R、Gレーン52G、Bレーン52B、Yレーン52Y、Pレーン52Pの順に配置される。Rレーン52Rはギターコントローラ10のレッドフレットボタン37Rに対応し、上部には対応する色を表す「R」の文字が、Gレーン52Gはグリーンフレットボタン37Gに対応し、上部には「G」の文字が、Bレーン52Bはブルーフレットボタン37Bに対応し、上部には「B」の文字が、Yレーン52Yはイエローフレットボタン37Yに対応し、上部には「Y」の文字が、Pレーン52Pはピンクフレットボタン37Pに対応し、上部には「P」の文字が、それぞれ表示される。また、Pレーン52Pの右側には、太区分線55にて区分されることにより、細区分線54と太区分線55との間に動作指示レーン60が形成される。各レーン52R〜52P、60の上端部には、各レーン52R〜52P、60を横断する操作基準標識61が表示される。音楽ゲームの実行に伴って、楽曲が再生され、各レーン52R〜52Pには、操作指示標識としてオブジェクト62が適宜に表示される。
【0030】
オブジェクト62は、曲中の適当な時期に各レーン52R〜52Pの下端部に出現し、図6に矢印で示したように楽曲の進行に従って上方にスクロールされる。プレイヤには、オブジェクト62の操作基準標識61への到達に合わせて、オブジェクト62が表示された各レーン52R〜52Pに対応するギターコントローラ10の各フレットボタン37R〜37Pを選択した状態でピッキングレバー38を操作する演奏操作が要求される。プレイヤが演奏操作を行うと、オブジェクト62が操作基準標識61に一致した時刻と、プレイヤの演奏操作の時刻との間のずれ時間が検出される。そのずれ時間が小さいほどプレイヤの操作が高く評価される。また、演奏操作に応じて各フレットボタン37R〜37Pの選択に対応した効果音が各スピーカ4、8から再生される。図6の例では、Bレーン52Bにてオブジェクト62が操作基準標識61に到達する直前であり、その到達に合わせてプレイヤはギターコントローラ10のブルーフレットボタン37Bを選択した状態でピッキングレバー38を操作する演奏操作をすればよい。
【0031】
また、音楽ゲームの実行に伴って、動作指示レーン50には、各動作指示標識65a〜65cが表示される。これらの各動作指示標識65a〜65cを区別しないときには、以下で動作指示標識65と表記する。図6〜図8の例では、要求の動作に対応するギターコントローラ10を模した画像とギターコントローラ10に与える動作方向を示す矢印とが合わされた画像65a〜65cが、動作指示標識65として用いられている。動作指示標識65は、オブジェクト62と同様に、曲中の適当な時期に動作指示レーン50の下端部に出現し、楽曲の進行に従って上方にスクロールされる。プレイヤには、動作指示標識65の操作基準標識61への到達に合わせて、所定の動作が要求される。所定の動作には、ギターコントローラ10のネック部32を鉛直方向の上方に立てるように回転させる動作、ギターコントローラ10のヘッド部33を水平方向に回転させる動作、プレイヤのジャンプに伴いギターコントローラ10をY軸方向に移動させる動作、が含まれる。図6には、ギターコントローラ10のネック部32を鉛直方向の上方に立てるように回転させる動作に対応する動作指示標識65の画像65aが、図7には、ギターコントローラ10のヘッド部33を水平方向に回転させる動作に対応する動作指示標識65の画像65bが、図8には、プレイヤがジャンプする動作に対応する動作指示標識65の画像65cが、それぞれ表示されている。図6の例では、動作指示標識65の画像65aの操作基準標識61への到達に合わせて、プレイヤはネック部32が横に向いた通常の演奏姿勢からギターコントローラ10のネック部32を鉛直方向の上方に立てるように回転させる動作を行えばよい。また、図7の例では、プレイヤはヘッド部33がプレイヤの正面に位置する状態となるように、動作指示標識65の画像65bの操作基準標識61への到達に合わせて、ヘッド部33をプレイヤの横の位置からプレイヤの正面に向かって水平方向に回転させる動作を行えばよい。また、図8の例では、動作指示標識65の画像65cの操作基準標識61への到達に合わせて、プレイヤはネック部32を鉛直方向の下方、つまり、プレイヤはヘッド部33がプレイヤの横に位置する通常の演奏姿勢からY軸方向に下げる動作を行えばよい。所定の動作は、演奏操作と対応して要求されるので、図6〜図8のいずれの例でも、動作指示標識65は対応するオブジェクト62と同期してスクロールする。なお、動作指示標識65は対応するオブジェクト62と同期してスクロールする構成に限定されず、動作指示標識65と独立してスクロールしてもよい。
【0032】
また、図6〜8の各ゲーム画面には、ビブラート操作の指示が含まれている。ビブラート操作とは、実際のギター演奏で行われる演奏技法であって、左手で押さえている弦を細かくふるわせる演奏技法の模倣操作を指している。本形態では、ビブラート操作とは、各フレットボタン37R〜37Pの選択を維持したままネック部32をY軸方向に振る動作を指している。図6〜8に示すように、音楽ゲームの実行に伴って、各レーン52R〜52Pには、各フレットボタン37R〜37Pの選択状態の維持を指示するロングオブジェクト67が表示される。この形態では、ロングオブジェクト67は、ビブラート操作に対応する動作を指示する動作指示標識としても用いられる。このため、ロングオブジェクト67により指示されるビブラート操作に対応する動作は、ロングオブジェクト67の操作基準標識61への到達に合わせて要求される所定の動作に含まれる。ロングオブジェクト67は、上端に位置するオブジェクト62と、その上端のオブジェクト62から各レーン52R〜52Pに沿って下方に帯状に延びる帯部67bとから形成されている。ロングオブジェクト67は、オブジェクト62と同様に、曲中の適当な時期に各レーン52R〜52Pの下端部に出現し、図6に矢印で示したように楽曲の進行に従って上方にスクロールされる。プレイヤには、ロングオブジェクト67を形成するオブジェクト62の操作基準標識61への到達に合わせて、ロングオブジェクト67を形成するオブジェクト62が表示された各レーンに対応するギターコントローラ10の各フレットボタン37R〜37Pを選択した状態でピッキングレバー38を操作する演奏操作が要求される。さらに、ロングオブジェクト67を形成する帯部67bが操作基準標識61上に位置している間は、プレイヤには、ロングオブジェクト67が表示された各レーン52R〜52Pに対応する各フレットボタン37R〜37Pの選択を維持が要求されるとともに、各フレットボタン37R〜37Pの選択を維持したままネック部32をY軸方向に振る動作が要求される。図6の例では、Bレーン52Bにロングオブジェクト67が表示されているので、オブジェクト62の操作基準標識61への到達に合わせて、プレイヤはギターコントローラ10のブルーフレットボタン37Bを選択した状態でピッキングレバー38を操作する演奏操作とともにビブラート操作を行えばよい。即ち、ロングオブジェクト67を形成するオブジェクト62の操作基準標識61への到達に合わせて、プレイヤは、上述のような演奏操作とともに、ネック部32を鉛直方向に振る動作、つまり、Y軸方向に振る動作を、帯部67bの下端67cが操作基準標識61を通過するまで継続すればよい。
【0033】
プレイヤの動作は3軸加速度センサ40により検出され、予め設定された振り上げ速度、振り上げ角度、振動時間等の各種データと比較して所定の条件を満たしているか否かが判断される。所定の条件を満たしている場合には、プレイヤの動作が行われた時刻と動作指示標識65が操作基準標識61に一致した時刻との間のずれ時間が検出される。そのずれ時間が小さいほどプレイヤの動作が高く評価される。この評価の高さに応じて、ボーナス得点、ライフ51Gの回復等の特典が付与される。また、ビブラート操作がされている間は振動モータ41がビブラート演奏を演出するようにギターコントローラ10を振動させる。また、ビブラート操作の継続時間に応じてライフ51Gが回復する。なお、ビブラート操作に対応する特典は、ライフ51Gの回復に限定されるものではなく、例えば、ボーナス得点であってもよい。
【0034】
次に、図9を参照して、シーケンスデータ28の詳細を説明する。図9に示すように、シーケンスデータ28は、条件定義部28aと、操作シーケンス部28bとを備えている。条件定義部28aには、音楽のテンポ、ビート、トラック、また、各フレットボタン37R〜37Pを操作したときにそれぞれ発生させるべき効果音を指定する情報、上述した操作時期のずれと評価との対応関係を指定する情報といった、ゲームを実行するための各種の条件を指定する情報が記述される。
【0035】
一方、操作シーケンス部28bには、各レーン52R〜52P、60の操作時期又は動作時期が、それらのレーン52R〜52P、60のいずれかを指定する情報と対応付けて記述される。即ち、図9にその一部を示したように、操作シーケンス部28bは、楽曲中において操作又は動作が行われるべき時期(操作時期)と操作部(各フレットボタン37R〜37P)又は動作とを対応付けた複数のレコードの集合として構成されている。操作時期及び動作時期は、楽曲中の小節部分、拍数、及び拍中の時刻を示す値をカンマで区切って記述されている。拍中の時刻は、一拍の先頭からの経過時間であり、一拍の時間長をn個の単位時間に等分して先頭からの単位数で表現される。例えば、楽曲の一小節目の二拍目で、かつその拍の先頭から1/4だけ経過した時刻を操作時期又は動作時期として指定する場合には、“01,2,n/4”と記述される。
【0036】
各フレットボタン37R〜37Pの指定は“button1”〜“button5”と各フレットボタン37R〜37Pに対応するユニークな番号が“button”に付されてそれぞれ記述される。即ち、フレットボタン37Rが“button1”と、フレットボタン37Gが“button2”と、フレットボタン37Bが“button3”と、フレットボタン37Yが“button4”と、フレットボタン37Pが“button5”と、それぞれ記述される。各フレットボタン37R〜37Pの指定は各フレットボタン37R〜37Pに対応する各レーン52R〜52Pの指定にも相当する。つまり、“button1”の記述はRレーン52Rの指定に、“button2”の記述はGレーン57Gの指定に、“button3”の記述はBレーン57Bの指定に、“button4”の記述はYレーン57Yの指定に、“button5”の記述はPレーン57Pの指定に、それぞれ相当する。図9の例では、一小節目の四拍目の開始時点(000)でフレットボタン37Rを選択操作するとともにピッキングレバー38を操作し、一小節目の四拍目の開始時点から“0012”相当だけ経過した時期にフレットボタン37Gを選択操作するとともにピッキングレバー38を操作する。また、二小節目の一拍目の開始時点(000)ではフレットボタン37B及びフレットボタン37Gを同時に選択操作するとともにピッキングレバー38を操作する。
【0037】
操作シーケンス部28bには、所定の動作を行うべき時期が楽曲中の時刻と対応付けて記述されている動作指示部28cが含まれている。例えば、ギターコントローラ10のネック部32を鉛直方向の上方に立てるように回転させる動作を指示する場合には、“up”と、ギターコントローラ10のヘッド部33を水平方向に回転させる動作を指示する場合には、“side”と、プレイヤにジャンプする動作を指示する場合には、“jump”といった記述が動作指示部28cに含まれている。さらに、動作指示部28cには、ビブラート操作の操作時期を指定する記述が含まれている。ビブラート操作を指定する記述は、例えば、各フレットボタン37R〜37Pの指定と、ビブラート操作の継続時間の指定とを含むように“button4 long10”と記述される。この場合、“button4”がフレットボタン37Yを、“long”がビブラート操作を、“10”がビブラート操作の継続時間を、それぞれ指定している。図9の例では、三小節目の四拍目の開始時点から“0024”相当だけ経過した時期にプレイヤはギターコントローラ10のネック部32を鉛直方向の上方に立てるように回転させる動作を行う。また、三小節目の四拍目の開始時点から“0025”相当だけ経過した時期にプレイヤは、フレットボタン37Yを選択した状態でピッキングレバー38を操作するとともに、ビブラート操作を開始して、その操作の開始から“10”相当だけ経過するまでビブラート操作を継続する。
【0038】
図9では条件定義28aがシーケンスデータ28の先頭のみに設けられているが、操作シーケンス部28bの途中の適宜の位置に条件定義部28aが設けられてよい。それにより、曲中でのテンポの変更、効果音の割り当ての変更といった処理を実現することができる。また、同一の楽曲に対して難易度が異なる複数のシーケンスデータ28が予め用意されることもある。この場合、複数のシーケンスデータ28のそれぞれには難易度を判別するための情報が付加される。
【0039】
ゲーム制御部12のシーケンス処理部15は、上述したシーケンスデータ28にて指定された操作時期に各オブジェクト62、67が、上述したシーケンスデータ28にて指定された動作時期に動作指示標識65が、それぞれ操作基準標識61と一致するように表示を制御する。
【0040】
次に、ゲーム装置1にて音楽ゲームが実行される際のゲーム制御部12の処理を説明する。ゲーム装置1は、コイン投入口17から所定のコインを投入することにより、1人から2人でプレイする。各プレイヤは各ギターコントローラ10を使用する。ゲーム制御部12は、ゲームプログラム21を読み込んで音楽ゲームを実行するために必要な初期設定を終えると、プレイヤからのゲーム開始の指示に備えて待機する。ゲーム開始の指示は、例えばゲームでプレイする楽曲、あるいは難易度の選択といったゲームで使用するデータを特定する操作を含む。それらの指示を受け付ける手順は、公知の音楽ゲーム等と同様でよい。
【0041】
ゲーム開始が指示されると、ゲーム制御部12は、プレイヤが選択した曲に対応する楽曲データ25を読み取って音声出力制御部14に出力することにより、スピーカ4、8から楽曲の再生を開始させる。これにより、制御ユニット10が楽曲再生手段として機能する。さらに、ゲーム制御部12は、楽曲の再生に同期して、プレイヤの選択に対応したシーケンスデータ28を読み取って、画像データ27を参照しつつ操作指示領域50と情報表示領域51とを含む必要な画像データ27を生成して表示制御部13に出力することにより、モニタ7上に操作指示領域50と情報表示領域51を含む必要な画像を表示させる。また、音楽ゲームの実行中において、ゲーム制御部12は、操作指示領域50の表示等に必要な処理として、図10に示すシーケンス処理ルーチン及び図11に示す動作評価処理を所定の周期で繰り返し実行する。なお、図10のルーチンはシーケンス処理部15が、図11のルーチンは操作評価部16がそれぞれ担当する。
【0042】
図10のシーケンス処理ルーチンが開始されると、ゲーム制御部12のシーケンス処理部15は、まずステップS1にて楽曲上の現在時刻を取得する。現在時刻は、一例として楽曲の再生開始時点を基準としてゲーム制御部12の内部クロックにて計時すればよい。続くステップS2において、シーケンス処理部15は、シーケンスデータ28から、操作指示領域60に表示すべき時間長(表示範囲)のデータを取得する。表示範囲は、一例として現在時刻から楽曲の二小節相当の時間長に設定される。
【0043】
ステップS3にて、シーケンス処理部15は各レーン52R〜52P、60に表示すべき全てのオブジェクト62及び動作指示標識65、67の操作指示領域50内における座標を演算する。その演算は、一例として以下のように行われる。表示範囲に含まれている操作時期に対応付けられた各レーン52R〜52P、60の指定、即ち、図9の例において“button1”〜“button5”の指定、“up”等の動作の指定、及び“button4 long10”等のビブラート操作の指定のいずれかの指定に基づいて各オブジェクト62及び動作指示標識65、67を各レーン52R〜52P、60のいずれに配置するべきかを判別する。また、各操作時期と現在時刻との時間差に応じて、操作基準標識61からの時間軸方向(つまり、各オブジェクト62及び動作指示標識65、67の移動方向)における各レーン52R〜52P、60上のそれぞれのオブジェクト62及び動作指示標識65、67の位置を判別する。これにより、各オブジェクト62及び動作指示標識65、67を、指定された各レーン52R〜52P、60上に操作基準標識61から時間軸に沿って配置するために必要な各オブジェクト62及び動作指示標識65、67の座標を取得することができる。
【0044】
続くステップS4において、シーケンス処理部15はステップS3で演算された各オブジェクト62及び動作指示標識65、67の座標に基づいて、操作指示領域50を描画するために必要な画像データを生成する。具体的には、演算された座標に各オブジェクト62及び動作指示標識65、67が配置されるように画像データを生成する。各レーン52R〜52P、60、各オブジェクト62及び動作指示標識65、67の画像は、画像データ27から取得すればよい。
【0045】
ステップS5において、シーケンス処理部15は表示制御部13に画像データを出力する。これにより、モニタ7に操作指示領域50が表示される。ステップS5の処理を終えると、シーケンス処理部15は今回のシーケンス処理ルーチンを終了する。以上の処理が実行されることにより、シーケンスデータ28にて記述された操作時期にオブジェクト62が、シーケンスデータ28にて記述された動作時期に動作指示標識65、67が、それぞれ操作基準標識61へ到達するように各レーン52R〜52P、60上に各オブジェクト62及び動作指示標識65、67が移動表示される。
【0046】
次に、図11の動作評価ルーチンを説明する。図11の動作評価ルーチンが開始されると、操作評価部16は、まずステップS11で、3軸加速度センサ40の出力信号を参照して、ギターコントローラ10に与えられた動作の情報を取得する。
【0047】
続くステップS12では、ステップS11にて取得した動作の情報が所定の条件を満たしているか否かを判別する。ステップS12では、例えば、Y軸方向に関する最新の加速度情報と過去一定時間の加速度情報とを比較して、この一定時間内の差が所定の正数値を超えている場合には縦に振られた(上方に振った)と判定し、ギターコントローラ10のネック部32を鉛直方向の上方に立てるように回転させる動作の指示に対応する所定の条件を満たしたと判断する。また、例えば、Z軸方向に関する最新の加速度情報と過去一定時間の加速度情報とを比較して、この一定時間内の差が所定値(正負を問わない)を超えている場合には横に振られたと判定し、ギターコントローラ10のヘッド部33を水平方向に回転させる動作の指示に対応する所定の条件を満たしたと判断する。また、例えば、Y軸方向に関する最新の加速度情報と他の所定の条件よりも短い過去一定時間の加速度情報とを比較して、この所定の条件よりも短い一定時間内の差が所定の負数値を超えている場合には縦に振られた(下に下げた)と判定し、ジャンプ動作の指示に対応する所定の条件を満たしたと判断する。また、例えば、ビブラート操作の指示がされている時間内に、Y軸方向に関する最新の加速度情報と過去一定時間の加速度情報とを比較して、この一定時間内の差が所定の正数値を超えている場合にはビブラート操作の指示に対応する所定の条件を満たしたと判断する。一方、ステップS12にて、否定判断した場合には、以降の処理をスキップして今回のルーチンを終了する。ステップS13において、操作評価部16は、ステップS12の結果に基づいて各種動作指示を満たすとの評価結果を出力して、今回のルーチンを終了する。
【0048】
なお、操作評価部16は、各レーン52R〜52Pに対する評価処理も実行するが、この評価処理の詳細は省略する。この評価処理として周知のルーチンを適用してよい。
【0049】
以上に説明したように、本形態のゲーム装置1によれば、ギターコントローラ10に3軸加速度センサ40が内蔵されているので、プレイヤがギターコントローラ10に与える動作を検知することができる。また、ギターコントローラ10には、振動モータ41が内蔵されているので、3軸加速度センサ40が検知した動作に対応させてギターコントローラ10を振動させることができる。これにより、ビブラート操作を検出し、ビブラート演奏を演出するようにギターコントローラ10を振動させることができるので、ビブラート演奏の演奏感を高めることができる。また、ギターコントローラ10は、実際のギターを演奏するように操作されるので、ゲームのプレイ中には、フレットボタン37R〜37Pにプレイヤの左手が置かれている。3軸加速度センサ40と振動モータ41とはフレットボタン37R〜37Pを挟んで配置されているので、振動モータ41が発生させた振動を3軸加速度センサ40の手前に置かれたプレイヤの手によって減衰させることができる。これにより、振動モータ41による振動をプレイヤが与えた動作として3軸加速度センサ40が誤って検知することを抑制することができる。
【0050】
また、ギターコントローラ10の操作には、ギターのさまざまな演奏技法が用いられるが、それらの演奏技法の大部分はボディ部31よりもヘッド部33を大きく動作させるものである。この形態によれば、ヘッド部33の内部に3軸加速度センサ40が設けられているので、より感度良くギターコントローラ10に与えられた動作を検知することができる。これにより、ギターコントローラ10に与えられた動作をより正確に把握することができる。一方、振動発生手段は、プレイヤとの接触範囲が大きいボディ部31に設けられているので、効果的にプレイヤに振動を伝えることができる。
【0051】
以上の形態においては、ゲーム装置1の外部記憶装置20が楽曲データ記憶手段、シーケンスデータ記憶手段、として機能する。また、制御ユニット10が、シーケンス処理部15に図6のルーチン処理を実行させることにより操作案内手段及び動作案内手段として機能する。
【0052】
本発明は上述の形態に限定されず、適宜の形態にて実施することができる。上述の形態では、振動発生手段がボディ部に、設けられているが、このような形態に限定されるものではない。振動発生手段は省略されてもよい。
【0053】
上述の形態では、所定の動作として、ビブラート操作に対応する動作、ネック部を鉛直方向の上方に立てるように回転させる動作、ヘッド部を水平方向に回転させる動作、プレイヤのジャンプするに伴いギターコントローラ10をY軸方向に移動させる動作を案内しているが、このような動作に限定されるものではない。例えば、ネック部を回転させる動作を案内してもよい。また、上述の形態では、ロングオブジェクトがビブラート操作の動作指示標識として用いられているが、このような形態に限定されるものではない。例えば、ロングオブジェクトとは別の動作指示標識を動作指示レーンに表示させてもよい。
【0054】
上述の形態では、入力装置としてギターを模したギターコントローラを用いているが、このような形態に限定されるものではない。例えば、本発明に係る入力装置は、ボディ部と、ネック部と、ヘッド部と、を備えている同じ弦楽器のベースを模したものとして実現されてよい。本発明は、商業施設に配置される業務用ゲーム装置に用いられる入力装置に限定されるものではなく、例えば、家庭用の据置型ゲーム装置にて実現されてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 ゲーム装置
10 ギターコントローラ(入力装置)
11 制御ユニット(操作案内手段、動作案内手段、楽曲再生手段)
20 外部記憶装置(楽曲データ記憶手段、シーケンスデータ記憶手段)
31 ボティ部
32 ネック部
33 ヘッド部
40 3軸加速度センサ(加速度検知手段)
41 振動モータ(振動発生手段)
52R レッドフレットボタン(操作部)
52G グリーンフレットボタン(操作部)
52B ブルーフレットボタン(操作部)
52Y イエローフレットボタン(操作部)
52P ピンクフレットボタン(操作部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弦楽器を模して、ボディ部と、前記ボティ部から延びるネック部と、前記ネック部の先端に設けられたヘッド部と、を備えた入力装置において、
前記ヘッド部に、加速度を検知可能な加速度検知手段が設けられている入力装置。
【請求項2】
前記弦楽器として、ギターを模している請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記加速度検知手段として、前記ネック部が延びる方向に沿う方向を含む互いに直交する3軸方向の加速度を検知可能な3軸加速度検知手段が用いられている請求項1又は2に入力装置。
【請求項4】
少なくとも一つの操作部が設けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の入力装置と、
ゲーム画面を表示出力する表示装置と、
ゲーム音を再生出力する音声出力装置と、
楽曲を再生させるための楽曲データを記憶する楽曲データ記憶手段と、
前記楽曲データに基づいて前記音声出力装置から前記楽曲を再生させる楽曲再生手段と、
前記ゲーム中における前記操作部の操作時期を記述したシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、
前記楽曲上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作部の操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別し、判別した各操作時期に対応する操作指示標識と前記現在時刻に対応する操作基準標識とを、前記ゲーム画面上にて時間軸に沿った配置で表示させるとともに、前記操作指示標識が該操作指示標識にて示されるべき操作時期に前記操作基準標識と一致するようにして、前記操作基準標識と前記操作指示標識との間に前記楽曲上の時間の進行に応じた相対的な変位を生じさせることにより、前記操作部の操作をプレイヤに案内する操作案内手段と、を備え、
前記操作案内手段は、プレイヤが前記入力装置に対して所定の動作を行うべき動作時期に対応する動作指示標識を前記ゲーム画面上にて時間軸に沿った配置で表示させるとともに、前記動作指示標識が該動作指示標識にて示されるべき動作時期に前記操作基準標識と一致するようにして、前記操作基準標識と前記動作基準標識との間に前記楽曲上の時間の進行に応じた相対的な変位を生じさせることにより、前記所定の動作をプレイヤに案内する動作案内手段を備えていることを特徴とする音楽ゲームシステム。
【請求項5】
前記所定の動作には、前記ボディ部が有する上面と平行し、かつ、前記ネック部が延びる方向に沿う方向と直交するY軸方向への動作が含まれている請求項4に記載の音楽ゲームシステム。
【請求項6】
前記所定の動作には、前記ボディ部が有する上面と直交し、かつ、前記ネック部が延びる方向に沿う方向と直交するZ軸方向への動作が含まれている請求項4又は5に記載の音楽ゲームシステム。
【請求項7】
前記所定の動作には、前記ヘッド部がプレイヤの横に位置する状態から正面に位置する状態となるように前記ヘッド部を移動させる動作が含まれている請求項4〜6のいずれか一項に記載の音楽ゲームシステム。
【請求項8】
前記所定の動作には、前記ネック部がプレイヤの横に向かって延びるように位置する状態から前記ネック部が鉛直方向の上方に向かって延びるように位置する状態となるように前記ネック部を移動させる動作が含まれている請求項4〜7のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記入力装置に設けられた前記加速度検知手段の検知結果に基づいて前記所定の動作を判定する判定手段を更に備える請求項4〜7に記載のゲームシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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