説明

入力装置及び入力検出方法

【課題】入力操作を行うための表示に従って指等を接触または近接させて入力操作を行う場合に、入力操作を行うための表示が指等で隠れて入力操作を誤ってしてしまうことを回避する。
【解決手段】接触または近接を検出する入力検出部1と、入力検出部1に対する接触または近接による入力操作を行うための表示を行い、入力検出部1に対する接触または近接による入力操作を認識する表示部2とを有し、入力検出部1と表示部2とは、その相対位置が、互いに略重なり合う状態と、少なくとも一部が互いに重なり合わない状態とに変位可能に配置され、表示部2は、入力検出部1にて接触または近接が検出された位置に入力検出部1と表示部2とが略重なり合う状態で対向する位置の表示を用いて入力操作を認識する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接触または近接が検出されることで入力操作を認識する入力装置及び入力検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話機は、情報交換や情報収集の面から、生活にはなくてはならないツールとなりつつある。携帯電話機は、世の中に登場した当時は、通話機能しか有していないものがほとんどであったが、近年では、一般のパーソナルコンピュータと同様に、電子メールを送信したり、インターネットに接続したりすることができるようになっている。
【0003】
このような携帯電話機の市場では、近年、スマートフォンが急速に普及している。スマートフォンは、表示画面上に接触を検出するタッチパッドを有し、タッチパッドにて接触を検出すると、その検出した位置座標を読み取り、その位置座標と同じ表示画面上の場所の選択や操作が可能となる。そして、このようなタッチパッドを有する入力装置は、スマートフォンに限らず、携帯ゲーム機等にも採用されており、表示画面上のアプリケーション用アイコンやブラウザのリンク、文字入力用のキーの選択や、表示画面のスクロールや拡大/縮小を直感的に分かりやすく、簡単に操作することができる。
【0004】
ところが、上述したように接触を検出することで情報が入力される入力装置においては、電子メール作成時の文字入力用のキーや、ブラウザ閲覧時のリンク、アプリケーション起動用アイコンを選択しようとすると、タッチパッドに接触する指で表示画面が隠れてしまい、目的の場所を選択できないことがある。
【0005】
そのため、電子メール作成時に文字の入力ミスが生じたり、目的とは異なるアプリケーションが起動してしまったり、さらには、ブラウザ閲覧の時は目的ではないリンク先に接続されてしまったりする場合がある。
【0006】
ここで、2つの筐体からなる小型携帯機器において、2つの筐体が重なり合った状態では、一方の筐体に表示された情報の一部のみを他方の筐体を介して視認可能とし、2つの筐体が互いにずれた状態において、一方の筐体に表示された情報を他方の筐体に設けられた接触感知型入力デバイスで指定するものが特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−530905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されたものは、2つの筐体が重なり合った状態では、一方の筐体に表示された情報の一部のみが他方の筐体を介して視認可能となっているため、上述したスマートフォンのように、表示画面に表示された情報を接触によって指定することはできず、上記問題を解決できるものではない。
【0009】
本発明は、上述したような技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、入力操作を行うための表示に従って指等を接触または近接させて入力操作を行う場合に、入力操作を行うための表示が指等で隠れて入力操作を誤ってしてしまうことを回避できる入力装置及び入力検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、
接触または近接を検出する入力検出手段と、
前記入力検出手段に対する接触または近接による入力操作を行うための表示を行い、前記入力検出手段に対する接触または近接による入力操作を認識する表示手段とを有し、
前記入力検出手段と前記表示手段とは、その相対位置が、互いに略重なり合う状態と、少なくとも一部が互いに重なり合わない状態とに変位可能に配置され、
前記表示手段は、前記入力検出手段にて接触または近接が検出された位置に前記入力検出手段と前記表示手段とが略重なり合う状態で対向する位置の表示を用いて前記入力操作を認識する。
【0011】
また、入力操作を行うための表示を行う表示処理と、
接触または近接を検出する入力検出手段が前記表示に略重なり合う状態における前記入力検出手段に対する接触または近接を、当該接触または近接に対向する位置の表示に対応した入力操作として検出する第1の検出処理と、
前記入力検出手段が前記表示の少なくとも一部に重ならない状態における前記入力検出手段に対する接触または近接を、前記入力検出手段が前記表示に略重なり合う状態にて当該接触または近接に対向する位置の表示に対する入力操作として検出する第2の検出処理とを有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、入力検出手段と表示手段との相対位置を、少なくとも一部が互いに重なり合わない状態として入力検出手段に対して接触または近接によって入力操作を行えば、入力操作を行うための表示に従って指等を接触または近接させて入力操作を行う場合に、入力操作を行うための表示が指等で隠れて入力操作を誤ってしまうことを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の入力装置の概要を示す図である。
【図2】図1に示した入力装置の実施の一形態となる小型電子機器の一例を示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)は(a)に示したタッチパッドと表示ユニットとの接続状態を示す図、(c)は(a)に示した表示ユニットを表面側から見た外観斜視図、(d)は(a)に示したタッチパッドを裏面側から見た外観斜視図、(e)は機能ブロック図である。
【図3】図2に示した小型電子機器においてタッチパッドと表示ユニットとの相対位置を変える方法を説明するための図であり、(a)はタッチパッドと表示ユニットとが重ね合わされた状態の外観斜視図、(b)はタッチパッドと表示ユニットとが重ね合わされた状態における上爪と上溝との係合状態を示す図、(c)は表示ユニット上からタッチパッドがずらされた状態を示す外観斜視図、(d)は表示ユニット上からタッチパッドがずらされた状態における上爪と上溝との係合状態を示す図、(e)は表示ユニット上からタッチパッドがずらされた状態におけるタッチパッドと表示ユニットとの接続状態を示す図である。
【図4】図2に示した小型電子機器においてタッチパッドへの接触または近接による入力操作が行われた場合の動作を説明するための図であり、(a)はタッチパッドと表示ユニットとが重ね合わされた状態にて入力操作を行うための表示が行われている場合の外観図、(b)は表示ユニット上からタッチパッドがずらされた状態にてタッチパッドに対して接触または近接による入力操作が行われている場合の外観図である。
【図5】図1に示した入力装置の実施の一形態となる小型電子機器の他の例を示す図であり、(a)はタッチパッドと表示ユニットとが重ね合わされた状態の外観斜視図、(b)は表示ユニット上からタッチパッドがずらされた状態を示す外観斜視図である。
【図6】図1に示した入力装置の実施の一形態となる小型電子機器の他の例を示す図であり、(a)はタッチパッドと表示ユニットとが重ね合わされた状態の外観斜視図、(b)は表示ユニット上からタッチパッドがずらされた状態を示す外観斜視図である。
【図7】図1に示した入力装置の実施の一形態となる小型電子機器の他の例を示す図であり、(a)はタッチパッドと表示ユニットとが重ね合わされた状態の外観斜視図、(b)は表示ユニットとタッチパッドとが分離した状態を示す外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の入力装置の概要を示す図である。
【0016】
本発明の入力装置は図1に示すように、入力検出手段となる入力検出部1と、表示手段となる表示部2とから構成されている。
【0017】
上記のように構成された入力装置においては、入力検出部1と表示部2とが、その相対位置が、互いに略重なり合う状態と、少なくとも一部が互いに重なり合わない状態とに変位可能に配置されている。そして、表示部2において、入力検出部1に対する接触または近接による入力操作を行うための表示を行っており、入力検出部1にて接触または近接を検出すると、表示部2において、入力検出部1にて接触または近接が検出された位置に入力検出部1と表示部2とが略重なり合う状態で対向する位置の表示を用いて入力操作を認識する。
【0018】
以下に、上記のように構成された入力装置について具体的な例を挙げて説明する。
【0019】
図2は、図1に示した入力装置の実施の一形態となる小型電子機器の一例を示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)は(a)に示したタッチパッド10と表示ユニット20との接続状態を示す図、(c)は(a)に示した表示ユニット20を表面側から見た外観斜視図、(d)は(a)に示したタッチパッド10を裏面側から見た外観斜視図、(e)は機能ブロック図である。
【0020】
本形態は図1に示すように、入力検出部1となるタッチパッド10と、表示部2となる表示ユニット20とが重ね合わされ、これらタッチパッド10と表示ユニット20とが、S字に折り畳まれたフレキシブルシート30を介して電気的に接続されて構成されている。
【0021】
タッチパッド10は、静電容量等を用いて指等が接触または近接するためのタッチ部11を有し、その裏面のうちタッチ部11の外側の領域において2つの角部に上爪12a及び下爪12bが設けられている。そして、位置検出部13において、タッチ部11にて指等が接触したり近接したりした位置を検出する。
【0022】
表示ユニット20は、その表面に、タッチパネル10に対する接触または近接による入力操作を行うために表示を行う表示画面部21を有するとともに、互いに対向する2辺に沿うように上溝22a及び下溝22bが形成されている。また、表示画面部21の下溝22bが形成された側には重なり状態検出手段となる開閉スイッチ23が設けられている。また、表示ユニット20は、CPU(不図示)を内蔵し、このCPUが、位置認識部24と操作認識部25と表示制御部26と動作制御部27として機能する。なお、表示画面部21としては、液晶や有機EL等からなるものが考えられる。
【0023】
位置認識部24は、タッチパッド10の位置検出部13にて検出された位置を認識する。表示制御部26は、タッチパッド10に対する接触または近接による入力操作を行うための表示を表示画面部21にて行い、また、動作制御部27の制御に応じた表示を表示画面部21にて行う。操作認識部25は、位置認識部24にて認識された位置と表示制御部26にて制御されている表示画面部21の表示とに基づいて、タッチパッド10に対する接触または近接による入力操作を認識する。動作制御部27は、操作認識部25にて認識された入力操作に応じた表示を表示画面部21にて行うように表示制御部26を制御する。
【0024】
以下に、上記のように構成された小型電子機器の使用方法について説明する。
【0025】
まず、タッチパッド10と表示ユニット20との相対位置を変える方法について説明する。
【0026】
図3は、図2に示した小型電子機器においてタッチパッド10と表示ユニット20との相対位置を変える方法を説明するための図であり、(a)はタッチパッド10と表示ユニット20とが重ね合わされた状態の外観斜視図、(b)はタッチパッド10と表示ユニット20とが重ね合わされた状態における上爪12aと上溝22aとの係合状態を示す図、(c)は表示ユニット20上からタッチパッド10がずらされた状態を示す外観斜視図、(d)は表示ユニット20上からタッチパッド10がずらされた状態における上爪12aと上溝22aとの係合状態を示す図、(e)は表示ユニット20上からタッチパッド10がずらされた状態におけるタッチパッド10と表示ユニット20との接続状態を示す図である。
【0027】
図2に示した小型携帯電子機器は、通常は図3(a)に示すように、タッチパッド10と表示ユニット20とが重ね合わされた状態となっている。この状態においても、タッチ部11に指を接触させたり指を近接させたりすると、タッチ部11がその接触または近接を検出し、表示ユニット20が、表示画面部21のうちタッチ部11にて接触または近接を検出した位置に対向する位置の表示に応じた動作や表示を行う。なお、タッチパッド10に設けられた上爪12a及び下爪12bは図3(b)に示すように、表示ユニット20に設けられた上溝22a及び下溝22bにそれぞれ係合している。また、表示ユニット20に設けられた開閉スイッチ23は、タッチパッド10に押されてON状態となっている。
【0028】
この状態から、図3(c)に示すように、タッチパッド10を上溝22a及び下溝22bに沿ってスライドさせ、表示ユニット20上からタッチパッド10がずらされた状態とすることができる。この際、タッチパッド10に設けられた上爪12a及び下爪12bが、表示ユニット20に設けられた上溝22a及び下溝22bにそれぞれ係合しながら、タッチパッド10がスライドしていき、タッチパッド10と表示ユニット20との相対位置が、互いに重なり合う状態から一部が互いに重なり合わない状態に変位することになる。そして、図3(d)に示すように、上爪12a及び下爪12bが上溝22a及び下溝22bの端部にそれぞれ当接することで、タッチパッド10がそれ以上スライドしない位置にて固定される。このように、タッチパッド10に設けられた上爪12a及び下爪12bと、表示ユニット20に設けられた上溝22a及び下溝22bとから、タッチパッド10と表示ユニット20との相対位置が、タッチパッド10と表示ユニット20とが重なり合う状態と、タッチパッド10と表示ユニット20との一部が重なり合わない状態とに変位可能となるように、タッチパッド10と表示ユニット20を保持する保持手段が構成される。また、表示ユニット20に設けられた開閉スイッチ23は、タッチパッド10に押されない状態となってOFF状態となる。
【0029】
また、タッチパッド10がスライドして図3(c)に示した状態となっても、図3(e)に示すように、タッチパッド10と表示ユニット20とはフレキシブルシート30を介して電気的に接続された状態が維持される。
【0030】
このようにして表示ユニット20上からずらされたタッチパッド10は、上爪12a及び下爪12bが上溝22a及び下溝22bにそれぞれ係合しながらスライドさせることで、表示ユニット20に重ね合わされた状態に戻すことができる。
【0031】
なお、本形態においては、タッチパッド10に上爪12a及び下爪12bが設けられ、表示ユニット20に上溝22a及び下溝22bが形成されたものを例に挙げて説明したが、タッチパッド10に上溝22a及び下溝22bが形成され、表示ユニット20に上爪12a及び下爪12bが設けられた構成とすることも考えられる。
【0032】
次に、タッチパッド10への接触または近接による入力操作が行われた場合の動作について説明する。
【0033】
図4は、図2に示した小型電子機器においてタッチパッド10への接触または近接による入力操作が行われた場合の動作を説明するための図であり、(a)はタッチパッド10と表示ユニット20とが重ね合わされた状態にて入力操作を行うための表示が行われている場合の外観図、(b)は表示ユニット20上からタッチパッド10がずらされた状態にてタッチパッド10に対して接触または近接による入力操作が行われている場合の外観図である。
【0034】
図2に示した小型携帯電子機器は、通常は図4(a)に示すように、タッチパッド10と表示ユニット20とが重ね合わされた状態となっており、この状態で表示処理として表示ユニット20の表示画面部21に操作用情報4が表示されると、操作用情報4がタッチ部11を介して視認可能となる。この状態においても、タッチ部11のうち、所望の操作用情報4の表示位置に指を接触させたり指を近接させたりすると、第1の検出処理として、タッチ部11がその接触または近接を検出し、表示ユニット20が、表示画面部21のうちタッチ部11にて接触または近接を検出した位置に対向する位置の操作用情報4に応じた動作や表示を行う。なお、表示画面部21に表示される操作用情報4としては、文字入力用のキーやブラウザ閲覧時のリンク、アプリケーション起動用のアイコン等が考えられる。
【0035】
この状態から、タッチパッド10を上溝22a及び下溝22bに沿ってスライドさせ、表示ユニット20上からタッチパッド10がずれた状態とすると、図4(b)に示すように、表示画面部21に表示された操作用情報4がタッチ部11を介さずに視認可能となる。また、表示ユニット20に設けられた開閉スイッチ23が、タッチパッド10に押されない状態となってOFF状態となると、表示ユニット20の表示制御部26は、表示画面部21に位置特定情報となるポインタ5を表示する。このポインタ5は、タッチパッド10の位置検出部13にてタッチ部11に接触または近接した指3の位置座標を検出すると、この位置座標を表示ユニット20の位置認識部24が認識し、表示制御部26が、その位置座標に基づいて表示画面部21に表示することになる。すなわち、ポインタ5はタッチ部11に接触または近接している指3の動きと連動して移動することになる。その結果、利用者は、ポインタ5の位置で、目的の情報を正確に選択することができる。
【0036】
その後、その位置にて再度の接触や近接を位置認識部24にて認識したりすると、第2の検出処理として、操作認識部25がその位置に表示された操作用情報4に応じた入力操作であることを認識する。そして、動作制御部27が、操作認識部25にて認識された入力操作に応じた表示を表示画面部21にて行うように表示制御部26を制御する。例えば、あるアプリケーション起動用のアイコンが表示された位置に指3が接触したり近接したりした場合は、そのアプリケーションが起動し、表示画面部21に表示されることになる。
【0037】
このように、本形態においては、タッチパッド10と表示ユニット20とが、その相対位置が、互いに重なり合う状態と、一部が互いに重なり合わない状態とに変位可能に配置され、表示ユニット20が、タッチパッド10にて接触または近接が検出された位置にタッチパッド10と表示ユニット20とが重なり合う状態で対向する位置の表示を用いて、タッチパッド10に対する接触または近接による入力操作を認識する構成としたため、タッチパッド10と表示ユニット20との相対位置を、一部が互いに重なり合わない状態としてタッチパッド10に対して接触または近接によって入力操作を行えば、入力操作を行うための表示に従って指等を接触または近接させて入力操作を行う場合に、入力操作を行うための表示が指等で隠れて入力操作を誤ってしまうことを回避できる。
【0038】
なお、本形態においては、開閉スイッチ23を、表示ユニット20上にタッチパッド10が重ね合わされた場合にタッチパッド10によって押されてON状態となり、タッチパッド10によって押されてない状態ではOFF状態となる物理的なものを例に挙げて説明したが、光を検出することでON/OFFするもの等であってもよい。
【0039】
(他の実施の形態)
図5は、図1に示した入力装置の実施の一形態となる小型電子機器の他の例を示す図であり、(a)はタッチパッド110と表示ユニット120とが重ね合わされた状態の外観斜視図、(b)は表示ユニット120上からタッチパッド110がずらされた状態を示す外観斜視図である。
【0040】
本例は図5に示すように、表示ユニット120と情報入力部140とが連接した構成において、タッチパッド110が、表示ユニット120上と情報入力部140上との間を移動可能に構成されている。
【0041】
タッチパッド110は、上述したタッチパッド10と同様の構成である。情報入力部140には、情報を入力、選択するための複数のキーボタン141が設けられており、また、図2(e)に示した、位置認識部24と操作認識部25と表示制御部26と動作制御部27として機能するCPUを内蔵している。すなわち、本形態においては、本発明の表示手段は、表示ユニット120と情報入力部140とから構成される。
【0042】
このように構成された小型電子機器においては、ブラウザの閲覧やアプリケーション(ゲーム)使用中等のキーを使用しない場合に、タッチパッド110を表示ユニット120上から情報入力部140上にずらし、その状態で、タッチ部111に指103を接触させたり近接させたりすると、表示画面部121に上記同様にポインタ105が表示され、その位置に表示された情報に対する入力操作が認識されることになる。
【0043】
図6は、図1に示した入力装置の実施の一形態となる小型電子機器の他の例を示す図であり、(a)はタッチパッド310と表示ユニット320とが重ね合わされた状態の外観斜視図、(b)は表示ユニット320上からタッチパッド310がずらされた状態を示す外観斜視図である。
【0044】
本例は図6に示すように、表示ユニット320と情報入力部340とが連接した構成において、タッチパッド310が、表示ユニット320上から横方向に移動可能に構成されている。
【0045】
タッチパッド310は、上述したタッチパッド10と同様の構成である。情報入力部340には、情報を入力、選択するための複数のキーボタン341が設けられており、また、図2(e)に示した、位置認識部24と操作認識部25と表示制御部26と動作制御部27として機能するCPUを内蔵している。すなわち、本形態においては、本発明の表示手段は、表示ユニット320と情報入力部340とから構成される。
【0046】
このように構成された小型電子機器においては、タッチパッド310を表示ユニット320上から横方向にずらし、その状態で、タッチ部311に指303を接触させたり近接させたりすると、表示画面部321に上記同様にポインタ305が表示され、その位置に表示された情報に対する入力操作が認識されることになる。またこの際、情報入力部340上には、タッチパッド310が重ね合わされていないため、情報入力部340のキーボタン341に対する操作を行うこともできる。
【0047】
図7は、図1に示した入力装置の実施の一形態となる小型電子機器の他の例を示す図であり、(a)はタッチパッド210と表示ユニット220とが重ね合わされた状態の外観斜視図、(b)は表示ユニット220とタッチパッド210とが分離した状態を示す外観斜視図である。
【0048】
本例は図7に示すように、タッチパッド210と表示ユニット220とからなる小型電子機器であって、タッチパッド210にBluetoothが搭載されたものである。
【0049】
このように構成された小型電子機器においては、タッチパッド210を表示ユニット220上に重なり合わない状態として、タッチ部211に指203を接触させたり近接させたりすると、タッチパッド210がその位置座標をBluetoothにて表示ユニット220に送り、表示画面部221に上記同様にポインタ205が表示され、その位置に表示された情報に対する入力操作が認識されることになる。
【0050】
なお、上述した実施の形態においては、タッチパッド10,110,210,310と表示ユニット20,120,220,320とが互いに重なり合う状態と、一部が重なり合わない状態とに変位可能としているが、タッチパッド10,110,210,310と表示ユニット20,120,220,320とが互いに完全に重なり合うのではなく、略重なり合う状態と、全く重なり合わない状態も含めて少なくとも一部が重なり合わない状態とに変位可能とするものであればよい。
【0051】
また、本発明に用いられる入力装置は、携帯端末やスマートフォンに限らず、携帯音楽プレーヤーや携帯ゲーム機、タブレットPCやノートPC等であってもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 入力検出部
2 表示部
3,103,203,303 指
4 操作用情報
5,105,205,305 ポインタ
10,110,210,310 タッチパッド
11,111,211,311 タッチ部
12a 上爪
12b 下爪
13 位置検出部
20,120,220,320 表示ユニット
21,121,221,321 表示画面部
22a 上溝
22b 下溝
23 開閉スイッチ
24 位置認識部
25 操作認識部
26 表示制御部
27 動作制御部
30 フレキシブルシート
140,340 情報入力部
141,341 キーボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触または近接を検出する入力検出手段と、
前記入力検出手段に対する接触または近接による入力操作を行うための表示を行い、前記入力検出手段に対する接触または近接による入力操作を認識する表示手段とを有し、
前記入力検出手段と前記表示手段とは、その相対位置が、互いに略重なり合う状態と、少なくとも一部が互いに重なり合わない状態とに変位可能に配置され、
前記表示手段は、前記入力検出手段にて接触または近接が検出された位置に前記入力検出手段と前記表示手段とが略重なり合う状態で対向する位置の表示を用いて前記入力操作を認識する入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の入力装置において、
前記入力検出手段と前記表示手段との少なくとも一部が重なり合わない状態となったことを検出する重なり状態検出手段を有し、
前記表示手段は、前記重なり状態検出手段にて前記入力検出手段と前記表示手段との少なくとも一部が重なり合わない状態となったことが検出された状態では、前記入力検出手段にて接触または近接が検出された位置に前記入力検出手段と前記表示手段とが略重なり合う状態で対向する位置に位置特定情報を表示する入力装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の入力装置において、
前記入力検出手段と前記表示手段との相対位置が、前記入力検出手段と前記表示手段とが略重なり合う状態と、前記入力検出手段と前記表示手段との少なくとも一部が重なり合わない状態とに変位可能となるように、前記入力検出手段及び前記表示手段を保持する保持手段を有する入力装置。
【請求項4】
請求項3に記載の入力装置において、
前記保持手段は、
前記入力検出手段及び前記表示手段のうち一方に設けられた溝と、
前記入力検出手段及び前記表示手段のうち他方に設けられた爪とからなり、
前記爪が前記溝に係合しながら、前記入力検出手段と前記表示手段とが略重なり合う状態から前記入力検出手段と前記表示手段との少なくとも一部が重ない合わない状態に変位する入力装置。
【請求項5】
入力操作を行うための表示を行う表示処理と、
接触または近接を検出する入力検出手段が前記表示に略重なり合う状態における前記入力検出手段に対する接触または近接を、当該接触または近接に対向する位置の表示に対応した入力操作として検出する第1の検出処理と、
前記入力検出手段が前記表示の少なくとも一部に重ならない状態における前記入力検出手段に対する接触または近接を、前記入力検出手段が前記表示に略重なり合う状態にて当該接触または近接に対向する位置の表示に対する入力操作として検出する第2の検出処理とを有する入力検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−20344(P2013−20344A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151752(P2011−151752)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】