入力装置用部材
【課題】キートップの外周から光が漏れにくい入力装置用部材を提供する。
【解決手段】表面にて視認されるキートップ５と、キートップ５の裏面側に一端側が固着されると共に、裏面側からキートップ５の外縁を抜けて表面側に出射する光を遮光する遮光フィルム７と、を有し、遮光フィルム７の他端側は、キートップ５に隣接するパネル３あるいは別のキートップ５の裏面側に接するように配置される入力装置用部材２としている。
【解決手段】表面にて視認されるキートップ５と、キートップ５の裏面側に一端側が固着されると共に、裏面側からキートップ５の外縁を抜けて表面側に出射する光を遮光する遮光フィルム７と、を有し、遮光フィルム７の他端側は、キートップ５に隣接するパネル３あるいは別のキートップ５の裏面側に接するように配置される入力装置用部材２としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、入力装置用部材に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来から、携帯電話および携帯情報端末装置（ＰＤＡ）等の電子機器の操作部に用いられる入力装置がある。入力装置に用いられる入力装置用部材は、キートップと、キートップを支持する透光材料とを有し、各押釦に割り当てられた機能を表示するために、キートップに文字あるいは図形等が付されている場合がある。また、付された文字等を視覚的に際立つようにするために、文字や図形等を抜き文字として、その周囲に遮光層を配置することがある。かかる入力装置では、裏面側からキートップに光を照射することにより、暗所でも文字や図形等を視認できる（たとえば、特許文献１を参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００６−６０３３４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかし、特許文献１に記載の入力装置では、以下の問題がある。それは、キートップの側面部分から光が漏れて、キートップの外周からいわゆる光漏れが生じるという問題である。
【０００５】
そこで、本発明は、かかる問題を解消すべくなされたものであって、キートップの外周から光が漏れにくい入力装置用部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記目的を達成するために、本発明の入力装置用部材の一実施の形態は、表面にて視認されるキートップと、キートップの裏面側に一端側が固着されると共に、裏面側からキートップの外縁を抜けて表面側に出射する光を遮光する遮光フィルムと、を有し、遮光フィルムの他端側は、キートップに隣接するパネルあるいは別のキートップの裏面側に接するように配置されるものとしている。
【０００７】
さらに、キートップの操作面から見て、遮光性フィルムは、キートップの外周の全周を囲むように配置され得る。
【０００８】
さらに、遮光フィルムの他端側は固着されず、遮光フィルムは、滑動できてもよい。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、キートップの外周から光が漏れにくい入力装置用部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】本発明の実施の形態に係る入力装置用部材としての押釦スイッチ用部材を備える携帯電話の正面図である。
【図２】図１の押釦スイッチ用部材のパネルを除く各部材の分解斜視図である。
【図３】図１に示す押釦スイッチ用部材をＡ−Ａ線で切断した断面図である。
【図４】図１に示す押釦スイッチ用部材を操作面側から見た場合において、キートップの端部を実線で、遮光フィルムの端部を点線で示す平面図である。
【図５】図１に示す押釦スイッチ用部材を操作面側から見た場合において、補強部材と作動部との関係を示す平面図である。
【図６】図１に示す押釦スイッチ用部材を操作面側から見た場合において、補強部材の端部を実線で、遮光フィルムの端部を点線で示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１１】
次に、本発明の実施の形態に係る入力装置用部材について、図面を参照しながら説明する。
【００１２】
（入力装置用部材の構造）
図１は、本発明の実施の形態に係る入力装置用部材として押釦スイッチ用部材２を備える携帯電話１を操作面側から見た場合の正面図である。
【００１３】
図１に示すように、電子機器の一例である携帯電話１は、押釦スイッチ用部材２をその操作面に備える。なお、押釦スイッチ用部材２は、押圧操作によりＯＮ／ＯＦＦを切り替える押釦スイッチのために用いられるが、他の入力機器に用いられてもよい。押釦スイッチ用部材２は、その操作面にパネル３およびキートップ５ａ，５ｂを露出して備える。なお、以後、操作面側を表面側、操作面と逆の面側を裏面側という。また、表面から裏面方向を押圧方向という。
【００１４】
パネル３は、開口部を有し、その開口部からキートップ５ａ，５ｂを露出している。パネル３は、最終的に、携帯電話１の筺体の一部となる。パネル３の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレンあるいはポリブチレンテレフタレート等のポリマー、あるいはステンレススチール、アルミニウム、銅、チタニウム等の金属若しくは各種金属から成る合金を用いることができる。
【００１５】
キートップ５ａ，５ｂは、ユーザが押圧するための構成部である。本実施の形態では、略中央に穴部を有するキートップ５ａと、その穴部内方に配置される別のキートップ５ｂとが、操作面に露出している。キートップ５ａとキートップ５ｂとは、別々に押圧され得る。キートップ５ａは、その外周をパネル３に囲まれている。以後、キートップ５ａとキートップ５ｂとを両方指す場合には、キートップ５という。
【００１６】
キートップ５としては、所定の強度を備えた材料であれば特に限定なく使用でき、例えば、０．５〜３ｍｍ程度の厚さを有する板状の硬質部材である。また、キートップ５は、好適には透光性の材料から主に構成され、遮光層（不図示）が形成されている。キートップ５を構成するための透光性の樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂あるいはそれらのコンポジット等を使用でき、特に好ましい樹脂は、ポリカーボネート樹脂あるいはアクリル樹脂である。また、樹脂ではなく、ガラス等の透明な材料により、キートップ５が形成されていてもよい。
【００１７】
キートップ５は、遮光層（不図示）を有している。遮光層は、キートップ５の裏面側から照光した場合に、光が漏れないように遮光する層である。遮光層は、全光線透過率が３０％以下であるのが好ましく、さらに好ましくは、全光線透過率が１０％以下である。遮光層は、遮光性のインク、例えば黒色のインクを用いた印刷により、約１〜３０μｍの厚さにて形成できる。遮光層は、キートップ５ａの裏面の一部に設けられている。また、遮光層（不図示）には、文字、図あるいは数字等の形状に遮光層が設けられていない領域が、いわゆる抜き文字状に形成されている。一方、遮光層は、キートップ５ｂの裏面側全面に設けられている。抜き文字を有していないキートップ５ｂの場合、キートップ５ｂからの透光は不要だからである。以後、当該遮光層が設けられていない領域を「透光部」という。この透光部により、キートップ５の裏面側から表面側に向かって光が照射されると、文字あるいは図等を形成する透光部のみから光が出射するため、文字あるいは図等が光って見える。この結果、文字あるいは図等が視認されやすくなる他、暗所でも文字等の形状を容易に視認できる。なお、遮光層は、キートップ５の裏面側、表面側あるいはその両方に設けることができる。なお、本明細書において、「透光性」とは、一方向から光を照射した際の全光線透過率が４０％以上、好ましくは８０％以上である状態を指すものとする。一方、「遮光性」とは、一方向から光を照射した際の全光線透過率が３０％以下である状態を指すものとする。本実施の形態では、図１においてキートップ５に付されている図の部分が透光部であるため、押釦スイッチ用部２の裏面側から照光すると、それらの図が光って見える。
【００１８】
図２は、図１に示す押釦スイッチ用部材２のパネル３を除く分解斜視図である。図３は、図１に示す押釦スイッチ用部材２のＡ−Ａ線断面図である。図４は、図１に示す入力装置用部材を操作面側から見た場合において、キートップ５の端部を実線で、遮光フィルム７の端部を点線で示す平面図である。なお、図３では、見易さを考慮して、各部材の寸法の比率を実際の比率と変えて図示している。
【００１９】
図２および図３に示すように、キートップ５の裏面側には、遮光フィルム７が配置されている。キートップ５の裏面の一部または全部で、遮光フィルム７とキートップ５とが固着されている。図４に示すように、遮光フィルム７は、透光部と押圧方向で重なる領域に穴部８ａを有する。また、内方側のキートップ５と押圧方向で重なる領域にも穴部８ｂを有する。以後、穴部８ｂの内周は、キートップ５ｂの外周よりも小さい。遮光フィルム７は、キートップ５ａとキートップ５ｂとの隙間を埋めているため、押釦スイッチ用部材２の裏面側から照射された光は、遮光フィルム７に遮られて、キートップ５ｂの外周から漏れにくい。さらに、遮光フィルム７の外周は、キートップ５ａの外周よりも大きく、パネル３の内壁よりも外周側に到達する。また、遮光フィルム７の外周側端部は、パネル３の裏面側に入り込み。パネル３の裏面と接触状態となる。したがって、遮光フィルム７は、キートップ５ａの外周とパネル３の内壁との隙間を埋めているため、押釦スイッチ用部材２の裏面側から照射された光は、遮光フィルム７に遮られて、キートップ５ａの外周から漏れにくい。遮光フィルム７の内周側は、キートップ５に固着されているのに対し、遮光フィルム７の外周側は、パネル３に固着されずに滑動できる。このような構造とすると、キートップ５が押圧動作により上下に動いた場合にも、遮光フィルム７は、折れたりすることがない。
【００２０】
遮光フィルム７としては、厚さ２５〜２００μｍの透光性の樹脂製シートを好適に用いることができる。遮光フィルム７の厚さが２５μｍ未満の場合には、光源３０からの光を十分に遮光できない場合がある。一方、遮光フィルム７の厚さが２００μｍよりも厚い場合には、キートップ５の上下により、遮光フィルム７の動作に起因して大きな音が生じやすい。
【００２１】
また、遮光フィルム７としては、たとえば、ポリカーボネート、アクリルあるいはポリエチレンテレフタレートから主に成るフィルムを用いることができる。また、遮光フィルム７は、それ自体が遮光性であってもよいし、遮光フィルム７は、透光性のフィルムに印刷等により遮光層が形成されたものを用いてもよい。さらに、裏面側に反射層（不図示）を有しているのがより好ましい。反射層は、裏面側からの光を反射する層である。たとえば、遮光フィルム７としては、カーボン粒子等を含むポリカーボネートからなる遮光性の黒フィルムの裏面側に、白いインク等から構成された反射層を印刷等で形成されたものを好適に用いることができる。
【００２２】
図５は、図１の押釦スイッチ用部材２を操作面側から見た場合の、補強部材９と作動部１１とを示す平面図である。図６は、図１の押釦スイッチ用部材２を操作面から見た場合の、補強部材９と遮光フィルム７とを示す平面図である。
【００２３】
図２に示すように、補強部材９は、遮光フィルム７の裏面側に配置されている。補強部材９は、透光部と重なる領域に、穴部１０ａを有する。また、キートップ５ｂと重なる領域に穴部１０ｂを有する。さらに、光源３０を内方に配置するための穴部１０ｃを有する。以後、穴部１０ａ、穴部１０ｂおよび穴部１０ｃをすべて指す場合には、穴部１０という。遮光フィルム７は、補強部材９の穴部１０ａおよび穴部１０ｂについては、穴部１０ａおよび穴部１０ｂの外周縁部分以外覆っていないが、穴部１０ｃの全面を覆っている。遮光フィルム７が穴部１０ｃを覆うことで、特に光の強度が強い光源３０からの直接の光がキートップ５に達しないように遮るため、光源３０からの光で穴部１０ｃ部分が光って視認されることがない。
【００２４】
補強部材９は、作動部１１よりも硬質の部材から主になる略平板状の部材である。補強部材９は、透光性である場合には、押釦スイッチ用部材２の裏面側からの光を各キートップ５の一部若しくは全部の領域に導くライトガイドとしての機能を有する。しかし、補強部材９のライトガイドとしての機能は必須ではない。さらに、補強部材９は、作動部１１よりも剛性の高い材料から主に構成される場合には、補強用の部材としても用いられる。補強部材９としては、ポリカーボネート、ＡＢＳもしくはアクリル等の樹脂、金属、ガラスまたはセラミックスから構成することができる。
【００２５】
作動部１１は、キートップ５を所定の位置に固定および配列するために、穴部１０から補強部材９の表面側に露出し、キートップ５と固着されている。作動部１１は、キートップ５の部分が表面側から押圧された場合に、その下方に設けられたスイッチ部材（不図示）等を押し込むことができると共に、キートップ５の押圧が解除されると元の位置に復帰できるように、柔軟な弾性材料から構成されるのが好ましい。そのような作動部１１の材料としては、たとえば、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、エチレンプロピレンジエンゴムあるいはスチレンブタジエンゴム等の熱硬化性エラストマー、ウレタン系、エステル系、スチレン系、オレフィン系、ブタジエン系あるいはフッ素系等の熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの複合物等を用いることができる。それらの材料の中でも、耐久性が高いウレタン系エラストマー、シリコーンゴムあるいはそれらの複合材を用いるのが好ましい。
【００２６】
作動部１１は、表面側に台座部１２を有する。台座部１２は、補強部材９の表面よりも表面側に突出していると共に、その天面にキートップ５を固着して備える。図５および図６に示すように、台座部１２の外周は、穴部１０の内周よりも小さい。また、台座部１２の外周は、遮光フィルム７の内周よりも小さい。したがって、台座部１２の表面は、補強部材９の表面および遮光フィルム７の表面よりも表面側に突出している。台座部１２が設けられているために、キートップ５が押圧されていない状態では、キートップ５の裏面が補強部材９の表面から離間して配置される。作動部１１の外周端面は、補強部材９の穴部１０の内周面に固着されている。作動部１１は、補強部材９とインサート成型等により、形成されることで、補強部材９と作動部１１と間に十分な固着力を得ることができる。
【００２７】
作動部１１は、裏面側に押圧子１３を有する。押圧子１３は、作動部１１から裏面方向に向かって突出する部分である。押圧子１３は、作動部１１と一体として形成され、作動部１１の一部として構成されていてもよい。また、押圧子１３は、作動部１１とは別部材から構成され、作動部１１に固着されるような形態であってもよい。押圧子１３は、裏面側からの光を透過できるように、透光性であるのが好ましい。
【００２８】
遮光フィルム７と作動部１１若しくは補強部材９との間、あるいはキートップ５と遮光フィルム７の間は、これらを固着することができれば、どのような方法で固着されてもよく、たとえば、融着、接着剤若しくは両面テープ等を介して、または、ホットメルトテープ、シアノアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂若しくは加熱した際の軟化点が低い樹脂等から成る層を介して固着されてもよい。
【００２９】
上述のような押釦スイッチ用部材２では、キートップ５を押圧すると、作動部１１が撓み、押圧子１３が皿バネ部材２０を押し込む。皿バネ部材２０は、少なくとも裏面側が導電性の逆椀状の部材であり、基板に設けられた接点と導通している。皿バネ部材２０が押し込まれると、皿バネ部材２０の頂点が凹み、皿バネ部材２０に覆われるように形成された固定接点２１と接触する。したがって、皿バネ部材２０を介して接点と固定接点２１とが電気的に導通し、スイッチのＯＮまたはＯＦＦが切り替わる。
【００３０】
また、上述のような押釦スイッチ用部材２では、光源３０から押釦スイッチ用部材２を照光した場合に、補強部材９を伝搬した光が作動部１１を伝搬し、キートップ５の裏面側から照光するため、透光部を光らせることができる。また、透光部以外の部分から光が漏れにくくなるため、透光部から出射する光を際立たせることができる。遮光フィルム７が、キートップ５ａの外周とパネル３の内壁との隙間、およびキートップ５ａとキートップ５ｂとの隙間から光が漏れるのを防ぐからである。また、作動部１１の側面に遮光層を設けることでキートップ５ａの外周とパネル３の内壁との隙間、およびキートップ５ａとキートップ５ｂとの隙間から光が漏れるのを防ぐ場合に比べて、加工が容易である。作動部１１の側面に遮光層を設ける場合には、作動部１１の表面をマスキングしたり、あるいは、作動部１１全面に遮光層を設けた後で、その表面に設けられた遮光層をレーザ等で除去する工程が必要となるからである。また、作動部１１の表面に設けられた遮光層をレーザ等で除去した場合、その面の表面が粗くなり、照光性が落ちるという問題がある。
【００３１】
以上、本発明の押釦スイッチ用部材２およびその製造方法を説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されることなく、種々変形を施して実施可能である。
【００３２】
たとえば、上述の実施の形態では、補強部材９を有するものとしているが、補強部材９は、必須ではない。同様に、上述の実施の形態では、作動部１１を有するものとしているが、作動部１１は、必須ではない。
【００３３】
また、上述の実施の形態では、押釦スイッチ用部材２を例示しているが、押釦スイッチ用部材２以外の入力用装置用の部材として用いられてもよい。たとえば、軽く触れただけでどの位置を触れているかを検出できるタッチパネルのような入力用装置に用いてもよい。また、押釦スイッチ以外の入力装置に本願発明が用いられる場合には、皿バネ部材２０および固定接点２１等は必須ではない。しかし、上述の実施の形態のような構造では、押釦スイッチのようにキートップ５が押圧力に応じて上下に動く場合であっても、キートップ５の外周から光が漏れるのを防ぐことができる。
【００３４】
また、上述の実施の形態では、キートップ５ａあるいはキートップ５ｂの外周全てから外側に延出するように遮光フィルム７が配置されているが、このような形態に限らない。キートップ５ｂの外周を光らせたい領域がある場合には、キートップ５ａあるいはキートップ５ｂの外周の一部のみから外側に延出するように遮光フィルム７が配置されていてもよい。
【００３５】
また、上述の実施の形態では、作動部１１は、押圧子１３および台座部１２を備えているが、これらは、必須ではない。作動部１１は、平滑な部材であってもよい。キートップ５として、複数のキートップ５が連接されているようなキーシートを用いる場合には、作動部１１がなくてもよい。たとえば、操作面から見てスイッチ部材の周囲を囲むような溝を、一部を残してキーシートに設けた場合、その溝に囲まれた領域を押圧することで、溝が形成されていない部分を支点にキーシートが曲がり、押圧された領域により裏面側のスイッチ部材を押し込むことができる。このような形状のキーシートの場合には、作動部１１は必要ない。
【００３６】
また、上述の実施の形態では、透光性のキートップ５，５ａを用いているが、このような形態に限らない。キートップ５，５ａは、透光性でなくてもよく、たとえば、キートップが半透光性あるいは遮光性の材料から構成される場合には、貫通孔を設ければよい。また、その貫通孔は、透光性の部材で充填されていてもよい。かかる場合には、裏面側から照光すると、貫通孔の内部が光って見える。遮光性の材料から構成される場合には、キートップ５，５ａは、金属、樹脂、ガラス、セラミックスあるいはそれらのコンポジット等から主に形成されてもよい。
【００３７】
また、上述の実施の形態では、キートップ５は、キートップ５ａおよびキートップ５ｂを有する形態としているが、このような形態に限らない。また、上述の実施の形態では、キートップ５は、１枚のキートップ５に押圧方向で重なる作動部１１が複数あるものとしている。したがって、１つのキートップ５に対して、押圧する位置により異なる皿バネ部材２０を押圧できるものとしているが、このような形態に限らない。１つのキートップ５に対して、１つの作動部１１しか有さない押釦スイッチ用部材２であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【００３８】
本発明は、たとえば、各種電子機器の入力装置としての押釦スイッチ等に利用することができる。
【符号の説明】
【００３９】
２ 押釦スイッチ用部材（入力装置用部材）
３ パネル
５，５ａ，５ｂ キートップ
７ 遮光フィルム
【技術分野】
【０００１】
本発明は、入力装置用部材に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来から、携帯電話および携帯情報端末装置（ＰＤＡ）等の電子機器の操作部に用いられる入力装置がある。入力装置に用いられる入力装置用部材は、キートップと、キートップを支持する透光材料とを有し、各押釦に割り当てられた機能を表示するために、キートップに文字あるいは図形等が付されている場合がある。また、付された文字等を視覚的に際立つようにするために、文字や図形等を抜き文字として、その周囲に遮光層を配置することがある。かかる入力装置では、裏面側からキートップに光を照射することにより、暗所でも文字や図形等を視認できる（たとえば、特許文献１を参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００６−６０３３４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかし、特許文献１に記載の入力装置では、以下の問題がある。それは、キートップの側面部分から光が漏れて、キートップの外周からいわゆる光漏れが生じるという問題である。
【０００５】
そこで、本発明は、かかる問題を解消すべくなされたものであって、キートップの外周から光が漏れにくい入力装置用部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記目的を達成するために、本発明の入力装置用部材の一実施の形態は、表面にて視認されるキートップと、キートップの裏面側に一端側が固着されると共に、裏面側からキートップの外縁を抜けて表面側に出射する光を遮光する遮光フィルムと、を有し、遮光フィルムの他端側は、キートップに隣接するパネルあるいは別のキートップの裏面側に接するように配置されるものとしている。
【０００７】
さらに、キートップの操作面から見て、遮光性フィルムは、キートップの外周の全周を囲むように配置され得る。
【０００８】
さらに、遮光フィルムの他端側は固着されず、遮光フィルムは、滑動できてもよい。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、キートップの外周から光が漏れにくい入力装置用部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】本発明の実施の形態に係る入力装置用部材としての押釦スイッチ用部材を備える携帯電話の正面図である。
【図２】図１の押釦スイッチ用部材のパネルを除く各部材の分解斜視図である。
【図３】図１に示す押釦スイッチ用部材をＡ−Ａ線で切断した断面図である。
【図４】図１に示す押釦スイッチ用部材を操作面側から見た場合において、キートップの端部を実線で、遮光フィルムの端部を点線で示す平面図である。
【図５】図１に示す押釦スイッチ用部材を操作面側から見た場合において、補強部材と作動部との関係を示す平面図である。
【図６】図１に示す押釦スイッチ用部材を操作面側から見た場合において、補強部材の端部を実線で、遮光フィルムの端部を点線で示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１１】
次に、本発明の実施の形態に係る入力装置用部材について、図面を参照しながら説明する。
【００１２】
（入力装置用部材の構造）
図１は、本発明の実施の形態に係る入力装置用部材として押釦スイッチ用部材２を備える携帯電話１を操作面側から見た場合の正面図である。
【００１３】
図１に示すように、電子機器の一例である携帯電話１は、押釦スイッチ用部材２をその操作面に備える。なお、押釦スイッチ用部材２は、押圧操作によりＯＮ／ＯＦＦを切り替える押釦スイッチのために用いられるが、他の入力機器に用いられてもよい。押釦スイッチ用部材２は、その操作面にパネル３およびキートップ５ａ，５ｂを露出して備える。なお、以後、操作面側を表面側、操作面と逆の面側を裏面側という。また、表面から裏面方向を押圧方向という。
【００１４】
パネル３は、開口部を有し、その開口部からキートップ５ａ，５ｂを露出している。パネル３は、最終的に、携帯電話１の筺体の一部となる。パネル３の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレンあるいはポリブチレンテレフタレート等のポリマー、あるいはステンレススチール、アルミニウム、銅、チタニウム等の金属若しくは各種金属から成る合金を用いることができる。
【００１５】
キートップ５ａ，５ｂは、ユーザが押圧するための構成部である。本実施の形態では、略中央に穴部を有するキートップ５ａと、その穴部内方に配置される別のキートップ５ｂとが、操作面に露出している。キートップ５ａとキートップ５ｂとは、別々に押圧され得る。キートップ５ａは、その外周をパネル３に囲まれている。以後、キートップ５ａとキートップ５ｂとを両方指す場合には、キートップ５という。
【００１６】
キートップ５としては、所定の強度を備えた材料であれば特に限定なく使用でき、例えば、０．５〜３ｍｍ程度の厚さを有する板状の硬質部材である。また、キートップ５は、好適には透光性の材料から主に構成され、遮光層（不図示）が形成されている。キートップ５を構成するための透光性の樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂あるいはそれらのコンポジット等を使用でき、特に好ましい樹脂は、ポリカーボネート樹脂あるいはアクリル樹脂である。また、樹脂ではなく、ガラス等の透明な材料により、キートップ５が形成されていてもよい。
【００１７】
キートップ５は、遮光層（不図示）を有している。遮光層は、キートップ５の裏面側から照光した場合に、光が漏れないように遮光する層である。遮光層は、全光線透過率が３０％以下であるのが好ましく、さらに好ましくは、全光線透過率が１０％以下である。遮光層は、遮光性のインク、例えば黒色のインクを用いた印刷により、約１〜３０μｍの厚さにて形成できる。遮光層は、キートップ５ａの裏面の一部に設けられている。また、遮光層（不図示）には、文字、図あるいは数字等の形状に遮光層が設けられていない領域が、いわゆる抜き文字状に形成されている。一方、遮光層は、キートップ５ｂの裏面側全面に設けられている。抜き文字を有していないキートップ５ｂの場合、キートップ５ｂからの透光は不要だからである。以後、当該遮光層が設けられていない領域を「透光部」という。この透光部により、キートップ５の裏面側から表面側に向かって光が照射されると、文字あるいは図等を形成する透光部のみから光が出射するため、文字あるいは図等が光って見える。この結果、文字あるいは図等が視認されやすくなる他、暗所でも文字等の形状を容易に視認できる。なお、遮光層は、キートップ５の裏面側、表面側あるいはその両方に設けることができる。なお、本明細書において、「透光性」とは、一方向から光を照射した際の全光線透過率が４０％以上、好ましくは８０％以上である状態を指すものとする。一方、「遮光性」とは、一方向から光を照射した際の全光線透過率が３０％以下である状態を指すものとする。本実施の形態では、図１においてキートップ５に付されている図の部分が透光部であるため、押釦スイッチ用部２の裏面側から照光すると、それらの図が光って見える。
【００１８】
図２は、図１に示す押釦スイッチ用部材２のパネル３を除く分解斜視図である。図３は、図１に示す押釦スイッチ用部材２のＡ−Ａ線断面図である。図４は、図１に示す入力装置用部材を操作面側から見た場合において、キートップ５の端部を実線で、遮光フィルム７の端部を点線で示す平面図である。なお、図３では、見易さを考慮して、各部材の寸法の比率を実際の比率と変えて図示している。
【００１９】
図２および図３に示すように、キートップ５の裏面側には、遮光フィルム７が配置されている。キートップ５の裏面の一部または全部で、遮光フィルム７とキートップ５とが固着されている。図４に示すように、遮光フィルム７は、透光部と押圧方向で重なる領域に穴部８ａを有する。また、内方側のキートップ５と押圧方向で重なる領域にも穴部８ｂを有する。以後、穴部８ｂの内周は、キートップ５ｂの外周よりも小さい。遮光フィルム７は、キートップ５ａとキートップ５ｂとの隙間を埋めているため、押釦スイッチ用部材２の裏面側から照射された光は、遮光フィルム７に遮られて、キートップ５ｂの外周から漏れにくい。さらに、遮光フィルム７の外周は、キートップ５ａの外周よりも大きく、パネル３の内壁よりも外周側に到達する。また、遮光フィルム７の外周側端部は、パネル３の裏面側に入り込み。パネル３の裏面と接触状態となる。したがって、遮光フィルム７は、キートップ５ａの外周とパネル３の内壁との隙間を埋めているため、押釦スイッチ用部材２の裏面側から照射された光は、遮光フィルム７に遮られて、キートップ５ａの外周から漏れにくい。遮光フィルム７の内周側は、キートップ５に固着されているのに対し、遮光フィルム７の外周側は、パネル３に固着されずに滑動できる。このような構造とすると、キートップ５が押圧動作により上下に動いた場合にも、遮光フィルム７は、折れたりすることがない。
【００２０】
遮光フィルム７としては、厚さ２５〜２００μｍの透光性の樹脂製シートを好適に用いることができる。遮光フィルム７の厚さが２５μｍ未満の場合には、光源３０からの光を十分に遮光できない場合がある。一方、遮光フィルム７の厚さが２００μｍよりも厚い場合には、キートップ５の上下により、遮光フィルム７の動作に起因して大きな音が生じやすい。
【００２１】
また、遮光フィルム７としては、たとえば、ポリカーボネート、アクリルあるいはポリエチレンテレフタレートから主に成るフィルムを用いることができる。また、遮光フィルム７は、それ自体が遮光性であってもよいし、遮光フィルム７は、透光性のフィルムに印刷等により遮光層が形成されたものを用いてもよい。さらに、裏面側に反射層（不図示）を有しているのがより好ましい。反射層は、裏面側からの光を反射する層である。たとえば、遮光フィルム７としては、カーボン粒子等を含むポリカーボネートからなる遮光性の黒フィルムの裏面側に、白いインク等から構成された反射層を印刷等で形成されたものを好適に用いることができる。
【００２２】
図５は、図１の押釦スイッチ用部材２を操作面側から見た場合の、補強部材９と作動部１１とを示す平面図である。図６は、図１の押釦スイッチ用部材２を操作面から見た場合の、補強部材９と遮光フィルム７とを示す平面図である。
【００２３】
図２に示すように、補強部材９は、遮光フィルム７の裏面側に配置されている。補強部材９は、透光部と重なる領域に、穴部１０ａを有する。また、キートップ５ｂと重なる領域に穴部１０ｂを有する。さらに、光源３０を内方に配置するための穴部１０ｃを有する。以後、穴部１０ａ、穴部１０ｂおよび穴部１０ｃをすべて指す場合には、穴部１０という。遮光フィルム７は、補強部材９の穴部１０ａおよび穴部１０ｂについては、穴部１０ａおよび穴部１０ｂの外周縁部分以外覆っていないが、穴部１０ｃの全面を覆っている。遮光フィルム７が穴部１０ｃを覆うことで、特に光の強度が強い光源３０からの直接の光がキートップ５に達しないように遮るため、光源３０からの光で穴部１０ｃ部分が光って視認されることがない。
【００２４】
補強部材９は、作動部１１よりも硬質の部材から主になる略平板状の部材である。補強部材９は、透光性である場合には、押釦スイッチ用部材２の裏面側からの光を各キートップ５の一部若しくは全部の領域に導くライトガイドとしての機能を有する。しかし、補強部材９のライトガイドとしての機能は必須ではない。さらに、補強部材９は、作動部１１よりも剛性の高い材料から主に構成される場合には、補強用の部材としても用いられる。補強部材９としては、ポリカーボネート、ＡＢＳもしくはアクリル等の樹脂、金属、ガラスまたはセラミックスから構成することができる。
【００２５】
作動部１１は、キートップ５を所定の位置に固定および配列するために、穴部１０から補強部材９の表面側に露出し、キートップ５と固着されている。作動部１１は、キートップ５の部分が表面側から押圧された場合に、その下方に設けられたスイッチ部材（不図示）等を押し込むことができると共に、キートップ５の押圧が解除されると元の位置に復帰できるように、柔軟な弾性材料から構成されるのが好ましい。そのような作動部１１の材料としては、たとえば、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、エチレンプロピレンジエンゴムあるいはスチレンブタジエンゴム等の熱硬化性エラストマー、ウレタン系、エステル系、スチレン系、オレフィン系、ブタジエン系あるいはフッ素系等の熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの複合物等を用いることができる。それらの材料の中でも、耐久性が高いウレタン系エラストマー、シリコーンゴムあるいはそれらの複合材を用いるのが好ましい。
【００２６】
作動部１１は、表面側に台座部１２を有する。台座部１２は、補強部材９の表面よりも表面側に突出していると共に、その天面にキートップ５を固着して備える。図５および図６に示すように、台座部１２の外周は、穴部１０の内周よりも小さい。また、台座部１２の外周は、遮光フィルム７の内周よりも小さい。したがって、台座部１２の表面は、補強部材９の表面および遮光フィルム７の表面よりも表面側に突出している。台座部１２が設けられているために、キートップ５が押圧されていない状態では、キートップ５の裏面が補強部材９の表面から離間して配置される。作動部１１の外周端面は、補強部材９の穴部１０の内周面に固着されている。作動部１１は、補強部材９とインサート成型等により、形成されることで、補強部材９と作動部１１と間に十分な固着力を得ることができる。
【００２７】
作動部１１は、裏面側に押圧子１３を有する。押圧子１３は、作動部１１から裏面方向に向かって突出する部分である。押圧子１３は、作動部１１と一体として形成され、作動部１１の一部として構成されていてもよい。また、押圧子１３は、作動部１１とは別部材から構成され、作動部１１に固着されるような形態であってもよい。押圧子１３は、裏面側からの光を透過できるように、透光性であるのが好ましい。
【００２８】
遮光フィルム７と作動部１１若しくは補強部材９との間、あるいはキートップ５と遮光フィルム７の間は、これらを固着することができれば、どのような方法で固着されてもよく、たとえば、融着、接着剤若しくは両面テープ等を介して、または、ホットメルトテープ、シアノアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂若しくは加熱した際の軟化点が低い樹脂等から成る層を介して固着されてもよい。
【００２９】
上述のような押釦スイッチ用部材２では、キートップ５を押圧すると、作動部１１が撓み、押圧子１３が皿バネ部材２０を押し込む。皿バネ部材２０は、少なくとも裏面側が導電性の逆椀状の部材であり、基板に設けられた接点と導通している。皿バネ部材２０が押し込まれると、皿バネ部材２０の頂点が凹み、皿バネ部材２０に覆われるように形成された固定接点２１と接触する。したがって、皿バネ部材２０を介して接点と固定接点２１とが電気的に導通し、スイッチのＯＮまたはＯＦＦが切り替わる。
【００３０】
また、上述のような押釦スイッチ用部材２では、光源３０から押釦スイッチ用部材２を照光した場合に、補強部材９を伝搬した光が作動部１１を伝搬し、キートップ５の裏面側から照光するため、透光部を光らせることができる。また、透光部以外の部分から光が漏れにくくなるため、透光部から出射する光を際立たせることができる。遮光フィルム７が、キートップ５ａの外周とパネル３の内壁との隙間、およびキートップ５ａとキートップ５ｂとの隙間から光が漏れるのを防ぐからである。また、作動部１１の側面に遮光層を設けることでキートップ５ａの外周とパネル３の内壁との隙間、およびキートップ５ａとキートップ５ｂとの隙間から光が漏れるのを防ぐ場合に比べて、加工が容易である。作動部１１の側面に遮光層を設ける場合には、作動部１１の表面をマスキングしたり、あるいは、作動部１１全面に遮光層を設けた後で、その表面に設けられた遮光層をレーザ等で除去する工程が必要となるからである。また、作動部１１の表面に設けられた遮光層をレーザ等で除去した場合、その面の表面が粗くなり、照光性が落ちるという問題がある。
【００３１】
以上、本発明の押釦スイッチ用部材２およびその製造方法を説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されることなく、種々変形を施して実施可能である。
【００３２】
たとえば、上述の実施の形態では、補強部材９を有するものとしているが、補強部材９は、必須ではない。同様に、上述の実施の形態では、作動部１１を有するものとしているが、作動部１１は、必須ではない。
【００３３】
また、上述の実施の形態では、押釦スイッチ用部材２を例示しているが、押釦スイッチ用部材２以外の入力用装置用の部材として用いられてもよい。たとえば、軽く触れただけでどの位置を触れているかを検出できるタッチパネルのような入力用装置に用いてもよい。また、押釦スイッチ以外の入力装置に本願発明が用いられる場合には、皿バネ部材２０および固定接点２１等は必須ではない。しかし、上述の実施の形態のような構造では、押釦スイッチのようにキートップ５が押圧力に応じて上下に動く場合であっても、キートップ５の外周から光が漏れるのを防ぐことができる。
【００３４】
また、上述の実施の形態では、キートップ５ａあるいはキートップ５ｂの外周全てから外側に延出するように遮光フィルム７が配置されているが、このような形態に限らない。キートップ５ｂの外周を光らせたい領域がある場合には、キートップ５ａあるいはキートップ５ｂの外周の一部のみから外側に延出するように遮光フィルム７が配置されていてもよい。
【００３５】
また、上述の実施の形態では、作動部１１は、押圧子１３および台座部１２を備えているが、これらは、必須ではない。作動部１１は、平滑な部材であってもよい。キートップ５として、複数のキートップ５が連接されているようなキーシートを用いる場合には、作動部１１がなくてもよい。たとえば、操作面から見てスイッチ部材の周囲を囲むような溝を、一部を残してキーシートに設けた場合、その溝に囲まれた領域を押圧することで、溝が形成されていない部分を支点にキーシートが曲がり、押圧された領域により裏面側のスイッチ部材を押し込むことができる。このような形状のキーシートの場合には、作動部１１は必要ない。
【００３６】
また、上述の実施の形態では、透光性のキートップ５，５ａを用いているが、このような形態に限らない。キートップ５，５ａは、透光性でなくてもよく、たとえば、キートップが半透光性あるいは遮光性の材料から構成される場合には、貫通孔を設ければよい。また、その貫通孔は、透光性の部材で充填されていてもよい。かかる場合には、裏面側から照光すると、貫通孔の内部が光って見える。遮光性の材料から構成される場合には、キートップ５，５ａは、金属、樹脂、ガラス、セラミックスあるいはそれらのコンポジット等から主に形成されてもよい。
【００３７】
また、上述の実施の形態では、キートップ５は、キートップ５ａおよびキートップ５ｂを有する形態としているが、このような形態に限らない。また、上述の実施の形態では、キートップ５は、１枚のキートップ５に押圧方向で重なる作動部１１が複数あるものとしている。したがって、１つのキートップ５に対して、押圧する位置により異なる皿バネ部材２０を押圧できるものとしているが、このような形態に限らない。１つのキートップ５に対して、１つの作動部１１しか有さない押釦スイッチ用部材２であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【００３８】
本発明は、たとえば、各種電子機器の入力装置としての押釦スイッチ等に利用することができる。
【符号の説明】
【００３９】
２ 押釦スイッチ用部材（入力装置用部材）
３ パネル
５，５ａ，５ｂ キートップ
７ 遮光フィルム
【特許請求の範囲】
【請求項１】
表面にて視認されるキートップと、
上記キートップの裏面側に一端側が固着されると共に、上記裏面側から上記キートップの外縁を抜けて表面側に出射する光を遮光する遮光フィルムと、を有し、
上記遮光フィルムの他端側は、上記キートップに隣接するパネルあるいは別の上記キートップの裏面側に接するように配置されることを特徴とする入力装置用部材。
【請求項２】
請求項１に記載の入力装置用部材であって、
前記キートップの操作面から見て、前記遮光性フィルムは、前記キートップの外周の全周を囲むように配置されることを特徴とする入力装置用部材。
【請求項３】
請求項１または請求項２に記載の入力装置用部材であって、
前記遮光フィルムの他端側は固着されず、前記遮光フィルムは、滑動できることを特徴とする入力装置用部材。
【請求項１】
表面にて視認されるキートップと、
上記キートップの裏面側に一端側が固着されると共に、上記裏面側から上記キートップの外縁を抜けて表面側に出射する光を遮光する遮光フィルムと、を有し、
上記遮光フィルムの他端側は、上記キートップに隣接するパネルあるいは別の上記キートップの裏面側に接するように配置されることを特徴とする入力装置用部材。
【請求項２】
請求項１に記載の入力装置用部材であって、
前記キートップの操作面から見て、前記遮光性フィルムは、前記キートップの外周の全周を囲むように配置されることを特徴とする入力装置用部材。
【請求項３】
請求項１または請求項２に記載の入力装置用部材であって、
前記遮光フィルムの他端側は固着されず、前記遮光フィルムは、滑動できることを特徴とする入力装置用部材。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２０１２−７９４７２（Ｐ２０１２−７９４７２Ａ）
【公開日】平成２４年４月１９日（２０１２．４．１９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２２１７４７（Ｐ２０１０−２２１７４７）
【出願日】平成２２年９月３０日（２０１０．９．３０）
【出願人】（０００１９０１１６）信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年４月１９日（２０１２．４．１９）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年９月３０日（２０１０．９．３０）
【出願人】（０００１９０１１６）信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Ｆターム（参考）】
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