説明

入力装置

【課題】十分な摩擦制動力が適時得られるとともに制動時でも操作部材が安定し、操作性及び操作感に優れる入力装置を提供する。
【解決手段】磁性体からなる操作部材(14)に制動力を与える摩擦部材は、電磁石(22)と一体に移動可能である。操作部材(14)を支持する支持部材(20)は、電磁石(22)が磁力を発生させたときに、操作部材(14)が電磁石(22)に向かって移動することを規制する。ホルダ(26)は、操作部材(14)に向かう方向にて進退自在に電磁石(22)を支持し、電磁石(22)が磁力を発生させたときに、電磁石(22)が操作部材(14)に引き寄せられるのに伴い摩擦部材と操作部材(14)との接触圧が上昇することを許容するとともに、電磁石(22)が操作部材(14)に引き寄せられているときに、操作部材(14)の動作方向への電磁石(22)の移動を規制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に係わり、より詳しくは、操作部材に制動力を与えることにより、操作する者に操作感を与える入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、カーナビゲーションシステムやカーエアコンシステム等に適用される入力装置は、スライド、回転、又は、傾動させる操作部材を有し、操作部材の位置又は姿勢等に応じて、入力する命令が選択される。そして、入力装置には、操作部材に摩擦力による制動力を与え、操作する者に操作感を与えるものがある。
【0003】
具体的には、特許文献1が開示するトラックボール装置は、操作部材としてトラックボールを有し、トラックボールは、支持部材の三点によって回転可能に支持されている。トラックボールの近傍には電磁石が配置され、トラックボールが電磁石に吸引される。この吸引力により、トラックボールと支持部材との間の摩擦力が変化し、トラックボールの回転操作力が変化する。
【0004】
一方、特許文献2が開示する操作感触付与型トラックボール装置では、支持部材によって支持されたトラックボールに、アクチュエータによって、摩擦部材が押し当てられる。アクチュエータの駆動は制御部によって制御され、アクチュエータと摩擦部材との間の接触圧が変化させられる。この接触圧の変化により、トラックボールには制動力が与えられ、操作者は操作感触を得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−272300号公報
【特許文献2】特開2009−128963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1が開示するトラックボール装置では、トラックボールと支持部材の三点との間の摩擦力によって、操作部材に制動力が与えられるが、支持部材は、本来、トラックボールを円滑に回転可能に支持するものである。
このため、このトラックボール装置では、摩擦制動力が小さく、操作者の操作力によっては、操作部材を所望の位置又は姿勢に的確に案内することができない虞がある。また、操作者にメリハリの効いた操作感を与えるという観点からみたときにも、十分な摩擦制動力を得られない。
【0007】
一方、特許文献2が開示する操作感触付与型トラックボール入力装置では、支持部材及び摩擦部材が別体にて設けられ、トラックボールに摩擦部材を押し当てることにより、十分な摩擦制動力が得られる。
【0008】
しかしながら、この操作感触付与型トラックボールでは、アクチュエータが固定されており、摩擦部材を押し当てたとき、押し当てた方向にて、トラックボールが僅かではあるものの変位する。このトラックボールの変位が操作者に伝わると、操作者が違和感を覚えることがあるため、抑制することが望まれている。
また、このトラックボールの変位は、摩擦力の発生に僅かに遅れをもたらしており、制動力をより適時に与えて操作者の操作性を高めるという観点からも、抑制することが望まれている。
【0009】
本発明は上記した事情に鑑みてなされ、その目的とするところは、十分な摩擦制動力が適時得られるとともに制動時でも操作部材が安定し、操作性及び操作感に優れる入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明は以下の解決手段を採用する。
【0011】
解決手段1:本発明の一態様によれば、操作者の操作により動作する操作部材と、前記操作部材を動作可能に支持する支持手段と、電磁石及び摩擦部材を含み、前記操作部材に制動力を与える制動手段と、前記電磁石を支持するホルダと、前記電磁石の駆動制御を行う制御手段とを備える入力装置であって、前記操作部材は磁性体からなり、前記摩擦部材は前記電磁石と一体に移動可能に設けられ、前記支持手段は、前記電磁石が磁力を発生させたときに、前記操作部材が前記電磁石に向かって移動することを規制し、前記ホルダは、前記操作部材に向かう方向にて進退自在に前記電磁石を支持し、前記電磁石が磁力を発生させたときに、前記電磁石が前記操作部材に引き寄せられるのに伴い前記摩擦部材と前記操作部材との接触圧が上昇することを許容するとともに、前記電磁石が前記操作部材に引き寄せられているときに、前記操作部材の動作方向への前記電磁石の移動を規制することを特徴とする入力装置が提供される。
【0012】
第1の解決手段の入力装置によれば、支持部材とは別体の摩擦部材が操作部材に接触することによって、大きな摩擦力が得られる。
一方、この入力装置では、摩擦部材が電磁石と一体に移動可能に設けられ、電磁石と操作部材との間に作用する磁力によって、電磁石が操作部材に引き寄せられる。磁力は、電磁石と操作部材との間の引力であり、斥力ではない。
【0013】
このため、電磁石が操作部材に引き寄せられたときに、電磁石から離れる方向に操作部材を変位させる力は発生しない。従って、この入力装置によれば、十分な制動力が適時得られるとともに、制動時の操作部材の安定化が図られ、優れた操作性及び操作感が実現される。
【0014】
解決手段2:好ましくは、前記電磁石は、前記進退方向に延びる筒形状の外周面を有し、前記ホルダは、前記操作部材に向かう開口を規定するとともに前記電磁石の外周面に摺接する内周面を有する。
第2の解決手段の入力装置では、電磁石の筒形状の外周面に対し、ホルダの内周面が摺接することによって、簡単な構成にて、電磁石が円滑に進退自在に支持される。
また、この入力装置では、電磁石の外周面とホルダの内周面とが当接することによって、操作部材の動作方向での電磁石の変位が規制される。このため、操作部材に対し、常に一定の位置で摩擦部材が当接し、安定した制動力が適時与えられる。この結果として、この入力装置は、更に優れた操作性を有する。
【0015】
解決手段3:好ましくは、前記操作部材は球形状を有し、前記支持手段は、前記操作部材を回転可能に支持する。
第3の解決手段の入力装置によれば、操作部材が球形状を有し、非制動時には操作部材に円滑な回転動作が要求されていても、十分な制動力が適時得られるとともに、制動時の操作部材の安定化が図られ、優れた操作性及び操作感が実現される。
【0016】
解決手段4:好ましくは、前記制動手段は、複数組の前記電磁石及び前記摩擦部材を含む。
第4の解決手段の入力装置によれば、複数の摩擦部材によって摩擦力を発生させることで、あらゆる方向での操作部材の回転に対し、的確に制動力が与えられる。このため、この入力装置によれば、不所望の操作部材の回転が制動時に確実に抑制される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、十分な摩擦制動力が適時得られるとともに制動時でも操作部材が安定し、操作性及び操作感に優れる入力装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態及び第2実施形態の入力装置を概略的に示す平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う概略的な断面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う、電磁石近傍の概略的な部分断面図である。
【図4】図1のIV−IV線に沿う概略的な断面図である。
【図5】図4のV−V線に沿う、一方の電磁石近傍の概略的な部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態の入力装置10を概略的に示す平面図である。入力装置10は、例えば略箱形状のハウジング12、及び、ハウジング12の一部に設けられた開口にて部分的に露出させられたトラックボール14を有する。
【0020】
トラックボール14は、球形状の操作部材であり、例えば鉄等の磁性体からなる。操作者は、トラックボール14を指先等で回転させることにより、回転方向及び回転量(回転速度)に応じた命令を外部装置に入力することができる。例えば、入力装置10は、カーナビゲーションシステムに適用される。この場合、入力装置10は車室内のセンターコンソールやインストルメントパネルに設置され、カーナビゲーションシステムの液晶パネル等からなる表示部における地図のスクロールや、カーソルの移動等に使用される。
【0021】
図2は、図1のII―II線に沿う概略的な断面図である。
ハウジング12内には、種々の部材を適当に配置するために、マウント部材16が配置されている。マウント部材16は、トラックボール14を受け容れる凹所を規定する略半球形状の凹面18を有し、凹面18には、トラックボール14を支持する支持部材として、金属製又は樹脂製の例えば3つの球形部材20が取り付けられている。球形部材20は、平面でみて、正三角形の頂点に位置するように配置され、トラックボール14の斜め下側に当接している。
【0022】
また、マウント部材16には、凹面18に開口する凹部が設けられ、凹部内には、トラックボール14の回転を検知するための検知手段として、例えば光学式のセンサ21が配置されている。センサ21は、トラックボール14に向けて光を照射して反射光を検出し、検出結果に対応する検出信号を出力する。
【0023】
更に、マウント部材16には、電磁石22を支持すべく、有底孔24が設けられている。有底孔24はトラックボール14の中心に向かって開口し、この開口は、円筒形状の内周面26の一端によって規定されている。内周面26の軸線方向は、トラックボール14の中心を通る径方向に一致している。
なお、有底孔24の底には、マウント部材16を貫通する貫通孔が開口しており、電磁石22に電力を供給するための給電線28が伸縮自在に貫通孔内を延びている。
【0024】
電磁石22は、図2とともに図3も参照すると、磁性体からなるコア30を有し、コア30は、有底円筒形状の外壁部32と、外壁部32の中心を同軸に延びる円柱部34とを有する。外壁部32の外周面は、有底孔24の内周面26に摺接しており、電磁石22は、有底孔24の内周面26によって、トラックボール14に向けて進退自在に支持されている。つまり有底孔24の内周面26及び底面は、電磁石22を進退自在に支持するホルダとして機能している。
コア30の円柱部34の周りには管状に電線が巻回され、電線がソレノイド36を構成している。なお、ソレノイド36の電線の両端は、コア30の底の中央から外部に引き出され、給電線28に接続されている。
【0025】
ここで、電磁石22の外壁部32及び円柱部34の端面は、トラックボール14の外周面の曲率に合致する凹面を規定している。従って、電磁石22の外壁部32及び円柱部34の端面は、電磁石22がトラックボール14に引き寄せられたときに、トラックボール14の外周面にそれぞれ密接に面接触可能である。つまり、本実施形態では、電磁石22の外壁部32及び円柱部34の端面は、トラックボール14に摺接させられる摩擦部材を構成している。
【0026】
また、入力装置10は、例えば、MCU(マイクロプロセッサーユニット)によって構成される制御部38を有している。
制御部38には、センサ21が出力した検出信号が入力され、制御部38は、検出信号に基づいて、トラックボール14の回転方向及び回転量を検知する。そして、検知したトラックボール14の回転方向及び回転量を、カーナビゲーションシステムのメインコントローラに向けて出力する。
【0027】
一方、制御部38は、給電線28を通じてソレノイド36に電力を供給することによって、電磁石22を励磁可能である。具体的には、円柱部34の周りに電線が巻回されているので、円柱部34の長手方向両端がS極及びN極になるよう励磁される。そして、制御部38は、例えばデューティ比制御によって電力を調整することによって、電磁石22の磁力を調整可能である。
また、制御部38には、カーナビゲーションシステムのメインコントローラから、表示部の表示内容に関する情報が提供されている。これにより、制御部38は、表示部の表示内容に合わせて、電磁石22の磁力を調整可能である。
【0028】
以下、上述した入力装置10の動作について説明する。
操作者が指先等でトラックボール14を操作して回転させると、トラックボール14の回転に応じた検出信号をセンサ21が出力する。そして、制御部38は、検出信号に基づいてトラックボール14の回転方向及び回転量を演算し、演算結果に対応する命令をカーナビゲーションシステムのメインコントローラに向けて出力する。メインコントローラは、入力された命令に基づいて所定の処理を実行し、実行した結果を表示部に表示する。
【0029】
例えば、表示部に地図が表示されているときに、トラックボール14が回転させられると、メインコントローラは、表示部の地図を回転方向及び回転量に応じてスクロールさせる。
また、表示部に命令入力ボタン及びカーソルが表示されているときに、トラックボール14が回転させられると、メインコントローラは、カーソルを回転方向及び回転量に応じて移動させる。
【0030】
そして、本実施形態では、制御部38が、カーナビゲーションシステムの表示部の表示内容に応じて、電磁石22の駆動制御、即ち、電力供給の開始・停止及び供給される電力の調整を行う。
例えば、制御部38は、表示部の地図をスクロールさせているときには、電磁石22に電力を供給しない。このため、トラックボール14には球形部材20との間の摺動抵抗以外、抵抗が作用せず、操作者は、トラックボール14を自分の希望する回転方向及び回転量だけ自由に回転させることができる。
【0031】
一方、制御部38は、表示部に複数の命令入力ボタンが表示されているときには、カーソルを命令入力ボタン上に導くように、電磁石22への電力供給を行う。具体的には、トラックボール14の回転に伴い、カーソルが命令入力ボタン上を通過しようとすると、通過する直前に電磁石22への電力供給を開始し、カーソルが命令入力ボタン上に来たときに最大の電力を供給する。
【0032】
電磁石22に電力が供給されると、電磁石22が励磁されて磁力が発生する。電磁石22の磁力は、磁性体からなるトラックボール14と電磁石22との間の引力として働く。トラックボール14は、球形部材20によって支持されているので、電磁石22に向かって移動することは出来ず、電磁石22が、有底孔24の内周面26に案内されながら、トラックボール14に引き寄せられる。
【0033】
電磁石22が引き寄せられると、電磁石22の端面を規定するコア22の外壁部32及び円柱部34の端面が、トラックボール14に当接し、トラックボール14に摩擦抵抗による制動力が与えられる。摩擦抵抗は、トラックボール14に対する電磁石22の端面の接触圧に依存することから、制御部38が供給電力を調整することで、制動力を調整することが可能である。なお、トラックボール14に当接した電磁石22は、電力供給を停止することによって、自重によってトラックボール14から離れる。
【0034】
このように本実施形態では、制動力が、表示部においてカーソルが命令入力ボタンを通過しようとすると発生させられ、カーソルが命令入力ボタン上に来たときに最大になる。
このため、操作者は、トラックボール14を的確に回転させることができないような状況下でも、トラックボール14に与えられる制動力に補助されて、カーソルを命令入力ボタン上に的確に移動させることができる。
【0035】
かくして、上述した第1実施形態の入力装置10では、球形部材20とは別体に設けられた摩擦部材としての電磁石22の端面がトラックボール14に接触することによって、大きな摩擦力が得られる。
一方、この入力装置10では、摩擦部材が電磁石22と一体に移動可能に設けられ、電磁石22とトラックボール14との間に作用する磁力によって、電磁石22がトラックボール14に引き寄せられる。磁力は、電磁石22とトラックボール14との間の引力であり、斥力ではない。
【0036】
このため、電磁石22がトラックボール14に引き寄せられたときに、電磁石22から離れる方向にトラックボール14を変位させる力は発生しない。従って、この入力装置10によれば、十分な制動力が適時得られるとともに、制動時のトラックボール14の安定化が図られ、優れた操作性及び操作感が実現される。
【0037】
そして、上述した第1実施形態の入力装置10では、電磁石22の筒形状の外周面に対し、電磁石22を支持するホルダとしての有底孔24の内周面26が摺接することによって、簡単な構成にて、電磁石22が円滑に進退自在に支持される。
また、この入力装置10では、電磁石22の外周面と有底孔24の内周面26とが当接することによって、トラックボール14の回転方向での電磁石22の変位が規制される。このため、トラックボール14に対し、常に一定の位置で電磁石22の端面が当接し、安定した制動力が適時与えられる。この結果として、この入力装置10は、更に優れた操作性を有する。
【0038】
更に、上述した第1実施形態の入力装置10によれば、操作部材が球形状のトラックボール14であり、非制動時にはトラックボール14に円滑な回転動作が要求されていても、十分な制動力が適時得られるとともに、制動時のトラックボール14の安定化が図られ、優れた操作性及び操作感が実現される。
【0039】
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態の入力装置50について説明する。なお、第1実施形態の入力装置10と同一又は類似の構成については、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
入力装置50は、トラックボール14に対して、異なる位置にて当接可能な2つの電磁石22を有する。従って、マウント部材16には、2つのホルダが設けられている。
【0040】
電磁石22のコア30は、外壁部32の端部に一体に形成されたフランジ部52を有する。平面でみたとき、フランジ部52の外形形状は円形状ではなく、180度の回転対称性を有する略トラック形状又は略オーバル形状である。
フランジ部52に対応して、電磁石22の収納部としての孔54は、有底孔である必要はない。孔54の内周面には、フランジ部52を進退自在に受け入れ、且つ、フランジ部52の回転を規制する凹みが形成され、内周面56は段付きの円筒形状を有している。従って、入力装置50では、有底孔24の底面の代わりに、内周面56の段差面が、非励磁時の電磁石22の位置を規定している。
【0041】
その上、電磁石22のトラックボール14側の端面は、外壁部32及び円柱部34の平坦な端面によって規定されている。
上述した第2実施形態の入力装置50では、電磁石22の端面によって規定される複数の摩擦部材によって摩擦力を発生させることで、あらゆる方向でのトラックボール14の回転に対し、的確に制動力が与えられる。このため、この入力装置50によれば、不所望のトラックボール14の回転が制動時に確実に抑制される。
また、上述した第2実施形態の入力装置50では、フランジ部52が孔54の内周面56に当接することによって、孔54内での電磁石22の回転が防止される。
【0042】
本発明は、上述した第1実施形態及び第2実施形態に限定されることはなく、第1実施形態及び第2実施形態を適宜組み合わせた形態や、第1実施形態及び第2実施形態に適宜変更を加えた形態も含む。
例えば、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、操作部材は球形状を有し、回転動作可能に支持されていたが、操作部材は、スライド又は傾動する棒形状を有していてもよく、或いは、一軸周りに回転させられる円柱形状を有していてもよい。
【0043】
つまり、入力装置は、トラックボール装置に限定されることはなく、そして、操作部材の種類に応じて、操作部材の支持部材や、操作部材の動作を検知するセンサも適宜選択される。
また、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、電磁石22のコア30の端面が摩擦部材としての機能を有していたが、コア30の端面に別体の摩擦部材を固定してもよい。
【0044】
その他、図示とともに説明した各部材の形状や配置はいずれも好ましい例であり、本発明の実施に際してこれらを適宜変更可能である。
最後に、本発明はカーナビゲーションシステムの入力装置に好適であるが、これ以外のカーオーディオ、カーエアコンシステム、及び、パーソナルコンピュータ等の外部機器にも適用可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0045】
10,50 入力装置
12 ハウジング
14 トラックボール(操作部材)
16 マウント部材
18 凹所
20 球形部材(支持部材)
22 電磁石
24 有底孔
26 内周面(ホルダ)
28 給電線
30 コア
32 外壁部
34 円柱部
36 ソレノイド
38 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者の操作により動作する操作部材と、
前記操作部材を動作可能に支持する支持手段と、
電磁石及び摩擦部材を含み、前記操作部材に制動力を与える制動手段と、
前記電磁石を支持するホルダと、
前記電磁石の駆動制御を行う制御手段とを備える入力装置であって、
前記操作部材は磁性体からなり、
前記摩擦部材は前記電磁石と一体に移動可能に設けられ、
前記支持手段は、前記電磁石が磁力を発生させたときに、前記操作部材が前記電磁石に向かって移動することを規制し、
前記ホルダは、前記操作部材に向かう方向にて進退自在に前記電磁石を支持し、前記電磁石が磁力を発生させたときに、前記電磁石が前記操作部材に引き寄せられるのに伴い前記摩擦部材と前記操作部材との接触圧が上昇することを許容するとともに、前記電磁石が前記操作部材に引き寄せられているときに、前記操作部材の動作方向への前記電磁石の移動を規制する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記電磁石は、前記進退方向に延びる筒形状の外周面を有し、
前記ホルダは、前記操作部材に向かう開口を規定するとともに前記電磁石の外周面に摺接する内周面を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記操作部材は球形状を有し、
前記支持手段は、前記操作部材を回転可能に支持する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記制動手段は、複数組の前記電磁石及び前記摩擦部材を含むことを特徴とする請求項3に記載の入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−192099(P2011−192099A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58626(P2010−58626)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】