説明

入力装置

【課題】 ユーザによる操作の煩雑さを軽減することが可能な入力装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の入力装置10は、情報を入力する複数の入力デバイスD1、D2・・・Dnと、画面に複数のウィンドウを表示する表示装置24と、に接続され、複数の入力デバイスD1、D2・・・Dnのうちいずれかから入力される情報に基づく処理を、複数のウィンドウのうち選択されたいずれかのウィンドウであるフォーカスされたウィンドウに対して実行する入力装置10であって、所定の情報を入力した複数の入力デバイスD1、D2・・・Dnのいずれかに応じて、フォーカスされたウィンドウを複数のウィンドウのいずれかに切り替える切り替え手段40を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、キーボード、マウス等の入力デバイスから入力された入力情報に基づいて、液晶ディスプレイ等の表示装置にGUI(Graphical User Interface)等の画面の情報を出力する入力装置が利用されている。入力装置は、例えばパーソナルコンピュータ(Personal Computer、以下PC)等である。
【0003】
GUIには、例えばウィンドウとよばれる表示装置の画面の領域の一部を占める矩形の小画面が用いられる。ウィンドウを表示する際に、画面に複数のウィンドウを重ねて表示したり、画面の領域の全体に表示されるように最大化したり、表示を隠すように最小化したりすることができる。
【0004】
例えば、特許文献1には、ネットワークを介して接続された複数のワークステーションの出力を、ワークステーションに接続された任意のディスプレイに出力する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−121273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
入力装置は、例えば表示装置の画面に表示される複数のウィンドウのうち、いずれか一つのウィンドウを選択して、選択したウィンドウに対するユーザの入力等の操作や編集を可能として、その他のウィンドウを参照のみ可能とするように制御する場合がある。以下、いずれかのウィンドウを選択することを「ウィンドウのフォーカス」又は「ウィンドウをフォーカスする」と記す。例えば、複数のウィンドウを重ねて画面に表示する場合、フォーカスされたウィンドウは、最前面に位置するように表示される。
【0007】
ここで、複数のウィンドウが、それぞれ複数の入力デバイスと関連付けられているとする。例えば、ウィンドウW1及びW2に、それぞれ入力デバイスD1及びD2が関連付けられているとする。ユーザが入力デバイスD1で入力する場合、事前にウィンドウW1をフォーカスする必要がある。同様に、ユーザが入力デバイスD2で入力する場合、事前にウィンドウW2をフォーカスする必要がある。このように、ユーザは、各入力デバイスで入力を行う際、複数のウィンドウのうち、各入力デバイスに関連付けられたいずれかのウィンドウがフォーカスされるように、事前にウィンドウのフォーカスを切り替えなければならない。そのため、ユーザによる操作が煩雑になってしまう。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、ユーザによる操作の煩雑さを軽減することが可能な入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の入力装置は、情報を入力する複数の入力デバイスと、画面に複数のウィンドウを表示する表示装置と、に接続され、前記複数の入力デバイスのうちいずれかから入力される情報に基づく処理を、前記複数のウィンドウのうち選択されたいずれかのウィンドウであるフォーカスされたウィンドウに対して実行する入力装置であって、所定の情報を入力した前記複数の入力デバイスのいずれかに応じて、前記フォーカスされたウィンドウを複数のウィンドウのいずれかに切り替える切り替え手段を備えることを特徴とする。
【0010】
これにより、複数の入力デバイスのいずれから情報が入力される場合であっても、ユーザがウィンドウのフォーカスを事前に切り替えることなく、その入力デバイスと関連付けられたウィンドウがフォーカスされるように、フォーカスを切り替えることができる。よって、ユーザによる操作の煩雑さを軽減することができる。
【0011】
上記構成において、前記複数の入力デバイスのそれぞれと前記複数のウィンドウのいずれかとを関連付けるテーブルと、前記フォーカスされたウィンドウが前記複数のウィンドウのうちいずれであるかを示すフォーカスウィンドウ情報と、を記憶する記憶手段と、前記記憶手段が記憶する前記テーブルに基づいて、前記所定の情報を入力した前記複数の入力デバイスのいずれかと関連付けられているウィンドウを確認するウィンドウ確認手段と、を備え、前記切り替え手段は、前記ウィンドウ確認手段により確認されるウィンドウと、前記フォーカスウィンドウ情報により特定されるウィンドウと、が一致しない場合、前記ウィンドウ確認手段により確認されるウィンドウにフォーカスを切り替える構成としてもよい。
【0012】
上記構成において、追加する入力デバイスを前記入力装置に接続する場合、前記追加する入力デバイスと前記複数のウィンドウのいずれかとを関連付けるように前記テーブルを更新する更新手段を備える構成としてもよい。
【0013】
本発明の入力方法は、情報を入力する複数の入力デバイスと、画面に複数のウィンドウを表示する表示装置と、に接続され、前記複数の入力デバイスのうちいずれかから入力される情報に基づく処理を、前記複数のウィンドウのうち選択されたいずれかのウィンドウであるフォーカスされたウィンドウに対して実行する入力装置の入力方法であって、所定の情報を入力した前記複数の入力デバイスに応じて、前記フォーカスされたウィンドウを複数のウィンドウのいずれかに切り替えるステップを備えることを特徴とする。
【0014】
上記構成において、本発明のプログラムは、情報を入力する複数の入力デバイスと、画面に複数のウィンドウを表示する表示装置と、に接続されるコンピュータに、前記複数の入力デバイスのうちいずれかから入力される情報に基づく処理を、前記複数のウィンドウのうち選択されたいずれかのウィンドウであるフォーカスされたウィンドウに対して実行させるプログラムであって、前記コンピュータを、所定の情報を入力した前記複数の入力デバイスに応じて、前記フォーカスされたウィンドウを複数のウィンドウのいずれかに切り替える切り替え手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザ操作の煩雑さを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、実施例1に係る入力装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施例1に係る表示装置が表示する画面表示の一例を示す説明図である
【図3】図3は、実施例1に係る入力装置の機能ブロック図である。
【図4】図4は、実施例1に係るウィンドウ管理テーブルのデータ構造の一例を示す説明図である。
【図5】図5は、実施例1に係るウィンドウのフォーカスを切り替える処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】図6(a)、図6(b)、図6(c)、図6(d)、図6(e)及び図6(f)は、実施例1に係るウィンドウのフォーカスを切り替える場合の表示装置の画面の変化を時系列で示す説明図である。
【図7】図7は、実施例2に係る入力装置の機能ブロック図である。
【図8】図8は、実施例2に係る画面生成手段が生成する画面情報の一例を示す説明図である。
【図9】図9は、実施例2に係る更新手段がウィンドウ管理テーブルを更新する処理を説明する。
【図10】図10は、実施例2に係る追加する入力デバイスを接続する場合に、ウィンドウ管理テーブルを更新する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図面を用いて、本発明の実施例について詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
図1を参照して、実施例1に係る入力装置10の構成を説明する。図1は、実施例1に係る入力装置10の構成を示すブロック図である。図1のように、入力装置10は、インターフェース(以下、I/F)12、14及び16と、CPU(Central Processing Unit)18と、画面処理部20と、メモリ22と、を備える。I/Fは、接続される入力デバイスから入力される情報(以下、入力情報)を検出する。入力装置10には、I/Fを介して、n個の入力デバイスD1、D2・・・Dn(nは自然数)が接続される。図1では、I/F12、14及び16に、それぞれ入力デバイスD1、D2及びDnが接続される例を示している。入力デバイスは、例えばキーボード、マウス等である。入力情報は、例えば入力デバイスが、キーボードの場合はスキャンコード、コマンドコード等のキー情報であり、マウスの場合は前後左右の移動量の情報やボタンのオンオフ信号等である。
【0019】
CPU18は、メモリ22から読み出したプログラムの実行や、I/F12、14及び16並びに画面処理部20の制御等を行う。CPU18は、入力デバイスD1、D2・・・Dnから入力される情報に基づく処理を実行する。メモリ22は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等であって、CPU18が実行するプログラムや、プログラムの実行に必要なデータ等を記憶する。画面処理部20は、ビデオメモリ(図示せず)を有し、GUIやCPU18が実行した処理の結果等を表示するための画面の情報(以下、画面情報)を生成して、画面情報をビデオメモリに格納する。GUIは、例えばウィンドウ、ポインタ、ボタン、アイコン等である。画面処理部20は、画面情報をビデオメモリから表示装置24へ出力する。CPU18は、例えばパイプライン処理等により、複数の処理を並行して実行する。CPU18は、複数の処理を実行する場合、複数のウィンドウのそれぞれに対して、各処理に対応するプログラムやデータを割り当てる。画面処理部20は、複数の処理の結果や入力デバイスから入力される文字等の情報が各ウィンドウに表示されるように画面の情報を生成する。画面処理部20は、例えば60Hzの周波数で画面情報を出力する。表示装置24は、例えば液晶モニタ、CRT(Cathode Ray Tube)モニタ等であり、入力装置10から伝送された画面情報を画面に出力する。
【0020】
入力装置10は、表示装置24の画面に表示される複数のウィンドウのうち、ユーザにより操作や編集が可能であるフォーカスされたウィンドウはいずれか一つであり、その他は参照のみ可能であるように制御する。フォーカスされたウィンドウは、例えばユーザが表示装置24の画面に表示されるカーソル(マウスポインタ)をマウスにより操作して複数のウィンドウのいずれかを選択することにより決定される。なお、ウィンドウをフォーカスするために、他の手段、方法を用いてもよい。
【0021】
図2を参照して、実施例1に係る表示装置24が表示する画面表示の一例を説明する。図2は、実施例1に係る表示装置24が表示する画面表示の一例を示す説明図である。図2の画面50は、表示装置24の画面である。画面50に、ウィンドウ52及び54が表示されている。ウィンドウ52及び54は、表示装置24の画面50の領域の一部を占める矩形の小画面である。ウィンドウ52及び54は、ウィンドウ52が最前面になるように一部が互いに重なって表示されている。図2において、最前面に表示されたウィンドウ52が、フォーカスされたウィンドウであり、外周を太線で示している。以下の説明において、外周を太線で示すウィンドウは、フォーカスされたウィンドウであることを示す。
【0022】
図3を参照して、実施例1に係る入力装置10の機能を説明する。図3は、実施例1に係る入力装置10の機能ブロック図である。なお、図3において、図1に示す構成と同一の構成について、同一の符号を付している。図3のように、入力装置10は、入力検出手段30、記憶手段32、ウィンドウ確認手段38、フォーカス切り替え手段40、実行手段42、画面生成手段44及びフォーカスウィンドウ情報更新手段46を備える。
【0023】
図1に示すI/F12、14及び16が入力検出手段30として機能する。入力検出手段30は、接続される入力デバイスD1、D2及びDnから入力される入力情報を検出する。入力検出手段30は、入力検出手段の入力元がいずれの入力デバイスであるかを示す入力デバイスを識別する情報(以下、入力デバイス識別情報)をウィンドウ確認手段38に通知する。入力デバイス識別情報は、例えば入力デバイスの名称やシリアル番号等である。
【0024】
図1に示すメモリ22が記憶手段32として機能する。記憶手段32は、入力情報31、ウィンドウ管理テーブル34及びフォーカスウィンドウ情報36を記憶する。入力情報31は、入力デバイスD1、D2及びDnから入力され、入力検出手段30から通知される。ウィンドウ管理テーブル34は、複数の入力デバイスのそれぞれと、複数のウィンドウのいずれかとを関連付けるテーブルである。ウィンドウ管理テーブル34は、入力デバイス識別情報と、ウィンドウを識別する情報(以下、ウィンドウ識別情報)とを関連付けて記憶する。ウィンドウ識別情報は、例えばウィンドウのハンドル名等である。ウィンドウ管理テーブル34のデータ構造の詳細は後述する。
【0025】
フォーカスウィンドウ情報36は、フォーカスされたウィンドウがいずれであるかを示す情報である。フォーカスウィンドウ情報36により、フォーカスされたウィンドウが一意に特定される。フォーカスウィンドウ情報36は、フォーカスされたウィンドウに関するウィンドウ識別情報であって、例えばフォーカスされたウィンドウのハンドル名等である。
【0026】
図1に示すCPU18がウィンドウ確認手段38として機能する。ウィンドウ確認手段38は、記憶手段32が記憶するウィンドウ管理テーブル34を読み出して、入力情報を入力した複数の入力デバイスのいずれかと関連付けられているウィンドウを確認する。ウィンドウ確認手段38は、確認したウィンドウのウィンドウ識別情報をフォーカス切り替え手段40に通知する。
【0027】
図1に示すCPU18がフォーカス切り替え手段40として機能する。フォーカス切り替え手段40は、ウィンドウ確認手段38により確認されるウィンドウと、フォーカスウィンドウ情報36により特定されるウィンドウと、が一致しない場合、ウィンドウ確認手段38により確認されるウィンドウにフォーカスを切り替える。フォーカス切り替え手段40は、ウィンドウ確認手段38により確認されるウィンドウと、フォーカスウィンドウ情報36により特定されるウィンドウと、が一致する場合は、すでにウィンドウ確認手段38により確認されるウィンドウがフォーカスされているため、フォーカスを切り替えない。これにより、入力情報を入力した入力デバイスと関連付けられたウィンドウにフォーカスを切り替えることができる。フォーカス切り替え手段40は、ウィンドウのフォーカスを切り替える場合、その旨を示す情報(以下、フォーカス切り替え通知)を画面生成手段44及びフォーカスウィンドウ情報更新手段46に通知する。
【0028】
図1に示すCPU18が実行手段42として機能する。実行手段42は、記憶手段32が記憶する入力情報を読み出して、入力情報に基づく処理を実行する。例えば、入力情報がキーボードからのキー情報であれば、キーボードに関連付けられたウィンドウに対してスキャンコードに対応する文字の出力や制御コードに応じた制御を行う。
【0029】
図1に示す画面処理部20が画面生成手段44として機能する。画面生成手段44は、実行手段42の実行結果が反映されるように、画面情報を生成して、表示装置24に画面情報を出力する。その際、画面生成手段44は、フォーカス切り替え手段40からフォーカス切り替え通知を受けた場合、ウィンドウのフォーカスが切り替わったことを画面情報に反映する。例えば、画面生成手段44は、フォーカスが切り替わったウィンドウが最前面となるように画面情報を生成する。
【0030】
図1に示すCPU18がフォーカスウィンドウ情報更新手段46として機能する。フォーカスウィンドウ情報更新手段46は、フォーカス切り替え手段40からフォーカス切り替え通知を受けた場合、記憶手段32が記憶するフォーカスウィンドウ情報36を更新する。
【0031】
図4を参照して、実施例1に係るウィンドウ管理テーブル34のデータ構造を説明する。図4は、実施例1に係るウィンドウ管理テーブル34のデータ構造の一例を示す説明図である。図4のように、ウィンドウ管理テーブル34は、行毎に、入力デバイス識別情報である入力デバイス名と、ウィンドウ識別情報であるウィンドウハンドル名と、を関連付けるテーブルである。図4の例では、入力デバイスD1とウィンドウハンドル名が「aaaa」であるウィンドウとが関連付けられている。入力デバイスD2とウィンドウハンドル名が「mmmm」であるウィンドウとが関連付けられている。入力デバイスDnとウィンドウハンドル名が「xxxx」であるウィンドウとが関連付けられている。なお、入力デバイス識別情報とウィンドウ識別情報とを1対1で関連付けなくてもよい。例えば、1つのウィンドウ識別情報に対して、複数の入力デバイスを関連付けてもよい。これにより、例えば1つのウィンドウの作業を複数の入力デバイスを用いて行うことができる。なお、図4に示すウィンドウ管理テーブル34のデータ構造は一例であって、他のデータ構造でもよい。
【0032】
図5を参照して、実施例1に係るウィンドウのフォーカスを切り替える処理の一例を説明する。図5は、実施例1に係るウィンドウのフォーカスを切り替える処理の一例を示すフローチャートである。図5のように、入力検出手段30は、入力デバイスからの入力があるか否かを判定する(ステップS10)。入力検出手段30は、入力デバイスからの入力がある場合にYesと判定する。ステップS10がNoの場合、処理を終了する。
【0033】
ステップS10がYesの場合、記憶手段32は、入力デバイスから入力された入力情報31を記憶する(ステップS12)。ウィンドウ確認手段38は、記憶手段32が記憶するウィンドウ管理テーブル34を読み出して、入力情報を入力した複数の入力デバイスのいずれかと関連付けられているウィンドウを確認する(ステップS14)。例えば、ウィンドウ管理テーブル34が図4であって、入力情報を入力した入力デバイスが入力デバイスD1である場合、ウィンドウ確認手段38は、ウィンドウ管理テーブルから入力デバイスが入力デバイスD1である行を検索して、その行のウィンドウハンドル名「aaaa」を確認する。フォーカス切り替え手段40は、記憶手段32が記憶するフォーカスウィンドウ情報36を読み出す(ステップS16)。
【0034】
フォーカス切り替え手段40は、ステップS14で確認されたウィンドウ識別情報と、ステップS16で読み出したウィンドウ確認情報とが一致するか否かを判定する(ステップS16)。ステップS14で確認されたウィンドウ識別情報と、ステップS16で確認したウィンドウ確認情報とが一致しない場合(ステップS18のNo)、ステップS14でウィンドウ確認手段38が確認したウィンドウにフォーカスを切り替える(ステップS20)。ステップS14で確認したウィンドウ識別情報と、ステップS16で確認したウィンドウ確認情報とが一致する場合(ステップS18のYes)又はステップS20の後、実行手段42は、記憶手段32が記憶する入力情報を読み出して、入力情報に基づく処理を実行する(ステップS22)。画面生成手段44は、実行手段42の実行結果が反映されるように、画面情報を生成する(ステップS24)。画面生成手段44は、表示装置24に画面情報を出力する(ステップS26)。以上で、処理を終了する。
【0035】
図6を参照して、実施例1に係るウィンドウのフォーカスを切り替える場合の動作の一例を説明する。図6(a)、図6(b)、図6(c)、図6(d)、図6(e)及び図6(f)は、実施例1に係るウィンドウのフォーカスを切り替える場合の表示装置24の画面の変化を時系列で示す説明図である。図6(a)、図6(b)、図6(c)、図6(d)、図6(e)及び図6(f)では、図2と同様に、表示装置24の画面50に2つのウィンドウ52及び54が表示される例を示している。ウィンドウ52及び54は、ウィンドウ管理テーブル34により、それぞれ入力デバイスであるキーボード1及びキーボード2と関連付けられているとする。ウィンドウ52には、キーボード1から入力したキー情報が表示され、ウィンドウ54には、キーボード2から入力したキー情報が表示される。
【0036】
図6(a)は、初期状態であり、ウィンドウ54がフォーカスされている状態を示している。図6(b)は、キーボード1により「a」というキー情報が入力された状態を示している。このとき、キーボード1に関連付けられたウィンドウ52がフォーカスされていないため、フォーカス切り替え手段40は、ウィンドウ52にフォーカスを切り替える。図6(c)は、図6(b)でキーボード1により入力された「a」がウィンドウ52に表示された状態を示している。図6(d)は、キーボード1によりさらに「b」というキー情報が入力された状態を示している。このとき、キーボード1に関連付けられたウィンドウ52がフォーカスされているため、ウィンドウのフォーカスは切り替わらず、「b」がウィンドウ52に表示される。図6(e)は、キーボード2により「c」というキー情報が入力された状態を示している。このとき、キーボード2に関連付けられたウィンドウ54がフォーカスされていないため、フォーカス切り替え手段40は、ウィンドウ54にフォーカスを切り替える。図6(f)は、図6(e)でキーボード2により入力された「c」がウィンドウ54に表示された状態を示している。このように、ユーザは、入力デバイスで入力する際に、事前にウィンドウのフォーカスを切り替える必要がない。よって、ユーザによる操作の煩雑さを軽減することができる。
【0037】
実施例1によれば、入力装置10は、情報を入力する複数の入力デバイスD1、D2・・・Dnと、画面に複数のウィンドウを表示する表示装置24と、に接続され、複数の入力デバイスD1、D2・・・Dnのうちいずれかから入力される情報に基づく処理を、複数のウィンドウのうち選択されたいずれかのウィンドウであるフォーカスされたウィンドウに対して実行する。図5のステップS20のように、フォーカス切り替え手段40は、所定の情報を入力した複数の入力デバイスD1、D2・・・Dnのいずれかに応じて、フォーカスされたウィンドウを複数のウィンドウのいずれかに切り替える。これにより、複数の入力デバイスのいずれから情報が入力される場合であっても、ユーザがウィンドウのフォーカスを事前に切り替えることなく、その入力デバイスと関連付けられたウィンドウがフォーカスされるように、フォーカスを切り替えることができる。よって、ユーザによる操作の煩雑さを軽減することができる。
【0038】
実施例1によれば、入力装置10は、記憶手段32と、ウィンドウ確認手段38とを備える。記憶手段32は、複数の入力デバイスD1、D2・・・Dnのそれぞれと複数のウィンドウのいずれかとを関連付けるウィンドウ管理テーブル34と、フォーカスされたウィンドウが複数のウィンドウのうちいずれであるかを示すフォーカスウィンドウ情報36と、を記憶する。ウィンドウ確認手段38は、図5のステップS14のように、記憶手段32が記憶するウィンドウ管理テーブル34に基づいて、所定の情報を入力した複数の入力デバイスD1、D2・・・Dnのいずれかと関連付けられているウィンドウを確認する。切り替え手段は、図5のステップ18のNoのように、ウィンドウ確認手段38により確認されるウィンドウと、フォーカスウィンドウ情報36により特定されるウィンドウと、が一致しない場合、図5のステップS20のように、ウィンドウ確認手段38により確認されるウィンドウにフォーカスを切り替える。これにより、複数の入力デバイスのいずれから情報が入力される場合であっても、ユーザがウィンドウのフォーカスを事前に切り替えることなく、その入力デバイスと関連付けられたウィンドウがフォーカスされるように、フォーカスを切り替えることができる。よって、ユーザによる操作の煩雑さを軽減することができる。
【0039】
実施例1に示す入力装置10はコンピュータの例である。例えば、メモリ22が記憶するプログラムが、コンピュータを、所定の情報を入力した複数の入力デバイスD1、D2・・・Dnに応じて、フォーカスされたウィンドウを複数のウィンドウのいずれかに切り替えるフォーカス切り替え手段40として機能させるようにしてもよい。
【実施例2】
【0040】
図7を参照して、実施例2に係る入力装置10の機能を説明する。図7は、実施例2に係る入力装置10の機能ブロック図である。なお、図7において、図3に示す構成と同一の構成には同一の符号を付して、以下の説明において、重複する説明を省略する。図7は、図3と比較して、入力デバイスD(n+1)及び更新手段48が追加されている点が異なる。入力検出手段30は、実施例1で説明した機能に加え、追加する入力デバイスD(n+1)のデバイス識別情報を更新手段48に通知する。図1に示すCPU18が更新手段48として機能する。更新手段48は、入力検出手段30から通知されるデバイス識別情報と、ユーザの指示に基づいて、記憶手段32が記憶するウィンドウ管理テーブル34を更新する。画面生成手段44は、追加する入力デバイスD(n+1)が接続された場合に、画面情報を生成する。このとき画面生成手段44が生成する画面情報の例については、図8にて説明する。画面生成手段44は、生成した画面情報を表示装置24に出力する。
【0041】
図8を参照して、実施例2に係る画面生成手段44が生成する画面情報の一例を説明する。図8は、実施例2に係る画面生成手段44が生成する画面情報の一例を示す説明図である。図8に示すウィンドウ56は、追加する入力デバイスD(n+1)が接続された場合に、表示装置24の画面50に表示される画面情報の例である。ウィンドウ56は、追加する入力デバイスD(n+1)をいずれのウィンドウに関連付けるかをユーザの操作により決定するための機能を備えている。ユーザは、選択欄58のいずれかのラジオボタンを選択することにより、追加する入力デバイスD(n+1)と、ウィンドウハンドル名欄60に示すウィンドウとを関連付ける。図9の例では、ユーザにより、追加する入力デバイスD(n+1)と、ウィンドウハンドル名が「ssss」であるウィンドウとが関連付けられた状態を示している。ユーザは選択欄58のラジオボタンを選択後、OKボタン62を操作して終了する。ユーザは、入力デバイスD(n+1)とウィンドウとを関連付けない場合は、Cancelボタン64を操作する。
【0042】
図9を参照して、実施例2に係る更新手段48がウィンドウ管理テーブル34を更新する処理を説明する。図9は、実施例2に係る更新手段48により更新されたウィンドウ管理テーブル34の一例を示す説明図である。図9は、図8に示すようなウィンドウ56により追加する入力デバイスD(n+1)と、ウィンドウハンドルが「ssss」であるウィンドウとを関連付けた場合に、図4に示すウィンドウ管理テーブル34を更新した場合の例である。図9は、図4と比較して、最下行が追加されている。図9の最下行は入力デバイスD(n+1)と、ウィンドウハンドル名が「ssss」であるウィンドウとが関連付けられていることを示している。
【0043】
図10を参照して、実施例2に係る追加する入力デバイスを接続する場合に、ウィンドウ管理テーブル34を更新する処理の一例を説明する。図10は、実施例2に係る追加する入力デバイスを接続する場合に、ウィンドウ管理テーブル34を更新する処理の一例を示すフローチャートである。図10のように、入力検出手段30は、追加する入力デバイスが接続されたか否かを判定する(ステップS30)。入力検出手段30は、追加する入力デバイスが接続された場合に、Yesと判定する。ステップS30がNoの場合、処理を終了する。ステップS30がYesの場合、画面生成手段44は、例えば図8に示すような画面情報を生成する(ステップS32)。画面生成手段44は、画面情報を表示装置24に出力する(ステップS34)。入力検出手段30は、ステップS34で出力した画面情報に対して、ユーザの指示があるか否かを判定する(ステップS36)。ユーザの指示がない場合(ステップS36のNo)、ユーザの指示があるまで、ステップS36を繰り返す。ユーザの指示があった場合(ステップS36のYes)、更新手段48は、例えば図9のように、ユーザの指示に基づいて、ウィンドウ管理テーブル34を更新する(ステップS38)。以上で、処理を終了する。
【0044】
実施例2によれば、入力装置10は、更新手段48を備える。更新手段48は、図10に示すステップS40のように、追加する入力デバイスを入力装置10に接続する場合、追加する入力デバイスと複数のウィンドウのいずれかとを関連付けるようにウィンドウ管理テーブル34を更新する。これにより、入力デバイスを新たに追加する場合であっても、ユーザは入力デバイスとウィンドウとを関連付けて、追加する入力デバイスから入力する場合に事前にウィンドウのフォーカスを切り替える手間を省くことができる。よって、ユーザによる操作の煩雑さを軽減することができる。
【0045】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0046】
10 入力装置
12、14、16 I/F
18 CPU
20 画面処理部
22 メモリ
30 入力検出手段
32 記憶手段
38 ウィンドウ確認手段
40 フォーカス切り替え手段
42 実行手段
44 画面生成手段
46 フォーカスウィンドウ情報更新手段
48 更新手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を入力する複数の入力デバイスと、画面に複数のウィンドウを表示する表示装置と、に接続され、前記複数の入力デバイスのうちいずれかから入力される情報に基づく処理を、前記複数のウィンドウのうち選択されたいずれかのウィンドウであるフォーカスされたウィンドウに対して実行する入力装置であって、
所定の情報を入力した前記複数の入力デバイスのいずれかに応じて、前記フォーカスされたウィンドウを複数のウィンドウのいずれかに切り替える切り替え手段を備えることを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記複数の入力デバイスのそれぞれと前記複数のウィンドウのいずれかとを関連付けるテーブルと、前記フォーカスされたウィンドウが前記複数のウィンドウのうちいずれであるかを示すフォーカスウィンドウ情報と、を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段が記憶する前記テーブルに基づいて、前記所定の情報を入力した前記複数の入力デバイスのいずれかと関連付けられているウィンドウを確認するウィンドウ確認手段と、
を備え、前記切り替え手段は、前記ウィンドウ確認手段により確認されるウィンドウと、前記フォーカスウィンドウ情報により特定されるウィンドウと、が一致しない場合、前記ウィンドウ確認手段により確認されるウィンドウにフォーカスを切り替えることを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
追加する入力デバイスを前記入力装置に接続する場合、前記追加する入力デバイスと前記複数のウィンドウのいずれかとを関連付けるように前記テーブルを更新する更新手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
情報を入力する複数の入力デバイスと、画面に複数のウィンドウを表示する表示装置と、に接続され、前記複数の入力デバイスのうちいずれかから入力される情報に基づく処理を、前記複数のウィンドウのうち選択されたいずれかのウィンドウであるフォーカスされたウィンドウに対して実行する入力装置の入力方法であって、
所定の情報を入力した前記複数の入力デバイスに応じて、前記フォーカスされたウィンドウを複数のウィンドウのいずれかに切り替えるステップを備えることを特徴とする入力方法。
【請求項5】
情報を入力する複数の入力デバイスと、画面に複数のウィンドウを表示する表示装置と、に接続されるコンピュータに、前記複数の入力デバイスのうちいずれかから入力される情報に基づく処理を、前記複数のウィンドウのうち選択されたいずれかのウィンドウであるフォーカスされたウィンドウに対して実行させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
所定の情報を入力した前記複数の入力デバイスに応じて、前記フォーカスされたウィンドウを複数のウィンドウのいずれかに切り替える切り替え手段として機能させることを特徴とするプログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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